JP2017508065A - 高性能AlSiMgCu鋳造合金 - Google Patents

高性能AlSiMgCu鋳造合金 Download PDF

Info

Publication number
JP2017508065A
JP2017508065A JP2016541240A JP2016541240A JP2017508065A JP 2017508065 A JP2017508065 A JP 2017508065A JP 2016541240 A JP2016541240 A JP 2016541240A JP 2016541240 A JP2016541240 A JP 2016541240A JP 2017508065 A JP2017508065 A JP 2017508065A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alloy
casting
hours
alloys
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016541240A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017508065A5 (ja
Inventor
ヤン,シンヤン
シー. リン,ジェン
シー. リン,ジェン
Original Assignee
アルコア インコーポレイテッド
アルコア インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アルコア インコーポレイテッド, アルコア インコーポレイテッド filed Critical アルコア インコーポレイテッド
Publication of JP2017508065A publication Critical patent/JP2017508065A/ja
Publication of JP2017508065A5 publication Critical patent/JP2017508065A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C21/00Alloys based on aluminium
    • C22C21/02Alloys based on aluminium with silicon as the next major constituent
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D17/00Pressure die casting or injection die casting, i.e. casting in which the metal is forced into a mould under high pressure
    • B22D17/02Hot chamber machines, i.e. with heated press chamber in which metal is melted
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D17/00Pressure die casting or injection die casting, i.e. casting in which the metal is forced into a mould under high pressure
    • B22D17/08Cold chamber machines, i.e. with unheated press chamber into which molten metal is ladled
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D21/00Casting non-ferrous metals or metallic compounds so far as their metallurgical properties are of importance for the casting procedure; Selection of compositions therefor
    • B22D21/002Castings of light metals
    • B22D21/007Castings of light metals with low melting point, e.g. Al 659 degrees C, Mg 650 degrees C
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C21/00Alloys based on aluminium
    • C22C21/02Alloys based on aluminium with silicon as the next major constituent
    • C22C21/04Modified aluminium-silicon alloys
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22FCHANGING THE PHYSICAL STRUCTURE OF NON-FERROUS METALS AND NON-FERROUS ALLOYS
    • C22F1/00Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working
    • C22F1/04Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of aluminium or alloys based thereon
    • C22F1/043Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of aluminium or alloys based thereon of alloys with silicon as the next major constituent

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Continuous Casting (AREA)
  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

8.5〜9.5重量%のケイ素と、0.8〜2.0重量%の銅(Cu)と、0.20〜0.53重量%のマグネシウム(Mg)と、0.35〜0.8重量%のマンガンと、を有する新規アルミニウム鍛造合金が開示される。この合金は、溶体化処理され、T5調質に従って処理され、及び/又は人工時効処理されて、例えば、シリンダーヘッド及びエンジンブロック向けの鋳造物を製造してよい。一実施形態では、鋳造物は高圧ダイカストによって作製される。【選択図】 図1

