JP2018002553A - 光学素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】作製時間を短縮し、低コストである光学素子の製造方法を提供する。【解決手段】軟化点≦600℃のガラス母材1を加熱プレスすることにより、ガラス母材1を薄肉化して平板状ガラス中間母材3を得る第一のプレス工程、及び、前記平板状ガラス中間母材3を加熱プレスすることにより、平板状ガラス中間母材3の表面に凹凸構造を形成する第二のプレス工程を含むことを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明はレンズアレイ等の光学素子の製造方法に関する。
近年、サーバ等の処理容量の増加、光回路の実装技術の向上、光素子および光部品の低コスト化等に伴い、インターコネクトの方式が電気から光へと移行しつつある。光インターコネクトにおいて、レンズアレイはレーザから出射された光を光ファイバに集光したり、光ファイバから出射される光をフォトダイオード等の光検出器へと集光する役割を持つ。レンズアレイは、基板上に単数または複数のレンズ部分が形成されてなるものである。具体的には、矩形基板上の略中央部に複数のレンズ部分が直線上に形成されてなるものが挙げられる。
前記用途に用いられるレンズアレイの製造方法として、従来は、光学ガラスに対してエッチング処理を施す製造方法が挙げられている。しかしながら、この製造方法では、複数の工程を必要とし、作製時間が長く、コストが非常に高いという問題がある。そこで、光学ガラスのインゴットを研削、研磨したプリフォームガラスを加熱プレスする製造方法が提案されている。(例えば、特許文献1参照)
特許文献1の製造方法においても、プレスするための母材を最終製品の寸法形状近くまで加工する必要がある。よって、依然として、作製時間が長く、コストが高いという問題がある。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、作製時間を短縮し、低コストである光学素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の光学素子の製造方法は、軟化点≦600℃のガラス母材を加熱プレスすることにより、ガラス母材を薄肉化して平板状ガラス中間母材を得る第一のプレス工程、及び、前記平板状ガラス中間母材を加熱プレスすることにより、平板状ガラス中間母材の表面に凹凸構造を形成する第二のプレス工程を含むことを特徴とする
本発明の光学素子の製造方法は、第一のプレス工程により、ガラス母材の厚みを最終製品の厚みに加工できることから、研削工程や研磨工程を省略できる。それゆえ、光学素子を短時間かつ容易に、しかも低コストで製造することができる。
本発明の光学素子の製造方法は、ガラス母材がSnO−P2O5系ガラスであることが好ましい。SnO−P2O5系ガラスは、低軟化点を達成しやすいため、本発明におけるガラス母材として好適である。
本発明の光学素子の製造方法は、ガラス母材が、モル%で、SnO 43.5〜90%、
P2O5+B2O3+SiO2 0.1〜56.5%を含有することが好ましい。ガラス組成を
上記のように規定すれば、低軟化点で、且つ、化学耐久性や耐候性に優れたガラスが得ら
れやすくなる。
P2O5+B2O3+SiO2 0.1〜56.5%を含有することが好ましい。ガラス組成を
上記のように規定すれば、低軟化点で、且つ、化学耐久性や耐候性に優れたガラスが得ら
れやすくなる。
本発明により製造する光学素子は、レンズアレイ、波長フィルターまたは反射防止板であることが好ましい。
本発明の光学素子の製造方法は、研削工程や研磨工程を省略できる。しかも、プレス温度が低いため、表面精度の高い(例えば、研磨等による線状溝の少ない)レンズアレイを短時間かつ容易に、しかも低コストで製造することができる。
本発明の光学素子の製造方法について図1を用いて説明する。まず、軟化点≦600℃のガラス母材1を用意する。ガラス母材1は、次のようにして作製すればよい。所望の組成を有し、軟化点≦600℃のガラスとなるように調合したガラス原料を溶融し、溶融ガラスとする。次に、溶融ガラスをインゴットに成形して硝材を得る。さらに、得られた硝材を加工して所望のガラス母材1を作製する。なお、ガラス母材1を構成するガラスの組成については、後述する。また、ガラス母材1の軟化点は、低いほど好ましく、550℃以下、特に500℃以下であることが好ましい。後述するように、プレス金型の耐熱温度を考慮すると、プレス時の加熱温度には制約がある。一方、例えば、第一のプレス工程では、ガラス母材1を所望の厚みまで薄板化できるように、ガラス母材1を十分に軟化させる必要がある。しかし、ガラス母材1の軟化点が高すぎると、プレス金型の耐熱温度を超えない範囲で、ガラス母材を十分に軟化させることが困難になる。
