JP2017526755A - ユウロピウムをドープしたセシウムブロモヨージドシンチレーターおよび改善された変換効率を有する検出器 - Google Patents

ユウロピウムをドープしたセシウムブロモヨージドシンチレーターおよび改善された変換効率を有する検出器 Download PDF

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Abstract

50℃から280℃の温度でCsBrxI(1-x):Eu材料をアニーリングすることにより得られるユウロピウムをドープしたCsBrxI(1-x)(CsBrxI(1-x):Eu、ここでx<0.5)を含んでなるシンチレーターは、そのようにして得たシンチレーターのEPRスペクトルが、室温で34GHzの周波数で測定した時に1200mTの磁場で極大のシグナル高を示し、1090mTおよび1140mTでこのシグナル高は40%を越えないことを特徴とし、ここで1200mTでの正規化シグナル高パーセントが100%になるように計算される。このシンチレーターは高エネルギー放射検出およびラジオグラフィー造影装置に有用である。【選択図】図1

Description

本発明は、ユウロピウムをドープしたCsBrx(1-x)(CsBrx(1-x):Eu)を含んでなるシンチレーターに関する。このシンチレーターは高エネルギー放射検出用の高い変換効率、および低い残光を示す。したがって本発明はまた、高い変換効率を有するCsBrx(1-x):Euシンチレーターを含んでなるデジタルラジオグラフィー平面型検出器(FPD)および高エネルギー放射検出器に関する。本発明は、特に高品質の画像が重要であるX−線造影分野、ならびに高エネルギー放射検出の応用に有用である。
無機シンチレーターは、X−線またはガンマ線を使用するほとんどの現在の医療用画像診断機器で使用されている。
X−線検出器であるデジタルラジオグラフィー(DR)平面型検出器(FPD)では、検査手順の間に被写体から、または調査すべき患者の身体部分からの画像を撮るが、シンチレーターがX−線を光に変換するために使用される。この光はアモルファスシリコン(a−Si)半導体センサー層と相互作用し、ここで電荷が生じる。この電荷は一列に並んだ薄膜トランジスタ(TFT)に集められる。トランジスタは横列単位(row by row)および縦列単位(column by column)でスイッチが入れられて読み取り、そして集めた電荷は電圧に変換され、これがデジタル数に変換されてコンピューターに記憶されて、照射された被写体の影画に対応するデジタル画像を作製する。X−線を電荷に変換するこの方法を間接変換型ダイレクトラジオグラフィー(ICDR)と呼ぶ。ICDRで使用するための一般的なシンチレーティング材料は、タリウムをドープしたセシウムヨージド(CsI:Tl)である。
またシンチレーターは、特に光電子増倍管(PMT)と組み合わせて高エネルギー放射の検出に有用である。高エネルギー照射がシンチレーター材料と相互作用する時、PMTを活性化できる光子が生じる。このシンチレーション光は等方的に発光するので、シンチレーターは一般に反射性材料により囲まれて光の損失が最少とされ、次いでPMTの光電陰極に光学的につながれる。光電陰極に入射したシンチレーション光子は、光電効果を介して電子を遊離させ、そしてこれらの光電子は次にPMTの強い電場により加速される。生成される出力シグナルは、シンチレーターのガンマ線のエネルギーに比例する。シンチレーターおよびPMTに基づく高エネルギー放射検出器は、ガンマ線カメラおよびポジトロンスキャナー(ポジトロン放射型断層法および単光子放射型コンピューター断層法)での放射の検出に有用である。また高エネルギー放射検出器は、活性化分析、X−線蛍光分析、透過型電子顕微鏡検査法(TEM)、飛行時間型質量分析法(TOF MS)、高エネルギー物理衝突検出および宇宙線の検出で放射を測定するためのシンチレーション計数モードでも使用される。光電子増倍管(PMT)と結合したシンチレーターは、放射能汚染を検出するためのサーベイメーターに、核物質のモニタリングおよび試験に使用される。
またシンチレーターは、セキュリティ、手荷物積み荷および個体のスクリーニングにも使用される。シンチレーターの別の重要な応用は、身体の安全のための線量計での線量測定法である。線量計は、身体、組織および物質により受ける放射線量、間接的または直接的非電離放射線から受ける放射線量を測定するために使用される。線量計または他の放射検出デバイスが高い感度を有し、そしていかなるレベルの放射も検出できることが大変重要である。
シンチレーション変換は比較的複雑なプロセスであり、これは一般に3つのサブプロセス;変換、移動および発光に分けることができる。これらの3つの工程がシンチレーター材料の発光効率を決定する。これに関して、アクチベーター要素をドープした無機物質結晶からできた構造化シンチレーター、例えばタリウムをドープしたナトリウムヨージド(NaI:Tl)またはタリウムをドープしたセシウムヨージド(CsI:Tl)が開発され、より高エネルギーのX−またはγ−線(高エネルギー:〜1Mev未満)を検出およびモニタリングでき、そして(X−またはγ−線)光子計数法(regime)に採用されることが可能になった。
シンチレーターの発光現象のメカニズムは、初期の変換段階がなされた直後に届く生成光が蓄積することからなり、そして変換効率を定める最も重要なパラメーターは:(1)光収率または変換効率;(2)X−線阻止能;(3)減衰時間;(4)シンチレーター発光スペクトルと感光検出器の分光感度との間のスペクトルマッチ;(5)シンチレーターの化学的安定性および放射抵抗;および(6)エネルギー分解能である。シンチレーターの変換効率は、相対的方法で測定することができ、すなわち実験下のシンチレーターの発光を測定し、そして結果を参照として既知の標準シンチレーターの測定値を比較することによる。シンチレーターの変換効率を改善することにより、より良い画像品質およびより短い画像収集時間が得られる。
変換効率に関して、多くのシンチレーターの応用において既知のCsI:Tlの利点にもかかわらず、高速ラジオグラフィーおよび放射核種造影において、その使用を害する独自の特性は、そのシンチレーション減衰における強い残光成分の存在である。これは高計数率の応用ではパルスパイルアップを、放射性核種造影では低下したエネルギー解像を、そしてコンピューター断層法の応用では再構成された人工産物(artefact)を引き起こす。CsI:Tlの別の欠点は、極めて毒性なTlの存在である。この大変毒性なTlは、CsI:Tl基材シンチレーターの製造では重要な安全性の問題を表す。シンチレーターとPMTとの組み合わせに基づく高エネルギー放射検出器に関して、550nmでその極大を有するCsI(Tl)の発光スペクトルは、400から450nmの間に極大を有するPMTの光電陰極の分光感度にそれほど良く合っていない。
高いヨウ化物含量(x<0.5)を有するユウロピウムをドープしたセシウムブロモヨージド(CsBrx(1-x):Eu)基材シンチレーターは、大変低い残光レベルを表し、高い毒性Tlアクチベーターを含まず、しかもそれらの発光スペクトルはPMTの光電陰極の分光感度に良く合っている。しかしCsBrx(1-x):Eu基材シンチレーターは、高い変換効率を示さない。すなわち容易かつ信頼性のある様式でCsBrx(1-x):Euの変換効率を上げることが望ましい。したがってユウロピウムをドープしたCsI材料に有利な低い残光レベルを維持しながら、変換効率を改善するための調査が行なわれなければならなかった。
特許文献1は、ゴースト画像の発生を導く可能性がある放射損傷の生成を回避することにより、変換効率を上げるシンチレーター材料に関する。したがってこの明細書は、式A32312(式中AはTb,Ce,およびLu、またはそれらの組み合わせからなる群の少なくとも1つの員である;Bは八面体サイト(Al)であり、そしてCは四面体サイト(ここでもAl)である)を有するアニール化シンチレーション組成物を開示する。1もしくは複数の置換が含まれる。これらの材料は、少なくとも1つのアクチベーター化合物をドープしたアルカリハライド化合物を含まない。
非特許文献1(EuI2で処理したメルトから成長したCsI単結晶の発光特性)は、超純粋なアルカリ土類ハライド、すなわちEuI2形態の10-4から10-2mol.kg-
1の様々な濃度のユウロピウムをドープしたCsI単結晶組成物のスカベンジャー特性を実験した。CsI:Eu結晶の発光特性は、結晶格子の歪みに起因し、Euのドーピングは必ずしも必要ではない。示されたEuドーパントの改善は、CsIメルト中0.01mol.kg-1に等しいEuI2濃度で生じるシンチレーターパルスの遅い成分の抑制による残光の減少である。
非特許文献2(小動物の高速ミクロCT用の低残光CsI:Tl微小柱状フィルム)は、第二ドーパントEu2+をCsI:Tlに添加すると、残光は20nsの短い励起パルス後に2msで40倍減り、そして100msの長い励起パルス後に2msで15倍減少することが見出された。Euは残光を減少するために加えられ、そしてシンチレーターアクチベーターとしては使用されていない。
