JP2017525481A - 電気刺激に関するデバイスおよび方法 - Google Patents

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Abstract

筋肉に電気刺激を与えるために一定目標電流を該筋肉に送達するデバイスおよび方法を開示する。あるデバイスは、治療中に該筋肉に送達される電気刺激を外部から調整し制御する手段をもたない、完全な自立型デバイスである。このマイクロプロセッサをベースにするデバイスは、より一定した正確かつ有効な目標出力電流を、デバイスから送達される一つ一つのパルスで、刺激されている筋肉に送達するために、筋肉を通して帰路電圧を測定することによって、電気刺激中に筋肉に実際に送達される電流を間接的に監視し、随意でそれに加えて、デバイス使用中に内部電池の電圧を監視し調整する。デバイスは、電気刺激治療サイクルが予めプログラムされており、この治療サイクルを達成するのに必要な監視および調整を含めた治療サイクル全体が、デバイス内で自動である。

Description

本発明は、筋肉の電気刺激に関するデバイスおよび方法に関する。具体的には、限定ではないが、骨盤底の筋肉組織の電気刺激に関する電気刺激デバイスおよび方法に関する。
骨盤底障害をもつ女性の治療は、女性の健康管理の重要な部分を占めるようになってきた。大小便の失禁、性的機能障害ならびに骨盤臓器脱を含むこの障害を、多くの成人女性が患っている。一般的な原因のひとつが経膣分娩中の外傷であり、様々な骨盤底の愁訴をもたらし得る。なかでも腹圧性尿失禁と大便失禁がもっとも多く、これらは長期にわたり持続する。骨盤底障害に伴う病状は最終的には女性の生活に多大な影響を及ぼすこともあり、修正的手術を要する場合もあるが、費用もかかるし不快でもあり、効果が得られない場合もある。
骨盤底筋の機能を制御し改善する様々な方法により、規則正しくまたは計画された期間にわたって骨盤底筋エクササイズを行って、そのような有害な予後を回避しよう、ということがますます強調されている。
一例では、骨盤底筋の機能を回復させるために出産後の女性たちに推奨されているのは、骨盤底筋エクササイズである。骨盤底筋エクササイズ(PFME)は、尿機能を制御する筋肉を鍛えるための既知の治療である。骨盤底筋エクササイズは、1940年代の終わりに骨盤底筋の強化を促進したArnold Kegel博士にちなんでKegelエクササイズとも呼ばれている。そのようなエクササイズでは、関係ある筋肉を、何週間も、たいていは何か月も、毎日規則正しく収縮・弛緩させることを要する。だがそのようなエクササイズ・レジメンには、女性がエクササイズを正しく行うことができず、あるいは規則的にまたは十分な期間にわたり実行できず、有効な結果が得られない、というアドヒアランス(患者の能動的参加)の問題がある。そのような女性のエクササイズの既知の補助具には、予め形成された剛性プラスチック材の芯が含まれている。そのような補助具は、段階的に重さが異なるセットで提供されており、女性はこれを膣に挿入して正しい位置に保持しなければならないが、人によってはそれが困難な場合がある。一番軽いものでも重過ぎる場合があるし、サイズが合わない場合もあるからだ。多くの女性にとって、このデバイスが正しく位置決めできているかどうか疑わしい。このようなデバイスはまた、中程度または重度の泌尿生殖器脱のある女性では使用に適さない。
尿失禁治療として様々な非手術的方法が研究されており、様々な形態のPFME、筋肉の物理的性能および筋肉強度の測定に基づくバイオフィードバック法、他の行動学的治療、ならびに骨盤底筋の神経筋電気刺激(NMES)によるものが挙げられる。
NMESは、電気刺激を制御するデバイスに接続されたプローブまたは皮膚電極を用いて骨盤底筋に電気刺激を与えるものである。NMESを受ける人は、病院などの医療施設で治療を受ける場合もあるし、開業医のもとで最初に訓練を受けてから、医師が認めたニーズに合わせてプログラムされた骨盤底スティミュレータをレンタルまたは購入して家庭で治療を続ける場合もある。経験のある医師ならば、女性個人の失禁のタイプと骨盤底筋の機能を診断して、個別化治療を行うように刺激ユニットをプログラムすることができる。一般的な刺激ユニットの重大な弱点は、剛性の膣電極を用いることであり、また、治療中この電極を留置しておくために女性はじっとしていなければならず、電極によっては仰臥位でいなければならないことも多い。一般的に電極は外部制御ユニットと有線接続しているが、場合によっては外部制御ユニットに無線接続しているものもある。とはいえ制御ユニットとの何らかの接続は必要なので、治療中に自由に動き回る自由がないことに変わりはない。こういった要因が、一般的なNMES治療についての女性のアドヒアランスに負の影響を及ぼしている。
家庭用のまたはユーザーが制御可能な電気刺激デバイスにも同様の問題がある。そのようなデバイスには、典型的には、ユーザーが電気刺激デバイスを設定し操作できるように制御部がついている。ユーザーは、一般的には、電気刺激の様々なパラメータの電子押しスイッチまたは回転式の制御つまみにより、電気刺激を制御し調整する。これらの制御手段は、典型的には、刺激デバイスもしくはプローブの表面に配置されて、デバイスの使用中は身体の外に出ているか、または、ユーザーの身体外部の制御ユニットに配置されて、ユーザー体内の刺激プローブに有線もしくは無線接続されている。ほとんどの専門家でないユーザーにとっては、デバイスの制御や、骨盤底筋を効果的に電気刺激するために設定を最適化することは非常に難しいので、このような制御部がついたデバイスの使用には問題が多い。典型的には、これらのユニットでは、失禁のタイプに関して予め設定されたプログラムを選択できるようになっている。医師の指導なく使用する場合、女性はプログラムを正しく選択できるほど自分の状態を十分に理解していないリスクもある。筋肉に対して外部から加えられるNMESの性質上、典型的には、収縮を生成する運動神経よりも先に感覚神経が刺激に反応する。したがって、家庭用NMESデバイスを使用している女性は、最初の感覚レベルで刺激を感知し、それをもって治療レベルと考えて、運動効果には至らず、真の治療レベルは無効治療に終わってしまうリスクがある。
一般的なNMESユニットは、医師が使用するものであれ、家庭でユーザーが使用するものであれ、自動調整機能をもたない。強度レベル、典型的には電圧は、手動で変更して、よい具合にしたり収縮のレベルを改善したりすることができるが、そういうことは典型的には治療中に(せいぜい)2、3回しかなく、しかも典型的にはその場限りのものである。
したがって、これらの一般的なデバイスおよび一般的なエクササイズ・レジメンの主要な課題は、ユーザーの時間と生活スタイルに及ぼす負の影響を低下させつつ、有効なエクササイズのレベルを達成し、および/またはエクササイズの利点の実現に相応なレベルのアドヒアランスを得ることである。この問題に取り組むために、非常に使いやすく、医師や療法士の関与を必要とせず、また使用前や使用中にユーザーが電気刺激エクササイズのプログラムを調整または制御する必要がまったくない、骨盤底エクササイズ用の電気刺激デバイスを開発する試みがなされている。
そのようなデバイスの例が、WO2007/059988およびWO2007/059989に記載されている。これらのデバイスでは、所定の動作電圧ならびに治療/エクササイズサイクルのパルス周波数およびパターンが、デバイス本体内に配置されたマイクロチップにプログラムされており、該デバイス全体が膣に挿入され、膣の管口は閉じている。
そのようなデバイスは、より一般的な従来技術のデバイスやレジメンと比べて大きく向上しているが、具体的には、および特には、ユーザーが動いているときに、そして多様な潜在的ユーザーたちにとって、骨盤底筋の有効なエクササイズを保証するためのさらなる改良が必要とされている。
本発明は、女性の骨盤底筋系の特徴に関するかつてないほど深い理解に一部基づき、骨盤底領域の電気刺激の有効性に大きく影響する。この理解は、一般的な手段または自動的もしくは半自動的デバイスにより有効なエクササイズ・レジメンを提供しようという従来の試みには、いくつかの理由により欠けていた。それは、身体のこの領域の筋系の性質および特性についての諸々の推測があったため、ならびに/または、従来技術のデバイスの動作状態およびエクササイズ・レジメンがこのような特性を覆い隠してしまうような様式で実行されたためであった。どの治療レジメンにもいくつかの別個の治療または電気刺激イベントが含まれ、イベントごとに電気刺激デバイスを用いて電気刺激治療サイクルが送達される。したがって、任意の所与の治療レジメンには、典型的には複数の別個の治療イベントが含まれ、各イベントは同一または異なる電気刺激治療サイクルを用い得る。
電気刺激の分野では、どの筋肉にもある程度の抵抗またはインピーダンスがあることがわかっている。つまり、筋肉はある程度は電気を通す。これは実際には、電気を効果的に筋肉に送り込んで電気刺激を達成するには、一定レベルの電力が必要、ということを意味する。骨盤底の筋肉領域に関しては、一般的な電気刺激デバイスは、骨盤底の筋肉領域の特性および振る舞いに関する一般的な推測と理解に基づいて考察され設計されてきた。個々の女性の月経周期を通じて骨盤底筋のインピーダンスが変化するということは知られているが、多様な女性集団の骨盤底のインピーダンスの範囲は予想されていたよりもはるかに広いということが第一には発見されており、第二には任意の特定の個人の骨盤底領域のインピーダンスは、単一の通常の電気刺激治療サイクルと同程度であり得る比較的短期間のうちに大きく変化するということが発見されている。たとえば、全身エクササイズをしている場合などの個人が静止してリラックスしていない状態、または座ったり横になったりした体位から単に立ち上がるだけでも、インピーダンスは予測不能に大きく変化する。最新のデバイス、具体的には最新の自立型デバイスでは、このレベルの変化に対処することができないので、この変化の範囲全体で一定した有効な電気刺激を送ることができない。
医師が制御するにせよユーザーが制御するにせよ、これまでの一般的なNMESの様式のせいで、これらの変化はこれまでに研究されてもいないし、どの電気刺激エクササイズ・レジメンにも効果的に組み込まれていなかった。そのせいもあって、所与の治療イベントまたはそのイベントのある時点で観察される敏感性および治療耐性の欠如は、デバイスの設定またはデバイスの使い方が間違っているせいである、という考えに至り、そのイベントのデバイス設定およびサイクル・プロファイルがいくつか変更され修正されていた。多種多様な女性に有効な電気刺激を与えることができ、かつ単一の電気刺激イベントの間に予測不能に驚くほど変化する女性個人のインピーダンスにも対処できる自立型の予めプログラムされた電気刺激デバイスを開発することがこれまで大きな難問だった理由のひとつ、それが、インピーダンス特性の真の多様性についてのこのような理解不足である。
したがって、本発明の1つの目的は、完全に膣内に挿入される自立型デバイスであって、骨盤底領域に有効な電気刺激を送達するために、骨盤底インピーダンスの広範な変化に対処しそれに合わせて調整するように自動動作する電気刺激デバイスを提供することである。それは、異なるユーザー間の筋肉インピーダンスの差異を補正し、および個々のユーザーにおける変化、特に女性が電気刺激中に動いている場合の変化を補正するように自動調整するフィードバック手段を有するデバイスである。そのようなデバイスは、一定レベルの有効なエクササイズを骨盤領域に自動的に送達しながら、より広範に多くの女性に、および通常の生活スタイルの様々な活動をしている個々の女性に有効に使用され得るが、それは一般的なデバイスではこれまで不可能だった。
