JP2017522052A - ヒトFGFR2c細胞外ドメイン146−356とそれをコードする遺伝子及びそれらの応用 - Google Patents

ヒトFGFR2c細胞外ドメイン146−356とそれをコードする遺伝子及びそれらの応用 Download PDF

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炬 汪
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Abstract

本発明は、配列番号:1または2に記載のアミノ酸配列からなる、単離されたFGFR2c細胞外ドメイン146-356タンパク質を提供する。

Description

本願は、中国特許出願CN201410347938.0(発明の名称:FGFR2c細胞外ドメイン類似体とそれをコードする遺伝子及びそれらの応用、出願日:2014年07月21日)に基づき優先権を主張し、そのすべての内容を本明細書に援用するように組み込む。
本発明は、遺伝子工学分野に関し、特に、ヒトFGFR2c細胞外ドメイン146-356及びそれをコードする遺伝子及び応用に関するものである。
EGFRは、プロト癌遺伝子c-erbB1の発現生成物であり、上皮成長因子受容体(HER)のファミリーメンバーの一つである。該ファミリーは、HER1(erbB1、EGFR)、HER2(erbB2、NEU)、HER3(erbB3)及びHER4(erbB4)を含む。HERファミリーは、細胞の生理的プロセスにおいて、重要な調節の役割を発揮する。EGFRシグナル伝達経路は、細胞的成長、増殖及び分化などの生理的プロセスに対して、重要な役割を果たしている。EGFRなどのタンパク質チロシンキナーゼの機能欠損またはそれに関連するシグナル伝達経路中の重要な因子の活性または細胞内局在の異常は、いずれも悪性の腫瘍、糖尿病、免疫不全及び心血管疾患の発生を起こす。EGFRは悪性の腫瘍治療に対する重要な分子標的でもある。
しかしながら、EGFシグナルに対する阻害は、FGFシグナルの活性化をもたらし、かつ薬剤耐性を生じさせることが多い。従って、EGFシグナルを阻害するが、FGFシグナルを活性化させないタンパク質分子を見つかることができれば、悪性の腫瘍に対してより良い治療効果が期待できる。
本発明の目的は、EGFシグナルを阻害することができるがFGFシグナルを活性化させないタンパク質分子を提供することにある。
本発明者は、前記背景技術に存在している技術課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ヒトFGFR2c細胞外ドメインの位置146-356のアミノ酸配列を有するタンパク質及びその変異体が、EGFシグナルを阻害することができるがFGFシグナルを活性化させないことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
1. 下記アミノ酸配列からなる単離されたタンパク質:
i). 配列番号:1または2に記載のアミノ酸配列。
2. 下記アミノ酸配列からなり、かつEGFシグナルを阻害し、FGFシグナルを活性化しない機能を有する単離されたタンパク質:
ii). 配列番号:1または2に記載のアミノ酸配列において、一つもしくは複数のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/または付加されたアミノ酸配列;
iii). 配列番号:1または2に記載のアミノ酸配列と80%以上のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列;あるいは
vi). ストリンジェントな条件下で配列番号:1または2に記載のアミノ酸配列をコードする核酸の相補鎖とハイブリダイズする核酸によりコードされたアミノ酸配列。
3. 該単離されたタンパク質がヒトに由来する、項2に記載の単離されたタンパク質。
4. 項1〜3のいずれか一項に記載の単離されたタンパク質をコードする単離された核酸。
5. 項4に記載の核酸を含むベクター。
6. 項5に記載のベクターを含む宿主細胞。
7. 前記宿主細胞は、CHO細胞、大腸菌細胞、昆虫細胞、酵母細胞のいずれ一種であること、を特徴とする項6に記載の宿主細胞。
8. 項1〜3のいずれか一項に記載の単離されたタンパク質とその他のポリペプチドとの融合タンパク質。
9. 項1〜3のいずれか一項に記載の単離されたタンパク質とヒト免疫グロブリンプロテインタグ配列またはヒト免疫グロブリンFc領域と的融合タンパク質である、項8に記載の融合タンパク質。
10. 項1〜3のいずれか一項に記載の単離されたタンパク質、項4に記載の核酸、項5に記載のベクター、項6または7に記載の宿主細胞あるいは項8または9に記載の融合タンパク質の、悪性の腫瘍を治療するための薬物を製造する用途。
11. 活性成分として項1〜3のいずれか一項に記載の単離されたタンパク質、項4に記載の核酸、項5に記載のベクター、項6または7に記載の宿主細胞あるいは項8または9に記載の融合タンパク質、並びに薬学的に許容されるベクターを含む、悪性の腫瘍を治療する医薬組成物。
図1は、実施例1におけるヒトFGFR2c細胞外ドメイン146-356(sFGFR2c)のSDS-PAGE図であり、なお、レーンMがタンパクマーカーを、レーン1が誘導された野生型(wsFGFR2c) を、レーン2が誘導されていない野生型を、レーン3が誘導されたS252W変異型(msFGFR2c) を、レーン4が誘導されていないS252W変異型を示したものである。 図2は、実施例1におけるsFGFR2c的タンパクのウェスタンブロッティングの図であり、なお、レーン1が野生型を、レーン2がS252W変異型を示したものである。 図3は、実施例7におけるsFGFR2c(146-356)、sFGFR2c(147-366aa)とsFGFR2c(151-377aa)の安定性の比較図及び腫瘍細胞の阻害効果の比較図であり、なお、図Aが、sFGFR2c安定性の電気泳動図、図Bが、sFGFR2c(147-366aa)安定性の電気泳動図、図Cが、sFGFR2c(151-377aa)安定性の電気泳動図を示したものである。 図4は、実施例8におけるsFGFR2cとEGFRとの結合能のco-IP図であり、なお、wsFGFR2cが野生型ヒトFGFR2c細胞外ドメイン146-356を、msFGFR2cがS252W変異型FGFR2c細胞外ドメイン146-356を示したものである。 図5は、実施例8におけるsFGFR2cのDU145細胞増殖に対する影響のCCK8結果を示した図であり、なお、wsFGFR2cが野生型ヒトFGFR2c細胞外ドメイン146-356を、msFGFR2cがS252W変異型ヒトFGFR2c細胞外ドメイン146-356を示し、▲が、コントロール群に比べ、P<0.01を;★が、EGF単独誘導群に比べ、P<0.01を示したものである。 図6は、実施例8におけるヒトFGFR2c細胞外ドメイン146-356のEGFR/ERKシグナル伝達経路に対する影響のタンパク質ハイブリダイゼーションの同定図であり、なお、wsFGFR2cが野生型ヒトFGFR2c細胞外ドメイン146-356を、msFGFR2cがS252W変異型ヒトFGFR2c細胞外ドメイン146-356を示したものである。 図7は、sFGFR2cがFGFRs及びERKリン酸化の阻害を、ウェスタンブロッティングにより検出した実験の結果を示した図である。 図8は、FGFR2c細胞外ドメイン146-356とEGFRの相互作用を等温滴定型カロリメトリー(ITC)により検出した実験の結果を示した図である。
1.単離されたタンパク質
一つの局面において、本発明は、下記アミノ酸配列からなる単離されたタンパク質を提供する:
i). 配列番号:1または2に記載のアミノ酸配列。
