JP2017534822A - 電子式膨張弁 - Google Patents

Abstract

本発明は、弁座（１）と、弁座（１）上に設けられたナット（２）と、ナット（２）とねじ山を介して嵌合しているねじ棒（４）とからなる電子式膨張弁に関する。磁気回転子（５）が回転することにより、ねじ棒（４）は、弁棒（３）を駆動して電子式膨張弁の弁口の流量を調整する。ナット（２）は、ナット案内部（２２）を備えている。ねじ棒（４）は、ナット案内部（２２）に嵌合する送りねじ案内部（４２）を備えている。ナット案内部（２２）に近接しているナット（２）の端部には、ノイズ低減部品（８）が備えられ、このノイズ低減部品（８）は、スリーブリング（９）によって留められている。ノイズ低減部品（８）は、ナット（２）の上方に設けられ、スリーブリング（９）を用いて留められているので、ねじ棒（４）とナット（２）の間のねじ山を介した嵌合に対する衝撃の強さを緩和することが可能で、作動中に発生するノイズを低減することができる。

Description

本願は、中華人民共和国国家知識産権局に２０１４年１１月１３日出願の中国特許出願第２０１４１０６３７９０３．０号（発明の名称：電子式膨張弁）の優先権を主張し、参照することによって、その全文を本明細書に組み込む。

本発明は、冷蔵・冷凍制御の技術分野、特に、電子式膨張弁に関する。

現在、電子式膨張弁が、流体絞り膨張及び流量調整に広く用いられている。
ステッピングモータの原理を利用して、磁気回転子部品は、順方向及び逆方向に回転するようにコイルによって駆動される。
よって、磁気回転子部品は、弁棒を上下動させて弁口の流路面積を変化させることで、弁口を流通する液状媒体の流量を調整及び制御する。
図１は、従来技術における電子式膨張弁の構造を示す概略図である。
図１に示すように、従来技術における電子式膨張弁の主要構造は、弁座１、ナット２、弁棒３、ねじ棒４、磁気回転子５及びストップアセンブリからなっている。
縦管１０ａ及び横管１０ｂが、弁座１に連結され、弁座１の弁室と連通している。
ねじ棒４は、ナット２に螺合して設けられている。
ねじ棒４の下端は、弁棒３に連結され、ねじ棒４の上端は、磁気回転子５に連結されている。
ストップアセンブリは、マンドレル６１、ばねレール６２、スリップリング６３及びストップロッド６４からなっている。
具体的には、マンドレル６１は、溶接によってエンドキャップを介してハウジングに固定され、ばねレール６２及びスリップリング６３は、マンドレル６１上にスリーブ状に設けられ、ストップロッド６４は、ねじ棒４に固定連結されている。

ナット２は、弁座１に固定され、ねじ棒４と協働する雌ねじ部２１と、ねじ棒４を案内するためのナット案内部２２とを含んでいる。

電子式膨張弁の作動中、磁気回転子５が、コイル（図示せず）の作用に応じて回転することによって、ねじ棒４が回転される。
ねじ棒４は、ナット２にねじ山を介して連結されているので、ねじ棒４は、回転しながら上下動可能であり、それによって、弁棒３に弁口の流量を制御させる。

しかしながら、この構造において、磁気回転子５によって駆動されるねじ棒４の回転中、ナット２とねじ棒４の間の螺合協働は、ナット２上のナット案内部２２によって案内され、その螺合協働において、ある程度の隙間がナット２のねじ山とねじ棒４のねじ山の間に生じるので、回転中に、ねじ棒４がねじ棒４の中心軸からずれることになる、すなわち、回転中にねじ棒４が幾分振動し、それによって、電子式膨張弁の作動中にノイズを発生させることになる。
ねじ棒４とナット２の間の隙間ばめは、調整が難しいので、それらの寸法を変更してノイズを低減することは、困難である。

したがって、当業者が現在対処すべき技術的問題は、ねじ棒とナットの間の非常に精密な寸法を要するはめ合いに拠らずにノイズを低減できる電子式膨張弁を工夫することである。

本発明の目的は、従来の電子式膨張弁においてねじ棒とナットの間の隙間ばめによりノイズが発生する技術的欠点を効果的に解消する電子式膨張弁を提供することである。

上記目的を達成するために、本発明により、弁座と、前記弁座上に設けられたナットと、ねじ山によって前記ナットと協働するねじ棒と、ノイズ低減部品とからなる電子式膨張弁が提供される。
磁気回転子が回転することにより、前記ねじ棒は、弁棒を駆動して前記電子式膨張弁の弁口の流量を調整する。
前記ナットは、ナット案内部を備え、前記ねじ棒は、前記ナット案内部と協働するねじ棒案内部を備えている。
前記ノイズ低減部品は、前記ナット案内部に近接している、前記ナット（２）の端部に設けられ、スリーブリングによって留められている。

