JP2017529374A - 酸化的脱水素化によりn−ブテン類から1,3−ブタジエンを製造するための方法 - Google Patents

酸化的脱水素化によりn−ブテン類から1,3−ブタジエンを製造するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、以下の工程A)からF)まで:A)n−ブテン類を含む出発ガス流aを準備する工程、B)n−ブテン類を含む出発ガス流aおよび少なくとも酸素含有ガスを、少なくとも1つの酸化的脱水素化帯域に供給し、n−ブテン類を酸化的脱水素化してブタジエンにし、ここで、ブタジエン、未反応のn−ブテン類、水蒸気、酸素、低沸点炭化水素、高沸点副成分、場合によって炭素酸化物、および場合によって不活性ガスを含む生成ガス流bを得る工程、Ca)生成ガス流bを、少なくとも1つの冷却帯域で冷却媒体と接触させることによって冷却する工程、ここで、冷却媒体は、少なくとも部分的に返送され、かつ水相および有機相を有するものである、Cb)冷却された、および場合によって高沸点副成分が減少した生成ガス流bを、少なくとも1つの圧縮段階で圧縮し、ここで、少なくとも1つの水性の凝縮液流c1と、ブタジエン、n−ブテン類、水蒸気、酸素、低沸点炭化水素、場合によって炭素酸化物、および場合によって不活性ガスを含むガス流c2を得る工程、D)ガス流c2から、ブタジエンおよびn−ブテン類を含むC4炭化水素を吸収剤に吸収させることによって、酸素、低沸点炭化水素、場合によって炭素酸化物、および場合によって不活性ガスを含む凝縮不可能かつ低沸点のガス成分をガス流d2として分離し、続いて、前記負荷された吸収剤流からC4炭化水素を脱着し、ここで、C4生成ガス流d1を得る工程、E)C4生成流d1を、ブタジエンのための選択溶媒を用いる抽出蒸留によって、ブタジエンおよび選択溶媒を含む物質流e1と、n−ブテンを含む物質流e2とに分別する工程、F)ブタジエンおよび選択溶媒を含む物質流e1を蒸留して、実質的に選択溶媒からなる物質流f1と、ブタジエンを含む物質流f2とにする工程を含む、n−ブテン類からブタジエンを製造するための方法であって、段階Cb)は、少なくとも2つの圧縮段階Cba)と、急冷塔として構成されている少なくとも2つの冷却段階Cbb)とを含み、ここで、冷却段階において、水相および有機相を有する2相の冷却媒体と直接接触させることによって冷却を行うことを特徴とする方法に関する。

Description

本発明は、酸化的脱水素化(ODH)によりn−ブテン類から1,3−ブタジエン(ブタジエン)を製造するための方法に関する。
ブタジエンは、重要な基礎化学物質であり、例えば合成ゴム(ブタジエンホモポリマー、スチレン・ブタジエンゴムまたはニトリルゴム)の製造に、または熱可塑性ターポリマー(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン・コポリマー)の製造に使用される。さらに、ブタジエンは、スルホラン、クロロプレンおよび1,4−ヘキサメチレンジアミン(1,4−ジクロロブテンおよびアジピン酸ジニトリル経由)に変えられる。さらに、ブタジエンの二量化によって、ビニルシクロヘキセンを生成することができ、これを脱水素化してスチレンにすることができる。
ブタジエンは、飽和炭化水素の熱分解(スチームクラッキング)によって製造することができ、ここで、通常、原材料としてナフサが出発点とされる。ナフサのスチームクラッキングでは、メタン、エタン、エテン、アセチレン、プロパン、プロペン、プロピン、アレン、ブタン、ブテン、1,3−ブタジエンおよび1,2−ブタジエン、ブチン、メチルアレン、C5炭化水素およびより高級の炭化水素からの炭化水素混合物が生じる。
ブタジエンは、n−ブテン類(1−ブテンおよび/または2−ブテン)の酸化的脱水素化によって得ることもできる。n−ブテン類を酸化的脱水素化(オキシ脱水素化(Oxidehydrierung、ODH)してブタジエンにするための出発ガスとしては、n−ブテン類を含むあらゆる任意の混合物が使用されてよい。例えば、主成分としてn−ブテン類(1−ブテンおよび/または2−ブテン)を含み、かつナフサクラッカーのC4留分からブタジエンおよびイソブテンを分離することによって得られた留分が使用されてよい。さらに、1−ブテン、シス−2−ブテン、トランス−2−ブテンまたはそれらの混合物を含み、かつエチレンの二量化によって得られた混合ガスが出発ガスとして使用されてもよい。さらに、出発ガスとして、流動接触分解(Fluid Catalytic Cracking、FCC)によって得られた、n−ブテン類を含む混合ガスが使用されてよい。
ブテンを酸化的脱水素化してブタジエンにするための方法は、基本的に公知である。
例えば、米国特許出願公開第2012/0130137号明細書(US2012/0130137A1)は、モリブデン、ビスマスおよび一般的に別の金属の酸化物を含む触媒を使用するそのような方法を記載している。酸化的脱水素化のためのそのような触媒の持続的な活性には、過度の還元およびそれに伴う触媒の性能損失を避けるために、ガス雰囲気における臨界最小限の酸素分圧が必要である。この理由から、一般的に、オキシ脱水素化反応器(ODH反応器)において化学量論的な酸素投入量、または完全な酸素の反応で作業することもできない。例えば、米国特許出願公開第2012/0130137号明細書(US2012/0130137)には、出発ガス中の2.5体積%から8体積%までの酸素含有率が記載されている。
そのような触媒系のための酸素過剰量の必要性は、一般的に公知であり、そのような触媒を使用する際の方法条件に表れている。代表的には、Jungらの比較的新しい研究(Catal.Surv.Asia 2009、13、78〜93;DOI 10.1007/s10563−009−9069−5およびApplied Catalysis A:General 2007、317、244〜249;DOI 10.1016/j.apcata.2006.10.021)が挙げられる。
Mitsubishi社の特開2011−006381号公報(JP−A 2011−006381)では、共役アルカジエンの製造方法の後処理部における過酸化物形成のリスクについて言及されている。解決のためには、重合抑止剤をプロセスガスの吸収溶液に添加すること、および吸収溶液の加熱によって100質量ppmの最大過酸化物含有量を調節することが記載されている。ただし、上流の方法工程における過酸化物の回避または制御については記載されていない。特にODH反応器流出物の水急冷による冷却工程が決定的に重要であると考えられる。形成された有機過酸化物は、ほとんど水に溶けないため、水性パージ流で排出される代わりに、沈殿して、固体または液状の形態で装置内に蓄積することがある。同時に、水急冷の温度はそれほど高くないため、形成された過酸化物の充分に高く連続的な分解を前提とすることはできない。
触媒による酸化的脱水素化では、高沸点副成分、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、ベンズアルデヒド、安息香酸、エチルベンゼン、スチレン、フルオレノン、アントラキノンなどが形成されることがある。これらの成分の堆積は、反応器内または後処理の領域の反応器の後方で閉塞および圧力損失の増加をもたらし、したがって、規則正しい運転を妨げることがある。前述の高沸点副成分の堆積は、熱交換器の機能を損なわせるか、または稼働される装置、例えば圧縮機に損害を与えることもある。水蒸気揮発性の化合物、例えばフルオレノンは、水で稼働する急冷装置を通り抜けて、その後方でガス流出配管に沈殿することがある。それによって、基本的に、固体の堆積物が後接続された装置部分、例えば圧縮機に到達して、そこで害をもたらす危険もある。
米国特許出願公開第2012/0130137号明細書(US2012/0130137A1)の段落[0122]では、高沸点副生成物の問題も指摘されている。特に、一般的に生成ガス中に0.001体積%から0.10体積%までの濃度で存在しているとされる無水フタル酸、アントラキノンおよびフルオレノンが挙げられている。米国特許出願公開第2012/0130137号明細書(US2012/0130137A1)の段落[0124]から[0126]まででは、高温の反応器流出ガスを、直接、冷却液(急冷塔)と接触させることによって、通常、まず5℃から100℃までに冷却することが推奨されている。冷却液としては、水またはアルカリ水溶液が挙げられる。生成ガスからの高沸点物によるか、または生成ガスからの高沸点副生成物の重合生成物による、急冷内の閉塞の問題が明確に言及されており、したがって、高沸点副生成物は、可能な限り少量で、反応部から冷却部(急冷)に同伴されるのが有利であるとされている。
特開2011−001341号公報(JP−A 2011−001341)には、アルケンを酸化的脱水素化して共役アルカジエンにするための方法に対して、二段階の冷却が記載されている。ここで、酸化的脱水素化の生成流出ガスは、まず300℃から221℃までの温度に冷却されて、次に、99℃から21℃までの温度にさらに冷却される。段落[0066]以降には、300℃から221℃までの温度を調節するために、好ましくは熱交換器が使用されるが、その際、生成ガスからの高沸点物の一部もこの熱交換器内に沈殿する可能性があることが記載されている。したがって、特開2011−001341号公報(JP−A 2011−001341)には、熱交換器の堆積物を、有機溶媒または水性溶媒で適宜洗い落とすことが記載されている。溶媒としては、例えば芳香族炭化水素、例えばトルエンもしくはキシレン、またはアルカリ性水性溶媒、例えば水酸化ナトリウム水溶液が記載されている。方法を熱交換器の洗浄のために頻繁に中断するのを避けるため、特開2011−001341号公報(JP−A 2011−001341)では、並列に配置された2つの熱交換器を有する構造が記載されており、熱交換器はそれぞれ交互に運転または洗浄される(いわゆるA/B運転方式)。
特開2013−119530号公報(JP−A 2013−119530)は、急冷であって、その中で、ODH生成ガスが水と直接接触することによって冷却される急冷を記載している。第7段落では、生成ガスが固体成分を携行し、これらの固体成分が安定した運転を妨げうるという問題に言及している。その場合、固体成分は、急冷塔のオフガス中にさえ見出される。第41段落では、これらの成分の大部分がイソフタル酸およびテレフタル酸からなることが記載されている。たとえオフガス中の量が少なかったとしても、例えばフィルターは、即座に覆われることになる。この出願によれば、固体成分は、内部構造体ならびに冷却媒体とガス流の体積流量比を好適に選択することによって、可能な限り生成ガスから取り除かれる。しかし、この出願は、冷却媒体循環の遮断を阻止する方法について記載していない。