本明細書において、用語「からなる」とは、好ましく“のみからなる”を意味する。配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質は、ヒトFGFR2c細胞外ドメインの位置146-356のアミノ酸(wsFGFR2c)であり、配列番号:2に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質は、配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質において、野生型ヒトFGFR2c細胞外ドメイン全長の位置252に対応するセリン(S)をトリプトファン(W)に変異したタンパク質(msFGFR2c)である。本明細書において、配列番号:1または2に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をヒトFGFR2c細胞外ドメイン146-356と総称する。
線維芽細胞成長因子(Fibroblast Growth Factor、FGF)受容体(FGF receptor、FGFR)は、細胞膜上の受容体であり、その細胞外部分が特異的リガンドを結合することができ、一方、細胞内部分がチロシンキナーゼ活性を持つ、細胞外部分がリガンドと結合した後に受容体の二量体化及びリン酸化を活性化させることができ、かつ下流のシグナルの活性化をもたらすことにより、標的遺伝子の発現を制御する。FGFR2cの細胞外ドメインが、FGF受容体2c亜型の細胞外部分であり、リガンドと結合でき、リガンドの有効濃度を低下させる。これによって、FGFシグナルを阻害する。発明者に検証されているように、上記の単離されたタンパク質は、EGFシグナルを阻害することができるが、FGFシグナルを活性化させない(好ましくは阻害する)。
その他の局面において、本発明は、下記アミノ酸配列からなり、かつEGFシグナルを阻害し、FGFシグナルを活性化させない機能を有する単離されたタンパク質を提供する:
ii). 配列番号:1または2に記載のアミノ酸配列において、一つもしくは複数のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/または付加されたアミノ酸配列;
iii). 配列番号:1または2に記載のアミノ酸配列と80%以上、好ましく85%以上、より好ましく87.8%以上、より好ましく90%以上、より好ましく95%以上、より好ましく96%以上、より好ましく97%以上、より好ましく98%以上、より好ましく99%以上、より好ましく99.5%以上のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列;あるいは
vi). ストリンジェントな条件下で配列番号:1または2に記載のアミノ酸配列をコードする核酸の相補鎖とハイブリダイズする核酸によりコードされたアミノ酸配列。
本明細書において、上記の単離されたタンパク質をヒトFGFR2c細胞外ドメイン146-356の変異体と称する。
好ましくは、前記ヒトFGFR2c細胞外ドメイン146-356の変異体は、ヒトに由来する。
前記ヒトFGFR2c細胞外ドメイン146-356の変異体中のアミノ酸置換は、保存的置換であってもよく、即ち、特定的なアミノ酸残基を類似的な物理化学的特性を有する残基に変える。保存的置換の非限定的な例には、脂肪族基含有アミノ酸残基の間の置換(例えば、Ile、Val、LeuまたはAla間の相互置換)、極性残基の間の置換(例えば、LysとArg、GluとAsp 、GlnとAsnの間の相互置換)などが含まれる。アミノ酸の欠失、置換、挿入和/または付加により形成される変異体が、野生型タンパク質をコードするDNAに例えば公知的な部位特異的な突然変異(例えば、Nucleic Acid Research, Vol.10, No. 20, p.6487-6500, 1982を参照、その全てを引用することにより本明細書に援用する)を実施する、あるいはタンパク質を人工的に合成する方法によって生成できる。本明細書において、“一つまたは複数のアミノ酸”とは、部位特異的な突然変異または人工合成の方法によって欠失、置換、挿入和/または付加できる程度のアミノ酸、例えば、1〜20個のアミノ酸、好ましくは1〜15個のアミノ酸、より好ましくは1〜10個のアミノ酸、さらに好ましくは1〜8個のアミノ酸、さらに好ましくは1〜2個のアミノ酸、さらに好ましくは1個のアミノ酸を意味する。
二つのアミノ酸配列の同一性%は、目視と数学的な演算により確定できる。あるいは二つのポリペプチド配列の同一性パーセントは、Needleman, S. B.及びWunsch, C. D. (J. Mol. Bol. , 48: 443-453, 1970)のアルゴリズムに基づく、ウィスコンシン州大学の遺伝学コンピューターグループ(UWGCG)から獲得できるGAPコンピュータプログラムを利用し、配列情報を比較することにより決定することができる。GAPプログラムの好ましいデフォルトパラメーターは、(1)Henikoff, S. 並びにHenikoff, J. G. (Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89:10915-10919, 1992)に記載されたスコア/行列、blosum62; (2)一つの空位の場合、12点をひくこと;(3)連続的な空位の場合、さらに4点をひくこと;並びに(4)末端が空位である場合、点を引かないことが含まれる。当業者が使用している配列を比較するためのほかのプログラムを使用してもよい。同一性パーセントについて、例えば、Altschulなど(Nucl. Acids. Res. , 25, p. 3389-3402,1997) に記載された、BLASTプログラムを用いて、配列情報を比較及び同定してもよい。該プログラムが、ネットワーク上で、NantionalCenter for Biotechnology Information(NCBI)またはDNA Data Bank of Japan(DDBJ) ウェブサイトに使用できる。同ウェブサイトにおいて、BLASTプログラムを利用して同一性検索を行う各条件(パラメーター)については、詳しく記載されており、一部の設定に対してが、適切的に変更できるが、検索は、通常的にデフォルト値で行われる。なお、二つのアミノ酸配列の同一性%は、遺伝情報処理ソフトウェアGENETYX Ver.7(GENETYX製)などのプログラムまたはFASTAアルゴリズムなどにより確定してもよい。その時に、デフォルト値で検索してもよい。
本明細書において、「ストリンジェントな条件下」とは、いわゆる特異的なハイブリッドを形成し、かつ非特異的なハイブリッドを形成しない条件をいう。ストリンジェントな条件の実例は、高程度に同一的なDNAは互いにハイブリダイズし、例えば、80%以上同一的な、好ましく90%以上同一的な、より好ましく95%以上同一的な、さらに好ましく97%以上同一的な、特に好ましく99%以上同一的なDNAは互いにハイブリダイズし、かつ同一性が前記より低いDNAは互いにハイブリダイズしない条件、あるいは典型的には、サザンハイブリッドの洗浄条件、即ち、1 x SSC、0.1% SDS、60℃で、好ましく0.1 x SSC、0.1% SDS、60℃で、より好ましく0.1 x SSC、0.1% SDS、68℃に対応する塩濃度と温度下で1回、好ましく2または3回を洗浄する条件が含まれる。
「EGFシグナルを阻害するがFGFシグナルを活性化(好ましくは阻害)させない」という機能を持つかどうかについては、例えば、実施例に記載された方法により確定することができる。
2. 単離された核酸
そのほかの局面において、本発明は、前記ヒトFGFR2c細胞外ドメイン146-356またはその変異体をコードする、単離された核酸を提供する。
前記単離された核酸は、一本鎖であってもよいし、二本鎖であってもよく、DNAであってもよいし、RNAであってもよく、またDNAとRNAのハイブリッドであってもよい。