特許文献2は、シンチレーターと感光性撮像アレイとの間に光吸収層を加えることにより経時的にシンチレーターの出力が減少する改善に関する。これは感光性撮像アレイが飽和する速度を下げること、スイッチデバイスへの入射光を下げること、および/またはシンチレーターのエイジングを補うことである。この発明は操作による分解(degradation)後の効率の改善に関する。
特許文献3は、シンチレーターのヒステリシス人工産物がある画像を作製するX−線造影システムの能力を検出する方法を開示する。この方法は目的の様々な領域についてシグナルレベルを測定し、そして全ての測定値を所定の閾値と比較して、シンチレーターのヒストリシス人工産物が、大きなx−線束線量からの結果で特定のシンチレーターにより生成される可能性があるのかどうかを決定する。この効果はTlをドープしたCsIを含むシンチレーター(CsI:CTl)でも生じ得る。さらに特許文献3は、得られた2つのシグナル間の差異が所定の閾値より大きく、すなわち該シンチレーターが画像の人工産物を生じる可能性を検出した場合は、この方法は場合によりシンチレーターをx−線束に露光することを含んでもよいことを開示する。この方法はシンチレーターを元の効率レベル(照射前の)に「ブリーチング(bleaching)」し、そしてそれを加えないことに関連している。
非特許文献3(CsI:Eu結晶の放射線損傷)では、CsI:Eu結晶の放射線損傷および残光性に関する実験が提示され、発光パラメーターがx−線照射条件に依存し、そして照射は誘導された吸収が未だ観察されない時に、100Gy未満の線量で発光抑制を導くと結論された。
別の文献では、非特許文献4(CsI:Eu結晶でのユウロピウムの発光中心)は、アクチベーター含量、励起エネルギー、熱処理およびX−線放射に依存して、純粋およびEuをドープした単結晶の吸収、励起および発光スペクトルについて実験した。錯体中心の構造および濃度が熱処理で変化することが示される。わずか300℃から405℃へのアニーリング温度の上昇、続いてクエンチングがスペクトル組成および発光強度に顕著な影響を有する。
非特許文献5(核装置および方法)は、CsI:TlおよびCsI:Na結晶に基づくシンチレーターを、ガンマ線検出に関して位置感応型光電子増倍管(PSPMT)と結合して、感度、場所およびエネルギー解像という意味でそれらの性能について比較した。CsI:Na基材のシンチレーターは大変吸湿性であり、したがって分散(dispersion)を介してコートすることは難しい。CsI:Tl基材シンチレーターは、CsI:EuよりもPMTの分光感度に合わない発光スペクトルを有し、そしてCsI:Tl結晶は長い、すなわち経費がかかる生産工程後に得られる。
特許文献4は、アニーリングによる蓄積型蛍光体ニードル画像板(storage phosphor needle image plate)(NIP)、特にユウロピウムをドープしたセシウムブロミド(CsBr:Eu)の速度の至適化法を開示する。この特許の目的は、電子常磁性共鳴(EPR)で測定する安定なEu−リガンド錯体のマーカーで実現される。EPRシグナルのピークは34GHzの周波数で測定され、そして続いて磁場の束密度が特定される:880、1220、1380および1420mT。ユウロピウムをドープしたセシウムブロミド(CsBr:Eu)は大変吸湿性であり、それゆえにこの物質を基体に適用する方法は、コーティング分散物からのコーティング法とは適合しない。
特許文献5は、結合剤を含まないニードル形Cs(X,X’)に基づく蛍光体蓄積板を開示し、XはBrを表し、そしてX’はF、Cl、Br、Iを表すが、XがBrであり、X’がIである特定の組み合わせは開示していない。
しかしこれらの文書のいずれもシンチレーターとしてCsBrx(1-x):Euの変換効率を上げ、そしてユウロピウムをドープしたCsBrx(1-x)材料の低い残光レベルの利点を維持する生産法を開示していない。
米国特許第7560046号明細書 欧州特許第1113290号明細書 米国特許第7558412号明細書 欧州特許第1944350A2号明細書 欧州特許第2067841号明細書
Cherginets et al.(V.L.Cherginets,T.P.Rebrova,Yu.N.Datsko,V.F.Goncharenko,N.N.Kosinov,R.P.Yavetsky,and V.Yu.Pedash)、Cryst.Res.Technol.47,No.6,684−688.2012) Thacker et al.(S.C.Thacker,B.Singh,V.Gaysinskiy,E.E.Ovechkina,S.R.Miller,C.Brecher,and V.V.Nagarkar),Nucl.Instrum.Methods Phys.Res.A.2009 June 1,604(1),89−92 Gektin et al.,Functional Materials,20;n.2(2013)−STC"Institute for Single Crystals"of National Academy of Sciences of Ukraine) Gektin et al.,Optical Materials 35(2013),2613−2617 Giokaris et al.,Physics Research A 569(2006)185−187
上述した問題は、請求項1に定義するように本発明により解決される。本発明では、アニールされ、そして場合により電磁波に暴露されるユウロピウムをドープしたCsBrx(1-x)(x<0.5)材料が提供され、X−線に対して高い変換効率および高いエネル
ギー放射を有し、そして低レベルの残光を示すシンチレーターを導く。
本発明のさらなる目的は、請求項8による高エネルギー放射検出装置を提供することである。
本発明の別の目的は、請求項9によるラジオグラフィー平面型検出器を提供することである。
本発明の別の目的は、請求項10に従い容易かつ単純な様式でユウロピウムをドープしたCsBrx(1-x)シンチレーターを調製する方法を提供することである。
本発明のさらなる利点および態様は、以下の記載および従属項に従い明らかとなるであろう。
室温(25℃)および34GHzの周波数で測定したCsBrx(1-x):Euアニール化シンチレーターのEPRスペクトルであり、500から1600mTまで磁場を走査した。極大は1090mT、1140mT、1200mT、1220mTの磁場で見られ、そして極小は1250mTおよび1350mTの磁場で見られる。1200mTでの極大シグナルは最大のピーク高を有する。 室温(25℃)および34GHzの周波数で測定したアニール化されていないCsBrx(1-x):EuシンチレーターのEPRスペクトルであり、500から1600mTまで磁場を走査した。 49.2mg/cm2のコーティング重量を有するCsBrx(1-x):Euアニール化シンチレーターの、吸収されたX−線線量(D)の関数としての光変換シグナル(450nmで)である。 CsI:Tl,GOS:TbおよびCsBrx(1-x):Euに基づく種々のシンチレーターの、0〜14sの範囲のX−線暴露後に測定した残光の比較である。CsBrx(1-x):Euシンチレーターは、最低の残光を示し、そしてCsI:Tlより10倍低い。 室温(25℃)および34GHzの周波数で測定したCsI:Euアニール化シンチレーターのEPRスペクトルであり、500から1600mTまで磁場を走査した。極大は1200mTの磁場で見られ、そして極小は1240mTおよび1350mTで見られる。1200mTでの極大シグナルは最大のピーク高を有する。 室温(25℃)および34GHzの周波数で測定したCsBr0.08(0.92):Euアニール化シンチレーターのEPRスペクトルであり、500から1600mTまで磁場を走査した。極大は1200mTの磁場で見られ、そして極小は1240mTおよび1340mTで見られる。1200mTでの極大シグナルは最大のピーク高を有する。
態様の説明
1. 原料
本発明に従い、ユウロピウム(Eu)をドープしたセシウムブロモヨージド(CsBrx(1-x))(ここでx<0.5)は、原料としてCsI、場合によりCsBrおよびEu含有化合物から出発して得ることができる。Eu含有化合物は純粋なユウロピウム、ユウロピウムオキシド(Eu23,Eu34)、ユウロピウムハライド(EuF2,EuF3,EuCl2,EuCl3,EuCl2.2H2O,EuCl2.6H2O,EuBr3,EuI2,EuI3)、ユウロピウムオキシハライド(Eumn3m-2n,ここでX=F,Cl,BrまたはI)、ユウロピウムカルコゲニド(EuS,EuSe,EuTe)、ユウロピウムニトリド(EuN)または他のユウロピウム錯体(CsEuBr3,Eu(C572
3,EuBaTiO,CsEuI3,等)であることができる。最も好適なものはCsI(621℃)の融点に近い融点からEuCl3,EuBr3,EuI2,CsEuBr3およびユウロピウムオキシハライドであり、それというのもそれらは加熱でユウロピウムオキシドおよびユウロピウムハライドに分解するからである。
