JP2018003025A - ポリカーボネートジオール及びその製造方法 - Google Patents

ポリカーボネートジオール及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ハンドリング性に優れ、比較的ガラス転移点の低いポリカーボネートジオールを提供する。
【解決手段】 下記式(1)で表される繰り返し単位と、下記式(2)で表される繰り返し単位を有し、分子の両末端に一つずつ水酸基を有するポリカーボネートジオールである。
及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表し、Rは、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。
Figure 2018003025

【選択図】 なし

Description

本発明は、特定の繰り返し構造を有し、カーボネート結合部分とエステル結合部分を有するポリカーボネートジオールに関する。
ポリカーボネートジオールは、ポリエステルポリオールやポリエーテルポリオールと同様に、ポリイソシアネート化合物と反応させて、ポリウレタン樹脂を製造する際の原料や、エンジニアリングプラスチック、接着剤、塗料等の原料として有用であり、またポリエステル樹脂等の改質剤としても使用される。なかでも、シクロヘキサン環を有するジオール成分を使用して製造されたポリカーボネートジオールは、これを用いて製造されるポリウレタンが高硬度で剛直性に富むため、特に硬い特性が必要な用途で使用されている。
しかし、シクロヘキサン環を有するジオール成分を使用して製造されたポリカーボネートジオールは、結晶性が高く常温では固体のため、使用前に加熱融解する必要があるという欠点があり、特許文献1では、ジオール成分が1,6−ヘキサンジオールと1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる常温で液状のポリカーボネートジオールが提案されている。
しかしながら、カーボネート結合だけを有するポリカーボネートジオールは粘度が高く、ハンドリング性には欠けるという欠点がある。また、カーボネート結合はエステル結合と比べると柔軟性に欠けるため、カーボネート結合だけを有するポリカーボネートジオールから製造されるポリウレタンは、ポリエステルポリオールから製造されるポリウレタンよりも、柔軟性には欠けるという欠点がある。さらに、カーボネート結合だけを有するポリカーボネートジオールはガラス転移点が高く、このポリカーボネートジオールから製造されるポリウレタンは、低温側では伸びが小さくなり、可撓性に欠けるのでもろくなるという欠点がある。
特開2002−69166号公報
本発明では、ハンドリング性に優れ、比較的ガラス転移点の低いポリカーボネートジオールを提供することを課題とする。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、具体的には、次のような構成を有するものである。
[1] 下記式(1)で表される繰り返し単位と、下記式(2)で表される繰り返し単位を有し、分子の両末端に一つずつ水酸基を有するポリカーボネートジオールである。
Figure 2018003025

(式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。)
Figure 2018003025

(式(2)中、Rは、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。)
[2] 式(1)で表される繰り返し単位と、式(2)で表される繰り返し単位の割合が、1:9〜9:1である前記[1]に記載のポリカーボネートジオールである。
[3] 数平均分子量が500〜3000である前記[1]又は[2]に記載のポリカーボネートジオールである。
[4] 下記式(3)で表されるポリカーボネートジオールと、炭素数3〜13の環状エステル化合物とを触媒の存在下又は不存在下で反応させる前記[1]〜[3]のいずれか一つに記載のポリカーボネートジオールの製造方法である。
Figure 2018003025

(式(3)中、R及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表し、nは繰り返し単位の繰り返し数であり1〜20の整数を表す。)
[5] 触媒が、チタンテトラアルコキシドである前記[4]に記載のポリカーボネートジオールの製造方法である。
本発明では、ハンドリング性に優れ、比較的ガラス転移点の低いポリカーボネートジオールを提供することができる。
また本発明のポリカーボネートジオールは常温で液状のため工業生産性に優れており、ポリウレタン樹脂などの製造原料として好適である。
本発明のポリカーボネートジオールは、式(1)で表される繰り返し単位と式(2)で表される繰り返し単位を有する。
すなわち、下記式(4)で表されるジオール化合物と、下記式(5)で表される環状エステル化合物及び/又は下記式(6)で表されるヒドロキシカルボン酸エステルと、炭酸エステル化合物やホスゲン等のカルボニル化剤とを反応させて得られるポリカーボネートジオールである。
Figure 2018003025