特開2013−177380号公報(JP−A 2013−177380)は、第60段落で、生成ガス急冷で使用される、考えられる冷却媒体を記載している。冷却液としては、一般的に飽和炭化水素、不飽和炭化水素、芳香族炭化水素、エステル類、エーテル類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類、酸類、水ならびにそれらの混合物が挙げられる。好ましい冷却媒体は水である。第62段落には、冷媒である水の供給および排出が記載されている。それによれば、冷却塔の底部から排出された水の少なくとも一部は、冷却塔の中段および/または頂部に再び供給されてよい。底部から抜き出された水は、固形物を含む場合がある。それを分離するために、その文献は、慣用の方法、例えばストレーナーの使用を提案している。第63段落および第64段落には、冷媒中で凝縮された副生成物として、含酸素有機化合物、例えばアルデヒド、ケトン、カルボン酸、不飽和アルデヒド、不飽和カルボン酸、ならびに前述の化合物を構成単位として含むポリマーが挙げられている。その文献は、固形物含有にもかかわらず、いかにして冷媒の安定した循環を保証できるかについて記載していない。
国際公開第2012/157495号(WO2012/157495)によれば、酸化的脱水素化の生成ガス急冷において、冷媒として有機アミンの水溶液が使用される。第6段落には、固形物による配管の閉塞の問題が記載されている。それに応じて、高沸点副生成物、例えば有機酸、アルデヒド類およびケトン類は、反応生成ガスの冷却水による急冷時に凝縮して、反応生成ガスの流とともに流れ、それによって配管を閉塞させ、プラントの連続的な運転に支障を来すことが確認された。
それに応じて、成分の効果的な分離は、有機アミン水溶液ならびに好ましくは芳香族溶媒の使用によって達成される。しかし、2つの冷媒は、冷却塔の別個の領域で使用される。それについては、第35段落に、有機アミン水溶液による反応生成ガスの洗浄には、第一の急冷塔が使用され、芳香族溶媒による反応生成ガスの洗浄には、第二の急冷塔が使用されることが記載されている。
韓国公開特許第2013−0036467号公報(KR2013−0036467)および韓国公開特許第2013−0036468号公報(KR2013−0036468)は、水と、水と混合可能な有機溶媒からなる混合物を、酸化的脱水素化の生成ガス急冷における冷媒として使用することを記載している。水混合性のため、有機溶媒の後処理および再生は、きわめてエネルギーがかかり、経済的な観点において不利である。
脱水素化反応器は、一般的に反応器出口にて約1.1bar(絶対圧)から2bar(絶対圧)までのわずかな超過圧力で運転される。しかし、反応器からの脱水素化生成物をさらに後処理する場合、約10barの工程圧力が必要である。このことから、酸化的脱水素化の生成ガス流を、例えば1.5barから約10barに圧縮する必要性があることが明らかであり、これは、多段階の圧縮(コンプレッション)を必要とする。
ブテン類の酸化的脱水素化のための方法では、触媒の充分な寿命を保証するために、しばしば反応器出口にて酸素過剰量が必要である。このことは、酸化的脱水素化の圧縮されるプロセスガスが、数パーセントの酸素を含んでいてよいことを意味する。
炭化水素流の多段階圧縮は、石油化学プラント、例えばエチレンプラント(スチームクラッカー)から公知である。これらのプラントでの経験は、プロセスガス中の酸素は、比較的高温で、ファウリングの傾向、および個々の圧縮機段の出口および中間冷却器における堆積物の形成の傾向が強まることを示している。したがって、圧縮機の運転時間を長くするために、圧縮機段の出口温度を可能な限り低く保つことが望ましい。酸化的脱水素化の粗製ガス中の酸素含有率が大きくなりうるため、酸化的脱水素化の方法では、低い圧縮機出口温度が特に望ましい。
石油化学プラント、例えばスチームクラッカーにおける粗製ガス圧縮は、一般的に4つまたは5つの圧縮機段で実施される。圧縮機段の間では、熱交換器による中間冷却が行われ、熱交換器は、異なる型式であってよい。ガスの中間冷却を含む多段階の圧縮は、例えばS.GavelinによるHydrocarbon Processing、August 2009、35ページ以降に記載されている。
個々の圧縮機段に続く熱交換器を用いるこの慣用の冷却は、圧縮機段の間で高い圧力損失をもたらし、それに伴って、圧縮のための高い所要エネルギー、ならびに高い段出口温度をもたらす。さらに、高い出口温度は、ファウリング、重合、および個々の圧縮機(コンプレッサー)および個々の圧縮機段の間における堆積物の形成の傾向を促す。一般的に、中間冷却に使用される熱交換器の圧力損失は、0.2barから0.3barまでの範囲である。例えば、管束熱交換器または溶接プレート式熱交換器が使用される。
本発明の課題は、公知の方法の上述の欠点を除去する方法を提供することである。特に、高沸点の有機副成分によるODHに後接続された装置における堆積が回避される方法が提供されることが望ましい。さらに、有機過酸化物の起こりうる蓄積が回避される方法が提供されることが望ましい。特に、冷媒循環(急冷循環)において、特に冷媒が冷却帯域に供給される際に通るノズルにおいて、冷媒中に分散された固形物による閉塞が起こらず、かつ安定した連続的な急冷循環が保証されている方法が提供されることが望ましい。
本課題は、以下の工程A)からF)まで:
A)n−ブテン類を含む出発ガス流aを準備する工程、
B)n−ブテン類を含む出発ガス流aおよび少なくとも1つの酸素含有ガスを、少なくとも1つの酸化的脱水素化帯域に供給し、n−ブテン類を酸化的脱水素化してブタジエンにし、ここで、ブタジエン、未反応のn−ブテン類、水蒸気、酸素、低沸点炭化水素、高沸点副成分、場合によって炭素酸化物、および場合によって不活性ガスを含む生成ガス流bを得る工程、
Ca)生成ガス流bを、少なくとも1つの冷却帯域で冷却媒体と接触させることによって冷却する工程、ここで、冷却媒体は、少なくとも部分的に返送され、かつ水相および有機相を有するものである、
Cb)冷却された、および場合によって高沸点副成分が減少した生成ガス流bを、少なくとも1つの圧縮段階で圧縮し、ここで、少なくとも1つの水性の凝縮液流c1と、ブタジエン、n−ブテン類、水蒸気、酸素、低沸点炭化水素、場合によって炭素酸化物、および場合によって不活性ガスを含むガス流c2とを得る工程、
D)ガス流c2から、ブタジエンおよびn−ブテン類を含むC4炭化水素を吸収剤に吸収させることによって、酸素、低沸点炭化水素、場合によって炭素酸化物、および場合によって不活性ガスを含む凝縮不可能かつ低沸点のガス成分をガス流d2として分離し、ここで、C4炭化水素で負荷された吸収剤流とガス流d2とを得て、続いて、負荷された吸収剤流からC4炭化水素を脱着し、ここで、C4生成ガス流d1を得る工程、
E)C4生成流d1を、ブタジエンのための選択溶媒を用いる抽出蒸留によって、ブタジエンおよび選択溶媒を含む物質流e1と、n−ブテン類を含む物質流e2とに分別する工程、
F)ブタジエンおよび選択溶媒を含む物質流e1を蒸留して、実質的に選択溶媒からなる物質流f1と、ブタジエンを含む物質流f2とにする工程
を含む、n−ブテン類からブタジエンを製造するための方法であって、
段階Cb)は、少なくとも2つの圧縮段階Cba)と、急冷塔として構成されている少なくとも2つの冷却段階Cbb)とを含み、ここで、冷却段階において、水相および有機相を有する2相の冷却媒体と直接接触させることによって冷却を行うことを特徴とする方法によって解決される。
本発明によれば、圧縮段階Cba)に続いて、中間冷却器として、先行技術による圧力損失の高い熱交換器ではなく、急冷塔が直接冷却器として使用される。この急冷塔は、一般的に0.1bar未満、好ましくは0.05bar未満の低い圧力損失を示すものである。このことによって、圧縮段階の間の圧力損失は減少する。
圧縮機段の間の比較的低い圧力損失の結果として、個々の段の圧力比、つまり、段の段出口圧対段入口圧の比は低下する。比較的低い圧力比では、その場合、さらなる結果として、個々の圧縮機段の出口温度ならびに圧縮のための所要エネルギーは低下する。
冷却段階Cbb)の急冷塔では、直接冷却媒体として、有機溶媒と水からなる混合物が使用される。この混合物は、冷却段階Cbb)の個々の急冷塔の塔底で生じる。本発明によれば、凝縮液は、急冷塔の塔底で、有機相と水相とに分離されるのではなく、2相の混合物として、圧縮段階Cba)の圧縮された生成ガス流の直接冷却に使用される。このことから、水溶性物質のみならず、有機溶媒に可溶性の物質も溶解され、それによって、これらの物質による堆積が回避されるという利点が明らかになる。
使用される有機溶媒は、有機過酸化物に対して高い溶解度を有しており、このことが、別個の液相ならびに過酸化物系の堆積物の形成を阻止する。好ましい有機溶媒は、トルエン、o−キシレン、m−キシレンおよびp−キシレン、メシチレン、モノエチルベンゼン、ジエチルベンゼンおよびトリエチルベンゼン、モノイソプロピルベンゼン、ジイソプロピルベンゼンおよびトリイソプロピルベンゼンおよびそれらの混合物である。
冷却段階Ca)からの高沸点副成分が減少したガス流bの圧縮は、二段階または多段階(n段階)で行われてよい。好ましい実施形態では、圧縮は三段階で行われる、つまり、圧縮Cb)は、3つの圧縮段階Cba1)、Cba2)およびCba3)で行われ、ここで、3つの圧縮段階のそれぞれに、冷却段階Cbb1)、Cbb2)もしくはCbb3)が後接続されている。圧縮は、4段階または5段階で行われてもよい。好ましくは、圧縮は、3つの圧縮機段で行われる。ここで、中間圧力は、好ましくは、すべての圧縮機でほぼ同じ出口温度が調節されるように選択される。一般的に、総じて、1.0bar(絶対圧)から4.0bar(絶対圧)までの範囲の圧力から、3.5bar(絶対圧)から20bar(絶対圧)までの範囲の圧力に圧縮される。好ましくは、総じて、1.1bar(絶対圧)から2.0bar(絶対圧)までの範囲の圧力から、8bar(絶対圧)から12bar(絶対圧)までの範囲の圧力に圧縮される。例えば、第一の圧縮段階では、1.2barから2.0barまでの範囲の圧力から、2.5barから4.0barまでの範囲の圧力に圧縮され、第二の圧縮段階では、4.0barから6.0barまでの範囲の圧力に圧縮され、第三の圧縮段階では、9.0barから11.0barまでの範囲の圧力に圧縮される。圧縮段階それぞれに冷却段階が続いており、この冷却段階において、ガス流は、15℃から60℃までの範囲、好ましくは30℃から50℃までの範囲の温度に冷却される。冷却は、本発明によれば、急冷塔における2相の冷媒との直接接触による直接熱交換によって行われる。
本課題は、以下の構成要素I)からVII)まで:
I)n−ブテン類を含む出発ガス流ならびに少なくとも酸素含有ガスを供給するための少なくとも1つの導管を備え、かつブタジエン、未反応のn−ブテン類、水蒸気、酸素、低沸点炭化水素、高沸点副成分、場合によって炭素酸化物、および場合によって不活性ガスを含む生成ガス流のための少なくとも1つの排出管を備える、n−ブテン類を酸化的脱水素化してブタジエンにするための反応器、
