JP2017503021A - Uvフィルターの可溶化 - Google Patents
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Abstract
本発明は、固体有機紫外フィルター(UV)のための組成物に関する。特に、エステルから選択される第一の溶媒とアルコールから選択される第二の溶媒との組み合わせと、1種又は複数種の固体有機UVフィルターとを含む組成物に関する。それは、本発明による組成物の製造方法及びその使用にも関し、特に、UV放射に対する保護を提供する製品の製造方法に関する。【選択図】なし
Description
本発明は、固体有機紫外(UV)フィルターの分野に関し、より具体的には、これらのフィルターの可溶化の分野に関する。それは、より具体的には、溶媒の組合せ、及び1種又はそれより多くの固体有機UVフィルターを含む組成物に関する。本発明は、係る組成物の製造方法、及びUV保護製品の製造における係る組成物の使用にも関する。
サンスクリーン、又は抗UVフィルターとも呼ばれるUVフィルターは、太陽からの紫外線の悪影響から保護する。それは、UV線から肌を保護するために(UV‐A及び/又はUV‐B線からの保護)、化粧品及び/又は皮膚用製品において、一般的に用いられる。さらに、ますますUVフィルターを含むテキスタイルが、製品及び人の保護を目的として、市場にも表れている。
UVフィルターの2つの種類(有機フィルターと無機フィルター)がある。化学フィルターとも呼ばれる有機フィルターは、紫外線を吸収する物質である。物理フィルターとも呼ばれる無機フィルターは、不活性粉末であり、その役割は光を反射し、散乱させることである。有機フィルターの中で、固体形態(例えば粉末の形態)のものもあれば、通常の温度及び圧力条件下において、液体形態のものもある。
本発明は、有機UVフィルターに関し、より具体的には、固体有機UVフィルターに関し、より具体的には、水にわずかだけ可溶であり、又は不溶性である固体有機UVフィルターに関する。「水にわずかだけ可溶、又は不溶性」は、より具体的には、溶解度が、水中、30℃において、10g/L未満である固体有機UVフィルターを意味する。
固体有機UVフィルターは、概してカルボニル基又は炭素‐炭素二重結合で共役した芳香族構造を有する化合物である。そのUV保護効果は、これらのフィルターが、紫外線から保護されるべき表面に亘って均一に分散されたときに最適である。さらに、固体有機UVフィルターは、それが正確に可溶化される場合にのみ、UV線を吸収することに対して効果的である。したがって、UV放射線の最適な吸収のために、フィルターの完全な可溶化を得なければならない。このような目的で、固体有機UVフィルターの可溶化剤は、そこに可溶化されることのできるフィルターの量を最適化し、良好な保護/価格比を得るように選択される。さらに、ほとんどの固体有機フィルターは、わずかだけ可溶性であり、結晶化する傾向を有する。固体有機UVフィルターの良好な可溶化剤は、保護指数を低減する効果を有する、配合物中の固体有機UVフィルターの再結晶化を回避することを可能にしなければならない。
それ故に、固体有機UVフィルターに関して、改善した可溶化力を有する可溶化組成物に対する強い要求がある。
意外にも、エステルの可溶化力が、制限された量のアルコールの添加を介して、十分に増大されることが示された。より具体的には、例えば10%のアルコールのエステルへの添加が、エステル中での固体有機UVフィルターの溶解度を十分に改善する。固体有機UVフィルターの高い割合の可溶化を得ることを可能にする、2種類の溶媒(アルコール及びエステル)間の相乗効果が、より具体的に示された。
本発明の目的は、
エステルから選択される第一の溶媒と、アルコールから選択される第二の溶媒との組み合わせであって、第二の溶媒と第一の溶媒との質量比が、1:20〜1:2.3である、第一の溶媒と第二の溶媒との組み合わせと、
第一の溶媒と第二の溶媒との組み合わせの全質量に対して15質量%以上の含有量で、1種又はそれより多くの固体有機UVフィルターと、
を含む、組成物である。
エステルから選択される第一の溶媒と、アルコールから選択される第二の溶媒との組み合わせであって、第二の溶媒と第一の溶媒との質量比が、1:20〜1:2.3である、第一の溶媒と第二の溶媒との組み合わせと、
第一の溶媒と第二の溶媒との組み合わせの全質量に対して15質量%以上の含有量で、1種又はそれより多くの固体有機UVフィルターと、
を含む、組成物である。
「溶媒」は、通常の温度及び圧力の条件(NTP)下における液体を意味し、それは、物質の化学的修飾を生じさせることなく、かつ、それ自体が修飾されることなく、他の物質を溶解し、希釈し、又は抽出する特性を有する。
別段の規定がない限り、本件において、いずれの「固体」状態及び「液体」状態も、通常の温度及び圧力の条件下において理解されると考えられる。
第一の溶媒は、エステルの混合物により構成され、又はより優先的には単一のエステルにより構成されることができる。特に、1種又は複数種のエステルが、上記に示される溶媒の定義に含まれる限りにおいて、各エステルは、NTP下において液体である。さらに、液体エステルは、例えば液体有機UVフィルターであるが、固体有機UVフィルターの可溶化に寄与するオクチルメトキシシンナメート(methoxycinnate)等、溶媒の機能以外の機能を有することができる。
エステルは、より具体的にはカルボン酸のエステル及びジカルボン酸のジエステルを意味する。エステルは、ヘキシルラウレート、イソプロピルミリステート、イソプロピルステアレート、イソプロピルパルミテート、ジエチルスクシネート、エチルヘキシルステアレート、ジブチルアジペート、ジエチルヘキシルアジペート、ジイソプロピルアジペート、ジイソプロピルセバケート、及びイソアミルエステルにより構成される群から注意深く選択されることができる。優先的には、エステルは、ヘキシルラウレート、イソプロピルミリステート、イソプロピルステアレート、イソプロピルパルミテート、エチルヘキシルステアレート、ジブチルアジペート、ジエチルヘキシルアジペート、ジイソプロピルアジペート、ジイソプロピルセバケート、及びイソアミルエステルにより構成される群から選択される。
