JP2018003062A - 高強度高加工性熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents
高強度高加工性熱延鋼板およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018003062A JP2018003062A JP2016128279A JP2016128279A JP2018003062A JP 2018003062 A JP2018003062 A JP 2018003062A JP 2016128279 A JP2016128279 A JP 2016128279A JP 2016128279 A JP2016128279 A JP 2016128279A JP 2018003062 A JP2018003062 A JP 2018003062A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- less
- phase
- steel sheet
- austenite
- cooling
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Abstract
Description
[Mg%]≧([O%]/16×0.8)×24・・・(1)
[S%]≦([Mg%]/24-[O%]/16×0.8+0.00012)×32・・・(2)
[S%]≦0.0075/[Mn%]・・・(3)
特許文献3には、質量%で、C:0.01〜0.08%、Si:0.30〜1.50%、Mn:0.50〜2.50%、P:0.03%以下、S:0.005%以下、及びTi:0.01〜0.20%、Nb:0.01〜0.04%の1種または2種を含む組成とし、粒径2μm以上のフェライトの割合が80%以上であるフェライト・ベイナイト二相組織とした熱延鋼板が提案されている。そして、特許文献4に提案された技術では、フェライト・ベイナイト二相組織とし、更にフェライト結晶粒を2μm以上の粒径とすることで、穴広げ性を劣化させることなく延性を改善することが可能となり、強度が690N/mm2以上であり且つ穴広げ性と延性に優れた高強度熱延鋼板が得られるとしている。
Cは、鋼の強度を向上させ、さらに焼入れ性向上によってベイナイトの生成を促進する元素である。そのため、本発明では、C含有量を0.04%以上とする必要がある。一方、C含有量が0.18%を超えると、ベイナイトの生成制御が困難となり、マルテンサイトまたはマルテンサイト−オーステナイト混合相が増加し、熱延鋼板の打抜き性と穴広げ性の両方、またはいずれか一方が低下する。したがって、C含有量は0.04%以上0.18%以下とする。好ましくは、C含有量は0.050%以上0.160%以下である。より好ましくは、C含有量は0.060%以上0.140%以下である。
Siは、固溶強化に寄与する元素であり、また積層欠陥エネルギーを下げることでベイナイト相の転位密度を向上させ強度向上に寄与する元素である。これらの効果を得るためにはSi含有量を0.2%以上とする必要がある。また、Siは炭化物の形成を抑制する元素であり、ベイナイト変態時の炭化物の形成を抑制することでベイナイト相のラス界面に微細なマルテンサイトまたはマルテンサイト−オーステナイト混合相を形成する。ベイナイト相中に存在するマルテンサイトまたはマルテンサイト−オーステナイト混合相は十分に微細であり、熱延鋼板の穴広げ性を低下させることはない。一方で、Siはフェライト生成を促進する元素であり、Si含有量が2.0%を超えると、フェライトが生成し、熱延鋼板の穴広げ性が低下する。したがって、Si含有量を2.0%以下とする。好ましくは、Si含有量は0.30%以上1.80%以下である。より好ましくは、Si含有量は0.40%以上1.60%以下である。
Mnは、固溶して鋼の強度増加に寄与するとともに、焼入れ性向上によってベイナイトの生成を促進し、穴広げ性を向上させる。このような効果を得るためには、Mn含有量を1.0%以上とする必要がある。一方、Mn含有量が3.0%を超えると、ベイナイトの生成制御が困難となり、マルテンサイトまたはマルテンサイト−オーステナイト混合相が増加して熱延鋼板の打抜き性と穴広げ性の両方、またはいずれか一方が低下する。したがって、Mn含有量を1.0%以上3.0%以下とする。好ましくは、Mn含有量は1.30%以上2.50%以下である。より好ましくは、Mn含有量は1.50%以上2.20%以下である。
Pは、固溶して鋼の強度増加に寄与する元素である。しかし、粒界、特に旧オーステナイト粒界に偏析し、加工性の低下を招く元素でもある。このため、P含有量を極力低減することが好ましいが、含有量が0.03%までは許容できる。したがって、P含有量は0.03%以下とする。しかし、必要以上にPを低減しても精錬コストの増大に見合う効果が得られないため、好ましくはP含有量の範囲は0.003%以上0.03%以下である。より好ましくは、P含有量は0.005%以上0.020%以下である。