CsIとCsBrの比は、x<0.5、好ましくは<0.1、最も好ましくはx<0.05であるCsBrx(1-x)材料を得るために選択される。明細書を通じて、xの値に言及せずにCsBrx(1-x)を特定する場合、xは<0.5であると想定される。CsIおよび場合によりCsBrの両方が混合されて粉末状または液体溶液の均一組成物を達成することができるが、それらは別々に与えられることもできる。
CsBrx(1-x)およびEuのモル比は、好ましくは99.9/0.1〜98/2、そしてより好ましくは99.5/0.5〜99/1の範囲である。これらのモル比を得るために、CsIおよび場合によりCsBrおよびEu化合物(1もしくは複数)は混合されて粉末状または液体溶液の均一組成物を達成することができるが、それらは別々に与えられることもできる。好ましくはCsI,および場合によりCsBrはEu化合物とガス相で混合される。
場合により原料はシンチレーターを調製する前に精製され、そして前加熱されて存在する水を蒸発させることができる。
2. CsBrx(1-x):Eu材料の調製
2.1. CsBrx(1-x):Eu材料の蒸着
好適な態様では、CsBrx(1-x):Eu材料は、真空蒸着チャンバー内で基体(substrate)へのCsI、場合によりCsBrおよびEu化合物(EuCl3,EuBr3,EuI2,CsEuBr3,Eumn3m-2n)の物理的蒸着法(PVD)で生成することができ、ここで少なくとも1つのるつぼは選択した化合物の粉末が充填され、そして750℃以下の温度に加熱される。物理蒸着法の間、CsI,CsBrおよびEu化合物はガス相中で混合される。別の態様は、CsBry(1-y)(ここでy<1)のような混合結晶を使用することである。より好適な態様では、CsIおよびEu含有化合物のみがシンチレーター調製の原料として使用される。このそのようして得られたシンチレーターは本質的にCsIおよびEuからなると想定され、したがってx=0、そしてCsI:Euと表示される。
より好ましくは、化合物は同時に少なくとも2つのるつぼから蒸発される。Euは、より一定の蒸発速度、したがってより均一なEu分布を蒸着した層の厚さの関数で得るために、Eu含有化合物のみを含む少なくとも1つの別個のるつぼから蒸発される。
蒸着CsBrx(1-x):Eu材料は、蒸着の環境および蒸着した層の厚さに依存して、ニードル状構造を有することができ、あるいは非ニードル状構造であることができる結晶を含んでなる。
真空蒸着チャンバー内での蒸発時間は、30から360分の間が好ましい。蒸発後、CsBrx(1-x):Eu材料はクールダウンされ、そして真空蒸着チャンバーから取り出される。
CsBrx(1-x):Eu材料を蒸着させる基体は、アルミニウム板、アルミニウムホイル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、
ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエーテルイミド(PEI)のフィルム、金属ホイル、カーボンファイバー強化プラスチック(CFRP)シート、ガラス、可撓性ガラス、トリアセテート、およびそれらの組み合わせ、またはそれらの積層体のような硬質または可撓性のいずれかであることができる。より好ましくは基体は可撓性基体:金属ホイル、特にアルミニウムのホイル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)およびそれらの組み合わせ、またはそれらの積層体のホイルである。基体は20から800μm、好ましくは70から300μmの間の厚さを有することができる。
場合により基体はCsBrx(1-x):Eu材料の蒸着前に、例えば接着を改善し、基体表面の可視パターンを覆い、湿気または化学物質等から保護するために、追加の機能層(1もしくは複数)でコートすることができる。追加の機能層の例は、公開されていない出願に開示されている(欧州特許出願第14166151.2号明細書の[0032]および[0037])。基体に適用されるCsBrx(1-x):Eu材料の組み合わせは、今後シンチレータースクリーンと表示する。
本発明の好適な態様では、CsBrx(1-x):Eu材料はFPDの検出器上に直接蒸着させることができる。検出器は複数の感光性要素を備え、これらは光を電気シグナルに変換することができる。感光性要素の例は、アモルファスSi,CMOSおよびCCDである。
別の好適な態様では、CsBrx(1-x):Eu材料はPMTの放射入射窓に直接、蒸着させることができる。
FPD応用のシンチレーターを生産する場合、ニードル様結晶構造を有するCsBrx(1-x):Eu材料が好ましい。これらの層の好適な厚さは150から500μmの範囲で変動し、コーティング重量は40から250mg/cm2の範囲で変動し、そしてニードルの直径は2から10μmの範囲で変動する。蒸着されたCsBrx(1-x):Eu材料中のEuの好適な濃度は1から10000ppmである。
2.2. CsBrx(1-x):Eu材料の調製の別の方法
本発明の一態様では、CsBrx(1-x):Eu材料はCsI、場合によりCsBrを1もしくは複数のEu含有化合物と混合し、そして得られた粉末混合物をオーブン中で加熱することによっても調製することができる。少なくとも1つの成分の融点に等しい温度、好ましくは620℃より高い温度が必要である。得られたCsBrx(1-x):Eu材料は今後、焼成(fired)CsBrx(1-x):Euと表記する。通常はレンガ状の得られたCsBrx(1-x):Eu材料は、アニーリング工程前に粉砕する(pulverized)ことができる。
別の態様では、CsBrx(1-x):Eu材料はCsI;場合によりCsBrおよび1もしくは複数のEu含有化合物の粉末を混合することにより生成することができる。次いで粉末は粉砕される。これは任意の適切な粉砕法により行うことができる。
別の態様では、CsBrx(1-x):Eu材料はCzochralski,Bridgman−Stockbarger,Kyropoulosのような結晶成長法、あるいは他の既知の結晶成長技術により生成することができる。これらの場合では、結晶はCsIおよび1もしくは複数のEu含有化合物のメルトから、またはCsBrx(1-x)および1もしくは複数のEu含有化合物のメルトから成長させる。結晶を粉砕して小粒子を得ることができる。
2.3. 分散物からCsBrx(1-x)材料の堆積(deposition)
本発明によれば、前段で得たCsBrx(1-x):Eu材料(x<0.5である)は、分散物から基体へ適用することができる。したがってCsBrx(1-x):Eu材料を粉砕して小粒子を得る。好ましくは分散物として適用されることになるCsBrx(1-x):Eu粒子の中央値粒径は、約0.5μmから約40μmの間である。速度、画像の鮮明さ、およびノイズのような特性を至適化するために1μmから約20μmの間の中央値粒径が好ましい。
本発明の高度に好適な態様では、焼成CsBrx(1-x):Eu材料は最初に、場合によりCsBrを含むCsIを、1もしくは複数のEu含有化合物と混合し、得られた粉末混合物をオーブン中で、少なくとも1つの化合物の融点に等しい温度で加熱することにより調製される。加熱後、混合物をクールダウンしてCsBrx(1-x):Euのレンガ(brick)を得、これは次いで粉砕される。次いで粉砕CsBrx(1-x):Eu材料は結合剤を含んでなる溶液に加えて、CBrx(1-x):Eu粒子の分散物を得ることができる。
本発明の別の好適な態様では、CsBrx(1-x):Euは最初に上記のようにPVD技法により調製され、次いで基体から取り出され、そして粉砕されて小粒子を得る。次いで粉砕CsBrx(1-x):Eu材料は、結合剤を含んでなる溶液に加えてCsBrx(1-x):Eu粒子の分散物を得ることができる。
CsBrx(1-x):Eu粒子を基体に適用するための好適な方法は、コーティング法を介し、ここで層はCsBrx(1-x):Eu粒子の分散物から基体へ適用される。分散物はコーティングナイフ、好ましくはドクターブレイドを使用して基体上に適用することができ、そして今後、コーティング分散物と表示する。コーティングは、好ましくはオーブン中、または熱空気(hot air)で乾燥してシンチレータースクリーンを得る。
本発明の別の態様では、CsBrx(1-x):Euは好ましくは2Pa*sより高い粘度を意味する高粘度の分散物から堆積される(deposited)。分散物は型(mould)を使用して基体に適用され、そして乾燥されてシンチレータースクリーンを得る。適切な基体の例は上に記載されている。
本発明の態様では、CsBrx(1-x):Eu材料は分散物を得るためにCsI,CsBrおよびEu化合物を溶媒中で一緒に混合することにより生成される。
分散物の調製に適切な溶媒は、アセトン、ヘキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、イソプロパノール、メトキシプロパノール、酢酸イソブチル、エタノール、メタノール、塩化メチレンおよび水であることができる。
