JP2017520242A - 灌流培養方法およびその使用 - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、2014年6月6日に出願した米国特許仮出願第62/009,058号の優先権を主張するものであり、その全内容は参照によって本明細書に組み入れる。
組換えタンパク質(例えば、本明細書に記載のまたは当技術分野において公知の組換えタンパク質のいずれか)を作製するための製造プロセスを試験する方法が本明細書で提供される。これらの方法は、本明細書に記載の組換えタンパク質を生産する方法を行う工程と、方法中および/またはその後に、少なくとも1つ(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14)の培養リードアウト(例えば、細胞中または第1および/もしくは第2の培養培地中の組換えタンパク質の量、グルコース消費量、生細胞濃度、ラクテート生産、容積生産速度、比生産速度、グルコースからのラクテート収量、グルタミン濃度、グルタメート濃度、培養培地のpH、溶存CO2の分圧または濃度、溶存O2の濃度または分圧、代謝物物質移動、ならびに代謝物物質収支)を検出または測定する工程と;および少なくとも1つの培養リードアウトを、少なくとも1つ(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13)の培養リードアウトの基準レベル(例えば、細胞中または第1および/もしくは第2の培養培地中に存在する(で検出される)組換えタンパク質の量、グルコース消費量、生細胞濃度、ラクテート生産、容積生産速度、比生産速度、グルコースからのラクテート収量、グルタミン濃度、グルタメート濃度、培養培地のpH、溶存CO2の濃度または分圧、溶存O2の濃度または分圧、代謝物物質移動ならびに代謝物物質収支の基準レベル)と比較する工程とを含む。
本明細書は、(例えば、本明細書に記載の方法のいずれかを使用する)哺乳動物細胞の培養に有用な、例示的マルチウェル細胞培養プレートシステムを提供する。これらのシステムは、培養ベッセルの中へのおよび/または培養ベッセルから外への流体の流れに順応するように構成されている少なくとも1つのポートによって培養ベッセル内に存在する流体(例えば、第1の液体培養培地)の連続的または定期的除去、および培養ベッセルへの流体(例えば、第2の液体培養培地)の添加を可能にするように設計されている。
マルチウェル細胞培養プレートシステム1の非限定的な例の上面図を図1に提供する。マルチウェル細胞培養プレートシステム1は、複数の開口部4を有する表面3を含む一体型支持プレート2を含む。開口部を任意の形式で配列することができ、図1は縦列・横列の形式の開口部を示しているが、開口部の任意の構成を利用できることを当業者は理解するであろう。
本明細書で記載される例示的な方法において、まずマルチウェルプレートが提供される。第1の液体培養培地が、培地がウェル体積の約5%〜約80%の間(例えば、約5%〜約75%の間、約5%〜約70%の間、約5%〜約65%の間、約5%〜約60%の間、約5%〜約55%の間、約5%〜約50%の間、約5%〜約45%の間、約5%〜約40%の間、約5%〜約35%の間、約5%〜約30%の間、約10%〜約80%の間、約10%〜約75%の間、約10%〜約70%の間、約10%〜約65%の間、約10%〜約60%の間、約10%〜約55%の間、約10%〜約50%の間、約10%〜約45%の間、約10%〜約40%の間、約10%〜約35%の間、約15%〜約80%の間、約15%〜約75%の間、約15%〜約70%の間、約15%〜約65%の間、約15%〜約60%の間、約15%〜約55%の間、約15%〜約50%の間、約15%〜約45%の間、約15%〜約40%の間、約20%〜約80%の間、約20%〜約75%の間、約20%〜約70%の間、約20%〜約65%の間、約20%〜約60%の間、約20%〜約55%の間、約20%〜約50%の間、約20%〜約45%の間、約25%〜約80%の間、約25%〜約75%の間、約25%〜約70%の間、約25%〜約65%の間、約25%〜約60%の間、約25%〜約55%の間または約25%〜約50%の間)を占めるように、ウェルに添加される。少なくとも1つの哺乳動物細胞が第1の液体培養培地に、すなわち、培地がウェルに添加される前か後に添加される。マルチウェルプレートは約31℃〜約40℃で一定時間インキュベートされ、例えば、回転振盪デバイスにおいて約300RPM〜約600RPM(例えば、本明細書で記載される撹拌の例示的な範囲のいずれか)で撹拌される。例えば、投てき(軌道)(throw(orbit))直径約3mm〜約50mmの振盪インキュベーターなどのインキュベーターで、細胞をインキュベートしてよい。インキュベーションの間、期間中連続的にまたは定期的に、第1の体積の第1の液体培養培地(例えば、任意の哺乳動物細胞濃度を含む、例えば、哺乳動物細胞を含まないか、実質的に含まなくした第1の体積の第1の液体培養培地)が除去され、第2の体積の第2の液体培養培地が第1の液体培養培地に添加される。典型的には、第1および第2の体積を比較すると、第1および第2の体積はほぼ等しいが、少量分、例えば、約1%〜約10%(例えば、約1%〜約8%、約1%〜約5%または約1%〜約3%)変動してもよい。一部の実施形態において、添加される第2の体積の第2の液体培養培地は、除去される第1の体積の第1の液体培養培地よりも(例えば、最大で約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%または10%未満)少ない。当技術分野で既知の通り、インキュベート期間は、哺乳動物細胞および液体培養培地を含むマルチウェルプレートが、第1の体積の第1の液体培養培地を除去し、第2の体積の第2の液体培養培地を添加するためにインキュベーターから取り出される短い時間(例えば、最大1分間、最大2分間、最大3分間、最大4分間、最大5分間、最大10分間、最大20分間、最大30分間、最大40分間、最大50分間または最大1時間)を含んでいてよい。一部の例において、インキュベート期間は、(例えば、本明細書で記載されるマルチウェル培養プレートシステムの使用により)哺乳動物細胞および液体培養培地を含むマルチウェルプレートが、第1の体積の第1の液体培養培地を除去し、第2の体積の第2の液体培養培地を添加するためにインキュベーターから取り出される短い時間を含まない。
