JP2017515666A - 亜硝酸で後処理される複合ポリアミド膜 - Google Patents

亜硝酸で後処理される複合ポリアミド膜 Download PDF

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Abstract

多孔質支持体及び薄フィルムポリアミド層を含む複合ポリアミド膜を作製するための方法であって、本方法は、多官能性アミンモノマーを含む極性溶液及び多官能性ハロゲン化アシルモノマーを含む非極性溶液を多孔質支持体の表面に適用し、これらのモノマーを界面重合して、薄フィルムポリアミド層を形成することと、この薄フィルムポリアミド層を亜硝酸に曝露することと、を含み、本方法は、薄フィルムポリアミド層を式(a)によって表されるハロゲン化ベンゼン化合物で処理することを特徴とし、式中、Xはハロゲンから選択され、Yは水素、カルボン酸、スルホン酸から選択され、A、A’、A’’、及びA’’’は独立して、ハロゲン、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、エステル、アミノ、ケト−アミド、及びアルキル基から選択されるが、但し、A、A’、A’’、及びA’’’のうちの少なくとも1つがヒドロキシル、アミノ、ケト−アミドから選択され、A、A’、A’’、及びA’’’のうちの少なくとも1つに対してオルソまたはパラにある置換基が水素であるものとする。【化1】【選択図】なし

Description

本発明は、一般的に複合ポリアミド膜ならびにそれを作製及び使用するための方法を対象とする。
複合ポリアミド膜は、様々な流体分離において使用されている。1つの一般的な部類の膜は、「薄フィルム」ポリアミド層でコーティングされた多孔質支持体を含む。この薄フィルム層は、多官能性アミン(例えば、m−フェニレンジアミン)モノマーと多官能性ハロゲン化アシル(例えば、トリメソイルクロライド)モノマーとの間で界面重縮合反応し、これらが順に、非混和性溶液から支持体上にコーティングされることによって形成され得、例えば、Cadotteへの米国特許第4,277,344号を参照されたい。様々な構成物質が、コーティング溶液のうちの一方または両方に添加されて、膜性能を改善し得る。例えば、Cadotteへの米国特許第4,259,183号は、二官能性及び三官能性ハロゲン化アシルモノマー、例えば、イソフタロイルクロライドまたはテレフタロイルクロライドと、トリメソイルクロライドとの組み合わせの使用を記載する。米国特許第2013/0287944号、米国特許第2013/0287945号、米国特許第2013/0287946号、国際公開第2013/048765号、及び国際公開第2013/103666号は、Mickolsへの米国特許第6,878,278号に記載されるトリ−ヒドロカルビルホスフェート化合物と組み合わせた、カルボン酸及びアミン反応性官能基を含む様々なモノマーの添加を記載する。米国特許第2011/0049055号は、スルホニル、スルフィニル、スルフェニル、スルフリル、ホスホリル、ホスホニル、ホスフィニル、チオホスホリル、チオホスホニル、及びハロゲン化カルボニル由来の部分の添加を記載する。米国特許第2009/0272692号、米国特許2012/0261344号、及び米国特許8,177,978号は、様々な多官能性ハロゲン化アシル及びそれらに対応する部分的に加水分解した対応物の使用を記載する。Cadotteへの米国特許第4,812,270号及び同第4,888,116号(国際公開第2013/047398号、米国特許第2013/0256215号、米国特許第2013/0126419号、米国特許第2012/0305473号、米国特許第2012/0261332号、及び米国特許第2012/0248027号も参照されたい)は、リン酸または亜硝酸を用いる膜の後処理を記載する。膜性能を改善するモノマー、添加剤、及び後処理の新しい組み合わせの調査が継続されている。
本発明は、多孔質支持体及び薄フィルムポリアミド層を含む複合ポリアミド膜を作製するための方法を含む。本方法は、多官能性アミンモノマーを含む極性溶液及び多官能性ハロゲン化アシルモノマーを含む非極性溶液を多孔質支持体の表面に適用し、モノマーを界面重合して、薄フィルムポリアミド層を形成するステップと、薄フィルムポリアミド層を亜硝酸に曝露するステップと、を含む。方法は、薄フィルムポリアミド層を、以下の式によって表されるハロゲン化ベンゼン化合物で処理する(好ましくは亜硝酸への曝露の前に)ことを特徴とし、
Figure 2017515666
式中、Xはハロゲンから選択され、Yは水素、カルボン酸、スルホン酸、またはそれらの塩から選択され、A、A’、A’’、及びA’’’は独立して、ハロゲン、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、エステル、アミノ、ケト−アミド、及び1〜5個の炭素原子を有するアルキル基から選択されるが、但し、A、A’、A’’、及びA’’’のうちの少なくとも1つがヒドロキシル、アミノ、ケト−アミドから選択され、A、A’、A’’、及びA’’’のうちの少なくとも1つに対してオルソまたはパラにある置換基が水素であるものとする。かかる膜のための適用を含む多くの追加の実施形態が記載される。
本発明は、複合膜の特定の種類、構成もしくは形状、または用途に特に限定されない。例えば、本発明は、正浸透(FO)、逆浸透(RO)、ナノ濾過(NF)、限外濾過(UF)、ミクロ濾過(MF)、及び圧力遅延流体分離を含む様々な用途で有用な平板、管状、及び中空繊維ポリアミド膜に適用可能である。しかしながら、本発明は、RO及びNF分離用に設計された膜に特に有用である。RO複合膜は、事実上全ての溶解した塩に対して比較的不浸透性であり、典型的に、塩化ナトリウムなどの一価イオンを有する塩の約95%超を拒絶する。RO複合膜はまた、典型的に、約100ダルトンを超える分子量を有する無機分子ならびに有機分子の約95%超を拒絶する。NF複合膜は、RO複合膜よりも浸透性があり、典型的に、一価イオンを有する塩の約95%未満を拒絶する一方で、二価イオンを有する塩の、二価イオンの種に応じて、約50%超(及び多くの場合90%超)を拒絶する。NF複合膜はまた、典型的に、ナノメートル範囲における粒子ならびに約200〜500AMU(ダルトン)を超える分子量を有する有機分子を拒絶する。