さらなる目的では、筋肉インピーダンスの差異と変化を補正するように自動調整するフィードバック手段を、自立型ではない一般的なデバイスとも一緒に用いて、より一定した有効な骨盤底エクササイズを提供することができる。一般的なシステムに改造を加えることで、たとえば医師またはユーザーの制御下で、インピーダンスに関するフィードバックを用いて、最適な筋肉のエクササイズが可能になる。完全に自動ではないにしても、この技法を用いることで、手動の設定および/または半自動操作がより効果的なものになり、それらの環境においてより有効なエクササイズ・レジメンが提供されると考えられる。この実施形態では、ユーザーおよび/または医師は、電気刺激下で目標出力が筋肉に実際に送達されたかどうかの表示を与えられ得るので、一般的な治療レジメンに見られる高度な主観性を排除できる。
これらの目的は、効果的な測定、フィードバックおよび制御機構により実現される。パルス電気刺激サイクルが開始されると、最初のパルス中に測定が行われ、これらの測定を処理することで、この最初のパルスが必要な電気刺激を送達する有効性を判定することができる。次いでこの判定は、必要な電気刺激効果を送達するように次の電気刺激の動作パラメータを調整するのに用いられる。本発明の好ましい実施形態では、電気刺激は、目標の電気刺激出力電流を筋肉に送達するように選択された初期電圧レベルで送達され、次に測定および処理により目標出力電流が筋肉に送達されたかどうかが判定され、送達されていない場合は、適切な調整制御が実行されて、目標出力電流を得るために次の電気刺激の電圧レベルが自動調整される。好ましい実施形態では、筋肉に送達された電流は、筋肉を通して帰路電圧を測定することで決定される。この帰路電圧の評価ならびに次の電気刺激パルスの電圧レベルの自動調整により、骨盤底の有効治療を達成するために目標出力電流をより効果的に一定して筋肉に送達することができる。このフィードバック機構は動作し続けてもよく、また好ましくは治療サイクルの間動作し続けて、治療サイクル中に筋肉インピーダンスが変化しても、一定した適切なレベルの目標出力電流を維持するのに必要な電圧レベルを効果的に管理する。したがって、この機構を用いるどのようなデバイスでも、あらゆる特定の個人の筋緊張および環境または個人における変化に自動的に適合して、最適化された骨盤底筋エクササイズを送達することができる。
したがって、第1の態様では、本発明は、目標パルス出力電流を電気刺激デバイスと接触している筋肉に送達する電気刺激デバイスを提供し、該デバイスは、
a)デバイス本体と、
b)パルス電気刺激電流を筋肉に送達する少なくとも2つの電極と、
c)少なくとも1つの電源と、
d)少なくとも1つの制御ユニットを含んでおり、該制御ユニットは、目標出力電流を達成するのに必要な出力電圧を生成する手段と、筋肉を通して帰路電圧を電気刺激パルスの初期減衰期から測定する手段と、帰路電圧の測定に基づき、次の電気刺激の目標出力電流を達成するのに必要な出力電圧を調整する手段を含んでいる。
第2の態様では、本発明は、パルス電気刺激により目標出力電流を筋肉に送達する方法を提供し、該方法は、目標出力電流を送達するように選択された初期電圧レベルでパルス電気刺激により筋肉を刺激すること、筋肉を含む回路内の帰路電圧を初期電圧レベルで測定すること、および測定された帰路電圧に基づき、筋肉に目標出力電流レベルを送達するように次の電気刺激の電圧レベルを調整することを含む。
第3の態様では、本発明は、筋肉を含む回路内の相対的インピーダンスを測定する方法を提供し、該方法は、筋肉と一緒に回路を形成している少なくとも2つの電極を介して出力電圧を筋肉に印加すること、電気刺激された筋肉を通して回路内の帰路電圧を測定すること、および印加された出力電圧と帰路電圧を比較して、筋肉を含む回路の相対的インピーダンス値を計算することを含む。
第4の態様では、本発明は、パルス電気刺激下の筋肉の相対的インピーダンスを測定するデバイスを提供し、該デバイスは、
a)パルス電気刺激電流を筋肉に送達する少なくとも2つの電極と、
b)少なくとも1つの電源と、
c)少なくとも1つの制御ユニットを含んでおり、該制御ユニットは、パルス電気刺激電流を生成して筋肉に送達する回路手段と、電極を介して筋肉に印加される出力電圧を生成する手段と、電気刺激された筋肉を通して帰路電圧を電気刺激パルスの初期減衰期から測定する手段と、印加された出力電圧と帰路電圧の比較から筋肉の相対的インピーダンスを決定する処理手段を含んでいる。
本発明の全態様について、デバイスおよび方法は、デバイスの動作で生じたかまたはデバイスの動作中に測定されたデータ、具体的には相対的インピーダンス、電圧レベル、測定された電流、帰路電圧、刺激パルス・プロファイル、パルス持続時間、パルス周波数、電池レベルおよび他の任意の測定または計算されたパラメータ、ならびに全パラメータが測定または計算された時間を収集および/または記憶する手段および方法を含み得る。このデータは、デバイス内に記憶されて後で抽出される場合もあるし、または治療イベントの電気刺激サイクル中にリアルタイムでもしくは一定の間隔でデバイスから抽出される場合もある。このデータは、使用後のデバイスをコンピュータに接続して抽出することもできるし、プログラミング・アダプタを介して、たとえばデバイス電極を通じて、他のデータ抽出手段で抽出することもできる。あるいは、デバイスの使用中または使用後に、デバイスから離れた場所にあるレシーバーに無線でまたは他の通信手段によりデータを送信する手段を、デバイスに組み込んでもよい。このデータを蓄積・解析して、ユーザーの骨盤底筋の状態および/または個々の電気刺激イベントもしくは治療レジメン全体の有効性についての有用な情報を提供することができる。ある程度の期間にわたり多数のユーザーから有用な情報を集めれば、デバイス設計、自立型もしくは一般的なデバイスの各治療イベントの治療サイクル、および治療レジメンの改善に用いられ得る疫学研究に役立ち得る。
本発明の各態様のデバイスおよび方法は、WO2007/059988およびWO2007/059989(その全容を参照により本明細書に援用する)で説明されているデバイスおよび方法の改造バージョンであり得る。改造とは、これらの開示におけるデバイスおよび方法には未存在の本発明の態様を1つ以上加えることである。
本発明の全態様において、デバイスは自立型デバイスであることが好ましい。自立型とは、そのデバイスの全コンポーネントが、画定されたデバイス本体内に配置されているデバイスであって、該デバイス本体の外表面に少なくとも2つの電極が設けられており、該デバイスは全制御手段および関連の回路コンポーネントを該デバイス本体内に含んでおり、該制御手段は、電気刺激治療サイクル用に予めプログラムされており、この予めプログラムされた電気刺激治療サイクルをユーザーや医師が外部から制御または変更する手段はない。デバイス起動の前も後も、該デバイスを外部または外側から調整または制御する手段はない。また、デバイス外部からの通信により制御され得る内部制御手段もない。それに加えて、本発明の自立型デバイスでは、好ましくは電源は1つ以上の内部電池であり、外部電源はない。
本発明の第1の態様のデバイスは、1回限りまたは単回使用のデバイスであって、1回しか使用できず、電気刺激治療サイクルを再プログラムしたり予めプログラムされた電気刺激治療サイクルを再開したりする手段をもたないことが好ましい。このことは、使用後にデバイスが膣内に再度挿入されたとしても動作しないことを意味する。自立型デバイスの本体内のマイクロプロセッシング制御手段は、デバイスあたり1回の電気刺激治療サイクルを送達するようにプログラムされている。
(本発明の他の態様に関して定義した)自立型の電気刺激デバイスは、内部電池の管理を通して、1回限りまたは単回使用とすることができる。一般的にいえば、電池は、デバイスがちょうど1回の治療サイクルを完了するのに十分な電力を提供するように選択され得る。実際にはそれは難しく、通常はデバイスの電池式電源にはある程度の電力が残留することになる。必要な電力レベルは、デバイスごとに、また予めプログラムされた治療サイクルの性質によっても異なる。したがって、デバイスが電気刺激に使用された後も、電池残量があり得る。それに加えて、治療サイクルが中断されると電池残量がある。デバイスの使用後は、廃棄する前に、デバイス内の電池残量を消耗して、実質的に電池切れ状態にすることが望ましい。したがって、このデバイスが必ず1回限りまたは単回使用されるように該デバイスの再利用を防止する必要があり、また、該デバイスが必ず安全に廃棄できるようにする必要もある。かくして、本発明のさらなる態様によると、デバイスが電気刺激の治療サイクルを完了すると、あるいはそのような電気刺激サイクルが治療サイクル中に中断されると、デバイス内のマイクロプロセッサは、デバイスの電池式電源の残量をすべて放電するようにデバイス回路を制御するようにプログラムされている。この放電は、デバイスの電極の外表面を介することがないように、制御されている。
したがって、本発明の第5の態様によると、単回使用の自立型筋肉電気刺激デバイスが提供され、該デバイスは、
a)デバイス本体と、
b)パルス電気刺激電流を筋肉に送達する少なくとも2つの電極と、
c)少なくとも1つの内部電池式電源と、
d)少なくとも1つの内部制御ユニットを含んでおり、該制御ユニットは、電気刺激治療サイクルの生成および電極を介しての筋肉への送達を制御する手段と、電気刺激治療サイクルが完了または中断すると内部電池残量をすべて放電するようにプログラムされている制御手段を含んでいる。
第5の態様の好ましい実施形態では、電池の放電は、マイクロプロセッサの制御により、デバイス電極を絶縁してこれらの電極間に電気刺激電圧が印加されないようにした状態で、パルス治療サイクルを継続することで達成される。この態様の好ましい実施形態では、デバイスは電池タブの除去により起動されるが、該電池タブは、デバイスの外部からデバイス本体内に入り込んで、電池の接点が内部デバイス回路と接触しないように保護している。この電池タブが除去されると、電池の接点は回路と適切に接触できるので、電池から内部回路およびマイクロプロセッサに電力が送達される。デバイス内のマイクロプロセッサは、電池から電力が送達されると治療サイクルを送達するようにプログラムされていることが好ましく、治療サイクルの完了または中断後も電池が完全に消耗するまで消費し続けて、電池が放電して用をなさなくなる事実上完全な放電が好ましい。したがって、ある好ましい実施形態では、内部電池を含むデバイスは、起動されて、まずは電気刺激治療のために内部電池から電力が引かれ、その後も内部電池から電力が引かれ続けて、内部電池が消耗して放電する。好ましい実施形態では、デバイスの起動から内部電池の放電完了までの時間は、治療時間プラス1時間以内、より好ましくは45分以内、もっとも好ましくは30分以内の放電時間である。理想的には、治療サイクルを送達するのに十分な電力を有し、その治療サイクルの完了または中断後に最短の放電時間を有する電池が選択される。好ましくは、電池は、デバイスが起動されると、治療サイクルが完了するまで、そしてこの治療サイクルが完了するとさらに電池が放電されるまで最短15分間、電力を送達し続けることになる。このことは典型的には、30分間の治療サイクル用の最短電池寿命は、デバイスの起動からトータルでおよそ45分間ということを意味する。なお、本発明の第5の態様は、本明細書で開示する本発明の1つ以上の他の態様と組み合わせて用いることができることを理解されたい。
本発明の全態様において、目標出力電流は、好ましくは骨盤底の治療またはエクササイズのために骨盤底の筋肉に送達されるものである。