II)生成ガス流を冷却媒体と接触させることによって冷却するための冷媒循環を備える装置、ここで、冷却媒体は、少なくとも部分的に返送可能である、
III)以下
IIIa)少なくとも2つの圧縮段階、
IIIb)急冷塔として構成されている、冷媒循環を備える少なくとも2つの冷却段階
を含む冷却された生成ガス流を圧縮するための装置、
IV)凝縮不可能かつ低沸点のガス成分を、ブタジエンおよびn−ブテン類を含むC4炭化水素のための吸収剤を含むC4炭化水素流から分離するための装置、
V)C4炭化水素で負荷された吸収剤流からC4炭化水素を脱着するための装置、
VI)ブタジエンおよびn−ブテン類を含むC4炭化水素を、ブタジエンのための選択溶媒を含む抽出蒸留によって分別するための装置、
VII)ブタジエンおよび選択溶媒を含む物質流を蒸留するための装置
を備える、本方法を実施するための設備によっても解決される。
冷却段階Cbb)は、急冷塔として構成されている。本発明の好ましい実施形態では、冷却段階Cbb)において、1つまたは複数の急冷塔が使用され、これらは、底部領域で円錐状に先細りしている。これによって、2相の冷却媒体の水相と有機相への相分離が有効的に阻止される、それというのは、冷却媒体の底部領域における滞留時間は、円錐状の形状によって相分離には充分でないからである。
この好ましい実施形態では、冷却段階Cbb)の急冷塔は、慣例通りに皿形鏡板または浅皿形鏡板ではなく、円錐体が装備されている。それゆえ、底部領域は、連続的に良好に湿潤かつフラッシングされ、流速の低い領域は回避され、それによって固形物の底部領域における堆積が阻止される。
急冷塔の塔底部において、水相の有機炭化水素相からの分離は行われない。得られた2相の混合物は、圧送され、冷却されて、2相の急冷媒体として循環中を運ばれる。2相の冷却媒体の冷却は、熱交換器において冷却水を用いるか、冷媒、例えばプロパンまたはプロピレンの気化によってか、またはこれら2つの手段を組み合わせることによって行われる。
本発明のさらなる好ましい実施形態では、さらに、圧縮段階Cba)の少なくとも1つに冷媒が供給される。
この好ましい実施形態の第一の変法では、冷媒は、圧縮段階Cba)の少なくとも1つの圧縮機の吸引管に供給される。
この好ましい実施形態の第二の変法では、冷媒は、圧縮段階Cba)の少なくとも1つの圧縮機のハウジングに供給される。
冷媒を直接圧縮段階Cba)の圧縮機に供給することは、圧縮機の段出口温度のさらなる低下に役立つ。そのために、液状の冷媒は、連続的に、個々の圧縮機段の吸引管に、および/または圧縮機のハウジングに注入される。冷媒は、有機溶媒、水または水と有機溶媒からなる混合物であってよい。好ましくは、冷媒は水である。
さらに、これらの媒体の注入は、圧縮機段からの有機過酸化物を含む堆積物を溶解によって除去するために、不連続的に行われてよい。
急冷循環の連続的な運転は、循環が2つの互いに非混和性の冷媒を使用して運転される場合、比較的長時間可能であることが判明した。さらに、連続的な運転は、2つの互いに非混和性の溶媒が、急冷塔への流入時に特定の比率である場合、特に長時間可能である。さらに、連続的な運転は、2つの非混和性の溶媒が、急冷塔への流入時に、互いによく分散されている場合、特に長時間可能である。
相の比、つまり、接触前の冷却段階(急冷段階)への流入時の冷却媒体の水相の質量対有機相の質量の比は、冷媒循環に添加される水性および有機の冷媒の流量、生成ガス流中に含まれている水蒸気の流量、冷却段階を離れる水蒸気および有機冷媒の流量、ならびに冷媒循環から排気流(パージ)として取り出される水性および有機の相の流量によって定められる。相の比は、一般的に0.13以上:1、好ましくは0.15以上:1、特に好ましくは0.18以上:1、特に0.2以上:1、および100以下:1、好ましくは10以下:1、特に好ましくは2以下:1、特に1以下:1である。
好ましくは、冷却媒体は、冷却帯域への流入時に、2つの相の非常に良好な分散を有している。分散の質の基準としては、相対標準偏差σ/σ0が基礎にされている。例えば、Kraumeら、「Continuous Mixing of Fluids」、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、Wiley−VCH(2012)、またはStreiff、Chem.Ing.Tech.52、520(1980)を参照。測定法としては、Phal and Muschelknautz、Chem.Ing.Tech.51、347(1979)による伝導率測定法が使用される。ここで、水相および有機相の種々の電気伝導率が利用されて、電気伝導率およびそれに伴って2つの相の濃度は、空間分解(ortsaufgeloest)して測定される。その場合、つまり、理想の分散は、σ/σ0=0の場合に存在する。好ましくは、2相の冷却媒体の有機相を形成する成分および水相を形成する成分は、1未満、好ましくは0.5未満、特に好ましくは0.1未満の変動係数を有している。
冷却媒体の高い分散度は、例えば好適な混合機を循環に組み込むことによって実現することができる。ここで、混合機の種類は、これ以上制限されず、撹拌機、静止型ミキサーおよび絞り(Blenden)を含む。
さらに、冷却媒体の高い分散度は、ノズルを用いて達成することができる。ノズル内で生成される流のレイノルズ数Reは、冷媒の2つの相それぞれに対して、以下の通り仮定される:
Figure 2017529374
循環流量が60l/hであり、ノズルの開口部が1.15mmであり、20℃での水の粘性係数が10-3Pa sである水の場合、例えば以下の通りである:
Figure 2017529374
一般的に、冷却媒体の2つの相の冷却段階への流入時のレイノルズ数Reは、100超、好ましくは500超、特に好ましくは1000超である。
高い分散度に決定的に重要であるのは、さらに、冷却媒体への高い単位容積当たりの動力である。これは、さらにまた、例えば好適な混合機、ポンプまたはノズルによって達成することができる。
単位容積当たりの動力Pvは、以下の通りであると仮定される。
Figure 2017529374
循環容積流量が60l/hであり、ノズルにわたる圧力損失が500mbarであり、ノズルの容積が0.1cm3である冷却媒体の場合、例えば以下の通りである:
Figure 2017529374
一般的に、循環中の冷媒への単位容積当たりの動力は、少なくとも103W/m3、好ましくは少なくとも104W/m3、特に好ましくは少なくとも105W/m3である。
一般的に、冷却媒体は、1つまたは複数のノズルを通して冷却段階Cbb)の冷却帯域に供給される。ここで、好ましい実施形態では、1つまたは複数のノズル内で、少なくとも1000のレイノルズ数Reを有する流が生成される。ここで、動力は、少なくとも103W/m3である。特に、冷却媒体の各相の成分それぞれの冷却帯域への流入時の変動係数が1未満であることによって、2つの相の良好な分散が達成される。
本発明によれば、冷却段階Ca)においても、1つまたは複数の有機溶媒と水相からなる2相の分散液が使用される。急冷段階における生成ガス流の素早い冷却によって、高沸点副成分は凝縮される。有機溶媒は、一般的に、ODH反応器に後接続されたプラント部分において堆積および閉塞をもたらしうる高沸点副生成物に対して、水またはアルカリ水溶液よりきわめてはるかに高い溶解力を有している。使用されるのが好ましい有機溶媒は、芳香族炭化水素であり、特に好ましくは、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、メシチレン、モノエチルベンゼン、ジエチルベンゼンおよびトリエチルベンゼン、モノイソプロピルベンゼン、ジイソプロピルベンゼンおよびトリイソプロピルベンゼンならびにそれらの混合物である。
さらに、循環する冷却媒体中にさらなる水相が存在することによって、冷却段階Ca)の急冷循環、特に冷媒が急冷塔に入る際に通るノズルの領域、また、例えば冷媒循環のポンプ、および循環の容積流を測定する測定機器における閉塞を有効的に避けることができることが判明した。このことは、凝縮された高沸点副成分のうちに、有機溶媒中ではわずかな溶解度しか有していないが、水または水溶液中でははるかに良好に溶解する物質も存在していることに起因する。このことによって、結果的に、粘着作用する物質は、有機および水性の相中で溶解され、それによって、コークスのような不溶性の固形物は、冷媒循環中に分散し続け、プラント部分、例えばノズルに堆積し、そこで閉塞を起こさない。
相の比、つまり、接触前の冷却段階(急冷段階)への流入時の冷却媒体の水相の質量対有機相の質量の比は、冷媒循環に添加される水性および有機の冷媒の流量、生成ガス流中に含まれている水蒸気の流量、冷却段階を離れる水蒸気および有機冷媒の流量、ならびに冷媒循環から排気流(パージ)として取り出される水性および有機の相の流量によって定められる。相の比は、一般的に0.13以上:1、好ましくは0.15以上:1、特に好ましくは0.18以上:1、特に0.2以上:1、および100以下:1、好ましくは10以下:1、特に好ましくは2以下:1、特に1以下:1である。
好ましくは、冷却媒体は、冷却段階Ca)の冷却帯域への流入時に、2つの相の非常に良好な分散を有している。好ましくは、2相の冷却媒体の有機相を形成する成分および水相を形成する成分は、1未満、好ましくは0.5未満、特に好ましくは0.1未満の変動係数を有している。
冷却媒体のより高い分散度は、例えば好適な混合機を循環に組み込むことによって実現することができる。ここで、混合機の種類は、これ以上制限されず、撹拌機、静止型ミキサーおよび絞り(Blenden)を含む。
さらに、冷却媒体のより高い分散度は、ノズルを用いて達成することができる。一般的に、冷却媒体の2つの相の、冷却段階への流入時のレイノルズ数Reは、100超、好ましくは500超、特に好ましくは1000超である。
さらに、より高い分散度に決定的に重要であるのは、冷却媒体への高い単位容積当たりの動力である。これは、さらにまた、例えば好適な混合機、ポンプまたはノズルによって達成することができる。一般的に、循環中の冷媒への単位容積当たりの動力は、少なくとも103W/m3、好ましくは少なくとも104W/m3、特に好ましくは少なくとも105W/m3である。
一般的に、冷却媒体は、1つまたは複数のノズルを通して冷却段階Ca)の1つの冷却帯域または複数の冷却帯域に供給される。ここで、好ましい実施形態では、1つまたは複数のノズル内で、少なくとも1000のレイノルズ数Reを有する流が生成される。ここで、動力は、少なくとも103W/m3である。特に、冷却媒体の各相の成分それぞれの冷却帯域への流入時の変動係数が1未満であることによって、2つの相の良好な分散が達成される。
以下の実施形態は、本発明による方法の好ましい変法、もしくは特に好ましい変法である:
段階Ca)は、段階Ca1)からCan)までの多段階で実施され、好ましくは2つの段階Ca1)およびCa2)の二段階で実施される。ここで、冷却媒体の少なくとも一部は、第二の段階Ca2)を通過後、第一の段階Ca1)の冷媒として供給されてよい。
