JP2017503983A - 振動ダンパ並びに振動ダンパ用のピストン弁 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ピストンロッド(2)を有し、このピストンロッドが、当接ショルダ(6)を形成しつつピストンロッドピン(4)へ移行し、このピストンロッドピン(4)においてピストン弁(1)をガイドし、このピストン弁が、ピストンロッド(2)の当接ショルダ(6)に向かって予荷重を付与されている、振動ダンパに関する。振動ダンパの大量生産に起きて減衰力のバラツキを低減するため、軸方向で当接ショルダ(6)とピストン弁(1)の間に補整ディスク(20)が装着され、この補整ディスクが、ピストンロッド(2)及び/又はこれに直接的に続くピストン弁(1)の構成要素と比べて低い降伏強度を有する材料から製造されている。

Description

本発明は、ピストンロッドを有し、このピストンロッドが、当接ショルダを形成しつつピストンロッドピンへ移行し、このピストンロッドピンにおいてピストン弁をガイドし、このピストン弁が、ピストンロッドの当接ショルダに向かって予荷重を付与されている、振動ダンパに関する。更に、本発明は、ピストン本体を有し、このピストン本体が、軸方向で支持ディスクの間に配置されている振動ダンパ用のピストン弁に関する。
振動ダンパは、自動車においては、大抵は油圧機械式のダンパの形態で、この場合、それぞれの車両ボディとそれぞれの自動車のアクスルの間で使用される。その場合、この箇所で、振動ダンパは、一方では、道路による励起又は所定の走行状態において車両ボディの運動及び共振の防止のために使用され、他方では、道路によって励起される車輪の振動の即座の減衰の実現のために使用される。これにより、後者の場合、常に、この車輪の接地が保証される。
この場合、振動ダンパは、通常はモノチューブ式又はツインチューブ式ダンパの形態のテレスコープ型ショックアブソーバとして形成され、減衰作用は、大抵は作動液の形態の減衰媒体の排出によって得られる。この場合、この排出は、ピストン弁を介して行なわれ、このピストン弁は、減衰媒体用の大抵は複数の貫流穴を備えている。振動ダンパの特性曲線を規定するために、減衰媒体の流れに抵抗が対置され、この場合この抵抗は、弁ディスクの形態であり、これら弁ディスクは、弁座に向かって予荷重を付与され、所定の圧力に達するまで貫通穴の開口部をカバーする。但しこの場合、振動ダンパの大量生産で減衰力のバラツキを回避するために、常に、弁ディスクの一定の所定の張力が、一連の組立てで保証されるべきである。
独国特許出願公開第10 2010 040 458号明細書から、ピストンロッドが、終端側のピストンロッドピンにおいてピストン弁をガイドする振動ダンパが読み取れる。この場合、ピストン弁は、固定ナットによってピストンロッドの当接ショルダに向かって予荷重を付与され、この当接ショルダは、ピストンロッドの外径からピストンロッドピンへの移行部に形成されている。ピストン弁は、ピストン本体を有し、このピストン本体は、貫通穴によって軸方向に貫通され、貫通穴は、それぞれ1つの開口部において弁ディスクを介してカバー可能である。その場合、ピストン弁内で、ピストン本体は、弁ディスクと共に軸方向で支持ディスクの間に配置されている。
独国特許出願公開第10 2010 040 458号明細書
前記従来技術から始まり、本発明の課題は、それぞれ振動ダンパの大量生産時に減衰力のバラツキを低減できる、振動ダンパ又は振動ダンパ用のピストン弁を提供することである。
この課題は、一方では、並列の請求項1の技術的教授に応じた振動ダンパの形成によって解決される。これに続く従属請求項は、本発明の有利な発展形を再現する。加えて、本発明による振動ダンパを組み立てるための方法は、請求項6からわかる。他方で、前記課題の解決は、並列の請求項7に応じたピストン弁の形成によって行なわれ、有利な発展形は、続く従属請求項8〜10からわかる。