Description

<関連出願の相互参照>
本出願は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、2013年12月20日出願の「High Performance AlSiMgCu Casting Alloy with Engine and HPDC Applications」という名称の米国特許仮出願第61/919,415号に対する優先権を主張する。
<発明の分野>
本発明は、アルミニウム合金に、より詳細には、鋳造品の製造に使用されるアルミニウム合金に関する。
アルミニウム合金は、高い重量対性能比、好ましい耐食性、及びその他の要因によって、例えば、自動車及び航空宇宙産業において幅広く使用されている。重量、強度、可鋳性、耐腐食性、及びコストに関する性能の組み合わせ特性を有する様々なアルミニウム合金が、過去に提案されている。AlSiMgCu鋳造合金は、2013年5月2日公開の「High−Performance AlSiMgCu Casting Alloy」という名称の同一所有者による米国特許出願公開第2013/0105045号に記載されている。
開示される主題は、改善されたアルミニウム鋳造合金(casting alloy)(鋳造合金(foundry alloy)としても知られる)及びその製造方法に関する。より具体的には、本出願は、
8.5〜9.5重量%のケイ素と、
0.5〜2.0重量%の銅(Cu)と、
0.15〜0.60重量%のマグネシウム(Mg)と、
0.35〜0.8重量%のマンガンと、
最大で5.0重量%の亜鉛と、
最大で1.0重量%の銀と、
最大で1.0重量%のニッケルと、
最大で1.0重量%のハフニウムと、
最大で1.0重量%の鉄と、
最大で0.30重量%のチタンと、
最大で0.30重量%のジルコニウムと、
最大で0.30重量%のバナジウムと、
最大で0.10重量%の、ストロンチウム、ナトリウム及びアンチモンのうち1つ又は2つ以上と、
それぞれ≦0.04重量%であり、合計≦0.12重量%であるその他元素と、を有し、
残部がアルミニウムである、新規アルミニウム鋳造合金に関する。
新規アルミニウム鋳造合金は、特に、エンジン用途(例えば、シリンダーヘッドとして、シリンダー/エンジンブロックとして)及び自動車用途(例えば、サスペンション及び構造用部品、連接棒)などの様々な用途で利用することができる。
I.組成
上記のように、新規アルミニウム鋳造合金は通常、8.5〜9.5重量%のSiを含む。一実施形態では、アルミニウム合金は、8.75〜9.5重量%のSiを含む。一実施形態では、アルミニウム合金は、8.75〜9.25重量%のSiを含む。
上記のように、新規アルミニウム鋳造合金は通常、0.5〜2.0重量%の銅(Cu)を含む。1つの方法では、アルミニウム合金は、0.8〜2.0重量%の銅を含む。別の方法では、アルミニウム合金は、1.0〜1.5重量%の銅を含む。更に別の方法では、アルミニウム合金は、0.7〜1.3重量%の銅を含む。別の方法では、アルミニウム合金は、0.8〜1.2重量%の銅を含む。
上記のように、新規アルミニウム鋳造合金は通常、0.15〜0.60重量%のMgを含む。1つの方法では、アルミニウム合金は、0.20〜0.53重量%のマグネシウム(Mg)を含む。1つの方法では、合金は、≧0.36重量%のマグネシウム(例えば、0.36〜0.53重量%のMg)を含む。1つの方法では、アルミニウム合金は、0.40〜0.45重量%のマグネシウムを含む。別の方法では、合金は、≦0.35重量%のマグネシウム(例えば、0.15〜0.35重量%のMg)を含む。1つの別の方法では、合金は、0.20〜0.25重量%のMgを含む。マグネシウム及び銅の別の組み合わせを以下に記載する。
以下に記載するように、銅+マグネシウムの量を制限し、Q相の適切な体積分率を確実にしてもよい。質別T5に加工され、0.15〜0.35重量%のMg(例えば、0.20〜0.25重量%のMg)を有する製品のためには、新規アルミニウム鋳造合金は、2.5≦(Cu+10Mg)≦4.5などの量の銅+マグネシウムを含む。一実施形態では、新規アルミニウム鋳造合金は、2.5≦(Cu+10Mg)≦4.0などの量の銅+マグネシウムを含む。別の実施形態では、新規アルミニウム鋳造合金は、2.5≦(Cu+10Mg)≦3.75などの量の銅+マグネシウムを含む。更に別の実施形態では、新規アルミニウム鋳造合金は、2.5≦(Cu+10Mg)≦3.5などの量の銅+マグネシウムを含む。別の実施形態では、新規アルミニウム鋳造合金は、2.5≦(Cu+10Mg)≦3.25などの量の銅+マグネシウムを含む。更に別の実施形態では、新規アルミニウム鋳造合金は、2.75≦(Cu+10Mg)≦3.5などの量の銅+マグネシウムを含む。この段落の任意の実施形態では、アルミニウム合金内のマグネシウムは、0.15〜0.30重量%のMgに制限、例えば、0.20〜0.25重量%のMgに制限されてよい。
質別T5、T6又はT7のうち任意のものに加工される製品のためには、新規アルミニウム鋳造合金は、4.7≦(Cu+10Mg)≦5.8などの量の銅+マグネシウムを含む。一実施形態では、新規アルミニウム鋳造合金は、4.7≦(Cu+10Mg)≦5.7などの量の銅+マグネシウムを含む。別の実施形態では、新規アルミニウム鋳造合金は、4.7≦(Cu+10Mg)≦5.6などの量の銅+マグネシウムを含む。更に別の実施形態では、新規アルミニウム鋳造合金は、4.7≦(Cu+10Mg)≦5.5などの量の銅+マグネシウムを含む。更に別の実施形態では、新規アルミニウム鋳造合金は、4.8≦(Cu+10Mg)≦5.5などの量の銅+マグネシウムを含む。別の実施形態では、新規アルミニウム鋳造合金は、4.9≦(Cu+10Mg)≦5.5などの量の銅+マグネシウムを含む。更に別の実施形態では、新規アルミニウム鋳造合金は、5.0≦(Cu+10Mg)≦5.5などの量の銅+マグネシウムを含む。別の実施形態では、新規アルミニウム鋳造合金は、5.0≦(Cu+10Mg)≦5.4などの量の銅+マグネシウムを含む。更に別の実施形態では、新規アルミニウム鋳造合金は、5.1≦(Cu+10Mg)≦5.4などの量の銅+マグネシウムを含む。この段落の任意の実施形態では、アルミニウム合金内のマグネシウムは、例えば、0.30〜0.60重量%のMg、又は0.35〜0.55重量%のMg、又は0.37〜0.50重量%のMg、又は0.40〜0.50重量%のMg、又は0.40〜0.45重量%Mgなどの許容可能な範囲のより上限に近くてよい。1つの方法では、アルミニウム合金は、約1.0重量%の銅(例えば、0.90〜1.10重量%のCu、又は0.95〜1.05重量%のCu)を、約0.4重量%のマグネシウム(0.35〜0.45重量%のMg、又は0.37〜0.43重量%のMg)と組み合わせて含む。
上記のように、新規アルミニウム鋳造合金は通常、0.35〜0.8重量%のマンガンを含む。1つの方法では、アルミニウム合金は、0.45〜0.70重量%のMnを含む。別の方法では、アルミニウム合金は、0.50〜0.65重量%のMnを含む。別の方法では、アルミニウム合金は、0.50〜0.60重量%のMnを含む。1つの方法では、アルミニウム合金中の鉄対マンガン(Fe:Mn)の重量比は、≦0.50である。別の方法では、アルミニウム合金中の鉄対マンガン(Fe:Mn)の重量比は、≦0.45である。別の方法では、アルミニウム合金中の鉄対マンガン(Fe:Mn)の重量比は、≦0.40である。別の方法では、アルミニウム合金中の鉄対マンガン(Fe:Mn)の重量比は、≦0.35である。別の方法では、アルミニウム合金中の鉄対マンガン(Fe:Mn)の重量比は、≦0.30である。
上記のように、新規アルミニウム鋳造合金は、最大で1.0重量%のFeを含んでよい。1つの方法では、アルミニウム合金は、0.01〜0.5重量%のFeを含む。別の方法では、アルミニウム合金は、0.01〜0.35重量%のFeを含む。更なる方法では、アルミニウム合金は、0.01〜0.30重量%のFeを含む。別の方法では、アルミニウム合金は、0.01〜0.25重量%のFeを含む。更なる方法では、アルミニウム合金は、0.01〜0.20重量%のFeを含む。別の方法では、アルミニウム合金は、0.01〜0.15重量%のFeを含む。更に別の方法では、アルミニウム合金は、0.10〜0.30重量%のFeを含む。
上記のように、新規アルミニウム鋳造合金は、最大で5.0重量%のZnを含んでよい。1つの方法では、合金は、≦0.5重量%のZnを含む。別の方法では、アルミニウム合金は、≦0.25重量%のZnを含む。更に別の方法では、アルミニウム合金は、≦0.15重量%のZnを含む。別の方法では、アルミニウム合金は、≦0.05重量%のZnを含む。更に別の方法では、アルミニウム合金は、≦0.01重量%のZnを含む。
上記のように、新規アルミニウム鋳造合金は、最大で1.0重量%のAgを含んでよい。一実施形態では、アルミニウム合金は、≦0.5重量%のAgを含む。別の方法では、アルミニウム合金は、≦0.25重量%のAgを含む。更に別の方法では、アルミニウム合金は、≦0.15重量%のAgを含む。別の方法では、アルミニウム合金は、≦0.05重量%のAgを含む。更に別の方法では、アルミニウム合金は、≦0.01重量%のAgを含む。
上記のように、新規アルミニウム鋳造合金は、最大で1.0重量%のNiを含んでよい。一実施形態では、アルミニウム合金は、≦0.5重量%のNiを含む。別の方法では、アルミニウム合金は、≦0.25重量%のNiを含む。更に別の方法では、アルミニウム合金は、≦0.15重量%のNiを含む。別の方法では、アルミニウム合金は、≦0.05重量%のNiを含む。更に別の方法では、アルミニウム合金は、≦0.01重量%のNiを含む。
上記のように、新規アルミニウム鋳造合金は、最大で1.0重量%のHfを含んでよい。一実施形態では、アルミニウム合金は、≦0.5重量%のHfを含む。別の方法では、アルミニウム合金は、≦0.25重量%のHfを含む。更に別の方法では、アルミニウム合金は、≦0.15重量%のHfを含む。別の方法では、アルミニウム合金は、≦0.05重量%のHfを含む。更に別の方法では、アルミニウム合金は、≦0.01重量%のHfを含む。
上記のように、新規アルミニウム鋳造合金は、それぞれ最大で0.30重量%のジルコニウム及びバナジウムを含んでよい。高圧ダイカスト実施形態では、ジルコニウム及びバナジウムの両方が、少なくともそれぞれ0.05重量%の量で存在してよく、このときZr+Vの総量は、初相粒子を形成しない(例えば、Zr+Vの総量は、0.10重量%〜0.50重量%である)。一実施形態では、アルミニウム合金は、それぞれ少なくとも0.07重量%のジルコニウム及びバナジウムを含み、Zr+Vは0.14〜0.40重量%である。一実施形態では、アルミニウム合金は、それぞれ少なくとも0.08重量%のジルコニウム及びバナジウムを含み、Zr+Vは0.16〜0.35重量%である。一実施形態では、アルミニウム合金は、それぞれ少なくとも0.09重量%のジルコニウム及びバナジウムを含み、Zr+Vは0.18〜0.35重量%である。一実施形態では、アルミニウム合金は、それぞれ少なくとも0.09重量%のジルコニウム及びバナジウムを含み、Zr+Vは0.20〜0.30重量%である。別の方法では、アルミニウム合金は、それぞれ≦0.03重量%のジルコニウム及びバナジウムを含む(例えば、非HPDC用途用の不純物として)。
上記のように、新規アルミニウム鋳造合金は、最大で0.30重量%のチタンを含んでよい。一実施形態では、アルミニウム合金は、0.005〜0.25重量%のTiを含む。別の実施形態では、アルミニウム合金は、0.005〜0.20重量%のTiを含む。更に別の実施形態では、アルミニウム合金は、0.005〜0.15重量%のTiを含む。別の実施形態では、アルミニウム合金は、0.01〜0.15重量%のTiを含む。更に別の実施形態では、アルミニウム合金は、0.03〜0.15重量%のTiを含む。別の実施形態では、アルミニウム合金は、0.05〜0.15重量%のTiを含む。ジルコニウム及びチタンの両方が新規アルミニウム合金中で使用されるとき、アルミニウム合金は通常、上記チタン量の任意のものなど、少なくとも0.005重量%のTiを含む。一実施形態では、アルミニウム合金は、それぞれ少なくとも0.09重量%のジルコニウム及びバナジウムを含み、Zr+Vは、0.18〜0.35重量%、及び0.05〜0.15重量%のTiを含む。
上記のように、新規アルミニウム鋳造合金は、最大で0.10重量%の、ストロンチウム、ナトリウム、及びアンチモンのうち1つ又は2つ以上を含んでよい。1つの方法では、アルミニウム合金は、≦0.05重量%のストロンチウムを含む。1つの方法では、アルミニウム合金は、≦0.03重量%のナトリウムを含む。1つの方法では、アルミニウム合金は、≦0.03重量%のアンチモンを含む。一実施形態では、アルミニウム合金は、ストロンチウム、50〜300ppmのストロンチウムを含む。一実施形態では、アルミニウム合金は、ナトリウム及びアンチモンを含まず、これらの元素を不純物としてのみ含む。
上記のように、新規アルミニウム鋳造合金は通常、それぞれ≦0.04重量%、合計≦0.12重量%のその他元素を含み、残部はアルミニウムである。一実施形態では、新規アルミニウム鋳造合金は通常、それぞれ≦0.03重量%、合計≦0.10重量%のその他元素を含み、残部はアルミニウムである。
一実施形態では、新規アルミニウム鋳造合金は、9.14〜9.41重量%のSi、0.54〜1.53重量%のCu、0.21〜0.48重量%のMg、0.48〜0.53重量%のMn、0.13〜0.17重量%のFe、0.11〜0.30重量%のTi、0.10〜0.14重量%のZr、0.12〜0.13重量%のV、≦0.05重量%のZn、≦0.05重量%のAg、≦0.05重量%のNi、≦0.05重量%のHf、最大で0.012重量%のSr、それぞれ≦0.04重量%、合計≦0.12重量%のその他元素を含み、残部はアルミニウムである。質別T5に加工される合金のためには、この合金は、0.20〜0.25重量%Mgを含んでよく、Cu+10Mgは2.5〜4.0である。質別T5、T6又はT7のうち任意のものに加工される合金のためには、この合金は、0.40〜0.48重量%Mgを含んでよく、Cu+10Mgは4.7〜5.8である。
II.加工
新規アルミニウム鋳造合金は、任意の好適な形状又は物品である、成形鋳造物であってよい。1つの方法では、新規アルミニウム合金は、自動車部品又はエンジン部品(例えば、シリンダーヘッド又はシリンダー/エンジンブロック)の形状の成形鋳造物である。
1つの方法では、成形鋳造物品を製造する方法は、
(a)適切な量の上記元素を適切な融解装置内で融解することにより、上記アルミニウム合金を得る工程と、
(b)融解したアルミニウム合金を成形型内に導入する工程と、
