JP2017515731A - 車両ルーフ用カバーを有する機器 - Google Patents

車両ルーフ用カバーを有する機器 Download PDF

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Abstract

【課題】ルーフ開口を閉鎖するための閉鎖位置から始めて、開放のために後方領域で展開手段によって該カバーを持ち上げることができ、車両ルーフ上で後方へ向かって開放位置へと該カバーを変位可能な機器に関する。【解決手段】展開手段は、ドライブによって車両の長手方向でガイドレ?ルFSにおいて変位可能な摺動部材Sを有する。展開手段は連結要素KE1を有する展開ロッドASを有し、展開ロッドASは摺動部材Sによって車両の長手方向に変位可能であり、カバーDの閉鎖位置で、該展開ロッドは摺動部材Sと連結される。展開手段は更に、ガイドレ?ルFSに対して静止固定されるように構成され、形状的には展開ロッドASの連結要素KE1に適合するポケットTを有する。また、展開手段は別の連結要素KE3とロックスロットリンクKVとを有し、その一方が展開ロッドASに設けられ、他方が摺動部材Sに設けられる。【選択図】図7

Description

本発明は車両ルーフ用カバーを有する機器に関し、ルーフ開口を閉鎖するための閉鎖位置から開始して開放のために展開手段によって該カバーを後方領域で持ち上げることができ、車両ルーフ上で後方へ向かって開放位置へと該カバーを変位できる機器に関する。
このような車両ルーフ用カバーを有する機器は先行技術から多くの形態で知られている。通常、ルーフ開口の開放操作中に、車両の長手方向において摺動駆動部材が後方へ向かって変位する。ルーフ開口を最大限に開放するように、カバーを更に後方へ向かって開放位置へと変位する前にカバーを持ち上げる展開手段がカバーの側面領域に設けられる。
カバーを持ち上げたり展開したりするためには、後方領域において後方展開レバーによってカバーに連結される展開ロッドを、摺動駆動部材によって、車両の長手方向において後方へ向かって変位させる。その後、カバーを最大限に変位させた又は持ち上げた時に摺動部材を更に変位すると、展開ロッドがガイドレ?ルにロックされ、展開ロッドと後方展開レバーもそれぞれの位置でロックされる。
本発明の根拠となる目的は、展開ロッドを確実にロックすることができる車両ルーフ用カバーを有する機器を記載することである。
本発明に係る車両ルーフ用カバーを有する機器を記載する。ルーフ開口を閉鎖するための閉鎖位置から始めて開放のために展開手段によって該カバーを後方領域で持ち上げることができ、車両ルーフ上で後方へ向かって開放位置へと該カバーを変位できる。展開手段は、ドライブによってガイドレ?ルの車両の長手方向で変位可能な摺動部材を有する。展開手段は更に連結要素のある展開ロッドを有し、展開ロッドは摺動部材によって車両の長手方向に変位可能であり、カバーが閉鎖位置で、展開ロッドは摺動部材に連結される。更に展開手段が有するポケットは、ガイドレ?ルに対して静止固定されるように構成され、形状的には展開ロッドの連結要素に適合する。また、展開手段は別の連結要素とロックスロットリンクとを有し、その一方が展開ロッドに設けられ、他方が摺動部材に設けられる。カバー閉鎖位置から始めて車両の長手方向で後方へ向かって摺動部材を変位すると、分離面で展開ロッドを摺動部材から分離できる。更に摺動部材を変位すると、ガイドレ?ルに対し展開ロッドを嵌め合いによってロックすることができる。ロックのために別の連結要素とロックスロットリンクとが互いに係合され、展開ロッドの連結要素をポケット内に導入することが分離面の略法線方向で制御できるようになる。
カバーを車両ルーフ上で変位するとは、カバーを持ち上げた又は展開させた後に、カバーの後縁の領域でカバーを車両ルーフの外側に押し上げることを意味する。この機器はスポイラールーフ用であることが好ましい。「後方」や「前方」などの位置表示や方向表示は車両の長手方向を示す。車両の長手方向を水平方向又は数学的座標系のX方向と称することもある。カバーを展開する又は持ち上げることは、略縦方向又は数学的座標系のZ方向で行われる。カバーの後方領域は、例えばカバーの中心から車両の後方に対向する領域であると理解されるものとする。