複合ポリアミド膜の例は、FilmTec Corporation製のFT−30(商標)型膜、すなわち、不織補助ウェブの最下層(裏面)(例えば、PETスクリム)、約25〜125μmの典型的な厚さを有する多孔質支持体の中間層、及び典型的に約1ミクロン未満、例えば0.01μm〜0.1μmの厚さを有する、薄フィルムポリアミド層を含む最上層(表面)を含む、平板複合膜を含む。多孔質支持体は、典型的に、それらの上に形成される薄フィルムポリアミド層の上にかかる架橋を妨げるのに十分でない大きさだが、浸透物質の本質的に制限されない透過比率を許容するのに十分な大きさである孔径を有するポリマー材料である。例えば、支持体の孔径は、好ましくは、約0.001〜0.5μmの範囲である。多孔質支持体の非限定例としては、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリアクリロニトリル、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリビニリデンフルオライドなどの様々なハロゲン化ポリマーから作製されたものが挙げられる。RO及びNF用途では、多孔質支持体は、強度を提供するが、その比較的高い多孔度のため、流体流に対する抵抗性をほとんど提示しない。
その相対的な薄さのため、ポリアミド層は、多くの場合そのコーティング範囲または多孔質支持体上の充填、例えば、多孔質支持体の平方メートル表面積当たり約2〜5000mgのポリアミド、より好ましくは約50〜500mg/mに関して記載される。ポリアミド層は、好ましくは、米国特許第4,277,344号及び米国特許第6,878,278号に記載される通り、多孔質支持体の表面上の多官能性アミンモノマーと多官能性ハロゲン化アシルモノマーとの間の界面重縮合反応によって調製される。より具体的には、ポリアミド膜層は、多官能性アミンモノマーを、多官能性ハロゲン化アシルモノマーと(各用語は、単一種または複数種の使用に対する両方を指すことが意図される)、多孔質支持体の少なくとも1つの表面上で、界面重合することによって調製され得る。本明細書で使用される場合、用語「ポリアミド」は、アミド結合(−C(O)NH−)が分子鎖に沿って起こるポリマーを指す。多官能性アミンモノマー及び多官能性ハロゲン化アシルモノマーは、最も一般的には、溶液からのコーティングステップとして、多孔質支持体に適用され、多官能性アミンモノマーが、典型的に、水性または極性溶液及び有機系または非極性溶液からの多官能性ハロゲン化アシルからコーティングされる。コーティングステップは、特定の順序に従う必要はないが、多官能性アミンモノマーが、好ましくは、多孔質支持体上に最初にコーティングされ、その後、多官能性ハロゲン化アシルモノマーが続く。コーティングは、他のコーティング技法の中でも、噴霧、フィルムコーティング、ローリングによって、または浸漬タンクの使用によって達成され得る。過剰な溶液は、エアーナイフ、乾燥機、オーブンなどによって支持体から除去され得る。
多官能性アミンモノマーは、少なくとも2つの第一級アミン基を含み、芳香族(例えば、m−フェニレンジアミン(mPD)、p−フェニレンジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼン、1,3,4−トリアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸、2,4−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノアニソール、及びキシリレンジアミン)または脂肪族(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、シクロヘキサン−1,3−ジアミン、及びトリス(2−ジアミノエチル)アミン)であり得る。1つの特に好ましい多官能性アミンは、m−フェニレンジアミン(mPD)である。多官能性アミンモノマーは、極性溶液として多孔質支持体に適用され得る。極性溶液は、約0.1〜約10重量%、より好ましくは、約1〜約6重量%の多官能性アミンモノマーを含有し得る。実施形態の群において、極性溶液は、少なくとも2.5重量%(例えば、2.5〜6重量%)の多官能性アミンモノマーを含む。一旦多孔質支持体上にコーティングされると、過剰な溶液は随意に除去され得る。
多官能性ハロゲン化アシルモノマーは、少なくとも2つのハロゲン化アシル基を含み、好ましくは、カルボン酸官能基を含まず、非極性溶媒からコーティングされ得るが、多官能性ハロゲン化アシルは、代替的には、蒸気相(例えば、十分な蒸気圧を有する多官能性ハロゲン化アシルでは)から送達され得る。多官能性ハロゲン化アシルは、特に限定されず、芳香族または脂環式多官能性ハロゲン化アシルが、それらの組み合わせと共に使用され得る。芳香族多官能性ハロゲン化アシルの非限定例としては、トリメシン酸アシルクロライド、テレフタル酸アシルクロライド、イソフタル酸アシルクロライド、ビフェニルジカルボン酸アシルクロライド、及びナフタレンジカルボン酸ジクロライドが挙げられる。脂環式多官能性ハロゲン化アシルの非限定例としては、シクロプロパントリカルボン酸アシルクロライド、シクロブタンテトラカルボン酸アシルクロライド、シクロペンタントリカルボン酸アシルクロライド、シクロペンタンテトラカルボン酸アシルクロライド、シクロヘキサントリカルボン酸アシルクロライド、テトラヒドロフランテトラカルボン酸アシルクロライド、シクロペンタンジカルボン酸アシルクロライド、シクロブタンジカルボン酸アシルクロライド、シクロヘキサンジカルボン酸アシルクロライド、及びテトラヒドロフランジカルボン酸アシルクロライドが挙げられる。1つの好ましい多官能性ハロゲン化アシルは、トリメソイルクロライド(TMC)である。多官能性ハロゲン化アシルは、約0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜3%重量%の範囲で、非極性溶媒に溶解され得、連続的コーティング作業の一部として送達され得る。多官能性アミンモノマー濃度が3重量%未満である実施形態の群において、多官能性ハロゲン化アシルは、0.3重量%未満である。
好適な非極性溶媒は、多官能性ハロゲン化アシルを溶解することができ、水と非混和性であるもの、例えば、パラフィン(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ドデカン)、イソパラフィン(例えば、ISOPAR(商標)L)、芳香族(例えば、Solvesso(商標)芳香族流体、Varsol(商標)非脱芳香族流体、ベンゼン、アルキル化ベンゼン(例えば、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼンアイソマー、ジエチルベンゼン))、及びハロゲン化炭化水素(例えば、FREON(商標)シリーズ、クロロベンゼン、ジ及びトリクロロベンゼン)、またはそれらの混合物である。好ましい溶媒は、オゾン層への脅威はほとんどもたらさず、特別な注意をすることなく、通例の処理を経験するために、引火点及び可燃性の点において十分に安全であるものを含む。好ましい溶媒は、Exxon Chemical Companyから入手可能なISOPAR(商標)である。非極性溶液は、共溶媒、相間移動剤、可溶化剤、錯化剤、及び掃酸剤を含む追加の構成物質を含み得、個々の添加剤が、多機能の働きをし得る。代表的な共溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン−ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロヘキサノン、エチルアセテート、ブチルカルビトール(商標)アセテート、メチルラウレート、及びアセトンを含む。代表的な掃酸剤としては、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)が挙げられる。非極性溶液はまた、少量の水または他の極性添加剤を含むが、好ましくは、非極性溶液におけるそれらの溶解限度を下回る濃度で含む。