並列の請求項1によれば、振動ダンパは、ピストンロッドを有し、このピストンロッドが、当接ショルダを形成しつつピストンロッドピンへ移行し、この場合、このピストンロッドピンにおいてピストン弁をガイドする。その場合、ピストン弁は、ピストンロッドの当接ショルダに向かって予荷重を付与されている。この場合、本発明の意味で、ピストンロッドピンは、ピストンロッドの軸方向終端に備えられ、この軸方向終端の側に雄ネジを備え、当接ショルダに向かってピストン弁に予荷重を付与できるように、この雄ネジに、雌ネジを有する固定ナットを装着することができる。この場合、当接ショルダは、段部によって規定され、この段部を介して、ピストンロッドは、それまでの外径からピストンロッドピンの外径へ縮小される。その点で、当接ショルダは、ピストン弁用の実質的に軸方向のリング状の当接面として存在する。
本発明によれば、“軸方向”とは、ピストンロッドもしくはピストン弁の長手方向中心軸の方向の向きと理解すべきである。これに対して、“半径方向”は、ピストンロッドもしくはピストン弁の半径の方向の向きを意味する。
並列の請求項1の特徴付け部分に応じて、本発明は、軸方向でピストンロッドの当接ショルダとピストン弁の間に補整ディスクが装着され、この補整ディスクが、ピストンロッド及び/又はこれに直接的に続くピスト弁の構成要素と比べて低い降伏強度を有する材料から製造されているとの技術的教授を有する。即ち、換言すれば、軸方向でピストンロッドの当接ショルダとピストン弁の間に補整ディスクが設けられ、この補整ディスクの材料が、降伏強度に関してピストンロッドの材料及び/又はこれに直接的に続くピストン弁の構成要素の材料よりも弱いということである。
この場合、振動ダンパのこのような形成は、振動ダンパの大量生産で、当接ショルダの製造に起因する形状偏差にその原因がある減衰力のバラツキを低減できるとの利点を有する。何故なら、理想的には、ピストンロッドピンと当接ショルダによって形成される角度は、ちょうど90°であり、公差に起因する偏差は、この理想角度から生じ得るからである。この場合、90°超の角度は、当接ショルダに向かってピストン弁に予荷重を付与する際に高い応力が、当接ショルダにおけるピストン弁の当接領域に生じるとの欠点を有する。これに対して、90°未満の角度は、ピストン弁の、特にその弁ディスクの張力を高め、これが、ピストン弁の機能障害を生じさせ得る。この場合、両場合で、減衰力は、90°の理想角度での消耗の減衰力とは違い、これが、大量生産で、製造された振動ダンパの間で異なる減衰力を生じさせる。
本発明により提案したように、低い降伏強度を有する材料から成る補整ディスクが当接ショルダとピストン弁の間に設けられると、この補整ディスクは、補整ディスクの降伏強度の上にある張力付与が行なわれる場合に、噛合い係合式に当接ショルダに当接し、場合によってはこれに直接的に続くピストン弁の構成要素にも当接する。即ち、補整ディスクは、当接ショルダの公差に起因した前記角度偏差を補償する。
これとは違って、独国特許出願公開第10 2010 040 458号明細書の場合のピストン弁は、直接的にピストンロッドの当接ショルダに向かって予荷重を付与されているので、当接ショルダとピストンロッドピンの間に形成される角度が理想角度(90°)とは違う場合に、前記問題が生じ得る。その点で、当接ショルダの回避できない公差に起因する形状偏差は、大量生産での減衰力のバラツキを生じさせる。
本発明によれば、“降伏強度”とは、特に、圧縮方向及び/又は引張り方向の材料の降伏点であると理解する。即ち、これは、引張り及び/又は圧縮の作用時に生じる、それ以降は材料の組成変形が始まる応力である。更に、補整ディスクの材料は、しかしながら降伏点に関して一般的に、ピストンロッド及び/又はこれに隣接する、ピストン弁の構成要素よりも弱く形成することができる。即ち、この場合、補整ディスクの材料の曲げ強度及び捩り強度も、ピストンロッドの材料及び/又はこれに直接的に続くピストン弁の構成要素の材料よりも低い。
本発明の意味で、補正ディスクの材料の降伏強度は、少なくともピストンロッドの材料の降伏強度よりも低く選択され、しかしながら、同時にまた、直接的に続くピストン弁の構成要素の材料の降伏強度よりも低くすることができる。この場合、ピストンロッドの材料及びこの場合少なくとも当接ショルダの領域で選択されたピストンロッドの材料に対する比が重要である。何故なら、さもなければ、当接ショルダの形状偏差の補償下での、当接ショルダに対する補整ディスクの噛合い係合式の塑性的当接が不可能だからである。加えてその場合、補整ディスクの材料の降伏強度が、直接的に続くピストン弁の構成要素の材料の降伏強度よりも低く選択されると、補整ディスクの噛合い係合式の当接が、更に改善される。
