JP2018003062A - 高強度高加工性熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

高強度高加工性熱延鋼板およびその製造方法 Download PDF

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治郎 仲道
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Mikmekova Sarka
ミクメコバ シャルカ
山崎 和彦
Kazuhiko Yamazaki
和彦 山崎
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Abstract

【課題】引張強さが980MPa以上であり、加工性(打抜き性と穴広げ性)に優れた熱延鋼板を提供する。【解決手段】質量%で、C:0.04%以上0.18%以下、Si:0.2%以上2.0%以下、Mn:1.0%以上3.0%以下、P:0.03%以下、S:0.005%以下、Al:0.01%以上0.100%以下、N:0.010%以下、Ti:0.03%以上0.15%以下、Cr:0.10%以上0.50%以下、B:0.0005%以上0.0050%以下、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、ベイニティックフェライト相を含むベイナイト相を主相として面積率で85%以上とし、面積率で1%以上8%以下のオーステナイト相を含み、オーステナイト相のうち直径が0.8μm以下である結晶粒がオーステナイト相全体の70%以上であり、さらにマルテンサイト相を面積率で3%以下とする高強度高加工性熱延鋼板【選択図】なし

Description

本発明は、自動車の構造部材、骨格部材やサスペンションなどの足回り部材、トラックフレーム部品として好適な、引張強さが980MPa以上の高強度高加工性熱延鋼板およびその製造方法に関する。
近年、地球環境の保全の観点から、自動車排ガス規制が強化されており、自動車の燃費向上が重要な課題となっている。そのため、使用する材料の一層の高強度・薄肉化が要求されており、これに伴い、自動車部品の素材として、高強度熱延鋼板が積極的に適用されるようになっている。この高強度熱延鋼板の利用は、自動車の構造部材や骨格部材だけでなく、足回り部材やトラックフレーム部品等に対しても行われている。
以上のように、所定の強度を備えた高強度熱延鋼板は、自動車部品の素材として年々需要が高まっている。特に、引張強さ:980MPa以上の高強度熱延鋼板は、自動車の燃費を飛躍的に向上し得る素材として大いに期待されている。
しかしながら、鋼板の高強度化に伴い、一般的には、加工性(打抜き性、穴広げ性)が低下する。特に、打抜き加工とバーリング加工が多い自動車の足回り部品としては、優れた打抜き性と穴広げ性を兼備した鋼板が求められている。そのため、優れた加工性を高強度熱延鋼板で実現すべく、種々の検討がなされている。
例えば、特許文献1には、質量%で、C:0.01%以上0.10%以下、Si:2.0%以下、Mn:0.5%以上2.5%以下を含み、更にV:0.01%以上0.30%以下、Nb:0.01%以上0.30%以下、Ti:0.01%以上0.30%以下、Mo:0.01%以上0.30%以下、Zr:0.01%以上0.30%以下、W:0.01%以上0.30%以下の1種又は2種以上を合計で0.5%以下含む組成とし、ベイナイト分率80%以上であり、析出物の平均粒径r(nm)がr≧207÷{27.4X(V)+23.5X(Nb)+31.4 X(Ti)+17.6X(Mo)+25.5X(Zr)+23.5X(W)}(X(M)(M:V、Nb、Ti、Mo、Zr、W)は析出物を構成する各元素の平均原子量比であり、X(M)=(Mの質量%/Mの原子量)/(V/51+Nb/93+Ti/48+Mo/96+Zr/91+W/184))を満たし、平均粒径rと析出物分率fがr/f≦12000を満たす組織とした熱延鋼板が提案されている。
また、特許文献1には、上記組成を有する鋼素材を、加熱し、仕上げ圧延温度を800℃以上1050℃以下とする熱間圧延を施したのち、ベイナイト変態と析出が同時に起こる温度域(500℃から600℃の範囲)まで20℃/s以上で急冷し、500〜550℃で巻き取り後、冷却速度5℃/h以下(0℃/hを含む)で20h以上保持することにより、上記組織を有する熱延鋼板を製造する方法が提案されている。そして、特許文献1に提案された技術では、鋼板組織をベイナイト主体組織とし、ベイナイトをV、Ti、Nb等の炭化物により析出強化し、更に析出物サイズを適切に制御(適度に粗大化)することで、伸びフランジ性と疲労特性に優れた高強度熱延鋼板が得られるとしている。
また、特許文献2には、質量%で、C:0.01〜0.20%、Si:1.5%以下、Al:1.5%以下、Mn:0.5〜3.5%、P:0.2%以下、S:0.0005〜0.009%、N:0.009%以下、Mg:0.0006〜0.01%、O:0.005%以下、およびTi:0.01〜0.20%、Nb:0.01〜0.10%の1種または2種含有し、残部が鉄および不可避的不純物で、下記3式(1)〜(3)の全てを満たす鋼組織がベイナイト相を主体とする引張強度980N/mm2以上の穴広げ性と延性に優れた高強度薄鋼板が得られるとしている。
[Mg%]≧([O%]/16×0.8)×24・・・(1)
[S%]≦([Mg%]/24-[O%]/16×0.8+0.00012)×32・・・(2)
[S%]≦0.0075/[Mn%]・・・(3)
特許文献3には、質量%で、C:0.01〜0.08%、Si:0.30〜1.50%、Mn:0.50〜2.50%、P:0.03%以下、S:0.005%以下、及びTi:0.01〜0.20%、Nb:0.01〜0.04%の1種または2種を含む組成とし、粒径2μm以上のフェライトの割合が80%以上であるフェライト・ベイナイト二相組織とした熱延鋼板が提案されている。そして、特許文献4に提案された技術では、フェライト・ベイナイト二相組織とし、更にフェライト結晶粒を2μm以上の粒径とすることで、穴広げ性を劣化させることなく延性を改善することが可能となり、強度が690N/mm2以上であり且つ穴広げ性と延性に優れた高強度熱延鋼板が得られるとしている。