極性及び非極性溶液のうちの一方または両方が、式Iによって表されるトリ−ヒドロカルビルホスフェート化合物を好ましくは含み、
式(I):
Figure 2017515666
式中、「P」はリンであり、「O」は酸素であり、R、R、及びRは、独立して、水素、及び1〜10個の炭素原子を含むヒドロカルビル基から選択されるが、但し、R、R、及びRのうちの1つよりも多くが水素になることはないものとする。R、R、及びRは、好ましくは独立して、脂肪族基及び芳香族基から選択される。適用可能な脂肪族基は、分枝状及び非分枝状種の両方、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチルを含む。適用可能な環状基は、シクロペンチル及びシクロヘキシルを含む。適用可能な芳香族基は、フェニル及びナフチル基を含む。環状基及び芳香族基は、脂肪族連結基、例えばメチル、エチルなどとしてリン原子に結合され得る。前述の脂肪族基及び芳香族基は、非置換であり得るか、または置換され得るが(例えば、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシル、アミド、エーテル、スルホン、カルボニル、エステル、シアン化物、ニトリル、イソシアネート、ウレタン、β−ヒドロキシエステルなどで置換される)、しかしながら、3〜10個の炭素原子を有する非置換アルキル基が好ましい。トリ−ヒドロカルビルホスフェート化合物の特定の例としては、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリフェニルホスフェート、プロピルビフェニルホスフェート、ジブチルフェニルホスフェート、ブチルジエチルホスフェート、ジブチル水素ホスフェート、ブチルヘプチル水素ホスフェート、及びブチルヘプチルヘキシルホスフェートが挙げられる。選択される特定の化合物は、それが適用される溶液に少なくとも部分的に溶解できるべきである。追加の例は、米国特許第6,878,278号、同第6,723,241号、同第6,562,266号、及び同第6,337,018号に記載されるような化合物である。
好ましい実施形態の部類において、非極性溶液は、0.001〜10重量%、より好ましくは0.01〜1重量%のトリ−ヒドロカルビルホスフェート化合物を好ましくは含み得る。別の実施形態において、非極性溶液は、多官能性ハロゲン化アシルモノマーを伴う1:5〜5:1、より好ましくは1:1〜3:1のモル(化学量論)比における、トリ−ヒドロカルビルホスフェート化合物を含む。
好ましい実施形態の下位群において、非極性溶液は、少なくとも1つのカルボン酸官能基またはそれらの塩で置換されるC2−20炭化水素部分と、ハロゲン化アシル、ハロゲン化スルホニル、及び無水物から選択される少なくとも1つのアミン反応性官能基とを含む酸含有モノマーを追加で含み得、酸含有モノマーは多官能性ハロゲン化アシルモノマーとは異なる。実施形態の群において、酸含有モノマーはアレーン部分を含む。非限定的な例としては、2個または3個のハロゲン化アシル基を含む前述の多官能性ハロゲン化アシルモノマーのモノ及びジ加水分解対応物、及び少なくとも4つのアミン反応性部分を含む多官能性ハロゲン化モノマーのモノ、ジ、及びトリ加水分解対応物が挙げられる。好ましい種類としては、3,5−ビス(クロロカルボニル)安息香酸(すなわちモノ加水分解トリメソイルクロライドまたは「mhTMC」)が挙げられる。モノマーの追加の例は、米国特許第2013/0287944号及び同第2013/0287946号(アミン反応性基(「Z」)が、ハロゲン化アシル、ハロゲン化スルホニル、及び無水物から選択される、式IIIを参照されたい)に記載される。アレーン部分及び単一アミン反応性基を含む特定の種類としては、3−カルボキシルベンゾイルクロライド、4−カルボキシルベンゾイルクロライド、4−カルボキシ無水フタル酸、5−カルボキシ無水フタル酸、3,5−ビス(クロロカルボニル)−4−メチル安息香酸、3,5−ビス(クロロカルボニル)−4−フルオロ安息香酸、及び3,5−ビス(クロロカルボニル)−4−ヒドロキシ安息香酸、及びそれらの塩が挙げられる。追加の例が式IIによって表される。
式(II):
Figure 2017515666
式中、Aは、酸素(例えば−O−)、アミノ(−N(R)−)(式中、Rは、1〜6個の炭素原子を有する炭化水素基、例えばアリール、シクロアルキル、置換もしくは未置換のアルキル、しかし好ましくはハロゲン及びカルボキシル基等の置換基を有するかまたは有さない、1〜3個の炭素原子を有するアルキル)から選択される)、アミド(−C(O)N(R))−(式中、Rは前もって定義されており、芳香環に連結した炭素もしくは窒素のいずれかを有する)、カルボニル(−C(O)−)、スルホニル(−SO−)から選択されるか、または存在せず(例えば式IIIで表されるように)、nは1〜6の整数、または基全体がアリール基であり、Zはハロゲン化アシル、ハロゲン化スルホニル、及び無水物(好ましくはハロゲン化アシル)から選択されるアミン反応性官能基であり、Z’は水素及びカルボン酸と一緒にZで表される官能基から選択される。Z及びZ’は、独立して、環上の置換基Aに対してメタまたはオルソに位置づけられ得る。実施形態の群において、nは1または2である。更に別の実施形態の群において、Z及びZ’の両方は同一(例えば両方ハロゲン化アシル基)である。別の実施形態の群において、Aはアルキル及び1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される。