段階Cb)は、少なくとも2つの圧縮段階Cba1)およびCba2)(まとめてCba)と呼称する)と、少なくとも2つの冷却段階Cbb1)およびCbb2)(まとめてCbb)と呼称する)を含む。好ましくは、冷却段階Cbb)において、圧縮段階Cba)で圧縮されたガスは、段階Ca)で冷却剤として使用されるのと同一の有機溶媒と接触する。特に好ましい変法では、この冷媒の少なくとも一部は、冷却段階Cbb)の1つまたは複数を通過後、冷媒として段階Ca)に供給される。
好ましくは、段階Cb)は、2つ超の圧縮段階Cba1)からCban)まで、および冷却段階Cbb1)からCbbn)までを含み、例えば4つの圧縮段階Cba1)からCba4)まで、および4つの冷却段階Cbb1)からCbb4)まで、または5つの圧縮段階Cba1)からCba5)まで、および5つの冷却段階Cbb1)からCbb5)までを含む。3つの圧縮段階Cba1)からCba3)まで、および3つの冷却段階Cbb1)からCbb3)までが特に好ましい。
好ましくは工程D)は、以下の工程Da)からDc)まで:
Da)ブタジエンおよびn−ブテン類を含むC4炭化水素を高沸点吸収剤に吸収させ、ここで、C4炭化水素で負荷された吸収剤流とガス流d2とを得る工程、
Db)工程Da)のC4炭化水素で負荷された吸収剤流から、凝縮不可能なガス流によるストリッピングによって酸素を除去する工程、および
Dc)負荷された吸収剤流からC4炭化水素を脱着し、ここで、実質的にC4炭化水素からなり、酸素を100ppm未満含むC4生成ガス流d1を得る工程
を含む。
好ましくは、工程Da)で使用される高沸点吸収剤は、芳香族炭化水素溶媒、特に好ましくは工程Ca)で使用される芳香族炭化水素溶媒、特にトルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、メシチレンまたはそれらの混合物である。
工程A)では、n−ブテン類を含む出発ガス流が準備される。
出発ガス流としては、純粋なn−ブテン類(1−ブテンおよび/またはシス−2−ブテン/トランス−2−ブテン)、またブテンを含む混合ガスも使用されてよい。そのような混合ガスは、例えばn−ブタンの非酸化的脱水素化によって得ることができる。主成分としてn−ブテン類(1−ブテンおよびシス−2−ブテン/トランス−2−ブテン)を含み、かつナフサクラッキングのC4留分から、ブタジエンおよびイソブテンの分離によって得られた留分が使用されてもよい。さらに、純粋な1−ブテン、シス−2−ブテン、トランス−2−ブテンまたはそれらの混合物を含み、かつエチレンの二量化によって得られた混合ガスが出発ガスとして使用されてもよい。さらに、出発ガスとして、流動接触分解(Fluid Catalytic Cracking、FCC)によって得られた、n−ブテン類を含む混合ガスが使用されてよい。
本発明による方法の1つの実施形態では、n−ブテン類を含む出発ガスは、n−ブタンの非酸化的脱水素化によって得られる。形成されたn−ブテン類の、触媒による非酸化的脱水素化と酸化的脱水素化のくみあわせによって、使用されたn−ブタンを基準として高い収率のブタジエンを得ることができる。触媒による非酸化的n−ブタン脱水素化では、ブタジエンの他に、1−ブテン、2−ブテンおよび未反応のn−ブタン、副成分を含む混合ガスが得られる。通常の副成分は、水素、水蒸気、窒素、COおよびCO2、メタン、エタン、エテン、プロパンおよびプロペンである。第一の脱水素化帯域を離れる混合ガスの組成は、脱水素化の運転方式によって大きく変化してよい。したがって、酸素およびさらなる水素を供給して脱水素化を実施する場合、生成混合ガスは、比較的高い含有率の水素および炭素酸化物を有している。酸素の供給を含まない運転方式の場合、非酸化的脱水素化の生成混合ガスは、比較的高い含有率の水素を有している。
工程B)では、n−ブテン類を含む出発ガス流および少なくとも1つの酸素含有ガスが、少なくとも1つの脱水素化帯域に供給されて、混合ガス中に含まれるブテンは、酸化的脱水素化触媒の存在下に酸化的に脱水素化されてブタジエンになる。
酸化的脱水素化に好適な触媒は、一般的に、Mo−Bi−Oを含む多金属酸化物系を基礎にしており、この系は、一般的にさらに鉄を含む。一般的に、触媒系は、さらに別のさらなる成分、例えばカリウム、セシウム、マグネシウム、ジルコニウム、クロム、ニッケル、コバルト、カドミウム、スズ、鉛、ゲルマニウム、ランタン、マンガン、タングステン、リン、セリウム、アルミニウムまたはケイ素を含む。鉄含有フェライトも触媒として提案された。
好ましい実施形態では、多金属酸化物は、コバルトおよび/またはニッケルを含む。別の好ましい実施形態では、多金属酸化物は、クロムを含む。別の好ましい実施形態では、多金属酸化物は、マンガンを含む。
Mo−Bi−Fe−Oを含む多金属酸化物の例は、Mo−Bi−Fe−Cr−Oを含む多金属酸化物またはMo−Bi−Fe−Zr−Oを含む多金属酸化物である。好ましい系は、例えば以下
Figure 2017529374
に記載されている。
好適な多金属酸化物およびそれらの製造は、さらに以下
Figure 2017529374
に記載されている。
特に好ましい触媒活性の、モリブデンおよび少なくとも1つの別の金属を含む多金属酸化物は、以下の一般式(Ia)を有するものである:
Figure 2017529374
触媒活性の酸化物材料が、2つの金属CoおよびNiのうちCoのみを有する触媒が好ましい(d=0)。好ましくは、X1はSiおよび/またはMnであり、X2は、好ましくは、K、Naおよび/またはCsであり、特に好ましくは、X2はKである。
分子状酸素含有ガスは、一般的に分子状酸素を10体積%超、好ましくは15体積%超、より好ましくは20体積%超含む。好ましくは、分子状酸素は空気である。分子状酸素の含有率の上限は、一般的に50体積%以下、好ましくは30体積%以下、より好ましくは25体積%以下である。さらに、分子状酸素含有ガス中に任意の不活性ガスが含まれていてよい。考えられる不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ネオン、ヘリウム、CO、CO2および水を挙げることができる。不活性ガスの量は、窒素の場合、一般的に90体積%以下、好ましくは85体積%以下、より好ましくは80体積%以下である。窒素以外の成分の場合、不活性ガスの量は、一般的に10体積%以下、好ましくは1体積%以下である。
酸化的脱水素化をn−ブテン類の完全反応において実施するためには、分子状酸素のn−ブテン類に対する比が少なくとも0.5である混合ガスが好ましい。酸素のn−ブテン類に対する比が0.55から10までである場合に実施するのが好ましい。この値を調節するために、出発ガスは、酸素または1つもしくは複数の酸素含有ガス、例えば空気と、場合によってさらなる不活性ガスまたは水蒸気と混合されてよい。その後、得られた酸素含有混合ガスは、酸化的脱水素化に供給される。
酸化的脱水素化の反応温度は、一般的に、反応管の周りに存在している熱交換剤によって制御される。そのような液状の熱交換剤として、例えば塩、例えば硝酸カリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウムおよび/または硝酸ナトリウムの溶融物、ならびに金属、例えばナトリウム、水銀および種々の金属の合金の溶融物が考慮される。しかし、またイオン液体または熱媒油も使用可能である。熱交換剤の温度は、220℃から490℃まで、好ましくは300℃から450℃まで、特に好ましくは350℃から420℃までである。
進行する反応が発熱性であるため、反応器内部の特定区間の温度は、反応の間、熱交換剤の温度より高い可能性があり、いわゆるホットスポットが生じる。ホットスポットの位置および高さは、反応条件によって定められるが、触媒層の希釈比によってか、または混合ガスの流量によって制御することもできる。ホットスポットの温度と熱交換剤の温度との差は、一般的に1℃から150℃まで、好ましくは10℃から100℃まで、特に好ましくは20℃から80℃までである。触媒床の端部の温度は、一般的に、熱交換剤の温度を0℃から100℃まで、好ましくは0.1℃から50℃まで、特に好ましくは1℃から25℃まで上回っている。
酸化的脱水素化は、先行技術から公知のあらゆる固定床反応器、例えば箱形炉、固定床管型反応器または管束反応器、またはプレート式熱交換器反応器で実施されてよい。管束反応器が好ましい。
好ましくは、酸化的脱水素化は、固定床反応器または固定床管束反応器で実施される。反応管は、(管束反応器の別の構成要素と同様に)、一般的に鋼製である。反応管の壁厚は、一般的に1mmから3mmまでである。その内径は、一般的に(一様に)10mmから50mmまでか、または15mmから40mmまで、しばしば20mmから30mmまでである。管束反応器内に収納される反応管の数は、一般的に、少なくとも1000個、または3000個、または5000個に達し、好ましくは少なくとも10000個に達する。しばしば、管束反応器内に収納される反応管の数は、15000個から30000個まで、または40000個まで、または50000個までである。反応管の長さは、通常の場合、数メートルに及び、一般的に、反応管長さは、1mから8mまで、しばしば2mから7mまで、多くの場合2.5mから6mまでである。
本発明を、以下において、図1から図5までに関連して詳述する。
ODH反応器1に組み込まれている触媒床は、1つの層から、または2つの層から、または一連のさまざまな層からなってよい(いわゆる規則床)。これらの層は、触媒からのみなるか、または出発ガスもしくは反応の生成ガスの成分と反応しない材料で希釈されていてよい。さらに、触媒層は、全活性材料(Vollmaterial)からなる成形体か、または担持されたシェル型触媒からなっていてよい。
酸化脱水素化を離れる生成ガス流2は、ブタジエンの他に、一般的に未反応の1−ブテンおよび2−ブテン、酸素ならびに水蒸気を含む。さらに、生成ガス流2は、副成分として一般的に、一酸化炭素、二酸化炭素、不活性ガス(主に窒素)、低沸点炭化水素、例えばメタン、エタン、エテン、プロパンおよびプロペン、ブタンおよびイソブタン、場合によって水素、ならびに場合によって酸素含有炭化水素、いわゆる酸素化物を含む。酸素化物は、例えばホルムアルデヒド、フラン、アセトアルデヒド、酢酸、無水マレイン酸、ギ酸、メタクロレイン、アクロレイン、プロピオンアルデヒド、メタクリル酸、クロトンアルデヒド、クロトン酸、プロピオン酸、アクリル酸、メチルビニルケトン、スチレン、ベンズアルデヒド、安息香酸、無水フタル酸、フルオレノン、アントラキノンおよびブチルアルデヒドであってよい。
