JP2018004739A - 感光性樹脂組成物及びブラックマトリックス - Google Patents
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Abstract
【課題】充分な表面硬度を有し、かつフレキシブル基材に対して用いることが可能なフレキシブル性を有し、さらに薄膜であっても充分な遮光性を有する硬化膜を形成することが可能な感光性樹脂組成物及び該感光性樹脂組成物からなる遮光性硬化膜を有するブラックマトリックスを提供する。【解決手段】本発明の感光性樹脂組成物は、カルボキシル基を有するバインダーポリマーと、少なくとも3つのエチレン性不飽和基を有し、下記一般式(1)で示される構造を有する光重合性化合物と、光重合開始剤と、カーボンブラックを有する遮光成分と、を含有し、基材上に遮光性硬化膜を形成するために用いられる。【化1】[一般式(1)中、nは3〜12の整数を示し、mは1〜4の整数を示す。]【選択図】なし
Description
本発明は、基材上に硬化膜を形成するための感光性樹脂組成物に関し、特にはバックライトなどからの余分な光を遮光するのに好適なフレキシブル性を有する遮光性光硬化膜を形成するために用いられる感光性樹脂組成物及び前記遮光性硬化膜を有するブラックマトリックスに関する。
感光性組成物は、紫外線あるいは電子線等を照射することにより重合硬化させることができるので、例えば光硬化性インキ、感光性印刷版、プリント配線板、各種フォトレジスト、及びカラーフィルタ等の用途に使用されている。
近年、液晶表示装置においてさらなる軽量化、薄型化が求められており、カラーフィルタにおいては、十分な開口率で、十分な色純度及びコントラストを維持しつつ、微細なパターンを有する着色層及びブラックマトリックスを精度良くパターン加工し得る感光性組成物が望まれている(特許文献1、2参照)。
一方、液晶表示装置のバックライトの輝度が向上し、液晶表示装置の額縁部からバックライトの光が漏れるという問題がある。ブラックマトリックスとしては、そのような光漏れを防ぐべく、遮光性向上が求められている。
さらにウェアラブル機器の普及により、デバイスのデザイン性や意匠性の観点からタッチパネルや基材に対するフレキシブル性の要求は年々高まっており、フレキシブルな材料が使用されている。
ところで、ブラックマトリックスの遮光性を向上させることについては、一般に感光性組成物中に含まれるカーボンブラックなどの遮光成分の含有量を多くする試みがなされている。しかしながら、遮光成分の含有量を多くすると、基板に対する該感光性組成物の密着性の低下および感度低下に加え、現像性、解像性、塗膜形成性などが悪化する等の問題があった。
一方、塗膜のフレキシブル性を向上させる目的で、感光性樹脂組成物に、ウレタン骨格など、柔軟性骨格を有する材料を用いることで、フレキシブル性を付与する方法が知られている(例えば、特許文献3)。しかしながら、柔軟性骨格を有する材料を使用すると、表面硬度が低下し、傷に対する耐性が低くなるという問題があった。
タッチパネル硬化膜に対するフレキシブル性の要求はあったが、硬化膜の表面の傷に対する耐性、バックライトからの光漏れを抑制するための遮光性などが必要であり、表面硬度と遮光性が求められる。これまで、表面硬度、遮光性等の性能を有し、さらにはフレキシブル性を有する黒色の感光性樹脂組成物から形成される膜について検討された例はなかった。
本発明は、充分な表面硬度を有し、かつフレキシブル基材に対して用いることが可能なフレキシブル性を有し、さらに薄膜であっても充分な遮光性を有する硬化膜を形成することが可能な感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討した結果、特定のバインダーポリマー、特定の光重合性化合物、特定の遮光成分及び特定の光重合開始剤を好適な配合量含有する感光性樹脂組成物を用いて光硬化によって形成した膜が、薄膜の場合であっても充分な表面硬度と遮光性とを示し、さらに充分なフレキシブル性を有していることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、カルボキシル基を有するバインダーポリマーと、少なくとも3つのエチレン性不飽和基を有し、下記一般式(1)で示される構造を有する光重合性化合物と、光重合開始剤と、カーボンブラックからなる遮光成分と、を含有し、所望の基材上に遮光性硬化膜を形成するために用いられる、感光性樹脂組成物を提供する。
[一般式(1)中、nは3〜12の整数を示し、mは1〜4の整数を示す。]
本発明の感光性樹脂組成物によれば、充分な表面硬度を有し、かつフレキシブル基材に対して用いることが可能なフレキシブル性(柔軟性)を有し、さらに薄膜(例えば、厚み10μm以下の膜)であっても充分な遮光性を有する硬化膜を形成することが可能である。また、本発明の感光性樹脂組成物は充分な現像性も有する。
上記光重合性化合物が、ペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、ジペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、トリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、イソシアヌレート由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、及びグリセリン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含んでもよい。このような光重合性化合物を含むことにより、得られる硬化膜の表面硬度をさらに向上させることができる。
また、本発明は、上記の感光性樹脂組成物からなる遮光性硬化膜を有するブラックマトリクスを提供する。本発明のブラックマトリックスは、充分な表面硬度を有し、かつフレキシブル基材に対して用いることが可能なフレキシブル性(柔軟性)を有するだけでなく、優れた遮光性を有する。
本発明は、所定の基材上に、充分な表面硬度を有し、かつフレキシブル基材に対して用いることが可能なフレキシブル性を有し、さらに薄膜であっても充分な遮光性を有する硬化膜を形成することが可能な感光性樹脂組成物及び該感光性樹脂組成物からなる遮光性硬化膜を有するブラックマトリックスを提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」又は「メタクリル酸」を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」又は「メタクリレート」を意味し、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」又は「メタクリロイル基」を意味する。また、「(ポリ)オキシエチレン鎖」は「オキシエチレン基」又は「ポリオキシエチレン基」を意味し、「(ポリ)オキシプロピレン鎖」は「オキシプロピレン基」又は「ポリオキシプロピレン基」を意味する。「A又はB」とは、AとBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。また、例示材料は特に断らない限り単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。また本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
更に本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、カルボキシル基を有するバインダーポリマー(以下、(A)成分ともいう)と、少なくとも3つのエチレン性不飽和基を有し、下記一般式(1)で示される構造を有する光重合性化合物(以下、(B)成分ともいう)と、光重合開始剤(以下、(C)成分ともいう)と、カーボンブラックからなる遮光成分(以下、(D)成分ともいう)と、を含有する。本実施形態にかかる感光性樹脂組成物は、所望の基材上に遮光性硬化膜を形成するために用いられる。
[一般式(1)中、nは3〜12の整数を示し、mは1〜4の整数を示す。]
カルボキシル基を有するバインダーポリマー((A)成分ともいう。)は、分子中にカルボキシ基を有していれば、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂等を用いることができる。
本実施形態において、(A)成分は、(a)(メタ)アクリル酸、及び(b)(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位を含有する共重合体が好適である。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、及び(メタ)アクリル酸ヒドロキシルエチルエステルが挙げられる。
上記共重合体は、更に、上記の(a)成分及び(b)成分と共重合し得るその他のモノマーを構造単位に含有していてもよい。
上記の(a)成分及び(b)成分と共重合し得るその他のモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、アクリロニトリル、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、及びビニルトルエンが挙げられる。
(A)成分であるバインダーポリマーの分子量は、特に制限はないが、塗工性及び塗膜強度、現像性の見地から、通常、重量平均分子量が5000〜200000であることが好ましく、10000〜150000であることがより好ましく、30000〜60000であることがさらに好ましい。本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定され、標準ポリスチレンを用いて作成した検量線により換算された値である。