非限定的な、代表的な種類は、2−(3,5−ビス(クロロカルボニル)フェノキシ)酢酸、3−(3,5−ビス(クロロカルボニル)フェニル)プロパン酸、2−((1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−イル)オキシ)酢酸、3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−イル)プロパン酸、2−(3−(クロロカルボニル)フェノキシ)酢酸、3−(3−(クロロカルボニル)フェニル)プロパン酸、3−((3,5ビス(クロロカルボニル)フェニル)スルホニル)プロパン酸、3−((3−(クロロカルボニル)フェニル)スルホニル)プロパン酸、3−((1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−イル)スルホニル)プロパン酸、3−((1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−イル)アミノ)プロパン酸、3−((1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−イル)(エチル)アミノ)プロパン酸、3−((3,5−ビス(クロロカルボニル)フェニル)アミノ)プロパン酸、3−((3,5−ビス(クロロカルボニル)フェニル)(エチル)アミノ)プロパン酸、4−(4−(クロロカルボニル)フェニル)−4−オキソブタン酸、4−(3,5−ビス(クロロカルボニル)フェニル)−4−オキソブタン酸、4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−イル)−4−オキソブタン酸、2−(3,5−ビス(クロロカルボニル)フェニル)酢酸、2−(2,4−ビス(クロロカルボニル)フェノキシ)酢酸、4−((3,5−ビス(クロロカルボニル)フェニル)アミノ)−4−オキソブタン酸、2−((3,5−ビス(クロロカルボニル)フェニル)アミノ)酢酸、2−(N−(3,5−ビス(クロロカルボニル)フェニル)アセタミド)酢酸、2,2’−((3,5−ビス(クロロカルボニル)フェニルアザネジイル(phenylazanediyl))ジ酢酸、N−[(1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフラニル)カルボニル]−グリシン、4−[[(1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフラニル)カルボニル]アミノ]−安息香酸、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−4−イソベンゾフランプロパン酸、5−[[(1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフラニル)カルボニル]アミノ]−1,3−ベンゼンジカルボン酸、及び3−[(1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフラニル)スルホニル]−安息香酸を含む。
別の実施形態が式IIIによって表される。
式(III):
Figure 2017515666
式中、カルボン酸基はフェニル環上のメタ、パラまたはオルソに位置し得る。
炭化水素部分が脂肪族基である代表的な例が式IVによって表される。
式(IV):
Figure 2017515666
式中、Xはハロゲン(好ましくは塩素)及びnは1〜20、好ましくは2〜10の整数である。代表的な種類としては、4−(クロロカルボニル)ブタン酸、5−(クロロカルボニル)ペンタン酸、6−(クロロカルボニル)ヘキサン酸、7−(クロロカルボニル)ヘプタン酸、8−(クロロカルボニル)オクタン酸、9−(クロロカルボニル)ノナン酸、10−(クロロカルボニル)デカン酸、11−クロロ−11−オキソウンデカン酸(oxoundecanoic acid)、12−クロロ−12−オキソドデカン酸、3−(クロロカルボニル)シクロブタンカルボン酸、3−(クロロカルボニル)シクロペンタンカルボン酸、2,4−ビス(クロロカルボニル)シクロペンタンカルボン酸、3,5−ビス(クロロカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸、及び4−(クロロカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸が挙げられる。ハロゲン化アシル及びカルボン酸基が末端位置で示される間、その一方または両方が脂肪族鎖に沿った代替位置に配置され得る。式(IV)で示されないが、酸含有モノマーは追加のカルボン酸及びハロゲン化アシル基を含み得る。
酸含有モノマーの代表的な例としては、少なくとも1つの無水物基及び少なくとも1つのカルボン酸基が挙げられ、3,5−ビス(((ブトキシカルボニル)オキシ)カルボニル)安息香酸、1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボン酸、3−(((ブトキシカルボニル)オキシ)カルボニル)安息香酸、ならびに4−(((ブトキシカルボニル)オキシ)カルボニル)安息香酸を含む。
酸含有モノマーの上側の濃度範囲は非極性溶液中でのその溶解性によって限定され得、かつトリ−ヒドロカルビルホスフェート化合物の濃度に左右され、すなわち、トリ−ヒドロカルビルホスフェート化合物は非極性溶媒中の酸含有モノマーのための可溶化剤として機能すると考えられている。多くの実施形態において、上限濃度は1重量%未満である。実施形態の群において、酸含有モノマーが溶液中に溶解できるままで残る一方で、酸含有モノマーが少なくとも0.01量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.1重量%、または0.13重量%の濃度で非極性溶液中に提供される。別の実施形態の群において、非極性溶液は酸含有モノマーの0.01〜1重量%、0.02〜1重量%、0.04〜1重量%、または0.05〜1重量%を含む。多官能性アミンとハロゲン化アシルモノマーとの間の界面重合の間の、酸含有モノマーの包含は改善された性能を有する膜をもたらす。ならびに、薄フィルムポリアミド層の表面上で発生し得る加水分解後の反応とは異なり、界面重合の間の酸含有モノマーの包含は、薄フィルム層全体を通して有利に修正されるポリマー構造をもたらすと考えられている。