前記単離された核酸は、人工合成の方法を利用して、調製してもよいし、例えば、遺伝子工学の方法を利用して、調製してもよい。
典型的には、上記配列番号:1または2に記載のアミノ酸配列は、それぞれ配列番号:3または4に記載の塩基配列でコードされていてもよい。
3. ベクターと宿主細胞
そのほかの局面において、本発明は、前記核酸を含むベクターを提供する。
ベクターのタイプについて特に制限されず、当業者に通常に使用したものであってもよい。ベクターとしては、プラスミド、ファージ、動物ウイルスなどが挙げられる。好ましくは、前記ベクターが発現ベクターである。前記の発現ベクターは、原核細胞発現ベクターと真核細胞発現ベクターからなり、pET3cベクター、pCDNA3.1ベクター、pIRESneo3ベクター、pPICZαAベクターまたはpFastBacベクターであることが好ましい。
そのほかの局面において、本発明は、前記ベクターを含む宿主細胞を提供する。
宿主細胞の種類について特に制限されず、当業者に通常に使用したものであってもよい。宿主細胞としては、CHO細胞、大腸菌細胞、昆虫細胞、酵母細胞などが挙げられる。
4. 融合タンパク質
そのほかの局面において、本発明は、上記のヒトFGFR2c細胞外ドメイン146-356またはその変異体とほかのポリペプチドとの融合タンパク質を提供する。前記のほかのポリペプチドは、ヒト免疫グロブリンプロテインタグ配列またはヒト免疫グロブリンFc領域であることが好ましい。
前記融合タンパク質は、本技術分野の従来の方法により製造されていてもよい。
5. 医薬組成物及び医薬を製造するための使用
そのほかの局面において、本発明は、上記のヒトFGFR2c細胞外ドメイン146-356またはその変異体、上記核酸、上記のベクター、上記の宿主細胞または上記の融合タンパク質を活性成分として含み、さらに薬学的に許容されるベクターを含む医薬組成物を提供する。本発明の医薬組成物が、治療悪性の腫瘍の治療に使用されることができる。従って、そのほかの局面において、本発明は、上記のヒトFGFR2c細胞外ドメイン146-356またはその変異体、上記核酸、上記のベクター、上記の宿主細胞または上記の融合タンパク質の悪性の腫瘍を治療する医薬を製造するための使用を提供する。
悪性の腫瘍としては、前立腺癌、口腔癌、鼻腔癌、気管癌、気管支癌、肺癌、食道癌、胃癌、大腸癌、小腸癌、肝癌、胆管癌、胆嚢癌、膵臓癌、腎臓癌、膀胱癌、尿道癌、精巣癌、卵巣癌、甲状腺癌、副腎癌、胸腺癌、前立腺癌、乳癌、へんとう腺癌などが挙げられる。薬学的に許容されるベクターとしては、具体的に、滅菌水、生理食塩水、植物油、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、安定化剤、フレーバー剤、賦形剤、担体、防腐剤、結合剤などが挙げられる。
実施例
以下に、本発明を、実施例及び図面を参照しつつ更に詳しく説明する。但し、本発明の実施形態はこれに限られない。
下記の実施例において、具体的な条件を記入していない実験方法は、一般的に、従来の条件を従えばよい。例えば、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual(New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)中に記載の条件、またはメーカーに推薦された条件に従えばよい。実施例に使用された各種の一般的な化学試薬は、いずれも市販品である。使用された細胞株とベクターは、いずれも商品である。頭文字がFであるプライマーは一般的に上流側のプライマーであり、頭文字がRであるプライマーは一般的に下流側のプライマーである。
実施例1 野生型及び変異型FGFR2c細胞外ドメイン146-356ポリペプチド遺伝子の大腸菌における発現
本実施例は、野生型wsFGFR2cとS252W変異型msFGFR2cの作成プロセスを説明する。
一、FGFR2c細胞外ドメイン146-356ポリペプチド遺伝子の作成:
1、Trizol法を用いて、ヒト胎盤組織(中国広東省ある病院から産婦の同意を得てから新鮮な胎盤組織が得られた)から、野生型FGFR2c細胞外ドメインのトータルRNAを抽出し、cDNAライブラリーを構築した;
(1)Trizol法によるmRNAの抽出: Trizol試薬を使用して抽出した。具体的なステップは、文献“張志成. 変異型βFGFR2IIIc細胞外ドメインの原核発現、インビトロの再生及び活性研究.Jinan大学の修士論文, 2007:46-47”を参照ください。
(2)RT-PCRによるcDNAの獲得:
すべての逆転写PCRの各成分の使用量を算出し、まず、PCRRチューブ内にステップ(1)に作成されたサンプルのトータルRNAとDEPC処理水を加え、PCR装置でRNAの最初の変性を行い、条件は65℃、10 minである。最初の変性の後に、直ちに氷に挿入した。次に、逆転写反応中のほかの成分を添加し、逆転写反応を行い、cDNAが得られた。具体的には、以下である:
a、最初の変性 トータルRNA 1μg
DEPC水 20μLを足す
b、逆転写 Oligo dT 1μL
10Mm dNTP 2μL
HRP RNase阻害剤 0.5μL
5×RTバッファー 4μL
逆転写酵素Ace 1μL
全体積: 20μL
逆転写PCRプログラム: 30℃、10 min;42℃、1 h;70℃、10 min。
2、プライマーの設計:
本発明におけるプライマーの合成は、いずれも北京六合華大基因科技股分有限公司から提供された。
本発明における制限エンドヌクレアーゼは、ずべてTaKaRaから提供された。
野生型wsFGFR2c遺伝子プライマーの配列は以下である:
F1: 5’-CG CATATG AACAAGAGAGCACCATAC -3’;下線付きの部分は、NdeIの制限部位である;
R1:5’- AT GGATCC CTATTA CAGAACTGTCAACCATGC -3’;下線付きの部分は、BamH Iの制限部位である。
S252W変異型msFGFR2cをコードする遺伝子を獲得するために、一対の点突然変異するためのプライマーを設計した。以下の通りである:
F2:5’-TTGTGGAGCGATGGCCTCACCGGCCCAT-3’;
R2:5’-ATGGGCCGGTGAGGCCATCGCTCCACAA-3’。
3、FGFR2c細胞外ドメイン146-356遺伝子配列の増幅:
野生型FGFR2c細胞外ドメイン146-356遺伝子を増幅するために、野生型wsFGFR2cプライマー(F1とR1)を使用して、ステップ1に得られたcDNAに対してPCRを行い、野生型wsFGFR2c遺伝子を得た。
変異型FGFR2c細胞外ドメイン146-356遺伝子を増幅するために、オーバーラップ伸長PCR法を利用して、野生型wsFGFR2c遺伝子をテンプレートとし、変異型PCRプライマーをそれぞれ使用し、増幅してS252W変異型msFGFR2c遺伝子を得た。
上記PCRの増幅システム及び反応条件は以下の通りである(TaKaRaからのPrimerSTAR max):
野生型FGFR2c PCR反応系:
PrimerSTAR max 25μL
F1 3μL
R1 3μL
テンプレート 4μL
ddH2O 15μL
全体積: 50μl
オーバーラップPCRにより、点突然変異を行い、S252W変異型msFGFR2c遺伝子を得ることは、二つのステップが含まれる:
第1ステップにおけるPCR反応系:
システム1: システム2:
PrimerSTAR max 25μL PrimerSTAR max 25μL
F1 3μL R1 3μL
R2 3μL F2 3μL
テンプレート 4μL テンプレート 4μL
ddH2O 15μL ddH2O 15μL
全体積: 50μl 全体積: 50μl
第2ステップにおけるPCR反応系:
PrimerSTAR max 25μL