特許文献4には、質量%で、C:0.05〜0.15%、Si:0.2〜1.2%、Mn:1.0〜2.0%、P:0.04%以下、S:0.005%以下、Ti:0.05〜0.15%、Al:0.005〜0.10%、N:0.007%以下を含み、固溶Tiが0.02%以上である組成とし、平均粒径が5μm以下のベイナイト相単相からなる組織とした熱延鋼板が提案されている。そして、特許文献4に提案された技術では、鋼板の組織を微細なベイナイト相の単相組織とし、更に固溶Tiを0.02%以上存在させることで、引張強さTSが780MPa以上であり、伸びフランジ性および耐疲労特性に優れた高強度熱延鋼板が得られるとしている。
また、打抜き加工性の向上については、例えば、特許文献5には、質量%で、C:0.01〜0.07%、N:0.005%以下、S:0.005%以下、Ti:0.03〜0.2%、B:0.0002〜0.002%を含む組成と、フェライト又はベイニティックフェライトを主相とし、硬質第二相及びセメンタイトが面積率で3%以下である組織とを有する、打抜き加工性に優れた高強度熱延鋼板が提案されている。特許文献5に記載された技術では、Bを固溶状態にすることにより、打抜き端面の欠陥が防止できるとしている。
特開2009−84637号公報 特開2005−120437号公報 特開2002−180190号公報 特開2012−12701号公報 特開2004−315857号公報
しかしながら、特許文献1に提案された技術では、ベイナイト相中にナノメートルサイズの析出物を析出させるために、鋼板を500〜550℃で巻取り、5℃/h以下の冷却速度で20h以上保持する処理を必要としている。この技術では、製造された熱延鋼板中の20nm未満の析出物が質量%で0.10%を超えているため、優れた打抜き性を得ることができないという問題がある。
また、特許文献2に開示された技術では、熱延鋼板の延性を向上させるために、仕上げ圧延後の熱延鋼板に対して650〜750℃で空冷をすることで、20nm未満の析出物で析出強化したフェライト組織を生成する。この技術では、製造された熱延鋼板中の20nm未満の析出物が質量%で0.10%を超えることがあり、優れた打抜き性を得ることができない。
特許文献3に提案された技術では、粒径2μm以上のフェライトを80%以上も含むフェライト・ベイナイト二相組織としているため、得られる鋼板強度は976MPa程度であり、引張強さTS:980MPa以上という更なる高強度化が困難である。また、引張強さTS:980MPa以上という高強度鋼板が得られたとしても、フェライト相中の20nm未満の析出物が質量%で0.10%を超えてしまい、優れた打抜き性を得ることができない。
特許文献4に提案された技術によると、引張強さTS:780MPa以上であり且つ伸びフランジ性に優れた熱延鋼板が得られる。しかし、その強度を更に高めて引張強さTS:980MPa以上の高強度を得ようとする場合には、C含有量を増加させる必要がある。そして、C含有量の増加に伴い、Ti炭化物の析出量の制御が困難となり、鋼板の伸びフランジ性を向上させるために必要な0.02%以上の固溶Tiを安定して残存させることが困難となる。その結果、伸びフランジ性が低下する。
特許文献5に提案された技術は、フェライトまたはベイニティックフェライトの析出強化により鋼板を強化しており、得られる鋼板強度は高々833MPa程度である。この鋼板を引張強さTS:980MPa以上とするためにはTi、V、Nb、Mo等の析出強化元素をさらに添加する必要があり、そうすると20nm未満の析出物が質量%で0.10%を超えてしまい、引張強さTS:980MPa以上で優れた打抜き性を得ることができない。
以上のように、従来技術では、引張強さ:980MPa以上という高強度を実現しつつ、優れた加工性(打抜き性および穴広げ性)を有する熱延鋼板の技術は確立されていない。
本発明は、かかる従来技術の問題を解決し、引張強さ:980MPa以上という高強度を実現しつつ、さらに優れた加工性(打抜き性および穴広げ性)を有する高強度熱延鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するために、引張強さ:980MPa以上という高強度を維持したまま、熱延鋼板の加工性(打抜き性と穴広げ性)を向上させるべく鋭意研究した。その結果、ベイニティックフェライトを含むベイナイト相の面積率、オーステナイト相の面積率、およびマルテンサイト相の面積率を制御することで、強度と加工性の両立が可能であることを見出した。これらの三相の面積率は非常に重要であり、鋼板の組織としてベイニティックフェライトを含むベイナイト相を主相として、オーステナイト相を面積率で1%以上8%以下、前記オーステナイト相のうち直径が0.8μm以下である結晶粒が70%以上であることが必要であり、また、マルテンサイト相も面積率で3%以下とすることが必要であることがわかった。
ベイナイト相は、ラス内部に比較的高い転位密度を有するため、引張強さを大きくすることができる。一方、オーステナイト相は打ち抜き加工時等には亀裂の起点となる。ここでオーステナイト相が粗大になると、発生する亀裂が大きく、また、まばらに発生することになり、加工性に悪影響が出る。しかし、オーステナイト相を微細化することによって、亀裂の起点の数を増やすとともに、発生する亀裂を小さくすることで、加工性が良くなると考えられる。
次に、これらの組織を実現するために製造方法について検討を行った結果、このような微細なオーステナイト相をベイナイト相中に均一分散させるためには、熱延条件および熱延後の冷却およびその後の熱処理を用いて、組織の変態挙動を利用して微細で安定なオーステナイト相形成を行う必要があることがわかった。
具体的には、オーステナイト相の結晶粒を小さくするため、仕上げ圧延初期をオーステナイト領域で行い、仕上げ圧延の最終段階はオーステナイトの未再結晶温度領域で行う必要があることがわかった。その後の冷却では、フェライト形成を抑制するために、仕上げ圧延終了後ただちに40℃/s以上の速度で、400℃以上520℃以下の温度に冷却し、その温度(保持温度)で10分以上保持する。このとき、ベイナイト変態の進行と、未変態オーステナイト相への炭素濃化が発生し、未変態オーステナイト相の形態が変化する。