「略法線方向」には分離面の法線方向から角度がややずれた方向も含まれる。
機器では、摺動部材によってカバーの閉鎖位置から始めて車両の長手方向で後方へ向かって展開ロッドを変位可能とし、後方展開レバーを展開する。摺動部材を更に変位すると、展開ロッドが分離面で摺動部材から分離される。言い換えると、展開ロッドを乗せるための連結が摺動部材によって車両の長手方向で後方へ向かって解放される。
分離面は、摺動部材と展開ロッドとの連結を解除する面として理解される。例えば、連結要素、カム、ボルト、その他摺動要素などの係合要素によって展開ロッドを摺動部材に連結し、車両の長手方向で後方へ向かって変位する際に摺動部材が展開ロッドを乗せるようにする。つまり、展開ロッドがX方向で摺動部材にロックされる。展開ロッドによって後方展開レバーを展開した後に、展開ロッドが摺動部材から分離し、係合要素が摺動部材から解除される。ここでは展開ロッドはもはやX方向で摺動部材にロックされていない。ここで解除が行われる分離面はX方向と、X方向に垂直な方向、例えばZ方向とによって規定される。例えば、係合要素は摺動部材のスロットリンクに案内され、分離するために分離面でスロットリンクから抜ける。
更に、分離後の展開ロッドがガイドレ?ルに対して静止固定でロックされるように展開手段を構成する。このために、摺動部材がロックスロットリンクを有し、展開ロッドが別の連結要素を有する。あるいは、展開ロッドがロックスロットリンクを有し、摺動部材が別の連結要素を有する。ロックスロットリンクと別の連結要素との相互作用によって、展開ロッドの連結要素が嵌め合いによって分離面に対する法線方向でポケット内に導入されるようにロックが制御される。例えば、法線方向とは、X−Z面に対して垂直な数学的座標系のY方向である。形状適合挿入によって、分離面と平行する全方向に展開ロッドが係止されるようになる。このように、展開ロッドと、これゆえに後方展開レバーとがそれぞれの位置で封鎖される。
記載した種類のロックによって、機器の機構をBL(最低負荷、ボトムロード)機構として用いてもよい。ここではカバーを下側からルーフ開口に設置できる。更に、スロットリンク、具体的にはロックスロットリンクによってロックが制御されるので、スイッチングノイズが最小となる。
更に、機器ではこのように構成要素や構成部品が非常に僅かなロック機構が可能になる。特に、精密な構成要素および/又はばね要素が必要とされない。また、ガイドレ?ルに取り込まなければならない隙間がなく、例えばこれによって材料費や製造費用が節約されることもある。更に、機器の組み立てが単純化され、時間もかからない。更なる利点としてロック機構の力伝達があり、唐突な負荷工程が削減又は回避される。最後に、更なる利点として、ロックスロットリンクの使用により機器の摩耗が非常に小さくなる。更に、展開ロッドはロックの際に曲げず変位するだけである。このため、展開ロッドASの摩耗が低く抑えられ、例えば屈曲疲労による展開ロッドASの疲労破損が回避される又は少なくとも低減される。
更に、展開ロッドと展開ロッドの連結要素とが堅固に相互接続される。例えば、連結要素と展開ロッドとが一体的に製造される。このため、展開ロッドをロックするため、公差チェーンは極短いものしか生成されない。公差チェーンとは、製造に関する成形公差および/又は位置決め公差を考慮した複数の機械部品の相互作用と理解される。動作において相互作用する構成要素が少ないほど、補償すべき公差も少なくなる。ばね要素等の更に別の要素があればより大きな公差チェーンが必要となり、確実なロックを保証するためには公差チェーン考慮して補償する必要がある。また、公差チェーンが小さいという理由によりガタガタ音やスイッチングノイズなどの外乱ノイズが回避される。
