JP5476739B2 - 感光性樹脂組成物、並びにこれを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、感光性樹脂組成物、並びにこれを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法に関する。
プリント配線板のレジストパターンを形成する材料として、感光性樹脂組成物が広く用いられている。感光性樹脂組成物は、支持フィルムと該支持フィルム上に形成された感光性樹脂組成物からなる層(以下、「感光性樹脂組成物層」という。)とを備える感光性エレメントとして用いられることが多い。
プリント配線板のレジストパターンは、例えば以下のようにして形成される。まず、感光性エレメントの感光性樹脂組成物層を基板上に積層(ラミネート)する。次に、支持フィルムを剥離除去した後、感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射してその所定部分を露光させ、硬化させる。その後、その所定部分以外の部分(未露光・未硬化部分)を基板上から除去(現像)することにより、基板上に、感光性樹脂組成物の硬化物からなるレジストパターンが形成される。
上記露光の方法としては、従来、水銀灯を光源としてフォトマスクを介して露光する方法が知られているが、近年、DLP(Digital Light Processing:デジタル ライト プロセッシング)と呼ばれる露光方法も提案されている(例えば、非特許文献1参照)。DLPは、露光パターンのデジタルデータを感光性樹脂組成物層に直接描画する方法(以下、「直接描画露光法」という。)である。
直接描画露光法は、高精度なパターン形成を可能とするため、高密度パッケージ基板の作製等に導入されつつある。ただし、直接描画露光法は、従来の方法と比べて多くの露光時間を要する傾向があるため、生産効率の点では望ましくない。露光時間を短縮して生産効率を高めるためには、感光性樹脂組成物の感度を向上させる必要がある。
また、近年のパッケージ基板の高密度化に伴い、良好なレジスト形状(レジストパターンの断面形状)を形成する感光性樹脂組成物に対する要求が高まっている。具体的には、レジスト形状が台形又は逆台形である場合やレジストの裾引きがある場合には、形成される回路に短路や断線が生じることがあるため望ましくなく、レジスト形状は矩形であることが望ましい。
その他、レジストパターン形成用の感光性樹脂組成物に求められる特性としては、解像度(未露光部分の除去精度)、基板への密着性(露光部分の耐現像液性)、硬化後の剥離特性(硬化物を基板から剥離除去する際の容易さ)などが挙げられる。
ここで、特許文献1には、直接描画露光法にも対応し得る良好な感度を有する感光性樹脂組成物として、特定のバインダーポリマーや増感色素などを用いる感光性樹脂組成物が開示されている。
特許文献2には、密着性(耐現像液性)を良好にするため、多官能アクリレート化合物を導入して架橋点を多くした感光性樹脂組成物が開示されている。
特許文献3には、露光部分と未露光部分とのコントラスト(イメージング性)を良好にするため、カテコール、ヒドロキノン等の重合禁止剤を用いた感光性樹脂組成物が開示されている。
特開2005−122123号公報 特開2003−215799号公報 特開2000−162767号公報
「エレクトロニクス実装技術」、2002年6月号、p.74〜79
しかしながら、特許文献1の感光性樹脂組成物は、感度や剥離特性の点では良好であるものの、解像度及び密着性の点で必ずしも十分ではない。
特許文献2の感光性樹脂組成物は、良好な密着性を有する反面、剥離特性の点で十分ではなく、硬化物が基板から剥離除去されにくい傾向がある。
特許文献3の感光性樹脂組成物は、解像度、密着性及びイメージング性の点では良好であるものの、感度の点では十分でなく、直接描画露光法を用いる場合に多くの露光時間を要する。
このように、従来の感光性樹脂組成物は、いずれも、レジストパターン形成用の感光性樹脂組成物に求められる特性を十分に満たすものではなかった。
そこで、本発明は、感度、解像度、密着性、レジスト形状及び硬化後の剥離特性がいずれも良好である感光性樹脂組成物、並びにこれを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、感光性樹脂組成物に含まれる親水性成分と疎水性成分とのバランスが、解像度、密着性、硬化後の剥離特性等に影響を与えるという事実を見出した。上記事実について、以下に具体的に述べる。
感光性樹脂組成物が親水性成分を多く含む場合、現像工程において露光部分が膨潤し、未硬化成分(光重合性化合物など)が現像液中に染み出すことにより、現像後のレジストライン間に現像残りが生じる傾向がある。また、露光部分が膨潤すると、溶解部である未露光部分に現像液が浸透しにくくなり、レジストの溶け残り(裾引き)が生じる傾向がある。さらに、現像時のレジストの膨潤とその後の収縮に伴う応力により、レジストラインのうねりや倒れ等が発生し、密着性が低下する傾向がある。
一方、感光性樹脂組成物が疎水性成分を多く含む場合、感光性樹脂組成物の硬化物を基板から剥離する際に、上記硬化物が剥離液に対して分散又は溶解しにくくなる結果、剥離時間が長くなり、剥離特性が十分でなくなる傾向がある。
本発明者らは、これらの知見に基づき、下記一般式(1)で表される、剛直な疎水性骨格にオキシエチレン基、オキシプロピレン基などの親水性基が導入された光重合性化合物を用いることにより、感度を良好に維持しつつ、解像度、密着性、硬化後の剥離特性等が向上した感光性樹脂組成物を得ることができることを見出した。
すなわち、本発明は、(A)バインダーポリマー、(B)光重合性化合物及び(C)光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物であって、(B)光重合性化合物が、下記一般式(1)で表される化合物を含む感光性樹脂組成物である。このような構成を備えることにより、本発明の感光性樹脂組成物は、感度、解像度、密着性、レジスト形状及び硬化後の剥離特性がいずれも良好なものとなる。
Figure 0005476739
上記一般式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11及びR12はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数3〜10のシクロアルキル基又はフェニル基を示し、R及びRのうち少なくとも1つ、並びに、R、R、R、R、R、R10、R11及びR12のうち少なくとも1つは、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数3〜10のシクロアルキル基又はフェニル基を示し、−(AO)−及び−(OB)−はそれぞれ独立に(ポリ)オキシエチレン鎖又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合鎖を示し、−(AO)−及び−(OB)−に含まれるオキシエチレン基の総数は2〜40であり、オキシプロピレン基の総数は0〜40である。
(B)光重合性化合物は、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物を更に含むことが好ましい。これにより、解像度及び硬化後の剥離特性が向上する。
(B)光重合性化合物は、(ポリ)オキシエチレン鎖及び(ポリ)オキシプロピレン鎖を有するポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートを更に含むことが好ましい。これにより、感光性樹脂組成物の硬化物(硬化膜)の可とう性が向上する。
(A)バインダーポリマーの酸価は30〜250mgKOH/gであることが好ましく、(A)バインダーポリマーの重量平均分子量は5000〜200000であることが好ましい。これにより、現像時間及び耐現像液性がバランスよく向上する。
(A)バインダーポリマーは、(メタ)アクリル酸又はその誘導体に由来するモノマー単位を有することが好ましい。これにより、アルカリ現像液に対する溶解性又は分散性(以下、「アルカリ現像性」という。)が向上する。
(A)バインダーポリマーは、スチレン又はその誘導体に由来するモノマー単位を有することが好ましい。これにより、密着性及び硬化後の剥離特性がバランスよく向上する。
(C)光重合開始剤は、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体を含むことが好ましい。これにより、感度及び密着性が向上する。
本発明の感光性樹脂組成物は、(D)増感色素を更に含むことが好ましい。これにより、特定の波長範囲内にピークを有する光を用いて露光する場合において、感光性樹脂組成物における極大吸収がその特定の波長範囲付近になるようにし、感光性樹脂組成物の感度をより高くすることが可能となる。
(D)増感色素は、ピラゾリン類、アントラセン類、クマリン類及びトリアリールアミン類からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。これにより、特に390〜420nmの範囲内の波長を有する活性光線を用いて露光を行う場合に、より良好な感度及び密着性を得ることが可能となる。
本発明の感光性樹脂組成物は、(E)アミン系化合物を更に含むことが好ましい。これにより、感光性樹脂組成物の感度がより良好となる。
また、本発明は、支持フィルムと、該支持フィルム上に形成された上記感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備える感光性エレメントである。このような感光性エレメントを用いることにより、良好なレジスト形状及び硬化後の剥離特性を有するレジストパターンを、感度良く効率的に形成することが可能となる。
