JP6749799B2 - 燃料電池の制御装置及び制御方法並びに発電システム - Google Patents
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Description
また、特許文献3には、外気温度が低い場合に、燃料電池モジュール内を所定の温度範囲に維持すべく、燃料供給量を増量補正する外気温補正手段と、所定の条件に基づいて、外気温補正手段による燃料供給量の増量補正を制限する補正制限手段とを備える燃料電池が開示されている。
また、特許文献4には、SOFCの電流値を調整することにより、セルスタック毎の温度分布を抑制するように構成された燃料電池システムが開示されている。
また、SOFCの発電室は熱容量が大きく、発電室の温度制御に関する操作量を制御する際に応答遅れが発生する。つまり、発電室の温度制御に関する指令を出してから実際に発電室温度が変化して安定するまでには、しばらく時間経過を要する。負荷上昇時における各制御量が規定値を超えるオーバーシュートを回避するために、各制御に関する操作指令を順次に出して各制御量が変化し安定してから次の操作の指令を出すという、各操作量を緩やかに変化させることも考えられるが、そのような制御を行う場合には、制御量が目標値に到達して操作が終了するまでに相当な長い時間を要することとなる。
ここで、また、制御部は、複数の制御指令を同時期に受信する。制御部が、各制御指令に基づく各制御系に対する制御処理を並行して実行することにより、それぞれの制御量を並行してそれぞれの制御指令に一致させることが可能となる。これにより、目標負荷に到達するまでの期間を従来に比べて短縮することが可能となる。
所定の裕度は、例えば、最大値に対して約0.5%以下に設定されている。
上記発電室目標温度は、発電室を構成する部材等の耐熱温度から決定される発電室の温度上限値から決定されており、例えば、発電室の温度上限値またはその温度上限値に所定の裕度を持たせた値に設定されている。
また本発明は、燃料極と、固体電解質と、空気極と、を備える複数の燃料電池セルが配置された発電室を備える燃料電池の制御方法であって、前記燃料電池周囲の外気温度を計測する第1工程と、計測した前記外気温度から前記燃料電池の目標負荷を設定する第2工程と、前記目標負荷から前記燃料電池の出力電流指令を設定する第3工程と、発電室温度と所定の発電室目標温度との偏差を用いて、前記第3工程において設定された前記出力電流指令を補正する第4工程と、前記第4工程において補正された前記出力電流指令を用いて、前記燃料電池の負荷を変化させるための複数の制御系の制御指令を設定する第5工程と、前記第5工程によって設定された複数の前記制御系に対する複数の前記制御指令を同時期に受信する第6工程とを備える制御方法を提供する。
〔発電システムの構成〕
まず、本発明の一実施形態に係る発電システムの概略構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る発電システム10の概略構成を示した概略構成図である。図1に示すように、発電システム10は、マイクロガスタービン(以下「MGT」という。)11、発電機12、及びSOFC13を備えている。この発電システム10は、MGT11による発電と、SOFC13による発電とを組み合わせることで、高い発電効率を得るように構成されている。
燃焼器22には、第1空気供給ライン26を介して圧縮機21からの圧縮空気(以下、単に「空気」という。)A1が供給されるとともに、第1燃料ガス供給ライン27を介して燃料ガスL1が供給される。第1空気供給ライン26には、燃焼器22へ供給する空気量を調整するための制御弁65が設けられ、第1燃料ガス供給ライン27には、燃焼器22へ供給する燃料ガス流量を調整するための制御弁70が設けられている。更に、燃焼器22には、後述するSOFC13の燃料ガス再循環ライン49を循環する排燃料ガスL3の一部が排燃料ガス供給ライン45を通じて供給される。排燃料ガス供給ライン45には、燃焼器22に供給する排燃料ガス量を調整するための制御弁47が設けられている。更に、燃焼器22には、後述する排空気供給ライン36を通じてSOFC13の空気極13Bで用いられた排空気A2の一部が供給される。
SOFC13は、空気極13Bに酸化剤ガスが供給され、燃料極13Aに燃料ガスが供給されることで発電する。酸化剤ガスは、例えば、酸素を略15%から30%含むガスであり、代表的には空気が好適であるが、空気以外にも燃焼排ガスと空気の混合ガスや、酸素と空気の混合ガスなどが使用可能である。本実施形態では、SOFC13に供給される酸化剤ガスとして、圧縮機21によって圧縮された空気A1の少なくとも一部を採用する場合を例示して説明する。