本明細書で提供される方法は、様々な異なる哺乳動物細胞を培養するために使用することができる。哺乳動物細胞は、例えば、浮遊液中で増殖する細胞であっても、接着細胞であってもよい。本明細書で記載される方法のうちいずれかを使用して培養可能な哺乳動物細胞の非限定的な例には:チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、Sp2.0、骨髄腫細胞(例えば、NS/0)、B細胞、ハイブリドーマ細胞、T細胞、ヒト胎児腎臓(HEK)細胞(例えば、HEK293EおよびHEK293F)、アフリカミドリザル腎臓上皮細胞(Vero)細胞、およびメイディンダービーイヌ(コッカスパニエル)腎臓上皮細胞(MDCK)細胞が含まれる。本明細書で記載される方法を使用して培養可能なさらなる哺乳動物細胞が、当技術分野で既知である。
液体培養培地が当技術分野で既知である。第1および/または第2の組織培養培地には、哺乳動物血清(例えば、ウシ胎児血清およびウシ血清)、および/または成長ホルモンもしくは成長因子(例えば、インスリン、トランスフェリンおよび上皮成長因子)を添加してよい。あるいはまたはさらに、第1および/または第2の液体培養培地は、既知組成液体培養培地、動物由来成分不含液体培養培地、無血清液体培養培地、血清含有液体培養培地またはタンパク質不含液体培養培地であってよい。既知組成液体培養培地、動物由来成分不含液体培養培地、無血清液体培養培地および血清含有液体培養培地の非限定的な例は、市販されている。
哺乳動物細胞が接着細胞である一部の例において、第1および/または第2の液体培養培地は、複数のマイクロキャリアを含む。例えば、ウェルは、最終濃度が、例えば約1.0g/L〜約15.0g/L、(例えば、振盪フラスコ中の最終濃度が約1.0g/L〜約2.5g/L、約1.0g/L〜約2.0g/L、約1.0g/L〜約1.75g/L、約1.0g/L〜約1.5g/L、約1.0g/L〜約1.25g/L、約2.5g/L〜5.0g/L、約5.0g/L〜約7.5g/L、約7.5g/L〜約10.0g/L、約10.0g/L〜約12.5g/L、約12.5g/L〜約15.0g/L、約1.0g/L〜約5.0g/L、約5.0g/L〜約10.0g/L、約10.0g/L〜約15.0g/L、約2.5g/L〜約3.5g/L、約3.0g/L〜約4.0g/L、約4.0g/L〜約5.0g/L、約5.0g/L〜約6.0g/L、約6.0g/L〜約7.0g/L、約7.0g/L〜約8.0g/L、約8.0g/L〜約9.0g/L、約9.0g/L〜約10.0g/L、約10.0g/L〜約11.0g/L、約11.0g/L〜約12.0g/L、約12.0g/L〜約13.0g/L、約13.0g/L〜約14.0g/Lまたは約14.0g/L〜約15.0g/L)のマイクロキャリアを含んでいてよい。
い。
様々なマルチプレートが当技術分野で既知であり、本明細書で記載される方法のうちいずれかにおいて使用可能である。例えば、マルチウェルプレートは、2ウェルプレート、4ウェルプレート、6ウェルプレート、8ウェルプレート、9ウェルプレート、10ウェルプレート、12ウェルプレート、15ウェルプレート、18ウェルプレート、20ウェルプレート、24ウェルプレート、36ウェルプレート、48ウェルプレート、60ウェルプレート、72ウェルプレートまたは96ウェルプレートであってよい。一部の例において、ウェルは、体積(内部体積)約0.3mL〜約25mLの間(例えば、約0.3mL〜約24mLの間、約0.3mL〜約22mLの間、約0.3mL〜約20mLの間、約0.3mL〜約18mLの間、約0.3mL〜約16mLの間、約0.3mL〜約14mLの間、約0.3mL〜約12mLの間、約0.3mL〜約10mLの間、約0.3mL〜約8mLの間、約0.3mL〜約6mLの間、約0.3mL〜約5mLの間、約0.3mL〜約4mLの間、約0.3mL〜約3mLの間、約0.3mL〜約2mLの間、約0.3mL〜約1mLの間、約0.5mL〜約25mLの間、約0.5mL〜約24mLの間、約0.5mL〜約22mLの間、約0.5mL〜約20mLの間、約0.5mL〜約18mLの間、約0.5mL〜約16mLの間、約0.5mL〜約14mLの間、約0.5mL〜約12mLの間、約0.5mL〜約10mLの間、約0.5mL〜約8mLの間、約0.5mL〜約6mLの間、約0.5mL〜約5mLの間、約0.5mL〜約4mLの間、約0.5mL〜約3mLの間、約0.5mL〜約2mLの間、約0.5mL〜約1mLの間、約1mL〜約25mLの間、約1mL〜約24mLの間、約1mL〜約22mLの間、約1mL〜約20mLの間、約1mL〜約18mLの間、約1mL〜約16mLの間、約1mL〜約14mLの間、約1mL〜約12mLの間、約1mL〜約10mLの間、約1mL〜約8mLの間、約1mL〜約7mLの間、約1mL〜約6mLの間、約1mL〜約5mLの間、約1mL〜約4mLの間、約1mL〜約3.5mLの間、約1mL〜約3mLの間、約1mL〜約2.5mLの間、約1mL〜約2mLの間、約1mL〜約1.5mLの間、約1.5mL〜約25mLの間、約1.5mL〜約24mLの間、約1.5mL〜約22mLの間、約1.5mL〜約20mLの間、約1.5mL〜約18mLの間、約1.5mL〜約16mLの間、約1.5mL〜約14mLの間、約1.5mL〜約12mLの間、約1.5mL〜約10mLの間、約1.5mL〜約8mLの間、約1.5mL〜約6mLの間、約1.5mL〜約5mLの間、約1.5mL〜約4mLの間、約1.5mL〜約3.5mLの間、約1.5mL〜約3mLの間、約1.5mL〜約2.5mLの間、約1.5mL〜約2.0mLの間、約2mL〜約25mLの間、約2mL〜約24mLの間、約2mL〜約22mLの間、約2mL〜約20mLの間、約2mL〜約18mLの間、約2mL〜約16mLの間、約2mL〜約14mLの間、約2mL〜約12mLの間、約2mL〜約10mLの間、約2mL〜約8mLの間、約2mL〜約6mLの間、または約2mL〜約5mLの間)を有する。