F1 3μL
R1 3μL
システム1とシステム2の等体積の混合物 4μL
ddH2O 15μL
全体積: 50μl。
反応条件:96 ℃ 5min;94 ℃ 15s、60℃ 15s、72 ℃ 5s、31サイクル;72 ℃ 10min。
4、収集、精製、同定ステップ:
濃度が1%であるアガロースゲルの電気泳動をし、ゲルを切り、DNAゲル回収キット(TIANGEN、DP209)を利用してDNAを回収し、回収されたDNA断片は、アガロースゲル電気泳動及び紫外分光光度計により、濃度と純度が検出されることができる。OD260/OD280比の値は、1.7-1.9にあるすべきである。
二、野生型及び変異型のFGFR2c細胞外ドメイン146-356ポリペプチド遺伝子の組み換えベクターの構築:
1、二重消化及びライゲーション反応による組み換えプラスミドの構築
PCR増幅した配列とpET3cベクター(米国Invitrogen社製)に対して、それぞれ同時にNdeIとBamHIの二重消化を行い、消化反応の条件:37℃で4hウォーターバス;
pET3cプラスミドとFGFR2c遺伝子は、それぞれNdeIとBamHIによる二重消化された後、T4 DNAリガーゼにより、ライゲーションを行い、T4 DNAリガーゼのプロトコルに従って実施し、反応系を作成した。ライゲーション反応の条件は、16℃で12hウォーターバス、ライゲーションの生成物を得た。
2、組み換えプラスミドの発現と同定
I、CaCl2法で形質転換した大腸菌DH5α菌株:まず、CaCl2により、コンピテント大腸菌DH5αを調製し、次に、上記ステップで得られたライゲーションの生成物を利用して、コンピテント大腸菌DH5αに形質転換した。具体的なステップは、文献“張志成. 変異型βFGFR2IIIc細胞外ドメインの原核発現、インビトロの再生及び活性研究.Jinan大学の修士論文, 2007:46”を参照下さい。
II、組み換えプラスミドの二重消化による同定:
接種ループによりシングルコロニーを複数回ピックアップし、それぞれ100μg/mlアンピシリン(Amp)含有LB培地5mlに接種し、マックを記入した。37℃でシェーカーにおいて、12h振動培養した後に、プラスミド(OMEGAプラスミド少量抽出キットのプロトコルに従い)を抽出し、二重消化による同定(NdeIとBamHIによる二重消化)を行い、二重消化による同定が成功したモノクローナルを選択し、中国生工生物公司でシークエンシングをした。配列が確認されたpET3c-FGFR2c、pET3c-S252W-FGFR2cの二種類の組み換えプラスミドが得られた。
三、FGFR2c細胞外ドメイン146-356ポリペプチド遺伝子の大腸菌中の発現:
(1)上記のCaCl2法により大腸菌DH5α菌株に形質転換する方法に従って、同じ原理により、上記の二種類の組み換えプラスミドがそれぞれ大腸菌BL21(DE3)(Novagen)工学菌種に形質転換され、発現用菌株が得られた;
(2)体積比で1:50の接種比により、BL21(DE3)発現用菌株を0.1%(m/v)Ampを含有する、滅菌されたLB液体培地に接種し、37℃、200rpmでシェーカーにより培養した。
菌体のOD600が0.6〜0.8になるとき、コントロール群と誘導群を作成した:誘導群は、IPTGの最終濃度が0.84 mMになるまで0.84M IPTGを加え、37℃で発現を3h誘導した群であり;コントロール群は、何の処理もしない群である。
SDS-PAGE電気泳動により標的タンパクの発現を同定した。その結果を図1に示した。その結果、IPTGは、BL21(DE3)発現用菌株でのFGFR2c細胞外ドメイン146-356の発現を良好に誘導できることが示唆された。
四、FGFR2c細胞外ドメイン146-356ポリペプチドの收集と精製:
(1)ステップ三の方法によりIPTG誘導された菌体を得た。次に、4℃、6000rpmで遠心分離30minを行い、菌体沈殿物を集めた。
(2)菌体:破砕用バッファー=1g:(8〜10)mlの比率で、菌体を超音波で破砕し、破砕が完了した後、4℃で18000rpm、60min遠心分離し、破砕で得られた上澄みを集めた。破砕は、3s破砕、5s停止という条件で実施し、破砕時間が18minであり、振幅が65%であり、破砕用バッファーが0.15M NaCl、25mM リン酸ナトリウムバッファー(PB、リン酸二水素ナトリウムとリン酸水素二ナトリウムが配合されたもの)、2mM EDTA、pH=7.5である。
(3)FGFR2c細胞外ドメイン146-356タンパクは、それを発現する原核菌の一部において、封入体として発現される。この場合、封入体の清浄並びにリフォールディング技術によって活性化したFGFR2c細胞外ドメイン146-356タンパクを獲得する(具体的な方法について、中国特許ZL200710029286.6の実施例1参照)。
(4)ウェスタンブロッティングにより検出を行った。なお、一次抗体はBek抗体(c-17)(santa Cruz Blotechnology)であり、二次抗体はウサギ二次抗体(cat NO. AS006,Asbio)であった。その結果、図2に示したように、FGFR2c細胞外ドメイン146-356はFGFR抗体により特異的に認識されることができる。
実施例2 FGFR2c細胞外ドメイン146-356の哺乳動物細胞における発現
該実施例には、哺乳動物の細胞中に組み換えて発現された野生型wsFGFR2c、S252W変異型msFGFR2c遺伝子により、潜在的にグリコシル化した形態のFGFRc細胞外ドメイン146-356ポリペプチドを製造する方法を説明した。
1、プライマーの設計は以下のとおりである。
F3:5’-ATAT GGATCC GCCGCCACC ATG AACAAGAGAGCACCATAC -3’;下線付きの部分は、BamH Iの制限部位である。
R3:5’-GCGCAAGCTT TCATTA CAGAACTGTCAACCATGC -3’;下線付きの部分は、HindIIIの制限部位である。
2、ベクターの構築:
ベクターpCDNA3.1(-)(米国Invitrogen社から購入した)を発現ベクターとした。
実施例1で得られたpET3c-FGFR2c 、pET3c-S252W-FGFR2cがテンプレートとし、F3およびR3をプライマーとし、PCRを行った。反応系と条件は実施例1と同様である。得られた野生型wsFGFR2c遺伝子、S252W変異型msFGFR2c遺伝子をそれぞれpCDNA3.1(-)にライゲーションし、大腸菌DH5αのコンピテントセルに形質転換した。これにより生成したベクターがpCDNA3.1-FGFR2c、pCDNA3.1-FGFR2c-S252Wと称する(具体的なステップは実施例1と同じ、使用された二重消化の酵素はBamH IとHind IIIであった)。
3、pCDNA3.1-FGFR2c、pCDNA3.1-FGFR2c-S252Wそれぞれの293細胞へのトランスフェクション
(1)EndoFree Plasmid Mini Kitの方法(OMEGA社から購入した)に従って、プラスミドを抽出し、pCDNA3.1-FGFR2c、pCDNA3.1-FGFR2c-S252Wプラスミドを得た。
(2)ヒト胚性腎臓細胞293T細胞(ATCC、CRL-3216)を宿主細胞に選定し、ウシ胎児血清(FBS、最終濃度が10%v/vである)が添加されたDMEM培地により、37℃で、5% CO2飽和湿度のインキュベーターで細胞をインキュベートし、融合するまで成長させた。
(3)トランスフェクションする前の24hに、0.25(w/v)%のトリプシンにより対数増殖期にある293T細胞を消化し、無ダブル抵抗性のDMEM培地を利用して細胞をピペッティングし懸濁液を作成し、6ウェルプレートに穴ごとに2×105個になるようにプレーティングし、トランスフェクションする際に、プレートの壁に完全に付着させ、かつ細胞密度が50%-60%に達するようにした。