前記スリーブリングは、円筒形であってもよく、締りばめによって前記ナットに固定されていてもよく、前記ノイズ低減部品は前記スリーブリング内に収容されていてもよい。

前記スリーブリングと前記ナットの間の距離は、前記ノイズ低減部品の高さよりわずかに大きくてもよい。

前記ノイズ低減部品は、Ｏリング又は角リングであってもよい。

前記ノイズ低減部品の外周面と前記スリーブリングの内壁の間に、締りばめが形成されていてもよい。

前記ノイズ低減部品の内周面と前記ねじ棒の間に、締りばめが形成されていてもよい。

本発明によれば、ノイズ低減部品はナットの上方に設けられ、スリーブリングによって留められているので、ねじ棒とナットの間の螺合協働によって生じる衝撃の強さを緩和することが可能で、作動中に発生するノイズを低減することができる。

図１は、従来技術における電子式膨張弁の構造を示す概略図である。

図２は、本発明の電子式膨張弁における構造を示す概略図である。

図３は、本発明の電子式膨張弁におけるノイズ低減部品の第１実施形態の構造を示す概略図である。

図４は、本発明の電子式膨張弁におけるノイズ低減部品の第２実施形態の構造概略図である。

図５は、本発明の電子式膨張弁におけるノイズ低減部品の第３実施形態の構造概略図である。

本発明の解決手段を、図面及び実施形態を参照して、さらに以下で詳細に説明する。

本発明による電子式膨張弁の第１実施形態の構造を示す概略図である図２を参照する。
本発明と従来技術の間の違いの説明を容易にするため、従来技術の部品と同じ構造を有し、同じ機能を果たす部品には、同じ参照番号が付されている。

図２に示すように、本実施形態による電子式膨張弁の主要構造は、縦連結管１０ａ及び横連結管１０ｂが、それぞれ連結された弁座１を含み、縦連結管１０ａ及び横連結管１０ｂは、いずれも、弁座１の弁室に連通している。
弁座は、ハウジングに固定して設けられ、このハウジング及び弁座１は、空間を取り囲み、その空間内に、磁気コイルに応じて回転するように磁気回転子５が設けられている。
磁気回転子５及びねじ棒４は、射出成型又はリベット留めなどによって互いに固定されている。
したがって、磁気回転子５が回転している間、磁気回転子５は、ねじ棒４を駆動して一緒に回転する。

ねじ棒４とナット２は、螺合協働により互いに連結されている。
具体的には、ナット２の下端部は、雌ねじ部２１を備え、ナット２の上端部は、ナット案内部２２を備えている。
よって、ねじ棒４の外周面は、雌ねじ部２１と協働し得る雄ねじ部４１を備え、一方、ねじ棒４のねじ棒案内部４２は、ナット２のナット案内部２２によって案内される。
このようにして、磁気回転子５がねじ棒４を駆動回転している間、弁棒３は、ねじ棒４によって駆動され、螺合している雌ねじ部と雄ねじ部との作用を受け、上下に作動され、弁座１に設けられている弁口の流量を正確に制御することができる。

弁棒３の移動範囲を定めるために、電子式膨張弁には、通常、ストップ機構が設けられている。
そのようなストップ機構については、本明細書中には記載されていないが、従来技術の関連する説明を参照することができる。

ノイズ低減部品８が、ナット２の上端部に設けられている。
このノイズ低減部品８は、Ｏリング（すなわち、長手方向の各断面が実質的に円形）でもよい。
本実施形態においては、説明の便宜上、図３に示すように、Ｏリングを一例として挙げて、ノイズ低減部品８を説明する。
Ｏリングを固定するために、さらに、スリーブリング９が、ナット２の上端部に設けられている。
このスリーブリング９は、上底を有する略円筒形であって、ナット２と締りばめになっている。
このように、Ｏリングのずれ、振動又は移動を防止可能であり、引っ張られた際の落下も確実に防止できる。