SOFC13に供給される空気A1の温度は、SOFC13を構成するSOFCカートリッジ203に空気A1を導入する空気供給部や空気供給枝管をはじめSOFCカートリッジ203の構成材料に損傷を与えないよう温度の上限が制限されている。
また、排空気排出ライン34には、外部へ排出する排空気量を調整するための制御弁(もしくは遮断弁)37が設けられている。
次に、図2から図4を参照してSOFC13の構成について説明する。
まず、本実施形態に係るSOFC複合発電システム(燃料電池複合発電システム)のSOFCに用いる円筒形セルスタックについて図2を参照して説明する。図2は、本実施形態に係るセルスタック101の一態様を示した図である。セルスタック101は、円筒形状の基体管103と、基体管103の外周面に複数形成された燃料電池セル105と、隣り合う燃料電池セル105の間に形成されたインターコネクタ107とを備える。燃料電池セル105は、燃料極13Aと固体電解質111と空気極13Bとが積層して形成されている。また、セルスタック101は、基体管103の外周面に形成された複数の燃料電池セル105の内、基体管103の長手軸方向において最も端の一端に形成された燃料電池セル105の空気極13Bに、インターコネクタ107を介して電気的に接続されたリード膜115を備え、最も端の他端に形成された燃料電池セル105の燃料極13Aに電気的に接続されたリード膜(不図示)を備える。
SOFC13の燃料極13Aに供給し利用できる燃料ガスL2は、水素(H2)および一酸化炭素(CO)、メタン(CH4)などの炭化水素系ガス、都市ガス、天然ガスのほか、石油、メタノール、石炭ガス化ガスなどの炭素質原料をガス化設備により製造したガスなどを燃料として運転される。本実施形態での燃料ガスL2は例えば都市ガスを使用し、メタンを主成分とする燃料ガスを用いている。
圧力容器205は、内部の圧力が0.1MPa〜約1MPa、内部の温度が大気温度〜約550℃で運用されるので、耐力性と酸化性ガス中に含まれる酸素などの酸化剤ガスに対する耐食性を保有する材質が利用される。例えばSUS304などのステンレス系材が好適である。
さらに、SOFC13には、燃料極13Aと空気極13Bとの差圧を計測する差圧センサ90(図1参照)等の各種センサが設けられている。SOFC13の各部位に設けられた各種センサ90、92の計測値は、制御装置60に送信される。
次に、上記構成を備える発電システム10において、制御装置60によって実行される制御について簡単に説明する。
また、SOFC13の空気極13Bに供給される空気A1は、熱交換器58により温度が300〜500℃に昇温されおり、空気A1に添加される燃料ガスL2の燃焼反応が生じるように空気極13Bが触媒として機能する温度まで発電室215を昇温させることが出来る。SOFC13が所定圧力まで加圧されると、遮断弁38を開とし、SOFC13とMGT11とを連結させ、SOFC13を経由してMGT11の燃焼器22に空気を供給するコンバインド状態に移行する。
制御装置60は、例えば、コンピュータやシーケンサーであり、CPUと、CPUが実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)と、各プログラム実行時のワーク領域として機能するRAM(Random Access Memory)等を備えている。後述の各種機能を実現するための一連の処理の過程は、プログラムの形式で記録媒体等に記録されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、後述の各種機能が実現される。
第2昇温モードにおいて、SOFC制御装置60aは、発電室温度の温度変化率が上限値を超えないように、燃料ガスL2の流量を制御する。また、SOFC制御装置60aは、発電室温度に応じて、バイパスライン62の制御弁66によりSOFC13の空気極13Bへ供給する空気A1の入口空気温度を制御する。
SOFC制御装置60aは、発電室温度が第2温度閾値Tth2に到達すると、第2昇温モードから負荷上昇モードに切り替える。
また、負荷上昇モードでは、空気極の触媒燃焼およびSOFC13に負荷をかけて発電することによる発熱で発電室温度が上昇するが、負荷上昇に対して発電室温度は遅れて上昇する。
負荷上昇モードにおいて、発電室温度が発電室目標温度Ttagに到達し、負荷が定格負荷などの目標負荷に到達すると、起動完了となる。発電室目標温度TtagはSOFC13が発電による発熱による自己発熱で温度が維持できる温度以上であり、例えば800〜950℃で設定される。
図6に示すように、SOFC制御装置60aは、目標負荷設定部51、出力電流指令設定部52、制御指令設定部53、及び制御部54を備えている。