コーティング分散物の調製に適切な結合剤は、無機結合剤または有機結合剤であることができる。有機ポリマーの例は、酢酸酪酸セルロース、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリビニル−n−ブチラール、ビニルアセテート−ビニルクロライドコポリマー(poly(vinylacetate−co−vinylchloride)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(poly(acrylonitrile−co−butadiene−co−styrene)、ビニル クロライド−ビニルアセテート−ビニルアルコールコポリマー(poly(vinyl chloride−co−vinyl acetate−co−vinylalcohol)、ポリ(ブチルアクリレート)、ポリ(エチルアクリレート)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(ビニルブチラール)、トリメリト酸、ブテン二酸無水物、フタル酸無水物、ポリイソプレンおよび/またはそれらの混合物である。好ましくは、結合剤は、ゴム状および/または弾性ポリマーとしてポリブタジエンまたはポリイソプレンからの飽和ゴムブロックを有する1もしくは複数のスチレン−水素化ジエンブロックコポリマーを含んでなる。本発明にしたがいブロック−コポリマー結合剤として使用できる特に適切な熱可塑性ゴムは、KRATONTM Gゴムであり、KRATONTMはSHELLの商標である。
適切な無機結合剤の例は、アルミナ、シリカ、またはアルミナナノ粒子、リン酸アルミニウム、ホウ酸ナトリウム、リン酸バリウム、リン酸、硝酸バリウムである。無機結合剤はアニーリング工程に対して高い耐性を有する利点があり、特にアニーリング工程が高い温度範囲の範囲で行われる場合に有利である。
CsBrx(1-x):Eu粒子のアニーリング工程(以下参照)は、コーティング分散物の調製前、または堆積層をコーティングし、そして乾燥した後に行うことができる。好ましくはCsBrx(1-x):Eu粒子のアニーリング工程は、アニーリングされる物質中に結合剤が存在しなければより高温のアニーリング温度が可能となるので、コーティング分散物の調製前に行われる。
3. アニーリング
上記の任意の方法により得られたCsBrx(1-x):Eu材料は、本発明のシンチレーターを得るためにアニーリングされる。CsBrx(1-x):Euをアニーリングすることにより、シンチレーターによるX−線から光への変換は非常に強化されることが分かった。特定の温度範囲内でアニーリングした後のCsBrx(1-x):Euシンチレーターは、大変特徴的な電子常磁性共鳴(EPR)スペクトルを示すことが分かった。
アニーリング工程は、蒸着したCsBrx(1-x):Eu材料に、例えば蒸着ニードル様結晶で、あるいは粉砕したCsBrx(1-x):Eu材料について行うことができる。粉砕した材料は、蒸着した層を取り出し、そして粉砕することにより、あるいは焼成した材料のレンガを粉砕することにより、あるいはCzochralski,Bridgman−StockbargerまたはKyropoulos法のような結晶成長法を介して成長した結晶を粉砕することにより得ることができる。粉砕する別の方法は、ミリング(milling)またはグラインディング(grinding)である。これら全ての方法は、当該技術分野で既知の装置により行うことができる。粉砕することにより、CsBrx(1-x):Eu材料の比表面積が増加する。またニードル様結晶を含んでなる層の場合、比表面積は粉砕化材料に匹敵する。アニーリングされるCsBrx(1-x):Eu材料の比表面積は、1cm2/gより高いことが好ましく、2から600cm2/gの間がより好ましく、20から200cm2/gの間が最も好ましい。増加した比表面積を有するCsBrx(1-x):Eu材料でのアニーリング効果の強化は、アニーリングでEu2+モノマー中心が水分子により安定化されなければならず、そしてこれを材料に包含することができると考えられる。CsBrx(1-x):Eu材料の比表面積が高くなれば、水はより容易に材料の容積全体に拡散することができる。安定化されたEu2+モノマーの存在は、X−線から光への変換効率を強化するために必須であると思われる。ニードル様結晶の比表面積は以下の式に基づき算出される:1/r.d(rは円筒状と考えられるニードルの半径;dはCsBrx(1-x):Eu材料の密度であり、4.5g/cm3に等しい)。非ニードル様結晶の比表面積を算出するためには、これらの結晶は球状であると考え、そして比表面積は以下の式に従う:3/r.d(rは球の半径;dはCsBrx(1-x):Eu材料の密度であり、4.5g/cm3に等しい)。
分散物からCsBrx(1-x):Euシンチレータースクリーンを調製する場合、アニーリング工程は分散物の調製前、またはコーティングまたは蒸着工程に続く乾燥工程後に行うことができる。
CsBrx(1-x):Eu材料をアニーリングすることにより、電子常磁性共鳴(EPR)を介して示すことができるような発光の原因となるアクチベーターセンターが恐らく生成される。EPRスペクトルは、〜34GHzの周波数で操作する任意の適切なQバンドEPR分光計により測定することができる。EPRは安定なEu−リガンド錯体を検出する。測定したEPRスペクトルは通常、磁場の関数として測定されたEPRシグナルの傾斜として表示される。この文脈では、参照がEPRスペクトルに対して作成される場合、スペクトルは測定したEPRシグナルの傾斜が磁場の関数としてプロットされることを意味する。34GHzの周波数および室温(25℃)で測定したアニール化CsBrx(1-x):Eu材料のEPRスペクトルは、1200mTの磁場で少なくとも1つの極大のシグナル高を示す(図1、図5および図6を参照されたい)。1200mTでの極大シグナル高は、全ての極大の中で最大のピーク高を示す。このピーク高は、その極大でのシグナルの絶対値と、ピークの磁場の低い側にある極小のシグナル値との間の差と定義される。1200mTでの正規化シグナル高パーセンテージが100%と計算されるとき、1090mTおよび1140mTでの極大シグナル高は40%を超えない。極大および極小のシグナル高が生じる磁場で上記の値を絶対値として見ることはないが、測定法の実験誤差またはCsBrx(1-x)の組成の変動により、値は±15mTの範囲を有する。
CsBrx(1-x)材料のアニーリングは、材料の温度が50〜280℃、好ましくは100〜230℃、より好ましくは130℃〜200℃の範囲で得られるように、少なくとも5分間、好ましくは少なくとも30分間、材料を熱に暴露することにより行うことができる。アニーリングの温度および期間は、互いに密接に関連している。これはシンチレーターの高エネルギー電磁波の変換効率にあてはまるが、この変換効率の安定性にもあてはまる。280℃より高い温度、例えば300℃を得るようにCsBrx(1-x):Eu材料を熱に暴露することは、オーバーアニーリング(over−annealing)と呼ぶ。CsBrx(1-x):Eu材料のオーバーアニーリングは、X−線から光への変換に上昇を示すシンチレーターを導かず、すなわち、少なくとも、50℃と280℃との間の温度でのアニーリングによるよりも有意に低いX−線から光への変換の上昇を示すシンチレーターを導かない。さらにオーバーアニーリング後、得られたシンチレーターは、全ての極大の中で最大のピークを示す1200mTの磁場で極大のシグナル高を有するEPRスペクトルを示さない。
好適な態様では、アニーリング工程はオーブン中で空気循環しながら行われる。このオーブンは環境条件で操作することができる。CsBrx(1-x)材料は、オーブンが加熱を開始する前に入れることができる。次いで材料はオーブン中で加熱されながら、オーブン中の温度はアニーリングが行われなければならない目的温度に上げられる。アニーリングの別の方法は、オーブンがすでに目的温度である時にCsBrx(1-x)材料を入れることである。熱への暴露が必要な期間が経過した後、CsBrx(1-x)材料は室温にクールダウンされる。このクールダウンは、材料をオーブンから取り出すことにより、またはオーブンの熱を切り、オーブン中の材料を冷やすことにより行われることができる。任意にアニーリングは真空、酸素、窒素、アルゴン、または乾燥空気流下のオーブン中で行うことができる。
最も好ましくは、アニーリング工程は150から200oCの範囲の温度で15〜120分間、換気をせずに空気循環しながらオーブン中で行うことができる。
蒸着した(evaporated)、またはコートされたシンチレーター層の場合、該シンチレーターの調製後、例えば過剰なI2イオンにより層が黄色である場合、アニーリングは染色を強力に減少させることができ、これによりシンチレーターによる発光もさらに増大する。
4. 照射
本発明の好適な態様では、アニール化CsBrx(1-x):Euシンチレーターは、変換効率をさらに上げるためにX−線、高エネルギー電磁波、UV光および可視光を含む1pmから800nmの間の波長を有する電磁波に暴露することができる。X−線は0.01〜10ナノメーターの範囲の波長を有する電磁波であり、30ペタヘルツ〜30エクサヘルツ(3×1016Hz〜3×1019Hz)の範囲の周波数、そして100eV〜100keVの範囲のエネルギーに対応する。