Sは、TiやMnと結合して粗大な硫化物を形成し、熱延鋼板の打抜き性を低下させる。そのため、S含有量を極力低減することが好ましいが、含有量が0.005%までは許容できる。したがって、S含有量を0.005%以下とする。打抜き性のための好ましいS含有量は0.0030%以下である。より好ましいS含有量は0.0020%以下である。しかし、必要以上にSを低減しても精錬コストの増大に見合う効果が得られないため、好ましいS含有量の下限は、0.0003%である。
Alは、脱酸剤として作用し、鋼の清浄度を向上させるのに有効な元素である。Alが0.01%未満ではその効果が必ずしも十分ではなく、一方、Alの過剰な添加は酸化物系介在物の増加を招き、熱延鋼板の打抜き性を低下させるとともに、疵発生の原因となる。したがって、Al含有量を0.01%以上0.100%以下とする。好ましくは、Al含有量は0.01%以上0.08%以下である。より好ましくは、Al含有量は0.02%以上0.06%以下である。
Nは、窒化物形成元素と結合することにより窒化物として析出し、結晶粒微細化に寄与する。しかし、Nは、高温でTiと結合して粗大な窒化物になり易く、熱延鋼板の打抜き性を低下させる。このため、N含有量を0.010%以下とする。好ましくは、N含有量は0.008%以下である。より好ましくは、N含有量は0.006%以下である。
Tiは、オーステナイト相高温域(オーステナイト相での高温の域とオーステナイト相よりも高温の域(鋳造の段階))で窒化物を形成することで、BNの析出が抑制されるため、Bが固溶状態になることによりベイナイトの生成に必要な焼入れ性を得ることができ、強度と穴広げ性を向上させる。また熱間圧延時に炭化物を形成してオーステナイト粒の再結晶を抑制する効果があり、未再結晶温度域での仕上げ圧延を可能とする。これらの効果を得るためには、Ti含有量を0.03%以上とする必要がある。一方、Ti含有量が0.15%を超えて過剰になると、オーステナイト粒の再結晶温度が高くなりすぎ、打抜き性が低下する。したがって、Ti含有量を0.03%以上0.15%以下とする。好ましくは、Ti含有量は0.050%以上0.130%以下である。より好ましくは0.060%以上0.120%以下である。
Crは、炭化物を形成して熱延鋼板の高強度化に寄与するとともに、焼入れ性向上によってベイナイトの生成を促進し、さらにベイナイト粒内へのFe系炭化物析出を促進する元素である。これらの効果を得るためには、Cr含有量を0.10%以上とする。一方、Cr含有量が0.50%を超えると、マルテンサイトまたはマルテンサイト−オーステナイト混合相が生成しやすくなり、熱延鋼板の打抜き性と穴広げ性の両方、またはいずれか一方が低下する。したがって、Cr含有量を0.10%以上0.50%以下とする。好ましくは、Cr含有量は0.15%以上0.45%以下である。より好ましくは、Cr含有量は0.20%以上0.40%以下である。
Bは、旧オーステナイト粒界に偏析し、フェライトの生成・成長を抑制し強度と穴広げ性向上に寄与する元素である。これらの効果を得るためには、B含有量を0.0005%以上とする。一方、B含有量が0.0050%を超えると、上記した効果が飽和する。したがって、B含有量は0.0005%以上0.0050%以下の範囲に限定する。B含有量は、好ましくは、0.0006%以上0.0040%以下であり、より好ましくは、0.0007%以上0.0030%以下の範囲である。
Nbは、熱間圧延時に炭化物を形成してオーステナイトの再結晶を抑制する効果があり、熱延鋼板の強度向上に寄与する。この効果を得るためには、Nb含有量を0.005%以上とする必要がある。一方、Nb含有量が0.050%を超えると、旧オーステナイト粒の再結晶温度が高くなりすぎ、打抜き性が低下する。したがって、Nbを含有させる場合は、Nb含有量を0.005%以上0.050%以下とする。好ましくは、Nb含有量は0.010%以上0.045%以下である。より好ましくは、Nb含有量は0.015%以上0.040%以下である。
Vは、熱間圧延時に炭窒化物を形成してオーステナイトの再結晶を抑制する効果があり、熱延鋼板の強度向上に寄与する。この効果を得るためには、V含有量を0.05%以上とする必要がある。一方、V含有量が0.30%を超えると、旧オーステナイト粒の再結晶温度が高くなりすぎ、打抜き性が低下する。したがって、Vを含有させる場合は、V含有量を0.05%以上0.30%以下とする。好ましくは、V含有量は0.07%以上0.280%以下である。より好ましくは、V含有量は0.10%以上0.25%以下である。
