JP6041091B2 - 固体酸化物型燃料電池 - Google Patents
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Description
また、燃料電池モジュールの出力電圧が大きく降下していない状態では、燃料電池セルスタックには十分な燃料及び発電用の空気が供給されており、燃料電池セルスタックは十分な発電能力を備えた状態にある。上記のように構成された本発明によれば、燃料電池セルスタックに十分な発電能力があり、温度低下のリスクが少ない状態において、燃料供給量の増量補正が制限されるので、燃料の浪費が回避されると共に、過剰な燃料を供給することによる過剰な温度上昇を抑制することができる。
図1は、本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池(SOFC)を示す全体構成図である。この図1に示すように、本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池(SOFC)1は、燃料電池モジュール2と、補機ユニット4を備えている。
また、この燃焼室18の上方には、燃料を改質する改質器20が配置され、前記残余ガスの燃焼熱によって改質器20を改質反応が可能な温度となるように加熱している。さらに、この改質器20の上方には、改質器20の熱を受けて空気を加熱し、改質器20の温度低下を抑制するための空気用熱交換器22が配置されている。
また、燃料電池モジュール2には、燃料ガスの供給量等を制御するための制御ボックス52が取り付けられている。
さらに、燃料電池モジュール2には、燃料電池モジュールにより発電された電力を外部に供給するための電力取出部(電力変換部)であるインバータ54が接続されている。
図2及び図3に示すように、燃料電池モジュール2のハウジング6内の密閉空間8には、上述したように、下方から順に、燃料電池セル集合体12、改質器20、空気用熱交換器22が配置されている。
空気分配室72のそれぞれには、空気導入管76が接続され、この空気導入管76は、下方に延び、その下端側が、発電室10の下方空間に連通し、発電室10に余熱された空気を導入する。
図2に示すように、燃料ガスと空気との燃焼を開始するための点火装置83が、燃焼室18に設けられている。
図4に示すように、燃料電池セルユニット16は、燃料電池セル84と、この燃料電池セル84の上下方向端部にそれぞれ接続された内側電極端子86とを備えている。
燃料電池セル84は、上下方向に延びる管状構造体であり、内部に燃料ガス流路88を形成する円筒形の内側電極層90と、円筒形の外側電極層92と、内側電極層90と外側電極層92との間にある電解質層94とを備えている。この内側電極層90は、燃料ガスが通過する燃料極であり、(−)極となり、一方、外側電極層92は、空気と接触する空気極であり、(+)極となっている。
図5に示すように、燃料電池セルスタック14は、16本の燃料電池セルユニット16を備え、これらの燃料電池セルユニット16の下端側及び上端側が、それぞれ、セラミック製の下支持板68及び上支持板100により支持されている。これらの下支持板68及び上支持板100には、内側電極端子86が貫通可能な貫通穴68a及び100aがそれぞれ形成されている。
図6に示すように、固体酸化物型燃料電池1は、制御部110を備え、この制御部110には、使用者が操作するための「ON」や「OFF」等の操作ボタンを備えた操作装置112、発電出力値(ワット数)等の種々のデータを表示するための表示装置114、及び、異常状態のとき等に警報(ワーニング)を発する報知装置116が接続されている。なお、この報知装置116は、遠隔地にある管理センタに接続され、この管理センタに異常状態を通知するようなものであっても良い。
先ず、可燃ガス検出センサ120は、ガス漏れを検知するためのもので、燃料電池モジュール2及び補機ユニット4に取り付けられている。
CO検出センサ122は、本来排気ガス通路80等を経て外部に排出される排気ガス中のCOが、燃料電池モジュール2及び補機ユニット4を覆う外部ハウジング(図示せず)へ漏れたかどうかを検知するためのものである。
貯湯状態検出センサ124は、図示しない給湯器におけるお湯の温度や水量を検知するためのものである。
発電用空気流量検出センサ128は、発電室10に供給される発電用空気の流量を検出するためのものである。