本発明の全態様による好ましいデバイスの動作の一般的な基本の設計および方法は以下のとおりである。デバイスは、典型的には、好ましくは発泡性材料でできた本体を含んでおり、該デバイス本体の表面には電極が設けられている。デバイス本体は、好ましくは圧縮性発泡材でできているので、容易に圧縮されてから膣に挿入され、膣内で膨張して、エクササイズ対象の筋肉に電極を押し付けて接触させることができる。発泡本体は可撓性がある圧縮可能な性質なので、膣内では圧力下で変形して、接触している表面に沿うことができる。この発泡本体のさらなる利点は、軽量であること、およびこの軽量さに加えて発泡本体が膨張して筋肉と接触するため、体内に挿入されると比較的留置されやすいことである。発泡本体の内部には、使用中にデバイスの操作と制御に必要なデバイスの全コンポーネントが配置されており、このようなコンポーネントとしては、典型的には、電源およびそれと関連付けられた典型的にはPCB上の回路が挙げられ、該回路は、予めプログラムされた電気刺激治療サイクルを、筋肉のエクササイズのために、電極を介して制御し送達するのに必要とされる。デバイスは外側の制御部またはスイッチをもたず、内部電源のたとえば電池と関連付けられたプルタブ構成だけを有し得、該プルタブは、デバイスが膣内に挿入される前に除去され得、それによって電池はデバイス内の制御・刺激回路と係合して電力を送達することが可能になる。好ましいデバイスは、完全に膣内に挿入できるサイズと形状であり、デバイスの一部が身体からはみ出すことなく、膣の管口を閉じた状態にできるものである。デバイスの遠位端に短い紐がついていてもよく、この紐が膣から体外に出ていて、治療サイクル完了後にデバイスを体内から引き出すのに役立つ。本発明は、この一般的な設計に新規の特徴および機能をもたらすものであり、好ましくはこの一般的な設計で用いられる。しかし、本発明の特徴および機能は、当分野で既知の電気刺激デバイスの他の設計で用いてもよい。
一般的なデバイスでは、電圧は、典型的には、電気刺激中に治療出力電流を筋肉に送達するように選択されている。典型的な電圧値は、臨床的に決定された典型的な治療パラメータに基づいている。使用中、これらの値が変化することはほとんどない。これに対し、本発明のデバイスおよび方法は、好ましくは自立型デバイス内で、自動的に可変電圧を与えることができるように設計されており、電気刺激治療サイクル中にできるだけ頻繁に筋肉が電気刺激の目標出力電流を受けられるようにすることを目標としている。
一般的なデバイスでは、電源は、典型的には、デバイスの外部にあり、治療サイクル中の送達の電力レベルは、ユーザー/医師の制御手段により決定および/または調整され得る。本発明による自立型デバイスでは、そのような介入はできず、また不要である。本発明には、筋肉を経由する帰路、および帰路電圧を測定できるデバイスがある。したがって、デバイス内にはこの帰路に沿って帰路電圧を測定する手段がある。帰路電圧を測定する手段は、1つ以上の抵抗器を含んでいるのが好ましい。したがって、デバイスが印加された電圧レベルで動作している間、ユーザーの筋肉を通過している電流は、この帰路抵抗器の両端間に微電圧を発生させ、この電圧は、印加された電流およびユーザーの筋肉のインピーダンスに比例している。したがって、本発明の全態様において、帰路電圧を測定する手段は、1つ以上の抵抗器と、該1つ以上の抵抗器にかかる電圧を測定する手段とを組み合わせて含んでいるのが好ましい。抵抗器の抵抗値は、デバイスの電池電圧の0.25〜0.75倍の範囲内の帰路電圧を測定できるように選択されるのが好ましい。この範囲は、出力電圧の有意味な調整を保証する最適な感度を提供する。このことは、マイクロプロセッサが8ビットのマイクロプロセッサである場合に特に好ましい。抵抗値が低いほど、電圧も低い(抵抗値が高いほど、電圧も高い)。抵抗値は、フィードバックに影響のないようにできるだけ小さくなくてはならない。不適切な抵抗値が選択されると、フィードバック電圧は最大3ボルトの測定範囲(電池電圧によりそのように決定される)の範囲外になるか、または低すぎて分解能が低下することにもなり得る。8ビットのプロセッサは255レベルの測定しかできないので、不適切な抵抗値が選択されると、分解能も限られる。戻り特許電圧値の測定に用いられる抵抗器の抵抗値は、10〜100オームであるのが好ましく、好ましくは20〜50オームであり、もっとも好ましくは30〜40オームである。
この帰路電圧は測定され、それは印加された電圧で筋肉を通過している電流に比例している。この測定された帰路電圧は、所望の目標出力電流を送達するのに必要な既知の電圧と比較され得る。これら2つの電圧の関係は、次いで必要に応じて、制御ユニットが電圧制御ユニットに調整済み信号を与えるのに使用されて、目標電力出力を筋肉に送達するために次の電気刺激の出力電圧レベルが増加または減少される。この測定、計算および調整は、電気刺激治療サイクル中に任意の数のパルスで実行され得る。治療サイクルには、複数の規則的なパルス・シーケンスが、各シーケンスの間に刺激のない期間を挟んで存在し得、2つ以上のパルス周波数セットがあり得る。異なる周波数でのパルスは、異なる強度であり得る。これらの測定は、各パルス・シーケンス中に各パルス・シーケンスの1つまたは全パルスで行われる場合もあるし、1つおきのパルスのシーケンスで、またはそれ以外で行われる場合もある。2つ以上のパルス周波数を用いる場合、測定は、1つ以上のパルス周波数で、または全パルス周波数で行われ得る。本発明の好ましい実施形態では、この測定、計算および調整は、電気刺激治療サイクルの一つ一つのパルスで行われる。ある好ましいパルス周波数セットは、米国特許第6236890号および米国特許第6865423号で説明されているとおりであり、その全容を参照により本明細書に援用する。
したがって、本発明の全態様の好ましい実施形態では、マイクロプロセッサをベースにする制御手段が、様々なパラメータの測定を行い、これらの測定されたパラメータおよび/または固定パラメータに基づき計算および/または比較を実行し、およびこれらの測定に基づき一つ一つのパルスで電圧レベルの調整を制御するように、プログラムされている。このことは、後続パルスでは、先行パルスの電圧レベルから調整されているかまたは調整されていない電圧レベルになることを意味する。
実施形態では、帰路電圧の目標値は、二乗平均平方根の電圧であり得、目標(パルス)出力電流は、二乗平均平方根の電流であり得る。電気刺激パルスが筋肉に送達されると有限の持続時間を有するが、パルスの持続時間を通して電気刺激下の筋肉のインピーダンスが変化することが見出されている。このことは図2に示されており、図中、帰路電圧は、初期ピーク後、パルスが完了に向けて進行するにつれて、明白に減少または減衰することがわかる。これは電気刺激パルスの典型的なプロファイルである。初期の高ピーク値は、比較的低い筋肉の抵抗を示している。電気刺激の作用下で筋肉が動き始めると、筋肉の抵抗は増加し、帰路電圧が減少する。パルス・プロファイルの各ポイントで、筋肉に与えられる電流は、筋肉インピーダンスおよび電圧に比例して変わる。本発明の一実施形態では、デバイスの目標パルス出力電流は、このパルス・プロファイルを考慮に入れることにより決定されるのが好ましい。好ましい実施形態では、デバイスは、次の電気刺激の出力電圧の調整に用いる帰路電圧値を計算するために、帰路電圧のパルス・プロファイルに対応するように構成されプログラムされている。したがって、好ましい実施形態では、帰路電圧は電気刺激パルス全体の二乗平均平方根(RMS)帰路電圧である。これは次式で表すことができる。
好ましい実施形態では、RMS帰路電圧は、6〜100のn値、より好ましくは8〜50のn値、さらに好ましくは8〜20のn値、さらに好ましくは8〜16のn値、もっとも好ましくは12のn値で決定される。nの電圧値は、パルス中の一連の等しい時間間隔で測定され、RMS帰路電圧の計算に用いられる。このRMS帰路電圧は、次式の関係により、筋肉に送達された電流に正比例している。
したがって、本発明の好ましい実施形態では、出力電圧は、電流RMSを目標パルス出力電流として送達するように設定される。電圧RMSは、各パルスについて決定され、この値は電流RMSを送達するように出力電圧を調整するのに用いられる。これらの測定値は、好ましくはマイクロプロセッサにより決定されて、必要な出力電圧を送達するのに好適な調整が電圧制御ユニットに連絡される。電圧RMSは、パルスの全体または一部について決定され得る。パルスの一部について決定される場合は、パルス持続時間の50%以下に相当するパルス初期について決定されるのが好ましい。好ましい実施形態では、パルスの一部について電圧RMSが決定される場合、パルスの最初の50〜60μ秒について決定される。電圧RMSは、電気刺激パルス全体について決定されるのが好ましい。
本発明のデバイスでは、電子回路および制御部は、特に自立型デバイス内では、できるだけ小型でコンパクトであるのが好ましい。この点で、できるだけ小型のプロセッサを用いるのが望ましく、そうすると通常は、たとえば16ビットのプロセッサではなく8ビットのプロセッサなど、処理能力レベルが低くなる。処理能力レベルが低いことは、省電力になり、たとえば自立型デバイスで小型の低出力電池を使用できるという利点がある。しかし、処理能力が低いということは、特に電気刺激パルスの持続時間が典型的には非常に短いこれらのデバイスの時間枠内で、複雑な測定や計算を行うことが難しいことを意味する。一つの難局が、出力電圧の調整に関する電圧RMSの決定と使用である。
この難局は、パルスの特定の時点で帰路電圧を測定することにより対処できることが見出されている。この特定の時点での測定は、電圧RMS測定の許容可能な代替となり、出力電圧が目標出力電流を確実に送達することが見出されている。したがって、電気刺激サイクルおよび/または1つの電気刺激パルス中の筋収縮の特定のポイントで帰路電圧を決定することが好ましい。筋肉は、戻りパルスの開始時に収縮し始める(図2参照)。デバイスの全フィードバック・パラメータは、筋収縮のこのポイントでまたはそれに関連して、測定または計算されることが好ましい。後で図を参照しながら詳述するが、本発明では、帰路電圧が、筋収縮の開始後、パルスの特定のポイントで測定されるのが好ましい。好ましくはこの測定は、筋肉が収縮を開始してから20〜40μ秒で、好ましくは25〜35μ秒で、より好ましくは27.5〜32.5μ秒で、もっとも好ましくは30μ秒または約30μ秒で行われる。筋肉が収縮を開始してからこれらの範囲内での、好ましくは30μ秒での測定値は、目標出力電流を送達するための次の出力電圧の調整の決定および相対的な筋肉インピーダンスの計算のために、もっとも再現可能で正確な帰路電圧の測定を提供することが見出されている。どのユーザーグループでも、電流の波形パルスの時間対電圧プロファイルにかなり差があり、そのせいでユーザー間の類似レベルの測定は難しいことが見出されている。パルス開始時およびロールオーバー時の初期の上昇は、同一ユーザーでも、1つの電気刺激治療イベント中にその都度変動することが見出されている。パルスのピークレベルの測定には問題があることが見出されているが、それはパルス・プロファイルのなかでも比較的過渡的なポイントなので測定目標としては微細であり、筋肉の特徴にも左右されるので、異なるパルス・ピーク電圧が生成され得るからである。先述の範囲内および好ましくは30μ秒または約30μ秒で測定すると、1つの帰路電圧の驚くほど最適な測定ポイントが提供されることが見出されており、次いでこの測定を、同一または別のユーザーに送達される電流が有効であるように、出力電圧に必要な調整を計算するのに使用できる。理論に縛られるわけではないが、このポイントでは、筋肉は、パルス開始時の初期の変化の後に安定していると考えられる。治療パルスの開始時、筋繊維は電流サージを引いて収縮するが、次いで筋肉が安定すると収縮が低減するので、この安定環境でこそ帰路電圧の測定値をとるべき、と判定されている。この測定はまた、パルスの終期または終了時の測定よりも好ましい。そのころには信号が低下/弱化しているので、測定の分解能も低下している可能性があるからである。したがって、パルスの終了時またはその付近のみで戻り電圧を測定しないのが好ましく、パルスの終了時またはその付近のみでの測定に基づき電流値を測定しないのが好ましい。パルス一つ一つの帰路電圧を測定する際は、この帰路電圧を先述の範囲内および好ましくは30μ秒または約30μ秒で測定するのが好ましい。さらなる一実施形態では、帰路電圧は、RMS値として、筋肉が収縮を開始してから先述の20〜40μ秒の範囲で、好ましくは25〜35μ秒で、より好ましくは27.5〜32.5μ秒で決定され得る。
