JP2017517023A - 非放射線硬化性成分を含有する光ファイバ用一次被覆組成物 - Google Patents

非放射線硬化性成分を含有する光ファイバ用一次被覆組成物 Download PDF

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Abstract

ウレタン官能基と尿素官能基を実質的に含まない硬化性架橋剤、硬化性希釈剤、および(チオ)ウレタン基および/または(チオ)尿素基を有する非放射線硬化性成分を含む放射線硬化性組成物から形成された一次被覆を備えた光ファイバが開示されている。この一次被覆は、低いヤング率、低いTg、および高い引張強度を特徴とする。この光ファイバは、ワイヤメッシュドラム試験およびバスケット織り試験において低いマイクロベンド損失を示す。

Description

関連出願の説明
本出願は、その内容が依拠され、ここに全てが引用される、2014年4月1日に出願された米国仮特許出願第61/973311号の米国法典第35編第119条の下での優先権の恩恵を主張するものである。
本出願は、光ファイバ用一次被覆組成物およびその新規成分、その組成物から形成された放射線硬化被覆、その硬化被覆により被包された被覆光ファイバ、およびその製造方法に関する。
光ファイバの光伝達性能は、製造中にファイバに施される高分子被覆の性質に極めて依存する。典型的に、軟質の内側一次被覆がガラスファイバと接触し、より硬質の外側一次被覆または二次被覆が内側一次被覆を取り囲む二重層被覆系が使用されている。硬質被覆のために、ファイバを取り扱い、さらに加工することができるのに対し、軟質被覆は、外力を消散させ、外力がファイバに伝達される(それによりマイクロベンド誘起光減衰が生じ得る)のを防ぐ上で重要な役割を果たす。
内側一次被覆の機能要件により、これらの被覆に使用される材料に様々な要件が課せられる。内側一次被覆のヤング率は、一般に1MPa未満であり、理想的には0.5MPa未満である。内側一次被覆のガラス転移温度は、5℃未満であり、理想的には、ファイバが低温に曝されたときに軟質のままでいることを確実にするために、約−20℃以下であることが理想的である。ファイバ上の均一な堆積を確実にするために、被覆は、液体形態でファイバに施され、外側一次被覆の塗布を支援するのに十分な完全性を有する固体を迅速に形成しなければならない。また、ヤング率が減少すると共に一般に減少する、被覆の引張強度は、線引き加工中またはケーブル敷設の最中の被覆ファイバのその後の加工中などでの引き裂き欠陥を防ぐのに十分に高くなければならない。
これらの要件を満たすために、光ファイバ被覆は、従来、放射線硬化性ウレタン/アクリレートオリゴマーおよび放射線硬化性アクリレート官能性希釈剤の混合物として配合されている。光開始剤の存在下で、光への曝露の際に、アクリレート基は迅速に重合して、架橋した高分子網目構造を形成し、これは、オリゴマー主鎖に沿ったウレタン基間の水素結合相互作用によって、さらに強化される。ウレタン/アクリレートオリゴマーを変えることによって、十分な引張強度をまだ有しながら、非常に低いヤング率値を有する被覆を形成することが可能である。様々な性質の標的を達成するために、放射線硬化性ウレタン/アクリレートオリゴマーの組成物が変えられる数多くの光ファイバ被覆配合物が既に開示されている。
その下にある光ファイバを十分に保護し、低い信号損失(減衰)を生じる被覆を生成する能力にかかわらず、光ファイバとその被覆の性質をさらに改善する必要が依然としてある。本記載は、従来技術のこれらと他の欠点を克服することに向けられている。
例示の実施の形態の第1の態様は、ウレタン官能基と尿素官能基を実質的に含まない硬化性架橋剤、硬化性希釈剤、および(チオ)ウレタン基および/または(チオ)尿素基を含む非放射線硬化性成分を含む放射線硬化性組成物に関する。
例示の実施の形態の第2の態様は、光ファイバおよびこの光ファイバを取り囲む一次被覆を備えた被覆光ファイバであって、一次被覆が例示の実施の形態の第1の態様による組成物の硬化生成物である、被覆光ファイバに関する。
例示の実施の形態の第3の態様は、例示の実施の形態の第2の態様による、複数の実質的に整列した光ファイバおよびその複数の光ファイバを被包するマトリクスを備えた、光ファイバリボンまたは束に関する。
例示の実施の形態の第4の態様は、例示の実施の形態の第2の態様による光ファイバを製造する方法に関する。この方法は、例示の実施の形態の第1の態様による組成物を光ファイバに施す工程、およびその組成物を硬化させ、それによって、光ファイバを取り囲む一次被覆を形成するのに効果的な放射線にこの組成物を曝露する工程を有してなる。
例示の実施の形態の第5の態様は、例示の実施の形態の第1の態様による被覆組成物を調製するのに有用な、(チオ)ウレタン基および/または(チオ)尿素基を含む非放射線硬化性成分に関する。
1つの実施の形態によれば、前記非放射線硬化性成分は、(チオ)ウレタン基および/または(チオ)尿素基を含み、かつ非放射線硬化性キャッピング剤で終端する2つ以上のブロック部分に共有結合したコア部分を含む。これらのブロック部分の各々は、1つ以上の軟質ブロックおよび必要に応じて1つ以上の硬質ブロックを含有し、ここで、軟質ブロックの硬質ブロックに対する平均質量比は少なくとも3:1である。この軟質ブロックは、ジ(チオ)イソシアネートおよびポリオールまたはアミンキャップド(amine-capped)ポリオールの反応生成物であるのに対し、硬質ブロックは、ジ(チオ)イソシアネートおよび約28から約400の平均分子量を有する炭化水素または酸素含有炭化水素を含むジオールまたはジアミンの反応生成物である。
付随する実施例は、非反応性分岐ウレタン、またはNRBUにより修飾されたポリオールジアクリレートに基づいて低強度高分子網目構造が調製される、低ヤング性率ファイバ用一次被覆の調製および使用を示している。その成分の非反応性ウレタン含有「アーム(arms)」または分岐は、高分子量のものであり、形成されたときにアクリル網目構造内で絡まり、架橋した網目構造と物理的相互作用(共有結合ではない)を生じて、アクリル網目構造のそうでなければ不十分な引張強度を強化するように設計されている。その結果は、約1.0MPa未満のヤング率、少なくとも約0.4MPa、より好ましくは少なくとも約0.5MPaの引張強度、少なくとも約70%の破断点伸び、および−10℃未満のTgを有するいくつかの被覆組成物の生成を示している。これらの性質に関して、これらの一次被覆を有する光ファイバは、改善された(すなわち、より低い)減衰損失を示すと考えられる。
図1は、1つの実施の形態による被覆光ファイバの概略図である。 図2は、1つの実施の形態による光ファイバリボンの概略図である。図示されたリボンは12本の被覆光ファイバを含んでいるが、このリボンにいくつの光ファイバが含まれてもよいことが当業者には認識されよう。 図3は、非反応性成分、好ましくは非反応性分岐ウレタンまたは尿素成分により与えられた物理的機構(例えば、H結合)によって強化された軽く共有結合することにより架橋したアクリレート被覆である、一次被覆の実施の形態の概略説明図である。 図4は、(チオ)イソシアネート基とヒドロキシル基((チオ)ウレタン結合を形成する)またはアミン基((チオ)尿素結合を形成する)との間の標準的な反応を使用して、非反応性分岐ウレタン/尿素成分を形成するための1つの実施の形態を示している。 図5は、対照一次被覆と比べたいくつかの一次被覆の動的機械分析のグラフである。この曲線において、タンジェント・デルタ(損失弾性率/弾性率)が1Hzの周波数での温度変化に対してプロットされている。
本記載は、光ファイバ一次被覆組成物、その一次被覆により被包された被覆光ファイバ、およびその製造方法に関する。
以下の説明において、被覆組成物の様々な成分が論じられており、被覆組成物中の特定の成分の量が、質量パーセント(質量%)または百分率(pph)で特定されている。被覆組成物の成分は、基礎成分および添加剤を含む。基礎成分の濃度は質量%で表され、添加剤の濃度はpphで表される。
ここに用いたように、特定の基礎成分の質量パーセントは、添加剤を除いた基準で被覆組成物中に存在する成分の量を称する。添加剤を含まない被覆組成物は、基礎成分のみを含み、ここで、基礎組成物または基礎被覆組成物と称されることがある。被覆組成物中に存在するどの架橋剤成分、希釈剤成分、非放射線硬化性成分、および重合開始剤も、基礎成分であり、集合的に基礎組成物と見なされる。基礎組成物は、最低限で、放射線硬化性成分、非放射線硬化性成分、および重合開始剤を含む。この放射線硬化性成分は、放射線硬化性架橋剤または放射線硬化性希釈剤であってよい。しかしながら、この基礎組成物は、1種類以上の放射線硬化性架橋剤成分、1種類以上の放射線硬化性希釈剤成分、1種類以上の非放射線硬化性成分、および1種類以上の重合開始剤を含んでもよい。被覆組成物中の基礎成分の合計量は、ここでは、100質量パーセントと等しいと見なされる。
添加剤は、随意的であり、接着促進剤、酸化防止剤、触媒、担体または界面活性剤、粘着付与剤、安定剤、および光学的光沢剤の内の1つ以上を含んでよい。代表的な添加剤が、下記により詳しく記載されている。被覆組成物に導入される添加剤の量は、ここでは、基礎組成物に対する百分率(pph)で表される。例えば、1gの特定の添加剤が100gの基礎組成物に加えられる場合、その添加剤の濃度は、ここでは、1pphと表される。
1つの実施の形態は、被覆光ファイバに関する。被覆光ファイバの一例が、図1の概略断面図に示されている。被覆光ファイバ20は、一次被覆24と二次被覆26に取り囲まれたガラス光ファイバ21を備えている。一次被覆24は、本記載による被覆組成物の硬化生成物である。
ガラス光ファイバ21は、当業者に馴染みのある、コア22およびクラッド23を含む未被覆光ファイバである。多くの用途において、コアおよびクラッド層は、識別できるコアとクラッドの境界を有する。あるいは、コアおよびクラッド層は、明白な境界がなくても差し支えない。そのようなファイバの1つはステップ型ファイバである。例示のステップ型ファイバが、Changへの米国特許第4300930号および同第4402570号の各明細書に記載されており、その各々をここに全て引用する。そのようなファイバの別のものはグレーデッドインデックスファイバであり、これは、その屈折率がファイバ中心からの距離により変動するコアを有する。グレーデッドインデックスファイバは、基本的に、ガラスコアおよびクラッド層をお互いに拡散させることによって形成される。例示のグレーデッドインデックスファイバが、Garito等の米国特許第5729645号明細書、Joormann等の米国特許第4439008号明細書、Marcatili等の米国特許第4176911号明細書、およびDiMarcello等の米国特許第4076380号明細書に記載されており、その各々をここに全て引用する。
前記光ファイバは、関心のある波長、例えば、1310または1550nmでシングルモードまたはマルチモードであってもよい。この光ファイバは、データ伝送ファイバ(例えば、SMF−28(登録商標)、LEAF(登録商標)、およびMETROCOR(登録商標)、その各々が、ニューヨーク州コーニング所在のコーニング社(Corning Incorporated)から得られる)としての使用に適合しているであろう。あるいは、その光ファイバは、増幅、分散補償、または偏光保持機能を果たすであろう。ここに記載された被覆は、環境からの保護が望ましい実質的に任意の光ファイバに使用するのにも適していることが当業者に理解されよう。
一次被覆24は、逸脱した光信号を光ファイバのコアから取り去るために、光ファイバのクラッドよりも高い屈折率を有することが望ましい。この一次被覆は、熱劣化および加水分解劣化中にガラス光ファイバに対する適切な接着を維持し、それでも接続目的のためにそこから剥がせなければならない。この一次被覆は、典型的に、25〜40μmの範囲の厚さ(例えば、約32.5μm)を有する。一次被覆は、典型的に、以下により詳しく記載されるように、液体として光ファイバに施され、硬化される。
本発明の一次被覆は、ウレタン官能基と尿素官能基を実質的に含まない硬化性架橋剤、硬化性希釈剤、(チオ)ウレタン基および/または(チオ)尿素基を含む非放射線硬化性成分、および重合開始剤の硬化生成物であることがある。
ここに用いたように、「硬化性」という用語は、成分が、高分子被覆材料(すなわち、硬化生成物)を形成するためにそれらの成分の結合に関与する共有結合を形成することのできる官能基を1つ以上含むことを意味することが意図されている。架橋剤または希釈剤の架橋は、その硬化性架橋剤または希釈剤が、各々が高分子被覆材料を形成するために前記成分の結合に関与する共有結合を形成することのできる官能基を2つ以上含む場合に生じる。共有結合の形成に関与するこれらの官能基の例が、以下に特定されている。反対に、ここに用いたように、「非硬化性」および「非放射線硬化性」という用語は、その成分が、初期硬化プロセス中に共有結合を形成することのできる官能基を含まないことを意味することが意図されている。
前記硬化性架橋剤は一次被覆組成物の放射線硬化性成分であり、それ自体、高分子被覆への架橋剤の架橋または共有結合に関与できる官能基を1つ以上含んでいる(図3参照)。架橋に関与できる例示の官能基としては、α,β−不飽和エステル、アミド、イミドまたはビニルエーテル基が挙げられる。
上述したように、硬化性架橋剤は、ウレタン基または尿素基を実質的に含まない。硬化性架橋剤成分は、チオウレタン基またはチオ尿素基を実質的に含まないことがある。「実質的に含まない」により、硬化性架橋剤成分の1質量パーセント未満しか、(チオ)ウレタン基または(チオ)尿素基を含まないことが好ましい。好ましい実施の形態において、全ての硬化性架橋剤成分の0.5質量パーセント未満しか、(チオ)ウレタン基または(チオ)尿素基を含まない。最も好ましい実施の形態において、硬化性架橋剤成分は、(チオ)ウレタン基および(チオ)尿素基の両方とも完全に含まない。
ウレタン基およびチオウレタン基、または尿素基およびチオ尿素基、もしくはイソシアネート基またはチオイソシアネート基などのある種の基を特定する場合、これらの基は、ここでは、硫黄原子がその基に存在してもしなくてもよいことを述べるために、(チオ)ウレタン、(チオ)尿素、または(チオ)イソシアネートもしくはジ(チオ)イソシアネートとして総称的に特定してよい。そのような基は、ここでは、(チオ)基と称されることがあり、(チオ)基を含有する成分は、ここで、(チオ)成分と称されることがある。本願の実施の形態は、(チオ)官能基に硫黄原子を有する(チオ)成分または硫黄原子を有さない(チオ)成分を含む被覆組成物、並びに硫黄原子を有する(チオ)成分いくつかと、硫黄原子を有さない(チオ)成分いくつかを含む組成物にまで及ぶ。
特定の実施の形態において、前記硬化性架橋剤成分としては、2つ以上のα,β−不飽和エステル、アミド、イミド、またはビニルエーテル基、もしくはそれらの組合せが挙げられる。これらのポリオール架橋剤の例示の部類としては、以下に限られないが、2つ以上のアクリル酸基、メタクリル酸基、マレイン酸基、フマル酸基、アクリルアミド基、マレイミド基またはビニルエーテル基を含む、ポリオールアクリレート、ポリオールメタクリレート、ポリオールマレエート、ポリオールフマレート、ポリオールアクリルアミド、ポリオールマレイミド、またはポリオールビニルエーテルが挙げられる。その硬化性架橋剤のポリオール部分は、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、または炭化水素ポリオールであっても差し支えない。
