JP2018002526A - シリカ焼結体 - Google Patents

シリカ焼結体 Download PDF

Info

Publication number
JP2018002526A
JP2018002526A JP2016129870A JP2016129870A JP2018002526A JP 2018002526 A JP2018002526 A JP 2018002526A JP 2016129870 A JP2016129870 A JP 2016129870A JP 2016129870 A JP2016129870 A JP 2016129870A JP 2018002526 A JP2018002526 A JP 2018002526A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silica
sintered body
ppm
ultraviolet
manufactured
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016129870A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6707409B2 (ja
Inventor
優 横山
Masaru Yokoyama
優 横山
祐司 深沢
Yuji Fukazawa
祐司 深沢
後藤 浩之
Hiroyuki Goto
浩之 後藤
小林 弘明
Hiroaki Kobayashi
弘明 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Coorstek KK
Original Assignee
Coorstek KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=60947644&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2018002526(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Coorstek KK filed Critical Coorstek KK
Priority to JP2016129870A priority Critical patent/JP6707409B2/ja
Publication of JP2018002526A publication Critical patent/JP2018002526A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6707409B2 publication Critical patent/JP6707409B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Glass Melting And Manufacturing (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)

Abstract

【課題】紫外・可視域の光透過性に優れ、従来に比べて、大規模設備を使用せず、低エネルギーで製造することができ、かつ、紫外・可視分光分析用チップ、紫外・可視分光光度計に組み込まれるプリズム・レンズ・導光板・散乱板、及び紫外線LED用レンズ等の形状に形成可能なシリカ焼結体を提供する。【解決手段】Na、Mg、Al、K、Ca、Cr、Fe、Ni及びCuの元素の含有量の合計が0.25ppm以上2.5ppm以下であって、直径20μm以上の泡を含まず、少なくとも一部が非加工であり、かつ前記非加工面の表面粗さRaが0.1μm以下であり、屈折率分布が1×10-6以下のシリカ焼結体。【選択図】なし