その後、20℃/h以下の速度で、200℃以下になるまで冷却を行う。この冷却過程で、未変態オーステナイト相への炭素濃化および未変態オーステナイト相の変態挙動を制御する。具体的には、冷却中に炭素濃化により炭化物を含むベイナイトを形成させる。その後、最終的に、未変態オーステナイト相が残留オーステナイトとなり、さらに未変態オーステナイト相の一部がマルテンサイトを形成する。このような熱処理により組織制御を行うことで、強度と加工性をバランスよく向上させた鋼板の製造が可能となる。このとき、オーステナイト粒の形態は重要で、面積率(体積%)で1%以上8%以下であり、かつ、そのオーステナイト粒のうち70%以上の直径が0.8μm以下である必要がある。また、マルテンサイト相は、面積率で3%以下にすることが重要である。このような、オーステナイトとマルテンサイトの形成には、巻取り、保持温度およびその後の冷却過程での、ベイナイトおよび炭化物を含むベイナイトの変態挙動をコントロールすることで達成することが出来る。なお、上記の体積%で表す組織の比率については、まずはSEMを用いた組織観察により、面積率として各組織の比率を算出し、その算出結果をそのまま体積%として換算することができる。すなわち、本発明では、体積%=面積率とすることができる。
また、圧延やその後の変態制御のために鋼成分(合金成分)について検討を行い、上記組織を実現する条件を見出した。
本発明はこのような知見に基づいてなされたものであり、本発明の要旨は、以下の通りである。
[1]質量%で、C:0.04%以上0.18%以下、Si:0.2%以上2.0%以下、Mn:1.0%以上3.0%以下、P:0.03%以下、S:0.005%以下、Al:0.01%以上0.100%以下、N:0.010%以下、Ti:0.03%以上0.15%以下、Cr:0.10%以上0.50%以下、B:0.0005%以上0.0050%以下、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、ベイニティックフェライト相を含むベイナイト相を面積率で85%以上とし、面積率で1%以上8%以下のオーステナイト相を含み、前記オーステナイト相のうち直径が0.8μm以下である結晶粒がオーステナイト相全体の70%以上であり、さらにマルテンサイト相を面積率で3%以下とすることを特徴とする高強度高加工性熱延鋼板。
[2]前記組成に加えてさらに、質量%で、Nb:0.005%以上0.050%以下、V:0.05%以上0.30%以下、Mo:0.05%以上0.30%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする前記[1]に記載の高強度高加工性熱延鋼板。
[3]前記[1]または[2]に記載の熱延鋼板の製造方法であり、鋼素材を、加熱温度1150℃以上に加熱したのち、粗圧延を行い、その後、仕上げ圧延終了温度をAr3点+30℃以上Ar3点+120℃以下とする仕上げ圧延を行った後、40℃/s以上の平均冷却速度で400℃以上520℃以下の第1冷却停止温度まで冷却する第1冷却を行い、その後前記第1冷却停止温度を保持温度として10分以上保持している間に巻取り、該巻取り後、さらに20℃/h以下の速度で200℃以下の第2冷却停止温度にまで徐冷する第2冷却を行うことを特徴とする高強度高加工性熱延鋼板の製造方法。
なお、本発明でいう高強度とは、引張強さTSが980MPa以上であることを指す。また、本発明でいう高加工性とは、JIS Z2241に基づいて測定された全伸びが12%以上であり、後述する鉄連規格JFST 1001に準拠した穴広げ試験で、穴広げ率λが45%以上であり、さらに実施例に記載した打ち抜き加工試験で良好な結果が得られることを指す。
本発明によれば、引張強さが980MPa以上でありかつ加工性(打抜き性および穴広げ性)に優れた高強度高加工性熱延鋼板が得られる。そして、このような高強度高加工性熱延鋼板を安定して製造することができ、産業上格段の効果を奏する。さらに、本発明の高強度高加工性熱延鋼板を、自動車の構造部材、骨格部材、あるいはトラックフレーム部材等に適用すれば、自動車の安全性を確保しつつ車体重量を軽減でき、環境負荷を低減することが可能になるという効果もある。以上のように、本発明は、産業上極めて有用な発明である。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の高強度高加工性熱延鋼板は、質量%で、C:0.04%以上0.18%以下、Si:0.2%以上2.0%以下、Mn:1.0%以上3.0%以下、P:0.03%以下、S:0.005%以下、Al:0.01%以上0.100%以下、N:0.010%以下、Ti:0.03%以上0.15%以下、Cr:0.10%以上0.50%以下、B:0.0005%以上0.0050%以下、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、ベイニティックフェライト相を含むベイナイト相を主相として面積率で85%以上とし、面積率で1%以上8%以下のオーステナイト相を含み、オーステナイト相のうち直径が0.8μm以下である結晶粒がオーステナイト相全体の70%以上であり、さらにマルテンサイト相を面積率で3%以下とする。
まず、本発明の高強度高加工性熱延鋼板の成分組成の限定理由について説明する。なお、以下の成分組成を表す%は、特に断らない限り質量%を意味するものとする。
C:0.04%以上0.18%以下
Cは、鋼の強度を向上させ、さらに焼入れ性向上によってベイナイトの生成を促進する元素である。そのため、本発明では、C含有量を0.04%以上とする必要がある。一方、C含有量が0.18%を超えると、ベイナイトの生成制御が困難となり、マルテンサイトまたはマルテンサイト−オーステナイト混合相が増加し、熱延鋼板の打抜き性と穴広げ性の両方、またはいずれか一方が低下する。したがって、C含有量は0.04%以上0.18%以下とする。好ましくは、C含有量は0.050%以上0.160%以下である。より好ましくは、C含有量は0.060%以上0.140%以下である。
Si:0.2%以上2.0%以下
Siは、固溶強化に寄与する元素であり、また積層欠陥エネルギーを下げることでベイナイト相の転位密度を向上させ強度向上に寄与する元素である。これらの効果を得るためにはSi含有量を0.2%以上とする必要がある。また、Siは炭化物の形成を抑制する元素であり、ベイナイト変態時の炭化物の形成を抑制することでベイナイト相のラス界面に微細なマルテンサイトまたはマルテンサイト−オーステナイト混合相を形成する。ベイナイト相中に存在するマルテンサイトまたはマルテンサイト−オーステナイト混合相は十分に微細であり、熱延鋼板の穴広げ性を低下させることはない。一方で、Siはフェライト生成を促進する元素であり、Si含有量が2.0%を超えると、フェライトが生成し、熱延鋼板の穴広げ性が低下する。したがって、Si含有量を2.0%以下とする。好ましくは、Si含有量は0.30%以上1.80%以下である。より好ましくは、Si含有量は0.40%以上1.60%以下である。