前記硬化性架橋剤成分は、好ましくは約250ダルトンと約15000ダルトンとの間、いくつかの実施の形態において、より好ましくは約300ダルトンと約9000ダルトンとの間、いくつかの実施の形態において、好ましくは約1500ダルトンと約5000ダルトンとの間、他の実施の形態において、好ましくは約300ダルトンと約1000ダルトンとの間の分子量を有する。
前記硬化性架橋剤成分は、放射線硬化性組成物中に、約4質量パーセントから約60質量パーセント、より好ましくは約4質量パーセントから約50質量パーセント、最も好ましくは約4から約40質量パーセントの量で存在する。
前記硬化性希釈剤は、被覆組成物を従来の液体被覆装置で施すために必要な流動性を提供するために配合物に加えられる、一般に低い分子量(すなわち、約120から600ダルトン)の液体モノマーである。その硬化性希釈剤は、活性化の際に、希釈剤を、硬化性架橋剤成分を有する高分子に結合させられる官能基を少なくとも1つ含有する(図3参照)。これらの官能基の例としては、制限するものではなく、アクリル酸基、メタクリル酸基、マレイン酸基、フマル酸基、マレイミド基、ビニルエーテル基、およびアクリルアミド基が挙げられる。
単官能性希釈剤はただ1つの反応性官能基を含有するのに対し、多官能性希釈剤は2つ以上の反応性官能基を含有する。前者は、硬化中に高分子網目構造に結合できるのに対し、後者は、高分子網目構造内に架橋を形成できる。
耐湿性成分を使用することが望ましい場合、希釈剤成分は、選択された耐湿性架橋剤または成分との相溶性に基づいて選択される。耐湿性架橋剤または成分は非極性が強いので、そのような液体モノマーの全てが、その架橋剤または成分とうまく混ぜ合わされ、共重合するわけではないであろう。要件を満たす被覆の相溶性および耐湿性について、大部分が飽和した脂肪族モノ−またはジ−アクリレートモノマーまたはアルコキシアクリレートモノマーを含む液体アクリレートモノマー成分を使用することが望ましい。
適切な多官能性エチレン性不飽和モノマーとしては、制限するものではなく、エトキシル化の程度が3以上、好ましくは3から約30に及ぶ、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート(例えば、IGM Resinsから販売されているPhotomer 4149、およびSartomer Company,Incから販売されているSR499)、プロポキシル化の程度が3以上、好ましくは3から約30に及ぶ、プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート(例えば、IGM Resinsから販売されているPhotomer 4072、およびSartomer Company,Incから販売されているSR501)、およびジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(例えば、IGM Resinsから販売されているPhotomer 4355)などの、アルコキシル化の有無にかかわらない、メチロールプロパンポリアクリレート;プロポキシル化の程度が3以上の、プロポキシル化グリセリルトリアクリレート(例えば、IGM Resinsから販売されているPhotomer 4096、およびSartomer Company,Incから販売されているSR9020)などのアルコキシル化グリセリルトリアクリレート;ペンタエリトリトールテトラアクリレート(例えば、Sartomer Company,Incから販売されているSR295)、エトキシル化ペンタエリトリトールテトラアクリレート(例えば、Sartomer Company,Incから販売されているSR494)、およびジペンタエリトリトールテトラアクリレート(例えば、IGM Resinsから販売されているPhotomer 4399、およびSartomer Company,Incから販売されているSR399)などの、アルコキシル化の有無にかかわらない、エリトリトールポリアクリレート;トリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(例えば、Sartomer Company,Incから販売されているSR368)およびトリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジアクリレートなどの、適切な官能性イソシアヌレートをアクリル酸または塩化アクリロイルと反応させることによって形成されたイソシアヌレートポリアクリレート;トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(例えば、Sartomer Company,Incから販売されているCD406)、アルコキシル化ヘキサンジオールジアクリレート(例えば、Sartomer Company,Incから販売されているCD564)、トリプロピレングリコールジアクリレート(例えば、Sartomer Company,Incから販売されているSR306)、およびエトキシル化の程度が2以上、好ましくは約2から30に及ぶ、エトキシル化ポリエチレングリコールジアクリレートなどの、アルコキシル化の有無にかかわらない、アルコールポリアクリレート;アクリレートをビスフェノールAジグリシジルエーテルなどに付加することによって形成されたエポキシアクリレート(例えば、IGM Resinsから販売されているPhotomer 3016);およびジシクロペンタジエンジアクリレートなどの、単環および多環の環状芳香族または非芳香族ポリアクリレートが挙げられる。
硬化した生成物が、水を吸収する程度、他の被覆材料に接着する程度、または応力下で挙動する程度に影響するように導入できる、単官能性エチレン性不飽和モノマーを特定の量、使用することも望ましいであろう。例示の単官能性エチレン性不飽和モノマーとしては、制限するものではなく、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、およびアクリル酸2−ヒドロキシブチルなどのアクリル酸ヒドロキシアルキル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸イソオクチル(例えば、Sartomer Company,Incから販売されているSR440、およびCPS Chemical Co.から市販されているAgeflex FA8)、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソデシル(例えば、Sartomer Company,Incから販売されているSR395、およびCPS Chemical Co.から市販されているAgeflex FA10)、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸トリデシル(例えば、Sartomer Company,Incから販売されているSR489)、アクリル酸ラウリル(例えば、Sartomer Company,Incから販売されているSR335、ニュージャージー州、オールドブリッジ所在のCPS Chemical Co.から市販されているAgeflex FA12、およびIGM Resinsから販売されているPhotomer 4812)、アクリル酸オクタデシル、およびアクリル酸ステアリル(例えば、Sartomer Company,Incから販売されているSR257)などのアクリル酸長鎖および短鎖アルキル;アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、およびアクリル酸7−アミノ−3,7−ジメチルオクチルなどのアクリル酸アミノアルキル;アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸フェノキシエチル(例えば、Sartomer Company,Incから販売されているSR339、CPS Chemical Co.から市販されているAgeflex PEA、およびIGM Resinsから販売されているPhotomer 4035)、アクリル酸フェノキシグリシジル(例えば、Sartomer Company,Incから販売されているCN131)、アクリル酸ラウリルオキシグリシジル(例えば、Sartomer Company,Incから販売されているCN130)、およびアクリル酸エトキシエトキシエチル(例えば、Sartomer Company,Incから販売されているSR256)などのアクリル酸アルコキシアルキル;アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸ジシクロペンタジエン、アクリル酸ジシクロペンタニル、アクリル酸トリシクロデカニル、アクリル酸ボルニル、アクリル酸イソボルニル(例えば、Sartomer Company,Incから販売されているSR423およびSR506、およびCPS Chemical Co.から市販されているAgeflex IBOA)、アクリル酸テトラヒドロフルフリル(例えば、Sartomer Company,Incから販売されているSR285)、アクリル酸カプロラクトン(例えば、Sartomer Company,Incから販売されているSR495、およびコネチカット州、ダンベリー所在のUnion Carbide Companyから市販されているTone M100)、およびアクリロイルモルホリンなどの単環および多環の環状芳香族または非芳香族アクリレート;ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシポリプロピレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレートなどのアルコール系アクリレート、およびエトキシル化(4)ノニルフェノールアクリレート(例えば、IGM Resinsから販売されているPhotomer 4003、およびSartomer Company,Incから販売されているSR504)、およびプロポキシル化ノニルフェノールアクリレート(例えば、IGM Resinsから販売されているPhotomer 4960)などの様々なアルコキシル化アルキルフェノールアクリレート;ジアセトンアクリルアミド、イソブトキシメチルアクリルアミド、N,N’−ジメチル−アミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、およびt−オクチルアクリルアミドなどのアクリルアミド;N−ビニルピロリドンおよびN−ビニルカプロラクタム(両方とも、ニュージャージー州、ウェーン所在のInternational Specialty Productsから販売されているなどのビニル化合物;およびマレイン酸エステルおよびフマル酸エステルなどの酸エステルが挙げられる。
前記硬化性希釈剤は、典型的に、被覆組成物中に、約10から約60質量パーセント、より好ましくは約20から約50質量パーセント、最も好ましくは約25から約45質量パーセントの量で存在する。この硬化性希釈剤は、単一の希釈剤成分、または2種類以上の希釈剤成分の組合せを含んで差し支えない。
前記非放射線硬化性成分は、その成分を硬化した生成物に共有結合させることはできないが、その非放射線硬化性成分と、硬化した高分子生成物の他の成分との間の水素結合相互作用(または物理的連結)に関与する(チオ)ウレタン基および/または(チオ)尿素基を含む、比較的高分子量の成分である(図3参照)。1つの実施の形態において、非放射線硬化性成分は、非反応性分岐(チオ)ウレタンまたは(チオ)尿素成分であり、ここで、NRBUまたはNRBU成分と称されることがある。このNRBU成分は、放射線硬化性基を持っていないが、(チオ)ウレタンまたは(チオ)尿素基を含む。
その非放射線硬化性成分は、(チオ)ウレタン基および/または(チオ)尿素基を含み、かつ非放射線硬化性キャッピング剤で終端する2つ以上のブロック部分に共有結合したコア部分を含有することがある。そのキャッピング剤は、ここで、キャッピング部分またはキャッピング基と称されることもある。そのブロック部分は、ここで、分岐と称されることもある。そのブロック部分の各々は、1つ以上の軟質ブロックおよび必要に応じて1つ以上の硬質ブロックを含有し、軟質ブロックの硬質ブロックに対する平均質量比は少なくとも3:1である。この軟質ブロックは、ジ(チオ)イソシアネートと、ポリオールまたはアミンキャップドポリオールとの反応生成物であるのに対し、硬質ブロックは、ジ(チオ)イソシアネートと、約28から約400g/モルの平均分子量を有する炭化水素または酸素含有炭化水素を含むジオールまたはジアミンとの反応生成物である。
前記コア部分は、2つのブロック部分に共有結合していてよく、その場合、非放射線硬化性成分は、以下に示されるような直線構造を有することがある:
Figure 2017517023
このコア部分は、p個のブロック部分に共有結合していてよく、ここで、pは2より大きい数であり、その場合、非放射線硬化性成分は、以下に示されるような分岐構造を有すると言われている:
Figure 2017517023
ブロック部分の各々の中で、軟質ブロックおよびもし存在すれば任意の硬質ブロックの数と向きは、正確に制御されないであろう。したがって、下記に示される構造において、それらの構造は、非放射線硬化性成分の平均的構造を表すことが意図されている。ただ1つの式内の個々の分子は、平均的構造に対して、成分内の異なる軟質ブロックおよび硬質ブロックの数と位置は異なるであろう。
例示のみとして、軟質ブロックと硬質ブロックの適切な構成としては、制限するものではなく、3つのブロックを含有し、非反応性キャッピング部分(CAP)によりキャッピングされたブロック部分については、−軟質−軟質−硬質−CAP、−軟質−硬質−軟質−CAP、および−硬質−軟質−軟質−CAP;4つのブロックを含有し、非反応性キャッピング部分(CAP)によりキャッピングされたブロック部分については、−軟質−軟質−軟質−硬質−CAP、−軟質−軟質−硬質−軟質−CAP、−軟質−硬質−軟質−軟質−CAP、−硬質−軟質−軟質−軟質−CAP、−硬質−軟質−硬質−軟質−CAP、−硬質−軟質−軟質−硬質−CAP、−軟質−硬質−軟質−硬質−CAP;5つのブロックを含有し、非反応性キャッピング部分(CAP)によりキャッピングされたブロック部分については、−軟質−軟質−軟質−軟質−硬質−CAP、−軟質−軟質−軟質−硬質−軟質−CAP、−軟質−軟質−硬質−軟質−軟質−CAP、−軟質−硬質−軟質−軟質−軟質−CAP、−硬質−軟質−軟質−軟質−軟質−CAP、−軟質−軟質−硬質−軟質−硬質−CAP、−軟質−硬質−軟質−硬質−軟質−CAP、−軟質−硬質−軟質−軟質−硬質−CAP、−硬質−軟質−硬質−軟質−軟質−CAP、−硬質−軟質−軟質−硬質−軟質−CAP、および−硬質−軟質−軟質−軟質−硬質−CAP;6つのブロックを含有し、非反応性キャッピング部分(CAP)によりキャッピングされたブロック部分については、−軟質−軟質−軟質−軟質−軟質−硬質−CAP、−軟質−軟質−軟質−軟質−硬質−軟質−CAP、−軟質−軟質−軟質−硬質−軟質−軟質−CAP、−軟質−軟質−硬質−軟質−軟質−軟質−CAP、−軟質−硬質−軟質−軟質−軟質−軟質−CAP、−硬質−軟質−軟質−軟質−軟質−軟質−CAP、−硬質−軟質−軟質−軟質−軟質−硬質−CAP、−硬質−軟質−軟質−軟質−硬質−軟質−CAP、−硬質−軟質−軟質−硬質−軟質−軟質−CAP、−硬質−軟質−硬質−軟質−軟質−軟質−CAP、−軟質−硬質−軟質−軟質−軟質−硬質−CAP、−軟質−硬質−軟質−軟質−硬質−軟質−CAP、−軟質−硬質−軟質−硬質−軟質−軟質−CAP、−軟質−軟質−硬質−軟質−軟質−硬質−CAP、−軟質−軟質−硬質−軟質−硬質−軟質−CAP、および−軟質−軟質−軟質−硬質−軟質−硬質−CAP;などが挙げられる。
1つの実施の形態において、前記非放射線硬化性成分は、以下に示される式(Ia)または(Ib)による平均構造を有する:
Figure 2017517023
式中、
1は多官能性反応体のコア部分であり、そのコア部分の官能基の数はpにより定義され、ここで、pは2以上であり、
各Xは、独立して、SまたはOであり;
1は、−O−、−S−、−N(H)−、または−N(アルキル)−、好ましくは、−O−または−N(H)−であり;
1およびQ2の各々は、独立して、−O−、−S−、−N(H)−、または−N(アルキル)−、好ましくは、−O−または−N(H)−であり;
2およびR4の各々は、ジ(チオ)イソシアネート反応体のコア部分であり;
3は、ポリオールまたはアミンキャップドポリオール反応体のコア部分であり;
5は、約28から約40の平均分子量を有する炭化水素または酸素含有炭化水素であり;
6は、式(II)または(III)
Figure 2017517023
にしたがう構造により表され、式中、
Xは上述のように定義され、Z2は、−O−、−S−、−N(H)−、または−N(アルキル)−、好ましくは、−O−または−N(H)−であり、R7は、ジ(チオ)イソシアネート反応体のコア部分であり、R8は非放射線硬化性キャッピング剤であり、R9は、イソシアネートまたはチオイソシアネート反応体のコア部分であり;
lは1から6であり;
mは、0以上、好ましくは1から4、より好ましくは1から3であり;
nは、1以上、好ましくは2から10、より好ましくは2から6である。
式(Ia)および(Ib)の構造において、前記ブロック部分は、変数pにより定義される角括弧内の領域であり、軟質ブロックは、変数nにより定義された丸括弧内の領域または式(II)により定義された部分であり、硬質ブロックは、変数mにより定義された丸括弧内の領域である。
前記非放射線硬化性成分内に存在するコア部分(R1)は、多官能性コア反応体の反応生成物である。それらの官能基は、ヒドロキシル基またはアミノ基であって差し支えない。その多官能性コア反応体がポリオールまたはアミンキャップドポリオールであることが好ましい。これらのコア反応体および官能基の数(p)の例としては、制限するものではなく、p=3の場合のグリセロール;p=3の場合のトリメチロールプロパン;p=4の場合のペンタエリトリトール;p=4の場合のジトリメチロールプロパン;p=4の場合のエチレンジアミンテトラオール;p=5の場合のキシリトール;p=6の場合のジペンタエリトリトール;p=8の場合のスクロースおよび他の二糖;そのアルコキシル化誘導体;G1(p=8)、G2(p=16)、またはG3(p=32)アミン基を有するポリ(アミドアミン)(PAMAM)デンドリマーまたはG1(p=8)、G2(p=16)、またはG3(p=32)ヒドロキシル基を有するPAMAM−OHデンドリマーなどのpが約8から約32の場合のデンドリマー;およびそれらの組合せが挙げられる。
2、R4、およびR7は、独立して、ジ(チオ)イソシアネート反応体のコア部分を表す。これはジイソシアネートおよびジチオイソシアネートの両方を含むが、ジイソシアネートが好ましい。どのようなジイソシアネートおよびジチオイソシアネートを使用しても差し支えないが、これらのジイソシアネートおよびジチオイソシアネートの好ましいR2、R4、およびR7コア基としては、以下が挙げられる:
Figure 2017517023
3は、好ましくは約400以上の数平均分子量を有するポリオールまたはアミンキャップドポリオール反応体のコア部分である。特定の実施の形態において、このポリオールまたはアミンキャップドポリオールは、約1000と約9000の間、約2000と9000の間、約4000と9000の間の数平均分子量を有する。適切なR3形成ポリオールの例としては、制限するものではなく、ポリ(プロピレングリコール)[PPG]、ポリ(エチレングリコール)[PEG]、ポリ(テトラメチレングリコール)[PTMG]およびポリ(1,2−ブチレングリコール)などのポリエーテルポリオール;ポリカーボネートポリオール;ポリエステルポリオール;水素化ポリ(ブタジエン)ポリオールなどの炭化水素ポリオール;これらのポリオールのアミンキャップド誘導体、およびそれらの任意の組合せが挙げられる。
5は、好ましくは飽和した、かつ約28から約400の平均分子量を有する炭化水素または酸素含有炭化水素である。それゆえ、R5は、ポリウレタンにおける鎖延長剤と同様に作用する低分子量ジオール(ウレタン結合を形成する)またはジアミン(尿素結合を形成する)反応体のコア部分である。例示の反応体としては、制限するものではなく、1,4−ブタンジオール、1,6−ブタンジオール、エチレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、および1,6−ヘキサンジアミンが挙げられる。上述したように、これらの鎖延長剤に基づくウレタンまたは尿素基は、ポリオール(またはアミンキャップドポリオール)/イソシアネート結合から生じる単純なウレタン(または尿素)結合よりも効果的な水素結合分岐相互作用を促進する、ブロック部分分岐に沿った「硬質ブロック」区域を生じると予測される。mが0の場合には、硬質ブロックは存在しない。
8は、ブロック部分分岐の端部で反応性イソシアネート基をキャッピングする、非放射線硬化性キャッピング剤の反応生成物である。これらのキャッピング剤は、分岐の端部で残留するイソシアネート基と反応する単官能性アルコール(またはアミン)であることが好ましい。これらの反応体の例としては、制限するものではなく、1−ブタノール、1−オクタノール、ポリ(プロピレングリコール)モノブチルエーテル、および2−ブトキシエタノールが挙げられる。
9は、(チオ)イソシアネート反応体のコア部分である。この目的に、どのような適切な単官能性(チオ)イソシアネートを使用しても差し支えない。前記成分のアーム部の非反応性キャッピング部分として機能できる例示の(チオ)イソシアネート反応体としては、制限するものではなく、メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、n−プロピルイソシアネート、i−プロピルイソシアネート、n−ブチルイソシアネート、i−ブチルイソシアネート、n−ペンチルイソシアネート、n−ヘキシルイソシアネート、n−ウンデシルイソシアネート、クロロメチルイソシアネート、β−クロロエチルイソシアネート、γ−クロロプロピルイソシアネート、エトキシカルボニルメチルイソシアネート、β−エトキシエチルイソシアネート、α−エトキシエチルイソシアネート、α−ブトキシエチルイソシアネート、α−フェノキシエチルイソシアネート、シクロペンチルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、メチルイソチオシアネート、およびエチルイソチオシアネートが挙げられる。
非放射線硬化性成分の特定の実施の形態において、各分岐またはブロック部分は、少なくとも約1000、好ましくは少なくとも約2000、より好ましくは少なくとも約3000の分子量を有する。特定の実施の形態において、各分岐は、約3000から約15000ダルトン、より好ましくは約3000と約12000ダルトンの間の分子量を有する。その結果、非放射線硬化性成分は、好ましくは約4000と約50000ダルトンの間、より好ましくは約6000と約35000ダルトンの間、さらにより好ましくは約8000と約25000ダルトンの間の分子量を有する。1つの実施の形態において、分岐の長さおよび/または分子量は、硬化性架橋剤および/または硬化性希釈剤から形成された硬化網目構造により、非放射線硬化性成分の物理的絡まりを促進するように選択される。より大きい分岐は、その硬化網目構造とのより多くのまたはより強力な物理的相互作用に関与すると予測され、そのより強力な物理的相互作用は、硬化被覆に強度を与えると予測される。しかしながら、分岐または非放射線硬化性成分の分子量が大きすぎると、その非放射線硬化性成分は加工するのが難しくなるであろう。
水素結合による成分内または成分間の相互作用の程度は、分岐またはブロック部分の一部を形成するために使用されるポリオールまたはアミンキャップドポリオールの分子量を変えることによって、調節することができる。例えば、約8000の分子量を有する1つの軟質ブロック、またはより小さい分子量を有するが、合計でほぼ同じ全分子量を有する多数(n)の軟質ブロックを使用することもできる。この例において、後者の軟質ブロックは、より多くのウレタン/尿素結合を有し、より効果的に水素結合すると予測されるであろう。上述したように、これらの相互作用は、随意的な鎖延長剤に基づく硬質ブロックを含ませることによって、促進させることもできる。ウレタン/尿素結合の数および軟質ブロックと硬質ブロックの数は、ブロックの数nおよびm並びにn/m比により調節することができる。これらの水素結合の相互作用が、硬化した被覆の完全性および性能において予測された増加を示すが、強力な成分内の相互作用は、ある環境においては、被覆配合物中のその成分の溶解度を制限したり、もしくは合成中または配合物に混合された後であるが、放射線誘起硬化が行われる前に、成分の物理的ゲル化を生じたりするかもしれないことが、当業者には認識されるであろう。
前記非放射線硬化性成分は、イソシアネート基とヒドロキシル基(ウレタン結合を形成する)またはアミン基(尿素結合を形成する)との間の標準的な反応を使用して調製できる。一例として、モル量の所望の反応体を、撹拌しながら、反応槽内で一緒に混合し、反応の各工程を完了させるのに適した期間に亘り、約45から約80℃の適切な温度、好ましくは約70℃で維持することができる。この点に関して、反応温度に応じて、典型的に、30から90分間が十分である。合成中に成分、特に、高粘度の成分の取扱いを容易にするために、上述したものの内の1つなどの、最終配合物に使用される放射線硬化性希釈剤を1種類以上、成分の合成中の非反応性希釈剤として使用して差し支えない。
ここで図4を参照して、1つの実施の形態において、前記反応は、最初に、上述したポリオールまたはアミンキャップドポリオール反応体とジイソシアネートを適切なモル量使用して軟質ブロックを形成し、続いて、所望であれば、適切なモル比で、ジオールまたはジアミン反応体を導入して、硬質ブロックを生成し、そして最後に、末端キャッピング剤を導入して、最終成分の各アームまたは分岐を完成することによって、進行する。そのアームが一旦調製されれば、コア部分(R1)多官能性反応体が、適切なモル比で導入されて、線状または分岐非反応性成分を形成する。
例示の非放射線硬化性成分としては、制限するものではなく、下記の表1(以下の実施例1参照)に示された平均構造を有する成分が挙げられる。
前記成分の合成が一旦完了したら、その非放射線硬化性成分を使用して、本記載による被覆組成物を配合することができる。この非放射線硬化性成分は、好ましくは約10から約35質量パーセント、より好ましくは約12から約28質量パーセント、最も好ましくは約15から約25質量パーセントの量で、その被覆組成物中に存在する。
特定の実施の形態において、前記一次被覆組成物は、約4から約60質量パーセントの硬化性架橋剤、約10から約60質量パーセントの硬化性希釈剤、および約10から約35質量パーセントの非放射線硬化性成分を含有する。
別の実施の形態において、前記一次被覆組成物は、約4から約50質量パーセントの硬化性架橋剤、約4から約50質量パーセントの硬化性希釈剤、および約12から約35質量パーセントの非放射線硬化性成分を含有する。
別の実施の形態において、前記一次被覆組成物は、約4から約40質量パーセントの硬化性架橋剤、約25から約50質量パーセントの硬化性希釈剤、および約15から約35質量パーセントの非放射線硬化性成分を含有する。
前記基礎組成物は重合開始剤を含む。この重合開始剤は、組成物をガラスファイバに施した後に、その組成物の重合(すなわち、硬化)を引き起こすのに適している試薬である。前記一次被覆組成物に使用するのに適した重合開始剤としては、熱開始剤、化学開始剤、電子ビーム開始剤、および光開始剤が挙げられる。光開始剤が好ましい重合開始剤である。ほとんどのアクリレート系被覆配合物について、公知のケトン光開始剤および/またはホスフィンオキシド光開始剤などの従来の光開始剤が好ましい。本発明の被覆組成物に使用する場合、光開始剤は、急激な紫外線硬化を提供するのに十分な量で存在する。一般に、この量は、約0.5から約10.0質量パーセント、より好ましくは約1.5から約7.5質量パーセントを含む。
前記光開始剤は、少量であるが、放射線硬化を促進するのに効果的な量で使用される場合、被覆組成物の早まったゲル化を生じさせずに、適度な硬化速度を提供すべきである。所望の硬化速度は、被覆材料の実質的な硬化を生じさせるのに十分な任意の速度である。線量対弾性率曲線で測定すると、約25〜35μmの被覆厚の硬化速度は、例えば、1.0J/cm2未満、好ましくは0.5J/cm2未満である。
適切な光開始剤としては、制限するものではなく、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(例えば、BASF社から入手できるIrgacure 184)、(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド(例えば、BASF社から入手できる市販ブレンドのIrgacure 1800、1850および1700)、2,2−ジメトキシル−2−フェニルアセトフェノン(例えば、BASF社から入手できるIrgacure 651)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(例えば、BASF社から入手できるIrgacure 819)、(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ジフェニルホスフィンオキシド(例えば、独国、ミュンヘン所在のBASF社から入手できるLucerin TPO)、エトキシ(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(例えば、BASF社から入手できるLucerin TPO−L)、およびそれらの組合せが挙げられる。
基礎成分(硬化性架橋剤、硬化性希釈剤、非放射線硬化性成分、および重合開始剤)に加え、前記一次被覆組成物は、1種類以上の添加剤を含んでもよい。代表的な添加剤としては、接着促進剤、酸化防止剤、触媒、担体または界面活性剤、粘着付与剤、安定剤、および光学的光沢剤が挙げられる。ある添加剤(例えば、触媒、反応性界面活性剤、および光学的光沢剤)は、重合過程を制御する働きをすることがあり、それにより、被覆組成物から形成された硬化生成物の物理的性質(例えば、モジュラス、ガラス転移温度)に影響を与えることがある。他の添加剤は、被覆組成物の硬化生成物の完全性に影響することがある(例えば、解重合または酸化分解反応に対して保護することがある)。
接着促進剤が、下にあるガラスファイバへの一次被覆の接着を強化することが、当該技術分野によく知られている。どの適切な接着促進剤を使用しても差し支えない。適切な接着促進剤の例としては、制限するものではなく、有機官能性シラン、チタネート、ジルコネート、およびそれらの混合物が挙げられる。好ましい部類の1つはポリ(アルコキシ)シランである。適切な代わりの接着促進剤としては、制限するものではなく、ビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(3−MPTMS、ペンシルベニア州、ブリストル所在のUnited Chemical Technologies社から入手できる;ペンシルベニア州、モリスビル所在のGelest社からも入手できる)、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(Gelest社から入手できる)、および3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(Gelest社から入手できる)、並びにビス(トリメトキシシリルエチルベンゼン)(Gelest社から入手できる)が挙げられる。他の適切な接着促進剤が、ここに引用する、Lee等の米国特許第4921880号および同第5188864号の各明細書に記載されている。この接着促進剤は、存在する場合、約0.1から約10pph、より好ましくは約0.25から約3pphの量で使用される。