本発明の一設計態様によれば、分離面の法線方向のばね力がポケットの方向に作用するように展開ロッドがバイアスされる。特に組み立て前に展開ロッドがバイアスされ、例えばその縦軸に対し曲げる。このために、展開ロッドの輪郭はやや湾曲している。機器の組み立て時に、展開ロッドは略直線になるように元の曲げ状態とは正反対に曲がり、例えば、バイアスによるばね力が展開ロッドに作用するように組み立てられる。このばね力によって確実に別の連結要素がポケットの方向に促される。連結要素が嵌め合いによってポケットに位置すると、ばね力又はバイアスによって確実に連結要素がポケットから容易に飛び出ないようにする。このため、ロックされた状態の展開ロッドがとりわけ確実に連結要素によってポケット内に保持される。
本発明の別の設計態様によれば、車両の長手方向で後方へ向くロックスロットリンクの輪郭は、ロックスロットリンクとポケットとの間隔が法線方向において同じままである前部と、ロックスロットリンクとポケットとの間隔が法線方向において変化する中央部と、ロックスロットリンクとポケットとの間隔が法線方向において同じままである後部とを有する。中央部の間隔が車両の長手方向で後方へ向かって増加することが好ましい。ここで間隔の変化とは間隔の実質的な変化と理解され、とりわけ湾曲、傾斜および/又は段差形状の輪郭である。ここで間隔が同じままであるとは、間隔が全然変化しない、又は非常に僅かな程度、例えば車両の長手方向に対して小さな角度で変化することと理解される。
この種のロックスロットリンクの輪郭によって、摺動部材が変位すると別の連結要素によって展開ロッドが分離面に対する法線方向に変位され、展開ロッドの連結要素をポケット内に導入することが制御できるようになる。
別の設計態様によると、カバーの換気位置で別の連結要素を後部に位置し、ポケット内への導入した後にロックスロットリンクの前部に位置する。
本発明の別の設計態様によると、カバーの閉鎖位置で展開ロッドを、ガイドレ?ルに対して静止固定されたスロットリンクに連結要素を介して連結させる。展開ロッドの分離面における摺動部材からの分離は、静止固定されたスロットリンクによって制御可能である。
この静止固定されたスロットリンクの領域の法線方向にポケットを構成することが好ましい。このため、展開ロッドの1つ又は同一の連結要素によって分離とロックを行うことができる。このため、全体的な設置空間が節約されることもある。更に、材料費や製造費用を削減することができる。
本発明の別の設計態様によると、車両の長手方向と、車両の長手方向に垂直な縦方向とによって分離面が規定される。初めに説明したような方向の定義によると、この場合の法線方向は、記載の座標系X方向とZ方向それぞれに垂直なY方向と平行である。つまり、Z方向とX方向によって規定される分離面において展開ロッドが分離され、この分離面に対して垂直になるようにY方向で嵌め合いによってポケット内にロックされる。
更なる設計態様については、従属請求項と、添付図面を用いた下記の典型的な実施形態の詳細な説明で記載する。
全ての図において、同じ構成又は機能を有する要素又は特徴には同じ参照番号を与える。参照番号を使用して既に記載した要素又は特徴には、必ずしも全ての図に参照番号を設けるわけではない。
車両の概略斜視図。 車両の車両ルーフ用カバーを有する機器の概略側面図。 閉鎖位置の機器の一部を拡大した概略断面側面図。 閉鎖位置の機器の一部を拡大した概略断面側面図。 換気位置の機器の一部を拡大した第1の概略断面側面図。 換気位置の機器の一部を拡大した第1の概略断面側面図。 換気位置の機器の一部を拡大した概略断面側面図。 換気位置機器の一部を拡大した概略断面側面図。 換気位置の機器の前方領域の斜視図。 換気位置の機器の前方領域の斜視図。 下側から見た展開ロッドの斜視図。 展開ロッドの前方領域における換気位置の機器の斜視図。 展開ロッドの前方領域における換気位置の機器の斜視図。 展開ロッドの前方領域における換気位置の機器の斜視図。 展開ロッドをポケットにロックする前の機器の斜視図。 展開ロッドをポケットにロックした後の機器の斜視図。