本発明による帰路電圧の測定とその後の出力電圧の調整の決定の使用は、目標出力電流が必要とされるどのようなデバイスでも行うことができる。これには、本発明の好ましい自立型デバイス、またはより一般的なデバイスが含まれる。
また、本発明のデバイスの効果的な自動動作は、電源として電池が組み込まれその電池の電圧を基準とする場合の自立型デバイスに特有の問題にも影響され得ることも見出されている。これらの自立型デバイスに典型的に求められることは、比較的小型の低電圧の電池を電源として用いて、本明細書で説明するような回路によりその電圧を電気刺激用の所望の電力レベルにまで昇圧することである。これらの電池の定格は6V以下であり得、典型的には3V以下であるが、わずか1ボルトの場合もあり、デバイス内の回路がデバイスの出力電圧を10V以上に昇圧する。しかし、一定した制御下の自動動作を送達するように設計されている自立型デバイスでは、これらの低エネルギー電池は問題となる。1つの問題として、このような電池の性能は、バッチごとに、またはバッチ内でも、大きなばらつきがあることが見出されている。二つ目の問題は、使用時の消耗特徴にばらつきがあることである。さらなる問題は、保管中の劣化であり、しかもこの劣化は予測不能である。多くの問題の根幹は、通常はこれらの小型の低出力電池は、電流のバースト(本明細書で提案しているような100mAのパルスなど)ではなく、長時間にわたり細流式の出力を提供するように設計されていることである。これらの不確定要素のせいで、任意の所与の自立型電気刺激デバイスは、これらが当初製造された後どの時点で使用されるかは様々なので、電池の特性および状態、特に電圧が未知数になってしまう、という状況がもたらされる。このような状況では、推定電圧に基づき電池電圧を基準点として用いることは、電力レベルの調整が不正確になることにつながり、結果として、電気刺激される筋肉に不適切な出力電流が送達され、結局はあまり有効性のない治療を送達することになる。さらなる影響として、そのような自立型デバイスの電池の貴重な電力が有効に使用されず、浪費される場合もある。
したがって、本発明の好ましい態様では、デバイスおよび方法は、自立型かつ電池式の場合に、さらに、電池管理の手段および工程を含んでいる。好ましい実施形態では、このことは、電力回路内、好ましくはコア制御回路内に配置された固定電圧基準ダイオードを使用することで達成される。この基準ダイオードは、任意の好適な固定電圧を有し得、好ましくは、0.6Vに固定されている。その他、0.6〜5ボルトの範囲およびそれ以上の電圧基準も利用可能である。固定電圧基準はまた、外部のダイオードまたは基準電圧によっても与えられ得るが、好ましくは、デバイスの内部である。
可変電池電圧を基準として使用する問題点は、たとえば自立型デバイスが8ビットのマイクロプロセッサで制御される場合、次のように説明され得る。そのような8ビットのマイクロプロセッサは、電池電圧を参照して項目を数で測定し、最高255までの値を測定する。マイクロプロセッサ内のアナログからデジタルへのコンバータは、電池電圧を255で割ることで基本のステップサイズを計算して、デバイス内の電圧制御ユニットに適切な制御信号を送達するために必要な情報を、マイクロプロセッサに提供する。マイクロプロセッサは、測定するとき、1ステップから開始して、測定されている電圧と比較し、等しくない場合はステップをもう1つ付加して、ステップの累積値が測定されている電圧と等しくなるまで繰り返す。ステップの累積値はマイクロプロセッサのプログラムに戻されて、この戻り値に基づき判定がなされる(値は0〜255)。
たとえば、出力電圧を調整するために、目標1ボルトの帰路電圧を各パルスにつき測定するように設定されたデバイスがあるとする。問題を2つのシナリオで説明する。第1のシナリオでは、3ボルトの電池が3/255=0.012ボルトとしてマイクロプロセッサにより参照される。これは@lボルト/0.012=83と計算されるので、この例で記録されるレベルは83ということになる。第2のシナリオでは、2.5ボルトの電池が2.5/255=0.010ボルトとしてマイクロプロセッサにより参照される。これは@lボルト/0.010=100と計算されるので、この例で記録されるレベルは100ということになる。このことは、可変電池の電圧測定の問題を説明している。帰路電圧の値は、デバイスで使用されている電池の実際の電圧によって変わり得る。
したがって、本発明では、ある実施形態では、好ましくはデバイス内で固定基準電圧を用いることで、この問題が解決される。基準電圧は、電池電圧を計算するのに用いられ得るし、または単にマイクロプロセッサが使用する有意味な値を提供するのに用いられ得る。こうして、以下に説明するように、基準電圧を用いて帰路電圧レベルをより正確に測定し、この測定値を乗じてデバイスの電圧制御ユニットが必要とする値にすることが可能になる。この方法を用いれば、回路の電圧制御ユニットに連絡されるマイクロプロセッサの値は、以下の例で説明するように電池レベルに合わせて変化することになるので、電圧制御ユニットは正しい値を受けて、目標出力電流が達成されるように出力電圧を送達することが保証される。固定基準電圧は、既知の電圧を有する、回路内の任意のポイントでよい。好ましい実施形態では、マイクロプロセッサ内で、基準電圧は、0.6ボルトに固定されたダイオードにより提供される。上述の計算を用いると、3ボルトでの0.6ボルトは、マイクロプロセッサでは50という値で記録され、2.5ボルトでの0.6ボルトは、マイクロプロセッサでは60という値で記録される。このように電池レベルの参照ガイドおよび既知の基準電圧があるので、これをマイクロプロセッサの計算で使用して、スケールアップ値を電圧制御ユニットにより正確に送達して、目標出力電流をより精密に送達するために必要な電力レベルを得ることができる。
換言すると、ダイオードの両端間の電圧は、常に既知である(0.6ボルトの一定値)。マイクロプロセッサのA/Dコンバータの基準は電池レベル(電池電圧/255)なので、電池レベルが変化すると、既知の0.6ボルトに対して戻る値も変化する。ダイオードの電圧は既知なので(一定して0.6ボルト)、この値から目標のフィードバック値をスケーリングできる。
目標帰路電圧が1ボルト、基準が0.6ボルトの場合、電池レベルが目標電圧に達するために、測定された基準値をスケーリングするのに必要な掛け率は、1.65(1/0.6)となる。すると3ボルトの電池では、1ボルトの目標は83(50*1.65)となる。2.5ボルトの電池では、1ボルトの目標は99(60*1.65)となる。基準電圧は、好ましくは、パルス中、好ましくはパルスの最後のほうで、より好ましくはパルス開始から35μ秒以上で、さらに好ましくはパルス開始から40μ秒以上で、もっとも好ましくは50μ秒以上で測定される。次いでこの値(基準電圧にスケーリングを加味)は、次の電気刺激の出力電圧値を調整するために、電圧RMSのまたは30μ秒または約30μ秒での帰路電圧の測定で用いられる。
好ましい実施形態では、電池電圧を補正するルーチンは、デバイスからの一つ一つの電気刺激パルスについて行われ、好ましくは、どの後続電気刺激パルスが開始される前にも行われる。
一実施形態では、基準電圧は、任意の所与の時点での電池の実際の電圧を計算するのに用いられ、マイクロプロセッサはその値を用いて、帰路電圧およびデバイスが測定する他の任意の電圧を正確に決定する。このことは、電池の電力に対処する先に考察した方法、つまり典型的には、電池の残量はどのくらいか、電池はまだ使用可能か、などを決定する方法とは異なる。本発明の実施形態では、基準電圧を参照することで、電池の電圧の実際の値が決定される。
本発明のデバイスおよび方法は、本明細書で説明する帰路電圧のフィードバック測定に基づく出力電圧調整機構、および、同じデバイスおよび制御回路内の本明細書で説明する電池の電力レベルを補正するための基準電圧に基づくルーチンの両方を用いることが好ましい。これらの2つの特徴が自立型の電池式デバイスで組み合わされると、本明細書で説明するデバイスおよび方法の一定性と有効性が大幅に増大することが見出されている。
さらなる実施形態では、帰路電圧が測定され得、この値は、デバイスが送達する出力電圧を調整するために、コンパレータおよびマイクロプロセッサのメモリに保持された帰路電圧についてのプリセット値を含む回路と組み合わせて用いられ得る。これは、マイクロプロセッサに対し独立した回路であり得る。帰路電圧目標についてメモリに保持されている数がコンパレータの1つのピンに供給され、帰路電圧がコンパレータのもう1つのピンに供給される。このフィードバックはマイクロプロセッサの制御下にないので、測定される帰路電圧は、典型的には、電気刺激パルスのピーク電圧かまたはその付近である。帰路電圧が目標に満たない場合は、コンパレータの出力は現状維持され、出力電圧がマイクロプロセッサのプログラムに合わせて増加され、出力電圧は増加し得る。しかし、帰路電圧がコンパレータで目標電圧を超えると、コンパレータが出力を生成し、マイクロプロセッサはこれを認識する。この時点で、マイクロプロセッサは、コンパレータからの出力信号がなくなるまでは、出力電圧を増加させない。マイクロプロセッサは、コンパレータの出力値を定期的にチェックするようにプログラムされ得、また、一つ一つのパルスでコンパレータの出力信号をチェックするようにプログラムされ得るし、好ましくはプログラムされる。コンパレータを用いるこの技法は、マイクロプロセッサ内のA/Dコンバータでのスケーリングを用いる本発明の好ましい実施形態ほどは正確ではない。その理由は、コンパレータは、基準と測定すべき値とを比較して、1か0で戻すからである。A/Dコンバータでのスケーリングを用いる好ましい実施形態では、測定値が基準よりも高くても低くても、A/Dコンバータは測定値を戻す。これにより、戻り値に応じて、値が基準と等しいかどうか、値が低いかどうか、低い場合はどのくらい低いのか、などのいくつかの判断をすることが可能になる。また、コンパレータをベースにするフィードバックは、本明細書で説明する電池レベルに対処した方法を用いることはできない。したがって、本発明の一実施形態ではあるが、好ましい実施形態ではない。
本発明の第1と第2の態様について、デバイスおよび方法は、さらに3つの追加の動作状態のうちの1つ以上を送達するように構成され実行するのが好ましい。本発明の第1と第2の態様のデバイスおよび方法は、一定の目標出力電流を提供するように設計されている状態で動作するのに加えて、全治療サイクルのうちに、一定目標電流モードに固定されていない、他の追加の動作期間を含み得る。
そのような追加の動作期間のひとつは、一定目標出力電流での治療期の前に開始され、初期定電圧期と呼ばれ得る。この初期定電圧期では、マイクロプロセッサは、一定目標出力電流を送達するために、可変電圧ではなく定電圧でデバイスを動作させるようにプログラムされている。この定電圧期では、目標出力電圧は治療レベル未満のレベルに設定されており、好ましくは15ボルト以下、より好ましくは12ボルト以下、もっとも好ましくは10ボルト以下である。この定電圧期では、出力電圧はデバイスにより測定され、目標出力電圧と異なる場合は、次の電気刺激の出力電圧が増加または減少される。この定電圧期では、ユーザーに送達される電圧および電流は低いので、筋肉は、治療レベルを経験する前に低レベルの電気刺激を経験して適応することができる。この定電圧期は、一連のパルス列を含み得る。好ましくは、各パルス列は2秒以内、もっとも好ましくは1秒以内持続する。各列内ではパルスは漸増するパルス間隔、好ましくは8〜500m秒の間隔で点在している。好ましくは、パルス持続時間は同一であり、100〜350μ秒、好ましくは100〜300μ秒、もっとも好ましくは125〜250μ秒の範囲である。好ましくは、各列は、2〜20パルスを含み、もっとも好ましくは4〜12パルスを含んでいる。好ましくは、この定電圧期は、一連のパルス列を含み、好ましくはパルス列は定電圧期の間反復されて、総数20〜200、好ましくは40〜120、もっとも好ましくは60〜100のパルスを提供する。