X−線暴露の場合では、全照射線量は0.1から1200Gyの間、好ましくは1.5から150Gyの間、そして最も好ましくは3から60Gyの間である。線量は一段階または多段階で送達することができる。シンチレーターに送達される全線量は、0.01〜100Gy/分の範囲、好ましくは送達される全線量は0.1〜10Gy/分の範囲、そして最も好ましくは0.2〜2Gy/分の送達線量である。暴露の全時間は、0.01分〜2800分、好ましくは60分から360分の間である。
100から400nmの間の波長を有するUV光への露光の場合、全電磁波線量は10から300000J/m2の間である。好ましくはこの線量は200から35000J/m2の間、そして最も好ましくは900から10000J/m2の間である。
300〜800nmの波長を有する可視光への露光の場合、全光線量は10から400000J/m2の間である。好ましくはこの線量は2000から200000J/m2の間、そして最も好ましくは8000から40000J/m2の間である。可視光照射の中で、300〜600nmの範囲、より好ましくは300nmから500nmの間が好適である。
上記の任意の照射法を使用することにより、非照射だがアニール化されたCsBrx(1-x):Euシンチレーターに対して上昇した変換効率を有するCsBrx(1-x):Euシンチレーターを得ることが可能である。X−線およびUV照射は、非照射CsBrx(1-x):Euシンチレーターに対して少なくとも2倍の増加を導くが、可視光での照射については、この上昇は小さく、そして平均2倍であり、X変換について大変高い変換効率を有するシンチレーターが得られることを意味している。
アニーリング後、そして電磁波への暴露後のCsBrx(1-x):Euシンチレーターは、電磁波に対する暴露前と同じ特徴的なEPRスペクトルを示す。
電磁波への暴露は、CsBrx(1-x):Euシンチレーターに行うことができるが、好ましくはCsBrx(1-x):Euシンチレータースクリーンに行うことができる。
5. 放射線画像および検出器
本発明のシンチレーターは、FPDのような放射線画像検出器、および高エネルギー放射検出器でのシンチレーターとして適している。
本発明に従い、シンチレーターを用いてFPDを製造する場合、シンチレーターは上記のように基体上に適用され、そして光を電気シグナルに変換できる複数の感光性要素(例えばアモルファスSi,CMOSまたはCCD)を備えた検出器に中間接着層を用いて結合させることができる。本発明のシンチレータースクリーンを検出器に結合する適切な方法は、米国特許出願公開第20140014843A号、同第20130313438A号、同第20130134312A号明細書、および米国特許第70119304号明細書に記載されている。他の態様では、CsBrx(1-x):Euシンチレーターは、光を電気シグナルに変換できる複数の感光性要素を備えた検出器に直接、蒸着させる(depo
sited)ことができる。
本発明のCsBrx(1-x):Euシンチレーターに基づくFPDは、CsBrx(1-x):Eu材料をアニーリングする前または後に得ることができる。アニーリングはシンチレーターが基体に適用された後(シンチレータースクリーン)、そしてFPDの検出器との結合がなされる前に行われることが好ましい。
好適な態様では、CsBrx(1-x):Euシンチレーターが最初に基体に適用され、それにアニーリング工程が続く。アニーリング工程後、シンチレータースクリーンの電磁波への暴露を§4に記載のように行い、続いてシンチレーターのFPDの検出器への結合工程を行う。
別の好適な態様では、アニール化CsBrx(1-x):Euシンチレーターを備えたFPDが上記§4に記載のように電磁波に暴露される。
別の好適な態様では、CsBrx(1-x):Euシンチレーターを含んでなるFPDが最初にアニーリングされ、次いで上記§4に記載のように電磁波に暴露される。
別の好適な態様では、CsBrx(1-x):Eu材料は基体にコートまたは蒸着される前にアニール化することができる。アニーリング工程後、シンチレータースクリーンが検出器に結合される。
また本発明のシンチレーターは、ガンマ線検出または例えばガンマスキャナーでの画像検出のような高エネルギー放射検出用の光電子増倍管と組み合わせることも適している。光は全ての方向に発光するので、PMTの光電陰極に直接到達しない全ての光子は、内反射により光電陰極に到達するように向けられなければならない。多くの応用について、円錐台および放物線形のシンチレーターは最も満足する結果を与えるが、棒およびブロックのような単純な形状は廉価で製造されるので十分に良いことが多い。内反射を促進するために、ある場合ではシンチレーターの平行面を反射するようにコートすべきである。最も適切なコーティングはMgO,TiO2またはAlからなる。
シンチレーターとPMTの光電陰極との間の結合は、直接結合または光ガイド結合(light guided coupling)を介して行うことができる。直接結合の場合、シンチレーター表面は陰極窓に一緒に接合される。シンチレーターおよびガラスの屈折率に近い屈折率を有するシリコーングリースのような結合化合物(mating compound)の使用が、境界面損失を最少とするために必要である。光ガイド結合の場合、光ガイドがシンチレーター表面と陰極の窓との間で使用される。通常の材料はガラス、融合シリカ、ポリスチレン、ポリビニルトルエンおよび特にポリメチルメタクリレートである。
FPDまたは放射検出装置では、シンチレーターにより発光される光の波長を検出器の分光感度とより良く合わせるために、波長シフティング材料を含めることができる。この波長シフティング材料は、光学的にシンチレーターに結合され、そして光学的に検出器に結合される。本発明に適する波長シフティング材料の例は、国際出願第2012104798号明細書の表Iに開示されている。
本発明をこれからそれらの好適な態様と関連して実施例に記載するが、これらの態様に本発明を限定することを意図するものではないと理解されるだろう。
1. 材料
以下の実施例で使用するほとんどの材料は、別段の定めがない限りALDRICH CHEMICAL Co.(ベルギー),ACROS(ベルギー),VWR(ベルギー)およびBASF(ベルギー)のような標準的な供給元から容易に入手することができる。全ての材料は別段の定めがない限り、さらに精製せずに使用する。
・ セシウムヨージド(CsI):(CAS 7789−17−5)99.999%;ロックウッドリチウム(Rockwood Lithium)から;
・ セシウムブロミド(CsBr):(CAS 7787−69−1)99.999%;ロックウッドリチウムから
・ CEBLA:セシウムユウロピウムブロミド(CsEuBr3);アグファ−ヘルスケア(Agfa−Healthcare)から;
・ タリウムヨージド(TlI):99.999%;ロックウッドリチウムから;
・ TiO2 TR−52;ハンツマン(Huntsman)から;
・ CAB 381−2:イーストマン(Eastman)から、MEK中20(重量)%の酢酸酪酸セルロース;
・ Baysilon:バイエル(Bayer)からのベイシロン ペイント(Baysilon Paint)添加剤MA;
・ Ebecryl:MEK中20(重量.)%のEbecryl 1290、アルネックス(Allnex)からの6官能性脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー;
・ 3Mからの20μmの孔サイズを有するフィルターAU09E11NG;
・ A−G CP−Bu:アグファ ヘルスケアからの放射性フィルム;
・ SE4 CAWO:CAWOからのタングステン酸カルシウム(CaWO4)に基づく粉末シンチレータースクリーン;
・ CAWO Superfine 115 SW:CAWOからのガドリニウムオキシスルフィド(GOS:Tb)に基づく粉末シンチレーター;
・ ブラックポリエチレンバッグ(Black polyethylene bag):コルネリス プラスチック(Cornelis Plastic)からのPE,Type
B,260x369mm,0,19mm厚;
・ Stann JF−95B:サキョー(Sakyo)からの分散剤;
・ Disperse Ayd(商標)9100:ダニエル プロダクツ カンパニー(Daniel Produkts Company)からのアニオン性表面活性剤/脂肪エステル分散剤;
・ Kraton(商標) FG1910X:(新しい名称=Kraton(商標) FG1901 GT)、シェル ケミカルズ(Shell Chemicals)からの30%ポリスチレン含量を有するスチレンおよびエチレン/ブチレンに基づく透明な線状トリブロックコポリマー;
・ Black PET基体:東レ(Toray)からLumirror X30という登録商標で得られる厚さ0.188mmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム;