Mn:1.0%以上3.0%以下
Mnは、固溶して鋼の強度増加に寄与するとともに、焼入れ性向上によってベイナイトの生成を促進し、穴広げ性を向上させる。このような効果を得るためには、Mn含有量を1.0%以上とする必要がある。一方、Mn含有量が3.0%を超えると、ベイナイトの生成制御が困難となり、マルテンサイトまたはマルテンサイト−オーステナイト混合相が増加して熱延鋼板の打抜き性と穴広げ性の両方、またはいずれか一方が低下する。したがって、Mn含有量を1.0%以上3.0%以下とする。好ましくは、Mn含有量は1.30%以上2.50%以下である。より好ましくは、Mn含有量は1.50%以上2.20%以下である。
P:0.03%以下
Pは、固溶して鋼の強度増加に寄与する元素である。しかし、粒界、特に旧オーステナイト粒界に偏析し、加工性の低下を招く元素でもある。このため、P含有量を極力低減することが好ましいが、含有量が0.03%までは許容できる。したがって、P含有量は0.03%以下とする。しかし、必要以上にPを低減しても精錬コストの増大に見合う効果が得られないため、好ましくはP含有量の範囲は0.003%以上0.03%以下である。より好ましくは、P含有量は0.005%以上0.020%以下である。
S:0.005%以下
Sは、TiやMnと結合して粗大な硫化物を形成し、熱延鋼板の打抜き性を低下させる。そのため、S含有量を極力低減することが好ましいが、含有量が0.005%までは許容できる。したがって、S含有量を0.005%以下とする。打抜き性のための好ましいS含有量は0.0030%以下である。より好ましいS含有量は0.0020%以下である。しかし、必要以上にSを低減しても精錬コストの増大に見合う効果が得られないため、好ましいS含有量の下限は、0.0003%である。
Al:0.01%以上0.100%以下
Alは、脱酸剤として作用し、鋼の清浄度を向上させるのに有効な元素である。Alが0.01%未満ではその効果が必ずしも十分ではなく、一方、Alの過剰な添加は酸化物系介在物の増加を招き、熱延鋼板の打抜き性を低下させるとともに、疵発生の原因となる。したがって、Al含有量を0.01%以上0.100%以下とする。好ましくは、Al含有量は0.01%以上0.08%以下である。より好ましくは、Al含有量は0.02%以上0.06%以下である。
N:0.010%以下
Nは、窒化物形成元素と結合することにより窒化物として析出し、結晶粒微細化に寄与する。しかし、Nは、高温でTiと結合して粗大な窒化物になり易く、熱延鋼板の打抜き性を低下させる。このため、N含有量を0.010%以下とする。好ましくは、N含有量は0.008%以下である。より好ましくは、N含有量は0.006%以下である。
Ti:0.03%以上0.15%以下
Tiは、オーステナイト相高温域(オーステナイト相での高温の域とオーステナイト相よりも高温の域(鋳造の段階))で窒化物を形成することで、BNの析出が抑制されるため、Bが固溶状態になることによりベイナイトの生成に必要な焼入れ性を得ることができ、強度と穴広げ性を向上させる。また熱間圧延時に炭化物を形成してオーステナイト粒の再結晶を抑制する効果があり、未再結晶温度域での仕上げ圧延を可能とする。これらの効果を得るためには、Ti含有量を0.03%以上とする必要がある。一方、Ti含有量が0.15%を超えて過剰になると、オーステナイト粒の再結晶温度が高くなりすぎ、打抜き性が低下する。したがって、Ti含有量を0.03%以上0.15%以下とする。好ましくは、Ti含有量は0.050%以上0.130%以下である。より好ましくは0.060%以上0.120%以下である。
Cr:0.10%以上0.50%以下
Crは、炭化物を形成して熱延鋼板の高強度化に寄与するとともに、焼入れ性向上によってベイナイトの生成を促進し、さらにベイナイト粒内へのFe系炭化物析出を促進する元素である。これらの効果を得るためには、Cr含有量を0.10%以上とする。一方、Cr含有量が0.50%を超えると、マルテンサイトまたはマルテンサイト−オーステナイト混合相が生成しやすくなり、熱延鋼板の打抜き性と穴広げ性の両方、またはいずれか一方が低下する。したがって、Cr含有量を0.10%以上0.50%以下とする。好ましくは、Cr含有量は0.15%以上0.45%以下である。より好ましくは、Cr含有量は0.20%以上0.40%以下である。
B:0.0005%以上0.0050%以下
Bは、旧オーステナイト粒界に偏析し、フェライトの生成・成長を抑制し強度と穴広げ性向上に寄与する元素である。これらの効果を得るためには、B含有量を0.0005%以上とする。一方、B含有量が0.0050%を超えると、上記した効果が飽和する。したがって、B含有量は0.0005%以上0.0050%以下の範囲に限定する。B含有量は、好ましくは、0.0006%以上0.0040%以下であり、より好ましくは、0.0007%以上0.0030%以下の範囲である。
本発明において、上記以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。不可避的不純物としては、Sn、Zn等が挙げられ、これらの含有量はSn:0.1%以下、Zn:0.01%以下であれば許容できる。
以上が本発明の熱延鋼板の基本成分であるが、本発明の熱延鋼板は、例えば高強度化や穴広げ性向上を目的として、必要に応じてNb:0.005%以上0.050%以下、V:0.05%以上0.30%以下、Mo:0.05%以上0.30%以下のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することができる。
Nb:0.005%以上0.050%以下
Nbは、熱間圧延時に炭化物を形成してオーステナイトの再結晶を抑制する効果があり、熱延鋼板の強度向上に寄与する。この効果を得るためには、Nb含有量を0.005%以上とする必要がある。一方、Nb含有量が0.050%を超えると、旧オーステナイト粒の再結晶温度が高くなりすぎ、打抜き性が低下する。したがって、Nbを含有させる場合は、Nb含有量を0.005%以上0.050%以下とする。好ましくは、Nb含有量は0.010%以上0.045%以下である。より好ましくは、Nb含有量は0.015%以上0.040%以下である。