Description

本発明は紫外・可視域の光透過性に優れた光学部材用のシリカ焼結体に関する。
シリカガラスは、化学薬品容器、化学機器、分析・計測器具、各種半導体製造用治具など幅広く用いられている。特に光透過性を利用する分野において近赤外から深紫外までの広範囲の波長域に渡って透明であることからシリカガラス製品が用いられている。それらは、熱膨張係数が極めて小さく寸法安定性に優れていること、高純度であることなどの理由から、合成シリカガラスが主に用いられている。
このような紫外・可視透過シリカ材料は、四塩化ケイ素等のケイ素化合物を、酸水素バーナーを通して酸水素炎中に気相搬送し、水素の燃焼により発生した水で加水分解反応によりシリカ微粒子を生成、堆積させることで製造されていた(非特許文献1)。本方法によるシリカガラス材料は250〜600nmの紫外・可視域の波長において高い透過率材料として知られている。
また、波長250nm以下の深紫外線用光学部材として、四塩化ケイ素を酸水素火炎中で加水分解させた後、基材上に堆積させて多孔質合成シリカガラス体を作製し、焼成することで製造される光学部材も報告されている(特許文献1)。
しかしながら、酸水素ガスを用いた火炎加水分解反応は、製造にあたって、水素の使用、高い反応温度、又は排気装置等の特殊な大型装置が必要であり、かつ、供給ガス等の制御も必要であることから、製造コストが高いという問題があった。また、前記した方法により製造されるものは、インゴットと呼ばれるシリカの塊であり、所定の形状に加工するためには、さらに加工する必要がある。このため、形状の複雑な光学部材や、サイズが小さい特殊な分析用のチップやレンズの加工において、充分な加工精度が得られないという問題があった。また、サイズの小さなものを製造するに際しては、エネルギーの消費量が大きいことも問題と思われる。
国際公開第2011/052610号
Journal of Advanced Science,Vol.11, No.3, 1999
本発明は、紫外・可視域の光透過性に優れたシリカ焼結体であって、従来のシリカ焼結体に比べて、安価に製造することができ、かつ、種々の形状に形成可能なシリカ焼結体を提供することを課題とする。
本発明のシリカ焼結体は、Na、Mg、Al、K、Ca、Cr、Fe、Ni及びCuの元素の含有量の合計が0.25ppm以上2.5ppm以下であることを特徴とする。
前記シリカ焼結体は、直径20μm以上の泡を含まないことが好ましい。
前記シリカ焼結体の少なくとも一部が非加工であり、かつ前記非加工面の表面粗さRaは0.1μm以下であることが好ましい。
前記シリカ焼結体の屈折率分布は1×10-6以下であることが好ましい。
本発明のシリカ焼結体は、Na、Mg、Al、K、Ca、Cr、Fe、Ni及びCuの元素を合計して0.25ppm以上2.5ppm以下の量で含むことで、波長300nmのとき80%以上の光透過性を有し、かつ、薄肉かつ複雑な形状を形成するのに充分な強度を有する。
本発明のシリカ焼結体は、紫外・可視域の光透過性に優れ、かつ、板状、球状、半球状、楕円形状及び半楕円形状等のいずれにも形成可能であるため、紫外・可視分光分析用チップ、紫外・可視分光光度計に組み込まれるプリズム、レンズ、導光板、散乱板、及び紫外線LED用レンズ、その他のサイズの小さい特殊な分析用のチップやレンズ等に好適に用いることができる。
本発明のシリカ焼結体は、その製造にあたり、不必要に大きなインゴットを製造したり、水素の使用や排気装置等の大型装置が不要になるため、従来のシリカガラスに比べて少ないエネルギー消費で製造することができる。
本発明のシリカ焼結体は、Na、Mg、Al、K、Ca、Cr、Fe、Ni及びCuの元素の含有量の合計が0.25ppm以上2.5ppm以下である。
本発明のシリカ焼結体には、Na、Mg、Al、K、Ca、Cr、Fe、Ni及びCuの元素が合計して0.25ppm以上2.5ppm以下、好ましくは0.25ppm以上0.5ppm以下の量で含まれる。さらに上記元素のうち、Na、Cr、Fe、Ni、Cuの元素含有量が合計で0.025ppm以上0.1ppmであることがさらに好ましい。上記元素の合計含有量が0.25ppm以上2.5ppm以下であるとき、シリカ焼結体は、波長300nmのとき85%以上の光透過性を有し、かつ、薄肉かつ複雑な形状に形成可能な充分な強度を有する。上記元素の合計含有量が2.5ppmを超える場合、シリカ焼結体は、焼結時にクリストバライト化して、クラックが多数発生し、強度が著しく低下する。また、透過率も著しく減少するため、光学部材として適さない。一方、上記元素の合計含有量が0.25ppm未満である場合、シリカ焼結体は、充分な強度を得ることができず、所望の形状を得ることが困難である。