(式(4)中、R及びRは、式(1)や式(3)と同様である。)
Figure 2018003025

(式(5)中、Rは、式(2)と同様である。)
Figure 2018003025

(式(6)中、Rは、式(2)と同様であり、Rは炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表す。)
(ジオール化合物)
式(4)で表されるジオール化合物としては、R及びRがそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す以外に特に制限されないが、具体的には、下記のようなジオール化合物が挙げられる。
式(4)において、RとRとが同じ基であるジオール化合物としては、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジエタノール、1,3−シクロヘキサンジエタノール、1,4−シクロヘキサンジエタノール、1,4−シクロヘキサンジn−プロパノール、1,4−シクロヘキサンジn−ブタノール、1,4−シクロヘキサンジn−ヘキサノール、1,4−シクロヘキサンジn−オクタノール、1,4−シクロヘキサンジn−デカノール等のR及びRが同じでかつ直鎖アルキレン基であるジオール化合物;1,2−シクロヘキサンジイソプロパノール、1,3−シクロヘキサンジイソプロパノール、1,4−シクロヘキサンジイソプロパノール等のR及びRが同じでかつ分岐鎖アルキレン基であるジオール化合物が挙げられる。
式(4)において、RとRとが異なる基であるジオール化合物としては、シクロヘキサン−1−メタノール−2−エタノール、シクロヘキサン−1−メタノール−3−エタノール、シクロヘキサン−1−メタノール−4−エタノール等のRとRとが異なりかつR及びRが直鎖アルキレン基であるジオール化合物;シクロヘキサン−1−メタノール−3−イソプロパノール、シクロヘキサン−1−メタノール−4−イソプロパノール等のRとRとが異なりかつ一方が直鎖アルキレン基でもう一方が分岐鎖アルキレン基であるジオール化合物;シクロヘキサン−1−イソプロパノール−4−(2−メチルプロパノール)等のRとRとが異なりかつR及びRが分岐鎖アルキレン基であるジオール化合物が挙げられる。
やRとしては、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜3の直鎖のアルキレン基が特に好ましい。また、RとRとは同じアルキレン基であることが好ましい。
(環状エステル化合物)
式(5)で表される環状エステル化合物としては、Rが炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す以外に特に制限されないが、具体的には、下記のような環状エステル化合物が挙げられる。
式(5)において、Rが直鎖アルキレン基である環状エステル化合物としては、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等が挙げられる。
式(5)において、Rが分岐鎖アルキレン基である環状エステル化合物としては、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等が挙げられる。
としては炭素数2〜8の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜6の直鎖又は分岐鎖アルキレン基がより好ましい。また、Rとしては直鎖のアルキレン基であることが好ましい。
(ヒドロキシカルボン酸エステル)
式(6)で表されるヒドロキシカルボン酸エステルとしては、Rが炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり、Rが炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である以外に特に制限されないが、具体的には、β−ヒドロキシプロピオン酸メチル、γ−ヒドロキシ酪酸メチル、δ−ヒドロキシ吉草酸メチル、ε−ヒドロキシカプロン酸メチル、ε−ヒドロキシカプロン酸エチル等が挙げられ、ε−ヒドロキシカプロン酸メチルが好ましい。
式(6)で表される環状エステル化合物と、式(6)で表されるヒドロキシカルボン酸エステルとは、どちらを用いてもよいが、副生成物がない点から、式(5)で表される環状エステル化合物を用いることが好ましい。
(カルボニル化剤)
カルボニル化剤としては、ホスゲンや炭酸エステルが挙げられる。また、炭酸エステルとしては、環状炭酸エステルや鎖状炭酸エステルが挙げられる。
環状炭酸エステルとしては、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等が挙げられる。
鎖状炭酸エステルとしては、炭酸ジメチルや炭酸ジエチル等の対象鎖状炭酸エステルや、炭酸エチルメチルや炭酸プロピルエチル等の非対称鎖状炭酸エステルが挙げられる。
