JP2017501279A - 加水分解ジビニルベンゼン/無水マレイン酸ポリマー材料 - Google Patents

加水分解ジビニルベンゼン/無水マレイン酸ポリマー材料 Download PDF

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Abstract

加水分解ジビニルベンゼン/無水マレイン酸ポリマー材料、及びこれらのポリマー材料を製造する方法が提供される。これらのポリマーは、マイクロ細孔及び/又はメソ細孔の存在に起因する高いBET比表面積を有する。これらのポリマーは、低分子量(例えば150g/mol以下)の塩基性窒素含有化合物を吸着するのに有用である。【選択図】図1

Description

発明の詳細な説明
[関連出願の相互参照]
本出願は2013年12月19日出願の米国特許仮出願第61/918072号の利益を主張するものであり、その開示内容の全体をここに援用するものである。
[技術分野]
加水分解ジビニルベンゼン/無水マレイン酸ポリマー材料、及びかかる加水分解ジビニルベンゼン/無水マレイン酸ポリマー材料を製造する方法を開示する。
[背景]
ジビニルベンゼンと無水マレイン酸とから調製されるポリマー材料は、長年にわたって知られている。早くも1970年代から、これらのポリマー材料はイオン交換樹脂として使用されてきた。これらのポリマー材料の多くは、マクロレティキュレーションと呼ばれるプロセスにより調製されるが、これは懸濁重合を用いてポリマービーズを調製するプロセスのことを指す。これらのプロセスでは、水相中に懸濁された有機相の液滴を形成することを行う。懸濁された有機相は、モノマーと、必要に応じてポロゲンを含む。しかしながら、このモノマーは加水分解して有機相から離れやすいため、最終的なコポリマー中の無水マレイン酸の含有量は低かった。このような加水分解反応を低減させる試みとして、水相をグリセロール又は他の極性溶媒と置換することが行われている。また、マクロ多孔質コポリマーが調製されている。
[概要]
加水分解ジビニルベンゼン/無水マレイン酸ポリマー材料、及びこれらのポリマー材料を製造する方法が提供される。これらのポリマーは、マイクロ細孔及び/又はメソ細孔の存在に起因する高いBET比表面積を有する。これらのポリマーは、カルボン酸基を有し、低分子量(例えば150g/mol以下)の塩基性窒素含有化合物を吸着するのに有用である。
第1の態様では、a)未加水分解の前駆体ポリマーと、b)加水分解剤との反応生成物である加水分解ポリマー材料が提供される。未加水分解の前駆体ポリマーは、i)モノマー混合物、及びii)ケトン、エステル、アセトニトリル又はこれらの混合物を含む有機溶媒、を含む重合性組成物の重合生成物である。モノマー混合物は、1)モノマー混合物中のモノマーの総重量に対して8〜40重量%の無水マレイン酸、2)モノマー混合物中のモノマーの総重量に対して48〜75重量%のジビニルベンゼン、及び3)モノマー混合物中のモノマーの総重量に対して0〜20重量%のスチレン系モノマーであって、スチレン、アルキル置換スチレン、又はこれらの組み合わせである、スチレン系モノマー、を含む。重合性組成物は、重合の前には単一の相である。重合性ポリマー材料は、複数のカルボン酸基、及び少なくとも100m/gに等しいBET比表面積を有する。