イソアミルエステルは、より具体的には、イソアミルカプリレート、イソアミルカプレート、イソアミルラウレート、イソアミルミリステート、イソアミルパルミテート、ジイソアミルセバケート、ジイソアミルブラシレート、ジイソアミルタプセート(thapsate)、ジイソアミルフマレート、ジイソアミルグルタコナート、ジイソアミルトラウマテート、及びモノ又はジ‐イソアミルマロネート、スクシネート、グルタレート、アジペート、ピメレート、スベレート、及びアゼラートを意味する。優先的に、エステルは、イソアミルエステルにより構成される群から選択され、よりいっそう優先的には、イソアミルラウレート及び/又はジイソアミルセバケートから選択される。
第二の溶媒は、アルコールの混合物により構成され、又はより優先的には単一のアルコールにより構成されることができる。
アルコールは、通常の温度及び圧力の条件下において液体状態のアルコールである。好ましくは、アルコールは、エタノール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、及びオクチルドデカノールにより構成される群から選択され、より優先的にはエタノールである。
アルコールとエステルとの間の相乗効果は、固体有機UVフィルターの溶解度の高い水準を得ることを可能にする。実際、エステルとアルコールとの組み合わせにより得られた溶解度は、用いられる溶媒の理論的な溶解度の加重和より大きいことが示されている。
この相乗効果は、以下の例においてより具体的に説明される。
好ましくは、第二の溶媒と第一の溶媒との質量比は、1:20〜1:2.3、優先的には1:20〜1:4、より優先的には1:20〜1:5、よりいっそう優先的には、1:15〜1:6、よりいっそう優先的には、1:13〜1:7、特に1:10〜1:8、例えば1:9である。
本件の文脈において、別段の規定がない限り、示された値の範囲は、包括的であると理解されることに留意されたい。
本発明の第一の好ましい実施態様によれば、それは、
エステルから選択される第一の溶媒と、アルコールから選択される第二の溶媒との組み合わせであって、第二の溶媒と第一の溶媒との質量比が、1:10〜1:8である、第一の溶媒と第二の溶媒との組み合わせと、
第一の溶媒と第二の溶媒との組み合わせの全質量に対して15質量%以上の含有量で、1種又はそれより多くの固体有機UVフィルターと、
を含む、組成物に関する。
エステルから選択される第一の溶媒と、アルコールから選択される第二の溶媒との組み合わせであって、第二の溶媒と第一の溶媒との質量比が、1:10〜1:8である、第一の溶媒と第二の溶媒との組み合わせと、
第一の溶媒と第二の溶媒との組み合わせの全質量に対して15質量%以上の含有量で、1種又はそれより多くの固体有機UVフィルターと、
を含む、組成物に関する。
より具体的には、本実施態様によれば、
第一の溶媒は、ヘキシルラウレート、イソプロピルミリステート、イソプロピルステアレート、イソプロピルパルミテート、エチルヘキシルステアレート、ジブチルアジペート、ジエチルヘキシルアジペート、ジイソプロピルアジペート、ジイソプロピルセバケート、及び/又はイソアミルエステルにより構成される群から選択され、群は、任意選択的にジエチルスクシネートを含むこともでき、
第二の溶媒は、アルコール、好ましくはエタノール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール及び/又はオクチルドデカノールから選択される。
第一の溶媒は、ヘキシルラウレート、イソプロピルミリステート、イソプロピルステアレート、イソプロピルパルミテート、エチルヘキシルステアレート、ジブチルアジペート、ジエチルヘキシルアジペート、ジイソプロピルアジペート、ジイソプロピルセバケート、及び/又はイソアミルエステルにより構成される群から選択され、群は、任意選択的にジエチルスクシネートを含むこともでき、
第二の溶媒は、アルコール、好ましくはエタノール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール及び/又はオクチルドデカノールから選択される。
さらに、この第一の好ましい実施態様によれば、1種又は複数種の有機UVフィルターは、ジエチルアミノヒドロベンゾイルヘキシルベンゾエート、ビス‐エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、及びブチルメトキシジベンゾイルメタンにより構成される群から選択される。
より優先的には、第一の溶媒は、イソアミルラウレート、ジイソアミルセバケート、イソプロピルミリステート、及び/又はジエチルスクシネートにより構成される群から選択され、よりいっそう優先的には、イソアミルラウレート及び/又はジイソアミルセバケートにより構成される群から選択される。
アルコールとエステルとの間の相乗効果により、長時間安定である1種又は複数種の高い含有量固体有機UVフィルターを含む組成物を得ることが可能となる。実際、記載された溶媒の組合せのおかげで、固体有機UVフィルターの溶解度の限界が押し出される。したがって、記載された溶媒の組合せにおいて、多量の固体有機UVフィルターの可溶化が容易であり、一方で本発明による安定な組成物を維持しつつ、UVフィルターは再結晶化しない。得られた組成物は、したがって、環境温度において保存することができる。
高い含有量は、少なくとも15%の1種又は複数種の固体有機UVフィルターを意味し、15%の含有量は、第一の溶媒と第二の溶媒との組み合わせの全質量に対する全ての固体有機UVフィルターの全含有量と考えられる。係る組成物は、配合物への導入の前に、中間可溶化相として働くことができる。実際、本発明による組成物は、固体有機UVフィルターの可溶化の前工程を要求する製品の製造に特に適すると考えられる。
中間相は、別の中間相又は最終製品の製造を目的として、1つ又はそれより多くの他の中間相と混合されることが意図される、1種又はそれより多くの材料を含む、固体又は液体形態での調製品を意味する。幾つかの配合物を提案する以下の例2において、例として、各相A〜Gは、配合物の中間相である。さらに、幾つかの中間相が混合される際(例えば、この例の処方1及び2の相B、C及びD等)、それらは、新たな中間相を形成する。中間相の全てが配合物において使用されたときに、最終生成物が得られる。