好ましい実施形態において、薄フィルムポリアミド層は、少なくとも0.18、0.20、0.22、0.3、0.4の解離したカルボン酸含有量を有すること、及びいくつかの実施形態においてラザフォード後方散乱(RBS)計測技法によって計測される、pH9.5で少なくとも0.45モル/kgのポリアミドを有することを特徴とする。より具体的には、サンプル膜(1インチ×6インチ)を脱イオン水(800mL)中で30分間煮沸し、次いでメタノールと水との50/50(w/w)溶液(800mL)中に置き、一晩浸漬した。次に、これらの膜の1インチ×1インチの大きさのサンプルを、20mL1×10−4M AgNO溶液に、pHを9.5に調節して30分間浸漬した。銀イオンを含有する容器をテープで巻き、露光を限定した。銀イオン溶液で浸漬した後、2つの清潔な20mLの一定分量の乾燥メタノールに、各々5分間、膜を浸漬することによって、未結合の銀を除去した。最後に、膜を最短で30分間、窒素雰囲気下で乾燥させた。膜サンプルを熱伝導性及び導電性の両面テープ上に据え付け、それを順番に吸熱源として作用するシリコンウェハに据え付けた。テープは、好ましくは、Chromerics製のThermattach T410または3M製の銅テープである。RBS測定値は、Van de Graff加速器(High Voltage Engineering Corp.、Burlington、MA)、3mmの直径を有する2MeVのHe室温ビーム、22.5°の入射角、52.5°の出口角、150°の散乱角で、40ナノアンプ(nAmps)のビーム電流を用いて取得することができる。膜サンプルを、計測の間継続的に移動する可動サンプル台上に据え付けた。この移動により、イオンフルエンスを3×1014He/cm未満にとどめることが可能になる。RBSから取得したスペクトルの分析は、市販されているシミュレーションプログラム、SIMNRA(登録商標)を使用して実行した。RO/NF膜のRBS分析から元素組成を得るためのプログラムの使用の説明は、Coronell,et.al.J.of Membrane Sci.2006,282,71−81、及びEnvironmental Science & Technology 2008,42(14),5260−5266に記載されている。データは、薄いポリアミド層の下に厚いポリスルホン層がある二層システムに適合するようにSIMNRA(登録商標)シミュレーションプログラムを使用して取得することができ、三層システム(ポリスルホン、ポリアミド、及び表面コーティング)に適合することは同じアプローチを使用できる。2つの層の原子画分組成物(ポリアミド層及び最終TFCポリアミド層の表面に添加する前のポリスルホン)を、XPSによって最初に計測し、適合値への範囲を提供する。XPSが水素を計測できないので、ポリスルホンには0.667及びポリアミドには0.60〜0.67の範囲の、ポリマーの提案された分子式からのH/C比を使用した。ポリアミドは少量の銀のみを導入する硝酸銀で滴定されるが、銀の散乱断面積は他の原子番号の小さい元素(C、H、N、O、S)よりも実質的に高く、ピークの大きさは、大幅に低い濃度で存在しているにもかかわらず他と比べて不釣合に大きく、したがって良好な感度を提供する。銀の濃度は、ポリアミド層(層2、XPSを使用して予め決定された範囲)のための非常に限られた組成を維持する一方で、SIMNRA(登録商標)の2層モデリングアプローチを使用して、ポリスルホンの組成物を固定し、銀ピークを適合することによって決定される。シミュレーションから、ポリアミド層内の元素(炭素、水素、窒素、酸素、及び銀)のモル濃度が決定される。銀濃度は、試験条件のpHで銀に結合できるカルボン酸のモル濃度を直接反映する。膜の単位面積毎のカルボン酸基のモルは、膜を通過する種類によって見られる相互作用の数を指し、したがってより大きい数は塩透過比率に都合良く影響を与えるであろう。この値は、計測されたカルボン酸含有量を、計測された厚さ及びポリアミドの密度と乗算することによって算出され得る。
薄フィルムポリアミド膜のための膜の単位面積毎の、pH9.5で解離したカルボン酸の数を決定するための好ましい方法は、以下の通りである。膜サンプルを脱イオン水中で30分間煮沸し、次いでメタノールの50重量%水溶液中に置き、一晩浸漬した。次に膜サンプルを、NaOHで9.5に調節されたpHを有する1×10−4M AgNO溶液に30分間浸した。銀イオン溶液に浸漬した後、膜を乾燥メタノールに30分間、2回浸漬することによって未結合の銀を除去した。単位面積毎の銀の量は、Weiによって記載されるように、好ましくは灰化によって決定され、ICPによる計測のために再溶解する。好ましくは、pH9.5で解離したカルボン酸の、膜の平方メートル毎の数は、6×10−5、8×10−5、1×10−4、1.2×10−4、1.5×10−4、2×10−4、または3×10−4モル/mよりも大きい。
別の好ましい実施形態において、650℃での薄フィルムポリアミド層の熱分解は、2.8未満及びより好ましくは2.6未満の212m/z及び237m/zで生成された断片のための水素炎イオン化検出器からの反応の比率をもたらす。212及び237m/zで生成された断片は、式V及びVIによってそれぞれ表される。
Figure 2017515666
この断片の比率は、改善した流束、塩透過比率または統合性(特に、比較的高いカルボン酸含有量、例えば少なくとも0.18、0.20、0.22、0.3の解離したカルボン酸含有量、いくつかの実施形態においては少なくともpH9.5で0.4モル/kgのポリアミドを有する膜の)を提供するポリマー構造を指すと考えられている。研究は、ダイマー断片237m/zが500℃を超える温度の熱分解で優位に形成されるが、ダイマー断片212m/zは500℃未満の温度の熱分解の間に優位に形成されることを示す。これは、ダイマー断片212は単結合解裂のみが優勢である末端基に由来し、ダイマー断片237は実質的に複数の結合解裂及び低減が発生するバルク材料に由来することを示す。したがって、ダイマー断片212と237との比率は相対的変換の基準として使用することができる。
好ましい熱分解方法論は、質量スペクトル検出と共にガスクロマトグラフィー質量分析法、例えばLECO飛行時間型(TruTOF)質量分析計を使用した検出と共にAgilent製の7890 GC上に据え付けられたFrontier Lab製の2020iD熱分解装置を使用して行われる。ピーク面積の検出を、水素炎イオン化検出器(FID)を使用して行った。熱分解を、ポリアミドサンプルカップを650℃に設定された熱分解オーブン内に6秒、単発モードで滴下することによって行った。分離を、1um、5%のフェニルメチルシリコーン内相を有する30M×0.25mmのVarian製の内径カラム(FactorFour VF−5MS CP8946)を使用して行った。構成要素識別を、断片ピークの相対的保持時間を、LECO飛行時間型質量分析計で行われる同じ分析のものと釣り合わせることによって(または随意に質量スペクトルをNISTデータベースもしくは文献からの参照と釣り合わせることによって)行った。膜サンプルを、0.001mgまでの計測が可能であるMettler製のE20微量天秤を使用して、Frontier Lab製のシリカでライニングされたステンレス鋼製カップ内で秤にかけた。サンプル重量目標は200ug+/−50ugであった。ガスクロマトグラフ条件は以下の通りである:30M×0.25mm、1μm、5%のジメチルポリシロキサン相(Varian製のFactorFour VF−5MS CP8946)を有するAgilent製の6890 GC(SN:CN10605069)、注入ポート320℃、検出器ポート:320℃、50:1の分割注入装置流量比、毎分6℃で40℃〜100℃、30℃/分で100℃〜320℃、320℃で8分のGCオーブン条件、5.0psiの背圧を提供する0.6mL/分の一定流量を有するヘリウム担体ガス。LECO製のTruTOF質量分析計パラメータは以下の通りである:電子衝撃イオン化源(陽性EIモード)、毎秒20スキャンのスキャン速度、14〜400m/zのスキャン範囲、3200(400Vを超えて同調する電圧)の検出器電圧、1分のMS獲得遅延、70Vの発光電圧。断片212m/z及び断片237m/zのピーク面積を、サンプル重量に対して正規化する。正規化したピーク面積を断片212m/zと237m/zとの比率を決定するために使用する。更に、断片212m/zの正規化したピーク面積を、ポリアミドに対する断片212m/zの画分を提供する全ての他の断片のための正規化したピーク面積の合計で除算し、100で乗算することによって一般的にパーセント組成物として言及される。この値は、好ましくは12%未満である。