上記シリカ焼結体の少なくとも一部は非加工であり、かつ前記非加工面の表面粗さRaは0.1μm以下であることが好ましい。前記シリカ焼結体の少なくとも一部が非加工であり、かつ前記非加工面の表面粗さRaが0.1μm以下であることにより、光学用途において、シリカ焼結体の表面で光が反射又は拡散を抑制でき、優れた透明度を得ることができる。
また、上記シリカ焼結体は、脈理がない、実質的には、その屈折率分布が1×10-6以下であることが好ましい。前記屈折率分布が1×10-6以下であることにより、光学用ガラスとして利用することができる。なお、屈折率分布とは、最大屈折率と最小屈折率の差を表す。
以上のとおり、本発明のシリカ焼成体は、紫外・可視域の光透過性に優れ、また、板状、球状、半球状、楕円状及び半楕円状等、いずれの形状にも形成可能であるため、紫外・可視分光分析用チップ、紫外・可視分光光度計に組み込まれるレンズ、プリズム、導光板、散乱板、及び紫外線LED用レンズ、その他のサイズの小さい特殊な分析用のチップやレンズ等の光学用途に好適である。特に、半球状又は半楕円状に形成することが要求される、紫外・可視分光光度計に組み込まれるレンズ等や、紫外線LED用レンズ等の用途に好適である。
上記シリカ焼結体の原料粉(以下「シリカ原料粉」という。)には、最終的に得られるシリカ焼結体がNa、Mg、Al、K、Ca、Cr、Fe、Ni及びCuの中から合計で一定量の元素を含むものとなる限り、制限なく、種々のものが用いられる。前記シリカ原料粉には、例えば、気相反応で製造される高純度合成溶融球状シリカ並びに、コロイダルシリカ等が挙げられる。また、これらのシリカ原料粉は市販品であってもよい。前記市販品には、例えば、株式会社トクヤマ製エクセリカ等が挙げられる。前記シリカ原料粉又はその市販品は、安価であり、これらを用いて得られるシリカ焼結体は、紫外・可視域の光透過性に優れる。
前記シリカ原料粉は、特定の粒形態を有することが好ましい。具体的には、前記シリカ原料粉の粒径は0.5〜10μmであることが好ましく、1〜3μmであることがより好ましい。また、前記シリカ原料粉の真球度は90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましい。シリカ原料粉の真球度が90%以上であると、成形体又はシリカ焼結体のパッキング性が良く、シリカ焼結体中に残存する泡の直径を20μm以下とすることができる。
本発明のシリカ焼結体は、前記シリカ原料粉に、バインダーを添加して混合し、脱気し、焼結することで製造することができる。
バインダーには、最終的に得られるシリカ焼結体がNa、Mg、Al、K、Ca、Cr、Fe、Ni及びCuの元素を含むものとなる限り、制限なく、種々のものが用いられる。前記バインダーには、例えば、ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、メタクリルアミド及びエポキシ樹脂等が挙げられる。これらのバインダーは市販品であってもよい。前記市販品には、例えば、株式会社日本触媒製エポミン等が挙げられる。
前記バインダーは、シリカ原料粉に対して、通常は2.5〜10wt%、好ましくは2.5〜5wt%添加する。これらのバインダーの添加量が2.5〜10wt%の範囲内であるとき、得られるシリカ焼結体に含まれるSi以外の成分、すなわち、Na、Mg、Al、K、Ca、Cr、Fe、Ni及びCuの元素の含有量が合計して0.25ppm以上2.5ppm以下となり、充分な強度を維持することができる。
一方、バインダーの添加量が2.5wt%未満だと、成形体強度が十分でないことがあり、10wt%超だと、結晶化により、焼結体の強度が十分でないことがある。
本発明のシリカ焼結体は、上記成分を所定量で含むことで、強度が向上し、肉厚を0.2mmまで薄く、さらに、半球形状、ドームのようなキャップ形状、又はエンボス形状といった凹凸のある複雑形状に形成することができる。
上記シリカ焼結体は、シリカ粉及びバインダーを混合攪拌した後、所望の形状の成形型を用いて成形体を作製し、焼成することで、精度良く製造することができる。
混合攪拌は、シリカ粉及びバインダーが均一に混合される程度に行う。具体的には、シリカ粉及びバインダーの量や種類等によって異なるが、一般に40〜100rpmで600〜1440分間程度行う。また、このときの温度は、通常は室温である。
なお、上記シリカ焼結体は、シリカ粉及びバインダー以外に、本発明の効果を損なわない範囲内で、例えば、アンモニア等の添加剤を添加してもよい。
成形には、一般的なセラミックスで用いられる方法、例えば、プレス成型、CIP成形、鋳込み成形、ゲルキャスト成形、及びスリップキャスト成形等が用いられる。