また、本発明は、上記感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を基板上に積層する積層工程と、感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して上記所定部分を露光させ、硬化させる露光工程と、感光性樹脂組成物層の上記所定部分以外の部分を基板上から除去することにより、基板上に、感光性樹脂組成物の硬化物からなるレジストパターンを形成する現像工程と、を有するレジストパターンの形成方法である。上記方法によれば、良好なレジスト形状及び剥離特性を有するレジストパターンを、感度良く効率的に形成することができる。
上記レジストパターンの形成方法において、照射する活性光線の波長は、390〜420nmの範囲内とすることが好ましい。これにより、精度の高いレジストパターンをより効率的に形成することができる。
また、本発明は、上記方法によりレジストパターンが形成された基板をエッチング又はめっきすることを含む、プリント配線板の製造方法である。この製造方法によれば、高密度パッケージ基板のような高密度化した配線を有するプリント配線板をも、精度良く効率的に製造することができる。
本発明によれば、感度、解像度、密着性、レジスト形状及び硬化後の剥離特性がいずれも良好である感光性樹脂組成物、並びにこれを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基を意味する。
(感光性樹脂組成物)
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(A)バインダーポリマー(以下、「(A)成分」ともいう。)、(B)光重合性化合物(以下、「(B)成分」ともいう。)及び(C)光重合開始剤(以下、「(C)成分」ともいう。)を含有する。
<(B)成分:光重合性化合物>
(B)成分である光重合性化合物は、下記一般式(1)で表される化合物を含む。
Figure 0005476739
上記一般式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、好ましくはメチル基を示す。
及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数3〜10のシクロアルキル基又はフェニル基を示し、R及びRのうち少なくとも1つは、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数3〜10のシクロアルキル基又はフェニル基を示す。本発明の効果をより確実に得る観点から、R及びRは水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基であることが好ましく、水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基であることがより好ましく、水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル基であることが更に好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
、R、R、R、R、R10、R11及びR12はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数3〜10のシクロアルキル基又はフェニル基を示し、R、R、R、R、R、R10、R11及びR12のうち少なくとも1つは、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数3〜10のシクロアルキル基又はフェニル基を示す。密着性及び剥離性をバランスよく向上させる観点から、R〜R12のうち少なくとも1つは、炭素原子数1〜10のアルキル基又は炭素原子数3〜10のシクロアルキル基であることが好ましく、炭素原子数3〜10のアルキル基又は炭素原子数4〜10のシクロアルキル基であることがより好ましく、炭素原子数3〜8のアルキル基又は炭素原子数4〜8のシクロアルキル基であることがさらに好ましく、炭素原子数3〜8の分岐鎖状アルキル基又は炭素原子数5〜8のシクロアルキル基であることが特に好ましい。また、本発明の効果をより確実に得る観点から、R〜R12のうち少なくとも2つは、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数3〜10のシクロアルキル基又はフェニル基であることが好ましく、それらは異なっていてもよい。
上記炭素原子数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基等及びこれらの構造異性体が挙げられる。上記炭素原子数1〜10のアルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよい
上記炭素原子数3〜10のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデカニル基等が挙げられる。
−(AO)−及び−(OB)−はそれぞれ独立に、(ポリ)オキシエチレン鎖又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合鎖を示す。上記共重合鎖は、ブロック共重合鎖であってもランダム共重合鎖であってもよい。
−(AO)−が示すエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロック共重合鎖は、下記一般式(I)又は(II)で表される。
Figure 0005476739
−(AO)−が示すエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのランダム共重合鎖は、下記一般式(III)で表される。
Figure 0005476739
−(OB)−が示すエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロック共重合鎖は、下記一般式(IV)又は(V)で表される。
Figure 0005476739
−(OB)−が示すエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのランダム共重合鎖は、下記一般式(VI)で表される。
Figure 0005476739
上記一般式(I)〜(VI)において、Eはエチレン基を示し、Pはプロピレン基を示し、EO及びOEはオキシエチレン基を示し、PO及びOPはオキシプロピレン基を示す。また、a、a、a、a、a及びaはオキシエチレン基からなる構成単位の繰り返し数を示し、それぞれ独立に1以上の整数を示し、b、b、b、b、b及びbはオキシプロピレン基からなる構成単位の繰り返し数を示し、それぞれ独立に0以上の整数を示す。
−(AO)−及び−(OB)−に含まれるオキシエチレン基の総数は2〜40であり、解像度を向上させる観点から、上記総数は2〜36が好ましく、2〜30がより好ましく、4〜28が更に好ましい。また、−(AO)−及び−(OB)−に含まれるオキシプロピレン基の総数は0〜40であり、アルカリ現像性及び硬化後の剥離特性(以下、単に「剥離特性」という。)を向上させる観点から、上記総数は0〜30が好ましく、0〜20がより好ましく、0〜10が更に好ましい。
上記(ポリ)オキシプロピレン鎖又は上記共重合鎖におけるプロピレン基は、直鎖状でも分岐状でもよく、分岐状である場合、−CH(CH)CH−であっても、−CHCH(CH)−であってもよい。
上記一般式(1)で表される化合物は、例えば、以下のような公知の方法により得られる。まず、末端に水酸基を有する多核フェノール原料と、エチレンオキサイド、及び/又はプロピレンオキサイドとを反応させる。次いで、上記反応により得られた(ポリ)オキシエチレン化多核フェノール、(ポリ)オキシプロピレン化多核フェノール又は(ポリ)オキシエチレン・(ポリ)オキシプロピレン化多核フェノールの末端の水酸基に(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸メチル等を付加することにより、上記一般式(1)で表される化合物を得ることができる。
上記多核フェノール原料としては、公知の方法により合成したものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。市販品としては、BisOCHP−A、BisOSBP−A、BisOTBP−A(本州化学工業(株)製、商品名)等が挙げられる。
(B)光重合性化合物は、解像度及び剥離特性を向上させる観点から、上記一般式(1)で表される化合物と共に、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物をも含むことが好ましい。
ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物としては、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンが好ましく用いられる。2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリアルコキシ)フェニル)プロパンのポリアルコキシ基を構成する複数のアルコキシ基は、互いに同一でも相違していてもよく、ポリアルコキシ基が2種以上のアルコキシ基から構成される場合、各種アルコキシ基はランダムに存在していてもブロックを形成していてもよい。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられ、これらのなかでも、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンを用いることが好ましい。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。