図7は目標負荷情報の一例を示した図である。図7において、横軸は外気温度、縦軸は目標負荷(=目標出力電流)を示している。目標負荷情報は、例えば、事前にシミュレーションまたは実機試験等の結果に基づいて作成されたものであり、制御弁65の弁開度を全閉にしたとき、換言すると、空気極13Bに供給される空気A1の流量を最大に設定したときに、SOFC13が出力し得る最大負荷(最大電流)の値が外気温度に対応付けられて設定されている。制御弁65等の弁開度が同じ場合、換言すると、流量が同じでも、外気温度が異なる場合には、空気密度が変わるためにSOFC13の発電室215に供給される空気量が変化する。例えば、外気温度が低いと空気密度が高くなり、MGT11の圧縮機21の吐出空気流量が多くなる。発電室215に供給される空気A1は冷却剤として機能するため、空気量が多いほどSOFC13が出力し得る最大負荷を大きくすることが可能となる。このような理由から、目標負荷情報は、図7に示すように、外気温度が低いほど、目標負荷が大きくなる特性とされている。
また、出力電流指令設定部52は、SOFC13の出力電流指令の変化率を所定の変化率以下とするためのリミッタを備えていてもよい。電流変化率を大きくすると目標出力電流に到達する時間を短くすることが出来るが、出力電流のオーバーシュートが発生するとともに、各制御量の応答追従が出来ないものがあると、発電室温度などに応答遅れや波打ちが生じて、出力電流を安定化させるために反って時間を要してしまう場合がある。リミッタの所定の変化率は定格電流の5%〜10%/min程度に設定されるが、シミュレーションまたは実機試験などの結果に基づいて適切な値が設定される。
なお、所定の電流変化率は、出力電流値と目標出力電流との差分に応じて変化させてもよい。例えば、差分が大きい場合には比較的大きな電流変化率で出力電流指令を設定し、差分が小さくなるにつれて電流変化率を小さく設定することとしてもよい。このように電流変化率を変化させることで、目標出力電流に到達するまでの時間を短縮するとともに、発電室温度のオーバーシュートを抑制することが可能となる。
例えば、制御指令設定部53は、燃料極13Aに供給する燃料ガスL2の流量指令を設定する燃料ガス流量設定部53a、空気極13Bに供給する空気A1の入口空気温度指令を設定する入口空気温度設定部53b、MGT出力指令を設定するMGT出力設定部53c、燃料極13Aと空気極13Bとの差圧指令を設定する差圧設定部53d、再循環ブロワの回転数指令を設定する再循環流量設定部53e、及び燃料極13Aに供給する純水の流量指令を設定する純水流量設定部53fを備えている。
入口空気温度設定部53bは、例えば、図9に示すように、出力電流指令と、SOFC13の空気極13Bへの入口空気温度とが関連付けられた入口空気温度情報を有しており、入口空気温度情報から出力電流指令に対応する入口空気温度を取得し、取得した入口空気温度を入口空気温度指令として設定する。
MGT出力設定部53cは、例えば、図10に示すように、出力電流指令とMGT出力とが関連付けられたMGT出力情報を有しており、MGT出力情報から出力電流指令に対応するMGT出力を取得し、取得したMGT出力をMGT出力指令として設定する。ここで、MGT出力情報は、MGT11の圧縮機21に吸気する外気温度に応じてそれぞれ設定されていてもよい。外気温度は例えば外気温度センサ94により計測される。例えば、MGT出力情報は、吸気する外気温度の低下に伴って、同じ出力電流指令に対するMGT出力が高くなるように設定される。これは、外気温度が低いほど、圧縮機21から吐出される空気Aの流量が増加し、燃焼器22からの燃焼ガスGの流量を増加させることが可能だからである。
再循環流量設定部53eは、例えば、図12に示すように、出力電流指令とブロワ回転数とが関連付けられた回転数情報を有しており、ブロワ回転数により再循環ライン49の排燃料ガスL3の一部を再循環させる流量を制御する。回転数情報から出力電流指令に対応する回転数を取得し、取得したブロワ回転数をブロワ回転数指令として設定する。ここで、回転数情報は、MGTの吸気する外気温度に応じて設定されていてもよい。例えば、図7のように外気温度によりSOFC目標負荷が変わる。外気温度が低くなるとSOFC目標負荷が上昇するので、SOFCへ供給する空気流量が増加し系内圧力が上昇する。それにより再循環ガス密度が上昇するので、外気温度が低い時は、外気温度が高い時と同じ再循環流量とするために必要なブロワ回転数は低くなるよう設定する。