したがって、1種又はそれより多くの固体有機UVフィルターを含む濃縮組成物は、中間相、より具体的意には中間可溶化相として用いられることができる。ある国の規則は、例えばサンクリーム等のある製品の分類において、UVフィルターの濃度を制限するため、中間可溶化相としての本発明による組成物は、したがって特に有利である。実際、最終製品の所望の太陽光線保護に応じて、本発明による組成物の決定された量をとり、製品調製にそれを導入すれば十分である。有利には、本発明による組成物は、中間脂肪族相又は最終脂肪族製品、すなわち、水を含まない中間相又は最終製品を形成することができる。「水を含まない」は、水の存在が、相又は製品の異なる成分中の水の存在にのみ起因する(水は添加されない)中間相又は最終生成物を意味する。例として、例2の処方1及び2の相B、C、D及びEの各々、並びに2つ又はそれより多くのこれらの相の混合物は、本発明の意義の範囲内の中間脂肪族相を構成する。同様に、例の処方3の相A〜Cの各々、2つ又は3つのこれらの相の混合物、及び処方3自体は、本発明の意義の範囲内の中間脂肪族相又は最終脂肪族製品を構成する。
本発明によるエステル/アルコール溶媒の組合せにより得られた高い可溶化力により、製品に含まれる固体有機UVフィルターがよく可溶化されたままであり、悪影響を及ぼす結晶化をしないという事実のために、同様の又はより高い最終効率の太陽光線保護指数に関する、より少ない量の固体有機UVフィルターを製品調製に導入することが可能となる。このことは、フィルターのコストが高いため、前記製品の製造に対して経済的に魅力である。同様に、固体有機UVフィルターの所定の量に関して、本発明による溶媒の組合せの使用のために、必要とされる溶媒の量は、より少ない。このことは、経済的、環境的な利点を表す。
有利には、1種又は複数種の固体有機UVフィルターは、以下により構成される群から選択される。
好ましくは、1種又は複数種の固体有機UVフィルターは、水にわずかに可溶であり又は不溶性である固体有機UVフィルター、特に以下により構成される群から選択される。
より優先的には、1種又は複数種の固体有機UVフィルターは、ベンゾフェノン‐3、ブチルメトキシジベンゾイルメタン(BMDBM)、エチルヘキシルトリアゾン、4‐メチルベンジリデンカンファー、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、サリチル酸フェニル、メチレンビス‐ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ベンゾフェノン‐8及びビス‐エチルヘキシルオキシフェノールメトキシ‐フェニルトリアジン等の親油性固体有機UVフィルタにより構成される群から選択される。
よりいっそう優先的には、1種又は複数種の固体有機UVフィルターは、ジエチルアミノヒドロベンゾイルヘキシルベンゾエート、ビス‐エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン及びブチルメトキシジベンゾイルメタンにより構成される群から選択される。
本発明の第二の好ましい実施態様によれば、組成物は、
エステルから選択された第一の溶媒と、アルコールから選択された第二の溶媒との組み合わせであって、第二の溶媒と第一の溶媒との質量比が、1:15〜1:6である、第一の溶媒と第二の溶媒との組み合わせと、
ジエチルアミノヒドロベンゾイルヘキシルベンゾエート、ビス‐エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン及びブチルメトキシジベンゾイルメタンにより構成される群から選択される1種又はそれより多くの固体有機UVフィルターと、
を含み、
固体有機UVフィルターは、第一の溶媒と第二の溶媒との組み合わせの全質量に対して15質量%以上の含有量である。
エステルから選択された第一の溶媒と、アルコールから選択された第二の溶媒との組み合わせであって、第二の溶媒と第一の溶媒との質量比が、1:15〜1:6である、第一の溶媒と第二の溶媒との組み合わせと、
ジエチルアミノヒドロベンゾイルヘキシルベンゾエート、ビス‐エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン及びブチルメトキシジベンゾイルメタンにより構成される群から選択される1種又はそれより多くの固体有機UVフィルターと、
を含み、
固体有機UVフィルターは、第一の溶媒と第二の溶媒との組み合わせの全質量に対して15質量%以上の含有量である。
有利には、第一の溶媒は、ヘキシルラウレート、イソプロピルミリステート、イソプロピルステアレート、イソプロピルパルミテート、エチルヘキシルステアレート、ジブチルアジペート、ジエチルヘキシルアジペート、ジイソプロピルアジペート、ジイソプロピルセバケート及び/又はイソアミルエステルにより構成される群から選択され、群は、任意選択的にジエチルスクシネートも含むことができ、より優先的には、第一の溶媒は、イソアミルエステル、イソプロピルミリステート及び/又はジエチルスクシネートから選択され、よりいっそう優先的には、イソアミルラウレート及び/又はジイソアミルセバケートから選択される。
有利には、第二の溶媒は、エタノール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール及び/又はオクチルドデカノールにより構成される群から選択され、より優先的にはエタノールである。
有利には、本発明による組成物は、溶媒の組合せの全質量に対して、20質量%以上の1種又は複数種の固体有機UVフィルターの含有量を有することができる。好ましくは、1種又は複数種の固体有機UVフィルターの含有量は、25%以上、より優先的には、30%以上、よりいっそう優先的には、含有量は35%以上である。
固体有機UVフィルターがジエチルアミノヒドロベンゾイルヘキシルベンゾエートであるとき、本発明による組成物は、第一の溶媒と第二の溶媒との組み合わせの全質量に対して、20質量%以上の含有量のジエチルアミノヒドロベンゾイルヘキシルベンゾエートを有することができる。好ましくは、この固体有機UVフィルターの含有量は、25%以上、より優先的には、30、35、40、45又は50%以上、よりいっそう優先的には、ジエチルアミノヒドロベンゾイルヘキシルベンゾエートの含有量は、60%以上である。
固体有機UVフィルターがビス‐エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンであるとき、本発明による組成物は、溶媒の組み合わせの全質量に対して、有利には、20質量%以上のビス‐エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンの含有量を有することができる。
固体有機UVフィルターがブチルメトキシジベンゾイルメタンであるとき、本発明による組成物は、溶媒の組み合わせの全質量に対して、有利には、20質量%以上のブチルメトキシジベンゾイルメタンの含有量を有することができる。