好ましくは、本発明による振動ダンパは、まず、補整ディスクと少なくともこれに直接的に続くピストン弁の構成要素が、ピストンロッドのピストンロッドピン上へ当接ショルダに向かって挿入され、次いで、当接ショルダに向かう予荷重によって固定されることによって、組み立てられる。この場合、この予荷重は、後からの組立て予荷重力の上にある。これに続き、次に、ピストン弁一式が、組立て予荷重力による予荷重付与下でピストンロッドピン上に固定される。即ち、本発明の意味では、少なくとも直接的に補整ディスクに続くピストン弁の構成要素は、予荷重による予荷重付与時に、ピストンロッドピン上へ挿入されており、次に補整ディスクと共に当接ショルダに向かって予荷重を付与される。しかしながらまた、この予荷重付与時に、ピストン弁の複数の構成要素又は一式の弁も、ピン上に配置することができる。更に、後からの予荷重付与と、組立て予荷重力によるピストンロッドピンへのピストン弁の固定は、特に固定ナットによって行なわれ、この固定ナットは、このため雌ネジによって、ピストンロッドピンの雄ネジに案内されている。
加えて、並列の請求項1の技術的教授に対して選択的又は補足的に、改題の解決は、並列の請求項7に応じたピストン弁の形成によって行なわれる。従って、振動ダンパ用のピストン弁は、ピストン本体を有し、このピストン本体が、軸方向で支持ディスクの間に配置されている。加えて、請求項7の特徴付け部分に応じて、本発明は、支持ディスクの少なくとも1つが、ピストン本体の方の軸方向の側を、少なくとも部分的に凹に湾曲させて形成され、これに対して、ピストン本体が、この少なくとも1つの支持ディスクの方のそれぞれ1つの軸方向の側を、少なくとも部分的に凸に湾曲させて形成されているとの技術的教授を有する。
即ち、換言すれば、支持ディスクの少なくとも1つが、ピストン本体の側を、凹の湾曲部を備え、この湾曲が、半径方向に少なくともこの支持ディスクの一部にわたって延在するということである。同様に、ピストン本体は、この少なくとも1つの支持ディスクの方の側に湾曲部を有し、但し、この湾曲部は、凸に形成され、少なくともピストン本体の半径方向広がりの一部にわたって延在する。
この場合、ピストン弁のこのような形成は、少なくとも1つの支持ディスクとピストン本体の湾曲部によって規定される保護部に基づいて、中間に位置する弁ディスクのピストン本体の弁座に向かう予荷重が高められる。その場合、弁ディスクのこの高い予荷重に基づいて、大量生産で、製造された個々のピストン弁の間の、従ってまた振動ダンパの間の減衰力のバラツキを回避することができる。
これに対して、従来技術に応じれば、支持ディスク及びピストン弁のピストン本体は、半径方向に直線的に延在する面によって形成されている。その結果、支持ディスク及びピストン本体の造形に基づいて、ピストン本体に形成された弁座に対する弁ディスクの予荷重の上昇が惹起されないので、ピストン弁の大量生産時に、弁ディスクの不十分な予荷重が、従って減衰力のバラツキが生じ得る。
本発明の発展形では、ピストン本体が、少なくとも1つの貫通穴によって軸方向に貫通され、この貫通穴が、それぞれ1つの開口部において少なくとも1つの弁ディスクを介してカバー可能である。ピストン弁のこのような形成により、特に作動液の形態の減衰媒体の流れに影響を与えることができる。
並列の請求項1及び7の技術的教授の組合せは、ピストン弁として、並列の請求項7によるピストン弁が、並列の請求項1による振動ダンパにおいて使用されることによって行なうことができる。その点で、この振動ダンパは、当接ショルダとピストン弁の間にある補整ディスクと、ピストン弁の領域では湾曲した少なくとも1つの支持ディスク及び湾曲して形成されたピストン本体とを有する。
並列の請求項7によるピストン弁の使用に対して選択的に、振動ダンパのピストン弁は、しかしながらまた、ピストン弁がピストン本体を有し、このピストン本体が、少なくとも1つの貫通穴によって軸方向に貫通されているように、形成することができる。この場合、この少なくとも1つの貫通穴は、それぞれ1つの開口部において少なくとも1つの弁ディスクを介してカバー可能であり、ピストン弁及びこの少なくとも1つの弁ディスクは、支持ディスクの間でピストンロッドピン上に配置されている。この場合、支持ディスク及びピストン弁のピストン本体は、湾曲なしで形成されている。