Moは、焼入れ性の向上を通じてベイナイト相の形成を促進し、強度と穴広げの向上に寄与する。このような効果を得るためには、Mo含有量を0.05%以上とすることが好ましい。但し、Mo含有量が0.30%を超えると、マルテンサイトまたはマルテンサイト−オーステナイト混合相が生成しやすくなり、熱延鋼板の打抜き性と穴広げ性の両方、またはいずれか一方が低下する。したがって、Moを含有させる場合は、Mo含有量を0.05%以上0.30%以下とする。好ましくは、Mo含有量は0.10%以上0.25%以下である。
本発明の高強度高加工性熱延鋼板は、ベイナイト相を主相とする。ここで、主相とは面積率で85%以上である場合をいう。ベイナイト相とは、ラス状のベイニティックフェライトと、ベイニティックフェライトの間および/又は内部にFe系炭化物を有する組織(Fe系炭化物の析出が全くない場合を含む)を意味する。ベイニティックフェライトは、ポリゴナルフェライトとは異なり、形状がラス状でかつ内部に比較的高い転位密度を有する。そのため、ベイナイト相が面積率で85%以上であれば引張強さTS:980MPa以上と優れた穴広げ性を兼備することができる。好ましくは、ベイナイト相は面積率で90%以上とする。
オーステナイト相の結晶粒径(直径)が0.8μm以下の結晶粒:全体の70%以上
オーステナイト相は材料の加工性の向上のために有効で、一定量必要である。また、このときオーステナイトの粒界が細かいものが多いほど、加工性評価試験の一つである、穴広げ性が向上する。オーステナイト相は、材料の加工性向上のために面積率で1%以上必要である。また、強度の観点から面積率で8%以下である必要がある。オーステナイト相の面積率が8%を超えると、引張強さが低下してしまう。オーステナイトが微細であるほど加工性が向上するために、オーステナイト粒のうち、直径0.8μm以下である結晶粒がオーステナイト粒全体の70%以上である必要がある。より好ましくは、85%以上である。さらに、結晶粒が小さいほど加工性が向上するので、好ましくは直径0.5μm以下の結晶粒が70%以上である。オーステナイト相の形成は、初期の急冷中および急冷後の保持時間中のベイナイト変態および徐冷中にベイナイト変態およびマルテンサイト変態を起こさなかった、未変態オーステナイト相の形状により制御される。特に、徐冷中に炭素濃度を上昇させて、未変態オーステナイト相の一部をベイナイト変態させることで、ベイナイト間に残った未変態オーステナイト相への炭素濃化がより進み、微細なオーステナイト相を形成させることが可能となる。
本発明鋼はベイナイト組織で高強度を達成するのでマルテンサイト相はあまり必要とせず、逆に多量にマルテンサイト相が形成させると加工性の低下を招く。ただし、最終的な熱処理により未変態オーステナイトの一部がマルテンサイトに変態するため、マルテンサイト相の形成を完全に抑制することは困難である。本発明では、マルテンサイト相は面積率で3%以下に抑えることが必要である。マルテンサイト相が面積率で3%以下であれば、顕著な加工性の劣化を生じない。マルテンサイト相は、面積率で、好ましくは、2%以下であり、より好ましくは1%以下である。また、マルテンサイト相は0%であってもよい。
鋼素材の加熱温度については、オーステナイト単相域であれば特に限定はしないが、スラブ段階で存在している粗大な析出物は、圧延中の割れ等諸特性の劣化を招くため、熱間圧延前の鋼素材を加熱して、粗大な析出物を固溶したほうがよい。そのため、鋼素材の加熱温度を1150℃以上とする。一方、加熱温度が高くなりすぎても、スケール発生量が多くなって歩留まりが低下したり、熱間圧延時にスケールに起因した疵が鋼板に発生したりする。このような理由で生産性を悪くするため、加熱温度の上限は1300℃とすることが好ましい。
鋼素材の加熱に続き、粗圧延を実施し、それに続いて仕上げ圧延を行う。仕上げ圧延初期は、オーステナイト領域のなかでも形状制御が容易な再結晶温度域で圧延を行うことが望ましい。本発明では、圧延最終段階での結晶粒からの相変態挙動が重要になるため、仕上げ圧延の最終段階の鋼板の組織は未再結晶オーステナイト相である必要がある。このため、仕上げ圧延終了温度は、Ar3点+30以上Ar3点+120℃以下の未再結晶温度域である必要がある。なお、仕上げ圧延終了温度は、仕上げ圧延機の最終スタンドの出側での鋼板表面温度である。
仕上げ圧延終了後は、オーステナイトの再結晶およびフェライト変態を抑制するためにただちに冷却を開始することが望ましい。ここで、ただちに冷却を開始することとは、仕上げ圧延終了後3秒以内に冷却を開始することである。冷却手段は水冷、空冷など、適当な手段を使用することができる。
上記第1冷却の停止温度を、フェライト変態を抑制してベイナイト変態を進行させるために400〜520℃とする。冷却温度が高いとフェライト変態が起こってしまい、また冷却温度が低いとベイナイト変態量が少なくなる。いずれも所望する鋼板組織を得ることが難しくなるので、上記温度に限定する。