さらなる追加の動作期間は、定電流治療期の前かつ初期定電圧期の後に開始され得るし、好ましくは開始される。この第2期は、電流ランプモードと呼ばれ得る。この第2期の間、マイクロプロセッサは、プログラムされたとおり、定電流モードに切り換えて、初期定電圧期の終了時の電圧レベルから、治療期に目標パルス出力電流を送達するのに必要な動作電圧にまで電圧を一定して上げようとする。その前の定電圧期と同様に、目標出力電圧が得られたかどうかを決定するのに、電圧RMSまたは30μ秒での帰路電圧の測定が用いられ得るし、好ましくは用いられる。この第2期では、目標帰路電圧は初期よりも高レベルになっている。この第2期は、ユーザーに送達される電流が、初期定電圧期の終了時の低レベルから、この電流ランプ期の終了時には目標出力電流に必要なレベルに近いかまたはそのレベルにまで上昇できるように設計されている。要するに、この第2期では、出力電圧は、帰路電圧フィードバックの下、目標出力電流が得られるまで一つ一つのパルスで増加される。この電流ランプ期は、一連の1秒パルス列を含み得る。各列内ではパルスは漸増するパルス間隔、好ましくは8〜500m秒の間隔で点在している。好ましくは、パルス持続時間は同一であり、100〜350μ秒、好ましくは100〜300μ秒、もっとも好ましくは125〜250μ秒の範囲である。好ましくは、各列は、2〜20パルスを含み、もっとも好ましくは4〜12パルスを含んでいる。好ましくは、この第2期は、一連のパルス列を含み、好ましくはパルス列は電流ランプ期の間反復されて、総数40〜1000、好ましくは80〜600、もっとも好ましくは260〜280のパルスを提供する。
さらに好ましい動作状態は、デバイスと骨盤底筋の接触を検出する手段と呼ばれ得るものを含むことである。デバイスは、ある範囲の帰路電圧を検出するものと予測されるように構成され得、これらの範囲は、初期では比較的低レベルに、電流ランプモードおよび治療期の目標出力電流に関連するレベルでは高レベルに設定され得る。これらの電圧は、デバイスが骨盤底と接触しているときに測定される。デバイスは、安全のため、本明細書で説明するように、電圧が高くなりすぎるとデバイスをオフにする機構を有し得る。しかし、デバイスが完全に起動される前にデバイスが骨盤底筋と接触しているかどうかを判定し、ならびに/または治療サイクルが完了する前に骨盤底との接触が外れた場合にデバイスを弱にするおよび/もしくはオフにする必要がある。このことは、低い最低レベル(少なくとも動作の初期の骨盤底筋との接触に関して予想されるレベルよりも低い)を帰路電圧の値に選択することにより達成され得る。マイクロプロセッサはこの最低値をメモリ内に有して、デバイスの起動後に帰路電圧がこの値を下回ると、デバイスはまだ骨盤底筋と接触していないと判定し、デバイスが骨盤底筋と接触するまで治療サイクルを遅らせるか、またはしばらく経過した後にデバイスを停止し、好ましくは電池を放電する。デバイスが骨盤底と接触すると、この帰路電圧の低電圧レベルは見られも検出もされず、デバイスは治療サイクルを送達して動作を続ける。何らかの理由で治療サイクルが完了する前にデバイスが除去されると、帰路にかかる電圧は大きく降下してマイクロプロセッサのメモリに設定されている低レベルを下回り、デバイスの出力は治療レベルを下回るか、または停止して好ましくは電池を放電する。
一実施形態では、たとえば電池タブを除去して起動した後、デバイスが膣内に位置決めされるのを待って最高10秒間おいてから電気刺激が開始され、次いでマイクロプロセッサが電気刺激を開始して、好ましくは初期電圧期そして電流ランプモードから治療サイクルに入っていく。
本発明の別の態様の一実施形態は、デバイスと接触している筋肉に目標出力電流を送達する電気刺激デバイスを提供することができ、該デバイスは、デバイス本体と、パルス電気刺激電流を筋肉に送達する少なくとも2つの電極と、少なくとも1つの電源と、少なくとも1つの制御ユニットを含んでおり、該制御ユニットは、目標出力電流を達成するのに必要な出力電圧を生成する手段と、筋肉を通して帰路電圧を測定する手段と、帰路電圧の測定に基づき、次の電気刺激の目標出力電流を達成するのに必要な出力電圧を調整する手段を含んでいる。
本発明の別の態様の一実施形態は、筋肉の電気刺激の目標出力電流を送達する方法を提供でき、該方法は、電気刺激の目標出力電流を送達するための初期出力電圧を提供すること、電気刺激された筋肉からの帰路電圧を測定すること、および初期出力電圧が目標パルス出力電流の送達に必要な電圧とは異なるということを帰路電圧レベルが示す場合、出力電圧を調整することを含む。
本発明の別の態様の一実施形態は、パルス電気刺激により目標出力電流を筋肉に送達する方法を提供でき、該方法は、目標出力電流を送達するように選択された初期電圧レベルでパルス電気刺激により筋肉を刺激すること、筋肉を含む回路内の帰路電圧を初期電圧レベルで測定すること、および測定された帰路電圧に基づき、筋肉に目標出力電流レベルを送達するように次の電気刺激の電圧レベルを調整することを含む。
本発明の別の態様の一実施形態は、筋肉を含む回路内の相対的インピーダンスを測定する方法を提供でき、該方法は、筋肉と一緒に回路を形成している少なくとも2つの電極を介して出力電圧を筋肉に印加すること、電気刺激された筋肉を通して回路内の帰路電圧を測定すること、および印加された出力電圧と帰路電圧を比較して、筋肉を含む回路の相対的インピーダンス値を計算することを含む。
実施形態では、出力電圧を測定し調整するステップが電気刺激イベント中に、またはイベント中のサイクル中に実行される。これらのステップは、1つのパルス中に実行され得る。測定および調整は、一つ一つの電気刺激パルスで実行され得る。
回路内の帰路電圧は、少なくとも1つのパルス全体にわたり、二乗平均平方根の電圧として決定され得る。回路内の帰路電圧は、(たとえば二乗平均平方根の電圧として)少なくとも1つのパルスの少なくとも一部にわたり決定され得る。
本発明の別の態様の一実施形態は、筋肉の電気刺激の目標パルス出力電流を送達する方法を提供でき、該方法は、電気刺激の目標出力電流を送達するための初期出力電圧を提供すること、電気刺激された筋肉からの帰路電圧を測定すること、および初期出力電圧が目標パルス出力電流の送達に必要な電圧とは異なるということを帰路電圧レベルが示す場合、出力電圧を調整することを含み、帰路電圧を測定するステップは、戻り電気刺激パルスの初期減衰期から電圧レベルを測定することを含んでいる。
本発明の別の態様の一実施形態は、出力値が変化する電源を用いて、筋肉の電気刺激のパルス出力電流を送達する方法を提供でき、該方法は、電気刺激の出力電流を送達するための初期出力電圧を提供すること、電気刺激された筋肉からの帰路電圧を測定すること、および電気刺激の出力電流を送達するためのさらなる出力電圧を提供することを含み、さらなる出力電圧を提供するステップは、電源の出力値と基準電圧の比較に応じて出力電圧を修正することを含んでいる。
本発明のさらなる態様は、コンピュータ・プログラムまたはコンピュータ・プログラムのアプリケーションを含んでおり、これらのコンピュータ・プログラムまたはコンピュータ・プログラムのアプリケーションは、コンピュータまたはプロセッサにロードされるかまたはコンピュータまたはプロセッサ上で実行されると、コンピュータまたはプロセッサに上述の態様および実施形態による方法を実行させるようにされている。
本明細書全体で、治療のレジメン、イベントおよびサイクルに言及している。本発明のデバイスおよび方法は、筋肉治療のデバイスおよび方法に限定されず、医療上の問題がなく医学的治療の必要がない筋肉のエクササイズにも使用できることを理解されたい。したがって、本発明の全態様において、文脈に治療のレジメン、イベントおよびサイクルが登場する場合、これらの用語をエクササイズのレジメン、イベントまたはサイクルと置き換えることが可能である。これらの実施形態では、デバイスおよび方法は、筋肉エクササイズの目的のみに使用できる。筋肉治療と筋肉エクササイズを組み合わせることも、当然本発明の範囲内である。
本発明の実施形態の説明において、プロセッサおよび/またはコントローラは、1つ以上の電算プロセッサおよび/または1つ以上の電子プロセッサを有する制御素子類を含み得る。したがって、本明細書で使用する「プロセッサ」または「コントローラ」という用語は、単一のプロセッサ、コントローラまたは制御素子、あるいは複数のプロセッサ、コントローラまたは制御素子のいずれかを指すものとし、複数の場合は、それらは共働して、記載の機能を提供する。さらに、プロセッサまたはコントローラの個別のおよび/または別々の機能は、異なる制御ユニット、プロセッサまたはコントローラをホストとするかまたはそれらの中で実行され得る。
プロセッサまたはコントローラを構成するために、好適な命令セットが提供され得、これらの命令が実行されると、該制御ユニットまたは電算デバイスは、本明細書に記載される技法を実行する。命令セットは、該1つ以上の電子プロセッサに好適に組み込まれ得る。あるいは、命令セットは、該電算デバイスで実行されるソフトウェアとして提供され得る。
本発明をよりよく理解するために、また本発明をいかに動作させるかを示すために、次に、添付の概略的図面に示すような様々な具体的な本発明の実施形態を例として参照する。
本発明による電気刺激デバイスまたはインピーダンスを測定するデバイスの好ましい形態の斜視図である。 好ましい測定ポイントを30μ秒とする、ある個体で生じた波形を示す、筋肉に送達された電気刺激パルスの記録、およびRMS測定の原理を示す図である。 好ましい測定ポイントを30μ秒とする、ある個体で生じた波形を示す、筋肉に送達された電気刺激パルスの記録、およびRMS測定の原理を示す図である。 本発明の電気刺激デバイスまたはインピーダンス測定デバイスで用いられる好ましい回路を、説明のために主要コンポーネントを強調して示してある概略図である。 本発明の電気刺激デバイスまたはインピーダンス測定デバイスで用いられる好ましい回路を、説明のために主要コンポーネントを強調して示してある概略図である。 本発明の実施形態による方法のステップのセットを示す図である。 本発明の実施形態によるマイクロプロセッサのコンポーネントを示す図である。
図1を参照すると、圧縮されていない完全拡張状態の自立型電気刺激デバイス(1)が示されている。デバイス(1)は、生体適合性がある弾性の圧縮可能な発泡材でできた本体(2)を有している。電極(3および図示しない3’)がデバイスの本体(2)内から現れており、デバイス(1)の両側部(5および図示しない5’)の表面(4および図示しない4’)に配置されている。電極(3および3’)は比較的平坦である。この特定の実施形態では、電極(3、3’)は内部導電路を通してデバイス(1)の内部コンポーネント(図示せず、図3を参照のこと)と連通している。電極はデバイス(1)内から通過してきて、デバイスの両側部(5、5’)の表面(4、4’)とほぼ同一面に配置された導電表面(6および図示しない6’)を提供している。平板電極(3、3’)の本体は、本体(2)の表面(4、4’)の下方で、デバイス(1)の本体(2)内の中空の空洞(図示せず)内に配置されている。電極(3、3’)の表面(6および6’)は、本体(2)のそのような開口部(7および図示しない7’)から見えている。一実施形態では、電極(3、3’)は、デバイス(1)の本体(2)の表面に設けられ得る。この実施形態では、表面に設置された電極(3、3’)は、本体(2)の内部と連通している導電路と接続している場合もある。この図では示していないが、デバイス(1)の内部コンポーネントはデバイス本体内に完全に密閉されており、以下に詳述される。デバイス(1)はこれに取り付けられた細紐(8)を有しており、この紐はデバイスを除去する際にだけ使用される。紐(8)は、細紐もしくは類似のもの、プラスチック材、またはたとえば生体適合性金属で作製され得る。デバイスは、デバイス本体内に配置されたデバイスの素子類を外部から制御または調整する手段をもたず、デバイス本体はデバイス表面の電極以外のデバイス素子類を完全に密閉している。デバイス回路の測定、制御および電源コンポーネントはすべてデバイス内部に配置されており、デバイスのユーザーがアクセスすることはできない。この図では示していないが、好ましくは紐のデバイス側の端部のところに、デバイス本体に挿入されているタブがある。このタブは、デバイス本体内の測定・制御回路から内部電池を絶縁している。デバイスを使用するため、および測定・制御回路を起動するためには、このタブを除去して、電池が測定・制御回路と係合して電力を送達できるようにする。好ましくは、いったん除去されたタブをデバイスに再度挿入することはできない。