図1は車両ルーフFDを備えた車両Fの概略斜視図である。車両ルーフFDは車両に固着された固着部分BAを有し、ルーフシェルとして構成される。車両に固定された固着部分BAには、調整可能で変位可能なルーフ要素DEによって選択的に閉鎖される、又は少なくとも部分的に解放可能なルーフ開口DOEが設けられる。
ルーフ開口DOEは、車両ルーフFDに構成されるルーフフレーム部分DRAによって仕切られる。ルーフフレーム部分DRAの両側にガイドレ?ルFSを有することが好ましい。
ルーフ要素DEはカバーDを有し、ガイドレ?ルFSに対して相対的に変位可能なように固着部分BAの範囲に搭載されている。ここで、ルーフ要素DEはカバーキャリアと機器AOとを介して変位可能にガイドレ?ルFSに搭載される。カバーDをガラスカバーとして構成することが好ましい。
ガイドレ?ルFSの領域に設けた機器AOによって、車両ルーフFDのルーフ開口DOEを閉鎖するカバーDを閉鎖位置から開放位置に変位させ、車両ルーフFDのルーフ開口DOEを解放できるようにする。このために機器AOは展開手段を有する。開放の際にはカバーDを後方領域で持ち上げ、車両ルーフFDの後部に押し上げる。このためには、車両ルーフFDの上側と面一となるようにカバーDが閉鎖位置で終わっているので、カバーDを持ち上げる必要がある。典型的な一連の動きとして、カバーDの後縁HKを最初に展開する。この中間位置を換気位置とも称する。開放運動を更に進める場合、カバーDを車両の長手方向で後方へ向かって開放位置へと変位する。
この典型的な一連の動きを、次の図2〜図13で更に詳しく説明される機器AOを用いて確立する。ここで、片側の機器AO1つのみを関連機構と共に各図2〜図13に描くが、部品は全て車両Fの中央縦断面に対し鏡像になるようにルーフ開口DOEの両側に配置される。機器AOを展開装置と称すこともできる。但し、カバーDに機械的・固定的に連結されるカバーキャリアDTを1つのみ図2〜図13に描いている。このようにカバーDを展開手段に直結し、展開手段を用いて変位可能とする。よって、カバーDの変位はカバーキャリアDTの変位と一致する。
XとZ、またはX、Y、Zの方向を示す座標系が図2〜図13それぞれに描かれている。座標系は数学座標系に対応する。ここでX方向を車両の長手方向、又は水平方向と称することもある。Z方向を縦方向と称することもある。
図2に機器AOの概略側面図を示す。機器AOの展開手段は、ドライブによってガイドレ?ルFSで車両の長手方向に変位可能な摺動部材Sを含む。展開手段は更に展開ロッドAS、静止固定されたベアリングL、後方展開レバーHHを含む。後方展開レバーHHは、カバーキャリアDTに変位可能に連結されるスライダGに枢結される。カバーDの閉鎖位置を図2に示す。
摺動部材SをカバーDの閉鎖位置から始めて変位する場合、展開ロッドASはまず機械的に摺動部材Sに連結されるので、展開ロッドASも同様に車両の長手方向と平行に後方へ向かって変位される。ここで、カバーキャリアDT又はカバーDがそれぞれ後縁HKの領域で展開される又は持ち上げられるように、後方展開レバーHHをベアリングLに枢着させる。この展開状態のカバーDを換気位置に位置する。摺動部材Sを更に後方へ向かって変位する場合、摺動部材Sを展開ロッドASから切り離す。つまり、展開ロッドASはもはやX方向において摺動部材Sにロックされていない。同時に、展開ロッドASの前縁領域がロック機構によって固着され、ガイドレ?ルFSに対して静止固定されるようになる。つまり、後方展開レバーHHを同様に保持して展開位置でブロックされるようにする。摺動部材Sを更に変位すると、摺動部材SがカバーキャリアDTを乗せてカバーキャリアDTを押すため、車両ルーフFD上でカバーDが開放位置へと押される。記載したとおりこれが可能であるのは、スライダGによって後方展開レバーHHがカバーキャリアGに変位可能に連結されるからである。
カバーDの前方領域における機器AOの展開手段について次の図3A〜図5Bで詳しく説明する。特に摺動部材Sから展開ロッドASを分離することについて説明する。これに関連して、分離とは摺動部材Sがもはや展開ロッドASをX方向で後方へ向かって乗せないことを意味する。別の典型的な実施形態では(不図示)、展開手段は異なる構成で展開ロッドASを摺動部材Sから分離させるようにする。特にレバーなどの他の要素を設けてもよい。分離さえ行われればそれでよい。