仕上げ圧延終了から第1冷却停止温度までの冷却速度は、フェライト変態を抑制するために重要である。少なくとも圧延終了直後から第1冷却停止温度までは、40℃/s以上の速度で冷却を行う必要がある。また、第1冷却停止温度までの冷却速度が速いほどフェライト形成が抑制されるため、50℃/s以上が望ましい。仕上げ圧延終了温度から第1冷却停止温度までの平均冷却速度が40℃/s未満であると、ベイナイト変態の前にフェライト変態が起こり、所望の面積率のベイナイト相が得られない。好ましくは、平均冷却速度は50℃/s以上である。平均冷却速度の上限は特に規定しないが、平均冷却速度が大きくなりすぎると、表面温度が低下しすぎて、鋼板表面にマルテンサイトが生成しやすくなり、所望の穴広げ性が得られなくなる。そのため、平均冷却速度は120℃/s以下とすることが好ましい。ここで、第1冷却を多段階で行ってもよい。その場合でも、各冷却段階での冷却速度は40℃/s以上とし、各段階の移行時間は1秒以内とすることが望ましい。なお、平均冷却速度は、鋼板の表面温度を用いて測定される速度とする。
第1冷却停止温度に到達したら、その温度で少なくとも10分以上保持することが必要である。ここで所定の温度に保持することにより、ベイナイト変態がより促進される。また、変態によって炭素の移動も進行させる。
保持時間経過後、第2冷却を行う。
第2冷却停止温度が200℃超えであると、その後の冷却時に炭素濃化部が下部ベイナイト変態やマルテンサイト変態を起こすことがある。そのため、第2冷却停止温度を200℃以下とする。この第2冷却停止温度は、好ましくは、第2冷却中のマルテンサイト変態の抑制と未変態オーステナイトへの炭素濃化による残留オーステナイトの安定化のため、150℃以下とする。また、この第2冷却では保温カバーや炉を用いて冷却速度を制御してもよい。ただし、100℃以下への長時間の徐冷は熱効率上不利であるため、100℃以下では空冷等で放置してもよい。
得られた鋼板から、引張方向が圧延方向と平行になるようにJIS 13B号試験片を切り出し、JIS Z 2241(2011)の規定に準拠して引張試験を行い、引張強さ(TS)、全伸び(El)を求めた。引張強さが980MPa以上、全伸びが12%以上の材料を合格とした。
穴広げ試験は、鋼板から100(mm)x100(mm)の試験片を切り出して、鉄連規格JFST 1001に準拠して行った。試験片中央に10mmφポンチで、クリアランス:12.5%で、ポンチ穴を打ち抜いた後、該ポンチ穴に60°円錐ポンチを打抜き方向から押し上げるように挿入して、亀裂が板厚を貫通した時点での穴径d(mm)を求めた。そして、次式
λ(%)={(d−10)/10}×100
で定義される穴広げ率λ(%)を算出した。なお、クリアランスは、板厚に対する割合(%)である。穴広げ試験で得られたλが45%以上の場合を、穴広げ加工性が良好と評価した。
熱延鋼板から、ブランク板(50mm×50mm)を10枚採取した。そして打抜きポンチを20mmφの平底型として、打抜きクリアランスを20%±2%となるようにダイ側の穴径を決定し、上から板押さえで固定して20mmφのポンチ穴を打ち抜いた。ブランク板10枚全てに対して打ち抜き後、ポンチ穴の全周にわたり、打抜き端面の破面状況をマイクロスコープ(倍率:50倍)で、割れ、欠け、脆性破面、2次せん断面等の有無を観察した。前記の10個のポンチ穴について、割れ、欠け、脆性破面、2次せん断面等がないポンチ穴が10個のものを◎(合格)、割れ、欠け、脆性破面、2次せん断面等がないポンチ穴が8〜9個のものを○(合格)とし、それ以外(割れ、欠け、脆性破面、2次せん断面等のないポンチ穴が0〜7個のもの)を×(不合格)として、打抜き性を評価した。
鋼板からSEM観察用試料を作製し、組織観察を行った。試料の圧延方向断面(L断面)を鏡面研磨した後、電解研磨を行った。電解液は、メタノール300ml+98vol%エチレングリコールモノブチルエーテル(2-ブトキシエタノール)180ml+60vol%過塩素酸観察30mlの混合液とした。また、電解条件は、試料を陽極として40Vで2秒間電流を流し、その後3秒間電流を流さずにそのまま保持することとした。その後、試料を水洗、乾燥し、板厚1/4t部分をSEMによって観察した。
Claims (3)
- 質量%で、C:0.04%以上0.18%以下、Si:0.2%以上2.0%以下、Mn:1.0%以上3.0%以下、P:0.03%以下、S:0.005%以下、Al:0.01%以上0.100%以下、N:0.010%以下、Ti:0.03%以上0.15%以下、Cr:0.10%以上0.50%以下、B:0.0005%以上0.0050%以下、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、ベイニティックフェライト相を含むベイナイト相を面積率で85%以上とし、面積率で1%以上8%以下のオーステナイト相を含み、前記オーステナイト相のうち直径が0.8μm以下である結晶粒がオーステナイト相全体の70%以上であり、さらにマルテンサイト相を面積率で3%以下とすることを特徴とする高強度高加工性熱延鋼板。