(c)成形型から欠陥のない成形鋳造物品を取り出す工程と、を含む。
取り出し工程の後、本方法は任意に、
(d)成形鋳造物品を調質する(例えば、質別T5、T6又はT7に調質する)ことを含んでよい。
欠陥のないとは、成形鋳造物品が、その使用目的において使用できることを意味する。
導入工程(b)について、成形型は、高圧ダイカスト(HPDC)用成形型などの、新規アルミニウム鋳造合金に適合し得る任意の好適な成形型であってよい。
取り出し工程(c)に先立ち、本方法は、鋳造物を凝固させ、その後鋳造物を冷却することを含んでよい。一実施形態では、冷却工程は、凝固工程の後に成形鋳造物を水と接触させることを含む。別の実施形態では、冷却工程は、凝固工程の後に成形鋳造物を空気及び/又は水と接触させることを含む。取り出し工程(c)の後、本方法は、成形鋳造物品を調質することを含んでよい。
一実施形態では、調質は、質別T5に調質することである。ANSI H35.1(2009)に規定されるように、質別T5とは、アルミニウム合金が、「高温成形プロセスから冷却後、人工時効処理されたものあり、高温成形プロセスから冷却後、冷間加工されない製品、すなわち、平坦化又はくせ取りにおける冷間加工の効果が、機械的特性限度において認識され得ない製品に適応される」。質別T5に調質するとき、調質工程は、取り出し工程の後に、成形鋳造物品の人工時効処理することを含んでよい。人工時効処理は、以下に記載するように実施されてよい。成形鋳造プロセス(例えば、HPDC)のため、質別T5は、分離溶体化処理及び急冷を必要としない(すなわち、質別T6及びT7に必要とされるように、分離溶体化処理及び急冷工程を含まない)。
別の実施形態では、調質は、質別T6に調質することである。ANSI H35.1(2009)に規定されるように、T6とは、アルミニウム合金が、「溶体化処理後、人工時効処理されたものであり、溶体化処理後、冷間加工されない製品、すなわち、平坦化又はくせ取りにおける冷間加工の効果が、機械的特性限度において認識され得ない製品に適応される」。質別T6に調質するとき、調質工程(d)は、(i)成形鋳造物品を溶体化することと、それに続く、(ii)成形鋳造物品を急冷することと、を含んでよい。急冷工程(ii)の後、本方法は、(iii)成形鋳造物品を人工時効処理することを含んでよい。
更に別の実施形態では、調質は、質別T7に調質することである。ANSI H35.1(2009)に規定されるように、T7とは、アルミニウム合金が、「溶体化処理され、過剰時効処理/安定化処理されたものであり、寸法及び強度安定性を提供するため、溶体化処理後に人工時効される鋳造品に適応される」。質別T7に調質するとき、調質工程(d)は、(i)成形鋳造物品を溶体化することと、それに続く、(ii)成形鋳造物品を急冷することと、を含んでよい。急冷工程(ii)の後、本方法は、(iii)成形鋳造物品を過剰時効処理/安定化処理条件まで人工時効処理することを含んでよい。
1つの方法では、方法は、アルミニウム合金を溶体化処理することと、急冷することと、を含む。一実施形態では、溶体化処理は、
(a)アルミニウム合金を第1温度に加熱する(例えば、合金を、2時間±15分間、周囲温度から最大で504.4℃±5.0℃までの熱に曝す)工程と、
(b)第1温度を、第1に維持する(例えば、少なくとも0.5〜8時間、例えば約2時間)工程と、
(c)この温度を第2のより高い温度に上げる(例えば、約30分間で第2温度まで上げるなど、5〜60分間かけて530℃±5.0℃まで上げる)工程と、
(d)第2温度を530℃に、第2に維持する(例えば、2〜8時間、例えば約4時間保持)工程と、を含む。
第2維持工程(d)の後、アルミニウム合金を急冷してよい(例えば、水及び/又は空気中)。
上記のように、調質工程は、アルミニウム合金の人工時効処理を含んでよい。一実施形態では、人工時効処理は、合金を190℃〜220℃の温度に1〜10時間(例えば、約6時間)保持することを含む。別の実施形態では、人工時効処理は、1〜10時間(例えば、約6時間)、175℃〜205℃の温度において実施される。
Al−Cu−Mg−Si系における、(Al)及び液体を含む相平衡のグラフである。
Al−9%Si−0.4%Mg−0.1%Fe合金の凝固経路におけるCu添加の影響のグラフである。
Al−9%−0.4%Mg−0.1%Fe−x%Cu合金の相画分におけるCu含量の影響のグラフである。
Al−9%Si−Mg−Cu合金のQ相形成温度におけるCu及びMg含量の影響のグラフである。
Al−9%Si−Mg−Cu合金の平衡固相線温度におけるMg及びCu含量の影響のグラフである。
Al−9%Si−Mg−Cu合金の平衡固相線温度(T)及びQ相形成温度(T)におけるMg及びCu含量の影響のグラフである。
Al−x%Si−0.5%Mg−y%Zn合金の流動性における亜鉛及びケイ素の影響のグラフである。
球状のSi粒子及び非溶解Fe含有粒子を示す、倍率200XのSEM(走査型電子顕微鏡写真)である。
図9a〜bは、検討された合金中の非溶解Fe含有粒子の写真である。
図10a〜dは、Al−9Si−0.5Mg合金の引張特性における時効処理条件の影響のグラフである。
図11a〜dは、Al−9%Si−0.5%Mg合金の引張特性におけるCuの影響のグラフである。
図12a〜dは、Al−9%Si−0.5%Mg合金の引張特性におけるCu及びZnの影響のグラフである。
図13a〜dは、Al−9%Si−1.25%Cu−Mg合金の引張特性におけるMg含量の影響のグラフである。
図14a〜dは、Al−9%Si−0.35%Mg−1.75%Cu合金の引張特性におけるAgの影響のグラフである。
図15a〜dは、本開示に記載されるように、高温において異なる時間時効処理した、6種類の合金の引張特性のグラフである。
高温において異なる時間時効処理した、5種類の合金のシャルピー衝撃エネルギー(CIE)対降伏強さのグラフである。
155℃で15時間時効処理した、選択した合金のS−N疲労曲線のグラフである。平滑、軸;応力比=−1。
155℃で60時間時効処理した、選択した合金のS−N疲労曲線のグラフである。平滑、軸;応力比=−1。
図19a〜dは、鋳造した状態の及び機械加工された、高温で2つの異なる時間で時効処理された5種類の合金サンプルの断面の、6時間のASTM G110後の光学顕微鏡写真である。 図20a〜dは、鋳造した状態の及び機械加工された、高温で2つの異なる時間で時効処理された5種類の合金サンプルの断面の、6時間のASTM G110後の光学顕微鏡写真である。 図21a〜dは、鋳造した状態の及び機械加工された、高温で2つの異なる時間で時効処理された5種類の合金サンプルの断面の、6時間のASTM G110後の光学顕微鏡写真である。 図22a〜dは、鋳造した状態の及び機械加工された、高温で2つの異なる時間で時効処理された5種類の合金サンプルの断面の、6時間のASTM G110後の光学顕微鏡写真である。 図23a〜dは、鋳造した状態の及び機械加工された、高温で2つの異なる時間で時効処理された5種類の合金サンプルの断面の、6時間のASTM G110後の光学顕微鏡写真である。
6時間のG110試験後の、鋳造した状態及び機械加工した表面における、異なる時間で時効処理された選択した合金の攻撃の深さのグラフである。
Al−9Si−Mg−Cu合金において強度及び延性と相関がある、Mg及びCu含量のグラフである。
高温に曝した後の特定の合金(合金9)の引張特性のグラフである。
図27a及び27bは高温に曝す前の、合金9サンプルの断面の走査型電子顕微鏡写真である。
図28a〜eは、合金9及びA356合金の引張特性のグラフと相関させた、上昇させた温度に曝した後の、合金9の断面の一連の走査型電子顕微鏡写真である。 図28a〜eは、合金9及びA356合金の引張特性のグラフと相関させた、上昇させた温度に曝した後の、合金9の断面の一連の走査型電子顕微鏡写真である。
様々な合金の室温における降伏強さのグラフである。
様々な合金を175℃に曝した後の、降伏強さのグラフである。
様々な合金を300℃に曝した後の、降伏強さのグラフである。
様々な合金を300℃に曝した後の、降伏強さのグラフである。
様々な合金を300℃に曝した後の、降伏強さのグラフである。
様々な合金を300℃に曝した後の、降伏強さのグラフである。
<実施例1:高性能AlSiCuMg鋳造合金>
1.1 計算熱力学に基づく合金開発方法
Al−Si−Mg−Cu鋳造合金の性能を改良するため、新規合金の設計方法を用いて、以下のように説明される。
Cu含量を増やしたAl−Si−Mg−Cu鋳造合金は、θ’−AlCu及びQ’析出物量がより高いことによって、強度を増すことができるが、特に非溶解構成成分のQ相の量が増える場合、延性は低下し得る。図1は、その全体が参照することにより本明細書に組み込まれる、X.Yan,Thermodynamic and solidification modeling coupled with experimental investigation of the multicomponent aluminum alloys.University of Wisconsin−Madison,2001に示されるように、Al−Cu−Mg−Si四元系の計算された状態図を示す。図1は、三元系における三相平衡、及び、四相平衡四元一変系線を示す。点A、B、C、D、E及びFは、四元系における五相不変点である。点T1〜T6は、三元系における四相不変点であり、B1、B2及びB3は、二元系における三相不変点である。Q相は共晶反応(不変反応B)に関与するため、Cuを含有するAl−Si−Mg合金において、凝固中のQ相(AlCuMgSi)構成粒子の形成がほぼ避けられない。これらCu含有Q相粒子を溶体化処理中に溶解できない場合、Cuの強化効果が低減し、鋳造物の延性も影響を受けるであろう。
非溶解Q相(AlCuMgSi)を最小限にし/排除し、固溶体/析出強化を最大限にするため、合金組成、溶体化処理、及び時効処理の方法を最適化しなくてはならない。本開示に従って、熱力学計算を用いて、非溶解Q相粒子を避けるため、合金組成(主にCu及びMg含量)並びに溶体化処理を選択した。Pandat熱力学的シミュレーションソフトウェア及びPanAluminumデータベースLLC、Computherm、Pandat Software及びPanAluminum Database http://www.computherm.comを用いて、これらの熱力学的データを算出した。
本開示の発明者らは、CuをAl−Si−Mg鋳造合金に加えると、凝固順序が変わることを認識している。図2は、Al−9%Si−0.4%Mg−0.1%Feの凝固経路に対する1%Cu(本報告における全ての組成は重量パーセントである)の予想される影響を示す。より詳細には、より低温でのCu含有相の形成により、1%Cuの添加に伴って凝固温度範囲が顕著に上昇する。Al−9%Si−0.4%Mg−0.1%Fe−1%Cu合金では、Q−AlCuMgSiが約538℃で形成され、θ−AlCu相が約510℃で形成された。各構成成分相の体積分率及びこれらの形成温度も、Cu含量の影響を受ける。
図3は、Al−9%Si−0.4%Mg−0.1%Fe−x%Cu合金の相画分における予想されるCu含量の影響を示す。Cu含量が増加すると、θ−AlCu及びQ−AlCuMgSiの量が増加し、一方、MgSi及びπ−AlFeMgSiの量が減少する。0.7%超のCuを含む合金では、MgSi相は凝固注意形成されない。Cu含量が0.7%を超える場合、Q−AlCuMgSiの量は、合金中のMg含量によっても制限される。
Al−9%Si−Mg−Cu合金におけるQ−AlCuMgSi相形成温度(T)は、Cu及びMg含量の関数である。構成成分相の「形成温度」は、液相から構成成分相が形成し始める温度として定義される。図4は、Q−AlCuMgSi相の形成温度における予想されるCu及びMg含量の影響を示す。Q−AlCuMgSi相の形成温度は、Cu含量の増加と共に低下するが、Mg含量の増加と共に上昇する。
本開示に従って、鋳造した状態で全てのQ−AlCuMgSi相粒子を完全に溶解するため、溶体化処理温度(T)がQ−AlCuMgSi相の形成温度を超える、すなわち、T>Tである必要がある。再融解を避けるため、溶体化処理温度の上限は、平衡固相線温度(T)である。具体的手段として、局部融解及びロゼットとして当該技術分野において既知である金属欠陥の発生を避けるため、溶体化処理温度は、固相線温度より少なくとも5〜10℃下回るように制御される。そのため、実際には、以下の関係が成立する。
−10℃>T>T (1)
本開示に従って、この基準を達成するため、合金組成、主にCu及びMg含量は、Q−AlCuMgSi相の形成温度が固相線温度より低くなるように選択しなくてはならない。図5は、Al−9%Si−Cu−Mg合金の固相線温度における予想されるCu及びMg含量の影響を示す。予想されるように、Cu及びMg含量が増加すると固相線温度が低下する。図6に示されるように、Mg含量はQ−AlCuMgSi相の形成温度を上昇させるが、固相線温度を低下させることに留意されたい。Q−AlCuMgSi相形成温度面及び(T−10℃)面(固相線温度面より10℃下回る)は、図6中で重なっている。これら2つの面は、曲線A−B−Cに沿って交差する。等式(1)の基準を満たす領域は、曲線A−B−Cの右側、すなわち、T<T−10℃である。Cu−Mg組成次元に曲線A−B−Cを投射すると、図25に示されるような、好ましい組成境界である中心線Cu+10Mg=5.25を生じる。下限であるCu+10Mg=4.73、Q−AlCuMgSi相形成温度面及び(T−15℃)表面(固相線温度面より15℃低い)の交差によって画定された。上限であるCu+10Mg=5.78は、Q−AlCuMgSi相形成温度面及び(T−5℃)表面(固相線温度面より5℃低い)の交差によって画定された。Al−9%Si−0.1%Fe−x%Cu−y%Mg合金において、Cu及びMg含量をこれらの限度内に制御するとき、溶体化処理中にQ−AlCuMgSi相粒子を完全に溶解できる。
本開示に従って、合金の強度及び延性を最大化する好ましいMg及びCu含量を図25に示す。
Mg及びCu含量の好ましい関連性は、
0.5<Cu<2.0のとき、Cu+10Mg=5.25によって定義される。
上限はCu+10Mg=5.8であり、下限はCu+10Mg=4.7である。