図3A〜図5Bは添え字「A」と「B」とで特定される一対の図に細分される。ここで一対の図、例えば3Aと3Bは記載の一連の動きのうち特定状態にある機器AOを示し、同時点の機器AOの部分的断面を2つの異なる側面図で概略的に示している。図3Aと図3BはカバーDが閉鎖位置の機器AOを示す。図4Aと図4Bは換気位置の機器AOを示す。図5Aと図5Bは更なる状態の機器AOを示し、カバーDはまだ換気位置にある。ここで一対の図に関する2つの部分的側面図はそれぞれ、図の像面に平行な2つの異なる面を貫通し、添え字「A」で特定される図の焦点は車両Fで静止固定されたスロットリンクKOが置かれ、添え字「B」で特定される図の焦点は摺動部材Sの摺動部材スロットリンクKSに置かれる。図3A〜図5Bの全てにおいて共通してカバーDの前縁VKの領域にある展開ロッドASの前端が描かれている(図1参照)。
前述のとおり、機器AOは摺動部材Sを有する。摺動部材Sは摺動部材スロットリンクKSを有する。機器AOは更に静止固定されたスロットリンクKOを有する。ここで、静止固定されたスロットリンクKOはガイドレ?ルFSに対し静止固定される。展開ロッドASは、展開ロッドASの両側に配置された第1連結要素KE1と第2連結要素KE2とを有する。2つの連結要素KE1とKE2は摺動要素として構成される。
カバーDの閉鎖位置で、展開ロッドASは第1連結要素KE1によって静止固定されたスロットリンクKOに案内される。静止固定されたスロットリンクKOは前部VA1と後部HA1とを有する。前部VA1の輪郭では、カバーDの閉鎖位置で、静止固定されたスロットリンクKOとカバーDとの間隔が実質変化しない。静止固定されたスロットリンクKOの後部HA1の輪郭では、カバーDと静止固定されたスロットリンクKOとの間隔が車両の長手方向で後方へ向かって増加する。
カバーDの閉鎖位置で、展開ロッドASは第2連結要素KE2によって摺動部材スロットリンクKSに案内される。摺動部材スロットリンクKSの輪郭では、カバーDの閉鎖位置で、カバーと摺動部材スロットリンクKSとの間隔が前部VA2で変化しない又は同じままである。摺動部材スロットリンクKSの後部HA2における摺動部材スロットリンクKSの輪郭では、カバーと摺動部材スロットリンクKSとの間隔が減少する。
ここで、カバーDとスロットリンクKS又はKOとの間隔は、例えば図3Bに示すようなスロットリンクKS又はKOの軌道BKとそれぞれ関連する。ここでは軌道BKは概略的なものであり、スロットリンクKS又はKOそれぞれの実際の長さや設計態様について限定的な見識を与えるに過ぎないものと理解される。
カバーDの閉鎖位置で、第1連結要素KE1は静止固定されたスロットリンクKOの前部VA1に位置する(図3A参照)。展開ロッドASの第2連結要素KE2は摺動部材スロットリンクKSの後部HA2に位置する(図3B参照)。このように展開ロッドASは、静止固定されたスロットリンクKOと第1連結要素KE1によってZ方向にロックされる又は案内される。一方、車両の長手方向又はX方向において、静止固定されたスロットリンクKOに対する展開ロッドASの運動が解放される。この反対の動きが摺動部材Sの摺動部材スロットリンクKSに当てはまり、展開ロッドASは第2連結要素KE2によってX方向にロックされる一方、Z運動は解放される。
摺動部材Sを車両の長手方向で後方へ向かって変位すると、該摺動部材Sが車両の長手方向で後方へ向かって展開ロッドASを乗せる。これは展開ロッドが摺動部材スロットリンクKSにおいて第2連結要素KE2によってX方向にロックされる一方、展開ロッドASが車両の長手方向と平行に動くことが静止固定されたスロットリンクKOによって解放されるからである。