(A)成分であるバインダーポリマーの酸価は、特に制限されるものではないが、酸価が30〜120mgKOH/gであることが好ましく、50〜120mgKOH/gであることがよりに好ましく、70〜120mgKOH/gであることがさらに好ましい。バインダーポリマーの酸価が上記範囲内にある場合、現像工程により感光性樹脂組成物層を選択的に除去してパターンを形成する工程において、公知の各種現像液により現像可能となり、且つ、水分、塩分等の腐食成分への耐性を向上させる観点から、30〜120mgKOH/gの範囲であることが好ましい。
バインダーポリマーの酸価を30〜120mgKOH/gとすることにより、水と、アルカリ金属塩と、界面活性剤とを含むアルカリ水溶液を用いて現像することができる。バインダーポリマーの酸価を30mgKOH/g以上とすることで、現像性をより向上させることが可能であり、120mgKOH/g以下とすることにより例えば電極の保護膜としての性能(例えば耐腐食性や防錆性等)を向上させることができる。
また、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、トリエタノールアミン等のアルカリ水溶液を用いて現像する場合には、酸価を50〜120mgKOH/gとすることがより好ましい。現像性に優れる点では、50mgKOH/g以上であることが好ましく、透明電極を保護する際、水分、塩分等の腐食成分から電極を保護する観点からは、100mgKOH/g以下であることがより好ましい。
バインダーポリマーの酸価は、次のようにして測定することができる。すなわち、まず、酸価を測定すべきポリマー1gを精秤した後、このポリマー溶液にアセトンを30g添加し、これを均一に溶解する。なお、バインダーポリマーに合成溶媒や希釈溶媒などの揮発分が含まれる場合は、予め、揮発分の沸点よりも10℃程度高い温度で1〜4時間加熱し、揮発分を除去しておく。次いで、指示薬であるフェノールフタレインをその溶液に適量添加して、0.1NのKOH水溶液を用いて滴定を行う。そして、次式により酸価を算出する。
酸価=10×Vf×56.1/(Wp×I)
式中、VfはKOH水溶液の滴定量(mL)を示し、Wpは測定したポリマー溶液の質量(g)を示し、Iは測定したポリマー溶液中の不揮発分の割合(質量%)を示す。
酸価=10×Vf×56.1/(Wp×I)
式中、VfはKOH水溶液の滴定量(mL)を示し、Wpは測定したポリマー溶液の質量(g)を示し、Iは測定したポリマー溶液中の不揮発分の割合(質量%)を示す。
(A)成分であるバインダーポリマーの水酸基価は、特に制限されるものではないが、の水酸基価が50mgKOH/g以下であることが好ましい。
バインダーポリマーの水酸基価は、次のようにして測定することができる。すなわち、まず、水酸基価を測定すべきポリマー1gを精秤する。なお、バインダーポリマーに合成溶媒や希釈溶媒などの揮発分が含まれる場合は、予め、揮発分の沸点よりも10℃程度高い温度で1〜4時間加熱し、揮発分を除去しておく。精秤したバインダーポリマーに、10質量%の無水酢酸ピリジン溶液を10mL加えてこれを均一に溶解し、100℃で1時間加熱する。加熱後、水10mLとピリジン10mLを加えて100℃で10分間加熱する。その後、自動滴定機(平沼産業株式会社製「COM−1700」を用いて、0.5mol/Lの水酸化カリウムのエタノール溶液により中和滴定することにより測定できる。なお、水酸基価は次式により算出できる。
水酸基価=(A−B)×f×28.05/試料(g)+酸価
式中、Aは空試験に用いた0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液の量(mL)を示し、Bは滴定に用いた0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液の量(mL)を示し、fはファクターを示す。
水酸基価=(A−B)×f×28.05/試料(g)+酸価
式中、Aは空試験に用いた0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液の量(mL)を示し、Bは滴定に用いた0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液の量(mL)を示し、fはファクターを示す。
(B)成分である、光重合性化合物は、少なくとも3つのエチレン性不飽和基を有し、上記一般式(1)で示される構造を有する。
上記一般式(2)中、Xは(a+b)価の有機基を示す。A1は、水素原子、水酸基、炭素数1〜3のアルキル基、メチロール基、又はヒドロキシルエチル基を示し、A2は、エチレン性不飽和基を示し、Lは、直接結合、又はアルキレンオキシ基を示す。aは3以上の整数を示し、bは0〜3の整数を示し、(a+b)は3〜6の整数を示す。nは3〜12の整数を示し、mは1〜4の整数を示す。なお、複数存在するA1、A2、及びLは、それぞれ同一であっても異なってもよい。A2は、(メタ)アクリロイル基であることが好ましい。Xは、ペンタエリスリトール由来の骨格、ジペンタエリスリトール由来の骨格、トリメチロールプロパン由来の骨格、イソシアヌレート由来の骨格及びグリセリン由来の骨格のいずれかであることが好ましい。
(B)成分としては、硬化膜の表面硬度及び現像容易性の観点から、ペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、ジペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、トリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、イソシアヌレート由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、及びグリセリン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含むことが好ましく、ジペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物及びトリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、イソシアヌレート由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物から選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。
ここで、上記ジペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物には、アルキレンオキシ基で変性された化合物も包含される。上記ジペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物は、一分子中におけるエステル結合を有してもよく、一分子中におけるエステル結合の数が6であることが好ましいが、エステル結合の数が1〜5の化合物が混合していてもよい。
また、上記トリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物には、アルキレンオキシ基で変性された化合物も包含される。上記トリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物は、一分子中におけるエステル結合を有してもよく、一分子中におけるエステル結合の数が3であることが好ましいが、エステル結合の数が1〜2の化合物が混合していてもよい。
また、上記イソシアヌレート由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物には、アルキレンオキシ基で変性された化合物も包含される。上記イソシアヌレート由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物は、一分子中におけるエステル結合を有してもよく、一分子中におけるエステル結合の数が3であることが好ましいが、エステル結合の数が1〜2の化合物が混合していてもよい。
上記化合物としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパントリ、テトラメチロールメタン、テトラメチロールメタン、ジペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の多価アルコール(アルキレンオキサイド変性物を含む)のε−カプロラクトン変性物に対してα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;イソシアヌル酸のアルキレンオキサイド変性物とε−カプロラクトンとから得られる多価アルコールに対してα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物が挙げられる。
上記化合物としては、下記式(3)で表されるε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールのアクリル酸エステル又は下記式(4)で表されるカプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートが特に好ましい。ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールのアクリル酸エステルは、DPCA−20、DPCA−60、DPCA−120(いずれも日本化薬株式会社、商品名)として商業的に入手可能である。カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートは、A−9300−3CL(新中村化学工業株式会社、商品名)として商業的に入手可能である。