どの適切な酸化防止剤を使用しても差し支えない。好ましい酸化防止剤としては、制限するものではなく、ビスヒンダードフェノールスルフィドまたはチオジエチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル)−4−ヒドロキシヒドロシンナメート(例えば、BASF社から入手できるIrganox 1035)が挙げられる。この酸化防止剤は、存在する場合、約0.1から約3pph、より好ましくは約0.25から約2pphの量で使用される。
例示の触媒はスズ触媒であり、これは、いくつかの非放射線硬化性成分におけるウレタン結合の形成を触媒するために使用される。その触媒が非放射線硬化性成分の添加剤として残留するか、または前記組成物に追加の量の触媒が導入される場合、その触媒の存在は、この組成物中の非放射線硬化性成分を安定化させるように働くことができる。
適切な担体、より詳しくは、反応性界面活性剤として機能する担体としては、ポリアルコキシポリシロキサンが挙げられる。例示の好ましい担体は、商標名TEGORAD 2200およびTEGORAD 2700(アクリル化シロキサン)でGoldschmidt Chemical Co.(バージニア州、ホープウェル所在)から入手できる。これらの反応性界面活性剤は、約0.01から約5pphの好ましい量で、より好ましくは約0.25から約3pphの量で存在してよい。適切な担体の他の部類には、ポリオールおよび非反応性界面活性剤がある。適切なポリオールおよび非反応性界面活性剤の例としては、制限するものではなく、Bayer社(ペンシルベニア州、ニュータウン・スクエア所在)から入手できるポリオールのAcclaim 3201(エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体)、およびGoldschmidt Chemical Co.から入手できる非反応性界面活性剤のTegoglide 435(ポリアルコキシ−ポリシロキサン)が挙げられる。このポリオールまたは非反応性界面活性剤は、約0.01pphから約10pphの好ましい量で、より好ましくは約0.05から約5pph、最も好ましくは約0.1から約2.5pphの量で存在してよい。
適切な担体が両親媒性分子であってもよい。両親媒性分子は、親水性部分と疎水性部分の両方を有する分子である。この疎水性部分は、あるいは、親油性(脂肪/油親和性)部分として記載してもよい。粘着付与剤は、そのような両親媒性分子の一例である。粘着付与剤は、高分子生成物の時間依存の流動特性を変えることのできる分子である。一般に、粘着付与剤は、より高い歪み速度または剪断速度で、高分子生成物をより堅く挙動させ、低い歪み速度または剪断速度では、高分子生成物を柔らかくする。粘着付与剤は、接着剤業界において一般に使用される添加剤であり、被覆が上に施される物体との結合をその被覆が形成する能力を向上させることが知られている。好ましい粘着付与剤の1つは、ニューヨーク州、パーチェス所在のInternational Paper Co.から入手できるUni−tac(登録商標)R−40(以後、「R−40」と称する)である。R−40は、ポリエーテル部分を含有するトールオイルロジンであり、アビエチン酸エステルの化学族のものである。適切な代わりの粘着付与剤に、Exxon社から入手できる炭化水素粘着付与剤のEscorezシリーズがある。Escorez粘着付与剤に関する追加の情報については、ここに全てを引用する、Maoの米国特許第5242963号明細書を参照のこと。上述した担体を組み合わせて使用してもよい。この粘着付与剤は、好ましくは約0.01から約10pphの量で、より好ましくは約0.05から約5pphの量で前記組成物中に存在する。
どの適切な安定剤を使用しても差し支えない。好ましい安定剤の1つに、四官能性チオール、例えば、Sigma−Aldrich社(ミズーリ州、セントルイス所在)からのペンタエリトリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)がある。この安定剤は、存在する場合、約0.01から約1pph、より好ましくは約0.01から約0.2pphの量で使用される。
どの適切な光学的光沢剤を使用しても差し支えない。例示の光学的光沢剤としては、制限するものではなく、Uvitex OB、2,5−チオフェンジイルビス(5−tert−ブチル−1,3−ベンゾキサゾール)(BASF社);Bayer社から入手できるBlankophor KLA;ビスベンゾキサゾール化合物;フェニルクマリン化合物;およびビス(スチリル)ビフェニル化合物が挙げられる。この光学的光沢剤は、約0.003から約0.5pph、より好ましくは約0.005から約0.3pphの濃度で前記組成物中に存在することが望ましい。
数多くの好ましい一次被覆組成物としては、以下の実施例2に記載される組成物4、6、7、13、14(14A,Bを含む)、および15が挙げられる。
二次被覆または外側被覆26は、典型的に、重合したときに、その分子が高度に架橋されるウレタンアクリレート液体を含有する被覆組成物の重合生成物である。二次被覆のヤング率は、ここでは、以下の記載による硬化した棒材として構成された二次被覆組成物について報告される:棒材は、内径約0.022インチ(約0.56mm)のテフロン(登録商標)管中に硬化性二次被覆組成物のサンプルを注入することによって調製した。そのサンプルは、約2.4J/cm2の線量(International Light社からのLight BugモデルIL390によって、225〜424nmの波長範囲に亘り測定した)でFusion Dバルブを使用して硬化させた。硬化後、「テフロン」管を剥ぎ取った。硬化した棒材を、23℃および50%の相対湿度で一晩状態調節させた。硬化後、棒材の直径は約0.022インチ(約0.56mm)であった。二次被覆組成物から形成された硬化棒材についてのヤング率、引張強度、および破断点伸び%などの性質を、硬化した二次被覆棒材サンプルに引張試験装置(例えば、Sintech MTS Tensile Tester、またはInstron Universal Material Test System)を使用して測定した。試験装置のゲージ長は51mmであり、試験速度は250mm/分であった。性質は、5つのサンプルの平均として決定し、中心からずれたデータ点および明らかに欠陥のある棒材サンプルは、平均から排除した。
二次被覆26は、直径約0.022インチ(約0.56mm)の硬化棒材として構成された場合、少なくとも約1200MPa、または少なくとも約1300MPa、または少なくとも約1400MPa、少なくとも約1500MPa、または少なくとも約1600MPa、または少なくとも約1700MPa、または少なくとも約1800MPaのヤング率を有する。二次被覆26の硬化した高分子材料は、直径約0.022インチ(約0.56mm)の硬化棒材として構成された場合、少なくとも約30%、好ましくは少なくとも約40%の破断点伸びを有する。二次被覆26の硬化した高分子材料は、直径約0.022インチ(約0.56mm)の硬化棒材として構成された場合、少なくとも約45MPa、より好ましくは少なくとも約50または55MPa、最も好ましくは少なくとも約60MPaの平均引張強度を有する。二次被覆のTgは、直径約0.022インチ(約0.56mm)の硬化棒材として構成された場合、好ましくは約50℃と約120℃の間、より好ましくは約50℃と約100℃の間である。二次被覆26は、典型的に、約20から約35μm、好ましくは約25から約27μmの厚さを有する。
二次被覆に使用するための他の適切な材料、並びにこれらの材料の選択に関連する検討事項は、当該技術分野でよく知られており、ここのその全てを引用する、Chapinの米国特許第4962992号および同第5104433号の各明細書に記載されている。
この二次被覆は、典型的に、以下により詳しくここに記載されるように、先に被覆されたファイバ(事前の硬化の有無にかかわらず)に施され、その後、硬化される。酸化防止剤、触媒、潤滑剤、低分子量非架橋性樹脂、安定剤、界面活性剤、表面剤、スリップ剤、蝋、微粉ポリテトラフルオロエチレンなどを含む、その被覆の1つ以上の性質を向上させる様々な添加剤が存在しても差し支えない。この二次被覆は、当該技術分野でよく知られているように、インクも含んでよい。
例示の実施の形態の別の態様は、上述した一次被覆を含む光ファイバを製造する方法に関する。この方法は、一般に、本記載による組成物の使用により、標準的な方法によって行うことができる。手短に言えば、このプロセスは、ガラスファイバを製造する工程(当業者に馴染みのある方法を使用する)、このガラスファイバに一次被覆組成物を施す工程、この一次被覆組成物を重合させて一次被覆材料を形成する工程、この被覆されたガラスファイバに上述した硬化性組成物を施す工程、およびこの硬化性組成物を重合させて前記光ファイバの二次被覆として硬化した高分子材料を形成する工程を含む。これは、「ウェット・オン・ドライ(wet-on-dry)」プロセスとして知られている。必要に応じて、その二次被覆組成物は、一次被覆組成物を重合させる前に、被覆ファイバに施しても差し支えなく、その場合、ただ1つの重合工程が用いられる。これは、「ウェット・オン・ウェット(wet-on-wet)」プロセスとして知られている。
一次および二次被覆組成物は、例えば、線引き塔で、従来のプロセスを使用してガラスファイバに被覆される。例えば、約2000℃の温度に局部的に対称に加熱された、特別に調製された円柱状プリフォームからガラスファイバを線引きすることがよく知られている。このプリフォームを炉に供給することなどによって、このプリフォームを加熱しながら、その溶融材料からガラスファイバが線引きされる。ガラスファイバがプリフォームから線引きされた後、好ましくは冷却の直後に、このガラスファイバに1つ以上の被覆組成物が施される。次いで、この被覆組成物を硬化させて、被覆光ファイバを製造する。その硬化方法は、被覆組成物の性質および使用されている重合開始剤に応じて、ガラスファイバ上に施された(未硬化の)被覆組成物を、紫外線、化学線、マイクロ波放射線、または電子ビームに曝露することなどの、熱的、化学的、または放射線誘起であって差し支えない。動いているガラスファイバに被覆組成物の二重層を施す方法の1つが、ここに全てを引用する、Taylorの米国特許第4474830号明細書に開示されている。ガラスファイバ上に被覆組成物の二重層を施す別の方法が、ここに全てを引用する、Rannell等の米国特許第4581165号明細書に開示されている。
ここで図2を参照すると、例示の実施の形態の別の態様は、光ファイバリボン30に関する。このリボン30は、複数の光ファイバ20およびこの複数の光ファイバを被包するマトリクスを備えている。これらの光ファイバ20は、実質的に平面の関係で互いに対して実質的に整列されている。光ファイバ20が、その距離の約半分よりも大きい距離だけ共通面からずれていないことが望ましい。「実質的に」により、光ファイバ20が、光ファイバリボン30の長手方向に沿って他の光ファイバと略平行であることが意図されている。光ファイバリボン中の光ファイバは、光ファイバリボンを製造する従来の方法によって、どのような公知の構造(例えば、縁結合リボン、薄い被包リボン、厚い被包リボン、または多層リボン)内でマトリクス32により被包されてもよい。図2において、光ファイバリボン30は12本の光ファイバ20を収容している;しかしながら、特定の使用のために配設された光ファイバリボン30を形成するために、いくつの光ファイバ20(例えば、2以上)を使用してもよいことが、当業者には明白なはずである。
前記マトリクスは、上述したようなどの適切な二次被覆組成物であっても差し支えない。このマトリクスは、二次被覆26を調製するために使用したのと同じ組成物から形成しても、またはこのマトリクスは、他の様式で使用に適合した異なる組成物から形成しても差し支えない。光ファイバ20は、二重層被覆系(例えば、上述した一次被覆と二次被覆)を含んでもよく、不変色インクで着色されてもよいことが当業者には分かるであろう。
前記光ファイバリボンは、ここに記載されたタイプの一次被覆を含む光ファイバを使用して、従来の方法によって調製してよい。例えば、ここに記載された例示の実施の形態による一次被覆を有する複数の光ファイバを実質的に平面に整列させる際に、ここに全てを引用する、Mayrの米国特許第4752112号明細書およびOestreich等の米国特許第5486378号明細書に記載されているような光ファイバリボンを調製する方法にしたがって、マトリクス組成物を施し硬化させることができる。
以下の実施例は、例示の実施の形態を例証することが意図されており、制限を意図しているものではない。
NRBU(非反応性分岐ウレタン)およびNRLU(非反応性線状ウレタン)成分の合成
以下の合成スキームにおいて、ポリ(プロピレングリコール)、ジラウリン酸ジブチルスズ、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシル−イソシアネート)(H12MDI)、ジイソシアン酸イソホロン(IPDI)、1,4−ブタンジオール、2−ブトキシエタノール、プロポキシル化ペンタエリトリトール(PO/OH 約17/8)、Tetronic 701およびポリ(プロピレングリコール)900ジアクリレート(PPGDA900)は、Aldrich Chemical Co.から購入した。Tetronic 701は、約3600の数平均分子量を有するエチレンジアミンテトラキス(プロポキシレート−ブロック−エトキシレート)テトロールである。Photomer 4003(エトキシル化(4)ノニルフェノールアクリレート)およびアクリル酸イソボルニル(IBOA)は、IGM Resins社から入手できる。アクリル酸カプロラクトンのSR495は、Sartomer社からのものであった。P1200、P2000、およびP4000は、それぞれ、約1200g/モル、約2000g/モル、および4000g/モルの数平均分子量(Mn)を有するポリプロピレングリコールであり、Aldrich社から入手できる。Lucerin TPOは、BASFから入手できる。BR3741は、HEA〜(H12MDI〜P4000)2〜H12MDI〜HEAであり、式中のHEAはアクリル酸ヒドロキシエチルである。全ての材料は、受け取ったまま使用した。
ポリ(プロピレングリコール)2000ジアクリレート(PPG2000DA)を、ここに全てを引用する、Malucelli等により“Synthesis of Poly(propylene-glycol-diacrylates) and Properties of the Photocured Networks,” J. Appl. Polymer Sci. 65(3): 491-497 (1997)に報告されているプロセスを使用して調製した。