これらの1種又は複数種の高い固体有機UVフィルター可溶化は、例えば、イソアミルラウレート、ジイソアミルセバケートから選択されるエステルと、エタノール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール及びオクチルドデカノールから選択されるアルコールにより、並びに/又は第二の溶媒と第一の溶媒との1:9の質量比により得ることができる。
本発明の第一の特定の実施態様によれば、本発明による組成物は、エステル、アルコール、及び1種又はそれより多くの固体有機UVフィルター、好ましくは水にわずかに可であり又は不溶性である少なくとも1種の固体有機UVフィルター、より優先的には、親油性固体有機UVフィルターからなる。
本発明の第二の特定の実施態様によれば、本発明による組成物は、少なくとも1種の追加のUVフィルターも含む。
1種又は複数種の追加のUVフィルターは、有機又は無機、固体又は液体であることができる。
有利には、1種又はそれより多くの液体有機UVフィルターは、本発明による組成物中に導入される。実際、液体有機UVフィルターは、固体有機UVフィルターの溶解度を増大させるという利点を有する。それでもなお、これらの液体UVフィルターは、欠点を有する可能性がある。そのコストは、溶媒のコストと比較して高い。それらは、イソアミルエステルが例であることができるような、再生可能起源でなはい。サンクリームの場合において、例えば、それらは製品の手触りをべたべたしたものにする可能性がある。
液体有機UVフィルターは、有利には、オクチルメトキシシンナメート、オクトクリレン、ホモサラート、及びポリシリコン15により構成される群から選択されることができる。
特に、本発明において、
第一の溶媒が、概して(好ましくない)エステルから選択されるとき、かつ、
1種の液体有機UVフィルターがエステルであるとき、
液体有機UVフィルターは、そのエステル官能基のために、第一の溶媒中に含まれると主に考えられることに留意されたい。
第一の溶媒が、概して(好ましくない)エステルから選択されるとき、かつ、
1種の液体有機UVフィルターがエステルであるとき、
液体有機UVフィルターは、そのエステル官能基のために、第一の溶媒中に含まれると主に考えられることに留意されたい。
一方、第一の溶媒が好ましいエステルから選択されるとき、好ましくないエステルである液体有機UVフィルターは、液体有機UVフィルターと考えられる。
無機UVフィルターとして、二酸化チタン及び/又は酸化亜鉛が例として言及されてよい。無機UVフィルターの添加は、有利には、無機UVフィルター分散剤により達成されることができる。特に、無機フィルターは、組成物中への導入の前に、無機フィルター分散剤中に予め分散されることができる。無機UVフィルター分散剤の例として、C12/C15アルキルベンゾエート、イソステアリルイソステアレート及び/又はペンタエリスリチルテトライソステアレートが、言及されてよい。
有利には、本発明による組成物は、
第二の溶媒と第一の溶媒との質量比が1:20〜1:2.3である、エステルから選択される第一の溶媒と、アルコールから選択される第二の溶媒と、
第一の溶媒と第二の溶媒との組み合わせの全質量に対して15質量%以上の含有量における、1種又はそれより多くの固体有機UVフィルター、好ましくは少なくとも1種の水にわずかに可溶であり又は不溶性であり、及び/又は親油性である固体有機UVフィルターと、
1種又はそれより多くの液体有機UVフィルター及び/又は1種又はそれより多くの無機フィルターからなり、
1種又は複数種の無機フィルターの添加は、任意選択的に無機UVフィルター分散剤により達成される。
第二の溶媒と第一の溶媒との質量比が1:20〜1:2.3である、エステルから選択される第一の溶媒と、アルコールから選択される第二の溶媒と、
第一の溶媒と第二の溶媒との組み合わせの全質量に対して15質量%以上の含有量における、1種又はそれより多くの固体有機UVフィルター、好ましくは少なくとも1種の水にわずかに可溶であり又は不溶性であり、及び/又は親油性である固体有機UVフィルターと、
1種又はそれより多くの液体有機UVフィルター及び/又は1種又はそれより多くの無機フィルターからなり、
1種又は複数種の無機フィルターの添加は、任意選択的に無機UVフィルター分散剤により達成される。
第一及び第二の溶媒に関する好ましく有利な実施態様は、その比と固体有機フィルターが、この組成物にも適用可能である。
最後に、本発明の第三の好ましい実施態様によれば、組成物は、
イソアミルラウレート、ジイソアミルセバケート、イソプロピルミリステート、及び/又はジエチルスクシネートにより構成される群から選択され、優先的には、イソアミルラウレート及び/又はジイソアミルセバケートから選択される第一の溶媒と、
エタノール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、オクチルドデカノールにより構成される群から選択され、優先的にはエタノールである第二の溶媒と、
ジエチルアミノヒドロベンゾイルヘキシルベンゾエート、ビス‐エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン及び/又はブチルメトキシジベンゾイルメタンにより構成される群から選択される、1種又はそれより多くの固体有機UVフィルターと、を含み、
第二の溶媒と第一の溶媒との比が、1:10〜1:8である。
イソアミルラウレート、ジイソアミルセバケート、イソプロピルミリステート、及び/又はジエチルスクシネートにより構成される群から選択され、優先的には、イソアミルラウレート及び/又はジイソアミルセバケートから選択される第一の溶媒と、
エタノール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、オクチルドデカノールにより構成される群から選択され、優先的にはエタノールである第二の溶媒と、
ジエチルアミノヒドロベンゾイルヘキシルベンゾエート、ビス‐エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン及び/又はブチルメトキシジベンゾイルメタンにより構成される群から選択される、1種又はそれより多くの固体有機UVフィルターと、を含み、
第二の溶媒と第一の溶媒との比が、1:10〜1:8である。
本発明は、 以下の