焼成には、セラミックの焼成に一般的に用いられる電気炉を使用できるが、真空雰囲気下に焼成することが好ましい。電気炉を用いた成形だと、シリカ焼成体の内部に気泡が残存することが多いが、真空焼成により泡が抜けやすくなるためである。また、上記のとおり、真球度が90%以上のシリカ原料粉を使用することで、成形体又はシリカ焼結体のパッキング性が向上し、得られるシリカ焼結体中に残存する気泡の直径を20μm以下にすることができる。気泡の直径が20μmを超えると、光学用途には、映り込み等の発生のため、適用困難なことがある。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明するが、本発明は下記に示す実施例により制限されるものではない。
[実施例1]
真球度90%以上の球状シリカ粉(市販品;株式会社トクヤマ製エクセリカSE−1)を原料として、球状シリカ粉100wt%に対して、バインダー(結合剤)(ポリビニルアルコール(日本合成化学株式会社製)を4wt%添加し、イオン交換水を加えてスラリー化して、ボールミルにて50rpmで24時間攪拌した。攪拌後はスプレードライヤー(ディスク回転数;10000rpm)で平均粒子径を10μmに造粒後、一軸プレス装置を用いて10MPaで金型に10分間加圧することでφ10×0.2mmの成形体を得た。その後、金型から取り出し、N2雰囲気中1300℃で焼成させることでシリカ焼結体を得た。
アルキメデス法(JIS R 1634)で測定した焼結体の密度は2.2g/cm3であった。
前記シリカ焼結体の透過率を紫外・可視分光光度計(株式会社島津製作所製)を用いて評価したところ、300nmで87%であった。
前記シリカ焼結体をフッ酸で溶解し、化学分析を実施した結果、Na、Mg、Al、K、Ca、Cr、Fe、Ni及びCuの元素の含有量の合計は2.5ppmであった。
[実施例2]
真球度90%以上の球状シリカ粉(市販品;株式会社トクヤマ製エクセリカSE−1))を原料として、バインダー(ポリエチレンイミン(BASFジャパン株式会社製)を3.5wt%添加し、イオン交換水を加えてスラリー化してボールミルにて50rpmで24時間攪拌した。攪拌後は、さらに添加剤としてエポキシ樹脂(ナガセケムテックス株式会社製)を1.3wt%添加し、混合し、真空脱泡して、型に鋳込んだ。乾燥後、種々の成形体を得た。形状は板状、及びキャップ形状、で、いずれも厚み0.2mmとした。さらに、得られた成形体を真空雰囲気中1400℃で焼成させることでシリカ焼結体を得た。
アルキメデス法(JIS R 1634)で測定した焼結体の密度は2.2g/cm3であった。
前記シリカ焼結体の透過率を紫外・可視分光光度計(株式会社島津製作所製)を用いて評価したところ、300nmで90%であった。
前記シリカ焼結体をフッ酸で溶解し、化学分析を実施した結果、Na、Mg、Al、K、Ca、Cr、Fe、Ni及びCuの元素の含有量の合計が0.6ppmであった。
[実施例3]
真球度90%以上の球状シリカ粉を原料として、バインダー(ポリエチレンイミン(BASFジャパン株式会社製)を1.3wt%添加し、イオン交換水を加えてスラリー化してボールミルにて50rpmで24時間撹拌した。撹拌後は、さらに添加剤としてエポキシ樹脂(ナガセケムテックス株式会社製)を1.3wt%添加し、混合し、真空脱泡して、型に鋳込んだ。乾燥後、種々の成形体を得た。形状は板状、及びキャップ形状、で、いずれも厚み0.2mmとした。さらに、得られた成形体を真空雰囲気中1400℃で焼成させることでシリカ焼結体を得た。
アルキメデス法(JIS R 1634)で測定した焼結体の密度は2.2g/cm3であった。
前記シリカ焼結体の透過率を紫外・可視分光光度計(株式会社島津製作所製)を用いて評価したところ、300nmで91%であった。
前記シリカ焼結体をフッ酸で溶解し、化学分析を実施した結果、Na、Mg、Al、K、Ca、Cr、Fe、Ni及びCuの元素の含有量の合計が0.25ppmであった。
[比較例1]
真球度90%以上の球状シリカ粉を原料として、バインダー(ポリビニルアルコール(日本合成化学株式会社)を10.5wt%添加し、イオン交換水を加えてスラリー化してボールミルにて50rpmで24時間攪拌した。攪拌後はスプレードライヤー(ディスク回転数;10000rpm)で平均粒子径を10μmに造粒後、一軸プレス装置を用いて10MPaで金型に10分間加圧することでφ10×0.2mmの成形体を得た。その後、金型から成形体を取り出し、N2雰囲気中1300℃で焼成させた。
しかし、得られた焼結体には亀裂が多数存在し、内部は白濁箇所があり、XRDからはクリストバライトが検出され、失透していた。
アルキメデス法(JIS R 1634)で測定した焼結体の密度は2.2g/cm3であった。
また、前記焼結体の透過率を紫外・可視分光光度計(株式会社島津製作所製)を用いて評価したところ、300nmで63%であった。