反応器出口の生成ガス流2は、触媒床の端部の温度に近い温度であることを特徴としている。その場合、生成ガス流は、150℃から400℃まで、好ましくは160℃から300℃まで、特に好ましくは170℃から250℃までの温度にまで上げられる。所望の範囲の温度を保つために、生成ガス流が流れる配管を断熱するか、または熱交換器を使用することが可能である。この熱交換器系は、この系によって生成ガスの温度を所望の高さに保つことができるかぎりは任意である。熱交換器の例としては、スパイラル式熱交換器、プレート式熱交換器、二重管式熱交換器、多管式熱交換器、タンク・コイル式熱交換器(Kessel−Spiralwaermetaucher)、タンク・ジャケット式熱交換器、液・液接触熱交換器、空気熱交換器、直接接触式熱交換器ならびにフィンチューブ熱交換器を挙げることができる。生成ガスの温度が所望の温度に調節される間、生成ガス中に含まれている高沸点副生成物の一部が沈殿することがあるため、したがって、熱交換器系は、好ましくは2つまたは複数の熱交換器を有していることが望ましい。ここで、考えられる2つまたは複数の熱交換器は並列に配置されており、そのようにして、得られた生成ガスを熱交換器で分散させて冷却することが可能である場合、熱交換器内に堆積する高沸点副生成物の量が減少し、その結果、熱交換器の長時間運転を可能にすることができる。上述の手法の代替案として、考えられる2つまたは複数の熱交換器は、並列に配置されていてよい。生成ガスは、1つまたは複数の(ただし全てではない)熱交換器に供給され、これらの熱交換器は、ある一定の運転時間後に、別の熱交換器に切り替えられる。この手法の場合、冷却を継続し、反応熱の一部を回収することができ、それと並行して、熱交換器のうちの1つに堆積した高沸点副生成物を除去することができる。上述の有機溶媒としては、溶媒が高沸点副生成物を溶解できるかぎりは、その溶媒が使用されてよい。例えば、芳香族炭化水素溶媒、例えばトルエンおよびキシレン、ならびにアルカリ性水性溶媒、例えば水酸化ナトリウムの水溶液である。
続いて、生成ガス流2から、冷却および圧縮によって、高沸点副成分および水の大部分が分離される。冷却は、本発明によれば、水相および有機相を含む2相の冷却媒体との接触によって行われる。この段階は、以下において急冷段階とも呼ばれる。この急冷段階は、1つの段階(図1から図3までの3)からのみなるか、または複数の段階からなってよい(例えば図1から図3までの3、8)。つまり、生成ガス流2は、2相の冷却媒体6と直接接触して、それによって冷却される。有機相は、有機溶媒、好ましくは芳香族炭化水素、特に好ましくはトルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、メシチレン、モノエチルベンゼン、ジエチルベンゼンおよびトリエチルベンゼンのあらゆる考えられる構造異性体またはそれらの混合物を含む。さらに、1013.25hPaで120℃超の沸点を有する芳香族炭化水素またはそれらの混合物が好ましい。
一般的に、生成ガス2は、急冷段階3の前の熱交換器の存在および温度レベルに応じて、100℃から440℃までの温度を有している。生成ガスは、急冷段階3において、水相および有機相からなる冷却媒体と接触する。ここで、冷却媒体は、好ましくは、水相および有機相と生成ガスとの可能な限り効率的な混合を達成する一方、他方では2相の冷却媒体と生成ガスとの可能な限り効率的な混合を達成するためにノズルを通して導入される。同じ目的のために、急冷段階には、内部構造体、例えば生成ガスおよび冷却媒体がともに通過するさらなるノズルが導入されてよい。急冷段階への冷媒注入口は、冷媒注入口の領域での堆積による閉塞が最小限に抑えられるように設計されている。
一般的に、生成ガス2は、第一の急冷段階3において、5℃から180℃まで、好ましくは30℃から130℃まで、さらにより好ましくは50℃から110℃までに冷却される。注入口の冷却媒体6の温度は、一般的に5℃から200℃まで、好ましくは20℃から120℃まで、特に好ましくは30℃から90℃までであってよい。第一の急冷段階3における圧力は、特に制限されていないが、一般的に0.01bar(ゲージ圧)から5bar(ゲージ圧)まで、好ましくは0.1bar(ゲージ圧)から2bar(ゲージ圧)まで、特に好ましくは0.2bar(ゲージ圧)から3bar(ゲージ圧)までである。生成ガス中に比較的大量の高沸点副生成物が存在している場合、高沸点副生成物の重合、および高沸点副生成物によってこの方法区間で引き起こされる固形物の堆積が容易に起こりうる。一般的に、急冷段階3は、冷却塔として構成されている。冷却塔で使用される冷却媒体6は、急冷循環中を循環して使用される。循環は、好適なポンプによって保証することができる。急冷循環における冷却媒体の温度は、場合によって、熱交換器によって制御されてよい。冷却媒体の循環流(単位時間当たりのリットル)は、ブタジエンの質量流量(単位時間当たりのグラム)を基準として、一般的に0.0001l/gから5l/gまで、好ましくは0.001l/gから1l/gまで、特に好ましくは0.002l/gから0.2l/gまでであってよい。
底部における2相の冷却媒体6の温度は、一般的に15℃から210℃まで、好ましくは25℃から130℃まで、特に好ましくは35℃から95℃までであってよい。生成ガス2の温度、圧力および含水率に応じて、第一の急冷段階3において、さらに水が凝縮することがある。有機相および水相の副成分による負荷は、時間の経過とともに増加するため、冷却媒体の一部は、循環からパージ流6bとして取り除かれてよく、循環量は、比較的わずかに負荷された有機相5aおよび比較的わずかに負荷された水相4aの添加によって一定に保つことができる。排出量と添加量の比は、生成ガスの蒸気負荷および第一の急冷段階の端部の生成ガス温度によって異なる。供給位置および排出位置は、これ以上制限されない。それらの位置は、例えばポンプまたは熱交換器の前または後にあってよい。
急冷段階3の底部では、大部分が水性の相4が形成されてよく、この相は、さらに水溶性の副成分を含んでいてよい。この相は、図2に示される通り、急冷段階3の底部から取り出されて、返送されてよい。水相4は、図3に示される通り、さらなる相分離器で分離されてもよい。この相分離器は、例えば急冷循環の内部に存在していてよい。水相4は、少なくとも部分的に急冷段階に返送される。有機相5も、少なくとも部分的に急冷段階に返送される。パージ流6bの代わりにか、またはそれに加えて、水・パージ流4bおよび有機・パージ流5bが分離されてもよい。
好ましい実施形態では、急冷段階は2段階である(図1から図3までに記載の段階3および8aを含む)、つまり、段階Ca)は、2つの冷却段階Ca1)およびCa2)を含み、それらの段階において、生成ガス流bは、冷却媒体と接触する。本発明によれば、少なくとも第一の急冷段階の冷却媒体は2相である。2つの急冷段階は、別個の冷却塔または共通の冷却塔として存在していてよい。
ここで、冷却された、および場合によって副成分が減少した生成ガス流7aは、第二の急冷段階8aに供給される。この段階において、生成ガス流は、ここで再び冷却媒体11aと接触する。冷却媒体11aは、2相であってよく、水相および有機相を含んでいてよい。しかし、冷却媒体は、主に有機溶媒からなるか、または有機溶媒からのみなっていてもよい。
好ましくは、有機溶媒は、芳香族炭化水素、特に好ましくはトルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、メシチレン、モノエチルベンゼン、ジエチルベンゼンおよびトリエチルベンゼンのあらゆる考えられる構造異性体、ならびにモノイソプロピルベンゼン、ジイソプロピルベンゼンおよびトリイソプロピルベンゼンのあらゆる考えられる構造異性体またはそれらの混合物を含む。さらに、1013.25hPaで120℃超の沸点を有する芳香族炭化水素またはそれらの混合物が好ましい。第一の急冷段階におけるものと同一の有機溶媒であるのが好ましい。
一般的に、生成ガスは、第二の急冷段階8aのガス出口までに、5℃から100℃までに、好ましくは15℃から85℃までに、特に好ましくは20℃から70℃までに冷却される。冷媒は、生成ガスに対して向流で供給されてよい。この場合、冷媒注入口での冷却媒体11aの温度は、5℃から100℃まで、好ましくは15℃から85℃まで、特に好ましくは30℃から70℃までであってよい。第二の急冷段階8aにおける圧力は、特に制限されないが、一般的に0.01bar(ゲージ圧)から4bar(ゲージ圧)まで、好ましくは0.1bar(ゲージ圧)から2bar(ゲージ圧)まで、特に好ましくは0.2bar(ゲージ圧)から1bar(ゲージ圧)までである。第二の急冷段階8aは、好ましくは冷却塔として構成されている。冷却塔で使用される冷却媒体11aは、急冷循環を循環して使用される。冷却媒体11aの循環流量(単位時間当たりのリットル)は、ブタジエンの質量流量(単位時間当たりのグラム)を基準として、一般的に、0.0001l/gから5l/gまで、好ましくは0.001l/gから1l/gまで、特に好ましくは0.002l/gから0.2l/gまでであってよい。
冷却媒体11aの副成分による負荷は、時間の経過とともに増加するため、冷却媒体の一部は、循環からパージ流11baとして取り除かれてよく、循環量は、あまり負荷されていない有機相10aおよび場合によってあまり負荷されていない水相9aの添加によって一定に保つことができる。
底部における冷却媒体11aの温度は、一般的に20℃から210℃まで、好ましくは35℃から120℃まで、特に好ましくは45℃から85℃までであってよい。生成ガス7aの温度、圧力および含水率に応じて、第二の急冷段階8aにおいて、さらに水が凝縮することがある。この場合、底部では、さらなる水相が形成されてよい。水相は、さらなる相分離器で分離されてもよい。この相分離器は、例えば急冷循環の内部に存在していてよい。水相は、取り除かれるか、または少なくとも部分的に急冷段階に返送されてよい。代替的に、相分離器は、例えばパージ流11ba中に存在していてよい。
水相は、少なくとも部分的にパージ流として取り除かれるか、または少なくとも部分的に急冷段階に返送されてよい。同じく、有機相も少なくとも部分的にパージ流として取り除かれるか、または少なくとも部分的に急冷段階に返送されてよい。
それぞれの急冷段階の循環への供給位置および排出位置は、これ以上制限されない。それらの位置は、例えばポンプまたは熱交換器の前または後に存在していてよい。さらに、急冷循環における複数または1つの熱交換器の位置は、これ以上制限されない。部分的に相分離された急冷循環の場合、熱交換器は、1つまたは両方の循環に存在しているか、または循環が再び合してからはじめて存在していてよい。代替的に、熱交換器を全く使用せずに済まして、急冷冷却が冷媒の蒸発によってのみ行われてよい。さらに、循環ポンプの位置は、これ以上制限されない。相分離器が循環流中にある場合、例えば、ポンプは相分離器の前に存在しているか、またはポンプは、その都度、相分離された循環のそれぞれに存在していてよい。