下記の表1は、ここに記載された手順により合成したNRBUおよびNRLU成分に関する平均構造を示している。一般に、合成は、図4に示された例示の計画に従った。この計画では、ジイソシアネートを最初にポリオール(例えば、ポリプロピレングリコール)と反応させて、軟質ブロック反応体(図4において、I〜P〜Iと示されている)を形成した。このポリオールとイソシアネートを使用すると、軟質ブロック反応体内にウレタン基が形成される;しかしながら、代わりに、アミンキャップドポリオールを使用すると、軟質ブロック反応体内に尿素基が形成されるであろう。次に、この軟質ブロック反応体(I〜P〜I)を飽和炭化水素ジオール(例えば、1,4−ブタンジオールすなわちBD)と反応させて、2つの軟質ブロック部分の間に挟まれた硬質ブロック部分を形成した。このように形成された成分の平均構造は、図4にI〜P〜(I〜BD〜P〜I)x〜Iと示されている。この成分の平均長さ、およびその成分中に存在する硬質ブロック部分の数は、これらの反応体のモル比を調節することによって制御できる。次いで、この成分反応体を、図4においてI〜P〜(I〜BD〜I〜P)x〜Iと示されている中間体成分中に存在するイソシアネート基と反応できるヒドロキシル基を1つ含むキャッピング剤である、2−ブトキシエタノールと反応させる。これは、前記成分の一端を非反応性キャッピング部分(例えば、ブトキシエトキシ)で効果的にキャッピングして、図4にI〜P〜(I〜BD〜I〜P)x〜I〜ORと示されている最終中間体を形成する。これらの端部キャッピングされた最終中間体は、形成すべき最終生成物成分のアームを表す。次いで、この最終中間体を、図4にテトロールC[〜OH]p(p=4)と示されている、2つ以上の官能基を含有する多官能性コア試薬と反応させて、(チオ)ウレタン基および/または尿素基を含有し、非放射線硬化性キャッピング剤で終端する、2つ以上のブロック部分(すなわち、アーム)(図4において4つが示されている)を含有する成分が得られる。ブロック部分(または「アーム」)の各々は、1つ以上の軟質ブロックおよび必要に応じて1つ以上の硬質ブロックを含み、軟質ブロックの硬質ブロックに対する平均質量比は、少なくとも3:1である。
Figure 2017517023
非反応性分岐ウレタン成分1(NRBU1)の調製:
198.1g(0.89モル)のIPDI、418gのPhotomer 4003、1.6gの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールおよび0.5gのジラウリン酸ジブチルスズの混合物に、89.6の報告されたヒドロキシル価から1250のMnを有するポリ(プロピレングリコール)を552.5g(0.442モル)滴下した。この添加中、反応温度は50℃未満に維持した。添加が完了したときに、添加漏斗中の残留物を、25gのPhotomer 4003で反応器中に洗い流した。この混合物を1時間に亘り約70℃で加熱した。次いで、20.1g(0.223モル)の1,4−ブタンジオールを加え、それに続いて、25gのPhotomer 4003で添加漏斗を洗い流した。この混合物を1時間に亘り約70℃で加熱した。次いで、26.3g(0.223モル)の2−ブトキシエタノールを加え、それに続いて、25gのPhotomer 4003で添加漏斗を洗い流した。この混合物を1時間に亘り約70℃で加熱した。次いで、35.1g(0.056モル)の、分子量629のプロポキシル化ペンタエリトリトールを加え、それに続いて、25gのPhotomer 4003で添加漏斗を洗い流した。この混合物を1時間に亘り約70℃で加熱し、この時点で、前記成分の形成が完了した。約1324gの成分(98%の質量回収)を単離した。
非反応性分岐ウレタン成分2(NRBU2)の調製:
207.3gのH12MDI、400gのPhotomer 4003、1.6gの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールおよび0.5gのジラウリン酸ジブチルスズの混合物に、1200のMnを有するポリ(プロピレングリコール)を471g、約1時間に亘り滴下した。この添加中、反応温度は50℃未満に維持した。添加が完了したときに、添加漏斗中の残留物を、25gのPhotomer 4003で反応器中に洗い流した。この混合物を1時間に亘り約70℃で加熱した。10分間に亘り、17.75gの1,4−ブタンジオールを加え、それに続いて、25gのPhotomer 4003で添加漏斗を洗い流した。この混合物を1時間に亘り約70℃で加熱した。10分間に亘り、23.3gの2−ブトキシエタノールを加え、それに続いて、25gのPhotomer 4003で添加漏斗を洗い流した。この混合物を1時間に亘り約70℃で加熱した。10分間に亘り、分子量629のプロポキシル化ペンタエリトリトールを31g加え、それに続いて、25gのPhotomer 4003で添加漏斗を洗い流した。この混合物を1時間に亘り約70℃で加熱し、この時点で、前記成分の形成が完了した。約1197gの成分(96%の質量回収)を単離した。
非反応性線状ウレタン成分3(NRBU3)の調製:
150g(0.0375モル)の、4000のMnを有するポリ(プロピレングリコール)、250mgの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールおよび250mgのジラウリン酸ジブチルスズの混合物に、14.76g(0.0563モル)のH12MDIを約20分間に亘り滴下した。この添加中、反応温度は50℃未満に維持した。この混合物を3時間に亘り約70℃で加熱した。次いで、4.42g(0.0375モル)の2−ブトキシエタノールを約2分間に亘り加えた。この混合物を1時間に亘り約70℃で加熱し、この時点で、前記成分の形成が完了した。
非反応性分岐ウレタン成分4(NRBU4)の調製:
26.7g(0.12モル)のIPDI、50gのPhotomer 4003、150mgの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールおよび150mgのジラウリン酸ジブチルスズの混合物に、1200のMnを有するポリ(プロピレングリコール)を71.5g(0.06モル)滴下した。この添加中、反応温度は50℃未満に維持した。この混合物を1時間に亘り約70℃で加熱した。次いで、2.70gの1,4−ブタンジオールを加え、それに続いて、5gのPhotomer 4003で添加漏斗を洗い流した。この混合物を1時間に亘り約70℃で加熱した。次いで、3.54gの2−ブトキシエタノールを加え、それに続いて、5gのPhotomer 4003で添加漏斗を洗い流した。この混合物を1時間に亘り約70℃で加熱した。次いで、27g(0.0075モル)の、分子量3600のTetronic 701および28gのPhotomer 4003の、65℃に予熱した混合物を加えた。この混合物を1時間に亘り約70℃で加熱し、この時点で、前記成分の形成が完了した。
非反応性分岐ウレタン成分5(NRBU5)の調製:
31.5g(0.12モル)のH12MDI、50gのPhotomer 4003、150mgの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールおよび150mgのジラウリン酸ジブチルスズの混合物に、1200のMnを有するポリ(プロピレングリコール)を71.5g(0.06モル)滴下した。この添加中、反応温度は50℃未満に維持した。この混合物を1時間に亘り約70℃で加熱した。次いで、2.70gの1,4−ブタンジオールを加え、それに続いて、5gのPhotomer 4003で添加漏斗を洗い流した。この混合物を1時間に亘り約70℃で加熱した。次いで、3.54gの2−ブトキシエタノールを加え、それに続いて、5gのPhotomer 4003で添加漏斗を洗い流した。この混合物を1時間に亘り約70℃で加熱した。次いで、27g(0.0075モル)の、分子量3600のTetronic 701および31gのPhotomer 4003の、65℃に予熱した混合物を加えた。この混合物を1時間に亘り約70℃で加熱し、この時点で、前記成分の形成が完了した。
非反応性分岐ウレタン成分6(NRBU6)の調製:
16.7g(0.075モル)のIPDI、76gのPhotomer 4003、150mgの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールおよび150mgのジラウリン酸ジブチルスズの混合物に、4000のMnを有するポリ(プロピレングリコール)を150g(0.0375モル)滴下した。この添加中、反応温度は50℃未満に維持した。この混合物を1時間に亘り約70℃で加熱した。次いで、1.69g(0.01875モル)の1,4−ブタンジオールを加え、それに続いて、10gのPhotomer 4003で添加漏斗を洗い流した。この混合物を1時間に亘り約70℃で加熱した。次いで、2.21g(0.01875モル)の2−ブトキシエタノールを加え、それに続いて、10gのPhotomer 4003で添加漏斗を洗い流した。この混合物を1時間に亘り約70℃で加熱した。次いで、分子量629のプロポキシル化ペンタエリトリトールを2.95g(0.0047モル)加え、それに続いて、10gのPhotomer 4003で添加漏斗を洗い流した。この混合物を1時間に亘り約70℃で加熱し、この時点で、前記成分の形成が完了した。
前記成分の計算分子量と測定分子量が、下記の表2に提示されている。測定分子量は、ポリスチレン基準に対するものである。
個々の成分について与えられた構造は、材料の合成に使用した成分の化学量論的関係に基づく理想的な構造を表していることを強調しておく(例えば、Santhana et al., Macromol. Sci. Rev. Macromol. Chem. Phys., C33(2):47-180 (1993);McConnell et al., ACS Symp. Ser. 417:272-283 (1990);Noren et al., ACS Symp. Ser. 417:258-271 (1990);Martin, Radiation Curing (Aug. 1986), pp. 4-15;Miller, Radiation Curing (May 1984), pp. 4-7、その各々をここに全て引用する)。ジイソシアネートおよびポリオール(またはジオール)反応体の反応性を制御することは難しいので、ほとんどの場合、高分子量と低分子量の成分の両方(ポリオールまたはジオール成分ブロックを数多くまたは少なく含有する)が任意の成分混合物中に存在するであろう。その上、ポリオール反応体自体の多くは、平均値の辺りに集中する分子量値を有する成分材料である。GPC測定からの測定分子量に加え、様々な成分および成分バッチに関して、理想化構造に基づく計算分子量値も、表に与えられている。
Figure 2017517023
放射線硬化性被覆組成物の配合
NRBU成分1、2、および4〜6と、Photomer 4003希釈剤との混合物(〜6:4の質量比で)またはNRLU成分3、約2000の分子量のポリ(プロピレングリコール)ジアクリレート(PPGDA2000)、約900の分子量のポリ(プロピレングリコール)ジアクリレート(PPGDA900)、および下記の表3に特定された組成物の他の成分(アクリル酸イソボルニル(IBOA)、アクリル酸カプロラクトン(SR495)、Lucerin TPO光開始剤(TPO)、N−ビニルカプロラクトン、BR3741、および/またはIrganox 1035)を、均一になるまで穏やかに加熱しながら暗所で混ぜ合わせた。
調製した組成配合物が、下記の表3に纏められている。各配合物において、ウレタン官能基と尿素官能基を実質的に含まない硬化性架橋剤、硬化性希釈剤、成分1〜6、および光開始剤成分は、合計で100質量パーセントである。NRBU成分1、2、および4〜6を、Photomer 4003との混合物として配合物に導入した。これは、実施例1に記載された様式の反応中にPhotomer 4003を使用した結果である。例えば、配合物1において、Photomer 4003希釈剤中のNRBU1が35質量パーセント加えられた場合、これは、6:4の質量比を考えると、21質量パーセントのNRBU1および14質量パーセントのPhotomer 4003を導入したことになった。酸化防止剤(Irganox 1035)は、上乗せ(pph)で加えた。
Figure 2017517023
Figure 2017517023
Figure 2017517023
被覆配合物からの硬化フイルムの調製
5ミル(約125μm)のドロー・ダウン・バーを使用して、剥離紙上にそれらの配合物を引き延ばすことによって、引張特性およびTgの測定のためのフイルムを調製した。窒素パージを行いながら、Fusion Dランプを使用して、フイルムを硬化させた。このフイルムは、約1200mJ/cm2の線量を受けた。全てのサンプルを、23℃および50%の相対湿度に制御された環境中で一晩、状態調節させた。硬化フイルムの厚さは約80μmであった。
硬化フイルムの性質の測定
硬化フイルムの引張特性を、ASTM基準D882−97に述べられた手順にしたがってSintech MTS引張試験装置を使用して測定した。フイルムを、指定の長さと幅(15cm×1.3cm)に切断し、試験装置に載せた。試験に使用したゲージ長は5.1cmであり、試験速度は2.5cm/分であった。ヤング率、引張試験、および伸び%の値を記録した。
選択した硬化フイルム(長さ10mm、幅10mmに切断した)のガラス転移温度は、1Hzの周波数および1℃/分の走査速度で、Seiko−5600 DMS試験装置において張力下で測定したタンジェント・デルタ曲線の最大ピークから決定した。タンジェント・デルタは、貯蔵弾性率(E’)で割られた損失弾性率(E”)として定義される。
硬化フイルムのヤング率、引張強度、曲げ%、およびTgの測定値が、下記の表4に纏められている。
Figure 2017517023
この実験により、アクリレート官能基の使用(対照配合物13)は別に、適切な機械的性質を有する被覆を提供しそうにないことが確認された。アクリレートのみの配合物は、妥当なヤング率および伸びの性質を有したが、引張強度を増加させるためにある種の強化剤で被覆を改良することが実施可能な手法であろうと思われた。その結果、非反応性ウレタン成分、好ましくは非反応性分岐ウレタン(NRBU)成分により与えられる様々なタイプの事実上の架橋機構を使用して、軽く共有結合により架橋したアクリレート被覆を強化できるか否かを試験した。意図した相互作用が、図3に概略示されている。NRBU成分において、分岐を含有する数多くのウレタン基が、中央コアから放射状に延びている。この成分は、どのような放射線硬化性官能基も含有しておらず、これにより、この被覆が典型的なファイバ用一次被覆組成物から区別される。信念により拘束されるものではないが、NRBUの分岐は、光重合中に形成されたときに、アクリル被覆網目構造において絡まるほど十分に長いと考えられる。これらの絡まりは、物理的架橋として挙動するはずであり(図3参照)、アクリル被覆網目構造の引張特性を増加させるはずである。また、分岐に沿って見つかるウレタン結合は互いに水素結合して、反応性ウレタン/アクリレートオリゴマーに見られるものと同様の追加の強化を提供するはずである。
典型的なファイバ用一次被覆が対照配合物12により例示されており、これは、BR3741オリゴマー(理論分子量が約9000である二重PPG4000ポリオールブロックジアクリレート)に基づくウレタン/アクリレート被覆である。硬化被覆網目構造における化学的架橋が二官能性BR3741化合物の末端基からのものであるとすると、得られる被覆の架橋密度は約8700g/架橋である。被覆12の引張特性が、表4に与えられている。この被覆の引張特性は主に、その化合物中に存在するウレタン基による非共有水素結合により与えられる追加の強靱化と共に、BR3741のアクリレート末端基により導入される化学的架橋によると考えられる。