非圧縮状態のデバイス(1)の寸法は、長さ(L)が幅(w)よりも長く、幅(w)は高さ(h)よりも大きい。このデバイス(1)を挿入軸線(X)の断面で見ると、一様ではない対称的な断面を有している。一様ではないということは、デバイス(1)の使用中、該デバイス(1)は挿入軸線(X)に対して回転または変位しにくい、ということを意味する。デバイス(1)には鋭い端部はなく、緩やかに湾曲した部分により互いにつながる明瞭に画定された表面を有している。デバイス(1)の圧縮可能な特性により、使用中に骨盤底の筋肉と弾性接触することが保証され、全体の寸法および形状と連絡表面の滑らかな湾曲とが相まって、デバイス(1)が使用中に容易かつ楽に挿入されることが保証され、またそれと同時に使用中の不要な回転および変位が制限または阻止される。デバイス本体の形状および材料特性は、膣内ではデバイスが圧縮され、曲げられ、変形されることが可能なので、膣の内表面が動いたときに該内表面が及ぼす圧力に順応できる。そのような動きは特にユーザーが身体を動かしたときに生じる。
図2を参照すると、本発明による、電気刺激デバイスから組織に送達された後に戻ってくる典型的な1つのパルス・プロファイルが示されており、目標出力電流を送達するためにデバイス電力レベルを調整するための帰路電圧測定に好ましい30μ秒のポイントがポイントXと示されている。図2(a)を参照すると、同一の1つのパルス・プロファイルが電圧RMSの計算に用いられる等間隔の電圧測定V〜V11とともに例示されている。
図3および図3aを参照すると、本発明の電気刺激デバイスまたはインピーダンス測定デバイスで使用するのに好ましい回路の主要コンポーネントが例示されている。これらの主要コンポーネントには、マイクロプロセッサ制御ユニット(100)、帰路電圧検出回路(200)、治療電圧検出回路(300)、DCブロック(400)、出力スイッチ(500)、リミット(600)および電圧制御ユニット(700)が含まれる。本発明のデバイスは、少なくともマイクロプロセッサ制御ユニット(100)、帰路電圧検出回路(200)、出力スイッチ(500)および電圧制御ユニット(700)を含んでいるのが好ましい。もっとも好ましくは、本発明のデバイスは、これらの回路コンポーネントをすべて含んでいる。
図3および図3(a)の主要コンポーネントは次のとおりである。
700
L1 インダクタ
R7 抵抗器
D3 ダイオード
Q5−2 NPN/NPNトランジスタ
C4 セラミック・コンデンサ

600
D2 30ボルトのツェナーダイオード

500
Q6−2 NPN/PNトランジスタ
Q6−1 NPN/PNトランジスタ
Q5−1 NPN/NPNトランジスタ
R10 抵抗器

400
C5 セラミック・コンデンサ

100
Ul マイクロプロセッサ

300
R5 抵抗器
R6 抵抗器

200
C8 セラミック・コンデンサ
D9 ショットキーダイオード
R9 抵抗器

C1 セラミック・コンデンサ
C2 セラミック・コンデンサ
R8 オーム抵抗器
回路の全動作はマイクロプロセッサ制御ユニット(100)により実行される。これには電池電圧および帰路電圧のA/D測定入力を完備したマイクロコントローラが含まれる。これらの入力により、マイクロコントローラは、目標出力電流が確実に送達されて維持されるように、正しい出力電圧を設定することができる。マイクロプロセッサは、パルス・プロファイル、パルス周波数、パルス・シーケンス、パルス強度および出力パルスのパルス持続時間などの様々な他の電気刺激治療サイクル用パラメータも制御する。パルス周波数およびシーケンスは、好ましくは、特許文献W097/47357および米国特許第6,865,423号に記載されているものであるが、または任意の他の好適なパターンの刺激プログラムであってもよい。マイクロプロセッサは、好ましくは8ビットのプロセッサである。マイクロプロセッサは、目標帰路電圧がプログラムされている。この目標帰路電圧は目標出力電流に比例しており、帰路電圧は目標パルス出力電流を送達するための出力電圧の調整に用いられる。前述したように、マイクロプロセッサは、電気刺激治療パルスのパルス持続時間を制御する。マイクロプロセッサは、電圧制御ユニット(700)と通信して、可変のより高い電圧(治療電圧)を生成するためのパルス幅変調(PWM)方形波を生成する。マイクロプロセッサ(100)は、治療電圧検出回路(300)を介して治療電圧を測定する。マイクロプロセッサ(100)は、帰路電圧検出回路(200)を介して帰路電圧を測定し、この測定された電圧をマイクロプロセッサ内のプログラムされた目標出力電圧値と比較し、この比較は、次の治療パルスの出力電圧の電力レベルを目標パルス出力電流の達成に必要なレベルに調整するために、電圧制御ユニット(700)へのPWM信号を調整するのに用いられる。マイクロプロセッサ(100)は、ユーザーに送達されている電圧レベルの監視も行い、予めプログラムされた演算により出力電圧レベルに所定の最高レベルの上限を設けて、たとえば回路内の抵抗値が高すぎる場合に過電圧を防止する。マイクロプロセッサ(100)は、後の解析のために、測定および計算された全データをデバイス内に記録することができる。マイクロプロセッサ(100)はまた、電気刺激バーストの長さおよび治療全体の持続時間を計り、制御する。
電圧制御ユニット(電圧ブーストともいう)(700)は、マイクロプロセッサ(100)からPWM信号パルスを受信して、ユーザーに送達される電力レベルを制御する。典型的には3ボルトである電池出力は、電圧制御ユニット(700)により、ボタンセル電池の限られた利用可能な電力から最高35ボルトにまで昇圧され得るし、好ましくは昇圧される。マイクロプロセッサ(100)からのPWM信号は、トランジスタQ5−2を駆動し、インダクタL1を接地する。接地されると、インダクタL1は電流を引き、電流に比例する電場を生成する(定時のPWMの幅に由来)。トランジスタQ5−2が導電しないとき、磁場は崩壊してインダクタL1内に電圧が発生する。この電圧は電池電圧よりも高く、PWM信号に比例している。シグナルのON:OFF比が大きいほど、インダクタL1内に発生する電圧が高い。PWM信号はおよそ50kHzである。この高周波数のおかげで、電池は電流を長時間供給しなくてもよい。PWMパルス幅は、指示されたデューティーサイクルに応じて、1μ秒〜10μ秒である。各PWMパルスは、PWMのONサイクルに応じて非常に短時間だけ100mAを引く。この電圧がダイオードD3にかかり、コンデンサC4により蓄えられる。ダイオードD3は一方向弁として作用し、ブースト信号がマイクロプロセッサ(100)により生成されないときのコンデンサC4の電荷の漏出を防止する。電池電圧を上昇させる動作全体が、各治療パルスの開始前に行われ、典型的には10m秒間続く。
念のため記しておくと、治療パルスはPWM信号のパルスとは別である。治療パルスは、本明細書で説明したように、電極を介して筋肉を電気刺激するのに用いられるパルス電流であり、パルスはたとえば幅が250μ秒で、間隔は8m秒〜500m秒である。
回路には電圧検出回路(300)も含まれる。このコンポーネントは、マイクロプロセッサ/コントローラ(100)にフィードバックを提供するのに用いられ、治療電圧レベルの検出に用いられる。電圧の測定を提供するのは抵抗器R5とR6、およびC7であり、これらがラダー分圧器(ladder divider)として作用して、治療電力レベルを10分の1に分割する。このことは、治療電力レベルのほうが電池電圧よりもかなり高いので、必要である。したがって、所望の最高電力レベルである20ボルトは、マイクロプロセッサ(100)が測定するために2ボルトにまで分圧される。これは治療パルスの開始からおよそ40μ秒後に測定される。(電流フィードバックの後)C7はフィルタとして作用して、スムーズなレベルが測定されるようにする。この電圧測定は、帰路電圧のフィードバックと併せて用いられて、回路内でユーザーのインピーダンスが高い場合は出力電圧を制限するものであり、随意であるが好ましい安全特徴である。このように、本発明のデバイスは、好ましくは電圧検出回路を含んでいる。
コンデンサC1は、昇圧中に電池をサポートする蓄電器であり、電池電圧の降下を阻止する。コンデンサC2は、マイクロプロセッサからの高周波干渉をフィルタする。
デバイス回路には、フィードバックまたはソフトウェア(600)の不具合の場合にのみ使用されるフォールバック電圧リミッタも、好ましくは含まれる。好ましい実施形態では、これはツェナーダイオードD2であり、正常な状態では使用されない。その機能は、デバイスの最高治療レベルを30ボルトに制限することである。本発明の好ましい電気刺激デバイスに必要な電力レベルは、典型的には10〜20ボルト、より好ましくは10〜18ボルト、もっとも好ましくは12〜18ボルトであり、指定最大値は約26ボルトである。望ましくない出力電圧レベルを生成し得るようなフィードバックまたはソフトウェアの任意の不具合は、ツェナーダイオードにより30ボルトに制限されているので、ユーザーに送達される出力電圧は完全に安全なレベルに制限される。
デバイス回路には、電気刺激パルスの開始から30μ秒で行われる帰路電圧の測定を好ましくは利用する帰路電圧検出コンポーネント(200)も含まれる。このコンポーネントは、デバイスの使用中に帰路電圧を測定するのに使用され、帰路電圧は、回路で使用される抵抗器の既知の抵抗値で、ユーザーの筋肉に供給されている電流に比例している。この帰路電圧は、ユーザーが必要な目標出力電圧つまり目標パルス出力電流を受けていることを確認するために監視されるので、本発明の重要な要素である。この測定された帰路電圧は、目標パルス出力電流を送達するのに必要な出力電圧に関連する帰路電圧の目標と比較され、それにしたがってマイクロプロセッサ(100)からの電力レベルブースト信号が調整されて、目標パルス出力電流が送達されるように動作出力電圧が確実に調整される。この測定は、抵抗器R8を(随意でR9およびC8と一緒に)用いることで行われる。ユーザーからの帰路電流は検出抵抗器R8を通過する。この抵抗器を通過する電流は、ユーザーの骨盤底筋を通過するものとまったく同じである。電流は、I=V/Rの式により、帰路電圧と相関がある。この抵抗器にかかる帰路電圧は、好ましくは各パルスについて決定される。抵抗器R9およびコンデンサC8は随意であり、制限およびフィルタの機能を提供して、筋肉の活性や化学作用による静電、身体の動き、およびDC電位が帰路電圧に影響を与えないようにする。R9の大きい値は、一切の外部電圧を制限してマイクロプロセッサ(100)を保護し、破損および極端な測定値の影響を防止する。C9と組み合わせると整形フィルタも形成し、帰路電圧の形状を丸めて軟化させる。帰路電圧は、治療パルスの開始後30μ秒でR8により測定される。こうすると、出力電圧を調整するために、比較的安定し一定した箇所で帰路電圧を測定できる。ダイオードD9は、静電または電流検出コンポーネントの不具合による過電圧を防止するのに用いられる。D9は、実際には2つのツェナーダイオードを背中合わせにしたもので、任意の極性からのサージを抑制する。