前記シリカ焼結体をフッ酸で溶解し、化学分析を実施した結果、Na、Mg、Al、K、Ca、Cr、Fe、Ni及びCuの元素の含有量の合計が5.2ppmであった。
[比較例2]
真球度90%以上の球状シリカ粉(市販品)を原料として、バインダー(ポリエチレンイミン(BASFジャパン株式会社製)を1.3wt%添加し、イオン交換水を加えてスラリー化してボールミルにて50rpmで24時間攪拌した。攪拌後は、さらに添加剤としてエポキシ樹脂(ナガセケムテックス株式会社製)を0.3wt%添加し、真空脱泡と混合し、型に鋳込んだ。乾燥後、成形体はひびが入り形状化は困難であった。そこで、ひびが入った成形体をそのまま真空雰囲気中1400℃で焼成させた。
アルキメデス法(JIS R 1634)で測定した焼結体の密度は2.2g/cm3であった。
透過率は測定できなかった。
焼成体をフッ酸で溶解し、化学分析を実施した結果、Na、Mg、Al、K、Ca、Cr、Fe、Ni及びCuの元素の含有量の合計は0.18ppmであった。
[実施例4]
乳鉢で粉砕し平均粒径を1μmに調整したシリカ粉を原料として、バインダー(ポリエチレンイミン(BASFジャパン株式会社製)を3.5wt%添加し、イオン交換水を加えてスラリー化してボールミルにて50rpmで24時間攪拌した。攪拌後は、さらに添加剤としてエポキシ樹脂(ナガセケムテックス株式会社製)を1.3wt%添加し、混合し、真空脱泡して、型に鋳込んだ。乾燥後、種々の成形体を得た。形状は板状、及びキャップ形状、で、いずれも厚み0.2mmとした。さらに、得られた成形体を真空雰囲気中1400℃で焼成させることでシリカ焼結体を得た。ただし、外観は白濁し、光学顕微鏡で観察したところ20μm以上の泡が存在していた。
アルキメデス法(JIS R 1634)で測定した焼結体の密度は2.2g/cm3であった。
前記シリカ焼結体の透過率を紫外・可視分光光度計(株式会社島津製作所製)を用いて評価したところ、300nmで72%であった。
前記シリカ焼結体をフッ酸で溶解し、化学分析を実施した結果、Na、Mg、Al、K、Ca、Cr、Fe、Ni及びCuの元素の含有量の合計が0.6ppmであった。
[実施例5]
真球度90%以上の球状シリカ粉(市販品;株式会社トクヤマ製エクセリカSE−1))を原料として、バインダー(ポリエチレンイミン(BASFジャパン株式会社製)を3.5wt%添加し、イオン交換水を加えてスラリー化してボールミルにて50rpmで24時間攪拌した。攪拌後は、さらに添加剤としてエポキシ樹脂(ナガセケムテックス株式会社製)を1.3wt%添加し、混合し、真空脱泡して、表面がRa=0.2μmに粗面化した型に鋳込んだ。乾燥後、種々の成形体を得た。形状は板状、及びキャップ形状で、いずれも厚み0.2mmとした。さらに、得られた成形体を真空雰囲気中1400℃で焼成させることでシリカ焼結体を得た。ただし、粗面化させた型に成形体が密着し、一部分破損した。また、実施例2で作製した焼成体よりも白濁していた。
アルキメデス法(JIS R 1634)で測定した焼結体の密度は2.2g/cm3であった。
前記シリカ焼結体の透過率を紫外・可視分光光度計(株式会社島津製作所製)を用いて評価したところ、300nmで79%であった。
前記シリカ焼結体をフッ酸で溶解し、化学分析を実施した結果、Na、Mg、Al、K、Ca、Cr、Fe、Ni及びCuの元素の含有量の合計が0.6ppmであった。
[実施例6]
真球度90%以上の球状シリカ粉(市販品;株式会社トクヤマ製エクセリカSE−1))を原料として、バインダー(ポリエチレンイミン(BASFジャパン株式会社製)を3.5wt%添加し、イオン交換水を加えてスラリー化してボールミルにて50rpmで24時間攪拌した。攪拌後は、さらに添加剤としてエポキシ樹脂(ナガセケムテックス株式会社製)を1.3wt%添加し、混合し、真空脱泡して、型に鋳込んだ。乾燥後、φ10×5mmの成形体を得た。さらに、得られた成形体を真空雰囲気中1400℃で焼成させることでシリカ焼結体を得た。肉厚0.2mmのキャップ形状を得るため、マシニング加工を行ったが、加工中に破損し、加工品は得られなかった。
前記破損したシリカ焼結体の一片の透過率を紫外・可視分光光度計(株式会社島津製作所製)を用いて評価したところ、300nmで70%であった。
前記破損したシリカ焼結体の一片をフッ酸で溶解し、化学分析を実施した結果、Na、Mg、Al、K、Ca、Cr、Fe、Ni及びCuの元素の含有量の合計が0.6ppmであった。
本発明の小型のシリカ焼結体は、紫外〜可視域での光透過性に優れ、紫外・可視分光分析用チップ、紫外・可視分光光度計に組み込まれるプリズム、レンズ、導光板及び散乱板、並びに、紫外線LED用レンズに好適に用いられる。