本発明の発展形では、前記少なくとも1つの貫通穴が、それぞれ1つの開口部において弁ディスクセットを介してカバー可能であり、即ち、前記少なくとも1つの貫通穴の開口部の領域に、軸方向に連続する複数の弁ディスクが設けられている。別の形成によれば、前記少なくとも1つの弁ディスクが、ピストン本体とは反対の側で、中間ディスクに当接し、この中間ディスクが、半径方向に前記少なくとも1つの弁ディスクの一部にわたって延在する。この場合、この中間ディスクにより、前記少なくとも1つの弁ディスクの限定された曲折が実現でき、弁ディスクセットの場合には、ピストン本体に対して軸方向外側に位置するセットの弁ディスクが、この中間ディスクに当接する。
本発明は、並列の請求項又はこれに従属する請求項の特徴の組合せに限定されていない。更に、個々の特徴を、またこれら特徴が特許請求の範囲、好ましい実施形態の後続の説明又は図面から直接的に読み取れるかぎり、互いに組み合わせる可能性がある。符号の使用による図面に対する特許請求の範囲の関連付けは、特許請求の範囲の保護範囲を限定するものではない。
以下で説明される本発明の有利な形成が、図面に図示されている。
ピストン弁の領域を示した、本発明の好ましい実施形態による振動ダンパの一部の断面図 図1の詳細Zの図 本発明の好ましい形成に応じて実現された、ピストン弁の領域の振動ダンパの断面図
図1から、本発明の好ましい実施形態に応じた振動ダンパの一部の断面図がわかり、振動ダンパは、ピストン弁1の領域で図示されている。この場合、振動ダンパのピストンロッド2の一部が認められ、ピストンロッドは、図示した軸方向終端において段部3を介してその外径をピストンロッドピン4へ縮小される。このピストンロッドピン4において、ピストンロッド2は、ピストン弁1を支持し、このピストン弁は、この場合、固定ナット5を介してピストンロッド2の当接ショルダ6に向かって予荷重を付与されている。この場合、この当接ショルダ6は、段部3によって規定され、実質的に軸方向に向けられたリング状の当接面として存在する。
固定ナット5は、−ここでは他に見ることができない−雌ネジによってピストンロッドピン4の対応する雄ネジに装着され、当接ショルダ6に向かってピストン弁に予荷重を付与する。この場合、ピストン弁は、ピストン本体7、弁ディスクセット8及び9、付属する中間ディスク10及び11、及び、2つの支持ディスク12及び13の形態の複数の構成要素から構成される。
図1から更に認められるように、ピストン本体7は、この場合、外径にシール14をガイドし、このシールを介して、ピストン本体7は、取り巻く−ここでは他に図示してない−振動ダンパのシリンダチューブと接触しており、このシールは、ピストン本体7とシリンダチューブの間の間隙をシールするために使用される。更に、ピストン本体7は、複数の貫通穴によって軸方向に貫通され、これら貫通穴のうち、図1の切断平面には、1つの貫通穴15しか見ることができないが、これら貫通穴は、ピストン本体7によって互いに分離される振動ダンパの空間の間の減衰媒体の移動を可能にする。
ピストンロッド2の、従ってまたピストン本体7の一連の進退運動で、振動ダンパの分離された空間の間の減衰媒体の排出が行なわれ、この場合、減衰媒体は、ピストン本体7の貫通穴15を通って一方の空間からそれぞれ他方の空間へ排出される。この場合、貫通穴は、ピストン本体7のそれぞれ1つの軸方向の側に向けられたその開口部の領域で、そこにそれぞれ位置する弁ディスクセット8もしくは9を介してカバーされている。貫通穴15の開口部16の場合、これは、弁ディスクセット9である。
この場合、それぞれの開口部は、付属する貫通穴内が、それぞれの弁ディスクセット8もしくは9を付属する弁座17もしくは18から浮上させるために十分なある程度の圧力に達してから初めて解放される。即ち、弁ディスクセット8及び9は、貫通穴を介する減衰媒体の流れに影響を与え、この流れに対抗する。
この場合、弁ディスクセット8及び9の個々の弁ディスクの所定の曲折は、それぞれ付属する中間ディスク10もしくは11によって実現され、このため、この中間ディスクは、それぞれの弁ディスクセット8もしくは9の最も外側の弁ディスクと軸方向に接触しており、半径方向に曲折が行なわれるべきところまで弁ディスクを覆う。