(4)LipofectamineTM2000リポソームによるトランスフェクションキット(米国Invirtogen社から購入した)を用いてトランスフェクションを行い、トランスフェクションの具体的なステップは、以下のとおりである。
(i)LipofectamineTM2000の希釈:6ウェルプレートの穴あたりの量で計算:5μL LipofectamineTM2000を250μL opti-MEM培地に加える割合で希釈してから、5min静置した;
(ii)トランスフェクションをする予定のプラスミドの希釈:6ウェルプレートの穴あたりの量で計算:4μgトランスフェクションをする予定のプラスミドを250μL opti-MEM培地に加える割合で希釈した;
(iii)ステップ(i)とステップ(ii)で得られた希釈液を等体積で混合し、20min静置し、各穴にそれぞれ500μL混合液を加え、各穴にそれぞれ1.5ml opti-MEM培地を追加し、37℃で5% CO2のインキュベーターで4-6hインキュベートした後に、体積百分率で10% FBSを含有するDMEM培地に置き換えた。24hトランスフェクションしてから、古い培地を注意深く吸引して捨て、10%(v/v)FBSを含有するDMEM完全培地に変更し、インキュベートし続けた。
4、FGFR2c細胞外ドメイン146-356タンパク質の精製と同定:
4℃、18000rpmで30min遠心分離することにより、培養液の上澄みを集め、タンパク質の精製ステップは以下である。
ヘパリンアフィニティクロマトグラフィのカラム(GE 17-0998-01 50ml)を使用し、カラムの体積の3倍の再蒸留水により該カラムを洗浄してから、アフィニティクロマトグラフィ用バランス液でカラムをバランスさせ、流速が5ml/minであり、少なくともカラムの体積の3倍の液でバランスした後にステップ(2)で得られた上澄みをロードさせ、ロードさせてから、さらにカラムの体積の3倍のアフィニティクロマトグラフィ用バランス液により洗浄し、ヘパリン溶離液に置き換えて溶離を行い、波長が280nmであるところで単一の溶離ピークを集め、野生型wsFGFR2cポリペプチドおよびS252W変異型msFGFR2cポリペプチドを得て、-70℃で保管し、その後の試験に用いる。
アフィニティクロマトグラフィ用バランス液:25mM HEPES、0.15M NaCl、pH=7.5;
ヘパリン溶離液:25mM HEPES、1.5M NaCl、pH=7.5;
流速が5ml/minである。
ウェスタンブロッティングにより同定した。その結果、FGFR2c細胞外ドメイン146-356がFGFR抗体によって特異的に認識されることができることが示された。
実施例3 FGFR2c細胞外ドメイン146-356のCHO細胞での発現
1、プライマーの設計:
上流プライマーF3:5’-ATAT GGATCC GCCGCCACC ATG AACAAGAGAGCACCATAC -3’;下線付きの部分は、BamH Iの制限部位である;
下流プライマーR4:5’-GCGCGAATTC TCATTA CAGAACTGTCAACCATGC -3’ 下線付きの部分は、EcoR Iの制限部位である。
2、ベクターの構築:
ベクターpIRESneo3(Clontech社から購入した)を発現ベクターとした;
実施例2のステップ2の操作に従って、用いられたプライマーがF3とR4であり、用いられた制限エンドヌクレアーゼがBamH IとEcoR Iである。これにより生成したベクターがpIRESneo3-FGFR2c、pIRESneo3-FGFR2c-S252Wと呼ばれる。
3、pIRESneo3-FGFR2c、pIRESneo3-FGFR2c-S252WそれぞれのCHO-DG44細胞へのトランスフェクション
(1)EndoFree Plasmid Maxi Kitによりプラスミドを抽出し、pIRESneo3-FGFR2c、pIRESneo3-FGFR2c-S252Wプラスミドが得られた;
(2)ステップ(1)で得られたプラスミドをそれぞれチャイニーズハムスターの卵巣細胞であるCHO-DG44細胞(Invitrogen社)にランスフェクションした。トランスフェクションのステップが実施例2と同様である。高濃度のピューロマイシン(400ng/ml)によりスクリーニングした後に、安定したクローンである遺伝子組み換えCHO細胞が得られた。
(3)遺伝子組み換えCHO細胞を採取し、5×105個/mlで4mmol/Lグルタミン、0.68mg/Lヒポキサンチン、0.194mg/Lチミンを含有しているproCHO5培地1.5Lに接種し、5Lの振とうフラスコで培養し、回転数が110r/min である条件下で、37℃で72時間培養した後、さらに31℃で216時間培養した。
(4)1.5Lの培養体積下での細胞培養液の上澄みを回収し、500mlを取り0.45μmろ過膜でろ過しした後に、実施例2の方法に従ってヘパリンアフィニティクロマトグラフィにより目的タンパクを精製して、ウェスタンブロッティングによって同定した。その結果、FGFR2c細胞外ドメイン146-356がFGFR抗体によって特異的に認識されることができることが示された。
実施例4 FGFR2c細胞外ドメイン146-356ポリペプチドの酵母細胞での発現
1、プライマーの設計:
上流プライマーF5:5’-ATAT CTCGAG GCCGCCACC ATG AACAAGAGAGCACCATAC -3’;下線付きの部分はXho Iの制限部位である;
下流プライマーR5:5’-GCGC TCTAGA TCATTA CAGAACTGTCAACCATGC -3’ ;下線付きの部分はXbaIの制限部位である。
2、ベクターの構築:
用いられたベクターがピキア属酵母での発現ベクターpPICZαA(Invitrogen)である。
実施例2のステップ2に従って行い、用いられたプライマーがF5とR5であり、用いられた酵素がXho IとXbaIである。これにより作成したベクターがpPICZαA-FGFR2c、pPICZαA-FGFR2c-S252Wと呼ばれた。
3、酵母細胞の形質転換及び同定:
実施例1におけるCaCl2法により大腸菌DH5α菌株の形質転換の方法を利用して、pPICZαA-FGFR2cおよびpPICZαA-FGFR2c-S252Wをそれぞれ大腸菌DH5αに形質転換した。Zeocin(100ug/ml)抗生物質を含むLBプレートで形質転換されたDH5αに対して予備スクリーニングを実施し、プレートで成長したシングルコロニーをピックアプして、37℃、220rpmで16時間振とう培養し、少量でプラスミド抽出及び消化同定(Xho IとXbaIを使用して二重消化による同定を行った)し、陽性クローンを選定し、専門会社にシーケンシングした。
4、酵母細胞X33の形質転換:
精製したプラスミドをSac I酵素で消化し線状化した後(消化系が10×buffer 2μl、プラスミド10μl、Sac I 1μl、20μlまで ddH20を添加した)に、それぞれピキア属酵母X33のコンピテントセルに電気的に形質転換した。具体的に以下のとおりである: X33コンピテントセル80μlと線状化したプラスミド20μlを取り、均一的に混合してから、予め冷やした0.2cmギャップがあるエレクトロポレーション用キュベットに移し、氷浴5minをした;電気パルスエネルギー転換電圧1800V、4.3msでエレクトロポレーションを行い;直ちに予め冷やした1Mソルビトール1mLをキュベットに加え、ピペットで軽く混ぜてから1.5mL EPチューブに移して、100 ug/ml Zeocinを含有する高張完全培地(YPDS)プレートに塗布し、28℃で培養2〜3dした。
5、遺伝子組み換え菌株の同定および誘導発現:具体的なステップが文献:王丁丁ら. 融合抗体ScFv-Fc汎用発現ベクターの構築. 中国生物工程雑誌.2011,31(8):110-117 における融合抗体 ScFv-Fcの発現を参照ください。