H結合の追加の効果に対して共有化学的架橋の相対的重要性を評価することが、興味深かった。これを行うために、2つの追加の対照配合物を評価した。第1のもの(表3の配合物8)において、BR3741ウレタン/アクリレート化合物を、同様の構造、すなわち、二重PPG4000ポリオールブロック(表1におけるNRLU3)であるが、BR3741に見られる重合性アクリレート末端基が非反応性ブトキシ末端基に置き換えられている構造を持つ線状ウレタン類似体と置き換えた。BR3741とは異なり、NRLU3には、共有化学的架橋を提供することができる放射線硬化性末端官能基がないことを除いて、配合物8は配合物12と似ている。しかしながら、NRLU3には、ウレタン基からの水素結合相互作用がまだ存在する。当然のことながら、配合物8のフイルムは非常に弱く、引張特性は測定できなかった。付随の共有化学的架橋基がなく、線状ウレタン/アクリレート化合物単独での水素結合相互作用は、適切な機械的性質を有するファイバ用被覆を提供するのには不十分である。第2の対照配合物(配合物13)において、BR3741成分を、分子量が約8000(BR3741の分子量に近い)のポリ(プロピレングリコール)ジアクリレート(PPG8000DA)で置き換えた。PPG8000DAのアクリレート末端基は、共有化学的架橋を与える。結果として得られた硬化被覆は、対照配合物12の架橋密度と同程度の架橋密度(約7500g/架橋)を有するはずであるが、BR3741のウレタン基により与えられる追加の水素結合相互作用は有さない。この被覆は、対照配合物12と類似の弾性率値および伸び値を有するが、引張強度ははっきりと減少した(ウレタン基(または他の)水素供与体がない結果であろう)。
この対照実験は、アクリレートまたはウレタン官能基のいずれかを独立して使用しても、適切な機械的性質を有する被覆が提供されそうにないことを示す。しかしながら、アクリレートのみの配合物は、妥当な弾性率および伸びの性質を有した。引張強度を増加させるためにある種の強化剤で被覆を改良することが、適切なファイバ用被覆への実行可能な経路であろうと推測された。その結果、軽く共有結合的に架橋したアクリレート被覆が、非反応性ウレタンオリゴマー、好ましくは非反応性分岐ウレタン(NRBU)化合物から予測される物理的架橋相互作用により強化できるか否かを調べた。この概念が、図3に概略示されている。NRBU化合物において、ウレタン基を含む数多くの分岐が、中心の分子コアから延在している。NRBUには放射線硬化性官能基がなく、この特徴のために、NRBU含有被覆が典型的なファイバ用一次被覆組成物から区別される。NRBUの分岐は、被覆組成物の放射線硬化性成分の光重合中に形成するアクリル被覆網目構造において絡まるのに十分に長く作られる。この絡まりは、アクリル網目構造の引張特性の増加をもたらすはずである物理的架橋(図3参照)を与えると予測される。また、NRBU成分の分岐に沿って見られるウレタン結合は、互いに水素結合して、反応性ウレタン/アクリレートオリゴマーに見られるものと類似であると予測される追加の強化機構を与えるであろう。
弱く架橋したアクリル網目構造における強化剤としてのNRBU化合物を評価するために、多数の配合物を調製した(表3)。コアアクリル網目構造は、分子量が約900または2000であるポリ(プロピレングリコール)ジアクリレート(PPG900DAおよびPPG2000DA)、アクリル酸イソボルニル(IBOA)、およびアクリル酸カプロラクトン(SR495)の様々な組合せから形成した。与えられた例は、被覆組成物の硬化生成物を強化するためにNRBU化合物の使用原則の証拠を確立するために提示されている。
表3の様々なNRBUおよびNRLU配合物の硬化フイルムの引張特性が表4に与えられている。これらの配合物の数多くは、ファイバ用一次被覆として使用するのに相応しい適切な性質、例えば、約2MPa未満、より好ましくは約1MPa以下のヤング率、および適切な、すなわち、約0.4MPa以上の引張強度を有した。配合物1〜7、9〜11および14〜17はこれらの基準を満たした一方で、配合物4、6、7、および15〜17は、機械的性質の最良の組合せを示すように思われた。
NRBU6(NRBU分岐のサイズがより大きい)から製造された配合物11は、増加した弾性率を示した。増加した弾性率は、分岐のサイズが増加するにつれて、物理的絡まりの数が増加することを示し得た。しかしながら、弾性率の増加は、配合物11のNRBU6におけるNRBU分岐の分子量と同程度の線状分子量を有する、BR3741の非反応性線状類似体を含有する配合物14にも見られた。弾性率は、より分子量が大きいTetronic 701コアに基づく化合物である、NRBU5を使用した配合物10においても上昇している。しかしながら、分子量特性が同程度のTetronicコア(ジイソシアネートとしてH12MDIの代わりにIPDIを含む)に基づくNRBU化合物(NRBU4)により製造した配合物9は、著しい弾性率の増加は示さなかった。
特定の実施の形態において、硬化した一次被覆は、厚さが約80μmの硬化フイルムとして構成された場合、約2MPa未満、好ましくは約1.25MPa未満、より好ましくは約1.0MPa未満のヤング率を有する。厚さが約80μmである硬化フイルムについて、より低いヤング率値、例えば、約0.9MPa、0.8MPa、または0.7MPa未満のヤング率値が最も好ましい。硬化した一次被覆は、厚さが約80μmのフイルムとして構成された場合、好ましくは少なくとも約0.2MPa、より好ましくは少なくとも約0.3、0.4、または0.5MPa、さらにより好ましくは少なくとも約0.6MPa、0.7MPa、または0.8MPaの引張強度を有する。特定の実施の形態において、硬化した一次被覆の引張強度は、厚さが約80μmであるフイルムとして構成された場合、その被覆のヤング率の少なくとも約50%、より好ましくはその被覆のヤング率の少なくとも約75%である。硬化した一次被覆は、厚さが約80μmであるフイルムとして構成された場合、少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約80%、さらにより好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約100%の破断点伸びを有する。
一次被覆配合物の機械的減衰特性の評価を行った。減衰を数値で表すために、特定の変形周波数(例えば、1Hz)での損失弾性率(E”)またはタンジェント・デルタ(E”/E’)対温度を典型的に調査する。図5は、対照の市販のウレタンアクリレート被覆(Desolite(登録商標)951−092(イリノイ州、エルジン所在のDSM Desotech,Inc.))、および被覆4、6、7、16B、および17の厚さ約が80μmの硬化フイルムに関するタンジェント・デルタ対温度を示している。その結果は、対照と比べると、本発明の被覆はずっと広いタンジェント・デルタ関数を有することを示している。これらの配合物は、架橋した高分子網目構造に化学的に結合していない成分(NRBU成分)を含有するので、タンジェント・デルタ関数が広がっている。
E”またはタンジェント・デルタのより高い値は、緩和の分子モードが入力される機械的応力を効果的に散逸させるという点で、その材料は損失性であることを示している。典型的に、粘弾性材料は、周波数または温度軸のタンジェント・デルタにおけるピークで最大量の機械的散逸を有する。この最大値はガラス転移温度で生じる。タンジェント・デルタ特性がより広い温度範囲に亘り比較的高いままであるように前記曲線を広げられる範囲で、被覆は、機械的応力を散逸させるのに良好であるはずである。信念により拘束されるものではないが、機械的応力を効率的に散逸させる被覆は、光ファイバにおけるマイクロベンド損失を軽減させる上でより効果的であると考えられる。
特定の実施の形態において、NRBU成分を有する硬化した一次被覆は、(チオ)ウレタン基および/または(チオ)尿素基を有する非放射線硬化性成分のない一次被覆に対する、タンジェント・デルタ対温度の曲線の広がりにより特徴付けられる。具体的には、タンジェント・デルタ曲線の広がりは、Tgより高い温度でのその曲線の浅い勾配として明白である。このことは、本発明の硬化した一次被覆が、(チオ)ウレタン基および/または(チオ)尿素基を有する非放射線硬化性成分のない、そうでなければ同一の対照被覆に対して、Tgより高い温度で機械的応力を消散させるまたは吸収する、向上した能力を示すであろうことを意味する。特定の実施の形態において、タンジェント・デルタ値は、12℃超、より好ましくは13℃超、さらにより好ましくは14℃超の温度範囲に亘り0.9を超える。特定の実施の形態において、タンジェント・デルタ値は、15℃超、より好ましくは20または25℃超、さらにより好ましくは30または35℃超の温度範囲に亘り0.8を超える。特定の実施の形態において、タンジェント・デルタ値は、18または20℃超、より好ましくは25または30℃超、さらにより好ましくは35または40℃超の温度範囲に亘り0.7を超える。特定の実施の形態において、タンジェント・デルタ値は、22または25℃超、より好ましくは30または35℃超、さらにより好ましくは40または45℃超の温度範囲に亘り0.6を超える。
光ファイバの調製および試験
本発明の被覆に関する改善されたタンジェント・デルタ特性に基づいて、1種類以上のNRBU成分を有する被覆を備えた被覆光ファイバは、ある条件範囲に亘り改善されたマイクロベンド性能を示すと期待される。被覆配合物4、6、7、15、16、16B、および17を硬化させることにより形成した一次被覆を備えたファイバを調製し、その場ヤング率、その場Tg、ワイヤメッシュドラムマイクロベンド損失、およびバスケット織りマイクロベンド損失の測定において評価した。
一次被覆組成物として被覆配合物4、6、7、15、16、および17を使用して、別個のファイバを線引き塔で加工した。そのファイバのガラス部分は、直径約125μmのG652柔軟単一モードファイバであった。外径が約125μmのシリカクラッドで囲まれた直径約8μmのマルチセグメントの非ドープシリカコアを有するガラスファイバに、一次被覆配合物4、6、7、15、および16を施した。中央非ドープシリカ領域およびクラッドに隣接するダウンドープされたシリカ領域を含む、直径約19μmのマルチセグメントコアであって、外径が約125μmのシリカクラッドにより取り囲まれたマルチセグメントコアを有するガラスファイバに、一次被覆配合物16および17を施した。コアの直径がより大きい一次被覆配合物16で被覆されたファイバは、16Bと指定される。
線引き中の各ファイバに、共通の二次被覆組成物も施した。二次被覆組成物は以下の成分を含んだ:
Figure 2017517023
ここで、SR601またはPhotomer 4028(多官能性モノマー)は、エトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリレートであり、CD9038(多官能性モノマー)は、エトキシル化(30)ビスフェノールAジアクリレートであり、Photomer 3016(多官能性モノマー)は、ビスフェノールAエポキシジアクリレートモノマーであり、TPO(光開始剤)は、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキシド(BASFから得られる)であり、Irgacure 184(光開始剤)は、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFから得られる)であり、Irganox 1035(酸化防止剤)は、チオジエチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル)−4−ヒドロキシヒドロシンナメート(BASFから得られる)であり、DC190(流体スリップ剤)は、シリコーン−エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー(Dow Corningから得られる)である。
直径0.022インチ(約0.56mm)の硬化棒材として構成された場合、二次被覆は、約1800MPaのヤング率、約60MPaの引張強度、約45MPaの降伏応力、および約35%の破断点歪み%を有した。
この線引き塔は、UV硬化機能を備えていた。光ファイバに与えられたUV放射線量は、ファイバの製造過程の速度、使用されるUV放射線硬化ランプの数、およびそれらUVランプの強度により制御される。速い硬化速度は、特定の線量で硬化する被覆の能力につながる。ここに利用した硬化システムは、米国メリーランド州所在のFusion UV Systems,Inc.社により製造された。この硬化システムは、UV硬化ランプ(Dバルブを備えたI250ランプ系)、P160電力供給装置、およびF10Tドア反射体を備えていた。硬化は、一次および二次被覆組成物の施用後に光ファイバにランプからのUV放射線を集束させることによって行った。
ランプ/速度比は、光ファイバに与えられるUV放射線量の表示である。ここに用いたランプ/速度比は、メートル/秒で表された光ファイバの線引き速度に対するI250 UV放射線硬化ランプの数の比として定義される。例えば、一次被覆について3つのランプを、二次被覆について3つのランプを使用する、15m/sの線引き速度で作動する線引き塔のランプ/速度比は、6/15=0.4である。ここに報告したランプ/速度比は、ここに用いたFusion UV硬化システムの構成およびファイバ線引き速度に基づく。この実施例のファイバに使用したランプ/速度比は、0.27(一次被覆配合物4、7、15、16、および16Bが被覆されたファイバ)、0.23(一次被覆配合物6が被覆されたファイバ)、および0.28(一次被覆配合物17が被覆されたファイバ)であった。
厚さが約32.5μmの一次被覆(一次被覆を有するファイバの外径は約190μm)および厚さが約26μmの二次被覆(一次および二次被覆を有するファイバの外径は約242μm)を提供するために、硬化条件を調節した。全てのファイバは高い硬化程度を示し、ファイバの初期検査は、それらに欠陥が比較的ないことを示した。放射線硬化性ウレタンオリゴマーを含み、NRBU成分を含まない2種類の市販の一次被覆組成物(CPC6およびCPC6i)を使用して、同じガラス部分、同じ二次被覆組成物、および同じ寸法を有する対照ファイバを調製した。
各ファイバに、一次被覆のその場ヤング率およびその場ガラス転移温度(Tg)の測定を行った。薄いフイルムとして構成された一次被覆組成物のサンプルについても、Tgを測定した。
一次被覆のその場ヤング率は、以下の手順を使用して測定した。6インチ(約15cm)のファイバサンプルを得て、そのファイバの中心から1インチ(約2.5cm)の部分を窓状に剥ぎ取り、イソプロピルアルコールで拭いた。窓状に開口したファイバを、ファイバを固定するのに使用した10mm×5mmの矩形アルミニウムタブを備えたサンプル保持器/アライメントステージに取り付けた。2つのタブは、短い5mmの側が互いに向き合い、5mmの間隙だけ離れているように、水平に方向付け、位置決めした。窓状に開口したファイバを、タブを横切り、タブを隔てる間隙に亘り、サンプル保持器に水平に置いた。ファイバの窓状に開口した領域の片側の被覆端を一方のタブに位置決めし、タブ間の5mmの間隙の半分まで延在させた。この1インチ(約2.5cm)の窓状に開口した領域は、間隙の残りの半分の上に、反対のタブまで延在した。アライメント後、サンプルを動かし、5mm間隙に最も近い各タブの半分に、Krazy(登録商標)接着剤の小さい点を施した。次いで、ファイバを元の位置に戻し、接着剤がファイバに丁度触れるまで、アライメントステージを持ち上げた。次いで、ファイバの窓状に開口した領域がタブ間の5mm間隙の大半を占めるように、被覆端を、接着剤を通してタブから離れるように引っぱった。反対のタブに残る窓状に開口した領域の部分は、接着剤と接触していた。被覆端のまさに先端は、タブを越え、タブ間の間隙中に延在したままであった。被覆端のこの部分は、接着剤中に埋め込まれておらず、一次被覆のその場ヤング率の測定の目的であった。この配置で接着剤をファイバサンプルと共に乾燥させて、ファイバをタブに固定した。乾燥後、タブの各々に固定されたファイバの長さを5mmに切断した。接着剤中に埋め込まれた被覆長さ、埋め込まれていない被覆長さ(タブ間の間隙中に延在する部分)、および一次被覆の直径を測定した。