改質用空気流量センサ130は、改質器20に供給される改質用空気の流量を検出するためのものである。
燃料流量センサ132は、改質器20に供給される燃料ガスの流量を検出するためのものである。
水位センサ136は、純水タンク26の水位を検出するためのものである。
圧力センサ138は、改質器20の外部の上流側の圧力を検出するためのものである。
排気温度センサ140は、温水製造装置50に流入する排気ガスの温度を検出するためのものである。
燃焼室温度センサ144は、燃焼室18の温度を検出するためのものである。
排気ガス室温度センサ146は、排気ガス室78の排気ガスの温度を検出するためのものである。
改質器温度センサ148は、改質器20の温度を検出するためのものであり、改質器20の入口温度と出口温度から改質器20の温度を算出する。
外気温度センサ150は、固体酸化物型燃料電池(SOFC)が屋外に配置された場合、外気の温度を検出するためのものである。また、外気の湿度等を測定するセンサを設けるようにしても良い。
最初は、燃料電池モジュール2を温めるために、無負荷状態で、即ち、燃料電池モジュール2を含む回路を開いた状態で、運転を開始する。このとき、回路に電流が流れないので、燃料電池モジュール2は発電を行わない。
この直ぐ後、燃料流量調整ユニット38からも燃料ガスが供給され、改質用空気が混合された燃料ガスが、改質器20及び燃料電池セルスタック14、燃料電池セルユニット16を通過して、燃焼室18に到達する。
CmHn+xH2O → aCO2+bCO+cH2 (3)
図8に示すように、燃料電池モジュール2の運転停止を行う場合には、先ず、燃料流量調整ユニット38及び水流量調整ユニット28を操作して、燃料ガス及び水蒸気の改質器20への供給量を減少させる。
図9は、需要電力の変化と、燃料供給量、及び燃料電池モジュールから実際に取り出される電流の関係を模式的に示したグラフである。
図10は、本実施形態における外気温補正制御のフローチャートである。図11は、外気温度に対する燃料供給量の補正係数を示す図である。図12は、外気温度に対する発電用空気供給量の補正係数を示す図である。
図11に示すように、本実施形態においては、燃料供給量補正係数は、外気温度が−15℃よりも高く−5℃以下の場合には1.2、−25℃よりも高く−15℃以下の場合には1.4、−25℃以下の場合には1.6に設定されている。燃料電池モジュール2には、発電電力に応じて設定されている燃料供給量(図9)に、燃料供給量補正係数を乗じた量の燃料が供給される。このように、外気温度が低下するほど燃料供給量が大幅に増加されることにより、発電に使用されずに残る残余燃料が増加し、この残余燃料の燃焼熱により燃料電池モジュール2内が加熱されるので、外気温の低下による燃料電池モジュール2内温度の低下が補償される。
本発明の実施形態の固体酸化物型燃料電池1によれば、外気温補正手段110aによる燃料供給量の増量補正が、所定の条件(図10のステップS2、S4及びS5)に基づいて補正制限手段110bにより制限されるので、外気温が低い場合における燃料電池モジュール2内の温度低下のリスクを回避しながら、発電効率の低下、又は過剰な温度上昇の発生を抑制することができる。
特に、上述した実施形態においては、発電電力が所定の補正実行電力以下である場合(図10のステップS2→S3)には、常に補正制限手段110bによる制限が行われていないが、変形例として、発電電力の大きさに応じて補正制限の程度を変えることもできる。例えば、燃料電池モジュール2による発電電力が大きい場合には燃料の増量補正量が大きく制限されて少なくなり、発電電力が小さい場合には、あまり制限されずに増量補正量が多くなるように、補正制限手段110bを構成することもできる。即ち、発電電力が大きい場合には、発電電力が小さい場合よりも、燃料供給量の増量補正が大幅に制限されるように、本発明を構成することもできる。本変形例によれば、過剰な温度低下に陥る可能性が低い状態ほど大幅に燃料供給量の増量補正が制限されるので、温度低下のリスクを回避しながら燃料消費を抑制することができる。
2 燃料電池モジュール
4 補機ユニット
7 断熱材(蓄熱材)
8 密封空間
10 発電室
12 燃料電池セル集合体
14 燃料電池セルスタック
16 燃料電池セルユニット(固体酸化物型燃料電池セル)
18 燃焼室(燃焼部)
20 改質器