第2の態様では、加水分解ポリマー材料を製造する方法が提供される。本方法は、重合性組成物を調製する工程と、重合性組成物を重合させることにより未加水分解前駆体ポリマーを生成する工程と、未加水分解前駆体ポリマーを加水分解剤と反応させることによって加水分解ポリマー材料を生成する工程と、を含む。重合性組成物は、i)モノマー混合物、及びii)ケトン、エステル、アセトニトリル又はこれらの混合物を含む有機溶媒を含む。モノマー混合物は、1)モノマー混合物中のモノマーの総重量に対して8〜40重量%の無水マレイン酸、2)モノマー混合物中のモノマーの総重量に対して48〜75重量%のジビニルベンゼン、及び3)モノマー混合物中のモノマーの総重量に対して0〜20重量%のスチレン系モノマーであって、スチレン、アルキル置換スチレン、又はこれらの組み合わせである、スチレン系モノマー、を含む。重合性組成物は、重合の前には単一の相である。加水分解ポリマー材料は、複数のカルボン酸基、及び少なくとも100m/gに等しいBET比表面積を有する。
調製実施例3の多孔質前駆体ポリマー及び実施例1の対応する加水分解ポリマー材料について、77°Kにおけるアルゴン吸着等温線をプロットしたものである。 調製実施例3の多孔質前駆体ポリマー及び実施例1の対応する加水分解ポリマー材料について、細孔幅に対する累積表面積をプロットしたものである。
[詳細な説明]
未加水分解ジビニルベンゼン/無水マレイン酸前駆体ポリマーを調製した後、加水分解剤で処理することで、複数のカルボン酸基を有する加水分解ポリマー材料が与えられる。かかる加水分解ポリマー材料は多孔質であり、少なくとも100m/gに等しいBET比表面積を有する。加水分解ポリマー材料は、マイクロ細孔、メソ細孔、又はこれらの組み合わせを有する傾向にあり、これにより、低分子量(例えば150g/mol以下)の塩基性窒素含有化合物の吸着材としての使用に特に適したものとなっている。
「a」、「an」、及び「the」なる用語は、記載される要素の1つ以上を意味するうえで「少なくとも1つの」と互換可能に用いられる。
「及び/又は」なる用語は、一方又は両方を意味する。例えば「A及び/又はB」は、Aのみ、Bのみ、又はA及びBの双方を意味する。
「ポリマー」及び「ポリマー材料」なる用語は、互換可能に用いられ、1つ以上のモノマーを反応させることによって形成された材料を指す。かかる用語には、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマーなどが含まれる。同様に、「重合させる」及び「重合する」なる用語は、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマーなどでありうるポリマー材料の製造プロセスを指す。
「モノマー混合物」なる用語は、重合性組成物の、モノマーを含む部分を指す。より詳細には、モノマー混合物は、少なくともジビニルベンゼン及び無水マレイン酸を含む。「重合性組成物」なる用語は、ポリマー材料を形成するために使用される反応混合物に含まれるすべての材料を含む。重合性組成物には、例えば、モノマー混合物、有機溶媒、開始剤、及び他の任意成分が含まれる。有機溶媒などの反応混合物中の成分の一部のものは、化学反応は起こさないものの、化学反応及び得られるポリマー材料に影響しうる。
「ジビニルベンゼン/無水マレイン酸ポリマー材料」なる用語は、ジビニルベンゼン、無水マレイン酸、及び必要に応じてスチレン系モノマーから調製されるポリマー材料のことを指す。スチレン系モノマーは、ジビニルベンゼン中に不純物としてしばしば存在する。
「スチレン系モノマー」なる用語は、スチレン、アルキル置換スチレン(例えばエチルスチレン)、又はこれらの混合物のことを指す。これらのモノマーは、ジビニルベンゼン中に不純物としてしばしば存在する。
「表面積」なる用語は、アクセス可能な細孔の内表面を含む、材料の表面の総面積のことを指す。表面積は、通常、一定範囲の相対圧力にわたって極低温条件下(すなわち77°K)で材料の表面に吸着する、窒素又はアルゴンなどの不活性ガスの量を測定することにより得られる吸着等温線から計算される。「BET比表面積」なる用語は、BET法(Brunauer−Emmett−Teller法)を用いて0.05〜0.3の相対圧力範囲にわたって不活性ガスの吸着等温線データから通常は計算される材料の1g当りの表面積である。