次に、軟化点≦600℃のガラス母材1を平板状の上下金型2を用い低温で加熱プレスすることにより、ガラス母材1が十分に軟化変形し、ガラス母材1より厚みの薄い平板状ガラス中間母材3を得る。(第一のプレス工程)ここで、プレス温度が軟化点+30℃未満の場合、ガラス母材1が十分に軟化変形しない。また、金型の耐熱温度は、通常630℃以下であるため、ガラス母材1の軟化点を、600℃以下にする必要がある。すなわち、軟化点>600℃のガラス母材1を使用すると、平板状ガラス中間母材3を得る工程において、十分に軟化変形しない、または、プレス温度が高くなり金型が破損する等の問題が発生する。なお、第一のプレス工程におけるプレス温度は、軟化点+30℃以上、特に、軟化点+40℃以上であることが好ましい。
次に、平板状の下金型4bと凹凸構造形成用上金型4aとを用いて、平板状ガラス中間母材3を低温で加熱プレスすることにより、ガラス板の表面に凹凸構造が形成されてなる光学素子5を得ることができる。(第二のプレス工程)凹凸構造とは、複数の突起部を含む構造であり、前記突起部の形状は特に限定されない。なお、第二のプレス工程におけるプレス温度は、軟化点+30℃以上、特に、軟化点+40℃以上であることが好ましい。
ガラス母材としては、低軟化点を達成しやすいSnO−P2O5系ガラスであることが好ましい。また、SnO−P2O5系ガラスは、高屈折率かつ高分散という光学特性を有する。SnO−P2O5系ガラスとしては、モル%で、SnO 43.5〜90%、P2O5+B2O3+SiO2 0.1〜56.5%を含有するものが好ましい。以下に、各成分の含有量を上記のように特定した理由を説明する。なお、特に断りがない場合、以下の成分含有量に関する説明において、「%」は「モル%」を意味する。
SnOは、高屈折率かつ高分散の光学特性を達成し、化学耐久性を向上させるための成分である。SnOの含有量は43.5〜90%、45〜88%、50〜86%、60〜85%、特に67.5〜83%であることが好ましい。SnOの含有量が少なすぎると、高屈折率特性を達成しにくくなり、また、耐侯性や化学耐久性が低下する傾向がある。一方、SnOの含有量が多すぎると、耐失透性が低下する傾向がある。
P2O5、B2O3およびSiO2はガラスの骨格を構成する成分である。また、ガラスの透過率を高める成分であり、紫外域付近の透過率低下を抑制したり、吸収端を低波長側にシフトさせることができる。特に、高屈折率のガラスの場合は、これらの成分による透過率向上の効果が得られやすい。また、失透を抑制する効果も有する。P2O5、B2O3およびSiO2の含有量は、合量で0.1〜56.5%、10〜50%、15〜47.5%、20〜45%、特に25〜37%であることが好ましい。これらの成分の含有量が少なすぎると、前記効果が得られにくくなり、一方、多すぎると、SnO2の含有量が相対的に少なくなって、屈折率が低下しやすくなる。
なお、P2O5、B2O3およびSiO2の各成分の好ましい含有量は以下の通りである。
P2O5の含有量は0〜56.5%、0.1〜56.5%、1〜50%、3〜47.5%、4〜45%、5〜40%、特に10〜37%であることが好ましい。P2O5の含有量が多すぎると、屈折率が低下しやすくなる。また、耐侯性や化学耐久性が低下しやすくなる。なお、P2O5を積極的に添加することにより、ガラス軟化点の低いガラスが得られやすくなる。
B2O3の含有量は0〜56.5%、0.1〜56.5%、1〜50%、3〜47.5%、4〜45%、5〜40%、特に10〜37%であることが好ましい。B2O3の含有量が多すぎると、屈折率が低下しやすくなる。また、耐侯性や化学耐久性が低下しやすくなる。
SiO2の含有量は0〜56.5%、0.1〜56.5%、1〜50%、3〜47.5%、4〜45%、5〜40%、特に10〜37%であることが好ましい。SiO2の含有量が多すぎると、屈折率が低下しやすくなる。また、未溶解による脈理や泡がガラス中に残り、光学素子としての要求品位を満たさなくなる可能性がある。