上記の方法は、(i)アルミニウム合金中に溶解可能な全ての構成成分相の形成温度を計算すること、(ii)アルミニウム合金の平衡固相線温度を計算すること、(iii)全ての溶解可能な構成成分相の形成温度が、固相線温度より少なくとも10℃低い場合、Al−Cu−Mg−Si空間内に領域を画定すること、によって、溶体化温度の選択を可能にする。Al−Cu−Mg−Si空間は、Al、Cu、Mg及びSiそれぞれの相対組成%、並びに、関連する相対組成の範囲に対する固相線温度によって画定される。ある種の合金、例えば、Al−Cu−Mg−Siでは、空間は、2種類の対象とする元素、例えば、Cu及びMgの相対組成に関連する固相線温度によって画定され得、合金の重要な特性、例えば引張特性に与える影響に関連すると考えられる.加えて、溶体化温度を選択し、特定の、例えば、重要な特性、例えば引張特性に悪影響を与える相を減少させることができる。合金は、例えば鋳造後、溶体化処理後に完全に溶解する必要がある相、例えば、Q−AlCuMgSi相の計算された形成温度を上回るが、計算された平衡固相線温度より下回って加熱されることによって、熱処理されてよい。溶体化処理後に完全に溶解する必要がある相の形成温度、及び固相線温度は、例えば、CompuTherm LLC(Madison,WI)から入手可能なPandat(商標)ソフトウェア及びPanAluminum(商標)Databaseを用いて、計算熱力学によって求めることができる。
1.2 引張試験片鋳造物向けの組成選択
上記解析に基づき、いくつかのMg及びCu含量の組み合わせを、表3に示すように選択した。更に、本発明の発明者による実験により、3重量%を超える濃度の亜鉛をAl−Si−Mg−(Cu)合金に加えると、合金の延性及び強度の両方を増加できることが示されている。図7に示されるように、亜鉛は、Al−Si−Mg合金の流動性も増すことができる。したがって、亜鉛(4重量%)の追加も評価した。また、L.A.Angers,Development of Advanced I/M 2xxx Alloys for High Speed Civil Transport Applications,Alloy Technology Division Report No.AK92,1990−04−16は、Agの追加により、高Cu含有(>〜1.5重量%)アルミニウム合金の時効硬化を促進し、室温及び高温における引張強度を増加できることも報告している。Ag(0.5重量%)の追加も、高Cu含量、例えば1.75重量%Cuの合金に含めた。そのため、10種類の合金組成を評価のために選択した。これらの合金の標的組成を表3に示す。表3中の合金1は、基準合金のA359であることに留意されたい。
Figure 2017508065
改変されたASTM引張試験片用成形型を、鋳造に使用した。成形型用潤滑スプレーをゲージ部に用い、一方成形型用断熱スプレーを空洞の残り部分に用いた。各合金につき、30個の鋳造物を作製した。平均サイクル時間は約2分間とした。検討した実際の組成を以下の表4に示す。
Figure 2017508065
実際の組成は、標的組成に非常に近い。鋳造物の水素含量(1回の試験)を表5に示す。
Figure 2017508065
注:合金3は多孔質のランスで脱気し、その他の合金は全て回転式脱気装置を用いて脱気した。
1.3 Cu及びMgに応じた好ましい溶体化処理温度
Q−AlCuMgSi相粒子を全て溶解するため、溶体化処理温度は、Q−AlCuMgSi相形成温度よりも高くなければならない。表6は、10種類の検討した合金の標的組成を用いる、計算された最終共晶温度、Q相形成温度、及び固相線温度を示す。
Figure 2017508065
上記情報に基づいて、2種類の溶体化処理法を規定し、用いた。合金2、3、9及び10は、他のものよりも固相線温度が低く、及び/又は、最終共晶/Q相形成温度が低かった。そのため、異なるSHT法を使用した。
合金2、3、9及び10向けの方法Iは以下の通りとし、
・最大で471℃まで1.5時間(hour log)加熱
・471℃で2時間浸漬
・最大で504℃まで0.5時間かけて上昇
・504℃で4時間浸漬
・最大でTまで0.5時間かけて上昇
・Tで6時間浸漬
・CWQ(冷水による急冷)
その他6種類の合金向けの方法IIは以下の通りとした。
・最大で491℃まで1.5時間加熱
・491℃で2時間浸漬
・最大で504℃まで0.25時間かけて上昇
・504℃で4時間浸漬
・最大でTまで0.5時間かけて上昇
・Tで6時間浸漬
・CWQ(冷水による急冷)
最終工程である溶体化処理温度Tは、Mg及びCu含量に基づいて以下の等式から求めた。
(℃)=570−10.48Cu−71.6Mg−1.3319CuMg−0.72CuCu+72.95MgMg、(2)
式中、Mg及びCuはマグネシウム及び銅含量(重量%)である。Tの下限は以下によって定義される。
=533.6−20.98Cu+88.037Mg+33.43CuMg−0.7763CuCu−126.267MgMg(3)
の上限は以下によって定義される。
=579.2−10.48Cu−71.6Mg−1.3319CuMg−0.72CuCu+72.95MgMg(4)
光学及びSEM顕微鏡を用いて、溶体化処理した試料の微細構造の特徴を確認した。検討した全てのCu含有合金において、非溶解Q相粒子はなかった。図8は、質別T6である、Al−9%Si−0.35%Mg−1.75%Cu合金(合金#9)の微細構造を示す。Si粒子は全て良好に球状化されていた。一部の非溶解粒子は、β−AlFeSi、π−AlFeMgSi、及びAlCuFe相として区別した。これら非溶解相の形態を、より高い倍率で図9に示す。
1.4 実験結果
1.4.1 特性確認
ASTM B557法に従って引張特性を評価した。試験片を、改変したASTM B108鋳造物から切り出し、更なる機械加工は行わずに引張機で試験した。全ての引張結果は、5つの試料の平均である。選択した合金の靱性を、切り欠きがないシャルピー衝撃試験(ASTM E23−07a)を用いて評価した。試料寸法は、引張試験片鋳造物から機械加工した、10mm×10mm×55mmとした。各合金につき、2つの試料を測定した。
ASTM E606法に従って、平滑S−N疲労試験を実施した。3つの応力レベル、100MPa、150MPa、及び200MPaを評価した。R比を−1、周波数を30Hzとした。各条件に対し、3つの複製した試料を試験した。約10サイクルの後、試験を終了した。平滑な疲労用円形試料は、引張試験片鋳造物のゲージ部を少し機械加工することによって得た。
ASTM G110法に従って、選択した条件の耐食性(攻撃の種類)を評価した。鋳造した状態の表面及び機械加工した表面の両方について、腐食様式及び攻撃深さを評価した。
引張、シャルピー衝撃、及びS−N疲労などの試験の生データを全て、表7〜9に示す。結果のまとめを次項に示す。
Figure 2017508065
Figure 2017508065
Figure 2017508065
1.4.2 室温における機械的特性
1.4.2.1 引張特性に対する時効処理温度の影響
引張特性に対する人工時効処理温度の影響を、基準合金1−Al−9%Si−0.5%Mgを用いて調べた。最低4時間の自然時効処理の後、引張試験片鋳造物を、155℃で15、30、60時間、170℃で8、16、24時間時効処理を行った。各時効処理条件に対し、3つの複製した試料を用いた。
図10は、様々な時効処理条件における基準A359合金(Al−9%Si−0.5%Mg)の引張特性を示す。低時効処理温度(155℃)では、高時効処理温度(170℃)よりも高い品質指数を生じる傾向がある。したがって、特性の改善を得るための時効処理時間が長くても、155℃での低時効処理温度を選択した。
1.4.2.2 引張特性に対する合金元素の影響
図11は、基準Al−9%Si−0.5%Mg合金及びAl−9%Si−0.5%Mg−0.75%Cu合金の引張特性を比較している。0.75%CuをAl−9%Si−0.5%Mg合金に加えると、伸びを維持しつつも、降伏強さが〜20MPa、極限引張強度が〜40MPa増加する。Cu含有合金の平均品質指数は〜560MPaであり、平均〜520MPaの基準合金よりはるかに高い。
図12は、4種の鋳造合金、1、2、3及び4の引張特性を比較している。合金1は基準合金である。合金2〜4は全て0.75%Cuと、様々な量のMg及び/又はZnを含む。合金3及び4は0.45%Mgを含有するが、合金2は0.35%Mgを含有し、合金1は0.5%Mgを含有する。合金2及び3は4%Znも有する。これら4種の合金の初期評価は、Mg及びZnは、延性を犠牲にすることなく合金の強度を増すことを示す。合金3と4との間を直接比較すると、4%ZnをAl−9%Si−0.45%Mg−0.75%Cu合金に添加することにより、伸びを維持しつつも、極限引張強度及び降伏強さの両方が増加することが示される。4%Znを添加すると、図12に示されるように、時効処理速度も増加する。155℃で15時間時効処理すると、Al−9%Si−0.45%Mg−0.75%Cu−4%Zn合金において約370MPaの降伏強さを達成でき、これは、Znを含まない合金よりも約30MPa高い。
図13は、Al−9%Si−1.25%Cu−Mg合金(合金6〜8)の引張特性に対する、Mg含量(0.35〜0.55重量%)の影響を示す。基準合金Al−9%Si−0.5%Mgの引張特性も、比較のために含める。Mg含量は、引張特性に対する著しい影響を示した。Mg含量が増えると、降伏強さ及び引張強度の両方が増加したが、伸びは減少した。Mg含量の増加による伸びの減少は、Q−AlCuMgSi相粒子が全て溶解したとしても、大量のπ−AlFeMgSi相粒子に関係し得る。Al−9%Si−1.25%Cu−Mg合金の品質指数に対するMg含量の影響は、総合的には重要ではないことがわかった。
図14は、Al−9%Si−0.35%Mg−1.75%Cu合金の引張特性に対する、Ag(0.5重量%)の影響を示す。0.5重量%Agの添加による、Al−9%Si−0.35%Mg−1.75%Cu合金の強度、伸び、及び品質指数に対する影響は非常に限定されていた。Al−9%Si−0.35%Mg−1.75%Cu(Agなし)合金の品質指数は、基準合金のA359(合金1)より〜60MPa高いことに留意されたい。
図15a〜15dは、基準合金Al−9Si−0.5Mg(合金1)と共に、本開示による5種類の期待される合金の引張特性を示す。これら5種類の合金は、標的引張特性、すなわち、引張の10〜15%増加と、A356/A357合金と類似の伸びの維持を達成する。合金は、Al−9%Si−0.45%Mg−0.75%Cu(合金4)、Al−9%Si−0.45%Mg−0.75%Cu−4%Zn(合金3)、Al−9%Si−0.45%Mg−1.25%Cu(合金7)、Al−9%Si−0.35%Mg−1.75%Cu(合金9)、及びAl−9%Si−0.35%Mg−1.75%Cu−0.5%Ag(合金10)である。
データに基づき、155℃において15〜60時間の範囲で時効処理した合金について、以下の引張特性を得ることができると考えられる。
極限引張強度: 450〜470MPa
引張降伏強さ: 360〜390MPa
伸び: 5〜7%
品質指数: 560〜590MPa
これらの特性は、A359(合金1)よりはるかに高く、A201(Al4.6Cu0.35Mg0.7Ag)鋳造合金(UTS 450MPa、TYS 380MPa、伸び8%、及びQ 585MPa)に非常に似ている()ASM Handbook Volume 15,Casting,ASM International,December 2008)。一方、これらAl−9%Si−Mg−Cu合金の可鋳性は、A201合金よりはるかに良好である。A201合金は、高温割れ及びCuのマクロ偏析の傾向が高いことによって、可鋳性が乏しい。更に、0.7重量%Agを有するA201の材料コストも、Agを含まない本開示による実施形態よりも、ずっと高い。
引張特性結果に基づき、期待される引張特性を有するAgを含まない4種類の合金(合金3、4、7及び9)を、基準合金のA359(合金1)と共に、更なる検討のために選択した。155℃で15時間及び60時間時効処理したこれらの5種類の合金について、シャルピー衝撃、S−N疲労及び、一般的腐食試験を実施した。
1.4.4 シャルピー衝撃試験
図16は、シャルピー衝撃エネルギー対引張降伏強さをプロットすることによる、個々の試験の結果を示す。黒記号は、155℃で15時間時効処理した試料であり、白記号は、155℃で60時間時効処理した試料である。時効処理時間が長くなるにつれて引張降伏強さは増加し、一方、時効処理時間が長くなるにつれてシャルピー衝撃エネルギーは減少する。結果は、ほとんどの合金/時効処理条件は、予想した強度/靱性関係に従うことを示す。しかしながら、実際の結果は、Cu含量が高くなると、例えば、1.25及び1.75重量%では、強度/靱性関係がわずかに低下することを示す。
1.4.5 S−N疲労試験
多くの場合、アルミニウム鋳造物は、負荷応力のサイクルを受ける工業部品中で使用される。これらの工業寿命の間、無数の応力サイクルが起こるため、これらの疲労寿命の特徴を確認することが重要である。これは、自動車のサスペンション部品など、安全性が不可欠である用途において特に当てはまる。
図17及び18は、155℃で、それぞれ15及び60時間時効処理した5種類の選択した合金の、S−N疲労試験結果を示す。これらの試験中、一定の振幅応力(R=−1)を試験試料に加えた。3つの異なる応力レベル、100MPa、150MPa及び200MPaを加えた。破損までの合計サイクル数を記録した。
155℃で15時間時効処理したとき、全てのCu含有合金は、高い応力レベル(>150MPa)において、基準A359合金よりも良好な疲労性能(破損までのサイクル数が多い)を示した。低い応力レベル(<125MPa)では、Al−9Si−0.45Mg−0.75Cu及びAl−9Si−0.35Mg−1.75Cu合金の疲労寿命は、A359合金と非常に類似しているが、Al−9Si−0.45Cu−0.75Cu−4Zn合金(合金3)の疲労寿命は、A359合金より短かった。この合金の短い疲労寿命は、先に記載したように、鋳造物の水素含量が高いことによって生じ得る。
時効処理時間を延長すると(より高い引張強度)、破損までのサイクル数が減少する傾向を示した。例えば、時効処理時間を15時間から60時間に延長すると、150MPaの応力レベルにおける破損までの平均サイクル数は、Al−9%Si−0.45%Mg−0.75%Cu合金では〜323,000から〜205,000まで、A359合金では〜155,900から〜82,500まで減少した。この結果は、Al−Si−Mg−(Cu)鋳造合金の強度/疲労関係における一般的な傾向であり得る。ここでも、合金3は他のものより低い疲労性能を示した。
1.4.6 腐食試験−ASTM G110
図19〜23は、5種類の選択した合金の鋳造した状態の表面及び機械加工した表面の両方における、6時間のASTM G110試験後の断面図の光学顕微鏡写真を示す。腐食攻撃様式は、主に樹枝状晶間腐食であった。腐食部位の数は概ね、Cuを含まない基準合金よりも4種類のCu含有組成で高かった。