V:0.05%以上0.30%以下
Vは、熱間圧延時に炭窒化物を形成してオーステナイトの再結晶を抑制する効果があり、熱延鋼板の強度向上に寄与する。この効果を得るためには、V含有量を0.05%以上とする必要がある。一方、V含有量が0.30%を超えると、旧オーステナイト粒の再結晶温度が高くなりすぎ、打抜き性が低下する。したがって、Vを含有させる場合は、V含有量を0.05%以上0.30%以下とする。好ましくは、V含有量は0.07%以上0.280%以下である。より好ましくは、V含有量は0.10%以上0.25%以下である。
Mo:0.05%以上0.30%以下
Moは、焼入れ性の向上を通じてベイナイト相の形成を促進し、強度と穴広げの向上に寄与する。このような効果を得るためには、Mo含有量を0.05%以上とすることが好ましい。但し、Mo含有量が0.30%を超えると、マルテンサイトまたはマルテンサイト−オーステナイト混合相が生成しやすくなり、熱延鋼板の打抜き性と穴広げ性の両方、またはいずれか一方が低下する。したがって、Moを含有させる場合は、Mo含有量を0.05%以上0.30%以下とする。好ましくは、Mo含有量は0.10%以上0.25%以下である。
次に、本発明の高強度高加工性熱延鋼板の組織の限定理由について説明する。
本発明の高強度高加工性熱延鋼板は、ベイニティックフェライト相を含むベイナイト相を主相として面積率で85%以上とし、面積率で1%以上8%以下のオーステナイト相を含み、オーステナイト相のうち直径が0.8μm以下である結晶粒がオーステナイト相全体の70%以上であり、さらにマルテンサイト相を面積率で3%以下とすることを特徴とする。
ベイニティックフェライト相を含むベイナイト相(主相):面積率で85%以上
本発明の高強度高加工性熱延鋼板は、ベイナイト相を主相とする。ここで、主相とは面積率で85%以上である場合をいう。ベイナイト相とは、ラス状のベイニティックフェライトと、ベイニティックフェライトの間および/又は内部にFe系炭化物を有する組織(Fe系炭化物の析出が全くない場合を含む)を意味する。ベイニティックフェライトは、ポリゴナルフェライトとは異なり、形状がラス状でかつ内部に比較的高い転位密度を有する。そのため、ベイナイト相が面積率で85%以上であれば引張強さTS:980MPa以上と優れた穴広げ性を兼備することができる。好ましくは、ベイナイト相は面積率で90%以上とする。
オーステナイト相の分率:面積率で1%以上8%以下
オーステナイト相の結晶粒径(直径)が0.8μm以下の結晶粒:全体の70%以上
オーステナイト相は材料の加工性の向上のために有効で、一定量必要である。また、このときオーステナイトの粒界が細かいものが多いほど、加工性評価試験の一つである、穴広げ性が向上する。オーステナイト相は、材料の加工性向上のために面積率で1%以上必要である。また、強度の観点から面積率で8%以下である必要がある。オーステナイト相の面積率が8%を超えると、引張強さが低下してしまう。オーステナイトが微細であるほど加工性が向上するために、オーステナイト粒のうち、直径0.8μm以下である結晶粒がオーステナイト粒全体の70%以上である必要がある。より好ましくは、85%以上である。さらに、結晶粒が小さいほど加工性が向上するので、好ましくは直径0.5μm以下の結晶粒が70%以上である。オーステナイト相の形成は、初期の急冷中および急冷後の保持時間中のベイナイト変態および徐冷中にベイナイト変態およびマルテンサイト変態を起こさなかった、未変態オーステナイト相の形状により制御される。特に、徐冷中に炭素濃度を上昇させて、未変態オーステナイト相の一部をベイナイト変態させることで、ベイナイト間に残った未変態オーステナイト相への炭素濃化がより進み、微細なオーステナイト相を形成させることが可能となる。
より具体的には、オーステナイト相は、冷却段階で成長したベイナイト相に蚕食された部分の残りのうち、最終冷却後、マルテンサイト相にならなかった部分に相当する。この残った部分の形状を制御することで、安定なオーステナイトを得ることができる。例えば、マルテンサイト変態前に残ったオーステナイト粒が微細であると、オーステナイト相中の炭素濃度が高くなるために、マルテンサイト変態は起きにくく、微細なオーステナイト粒が多数得られる。また、ベイナイト変態により、ベイナイト相中の炭素濃度が低くなる一方、組織中に存在するオーステナイト相で炭素濃縮が促進され、オーステナイト相は安定する。そして、急冷ではなく徐冷をすることで、その間にベイナイト変態が進行し、未変態オーステナイトで炭素濃縮が促進し、より安定なオーステナイト相(残留オーステナイト相)を得ることができる。
マルテンサイト相の分率:面積率で3%以下
本発明鋼はベイナイト組織で高強度を達成するのでマルテンサイト相はあまり必要とせず、逆に多量にマルテンサイト相が形成させると加工性の低下を招く。ただし、最終的な熱処理により未変態オーステナイトの一部がマルテンサイトに変態するため、マルテンサイト相の形成を完全に抑制することは困難である。本発明では、マルテンサイト相は面積率で3%以下に抑えることが必要である。マルテンサイト相が面積率で3%以下であれば、顕著な加工性の劣化を生じない。マルテンサイト相は、面積率で、好ましくは、2%以下であり、より好ましくは1%以下である。また、マルテンサイト相は0%であってもよい。
上記以外の残部組織としては、フェライト相やセメンタイトに代表される炭化物相を面積率で5%以下含んでいてもよい。
ここで、各組織の評価方法について説明する。
上述した組織には、転位密度や結晶形状および析出物分布に差があるために、前記の各組織は試料調整方法とSEMによる観察方法を最適化することで確認できる。特に析出物はナノサイズまで評価が可能である。以下にその評価方法について述べる。