これらのうち、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業(株)製、製品名)又はFA−321M(日立化成工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−1300(新中村化学工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能である。2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンの1分子内のエチレンオキサイド基の数は4〜20であることが好ましく、8〜15であることがより好ましい。これらは単独で、又は2種類以上を任意に組み合わせて使用される。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。
また、(B)光重合性化合物は、感光性樹脂組成物の硬化物(硬化膜)の可とう性を向上させる観点から、上記一般式(1)で表される化合物と共に、分子内に(ポリ)オキシエチレン鎖及び(ポリ)オキシプロピレン鎖を有するポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートをも含むことが好ましい。
ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートとしては、分子内の(ポリ)オキシアルキレン鎖として、(ポリ)オキシエチレン鎖及び(ポリ)オキシプロピレン鎖((ポリ)オキシ−n−プロピレン)鎖又は(ポリ)オキシイソプロピレン鎖)のいずれをも有するものであれば特に制限はない。また、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートは、さらに、(ポリ)オキシ−n−ブチレン鎖、(ポリ)オキシイソブチレン鎖、(ポリ)オキシ−n−ペンチレン鎖、(ポリ)オキシヘキシレン鎖や、これらの構造異性体等である炭素原子数4〜6程度の(ポリ)オキシアルキレン鎖を有していてもよい。
ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの分子内において、(ポリ)オキシエチレン鎖及び(ポリ)オキシプロピレン鎖は、それぞれ連続してブロック的に存在しても、ランダムに存在してもよい。また、(ポリ)オキシイソプロピレン鎖において、プロピレン基の2級炭素が酸素原子に結合していてもよく、1級炭素が酸素原子に結合していてもよい。
ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートとしては、下記一般式(2a)、(2b)又は(2c)で表される化合物が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
Figure 0005476739
Figure 0005476739
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上記式(2a)、(2b)及び(2c)中、R13、R14、R15、R16、R17及びR18はそれぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル基を示す。Eはエチレン基を示し、Pはプロピレン基を示す。EOはオキシエチレン基を示し、POはオキシプロピレン基を示す。m、m、m及びmはオキシエチレン基からなる構成単位の繰り返し数を示し、n、n、n及びnはオキシプロピレン基からなる構成単位の繰り返し数を示し、それぞれ独立に1〜30の整数を示す。
炭素原子数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
上記一般式(2a)、(2b)又は(2c)で表される化合物において、(ポリ)オキシエチレン鎖の構成単位(EO:オキシエチレン基)の繰り返し数の総数(m+m、m又はm)は1〜30の整数であり、好ましくは1〜10の整数であり、より好ましくは4〜9の整数であり、特に好ましくは5〜8の整数である。この繰り返し数の総数が30を超えると、十分なテント信頼性及びレジスト形状が得られにくくなる傾向がある。
また、(ポリ)オキシプロピレン鎖の構成単位(PO:オキシプロピレン基)の繰り返し数の総数(n、n+n又はn)は1〜30の整数であり、好ましくは5〜20の整数であり、より好ましくは8〜16の整数であり、特に好ましくは10〜14の整数である。この繰り返し数の総数が30を超えると、十分な解像度が得られにくくなり、スラッジが発生しやすくなる傾向がある。
上記一般式(2a)で表される化合物としては、R13,R14=メチル基、m+m=6(平均値)、n=12(平均値)であるビニル化合物(日立化成工業(株)製、商品名FA−023M)等が挙げられる。上記一般式(2b)で表される化合物としては、R15,R16=メチル基、m=6(平均値)、n+n=12(平均値)であるビニル化合物(日立化成工業(株)製、商品名FA−024M)等が挙げられる。上記一般式(2c)で表される化合物としては、R17,R18=水素原子、m=1(平均値)、n=9(平均値)であるビニル化合物(新中村化学工業(株)製、サンプル名NKエステルHEMA−9P)等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
さらに、(B)光重合性化合物は、上記以外の光重合性化合物を含んでいてもよい。上記以外の光重合性化合物としては、分子内に少なくとも1つのエチレン性不飽和結合を有するものであれば特に制限はなく、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー、ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレート、フタル酸系化合物、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物等が挙げられる。これらは単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用される。
多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO,PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用される。ここで、「EO変性」とは、オキシエチレン基のブロック構造を有する化合物(ポリオキシエチレン化された化合物)であることを意味し、「PO変性」とは、オキシプロピレン基のブロック構造を有する化合物(ポリオキシプロピレン化された化合物)であることを意味する。
これらのうち、入手可能なものとしては、A−TMM−3(新中村化学工業(株)製、商品名、テトラメチロールメタントリアクリレート)、TMPT21E、TMPT30E(日立化成工業(株)製、サンプル名、EO変性トリメチロールプロパントリメタクリレート)等が挙げられる。
上記分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物としては、β位にOH基を有する(メタ)アクリルモノマーとジイソシアネート化合物(イソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等)との付加反応物、トリス((メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート)ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、UA−11(新中村化学工業(株)製、製品名)が挙げられる。また、EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、UA−13(新中村化学工業(株)製、製品名)が挙げられる。これらは単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用される。
上記ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレートとしては、例えば、ノニルフェノキシテトラエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシペンタエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシヘキサエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシヘプタエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシオクタエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシノナエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシデカエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシウンデカエチレンオキシアクリレートが挙げられる。これらは単独で、又は2種類以上を任意に組み合わせて使用される。
上記フタル酸系化合物としては、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β´−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシアルキル−β´−(メタ)アクリロルオキシアルキル−o−フタレート等が挙げられる。これらは単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用される。
(B)成分(光重合性化合物)の含有量は、(A)成分(バインダーポリマー)及び(B)成分の総量100重量部に対して30〜70重量部とすることが好ましく、35〜65重量部とすることがより好ましく、40〜60重量部とすることが特に好ましい。この含有量が30重量部未満であると、十分な感度及び解像度が得られにくくなる傾向があり、70重量部を超えると、フィルムを形成しにくくなる傾向があり、良好なレジスト形状が得られにくくなる傾向がある。