但し、ピストンロッド2の段部3の形成、従って当接ショルダ6の規定は、製造に起因する公差の支配下にあり、この公差は、振動ダンパの大量生産で、当接ショルダ6の形状偏差を結果として伴い得る。この場合、特に、図2の詳細Zにより図示したようにピストンロッドピン4の外径19と当接ショルダ6によって形成される角度αは、偏差を備える。この場合、理想的には、この角度αは、ちょうど90°であり、これにより、正確に軸方向に向いた当接面が、ピストン弁1のために規定される。但し、一連の公差に起因する形状偏差で、角度αは、90°より大きく又は小さくなることがあり、これは、第1に挙げた場合では設定損失が生じる結果となり、第2に上げた場合では弁ディスクセット8及び9の張力高める結果となる。
当接ショルダ6の前記公差に起因する形状偏差を補償できるように、本発明による振動ダンパは、特徴として補整ディスク20を備え、この補整ディスクは、軸方向にピストン弁1と当接ショルダ6の間でピストンロッドピン4に装着されている。この場合、この補整ディスク20は、ピストンロッド2及びこれに直接的に隣接している、支持リング12の形態のピストン弁1の構成要素の材料よりも低い降伏強度を備える材料から製造されている。その結果、補整ディスク20は、所定の予荷重を加えた場合、塑性変形し、噛合い係合式に当接ショルダ6及び支持ディスク12に当接し、これにより、形状偏差が補償される。
このため、ピストンロッド2にピストン弁1を取り付けるために、まず、補整ディスク20及び支持ディスク12が、ピストンロッドピン4上へ挿入され、次に、予荷重によって当接ショルダ6に向かって予荷重を付与されるので、補整ディスク20の前記塑性変形が生じる。次に、ピストン弁1の残りの構成要素もピストンロッドピン4へ案内され、固定ナット5によって組立て予荷重力を加えて、即ちナットの所定の締結トルクで、当接ショルダ6に向かって予荷重を付与され、この組立てトルクは、補整ディスク20を塑性変形させるための予荷重よりも低い。
図3から、ピストン弁21の領域の振動ダンパの一部の断面図が分かり、このピストン弁は、本発明の好ましい形成に応じて実現されている。この場合、このピストン弁21は、ピストン本体22を有し、このピストン本体は、−ここでは他に見ることができない−少なくとも1つの貫通穴によって軸方向に貫通されている。この場合、この貫通穴の開口部は、弁ディスクセット23を介してカバーされ、この弁ディスクセットは、ピストン本体22の付属する弁座24に向かって予荷重を付与されている。
弁ディスクセット23は、それぞれの貫通穴のそれぞれの開口部を、貫通穴が所定の圧力に達してから解放し、弁ディスクセット23の弁ディスクの所定の曲折は、軸方向に隣接している中間ディスク25を介して表現される。この場合、この中間ディスク25は、半径方向に、弁ディスクセット23の弁ディスクの所望の曲折が行なわれるべき寸法まで延在する。
好ましくは、ピストン本体22のここで図3に図示してない反対の軸方向の側にも、相応の弁ディスクセットと付属する中間ディスクが設けられている。従って設けられる構成要素の全ては、軸方向で2つの支持ディスクの間に収容され、これら支持ディスクのうち、ここでは支持ディスク26しか図3で見ることができない。
弁座24に向かう弁ディスクセット23の弁ディスクの予荷重を高め、従ってピストン弁21の大量生産での減衰力のバラツキの危険を回避するため、支持ディスク26とピストン本体22は、互いに面する側27及び28に、湾曲部29もしくは30を備えている。この場合、凹に形成された湾曲部29は、支持ディスク26の内径から始まり、半径方向に側27の一部にわたって延在し、凸に形成された湾曲部30は、ピストン本体22の側28の半径方向の広がり全体にわたって実施されている。その結果弁ディスクセット23の弁ディスク及び中間ディスク25のための当接面も軸方向ではなく、湾曲して形成されているので、弁座24に向かう弁ディスクセット23の弁ディスクの予荷重は、効果的に高められる。
その結果、振動ダンパもしくはピストン弁の本発明による形成により、大量生産での減衰力のバラツキは、明らかに低減させることができる。
1 ピストン弁
2 ピストンロッド
3 段部
4 ピストンロッドピン
5 固定ナット
6 当接ショルダ
7 ピストン本体
8 弁ディスクセット