本実施形態の感光性樹脂組成物における(A)成分及び(B)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対して、(A)成分が20〜60質量部、(B)成分が40〜80質量部であることが好ましく、(A)成分が30〜50質量部、(B)成分が50〜70質量部であることがより好ましく、(A)成分が35〜45質量部、(B)成分が55〜65質量部であることがさらに好ましい。
(A)成分の含有量を上記範囲内とすることにより、感光性樹脂組成物の塗布性、あるいは感光性エレメントにおけるフィルム性を充分に確保しつつ、パターン形成を行う際の充分な感度が得られ、光硬化性、現像性、及び電極腐食の抑制力を充分に確保することができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、上記(B)成分以外の光重合性化合物を含有することができる。(B)成分以外の光重合性化合物として、例えば、一官能ビニルモノマー、及び二官能ビニルモノマーからなる群より選ばれる1以上を用いることができる。
一官能ビニルモノマーとしては、例えば、上記(A)成分のバインダーポリマーの合成に用いられる好適なモノマーとして例示した(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及びそれらと共重合可能なモノマー等が挙げられる。
二官能ビニルモノマーとしては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(エトキシ基の数が2〜14のもの)、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(プロピレン基の数が2〜14のもの);ビスフェノールAポリオキシエチレンジアクリレート(即ち、2,2−ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン)、ビスフェノールAポリオキシエチレンジメタクリレート(即ち、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン)、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジメタクリレート等;多価カルボン酸(無水フタル酸等)と水酸基及びエチレン性不飽和基を有する物質(β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート等)とのエステル化物が挙げられる。上記のビスフェノールAポリオキシエチレンジメタクリレートとしては、例えば、ビスフェノールAジオキシエチレンジアクリレート、ビスフェノールAジオキシエチレンジメタクリレート、ビスフェノールAトリオキシエチレンジアクリレート、ビスフェノールAトリオキシエチレンジメタクリレート、ビスフェノールAペンタオキシエチレンジアクリレート、ビスフェノールAペンタオキシエチレンジメタクリレート、ビスフェノールAデカオキシエチレンジアクリレート、ビスフェノールAデカオキシエチレンジメタクリレートなどが挙げられる。
(B)成分である光重合性化合物と、一官能ビニルモノマーや二官能ビニルモノマーを組み合わせて用いる場合、これらのモノマーの配合割合に特に制限はないが、光硬化性の観点から、(B)成分である光重合性化合物の割合が、感光性樹脂組成物に含まれる光重合性化合物の合計量100質量部に対して、30質量部以上であることが好ましく、50質量部以上であることがより好ましく、75質量部以上であることがさらに好ましい。
本発明において適用される(C)成分である光重合開始剤としては、使用する露光機の光波長と、機能発現に必要な波長とが合うものを選択すれば、特に制限はなく、感光性樹脂組成物の光硬化を行うとき一般的に使用される化合物を使用できる。これらの中でも、硬化性および感度、形成する硬化膜の膜厚を10μm以下としたときのパターン形成能、遮光性の観点から、オキシムエステル化合物及びホスフィンオキサイド化合物から選ばれる少なくとも一種を用いることが望ましい。
オキシムエステル化合物としては、下記一般式(C−1)及び一般式(C−2)で表される化合物が挙げられるが、速硬化性、透明性の観点から、下記一般式(C−1)で表される化合物が好ましい。
上記一般式(C−1)中、R1は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基を含む有機基、炭素数2〜12のアルカノイル基、二重結合がカルボニル基と共役していない炭素数4〜6のアルケノイル基、ベンゾイル基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基又はフェノキシカルボニル基を示す。なお、本発明の効果を阻害しない限り、上記一般式(C−1)中の芳香環上に置換基を有していてもよい。
上記一般式(C−1)中、R1は、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数3〜20のシクロアルキル基を含む有機基であることが好ましく、炭素数3〜10のアルキル基、又は炭素数4〜15のシクロアルキル基を含む有機基であることがより好ましく、炭素数4〜8のアルキル基、又は炭素数4〜10のシクロアルキル基を含む有機基であることが特に好ましい。
上記一般式(C−2)中、R2は、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、ベンゾイル基、炭素数2〜12のアルカノイル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基又はフェノキシカルボニル基を示し、R3は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基を含む有機基を示し、R4はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、ベンゾイル基、炭素数2〜12のアルカノイル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、又はフェノキシカルボニル基を示し、R5は、炭素数2〜20のアルキル基又はアリーレン基を示し、p1は0〜3の整数を示す。なお、p1が2以上である場合、複数存在するR4はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。なお、カルバゾール上には本発明の効果を阻害しない範囲で置換基を有していてもよい。
上記一般式(C−2)中、R2は、炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜8のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることが特に好ましい。
上記一般式(C−2)中、R3は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜15のシクロアルキル基を含む有機基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキル基であることがより好ましい。
上記一般式(C−1)で表される化合物及び一般式(C−2)で表される化合物としては、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等が挙げられる。1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]は、IRGACURE−OXE01(BASFジャパン株式会社製、製品名)として、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)は、IRGACURE−OXE02(BASFジャパン株式会社製、製品名)として商業的に入手可能である。これらは単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用される。
上記一般式(C−1)の中でも、特に1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]が極めて好ましい。
上記ホスフィンオキサイド化合物としては、下記一般式(C−3)及び一般式(C−4)で表される化合物が挙げられる。速硬化性、感度の観点から、下記一般式(C−3)で表される化合物が好ましい。
上記一般式(C−3)中、R6、R7及びR8はそれぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基又はアリール基を示す。一般式(C−4)中、R9、R10及びR11はそれぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基又はアリール基を示す。
上記一般式(C−3)におけるR6、R7又はR8が、炭素数1〜20のアルキル基の場合、該アルキル基は直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよく、また該アルキル基の炭素数は5〜10であることがより好ましい。上記一般式(C−4)におけるR9、R10又はR11が炭素数1〜20のアルキル基の場合、該アルキル基は直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよく、また該アルキル基の炭素数は5〜10であることがより好ましい。