<(A)成分:バインダーポリマー>
(A)バインダーポリマーの酸価は、30〜250mgKOH/gであることが好ましく、80〜220mgKOH/gであることがより好ましく、100〜200mgKOH/gであることが更に好ましく、120〜180mgKOH/gであることが特に好ましい。この酸価が30mgKOH/g未満であると現像時間が長くなる傾向があり、250mgKOH/gを超えると、感光性樹脂組成物の硬化物の耐現像液性が十分に得られにくくなる傾向がある。なお、溶剤現像を行う場合は、カルボキシル基を有する重合性単量体(モノマー)を少量に調製することが好ましい。
(A)バインダーポリマーの重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定(標準ポリスチレンを用いた検量線により換算)した場合、5000〜200000であることが好ましく、10000〜100000であることがより好ましく、20000〜80000であることが更に好ましく、30000〜70000であることが特に好ましい。Mwが5000未満であると、感光性樹脂組成物の硬化物の耐現像液性が十分に得られにくくなる傾向があり、200000を超えると現像時間が長くなる傾向がある。
(A)バインダーポリマーの分散度(Mw/Mn)は、1.0〜3.0であることが好ましく、1.0〜2.0であることがより好ましい。分散度が3.0を超えると密着性及び解像度が十分に得られなくなる傾向がある。
また、(A)バインダーポリマーは、必要に応じて350〜440nmの範囲内の波長を有する光に対して感光性を有する特性基をその分子内に有していてもよい。
(A)バインダーポリマーは、アルカリ現像性の見地から、(メタ)アクリル酸又はその誘導体に由来するモノマー単位を有することが好ましい。特に、感度及び剥離特性を向上させる観点から、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するモノマー単位を含むことが好ましく、解像度を向上させる観点から、(メタ)アクリル酸ベンジルエステルに由来するモノマー単位を有することが好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、下記一般式(3)で表される化合物、これらの化合物のアルキル基を水酸基、エポキシ基、ハロゲン基等で置換した化合物などが挙げられる。下記一般式(3)中、R19は水素原子又はメチル基を示し、R20は炭素原子数1〜12のアルキル基を示す。
Figure 0005476739
上記一般式(3)中のR20で示される炭素原子数1〜12のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基及びこれらの構造異性体が挙げられる。より感度及び剥離特性を向上させる観点から、上記アルキル基は、炭素原子数4以下のものであることが好ましい。
上記一般式(3)で表される化合物(モノマー)としては、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸プロピルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル、(メタ)アクリル酸ウンデシルエステル、(メタ)アクリル酸ドデシルエステル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を任意に組み合わせて用いることができる。
また、(A)バインダーポリマーは、密着性及び剥離特性のバランスを良好にする観点から、分子内にスチレン又はスチレン誘導体に由来するモノマー単位を含有することが好ましく、特にスチレンに由来するモノマー単位を有することが好ましい。
(A)バインダーポリマーが、分子内にスチレン又はその誘導体に由来するモノマー単位を有する場合、そのモノマー単位の含有量は、分子全質量を基準として5〜65質量%であることが好ましく、10〜60質量%であることがより好ましく、15〜55質量%であることが更に好ましく、20〜50であることが特に好ましい。この含有量が5質量%未満であると十分な密着性が得られにくくなる傾向があり、この含有量が65質量%を超えると、剥離片が大きくなり、剥離時間が長くなる傾向がある。
(A)バインダーポリマーは、例えば、重合性単量体(モノマー)をラジカル重合させることにより製造することができる。重合性単量体としては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のα−位若しくは芳香族環において置換されている重合可能なスチレン誘導体、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、(メタ)アクリル酸フルフリルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸イソボルニルエステル、(メタ)アクリル酸アダマンチルエステル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸などが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
(A)バインダーポリマーは、アルカリ現像性の見地から、カルボキシル基を有するポリマーの1種又は2種以上からなることが好ましい。このような(A)バインダーポリマーは、例えば、カルボキシル基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。上記カルボキシル基を有する重合性単量体としては、アルカリ現像性をより良好にする観点から、(メタ)アクリル酸が好ましく、メタクリル酸がより好ましい。
また、(A)バインダーポリマーは、密着性及び剥離特性のバランスを良好にする観点から、スチレン又はその誘導体とその他の重合性単量体とをラジカル重合させることにより製造されたものであることが好ましい。
(A)成分であるバインダーポリマーとしては、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられるが、アルカリ現像性の観点から、アクリル系樹脂が好ましい。
(A)バインダーポリマーは、1種類のバインダーポリマーを単独で使用してもよく、2種類以上のバインダーポリマーを任意に組み合わせて使用してもよい。2種類以上を組み合わせて使用する場合のバインダーポリマーとしては、例えば、異なる共重合成分からなる2種類以上の(異なるモノマー単位を共重合成分として含む)バインダーポリマー、異なる重量平均分子量の2種類以上のバインダーポリマー、異なる分散度の2種類以上のバインダーポリマーなどが挙げられる。また、特開平11−327137号公報に記載のマルチモード分子量分布を有するポリマーを使用することもできる。
(A)成分(バインダーポリマー)の含有量は、(A)成分及び(B)成分(光重合性化合物)の総量100重量部に対して30〜70重量部とすることが好ましく、35〜65重量部とすることがより好ましく、40〜60重量部とすることが特に好ましい。この含有量が30重量部未満ではフィルムを形成しにくくなる傾向があり、70重量部を超えると、感度及び解像度が十分に得られにくくなる傾向がある。
<(C)成分:光重合開始剤>
(C)光重合開始剤としては、例えば、4,4´−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1,2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン;アルキルアントラキノン等のキノン類;ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9´−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;N−フェニルグリシン;N−フェニルグリシン誘導体;クマリン系化合物などが挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
感度及び密着性の観点から、(C)光重合開始剤は2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体を含むことが好ましい。2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体における2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は、同一で対称な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。
(C)光重合開始剤が2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体を含む場合、その含有量は、感度及び密着性の観点から、(C)光重合開始剤の総量に対して、10〜100質量%が好ましく、30〜100質量%がより好ましく、50〜100質量%が特に好ましい。この含有量が、10質量%未満では感度及び解像度が十分に得られにくくなる傾向がある。
(C)成分(光重合開始剤)の含有量は、(A)成分(バインダーポリマー)及び(B)成分(光重合性化合物)の総量100重量部に対して0.1〜10重量部とすることが好ましく、2〜6重量部とすることがより好ましく、3.5〜5重量部とするのが特に好ましい。この含有量が0.1重量部未満では感度及び解像度が十分に得られにくくなる傾向があり、10重量部を超えると、十分に良好なレジスト形状が得られにくくなる傾向がある。
<(D)成分:増感色素>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(D)増感色素を更に含むことが好ましい。(D)増感色素としては、ジアルキルアミノベンゾフェノン類、ピラゾリン類、アントラセン類、クマリン類、キサントン類、オキサゾール類、ベンゾオキサゾール類、チアゾール類、ベンゾチアゾール類、トリアゾール類、スチルベン類、トリアジン類、チオフェン類、ナフタルイミド類、トリアリールアミン類などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