より詳細には、図19a〜dは、a)鋳造した状態で15時間155℃で時効処理された合金、b)鋳造した状態で60時間155℃で時効処理された合金、c)機械加工した表面を有し15時間155℃で時効処理された合金、及び、d)機械加工した表面を有し60時間155℃で時効処理された合金の、6時間のASTM G110試験後のAl−9%Si−0.5%Mgの断面の光学顕微鏡写真を示す。
図20a〜dは、a)鋳造した状態で15時間155℃で時効処理された合金、b)鋳造した状態で60時間155℃で時効処理された合金、c)機械加工した表面を有し15時間155℃で時効処理された合金、及び、d)機械加工した表面を有し60時間155℃で時効処理された合金の、6時間のASTM G110試験後のAl−9%Si−0.35%Mg−0.75%Cu−4%Znの断面の光学顕微鏡写真を示す。
図21a〜dは、a)鋳造した状態で15時間155℃で時効処理された合金、b)鋳造した状態で60時間155℃で時効処理された合金、c)機械加工した表面を有し15時間155℃で時効処理された合金、及び、d)機械加工した表面を有し60時間155℃で時効処理された合金の、6時間のASTM G110試験後のAl−9%Si−0.45%Mg−0.75%Cuの断面の光学顕微鏡写真を示す。
図22a〜dは、a)鋳造した状態で15時間155℃で時効処理された合金、b)鋳造した状態で60時間155℃で時効処理された合金、c)機械加工した表面を有し15時間155℃で時効処理された合金、及び、d)機械加工した表面を有し60時間155℃で時効処理された合金の、6時間のASTM G110試験後のAl−9%Si−0.45%Mg−1.25%Cuの断面の光学顕微鏡写真を示す。
図23a〜dは、a)鋳造した状態で15時間155℃で時効処理された合金、b)鋳造した状態で60時間155℃で時効処理された合金、c)機械加工した表面を有し15時間155℃で時効処理された合金、及び、d)機械加工した表面を有し60時間155℃で時効処理された合金の、6時間のASTM G110試験後のAl−9%Si−0.35%Mg−1.75%Cuの断面の光学顕微鏡写真を示す。
図24は、6時間のASTM G110試験後の攻撃の深さを示す。合金間での明確な差異や傾向はない。鋳造した状態の表面と機械加工した表面との間にいくらかの差異はあったが、時効処理時間は、いずれも攻撃の深さに明らかな影響を及ぼさなかった。全般的に、腐食攻撃は、同じサンプルの鋳造した状態の表面よりも機械加工した表面においてわずかに深かった。
全体的に、Cu又はCu+Znの添加は、腐食様式を変えず、合金の攻撃の深さを増強しない。評価した全ての合金は、基準合金のA359と同様の耐食性を有すると考えられる。
本開示は、延性を犠牲にすることなく高い強度を達成できるAl−Si−Cu−Mg合金について記載している。450〜470MPaの極限引張強度、360〜390MPaの降伏強さ、5〜7%の伸び、及び560〜590MPaの品質指数などの引張特性が得られた。これらの特性は、従来の3xx合金を上回り、A201(2xx+Ag)合金と非常に類似しているが、新規Al−9Si−MgCu合金の可鋳性は、A201合金よりもはるかに良好である。新規合金は、A359(A1−9Si−0.5Mg)合金よりも良好なS−N疲労耐性を示した。本開示による合金は、十分な破壊靱性と一般的な耐食性を有する。
<実施例2−高温における用途向けの鋳造合金>
開示に記載されるものなどの合金は、高温に曝される用途、例えば、エンジン内でエンジンブロック、シリンダーヘッド、ピストンなどの形態で利用され得るため、かかる合金が、高温に曝されたときの挙動様式の評価に着目する。図26は、様々な温度に曝された後の、本開示による合金、すなわち、Al−9Si−0.35Mg−1.75Cu(以前は、例えば図15では合金9と称した)の引張特性のグラフを示す。記載したように、グラフ中のデータを生成する各試験において、合金の曝露時間は、示される温度において500時間である。示される温度において、サンプルも試験した。グラフに示されるように、合金の降伏強さは、150℃を超える温度において顕著に減少した。本開示に従って、金属を分析し、上昇した温度への曝露による強度損失に関連する特徴を確認した。
図27a及び27bは、高温に曝露する前の合金9のサンプルの断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示し、27bは、31aの顕微鏡写真で「Al」で示した部分の拡大図である。図27aに示されるように、Si及びAlFeSi粒子と同様に結晶粒界が見えている。図27bに示される主にAl部分は、20,000×倍率で目に見える析出物がない。
図28a〜eは、顕微鏡写真と合金9の引張特性グラフG上のデータ点との相関を示している、高温に曝露された後の図27bに示される顕微鏡写真と同倍率の合金C00(以前は、例えば図15では合金9と称した)の断面の、一連の走査型電子顕微鏡(SEM)顕微鏡写真を示す。ある温度範囲内のA356合金の引張特性も、比較のためのグラフG中に示す。一連の顕微鏡写真からわかるように、合金9の高温への曝露の結果、より大きく、末広形状を呈する析出物粒子が連続的に目立つようになる。
本開示の発明者らは、特定の合金化元素、すなわち、Ti、V、Zr、Mn、Ni、Hf、及びFeを、本開示のC00合金(以前は、例えば図15では合金9と称した)に少量導入し、高温での強度低下に耐える合金を産生できることを認めた。
以下の表(表10)は、高温での改良された強度を開発する目的で、C00合金(以前は、例えば図15では合金9と称した)への少量の追加元素を利用した、18種類の合金を示す。
Figure 2017508065
表11は、前述の合金の機械的特性、すなわち、300℃、175℃、及び室温(RT)における、極限引張強度(UTS)、総降伏強さ(TYS)、及び伸び%を示す。
Figure 2017508065
Figure 2017508065
Figure 2017508065
図29は、前述の合金の室温での降伏強さのグラフを示す。A356を比較のために示す。加えて、強度改善のためにエネルギー省(DOE)が発表した標的を比較のために示す[Predictive Modeling for Automotive Light weighting Applications and Advanced Alloy Development for Automotive and Heavy−Duty Engines、Department of Energy発行、03/22/2012]。理解されるように、C00合金は、室温における強度において合金C02〜C18に相当し、これらは全て実質的に、A356合金の強度及びDOEの標的特性を上回る。実質的な量のMgを含まない合金C01は、降伏強さがはるかに低かった。
図30は、前述の合金について、175℃で500時間曝露後の降伏強さのグラフである。C00並びにA356を比較のために示す。理解されるように、C00合金は、実質的にA356合金の強度を上回る。合金C02〜C18は全て、A356及びC00の両方に比べて著しい改善を示す。
図31は、前述の合金について、300℃で500時間曝露後の降伏強さのグラフである。C00並びにA356を比較のために示す。図32は、様々な合金を300℃に曝した後の、降伏強さのグラフである。より詳細には、隣接する合金(矢印の方向に進む)は、追加元素又は元素量の増加の結果を示す。図32のグラフにおいて、一番高い結果は、C00+0.1T+0.16Fe+0.13V+0.15Zrにおいてである。この組み合わせにZrを更に加えると(0.18%まで)、性能の低下をもたらす。
図33は、様々な合金を300℃で500時間曝露した後の、降伏強さのグラフである。このグラフは、C00組成へのTi、Fe及びMnの添加による改善を示し、最大性能は、C00+0.11Ti+0.32Fe+0.3Mnについて記される。前述のものにVを添加すると性能が低下し、0.12Zrを更に添加すると、その性能が最大レベルまでほぼもどる。
図34は、様々な合金、すなわち、C00組成への元素の追加による、300℃に曝露した後の降伏強さのグラフである。最適性能は、C00+0.1Ti+0.28Ni+0.32Fe+0.14Mn+0.1Hf+0.11V+0.04Zrについて記される。
<実施例3−半永久的成形型シリンダーヘッド用途向けの鋳造合金>
高温での高強度と非常に良好な可鋳性によって、C05合金(表10)が、シリンダーヘッド用途、例えば、内燃機関向けの優れた候補になる。C05合金(表10)のプラントスケール試験を実施した。重力による半永久的成形型鋳造プロセスを用いて、シリンダーヘッド鋳造物を作製した。実際の組成を表12に示す。
Figure 2017508065
引張試料ブロックを、燃焼室区域から切り出した。これらを以下の方法を用いて溶体化処理した。
940°F(504.4℃)まで2時間(hr log)+940°F(504.4℃)/2時間+最大で986°F(530℃)まで30分間上げる+986°F(530℃)/4時間+CWQ
3種の人工時効処理手順、190℃/6時間、205℃/6時間、及び220℃/6時間を評価し、機械的特性の結果を表13に示す。
Figure 2017508065
また、前述の合金組成も用いて、高圧ダイカスト(HPDC)法により、T5調質手順を用いてシリンダーヘッドを形成した。
<実施例4−HPDCエンジンブロック用途向けの鋳造合金>
本開示の別の実施形態に従って、開示されるアルミニウム合金を用い、例えば、内燃機関用のシリンダーブロックを鋳造できる。エンジンブロックはエンジン重量に主に寄与するため、エンジンブロックに開示される合金を使用すると、鋳鉄から作られたエンジンと比較して、ガソリンエンジンの重量を顕著に軽減、例えば、最大で45%の重量軽減をもたらすことができる。より低い重量を有するエンジンは、性能の改善、燃費の改善、及び排出削減につながる。エンジンの大量生産において、高圧ダイカスト(HPDC)プロセスは、高生産率及び生産コストの低減のために幅広く使用される。
HPDCエンジンブロックの鋳造法は、T5調質手順を使用することが多い。本開示の合金は、T5手順を用いて調質できる。この手順は、高温溶体化処理及び急冷を使用しないことに留意されたい。本開示の実施形態に従って、表14に示す組成を有する6種類の合金を調製し、改変したASTM引張試験片成形型に鋳造した。
Figure 2017508065
全ての合金においてFe:Mnの重量比は0.25〜0.32とした。
各組成につき、60個の引張試験片試料を製造した。試料を完全に凝固した後、半分を水で急冷し、別の半分を空気で冷却した。次に、結果として得られる試料の物理的性質を試験し、以下にも記載する。水による急冷及び空冷の試料の両方において、3種の異なる人工時効処理手順、175℃/6時間、190℃/6時間、及び205℃/6時間を評価した。
表15、16及び17は、異なる条件で時効処理された空冷試料の、それぞれ平均降伏強さ、極限引張強度、及び伸びを示す。表15は、Al−9Si−0.15Fe−0.55Mn−Cu−Mg合金の降伏強さに対するCu、Mg及び時効処理条件の影響を示す。完全に凝固した後、引張試験片鋳造物を空気中で冷却した。表15に示されるように、Mg及びCu含量は、降伏強さへの顕著な影響を示した。0.4%Mg及び1.0〜1.5%Cuを有する合金は、その他の合金よりも高い降伏強さを示した。
表16は、Al−9Si−0.15Fe−0.55Mn−Cu−Mg合金の極限引張強度に対するCu、Mg及び時効処理条件の影響を示す。完全に凝固した後、引張試験片鋳造物を空気中で冷却した。表16は、Al−9Si−0.15Fe−0.55Mn−Cu−Mg合金の伸びに対するCu、Mg及び時効処理条件の影響を示す。完全に凝固した後、引張試験片鋳造物を空気中で冷却した。表16〜17に示されるように、Mg及びCuが増加すると、UTSがわずかに増加し、伸びが低下する。空冷試料では、T5条件で達成された降伏強さの最大は、約190MPaであった。
Figure 2017508065
Figure 2017508065
Figure 2017508065
表18、19及び20は、異なる条件で時効処理された温水で急冷した試料の、それぞれ平均降伏強さ、極限引張強度、及び伸びを示す。表18は、Al−9Si−0.15Fe−0.55Mn−Cu−Mg合金の降伏強さに対するCu、Mg及び時効処理条件の影響を示す。完全に凝固した後、引張試験片鋳造物を温水中で冷却した。表18に示されるように、Mg及びCu含量は、降伏強さへの顕著な影響を示した。表19は、Al−9Si−0.15Fe−0.55Mn−Cu−Mg合金の極限引張強度に対するCu、Mg及び時効処理条件の影響を示す。完全に凝固した後、引張試験片鋳造物を温水中で冷却した。表20は、Al−9Si−0.15Fe−0.55Mn−Cu−Mg合金の伸びに対するCu、Mg及び時効処理条件の影響を示す。完全に凝固した後、引張試験片鋳造物を温水中で冷却した。
0.4%Mg及び1.0〜1.5%Cuを有する合金は、その他の合金よりも高い降伏強さを示した。温水で急冷した試料では、T5条件で達成された降伏強さの最大は、約260MPaであった。
Figure 2017508065
Figure 2017508065
Figure 2017508065
<実施例5−HPDCエンジンブロック用途向けの鋳造合金>
2種類の合金について、追加の高圧ダイカスト(HPDC)試験を完了したが、この組成を以下の表21に示す。合金をジャーナル片として鋳造した。鋳造後、様々な合金を空気中で急冷し、一方別の合金を温水(≒60℃)中で急冷した。様々な合金を、様々な時間及び温度で時効処理し、様々な機械的特性を試験後、その結果を以下の表22〜24に示す。鋳造表面の約1mm下部から取ったJIS14B試験試料を用いて、強度及び伸びを試験した。
Figure 2017508065
Figure 2017508065
Figure 2017508065
Figure 2017508065
室温、応力比R=−1(=σmin/σmax)、周波数1500rpm、平均応力(σ)ゼロ(0)MPaにおいて、合金R8の疲労特性を測定した。疲労は、室温で90MPaであった。
水で急冷し、約6時間約205℃で人工時効した、1つの質別T5の合金R8について、約150℃での疲労強度(ステアケース疲労)も測定した。この種の質別T5合金R8は、150℃で81.25±7.83MPaの平均疲労強度を実現した。応力振幅増加は5.0MPaであり、収束係数は0.94であった。
当然のことながら、本明細書に記載の実施形態は例示にすぎず、当業者は、特許請求される主題の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多くの変更及び修正を行える。例えば、異なる時効処理条件を使用すると、結果として異なる特性を生じ得る。かかる変更及び修正は全て、添付の特許請求の範囲内に含まれるものとする。