回路には、出力スイッチ(500)も含まれる。回路内のこのセクションは、動作電圧レベルをユーザーに切り換え、マイクロプロセッサの制御下で、治療サイクルの出力パルス波形を生成する。各パルスの後でデバイス(1)の電極(3、3’)は接地される。こうすることで、非対称波形が生成され、パルスとパルスの間でユーザーを接地して、皮膚から一切のDC電位を除去する。コンデンサC5(400)のおかげで、通常の使用時にユーザーにDCが印加されることがなく、出力スイッチ(500)が故障して不具合が起きてもDCがユーザーに印加されることが防止される。この出力スイッチ(500)は、蓄えた出力電圧をコンデンサC4からユーザーに切り換える。このスイッチは、NPNとPNPの対のトランジスタQ5−1およびQ6−2で構成されている。マイクロプロセッサ(100)がQ5−1をオンにすると、Q6−2がオンにされる。これらのトランジスタがこのように動作するのは、切り換えられる電力レベルのほうが電池電圧よりも高いので、トランジスタ1つでは切り換えられないからである。したがって、好ましくは、出力スイッチ(500)には少なくとも2つのトランジスタが、および好ましくは少なくとも1つのNPNおよび少なくとも1つのPNPトランジスタが含まれる。Q6−1トランジスタは、パルスがユーザーに送達されるまで出力コンデンサC5を接地する。こうすれば、パルス前にユーザーに電圧が印加されず、またコンデンサC5の電荷が逆になってマイナスの波形がユーザーに送達され、またコンデンサの電荷がパルス前にゼロになるので、すべてのパルスが確実に同じサイズになる。動作時、Q6−1は、好ましくは治療パルスが生成される1μ秒までは常にオンにされており、それからオフにされる。Q6−1がオフにされると、パルスの持続時間のあいだはトランジスタQ5−1およびQ6−2がオンにされ、それからオフにされる。治療パルス後、1μ秒の遅延があり、それからトランジスタQ6−1がオンにされて、コンデンサC5を接地する。
VRefは、電圧制御ユニット(700)を介して所望の電力レベルが送達された後の電池レベルの基準測定である。マイクロプロセッサ(100)内には、マイクロプロセッサ(100)により測定され得る基準ダイオード(図示せず、図5を参照のこと)がある。これは、好ましくは治療パルスの開始後50μ秒以上で測定される。こうすれば、前述したようにブーストが完了した後に電池電圧の正確な示度が得られる。
より詳しくは、マイクロプロセッサ100(図3でUlとして示す)の出力は次のとおりである。
OUTCNTRL1 出力制御 昇圧された電圧をユーザーに切り換える(OUTCNTRL1がオンのときはOUTCNTL2はオフになる)。
OUTCNTRL2 DCブロックのコンデンサC5を0ボルトに切り換えて、マイナスのパルスを生成する(OUTCNTRL1はオフになる)。
BOOST PWM信号であり、上述したように電圧制御ユニット(700)に3ボルトから治療レベルにまで昇圧するよう指示する。
BOOSTMONITOR 治療電圧検出回路300に関して上述したように、ブースト信号からの電圧フィードバックであり、上述したように出力を制御するために電流フィードバックと併せて用いられる。
ISENSE 戻りの電圧検出回路200に関して上述したように、ユーザーからの電流フィードバックである。
特定の実施形態では、図3、図3aに示す回路全体は、概して次のように動作し得る。スイッチオン時、10秒間の遅延がある。次にデバイスは初期の一定の低電圧モードで電気刺激を開始する。マイクロプロセッサ(100)は、低電圧(治療電力レベル未満)を生成するようにプログラムされており、この低電圧で治療を開始し、電圧フィードバックを用いて出力電圧の10ボルトを維持する。この第1期の後、マイクロプロセッサ(100)は電圧が徐々に上がる電流ランプモードに切り換え、治療の目標出力電流の送達に必要な電圧に達する。電流ランプモードが完了すると、デバイスは治療サイクルに入る。この期では、帰路電圧が測定され、マイクロプロセッサ(100)内に記憶されている目標出力電流値に関する目標帰路電圧と比較されて、少なくとも1つの次の電気刺激パルス中に目標出力電流を送達するのに必要な出力電圧が決定され、これを一つ一つのパルスで行って、目標出力電流がユーザーの筋肉に確実に送達されるようにする。このポイント後も、デバイスは、治療の残り時間にわたって帰路電圧測定を通じて電流フィードバックモードで引き続き動作するので、帰路電圧は継続的に測定される。測定された帰路電圧が、目標出力電流を示す目標帰路電圧とは異なっている場合、ユーザーに送達されるパルスのPWM値(デューティーサイクル)が増加または減少される。これが、必要な目標出力電流に達する(測定された帰路電圧が目標帰路電圧値と等しくなる)まで繰り返される。デバイス使用中、好ましくはすべてのパルスについて帰路電圧が監視され決定される。ユーザーが動くと、骨盤底との接触が増進するかまたは低下することになり、したがって送達される電流が増加または減少する。デバイスは、ユーザーへの一定目標出力電流を維持するために、PWM値を調整してデバイスの出力電圧を修正する。デバイスの位置、ユーザーごとのホルモン周期および筋緊張も、目標出力電流の送達に必要な出力電圧に影響することになる。マイクロプロセッサ(100)は、多様なユーザーを有効に治療するのに必要な出力電圧を達成するのに典型的に必要とされるある範囲の値を有するPWM(デューティーサイクル)を有している。
図3および図3(a)を参照すると、電池消耗ルーチンを誘起したい場合は、マイクロプロセッサ(100)の制御下で、確実に出力トランジスタのOUTCONTROL1および2をONにし、電極を絶縁し、電池の電力を引き続けて、電力がインダクタを通じて排出されて電池が消耗してしまうまで継続的なBOOSTサイクルを提供することで達成できる。典型的には、デバイスは、電池が消耗されて完全に放電するまで、10Vのブーストレベルでサイクルを続ける。
図4は、本発明の全体的な方法を説明する図であり、ステップ(42)では、デバイスは、マイクロプロセッサの制御下で、電気刺激に望ましい目標出力電流を送達するのに適した出力電圧を提供し、この出力電圧は電気刺激のパルスとして筋肉に送達される。次にステップ(43)では、筋肉が電気刺激下で収縮して帰路電圧が測定される。例示のように、帰路電圧は、好ましくは筋肉が収縮し始めてから30μ秒後に測定される。ステップ(44)では、マイクロプロセッサはステップ(43)で測定された帰路電圧を用いて、ステップ(42)で送達された出力電圧が目標出力電流を送達するには高すぎたかまたは低すぎたかどうかを判定する。ステップ(42)の出力電圧が高過ぎも低過ぎもせず、筋肉に目標出力電流が実際に送達されたと判定された場合は、単にステップ(42)が繰り返される。ステップ(44)でこの結果が一定して得られる場合は、ステップ(44)で変化が判定されるまで、ステップ42から44へ、そして42へ、というサイクルが単純に繰り返される。ステップ(42)の出力電圧が目標出力電流を達成するには低すぎたことを示す変化がステップ(44)で決定された場合は、さらなるステップ(45)が誘起されて、ステップ(42)で送達される出力電圧を上げる。ステップ(42)の出力電圧が目標出力電流を達成するには高すぎたことを示す変化がステップ(44)で決定された場合は、さらなるステップ(46)が誘起されて、ステップ(42)で送達される出力電圧を上げる。このように、ステップ(43)で帰路電圧を決定し、その値を、ステップ(42)の出力電流が目標出力電流を送達する正確さを判定するのにステップ(44)で用いることで、デバイスは、目標出力電流をユーザーに一定して送達することができる。図4で例示しているこのルーチンは、理想としては、治療サイクルの一つ一つのパルスで行われる。
図5は、他の図のマイクロプロセッサ(100)を説明する図である。なお、前述した本発明の実施形態のいくつかは、本発明の実施形態による方法のステップを実行するための命令が好適にプログラムされたコンピュータ実装またはプロセッサ実装システムとして便利に実現される場合もある。電算デバイスまたはシステムは、本明細書で説明する機能性および特徴を提供するためのソフトウェアおよび/またはハードウェアを含み得る。たとえば、図1は、デバイスのコンポーネントを収容しているハウジングを例示しており、図3および図3aは、本発明の特徴を実行するハウジング内のハードウェアのコンポーネント、およびそのような命令がプログラムされ得るマイクロプロセッサ100を例示している。代替の実施形態では、ハウジングに収容されるプログラム可能な素子は、異なる形態を取り得、実際に本発明のいくつかの特徴は、デバイスの使用前および後に、デバイス1と電極8を介して通信するようにされている外部コンピュータ実装またはプロセッサ/コントローラ実装システムにより実行され得る。
電算デバイスまたはシステムは、ロジックアレイ、メモリ、アナログ回路、デジタル回路、ソフトウェア、ファームウェアおよびプロセッサのうちの1つ以上を含み得る。デバイス/システムのハードウェアおよびファームウェアコンポーネントは、本明細書で説明する機能性および特徴を提供するために、様々な専用の装置、回路、ソフトウェアおよびインターフェースを含み得る。たとえば、マイクロプロセッサ100などの中央処理装置は、電気刺激の目標出力電流を送達するための初期出力電圧の提供および戻り電圧パルスの特定の期間での帰路電圧の測定を指示するようなステップを実行することができる。
図5に示すマイクロプロセッサ(100)は、1つ以上のマイクロプロセッサまたは図5に示すプロセッサ55などのプロセッサを含むかまたは含み得、他の実施形態では、デバイスで使用される処理は、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能な論理素子(PLD)およびプログラム可能なロジックアレイ(PLA)を含み得る。
データは、ポートまたはインターフェースまたはデータI/O(56)により受送信され得、たとえばマイクロプロセッサ100(図3および図3aではU1)に関して上述した入力および出力を提供する。データI/Oは、命令またはさらなる処理を提供し得る外部コンポーネントとの通信を提供することもできる。そのようなコンポーネントは、装置との直接リンクまたはネットワークへの接続を提供することができる。たとえば、本発明の実施形態では、ネットワーク接続されたユーザーデバイスに外部接続がなされ得、このデバイスとユーザーは相互接続している。
実施形態では、メモリ54にロードされたソフトウェア・アプリケーションが実行されてランダムアクセスメモリ53内のデータが処理され得る。メモリ53および/または54は、RAM、ROM、DRAM、SRAMおよびMRAMであってもよいしそれを含んでいてもよく、スタティックデータまたは固定命令、BIOS、システム機能、構成データなどのファームウェア、ならびに電算デバイスおよび/またはプロセッサの動作中に用いられる他のルーチンなどを含み得る。たとえば、RAM53は、戻り電圧の基準もしくは標準値、または以前の電圧出力値などのデータを記憶し得、メモリ54は、最新の戻り電圧に基づき次の出力電圧値を決定するなどの方法を実行するためのソフトウェア命令を記憶し得る。
メモリは、プロセッサが扱うアプリケーションおよびデータと関連のあるデータおよび命令のストレージ領域も提供する。このストレージは、電算デバイスまたはシステム内でデータまたは命令の不揮発性大容量または長期ストレージを提供する。複数の記憶装置がマイクロプロセッサ100または任意の外部電算デバイス/システムに提供されるかまたは利用可能であり得、後者については、ネットワークストレージまたはクラウドベースのストレージなど、外部のものもあり得る。