生成ガスおよび冷却媒体の可能な限り良好な接触を達成するために、内部構造体が、第二の急冷段階8aに存在していてよい。そのような内部構造体は、例えばバブルキャップトレイ、遠心トレイ、および/またはシーブトレイ、構造化充填物、例えば100m2/m3から1000m2/m3までの比表面積を有するシートメタル充填物、例えばMellapak(登録商標)250Yを備える塔、および充填塔を含む。
急冷段階の冷媒循環は、互いに分離されていても、互いに連結されていてもよい。したがって、例えば流11baの一部は、流6に供給されて、流4aおよび/または5aに少なくとも部分的に代わることができる。循環流の所望の温度は、好適な熱交換器によって調節することができる。
つまり、本発明の好ましい実施形態では、冷却段階Ca)は二段階で実施され、ここで、第二の段階Ca2)の副成分で負荷された有機溶媒は、第一の段階Ca1)に運ばれる。第二の段階Ca2)から取り出された有機溶媒は、副成分を、第一の段階Ca1)から取り出された有機溶媒より少なく含んでいる。
段階Ca)は、段階Ca1)からCan)までの多段階で実施されてもよく、特に好ましくは3つの段階Ca1)、Ca2)およびCa3)の三段階で実施されてよい。ここで、冷却媒体の少なくとも一部は、第三の段階Ca3)を通過後、冷媒として第二の段階Ca2)に供給されてよい。
特に好ましい実施形態では、急冷段階は三段階で構成されている(図1から図3までに記載の段階3、8aおよび8bを含む)、つまり、段階Ca)は、3つの冷却段階Ca1)、Ca2)およびCa3)を含み、それらの段階において、生成ガス流bは、冷却媒体と接触する。本発明によれば、少なくとも冷却媒体は、第一の急冷段階では2相である。3つの冷却段階は、別個の冷却塔または共通の冷却塔に存在していてよい。
ここで、冷却された、場合によって副成分が減少した生成ガス流7aは、第二の急冷段階8aに供給され、場合によって副成分がさらに減少した生成ガス流7bは、第三の急冷段階8bに供給される。この急冷段階において、生成ガス流7bは、ここで再び冷却媒体11bと接触する。冷却媒体11bは、2相であってよく、水相および有機相を含んでいてよい。しかし、冷却媒体は、主に有機溶媒からなるか、または有機溶媒からのみなっていてもよい。
3つの急冷段階すべてにおいて、同一の有機溶媒であるのが好ましい。
3つの急冷段階の冷媒循環は、互いに分離されていても、互いに連結されていてもよい。
つまり、本発明の特に好ましい実施形態では、冷却段階Ca)は、三段階で実施され、ここで、第二の段階Ca2)の副成分で負荷された有機溶媒は、第一の段階Ca1)に運ばれて、第三の段階Ca3)の副成分で比較的わずかに負荷された有機溶媒は、第二の段階Ca2)に運ばれる。
別の実施形態では、第三の冷却段階Ca3)において、有機溶媒からなるか、または有機溶媒と水からなる混合物からの新たな冷却媒体(ここで、この冷却媒体は、まだ副成分で負荷されていない)は、シングルパスで、向流で冷却段階に供給される。新たな冷却媒体は、急冷段階で除去される副成分でまだ負荷されていないため、冷却塔の塔頂生成物中の、生成ガス中では不所望の副成分のさらなる減少が達成される。
冷却段階Ca3)における冷却塔の設計に必要な液体負荷を保証するために、この冷却段階Ca3)の直径は、冷却段階Ca1)およびCa2)の直径より小さく選択されてよい。冷却段階Ca3)における必要な液体負荷が、直径の減少によって達成できない場合、この区間における液体負荷は、冷却媒体のポンプ圧送によって相応に高められる。
本発明の実施形態では、第一の冷却段階Ca1)は、並列かつ2つが交換可能に構成されている。通常運転では、2つの並列の冷却段階のうちの1つしか運転されない一方、もう1つは、洗浄作業のために運転休止であるか、または予備として使用可能である。
急冷段階からの液状成分のオフガス配管へのエントレーンメント(Mitriss)を最小限に抑えるために、好適な構造上の対策を講じることができる(例えばデミスターの取り付け)。さらに、急冷段階内で生成ガスから分離されないその他の高沸点物質は、別の構造上の対策、例えばさらなるガス洗浄によって生成ガスから取り除くことができる。
n−ブタン、1−ブテン、2−ブテン、ブタジエン、場合によって酸素、水素、水蒸気、少量のメタン、エタン、エテン、プロパンおよびプロペン、イソブタン、炭素酸化物、不活性ガス、および急冷段階で使用される溶媒の一部を含むガス流12が得られる。さらに、このガス流12中には、急冷段階において定量的に分離されなかった、微量の高沸点成分が残留していることがある。
続いて、高沸点の副成分が減少している、冷却工程Ca)からのガス流bは、工程Cb)において、少なくとも2つの圧縮段階Cba)で、および少なくとも2つの冷却段階Cbb)で、2相の冷却媒体と接触することによって冷却される。
冷媒急冷からの生成ガス流12は、図4に示される通り、少なくとも2つの圧縮段階13および13aにおいて圧縮されて、その後、冷却装置16および16aでさらに冷却される。
ガス流12の圧縮および冷却は、少なくとも2段階で行われる。一般的に、総じて、1.0bar(絶対圧)から4.0bar(絶対圧)までの範囲の圧力から、3.5bar(絶対圧)から20bar(絶対圧)までの圧力に圧縮される。圧縮段階それぞれに冷却段階が続き、この冷却段階において、ガス流は、15℃から60℃までの範囲の温度に冷却される。
流14および14aを直接冷却するために、ならびに流14および14aからのさらなる副成分を除去するために、流14および14aは、冷媒15および15aと接触する。冷却媒体15および15aは、2相であり、水相および有機相を含む。有機相は、好ましい実施では、急冷冷媒6、11aおよび11bと同一の有機溶媒を含む。冷却によって、水、ならびに急冷段階で使用される有機溶媒および場合によってさらなる副成分が凝縮する。冷媒15および15aの副成分による負荷は、時間の経過とともに増加するため、負荷された冷媒の一部は、流15bおよび15abとして循環から取り除かれて、冷媒の循環量は、あまり負荷されていない冷媒15aおよび15aaの添加によって一定に保つことができる。
冷媒15および15aは、熱交換器内で冷却されて、冷媒として装置16および16aに返送されてよい。
凝縮液流15bおよび15abは、流5aおよび/または10aおよび/または10bに供給されてよく、したがって、急冷段階の循環流6および/または11aおよび/または11bに返送されてよい。それによって、凝縮液流15bおよび15abに吸収されたC4成分は、再びガス流に導入され、それによって収率を高めることができる。
ブタジエン、1−ブテン、2−ブテン、酸素、水蒸気、場合によって低沸点炭化水素、例えばメタン、エタン、エテン、プロパンおよびプロペン、ブタンおよびイソブタン、場合によって炭素酸化物、および場合によって不活性ガスを含むガス流17が残っている。さらに、この生成ガス流は、微量の高沸点成分をなおも含むことがある。
好適な圧縮機は、例えばターボ圧縮機、スクリュー圧縮機、回転ピストン式圧縮機、および往復圧縮機である。圧縮機は、例えば電動機、エキスパンダまたはガスまたは蒸気タービンで動かすことができる。1つの圧縮機段当たりの一般的な圧縮比(出口圧:入口圧)は、構造に応じて1.5から3.0までである。
生成物容量が大きく、圧縮される処理量が多い一般的な商業用プラントの場合、好ましくはターボ圧縮機が使用される。
冷媒の圧縮機段の吸引管への供給は、根本的にあらゆる圧縮機の種類で可能である。好ましいターボ圧縮機の場合、ハウジングへの供給も可能である。
ブタジエン、n−ブテン類、酸素、低沸点炭化水素(メタン、エタン、エテン、プロパン、プロペン、n−ブタン、イソブタン)、場合によって水蒸気、場合によって炭素酸化物、ならびに場合によって不活性ガス、および場合によって微量の副成分を含むガス流17は、出発流としてさらなる後処理に供給される。
図5に示される工程D)では、酸素、低沸点炭化水素(メタン、エタン、エテン、プロパン、プロペン)、炭素酸化物および不活性ガスを含む凝縮不可能かつ低沸点のガス成分は、吸収塔において、C4炭化水素を高沸点吸収剤(29および/または31)に吸収させ、それに続いてC4炭化水素を脱着することによってガス流としてプロセスガス流17から分離される。好ましくは、工程D)は、図5に示される通り、以下の工程Da)からDc)まで:
Da)ブタジエンおよびn−ブテン類を含むC4炭化水素を高沸点吸収剤(29および/または31)に吸収させ、ここで、C4炭化水素で負荷された吸収剤流とガス流20とを得る工程、
Db)工程Da)のC4炭化水素で負荷された吸収剤流から、凝縮不可能なガス流19によるストリッピングによって酸素を除去し、ここで、C4炭化水素で負荷された吸収剤流21を得る工程、および
Dc)C4炭化水素を、負荷された吸収剤流から脱着し、ここで、実質的にC4炭化水素からなるC4生成ガス流32を得る工程
を含む。
これに関して、吸収段階18において、ガス流17は、不活性の吸収剤と接触して、C4炭化水素は不活性の吸収剤に吸収され、ここで、C4炭化水素で負荷された吸収剤および残りのガス成分を含むオフガス20が得られる。脱着段階において、C4炭化水素は、高沸点吸収剤から再び放出される。
吸収段階は、あらゆる任意の、当業者に公知の好適な吸収塔で実施されてよい。吸収は、生成ガス流を吸収剤に単に通すことによって行われてよい。しかし、吸収は、塔または回転吸収装置(Rotationsabsorber)で行われてもよい。ここで、並流、向流または交流で実施されてよい。好ましくは、吸収は向流で実施される。好適な吸収塔は、例えばバブルキャップトレイ、遠心トレイおよび/またはシーブトレイを備える棚段塔、構造化充填物、例えば100m2/m3から1000m2/m3までの比表面積を有するシートメタル充填物、例えばMellapak(登録商標)250Yを備える塔、および充填塔である。しかし、細流塔(Rieselturm)および噴霧塔、グラファイトブロック吸収装置(Graphitblockabsorber)、表面吸収装置、例えば厚膜および薄膜吸収装置(Dickschicht und Duennschichtabsorber)、ならびに回転塔、ディスクスクラバー、クロススプレースクラバー(Kreizschleierwaescher)および回転スクラバーも考慮される。
1つの実施形態では、吸収塔に、下部領域で、ブタジエン、n−ブテン類および低沸点かつ凝縮不可能なガス成分を含むガス流17が供給される。吸収塔の上部領域に、高沸点吸収剤(29および/または31)が送り込まれる。
吸収段階で使用される不活性の吸収剤は、一般的に高沸点の非極性溶媒であり、分離されるC4炭化水素混合物は、この溶媒中で、残りの分離されるガス成分より明らかに高い溶解度を有している。好適な吸収剤は、比較的非極性の有機溶媒であり、例えば、脂肪族C8〜C18アルカン、または芳香族炭化水素、例えば、パラフィン蒸留からの中油留分、トルエン、または嵩高い基を有するエーテル、またはこれらの溶媒の混合物であり、ここで、これらの溶媒に、極性溶媒、例えば1,2−ジメチルフタレートが加えられていてよい。好適な吸収剤は、さらに安息香酸およびフタル酸と直鎖C1〜C8アルカノールとのエステル、ならびにいわゆる熱媒油、例えばビフェニルおよびジフェニルエーテル、そのクロロ誘導体ならびにトリアリールアルケンである。好適な吸収剤は、ビフェニルおよびジフェニルエーテルからなる混合物(好ましくは共沸組成物)、例えば市販のDiphyl(登録商標)である。しばしば、この溶媒混合物は、ジメチルフタレートを0.1質量%から25質量%までの量で含む。