Claims (31)

  1. 8.5〜9.5重量%のケイ素と、
    0.8〜2.0重量%の銅(Cu)と、
    0.20〜0.53重量%のマグネシウム(Mg)と、
    0.35〜0.8重量%のマンガンと、
    最大で5.0重量%の亜鉛と、
    最大で1.0重量%の銀と、
    最大で1.0重量%のニッケルと、
    最大で1.0重量%のハフニウムと、
    最大で1.0重量%の鉄と、
    最大で0.30重量%のチタンと、
    最大で0.30重量%のジルコニウムと、
    最大で0.30重量%のバナジウムと、
    最大で0.10重量%の、ストロンチウム、ナトリウム及びアンチモンのうち1つ又は2つ以上と、
    それぞれ≦0.04重量%であり、合計≦0.12重量%であるその他元素と、からなり、
    残部がアルミニウムである、アルミニウム鋳造合金。
  2. 鉄対マンガンの比が≦0.5である、請求項1に記載の合金。
  3. 前記合金が1.0〜1.5重量%の銅を含む、請求項1に記載の合金。
  4. 前記合金が0.4〜0.45重量%のマグネシウムを含む、請求項1に記載の合金。
  5. 前記合金が1.0重量%の銅及び0.4重量%のマグネシウムを含む、請求項1に記載の合金。
  6. 前記合金が≦0.5重量%の亜鉛を含む、請求項1に記載の合金。
  7. 前記合金が≦0.25重量%の亜鉛を含む、請求項1に記載の合金。
  8. 前記合金が≦0.5重量%のハフニウムを含む、請求項1に記載の合金。
  9. 前記合金が≦0.25重量%のハフニウムを含む、請求項1に記載の合金。
  10. 前記合金が≦0.5重量%の鉄を含む、請求項1に記載の合金。
  11. 前記合金が≦0.35重量%の鉄を含む、請求項1に記載の合金。
  12. 前記合金が鉄を0.10〜0.30重量%の鉄の量で含む、請求項1に記載の合金。
  13. 前記合金が≦0.1重量%のジルコニウムを含む、請求項1に記載の合金。
  14. 前記合金が≦0.1重量%のバナジウムを含む、請求項1に記載の合金。
  15. 前記合金が≦0.05重量%のストロンチウムを含む、請求項1に記載の合金。
  16. 前記合金が≦0.3重量%のナトリウムを含む、請求項1に記載の合金。
  17. 前記合金が≦0.3重量%のアンチモンを含む、請求項1に記載の合金。
  18. 前記合金をT5に調質する工程を含む、請求項1に記載の合金を熱処理する方法。
  19. 請求項1に記載の合金を熱処理する方法であって、
    (a)前記合金を、周囲温度から最大で504.4℃に2時間曝す工程と、
    (b)前記温度を、504.4℃で2時間維持する工程と、
    (c)前記温度を、530℃まで30分間かけて上げる工程と、
    (d)前記温度を、530℃で4時間維持する工程と、
    (e)冷水中で急冷する工程と、を含む、方法。
  20. 前記合金を、190℃〜220℃の温度で約6時間人工時効処理する工程を更に含む、請求項19に記載の方法。
  21. シリンダーヘッドを鋳造する方法であって、
    (a)請求項1に記載の合金を得ることと、
    (b)前記合金を融解することと、
    (c)前記融解した合金を成形型内に導入し、鋳造物を形成することと、
    (d)前記鋳造物を、請求項19に記載の熱処理法にかけることと、を含む、方法。
  22. 前記鋳造物を請求項20に記載の人工時効処理工程にかける工程を更に含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記成形型が、高圧ダイカスト成形型である、請求項21に記載の方法。
  24. シリンダーヘッド又はエンジンブロックを鋳造する方法であって、
    (a)請求項1に記載の合金を得ることと、
    (b)前記合金を融解することと、
    (c)前記融解した合金を成形型内に導入し、鋳造物を形成することと、
    (d)前記鋳造物をT5条件を用いて調質することと、を含む、方法。
  25. シリンダーヘッド又はエンジンブロックを鋳造する方法であって、
    (a)請求項1に記載の合金を得ることと、
    (b)前記合金を融解することと、
    (c)前記融解した合金を成形型内に導入し、鋳造物を形成することと、
    (d)前記鋳造物を凝固させることと、
    (e)前記鋳造物を冷却させることと、を含む、方法。
  26. 前記鋳造物の人工時効処理工程を更に含む、請求項25に記載の方法。
  27. 前記冷却が空気中で行われ、前記人工時効処理が175℃〜205℃の温度で約6時間行われる、請求項26に記載の方法。
  28. 前記冷却が水中で行われ、前記人工時効処理が175℃〜205℃の温度で約6時間行われる、請求項26に記載の方法。
  29. 前記成形型が高圧ダイカスト成形型であり、前記導入工程が高圧ダイカストによるものである、請求項25に記載の方法。
  30. 前記合金が≦0.35重量%のマグネシウムを含む、請求項1に記載の合金。
  31. 前記合金が≦0.25重量%のマグネシウムを含む、請求項1に記載の合金。
JP2016541240A 2013-12-20 2014-12-17 高性能AlSiMgCu鋳造合金 Pending JP2017508065A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201361919415P 2013-12-20 2013-12-20
US61/919,415 2013-12-20
PCT/US2014/070938 WO2015126515A2 (en) 2013-12-20 2014-12-17 HIGH PERFORMANCE AlSiMgCu CASTING ALLOY