前記カルボニル化剤としては、ポリカーボネートジオール中に塩素や塩素イオン、塩化物等の混入がない炭酸エステルを用いることが好ましい。
また、前記炭酸エステルとしては、ジオールが副生成しない鎖状炭酸エステルが好ましく、副生成するアルコールの留去のしやすさから対象鎖状炭酸エステルがより好ましく、粘度や副生成するアルコールの留去のしやすさから炭酸ジメチル又は炭酸ジエチルが特に好ましい。
(触媒)
本発明のポリカーボネートジオールを製造する場合には、触媒を用いることができる。
前記触媒は、エステル交換触媒として一般的に使われているものを使用することができる。前記エステル交換触媒としては、例えば、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、アルミニウム化合物、亜鉛化合物、マンガン化合物、ニッケル化合物、アンチモン化合物、ジルコニウム化合物、チタン化合物、有機スズ化合物が好ましく挙げられる。
アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属の水酸化物(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、アルカリ金属の炭酸塩(炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、アルカリ金属のカルボン酸塩(酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等)、アルカリ金属アルコキシド(リチウムメトキシド、ネトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシド等)等が挙げられ、アルカリ土類金属化合物としては、アルカリ土類金属の水酸化物(水酸化マグネシウム等)、アルカリ土類金属アルコキシド(マグネシウムメトキシド等)等が挙げられる。
アルミニウム化合物としては、アルミニウムアルコキシド(アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムsec−ブトキシド等)、アルミニウムアセチルアセトナート等のアルミニウム化合物等が挙げられる。
亜鉛化合物としては、亜鉛のカルボン酸塩(酢酸亜鉛等)、亜鉛アセチルアセトナート等が挙げられ、マンガン化合物としては、マンガンのカルボン酸塩(酢酸マンガン等)、マンガンアセチルアセトナート等が挙げられ、ニッケル化合物としては、ニッケルのカルボン酸塩(酢酸ニッケル等)、ニッケルアセチルアセトナート等が挙げられる。
アンチモン化合物としては、アンチモンのカルボン酸塩(酢酸アンチモン等)、アンチモンアルコキシド等が挙げられ、ジルコニウム化合物としては、ジルコニウムアルコキシド(ジルコニウムプロポキシド、ジルコニウムブトキシド等)、ジルコニウムアセチルアセトナート等が挙げられる。
チタン化合物としては、チタンアルコキシド(チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトラブトキシド、テトラシクロヘキシルチタネート、テトラベンジルチタネート等)、チタンアシレート(トリブトキシチタンステアレート、イソプロポキシステアレート等)、チタンキレート(ジイソプロポキシチタンビスアセチルアセトネート、ジヒドロキシ・ビスラクタトチタン等)等が挙げられる。
有機スズ化合物としては、ジブチルチンオキシド、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート等が挙げられる。
なお、各カルボン酸塩は、炭素数2〜30のものが好ましく、炭素数2〜18のものがより好ましく、各アルコキシドは、アルコキシ基の炭素数1〜30のものが好ましく、炭素数2〜18のものがより好ましい。
上記の触媒の中では、チタン化合物、有機スズ化合物が好ましく、チタン化合物がより好ましく、チタンアルコキシドが更に好ましい。チタンアルコキシドの中では、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトラブトキシド等のチタンテトラアルコキシドがより好ましく、チタンテトラブトキシドが特に好ましい。
なお、上記の芳香族ジヒドロキシル化合物(a)、炭酸エステル(b)、脂肪族ジヒドロキシル化合物(c)、及び触媒は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(ポリカーボネートジオールの製造方法)
本発明のポリカーボネートジオールの製造方法としては、以下のような方法を採用することができる。
式(4)で表されるジオール化合物と、式(5)で表される環状エステル化合物及び/又は式(6)で表されるヒドロキシカルボン酸エステルと、炭酸エステルとを全て混ぜ合わせて、アルコール等を抜き出しながらエステル交換反応により製造する方法がある。
また、式(4)で表されるジオール化合物と炭酸エステルとをエステル交換反応させて、式(3)で表されるポリカーボネートジオールを得た後、式(5)で表される環状エステル化合物及び/又は式(6)で表されるヒドロキシカルボン酸エステルを加えて反応させる方法がある。