- 前記組成に加えてさらに、質量%で、Nb:0.005%以上0.050%以下、V:0.05%以上0.30%以下、Mo:0.05%以上0.30%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の高強度高加工性熱延鋼板。
- 請求項1または2に記載の熱延鋼板の製造方法であり、鋼素材を、加熱温度1150℃以上に加熱したのち、粗圧延を行い、その後、仕上げ圧延終了温度をAr3点+30℃以上Ar3点+120℃以下とする仕上げ圧延を行った後、40℃/s以上の平均冷却速度で400℃以上520℃以下の第1冷却停止温度まで冷却する第1冷却を行い、その後前記第1冷却停止温度を保持温度として10分以上保持している間に巻取り、該巻取り後、さらに20℃/h以下の速度で200℃以下の第2冷却停止温度まで徐冷する第2冷却を行うことを特徴とする高強度高加工性熱延鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016128279A JP2018003062A (ja) | 2016-06-29 | 2016-06-29 | 高強度高加工性熱延鋼板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016128279A JP2018003062A (ja) | 2016-06-29 | 2016-06-29 | 高強度高加工性熱延鋼板およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018003062A true JP2018003062A (ja) | 2018-01-11 |
Family
ID=60948593
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016128279A Pending JP2018003062A (ja) | 2016-06-29 | 2016-06-29 | 高強度高加工性熱延鋼板およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018003062A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111334701A (zh) * | 2020-03-25 | 2020-06-26 | 武汉钢铁有限公司 | 一种抗拉强度≥800MPa的高延伸率热轧组织调控钢及生产方法 |
WO2020203943A1 (ja) * | 2019-04-04 | 2020-10-08 | 日本製鉄株式会社 | 亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 |
JP2021147645A (ja) * | 2020-03-17 | 2021-09-27 | Jfeスチール株式会社 | 高強度鋼板およびその製造方法 |
JP2021147646A (ja) * | 2020-03-17 | 2021-09-27 | Jfeスチール株式会社 | 高強度鋼板およびその製造方法 |
JPWO2022045350A1 (ja) * | 2020-08-31 | 2022-03-03 | ||
WO2022045352A1 (ja) * | 2020-08-31 | 2022-03-03 | 日本製鉄株式会社 | 鋼板およびその製造方法 |
WO2022045351A1 (ja) * | 2020-08-31 | 2022-03-03 | 日本製鉄株式会社 | 鋼板およびその製造方法 |
CN114558891A (zh) * | 2022-03-04 | 2022-05-31 | 贵州捷盛钻具股份有限公司 | 钎杆用中空钢热轧方法、中空钢及热轧机 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012012701A (ja) * | 2010-05-31 | 2012-01-19 | Jfe Steel Corp | 伸びフランジ性および耐疲労特性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法 |
JP2013014825A (ja) * | 2011-07-06 | 2013-01-24 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp | 冷延鋼板 |