本発明を構成するガラスには、上記成分以外にも以下の成分を含有させることができる。
ZnOは融剤として作用する成分である。また、耐候性を向上させたり、ガラス化を安定にする効果もある。ZnOの含有量は0〜50%、0〜30%、0〜10%、0.1〜5%、特に0.2〜1%であることが好ましい。ZnOの含有量が多すぎると、失透しやすくなったり、光透過率が低下しやすくなる。
なお、P2O5+SnO+TiO2+B2O3+ZnOの含有量が50%以上、60%以上、特に70%以上であると、熱伝導率が低下しやすくなるため好ましい。また、耐失透性、耐侯性、化学耐久性にも優れ、かつ、可視域または近紫外域の光透過率に優れたガラスが得られやすくなる。P2O5+SnO+TiO2+B2O3+ZnOの含有量の上限は特に限定されず、100%であってもよいが、他の成分を含有させる場合は、99%以下、さらには98%以下にしてもよい。
Al2O3は、SiO2やB2O3とともにガラス骨格を構成することが可能な成分である。また、耐候性を向上させる効果がある。Al2O3の含有量は0〜10%、特に0.1〜5%であることが好ましい。Al2O3の含有量が多すぎると、失透しやすくなる。また、溶融性が低下したり、光透過率が低下する傾向がある。
SiO2+Al2O3の含有量は0〜56%、0〜40%、特に0.1〜30%、0.5〜20%であることが好ましい。SiO2+Al2O3の含有量が多すぎると、溶融性が低下しやすくなる。
ZrO2は耐候性を向上させる成分である。ただし、その含有量が多すぎると、耐失透性が低下したり、溶融温度が上昇して光透過率が低下しやすくなる。従って、ZrO2の含有量は0〜2%、0〜1.5%、0.1〜1%、特に0.2〜0.5%であることが好ましい。
La2O3、Gd2O3、Ta2O5、WO3、Nb2O5、Y2O3、Yb2O3及びGeO2は耐侯性及び化学耐久性を高める成分である。また、これらの成分を含有させることにより、屈折率を調整することができる。La2O3+Gd2O3+Ta2O5+WO3+Nb2O5+Y2O3+Yb2O3+GeO2の含有量は0〜30%、0.1〜20%、0.3〜15%、0.5〜10%、特に1〜7.5%であることが好ましい。これらの成分の含有量が多すぎると、耐失透性の低下、溶融温度の上昇、あるいは光透過率の低下等の不具合が生じやすくなる。
MgO、CaO、SrO及びBaO(アルカリ土類金属酸化物)は融剤として作用する成分である。また、耐候性を向上させる効果がある。ただし、これらの成分の含有量が多すぎると、液相温度が上昇(液相粘度が低下)して、溶融または成形工程中に失透物が析出しやすくなる。以上に鑑み、MgO+CaO+SrO+BaOの含有量は0〜30%、0.5〜25%、1〜20%、特に2〜15%であることが好ましい。
Li2O、Na2O及びK2Oは屈伏点を低下させる成分である。Li2O+Na2O+K2Oの含有量は0〜10%、特に0〜8%であることが好ましい。Li2O+Na2O+K2Oの含有量が多すぎると、失透しやすくなり、化学耐久性も低下する傾向がある。また、光透過率が低下しやすくなる。
清澄剤として、Cl、SまたはBrを含有させてもよい。Cl+S+Brの含有量は0〜1%、0.01〜1%、特に0.05〜0.5%であることが好ましい。Cl+S+Brの含有量が多すぎると、溶融時に揮発して溶融容器が腐食しやすくなる。また、他の清澄剤として、Sb2O3またはSnO2を含有させることができる。Sb2O3及びSnO2の含有量は各々0〜1%、0.01〜1%、特に0.05〜0.5%であることが好ましい。Sb2O3、SnO2の含有量が多すぎると、光透過率が低下しやすくなる。
Fe2O3、NiO及びCoOは光透過率を低下させる成分である。よって、これら成分は実質的に含有しない(具体的には、各々0.1%未満)ことが好ましい。
Ce、Pr、Nd、Eu、Tb及びEr等の希土類成分も光透過率を低下させるおそれがあるため、これらの成分の含有量は酸化物換算で各々1%未満であることが好ましい。
In及びGaは光透過率を低下させるおそれがあり、また高価であるため、実質的に含有しない(具体的には、酸化物換算で各々0.1%未満)ことが好ましい。
なお、環境上の理由から、鉛成分(例えばPbO)及びヒ素成分(例えばAs2O3)を実質的に含有しない(具体的には、各々0.1%未満)ことが好ましい。