上記一般式(C−3)におけるR6、R7又はR8がアリール基の場合、該アリール基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数1〜4のアルコキシ基を挙げることができる。上記一般式(C−4)におけるR9、R10又はR11がアリール基の場合、該アリール基は置換基を有していてもよい。該置換基としては例えば、炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数1〜4のアルコキシ基を挙げることができる。
これらの中でも、上記一般式(C−3)は、R6、R7及びR8がアリール基であることが好ましく、一般式(C−4)で表わされる化合物は、R9、R10及びR11がアリール基であることが好ましい。
上記一般式(C−3)で表わされる化合物としては、形成する硬化膜の透明性、及び薄膜(例えば、厚みが10μm以下の膜)としたときのパターン形成能から、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイドが好ましい。2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイドは、例えば、LUCIRIN−TPO(BASFジャパン株式会社製、商品名)として商業的に入手可能である。
(C)成分である光重合開始剤の含有量は、感光性樹脂組成物に含まれる光重合性化合物100質量部に対して、5質量部以上35質量部未満であることが好ましく、10質量部以上20質量部以下であることがより好ましい。
(C)成分の含有量を5質量部以上とすることで現像工程における剥離を抑制でき、さらに10質量部以上とすることで黒色遮光性樹脂組成物中でも感度良く硬化することが出来る。光重合性開始剤の割合を35質量部以上とするとパターン形成性が低下するなどの不具合が発生する。
(C)成分である光重合開始剤は、オキシムエステル化合物と、例えば、ベンゾフェノン、N,N,N´,N´−テトラメチル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N,N´,N´−テトラエチル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4´−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1,2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン;2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;1,2−オクタンジオン、1−[4−(フェニルチオ)フェニル−、2−(O−ベンゾイルオキシム)],エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−、1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9´−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物、オキサゾール系化合物などから選ばれる1種または2種と併用しても良い。また、光重合開始剤をホスフィンオキサイド化合物と併用することで、表面硬化性や内部硬化性など所望の特性を得ることができる。
(C)成分である光重合開始剤を1種または2種併用する場合は、オキシムエステル化合物の含有量を、感光性樹脂組成物に含まれる光重合開始剤100質量部に対して、50部以上とすることが好ましく、60部以上とすることがより好ましい。オキシムエステル化合物の含有量を50部以上とすることで、感度良く硬化することができる。
ブラックマトリックスに遮光性を付与する色材としては、カーボンブラック顔料が最適である。カーボンブラック顔料としては具体的には三菱化学社製のカーボンブラック#2400、#2350、#2300、#2200、#1000、#980、#970、#960、#950、#900、#850、MCF88、#650、MA600、MA7、MA8、MA11、MA100、MA220、IL30B、IL31B、IL7B、IL11B、IL52B、#4000、#4010、#55、#52、#50、#47、#45、#44、#40、#33、#32、#30、#20、#10、#5、CF9、#3050、#3150、#3250、#3750、#3950、ダイヤブラックA、ダイヤブラックN220M、ダイヤブラックN234、ダイヤブラックI、ダイヤブラックLI、ダイヤブラックII、ダイヤブラック339、ダイヤブラックSH、ダイヤブラックSHA、ダイヤブラックLH、ダイヤブラックH、ダイヤブラックHA、ダイヤブラックSF、ダイヤブラックN550M、ダイヤブラックE、ダイヤブラックG、ダイヤブラックR、ダイヤブラックN760M、ダイヤブラックLR、キャンカーブ社製のカーボンブラックサーマックスN990、N991、N907、N908、N990、N991、N908。旭カーボン株式会社製のカーボンブラック旭#80、旭#70、旭#70L、旭F−200、旭#66、旭#66HN、旭#60H、旭#60U、旭#60、旭#55、旭#50H、旭#51、旭#50U、旭#50、旭#35、旭#15、アサヒサーマル、デグサ社製のカーボンブラックColorBlack Fw200、ColorBlack Fw2、ColorBlack Fw2V、ColorBlack Fw1、ColorBlackFw18、ColorBlackS170、ColorBlack S160、SpecialBlack6、SpecialBlack5、SpecialBlack4、SpecialBlack4A、PrintexU、PrintexV、Printex140U、Printex140V。山陽色素株式会社製のSF BLACK AD2065、SF BLACK AD2091、SF BLACK AD2128、SF BLACK AD4179等が挙げられる。
遮光材料として、上記の無機顔料に補助顔料として有機顔料を加えてもよい。有機顔料は無機顔料の補色を呈するものを適切に選択して加えることにより次の様な効果が得られる。例えば、カーボンブラックは赤みがかった黒色を呈する。したがって、カーボンブラックに補助顔料として赤色の補色である青色を呈する有機顔料を加えることによりカーボンブラックの赤みが消え、全体としてより好ましい黒色を呈する。
これらの顔料はそのままの状態では顔料同士が凝集しているため、分散処理が必要である。顔料に分散剤及び溶剤を加えてミルベースをつくり、それをボールミル、サンドミル、ビーズミル、3本ロール、ペイントシェーカー、超音波、バブルホモジナイザーなどの方法により分散することができる。これらの処理方法は2つ以上組み合わせることも可能である。分散剤には樹脂あるいは公知の分散剤が使用可能である。
本発明に係るカーボンブラック顔料の含有量としては、遮光膜形成用感光性樹脂組成物の全固形分中の25%〜60%の範囲で使用することが良い。含有量が25%未満では、ブラックマトリクスとしての光学濃度(OD値)が小さくなり、パネル化した際に光漏れなど発生し、パネルコントラストを低減させる。一方、60%を超えると、画素のパターン形状が著しく悪化し、次工程での塗工ムラが発生したり、光硬化時に充分に反応が進行しない等の不具合が生じてしまう。
本実施形態の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、シランカップリング剤等の密着性付与剤、レベリング剤、可塑剤、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、酸化防止剤、香料、熱架橋剤、重合禁止剤などを(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対して、各々0.01〜20質量部程度含有させることができる。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、所望の基材上に遮光性硬化膜を形成するための使用に好適であり、フレキシブル基材上に遮光性硬化膜を形成するための使用に好適である。本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、これを含有する硬化膜形成剤としても使用できる。硬化膜形成剤は、好ましくは、本実施形態に係る感光性樹脂組成物からなる。
本実施形態においては、上述した感光性樹脂組成物の塗布液を、直接、基材上に塗布、乾燥して、感光性樹脂組成物からなる感光層を形成してもよい。塗布液は、上述した本実施形態の感光性樹脂組成物を構成する各成分を溶剤に均一に溶解又は分散することにより調製することができる。
溶剤としては、特に制限はなく、公知のものが使用でき、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、クロロホルム、塩化メチレン等が挙げられる。
塗布方法としては、例えば、ドクターブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ロールコーティング法、スクリーンコーティング法、スピナーコーティング法、インクジェットコーティング法、スプレーコーティング法、ディップコーティング法、グラビアコーティング法、カーテンコーティング法、ダイコーティング法等が挙げられる。
乾燥条件に特に制限はないが、乾燥温度は、60〜130℃とすることが好ましく、乾燥時間は、0.5〜30分とすることが好ましい。
次に、本実施形態に係る透明電極を有する基材上に硬化膜を形成する硬化膜の形成方法(以下、場合により、硬化膜形成方法ともいう)について説明する。本実施形態に係る硬化膜の形成方法は、所望の基材上に、上述の感光性樹脂組成物からなる感光層を設け、当該感光層の所定部分を活性光線の照射により硬化させた後に所定部分以外の感光層を除去し、上記感光性樹脂組成物の硬化物からなる硬化膜を形成することを特徴とする。なお、硬化膜の厚みが10μm以下であってもよい。硬化膜は、保護膜としても機能する。