さらに、式(5)で表される環状エステル化合物及び/又は式(6)で表されるヒドロキシカルボン酸エステルを重合させて、ポリエステルを得た後、式(4)で表されるジオール化合物と炭酸エステルを加えて反応させる方法がある。
上記のポリカーボネートジオールの製造方法の中でも、分子量の制御が行いやすいと言う点から、上記の式(3)で表されるポリカーボネートジオールを経由する製造方法が好ましい。
式(3)で表されるポリカーボネートジオールを経由するポリカーボネートジオールの製造方法について説明する。
式(3)で表されるポリカーボネートジオールは、式(4)で表されるジオール化合物と炭酸エステルとを好ましくは触媒存在下で、炭酸エステル由来のアルコール等を留出させながらエステル交換反応させることによって得られる。
式(3)で表されるポリカーボネートジオールを製造する際の反応温度は、用いるジオール化合物や炭酸エステルの種類によって異なるが、90〜230℃であることが好ましい。
式(3)で表されるポリカーボネートジオールを製造する際の反応系内の圧力は、特に制限されないが、30〜500mmHgの減圧とすることが好ましい。なお反応は、空気、炭酸ガス、又は不活性ガス(窒素、アルゴン、ヘリウム等)の雰囲気下又は気流中で行なうことができるが、不活性ガス雰囲気下又は不活性ガス気流中で行なうことが好ましい。
また、触媒を添加する場合は、全仕込み量に対する触媒の添加量が、1〜20000重量ppmであることが好ましく、10〜5000重量ppmであることがより好ましく、20〜4000重量ppmであることが特に好ましい。
なお、生成したポリカーボネートジオールの数平均分子量が目的とする数平均分子量よりも小さい場合は、さらに減圧下でジオール化合物を留出させ、逆に数平均分子量が目的とする数平均分子量よりも大きい場合は、ジオール化合物を添加してさらにエステル交換反応させて、目的の数平均分子量のポリカーボネートジオールを得ることができる。
本発明のポリカーボネートジオールは、上記で得られた式(3)で表されるポリカーボネートジオールに、式(5)で表される環状エステル化合物及び/又は式(6)で表されるヒドロキシカルボン酸エステルを加えて、必要に応じて副生成するアルコール等を留出させながら反応させることによって得られる。
式(3)で表されるポリカーボネートジオールと、式(5)で表される環状エステル化合物及び/又は式(6)で表されるヒドロキシカルボン酸エステルとを反応させる際の反応温度は、式(5)で表される環状エステル化合物及び/又は式(6)で表されるヒドロキシカルボン酸エステルが実質的に留出しない条件であることが好ましく、90〜230℃であることがより好ましい。
式(3)で表されるポリカーボネートジオールと、式(5)で表される環状エステル化合物及び/又は式(6)で表されるヒドロキシカルボン酸エステルとを反応させる際の反応系内の圧力は、特に制限されないが、30〜500mmHgの減圧とすることが好ましい。なお反応は、空気、炭酸ガス、又は不活性ガス(窒素、アルゴン、ヘリウム等)の雰囲気下又は気流中で行なうことができるが、不活性ガス雰囲気下又は不活性ガス気流中で行なうことが好ましい。
また、触媒は、新たに上記の触媒を添加してもよいし、式(3)で表されるポリカーボネートジオールを製造する際に用いたものをそのまま使用することもできる。
さらに、数平均分子量やカーボネート結合とエステル結合の割合を調整するために、前記ジオール化合物を添加して反応を行ってもよい。
(ポリカーボネートジオール)
本発明のポリカーボネートジオールの数平均分子量は、取扱い性の点から、500〜3000であることが好ましい。
本発明のポリカーボネートジオールは、水分量が1〜10000ppmであることが好ましい。
本発明のポリカーボネートジオールは、JIS K 1557に規定されるハーゼン単位色数(APHA)が、200以下であることが好ましく、100以下であることがより好ましく、70以下であることが更に好ましく、1〜60であることが特に好ましい。
本発明のポリカーボネートジオールの水酸基価は、30〜250mgKOH/gであることが好ましい。
本発明のポリカーボネートジオールの酸価は、1mgKOH/g以下であることが好ましく、0.1mgKOH/g以下であることがより好ましく、0.01〜0.05mgKOH/gであることが更に好ましい。
本発明のポリカーボネートジオールのガラス転移点は、−80℃〜+50℃であることが好ましい。
本発明のポリカーボネートジオールの粘度は、10〜90,000cp(75℃)であることが好ましく、50〜50,000cp(75℃)であることがより好ましく、100〜10,000cp(75℃)であることが更に好ましい。
以下に、実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例等に縛られるものではない。
実施例及び比較例で行った測定や評価は下記のような方法で行った。