摺動部材Sを更に後方へ向かって変位すると、機器AOが図4Aと図4Bに示す状態になる。静止固定されたスロットリンクKO又は摺動部材スロットリンクKSの後方領域又は後部HA1とHA2それぞれにおいて、輪郭がそれぞれ互いに相反することにより、2つの連結要素KE1とKE2との所謂移転が得られ、2つのスロットリンクKOとKSそれぞれのロック方向が入れ替わる。ここで、静止固定されたスロットリンクKOのZ方向への案内によって、第1連結要素KE1が静止固定されたスロットリンクKOの後部HA2へと案内される一方、第2連結要素KE2が摺動部材スロットリンクKSの後部HA2から摺動部材スロットリンクKSの前部VA2へと動かされる。カバーDはこのように少なくとも部分的に換気位置になる。
摺動部材Sを更に変位させると、図5Aと図5Bに示す状態が得られ、第1連結要素KE1は完全に静止固定されたスロットリンクKOの後部HA1に位置する。展開ロッドASはこのようにまず第1連結要素KE1によって静止固定されたスロットリンクKOにX方向でロックされる。同時にX方向の運動が摺動部材スロットリンクKSによって解放される。次に第2連結要素KE2を介して展開ロッドASがZ方向で摺動部材スロットリンクKSに案内される。次にカバーDは換気位置になる。
図3A〜図5Bで説明した一連の動きの場合、展開ロッドASが摺動部材Sから分離された。図4Bに例示として示すように、この分離は実質的に分離面AEで行われる。分離面AEはX方向とZ方向とで規定される。展開ロッドASの分離中に展開ロッドASが曲がる又は湾曲することはなく、分離面AEで変位するだけである。
摺動部材Sを図5Aと図5Bに示す状態から始めて更に車両の長手方向で後方へ向かって変位すると、展開ロッドASが摺動部材スロットリンクKSから外れる可能性がある。このため、展開ロッドASは摺動部材Sから分離するだけでなく、摺動部材スロットリンクKSによってZ方向にも案内されない。このため、場合によっては、例えば認められない外部事象によってカバーDが持ち上げられて展開ロッドASのX方向へのロックが解消される可能性がある。
X方向へのロックを確実に保証するために、図3A〜図5Bで説明したようなロックに加え、展開ロッドASを分離面に対する法線方向でロックする。これを図6〜図13で説明する。ここで、図3A〜図5Bで説明したように展開ロッドASを摺動部材Sから分離することは別の方法で、例えばレバーおよび/又はばね要素によって行ってもよいことを指摘しておく。以下に説明するロックでは、展開ロッドASが分離面AEで摺動部材Sから分離さえすればよい。
図6に示す機器AOの斜視図では、明瞭化のために展開ロッドASを省略した。ここに示すのは機器AOの前方領域である。摺動部材Sの摺動部材スロットリンクKSが更に見ることができる。カバーDは瞬間的に換気位置になる。また、特にY方向を含めて座標系を完全に見ることができる。
摺動部材スロットリンクKSとは別に、摺動部材Sは更に摺動部材Sの一部に構成されるロックスロットリンクKVを有する。後述するように、ロックスロットリンクKVは付加的に展開ロッドASをY方向にロックする。カバーDの閉鎖位置で、ロックスロットリンクKVの輪郭には少なくとも3つの部分がある。ここで、車両の長手方向で後ろ向きの輪郭は前部VA3、中央部MA3、後部HA3に分けられる。ここでロックスロットリンクKVの前部VA3は、ロックスロットリンクKVと分離面AEとの間隔が変化しないように、つまり略同一となるように構成される。言い換えると、Y方向の輪郭は変化しない。ロックスロットリンクKVの部分はロックスロットリンクKVの中央部MA3で変化する一方、該部分は後部HA3では同じままである。ロックスロットリンクKVの中央部MA3の間隔は、車両の長手方向で後ろ向きの該間隔は分離面AEに対する法線方向で正のY方向において増加する。
図6に加え図7に展開ロッドASを示す。ここで、展開ロッドASを静止固定されたスロットリンクKOに案内される第1連結要素KE1を見ることができる。更に、下側の展開ロッドASは更に連結要素KE3を有する。展開ロッドASをY方向にロックする別の連結要素KE3はロックスロットリンクKVに案内される。図7に示す機器状態において、展開ロッドASの別の連結要素KE3はロックスロットリンクKVと係合しない。ここで展開ロッドASはまだ摺動部材Sから分離しておらず、摺動部材SによってX方向に乗せられる。