好ましい実施形態では、吸収段階Da)において、冷却段階Ca)と同一の溶媒が使用される。
好ましい吸収剤は、少なくとも1000ppm(活性酸素mg/溶媒kg)の有機過酸化物に対する溶解力を有している溶媒である。好ましい実施形態では、吸収のための溶媒として、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、メシチレンまたはそれらの混合物が使用される。
吸収塔18の頂部では、オフガス流20が取り出され、このオフガス流は、実質的に酸素、低沸点炭化水素(メタン、エタン、エテン、プロパン、プロペン)、場合によってC4炭化水素(ブタン、ブテン、ブタジエン)、場合によって不活性ガス、場合によって炭素酸化物、および場合によってさらに水蒸気を含む。この物質流は、部分的にODH反応器に供給されてよい。したがって、例えばODH反応器の流入流は、所望のC4炭化水素含有率に調節される。
吸収塔の底部では、別の塔においてガス19による洗浄によって、吸収剤中に溶解された酸素の残分が排出される。残留している酸素含分は少ないことが望ましいため、脱着塔を離れる、ブタン、ブテンならびにブタジエンを含む流32は、酸素を最大で100ppmしか含まない。
工程Db)における酸素のストリッピング除去は、あらゆる任意の、当業者に公知の好適な塔で実施されてよい。ストリッピングは、凝縮不可能なガス、好ましくは不活性ガス、例えば窒素を、負荷された吸収溶液に単に通すことによって行うことができる。ストリッピング除去されたC4炭化水素によって、吸収塔18の上部では、ガス流がこの吸収塔に返送されることによって、吸収溶液に戻して洗浄される。これは、ストリッピング塔の配管によって行われてもよく、ストリッピング塔を吸収塔の下部に直接取り付けることによって行われてもよい。ストリッピング塔部および吸収塔部における圧力は、本発明によれば同じであるため、この直接連結が行われてよい。好適なストリッピング塔は、例えばバルブキャップトレイ、遠心トレイおよび/またはシーブトレイを備える棚段塔、構造化充填物、例えば100m2/m3から1000m2/m3までの比表面積を有するシートメタル充填物、例えばMellapak(登録商標)250Yを備える塔、および充填塔である。しかし、細流塔および噴霧塔、ならびに回転塔、ディスクスクラバー、クロススプレースクラバーおよび回転スクラバーも考慮される。好適なガスは、例えば窒素またはメタンである。
4炭化水素で負荷された吸収剤流21は、熱交換器で加熱され、続いて流25として脱着塔26に導入されてよい。1つの方法変法では、脱着工程Dc)は、負荷された吸収剤の放圧および/または加熱によって実施される。好ましい方法変法は、脱着塔26の底部で供給される蒸気流24を利用することである。
脱着段階で再生された吸収剤は、流27として、凝縮された水とともに脱着塔26から取り出される。この2相の混合物は、熱交換器で冷却されて、流28として、デカンタ22で水性流と吸収剤流29とに分離されてよい。吸収剤流29は、再び吸収塔18に供給される一方、水性流は、蒸発器で蒸発し、それによって流24が生成される。それに加えて、またはそれに代わって、さらなる水(流30)が蒸発器で蒸発してよい。
プロセスガス流中に存在している低沸点成分、例えばエタンまたはプロパンならびに高沸点成分、例えばベンズアルデヒド、無水マレイン酸および無水フタル酸は、循環流中に蓄積してよい。蓄積を制限するために、パージ流23が取り除かれてよい。
実質的にn−ブタン、n−ブテン類およびブタジエンからなるC4生成ガス流32は、一般的にブタジエンを20体積%から80体積%まで、n−ブタンを0体積%から80体積%まで、1−ブテンを0体積%から10体積%まで、および2−ブテンを0体積%から50体積まで含み、ここで、総量は100体積%になる。さらに、少量のイソブタンが含まれていてよい。
凝縮された、主にC4炭化水素を含む、脱着塔の頂部流出物の一部は、塔の分離性能を高めるために、流35として塔頂に返送される。
続いて、凝縮器を離れる液状(流33)もしくは気体状(流34)のC4生成流は、工程E)における抽出蒸留によって、ブタジエンのための選択溶媒を用いて、ブタジエンおよび選択溶媒を含む物質流と、n−ブテン類を含む物質流とに分別される。
抽出蒸留は、例えば「Erdoel und Kohle−Erdgas−Petrochemie」、Band 34(8)、343〜346ページ、または「Ullmanns Enzyklopaedie der Technischen Chemie」、Band 9、4th edition 1975、1〜18ページに記載の通りに実施されてよい。そのために、C4生成ガス流は、抽出剤、好ましくはN−メチルピロリドン(NMP)/水混合物と、抽出帯域で接触する。抽出帯域は、一般的に、棚段、不規則充填物または規則充填物を内部構造体として含む洗浄塔の形態で構成されている。この洗浄塔は、一般的に30段から70段までの理論段数を有し、それによって充分に良好な分離作用が達成される。好ましくは、洗浄塔は、塔頂に逆流洗浄帯域を有している。この逆流洗浄帯域は、気相中に含まれる抽出剤を、液状の炭化水素還流を使用して回収するために用いられ、そのために、塔頂留分は、あらかじめ凝縮される。抽出帯域の供給流中の抽出剤対C4生成ガス流の質量比は、一般的に10:1から20:1までである。抽出蒸留は、好ましくは100℃から250℃までの範囲、特に110℃から210℃までの範囲の底部温度、10℃から100℃までの範囲、特に20℃から70℃までの範囲の頂部温度、および1barから15barまでの範囲、特に3barから8barまでの範囲の圧力で運転される。抽出蒸留塔は、好ましくは5段から70段までの理論段数を有している。
好適な抽出剤は、ブチロラクトン、ニトリル、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル、ケトン、例えばアセトン、フルフラール、N−アルキル置換低級脂肪族酸アミド、例えばジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、N−ホルミルモルホリン、N−アルキル置換環状酸アミド(ラクタム)、例えばN−アルキルピロリドン、特にN−メチルピロリドン(NMP)である。一般的に、アルキル置換低級脂肪酸アミドまたはN−アルキル置換環状酸アミドが使用される。ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、フルフラールおよび特にNMPが特に有利である。
しかし、これらの抽出剤の互いの混合物、例えばNMPとアセトニトリルの混合物、これらの抽出剤と助溶剤および/またはtert−ブチルエーテル、例えばメチル−tert−ブチルエーテル、エチル−tert−ブチルエーテル、プロピル−tert−ブチルエーテル、n−ブチル−tert−ブチルエーテルまたはイソブチル−tert−ブチルエーテルとの混合物が使用されてもよい。NMP、好ましくは水溶液としてのNMP、好ましくは0質量%から20質量%までの水、特に好ましくは7質量%から10質量%までの水、特に8.3質量%の水を有するNMPが特に好適である。
抽出蒸留塔の頂部生成流は、実質的にブタンおよびブテンおよび少量のブタジエンを含んでおり、気体状または液状で取り出される。一般的に、実質的にn−ブタンおよび2−ブテンからなる流は、n−ブタンを100体積%まで、2−ブテンを0体積%から50体積%まで、および別の成分、例えばイソブタン、イソブテン、プロパン、プロペンおよびC5 +炭化水素を0体積%から3体積%まで含む。
実質的にn−ブタンおよび2−ブテンからなる流は、すべてまたは部分的にODH反応器のC4供給物に供給されてよい。この返送流のブテン異性体は、実質的に2−ブテンからなり、2−ブテンは、一般的に酸化的脱水素化してブタジエンになるのが1−ブテンより遅いため、この返送流は、ODH反応器に供給される前に、触媒により異性化されてよい。それによって、異性体分布は、熱力学的平衡にある異性体分布に相応して調節することができる。
工程F)では、ブタジエンおよび選択溶媒を含む物質流は、実質的に選択溶媒からなる物質流と、ブタジエンを含む物質流とに蒸留分離される。
抽出蒸留塔の底部で得られる物質流は、一般的に抽出剤、水、ブタジエンおよび少ない含分のブテンおよびブタンを含み、蒸留塔に供給される。この蒸留塔では、頂部を介してか、または側方排出流としてブタジエンを得ることができる。蒸留塔の底部には、抽出剤および場合によって水を含む物質流が生じ、ここで、抽出剤および水を含む物質流の組成は、抽出に添加されるものの組成に相当する。抽出剤および水を含む物質流は、好ましくは抽出蒸留に返送される。
ブタジエンが、側方排出口を介して得られる場合、そのようにして取り出される抽出溶液は脱着帯域に運ばれ、ここで、抽出溶液からブタジエンが、再度脱着されて逆流洗浄される。脱着帯域は、例えば洗浄塔の形態で構成されていてよく、2段から30段まで、好ましくは5段から20段までの理論段を有し、場合によって例えば4段の理論段を備える逆流洗浄帯域を有している。この逆流洗浄帯域は、気相中に含まれる抽出剤を、液状の炭化水素還流を使用して回収するために用いられ、そのために、頂部留分は、あらかじめ凝縮される。内部構造体として、規則充填物、棚段または不規則充填物が考えられる。蒸留は、好ましくは100℃から300℃までの範囲、特に150℃から200℃までの範囲の底部温度、および0℃から70℃までの範囲、特に10℃から50℃までの範囲の頂部温度で実施される。ここで、蒸留塔内の圧力は、好ましくは1barから10barまでの範囲である。一般的に、脱着帯域では、抽出帯域と比べて減少した圧力および/または高められた温度が存在している。
塔頂で得られる有価生成物は、一般的にブタジエンを90体積%から100体積%まで、2−ブテンを0体積%から10体積%まで、n−ブタンおよびイソブタンを0体積%から10体積%まで含む。ブタジエンをさらに後処理するために、先行技術によるさらなる蒸留が実施されてよい。
本発明の実施形態による図 本発明の実施形態による図 本発明の実施形態による図 本発明の実施形態による図 本発明の実施形態による図
実施例
比較例
n−ブテン類から年間約130000トンの1,3−ブタジエンを生成するための商業用プラントにおいて、粗製ガスを約1.5barから約10barに圧縮するために、約0.3barの圧力損失を有する慣用の段階冷却器を備える3段ターボ圧縮機を使用する。
Figure 2017529374
圧縮機の総消費動力は、9020kWである。