特に、390〜420nmの活性光線を用いて感光性樹脂組成物層の露光を行う場合には、感度及び密着性の観点から、(D)増感色素は、ピラゾリン類、アントラセン類、クマリン類及びトリアリールアミン類からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、中でもピラゾリン類、アントラセン類又はトリアリールアミン類を含むことがより好ましい。
感光性樹脂組成物が(D)成分(増感色素)を含む場合、その含有量は、(A)成分(バインダーポリマー)及び(B)成分(光重合性化合物)の総量100重量部に対して0.01〜10重量部とすることが好ましく、0.05〜5重量部とすることがより好ましく、0.1〜2重量部とすることが特に好ましい。この含有量が0.01重量部未満では感度及び解像度が得られにくくなる傾向があり、10重量部を超えると十分に良好なレジスト形状が得られにくくなる傾向がある。
<(E)成分:アミン系化合物>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(E)アミン系化合物を更に含むことが好ましい。(E)アミン系化合物としては、ビス[4−(ジメチルアミノ)フェニル]メタン、ビス[4−(ジエチルアミノ)フェニル]メタン、ロイコクリスタルバイオレットなどが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
感光性樹脂組成物が(E)アミン系化合物を含む場合、その含有量は、(A)成分(バインダーポリマー)及び(B)成分(光重合性化合物)の総量100重量部に対して0.01〜10重量部とすることが好ましく、0.05〜5重量部とすることがより好ましく、0.1〜2重量部とすることが特に好ましい。この含有量が0.01重量部未満では十分な感度が得られにくくなる傾向があり、10重量部を超えると、フィルム形成後、過剰な(E)成分が異物として析出しやすくなる傾向がある。
<その他の成分>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、必要に応じて、分子内に少なくとも1つのカチオン重合可能な環状エーテル基を有する光重合性化合物(オキセタン化合物等)、カチオン重合開始剤、マラカイトグリーン等の染料、トリブロモフェニルスルホン、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤などを含有してもよい。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。これらの含有量は、(A)成分(バインダーポリマー)及び(B)成分(光重合性化合物)の総量100質量部に対して、それぞれ0.01〜20質量部程度とすることが好ましい。
(感光性樹脂組成物の溶液)
本実施形態の感光性樹脂組成物を有機溶剤に溶解して、固形分30〜60質量%程度の溶液(塗布液)として用いることができる。有機溶剤としては、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、又はこれらの混合溶剤が挙げられる。
上記塗布液を、金属板などの表面上に塗布し、乾燥させることにより、本実施形態の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を形成することができる。金属板としては、銅、銅系合金、ニッケル、クロム、鉄、ステンレス等の鉄系合金、好ましくは銅、銅系合金、鉄系合金などが挙げられる。
感光性樹脂組成物層の厚みは、その用途により異なるが、乾燥後の厚みで1〜100μm程度であることが好ましい。感光性樹脂組成物層の金属板とは反対側の表面を、保護フィルムで被覆してもよい。保護フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体フィルムなどが挙げられる。
(感光性エレメント)
上記感光性樹脂組成物の溶液を、支持フィルム上に塗布し、乾燥させることにより、支持フィルム上に上記感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を形成することができる。このようにして、支持フィルムと、該支持フィルム上に形成された上記感光性樹脂組成物層とを備える、本実施形態の感光性エレメントが得られる。
支持フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。支持フィルム(重合体フィルム)の厚みは、1〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましく、5〜30μmであることが更に好ましい。この厚みが1μm未満であると、支持フィルムを剥離する際に支持フィルムが破れやすくなる傾向があり、100μmを超えると解像度が十分に得られにくくなる傾向がある。
感光性エレメントは、必要に応じて、感光性樹脂組成物層の支持フィルムとは反対側の表面を被覆する保護フィルムを備えてもよい。
保護フィルムとしては、感光性樹脂組成物層に対する接着力が、支持フィルムの感光性樹脂組成物層に対する接着力よりも小さいものが好ましく、また、低フィッシュアイのフィルムが好ましい。ここで、「フィッシュアイ」とは、材料を熱溶融し、混練、押し出し、2軸延伸、キャスティング法等によりフィルムを製造する際に、材料の異物、未溶解物、酸化劣化物等がフィルム中に取り込まれたものを意味する。すなわち、「低フィッシュアイ」とは、フィルム中の上記異物等が少ないことを意味する。
具体的に、保護フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。市販のものとしては、王子製紙社製アルファンMA‐410、E−200C、信越フィルム社製等のポリプロピレンフィルム、帝人社製PS−25等のPSシリーズなどのポリエチレンテレフタレートフィルム等が挙げられる。なお、保護フィルムは支持フィルムと同一のものでもよい。
保護フィルムの厚みは1〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましく、5〜30μmであることが更に好ましく、15〜30μmであることが特に好ましい。この厚みが1μm未満であると、感光性樹脂組成物層及び保護フィルムを基板上に積層(ラミネート)する際、保護フィルムが破れやすくなる傾向があり、100μmを超えると廉価性の点で十分でなくなる傾向がある。
感光性樹脂組成物の溶液の支持フィルム上への塗布は、ロールコータ、コンマコータ、グラビアコータ、エアーナイフコータ、ダイコータ、バーコータ等の公知の方法により行うことができる。
上記溶液の乾燥は、70〜150℃にて、5〜30分間程度行うことが好ましい。乾燥後、感光性樹脂組成物層中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止する観点から、2質量%以下とすることが好ましい。
感光性エレメントにおける感光性樹脂組成物層の厚みは、用途により異なるが、乾燥後の厚みで1〜100μmであることが好ましく、1〜50μmであることがより好ましく、5〜40μmであることが更に好ましい。この厚みが1μm未満であると、工業的に塗工しにくくなる傾向があり、100μmを超えると、密着性及び解像度が十分に得られにくくなる傾向がある。
上記感光性樹脂組成物層の紫外線に対する透過率は、波長405nmの紫外線に対して5〜75%であることが好ましく、10〜65%であることがより好ましく、15〜55%であることが特に好ましい。この透過率が5%未満であると、十分な密着性が得られにくくなる傾向があり、75%を超えると、十分な解像度が得られにくくなる傾向がある。上記透過率は、UV分光計により測定することができる。UV分光計としては、日立製作所製228A型Wビーム分光光度計が挙げられる。
感光性エレメントは、更にクッション層、接着層、光吸収層、ガスバリア層等の中間層等を有していてもよい。
得られた感光性エレメントは、シート状で又は巻芯にロール状に巻き取って保管することができる。ロール状に巻き取る場合、支持フィルムが外側になるように巻き取ることが好ましい。巻芯としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等のプラスチックなどが挙げられる。このようにして得られたロール状の感光性エレメントロールの端面には、端面保護の見地から端面セパレータを設置することが好ましく、耐エッジフュージョンの見地から防湿端面セパレータを設置することが好ましい。梱包方法としては、透湿性の小さいブラックシートに包んで包装することが好ましい。
(レジストパターンの形成方法)
上記感光性樹脂組成物を用いて、レジストパターンを形成することができる。本実施形態に係るレジストパターンの形成方法は、(i)上記感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を基板上に積層する積層工程と、(ii)感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射してその所定部分を露光させ、硬化させる露光工程と、(iii)感光性樹脂組成物層の上記所定部分以外の部分を基板上から除去することにより、基板上に、感光性樹脂組成物の硬化物からなるレジストパターンを形成する現像工程と、を有する。
(i)積層工程
まず、感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を基板上に積層する。基板としては、絶縁層と該絶縁層上に形成された導体層とを備えた基板(回路形成用基板)を用いることができる。