別の連結要素KE3を再び明確に示す図8において、下側から見た展開ロッドASの斜視図を示す。
図7に示す状態から始めて摺動部材Sを変位すると、図3A〜図5Bで説明したように展開ロッドASが摺動部材Sから分離し、第2連結要素KE2が摺動部材スロットリンクKSの前部VA2に案内される。ここで、前述のとおり展開ロッドASは縦方向で下向きに促される。ここで展開ロッドASの別の連結要素KE3は、図9に見られるように、ロックスロットリンクKVに突進する。別の連結要素KE3はここからロックスロットリンクKVの後部HA3に位置する。
摺動部材Sを更に車両の長手方向で後方へ向かって変位すると、展開ロッドASの別の連結要素KE3はロックスロットリンクKVの前部VA3に案内される。この運動の間に展開ロッドASはY方向に変位される。これを図10と図11に示す。ここで、第1連結要素KE1によるXロックのため、静止固定されたスロットリンクKOにおける展開ロッドASはガイドレ?ルFSに対して位置固定される。このように、第1連結要素KE1がY方向に変位することはロックスロットリンクKVによって制御される。ここで、図12と13に示すように、第1連結要素KE1は、ガイドレ?ルFSに静止固定されたポケットTに突進する。ここでポケットTは形状的に第1連結要素KE1に適合する。言い換えると、第1連結要素KE1の外輪郭はポケットTの内輪郭に適合する。このようにポケットTは第1連結要素KE1のネガティブな型に対応する。
第1連結要素KE1をポケットT内に導入することで、展開ロッドASが分離面AEと平行する全方向でロックされる。特に、展開ロッドASがZ方向とX方向でロックされる。このように展開ロッドASをロック位置から容易に変位させることができる。
展開ロッドASを任意にバイアスさせてもよい。このために、展開ロッドASを車両の長手方向、つまり典型的な実施形態のXY面におけるX方向に対してやや曲げる。組み立て時に、図2〜図13に示すように、真っ直ぐに曲げるように展開ロッドASを組み立てて挿入する。このバイアスによって、ばね力が特にY方向に作用するように、展開ロッドASは元の曲げ形状に戻るように曲がろうとする。このようにばね力がポケットTの方向に作用する。これには、別の連結要素KE3がポケットTに導入されることに続き、別の連結要素KE3が展開ロッドASのバイアスによってばね力のためにポケットTで保持される、という利点がある。これによって特に展開ロッドASを確実に案内し、ロックすることが保証される。
摺動部材Sが再び車両の長手方向の反対方向に押し返されると、別の連結要素KE3はまずポケットTから案内され、図3A〜図5Bで説明した一連の動きが逆の順番で実行される。
典型的な実施形態の展開ロッドASは第1連結要素KE1によって静止固定されたスロットリンクKOに案内され、その後第1連結要素KE1によってポケットTにロックされる。あるいは、第1連結要素KE1の代わりにポケットTにロックされる別の連結要素を設けてもよい。典型的な実施形態の代わりに、別の分離面で展開ロッドASを摺動部材Sから分離してもよい。このような分離面は、例えばXY方向で定めることができる。ロックするためには、各連結要素がZ方向で、つまり分離面に対して正常にポケットに案内されるようにポケットを配置しなければならない。
明示的な形状で示した部品や要素を全て修正および/又は変更してもよく、ここで説明した機器AOの動作の基本的な機械的・運動学的原則を維持するものとする。
参照番号表
AO 機器
AE 分離面
AS 展開ロッド
BA 固着部分
BK 軌道
D カバー
DE カバー要素
DOE ルーフ開口
DRA ルーフフレーム部分
DT カバーキャリア
F 車両
FD 車両ルーフ
FS ガイドレ?ル
G スライダ
HA1、HA2、HA3 後部
HA 後方展開レバー
HK 後縁
KE1、KE2、KE3 連結要素
KO 静止固定されたスロットリンク
KS 摺動部材スロットリンク