a)第一の溶媒と、第二の溶媒と、少なくとも1種の固体有機UVフィルター、好ましくは、水にわずかだけ可溶であり又は不溶性であり、及び/又は親油性である、固体有機UVフィルターと、を混合する工程と、
b)混合物を撹拌下において70〜90℃の温度に加熱する工程と、
を含む、本発明による組成物の製造方法にも関する。
a)第一の溶媒と、第二の溶媒と、少なくとも1種の固体有機UVフィルター、好ましくは、水にわずかだけ可溶であり又は不溶性であり、及び/又は親油性である、固体有機UVフィルターと、を混合する工程と、
b)混合物を撹拌下において70〜90℃の温度に加熱する工程と、
を含む、本発明による組成物の製造方法にも関する。
優先的には、段階a)は、組成物の第一の溶媒と、第二の溶媒と、1種又は複数種の固体有機UVフィルターと、を混合することを含む。
本発明による組成物の特性は、上記に記載される。
優先的には、混合は、75〜85℃の温度、より優先的には約80℃にて実施される。
有利には、混合は、磁気撹拌等の撹拌下において、10〜40分間、優先的には約15分間実施される。
本発明による組成物は、以下の
i)本発明による組成物を加熱する工程と、
ii)工程i)で加熱された組成物と、化粧用及び/又は皮膚用調製品とを、撹拌下において混合する工程とを含む、化粧品及び/又は皮膚用製品の製造方法に特によく適する。
i)本発明による組成物を加熱する工程と、
ii)工程i)で加熱された組成物と、化粧用及び/又は皮膚用調製品とを、撹拌下において混合する工程とを含む、化粧品及び/又は皮膚用製品の製造方法に特によく適する。
化粧用及び/又は皮膚用調製品は、中間脂肪族相等の化粧品及び/又は皮膚用製品を得ることに関する物質又は中間相を意味する。
化粧用及び/又は皮膚用調製品へ導入される物質は、有利には、軟化剤、保湿剤、界面活性剤、防水剤、防腐剤、抗菌剤、増粘剤、製品又は肌の着色に関する顔料/着色剤、及び通常化粧用又は皮膚用で用いられる他の材料から選択されることができる。係る物質は、中間相に含まれることができる。
本発明による溶媒の組み合わせは、1種又は複数種の固体有機UVフィルターの可溶化、特に、水にわずかだけ可溶であり又は不溶性であり、及び/又は親油性である、1種又は複数種の固体有機UVフィルターに特によく適する。
したがって、a)エステルから選択される第一の溶媒と、b)アルコールから選択される第二の溶媒との組み合わせであって、第二の溶媒と第一の溶媒との質量比が、1:20〜1:2.3である、第一の溶媒と第二の溶媒との組み合わせは、
1種又はそれより多くの固体有機UVフィルター、好ましくは、水にわずかだけ可溶であり又は不溶であり、及び/又は親油性である、固体有機UVフィルターの可溶化に特に有用である。
1種又はそれより多くの固体有機UVフィルター、好ましくは、水にわずかだけ可溶であり又は不溶であり、及び/又は親油性である、固体有機UVフィルターの可溶化に特に有用である。
第一の溶媒は、エステルの混合物により構成され、又はより優先的には単一のエステルにより構成されることができる。
エステルは、より優先的には、カルボン酸のエステルとジカルボン酸のジエステルを意味する。エステルは、ヘキシルラウレート、イソプロピルミリステート、イソプロピルステアレート、イソプロピルパルミテート、ジエチルスクシネート、エチルヘキシルステアレート、ジブチルアジペート、ジエチルヘキシルアジペート、ジイソプロピルアジペート、ジイソプロピルセバケート、及びイソアミルエステルにより構成される群から注意深く選択されることができる。優先的には、エステルは、ヘキシルラウレート、イソプロピルミリステート、イソプロピルステアレート、イソプロピルパルミテート、エチルヘキシルステアレート、ジブチルアジペート、ジエチルヘキシルアジペート、ジイソプロピルアジペート、ジイソプロピルセバケート、及びイソアミルエステルにより構成される群から選択される。
イソアミルエステルは、より優先的には、イソアミルカプリレート、イソアミルカプレート、イソアミルラウレート、イソアミルミリステート、イソアミルパルミテート、ジイソアミルセバケート、ジイソアミルブラシレート、ジイソアミルタプセート、ジイソアミルフマレート、ジイソアミルグルタコナート、ジイソアミルトラウマテート、及びモノ‐又はジ‐イソアミルマロネート、スクシネート、グルタレート、アジペート、ピメレート、スベレート、及びアゼレートを意味する。優先的には、エステルは、イソアミルエステルにより構成される群から選択され、よりいっそう優先的には、イソアミルラウレート及び/又はジイソアミルセバケートから選択される。
第二の溶媒は、アルコールの混合物により、又はより優先的には、単一のアルコールにより構成されることができる。
アルコールは、通常の温度及び圧力の条件下において液体状態のアルコールである。好ましくは、アルコールは、エタノール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、及びオクチルドデカノールにより構成される群から選択され、より優先的にはエタノールである。
好ましくは、第二の溶媒と第一の溶媒との質量比は、1:20〜1:2.3、優先的には、1:20〜1:4、より優先的には、1:20〜1:5、よりいっそう優先的には、1:15〜1:6、よりいっそう優先的には、1:13〜1:7、特に1:10〜1:8、例えば1:9である。
有利には、1種又は複数種の固体有機UVフィルターは、以下により構成される群から選択される。
好ましくは、1種又は複数種の固体有機UVフィルターは、以下により構成される群から選択される。
より優先的には、1種又は複数種のUVフィルターは、ベンゾフェノン‐3、ブチルメトキシジベンゾイルメタン(BMDBM)、エチルヘキシルトリアゾン、4‐メチルベンジリデンカンファー、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、サリチル酸フェニル、メチレンビス‐ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ベンゾフェノン‐8及びビス‐エチルヘキシルオキシフェノールメトキシ‐フェニルトリアジン等の親油性固体有機UVフィルターにより構成される群から選択される。