感光性樹脂組成物層の基板上への積層は、例えば、上記感光性エレメントの保護フィルムを除去した後、感光性エレメントの感光性樹脂組成物層を加熱しながら上記基板に圧着することにより行われる。これにより、基板と感光性樹脂組成物層と支持フィルムとからなり、これらが順に積層された積層体が得られる。
この積層作業は、密着性及び追従性の見地から、減圧下で行うことが好ましい。圧着の際の感光性樹脂組成物層及び/又は基板の加熱は、70〜130℃の温度で行うことが好ましく、0.1〜1.0MPa程度(1〜10kgf/cm程度)の圧力で圧着することが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。なお、感光性樹脂組成物層を70〜130℃に加熱すれば、予め基板を予熱処理することは必要ではないが、積層性をさらに向上させるために、基板の予熱処理を行うこともできる。
(ii)露光工程
次に、基板上の感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射してその所定部分を露光させ、硬化させる。この際、感光性樹脂組成物層上に存在する支持フィルムが活性光線に対して透過性である場合には、支持フィルムを通して活性光線を照射することができるが、支持フィルムが遮光性である場合には、支持フィルムを除去した後に感光性樹脂組成物層に活性光線を照射する。
露光方法としては、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線を画像上に照射する方法(マスク露光法)が挙げられる。また、レーザ直接描画露光法やDLP(Digital Light Processing)露光法などの直接描画法により活性光線を画像状に照射する方法を採用してもよい。
活性光線の光源としては、公知の光源を用いることができ、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、アルゴンレーザ等のガスレーザ、YAGレーザ等の固体レーザ、半導体レーザ等の紫外線、可視光などを有効に放射するものが用いられる。
活性光線の波長(露光波長)としては、本発明の効果をより確実に得る観点から、350〜420nmの範囲内とすることが好ましく、390〜420nmの範囲内とすることが好ましい。
(iii)現像工程
さらに、感光性樹脂組成物層の上記所定部分以外の部分を基板上から除去することにより、基板上に、感光性樹脂組成物の硬化物からなるレジストパターンを形成する。感光性樹脂組成物層上に支持フィルムが存在している場合には、支持フィルムを除去してから、上記所定部分(露光部分)以外の部分(未露光部分)の除去(現像)を行う。現像方法には、ウェット現像とドライ現像とがあるが、ウェット現像が広く用いられている。
ウェット現像による場合、感光性樹脂組成物に対応した現像液を用いて、公知の現像方法により現像する。現像方法としては、ディップ方式、バトル方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング、スクラッピング、揺動浸漬等を用いた方法が挙げられ、解像度向上の観点からは、高圧スプレー方式が最も適している。これら2種以上の方法を組み合わせて現像を行ってもよい。
現像液としては、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤系現像液等が挙げられる。
アルカリ性水溶液は、現像液として用いられる場合、安全且つ安定であり、操作性が良好である。アルカリ性水溶液の塩基としては、リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物等の水酸化アルカリ;リチウム、ナトリウム、カリウム又はアンモニウムの炭酸塩又は重炭酸塩等の炭酸アルカリ;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩;ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩などが用いられる。
アルカリ性水溶液としては、0.1〜5質量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%水酸化ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%四ホウ酸ナトリウムの希薄溶液等が好ましい。アルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光性樹脂組成物層のアルカリ現像性に合わせて調節される。アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
水系現像液は、例えば、水又はアルカリ性水溶液と1種以上の有機溶剤とからなる現像液である。ここで、アルカリ性水溶液の塩基としては、先に述べた物質以外に、例えば、ホウ砂やメタケイ酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ジアミノプロパノール−2、モルホリン等が挙げられる。水系現像液のpHは、現像が十分に行われる範囲でできるだけ小さくすることが好ましく、pH8〜12とすることが好ましく、pH9〜10とすることがより好ましい。
水系現像液に用いる有機溶剤としては、アセトン、酢酸エチル、炭素原子数1〜4のアルコキシ基をもつアルコキシエタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。水系現像液における有機溶剤の濃度は、通常、2〜90質量%とすることが好ましく、その温度は、アルカリ現像性に合わせて調整することができる。水系現像液中には、界面活性剤、消泡剤等を少量混入することもできる。
有機溶剤系現像液としては、1,1,1−トリクロロエタン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン等の有機溶剤が挙げられる。これらの有機溶剤には、引火防止のため、1〜20質量%の範囲で水を添加することが好ましい。
未露光部分を除去した後、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10J/cm程度の露光を行うことにより、レジストパターンを更に硬化してもよい。
(プリント配線板の製造方法)
上記方法によりレジストパターンが形成された基板をエッチング又はめっきすることにより、プリント配線板を製造することができる。基板のエッチング又はめっきは、形成されたレジストパターンをマスクとして、基板の導体層等に対して行われる。
エッチングを行う場合のエッチング液としては、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素エッチング液が挙げられ、これらの中では、エッチファクタが良好な点から塩化第二鉄溶液を用いることが好ましい。
めっきを行う場合のめっき方法としては、硫酸銅めっき、ピロリン酸銅めっき等の銅めっき、ハイスローはんだめっき等のはんだめっき、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)めっき、スルファミン酸ニッケル等のニッケルめっき、ハード金メッキ、ソフト金メッキ等の金メッキなどが挙げられる。
エッチング又はめっき終了後、レジストパターンは、例えば、現像に用いたアルカリ性水溶液より更に強アルカリ性の水溶液により剥離することができる。この強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1〜10質量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10質量%水酸化カリウム水溶液等が用いられる。なかでも、1〜10質量%水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液を用いることが好ましく、1〜5質量%水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液を用いることがより好ましい。
レジストパターンの剥離方式としては、浸漬方式、スプレー方式等が挙げられ、これらは単独で用いても併用してもよい。また、レジストパターンが形成されたプリント配線板は、多層プリント配線板でもよく、小径スルーホールを有していてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(A)バインダーポリマー
(A−1)
重合性単量体(モノマー)であるメタクリル酸75g、メタクリル酸メチル105g及びスチレン120gの混合液(質量比25/35/40)300gに、ラジカル反応開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル1.5gを溶解して得た溶液を「溶液a」とした。
有機溶剤であるプロピレングリコールモノメチルエーテル60g及びトルエン40gの混合液(質量比3:2)100gに、ラジカル反応開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル1.0gを溶解して得た溶液を「溶液b」とした。
撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、有機溶剤であるプロピレングリコールモノメチルエーテル180g及びトルエン120gの混合液(質量比3:2)300gを投入した。フラスコ内に窒素ガスを吹き込みながら、上記混合液を撹拌しつつ加熱して80℃まで昇温させた。
フラスコ内の上記混合液に、上記溶液aを4時間かけて滴下した後、フラスコ内の溶液を撹拌しながら80℃にて2時間保温した。次いで、フラスコ内の溶液に、上記溶液bを10分間かけて滴下した後、フラスコ内の溶液を撹拌しながら80℃にて3時間保温した。
さらに、フラスコ内の溶液を30分間かけて90℃まで昇温させ、90℃にて2時間保温した後冷却することにより、バインダーポリマー(A−1)の溶液を得た。