KV ロックスロットリンク
L ベアリング
MA3 中央部
S 摺動部材
T ポケット
VA1、VA2、VA3 前部
VK 前縁

Claims (9)

  1. 車両ルーフ(FD)用カバー(D)を有する機器(AO)において、ルーフ開口(DOE)を閉鎖するための閉鎖位置から始めて、開放のために展開手段によって該カバーを後方領域で持ち上げることができる、及び、前記車両ルーフ(FD)上で後方へ向かって開放位置へと該カバーを変位できる機器であって、前記展開手段が
    ドライブによってガイドレ?ル(FS)において前記車両の長手方向に変位可能な摺動部材(S)と、
    連結要素(KE1)を有し、前記摺動部材(S)によって前記車両の前記長手方向に変位可能であり、前記カバー(D)の閉鎖位置で前記摺動部材(S)に連結される展開ロッド(AS)と、
    前記ガイドレール(FS)に対し静止固定されるように構成され、形状的には前記展開ロッド(AS)の前記連結要素(KE1)に適合するポケット(T)と、
    一方が前記展開ロッド(AS)に設けられ、他方が前記摺動部材(S)に設けられる別の連結要素(KE3)とロックスロットリンク(KV)とを有し、
    前記カバー(D)の閉鎖位置から始めて前記摺動部材(S)を前記車両の前記長手方向で後方へ向かって変位すると、前記展開ロッド(AS)は分離面(AE)で前記摺動部材(S)から分離可能があり、嵌め合いによって前記ガイドレ?ル(FS)に対しロックされ、ロックのために前記別の連結要素(KE3)と前記ロックスロットリンク(KV)とが互いに係合され、前記展開ロッド(AS)の前記連結要素(KE1)を前記ポケット(T)に挿入することが前記分離面(AE)の略法線方向で制御可能となる機器。
  2. 前記摺動部材(S)が前記ロックスロットリンク(KV)を有し、前記展開ロッド(AS)が前記別の連結要素(KE3)を有することを特徴とする、請求項1に記載の機器。
  3. 前記摺動部材(S)が前記別の連結要素(KE3)を有し、前記展開ロッド(AS)が前記ロックスロットリンク(KV)を有することを特徴とする、請求項1に記載の機器。
  4. 前記分離面(AE)の法線方向で前記ポケット(T)の方向にばね力が作用するように前記展開ロッド(AS)をバイアスすることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の機器。
  5. 前記車両の前記長手方向で後方へ向かって前記ロックスロットリンク(KV)の輪郭は、法線方向における前記ロックスロットリンク(KV)と前記ポケット(T)との間隔が同じままである前部(VA)と、法線方向における前記ロックスロットリンク(KV)と前記ポケット(T)との間隔が変化する中央部(MA)と、法線方向における前記ロックスロットリンク(KV)と前記ポケット(T)との間隔が同じままである後部(HA)とを有することを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の機器。
  6. 前記中央部(MA)における間隔が前記車両の前記長手方向で後方へ向かって増加することを特徴とする、請求項5に記載の機器。
  7. 前記カバー(D)の前記閉鎖位置で、前記展開ロッド(AS)が前記連結要素(KE1)によって前記摺動部材(S)に連結されることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の機器。
  8. 前記車両の前記長手方向と、該方向に直交する縦方向とによって前記分離面(AE)が規定されることを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の機器。
  9. 前記連結要素(KE1、KE2)を摺動要素として、特に回転摺動要素として構成することを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の機器。
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