本実施形態に係る硬化膜の形成方法によれば、上述の感光性樹脂組成物を用いることにより、現像性及び基材への密着性を確保しつつ、薄膜(例えば、10μm以下の厚み)であっても充分な表面硬度と遮光性を示し、フレキシブル性および遮光性を有する硬化膜を形成することができる。
本発明の感光性樹脂組成物において、光学濃度(OD)は、0.4/μm以上が好ましい。光学濃度(OD)が0.4/μm以上であれば、高い遮光性が得られる。また、光学濃度(OD)の上限値は特に規定されないが、内部硬化性の点から1.0/μm以下であるのがより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、スピンコーター、ロールコーター、バーコーター、ダイコーター、カーテンコーター、各種の印刷、浸漬等の公知の手段で、ソーダガラス、石英ガラス、半導体基板、金属、紙、プラスチック等の支持基体上に適用することができる。また、一旦フィルム等の支持基体上に施した後、他の支持基体上に転写することもでき、その適用方法に制限はない。
また、本発明の感光性樹脂組成物を硬化させる際に用いられる露光には、放射線(ガンマー線、X線など)、紫外線、可視光線などが利用でき、通常、紫外線である場合が多い。露光に用いられる活性光線の光源としては、公知の活性光源が使用でき、例えば、ディープ(Deep)UVランプ、カーボンアーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、ハロゲンランプ(例えば、キセノンランプ)、レーザー光源(ヘリウム−カドミウムレーザー、エキシマレーザーなどの光源)、LEDランプ等が挙げられ、紫外線を有効に放射するものであれば特に制限されない。
本発明の感光性樹脂組成物(又はその硬化物)は、光硬化性塗料或いはワニス、光硬化性接着剤、プリント基板、或いはカラーテレビ、PCモニタ、携帯情報端末、デジタルカメラ等のカラー表示の液晶表示パネルにおけるカラーフィルタ、CCDイメージセンサのカラーフィルタ、タッチパネル、プラズマ表示パネル用の電極材料、粉末コーティング、印刷インク、印刷版、接着剤、ゲルコート、電子工学用のフォトレジスト、電気メッキレジスト、エッチングレジスト、液状及び乾燥膜の双方、はんだレジスト、絶縁膜、種々の表示用途用のカラーフィルタを製造するための或いはプラズマ表示パネル、電気発光表示装置、及びLCDの製造工程において構造を形成するためのレジスト、電気及び電子部品を封入するための組成物、ソルダーレジスト、磁気記録材料、微小機械部品、導波路、光スイッチ、めっき用マスク、エッチングマスク、カラー試験系、ガラス繊維ケーブルコーティング、スクリーン印刷用ステンシル、ステレオリトグラフィによって三次元物体を製造するための材料、ホログラフィ記録用材料、画像記録材料、微細電子回路、脱色材料、画像記録材料のための脱色材料、マイクロカプセルを使用する画像記録材料用の脱色材料、印刷配線板用フォトレジスト材料、UV及び可視レーザー直接画像系用のフォトレジスト材料、プリント回路基板の逐次積層における誘電体層形成に使用するフォトレジスト材料或いは保護膜、透明導電膜等のタッチパネル等の各種の用途に使用することができ、その用途に特に制限はない。
本発明の感光性樹脂組成物は、ブラックマトリックスを形成する目的で使用され、該ブラックマトリックスは、特に液晶表示パネル等の画像表示装置用の表示デバイス用カラーフィルタに有用である。
上記ブラックマトリックスは、所望の基板上に、上記の本実施形態に係る光硬化性黒色組成物からなる感光層を設ける第1工程と、感光層の所定部分を活性光線の照射により硬化させる第2工程と、露光後に所定部分以外の感光層を除去し、感光性樹脂組成物の硬化物からなる保護膜を形成する第3工程とを備える。また、本発明の着色組成物は、現像工程の無いインクジェット方式組成物としても有用である。
本実施形態で使用される基材には特に制限はないが、透明基材であることが好ましく、一般にタッチパネル(タッチセンサー)用として用いられる基材を用いることができる。透明基材としては、例えば、白板ガラス、青板ガラス、シリカコート青板ガラス等のガラス板;ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマ等のプラスチック基板;セラミック板などの基板が挙げられる。
本実施形態の第1工程では、本実施形態の感光性樹脂組成物を基材に塗布し、必要に応じて、加熱乾燥して溶媒を除去することにより感光性樹脂組成物からなる感光層を形成する。
塗布方法としては、特に制限されず、ドクターブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ロールコーティング法、スクリーンコーティング法、スピナーコーティング法、インクジェットコーティング法、スプレーコーティング法、ディップコーティング法、グラビアコーティング法、カーテンコーティング法、ダイコーティング法等が挙げられる。
加熱乾燥する場合の加熱温度は、溶媒がある程度蒸発するようにしながら、感光層の構成成分が熱硬化あるいは熱分解されにくいよう、30〜200℃とすることが好ましく、40〜170℃とすることがより好ましく、60〜130℃とすることがさらに好ましい。乾燥時間は、0.5〜30分とすることが好ましい。
感光層の厚みは、用途によって異なるが、0.01〜500μm程度の範囲から選択でき、例えば、0.1〜300μm、好ましくは0.5〜100μm、さらに好ましくは1〜10μm程度である。
本実施形態の第2工程では、感光層に、フォトマスクを介して、活性光線Lをパターン状に露光する。第2工程において、感光層20に、活性光線を選択的に露光することにより潜像パターン(膜パターン)を形成し、続く第3工程で生成した潜像パターンを現像することにより所望のパターンを形成することができる。なお、フォトマスクを利用し、パターン状の潜像を形成する例を示しているが、用途に応じて、全面露光としてもよい。
露光には、放射線(ガンマー線、X線など)、紫外線、可視光線などが利用でき、通常、紫外線である場合が多い。露光に用いられる活性光線の光源としては、公知の活性光源が使用でき、例えば、ディープ(Deep)UVランプ、カーボンアーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、ハロゲンランプ(例えば、キセノンランプ)、レーザー光源(ヘリウム−カドミウムレーザー、エキシマレーザーなどの光源)、LEDランプ等が挙げられ、紫外線を有効に放射するものであれば特に制限されない。
このときの、活性光線の照射量は、感光層の厚みに応じて調整することできるが、通常、5×102〜1×105J/m2であり、照射の際に、加熱を伴うこともできる。この活性光線照射量が、1×102J/m2未満では、光硬化の効果が不充分となる傾向があり、1×105J/m2を超えると、感光層が変色する傾向がある。
本実施形態の第3工程では、露光後の感光層を現像液で現像して未露光部を除去し、電極の一部又は全部を被覆する本実施形態の感光性樹脂組成物の硬化物からなる保護膜を形成する。形成される硬化膜は所定のパターンを有することができる。形成される保護膜は、厚みが10μm以下であってもよい。
なお、露光後、感光層に支持フィルムが積層されている場合にはそれを除去した後、現像液による未露光部を除去する現像が行われる。
現像方法としては、アルカリ水溶液、水系現像液、有機溶剤等の公知の現像液を用いて、スプレー、シャワー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により現像を行い、不要部を除去する方法等が挙げられる。これらの中でも、環境、安全性の観点からアルカリ水溶液を用いることが好ましいものとして挙げられる。
アルカリ水溶液の塩基としては、水酸化アルカリ(リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物等)、炭酸アルカリ(リチウム、ナトリウム、又はカリウムの炭酸塩若しくは重炭酸塩等)、アルカリ金属リン酸塩(リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等)、アルカリ金属ピロリン酸塩(ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等)、水酸化テトラメチルアンモニウム、トリエタノールアミンなどが挙げられ、中でも、水酸化テトラメチルアンモニウム等が好ましいものとして挙げられる。
これら以外に、炭酸ナトリウムの水溶液も好ましく用いられ、例えば、20〜50℃の炭酸ナトリウムの希薄溶液(0.5〜5質量%水溶液)が好適に用いられる。
現像温度及び時間は、本実施形態の感光性樹脂組成物の現像性に合わせて調整することができる。
アルカリ水溶液中には、界面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させることができる。
現像後、光硬化後の感光層に残存したアルカリ水溶液の塩基を、有機酸、無機酸又はこれらの酸水溶液を用いて、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知方法により酸処理(中和処理)することができる。
さらに、酸処理(中和処理)の後、水洗する工程を行うこともできる。
現像後、必要に応じて、露光(例えば、5×103〜5×104J/m2)により、硬化物をさらに硬化させてもよい。なお、本実施形態の感光性樹脂組成物は、現像後の加熱工程なしでも金属に対して優れた密着性を示すが、必要に応じて、現像後の露光の代わりに、又は露光と合わせて、加熱処理(60〜200℃)を施してもよい。