Claims (4)

  1. Na、Mg、Al、K、Ca、Cr、Fe、Ni及びCuの元素の含有量の合計が0.25ppm以上2.5ppm以下であることを特徴とするシリカ焼結体。
  2. 直径20μm以上の泡を含まないことを特徴とする請求項1に記載のシリカ焼結体。
  3. 前記シリカ焼結体の少なくとも一部が非加工であり、かつ前記非加工面の表面粗さRaが0.1μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシリカ焼結体。
  4. 屈折率分布が1×10-6以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のシリカ焼結体。
JP2016129870A 2016-06-30 2016-06-30 シリカ焼結体 Active JP6707409B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016129870A JP6707409B2 (ja) 2016-06-30 2016-06-30 シリカ焼結体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016129870A JP6707409B2 (ja) 2016-06-30 2016-06-30 シリカ焼結体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018002526A true JP2018002526A (ja) 2018-01-11
JP6707409B2 JP6707409B2 (ja) 2020-06-10

Family

ID=60947644

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016129870A Active JP6707409B2 (ja) 2016-06-30 2016-06-30 シリカ焼結体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6707409B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020083674A (ja) * 2018-11-19 2020-06-04 信越化学工業株式会社 透明シリカガラス用組成物、透明シリカガラス及びその製造方法

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08119664A (ja) * 1994-10-14 1996-05-14 Nitto Chem Ind Co Ltd 高純度透明石英ガラス及びその製造方法
JPH0912322A (ja) * 1995-06-29 1997-01-14 Tosoh Corp 高純度透明石英ガラス及びその製造方法
JPH0948623A (ja) * 1995-08-02 1997-02-18 Nitto Chem Ind Co Ltd 石英ガラスの製造方法
JP2001302274A (ja) * 2000-04-24 2001-10-31 Sumitomo Metal Ind Ltd 紫外線用石英ガラスおよびその製造方法
JP2004161607A (ja) * 2002-10-21 2004-06-10 Tokuyama Corp 透明石英ガラス体の製造方法
JP2004203639A (ja) * 2002-12-24 2004-07-22 Tosoh Corp シリカガラス成形ブランク製品及びその研磨加工製品並びにそれらの製造方法
JP2005097008A (ja) * 2003-09-22 2005-04-14 Tokuyama Corp 透明石英ガラス体の製造方法
JP2008532898A (ja) * 2005-03-09 2008-08-21 デグサ ノヴァラ テクノロジー ソチエタ ペル アツィオーニ ゾルゲル法によるモノリスの製造方法
JP2008266087A (ja) * 2007-04-24 2008-11-06 Iwasaki Electric Co Ltd 石英ガラス製品の製造方法、それに用いるシリカ顆粒とその生成方法
JP2012211082A (ja) * 2012-08-07 2012-11-01 Shinetsu Quartz Prod Co Ltd シリカ容器