本発明の方法により製造される光学素子としては、レンズアレイ、波長フィルター、反射防止板等が挙げられる。以下、レンズアレイについて説明する。図2に本発明の製造方法で作製されたレンズアレイの一実施の形態を示す。図2に示すように、レンズアレイ6は、ガラス基板7上に複数のレンズ部分8が例えば直線上に形成されてなるものである。
レンズアレイにおけるレンズ部分の曲率半径(中心曲率半径)は、好ましくは0.10mm以上、より好ましくは0.15mm以上、さらに好ましくは0.18mm以上、さらに好ましくは0.20mm以上、さらに好ましくは0.25mm以上である。レンズ部分の曲率半径が0.10mm未満であると、加熱プレス時の金型凹部におけるガラス充填不足が発生しやすく、所望の寸法を有するレンズアレイが得られにくい。また、金型とガラスの熱膨張差により、レンズ部分に歪がかかり割れが発生しやすくなる。レンズ部分の曲率半径の上限については特に限定されるものではないが、大きすぎるとレンズとしての機能を果たさなくなる(集光機能を有さない)ため、1mm以下、さらには0.5mm以下であることが好ましい。
レンズアレイにおけるレンズ部分の曲率半径(中心曲率半径)は、好ましくは0.10mm以上、より好ましくは0.15mm以上、さらに好ましくは0.18mm以上、さらに好ましくは0.20mm以上、さらに好ましくは0.25mm以上である。レンズ部分の曲率半径が0.10mm未満であると、加熱プレス時の金型凹部におけるガラス充填不足が発生しやすく、所望の寸法を有するレンズアレイが得られにくい。また、金型とガラスの熱膨張差により、レンズ部分に歪がかかり割れが発生しやすくなる。レンズ部分の曲率半径の上限については特に限定されるものではないが、大きすぎるとレンズとしての機能を果たさなくなる(集光機能を有さない)ため、1mm以下、さらには0.5mm以下であることが好ましい。
また、レンズ部分の直径は、好ましくは0.05〜0.5mm、より好ましくは0.1〜0.4mm、さらに好ましくは0.2〜0.3mmである。レンズ部分の直径が0.05mm未満であると、レーザまたは光ファイバから出射された光が全てレンズ部に入射されず、光損失となったり、入射しなかった光がケラレとして周辺の光学系に影響する傾向がある。一方、レンズ部分の直径が0.5mmより大きいと、微小なガラス基板上に多数のレンズ部分を形成することが困難となる。
本発明により製造される光学素子は、波長380〜1600nmにおける透過率(特に、レンズ部分)が好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上、最も好ましくは99%以上である。波長380〜1600nmにおける透過率70%未満であると、光の散乱や吸収によるロスが大きくなり集光効率に劣る傾向がある。
また、本発明により製造される光学素子をフォトダイオード等の光検出器に紫外線硬化樹脂を用いて接着する場合、光学素子を介して紫外光が紫外線硬化樹脂に照射される。したがって、光学素子の紫外域の透過率が高いほど、紫外線硬化樹脂への光照射量が多くなり硬化しやすくなるため好ましい。具体的には、本発明の光学素子は、波長330〜380nmにおける透過率は、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上、最も好ましくは99%以上である。
なお、ここでいう「透過率」とは、反射を含まない分光透過率を意味しており、光学素子に光線を入射した際の入射光に対する透過光の割合をいう。
本発明により製造される光学素子は、表面に線状突起部が形成されている場合がある。これは、金型表面に形成された研磨傷等が加熱プレス時にガラス表面に転写されてできたものであると考えられ、加熱プレスにより製造された光学素子の特徴とも言える。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例)
モル%で、SnO 72%、P2O5 28%、になるように原料を調合し、窒素雰囲気中にて金製容器を用いて700〜1000℃で1時間溶融した。予熱した金属板上に溶融ガラスを流し出し、アニール後、加工を施すことにより、50mm×50mm×3mmのガラス母材を作製した。
モル%で、SnO 72%、P2O5 28%、になるように原料を調合し、窒素雰囲気中にて金製容器を用いて700〜1000℃で1時間溶融した。予熱した金属板上に溶融ガラスを流し出し、アニール後、加工を施すことにより、50mm×50mm×3mmのガラス母材を作製した。