本明細書で記載される方法には、哺乳動物細胞ならびに第1および/または第2の液体培養培地を含む培養物の回転撹拌が必要である。回転撹拌は、(例えば、投てき(軌道)直径約3mm〜約50mmの振盪インキュベーターなどのインキュベーター内で)約300RPM〜約600RPM(例えば、約300RPM〜約580RPM、約300RPM〜約560RPM、約300RPM〜約540RPM、約300RPM〜約520RPM、約300RPM〜約500RPM、約300RPM〜約480RPM、約300RPM〜約460RPM、約300RPM〜約440RPM、約300RPM〜約420RPM、約300RPM〜約400RPM、約300RPM〜約380RPM、約300RPM〜約360RPM、約320RPM〜約600RPM、約320RPM〜約580RPM、約320RPM〜約560RPM、約320RPM〜約540RPM、約320RPM〜約520RPM、約320RPM〜約500RPM、約320RPM〜約480RPM、約320RPM〜約460RPM、約320RPM〜約440RPM、約320RPM〜約420RPM、約320RPM〜約400RPM、約320RPM〜約380RPM、約330RPM〜約600RPM、約330RPM〜約580RPM、約330RPM〜約560RPM、約330RPM〜約540RPM、約330RPM〜約520RPM、約330RPM〜約500RPM、約330RPM〜約480RPM、約330RPM〜約460RPM、約330RPM〜約440RPM、約330RPM〜約420RPM、約330RPM〜約400RPM、約330RPM〜約380RPM、約340RPM〜約600RPM、約340RPM〜約580RPM、約340RPM〜約560RPM、約340RPM〜約540RPM、約340RPM〜約520RPM、約340RPM〜約500RPM、約340RPM〜約480RPM、約340RPM〜約460RPM、約340RPM〜約440RPM、約340RPM〜約420RPM、約340RPM〜約400RPM、約360RPM〜約600RPM、約360RPM〜約580RPM、約360RPM〜約560RPM、約360RPM〜約540RPM、約360RPM〜約520RPM、約360RPM〜約500RPM、約360RPM〜約480RPM、約360RPM〜約460RPM、約360RPM〜約440RPM、約360RPM〜約420RPM、約380RPM〜約600RPM、約380RPM〜約580RPM、約380RPM〜約560RPM、約380RPM〜約540RPM、約380RPM〜約520RPM、約380RPM〜約500RPM、約380RPM〜約480RPM、約380RPM〜約460RPM、約380RPM〜約440RPM、約400RPM〜約600RPM、約400RPM〜約580RPM、約400RPM〜約560RPM、約400RPM〜約540RPM、約400RPM〜約520RPM、約400RPM〜約500RPM、約400RPM〜約480RPM、または約400RPM〜約460RPM)の回数で行ってよい。
本明細書で記載される培養方法は、温度約31℃〜約40℃で実施することができる。例えば、時間または日ベースで、培養方法における特定の時点で温度を変化させてよいことを、当業者は理解するであろう。例えば、哺乳動物細胞によるウェルへの最初の播種後約1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、14日、15日、16日、17日、18日、19日または約20日以上で、温度を変化または移行(例えば、上昇または下降)させてよい。例えば、温度を上方へ(例えば、最大もしくは約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または最大もしくは約20℃の変化)移行させてよい。例えば、温度を下方へ(例えば、最大もしくは約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または最大もしくは約20℃の変化)移行させてよい。
本明細書で記載される方法は、第1の体積の第1の液体培養培地(例えば、任意の濃度の哺乳動物細胞を含む、例えば、細胞を実質的に含まない第1の体積の第1の液体培養培地)をウェルから除去すること、および第1の液体培養培地に第2の体積の第2の液体培養培地を添加することを含む。除去および添加は同時にまたは連続的に、または2つを組み合わせて実施してよい。さらに、除去および添加を連続的に(例えば、任意の所与の期間(例えば、24時間期間、約1時間〜約24時間の増分期間、または24時間超の増分期間)、ウェル体積または第1の液体培養培地体積の0.1%〜700%の間(例えば、1%〜600%の間、1%〜500%の間、1%〜400%の間、1%〜350%の間、1%〜300%の間、1%〜250%の間、1%〜100%の間、100%〜200%の間、5%〜150%の間、10%〜50%の間、15%〜40%の間、8%〜80%の間、または4%〜30%の間)の体積を除去および交換する比率で)、または定期的に(例えば、3日に1度、1日おきに1度、1日に1度、1日に2度、1日に3度、1日に4度または1日に5度)、またはそれらを任意で組み合わせて実施してよい。定期的に実施される場合、(例えば、約24時間期間内、約1時間〜約24時間の増分期間内、または24時間超の増分期間内で)除去または交換される体積は、例えば、ウェル体積または第1の液体培養培地体積の0.1%〜700%の間(例えば、1%〜700%の間、1%〜600%の間、1%〜500%の間、1%〜400%の間、1%〜300%の間、1%〜200%の間、1%〜100%の間、100%〜200%の間、5%〜150%の間、10%〜50%の間、15%〜40%の間、8%〜80%の間、または4%〜30%の間)であってよい。除去される第1の液体培養培地の第1の体積および添加される第2の液体培養培地の第2の体積は、一部の例において、培養期間の全体または一部の間、各24時間期間(あるいは、約1時間〜約24時間の増分期間、または24時間超の増分期間)中ほぼ同じに維持してよい。当技術分野で既知である通り、第1の体積の第1の液体培養培地が除去される比率(体積/単位時間)、および第2の体積の第2の液体培養培地が添加される比率(体積/単位時間)は変動させてよい。第1の体積の第1の液体培養培地が除去される比率(体積/単位時間)、および第2の体積の第2の液体培養培地が添加される比率(体積/単位時間)は、ほぼ同じでもよく異なっていてもよい。
本明細書で記載される方法は、最大または約15%CO2(例えば、最大もしくは約14%CO2、12%CO2、10%CO2、8%CO2、6%CO2、5%CO2、4%CO2、3%CO2、2%CO2、または最大もしくは約1%CO2)を含む雰囲気下でマルチウェルプレートをインキュベートすることをさらに含んでいてよい。さらに、本明細書で記載される方法のうちいずれかは、加湿雰囲気(例えば、湿度少なくとももしくは約20%、30%、40%、50%、60%、70%、85%、80%、85%、90%、または湿度少なくとももしくは約95%、または湿度約100%)下でマルチウェルプレートをインキュベートすることを含んでいてよい。