更に別の好ましい実施形態において、薄フィルム層は4.3、4.2、4.1、4、3.8、3.6、またはいくつかの実施形態においては3.5以下の等電点(IEP)を有する。この等電点は、Desal Nano HS器具を使用する電気泳動光散乱(ELS)によって、石英セルを有する標準的なゼータ電位技法を使用して決定することができる。例えば、膜サンプル(2インチ×1インチ)を、最初に20分間、脱イオン水中で煮沸し、次いで室温の脱イオン水で良くすすぎ、室温で新しい脱イオン溶液中に一晩貯蔵した。次いで、このサンプルを2008年の「User’s Manual for the Delsa(商標) Nano Submicron Particle Size and Zeta Potential」及びBeckmann Coulterによって提供される同じ器具のための「Pre−Course Reading」への参照の通りに充填した。pH滴定をpH10〜pH2の範囲に渡って完了し、ゼータ電位が0になるpHで等電点を決定した。
一旦互いに接触させると、多官能性ハロゲン化アシルモノマー及び多官能性アミンモノマーはそれらの表面接点で反応して、ポリアミド層またはフィルムを形成する。この層は、多くの場合ポリアミド「判別層」または「薄フィルム層」と見なされ、溶質(例えば、塩)を溶媒(例えば、水性供給物)から分離するためのその主要な手段で、複合膜を提供する。多官能性ハロゲン化アシルモノマー及び多官能性アミンモノマーの反応時間は1秒未満であり得るが、接触時間は典型的には約1〜60秒の範囲である。過剰な溶媒の除去は、膜を水で洗浄し、次いで、高温、例えば約40℃〜約120℃で乾燥させることによって達成され得るが、周囲温度での空気乾燥が使用され得る。しかしながら本発明の目的のため、膜は好ましくは乾燥が許されず、単に水で洗浄され(例えば浸漬され)、随意に湿った状態で貯蔵される。
ポリアミド層は、その後ハロゲン化ベンゼン化合物で処理される。処理は続く薄フィルムポリアミド層を亜硝酸に曝露する前述のステップの前、間、または直後(例えば数分以内)に実行され得る。好ましい実施形態において、薄フィルムポリアミド層は、薄フィルムポリアミド層を亜硝酸に曝露するステップの前に、ハロゲン化ベンゼン化合物で処理される。対象となるハロゲン化ベンゼン化合物が式VIIによって表される。
式(VII):
Figure 2017515666
式中、
Xはハロゲン(−F、−Cl、−Br、−I、好ましくは−Brまたは−I)から選択され、
Yは水素(−H)、カルボン酸(−COOH)、スルホン酸(−SOH)、またはそれらの塩から選択され、
A、A’、A’’、及びA’’’は独立して、ハロゲン、水素、ヒドロキシル(−OH)、アルコキシ(好ましくは1〜5個の炭素原子を有するアルキル、例えばメトキシ−OCH)、エステル(例えば−O−CO−CH)、アミノ(例えば−NRR’、式中、R及びR’は、水素、または好ましくは1〜5個の炭素原子を有するアルキル基である)、ケト−アミド(例えば−NH−CO−CH−CO−CH)、及び1〜5個の炭素原子を有するアルキル基から選択されるが、但し、A、A’、A’’及びA’’’のうちの少なくとも1つがヒドロキシル、アミノ、及びケト−アミドから選択され、A、A’、A’’及びA’’’のうちの少なくとも1つに対してオルソまたはパラにある置換基が水素であるものとする。好ましい実施形態の下位群において、Yは水素またはカルボン酸から選択され、A、A’、A’’、及びA’’’は独立して、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、及びアミノから選択される。以下のハロゲン化ベンゼン化合物が代表的な種類である:2−ヨードアニリン、2−ブロンモアニリン、2−クロロアニリン、2−フルオロアニリン、3−ヨードアニリン、3−ブロンモアニリン、3−クロロアニリン、3−フルオロアニリン、4−ヨードアニリン、4−ブロンモアニリン、4−クロロアニリン、4−フルオロアニリン、2−ヨードフェノール、2−ブロモフェノール、2−クロロフェノール、2−フルオロフェノール、3−ヨードフェノール、3−ブロモフェノール、3−クロロフェノール、3−フルオロフェノール、4−ヨードフェノール、4−ブロモフェノール、4−クロロフェノール、4−フルオロフェノール、5−ヨードベンゼン−1,3−ジアミン、5−ブロモベンゼン−1,3−ジアミン、5−クロロベンゼン−1,3−ジアミン、5−フルオロベンゼン−1,3−ジアミン、5−ヨードベンゼン−1,3−ジオール、5−ブロモベンゼン−1,3−ジオール、5−クロロベンゼン−1,3−ジオール、5−フルオロベンゼン−1,3−ジオール、3−アミノ−5−ヨードフェノール、3−アミノ−5−ブロモフェノール、3−アミノ−5−クロロフェノール、3−アミノ−5−フルオロフェノール、3−ヒドロキシ−5−ヨード安息香酸、3−ヒドロキシ−5−ブロモ安息香酸、3−ヒドロキシ−5−クロロ安息香酸、3−ヒドロキシ−5−フルオロ安息香酸、3−ヒドロキシ−5−ヨードベンゼンスルホン酸、3−ヒドロキシ−5−ブロモベンゼンスルホン酸、3−ヒドロキシ−5−クロロベンゼンスルホン酸、3−ヒドロキシ−5−フルオロベンゼンスルホン酸、3−アミノ−5−ヨード安息香酸、3−アミノ−5−ブロモ安息香酸、3−アミノ−5−クロロ安息香酸、3−アミノ−5−フルオロ安息香酸、3−アミノ−5−ヨードベンゼンスルホン酸、3−アミノ−5−ブロモベンゼンスルホン酸、3−アミノ−5−クロロベンゼンスルホン酸、3−アミノ−5−フルオロベンゼンスルホン酸、2,6−ジヨードフェノール、2,6−ジブロモフェノール、2,6−ジクロロフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、2,6−ジヨードアニリン、2,6−ジブロモアニリン、2,6−ジクロロアニリン、2,6−フルオロアニリン、2,3,6−トリヨードフェノール、2,3,6−トリブロモフェノール、2,3,6−トリクロロフェノール、2,3,6−トリフルオロフェノール、2,3,6−トリヨードアニリン、2,3,6−トリブロモアニリン、2,3,6−トリクロロアニリン、2,3,6−トリフルオロアニリン、2,3,5,6−テトラヨードフェノール、2,3,5,6−テトラブロモフェノール、2,3,5,6−テトラクロロフェノール、2,3,5,6−テトラフルオロフェノール、2,3,5,6−テトラヨードアニリン、2,3,5,6−テトラブロモアニリン、2,3,5,6−テトラクロロアニリン、2,3,5,6−テトラフルオラニリン(tetrafluoraniline)。