JP2014510838A (ja) * | 2011-02-18 | 2014-05-01 | ティッセンクルップ スチール ヨーロッパ アクチェンゲゼルシャフト | 複合相鋼から製造される熱間圧延平鋼製品及びその製造方法 |
WO2015129199A1 (ja) * | 2014-02-27 | 2015-09-03 | Jfeスチール株式会社 | 高強度熱延鋼板およびその製造方法 |
-
2016
- 2016-06-29 JP JP2016128279A patent/JP2018003062A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012012701A (ja) * | 2010-05-31 | 2012-01-19 | Jfe Steel Corp | 伸びフランジ性および耐疲労特性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法 |
JP2014510838A (ja) * | 2011-02-18 | 2014-05-01 | ティッセンクルップ スチール ヨーロッパ アクチェンゲゼルシャフト | 複合相鋼から製造される熱間圧延平鋼製品及びその製造方法 |
JP2013014825A (ja) * | 2011-07-06 | 2013-01-24 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp | 冷延鋼板 |
WO2015129199A1 (ja) * | 2014-02-27 | 2015-09-03 | Jfeスチール株式会社 | 高強度熱延鋼板およびその製造方法 |
Cited By (21)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020203943A1 (ja) * | 2019-04-04 | 2020-10-08 | 日本製鉄株式会社 | 亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 |
JPWO2020203943A1 (ja) * | 2019-04-04 | 2021-11-04 | 日本製鉄株式会社 | 亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 |
JP7092258B2 (ja) | 2019-04-04 | 2022-06-28 | 日本製鉄株式会社 | 亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 |
JP2021147645A (ja) * | 2020-03-17 | 2021-09-27 | Jfeスチール株式会社 | 高強度鋼板およびその製造方法 |
JP2021147646A (ja) * | 2020-03-17 | 2021-09-27 | Jfeスチール株式会社 | 高強度鋼板およびその製造方法 |
JP7192818B2 (ja) | 2020-03-17 | 2022-12-20 | Jfeスチール株式会社 | 高強度鋼板およびその製造方法 |
JP7192819B2 (ja) | 2020-03-17 | 2022-12-20 | Jfeスチール株式会社 | 高強度鋼板およびその製造方法 |
CN111334701A (zh) * | 2020-03-25 | 2020-06-26 | 武汉钢铁有限公司 | 一种抗拉强度≥800MPa的高延伸率热轧组织调控钢及生产方法 |
JPWO2022045351A1 (ja) * | 2020-08-31 | 2022-03-03 | ||
JPWO2022045352A1 (ja) * | 2020-08-31 | 2022-03-03 | ||
WO2022045350A1 (ja) * | 2020-08-31 | 2022-03-03 | 日本製鉄株式会社 | 鋼板およびその製造方法 |
WO2022045351A1 (ja) * | 2020-08-31 | 2022-03-03 | 日本製鉄株式会社 | 鋼板およびその製造方法 |
JP7127751B2 (ja) | 2020-08-31 | 2022-08-30 | 日本製鉄株式会社 | 鋼板およびその製造方法 |
JP7127753B2 (ja) | 2020-08-31 | 2022-08-30 | 日本製鉄株式会社 | 鋼板およびその製造方法 |
JP7127752B2 (ja) | 2020-08-31 | 2022-08-30 | 日本製鉄株式会社 | 鋼板およびその製造方法 |