バインダーポリマー(A−1)の不揮発分(固形分)は48.6質量%であり、重量平均分子量は50000であり、酸価は163mgKOH/gであった。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算することにより導出した。GPCの条件は、以下に示すとおりである。
GPC条件
ポンプ:日立 L−6000型((株)日立製作所製)
カラム:以下の計3本
Gelpack GL−R420
Gelpack GL−R430
Gelpack GL−R440(以上、日立化成工業(株)製、商品名)
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量:2.05mL/分
検出器:日立 L−3300型RI((株)日立製作所製)
(A−2)
重合性単量体(モノマー)として、メタクリル酸メチルに代えてメタクリル酸ベンジルを用いたほかは、バインダーポリマー(A−1)の溶液を得るのと同様にしてバインダーポリマー(A−2)の溶液を得た。バインダーポリマー(A−2)の不揮発分(固形分)は43.8質量%であり、重量平均分子量は50000であり、酸価は163mgKOH/gであった。
(B)光重合性化合物
(B−1)
反応器である容量30Lのオートクレーブ(SUS製)内に、末端に水酸基が結合した多核フェノール原料であるBisOCHP−A(本州化学工業(株)製、商品名)20モルを投入し、触媒であるフレーク状の水酸化カリウム11.52gを加えて混合し、さらに、BisOCHP−A(本州化学工業(株)製、商品名)20モル(合計40モル)を加えて混合した。
空気による着色を防止するため、反応器(オートクレーブ)内の窒素置換を行った。具体的には、反応器内を4kPa(abs)まで減圧した後、窒素により常圧まで戻す操作を3回繰り返すことにより窒素置換を行った。窒素置換後、反応器内を0.1kPa(abs)にした。
反応器内の混合物にエチレンオキサイド912gを加え、得られた混合液を撹拌しながら、低圧蒸気にて130℃まで昇温した。液温が130℃に達したら、残量のエチレンオキサイド16688g(合計17600g、400モル)の導入を開始した。エチレンオキサイドの導入は、反応温度160±5℃、反応圧力0.29MPa以下を保つように、コイルに冷水を通水して反応熱を除去しながら行った。
エチレンオキサイドの導入終了後、反応温度を保ちながら熟成を行った。熟成は、HCl−CaCl法で未反応のエチレンオキサイドが検出されなくなるまで行った。熟成終了後、混合液を70℃まで冷却し、燐酸を添加してpH4.0付近になるように中和した。このようにして、エチレンオキサイド付加モル数が10であるポリオキシエチレン化多核フェノール(以下、「多核フェノール−10モルEO付加物」という。)を得た。この多核フェノール−10モルEO付加物の5質量%の水溶液を調製してpHを測定した結果、pH3.8だった。
撹拌機、温度計、空気導入管及び精留塔(7段)を取り付けた容量1Lのフラスコに、多核フェノール−10モルEO付加物0.24mol、メタクリル酸メチル250g(2.5mol)及びヒドロキノンモノメチルエーテル0.05gを投入した。フラスコ内に乾燥空気を150mL/minの速度で吹き込みながら加熱還流を行うことにより、系内の水分を300ppm以下になるまで除去した。加熱還流は、反応温度が80±1℃になるように圧力を調整して行った。さらに、フラスコ内にオルトチタン酸テトライソプロピル(チタンテトライソプロポキシド)0.25gを加え、エステル交換反応を行った。
エステル交換反応開始から1時間後及び2時間後に、オルトチタン酸テトライソプロピルを0.25gずつフラスコ内に添加し、3時間後には0.5g添加し、4時間後にアルコール転化率が95%になったら反応終了とした。その間、塔頂温を下げるため、必要に応じて抜き出しコックからの抜き出しを行った。反応終了後、冷却した反応液に、HO35gを添加し、脱水、濃縮後、濾過することにより、下記一般式(B1)で表される光重合性化合物(B−1)を得た。下記式(B1)中、Eはエチレン基を示し、EO及びOEはオキシエチレン基を示し、a及びaはオキシエチレン基からなる構成単位の繰り返し数を示し、a+aの平均値は10である。
Figure 0005476739
(B−2)
末端に水酸基が結合した多核フェノール原料として、BisOCHP−Aに代えてBisOSBP−A(本州化学工業株式会社製、商品名)を用いたほかは、光重合性化合物(B−1)と同様にして、下記一般式(B2)で表される光重合性化合物(B−2)を得た。下記式(B2)中、Eはエチレン基を示し、EO及びOEはオキシエチレン基を示し、a及びa10はオキシエチレン基からなる構成単位の繰り返し数を示し、a+a10の平均値は10である。
Figure 0005476739
(B−3)
末端に水酸基が結合した多核フェノール原料として、BisOCHP−Aに代えてBisOTBP−A(本州化学工業株式会社製、商品名)を用いたほかは、光重合性化合物(B−1)と同様にして、下記一般式(B3)で表される光重合性化合物(B−3)を得た。下記式(B3)中、Eはエチレン基を示し、EO及びOEはオキシエチレン基を示し、a11及びa12はオキシエチレン基からなる構成単位の繰り返し数を示し、a11+a12の平均値は10である。
Figure 0005476739
(感光性樹脂組成物の溶液)
以下の表1〜6に示す成分を、表1〜6に示す配合量で混合することにより、実施例1〜24及び比較例1〜10の感光性樹脂組成物の溶液を調製した。なお、表1〜6に示す(A)成分の配合量は、不揮発分の質量(固形分量)である。
Figure 0005476739
Figure 0005476739
Figure 0005476739
Figure 0005476739
Figure 0005476739
Figure 0005476739
上記表1〜6に示す各成分の詳細については、以下のとおりである。
(B)成分
・FA−321M(日立化成工業(株)製、商品名):
2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン
・FA−023M(日立化成工業(株)製、商品名):
上記一般式(2a)において、R13,R14=メチル基、m+m=6(平均値)、n=12(平均値)である化合物
・TMPT21E(日立化成工業(株)製、サンプル名):
EO変性トリメチロールプロパンアクリレート(エチレンオキサイド平均21mol付加物)
・SR−454(サートマー(株)製、商品名):
トリメチロールプロパントリオキシエチレントリアクリレート
・UA−13(新中村化学(株)製、商品名):
下記式(4)で表されるウレタン結合を有するジメタクリレート化合物
Figure 0005476739
・NP−8EA(共栄社化学(株)製):
4−ノルマルノニルフェノキシオクタエチレングリコールアクリレート
(C)成分
・B−CIM:
2,2´−ビス(2−クロロフェニル)−4,4´、5,5´−テトラフェニルビスイミダゾール
・TCDM−HABI:
上記B−CIMと、2,2´,4,4´−テトラ(o−クロロフェニル)−5,5´−ビス−(3,4−ジメトキシフェニル)−ビスイミダゾール(TCTM−HABI)とのカップリング反応によって得られた混合物。混合比は、カップリング体2,2´,5´−トリス(o−クロロフェニル)−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−4´,5´−ジフェニル−ビスイミダゾール(TCDM−HABI)46部、B−CIM16部、TCTM−HABI38部。
(D)成分
・DBA(川崎化成工業社製、商品名):9,10−ジブトキシアントラセン
・(D−1):1−フェニル−3−(4―メトキシスチリル)−5−(4―メトキシフェニル)ピラゾリン
・(D−2):下記式(5)で表されるトリフェニルアミン誘導体
Figure 0005476739
(E)成分:LCV:ロイコクリスタルバイオレット(山田化学社製、商品名)
染料:マラカイトグリーン(大阪有機化学工業社製、商品名)
(感光性エレメント)
上記実施例1〜24及び比較例1〜10の感光性樹脂組成物の溶液を、それぞれ厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人(株)製、製品名「HTF−01」)上に均一に塗布し、70℃及び110℃の熱風対流式乾燥器で乾燥して、乾燥後の膜厚が15μmである感光性樹脂組成物層を形成した。この感光性樹脂組成物層上に保護フィルム(タマポリ(株)製、製品名「NF−15」)をロール加圧にて積層することにより、ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持フィルム)と、その上に形成された各感光性樹脂組成物層と、その上に形成された保護フィルムとからなる、実施例1〜24及び比較例1〜10の感光性エレメントを得た。
(積層基板)
ガラスエポキシ材と、その両面に形成された銅箔(厚さ35μm)とからなる銅張積層板(日立化成工業(株)製、製品名MCL−E−67)の銅表面を、#600相当のブラシを持つ研磨機(三啓(株)製)を用いて研磨し、水洗後、空気流で乾燥させた。この銅張積層板(以下、「基板」という。)を加熱して80℃に昇温させた後、実施例1〜24及び比較例1〜10の感光性エレメントを、基板の両側の銅表面にラミネート(積層)した。ラミネートは、保護フィルムを除去しながら、各感光性エレメントの感光性樹脂組成物層が基板の各銅表面に密着するようにして、温度120℃且つ圧力4kgf/cmの条件下で行った。このようにして、基板の両側の銅表面に、感光性樹脂組成物層及びポリエチレンテレフタレートフィルムが積層された積層基板を得た。
(感度の評価)