よりいっそう優先的には、1種又は複数種の固体有機UVフィルターは、ジエチルアミノヒドロベンゾイルヘキシルベンゾエート、ビス‐エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン及びブチルメトキシジベンゾイルメタンにより構成される群から選択される。より優先的には、これらのフィルターの1種又はそれより多くが選択される際、第二の溶媒と第一の溶媒との比は、1:15〜1:6、優先的には、1:13〜1:7、よりいっそう優先的には、1:10〜1:8、例えば1:9であることに留意されたい。
本発明による組成物は、UV保護製品の製造に用いられることができる。
UV保護製品は、より具体的には、
例えば、クリーム、ローション、スプレー、オイル、バーム、セラム、マスクの形態等の全ての医薬品形態における、リップスティックとリップバーム、ファンデーション、スキンケアクリーム、太陽製品等の唇、顔、体又は髪に適用することのできる、UV保護指数を含む化粧品及び/又は皮膚用製品、
衣類、履物、テント及びリュックサック等のアウトドア用品のファブリックを処理するための抗UV製品を意味する。
例えば、クリーム、ローション、スプレー、オイル、バーム、セラム、マスクの形態等の全ての医薬品形態における、リップスティックとリップバーム、ファンデーション、スキンケアクリーム、太陽製品等の唇、顔、体又は髪に適用することのできる、UV保護指数を含む化粧品及び/又は皮膚用製品、
衣類、履物、テント及びリュックサック等のアウトドア用品のファブリックを処理するための抗UV製品を意味する。
本発明の他の特性及び利点は、非制限的な例として与えられる、以下の例から明らかとなるであろう。
例1:溶媒の組み合わせ
1.基本手順
固体有機UVフィルターの溶解度は、以下の通り別個に取得された各溶媒において試験される:組成物の全質量に対して1質量%の固体有機UVフィルターが、溶媒に添加される。溶液は、磁気撹拌下において15分間80℃にて加熱され、次いで、24時間放置される。溶液が透明である場合、次いで追加の1質量%のUVフィルターが添加され、次いで上記のとおり処理される。固体有機UVフィルターの添加は、曇り又は沈殿が溶液中で観察されるまで、24時間毎に繰り返される。フィルターの溶解度の限界が、次いで得られる。
1.基本手順
固体有機UVフィルターの溶解度は、以下の通り別個に取得された各溶媒において試験される:組成物の全質量に対して1質量%の固体有機UVフィルターが、溶媒に添加される。溶液は、磁気撹拌下において15分間80℃にて加熱され、次いで、24時間放置される。溶液が透明である場合、次いで追加の1質量%のUVフィルターが添加され、次いで上記のとおり処理される。固体有機UVフィルターの添加は、曇り又は沈殿が溶液中で観察されるまで、24時間毎に繰り返される。フィルターの溶解度の限界が、次いで得られる。
溶媒の組み合わせは、a質量%のアルコールとe質量%のエステルとの混合により製造される(aは5〜20、eは80〜95、a+e=100である)。
次いで、UVフィルターの溶解度が、溶媒の組み合わせの全質量に対して1質量%の固体有機UVフィルターを、溶媒の組み合わせに添加することにより上記のとおり試験される。
2.相乗効果算出
相乗効果は、含まれる溶媒に関して、UVフィルターの溶解度の各々の限界及び加重した限界に関して算出される。
相乗効果は、含まれる溶媒に関して、UVフィルターの溶解度の各々の限界及び加重した限界に関して算出される。
理論的な溶解度=フィルターの溶解度(エステル中)×e%+フィルターの溶解度(アルコール中)×a%。
相乗効果=[(観察された溶解度/理論的な溶解度)−1]×100。
3.固体有機UVフィルターとしてのジエチルアミノヒドロベンゾイルヘキシルベンゾエートによる試験
イソアミルラウレートとエタノールとの組み合わせ(アルコールとイソアミルラウレートとの質量比は1:9である)を含む組成物は、イソアミル単独による25.5%又はエタノール単独における12%の代わりに、組成物の全質量に対して45質量%の含有量が得られるまで、固体有機UVフィルター(ジエチルアミノヒドロベンゾイルヘキシルベンゾエート)を可溶化する。ジエチルアミノヒドロベンゾイルヘキシルベンゾエートフィルターは、溶媒の組み合わせの全質量に対して81.8質量%の含有量である。1:9の比によるイソアミルラウレート:エタノールの組み合わせの使用により観察された相乗効果は、86.3%である。
9:1の比における溶媒のイソアミルラウレート:ベンジルアルコールの組み合わせ中でのジエチルアミノヒドロベンゾイルヘキシルベンゾエートの溶解度は、39%に達する。ジエチルアミノヒドロベンゾイルヘキシルベンゾエートフィルターは、溶媒の組み合わせの全質量に対して、63.9質量%の含有量である。示された溶媒の組み合わせの相乗効果は、この場合において30.2%である。
9:1の比における溶媒のイソアミルラウレート:フェノキシエタノールの組み合わせ中でのジエチルアミノヒドロベンゾイルヘキシルベンゾエートの溶解度は、45%に達する。ジエチルアミノヒドロベンゾイルヘキシルベンゾエートフィルターは、溶媒の組み合わせの全質量に対して、81.8%の含有量である。示された溶媒の組み合わせの相乗効果は、この場合において80.3%である。
9:1の比における溶媒のイソアミルラウレート:オクチルドデカノールの組み合わせ中でのジエチルアミノヒドロベンゾイルヘキシルベンゾエートの溶解度は、31%に達する。ジエチルアミノヒドロベンゾイルヘキシルベンゾエートフィルターは、溶媒の組み合わせの全質量に対して44.9質量%の含有量である。示された溶媒の組み合わせの相乗効果は、この場合において28.9%である。
9:1の比における溶媒のイソプロピルミリステート:エタノールの組み合わせ中でのジエチルアミノヒドロベンゾイルヘキシルベンゾエートの溶解度は、36%に達する。ジエチルアミノヒドロベンゾイルヘキシルベンゾエートフィルターは、溶媒の組み合わせの全質量に対して、56.2質量%の含有量である。示された溶媒の組み合わせの相乗効果は、この場合において23.1%である。
9:1の比における溶媒のジイソアミルセバケート:エタノールの組み合わせ中でのジエチルアミノヒドロベンゾイルヘキシルベンゾエートの溶解度は、36%に達する。ジエチルアミノヒドロベンゾイルヘキシルベンゾエートフィルターは、溶媒の組み合わせの全質量に対して、56.2質量%の含有量である。示された溶媒の組み合わせの相乗効果は、この場合において25.6%である。
9:1の比における溶媒のジイソアミルセバケート:ベンジルアルコールの組み合わせ中でのジエチルアミノヒドロベンゾイルヘキシルベンゾエートの溶解度は、52%に達する。ジエチルアミノヒドロベンゾイルヘキシルベンゾエートフィルターは、溶媒の組み合わせの全質量に対して、108.3質量%の含有量である。示された溶媒の組み合わせの相乗効果は、この場合において50.9%である。