本明細書で記載される培養方法を実施するために使用可能なデバイスの非限定的な例には:Appropriate Technical Resources (Maryland、USA)が販売するINFORS Multiron振盪インキュベーター(INFORS;Basel、Switzerland)およびKuhner振盪インキュベーター(Kuhner AG;Basel、Switzerland)が含まれる。培養方法を実施するために使用可能なデバイスの非限定的な例には、投てき(軌道)直径約3mm〜約50mmの間(例えば、約1mm〜約25mmの間または約25mm〜約50mmの間)の回転式インキュベーターが含まれる。振盪インキュベーターおよび回転式培養インキュベーターのさらなる例が、当技術分野で既知である。
温度約31℃〜約40℃でインキュベートされ、約320RPM〜約450RPM(例えば、約320RPM〜約440RPM、約320RPM〜約430RPM、約320RPM〜約420RPM、約320RPM〜約410RPM、約320RPM〜約400RPM、約320RPM〜約390RPM、約320RPM〜約380RPM、約320RPM〜約370RPM、約320RPM〜約360RPM、約320RPM〜約350RPM、約320RPM〜約340RPM、約320RPM〜約330RPM、約330RPM〜約450RPM、約330RPM〜約440RPM、約330RPM〜約430RPM、約330RPM〜約420RPM、約330RPM〜約410RPM、約330RPM〜約400RPM、約330RPM〜約390RPM、約330RPM〜約380RPM、約330RPM〜約370RPM、約330RPM〜約360RPM、約330RPM〜約350RPM、約330RPM〜約340RPM、約340RPM〜約450RPM、約340RPM〜約440RPM、約340RPM〜約430RPM、約340RPM〜約420RPM、約340RPM〜約410RPM、約340RPM〜約400RPM、約340RPM〜約390RPM、約340RPM〜約380RPM、約340RPM〜約370RPM、約340RPM〜約360RPM、約340RPM〜約350RPM、約350RPM〜約450RPM、約350RPM〜約440RPM、約350RPM〜約430RPM、約350RPM〜約420RPM、約350RPM〜約410RPM、約350RPM〜約400RPM、約350RPM〜約390RPM、約350RPM〜約380RPM、約350RPM〜約370RPM、約350RPM〜約360RPM、約360RPM〜約450RPM、約360RPM〜約440RPM、約360RPM〜約430RPM、約360RPM〜約420RPM、約360RPM〜約410RPM、約360RPM〜約400RPM、約360RPM〜約390RPM、約360RPM〜約380RPM、約360RPM〜約370RPM、約370RPM〜約450RPM、約370RPM〜約430RPM、約370RPM〜約410RPM、約370RPM〜約390RPM、約390RPM〜約450RPM、約390RPM〜約430RPM、約390RPM〜約410RPM、約410RPM〜約450RPM、約410RPM〜約430RPM、または約430RPM〜約450RPM)の回数で撹拌される、直径約6.0mm〜約35mmの間(例えば、約6.0mm〜約30mmの間、約6.0mm〜約25mmの間、約6.0mm〜約20mmの間、約6.0mm〜約15mmの間、約10mm〜約35mmの間、約10mm〜約30mmの間、約10mm〜約25mmの間、約10mm〜約20mmの間、約15mm〜約35mmの間、約15mm〜約30mmの間、約15mm〜約25mmの間、約20mm〜約35mmの間、約20mm〜約30mmの間、または約25mm〜約35mmの間)および高さ約40mm〜約50mmの間(例えば、約40mm〜約45mmの間または約45mm〜約50mmの間)を有する角底ウェルの体積の約10%〜約40%(例えば、約10%〜約35%、約10%〜約30%、約10%〜約25%、約10%〜約20%、約10%〜約15%、約15%〜約40%の間、約15%〜約35%、約15%〜約30%、約15%〜約25%、約15%〜約20%、約20%〜約40%、約20%〜約35%、約20%〜約30%、約20%〜約25%、約25%〜約40%、約25%〜約35%、約25%〜約30%、約30%〜約40%、約30%〜約35%、または約35%〜約40%の間)を占める培地において達成されるものと同じ(または本質的に同じ)流体せん断力および溶存酸素(O2)濃度を培地中に発生させる条件下で、マルチウェルプレートのウェル内に配置された液体培養培地中に浮遊している哺乳動物細胞を、勾配灌流プロセスで培養することを含む培養方法も提供される。
本明細書で記載される方法を使用して、組換えタンパク質を生産することができる細胞を培養することを含む、組換えタンパク質を生産する方法も本明細書で提供される。この方法の実施に従って、組換えタンパク質を哺乳動物細胞および/または第1もしくは第2の培養培地から回収することができる。一部の実施形態において、組換えタンパク質は、培養方法の間の任意の所与の時点で第1および/または第2の液体培養培地から回収される(例えば、培養0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99または100日目、または培養100日超後のうち1日またはそれ以上に、第1および/または第2の液体培養培地から回収される)。これらの方法についての一部の実施形態は、第3の培養培地の体積または第4の液体培養培地の体積を添加することをさらに含むが、各例において、ウェル中の液体培養培地の総体積は、第1の液体培養培地体積とほぼ等しいかそれ未満となるべきである。
小スケールかつハイスループットの灌流培養のモデルを生成し、そのような培養が生産用灌流培養のものと同様の細胞密度を達成することができるか否かを決定するための実験を実施した。
組換えガラクトシダーゼ浮遊細胞培養
組換えガラクトシダーゼを生産する同一のクローン細胞株を、各細胞培養プロセスランで使用した。各細胞培養プロセスランで使用した培養培地を表1に挙げる。