CN115362276A (zh) * | 2020-08-31 | 2022-11-18 | 日本制铁株式会社 | 钢板及其制造方法 |
WO2022045352A1 (ja) * | 2020-08-31 | 2022-03-03 | 日本製鉄株式会社 | 鋼板およびその製造方法 |
JPWO2022045350A1 (ja) * | 2020-08-31 | 2022-03-03 | ||
CN115362276B (zh) * | 2020-08-31 | 2023-11-03 | 日本制铁株式会社 | 钢板及其制造方法 |
CN114558891A (zh) * | 2022-03-04 | 2022-05-31 | 贵州捷盛钻具股份有限公司 | 钎杆用中空钢热轧方法、中空钢及热轧机 |
CN114558891B (zh) * | 2022-03-04 | 2024-05-24 | 贵州捷盛钻具股份有限公司 | 钎杆用中空钢热轧方法、中空钢及热轧机 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6252692B2 (ja) | 高強度熱延鋼板およびその製造方法 | |
JP2018003062A (ja) | 高強度高加工性熱延鋼板およびその製造方法 | |
JPWO2018150955A1 (ja) | 高強度熱延鋼板およびその製造方法 | |
JP4790639B2 (ja) | 伸びフランジ成形性と衝突吸収エネルギー特性に優れた高強度冷延鋼板及びその製造方法 | |
JP6813136B1 (ja) | 高強度亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 | |
KR20170107057A (ko) | 고강도 냉연 강판 및 그의 제조 방법 | |
JP5892147B2 (ja) | 高強度熱延鋼板およびその製造方法 | |
KR102262923B1 (ko) | 용융 아연 도금 강판 및 그의 제조 방법 | |
JPWO2017131053A1 (ja) | 温間加工用高強度鋼板およびその製造方法 | |
WO2021079756A1 (ja) | 高強度鋼板およびその製造方法 | |
WO2016143298A1 (ja) | 高強度鋼板およびその製造方法 | |
JP6443555B2 (ja) | 高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 | |
JP6086079B2 (ja) | 高強度高降伏比冷延鋼板およびその製造方法 | |
JP6930682B1 (ja) | 高強度鋼板およびその製造方法 | |
JP7168073B2 (ja) | 高強度鋼板およびその製造方法 | |
JPWO2021079753A1 (ja) | 高強度鋼板およびその製造方法 | |
JP6390573B2 (ja) | 冷延鋼板およびその製造方法 | |
JP6390572B2 (ja) | 冷延鋼板、めっき鋼板およびこれらの製造方法 | |
WO2017131052A1 (ja) | 温間加工用高強度鋼板およびその製造方法 | |
JP7078202B1 (ja) | 高強度鋼板およびその製造方法 | |
JP2017008368A (ja) | 溶接性と成形性に優れた高強度冷延鋼板 | |
JPH0748648A (ja) | 高強度熱延鋼板とその製造方法 | |
JP2017008367A (ja) | 溶接性と成形性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板 | |
JP2015147963A (ja) | 加工性に優れた高強度冷延鋼板およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180125 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20180502 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20180509 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190128 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190219 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20190327 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190408 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20190924 |