(1)水酸基価:JIS K 1557のB法に準拠して測定した。
(2)酸価:JIS K 1557の指示薬滴定法に準拠して測定した。
(3)水分:カールフィッシャー水分計を使用した電量滴定法により測定した。
(4)融点及びガラス転移温度:示差走査熱量分析法(測定温度範囲:−100℃〜200℃)により測定した。
(5)粘度:E型粘度計を用いて、75℃で測定した。
(6)数平均分子量:標準ポリスチレンについて得た較正曲線を用いてGPCにより行った。
(7)APHA:JIS K 1557に基づき、JIS K 0071−1に準拠して下記のようにハーゼン単位色数(APHA)を測定した。
(標準液の調製)
塩化白金酸カリウム1.245g、塩化コバルト・6水塩1.000g、水500m1及び塩酸100mlを1Lのメスフラスコに入れ、完全に溶解したのち、水を標線まで加えた溶液を準備する。この溶液はAPHA標準液No.500に相当し、各種標準液はこのNo.500標準液を水で希釈して調製する。例えばAPHA標準液No.100は、No.500標準液20.0mlを水80.0mlで希釈して調製する。
(測定方法)
無色透明で底の肉厚が等しく内径約23mmの同質同径の共栓付平底ガラス管で、液量が約100mlになるように底部から同じ高さのところに標線を刻んだ比色管に、泡の入らないように注意して標線までサンプルを入れる。ついで白色板上に適当なAPHA標準液と並べて上方から見て比較し、試料に最も近似した濃度の標準液を求め、その標準液No.をAPHAとする。
(実施例1)
精留塔、攪拌機、温度計、窒素導入管を備えた1000mlのガラス製丸底フラスコに、ジメチルカーボネート313.0g(6.95mol)、1,4−シクロヘキサンジメタノール434.7g(6.03mol)、チタンテトラブトキシド0.05gを仕込み、常圧、攪拌下、窒素気流中でメタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら、エステル交換反応を10時間行った。この間、反応温度は95℃から200℃まで徐々に昇温させ、留出物の組成はメタノールとジメチルカーボネートの共沸組成ないしはその近傍となるように調節した。
この後徐々に100mmHgまで減圧し、攪拌下、メタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら、195℃でエステル交換反応を更に10時間行った。反応終了後(メタノールとジメチルカーボネートの留去終了後)、反応液を室温まで冷却し、ポリカーボネートジオール500gを得た。
得られたポリカーボネートジオールは、数平均分子量が964、水酸基価が116mgKOH/g、酸価が0.02mgKOH/gであった。
攪拌機、温度計、窒素導入管を備えた500mlのガラス製丸底フラスコに、得られたポリカーボネートジオール241.0g(0.25mol)、1,4−シクロヘキサンジメタノール42.3g(0.29mol)、ε−カプロラクトン205.5g(1.80mol)を仕込み、100mgHgまで減圧し、攪拌下、190℃でエステル交換反応を4時間行った。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、ポリカーボネートジオール488gを得た。
得られたポリカーボネートジオールは、数平均分子量が882、APHAが40、水酸基価が127.2mgKOH/g、酸価が0.05mgKOH/g、水分が67ppm、融点は検出されず、ガラス転移点が−40℃、粘度が952cp(75℃)であった。NMRにより、1,4−シクロヘキサンジメタノール/ε−カプロラクトンのモル比は1/1であることがわかった。
(実施例2)
精留塔、攪拌機、温度計、窒素導入管を備えた1000mlのガラス製丸底フラスコに、ジメチルカーボネート260.3g(2.89mol)、1,4−シクロヘキサンジメタノール445.7g(3.09mol)、チタンテトラブトキシド0.05gを仕込み、常圧、攪拌下、窒素気流中でメタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら、エステル交換反応を8時間行った。この間、反応温度は95℃から200℃まで徐々に昇温させ、留出物の組成はメタノールとジメチルカーボネートの共沸組成ないしはその近傍となるように調節した。
この後徐々に100mmHgまで減圧し、攪拌下、メタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら、195℃でエステル交換反応を更に5時間行った。
反応終了後(メタノールとジメチルカーボネートの留去終了後)、減圧を3mmHg以下とし、200℃で1,4−シクロヘキサンジメタノールを84g留出させた。
反応終了後、反応液を室温まで冷却し、ポリカーボネートジオール415gを得た。
得られたポリカーボネートジオールは、数平均分子量が964、水酸基価が116mgKOH/g、酸価が0.03mgKOH/gであった。