「室温」なる用語は、20℃〜30℃の範囲、又は20℃〜25℃の範囲の温度を指す。
多孔質材料は、それらの細孔の径に基づいて特徴付けることができる。「マイクロ細孔」なる用語は、2ナノメートル未満の直径を有する細孔を指す。「メソ細孔」なる用語は、2〜50ナノメートルの範囲の直径を有する細孔を指す。「マクロ細孔」なる用語は、50ナノメートル超の直径を有する孔を指す。ある材料の多孔度とは、極低温条件下で、多孔質材料により、窒素又はアルゴンなどの不活性ガスの吸着等温線から特徴付けることができる。吸着等温線は、約10−6〜約0.98の範囲の複数の相対圧力における多孔質材料による不活性ガスの吸着率を測定することによって一般的に得られる。次いでこれらの等温線を、比表面積を計算するためのBET、多孔度及び孔径分布を特性評価するための密度関数理論(DFT)などの様々な方法を用いて分析する。
加水分解ポリマー材料は、ジビニルベンゼン、無水マレイン酸、及び必要に応じてスチレン系モノマーから調製される未加水分解前駆体ポリマーから生成される。前駆体ポリマー材料を加水分解剤で処理することで加水分解ポリマー材料が調製される。前駆体ポリマー材料を合成するために用いられる条件は、高いBET比表面積(例えば少なくとも100m/gに等しいか又は少なくとも150m/gに等しい)、及び低分子量(例えば150g/mol以下)の塩基性窒素含有化合物を効果的に吸着するのに充分な数のカルボン酸基の両方を有する加水分解ポリマー材料が生成されるように特に選択される。より詳細には、未加水分解前駆体ポリマーを調製するために使用されるジビニルベンゼン架橋剤の量、無水マレイン酸の量、必要に応じて用いられるスチレン系モノマーの量、及び有機溶媒の選択は、加水分解ポリマー材料において所望の特性の組み合わせが得られるように、慎重に選択され、バランスが取られる。
未加水分解前駆体ポリマー材料(すなわちジビニルベンゼン/無水マレイン酸ポリマー材料)は、無水マレイン酸、ジビニルベンゼン、及び必要に応じてスチレン系モノマーのモノマー混合物から合成される。より詳細には、モノマー混合物は、1)8〜40重量%の無水マレイン酸、2)48〜75重量%のジビニルベンゼン、及び3)0〜20重量%又はスチレン系モノマーであって、スチレン、アルキル置換スチレン、又はこれらの組み合わせである、スチレン系モノマー、を含む。これらの量は、モノマー混合物中のモノマーの総重量に対するものである。
前駆体ポリマーを調製するためにモノマー混合物中に用いられる無水マレイン酸の量は、加水分解ポリマー材料中のカルボン酸官能基の数を決定する。未加水分解前駆体ポリマー材料中に含まれる各無水マレイン酸単位は、加水分解ポリマー材料中に2個のカルボン酸基(−COOH基)を形成することができる。無水マレイン酸の量がモノマー混合物中のモノマーの総重量に対して8重量%未満であると、加水分解ポリマー材料が、低分子量塩基性分子を吸着するのに充分な官能基を有さなくなる可能性がある。これに対して、無水マレイン酸の量がモノマー混合物中のモノマーの総重量に対して40重量%よりも大きいと、加水分解ポリマー材料が、充分に高いBET比表面積を有しなくなる可能性がある。BET比表面積が低すぎると、加水分解ポリマー材料が、低分子量塩基性分子を吸着するために、アクセス可能な充分なカルボン酸基を生じるだけの充分な多孔度を有しない可能性がある。