以下の装置および試薬を、この実施例に記載の細胞培養プロセスランで使用した:Multitronシェーカーインキュベーター(Appropriate Technical Resources,Inc.)(型式番号AJ125)、Cellometer(登録商標)Auto1000(Nexcelom Bioscience LLC)、Beckman Coulter Allegra遠心機(型式番号 Allegra X−14R)、TubeSpin(登録商標)Bioreactors 50(Techno Plastic Products AG、トラザーディンゲン、スイス)、96ウェルMASTERBLOCK(登録商標)マイクロプレート2mL(Griener Bio One、フリッケンハウゼン、ドイツ)、96ウェルMASTERBLOCK(登録商標)マイクロプレート1mL(Griener Bio One、フリッケンハウゼン、ドイツ)、Olympus白色光卓上顕微鏡(型式番号BH−s)、Olympus白色光卓上顕微鏡(型式番号BX40)、Olympus白色光卓上顕微鏡(型式番号BX41)、0.4%トリパンブルー溶液(Sigma)、0.2%トリパンブルー溶液(Sigma)、Reichert Bright−Line(登録商標)血球計算盤、Thermo Scientific顕微鏡用カバーガラス、Fisher Scientific Laboratory Counter、SAS(登録商標)JMP Software(バージョンX)、Applikon MicroFlask微量測定プレートクランピングデバイス(Applikon Biotechnology Inc.)、AeraSeal、微穴性ディスポーザブル膜シール(Phenix Research Products)、Beckman Coulter Biomek(登録商標)3000 Laboratory Automation Workstation、RAININ Pipetting 360° Pipet−Lite(商標)XLS(商標)Pipettor(Mettler Toledo)、Ergenomic High−Performance Pipettor[VWR(登録商標)]およびReagent Reservoir(VistaLab Technologies)。
撹拌(RPM)、ウェル形状、および実施体積の条件を変化させる範囲を試験するために、研究を実施した。320RPMから360RPMの間の撹拌、丸底(1mLの呼び体積)または角底(2mLの呼び体積)のウェル、および100μLから600μLの間の実施体積の範囲を包含するよう、研究を設計した。細胞培養プロセスランIを実施して、丸底深型ウェルプレート(1mLの呼び体積)の稼働条件のベースを決定した。細胞培養プロセスランIIを実施して、丸底深型ウェルプレートの高密度細胞培養支持能を決定した。細胞培養プロセスランIIIを実施して、設計の最適化に用いるパラメータ範囲を確定すると共に、Applikon MicroFlask微量測定プレートクランピングデバイス(Applikon Biotechnology,Inc.、フォスターシティ、カリフォルニア州)を、滅菌済みの微孔性膜シール(AeraSeal、Phenix Research Products、キャンドラー、ノースカロライナ州)と比較した。モデルの最適化を目的として、細胞培養プロセスランIVおよびVを設計した。
VPR:体積当たり生産速度(U/L/d)
力価:rhα−Gal活性(U/L)
SPR:比生産速度(U/E9細胞/d)
Xv:生細胞計測数(E6細胞/mL)
IVCD:累積生細胞密度(細胞−d/mL)
T:時間(日)
血球計算盤およびカバースリップを、イソプロピルアルコール(IPA)で清掃した。カバースリップの隅をIPAで湿らせ、血球計算器に貼り付けた。細胞試料を、0.4%トリパンブルーと1:1で均一に混合した。10μLのアリコートを血球計算盤に移した。大きい方の外側の4つの正方形で細胞を計数した:外側の大きな正方形のそれぞれは、16個のさらに小さな正方形の格子を含んでいた。大きい方の正方形の境界上にある細胞を、4辺のうち2辺についてのみ計数した。着色していない細胞を生きたものとして計数すると共に、青で染色されたものを死んだものとみなした。下記の数式4および5を使用して、生存率および生細胞密度を算出した。
細胞試料を0.2%トリパンブルーと1:1で均一に混合した。20μLの混合液のアリコートを、装置専用のスライドに移した。装置に組み入れられたデジタルカメラによって取り込まれた4つのイメージで、細胞を計数した。着色していない細胞を生きたものとして計数すると共に、青で染色されたものを死んだものとみなした。
JMPソフトウェアを使用して、統計解析を実施した。使用した応答は、最大化された望ましさを伴うピーク生細胞密度(VCDまたはXV)および体積当たり生産速度(VPR)であった。効果スクリーニングレポートを用いて、「Fit Model」機能によって統計モデルを評価した。「Sorted Parameter Estimates」によって、t検定により統計的に決定された応答変量を有意にもたらす要素が報告された。最後に、「Prediction Profiler」によって、応答変量に関するパラメータの効果の独立傾向がプロットされ、そのモデルを使用し、望ましさ関数を最大化することによって、最良の条件が予測された。
細胞培養プロセスランI
この実験では、バイアルの解凍後27日目に、rhα−Gal CHO細胞株(CD CHO培地中)を使用して、3つの異なる条件下で(表6)ベッセルに接種した。細胞培養増殖のプロファイルを11日間にわたって追跡した。
丸底(1mL)96ウェル深型プレートで細胞を培養するのに使用する灌流速度を最適化するために、一連の実験を実施した。これらの実験では、CD CHO培地中のrhα−Gal細胞(バイアルの解凍後30日目)を使用して、丸底96ウェル深型プレートのウェルおよび振盪チューブに接種した(表7に記載の通り)。細胞培養の実績を、11日間バッチ再供給プロセスにて評価した。