対象となるハロゲン化ベンゼン化合物でポリアミド層を処理する方法は特に限定されず、ハロゲン化ベンゼン化合物が、ポリアミド層の外表面(多孔質支持体と接触している面と反対側の表面)上に優位に残るか、またはポリアミド層が該化合物を含侵するように、ポリアミド層を、ハロゲン化ベンゼン化合物を含有する浸漬タンクに浸漬するように、メタノール、イソプロパノール等の1〜20重量%のアルコール、及びDMSO、DMF、DMAc、NMP等の極性非プロトン溶媒を更に含み得る、3〜11の範囲のpHを有する水溶液からのハロゲン化ベンゼン化合物(例えば10〜20000ppm)を適用することを含む。
ポリアミド層を亜硝酸に曝露するために適用可能な様々な技法が、米国特許第4,888,116号に記載され、参照によって本明細書に組み込まれる。亜硝酸は、ポリアミド判別層中に存在する残留第一級アミン基と反応して、ジアゾニウム塩基を形成し、これの一部が、ポリアミド層中の残留未反応アミンがアゾ基を形成するように、対象となるハロゲン化ベンゼン化合物の選択された官能基と反応すると考えられている。
一実施形態において、亜硝酸の水溶液が、薄フィルムポリアミド層に適用される。水溶液は亜硝酸を含み得るが、好ましくは原位置で亜硝酸を形成する試薬、例えば酸溶液中の亜硝酸アルカリ金属またはニトロシル硫酸を含む。亜硝酸は、揮発性であり、分解を受けるので、好ましくは、ポリアミド判別層との接触における酸性溶液中の亜硝酸アルカリ金属の反応によって形成される。一般的に水溶液のpHが約7未満である場合(好ましくは約5未満)、亜硝酸アルカリ金属が反応して、亜硝酸を遊離させるであろう。水溶液中の塩化水素酸または硫酸と反応した亜硝酸ナトリウムが、亜硝酸の形成に特に好ましい。水溶液は、湿潤剤または界面活性剤を更に含み得る。水溶液中の亜硝酸の濃度は、好ましくは0.01〜1重量%である。一般的に亜硝酸は、20℃よりも5℃でより溶解することができ、若干高い濃度の亜硝酸はより低い温度で使用可能である。より高い濃度は、膜が有害に影響されず、溶液が安全に扱われ得る限り使用可能である。一般的に、約2分の1(0.5)パーセントより高い亜硝酸の濃度は、これらの溶液の扱いが困難であるため、好ましくない。好ましくは、亜硝酸は、大気圧でのその限定された溶解度のため、約0.1重量パーセント以下の濃度で存在する。膜が接触する温度は、広い範囲に渡って変化し得る。亜硝酸が特に安定していない限りは、0℃〜約20℃の範囲の温度が好ましいが、約0℃〜約30℃の範囲の接触温度を使用することが一般的に望ましい。この範囲より高い温度は、換気または処理溶液の上の過圧の必要性を増加し得る。好ましい範囲を下回る温度は、一般的に低減された反応及び拡散速度をもたらす。
1つの好ましい適用技法は、連続的な流れにおいて膜の表面に水性亜硝酸溶液を横切らせることを伴う。これは、比較的低い濃度の亜硝酸の使用を可能にする。亜硝酸は、処理する媒体から使い果たされるときに補充され得、媒体は追加の処理のため膜表面に再循環される。バッチ式処理も利用可能である。水性亜硝酸を適用するための特定の技法は、特に限定されておらず、他の適用技法の中でもとりわけ、噴霧、フィルムコーティング、ローリング、または浸漬タンクの使用によるものを含む。一旦処理されると、膜は水で洗浄され得、使用前に湿潤または乾燥のいずれかで保管され得る。
亜硝酸とポリアミド層の第一級アミン基との間の反応は、亜硝酸が膜内へと拡散すると直ぐに、比較的迅速に起こる。拡散及び所望の反応が起こるために必要な時間は、亜硝酸の濃度、膜の任意の予湿潤、存在する第一級アミン基の濃度、膜の三次元構造、及び接触が起こる温度に依存するであろう。接触時間は、数分〜数日で変化し得る。最適な反応時間は、特定の膜及び処理に対して経験的に、容易に決定され得る。残留アミン部分をジアゾニウム塩に変換した後、pHを9まで上昇させ、温度を25℃まで上昇させて、ジアゾカップリングを開始する。求核性のハロゲン化ベンゼン化合物は、ジアゾニウム塩と反応して、ジアゾ結合を通して新しいC−N結合を形成する。ハロゲン化ベンゼン化合物は、ジアゾニウム塩の加水分解から形成される単一のフェノールよりも十分に反応性であり、それ故に膜内に組み込まれる。好ましい実施形態において、ハロゲン化ベンゼン化合物の大きさは、すなわちそれがポリアミド層内に拡散するためには大きすぎるため、膜の表面へのそのカップリングを分離する。代表的な反応スキームが以下に提供される。
Figure 2017515666
本発明の多くの実施形態が記載され、特定の実施形態のいくつかの例において、選択、範囲、組成、または他の特色が、「好ましい」として特徴付けられてきた。「好ましい」特色の特徴付けは、かかる特色が発明にとって必要、必須または重大であるとして解釈されるべきではない。
サンプル膜を、パイロット規模の膜製造ラインを使用して調製した。ポリスルホン支持体を、ジメチルホルムアミド(DMF)内の16.5重量%の溶液から流延し、その後メタ−フェニレンジアミン(mPD)の3.5重量%の水溶液中に浸漬した。次いで、得られた支持体を、非極性コーティング溶液の薄い均一な層を適用する間、一定の速度で反応テーブルを通して引っ張った。この非極性コーティング溶液は、イソパラフィン系溶剤(ISOPAR L)、及び第1の場合トリメソイル(trimesoyl)酸クロライド(TMC)とトリブチルホスフェート(TBP)との組み合わせ、及び第2の場合トリメソイル(trimesoyl)酸クロライド(TMC)と1−カルボキシ−3,5−ジクロロホルミルベンゼン(mhTMC)とトリブチルホスフェート(TBP)との組み合わせを含む。過剰な非極性溶液を除去し、得られた複合膜を水すすぎタンク及び乾燥オーブンに通過させた。次いでサンプル膜シートを、(i)試験まで脱イオン水中に貯蔵するか、(ii)0〜10℃で約15分間、0.05w/v%のNaNOと0.1w/v%のHClとを組み合わせることによって調製した溶液中に浸漬することによって「後処理され」、その後すすぎ、pH9の脱イオン水中に貯蔵するか、またはiii)最初に対象となるハロゲン化ベンゼン化合物の溶液で15分間含侵し、次いで0〜10℃で約15分間、0.05w/v%のNaNOと0.1w/v%のHClとを組み合わせることによって調製した溶液中に浸漬し、その後すすぎ、試験までpH9の脱イオン水中に貯蔵した。試験を、25℃、pH8及び150psiで、2000ppmのNaClと5ppmのホウ素溶液との混合物を用いて行った。試験結果を以下の表に要約し、表中の用語「対照」は、TBP、mhTMC、または対象となるハロゲン化ベンゼン化合物なしで調製した膜を指す。