いくつかの実施形態では、無水マレイン酸の量は、少なくとも8重量%、少なくとも10重量%、少なくとも12重量%、少なくとも15重量%、又は少なくとも20重量%である。無水マレイン酸の量は、40重量%以下、38重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、又は25重量%以下であってよい。例えば、無水マレイン酸は、8〜40重量パーセント、8〜38重量パーセント、10〜40重量パーセント、10〜35重量パーセント、10〜30重量パーセント、10〜25重量パーセント、15〜40重量パーセント、15〜35重量パーセント、15〜30重量パーセント、15〜25重量パーセント、20〜40重量パーセント、20〜35重量パーセント、又は20〜30重量パーセントの範囲で存在してよい。これらの量は、モノマー混合物中のモノマーの総重量に対するものである。
ジビニルベンゼン架橋剤の量は、前駆体ポリマー材料及び加水分解ポリマー材料の両方のBET比表面積に大きな影響を有しうる。ジビニルベンゼンは、高い架橋密度及びマイクロ細孔及び/又はメソ細孔を有する固いポリマー材料の形成に寄与する。BET比表面積は、モノマー混合物中のジビニルベンゼンの量の増加とともに増大する傾向を有する。モノマー混合物中のジビニルベンゼンの量が48重量%未満であると、加水分解ポリマー材料が、充分に高いBET比表面積を有しなくなる可能性がある。これに対して、ジビニルベンゼンの量が75重量%よりも大きいと、重合性組成物中に充分な無水マレイン酸が存在しないために、加水分解ポリマー材料中のカルボン酸官能基が過度に低くなりうる。
いくつかの実施形態では、ジビニルベンゼンの量は、少なくとも48重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、又は少なくとも60重量%である。ジビニルベンゼンの量は、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、又は65重量パーセント以下であってよい。例えば、ジビニルベンゼンは、48〜75重量%、50〜75重量%、50〜70重量%、50〜70重量%、50〜65重量%、55〜75重量%、55〜70重量%、55〜65重量%、60〜75重量%、又は60〜70重量%の範囲であってよい。これらの量は、モノマー混合物中のモノマーの総重量に対するものである。いくつかの具体的な実施形態では、ジビニルベンゼンの量は、モノマー混合物中のモノマーの総重量に対して50〜60重量%の範囲である。
ジビニルベンゼンは、純粋な形で得ることが困難である場合がある。例えば、ジビニルベンゼンは、55重量%という低い純度でしばしば市販されている。ジビニルベンゼンを約80重量%よりも高い純度で得ることは、困難かつ/又は高コストでありうる。ジビニルベンゼンにともなう不純物は、一般的には、スチレン、アルキル置換スチレン(例えばエチルスチレン)、又はこれらの混合物などのスチレン系モノマーである。このため、スチレン系モノマーは、モノマー混合物中にジビニルベンゼン及び無水マレイン酸とともにしばしば存在する。かかるモノマー混合物は通常、モノマー混合物中のモノマーの総重量に対して0〜20重量%のスチレン系モノマーを含んでいる。スチレン系モノマーの含有量が20重量%よりも大きいと、架橋密度が低くなりすぎるか、かつ/又は架橋間の距離が大きくなりすぎて前駆体ポリマー材料に所望の高いBET比表面積(例えば少なくとも300m/g)を与えることができないか、かつ/又は架橋密度が低くなりすぎて加水分解ポリマー材料に所望の高いBET比表面積(例えば少なくとも100m/g又は少なくとも150m/g)を与えることができなくなる可能性がある。架橋密度が低下するに従って、得られるポリマー材料の剛性が低くなり、多孔度が低くなる傾向にある。
一般的に、55重量%の純度を有するジビニルベンゼンは、スチレン系モノマー不純物の含有量が高すぎることからモノマー混合物中での使用には適さない。すなわち、48重量%のジビニルベンゼンの最小量を有するモノマー混合物を得るためには、ジビニルベンゼンはしばしば、少なくとも約80重量%の純度である。約80重量%よりも低い純度を有するジビニルベンゼンを使用すると、過度に低いBET比表面積を有する前駆体ポリマー材料及び/又は加水分解ポリマー材料が生成されうる。