丸底96ウェル深型プレートで細胞を培養するのに使用する再供給割合を最適化するために、一連の実験を実施した。これらの実験を、1mL丸底および2mL角底の両方の96ウェル深型プレート、ならびに図9に示す修正した再供給割合プロトコールを使用して実施した。バイアルの解凍後8日目に、CD CHO培養培地中のrhα−Gal細胞を使用して、深型ウェルプレートと振盪チューブの両方のタイプに接種した(表8を参照されたい)。角底96ウェル深型培養は、300μLまたは500μLの培養体積を含有し、一方、丸底96ウェル深型培養は、200μLまたは300μLの培養体積を含有した(1mL呼び体積)。Applikonシステムを使用するか、またはAeraSeal膜を使用するかのどちらかで、ウェルを密封した。96ウェル深型プレート培養の全てを、330RPMまたは360RPのどちらかで撹拌した。細胞培養の成長を9日間にわたって測定した。96ウェル深型プレート培養についての全ての生細胞の計数を、3連のウェルで計数し、平均した。
角底96ウェル深型プレート(2mL呼び体積)での細胞成長を最適化するために、追加の一連の実験を実施した。これらの実験では、バイアルの解凍後1日目に、CD CHO培養培地中の細胞を使用して、角底96ウェル深型プレートおよび振盪チューブに接種した(n=3)(表9を参照されたい)。これらの実験に使用した培養体積は、300μLまたは500μLであり、培養物を、320RPM、330RPM、または340RPMで撹拌した。培養における細胞成長を14日間にわたって評価した。培養についての生細胞の計数の全ては、3連のウェルから計数し平均した。
細胞培養の稼働条件を最適化するために、さらに一連の実験を実施した(上記の実験方法の設計の記載を参照されたい)。これらの実験では、バイアルの解凍後21日目に、CD CHO中の細胞を使用して、角底もしくは丸底のどちらかの96ウェル深型プレート、または振盪チューブに接種した。各試験培養の稼働条件を表10に示す。試験した96ウェル深型プレートのそれぞれを、AeraSealディスポーザブル膜で覆った。振盪チューブ培養を対照(n=4)として用立てた:2本の振盪チューブ培養のセットは、対照の再供給スケジュールに従い、別の2本の振盪チューブ培養のセットは、96ウェル深型プレートで使用される修正した再供給割合に従った(図9に図示した)。全ての条件を2連で試験した。9日間バッチ再供給プロセスにて細胞成長を評価した。
本明細書に記載の深型96ウェル培養方法を使用して、様々に異なる組織培養を試験するために、さらに別の一連の実験を実施した。これらの実験では、モノクローナル抗体を生産する組換え哺乳動物細胞株(mAb生産細胞)または酵素を生産する組換え哺乳動物細胞株(酵素生産細胞)を使用して、角底96ウェル深型プレートに接種し、500μLの1つまたは少なくとも102通りの異なる組織培養培地中で、330RPMで撹拌しながら、細胞を1週間培養した。これらの実験の対照は、同じ96ウェル深型プレート、同じ培養培地、試料細胞株、およびCD CHO培地を使用して達成される生細胞密度であった。7日間にわたって、培養の生細胞密度と力価との両方を測定した。
本発明が、その詳細な記載と併せて記載されている一方で、前述の記載は、説明を意図するものであって、添付の特許請求の範囲によって規定される、本発明の範囲を限定することを意図しないことが理解されよう。別の態様、利点および修正は、以下の特許請求の範囲内にある。
Claims (76)
- 哺乳動物細胞を培養する方法であって:
第1の液体培養培地に配置された哺乳動物細胞を含む少なくとも1つのウェルを含むマルチウェルプレートを用意する工程であって、該第1の液体培養培地は該ウェルの体積の約5%〜約70%を占める工程と;
ある期間、約31℃〜約40℃で、約320回転毎分(RPM)〜約500RPMの回転撹拌をしながら、該マルチウェルプレートをインキュベートする工程と;
連続的にまたは定期的に、該期間中に、該第1の体積の第1の液体培養培地を除去し、第2の体積の第2の液体培養培地を該第1の液体培養培地に添加する工程であって、該第1および第2の体積はほぼ等しい工程と
を含む前記方法。 - 哺乳動物細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である、請求項1に記載の方法。
- CHO細胞は、組換えタンパク質をコードする核酸を含有する、請求項2に記載の方法。
- 組換えタンパク質は、免疫グロブリン、酵素、成長因子、タンパク質断片、または工学操作されたタンパク質である、請求項3に記載の方法。
- 組換えタンパク質を生産する方法であって:
第1の液体培養培地に配置された哺乳動物細胞を含む少なくとも1つのウェルを含むマルチウェルプレートを用意する工程であって、該第1の液体培養培地は該ウェルの体積の約5%〜約70%を占め、該哺乳動物細胞は組換えタンパク質をコードする核酸を含有する工程と;
ある期間、約31℃〜約40℃で、約320回転毎分(RPM)〜約500RPMの回転撹拌をしながら、該マルチウェルプレートをインキュベートする工程と;
連続的にまたは定期的に、該期間中に、該第1の体積の第1の液体培養培地を除去し、第2の体積の第2の液体培養培地を該第1の液体培養培地に添加する工程であって、該第1および第2の体積はほぼ等しい工程と;
該組換えタンパク質を該哺乳動物細胞からまたは該第1もしくは第2の培養培地から回収する工程と
を含む前記方法。 - 組換えタンパク質は、哺乳動物細胞から回収される、請求項5に記載の方法。
- 組換えタンパク質は、免疫グロブリン、酵素、成長因子、タンパク質断片、または工学操作されたタンパク質である、請求項6に記載の方法。
- 組換えタンパク質は、第1または第2の液体培養培地から回収される、請求項5に記載の方法。
- 組換えタンパク質は、分泌免疫グロブリン、分泌酵素、分泌成長因子、分泌タンパク質断片、または工学操作された分泌タンパク質である、請求項8に記載の方法。
- 組換えタンパク質を作製する製造プロセスを試験するための方法であって:
第1の液体培養培地に配置された哺乳動物細胞を含む少なくとも1つのウェルを含むマルチウェルプレートを用意する工程であって、該第1の液体培養培地は該ウェルの体積の約5%〜約70%を占め、該哺乳動物細胞は組換えタンパク質をコードする核酸を含有する工程と;
ある期間、約31℃〜約40℃で、約320回転毎分(RPM)〜約500RPMの回転撹拌をしながら、該マルチウェルプレートをインキュベートする工程と;
連続的にまたは定期的に、該期間中に、該第1の体積の第1の液体培養培地を除去し、第2の体積の第2の液体培養培地を該第1の液体培養培地に添加する工程であって、該第1および第2の体積はほぼ等しい工程と;
該哺乳動物細胞または該第1もしくは第2の液体培養培地中の該組換えタンパク質を検出する工程と;