・ アルミニウム318G:アラノッド(Alanod)からの厚さ0.3mmを有する板;
・ EuI2:SAFC Hitechからの99.9%CAS 22015−35−6。
2. 測定法
2.1 シンチレータースクリーン/放射性フィルム設定での変換効率
シンチレータースクリーンの変換効率は、シンチレータースクリーン/放射性フィルム(S/F)の設定で測定した。シンチレータースクリーンと放射性フィルムとの間の最適な接触を保証するために、真空パッケージングを使用した。シンチレータースクリーンはそのシンチレーター側をA−G CP−Bu放射性フィルムと接触させ、そして両要素を
ブラックポリエチレンバッグに置いた。全パッケージを遮光し、そして真空パッケージングした。暴露は放射性フィルムの前のシンチレーターを通過した。変換効率を測定するための暴露は、以下の条件を用いてPhilips Super 80 CP X−線源により行った:72kVp、E−フィルター、距離範囲は615cmを越える、0.10,10mAsのdlogHで21段階、小焦点。シンチレータースクリーンの基体側は、X−線源に向けられていた。暴露後、放射性フィルムをG138i(アグファ ヘルスケア)で33℃にて90秒現像し、そしてMacBethデンシトメータ、TR−924型に配置して現像したフィルムの光学密度を測定した。変換効率は、密度が照射線量に対して直線的である領域の密度グラフにより測定し、そして参照のシンチレータースクリーンに対して算出した。別段の定めがない限り、参照のシンチレータースクリーンはSE4 CAWOであり、そして照射下での安定な性能、およびX−線照射下での青色発光により選択した。
2.2 残光
残光は、0.56Gy/sの大変高い照射線量でX−線パルスを生成するために、X−線源Pantak−Seifert Isovolt 16−M2/0.4−1.5をCedrat社のシャッターFPS900Mと一緒に、連続照射モードで操作して測定した。シャッターはX−線源から25cmの距離に取り付け、そして直径2mmの開放絞りを有した。シャッターの上昇時間は30msであった。X−線の散乱を回避するために、シャッターの両側に鉛(lead)の二つの絞りが取り付けられた。シャッターの位置(開放―閉鎖)は、シャッターの電子機器のデジタル入力に電圧をかけることにより変えた。選択した周波数およびパルス長でパルスシリーズ(pulse series)を作成するために、パルス生成機HP 8116Aを使用した。シンチレータースクリーンとシャッターとの間の距離を8cmに固定した。シンチレーターをX−線源に以下の条件で暴露した:70kVp、20mAs、大焦点、外部フィルターなし。生成機のパラメーターは固定した:HIL=2.5ボルト、LOL=0ボルト、周波数:30mHz。
シンチレーターにより生成された光は、光ファイバーで捉え、そしてさらに分光蛍光計(Jobin YvonからのFluorlogom)へとガイドし、そして測定した。測定した波長はシンチレーターの発光の極大で固定され、そしてこれは0.1から1sの範囲で2サイクル(オン/オフ)の時間、連続して測定した。全てのデータを集めた後、各サイクルを分離し、そしてサイクル間で測定した曲線を分析した。ノイズレベルを下げるために、全てのサイクルを平均し、そしてスペクトルを与えた。
2.3 発光の測定によるシンチレータースクリーンの変換効率
2.3.a. 動的モード
動的モードでの変換効率の測定は、シンチレータースクリーンの発光スペクトルを分光蛍光計(Jobin Yvons社からのFluorlogom)を用いて、370から700nmの間の波長範囲で記録することにより行った。暴露はシンチレーターをX−線源(Pantak−Seifert)の下に置くことにより行った。X−線源の暴露条件は:70kVp、10mAs、X−線からシンチレーターへの距離は90cm、および21mmのAlフィルターであった。X−線ビーム質は標準(norm)RQA5(IEC標準61267,1st Ed.(1994)に定めたRQA X−線ビーム質)に対応する。発光は光ファイバーで捉え、そして分光蛍光計に移し、ここでコンピューターに保存し、そして発光スペクトルを作成した。変換効率は370から700nmの間のスペクトルの積分値として算出した。
2.3.b. 動力学的モード
動力学的モードでの変換効率の測定は、シンチレータースクリーンからの発光を連続モードで、すなわち動的モードで使用したものと同じ分光蛍光計を用いてX−線照射線量の
関数で記録することにより行った。分光蛍光計は、別段の定めがない限り、CsBrx(1-x):Euシンチレーターの極大発光に対応する450nmの固定波長で検出するために設定した。変換効率は、X−線線量の関数として検出された発光の極大値で取った。X−線源の条件は70kVp、20mAs、X−線源からシンチレーターへの距離は80cmであり、そして外部フィルターは使用しないように設定した。発光は0.17Gyの照射間隔で積分した。
3. シンチレータースクリーンの調製
3.1. シンチレータースクリーンの基体の調製
シンチレータースクリーンの調製には2種類の基体を使用した:プレコート無しのAl板、およびプレコートしたAl板。
プレコートを調製するために、コーティング分散物は0.2gのCAB 381−2を1gのTiO2 TR−52、0.001gのBaysilonおよび2.6gのMEKを水平撹拌ビーズミル中で混合することにより調製した。Ebecrylを加えて1:1の重量比のCAB 381−2:Ebecrylとした。溶液をフィルターAU09E11NGで濾過した。コーティング分散物中のTiO2 TR−52固体含量は、35(重量)%であった。コーティング分散物をドクターブレイドで、18x24cmのサイズのアルミニウム318G板に2m/分のコーティング速度でコーティングした。湿潤層の厚さは、17μmの乾燥層を得るために150μmであった。プレコートの乾燥は室温で少なくとも15分間行い、続いてオーブン中にて60℃で30分間、そして90℃で20分間行った。
3.2. ニードル状(needle based)CsBrx(1-x):Euシンチレータースクリーンの調製
本発明によるCsBrx(1-x):Euニードルシンチレータースクリーン(Inv.Scr.1〜17)は、プレコートがある、または無いAl板にCsIおよびCsEuBr3の物理的蒸着(PVD)を介して得た(§3.1を参照にされたい)。210gのCsIおよび2.1gのCsEuBr3を含む混合物を、真空蒸着チャンバー内のるつぼに入れた。得られたシンチレーター中の臭化物含量はCsEuBr3に由来するだけなので、CsBrx(1-x):Euシンチレーター(Inv.Scr.1〜17)は、本質的にCsI:Euからなる。るつぼは引き続き680−690℃の温度に加熱し、そして蒸発した化合物を基体に蒸着させた。
CsBr0.080.92:Euニードルシンチレータースクリーン(Inv.Scr.18)は、プレコートが無いAl板にCsI、CsBrおよびCsEuBr3の物理的蒸着(PVD)を介して得た。189gのCsI、21gのCsBrおよび2.1gのCsEuBr3を含む混合物を、真空蒸着チャンバー内のるつぼに入れた。るつぼは引き続き680−690℃の温度に加熱し、そして蒸発した化合物を基体に蒸着させた。蒸着したシンチレーターの臭化物対ヨウ化物の比は、電位差滴定により測定した。
るつぼと基体との間の距離は、20cmで固定した。蒸発中、基体を12r.p.m.で回転させ、そして140℃の温度に維持した。蒸発の開始前にチャンバーは5x10-5mbarの圧で吸引し、そして蒸発工程中にアルゴンガスをチャンバーに導入した。この工程はコーティング重量に依存して115から160分かかった。
蒸発工程後、シンチレータースクリーンおよびチャンバーは室温にクールダウンされ、そしてシンチレーターを真空チャンバーから取り出した。各シンチレータースクリーンの重量を計り、そしてコーティング重量は式1を適用することにより得た。このようにして得たシンチレータースクリーンInv.Scr.1〜Inv.Scr.18のコーティン
グ重量は、表1に報告する。

(WF−WS)/AS
式1
式中:
F=シンチレータースクリーンの重量
S=基体重量
S=基体の表面積
3.3. ニードル状CsI:Euシンチレータースクリーンの調製
このシンチレーターは§3.2.(Inv.Scr.1〜17)に記載した方法と同じように調製したが、CsEuBr3をEuI2に代えた。このコーティング重量は式1に従い決定し、そして表1に報告する。
3.4. 非ドープCsIシンチレータースクリーンの調製(Comp.Scr.1)
このシンチレーターは§3.2.(Inv.Scr.1〜17)に記載した方法と同じように調製したが、CsEuBr3を使用しなかった。このコーティング重量は式1に従い決定し、そして表1に報告する。
3.5. アニール化されないニードルCsBrx(1-x):Euシンチレータースクリーンの調製(Comp.Scr.2/3/4).
アニール化されないニードルCsBrx(1-x):Euシンチレータースクリーン(以下参照)は、§3.2(Inv.Scr.1〜17)に記載した方法と同じ方法で調製し、そしてコーティング重量を表1に報告する。