コンピュータまたはプロセッサに実装できる命令またはソフトウェアは、本発明の実施形態による方法の次のステップのどれかを扱う、たとえば別個のモジュールまたはコンポーネントを含み得る。そのステップとは、目標出力電流を達成するのに必要な出力電圧レベルを生成するステップ、筋肉を通じて帰路電圧を測定するステップ、測定された帰路電圧に基づき、次の電気刺激の目標出力電流を達成するのに必要な出力電圧を調整するステップ、または戻り電圧パルスの一部分にわたって、もしくはパルスの特定のポイントで、戻り電圧を決定するステップである。
実施形態では、マイクロプロセッサ100は、上述したように、電圧基準ダイオード(57)も収容しており、該電圧基準ダイオード(57)はたとえば、プロセッサ(55)への値および命令を記憶しているメモリ53および54が、電池の真のレベルにしたがって電圧の戻り値をスケーリングすることを可能にする。
本明細書で一つ一つの態様および/または実施形態について開示したすべての特徴(添付の請求項、要約および図面のすべてを含む)、および/または開示したあらゆる方法または工程の全ステップは、そのような特徴および/またはステップの少なくとも一部が互いに排他的である組合せを除いて、どのように組み合わせてもよい。
本明細書および請求項の全体で、「comprise」および「contain」という語ならびにそれらの変化形、たとえば「comprising」や「comprises」は、「(何かを)含むがそれに限定されない」ことを意味し、他のコンポーネント、整数またはステップを排除する意図はなく、また排除しない。
本明細書および請求項の全体で、特に断らない限りは単数形は複数形を包含する。具体的には、不定冠詞が使用されている場合、特に断らない限りは、本明細書では単数形と同様に複数形も意図している。本発明の特定の態様、実施形態または例と併せて説明した要素、整数、特徴、化合物は、適合性がない場合を除いては、任意の他の態様、実施形態または例にも適用できることを理解されたい。
本明細書で開示した各特徴(添付の請求項、要約および図面のすべてを含む)は、特に断らない限りは、同一の、均等のまたは類似の目的を果たす代替の特徴と置換することができる。したがって、特に断らない限りは、開示した各特徴は、一般的な一連の均等または類似の特徴の単なる一例である。
本発明は、上述したどの実施形態の詳細にも限定されない。本発明は、本明細書で開示した特徴(添付の請求項、要約および図面のすべてを含む)のあらゆる新規のものまたはあらゆる新規の組合せ、あるいは開示したあらゆる方法または工程のステップのあらゆる新規のものまたはあらゆる新規の組合せに及ぶ。

Claims (41)

  1. 目標パルス出力電流を電気刺激デバイスと接触している筋肉に送達する電気刺激デバイスであって、
    a)デバイス本体と、
    b)パルス電気刺激電流を筋肉に送達する少なくとも2つの電極と、
    c)少なくとも1つの電源と、
    d)少なくとも1つの制御ユニットであって、目標出力電流を達成するのに必要な出力電圧を生成する手段と、前記筋肉を通して帰路電圧を電気刺激パルスの初期減衰期から測定する手段と、前記帰路電圧の測定に基づき、次の電気刺激の目標出力電流を達成するのに必要な前記出力電圧を調整する手段と、を含む少なくとも1つの制御ユニットと、
    を含むデバイス。
  2. 前記デバイスは自立型デバイスである、請求項1に記載のデバイス。
  3. 前記筋肉を通して帰路電圧を測定する手段は、抵抗器を含む、請求項1および請求項2のいずれか一項に記載のデバイス。
  4. 前記電源は電池である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のデバイス。
  5. 前記帰路電圧を測定する抵抗器は、10〜100オームの抵抗値を有している、請求項3に記載のデバイス。
  6. マイクロプロセッサ制御ユニットを有するPCBを前記デバイスの内部に更に含む、請求項1または請求項2に記載のデバイス。
  7. 前記デバイスは、前記デバイスを使用する前に除去可能な、前記電池式電源を前記PCBから絶縁する手段を含む、請求項1に記載のデバイス。
  8. 前記絶縁する手段は、前記デバイスの外部に露出し、前記デバイスの内部で前記内部電池と前記内部PCBとの間に配置されている除去可能なタブである、請求項7に記載のデバイス。
  9. 電圧リミットを更に含む、請求項1に記載のデバイス。
  10. 前記電圧リミットは、ツェナーダイオードを含む、請求項9に記載のデバイス。
  11. 前記デバイスの前記出力電圧および/または前記電池の電力レベルに関する任意の他の電圧測定値を調整する手段を更に含む、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のデバイス。
  12. 前記電池の電力レベルを決定するための基準電圧を更に含む、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のデバイス。
  13. 前記基準電圧は、前記制御ユニット回路内の固定電圧基準ポイントを介して提供される、請求項12に記載のデバイス。
  14. 前記固定電圧基準ポイントは、固定電圧のダイオードである、請求項13に記載のデバイス。
  15. 前記デバイスは、骨盤底の治療またはエクササイズのために、目標出力電流を前記骨盤底の筋肉に送達するためのものである、請求項1に記載のデバイス。
  16. 前記デバイスの動作中に用いられるかまたは決定される動作状態、測定値、および決定値を記憶するストレージ手段を更に含む、請求項1から請求項15のいずれか一項に記載のデバイス。
  17. 前記デバイスの動作中に、前記ストレージ手段にアクセスして記憶されたデータを読み取るように構成されている、請求項16に記載のデバイス。
  18. 前記デバイスの動作が終了または完了してから、前記ストレージ手段にアクセスして記憶されたデータを読み取るように構成されている、請求項16に記載のデバイス。
  19. 前記構成により、前記デバイスを前記デバイスの導電素子を介してコンピュータに接続して、前記デバイスに記憶されたデータを読み取りおよび/または前記コンピュータにコピーして、前記コンピュータで処理および/または記憶することが可能になる、請求項18に記載のデバイス。
  20. 電気刺激中に初期定電圧期を生成する手段を更に含む、請求項1に記載のデバイス。
  21. 電気刺激中に電流ランプモードを生成する手段を更に含む、請求項1に記載のデバイス。
  22. 前記デバイスの骨盤底筋との接触を検出する手段を更に含む、請求項1に記載のデバイス。
  23. 前記制御手段はプログラムされており、電気刺激治療サイクルが完了または中断すると前記内部電池の残量をすべて放電する手段を含む、請求項1に記載のデバイス。
  24. 目標パルス出力電流を電気刺激デバイスと接触している筋肉に送達する電気刺激デバイスであって、
    a)デバイス本体と、
    b)パルス電気刺激電流を筋肉に送達する少なくとも2つの電極と、
    c)少なくとも1つの電源と、
    d)前記デバイスの骨盤底筋との接触を検出する手段を含む少なくとも1つの制御ユニットと、
    を含むデバイス。
  25. 前記接触を検出する手段は、前記筋肉を通して帰路電圧を測定する手段を含む、請求項24に記載のデバイス。
  26. 筋肉の電気刺激の目標パルス出力電流を送達する方法であって、
    電気刺激の前記目標出力電流を送達するための初期出力電圧を提供すること、
    電気刺激された前記筋肉からの帰路電圧を測定すること、および、
    前記初期出力電圧が前記目標パルス出力電流の送達に必要な電圧とは異なるということを帰路電圧レベルが示す場合、前記出力電圧を調整することを含み、
    前記帰路電圧を測定するステップは、戻り電気刺激パルスの初期減衰期から電圧レベルを測定することを含む、
    方法。
  27. 前記目標出力電流の送達に必要な前記出力電圧に関する目標帰路電圧と前記帰路電圧とを比較することを含む、請求項26に記載の方法。
  28. 前記目標帰路電圧の目標値は、二乗平均平方根の電圧である、請求項27に記載の方法。
  29. 前記目標出力電流は、二乗平均平方根の電流である、請求項27に記載の方法。
  30. 前記戻り電気刺激パルスの初期減衰期から戻り電圧レベルを測定するステップは、前記戻り電気刺激パルスの開始後の特定の期間に電圧を測定することを含む、請求項26に記載の方法。
  31. 前記特定の期間は、前記戻り電気刺激パルスの開始後20〜40μ秒である、請求項30に記載の方法。
  32. 前記特定の期間は、前記戻り電気刺激パルスの開始後25〜35μ秒である、請求項30に記載の方法。
  33. 前記特定の期間は、前記戻り電気刺激パルスの開始後27.5〜32.5μ秒である、請求項30に記載の方法。
  34. 前記特定の期間は、前記戻り電気刺激パルスの開始後30μ秒である、請求項30に記載の方法。
  35. 前記帰路電圧は、前記パルスの二乗平均平方根の電圧として決定される、請求項30から請求項33のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記出力電圧を調整するステップは、帰路電圧を連続的に測定するために前記電圧を逐次調整することを含み、
    前記逐次調整は所与の範囲内の電圧である、請求項26から請求項35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記出力電圧を調整するステップは、パルス幅変調を用いて前記出力電圧を変更することを含む、請求項26から請求項36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 出力値が変化する電源を用いて、筋肉の電気刺激のパルス出力電流を送達する方法であって、
    前記電気刺激の出力電流を送達するための初期出力電圧を提供すること、
    電気刺激された前記筋肉からの帰路電圧を測定すること、および、
    前記電気刺激の出力電流を送達するための更なる出力電圧を提供することを含み、
    前記更なる出力電圧を提供するステップは、前記電源の前記出力値と基準電圧との比較に応じて前記出力電圧を修正することを含む
    方法。
  39. 電気刺激下の筋肉の相対的インピーダンスを測定するデバイスであって、
    a)電気刺激電流を筋肉に送達する少なくとも2つの導電素子と、
    b)少なくとも1つの電源と、
    c)少なくとも1つの制御ユニットであって、電気刺激電流を生成して筋肉に送達する回路手段と、前記電極を介して前記筋肉に印加される出力電圧を生成する手段と、電気刺激された前記筋肉を通して帰路電圧を測定する手段と、印加された出力電圧と前記帰路電圧との比較から前記筋肉の相対的インピーダンスを決定する処理手段とを含む少なくとも1つの制御ユニットと
    を含むデバイス。
  40. コンピュータ若しくはプロセッサにロードされるか、またはコンピュータ若しくはプロセッサ上で実行されると、前記コンピュータ若しくは前記プロセッサに請求項26から請求項38のいずれか一項に記載の方法を実行させるようにされているコンピュータ・プログラム・コードを記憶している、媒体デバイス。
  41. 単回使用の自立型筋肉電気刺激デバイスであって、
    デバイス本体と、
    筋肉にパルス電気刺激電流を送達する少なくとも2つの電極と、
    少なくとも1つの内部電池式電源と、
    電気刺激治療サイクルの生成および前記電極を介しての筋肉への送達を制御する手段を含む少なくとも1つの内部制御ユニットと、を含み、
    前記制御手段は、前記電気刺激治療サイクルが完了または中断すると、内部電池式電源の残量をすべて放電するようにプログラムされている
    デバイス。
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