一次被覆のその場ヤング率の測定は、室温(21℃)で45分間に亘り、9×10-6 1/sの一定の歪みで、Rheometrics DMTA IV動的機械的試験装置により行った。ゲージ長は15mmであった。力およびデルタ長さを記録し、一次被覆のその場ヤング率の計算に使用した。ファイバと締め具が接触せず、サンプルが締め具に対して直角に固定されていることを確実にするために、試験装置の15mmの締め付け長さと干渉するであろうエポキシをタブから除去することによって、タブ取り付けファイバサンプルを調製した。この装置の力をゼロにした。次いで、ファイバの非被覆端が固定されているタブを試験装置の下側の締め具(測定プローブ)に取り付け、ファイバの被覆端が取り付けられているタブを、試験装置の上側の(固定)締め具に取り付けた。次いで、試験を行い、分析が一旦完了したら、サンプルを取り外した。
被覆ファイバから得たファイバの管なしサンプルにその場Tg測定を行った。このファイバの管なしサンプルは、以下の手順を使用して得た:
被覆ファイバの端部から約1インチ(約2.5cm)を0.0055ミラーストリッパでしっかりと締め付けた。ファイバのこの1インチ(約1.5cm)領域を液体窒素流中に入れ、3秒間に亘り液体窒素中に保持した。次いで、ファイバを液体窒素流から取り出し、迅速に剥いで被覆を除去した。ファイバの被覆が剥ぎ取られた端部を、残留被覆について検査した。残留被覆がガラスファイバ上に残っている場合、サンプルを廃棄し、新たなサンプルを調製した。結果は、一次および二次被覆は無傷であり、清浄なガラスファイバおよび中空の管であった。被覆を剥ぎ取っていないファイバの端面から、ガラス、一次被覆および二次被覆の直径を測定した。
9から10mmのサンプルゲージ長でRheometrics DMTA IV試験装置を使用して、ファイバの管なしサンプルのその場Tgを測定した。ファイバの管なしサンプルの幅、厚さ、および長さを、この試験装置の運転プログラムの「サンプル形状」セクションに入力した。サンプルを取り付け、次いで、約−85℃に冷却した。一度安定したら、以下のパラメータを使用して、昇温した:
周波数:1Hz
歪み:0.3%
加熱速度:2℃/分
最終温度:150℃
初期静的力:20.0[g]
静的>動的力=10.0[%]だけ
被覆のその場Tgは、温度の関数としてのtan δのプロットにおけるtan δの極大値として定義され、ここで、tan δは
tan δ=E”/E’
と定義され、式中、E”は、変形サイクルにおける熱としてのエネルギーの損失に比例する、損失弾性率であり、E’は、変形サイクルにおいて貯蔵されたエネルギーに比例する、貯蔵弾性率である。
ファイバの管なしサンプルは、一次および二次被覆に関するtan δプロットにおいて異なる極大値を示した。より低温(約−40℃以下)での極大値は、一次被覆のその場Tgに対応し、より高い温度(約50℃以上)での極大値は、二次被覆のその場Tgに対応した。
引張特性およびTgの測定に選択したファイバサンプルを、100kpsi(約690MPa)で選別試験して、欠陥サンプルを排除した。選別試験において、ファイバサンプルを2ベルト式キャプスタンアセンブリ間に固定し、100kpsi(約690MPa)の引張応力をファイバに印加した。そのキャプスタンアセンブリは、キャプスタンおよびピンチベルトからなった。ファイバサンプルをピンチベルトとキャプスタンとの間に固定し、ピンチベルトを使用して、ファイバに圧縮荷重を印加した。この圧縮荷重は、選別試験が行われるファイバサンプルの部分を、選別試験装置のファイバ巻き出し巻き取りユニットに関連する張力から隔離することを意図した。各ピンチベルトがその対応するキャプスタンに向かってまたはその反対に押し付けられるときに、ファイバサンプルの被覆に追加の応力を加えた。詳しくは、被覆とピンチベルトおよび被覆とキャプスタンの界面での粘着/滑り条件に依存する、ピンチベルトの圧縮からの均一な横スキッシュ荷重および剪断荷重が、ファイバサンプルに明白であった。この剪断荷重は、ファイバ被覆に対してファイバ内から引っぱられるファイバのガラス部分の結果である。欠陥を生じずに試験条件に耐えられなかったファイバサンプルを除いた。100kpsi(約690MPa)の張力での選別試験に合格したファイバサンプルのみを、引張特性およびTgの測定に選択した。
一次被覆の各々を備えた選別試験したファイバサンプルに測定したその場ヤング率、その場Tg、およびフイルムTgが表5に纏められている。
Figure 2017517023
その場のヤング率の結果は、ウレタンまたは尿素基を持たない放射線硬化性成分およびウレタン基を有する非放射線硬化性NRBU成分を含む放射線硬化性組成物から形成された一次被覆を備えたファイバが、従来の放射線硬化性ウレタンオリゴマーから調製された一次被覆を備えた対照ファイバと匹敵する性質を有したことを示している。この結果は、ここに記載された例示のNRBU被覆組成物から形成された硬化被覆が、光ファイバ用の一次被覆として使用するのに適した特徴を有することを示している。
1つの実施の形態において、NRBU成分を有する被覆組成物から形成された硬化被覆の一次被覆のその場ヤング率は1MPa未満である。別の実施の形態において、NRBU成分を有する被覆組成物から形成された硬化被覆の一次被覆のその場ヤング率は0.8MPa未満である。さらに別の実施の形態において、NRBU成分を有する被覆組成物から形成された硬化被覆の一次被覆のその場ヤング率は0.6MPa未満である。
1つの実施の形態において、NRBU成分を有する被覆組成物から形成された硬化被覆の一次被覆のその場Tgは、−15℃未満である。別の実施の形態において、NRBU成分を有する被覆組成物から形成された硬化被覆の一次被覆のその場Tgは、−30℃未満である。さらに別の実施の形態において、NRBU成分を有する被覆組成物から形成された硬化被覆の一次被覆のその場Tgは、−35℃未満である。さらに別の実施の形態において、NRBU成分を有する被覆組成物から形成された硬化被覆の一次被覆のその場Tgは、−40℃未満である。さらなる実施の形態において、NRBU成分を有する被覆組成物から形成された硬化被覆の一次被覆のその場Tgは、−45℃未満である。
1つの実施の形態において、NRBU成分を有する被覆組成物から形成された、厚さが約80μmの硬化フイルムのTgは、0℃未満である。別の実施の形態において、NRBU成分を有する被覆組成物から形成された、厚さが約80μmの硬化フイルムのTgは、−10℃未満である。さらに別の実施の形態において、NRBU成分を有する被覆組成物から形成された、厚さが約80μmの硬化フイルムのTgは、−15℃未満である。さらなる実施の形態において、NRBU成分を有する被覆組成物から形成された、厚さが約80μmの硬化フイルムのTgは、−20℃未満である。
マイクロベンド損失の測定
ファイバのマイクロベンド損失を、ワイヤメッシュドラム試験およびバスケット織り試験で評価した。ワイヤメッシュドラム試験において、長さ750mの被覆ファイバを通る1310nm、1550nm、および1625nmの波長での光の減衰を室温で測定した。マイクロベンド誘発減衰は、ゼロ張力配置およびワイヤメッシュドラム上の高張力配置の間の差により決定した。2つの巻線構成について、別々の測定を行った。第1の構成において、ファイバは、滑らかな表面および約400mmの直径を有するプラスチック製ドラム上のゼロ張力構成に巻き付けた。このゼロ張力巻線構成は、ファイバを通過する光の無応力基準減衰を与えた。十分な休止時間後、初期減衰測定を行った。第2の巻線構成において、微細ワイヤメッシュが巻き付けられたアルミニウム製ドラムにファイバサンプルを巻き付けた。この配置において、アルミニウム製ドラムのバレル表面をワイヤメッシュで覆い、このワイヤメッシュの周りにファイバを巻き付けた。このメッシュは、引き伸ばさずに、バレルの周りにきつく巻き付け、穴、窪み、裂け、または損傷なく無傷のまま維持された。測定に使用したワイヤメッシュ材料は、耐食性タイプの304ステンレス鋼のワイヤ織布から製造され、以下の特徴を有した:リニアインチ当たりのメッシュ:165×165、ワイヤの直径:0.0019インチ(約0.048mm)、開口幅:0.0041インチ(約0.10mm)、および開口%:44.0。750m長の被覆ファイバを、80(±1)グラムの張力を印加しながら、0.050cmの巻き取りピッチでワイヤメッシュ被覆ドラムに1m/sで巻き付けた。張力を維持するために、ファイバの端部にテープを貼り、ファイバの交差はなかった。巻き付けられたファイバとメッシュとの接触点はファイバに応力を与え、巻き付けられたファイバを通る光の減衰は、ファイバの応力誘起(マイクロベンド)損失の尺度である。ワイヤドラム測定は、1時間の休止時間後に行った。第1の構成(滑らかなドラム)に対する第2の構成(ワイヤメッシュ被覆ドラム)に行った測定におけるファイバ減衰(dB/km)の増加が、各波長について決定された。3回の試行の平均を各波長で決定し、その平均が、表6の被覆ファイバのワイヤメッシュマイクロベンド損失として報告されている。
Figure 2017517023
その結果は、本例示の実施の形態によるNRBU成分を有する被覆組成物を硬化させることにより形成された一次被覆を備えたファイバが、NRBU成分を持たない組成物から製造された一次被覆を備えた対照ファイバに観察されたマイクロベンド損失と同じくらい良好であるか、それより良好なマイクロベンド損失を示すことを示している。
1つの実施の形態において、NRBU成分を有する被覆組成物から形成された硬化一次被覆、および直径約0.022インチ(約0.56mm)の硬化棒材として構成された場合、少なくとも1400MPaのヤング率を有する二次被覆を備えたファイバのワイヤメッシュドラムのマイクロベンド損失は、1310nmで0.025db/km未満、1550nmで0.020db/km未満、および/または1625nmで0.10db/km未満である。別の実施の形態において、NRBU成分を有する被覆組成物から形成された硬化一次被覆、および直径約0.022インチ(約0.56mm)の硬化棒材として構成された場合、少なくとも1400MPaのヤング率を有する二次被覆を備えたファイバのワイヤメッシュドラムのマイクロベンド損失は、1310nmで0.020db/km未満、1550nmで0.015db/km未満、および/または1625nmで0.050db/km未満である。さらに別の実施の形態において、NRBU成分を有する被覆組成物から形成された硬化一次被覆、および直径約0.022インチ(約0.56mm)の硬化棒材として構成された場合、少なくとも1400MPaのヤング率を有する二次被覆を備えたファイバのワイヤメッシュドラムのマイクロベンド損失は、1310nmで0.015db/km未満、1550nmで0.010db/km未満、および/または1625nmで0.030db/km未満である。
バスケット織りマイクロベンド損失試験において、ファイバをガラススプール上に高張力で巻き付け、温度サイクルに暴露した。この装置は、直径が一定のシリカドラムからなった。ドラム表面は滑らかであった。ドラムの外径は約110mmであった。ファイバを、70グラムの巻き張力および2mmのピッチ(ファイバの隣接する巻きの間の距離)でガラスドラムに巻き付けた。この張力とピッチで、数層のファイバを巻き付けた。各層を巻き付ける度に、ピッチ角度を逆にした。隣接層からの張力をかけたファイバの交差により、マイクロベンド機構が生じる。2.5kmのファイバ長を使用した。初期減衰測定は、70グラムの張力でファイバをバスケット織り構成に配置して、23℃±5℃、45%±25%のRHで行った。初期減衰損失測定は、1310nm、1550nm、および1625nmの波長で行った。減衰損失データを得るために、OTDR(光時間領域反射測定法)を使用した。
23℃での初期減衰損失測定後、ファイバを熱サイクルに施した。熱サイクルにおいて、ファイバを1℃/分の速度で23℃から−40℃に最初に冷却した。ファイバを20時間に亘り−40℃に維持し、次いで、1℃/分の速度で加熱して23℃に戻した。ファイバを2時間に亘り23℃に維持し、次いで、1℃/分の速度で70℃に加熱し、20時間に亘り70℃に維持した。次いで、ファイバを1℃/分の速度で23℃に冷却し、2時間に亘り23℃に維持した。23℃から−40℃から23℃から70℃から23℃の周期を繰り返した。2回目の周期後にファイバを2時間に亘り23℃に維持した後、ファイバを1℃/分の速度で−40℃に再び冷却し、20時間に亘り−40℃に保持し、次いで、1℃/分の速度で−60℃にさらに冷却した。ファイバを20時間に亘り−60℃に保持し、次いで、1℃/分の速度で加熱して23℃に戻し、2時間に亘り23℃に保持した。この時点で熱サイクルを終了した。
熱サイクル中、ファイバの減衰損失を継続的に測定した。−40℃への2回の熱サイクルに亘る最大減衰損失を決定し、この最大減衰損失と23℃での初期減衰損失との間の差が、ここでは、−40℃から70℃の温度範囲に亘るファイバのバスケット織りマイクロベンド損失と報告されている。−60℃への熱サイクルにおいて、−60℃で測定した減衰損失と23℃での初期減衰損失との間の差が、ここでは、−60℃から23℃の温度範囲に亘るファイバのバスケット織りマイクロベンド損失と報告されている。バスケット織りマイクロベンド損失試験の結果が、下記の表7および8に提示されている。−40℃から70℃の範囲の温度よりも、−60℃への熱サイクルにおいて、より高いバスケット織りマイクロベンド損失が観察された。
Figure 2017517023
Figure 2017517023
バスケット織り試験の結果は、ここに開示されたNRBU成分を有する組成物を硬化させることにより形成された一次被覆を備えたファイバは、NRBU成分を持たない対照ファイバよりも一貫して低いマイクロベンド損失を有することを示している。
1つの実施の形態において、NRBU成分を有する被覆組成物から形成された硬化一次被覆、および直径約0.022インチ(約0.56mm)の硬化棒材として構成された場合、少なくとも1400MPaのヤング率を有する二次被覆を備えたファイバのバスケット織りマイクロベンド損失は、−40℃から70℃の範囲の温度の熱サイクル後に、1310nmで0.015db/km未満、1550nmで0.015db/km未満、および/または1625nmで0.015db/km未満である。別の実施の形態において、NRBU成分を有する被覆組成物から形成された硬化一次被覆、および直径約0.022インチ(約0.56mm)の硬化棒材として構成された場合、少なくとも1400MPaのヤング率を有する二次被覆を備えたファイバのバスケット織りマイクロベンド損失は、−40℃から70℃の範囲の温度の熱サイクル後に、1310nmで0.010db/km未満、1550nmで0.010db/km未満、および/または1625nmで0.010db/km未満である。さらに別の実施の形態において、NRBU成分を有する被覆組成物から形成された硬化一次被覆、および直径約0.022インチ(約0.56mm)の硬化棒材として構成された場合、少なくとも1400MPaのヤング率を有する二次被覆を備えたファイバのバスケット織りマイクロベンド損失は、−40℃から70℃の範囲の温度の熱サイクル後に、1310nmで0.005db/km未満、1550nmで0.005db/km未満、および/または1625nmで0.005db/km未満である。