3.6. CsI:Tlシンチレータースクリーンの調製(Comp.Scr.5).
CsI:Tlシンチレーターは§3.2.(Inv.Scr.1〜17)に記載した方法と同じように調製したが、CsEuBr3を2.6gのタリウムヨージドに代えた。式1により決定される得られたスクリーンComp.Scr.5のコーティング重量は表1に報告する。
Figure 2017526755
3.7. 粉末状(powder based)のシンチレータースクリーンの調製
0.013gのStann JF−95Bおよび0.009gのDisperse AYD(商標) 9100を、0.153gのトルエンおよび0.103gの酢酸ブチル中で混合した。混合物をTurbula(商標)シェーカー−ミキサーT2F中で30分間混合した。その混合物に、0.256gのメチルシクロヘキサンを加え、そして再度、Turbula(商標)シェーカー−ミキサーT2F中で30分間混合した。最後に0.087gのKraton(商標) FG1901 GT,0.145gのメチルシクロヘキサン、0.087gのトルエンおよび0.058gの酢酸ブチルを含む混合物を加え、そしてさらに30分間混合した。そのようにして得た0.91gの結合溶液に、0.5gのCsI材料またはそれらの混合物(以下参照)を加え、そしてさらに30分間混合した。
Inv.Scr.10は、§3.2および§4で記載したようにして得たシンチレーター層からアニール化CsI:Euニードルシンチレーター層を取り出すことにより得、そして112mg/cm2のコーティング重量を有するCsBrx(1-x):Eu材料で調製した。CsBrx(1-x):Euニードルシンチレーターのアニーリングは、§4でInv.Scr.1〜12について記載したように行った。基体から除去した後、材料をすり鉢で粉状にした後、結合溶液に加えた。
Inv.Scr.21は、粉末として0.49gのCsIおよび0.1gのCEBLAを混合することにより得たCsBrx(1-x):Eu材料を用いて調製した。混合物をオーブンに入れ、そして660℃の温度になるまで1℃/分で加熱し、ここで1時間維持した。その後、オーブンのスイッチを切り、そして材料をクールダウンした。焼成材料とも呼ぶ得られた材料は、続いて粉状とし、そしてオーブン中で160℃で1時間、アニール化した。クールダウン後、結合溶液に加えた。
Inv.Scr.22は、0.49gのCsIおよび0.1gのCEBLAを混合することにより得たCsBrx(1-x):Euを用いて調製した。材料をすり鉢中で粉状とし、そしてオーブン中で160℃で1時間、アニール化し、そしてクールダウン後、結合溶液に加えた。
Comp.Scr.6は、0.49gのCsIおよび0.1gのCEBLAを混合することにより調製し、そして結合溶液に加えた。
Comp.Scr.7は、0.49gのCsIおよび0.1gのCEBLAを混合し、粉状とし、そして結合溶液に加えることにより調製した。
上記のように得たCsI:EuまたはCsI+CEBLAの混合物を、上記のように結合溶液に加えることにより得た分散物は、内寸3.0x2.5cmおよび1.0cm高を有するステンレス鋼製の型に注ぎ、ここにブラックPET基体を配置した。型の中の分散物をオーブン中、50℃で10時間乾燥した。その後、得られた粉末状のシンチレータースクリーンを型から取り出し、そしてさらに1日、風乾した。
4. CsI:EuおよびCsBr x (1-x) :Euシンチレータースクリーンのアニーリング法
ニードル状のシンチレータースクリーンInv.Scr.1〜Inv.Scr.12、Inv.Scr.18、Inv.Scr.19およびComp.Scr.1を、空気循環しながら170℃に設定した温度のオーブンに入れた。シンチレーターはその温度に1時間、維持した。CsBrx(1-x):Euニードル状シンチレータースクリーンInv.Scr.13〜Inv.Scr.17を、同じオーブン中で100℃から300℃の間の範囲の温度でアニール化し、そしてこれらの温度に0.5時間から24時間の間の時間、維持した。この時間が経過した後、CsBrx(1-x):Euニードル状シンチレータースクリーンをクールダウンした。
5. アニール化CsBr x (1-x) :Euニードルシンチレーターの電磁波への暴露
5.1 X−線
Inv.Scr.1〜Inv.Scr.6は、X−線源Pantak−Seifert
Isovolt 16−M2/0.4−1.5によるX−線照射に連続照射モードで、各シンチレータースクリーンの半分が17GyのX−線線量に0.3Gy/分の線量速度で暴露するように暴露した。X−線源の条件は:別段の定めがない限り、70kVp、5mAs、外部フィルターなし、X−線源への距離は80cmであった。各シンチレーター
スクリーンの他の半分は、いかなる暴露も回避するために1mm厚を有する鉛板で覆った。
5.2 キセノンランプ照射
Inv.Scr.8および9は、300nm〜800nmの光を発するキセノンランプ(Suntest XLS+,Atlas)に露光した。露光は2つの方法で行った:a)シンチレータースクリーンの半分は、765W/m2の全光強度に2時間、露光し、第二部分は覆った;そしてb)シンチレータースクリーンは、直径11mmの円形ビームに0.483J/s.m2の固定線量速度で0.75〜24時間、露光した。
5.3 UV光照射
Inv.Scr.10は、365nmの中心波長を有する狭帯域透過フィルターを備えた75Wのキセノンランプを組み込んだOMT−ランプユニット(ハママツ:Hamamatsu)に露光した。シンチレータースクリーンは、直径11mmの円形ビームに0.176J/s.m2の固定線量速度で0.5〜24時間、露光した。
6. EPRスペクトル
CsBrx(1-x):Eu材料のEPRスペクトルは、ゲント大学で、Bruker(商標)ELEXSYS E500,Q−バンドEPR/ENDOR分光計を室温(25℃)で使用して、以下の設定で測定した:34GHzのマイクロ波周波数、20mWのマイクロ波電力、100kHzの場変調周波数、0.5mTの場変調振幅、60dBのレシーバ感度、20分の走査時間および80msの時定数。CsBrx(1-x):Eu材料は、切断(cleaving)ナイフを用いて基体から取り出し、そして粉状にした。粉状にした材料を、外径2mmそして内径1.4mmのQ−バンド石英管に5mmの高さまで入れ、そしてスペクトルを集めた。
アニール化したニードル状CsBrx(1-x):EuシンチレーターInv.Scr.11のEPRスペクトルは、図1に示し、そして非アニール化ニードル状CsBrx(1-x):EuシンチレーターComp.Scr.3のEPRスペクトルは図2に示す。
アニール化したニードルCsBrx(1-x):EuシンチレーターInv.Scr.11のEPRスペクトルは、1090mT、1140mTおよび1200mTの磁場で極大のシグナル高を、そして1250mTおよび1350mTで極小を示した。1200mTで極大のシグナル高は、全ての極大の中で最大のピーク高を示す。このピーク高は、その極大でのシグナルの絶対値とこのピークの磁場の低い側に位置する極小でのシグナル値との間の差と定義される。1090mTおよび1140でのシグナル高は正規化シグナル高の40%を超えず、ここで1200mTでの正規化シグナル高パーセントが100%と計算される。シグナルの絶対高は、コーティング重量および測定環境のようなパラメーターに依存して異なる可能性がある。
非アニール化ニードルCsBrx(1-x):EuシンチレーターComp.Scr.3のEPRスペクトルは、幅広いスペクトルが特徴であり、そしてアニール化サンプルのスペクトルとは明らかに異なり、そしてさらに1200mTでのシグナル高のピークが最高ではない。時折、非アニール化CsBrx(1-x):Eu材料の測定されたEPRスペクトルは、1090mTおよび1140mで大変小さい極大を示した。しかしこれら極大の少なくとも1つの正規化シグナル高は、1200mTでの正規化シグナル高パーセントが100%と計算されるシグナル高の40%を越える。
アニール化されたニードルCsI:EuシンチレーターInv.Scr.19のEPCRスペクトルを図5に示し、そしてアニール化されたニードルCsBr0.08(0.92):E
uシンチレーターInv.Scr.18のEPRスペクトルを図6に示す。
アニール化されたニードルCsI:EuシンチレーターInv.Scr.19のEPRスペクトルは、1200mTの磁場で極大のシグナル高を示した。このピーク高は、その極大でのシグナルの絶対値とピークの磁場の低い側に位置する極小でのシグナル値との間の差と定義される。1090mTおよび1140mTでのシグナル高は、1200mTでの正規化シグナル高パーセントが100%と計算される正規化シグナル高の40%を越えない。このEPRスペクトルはアニーリング後のCsI:Euに大変特徴的であり、そしてシグナルの絶対高だけがコーティング重量および測定環境のようなパラメーターに依存して異なる可能性がある。
アニール化されたニードルCsBr0.08(0.92):EuシンチレーターInv.Scr.18のEPRスペクトルは、1200mTの磁場で極大のシグナル高を示した。このピーク高は、その極大でのシグナルの絶対値とピークの磁場の低い側に位置する極小でのシグナル値との間の差と定義される。1090mTおよび1140mTでのシグナル高は、1200mTでの正規化シグナル高パーセントが100%と計算される正規化シグナル高の40%を越えない。このEPRスペクトルはアニーリング後のCsBr0.08(0.92):Euに大変特徴的であり、そしてシグナルの絶対高だけがコーティング重量および測定環境のようなパラメーターに依存して異なる可能性がある。
7. 変換効率測定の結果
7.1 アニール化および非アニール化シンチレータースクリーンの変換効率
参照としてRef.Scr.1(変換効率=1)を用いたシンチレータースクリーンInv.Scr.12およびComp.Scr.4の変換効率は、今後、相対的変換効率と表示するが、§2.1.に記載の方法に従い測定した。結果は表2に含まれる。
Figure 2017526755
アニーリング工程は明らかにニードル状構造を有する結晶を含んでなるCsBrx(1-x):Euシンチレーターに基づくシンチレータースクリーンの変換効率を上げた。
7.2 X−線照射後、動的モードでの変換効率測定
X−線励起下でのInv.Scr.1、Comp.Scr.1およびComp.Scr.2の発光は、X−線暴露前および後に§2.3.a.に記載のように測定した。X−線暴露は、§5.1.に記載のように行う。電磁波に暴露されないシンチレータースクリーン部分の発光スペクトルは、非ドープCsIを除いて450nmで極大を有し、非ドープCsIはもっと低い波長で極大を有し、そしてやや低いシグナルを有した。X−線照射への暴露後に測定されたスペクトルは、シグナルの変換効率に変化を示した。両Inv.Scr.1およびComp.Scr.1〜2では波長のシフトが観察されなかったが、両方の場合でスペクトルの強度が変化した。X−線への暴露により、Eu−ドープおよびアニール化CsBrx(1-x)スクリーン(Inv.Scr.1)の変換効率は上がり、一方、非ドープCsIシンチレータースクリーン(Comp.Scr.1)およびアニール化されなかったEuドープCsBrx(1-x)シンチレータースクリーン(Comp.Scr.