オーステナイト相の識別には、通常はEBSDやTEM等が使用されるが、EBSDでは空間分解能が低く、TEMでは観察領域が局所的であるために、SEMを用いた観察方法について検討を行った。その結果、試料の表面の電解研磨を行った後に、試料をそのまま電解研磨液に浸漬し(数秒から数十秒)、その試料の表面を低加速電圧または低入射エネルギーとしたSEMで観察を行うことで、オーステナイト相が識別できることが判明した。これは、電解研磨およびその後の浸漬による表面の状態が、相によって極僅かに異なることによる。また、この僅かな差は、低加速電圧(0.025〜2.0kV)または低放出エネルギー(0.5keV)を利用してSEM観察することによって区別できる。このようなSEMの空間分解能をもってすれば、従来のEBSDでは困難だったナノメートルサイズのオーステナイト粒を認識することができる。さらにSEMでは100(μm)×100(μm)程度の広い領域を容易に観察できるために、鋼板の組織に関して、組織分布や組織の統計的なデータを取得することが可能である。この手法を用いて、正確なオーステナイト相の面積率を求めることができる。
また、マルテンサイト相は、相中の転位密度が高いために、通常のSEMチャネリングコントラストによる観察で、他の相と非常に容易に識別することが可能である。
ベイニティックフェライトは、ポリゴナルフェライトと異なり、形状がラス状であり且つラス内部に比較的高い転位密度を有する。そのため、SEMによる通常の観察で容易に識別できる。また、マルテンサイトまたはマルテンサイト−オーステナイト混合相はベイナイト相やポリゴナルフェライトと比べSEM像のコントラストが明るいため、これらもSEMを用いて区別可能である。
次に、本発明の高強度高加工性熱延鋼板の製造方法について説明する。
本発明による高強度高加工性熱延鋼板は、ベイニティックフェライト相を含むベイナイト相を主相として面積率で85%以上、オーステナイト相の分率を面積率で1%以上8%以下、さらにオーステナイト相において直径が0.8μm以下である結晶粒をオーステナイト相全体の70%以上、マルテンサイト相の分率を面積率で3%以下である組織を有する。このような組織を得るためには、熱間圧延後、ただちに高速で冷却を行うことでフェライト形成を抑制し、また冷却停止温度をMs点以上にすることによりマルテンサイト形成も抑制することが必要である。一例をあげれば、上記した組成の鋼素材を、1150℃以上に加熱したのち、粗圧延を行い、それに続いて、仕上げ圧延終了温度をAr3点+30℃以上Ar3点+120℃以下とする仕上げ圧延を行う。仕上げ圧延終了後ただちに40℃/s以上の平均冷却速度で、400℃以上520℃以下の第1冷却停止温度(保持温度)まで冷却する第1冷却を行い、その後、その第1冷却停止温度(保持温度)で10分以上保持している間に巻取り、該巻取り後、20℃/h以下の速度で200℃以下の第2冷却停止温度まで徐冷する第2冷却を行うことにより製造される。
以下、詳細に説明する。
鋼素材の製造方法は、特に限定する必要はなく、上記した組成を有する溶鋼を、転炉等で溶製し、連続鋳造等の鋳造方法でスラブ等の鋼素材とする、常用の方法が適用できる。なお、造塊−分塊方法を用いてもよい。
鋼素材の加熱温度:1150℃以上
鋼素材の加熱温度については、オーステナイト単相域であれば特に限定はしないが、スラブ段階で存在している粗大な析出物は、圧延中の割れ等諸特性の劣化を招くため、熱間圧延前の鋼素材を加熱して、粗大な析出物を固溶したほうがよい。そのため、鋼素材の加熱温度を1150℃以上とする。一方、加熱温度が高くなりすぎても、スケール発生量が多くなって歩留まりが低下したり、熱間圧延時にスケールに起因した疵が鋼板に発生したりする。このような理由で生産性を悪くするため、加熱温度の上限は1300℃とすることが好ましい。
仕上げ圧延終了温度:Ar3点+30℃以上Ar3点+120℃以下
鋼素材の加熱に続き、粗圧延を実施し、それに続いて仕上げ圧延を行う。仕上げ圧延初期は、オーステナイト領域のなかでも形状制御が容易な再結晶温度域で圧延を行うことが望ましい。本発明では、圧延最終段階での結晶粒からの相変態挙動が重要になるため、仕上げ圧延の最終段階の鋼板の組織は未再結晶オーステナイト相である必要がある。このため、仕上げ圧延終了温度は、Ar3点+30以上Ar3点+120℃以下の未再結晶温度域である必要がある。なお、仕上げ圧延終了温度は、仕上げ圧延機の最終スタンドの出側での鋼板表面温度である。
本発明では、デスケーリングを行うことが好ましい。このデスケーリングは仕上げ圧延の直前でも良く、仕上げ圧延のスタンド間で行うことでもよい。
仕上げ圧延終了温度がフェライト-オーステナイト二相域に近いと、圧延組織の一部にフェライト相が発生することや加工中の割れのリスクが高くなるため、下限をAr3点+30℃とする。また、仕上げ圧延終了温度がAr3点+120℃より高くなると、オーステナイト相のせん断変形が不足し、ベイナイト変態の核が減少して、その後の均一なベイナイト相の生成が困難になるので、上限をAr3点+120℃とする。
第1冷却開始時間
仕上げ圧延終了後は、オーステナイトの再結晶およびフェライト変態を抑制するためにただちに冷却を開始することが望ましい。ここで、ただちに冷却を開始することとは、仕上げ圧延終了後3秒以内に冷却を開始することである。冷却手段は水冷、空冷など、適当な手段を使用することができる。
第1冷却停止温度(保持温度):400℃以上520℃以下
上記第1冷却の停止温度を、フェライト変態を抑制してベイナイト変態を進行させるために400〜520℃とする。冷却温度が高いとフェライト変態が起こってしまい、また冷却温度が低いとベイナイト変態量が少なくなる。いずれも所望する鋼板組織を得ることが難しくなるので、上記温度に限定する。
第1冷却の平均冷却速度:40℃/s以上
仕上げ圧延終了から第1冷却停止温度までの冷却速度は、フェライト変態を抑制するために重要である。少なくとも圧延終了直後から第1冷却停止温度までは、40℃/s以上の速度で冷却を行う必要がある。また、第1冷却停止温度までの冷却速度が速いほどフェライト形成が抑制されるため、50℃/s以上が望ましい。仕上げ圧延終了温度から第1冷却停止温度までの平均冷却速度が40℃/s未満であると、ベイナイト変態の前にフェライト変態が起こり、所望の面積率のベイナイト相が得られない。好ましくは、平均冷却速度は50℃/s以上である。平均冷却速度の上限は特に規定しないが、平均冷却速度が大きくなりすぎると、表面温度が低下しすぎて、鋼板表面にマルテンサイトが生成しやすくなり、所望の穴広げ性が得られなくなる。そのため、平均冷却速度は120℃/s以下とすることが好ましい。ここで、第1冷却を多段階で行ってもよい。その場合でも、各冷却段階での冷却速度は40℃/s以上とし、各段階の移行時間は1秒以内とすることが望ましい。なお、平均冷却速度は、鋼板の表面温度を用いて測定される速度とする。