攪拌機、温度計、窒素導入管を備えた500mlのガラス製丸底フラスコに、得られたポリカーボネートジオール289.2g(0.30mol)、1,4−シクロヘキサンジメタノール5.3g(0.04mol)、ε−カプロラクトン210.6g(1.85mol)を仕込み、100mgHgまで減圧し、攪拌下、190℃でエステル交換反応を4時間行った。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、ポリカーボネートジオール505gを得た。
得られたポリカーボネートジオールは、数平均分子量が1455、APHAが50、水酸基価が77.1mgKOH/g、酸価が0.05mgKOH/g、水分が76ppm、融点が検出されず、ガラス転移点が−36℃、粘度が3906cp(75℃)であった。NMRにより、1,4−シクロヘキサンジメタノール/ε−カプロラクトンのモル比は1/1であることがわかった。
(実施例3)
攪拌機、温度計、窒素導入管を備えた1000mlのガラス製丸底フラスコに、1,4−シクロヘキサンジメタノール及び炭酸エステルを原料として製造したポリカーボネートジオール(宇部興産株式会社製、商品名:ETERNACOLL(登録商標) UC−100、数平均分子量が1002、水酸基価が112mgKOH/g、酸価が0.03mgKOH/g)347.3g(0.35mol)、ε−カプロラクトン158.3g(1.39mol)を仕込み、100mgHgまで減圧し、攪拌下、190℃でエステル交換反応を4時間行った。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、ポリカーボネートジオール505gを得た。
得られたポリカーボネートジオールは、数平均分子量が1415、APHAが40、水酸基価が79.3mgKOH/g、酸価が0.03mgKOH/g、水分が159ppm、融点が検出されず、ガラス転移点が−26℃、粘度が8711cp(75℃)であった。NMRにより、1,4−シクロヘキサンジメタノール/ε−カプロラクトンのモル比は3/2であることがわかった。
(比較例1)
1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール及び炭酸エステル(1,4−シクロヘキサンジメタノール:1,6−ヘキサンジオール(モル比)=1:1)を原料として製造したポリカーボネートジオール(宇部興産株式会社製、商品名:ETERNACOLL(登録商標) UM−90(1/1))についてその物性を測定したところ、数平均分子量が908、APHAが30、水酸基価が123.6mgKOH/g、酸価が0.02mgKOH/g、水分が300ppm、融点が検出されず、ガラス転移点が−32℃、粘度が2170cp(75℃)であった。
(比較例2)
1,4−シクロヘキサンジメタノール及び炭酸エステルを原料として製造したポリカーボネートジオール(宇部興産株式会社製、商品名:ETERNACOLL(登録商標) UC−100)についてその物性を測定したところ、数平均分子量が1006、APHAが10、水酸基価が111.5mgKOH/g、酸価が0.03mgKOH/g、水分が100ppm、融点が58℃、ガラス転移点が6℃、粘度が92000cp以上(75℃)であった。

Claims (5)

  1. 下記式(1)で表される繰り返し単位と、下記式(2)で表される繰り返し単位を有し、分子の両末端に一つずつ水酸基を有するポリカーボネートジオール。
    Figure 2018003025

    (式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。)
    Figure 2018003025

    (式(2)中、Rは、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表す。)
  2. 式(1)で表される繰り返し単位と、式(2)で表される繰り返し単位の割合が、1:9〜9:1である請求項1に記載のポリカーボネートジオール。
  3. 数平均分子量が500〜3000である請求項1又は2に記載のポリカーボネートジオール。
  4. 下記式(3)で表されるポリカーボネートジオールと、炭素数3〜13の環状エステル化合物とを触媒の存在下又は不存在下で反応させる請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリカーボネートジオールの製造方法。
    Figure 2018003025

    (式(3)中、R及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表し、nは繰り返し単位の繰り返し数であり1〜20の整数を表す。)
  5. 触媒が、チタンテトラアルコキシドである請求項4に記載のポリカーボネートジオールの製造方法。
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