9:1の比における溶媒のジイソアミルセバケート:フェノキシエタノールの組み合わせ中でのジエチルアミノヒドロベンゾイルヘキシルベンゾエートの溶解度は、40%に達する。ジエチルアミノヒドロベンゾイルヘキシルベンゾエートフィルターは、溶媒の組み合わせの全質量に対して、66.6質量%の含有量である。示された溶媒の組み合わせの相乗効果は、この場合において35.8%である。
9:1の比における溶媒のジイソアミルセバケート:オクチルドデカノールの組み合わせ中でのジエチルアミノヒドロベンゾイルヘキシルベンゾエートの溶解度は、36%に達する。ジエチルアミノヒドロベンゾイルヘキシルベンゾエートフィルターは、溶媒の組み合わせの全質量に対して、56.2質量%の含有量である。示された溶媒の組み合わせの相乗効果は、この場合において26.1%である。
4.固体有機UVフィルターとしてのビス‐エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンによる試験
9:1の比における溶媒のイソアミルラウレート:フェノキシエタノールの組み合わせ中でのビス‐エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンの溶解度は、25%に達する。ビス‐エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンフィルターは、溶媒の組み合わせの全質量に対して、33.3質量%の含有量である。示された溶媒の組み合わせの相乗効果は、この場合において77.3%である。
9:1の比における溶媒のジエチルスクシネート:エタノールの組み合わせ中でのビス‐エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンの溶解度は、14%に達する。ビス‐エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンフィルターは、溶媒の組み合わせの全質量に対して、16.2質量%の含有量である。示された溶媒の組み合わせの相乗効果は、この場合において41.3%である。
9:1の比における溶媒のジイソアミルセバケート:エタノールの組み合わせ中でのビス‐エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンの溶解度は、21%に達する。ビス‐エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンフィルターは、溶媒の組み合わせの全質量に対して、26.6質量%の含有量である。示された溶媒の組み合わせの相乗効果は、この場合において79.4%である。
9:1の比における溶媒のジイソアミルセバケート:ベンジルアルコールの組み合わせ中でのビス‐エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンの溶解度は、28%に達する。ビス‐エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンフィルターは、溶媒の組み合わせの全質量に対して、38.8質量%の含有量である。示された溶媒の組み合わせの相乗効果は、この場合において113.7%である。
5.固体有機UVフィルターとしてのブチルメトキシジベンゾイルメタンによる試験
9:1の比における溶媒のイソアミルラウレート:フェノキシエタノールの組み合わせ中でのブチルメトキシジベンゾイルメタのの溶解度は、24%に達する。ブチルメトキシジベンゾイルメタンフィルターは、溶媒の組み合わせの全質量に対して、31.6質量%の含有量である。示された溶媒の組み合わせの相乗効果は、この場合において38.7%である。
9:1の比における溶媒のイソアミルラウレート:エタノールの組み合わせ中でのブチルメトキシジベンゾイルメタンの溶解度は、19%に達する。ブチルメトキシジベンゾイルメタンフィルターは、溶媒の組み合わせの全質量に対して、23質量%の含有量である。示された溶媒の組み合わせの相乗効果は、この場合において22.6%である。
9:1の比における溶媒のイソプロピルミリステート:エタノールの組み合わせ中でのブチルメトキシジベンゾイルメタンの溶解度は、17%に達する。ブチルメトキシジベンゾイルメタンフィルターは、溶媒の組み合わせの全質量に対して20.5質量%の含有量である。示された溶媒の組み合わせの相乗効果は、この場合において42.8%である。
9:1の比における溶媒のジイソアミルセバケート:エタノールの組み合わせ中でのブチルメトキシジベンゾイルメタンの溶解度は、29%に達する。ブチルメトキシジベンゾイルメタンフィルターは、溶媒の組み合わせの全質量に対して、40.8質量%の含有量である。示された溶媒の組み合わせの相乗効果は、この場合において18.3%である。
9:1の比における溶媒のジイソアミルセバケート:フェノキシエタノールの組み合わせ中でのブチルメトキシジベンゾイルメタンの溶解度は、30%に達する。ブチルメトキシジベンゾイルメタンフィルターは、溶媒の組み合わせの全質量に対して、42.9質量%の含有量である。示された溶媒の組み合わせの相乗効果は、この場合において14.1%である。
例2:サンスクリーン配合物
固体有機UVフィルターの良好な可溶化を達成することを目的として、化粧用又は皮膚用組成物又は配合物中にそれを導入する前に、中間相(以下の例において相C)が調製される。
固体有機UVフィルターの良好な可溶化を達成することを目的として、化粧用又は皮膚用組成物又は配合物中にそれを導入する前に、中間相(以下の例において相C)が調製される。
手順:
相Bの材料を混合し、75〜80℃に加熱する。
相Bの材料を混合し、75〜80℃に加熱する。
同時に、撹拌下で、UVフィルターがよく可溶化されていることを確認しつつ(透明な中間相の観察)、相Cを75〜80℃に加熱する。
相Dの材料を秤量し、それらを混合し、相を均一化し、それがよく分散されていること(凝集物がないこと)を確認する。75〜80℃に加熱する。
水性相Aの材料を混合し、撹拌下で75〜80℃に加熱する。
予め加熱された脂肪相C及びDを混合し、次いで相B、次いでEを連続して導入する。代わりに、相B、C及びDを直接的に混合し、次いで相Eを導入することが可能である。
このように得られた相を、撹拌下(ボルテックス)で相Aに注ぎ込む。