第1冷却停止温度(保持温度)での保持時間:10分以上
第1冷却停止温度に到達したら、その温度で少なくとも10分以上保持することが必要である。ここで所定の温度に保持することにより、ベイナイト変態がより促進される。また、変態によって炭素の移動も進行させる。
また、上記の第1冷却停止温度(保持温度)でコイルとして巻き取ることにより、次の徐冷処理が容易となるために、冷却停止中に巻取りを行うのが製品プロセス上有利である。
保持時間が長いほどベイナイト相の面積率を高くすることができるが、保持時間が長すぎると、オーステナイト相の面積率が低くなりすぎることや、また生産性を悪くすることにもつながるので、保持時間は60分以下とすることが好ましい。
ここで、仕上げ圧延後、第1冷却停止温度までの冷却についてより詳細に説明する。本発明では、鋼板中に微細なオーステナイトを安定に形成させる必要があるので、熱処理による変態制御が重要となる。微細なオーステナイトを分散させるには、ベイナイト変態時に多くのベイナイト核を生成させ、この段階のベイナイトを成長させることなく、未変態オーステナイトを分断させる必要がある。また、この分断された未変態オーステナイトに炭素濃化を生じさせ安定させることで、微細なオーステナイト相(残留オーステナイト相)を形成することが可能となる。本発明の熱処理では、オーステナイト相で圧延された鋼板は、急冷によりフェライト変態を経ることなく、第1冷却停止温度に達する。この時、圧延によって導入された剪断変形帯や粒界からベイナイト変態が開始される。ただし、変態温度が低く、個々の結晶粒の成長速度が遅いので、結晶粒は大きく成長せずに、多くのベイナイト変態粒が形成される。その結果、ベイナイト変態粒が未変態オーステナイト相を分断するので、微細なオーステナイトを分散させることができる。そのため、第1冷却停止温度を保持温度として10分以上保持することが必要となる。
また、このとき、変態したベイナイトからCを、未変態オーステナイトへ拡散させてオーステナイト相を安定化させる必要がある。保持時間が10分未満の場合は十分な変態とオーステナイトの安定化が困難であるため、10分以上の保持が必要である。また、第1冷却停止温度が520℃超えであると、ベイナイトの粗大化や炭化物形成によりオーステナイトへの炭素供給量が減少するため、微細で安定なオーステナイト相を形成することが困難になる。一方、第1冷却停止温度が400℃未満であると、十分にベイナイト変態が進行せず、未変態オーステナイトが多く残り、未変態オーステナイトへの炭素濃化が十分でないために、第2冷却時にマルテンサイトが形成される。そのため、第1冷却停止温度を400℃以上520℃以下とする。
第2冷却の冷却速度:20℃/h以下
保持時間経過後、第2冷却を行う。
第2冷却段階ではベイナイト変態は進まないが、未変態オーステナイト相への炭素濃化が進行し、安定なオーステナイト相が形成される。このとき、冷却速度が高いと炭素濃化が十分進行しないので、冷却温度は20℃/h以下とする。また、炭素濃化により一部が下部ベイナイト変態を起こすが、この炭素濃化によって形成された下部ベイナイト部はマルテンサイトと同様に、加工性に対して悪影響をもたらす傾向を示すため、その量は少ないほうが望ましい。
第2冷却停止温度:200℃以下
第2冷却停止温度が200℃超えであると、その後の冷却時に炭素濃化部が下部ベイナイト変態やマルテンサイト変態を起こすことがある。そのため、第2冷却停止温度を200℃以下とする。この第2冷却停止温度は、好ましくは、第2冷却中のマルテンサイト変態の抑制と未変態オーステナイトへの炭素濃化による残留オーステナイトの安定化のため、150℃以下とする。また、この第2冷却では保温カバーや炉を用いて冷却速度を制御してもよい。ただし、100℃以下への長時間の徐冷は熱効率上不利であるため、100℃以下では空冷等で放置してもよい。
第2冷却停止温度の下限は特に規定しないが、冷却時間、製造効率、ハンドリング等を考慮すると、50℃程度である。第2冷却終了後は、室温まで冷却してもよい。
上記の第1冷却の平均冷却速度、停止温度、第2冷却の冷却速度、停止温度は、鋼板表面の温度で規定される。
また、第2冷却終了後に、常法にしたがい調質圧延を施してもよく、酸洗によって表面に形成されたスケールを除去してもよい。或いは更に、酸洗後に溶融亜鉛めっき、電気亜鉛めっき等のめっき処理や、化成処理を施してもよい。
表1に示す組成の溶鋼を真空溶解にて溶製し、鋼塊を作製した。鋼塊を1200℃に加熱した後、粗圧延と仕上げ圧延により、2mmの厚さの鋼板を製造した。また、別途フォーマスターにより、Ar3温度についても測定を行った。
仕上げ圧延開始温度を980℃とし、仕上げ圧延終了温度を変化させるとともに、第1冷却停止温度および冷却速度を変化させて冷却を行い、第1冷却停止温度で冷却を停止した。第1冷却停止温度で所定の保持時間、鋼板を保持した。所定の保持時間経過後、冷却速度と停止温度を変えて第2冷却を行った後、さらに室温まで空冷した。
巻取りは、第1冷却停止後、10秒以内に開始した。
製造条件を表2に示す。
Figure 2018003062
Figure 2018003062
(i)引張試験
得られた鋼板から、引張方向が圧延方向と平行になるようにJIS 13B号試験片を切り出し、JIS Z 2241(2011)の規定に準拠して引張試験を行い、引張強さ(TS)、全伸び(El)を求めた。引張強さが980MPa以上、全伸びが12%以上の材料を合格とした。
(ii)穴広げ試験
穴広げ試験は、鋼板から100(mm)x100(mm)の試験片を切り出して、鉄連規格JFST 1001に準拠して行った。試験片中央に10mmφポンチで、クリアランス:12.5%で、ポンチ穴を打ち抜いた後、該ポンチ穴に60°円錐ポンチを打抜き方向から押し上げるように挿入して、亀裂が板厚を貫通した時点での穴径d(mm)を求めた。そして、次式
λ(%)={(d−10)/10}×100
で定義される穴広げ率λ(%)を算出した。なお、クリアランスは、板厚に対する割合(%)である。穴広げ試験で得られたλが45%以上の場合を、穴広げ加工性が良好と評価した。
(iii)打抜き加工試験