純水流量設定部53fは、例えば、図13に示すように、出力電流指令と純水流量とが関連付けられた純水流量情報を有しており、純水流量情報から出力電流指令に対応する純水流量を取得し、取得した純水流量を純水流量指令として設定する。出力電流を増加させる場合、SOFC負荷が増加し、燃料ガス再循環ライン49から供給される水蒸気の供給量も増加する。このため、改質に必要な水蒸気の大部分を燃料ガス再循環ライン49から供給される水蒸気によって賄うことができ、外部から供給が必要な純水流量は減少する。また所定のSOFC負荷となる出力電流以上では、燃料ガス再循環ライン49から改質に必要な全ての蒸気が供給されるので、純水の供給は不要となる。
燃料ガス流量制御部54aは、燃料ガス流量設定部53aからの燃料ガス流量指令に基づいて制御弁42の弁開度を制御することにより、燃料極13Aに供給する燃料ガス量を調整する。
入口空気温度制御部54bは、入口空気温度設定部53bからの入口空気温度指令に基づいて制御弁64、66の弁開度を調整することにより、空気極13Bに供給される空気A1の入口空気温度を制御する。
MGT出力制御部54cは、MGT出力設定部53cからのMGT出力指令に基づいて、主に制御弁65及び制御弁70の弁開度を調整することにより、MGT出力を制御する。
再循環流量制御部54eは、再循環流量設定部53eからのブロワ回転数指令に基づいて再循環ブロワ50の回転数を制御することにより、燃料極13Aに供給する排燃料ガス量を制御する。
純水流量制御部54fは、純水流量設定部53fからの純水流量指令に基づいてポンプ48の吐出流量を調整することにより、燃料極13Aに供給する純水量を制御する。
以下、本実施形態に係るSOFC制御装置について、上述した第1実施形態と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる点について主に説明する。
目標負荷設定部51´は、図7の点線で示されるように、外気温度から決定される最大負荷に対して所定の裕度を持たせた目標負荷情報を用いて目標負荷(=目標出力電流)を設定する。
出力電流指令補正部63は、SOFC13の出力電流が目標負荷設定部51´によって設定された目標負荷(=目標出力電流)に到達した後に、SOFC13の発電室温度と予め設定されている発電室目標温度との差分に基づいて、出力電流指令設定部52によって設定された出力電流指令を補正する。ここで、発電室目標温度は、例えば、発電室215を構成する部材の耐熱温度等から決定される発電室215の上限値に設定されている。
そして、負荷の上昇に合わせて発電室温度も徐々に上昇し、時刻t5において発電室目標温度に達すると、出力電流指令補正部63による出力電流指令の補正が行われる。これにより、時刻t5から時刻t6に示すように、出力電流指令が減少方向に推移し、これに伴い、発電室温度も緩やかに減少した後、目標温度にて整定する。
なお、図16に示したグラフでは、純水流量指令と燃料ガス流量指令との関係を示すために、時刻t2からt4の期間において敢えて出力電流指令を一定値としているが、出力電流指令は連続的に増加するように設定されてもよい。
更に、発電室温度と発電室目標温度との差分に基づいて出力電流指令を補正する出力電流指令補正部63を備えるので、目標負荷に所定の裕度を持たせることによって生じる発電室温度の温度上昇不足を出力電流指令補正部63による出力電流指令の補正によって解消させることができる。これにより、発電室温度を発電室目標温度に到達させることが可能となり、SOFC13の出力をさらに上昇させることが可能となる。
11:MGT(マイクロガスタービン)
12:発電機
13A:燃料極
13B:空気極
50:再循環ブロワ
51、51´:目標負荷設定部
52:出力電流指令設定部
53:制御指令設定部
53a:燃料ガス流量設定部
53b:入口空気温度設定部
53c:MGT出力設定部
53d:差圧設定部
53e:再循環流量設定部
53f:純水流量設定部
54:制御部
54a:燃料ガス流量制御部
54b:入口空気温度制御部
54c:MGT出力制御部
54d:差圧制御部
54e:再循環流量制御部
54f:純水流量制御部
60:制御装置
60a、60a´:SOFC制御装置
63:出力電流指令補正部
68:燃料ガス流量指令補正部
92:温度センサ
94:外気温度センサ
105:燃料電池セル
111:固体電解質
201:SOFCモジュール
203:SOFCカートリッジ
215:発電室
Claims (12)
- 燃料極と、固体電解質と、空気極とを備える複数の燃料電池セルが配置された発電室を備える燃料電池の制御装置であって、
前記燃料電池の周囲の外気温度から前記燃料電池の目標負荷を設定する目標負荷設定部と、
前記目標負荷設定部によって設定された前記燃料電池の目標負荷から前記燃料電池の出力電流指令を設定する出力電流指令設定部と、