本実施形態に係る硬化膜の形成方法によって得られる硬化膜(保護膜)は硬度に優れる。鉛筆硬度がHB以上(例えば、HB〜2H)、好ましくはH以上(例えば、H〜3H)であってもよく、特に、薄肉でも高い硬度を有しており、厚み10μmの鉛筆硬度がHB以上(例えば、HB〜2H)、好ましくはH以上(例えば、H〜2H)であってもよい。
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[バインダーポリマー溶液(A1)の作製]
撹拌機、還流冷却機、不活性ガス導入口及び温度計を備えたフラスコに、表1に示す(1)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で80℃に昇温し、反応温度を80℃±2℃に保ちながら、表1に示す(2)を4時間かけて均一に滴下した。(2)の滴下後、80℃±2℃で6時間撹拌を続けバインダーポリマーの溶液(固形分45質量%)(A1)を得た。(A1)の重量平均分子量、酸価、水酸基価、Tgを表1に示す。
撹拌機、還流冷却機、不活性ガス導入口及び温度計を備えたフラスコに、表1に示す(1)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で80℃に昇温し、反応温度を80℃±2℃に保ちながら、表1に示す(2)を4時間かけて均一に滴下した。(2)の滴下後、80℃±2℃で6時間撹拌を続けバインダーポリマーの溶液(固形分45質量%)(A1)を得た。(A1)の重量平均分子量、酸価、水酸基価、Tgを表1に示す。
[バインダーポリマー溶液(A2)、(A3)の作製]
上記(A1)と同様にし、バインダーポリマーの溶液(固形分45質量%)(A2)、(A3)を得た。
上記(A1)と同様にし、バインダーポリマーの溶液(固形分45質量%)(A2)、(A3)を得た。
重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算することにより導出した。GPCの条件を以下に示す。
<GPC条件>
ポンプ:日立 L−6000型(株式会社日立製作所製、商品名)
カラム:Gelpack GL−R420、Gelpack GL−R430、Gelpack GL−R440(以上、日立化成株式会社製、商品名)
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量:2.05mL/分
検出器:日立 L−3300型RI(株式会社日立製作所製、商品名)
<GPC条件>
ポンプ:日立 L−6000型(株式会社日立製作所製、商品名)
カラム:Gelpack GL−R420、Gelpack GL−R430、Gelpack GL−R440(以上、日立化成株式会社製、商品名)
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量:2.05mL/分
検出器:日立 L−3300型RI(株式会社日立製作所製、商品名)
[酸価の測定方法]
酸価は、次のようにして測定した。まず、バインダーポリマーの溶液を、130℃で1時間加熱し、揮発分を除去して、固形分を得た。そして、酸価を測定すべきポリマー1gを精秤した後、このポリマーにアセトンを30g添加し、均一に溶解した。次いで、指示薬であるフェノールフタレインをその溶液に適量添加して、0.1NのKOH水溶液を用いて滴定を行った。そして、次式により酸価を算出した。
酸価=10×Vf×56.1/(Wp×I)
式中、VfはKOH水溶液の滴定量(mL)を示し、Wpは測定した樹脂溶液の質量(g)を示し、Iは測定した樹脂溶液中の不揮発分の割合(質量%)を示す。
酸価は、次のようにして測定した。まず、バインダーポリマーの溶液を、130℃で1時間加熱し、揮発分を除去して、固形分を得た。そして、酸価を測定すべきポリマー1gを精秤した後、このポリマーにアセトンを30g添加し、均一に溶解した。次いで、指示薬であるフェノールフタレインをその溶液に適量添加して、0.1NのKOH水溶液を用いて滴定を行った。そして、次式により酸価を算出した。
酸価=10×Vf×56.1/(Wp×I)
式中、VfはKOH水溶液の滴定量(mL)を示し、Wpは測定した樹脂溶液の質量(g)を示し、Iは測定した樹脂溶液中の不揮発分の割合(質量%)を示す。
[水酸基価の測定方法]
水酸基は、次のようにして測定した。まず、バインダーポリマーの溶液を、130℃で1時間加熱し、揮発分を除去して、固形分を得た。そして、水酸基価を測定すべきポリマー1gを精秤した後、三角フラスコに入れ、10質量%の無水酢酸ピリジン溶液を10mL加えてこれを均一に溶解し、100℃で1時間加熱した。加熱後、水10mLとピリジン10mLを加えて100℃で10分間加熱後、自動滴定機(平沼産業株式会社製、商品名:「COM−1700」を用いて、0.5mol/Lの水酸化カリウムのエタノール溶液により中和滴定することにより測定した。そして、次式により水酸基価を算出した。
水酸基価=(A−B)×f×28.05/試料(g)+酸価
式中、Aは空試験に用いた0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液の量(mL)を示し、Bは滴定に用いた0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液の量(mL)を示し、fはファクターを示す。
水酸基は、次のようにして測定した。まず、バインダーポリマーの溶液を、130℃で1時間加熱し、揮発分を除去して、固形分を得た。そして、水酸基価を測定すべきポリマー1gを精秤した後、三角フラスコに入れ、10質量%の無水酢酸ピリジン溶液を10mL加えてこれを均一に溶解し、100℃で1時間加熱した。加熱後、水10mLとピリジン10mLを加えて100℃で10分間加熱後、自動滴定機(平沼産業株式会社製、商品名:「COM−1700」を用いて、0.5mol/Lの水酸化カリウムのエタノール溶液により中和滴定することにより測定した。そして、次式により水酸基価を算出した。
水酸基価=(A−B)×f×28.05/試料(g)+酸価
式中、Aは空試験に用いた0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液の量(mL)を示し、Bは滴定に用いた0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液の量(mL)を示し、fはファクターを示す。
[ガラス転移温度(Tg)の測定方法]
表1に示すバインダーポリマーの各溶液をポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、製品名「ピューレックスA53」)上に均一に塗布し、90℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して、乾燥後の厚さが40μmであるバインダーポリマーからなる膜をそれぞれ形成した。次いで、それぞれの膜をポリエチレンテレフタレートフィルムから剥離し、セイコーインスツル株式会社製TMA/SS6000を用いて、昇温速度5℃/分で温度を上昇させたときの前記乾燥膜の熱膨張率を測定し、その曲線から得られる変曲点をガラス転移温度Tgとして求めた。
表1に示すバインダーポリマーの各溶液をポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、製品名「ピューレックスA53」)上に均一に塗布し、90℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して、乾燥後の厚さが40μmであるバインダーポリマーからなる膜をそれぞれ形成した。次いで、それぞれの膜をポリエチレンテレフタレートフィルムから剥離し、セイコーインスツル株式会社製TMA/SS6000を用いて、昇温速度5℃/分で温度を上昇させたときの前記乾燥膜の熱膨張率を測定し、その曲線から得られる変曲点をガラス転移温度Tgとして求めた。
(実施例1)
[硬化膜を形成するための感光性樹脂組成物溶液(V−1)の作製]
表2に示す材料を、攪拌機を用いて15分間混合し、硬化膜を形成するための感光性樹脂組成物溶液(V−1)を作製した。(A)成分の配合量は固形分量である。
[硬化膜を形成するための感光性樹脂組成物溶液(V−1)の作製]
表2に示す材料を、攪拌機を用いて15分間混合し、硬化膜を形成するための感光性樹脂組成物溶液(V−1)を作製した。(A)成分の配合量は固形分量である。
表2中に示した成分は、下記のとおりである。
・ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールのアクリル酸エステル:日本化薬株式会社製、商品名「DPCA−20」
・エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム):BASFジャパン株式会社製、商品名「Irgacure OXE02」
・カーボンブラック組成物:山陽色素株式会社製、商品名「SF Black AD4179」
・2,2´−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール):川口化学株式会社製、商品名「Antage W−500」
メチルエチルケトン:和光純薬工業株式会社製
・ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールのアクリル酸エステル:日本化薬株式会社製、商品名「DPCA−20」
・エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム):BASFジャパン株式会社製、商品名「Irgacure OXE02」
・カーボンブラック組成物:山陽色素株式会社製、商品名「SF Black AD4179」
・2,2´−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール):川口化学株式会社製、商品名「Antage W−500」