熱延鋼板から、ブランク板(50mm×50mm)を10枚採取した。そして打抜きポンチを20mmφの平底型として、打抜きクリアランスを20%±2%となるようにダイ側の穴径を決定し、上から板押さえで固定して20mmφのポンチ穴を打ち抜いた。ブランク板10枚全てに対して打ち抜き後、ポンチ穴の全周にわたり、打抜き端面の破面状況をマイクロスコープ(倍率:50倍)で、割れ、欠け、脆性破面、2次せん断面等の有無を観察した。前記の10個のポンチ穴について、割れ、欠け、脆性破面、2次せん断面等がないポンチ穴が10個のものを◎(合格)、割れ、欠け、脆性破面、2次せん断面等がないポンチ穴が8〜9個のものを○(合格)とし、それ以外(割れ、欠け、脆性破面、2次せん断面等のないポンチ穴が0〜7個のもの)を×(不合格)として、打抜き性を評価した。
(iv)組織観察
鋼板からSEM観察用試料を作製し、組織観察を行った。試料の圧延方向断面(L断面)を鏡面研磨した後、電解研磨を行った。電解液は、メタノール300ml+98vol%エチレングリコールモノブチルエーテル(2-ブトキシエタノール)180ml+60vol%過塩素酸観察30mlの混合液とした。また、電解条件は、試料を陽極として40Vで2秒間電流を流し、その後3秒間電流を流さずにそのまま保持することとした。その後、試料を水洗、乾燥し、板厚1/4t部分をSEMによって観察した。
オーステナイト相の観察は、入射エネルギーが1keVになるように調整したSEMの、ポールピース直下にある検出器を用いて、電解研磨による試料表面の上下方向の形状情報が入らないマテリアルコントラストを用いて観察を行い、3000倍で観察し、視野中央の30(μm)x20(μm)の領域について画像処理によりオーステナイト相およびマルテンサイト相の大きさについて解析を行った。このとき観察は、試料内の20箇所について行った。この観察により、オーステナイト相およびマルテンサイト相について、ナノサイズまでの観察を行い、その面積率および結晶粒の直径を求めた。
Figure 2018003062
表3に示すように、本発明の範囲内の熱延鋼板は、980MPa以上の引張強さを有し、加工性(伸び、穴広げ性、打ち抜き性)に優れていた。
試料No.3は、圧延終了温度(仕上げ圧延出側温度)が本発明の下限値未満であり、ベイナイト相が面積率で85%未満であるため、引張強さが980MPa未満であった。
試料No.4は、圧延終了温度(仕上げ圧延出側温度)が本発明の上限値超えであり、オーステナイト相のうち直径が0.8μm以下である結晶粒がオーステナイト相全体の70%未満であるため、引張強さが980MPa未満であった。
試料No.5は、平均冷却速度が本発明の下限値未満であり、ベイナイト相が面積率で85%未満であるため、引張強さが980MPa未満であった。
試料No.6は、1次冷却停止温度が本発明の上限値超えであり、ベイナイト相が面積率で85%未満であるため、引張強さが980MPa未満であり、穴広げ率が45%未満であった。
試料No.7は、1次冷却停止温度が本発明の下限値未満であり、オーステナイト相の面積率が1%未満であるため、全伸びが12%未満であり、穴広げ率が45%未満であり、また、打ち抜き性も不合格であった。
試料No.8は、保持時間が本発明の下限値未満であり、マルテンサイト相が面積率で3%超えであるため、穴広げ率が45%未満で、打ち抜き性も不合格であった。
試料No.9は、徐冷速度が本発明の上限値超えであり、オーステナイト相の面積率が1%未満であり、オーステナイト相のうち直径が0.8μm以下である結晶粒がオーステナイト相全体の70%未満であり、マルテンサイト相が面積率で3%超えであるため、全伸びが12%未満であり、穴広げ率が45%未満であった。
試料No.15は、C含有量が本発明の上限値超えであり、マルテンサイト相が面積率で3%超えであり、全伸びが12%未満で、打ち抜き性も不合格であった。
試料No.16は、Mn含有量が本発明の下限値未満であり、オーステナイト相のうち直径が0.8μm以下である結晶粒がオーステナイト相全体の70%未満であるため、引張強さが980MPa未満であり、穴広げ率が45%未満で、打ち抜き性も不合格であった。
試料No.17は、B含有量が本発明の下限値未満であり、オーステナイト相の面積率が1%未満であるため、全伸びが12%未満であり、穴広げ率が45%未満であった。
試料No.18は、Si含有量が本発明の上限値超えであり、ベイナイト相が面積率で85%未満であるため、引張強さが980MPa未満であり、穴広げ率が45%未満で、打ち抜き性も不合格であった。

Claims (3)

  1. 質量%で、C:0.04%以上0.18%以下、Si:0.2%以上2.0%以下、Mn:1.0%以上3.0%以下、P:0.03%以下、S:0.005%以下、Al:0.01%以上0.100%以下、N:0.010%以下、Ti:0.03%以上0.15%以下、Cr:0.10%以上0.50%以下、B:0.0005%以上0.0050%以下、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、ベイニティックフェライト相を含むベイナイト相を面積率で85%以上とし、面積率で1%以上8%以下のオーステナイト相を含み、前記オーステナイト相のうち直径が0.8μm以下である結晶粒がオーステナイト相全体の70%以上であり、さらにマルテンサイト相を面積率で3%以下とすることを特徴とする高強度高加工性熱延鋼板。
  2. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Nb:0.005%以上0.050%以下、V:0.05%以上0.30%以下、Mo:0.05%以上0.30%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の高強度高加工性熱延鋼板。
  3. 請求項1または2に記載の熱延鋼板の製造方法であり、鋼素材を、加熱温度1150℃以上に加熱したのち、粗圧延を行い、その後、仕上げ圧延終了温度をAr3点+30℃以上Ar3点+120℃以下とする仕上げ圧延を行った後、40℃/s以上の平均冷却速度で400℃以上520℃以下の第1冷却停止温度まで冷却する第1冷却を行い、その後前記第1冷却停止温度を保持温度として10分以上保持している間に巻取り、該巻取り後、さらに20℃/h以下の速度で200℃以下の第2冷却停止温度まで徐冷する第2冷却を行うことを特徴とする高強度高加工性熱延鋼板の製造方法。
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