6、FGFR2c細胞外ドメイン146-356タンパク質の精製と同定
(1)遠心分離により発酵培地から酵母細胞を除去した;
(2)8000KDのカラム式の限外濾過で濃縮した培地を使用して、遺伝子組み換えFGFR2c細胞外ドメイン146-356を予備分離及び精製した;
(3)ヘパリンカラムアフィニティクロマトグラフィー(実施例2と同様)を使用し、さらにFGFR2c細胞外ドメイン146-356を含む濃縮物を精製して、ウェスタンブロッティングにより同定した。その結果、FGFR2c細胞外ドメイン146-356がFGFR抗体によって特異的に認識されることができることが示された。
実施例5 FGFR2c細胞外ドメイン146-356のバキュロウイルス及びそれによって感染された昆虫細胞での発現
1、実施例3の方法に従って得ベクターpFastBac-FGFR2cとpFastBac-FGFR2c-S252W(プライマーが実施例3と同じであり、pFastBac ベクターが、Invitrogenからのものである)を得た。
2、大腸菌DH10Bacコンピテントセルへの形質転換
大腸菌DH10Bac(Invitrogenから)コンピテントセルが-80℃から取り出してから氷に置いて溶解させた;プラスミド5μLを取り、無菌条件下大腸菌DH10Bacコンピテントセルに加え、氷に30min置いて、42℃でヒートショックを45s行い、ヒートショック後に、直ちに氷に置いて、2分間静置した。室温での S.O.C.培地(Cat.No.15544-034)0.9mlを添加し、225rpmで(37℃)45min振動した;S.O.C.培地により体積比1:10の比率で培養物を希釈し、希釈液100μLを取り、50μg/mlカナマイシン(kanamycin)、10μg/mlテトラサイクリン(tetracycline)、7μg/mlゲンタマイシン(gentamicin)、200mg/ml IPTGと20mg/mL X-galを含有している LBプレート上にコーティングし、コーティングしたプレートを37℃で置く24時間培養した。;翌日、白色のコロニーをピックして50μg/ml kanaを含有するLB液体培地に培養した。菌液はPCR同定に供した。同定により形質転換が成功したことを確認した菌液を培地5mlに接種し、37℃で一晩インキュベートした;陽性バクミドを抽出した。Bac-to-bac HT Vector kit(Invitrogen社から購入、cat.1058-027)キットを利用して遺伝子組み換えプラスミドDNAを抽出して、アガロース電気泳動により形質転換の結果を検出した。
3、組み換えバキュロウイルスpFastBac ベクターのトランスフェクションの具体的な方法は文献“謝秋玲ら. 組み換えヒト可溶性PDGFRβ/Fcの昆虫細胞Sf9での発現. 昆虫学報. July 2009, 52( 7):743-748”参照。
4、FGFR2c細胞外ドメインの発現:
上澄みと細胞を集め、16000rpm、4℃で30min遠心分離した後に、上澄み及び細胞沈殿に対して、SDS-PAGE電気泳動を行い、かつウェスタンブロッティングにより同定した。その結果、表明FGFR2c細胞外ドメイン146-356がFGFR抗体によって特異的に認識されることができることが示された。
実施例6 FGFR2c細胞外ドメイン146-356-Fc断片融合タンパク質の酵母細胞での発現
1、Fc断片の獲得
(1)プライマーの設計:
(2)4つのステップからなるPCRを経てFc領域の目的遺伝子を得た。ステップ1は、F6-FcとR6-Fcをプライマーとし、PCRを行い、1%濃度のアガロースで電気泳動し、ゲルを切り出して回収した(TIANGEN、DP209)ステップである;ステップ2は、F7-FcとR7-Fcをプライマーとし、ステップ1でのPCR生成物をテンプレートとし、PCRを行って、次にゲルを切り出して回収したステップである;ステップ3は、F8-FcとR8-Fcをプライマーとし、ステップ2でのPCR生成物をテンプレートとし、PCRを行って、次にゲルを切り出して回収したステップである;ステップ4は、F9-FcとR9-Fcをプライマーとし、ステップ3でのPCR生成物をテンプレートとし、PCRを行って、次にゲルを切り出して回収したステップである;
PCR反応系:
PrimerSTAR max 25μL
上流プライマー 3μL
下流プライマー 3μL
テンプレート 4μL
ddH2O 15μL
全体積: 50μl。
2、PCR およびオーバーラップPCRによりぞれぞれ増幅して得られたFGFR2c細胞外ドメイン、Fc領域およびFGFR2c-L-Fc目的遺伝子。
pET3c-FGFR2cプラスミド領域遺伝子をテンプレートとし、F10-FGFR2cとR10-FGFR2cをプライマーとし、PCRによりFGFR2cテンプレート断片が得られた;Fc断片をテンプレートとし、F11-FcとR11-Fcをプライマーとし、PCRによりFc領域テンプレート断片が得られた。
(1)プライマー設計は以下のとおりである:すべて5’-3’である
(2)PCR反応系および反応条件は以下のとおりである:
PCR反応系
PrimerSTAR max 25μL
F10 - FGFR2c/ F11-Fc 3μL
R10 -FGFR2c / R11- Fc 3μL
テンプレート 4μL
ddH2O 15μL
全体積:50μL;
反応条件が:96 ℃ 5min;94 ℃ 15s、60 ℃ 15s、72 ℃ 5s、31サイクル;72 ℃ 10min。
(3)実施例1におけるPCR生成物のゲル切りにより回収する方法に従って、FGFR2cとFc領域DNAを回収した:
重畳PCR反応系:
PrimerSTAR max 25μL
FGFR2cテンプレート断片 2μL
Fc テンプレート断片 2μL
ddH2O 15μL
全体積:44μL
反応条件が:96 ℃ 5min;94 ℃ 15s、60 ℃ 15s、72 ℃ 5s、5サイクル;72 ℃ 10min。
(4)上記の5サイクルが完了してからF10 -FGFR2cとR11-Fcプライマー各3μLを添加し、再び30サイクルを行い、PCR生成物のゲル切りにより回収する方法が実施例1に従って、FGFR2c-L-Fc遺伝子が得られた。
3、実施例4の方法に従って、FGFR2c-L-Fc遺伝子をpPICZαA発現ベクターに組み込んだ。二重消化同定および検出結果によって、FGFR2c-L-Fc- pPICZαA組み換えプラスミドの構築が成功したことが示された;
4、実施例4の方法に従って、融合タンパク質FGFR2b-L-Fcの発現を誘導しかつその精製物を同定した。その結果、融合タンパク質FGFR2b-L-FcがFGFR抗体によって特異的に認識されることができることが示された。
実施例7 安定性の比較
文献(Xueting Liu. 野生型と変異型FGFR2IIIc細胞外ドメインの原核発現及びそれの腫瘍に対する阻害作用.Jinan大学修士論文.2008:8)に記載されている方法によって、S252W変異型msFGFR2c(147-366)と野生型FGFR2c(147-366)を作成した。さらに、文献(何穎、汪炬ら. FGFR2IIIc細胞外ドメインの原核発現及びそれの前立腺癌細胞に対する阻害作用. 中国生物工程雑誌.2009, 29(7): 7〜11)に記載されている方法によって、S252W変異型msFGFR2c(151-377)と野生型FGFR2c(151-377)を作成した。
1、SDS-PAGE電気泳動によるsFGFR2c安定性の検出