9 弁ディスクセット
10 中間ディスク
11 中間ディスク
12 支持ディスク
13 支持ディスク
14 シール
15 貫通穴
16 開口部
17 弁座
18 弁座
19 外径
20 補整ディスク
21 ピストン弁
22 ピストン本体
23 弁ディスクセット
24 弁座
25 中間ディスク
26 支持ディスク
27 側
28 側
29 湾曲部
30 湾曲部
α 角度

Claims (10)

  1. ピストンロッド(2)を有し、このピストンロッドが、当接ショルダ(6)を形成しつつピストンロッドピン(4)へ移行し、このピストンロッドピン(4)においてピストン弁(1)をガイドし、このピストン弁が、ピストンロッド(2)の当接ショルダ(6)に向かって予荷重を付与されている、振動ダンパにおいて、
    軸方向で当接ショルダ(6)とピストン弁(1)の間に補整ディスク(20)が装着され、この補整ディスクが、ピストンロッド(2)及び/又はこれに直接的に続くピストン弁(1)の構成要素と比べて低い降伏強度を有する材料から製造されていること、を特徴とする振動ダンパ。
  2. ピストン弁(1)が、ピストン本体(7)を有し、このピストン本体が、少なくとも1つの貫通穴(15)によって軸方向に貫通され、前記少なくとも1つの貫通穴(15)が、それぞれ1つの開口部(16)において少なくとも1つの弁ディスクを介してカバー可能であり、ピストン本体(7)及び前記少なくとも1つの弁ディスクが、支持ディスク(12,13)の間でピストンロッドピン(4)に配置されていること、を特徴とする請求項1に記載の振動ダンパ。
  3. 前記少なくとも1つの貫通穴(15)が、それぞれ1つの開口部(16)において弁ディスクセット(9)を介してカバー可能であること、を特徴とする請求項2に記載の振動ダンパ。
  4. 前記少なくとも1つの弁ディスクが、ピストン本体(7)とは反対の側で中間ディスク(10;11)に当接し、この中間ディスクが、半径方向に前記少なくとも1つの弁ディスクの一部にわたって延在すること、を特徴とする請求項2に記載の振動ダンパ。
  5. ピストン弁が、請求項8〜10のいずれか1項に記載のピストン弁であること、を特徴とする請求項1に記載の振動ダンパ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の振動ダンパを組み立てるための方法であって、まず、補整ディスク(20)と少なくともこれに直接的に続くピストン弁(1)の構成要素が、ピストンロッド(2)のピストンロッドピン(4)上へ当接ショルダ(6)に向かって挿入され、次いで、後からの組立て予荷重力の上にある、当接ショルダ(6)に向かう予荷重によって固定され、一式のピストン弁(1)が、次に組立て予荷重力による予荷重付与下でピストンロッドピン(4)上に固定されること、を特徴とする方法。
  7. ピストン本体(22)を有し、このピストン本体が、軸方向で支持ディスク(26)の間に配置されている振動ダンパ用のピストン弁(21)において、
    支持ディスク(26)の少なくとも1つが、ピストン本体(22)の方のそれぞれ1つの軸方向の側(27)を、少なくとも部分的に凹に湾曲させて形成され、これに対して、ピストン本体(22)が、この少なくとも1つの支持ディスク(26)の方のそれぞれ1つの軸方向の側(28)を、少なくとも部分的に凸に湾曲させて形成されていること、を特徴とするピストン弁(21)。
  8. ピストン本体(22)が、少なくとも1つの貫通穴によって軸方向に貫通され、この貫通穴が、それぞれ1つの開口部において少なくとも1つの弁ディスクを介してカバー可能であること、を特徴とする請求項7に記載のピストン弁(21)。
  9. 前記少なくとも1つの貫通穴が、少なくとも1つの開口部において弁ディスクセット(23)を介してカバー可能であること、を特徴とする請求項8に記載のピストン弁(21)。
  10. 前記少なくとも1つの弁ディスクが、ピストン本体(22)とは反対の側で、中間ディスク(25)に当接し、この中間ディスクが、半径方向に前記少なくとも1つの弁ディスクの一部にわたって延在すること、を特徴とする請求項8に記載のピストン弁(21)。
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