2)の変換効率は下がった。X−線暴露前の変換効率に対するX−線暴露後のスクリーンの変換効率は、表3に報告する。X−線暴露前の変換効率は表3に報告する。X−線暴露前の変換効率は、すべてのスクリーンについて1と計算される。
Figure 2017526755
7.3 X−線照射後、450nmで動力学的モードでの変換効率
シンチレータースクリーン(Inv.Scr.2)の変換効率を、§2.3.bに記載のように測定した。0.1Gyのような§5.1による大変低い線量のX−線照射後でさえ、変換効率の上昇は直ちに始まり、そして約12Gyの全線量に達成するまで極大へと上昇した(図3を参照にされたい)。約12Gyの全線量で、より高い線量の照射を提供した時でも変換効率は飽和する。約12GyのX−線照射線量から約28Gyの線量まで、変換効率はもはや照射をしなくても500%の変換効率で平らになる。Gektin et al.(CsI:Eu結晶の照射傷害。Functional Materials,20;n.2(2013)−STC“Institute for Single Crystals”of National Academy of Sciences
of Ukraine)に記載されたものと同じ測定の結果は、対照的に照射が100Gy未満のX−線線量で発光抑制を導くことを示す。
7.4 異なるコーティング重量について、X−線に暴露した後のシンチレータースクリーンの変換効率
シンチレータースクリーン、Inv.Scr.3〜Inv.Scr.6の変換効率を、§5.1に従いX−線に暴露する前および後に§2.1に記載のようにS/F設定で測定した。非暴露シンチレータースクリーンの変換効率は参照として取り、そして1に等しい。シンチレータースクリーンの非露光部分に対して、高いコーティング重量について、変換効率は約3倍まで上昇し、そして低いコーティング重量について約2倍上昇した(表4を参照にされたい)。
Figure 2017526755
§2.1.に記載したS/F設定で測定したInv.Scr.7の変換効率を、Ref
.Scr.1と比較した。Ref.Scr.1はX−線暴露後に変換効率の上昇を示さなかった。Inv.Scr.7の半分を748Gy(70kVp、5mA、80cmの距離、外部フィルター無し)の全X−線線量に、0.3Gy/分の線量速度および4時間48分の全照射時間で暴露した。シンチレータースクリーンの他の半分は、スクリーンへのいかなる露光も回避するために厚さ1mmを有する鉛板で覆った。スクリーンの両半分の変換効率を測定し、そして相対的変換効率を得るためにRef.Scr.1と比較した。Inv.Scr.7はシンチレータースクリーンの非暴露部分の相対的変換効率よりも3.5倍高い相対的変換効率を示した。シンチレータースクリーンInv.Scr.7の非暴露および暴露部分の相対的変換効率は、表5に示す。この結果は、アニーリング後のInv.Scr.7の変換効率は、Ref.Scr.1よりも低いが、X−線の照射がスクリーンの変換効率を参照スクリーンRef.Scr.1より高い値に上げたことを示す。
Figure 2017526755
7.5. 異なる温度および異なる時間で、アニール化したシンチレータースクリーンの変換効率測定およびEPRスペクトル
異なる温度で異なる時間、アニール化したInv.Scr.13〜19の変換効率を、§2.3.bに記載した動力学的モードで測定した。X−線線量の関数として極大での相対的変換効率の値を、参照(=1)として非アニール化スクリーンの効率を用いて表6に報告する。
Figure 2017526755
表6に報告した結果から、ニードル状構造を有するCsBrx(1-x):Eu結晶に基づくシンチレータースクリーンの300℃未満の温度でのアニーリングは、非アニール化シンチレータースクリーンよりも高い変換効率を示すことが分かる。
300℃でオーバーアニーリングしたニードル状構造を有するCsBrx(1-x):Eu結晶のEPRスペクトルは、広いスペクトルが特徴的であり、アニール化サンプルのスペクトルとは明らかに異なり、そしてさらに1090mTおよび1140mTでの極大および1350mTでの極小の不在が特徴的である。
7.6 露光後のシンチレータースクリーンの変換効率
シンチレータースクリーンInv.Scr.8およびRef.Scr.1の半分を、§5.2.a.に記載したようにXeランプに露光した。相対的変換効率はRef.Scr.1.に関して露光および非露光領域の両方を、§2.3.aによる動的モードで測定し
た。結果を表7に報告する。この露光による相対的変換効率の上昇は2.7である。
Figure 2017526755
シンチレータースクリーンInv.Scr.9は§5.2.bのようにXeランプの円形ビームに露光し、そしてシンチレータースクリーンInv.Scr.10の半分は§5.3.のようにUV光の円形ビームに露光した。相対的変換効率は、非露光領域に対するすべての露光領域について、§2.3.aに従う動的モードで測定し、そして結果を表8にまとめる。
Figure 2017526755
露光による変換効率の上昇が観察された。UV照射による変換効率の上昇は、可視光照射による上昇より高かった。
7.7. 粉末状(powder based)のシンチレータースクリーンの変換効率測定
各スクリーンは、動的および動力学的モードで測定した。シグナル対ノイズ比、および極大発光は、発光スペクトルで測定し、一方、X−線照射前の変換効率に対する変換効率は、動力学的モードで測定した(§2.3.bを参照にされたい)。結果を表9に報告する。
Figure 2017526755
アニール化CsBrx(1-x):Eu材料により得られた全てのシンチレータースクリーンは、X−線暴露による変換効率の上昇、および非アニール化CsI:Eu材料で得られたシンチレータースクリーンより高い変換効率を示した。最高の結果は、アニール化CsBrx(1-x):Euニードルを粉状にすることにより得たシンチレータースクリーンについて得られた。非アニール化スクリーンの変換効率は、実験誤差の範囲内であり、変換効率の上昇とは考えられない。
8. 残光測定
§4に記載したアニーリング後のInv.Scr.1の残光は、§2.2に従い測定し、2つのシンチレータースクリーンと比較した:Comp.Scr.5およびCAWO Superfine 115 SW。結果を図4に示す。見ればわかるように、アニーリング後のCsBrx(1-x):Euに基づくシンチレーターの残光は、CsI:Tlに基づくシンチレーターの残光よりはるかに低い。
これらの結果は、CsBrx(1-x):Euに基づくシンチレーターのアニーリングが、X−線の光への変換効率を上げると同時に、残光を大変低いレベルに維持し、本発明を高速の放射線撮像および高エネルギー照射検出法に大変適するものとする。さらにTlをEu代えると、CsBrx(1-x)に基づくシンチレーター生産中に操作者の安全性の問題がより少なくなることを表す。

Claims (10)

  1. 50℃から280℃の温度でCsBrx(1-x):Eu材料をアニーリングすることにより得られるユウロピウムをドープしたCsBrx(1-x)(CsBrx(1-x):Eu、x<0.5)を含んでなるシンチレーターであって、そのようにして得たシンチレーターのEPRスペクトルが、室温で34GHzの周波数で測定した時に1200mTの磁場で極大のシグナル高を示し、1200mTでの正規化シグナル高パーセンテージが100%と計算されるとき、1090mTおよび1140mTでのシグナル高は40%を超えないことを特徴とする上記シンチレーター。
  2. EPRスペクトルが1090mT、1140mTおよび1200mTの磁場で極大のシグナル高を示し、そして1250mTおよび1350mTで極小を示し、1200mTでの正規化シグナル高パーセンテージが100%と計算されるとき、1090mTおよび1140mTでの極大シグナル高は10%を超えるが40%を超えない、請求項1に記載のシンチレーター。
  3. CsBrx(1-x):Eu材料がニードル状結晶構造を有する請求項1に記載のシンチレーター。
  4. シンチレーターが本質的にCsI:Euからなる前記請求項のいずれかに記載のシンチレーター。
  5. アニーリングした後のシンチレーターが、1pmから800nmの間の波長を有する電磁波に暴露される、前記請求項のいずれかに記載のシンチレーター。
  6. 電磁波がX−線からなる請求項5に記載のシンチレーター。
  7. シンチレーターおよび基体を含んでなり、シンチレーターが前記請求項のいずれかに定義されているシンチレータースクリーン。
  8. シンチレーターおよび光電子増倍管を備え、シンチレーターが前記請求項のいずれかに定義されている高エネルギー放射検出装置。
  9. 光を電気シグナルに変換できる複数の感光性素子を含んでなり、シンチレーターが請求項1ないし5のいずれかに定義されている、シンチレーターおよび検出器を備えたラジオグラフィー平面型検出器。
  10. 請求項1に定義したシンチレーターの調製法であって:
    a)場合によりBr含有化合物を含むCsIを、Eu含有化合物と一緒に混合することによりCsBrx(1-x):Eu材料を準備し;そして
    b)CsBrx(1-x):Eu材料を、50℃から280℃の間の温度が得られるように少なくとも5分間、熱に暴露することによりアニール化し;そして
    c)場合によりアニール化CsBrx(1-x):Euを、1pmから800nmの間の波長を有する電磁波に暴露する、
    工程を含んでなる上記方法。
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