メチルエチルケトン:和光純薬工業株式会社製
[硬化膜の作製]
所望の基材上に、感光性樹脂組成物溶液(V−1)をスリットコーターを用いて均一に塗布し、90℃の熱風対流式乾燥機で1分間乾燥して溶剤を除去することで、感光性樹脂組成物からなる感光層(感光性樹脂組成物層)を形成した。得られた感光層の厚さは9μmであった。
所望の基材上に、感光性樹脂組成物溶液(V−1)をスリットコーターを用いて均一に塗布し、90℃の熱風対流式乾燥機で1分間乾燥して溶剤を除去することで、感光性樹脂組成物からなる感光層(感光性樹脂組成物層)を形成した。得られた感光層の厚さは9μmであった。
[感光層の光学濃度(OD値)の測定]
厚さ1mmのガラス基板上に、感光性樹脂組成物溶液(V−1)をスリットコーターを用いて均一に塗布し、90℃の熱風対流式乾燥機で1分間乾燥して溶剤を除去することで、ガラス基板上に、感光層が積層された積層体を作製した。
厚さ1mmのガラス基板上に、感光性樹脂組成物溶液(V−1)をスリットコーターを用いて均一に塗布し、90℃の熱風対流式乾燥機で1分間乾燥して溶剤を除去することで、ガラス基板上に、感光層が積層された積層体を作製した。
次いで、得られた積層体の感光層に、平行光線露光機(オーク製作所株式会社製、商品名「EXM1201」)を使用して、感光層側上方より露光量5×102J/m2で(i線(波長365nm)における測定値)、紫外線を照射し、感光層(光硬化した硬化膜)厚9μmのOD値測定用試料を得た。
次いで、得られた試料をビジュアル透過濃度計(サカタインクスエンジニアリング株式会社製、商品名「X-Rite 361T(V)」)を使用して測定した。得られた感光層の光学濃度(OD値)測定値は、5.8(1μmあたりのOD値は0.64)であり、良好な遮光性を確保できていた。
[感光層の現像残渣試験]
得られた感光性樹脂組成物をスパッタ銅付きポリイミドフィルム(東レフィルム加工株式会社製)上に塗布し、感光性樹脂組成物の積層体を作製した。
得られた感光性樹脂組成物をスパッタ銅付きポリイミドフィルム(東レフィルム加工株式会社製)上に塗布し、感光性樹脂組成物の積層体を作製した。
上記で得られた積層体を作製後、23℃、60%の条件で24時間保管した後、活性光線透過部と活性光線遮光部が交互にパターニングされた、ライン/スペースが300μm/300μmのフォトマスクを用い、支持フィルム上にフォトマスクを載置し、平行光線露光機(オーク製作所株式会社製、商品名「EXM1201」)を使用して、フォトマスク面垂直上方より露光量5×102J/m2で(i線(波長365nm)における測定値)、紫外線を像的に照射した。
次いで、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、30℃で40秒間スプレー現像して、感光層を選択的に除去し、硬化膜パターンを形成した。得られた硬化膜パターン付き基板の、選択的に感光層を除去した部分の基材表面状態を顕微鏡で観察し、以下の評点に従って現像残渣を評価した。
A : 基材表面に全く変化なし。
B : 基材表面の銅がわずかに変色するが、現像残渣はない。
C : 基材表面の銅がわずかに変色し、現像残渣がわずかに発生する。
D : 現像残渣が発生する。
評価用試料の表面状態を観察したところ、基材表面の銅がわずかに変色し、現像残渣がわずかに発生し、評価はBであった。
A : 基材表面に全く変化なし。
B : 基材表面の銅がわずかに変色するが、現像残渣はない。
C : 基材表面の銅がわずかに変色し、現像残渣がわずかに発生する。
D : 現像残渣が発生する。
評価用試料の表面状態を観察したところ、基材表面の銅がわずかに変色し、現像残渣がわずかに発生し、評価はBであった。
[感光層のクロスカット密着性試験]
得られた感光性樹脂組成物を厚さ1mmのガラス基板上に塗布し、感光性樹脂組成物の積層体を作製した。
得られた感光性樹脂組成物を厚さ1mmのガラス基板上に塗布し、感光性樹脂組成物の積層体を作製した。
次いで、得られた積層体の感光層に、平行光線露光機(オーク製作所株式会社製、商品名「EXM1201」)を使用して、感光層側上方より露光量5×102J/m2で(i線(波長365nm)における測定値)、紫外線を照射した後、100℃で30分加熱硬化し、感光層が硬化してなる厚み9μmの保護層が形成されたクロスカット密着性試験用試料を得た。
次いで、JIS規格(K5400)を参考に、100マスのクロスカット試験を実施した。試験面にカッターナイフを用いて、1×1mm四方の碁盤目の切り傷を入れ、碁盤目部分にメンディングテープ#810(スリーエム株式会社製)を強く圧着させ、テープの端をほぼ0°の角度でゆっくりと引き剥がした後、碁盤目の状態を観察し、以下の評点に従ってクロスカット密着性を評価した。
A : 全面積のほぼ100%が密着している。
B : 全面積のうち95%以上が密着し残っている。
C : 全面積のうち65〜95%が密着し残っている。
D : 全面積のうち35〜65%が密着し残っている。
E : 全面積のうち0〜35%が密着し残っている。
評価用試料の碁盤目の状態を観察したところ、ガラス基板上に全面積のうちほぼ100%が密着し残っている状態で、評価はAであった。
A : 全面積のほぼ100%が密着している。
B : 全面積のうち95%以上が密着し残っている。
C : 全面積のうち65〜95%が密着し残っている。
D : 全面積のうち35〜65%が密着し残っている。
E : 全面積のうち0〜35%が密着し残っている。
評価用試料の碁盤目の状態を観察したところ、ガラス基板上に全面積のうちほぼ100%が密着し残っている状態で、評価はAであった。
[感光層のフレキシブル性試験]
得られた感光性樹脂組成物をスパッタ銅付きポリイミドフィルム(東レフィルム加工株式会社製)上に塗布し、感光性樹脂組成物の積層体を得た。
得られた感光性樹脂組成物をスパッタ銅付きポリイミドフィルム(東レフィルム加工株式会社製)上に塗布し、感光性樹脂組成物の積層体を得た。
次いで、得られた積層体の感光層に、平行光線露光機(オーク製作所株式会社製、商品名「EXM1201」)を使用して、感光層側上方より露光量5×102J/m2で(i線(波長365nm)における測定値)、紫外線を照射した後、100℃で30分加熱硬化し、感光層が硬化してなる厚み9μmの保護層が形成されたフレキシブル性評価用試料を得た。
次いで、JIS規格(K5600−5−1)を参考に、耐屈曲性試験(円筒形マンドレル法)を実施した。直径5mmのマンドレルをセットしたタイプ1の試験機(TP技研株式会社製、「屈曲試験機」)に、フレキシブル性評価用試料をセットし、試験装置を1〜2秒かけてゆっくりと180度折り曲げた後、顕微鏡にて表面を観察し、ひび・割れがなければ再度同様の試験を行った。これを10回繰り返し行い、以下の評点に従ってフレキシブル性を評価した。
A : 10回試験を行なっても全面積にひび・割れがない。
B : 6〜9回の試験で全面積にひびが1〜5本程度観察される。
C : 4〜5回の試験で全面積にひび・割れが観察される。
D : 1〜3回の試験で全面積にひび・割れが観察される。
評価用試料の表面を観察したが、ひび・割れはなく評価はAであった。
A : 10回試験を行なっても全面積にひび・割れがない。
B : 6〜9回の試験で全面積にひびが1〜5本程度観察される。
C : 4〜5回の試験で全面積にひび・割れが観察される。
D : 1〜3回の試験で全面積にひび・割れが観察される。
評価用試料の表面を観察したが、ひび・割れはなく評価はAであった。
[感光層の表面硬度試験]
厚さ1mmのガラス基板上に、感光性樹脂組成物溶液(V−1)をスリットコーターを用いて均一に塗布し、ガラス基板上に、感光層が積層された積層体を作製した。
厚さ1mmのガラス基板上に、感光性樹脂組成物溶液(V−1)をスリットコーターを用いて均一に塗布し、ガラス基板上に、感光層が積層された積層体を作製した。
次いで、得られた感光層に、平行光線露光機(オーク製作所株式会社製、商品名「EXM1201」)を使用して、感光層側上方より露光量5×102J/m2で(i線(波長365nm)における測定値)、紫外線を照射し、さらに感光層側上方より露光量1×104J/m2で(i線(波長365nm)における測定値)紫外線を照射し、感光層(光硬化した硬化膜)厚9μmの表面硬度測定用試料を得た。
次いで、JIS規格(K−5600−5−4)を参考に、塗膜の表面硬度測定を実施した。手動式鉛筆引っかき試験器(コーティングテスター株式会社製)を用いて、荷重750g、角度45°で三菱鉛筆製引っかき試験用えんぴつを用いて測定した。試験を2回行い、2回とも傷のつかなかった最も硬い鉛筆硬度を塗膜の表面硬度とした。
評価用試料の表面を観察したところ、Hの鉛筆では傷がつかなかった。そのため、評価用試料の表面硬度はHであった。
評価用試料の表面を観察したところ、Hの鉛筆では傷がつかなかった。そのため、評価用試料の表面硬度はHであった。
(実施例2〜8、参考例1)
表3(表中の数値の単位は質量部)に示す感光性樹脂組成物溶液を用いた以外は、実施例1と同様に感光性樹脂組成物を調製し、OD値の測定、現像残渣試験、クロスカット密着性試験、フレキシブル性試験、表面硬度試験を行った。表4に示すように、実施例1〜8においては、OD値の測定、現像残渣試験、クロスカット密着性試験、フレキシブル性試験、表面硬度試験のいずれも良好な結果であった。一方、参考例1は、カーボンブラック含有量が少ないため実施例1〜8に比べて遮光性が劣る結果となったが、それ以外の特性については良好な結果が得られた。以上の結果から、本発明の感光性樹脂組成物を使用する場合、薄膜であっても十分な遮光性を得るためにはOD値が0.4/μm以上であることが好ましい。