Figure 2017515666

本発明は、一般的に複合ポリアミド膜ならびにそれを作製及び使用するための方法を対象とする。
本発明は、多孔質支持体及び薄フィルムポリアミド層を含む複合ポリアミド膜を作製するための方法を含む。本方法は、多官能性アミンモノマーを含む極性溶液及び多官能性ハロゲン化アシルモノマーを含む非極性溶液を多孔質支持体の表面に適用し、モノマーを界面重合して、薄フィルムポリアミド層を形成するステップと、薄フィルムポリアミド層を亜硝酸に曝露するステップと、を含む。方法は、薄フィルムポリアミド層を、以下の式によって表されるハロゲン化ベンゼン化合物で処理する(好ましくは亜硝酸への曝露の前に)ことを特徴とし、
サンプル膜を、パイロット規模の膜製造ラインを使用して調製した。ポリスルホン支持体を、ジメチルホルムアミド(DMF)内の16.5重量%の溶液から流延し、その後メタ−フェニレンジアミン(mPD)の3.5重量%の水溶液中に浸漬した。次いで、得られた支持体を、非極性コーティング溶液の薄い均一な層を適用する間、一定の速度で反応テーブルを通して引っ張った。この非極性コーティング溶液は、イソパラフィン系溶剤(ISOPAR L)、及び第1の場合トリメソイル(trimesoyl)酸クロライド(TMC)とトリブチルホスフェート(TBP)との組み合わせ、及び第2の場合トリメソイル(trimesoyl)酸クロライド(TMC)と1−カルボキシ−3,5−ジクロロホルミルベンゼン(mhTMC)とトリブチルホスフェート(TBP)との組み合わせを含む。過剰な非極性溶液を除去し、得られた複合膜を水すすぎタンク及び乾燥オーブンに通過させた。次いでサンプル膜シートを、(i)試験まで脱イオン水中に貯蔵するか、(ii)0〜10℃で約15分間、0.05w/v%のNaNOと0.1w/v%のHClとを組み合わせることによって調製した溶液中に浸漬することによって「後処理され」、その後すすぎ、pH9の脱イオン水中に貯蔵するか、またはiii)最初に対象となるハロゲン化ベンゼン化合物の溶液で15分間含侵し、次いで0〜10℃で約15分間、0.05w/v%のNaNOと0.1w/v%のHClとを組み合わせることによって調製した溶液中に浸漬し、その後すすぎ、試験までpH9の脱イオン水中に貯蔵した。試験を、25℃、pH8及び1.03Mpa(150psiで、2000ppmのNaClと5ppmのホウ素溶液との混合物を用いて行った。試験結果を以下の表に要約し、表中の用語「対照」は、TBP、mhTMC、または対象となるハロゲン化ベンゼン化合物なしで調製した膜を指す。

Claims (8)

  1. 多孔質支持体及び薄フィルムポリアミド層を含む複合ポリアミド膜を作製する方法であって、
    i)多官能性アミンモノマーを含む極性溶液及び多官能性ハロゲン化アシルモノマーを含む非極性溶液を多孔質支持体の表面に適用し、前記モノマーを界面重合して、薄フィルムポリアミド層を形成することと、
    ii)前記薄フィルムポリアミド層を亜硝酸に曝露することと、を含み、
    前記方法は、前記薄フィルムポリアミド層を以下の式によって表されるハロゲン化ベンゼン化合物で処理することを特徴とし、
    Figure 2017515666
    式中、
    Xはハロゲン(−F、−Cl、−Br、−I)から選択され、
    Yは水素(−H)、カルボン酸(−COOH)、スルホン酸(−SOH)、またはそれらの塩から選択され、
    A、A’、A’’、及びA’’’は独立して、ハロゲン、水素、ヒドロキシル(−OH)、アルコキシ(好ましくはメトキシ−OCH)、エステル(例えば−O−CO−CH)、アミノ(第一級、第二級、または第三級アミノを含む)、ケト−アミド、及び1〜5個の炭素原子を有するアルキル基から選択されるが、
    但し、A、A’、A’’、及びA’’’のうちの少なくとも1つが、ヒドロキシル、アミノ(例えば−NRR’、式中、R及びR’は水素、または好ましくは1〜5個の炭素原子を有するアルキル基である)、ケト−アミド(例えば−NH−CO−CH−CO−CH)から選択され、A、A’、A’’、及びA’’’のうちの少なくとも1つに対してオルソまたはパラにある置換基が水素であるものとする、方法。
  2. 前記極性及び非極性溶液のうちの少なくとも1つが、以下の式によって表されるトリ−ヒドロカルビルホスフェート化合物を更に含み、
    Figure 2017515666
    式中、R、R、及びRは独立して、水素、及び1〜10個の炭素原子を含むヒドロカルビル基から選択されるが、但し、R、R、及びRのうちの1つよりも多くが水素になることはないものとする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記非極性溶液が、少なくとも1つのカルボン酸官能基またはその塩で置換されるC2−20炭化水素部分と、ハロゲン化アシル、ハロゲン化スルホニル、及び無水物から選択される少なくとも1つのアミン反応性官能基とを含む酸含有モノマーを更に含み、前記酸含有モノマーが前記多官能性ハロゲン化アシルモノマーとは異なる、請求項2に記載の方法。
  4. 前記非極性溶液が、少なくとも1つのカルボン酸官能基またはその塩で置換されるC2−20炭化水素部分と、ハロゲン化アシル、ハロゲン化スルホニル、及び無水物から選択される少なくとも1つのアミン反応性官能基とを含む酸含有モノマーを更に含み、前記酸含有モノマーが前記多官能性ハロゲン化アシルモノマーとは異なる、請求項1に記載の方法。
  5. 前記酸含有モノマーが、少なくとも2つのアミン反応性官能基を含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記薄フィルムポリアミド層が、前記薄フィルムポリアミド層を亜硝酸に曝露する前記ステップの前に、RBSによって計測される、pH9.5で少なくとも0.18モル/kgの解離したカルボン酸含有量を有する、請求項1に記載の方法。
  7. 前記薄フィルムポリアミド層をハロゲン化ベンゼン化合物で処理する前記ステップが、前記薄フィルムポリアミド層を亜硝酸に曝露するステップの前に実行される、請求項1に記載の方法。
  8. Yが水素またはカルボン酸から選択され、A、A’、A’’、及びA’’’が独立して、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、及びアミノから選択される、請求項1に記載の方法。
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