Ｏリングの内側の穴は、ねじ棒案内部４２とわずかな締りばめになっており、Ｏリングの外径は、Ｏリングがスリーブリング９と締りばめ可能になるような大きさに設定されている。
Ｏリングの内周側及び外周側は、締りばめ状態になっているので、ねじ棒４の振動は、効果的に低減され、ねじ棒４を中心軸に保持することができる。
よって、ねじ棒４の雄ねじ部４１とナット２の雌ねじ部２１の間における衝撃の強さは、軽減され、作動中に発生するノイズは、低減される。
磁気回転子５が停止状態に入ると、磁気回転子５は、停止時に小角度逆戻りすることがあり、その際の逆戻り速度及び周波数は、非常に高いので、減速機構又は減衰機構が一切設けられていないと、磁気回転子５が逆戻りしている際に、大きなノイズが発生する可能性がある。
本実施形態においては、弾性を有し、わずかな締りばめになっているノイズ低減部品８が設けられているので、上記の技術的問題に効果的に対処することができる。

さらに、Ｏリングは、ある程度の弾力性と良好な潤滑性能を有しているので、ねじ棒４がＯリングと締りばめになっている場合でも、弁体の作動性能は、影響を受けない可能性もある。

ノイズ低減部品８が設けられていることにより、ねじ棒４とナット２の間における衝撃の強さは軽減されるので、作動中に電子式膨張弁によって生じるノイズの低減を容易にする。

弁体の作動中に、ねじ棒４とスリーブリング９の間、及び、ねじ棒４とナット案内部２２の間において衝突や摩擦が発生することを防止するために、ねじ棒４が最大に傾向いた状態でもスリーブリング９に接触しないように、ねじ棒４の大きさは設定されている。

一方、組み立て後にＯリングの同軸度が製品の使用条件を満たすようにするために、Ｏリングは、軸方向に移動可能に構成されている。
すなわち、スリーブリング９とナット２の間の距離は、Ｏリングの高さよりわずかに大きく設定してもよい。
これにより、Ｏリングが動かなくなることが確実に防止される。
電子式膨張弁の作動中、Ｏリング自体でその位置を微調整してもよく、それによって、製品が動かなくなる可能性を低下させる。

以上、Ｏリングを一例として挙げて、ノイズ低減部品８を説明した。
もちろん、Ｏリング以外に、図４に示すように、角リング（すなわち、長手方向の各断面が略長方形）を使用することも可能である。
代わりに、図５に示すように、他の適切な形状であってもよい。
なお、当業者は、本発明の技術的内容に基づいて、ノイズ低減部品８に対して様々な適切な変更を行うことが可能で、これらの変更も、本発明の範囲に含まれるものとする。

さらに、上記実施形態の具体的な説明において、「上」、「下」、「左」、「右」などの方向は図２を参照して記載されているので、それらの方向は、本発明を限定するものとして解釈されてはならない。

なお、上記実施形態は、本発明の解決手段を例示するものであり、限定するものではない。
好ましい実施形態を参照して本発明を説明してきたが、当業者に理解されるように、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、本発明に対して改変又は均等物での代替を行うことができる。

１ ・・・・ 弁座
２ ・・・・ ナット
３ ・・・・ 弁棒
４ ・・・・ ねじ棒
５ ・・・・ 磁気回転子
８ ・・・・ ノイズ低減部品
９ ・・・・ スリーブリング
２２ ・・・・ 案内部

Claims (6)

1. 弁座（１）と、前記弁座（１）上に設けられたナット（２）と、ねじ山によって前記ナット（２）と協働するねじ棒（４）とからなる電子式膨張弁において、
   磁気回転子（５）が回転することにより、前記ねじ棒（４）が、弁棒（３）を駆動して前記電子式膨張弁の弁口の流量を調整し、
   前記ナット（２）が、ナット案内部（２２）を備え、
   前記ねじ棒（４）が、前記ナット案内部（２２）と協働するねじ棒案内部（４２）を備え、
   前記ナット案内部（２２）に近接している前記ナット（２）の端部に設けられたノイズ低減部品（８）が、スリーブリング（９） によって留められていることを特徴とする電子式膨張弁。
2. 前記スリーブリング（９）が、円筒形であって、締りばめによって前記ナット（２）に固定され、
   前記ノイズ低減部品（８）が、前記スリーブリング（９）内に収容されていることを特徴とする請求項１に記載の電子式膨張弁。
3. 前記スリーブリング（９）と前記ナット（２）の間の距離が、前記ノイズ低減部品（８）の高さよりわずかに大きいことを特徴とする請求項２に記載の電子式膨張弁。
4. 前記ノイズ低減部品（８）が、Ｏリング又は角リングであることを特徴とする請求項１に記載の電子式膨張弁。
5. 前記ノイズ低減部品（８）の外周面と前記スリーブリング（９）の内壁の間に、締りばめが形成されていることを特徴とする請求項３に記載の電子式膨張弁。
6. 前記ノイズ低減部品（８）の内周面と前記ねじ棒（４）の間に、締りばめが形成されていることを特徴とする請求項３に記載の電子式膨張弁。
   

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