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017508065A true JP2017508065A (ja) 2017-03-23
JP2017508065A5 JP2017508065A5 (ja) 2018-02-01

Family

ID=53879217

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016541240A Pending JP2017508065A (ja) 2013-12-20 2014-12-17 高性能AlSiMgCu鋳造合金

Country Status (10)

Country Link
US (1) US10227679B2 (ja)
EP (2) EP3084027B1 (ja)
JP (1) JP2017508065A (ja)
CN (1) CN105874090A (ja)
BR (1) BR112016014362A8 (ja)
CA (1) CA2932867C (ja)
ES (1) ES2694519T3 (ja)
MX (1) MX2016008166A (ja)
PL (1) PL3084027T3 (ja)
WO (1) WO2015126515A2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020125528A (ja) * 2019-02-06 2020-08-20 昭和電工株式会社 アルミニウム合金鋳造材
KR20210065599A (ko) * 2019-11-27 2021-06-04 동양피스톤 주식회사 수소차량 부품용 합금의 열처리 방법
KR20210065598A (ko) * 2019-11-27 2021-06-04 동양피스톤 주식회사 수소차량 부품용 알루미늄 합금

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106884100B (zh) * 2015-12-16 2019-02-26 湖南科技大学 一种镍铝基复相合金的制备方法
US10604825B2 (en) * 2016-05-12 2020-03-31 GM Global Technology Operations LLC Aluminum alloy casting and method of manufacture
US20180010214A1 (en) * 2016-07-05 2018-01-11 GM Global Technology Operations LLC High strength high creep-resistant cast aluminum alloys and hpdc engine blocks
DE112016007434T5 (de) * 2016-12-09 2019-08-01 GM Global Technology Operations LLC Künstlicher Alterungsprozess für Aluminium-Siliziumlegierungen (AISi) für Druckgussteile
US10752980B2 (en) 2017-07-28 2020-08-25 Ford Global Technologies, Llc Advanced cast aluminum alloys for automotive engine application with superior high-temperature properties
CN107385287A (zh) * 2017-07-31 2017-11-24 江苏大学 锆锶复合微合金化和锰锌合金化的高强韧铝硅铜系铸造铝合金及制备方法
KR102544523B1 (ko) 2017-08-16 2023-06-15 알코아 유에스에이 코포레이션 알루미늄 합금의 재활용 및 이의 정제 방법
EP3704279A4 (en) 2017-10-31 2021-03-10 Howmet Aerospace Inc. IMPROVED ALUMINUM ALLOYS AND THEIR PRODUCTION PROCESSES
CN109234582A (zh) * 2018-08-29 2019-01-18 安徽工程大学 一种发动机缸体用高强度高韧性铝合金材料及其制备方法
CN109778026A (zh) * 2019-02-03 2019-05-21 中南大学 一种增材制造用铝硅基合金及其粉末的制备方法
FR3092840B1 (fr) * 2019-02-14 2022-10-28 Renault Sas Pièce de fonderie en alliage d’aluminium
CN110257672A (zh) * 2019-06-03 2019-09-20 江苏创斯达科技有限公司 一种轻质高强无级变速器壳体及其制备方法
CN111549263B (zh) * 2020-06-05 2021-11-23 东风汽车有限公司 一种铝合金集成式电驱动总成安装框架及其低压铸造方法
CN112662921B (zh) * 2020-12-04 2022-03-25 成都慧腾创智信息科技有限公司 一种高强韧压铸铝硅合金及其制备方法
CN113564501B (zh) * 2021-07-20 2022-07-19 苏州大学 一种压铸铝合金板材的热处理方法
CN113539388A (zh) * 2021-07-26 2021-10-22 昆明理工大学 一种Al-Zn-Mg-Cu铝合金化学成分优化的方法
CN114774741B (zh) * 2022-04-21 2023-11-24 中铝材料应用研究院有限公司 一种耐热高强铸造铝合金及其制造方法
CN115961186A (zh) * 2022-11-11 2023-04-14 蔚来动力科技(合肥)有限公司 压铸铝合金材料及其制备方法和应用
CN115679162A (zh) * 2022-11-18 2023-02-03 江西万泰铝业有限公司 一种新能源汽车免热处理铝合金材料及低碳制备方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008111153A (ja) * 2006-10-30 2008-05-15 Hitachi Metals Ltd アルミニウムダイカスト合金およびこれを用いたコンプレッサ羽根車
JP2010053743A (ja) * 2008-08-27 2010-03-11 Hitachi Metals Ltd ダイカスト製コンプレッサ羽根車
JP2011208253A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Honda Motor Co Ltd 車両材料用アルミダイカスト合金
US20130105045A1 (en) * 2011-10-28 2013-05-02 Alcoa Inc. HIGH PERFORMANCE AlSiMgCu CASTING ALLOY