S252W変異型msFGFR2cポリペプチド(実施例1で作成された)と野生型wsFGFR2cポリペプチド(実施例1で作成された)、S252W変異型msFGFR2c(147-366)、野生型FGFR2c(147-366)、S252W変異型msFGFR2c(151-377)、野生型FGFR2c(151-377)がそれぞれ25mM HEPESバッファーにより12h透析された。次に、0.22μmのろ過膜でろ過し、さらに25mM HEPESバッファーにより、タンパクの濃度がいずれも100μg/mlになるように希釈した。それぞれ2mlを取り4℃冷蔵庫に置いて、1、3、5、7日目の同じ時間にぞれぞれ上澄み160μl(毎回サンプリングするときに、4℃で16000rpm、15min遠心分離してから沈殿を捨てることが必要である)を取り、取れたサンプルを-70℃に置いてから、SDS-PAGE電気泳動によって、タンパク質の安定状況を検出した。同時に、透析したときに膜を通過したタンパク溶液をコントロールとした。
2、結果
実験結果は、図3に示したように、図3Aは、本発明で製造されたFGFR2c細胞外ドメイン146-356の安定性の電気泳動図であり、レーン1がコントロールとしてのS252W変異型msFGFR2c、レーン2、3、4、5がそれぞれS252W変異型msFGFR2cの1、3、5、7日目のサンプル、レーン6がコントロールとしての野生型wsFGFR2c、レーン7、8、9、10がそれぞれ野生型wsFGFR2cの1、3、5、7日目のサンプルである。同図からわかるように、本発明で製造されたFGFR2細胞外ドメインがほとんど分解していおらず、タンパクがより安定した。
図3Bは、文献に従って製造されたS252W変異型msFGFR2c(147-366aa)と野生型FGFR2c(147-366aa)の安定性の電気泳動図であり、レーン1がコントロールとしてのS252W変異型msFGFR2c(147-366)、レーン2、3、4、5がそれぞれS252W変異型msFGFR2c(147-366)の1、3、5、7日目のサンプル品、レーン6がコントロールとしての野生型FGFR2c(147-366)、レーン7、8、9、10がそれぞれ野生型FGFR2c(147-366)の1、3、5、7日目のサンプルである。同図からわかるように、野生型とS252W突然変異が、1、3日目に分解が少量現れた(レーン2、3、7、8)。5日目に分解がさらに進行した(レーン4、9)。7日目までに基本的に分解が完全に進行した(レーン5、10)。
図3Cは、文献に従って製造されたS252W変異型msFGFR2c(151-377aa)と野生型FGFR2c(151-377aa)の安定性の電気泳動図であり、レーン1がコントロールとしてのS252W変異型msFGFR2c(151-377aa)、レーン2、3、4、5がそれぞれS252W変異型msFGFR2c(151-377aa)1、3、5、7日目のサンプル、レーン6がコントロールとしての野生型FGFR2c(151-377aa)、レーン7、8、9、10がそれぞれ野生型FGFR2c(151-377aa)の1、3、5、7日目のサンプルである。同図からわかるように、野生型とS252W突然変異が、1、3日目に分解が分解が現れた(レーン2、3、7、8)。5日目に分解がさらに進行した(レーン4、9)。7日目までに基本的に分解が完全に進行した(レーン5、10)。
結論:本発明で構築されたFGFR2c細胞外ドメイン146-356は、従来のFGFR2c細胞外ドメイン(147-366aa)、FGFR2c細胞外ドメイン(151-377aa)により安定している。これは、プロセスの収量を高めることに有利である。
実施例8 FGFR2c細胞外ドメイン146-356のDU145細胞EGFシグナルを阻害することによる悪性の腫瘍の阻害
1、細胞培養
前立腺癌DU145細胞(ATCCから)を50 cm2細胞培養フラスコ(Thermoから購入)で継代培養し、10%(v/v)ウシ胎児血清を含有する1640培地を添加し、37℃で5% CO2の細胞インキュベーターで培養した。培養中、細胞間のコンフルエンスが80%程度に到達するときに、継代培養を行い、0.25(w/v)%トリプシン液により細胞を消化した。通常の継代際に細胞の密度が少なくとも5×105個/mLに達した。
2、免疫共沈降(Co-IP)によるsFGFR2cと外来性および内在性EGFRとの結合の検出
(1)ヒト胚性腎臓細胞293T細胞(ATCC、CRL-3216)のEGFRの過剰発現
1)トランスフェクション及び誘導 :
(i)トランスフェクション:具体的な方法は実施例2 lipofectamineTM2000リポソームトランスフェクションと同様である
(ii)誘導:24時間培養した後に、1×PBSにより洗浄し残りの培地を除去し、0.5%(v/v)FBSを含有するDMEM飢餓培地に置き換え、12h後に、誘導を行った。具体的なステップ:EGF(20ng/ml)またはFGF-2(20ng/ml)またはwsFGFR2c(1μg/ml、実施例1で製造された)またはmsFGFR2c(1μg/ml、実施例1で製造された)を含有する3%(v/v)FBSのDMEM培地を6ウェルプレートに加え、穴あたり2ml添加した;1目の穴に、3%(v/v)FBSのDMEM培地だけを、2目の穴に、3%(v/v)FBSのDMEM培地+wsFGFR2cを、3目の穴に、3%(v/v)FBSのDMEM培地+wsFGFR2c+EGFを、4目の穴に、3%(v/v)FBSのDMEM培地+ wsFGFR2c + FGF-2を、5目の穴に、3%(v/v)FBSのDMEM培地+msFGFR2cを、6目の穴に、3%(v/v)FBSのDMEM培地+msFGFR2c+EGFを、7目の穴に、3%(v/v)FBSのDMEM培地+ msFGFR2c + FGF-2を添加した。
2)Co-IP試料の調製
I、細胞溶解ための試料の調製
(i)1時間誘導した後に、まず、あらかじめ冷やした1×PBSにより二回洗浄し、1×PBSを完全に吸収し乾燥させた。
(ii)細胞ライセート(碧云天,品番P0013)をステップ(i)の細胞中に添加し、穴あたり400 μL細胞ライセートを加えた。
(iii)細胞スクレーパーによりすべての細胞を掻き取り、EPチューブに集めた。
(iv)振動器で30 s振動し、氷上で静置し10 min溶解させてから、4℃で16000 rpm、10 min遠心分離した;
沈殿を捨て、上澄みを取り、細胞ライセートのタンパクサンプルを得た。
II、磁性ビーズのインキュベート、試料の調製
(i)磁性ビーズ(dynabeadsM-270 streptavidin)を取り、EPチューブに添加し、40 μL/チューブになる;チューブあたり、600 μL 1×PBSを添加し、3回繰り返し洗浄した。
(ii)PBSを除き、チューブあたり、細胞ライセートのタンパク試料300 μLを添加し、磁性ビーズとともに、1 hインキュベートした。
(iii)インキュベートした後、0.05%(v/v)Tweenを含むPBSにより磁性ビーズを洗浄した。5 minごとに液を一回交換して、8回繰り返した。次に、さらにPBSにより2回洗浄して、毎回5 minである。
(iv)PBSを吸収し乾燥させた、5×SDS loading bufferを加え、5 min沸騰水浴して、ウェスタンブロッティングサンプルを作成した。
(v)ウェスタンブロッティングによる検出を行い、結果は図4に示された。
3、CCK8法による細胞増殖の検出
(1)プレーティング:DU145細胞の継代培養した後、プレートを全部カバーすることの七割から八割まで成長した。トリプシンにより消化して、10%(v/v)FBSを含有する1640培地を加えることにより、細胞を3×104個/mLになる細胞懸濁液に希釈した。さらに(4〜5)×103個細胞/穴の量で96ウェル細胞培養プレートに添加し、すなわち、穴あたり150μL細胞懸濁液を加え、37℃、5% CO2インキュベーターで24h培養した。
(2)飢餓:元の培地を吸い取り、活性炭により処理された血清0.1%を含む1640培地150μL/穴を加え、24 h飢餓培養した。