表3(表中の数値の単位は質量部)に示す感光性樹脂組成物溶液を用いた以外は、実施例1と同様に感光性樹脂組成物を調製し、OD値の測定、現像残渣試験、クロスカット密着性試験、フレキシブル性試験、表面硬度試験を行った。表4に示すように、実施例1〜8においては、OD値の測定、現像残渣試験、クロスカット密着性試験、フレキシブル性試験、表面硬度試験のいずれも良好な結果であった。一方、参考例1は、カーボンブラック含有量が少ないため実施例1〜8に比べて遮光性が劣る結果となったが、それ以外の特性については良好な結果が得られた。以上の結果から、本発明の感光性樹脂組成物を使用する場合、薄膜であっても十分な遮光性を得るためにはOD値が0.4/μm以上であることが好ましい。
(A)成分
(A1):メタクリル酸/メタクリル酸メチル/アクリル酸エチル=12/58/30(質量比)、酸価78(mgKOH/g)
(A2):メタクリル酸/メタクリル酸メチル/アクリル酸エチル=17.5/52.5/30(質量比)、酸価115(mgKOH/g)
(A3):メタクリル酸/メタクリル酸メチル/アクリル酸ブチル/メタクリル酸ブチル=24/43.5/15/17.5(質量比)、酸価156(mgKOH/g)
(B)成分
DPCA−20、60、120:ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールのアクリル酸エステル(日本化薬株式会社製)
A−9300−3CL:カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート(新中村化学工業株式会社製)
(その他の光重合性化合物)
UA−11:ウレタンジアクリレート(新中村化学工業株式会社製)
A−DPH:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製)
A−TMMT:ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学工業株式会社製)
(C)成分
OXE02:エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(BASFジャパン株式会社製、商品名「Irgacure OXE02」)
TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド(BASFジャパン株式会社製、商品名「Lucirin TPO」)
Irg819:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(BASFジャパン株式会社製、商品名「Irgacure 819」)
(D)成分
MA100:カーボンブラック(三菱化学株式会社製)
SF BLACK AD4179:カーボンブラック組成物(カーボンブラック含有量65〜75%、山陽色素株式会社製)
(分散剤)
BYK−333:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンとポリエーテルの混合物(ビックケミー・ジャパン株式会社製)
BYK−164:顔料分散用ポリマー溶液(構造非公開、ビックケミー・ジャパン株式会社製)
(その他)
AW−500:2,2´−メチレン−ビス(4−エチル−6−Tert−ブチルフェノール)(川口化学株式会社製、商品名「Antage W−500」)
(溶媒)
MEK:メチルエチルケトン(和光純薬工業株式会社製)
PGMEA:酢酸2−メトキシ−1−メチルエチル(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート)(和光純薬工業株式会社製)
(A1):メタクリル酸/メタクリル酸メチル/アクリル酸エチル=12/58/30(質量比)、酸価78(mgKOH/g)
(A2):メタクリル酸/メタクリル酸メチル/アクリル酸エチル=17.5/52.5/30(質量比)、酸価115(mgKOH/g)
(A3):メタクリル酸/メタクリル酸メチル/アクリル酸ブチル/メタクリル酸ブチル=24/43.5/15/17.5(質量比)、酸価156(mgKOH/g)
(B)成分
DPCA−20、60、120:ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールのアクリル酸エステル(日本化薬株式会社製)
A−9300−3CL:カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート(新中村化学工業株式会社製)
(その他の光重合性化合物)
UA−11:ウレタンジアクリレート(新中村化学工業株式会社製)
A−DPH:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製)
A−TMMT:ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学工業株式会社製)
(C)成分
OXE02:エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(BASFジャパン株式会社製、商品名「Irgacure OXE02」)
TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド(BASFジャパン株式会社製、商品名「Lucirin TPO」)
Irg819:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(BASFジャパン株式会社製、商品名「Irgacure 819」)
(D)成分
MA100:カーボンブラック(三菱化学株式会社製)
SF BLACK AD4179:カーボンブラック組成物(カーボンブラック含有量65〜75%、山陽色素株式会社製)
(分散剤)
BYK−333:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンとポリエーテルの混合物(ビックケミー・ジャパン株式会社製)
BYK−164:顔料分散用ポリマー溶液(構造非公開、ビックケミー・ジャパン株式会社製)
(その他)
AW−500:2,2´−メチレン−ビス(4−エチル−6−Tert−ブチルフェノール)(川口化学株式会社製、商品名「Antage W−500」)
(溶媒)
MEK:メチルエチルケトン(和光純薬工業株式会社製)
PGMEA:酢酸2−メトキシ−1−メチルエチル(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート)(和光純薬工業株式会社製)
(比較例1〜4)
表5(表中の数値の単位は質量部)に示す感光性樹脂組成物溶液を用いた以外は、実施例1と同様に感光性樹脂組成物を調製し、OD値の測定、現像残渣試験、クロスカット密着性試験、フレキシブル性試験、表面硬度試験を行った。
表5(表中の数値の単位は質量部)に示す感光性樹脂組成物溶液を用いた以外は、実施例1と同様に感光性樹脂組成物を調製し、OD値の測定、現像残渣試験、クロスカット密着性試験、フレキシブル性試験、表面硬度試験を行った。
表6に示すように、光重合性化合物としてウレタンジアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名「UA−11」)を用いた比較例1においては、鉛筆硬度試験が劣る結果であった。また、光重合性化合物としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名「A−DPH」)を用いた比較例2はフレキシブル性が低下する結果であった。同様にペンタエリスリトールテトラアクリレート(A−TMMT、新中村化学工業株式会社製)を用いた比較例3においても、密着性とフレキシブル性が劣る結果であった。また、比較例5では、光重合性化合物としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名「A−DPH」)を用い、さらにカーボンブラック含有量を多くしたため、露光で硬化が充分に進行せず、硬化不足となった。
以上のように、本発明の感光性樹脂組成物は、所定の基材上に、充分な表面硬度を有し、かつフレキシブル基材に対して用いることが可能なフレキシブル性を有し、さらに薄膜であっても充分な遮光性を有する硬化膜を形成することができる。
本発明の感光性樹脂組成物により形成した遮光性硬化膜を有するブラックマトリックスは、液晶表示パネルを始め、種々の画像表示装置用の表示デバイス用フィルタに有用である。
Claims (5)
- 前記光重合性化合物が、ペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、ジペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、トリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、イソシアヌレート由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、及びグリセリン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 光学濃度(OD値)が0.4/μm以上である、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記光重合開始剤が、オキシムエステル化合物及びホスフィンオキサイド化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 支請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる遮光性硬化膜を有するブラックマトリックス。
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