エマルションが形成されたら、冷却する。
40℃に向けて、任意選択的に予め混合された、相Fの材料を導入する。
環境温度において、pHを確認し、それを相GによりpH6.8〜7.5に調節する。
この配合物において、中間相C及び(C+D)は、本発明による組成物である。1種又は複数種の無機フィルターを導入する前に、固体有機フィルターCの中間可溶化相を調製することは有利である。実際、無機フィルターの中間相への導入は、前記相の混濁化をもたらす。ここで、固体有機フィルターの良好な可溶化を評価する方法の1つは、中間相の透明な性質を観察することである。それ故に、中間相における無機フィルターの存在は、この観察を困難にする可能性がある。
手順:
相Bの材料を混合し、75〜80℃に加熱する。
相Bの材料を混合し、75〜80℃に加熱する。
同時に、撹拌下で、UVフィルターがよく可溶化されていることを確認しつつ(透明な中間相の観察)、相Cを75〜80℃に加熱する。
相Dの材料を秤量し、それらを混合し、相を均一化し、それがよく分散されていること(凝集物がないこと)を確認する。75〜80℃に加熱する。
水性相Aの材料を混合し、撹拌下で75〜80℃に加熱する。
予め加熱された脂肪相B、C、Dを混合し、次いでEを
このように得られた脂肪族相に、撹拌下(ボルテックス)で相Aを注ぎ込む。
このように得られた脂肪族相に、撹拌下(ボルテックス)で相Aを注ぎ込む。
エマルションが形成されたら、冷却する。
40℃に向けて、相F材料を導入する。
手順:
相Cを混合し、75〜85℃に加熱する。導入されたUVフィルターの可溶化の完了(透明な相の観察)を確認する。
相Cを混合し、75〜85℃に加熱する。導入されたUVフィルターの可溶化の完了(透明な相の観察)を確認する。
相Aを導入し、溶融させたままにする。
冷却中、相Bを導入し、次いで40℃に向けて、相Dを導入する。
冷却中、相Bを導入し、次いで40℃に向けて、相Dを導入する。
Claims (14)
- エステルから選択される第一の溶媒と、アルコールから選択される第二の溶媒との組み合わせであって、第二の溶媒と第一の溶媒との質量比が、1:20〜1:2.3である、第一の溶媒と第二の溶媒との組み合わせと、
第一の溶媒と第二の溶媒との組み合わせの全質量に対して15質量%以上の含有量で、1種又はそれより多くの固体有機UVフィルターと、
を含む、組成物。 - 1種又は複数種の固体有機UVフィルターが、ジエチルアミノヒドロベンゾイルヘキシルベンゾエート、ビス‐エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、及びブチルメトキシジベンゾイルメタンにより構成される群から選択される、請求項1に記載の組成物。
- 第二の溶媒と第一の溶媒との質量比が、1:15〜1:6である、請求項1又は2に記載の組成物。
- 第二の溶媒と第一の溶媒との質量比が、1:10〜1:8である、請求項3に記載の組成物。
- 第一の溶媒が、ヘキシルラウレート、イソプロピルミリステート、イソプロピルステアレート、イソプロピルパルミテート、ジエチルスクシネート、エチルヘキシルステアレート、ジブチルアジペート、ジエチルヘキシルアジペート、ジイソプロピルアジペート、ジイソプロピルセバケート、及び/又はイソアミルエステルにより構成される群から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
- 第二の溶媒が、エタノール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、及び/又はオクチルドデカノールにより構成される群から選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
- 固体有機UVフィルターとして、ジエチルアミノヒドロベンゾイルヘキシルベンゾエートを含み、その含有量が、第一の溶媒と第二の溶媒との組み合わせの全質量に対して20質量%以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
- 固体有機UVフィルターとして、ビス‐エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
- 追加のUVフィルターも含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
- 第一の溶媒が、イソアミルラウレート、ジイソアミルセバケート、イソプロピルミリステート、及び/又はジエチルスクシネートにより構成される群から選択され、
第二の溶媒が、エタノール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、オクチルドデカノールにより構成される群から選択され、
1種又は複数種の固体有機UVフィルターが、ジエチルアミノヒドロベンゾイルヘキシルベンゾエート、ビス‐エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、及びブチルメトキシジベンゾイルメタンにより構成される群から選択され、
第二の溶媒と第一の溶媒との比が、1:10〜1:8である、請求項1に記載の組成物。 - 以下の
a)第一の溶媒と、第二の溶媒と、少なくとも1種の固体有機UVフィルターとを混合する工程と、
b)混合物を撹拌下において70〜90℃の温度に加熱する工程と、
を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物の製造方法。 - 化粧品及び/又は皮膚用製品の製造方法であって、以下の
i)請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物を加熱する工程と、
ii)工程i)で加熱された組成物と、化粧用及び/又は皮膚用調製品とを、撹拌下において混合する工程と、
を含む、方法。 - 固体有機UVフィルターを可溶化するための第一の溶媒と第二の溶媒との組み合わせの使用であって、
a)第一の溶媒がエステルから選択され、
b)第二の溶媒がアルコールから選択され、第二の溶媒と第一の溶媒との質量比が、1:20〜1:2.3である、使用。 - UV保護製品の製造のための、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物の使用。
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