該哺乳動物細胞または該第1もしくは第2の液体培養培地中に存在する組換えタンパク質の量を組換えタンパク質の基準レベルと比較する工程と
を含む前記方法。 - 組換えタンパク質の基準レベルは、異なる培養方法を使用して生産される組換えタンパク質のレベルである、請求項10に記載の方法。
- 異なる培養方法は、異なる第1もしくは第2の液体培養培地、異なる哺乳動物細胞、異なる温度、異なる撹拌レベルまたは異なるマルチウェルプレートを利用する、請求項11に記載の方法。
- 異なる培養方法は、異なる原料、異なる凝集防止剤、または既知組成液体培養培地を利用する、請求項11に記載の方法。
- 実験計画(DOE)またはクォリティー・バイ・デザイン(QBD)研究を行うためのハイスループット細胞培養実験を行うために使用される、請求項10に記載の方法。
- 組換えタンパク質は、第1または第2の液体培養培地で検出される、請求項10に記載の方法。
- 組換えタンパク質は、分泌免疫グロブリン、分泌酵素、分泌成長因子、分泌タンパク質断片、または工学操作された分泌タンパク質である、請求項15に記載の方法。
- 組換えタンパク質は、細胞で検出される、請求項10に記載の方法。
- 組換えタンパク質は、免疫グロブリン、酵素、成長因子、タンパク質断片、または工学操作されたタンパク質である、請求項17に記載の方法。
- 第1の体積の第1の液体培養培地は哺乳動物細胞を実質的に含まない、請求項1、5および10のいずれか1項に記載の方法。
- 第1の液体培養培地は、ウェルの体積の約10%〜約60%を占める、請求項1、5および10のいずれか1項に記載の方法。
- 哺乳動物細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である、請求項5または10に記載の方法。
- 回転撹拌は、約320RPM〜約400RPMである、請求項1、5および10のいずれか1項に記載の方法。
- 第1の体積の第1の液体培養培地の除去と第2の体積の第2の液体培養培地の添加は同時に行われる、請求項1、5および10のいずれか1項に記載の方法。
- 第1の体積の第1の液体培養培地の除去と第2の体積の第2の液体培養培地の添加は連続的に行われる、請求項1、5および10のいずれか1項に記載の方法。
- 第1の体積の第1の液体培養培地の除去と第2の体積の第2の液体培養培地の添加は定期的に行われる、請求項1、5および10のいずれか1項に記載の方法。
- 除去される第1の液体培養培地の第1の体積および添加される第2の液体培養培地の第2の体積は経時的に増加される、請求項1、5および10のいずれか1項に記載の方法。
- マルチウェルプレートは、7日より長い期間インキュベートされ、インキュベーション1〜3日目に、24時間ごとに、除去される第1の液体培養培地の第1の体積および添加される第2の液体培養培地の第2の体積は、該第1の液体培養培地の体積の約30%〜約50%の間であり;
インキュベーション4〜6日目に、24時間ごとに、除去される第1の液体培養培地の第1の体積および添加される第2の液体培養培地の第2の体積は、該第1の液体培養培地の体積の約40%〜約70%の間であり;
インキュベーション7日目以降に、24時間ごとに、除去される第1の液体培養培地の第1の体積および添加される第2の液体培養培地の第2の体積は、該第1の液体培養培地の体積の約90%〜約150%である、
請求項1、5および10のいずれか1項に記載の方法。 - ウェルは、約1mL〜約18mLの間の体積を有する、請求項1、5および10のいずれか1項に記載の方法。
- ウェルは、約1mL〜約7mLの間の体積を有する、請求項1、5および10のいずれか1項に記載の方法。
- ウェルは、約1mL〜約3.5mLの間の体積を有する、請求項1、5および10のいずれか1項に記載の方法。
- マルチウェルプレートは、6ウェルプレート、12ウェルプレート、24ウェルプレート、48ウェルプレート、または96ウェルプレートである、請求項1、5および10のいずれか1項に記載の方法。
- マルチウェルプレートは、深型ウェルプレートである、請求項1、5および10のいずれか1項に記載の方法。
- ウェルの底の直径は、約6.0mm〜約35mmの間である、請求項1、5および10のいずれか1項に記載の方法。
- ウェルの高さは、約12mm〜約50mmである、請求項1、5および10のいずれか1項に記載の方法。
- 哺乳動物細胞は、第1の培養培地約150μL〜約15mLに浮遊している、請求項1、5および10のいずれか1項に記載の方法。
- 哺乳動物細胞は、第1の培養培地約150μL〜約10mLに浮遊している、請求項35に記載の方法。
- 哺乳動物細胞は、第1の培養培地約150μL〜約5mLに浮遊している、請求項36に記載の方法。
- 哺乳動物細胞は、第1の培養培地約150μL〜約1mLに浮遊している、請求項37に記載の方法。
- 第1の液体培養培地および/または第2の液体培養培地は:既知組成液体培養培地、無血清液体培養培地、血清含有液体培養培地、動物由来成分不含液体培養培地、およびタンパク質不含培地からなる群から選択される、請求項1、5および10のいずれか1項に記載の方法。
- 期間の最初の約24〜48時間後、24時間ごとに、除去される第1の液体培養培地の第1の体積および添加される第2の液体培養培地の第2の体積は、該第1の液体培養培地の体積の約30%〜約150%である、請求項1、5および10のいずれか1項に記載の方法。
- 撹拌は、第1の体積の第1の液体培養培地を除去する前に少なくとも30秒の期間、停止される、請求項1、5および10のいずれか1項に記載の方法。
- マルチウェルプレートは、ガス透過性ディスポーザブル膜で密封される、請求項1、5および10のいずれか1項に記載の方法。
- マルチウェルプレートは、ガス透過性シリコーン層で密封される、請求項1、5および10のいずれか1項に記載の方法。
- ウェルは平底を有する、請求項1、5および10のいずれか1項に記載の方法。
- ウェルは丸底を有する、請求項1、5および10のいずれか1項に記載の方法。
- 蒸発に起因する第1の液体培養培地の体積の減少を相殺するためにさらなる体積の第2の液体培養培地を複数のウェルの各々に定期的に添加する工程をさらに含む、請求項1、5および10のいずれか1項に記載の方法。
- 第1の体積の第1の液体培養培地の除去と、第2の体積の第2の液体培養培地の該第1の液体培養培地への添加は、自動デバイスを使用して行われる、請求項1、5および10のいずれか1項に記載の方法。