得られたガラス母材について各特性を測定したところ、屈折率(nd)1.847、軟化点 270℃であった。なお、屈折率はヘリウムランプのd線(587.6nm)に対する測定値で示した。また、軟化点はマクロ型示差熱分析計を用いて1000℃まで測定して得られたチャートにおいて第四の変曲点の値を軟化点とした。
上記で得られたガラス母材を平板状の上下金型を用いて、窒素雰囲気にて、300℃、 100kPaでプレスすることにより、厚み2.5mmの平板状の中間母材を得た。さらに、平板状の下金型と、レンズアレイ形成用上金型とを用いて、中間母材を310℃でプレスすることにより、矩形基板上の略中央部に12個のレンズ部分が直線上に配列された光学素子を得た。
作製した光学素子の形状、寸法は次の通りであった。
基板寸法:2.5×3.3×0.5mm
レンズ部分(平均値):曲率半径0.201mm、直径0.227mm
高さ0.035mm
レンズ部分(平均値):曲率半径0.201mm、直径0.227mm
高さ0.035mm
ここで、レンズ部分の高さのバラつき(12箇所のうち、最大値と最小値の差)は0.01mm以下であった。また作製した10個のレンズアレイにおいて、同一位置のレンズ部分高さを比較したところ、そのバラつきは0.01mm以下であった。
(比較例)
質量%で、B2O3 20%、La2O3 25%、ZnO 20%、Gd2O3 10%、SiO2 5%、Li2O 1%、Ta2O5 7%、ZrO2 5%、WO3 2%、Nb2O5 5%になるように原料を調合し、大気雰囲気中にて白金製容器を用いて1300℃で2時間溶融した。予熱した金属板上に溶融ガラスを流し出し、アニール後、加工を施すことにより、50mm×50mm×3mmのガラス母材を作製した。
質量%で、B2O3 20%、La2O3 25%、ZnO 20%、Gd2O3 10%、SiO2 5%、Li2O 1%、Ta2O5 7%、ZrO2 5%、WO3 2%、Nb2O5 5%になるように原料を調合し、大気雰囲気中にて白金製容器を用いて1300℃で2時間溶融した。予熱した金属板上に溶融ガラスを流し出し、アニール後、加工を施すことにより、50mm×50mm×3mmのガラス母材を作製した。
得られたガラス母材について上記と同様に各特性を測定したところ、屈折率(nd)1.806、軟化点610℃であった。
上記で得られたガラス母材を平板状の上下金型を用いて、真空雰囲気にて、610℃、 100kPaでプレスしたが、十分に軟化変形せず所望の厚みを有する中間母材が得られなかった。なお、プレス圧力を200kPaに上げたところ、ガラス母材が破損した。
本発明の方法は、レンズアレイ、波長フィルターまたは反射防止板の製造方法として好適であるが、これらに限られるものではない。
1 ガラス母材
2 金型
2a 上金型
2b 下金型
3 中間母材
4 金型
4a 上金型
4b 下金型
5 光学素子
6 レンズアレイ
7 ガラス基板
8 レンズ部分
D レンズ部分の直径
H レンズ部分の高さ
2 金型
2a 上金型
2b 下金型
3 中間母材
4 金型
4a 上金型
4b 下金型
5 光学素子
6 レンズアレイ
7 ガラス基板
8 レンズ部分
D レンズ部分の直径
H レンズ部分の高さ
Claims (4)
- 軟化点≦600℃のガラス母材を加熱プレスすることにより、ガラス母材を薄肉化して平板状ガラス中間母材を得る第一のプレス工程、及び、前記平板状ガラス中間母材を加熱プレスすることにより、平板状ガラス中間母材の表面に凹凸構造を形成する第二のプレス工程を含むことを特徴とする光学素子の製造方法。
- ガラス母材が、SnO−P2O5系ガラス母材であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子の製造方法。
- ガラス母材が、モル%で、SnO 43.5〜90%、P2O5+B2O3+SiO2 0.1〜56.5%を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子の製造方法。
- 光学素子が、レンズアレイ、波長フィルターまたは反射防止板であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学素子の製造方法。
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