得られた積層基板を放冷し、23℃になった時点で、積層基板の表面のポリエチレンテレフタレートフィルムに、ステップタブレットを有するフォトツールを密着させた。ステップタブレットとしては、濃度領域が0.00〜2.00、濃度ステップが0.05、タブレットの大きさが20mm×187mm、各ステップの大きさが3mm×12mmである41段ステップタブレットを用いた。このようなステップタブレットを有するフォトツール及びポリエチレンテレフタレートフィルムを介して、感光性樹脂組成物層に対して露光(描画)を行った。露光は、405nmの青紫色レーザダイオードを光源とする日立ビアメカニクス社製直描機「DE−1AH」(商品名)を使用して、100mJ/cmのエネルギー量(露光量)で行った。なお、照度の測定は、405nm対応プローブを適用した紫外線照度計(ウシオ電機(株)製、商品名「UIT−150」)を用いて行った。
露光後、積層基板からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、感光性樹脂組成物層を露出させた。露出した感光性樹脂組成物層に対し、1質量%炭酸ナトリウム水溶液を30℃にて30秒間スプレー(現像処理)することにより、未露光部分を除去した。このようにして、積層基板の銅表面に、感光性樹脂組成物の硬化物からなる硬化膜を形成した。得られた硬化膜のステップタブレットの段数を測定することにより、実施例1〜24及び比較例1〜10の感光性樹脂組成物及び感光性エレメントの感度(光感度)を評価した。上記段数が高いほど感度が良好であることを意味する。結果を表7及び8に示す。
(解像度及び密着性の評価)
<解像度・密着性(L/S=x/x)>
ライン幅(L)/スペース幅(S)(以下、「L/S」と記す。)が5/5〜30/30(単位:μm)(L/S=x/x)である描画パターンを用いて、上記積層基板の感光性樹脂組成物層に対して露光(描画)を行った。露光は、41段ステップタブレットの現像後の段数が12段となるエネルギー量で行った。露光後、上記感度の評価と同様の現像処理を行った。
スペース部分(未露光部分)がきれいに除去され、且つライン部分(露光部分)が蛇行や欠けを生じることなく形成された場合に用いた描画パターンのライン幅又はスペース幅の最小値により、解像度及び密着性を評価した。この最小値が小さいほど解像度及び密着性が良好であることを意味する。結果を表7及び8に示す。
<解像度(L/S=3x/x)>
L/Sが15/5〜90/30(単位:μm)(L/S=3x/x)である描画パターン(抜きパターン)を用いて、上記と同様に露光及び現像処理を行った。スペース部分(未露光部分)がきれいに除去された場合に用いた描画パターンのスペース幅の最小値により、解像度を評価した。この最小値が小さいほど解像度が良好であることを意味する。結果を表7及び8に示す。
<密着性(L/S=x/3x)>
L/Sが5/15〜30/90(単位:μm)(L/S=x/3x)の描画パターン(残しパターン)を用いて、上記と同様に露光及び現像処理を行った。ライン部分が蛇行やカケを生じることなく形成された場合に用いた描画パターンのライン幅の最小値により、密着性を評価した。この最小値が小さいほど密着性が良好であることを意味する。結果を表7及び8に示す。
(レジスト形状の評価)
上記解像度・密着性(L/S=x/x)の評価において、得られたレジスト形状(レジストパターンの断面形状)を日立走査型電子顕微鏡S−500Aを用いて観察した。結果を表4に示す。レジスト形状が台形又は逆台形である場合や、レジストの裾引きがある場合には、その後のエッチング処理又はめっき処理により形成された回路に短絡や断線が生じやすくなる傾向がある。従って、レジスト形状は矩形(長方形)で、且つレジストの裾引きがないことが望ましい。
(剥離特性の評価)
各感光性エレメントを上記銅張積層板(基板)上に積層し、以下に示す条件で露光及び現像を行うことにより、基板上に硬化膜が形成された試験片(40mm×50mm)を作製した。
<露光条件>
露光機:405nmの青紫色レーザダイオードを光源とする日立ビアメカニクス社製直描機「DE−1AH」
露光量:100mJ/cm
サイズ:40mm×50mm
<現像条件>
現像液:1質量% NaCO
液温:30℃
スプレー式
この試験片を室温で一昼夜放置した後、50℃の3質量%水酸化ナトリウム水溶液(剥離液)に浸漬(ディップ)し、撹拌子により撹拌した。撹拌開始から、硬化膜が基板から完全に剥離除去されるまでの時間(剥離時間)により剥離特性を評価した。剥離時間が短いほど剥離特性が良好であることを意味する。結果を表7及び8に示す。
Figure 0005476739
Figure 0005476739
表7及び8から明らかなように、実施例1〜24の感光性樹脂組成物は、感度、解像度、密着性、レジスト形状及び硬化後の剥離特性がいずれも良好なものであった。それに対し、(B)成分として(B−1)〜(B−3)のいずれをも含有しない比較例1〜10の感光性樹脂組成物は、感度、解像度、密着性、レジスト形状又は硬化後の剥離特性のいずれかが、実施例のものと比べて顕著に不十分であった。
本発明の感光性樹脂組成物は、プリント配線板のレジストパターンを形成する材料として適用される。特に、上記感光性樹脂組成物は、感度、解像度、密着性、レジスト形状及び硬化後の剥離特性がいずれも良好であるため、高密度パッケージ基板等の高密度化した配線を有するプリント配線板のレジストパターン形成にも、好適に用いられる。

Claims (15)

  1. (A)バインダーポリマー、(B)光重合性化合物及び(C)光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物であって、
    前記(B)光重合性化合物が、下記一般式(1)で表される化合物を含む、レジストパターン形成用の感光性樹脂組成物。
    Figure 0005476739
    [上記一般式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11及びR12はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数3〜10のシクロアルキル基又はフェニル基を示し、R及びRのうち少なくとも1つ、並びに、R、R、R、R、R、R10、R11及びR12のうち少なくとも1つは、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数3〜10のシクロアルキル基又はフェニル基を示し、−(AO)−及び−(OB)−はそれぞれ独立に(ポリ)オキシエチレン鎖又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合鎖を示し、−(AO)−及び−(OB)−に含まれるオキシエチレン基の総数は2〜40であり、オキシプロピレン基の総数は0〜40である。]
  2. 前記(B)光重合性化合物が、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物を更に含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記(B)光重合性化合物が、(ポリ)オキシエチレン鎖及び(ポリ)オキシプロピレン鎖を有するポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートを更に含む、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記(A)バインダーポリマーの酸価が30〜250mgKOH/gである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記(A)バインダーポリマーの重量平均分子量が5000〜200000である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記(A)バインダーポリマーが、(メタ)アクリル酸又はその誘導体に由来するモノマー単位を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 前記(A)バインダーポリマーが、スチレン又はその誘導体に由来するモノマー単位を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 前記(C)光重合開始剤が、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  9. (D)増感色素を更に含有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  10. 前記(D)増感色素が、ピラゾリン類、アントラセン類、クマリン類及びトリアリールアミン類からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項9に記載の感光性樹脂組成物。
  11. (E)アミン系化合物を更に含有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  12. 支持フィルムと、該支持フィルム上に形成された請求項1〜11のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備える、感光性エレメント。
  13. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を基板上に積層する積層工程と、
    前記感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して前記所定部分を露光させ、硬化させる露光工程と、
    前記感光性樹脂組成物層の前記所定部分以外の部分を前記基板上から除去することにより、前記基板上に、前記感光性樹脂組成物の硬化物からなるレジストパターンを形成する現像工程と、を有するレジストパターンの形成方法。
  14. 前記活性光線の波長が390〜420nmの範囲内である、請求項13に記載のレジストパターンの形成方法。
  15. 請求項13又は14に記載の方法によりレジストパターンが形成された基板をエッチング又はめっきすることを含む、プリント配線板の製造方法。
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