- マルチウェルプレートは、請求項69に記載のマルチウェル細胞培養プレートシステムである、請求項1、5および10のいずれか1項に記載の方法。
- ウェル中、細胞15x106個/mL〜細胞60x106個/mLの間の生細胞密度をもたらす、請求項1、5および10のいずれか1項に記載の方法。
- 哺乳動物細胞を培養する方法であって:
マルチウェルプレートのウェル内に配置された液体培養培地に浮遊している哺乳動物細胞を、該培地において、約6.0mm〜約35mmの間の直径および約40mm〜約50mmの間の高さを有する角底ウェルの体積の約15%〜25%を占める培地中において、該角底ウェルを約31℃〜約40℃の温度でインキュベートし、約320回転毎分(RPM)〜約360RPMの回数で回転撹拌したときに達成されるものと本質的に同じである流体せん断力および溶存酸素(O2)濃度を生じさせる条件下、勾配灌流プロセスで培養する工程
を含む前記方法。 - 哺乳動物細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である、請求項50に記載の方法。
- CHO細胞は、組換えタンパク質をコードする核酸を含有する、請求項51に記載の方法。
- 組換えタンパク質は、免疫グロブリン、酵素、成長因子、タンパク質断片、または工学操作されたタンパク質である、請求項52に記載の方法。
- 組換えタンパク質を生産する方法であって:
マルチウェルプレートのウェル内に配置された液体培養培地に浮遊している哺乳動物細胞を、該培地において、約6.0mm〜約35mmの間の直径および約40mm〜約50mmの間の高さを有する角底ウェルの体積の約15%〜25%を占める培地において該角底ウェルを約31℃〜約40℃の温度でインキュベートし、約320回転毎分(RPM)〜約360RPMの回数で回転撹拌したときに達成されるものと本質的に同じである流体せん断力および溶存酸素(O2)濃度を生じさせる条件下、勾配灌流プロセスで培養する工程と;
該組換えタンパク質を該哺乳動物細胞または該液体培養培地から回収する工程と
を含む前記方法。 - 組換えタンパク質は、哺乳動物細胞から回収される、請求項54に記載の方法。
- 組換えタンパク質は、免疫グロブリン、酵素、成長因子、タンパク質断片、または工学操作されたタンパク質である、請求項55に記載の方法。
- 組換えタンパク質は、液体培養培地から回収される、請求項54に記載の方法。
- 組換えタンパク質は、分泌免疫グロブリン、分泌酵素、分泌成長因子、分泌タンパク質断片、または工学操作された分泌タンパク質である、請求項57に記載の方法。
- 哺乳動物細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である、請求項54に記載の方法。
- マルチウェルプレートは、選択された6ウェルプレート、12ウェルプレート、24ウェルプレート、48ウェルプレート、または96ウェルプレートである、請求項50または54に記載の方法。
- マルチウェルプレートは、深型ウェルプレートである、請求項50または54に記載の方法。
- 液体培養培地は:既知組成液体培養培地、無血清液体培養培地、血清含有液体培養培地、動物由来成分不含液体培養培地、およびタンパク質不含培地からなる群から選択される、請求項50または54に記載の方法。
- マルチウェルプレートは、ガス透過性ディスポーザブル膜で密封される、請求項50または54に記載の方法。
- マルチウェルプレートは、ガス透過性シリコーン層で密封される、請求項50または54に記載の方法。
- マルチウェルプレートは、平底を有するウェルを含む、請求項50または54に記載の方法。
- マルチウェルプレートは、丸底を有するウェルを含む、請求項50または54に記載の方法。
- マルチウェルプレートは、請求項69に記載のマルチウェル細胞培養プレートシステムである、請求項50または54に記載の方法。
- 培養は、ウェル中、細胞15x106個/mL〜細胞60x106個/mLの間の生細胞密度をもたらす、請求項50または54に記載の方法。
- マルチウェル細胞培養プレートシステムであって:
複数の開口部を含む第1の表面を含む一体型支持プレート;
該支持プレート内に配置されており、体積約200μL〜約18mLの間の体積を有する細胞培養物を収容するように構成されている、複数の培養ベッセル
を含み、各開口部は、各培養ベッセルへの開放部と対になっており、該開放部を画成しており、
各培養ベッセルは、該培養ベッセルの中へのおよび/または該培養ベッセルから外への流体の流れに順応するように構成されている少なくとも1つのポートをさらに含む、前記マルチウェル細胞培養プレートシステム。 - 一体型支持プレートは、液体の収容およびポートへの供給のためのリザーバーを含むように構成されている、請求項69に記載のマルチウェル細胞培養プレートシステム。
- 培養ベッセルは、少なくとも第1および第2のポートを含み、該第1のポートは、該培養ベッセルの中への流体の一方向の流れに順応するように構成されており、該第2のポートは、該培養ベッセルから外への流体の一方向の流れに順応するように構成されている、請求項69に記載のマルチウェル細胞培養プレートシステム。
- ポートは、細胞の培養ベッセルへの流入および培養ベッセルからの流出を選択的に防止するように構成されているフィルターを含む、請求項69に記載のマルチウェル細胞培養プレートシステム。
- 第1および第2のポート各々は、細胞の培養ベッセルへの流入および培養ベッセルからの流出を選択的に防止するように構成されているフィルターを含む、請求項71に記載のマルチウェル細胞培養プレートシステム。
- 一体型支持プレート内に配置されており、ポートと流体連通している、少なくとも1つの導水路をさらに含み、該導水路は、流体を培養ベッセルにおよび/または培養ベッセルから流すように構成されている、請求項69に記載のマルチウェル細胞培養プレートシステム。
- 少なくとも1つのポートと作動可能に接続された少なくとも1つの流体流量調整器をさらに含む、請求項69に記載のマルチウェル細胞培養プレートシステム。
- 少なくとも1つの導水路と作動可能に接続された少なくとも1つの流体流量調整器をさらに含む、請求項74に記載のマルチウェル細胞培養プレートシステム。
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