前記燃料電池の出力電流指令を用いて、前記燃料電池の負荷を変化させるための複数の制御系に対する複数の制御指令を設定する制御指令設定部と、
前記制御指令設定部によって設定された複数の前記制御系に対する複数の前記制御指令を同時期に受信する制御部と
を備える燃料電池の制御装置。 - 燃料極と、固体電解質と、空気極とを備える複数の燃料電池セルが配置された発電室を備える燃料電池の制御装置であって、
前記燃料電池の周囲の外気温度から前記燃料電池の目標負荷を設定する目標負荷設定部と、
前記目標負荷設定部によって設定された前記燃料電池の目標負荷から前記燃料電池の出力電流指令を設定する出力電流指令設定部と、
発電室温度と所定の発電室目標温度との偏差を用いて、前記出力電流指令設定部によって設定された前記出力電流指令を補正する出力電流指令補正部と、
補正後の前記出力電流指令を用いて、前記燃料電池の負荷を変化させるための複数の制御系に対する複数の制御指令を設定する制御指令設定部と、
前記制御指令設定部によって設定された複数の前記制御系に対する複数の前記制御指令を同時期に受信する制御部と、
を備える燃料電池の制御装置。 - 前記目標負荷設定部は、前記外気温度から設定される前記発電室への酸化剤ガス供給量の最大値または前記最大値に所定の裕度を持たせた値に対応する目標負荷を設定する請求項1または請求項2に記載の燃料電池の制御装置。
- 前記出力電流指令設定部は、所定の電流変化率を用いて、前記目標負荷設定部によって設定された前記燃料電池の目標負荷から前記燃料電池の出力電流指令を設定する請求項1から請求項3のいずれかに記載の燃料電池の制御装置。
- 前記出力電流指令設定部は、前記目標負荷に対する燃料電池の出力電流指令の変化率を所定の変化率以下とするためのリミッタを備えている請求項1から請求項4のいずれかに記載の燃料電池の制御装置。
- 前記燃料電池の負荷を変化させるための複数の前記制御系は、前記燃料極への燃料ガス供給流量、空気極入口空気温度、マイクロガスタービン出力、燃料極と空気極との差圧、再循環ブロワ回転数、純水流量のうち、少なくとも2つを含む請求項1から請求項5のいずれかに記載の燃料電池の制御装置。
- 前記出力電流指令補正部は、前記出力電流指令の増加減率を制限するためのレートリミッタを備え、前記出力電流指令を増加させる方向に補正するときのレートリミッタの値が、前記出力電流指令を低減させる方向に補正するときのレートリミッタの値よりも小さい値に設定されている請求項2に記載の燃料電池の制御装置。
- 複数の前記制御系の制御指令の一つは、燃料ガス流量指令であり、
前記出力電流指令を用いて設定された前記燃料ガス流量指令を前記発電室に供給される純水供給流量に基づいて補正する燃料ガス流量指令補正部を備える請求項1から請求項7のいずれかに記載の燃料電池の制御装置。 - 前記燃料電池は、固体酸化物形燃料電池である請求項1から請求項8のいずれかに記載の燃料電池の制御装置。
- 燃料極と、固体電解質と、空気極とを備える複数の燃料電池セルが配置された発電室を備える燃料電池と、
請求項1から請求項9のいずれかに記載の燃料電池の制御装置と
を備える発電システム。 - 燃料極と、固体電解質と、空気極と、を備える複数の燃料電池セルが配置された発電室を備える燃料電池の負荷変化時における制御方法であって、
前記燃料電池周囲の外気温度を計測する第1工程と、
計測した前記外気温度から前記燃料電池の目標負荷を設定する第2工程と、
前記目標負荷から前記燃料電池の出力電流指令を設定する第3工程と、
前記燃料電池の出力電流指令を用いて、前記燃料電池の負荷を変化させるための複数の制御系の制御指令を設定する第4工程と、
複数の前記制御系に対する複数の前記制御指令を同時期に受信する第5工程と、
を備える制御方法。 - 燃料極と、固体電解質と、空気極と、を備える複数の燃料電池セルが配置された発電室を備える燃料電池の制御方法であって、
前記燃料電池周囲の外気温度を計測する第1工程と、
計測した前記外気温度から前記燃料電池の目標負荷を設定する第2工程と、
前記目標負荷から前記燃料電池の出力電流指令を設定する第3工程と、
発電室温度と所定の発電室目標温度との偏差を用いて、前記第3工程において設定された前記出力電流指令を補正する第4工程と、
前記第4工程において補正された前記出力電流指令を用いて、前記燃料電池の負荷を変化させるための複数の制御系の制御指令を設定する第5工程と、
前記第5工程によって設定された複数の前記制御系に対する複数の前記制御指令を同時期に受信する第6工程と、
を備える制御方法。
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