(3)誘導:飢餓培地を吸い取り、改めて活性炭により処理された血清0.1%を含む1640培地を添加して、sFGFR2cを加え150μL/穴で誘導した;その誘導プロセスは、96ウェルプレートの7列を使用し、1列目に150μl培地のみを添加し、2列目に培地+EGFを添加し、3列目に培地+EGF+sFGFR2c(40ng/ml)を添加し、4列目に培地+EGF+sFGFR2c(80ng/ml)を添加し、5列目に培地+EGF+sFGFR2c(160ng/ml)を添加し、6列目に培地+EGF+sFGFR2c(320ng/ml)を添加し、7列目に培地+EGF+sFGFR2c(640ng/ml)を添加してから、48 h誘導培養をした。
(4)マイクロプレートリーダーによる測定:CCK8取扱説明書に従ってCCK8測定液を配合した。さらに、各穴での培地の溶液を吸収して乾燥させてから、CCK8測定液110 μL/ウェルを加え、インキュベーター中で37℃で4hインキュベートした。軽く振動して取り出してから、マイクロプレートリーダーにより450/570 nmの両波長での吸光度を読み込んだ。
4、実験の結果
(1)Co-IPによるEGFRとsFGFR2cとの結合の検出(図4参照)
Co-IP実験によって、DU145細胞の内在性発現したEGFRとsFGFR2cの結合能を検出した。その結果、EGFが存在した場合、msFGFR2c(すなわち、S252W変異型msFGFR2c、以下同じ)とEGFRの結合力が弱くなり(図3B参照)、同様に、wsFGFR2c(すなわち、野生型wsFGFR2c)の場合も同じであったことを発見した。さらに、FGF-2とsFGFR2誘導DU145細胞の同時添加もEGFRとsFGFR2cとの互い結合を引き起こすことができるが、このような結合は、sFGFR2c単独誘導またはEGFとの共同誘導の場合よりはるかに小さいことが発見された。
(2)EGFによりDU145細胞増殖を誘導し、同時にsFGFR2cを添加し誘導を行った場合は、DU145の増殖に対する阻害作用がある(図5参照)。EGFの濃度が5 ng/mLであると、sFGFR2cの濃度が大きいほど、EGFにより誘導された増殖作用に対する阻害効果が顕著にあり、特にmsFGFR2c、その濃度が160 ng/mLに達する時に、阻害作用が最もよい。コントロール群の阻害率が21.1%になったことに対して、msFGFR2c誘導濃度がさらに増大すると、その阻害効果がある程度降下したが、野生型wsFGFR2cの阻害効果が相対的に弱かった。320 ng/mLであったとき、コントロール群に対して、その相対成長率が102.5%であった。同様に、誘導濃度がさらに増大すると、その阻害作用もある程度降下した。
(3)sFGFR2cによるEGFR/ERKシグナル伝達経路の阻害(図6参照)
ウェスタンブロッティング検出によって、sFGFR2cによりDU145細胞を誘導した後、sFGFR2cがEGによりF誘導されたEGFRとERKのリン酸化を阻害することができ、(図6参照)、EGFとともに誘導した時に、両者ともEGFRとERKの活性化を阻害することができ、かつwsFGFR2cの阻害作用に比べて、msFGFR2cがより強いことが見つかりました。同様に、sFGFR2cもFGF-2により誘導されたERKのリン酸化を阻害することができる。
(4)sFGFR2cによるFGFシグナル伝達経路の阻害
ウェスタンブロッティング検出によって、sFGFR2cによりDU145細胞を誘導した後、sFGFR2cがFGFRsとERKとのリン酸化(図7参照)を阻害することができ、FGF-2とともに誘導した時に、両者ともFGFRsとERKの活性化を阻害することができ、かつwsFGFR2cの阻害作用に比べて、msFGFR2cはより強いことが見つかりました。
実施例9 等温滴定型カロリメトリー(ITC)によるFGFR2c細胞外ドメイン146-356とEGFRとの相互作用の検出
本実験は、実例1に記載された方法により製造されたmsFGFR2cとEGFRとが結合する実験を説明した。得られた実験結果は図8に示された。
等温滴定法(Isothermal Titration Calorimetry、ITC)バッファー(25mM HEPES、0.15mMNaCl、5%グリセリン、pH=7.5)によりmsFGFR2cと別途準備したEGFR細胞外ドメインをそれぞれ透析した。透析されたタンパクを4℃で18000rpm、30min遠心分離した後に、ITC実験に供した。200ulのEGFRを取り、試料セルに加え、サンプルの濃度がそれぞれ20μ mol/Lであった。次に、150μ mol/L のmsFGFR2c40μLを取り、シリンジにロードし、滴定に供した。反応条件は、はじめに0.4μLを滴定し、残り毎回3μLを滴定し、2minごとに一回滴定し、総計14回滴定した。
その結果は、msFGFR2cがEGFRと相互作用することができ、良好な結合効果があることが示された。
以上、前記実施例において本発明のいくつかの実施形態を説明したが、その記載が具体的で詳しいであり、本発明の請求の範囲を限定することは意図していない。なお、当業者にとって、本発明の要旨から逸脱しない範囲内で、若干の変更と改良が可能である。これらも、本発明の保護範囲に含まれる。従って、本発明は、請求の範囲の記載によってのみ限定される。

Claims (11)

  1. 下記アミノ酸配列からなる単離されたタンパク質:
    i). 配列番号:1または2に記載のアミノ酸配列。
  2. 下記アミノ酸配列をからなり、かつEGFシグナルを阻害し、FGFシグナルを活性化しない機能を有する単離されたタンパク質:
    ii). 配列番号:1または2に記載のアミノ酸配列において、一つもしくは複数のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/または付加されたアミノ酸配列;
    iii). 配列番号:1または2に記載のアミノ酸配列と80%以上のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列;あるいは
    vi). ストリンジェントな条件下で配列番号:1または2に記載のアミノ酸配列をコードする核酸の相補鎖とハイブリダイズする核酸によりコードされたアミノ酸配列。
  3. 該単離されたタンパク質がヒトに由来する、請求項2に記載の単離されたタンパク質。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の単離されたタンパク質をコードする単離された核酸。
  5. 請求項4に記載の核酸を含むベクター。
  6. 請求項5に記載のベクターを含む宿主細胞。
  7. 前記宿主細胞は、CHO細胞、大腸菌細胞、昆虫細胞、酵母細胞のいずれ一種であること、を特徴とする請求項6に記載の宿主細胞。
  8. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の単離されたタンパク質とその他のポリペプチドとの融合タンパク質。
  9. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の単離されたタンパク質とヒト免疫グロブリンプロテインタグ配列またはヒト免疫グロブリンFc領域と的融合タンパク質である、請求項8に記載の融合タンパク質。
  10. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の単離されたタンパク質、請求項4に記載の核酸、請求項5に記載のベクター、請求項6または7に記載の宿主細胞あるいは請求項8または9に記載の融合タンパク質の、悪性の腫瘍を治療するための薬物を製造する用途。
  11. 活性成分として請求項1〜3のいずれか一項に記載の単離されたタンパク質、請求項4に記載の核酸、請求項5に記載のベクター、請求項6または7に記載の宿主細胞あるいは請求項8または9に記載の融合タンパク質、並びに薬学的に許容されるベクターを含む、悪性の腫瘍を治療する医薬組成物。
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