22 空気用熱交換器
24 水供給源
26 純水タンク
28 水流量調整ユニット(水供給手段)
30 燃料供給源
38 燃料流量調整ユニット(燃料供給手段)
40 空気供給源
44 改質用空気流量調整ユニット
45 発電用空気流量調整ユニット(発電用酸化剤ガス供給手段)
46 第1ヒータ
48 第2ヒータ
50 温水製造装置
52 制御ボックス
54 インバータ
66 マニホールド(分散室)
76 空気導入管
76a 吹出口
83 点火装置
84 燃料電池セル
110 制御部(制御手段)
110a 外気温補正手段
110b 補正制限手段
110c 蓄熱量推定手段
112 操作装置
114 表示装置
116 警報装置
126 電力状態検出センサ(買電力検出手段)
132 燃料流量センサ(燃料供給量検出センサ)
138 圧力センサ(改質器圧力センサ)
140 排気温度センサ
142 発電室温度センサ(温度検出手段)
148 改質器温度センサ(温度検出手段)
150 外気温度センサ
Claims (5)
- 水素と酸化剤ガスを反応させることにより発電する固体酸化物型燃料電池であって、
燃料電池セルスタックを備えた燃料電池モジュールと、
この燃料電池モジュールに燃料を供給する燃料供給手段と、
上記燃料電池セルスタックの空気極側に、外気から取り込んだ空気を供給する発電用空気供給手段と、
上記燃料電池モジュール内の熱を蓄積する蓄熱材と、
外気の温度を検出する外気温度センサと、
上記燃料供給手段、及び上記発電用空気供給手段を制御して、上記燃料電池モジュール内の温度を所定の温度範囲に維持しながら、上記燃料電池モジュールに電力を生成させる制御手段と、を有し、
上記制御手段は、上記外気温度センサによって検出された外気温が低い場合には、上記燃料電池モジュール内を所定の温度範囲に維持すべく、上記燃料供給手段による燃料供給量を増量補正する外気温補正手段と、所定の条件に基づいて、上記外気温補正手段による燃料供給量の増量補正を制限する補正制限手段と、を有し、
上記補正制限手段は、上記燃料電池モジュールの出力電圧の降下が、所定の電圧降下量以下である場合に、上記外気温補正手段による燃料供給量の増量補正を制限することを特徴とする固体酸化物型燃料電池。 - 水素と酸化剤ガスを反応させることにより発電する固体酸化物型燃料電池であって、
燃料電池セルスタックを備えた燃料電池モジュールと、
この燃料電池モジュールに燃料を供給する燃料供給手段と、
上記燃料電池セルスタックの空気極側に、外気から取り込んだ空気を供給する発電用空気供給手段と、
上記燃料電池モジュール内の熱を蓄積する蓄熱材と、
外気の温度を検出する外気温度センサと、
上記燃料供給手段、及び上記発電用空気供給手段を制御して、上記燃料電池モジュール内の温度を所定の温度範囲に維持しながら、上記燃料電池モジュールに電力を生成させる制御手段と、を有し、
上記制御手段は、上記外気温度センサによって検出された外気温が低い場合には、上記燃料電池モジュール内を所定の温度範囲に維持すべく、上記燃料供給手段による燃料供給量を増量補正する外気温補正手段と、所定の条件に基づいて、上記外気温補正手段による燃料供給量の増量補正を制限する補正制限手段と、
上記燃料電池モジュール内に蓄積されている熱量を推定する蓄熱量推定手段と、を有し、
上記補正制限手段は、上記蓄熱量推定手段により推定された蓄熱量が所定熱量以上である場合に、上記外気温補正手段による燃料供給量の増量補正を制限することを特徴とする固体酸化物型燃料電池。 - 上記補正制限手段は、上記燃料電池モジュールによる発電電力が大きい場合における燃料供給量の増量補正の量を、発電電力が小さい場合における燃料供給量の増量補正の量よりも少なくする請求項1又は2に記載の固体酸化物型燃料電池。
- 上記補正制限手段は、上記燃料電池モジュールによる発電電力が所定の補正実行電力以下の場合には、上記外気温補正手段による燃料供給量の増量補正の制限を行わない請求項3記載の固体酸化物型燃料電池。
- 上記外気温補正手段は、上記外気温度センサによって検出された外気温が低い場合には、上記発電用空気供給手段による空気供給量の減量補正を実行し、上記補正制限手段は、空気供給量の減量補正に対しては制限を行わない請求項1又は2に記載の固体酸化物型燃料電池。
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