1つの実施の形態において、NRBU成分を有する被覆組成物から形成された硬化一次被覆、および直径約0.022インチ(約0.56mm)の硬化棒材として構成された場合、少なくとも1400MPaのヤング率を有する二次被覆を備えたファイバのバスケット織りマイクロベンド損失は、−60℃からの温度の熱サイクル後に、1310nmで0.020db/km未満、1550nmで0.040db/km未満、および/または1625nmで0.060db/km未満である。別の実施の形態において、NRBU成分を有する被覆組成物から形成された硬化一次被覆、および直径約0.022インチ(約0.56mm)の硬化棒材として構成された場合、少なくとも1400MPaのヤング率を有する二次被覆を備えたファイバのバスケット織りマイクロベンド損失は、−60℃からの温度の熱サイクル後に、1310nmで0.015db/km未満、1550nmで0.030db/km未満、および/または1625nmで0.045db/km未満である。さらに別の実施の形態において、NRBU成分を有する被覆組成物から形成された硬化一次被覆、および直径約0.022インチ(約0.56mm)の硬化棒材として構成された場合、少なくとも1400MPaのヤング率を有する二次被覆を備えたファイバのバスケット織りマイクロベンド損失は、−60℃からの温度の熱サイクル後に、1310nmで0.010db/km未満、1550nmで0.020db/km未満、および/または1625nmで0.030db/km未満である。
この結果は、より一般に、NRBU成分との組合せで、ウレタンおよび尿素基を持たないまたは実質的に含まない放射線硬化性成分を含む組成物を硬化させることにより形成された一次被覆を備えたファイバが、NRBU成分を有さずに、放射線硬化性ウレタンまたは尿素成分を含む組成物から形成された一次被覆を備えたファイバに匹敵するかまたはそれより優れた、一次被覆その場ヤング率、一次被覆その場Tg、フイルムTg、ワイヤメッシュドラムのマイクロベンド損失、およびバスケット織りマイクロベンド損失を有することを示している。この結果は、被覆配合物の非反応性または非放射線硬化性成分に水素結合官能基を含ませることが、優れた性能属性を有する一次被覆を達成するのに十分であること、またその水素結合官能基が、性能を損なわずに被覆配合物の放射線硬化性成分に欠けているまたは最小になっているかもしれないことを実証している。
ここに記載された例示の実施の形態により包含される意図した精神および範囲から逸脱せずに、例示の実施の形態に様々な改変および変更を行えることが当業者に明白であろう。それゆえ、例示の実施の形態により包含される範囲は、付随する特許請求の範囲およびその同等物の範囲と一致する改変および変更の全てを含むことが意図されている。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
被覆光ファイバにおいて、
ガラスファイバ、および
前記ガラスファイバを取り囲む一次被覆であって、
第1の放射線硬化性成分と、
(チオ)ウレタン基および/または(チオ)尿素基を有する非放射線硬化性成分と、
を含む放射線硬化性組成物の硬化生成物を含み、1MPa未満のその場ヤング率を有する一次被覆、
を備えた被覆光ファイバ。
実施形態2
前記第1の放射線硬化性成分がウレタン基および尿素基を実質的に含まない、実施形態1に記載の被覆光ファイバ。
実施形態3
前記第1の放射線硬化性成分がウレタン基および尿素基を完全に含まない、実施形態1に記載の被覆光ファイバ。
実施形態4
前記第1の放射線硬化性成分が放射線硬化性架橋剤である、実施形態1から3いずれか1つに記載の被覆光ファイバ。
実施形態5
前記第1の放射線硬化性成分が放射線硬化性希釈剤である、実施形態1から3いずれか1つに記載の被覆光ファイバ。
実施形態6
前記放射線硬化性組成物が、放射線硬化性架橋剤を含む第2の放射線硬化性成分をさらに含む、実施形態5に記載の被覆光ファイバ。
実施形態7
前記放射線硬化性組成物が、前記放射線硬化性希釈剤を25〜50質量%、前記放射線硬化性架橋剤を4〜40質量%、前記非放射線硬化性成分を15〜35質量%含む、実施形態6に記載の被覆光ファイバ。
実施形態8
前記硬化生成物が網目構造を有し、該網目構造が、前記放射線硬化性架橋剤と前記放射線硬化性希釈剤との間の化学結合を含み、該網目構造が、前記非放射線硬化性成分と前記放射線硬化性架橋剤との間の化学結合を含まず、該網目構造が、前記非放射線硬化性成分と前記放射線硬化性希釈剤との間の化学結合をさらに含まない、実施形態6に記載の被覆光ファイバ。
実施形態9
前記非放射線硬化性成分が前記網目構造と物理的に絡んでいる、実施形態8に記載の被覆光ファイバ。
実施形態10
前記非放射線硬化性成分が分岐している、実施形態1から9いずれか1つに記載の被覆光ファイバ。
実施形態11
前記非放射線硬化性成分が、2つ以上のブロック部分に共有結合したコア部分を有し、該ブロック部分の各々が、前記(チオ)ウレタン基および/または(チオ)尿素基のいくつかを有する、実施形態1から3いずれか1つに記載の被覆光ファイバ。
実施形態12
前記ブロック部分が非放射線硬化性キャッピング剤で終端している、実施形態11に記載の被覆光ファイバ。
実施形態13
前記非放射線硬化性成分が、式(Ia)または(Ib)による構造を含む、実施形態1から6いずれか1つに記載の被覆光ファイバ:
Figure 2017517023
式中、
1は多官能性コア部分であり、該コア部分の官能基の数はpにより定義され、ここで、pは2以上であり、
各Xは、独立して、SまたはOであり;
1は、−O−、−S−、−N(H)−、または−N(アルキル)−であり;
1およびQ2の各々は、独立して、−O−、−S−、−N(H)−、または−N(アルキル)−であり;
2およびR4の各々は、ジ(チオ)イソシアネート反応体のコア部分であり;
3は、ポリオールまたはアミンキャップドポリオール反応体のコア部分であり;
5は、約28から約400の平均分子量を有する炭化水素または酸素含有炭化水素であり;
6は、式(II)または(III)
Figure 2017517023
にしたがう構造により表され、式中、
Xは上述のように定義され、Z2は、−O−、−S−、−N(H)−、または−N(アルキル)−であり、R7は、ジ(チオ)イソシアネート反応体のコア部分であり、R8は非放射線硬化性キャッピング剤であり、R9は、イソシアネートまたはチオイソシアネート反応体のコア部分であり;
lは1から6であり;
mは、0以上であり;
nは、1以上である。
実施形態14
前記非放射線硬化性成分の分子量が4000ダルトンと50000ダルトンの間である、実施形態1から6および13いずれか1つに記載の被覆光ファイバ。
実施形態15
前記硬化生成物が、厚さ約80μmのフイルムとして構成された場合、1.0MPa未満のヤング率を有する、実施形態1から6および13いずれか1つに記載の被覆光ファイバ。
実施形態16
前記硬化生成物が、厚さ約80μmのフイルムとして構成された場合、0.8MPa未満のヤング率を有する、実施形態1から6および13いずれか1つに記載の被覆光ファイバ。
実施形態17
前記硬化生成物が、厚さ約80μmのフイルムとして構成された場合、−10℃未満のTgを有する、実施形態1から6および13いずれか1つに記載の被覆光ファイバ。
実施形態18
前記硬化生成物が、厚さ約80μmのフイルムとして構成された場合、少なくとも0.3MPaの引張強度を有する、実施形態1から6および13いずれか1つに記載の被覆光ファイバ。
実施形態19
前記硬化生成物が、厚さ約80μmのフイルムとして構成された場合、少なくとも0.6MPaの引張強度を有する、実施形態1から6および13いずれか1つに記載の被覆光ファイバ。
実施形態20
前記一次被覆のその場ヤング率が0.6MPa未満である、実施形態1から6および13いずれか1つに記載の被覆光ファイバ。
実施形態21
前記一次被覆のその場Tgが−15℃未満である、実施形態1から6および13いずれか1つに記載の被覆光ファイバ。
実施形態22
前記一次被覆のその場Tgが−30℃未満である、実施形態1から6および13いずれか1つに記載の被覆光ファイバ。
実施形態23
前記一次被覆を取り囲む二次被覆をさらに備え、該二次被覆が、直径約0.022インチ(約0.56mm)の硬化棒材として構成された場合、少なくとも1400MPaのヤング率および少なくとも45MPaの平均引張強度を有する、実施形態1から6および13いずれか1つに記載の被覆光ファイバ。
実施形態24
前記ファイバのワイヤメッシュドラムのマイクロベンド損失が、1310nmの波長で0.025db/km未満、1550nmの波長で0.020db/km未満、または1625nmの波長で0.10db/km未満である、実施形態23に記載の被覆光ファイバ。
実施形態25
前記ファイバのワイヤメッシュドラムのマイクロベンド損失が、1310nmの波長で0.020db/km未満、1550nmの波長で0.015db/km未満、または1625nmの波長で0.050db/km未満である、実施形態23に記載の被覆光ファイバ。
実施形態26
前記ファイバのワイヤメッシュドラムのマイクロベンド損失が、1310nmの波長で0.015db/km未満、1550nmの波長で0.010db/km未満、または1625nmの波長で0.030db/km未満である、実施形態23に記載の被覆光ファイバ。
実施形態27
前記ファイバのバスケット織りマイクロベンド損失が、−40℃から70℃の温度範囲に亘る熱サイクル後に、1310nmの波長で0.015db/km未満、1550nmの波長で0.015db/km未満、または1625nmの波長で0.015db/km未満である、実施形態1から6、13および23いずれか1つに記載の被覆光ファイバ。
実施形態28
前記ファイバのバスケット織りマイクロベンド損失が、−40℃から70℃の温度範囲に亘る熱サイクル後に、1310nmの波長で0.010db/km未満、1550nmの波長で0.010db/km未満、または1625nmの波長で0.010db/km未満である、実施形態1から6、13および23いずれか1つに記載の被覆光ファイバ。
実施形態29
前記ファイバのバスケット織りマイクロベンド損失が、−40℃から70℃の温度範囲に亘る熱サイクル後に、1310nmの波長で0.005db/km未満、1550nmの波長で0.005db/km未満、または1625nmの波長で0.005db/km未満である、実施形態1から6、13および23いずれか1つに記載の被覆光ファイバ。
実施形態30
前記ファイバのバスケット織りマイクロベンド損失が、23℃から−60℃の熱サイクル後に、1310nmの波長で0.020db/km未満、1550nmの波長で0.040db/km未満、または1625nmの波長で0.060db/km未満である、実施形態1から6、13および23いずれか1つに記載の被覆光ファイバ。
実施形態31
前記ファイバのバスケット織りマイクロベンド損失が、23℃から−60℃の熱サイクル後に、1310nmの波長で0.015db/km未満、1550nmの波長で0.030db/km未満、または1625nmの波長で0.045db/km未満である、実施形態1から6、13および23いずれか1つに記載の被覆光ファイバ。
実施形態32
前記ファイバのバスケット織りマイクロベンド損失が、23℃から−60℃の熱サイクル後に、1310nmの波長で0.010db/km未満、1550nmの波長で0.020db/km未満、または1625nmの波長で0.030db/km未満である、実施形態1から6、13および23いずれか1つに記載の被覆光ファイバ。
実施形態33
光ファイバリボンまたは束であって、
実施形態1から6、13および23いずれか1つに記載の複数の被覆光ファイバ、および
前記複数の被覆光ファイバを被包するマトリクス、
を備えた光ファイバリボンまたは束。
20 被覆光ファイバ
21 ガラス光ファイバ
22 コア
23 クラッド
24 一次被覆
26 二次被覆
30 光ファイバリボン
32 マトリクス

Claims (10)

  1. 被覆光ファイバにおいて、
    ガラスファイバ、および
    前記ガラスファイバを取り囲む一次被覆であって、
    第1の放射線硬化性成分と、
    (チオ)ウレタン基および/または(チオ)尿素基を有する非放射線硬化性成分と、
    を含む放射線硬化性組成物の硬化生成物を含み、1MPa未満のその場ヤング率を有する一次被覆、
    を備えた被覆光ファイバ。
  2. 前記第1の放射線硬化性成分がウレタン基および尿素基を完全に含まない、請求項1記載の被覆光ファイバ。
  3. 前記第1の放射線硬化性成分が放射線硬化性希釈剤であり、前記放射線硬化性組成物が、放射線硬化性架橋剤を含む第2の放射線硬化性成分をさらに含む、請求項1記載の被覆光ファイバ。
  4. 前記放射線硬化性組成物が、前記放射線硬化性希釈剤を25〜50質量%、前記放射線硬化性架橋剤を4〜40質量%、前記非放射線硬化性成分を15〜35質量%含む、請求項3記載の被覆光ファイバ。
  5. 前記硬化生成物が網目構造を有し、該網目構造が、前記放射線硬化性架橋剤と前記放射線硬化性希釈剤との間の化学結合を含み、該網目構造が、前記非放射線硬化性成分と前記放射線硬化性架橋剤との間の化学結合を含まず、該網目構造が、前記非放射線硬化性成分と前記放射線硬化性希釈剤との間の化学結合をさらに含まない、請求項3または4記載の被覆光ファイバ。
  6. 前記非放射線硬化性成分が、式(Ia)または(Ib)による構造を含む、請求項1から5いずれか1項記載の被覆光ファイバ:
    Figure 2017517023
    式中、
    1は多官能性コア部分であり、該コア部分の官能基の数はpにより定義され、ここで、pは2以上であり、
    各Xは、独立して、SまたはOであり;
    1は、−O−、−S−、−N(H)−、または−N(アルキル)−であり;
    1およびQ2の各々は、独立して、−O−、−S−、−N(H)−、または−N(アルキル)−であり;
    2およびR4の各々は、ジ(チオ)イソシアネート反応体のコア部分であり;
    3は、ポリオールまたはアミンキャップドポリオール反応体のコア部分であり;
    5は、約28から約400の平均分子量を有する炭化水素または酸素含有炭化水素であり;
    6は、式(II)または(III)
    Figure 2017517023
    にしたがう構造により表され、式中、
    Xは上述のように定義され、Z2は、−O−、−S−、−N(H)−、または−N(アルキル)−であり、R7は、ジ(チオ)イソシアネート反応体のコア部分であり、R8は非放射線硬化性キャッピング剤であり、R9は、イソシアネートまたはチオイソシアネート反応体のコア部分であり;
    lは1から6であり;
    mは、0以上であり;
    nは、1以上である。
  7. 前記硬化生成物が、厚さ約80μmのフイルムとして構成された場合、少なくとも0.6MPaの引張強度を有する、請求項1から6いずれか1項記載の被覆光ファイバ。
  8. 前記一次被覆のその場Tgが−30℃未満である、請求項1から6いずれか1項記載の被覆光ファイバ。
  9. 前記一次被覆を取り囲む二次被覆をさらに備え、該二次被覆が、直径約0.022インチ(約0.56mm)の硬化棒材として構成された場合、少なくとも1400MPaのヤング率および少なくとも45MPaの平均引張強度を有する、請求項1から8いずれか1項記載の被覆光ファイバ。
  10. 前記ファイバのワイヤメッシュドラムのマイクロベンド損失が、1310nmの波長で0.015db/km未満、1550nmの波長で0.010db/km未満、または1625nmの波長で0.030db/km未満である、請求項9記載の被覆光ファイバ。
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