n−ブテン類から年間約130000トンの1,3−ブタジエンを生成するための商業用プラントにおいて、粗製ガスを圧縮するために、約0.03barの圧力損失を有する本発明による急冷塔を直接冷却器として備える三段ターボ圧縮機を使用する。個々の圧縮機段のハウジングに、さらに連続的にそれぞれ1200kg/hの量の水を注入する。
Figure 2017529374
圧縮機の総消費動力は、8071kWである。
これらの例から、本発明の特徴の、段出口温度および圧縮機動力への好影響が読み取れる。工業用プラントの運転経験によれば、圧縮機出口温度の10℃の低下は、すでに当該装備部分における重合傾向/ファウリング挙動の半減、およびそれによって圧縮機区間の運転時間の倍増が結果として伴うことに留意されたい。
1 OHD反応器、 2 生成ガス流、 3 第一の急冷段階、 4a 比較的わずかに負荷された水相、 5a 比較的わずかに負荷された有機相、 6 冷却媒体、 7a 冷却された、および場合によって副成分が減少した生成ガス流、 7b 場合によって副成分がさらに減少した生成ガス流、 8a 第二の急冷段階、 8b 第三の急冷段階、 9a 負荷の少ない水相、 10a 負荷の少ない有機相、 10b 流、 11a 冷却媒体、 11b 冷却媒体、 11ba パージ流、 12 ガス流、 13 圧縮段階、 14 流、 15 冷媒、 15a 負荷の少ない冷媒、 15b 流、 16 冷却装置、 17 ガス流、 18 吸収段階、 19 ガス流、 20 ガス流、 21 C4炭化水素で負荷された吸収剤流、 22 デカンタ、 23 パージ流、 24 蒸気流、 25 流、 26 脱着塔、 27 流、 28 流、 29 吸収剤流、 30 さらなる水(流)、 31 高沸点吸収剤、 32 C4生成ガス流、 33 液状のC4生成流、 34 気体状のC4生成流、 35 流

Claims (21)

  1. 以下の工程A)からF)まで:
    A)n−ブテン類を含む出発ガス流aを準備する工程、
    B)n−ブテン類を含む出発ガス流aおよび少なくとも酸素含有ガスを、少なくとも1つの酸化的脱水素化帯域に供給し、n−ブテン類を酸化的脱水素化してブタジエンにし、ここで、ブタジエン、未反応のn−ブテン類、水蒸気、酸素、低沸点炭化水素、高沸点副成分、場合によって炭素酸化物、および場合によって不活性ガスを含む生成ガス流bを得る工程、
    Ca)生成ガス流bを、少なくとも1つの冷却帯域で冷却媒体と接触させることによって冷却する工程、ここで、冷却媒体は、少なくとも部分的に返送され、かつ水相および有機相を有するものである、
    Cb)冷却された、および場合によって高沸点副成分が減少した生成ガス流bを、少なくとも1つの圧縮段階で圧縮し、ここで、少なくとも1つの水性の凝縮液流c1と、ブタジエン、n−ブテン類、水蒸気、酸素、低沸点炭化水素、場合によって炭素酸化物、および場合によって不活性ガスを含むガス流c2とを得る工程、
    D)ガス流c2から、ブタジエンおよびn−ブテン類を含むC4炭化水素を吸収剤に吸収させることによって、酸素、低沸点炭化水素、場合によって炭素酸化物、および場合によって不活性ガスを含む凝縮不可能かつ低沸点のガス成分をガス流d2として分離し、ここで、C4炭化水素で負荷された吸収剤流とガス流d2とを得て、続いて、負荷された吸収剤流からC4炭化水素を脱着し、ここで、C4生成ガス流d1を得る工程、
    E)C4生成流d1を、ブタジエンのための選択溶媒を用いる抽出蒸留によって、ブタジエンおよび選択溶媒を含む物質流e1と、n−ブテン類を含む物質流e2とに分別する工程、
    F)ブタジエンおよび選択溶媒を含む物質流e1を蒸留して、実質的に選択溶媒からなる物質流f1と、ブタジエンを含む物質流f2とにする工程
    を含む、n−ブテン類からブタジエンを製造するための方法において、
    段階Cb)は、少なくとも2つの圧縮段階Cba)と、急冷塔として構成されている少なくとも2つの冷却段階Cbb)とを含み、ここで、冷却段階において、水相および有機相を有する2相の冷却媒体と直接接触させることによって冷却を行うことを特徴とする、前記方法。
  2. 段階Cb)は、少なくとも3つの圧縮段階Cba)と、少なくとも3つの冷却段階Cbb)とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 冷却段階Cbb)の急冷塔の1つまたは複数は、底部領域で円錐状に先細りしており、その結果、2相の冷却媒体の水相および有機相への分離が阻止されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 圧縮段階Cba)に、水相および有機相を有する冷媒を連続的または不連続的に供給することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記冷媒を圧縮段階Cba)の少なくとも1つの圧縮機の吸引管に供給することを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 前記冷媒を圧縮段階Cba)の少なくとも1つの圧縮機のハウジングに供給することを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  7. 前記冷媒は、水であることを特徴とする、請求項4から6までのいずれか1項に記載の方法。
  8. 冷却段階Cbb)および場合によって圧縮段階Cba)で使用される2相の冷却媒体は、水と、トルエン、o−キシレン、m−キシレンおよびp−キシレン、メシチレン、モノエチルベンゼン、ジエチルベンゼンおよびトリエチルベンゼン、モノイソプロピルベンゼン、ジイソプロピルベンゼンおよびトリイソプロピルベンゼンおよびそれらの混合物から選択される有機溶媒とを含むことを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
  9. 冷却段階Cbb)において、前記冷却媒体中の水相対有機相の質量比は、前記生成ガス流との接触前の冷却帯域への供給時に0.013:1から100:1までであることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
  10. 段階Ca)を、3つの段階Ca1)、Ca2)およびCa3)において3つの冷却帯域で実施することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
  11. 段階Ca)の少なくとも1つにおいて、前記冷却媒体中の水相対有機相の質量比は、前記生成ガス流との接触前の冷却帯域への供給時に0.013:1から100:1までであることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
  12. 第二の段階Ca2)からの高沸点副成分で負荷された有機溶媒を、第一の段階Ca1)に運び、第三の段階Ca3)からの高沸点副成分で比較的わずかに負荷された有機溶媒を、第二の段階Ca2)に運ぶことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. 第三の冷却段階Ca3)において、まだ高沸点副成分で負荷されていない新たな冷媒を、シングルパスで、向流で前記冷却段階に供給することを特徴とする、請求項11または12に記載の方法。
  14. 冷却段階Ca3)の直径は、冷却段階Ca1)およびCa2)の直径より小さいことを特徴とする、請求項11から13までのいずれか1項に記載の方法。
  15. 第一の冷却段階Ca1)は、並列かつ2つが交換可能に構成されていることを特徴とする、請求項11から14までのいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記冷却媒体を、1つまたは複数のノズルを通して冷却段階Ca)およびCbb)の冷却帯域に供給することを特徴とする、請求項1から15までのいずれか1項に記載の方法。
  17. 1つまたは複数の前記ノズル内で流が生成され、この流において、前記冷却媒体の2つの相のレイノルズ数Reは少なくとも100であることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
  18. 冷却段階Cbb)および冷却段階Ca)の2相の冷却媒体は、同一の有機溶媒を含むことを特徴とする、請求項1から17までのいずれか1項に記載の方法。
  19. 工程D)は、以下の工程Da)からDc)まで:
    Da)ブタジエンおよびn−ブテン類を含むC4炭化水素を高沸点吸収剤に吸収させ、ここで、C4炭化水素で負荷された吸収剤流とガス流d2とを得る工程、
    Db)工程Da)のC4炭化水素で負荷された吸収剤流から、凝縮不可能なガス流によるストリッピングによって酸素を除去する工程、および
    Dc)前記負荷された吸収剤流からC4炭化水素を脱着し、ここで、酸素を100ppm未満含むC4生成ガス流d1を得る工程
    を含むことを特徴とする、請求項1から18までのいずれか1項に記載の方法。
  20. 工程Da)で使用される高沸点吸収剤は、芳香族炭化水素溶媒であることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
  21. 以下の構成要素I)からVII)まで:
    I)n−ブテン類を含む出発ガス流ならびに少なくとも酸素含有ガスを供給するための少なくとも1つの導管を備え、かつブタジエン、未反応のn−ブテン類、水蒸気、酸素、低沸点炭化水素、高沸点副成分、場合によって炭素酸化物、および場合によって不活性ガスを含む生成ガス流のための少なくとも1つの排出管を備える、n−ブテン類を酸化的脱水素化してブタジエンにするための反応器、
    II)生成ガス流を冷却媒体と直接接触させることによって冷却するための冷媒循環を備える装置、ここで、冷却媒体は、少なくとも部分的に返送可能である、
    III)以下
    IIIa)少なくとも2つの圧縮段階、
    IIIb)急冷塔として構成されている、冷媒循環を備える少なくとも2つの冷却段階
    を含む冷却された生成ガス流を圧縮するための装置、
    IV)凝縮不可能かつ低沸点のガス成分を、ブタジエンおよびn−ブテン類を含むC4炭化水素のための吸収剤を含むC4炭化水素流から分離するための装置、
    V)C4炭化水素で負荷された吸収剤流からC4炭化水素を脱着するための装置、
    VI)ブタジエンおよびn−ブテン類を含むC4炭化水素を、ブタジエンのための選択溶媒を含む抽出蒸留によって分離するための装置、
    VII)ブタジエンおよび選択溶媒を含む物質流を蒸留するための装置
    を備える、請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法を実施するための設備。
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