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08119664A (ja) * 1994-10-14 1996-05-14 Nitto Chem Ind Co Ltd 高純度透明石英ガラス及びその製造方法
JPH0912322A (ja) * 1995-06-29 1997-01-14 Tosoh Corp 高純度透明石英ガラス及びその製造方法
JPH0948623A (ja) * 1995-08-02 1997-02-18 Nitto Chem Ind Co Ltd 石英ガラスの製造方法
JP2001302274A (ja) * 2000-04-24 2001-10-31 Sumitomo Metal Ind Ltd 紫外線用石英ガラスおよびその製造方法
JP2004161607A (ja) * 2002-10-21 2004-06-10 Tokuyama Corp 透明石英ガラス体の製造方法
JP2004203639A (ja) * 2002-12-24 2004-07-22 Tosoh Corp シリカガラス成形ブランク製品及びその研磨加工製品並びにそれらの製造方法
JP2005097008A (ja) * 2003-09-22 2005-04-14 Tokuyama Corp 透明石英ガラス体の製造方法
JP2008532898A (ja) * 2005-03-09 2008-08-21 デグサ ノヴァラ テクノロジー ソチエタ ペル アツィオーニ ゾルゲル法によるモノリスの製造方法
JP2008266087A (ja) * 2007-04-24 2008-11-06 Iwasaki Electric Co Ltd 石英ガラス製品の製造方法、それに用いるシリカ顆粒とその生成方法
JP2012211082A (ja) * 2012-08-07 2012-11-01 Shinetsu Quartz Prod Co Ltd シリカ容器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020083674A (ja) * 2018-11-19 2020-06-04 信越化学工業株式会社 透明シリカガラス用組成物、透明シリカガラス及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6707409B2 (ja) 2020-06-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN109790075B (zh) 透明尖晶石烧结体、光学构件以及透明尖晶石烧结体的制造方法
WO2012053312A9 (ja) コーディエライト質焼結体
CN107324660B (zh) 一种无色高折射率玻璃及其制备方法
JP2007246384A (ja) 透明ジルコニア焼結体
CN102782088A (zh) 发光陶瓷转换器及其制备方法
TW201544480A (zh) 不透明石英玻璃及其製造方法
JP2010150063A (ja) 透光性ジルコニア焼結体及びその製造方法並びに用途
Sun et al. High‐quality translucent alumina ceramic through digital light processing stereolithography method
CN100472236C (zh) 使用透光性陶瓷的混合透镜
JP2014088286A (ja) 不透明石英ガラスおよびその製造方法
CN113966316B (zh) 不透明石英玻璃及其制造方法
CN110418773B (zh) 透光性陶瓷烧结体和其制造方法
JP2018002526A (ja) シリカ焼結体
JP4966527B2 (ja) 透明シリカ焼結体とその製造方法
Han et al. Large‐sized La2O3‐TiO2 high refractive glasses with low SiO2 fraction by hot‐press sintering
JP4452059B2 (ja) 不透明シリカガラス成形体の製造方法
JP2014129234A (ja) 透光性ジルコニア焼結体及びその製造方法及びその用途
Liu et al. Influence of preparing conditions on the hot‐pressed sintering of transparent polycrystalline fluorite ceramics
CN111836787A (zh) 不透明石英玻璃及其制造方法
JP5505063B2 (ja) 高透明ジルコニア焼結体
TW201524936A (zh) 白色氧化鋯燒結體及其製造方法以及含有其的構件
CN101713833A (zh) 光学材料和光学元件
JP2015040149A (ja) ジルコニア粉末及びその焼結体並びにその用途
JP2018177584A (ja) 光学部材
JP4452062B2 (ja) 黒色シリカガラス成形体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180608

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190305

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190730

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200512

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200520

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6707409

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250