Family Cites Families (38)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US1921195A (en) 1931-07-14 1933-08-08 Aluminum Co Of America Aluminum silicon alloy
US2821495A (en) 1955-06-24 1958-01-28 Aluminum Co Of America Brazing and heat treatment of aluminum base alloy castings
JPS6057497B2 (ja) 1980-05-15 1985-12-16 株式会社日軽技研 耐熱性高力アルミニウム合金
JPS5779140A (en) * 1980-11-01 1982-05-18 Toyota Motor Corp Aluminum alloy for piston
US5055256A (en) 1985-03-25 1991-10-08 Kb Alloys, Inc. Grain refiner for aluminum containing silicon
JPS62149839A (ja) * 1985-12-23 1987-07-03 Nippon Light Metal Co Ltd 強度に優れた耐摩耗性加工用アルミニウム合金
JPH02261025A (ja) 1989-03-29 1990-10-23 Mitsubishi Electric Corp 電動機の固定子
JPH05179383A (ja) 1991-12-27 1993-07-20 Honda Motor Co Ltd 噴霧堆積法により製造された微細晶出粒子を有するアルミニウム合金
JPH05332364A (ja) 1992-06-01 1993-12-14 Daido Metal Co Ltd 耐摩耗性に優れたアルミニウム合金軸受およびその製造方法
CH689143A5 (de) 1994-06-16 1998-10-30 Rheinfelden Aluminium Gmbh Aluminium-Silizium Druckgusslegierung mit hoher Korrosionsbestaendigkeit, insbesondere fuer Sicherheitsbauteile.
JPH0835030A (ja) 1994-07-22 1996-02-06 Showa Denko Kk 強度に優れた鋳造用アルミニウム合金
DE19524564A1 (de) 1995-06-28 1997-01-02 Vaw Alucast Gmbh Aluminiumguß-Legierung
FR2746414B1 (fr) 1996-03-20 1998-04-30 Pechiney Aluminium Alliage thixotrope aluminium-silicium-cuivre pour mise en forme a l'etat semi-solide
JPH10158771A (ja) 1996-12-02 1998-06-16 Showa Denko Kk 耐圧性に優れた鋳物用アルミニウム合金
AU780409B2 (en) 1999-05-21 2005-03-17 James J. Hickman High throughput functional genomics
JP3921314B2 (ja) 1999-09-03 2007-05-30 株式会社神戸製鋼所 衝撃破壊強度に優れたアルミニウム合金鋳造材およびその製造方法
US6630039B2 (en) 2000-02-22 2003-10-07 Alcoa Inc. Extrusion method utilizing maximum exit temperature from the die
JP3846149B2 (ja) 2000-03-21 2006-11-15 いすゞ自動車株式会社 鋳造用アルミニウム合金の熱処理方法
JP2002047526A (ja) 2000-07-31 2002-02-15 Nippon Light Metal Co Ltd 強度,熱衝撃特性に優れたアルミニウム合金鋳物及びその製造方法
FR2818288B1 (fr) 2000-12-14 2003-07-25 Pechiney Aluminium PROCEDE DE FABRICATION D'UNE PIECE DE SECURITE EN ALLIAGE Al-Si
US7069897B2 (en) 2001-07-23 2006-07-04 Showa Denko K.K. Forged piston for internal combustion engine and manufacturing method thereof
US20030143102A1 (en) 2001-07-25 2003-07-31 Showa Denko K.K. Aluminum alloy excellent in cutting ability, aluminum alloy materials and manufacturing method thereof
US6719859B2 (en) 2002-02-15 2004-04-13 Northwest Aluminum Company High strength aluminum base alloy
US20050199318A1 (en) 2003-06-24 2005-09-15 Doty Herbert W. Castable aluminum alloy
US7087125B2 (en) 2004-01-30 2006-08-08 Alcoa Inc. Aluminum alloy for producing high performance shaped castings
WO2006014948A2 (en) 2004-07-28 2006-02-09 Alcoa Inc. An al-si-mg-zn-cu alloy for aerospace and automotive castings
JP4707413B2 (ja) * 2005-03-04 2011-06-22 三菱樹脂株式会社 連続鋳造アルミニウム合金鋳塊及びその製造方法
JP2007048643A (ja) 2005-08-11 2007-02-22 Jsr Corp 電極−膜接合体
US20070102071A1 (en) * 2005-11-09 2007-05-10 Bac Of Virginia, Llc High strength, high toughness, weldable, ballistic quality, castable aluminum alloy, heat treatment for same and articles produced from same
RU2310695C1 (ru) * 2006-02-15 2007-11-20 Открытое акционерное общество "Раменское приборостроительное конструкторское бюро" Способ отжига отливок из литейных алюминиевых сплавов, упрочняемых термической обработкой
CN101522935B (zh) 2006-08-01 2012-09-26 昭和电工株式会社 铝合金成形品的制造方法、铝合金成形品以及生产系统
EP1997924B1 (de) 2007-05-24 2009-12-23 ALUMINIUM RHEINFELDEN GmbH Warmfeste Aluminiumlegierung
JP5622349B2 (ja) 2007-11-28 2014-11-12 株式会社神戸製鋼所 アルミニウム合金材およびアルミニウム合金ブレージングシート
US20090260724A1 (en) * 2008-04-18 2009-10-22 United Technologies Corporation Heat treatable L12 aluminum alloys
US8758529B2 (en) * 2010-06-30 2014-06-24 GM Global Technology Operations LLC Cast aluminum alloys
CN102605226A (zh) * 2012-02-23 2012-07-25 浙江振义汽车部件有限公司 一种铝合金材料及其制造方法
EP2653579B1 (de) * 2012-04-17 2014-10-15 Georg Fischer Druckguss GmbH & Co. KG Aluminium-Legierung
ES2549135T3 (es) * 2012-05-15 2015-10-23 Constellium Extrusions Decin S.R.O. Producto de aleación de aluminio de forja mejorado para el decoletaje y su proceso de fabricación

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008111153A (ja) * 2006-10-30 2008-05-15 Hitachi Metals Ltd アルミニウムダイカスト合金およびこれを用いたコンプレッサ羽根車
JP2010053743A (ja) * 2008-08-27 2010-03-11 Hitachi Metals Ltd ダイカスト製コンプレッサ羽根車
JP2011208253A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Honda Motor Co Ltd 車両材料用アルミダイカスト合金
US20130105045A1 (en) * 2011-10-28 2013-05-02 Alcoa Inc. HIGH PERFORMANCE AlSiMgCu CASTING ALLOY

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020125528A (ja) * 2019-02-06 2020-08-20 昭和電工株式会社 アルミニウム合金鋳造材
JP7271980B2 (ja) 2019-02-06 2023-05-12 株式会社レゾナック アルミニウム合金連続鋳造材の製造方法
KR20210065599A (ko) * 2019-11-27 2021-06-04 동양피스톤 주식회사 수소차량 부품용 합금의 열처리 방법
KR20210065598A (ko) * 2019-11-27 2021-06-04 동양피스톤 주식회사 수소차량 부품용 알루미늄 합금
KR102623553B1 (ko) * 2019-11-27 2024-01-11 동양피스톤 주식회사 수소차량 부품용 합금의 열처리 방법
KR102623552B1 (ko) * 2019-11-27 2024-01-11 동양피스톤 주식회사 수소차량 부품용 알루미늄 합금

Also Published As

Publication number Publication date
EP3084027A2 (en) 2016-10-26
US10227679B2 (en) 2019-03-12
EP3084027B1 (en) 2018-10-31
EP3084027A4 (en) 2017-08-09
WO2015126515A2 (en) 2015-08-27
ES2694519T3 (es) 2018-12-21
WO2015126515A3 (en) 2015-10-15
PL3084027T3 (pl) 2019-04-30
EP3461922A1 (en) 2019-04-03
US20170016092A1 (en) 2017-01-19
BR112016014362A8 (pt) 2018-01-02
CN105874090A (zh) 2016-08-17
CA2932867A1 (en) 2015-08-27
MX2016008166A (es) 2016-09-29
CA2932867C (en) 2022-06-21
BR112016014362A2 (ja) 2017-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2932867C (en) High performance alsimgcu casting alloy
CN107245612B (zh) 高性能AlSiMgCu铸造合金
Ceschini et al. Room and high temperature fatigue behaviour of the A354 and C355 (Al–Si–Cu–Mg) alloys: Role of microstructure and heat treatment
US20190039125A1 (en) Secondary cast aluminum alloy for structural applications
JP5300118B2 (ja) アルミニウム合金鋳物の製造方法
Ceschini et al. Microstructural and mechanical properties characterization of heat treated and overaged cast A354 alloy with various SDAS at room and elevated temperature
US10174409B2 (en) High performance AlSiMgCu casting alloy
US20080060723A1 (en) Aluminum alloy for engine components
CN109868393B (zh) 用于气缸盖的高温铸造铝合金
Weiss Castability and characteristics of high cerium aluminum alloys
Shaji et al. Development of a high strength cast aluminium alloy for possible automotive applications
JP5660689B2 (ja) 鋳造用アルミニウム合金及びアルミニウム合金鋳物
KR20120116101A (ko) 고탄성 알루미늄 합금
Ceschini et al. The influence of cooling rate on microstructure, tensile and fatigue behavior of heat-treated Al-Si-Cu-Mg alloys
JP2004225121A (ja) ダイカスト鋳造ピストン用合金
Sigworth Heat Treatment of Aluminum Alloy Castings
Javidani Effect of Cu, Mg and Fe on solidification processing and microstructure evolution of Al-7Si based foundry alloys
Zaki On the performance of low pressure die-cast Al-Cu based automotive alloys: role of additives
JP3415345B2 (ja) 耐熱疲労アルミニウム合金およびその製造方法
Elsebaie Effects of strontium-modification, iron-based intermetallics and aging conditions on the impact toughness of Al-(6-11)% Si alloys
Koech A study on the effects of iron on microstructure and mechanical properties of Aluminium-Silicon alloys
Nafsin Relationship between microstructure and cold deformation behavior of aluminum alloys using thermodynamic modeling method
KR100497053B1 (ko) 시효경화성이 향상된 고강도 알루미늄 주조합금
JP2003113435A (ja) 耐熱疲労アルミニウム合金鋳物及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20170815

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171214

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190108

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190329

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190606

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190910