いくつかの実施形態では、スチレン系モノマーの量は、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、又は少なくとも5重量%である。スチレン系モノマーの量は、20重量%以下、15重量%以下、12重量%以下、又は10重量%以下であってよい。例えば、モノマー混合物中のスチレン系モノマーの量は、0〜20重量%、1〜20重量%、2〜20重量%、5〜20重量%、5〜15重量%、又は10〜15重量%の範囲であってよい。これらの量は、モノマー混合物中のモノマーの総重量に対するものである。
全体として、モノマー混合物は、1)モノマー混合物中のモノマーの総重量に対して8〜40重量%の無水マレイン酸、2)モノマー混合物中のモノマーの総重量に対して48〜75重量%のジビニルベンゼン、及び3)モノマー混合物中のモノマーの総重量に対して0〜20重量%のスチレン系モノマーを含む。他の実施形態では、モノマー混合物は、10〜40重量%の無水マレイン酸、50〜75重量%のジビニルベンゼン、及び1〜20重量%のスチレン系モノマーを含む。他の実施形態では、モノマー混合物は、15〜35重量%の無水マレイン酸、55〜75重量%のジビニルベンゼン、及び1〜20重量%のスチレン系モノマーを含む。更なる他の実施形態では、モノマー混合物は、20〜30重量%の無水マレイン酸、55〜75重量%のジビニルベンゼン、及び1〜20重量%のスチレン系モノマーを含む。更なる実施形態では、モノマー混合物は、20〜35重量%の無水マレイン酸、55〜70重量%のジビニルベンゼン、及び1〜20重量%のスチレン系モノマーを含む。
モノマー混合物は、通常は、無水マレイン酸、ジビニルベンゼン、及びスチレン系モノマーから選択される少なくとも95重量%のモノマーを含む。例えば、モノマー混合物中のモノマーの少なくとも97重量パーセント、少なくとも98重量パーセント、少なくとも99重量パーセント、少なくとも99.5重量パーセント、又は99.9重量パーセントのモノマーは、無水マレイン酸、ジビニルベンゼン、及びスチレン系モノマーから選択される。多くの実施形態において、モノマー混合物に意図的に添加される唯一のモノマーは、無水マレイン酸及びジビニルベンゼンであり、他のすべてのモノマー(スチレン系モノマーをはじめとする)は、無水マレイン酸及びジビニルベンゼン中の不純物として存在する。
モノマー混合物以外に、未加水分解前駆体ポリマー材料を形成するために使用される重合性組成物は、有機溶媒を含む。重合性組成物は、重合の前には単一の相である。別の言い方をすると、重合の前には、重合性組成物は懸濁液ではない。有機溶媒は、モノマー混合物中に含まれるモノマーを溶解し、前駆体ポリマー材料が生成されはじめる際にこれを可溶化するように選択される。有機溶媒としては、ケトン、エステル、アセトニトリル又はこれらの混合物が挙げられる。
有機溶媒は、前駆体ポリマー材料が生成される際にポロゲンとして機能することができる。かかる有機溶媒の選択は、BET比表面積、及び未加水分解前駆体ポリマー材料に形成される細孔の径に大きく影響しうる。BET比表面積、並びにマイクロ細孔及び/又はメソ細孔に起因するBET比表面積の割合は、重合性組成物中に第2の相が形成される前の変換率と相関する傾向がある。第2の相が遅れて形成されることで、高いBET比表面積を有する前駆体ポリマー材料の調製に有利となる傾向がある。第2の相が形成されるタイミングは、有機溶媒の選択に大きく依存する。第2の相は、成長中の非加水分解前駆体材料を含んでいる(第2の相は、成長中の未加水分解前駆体の分子量が第1の相に可溶でなくなる点まで大きくなった時点で形成される)。
特に適当な有機溶媒としては、ケトン、エステル、アセトニトリル及びこれらの混合物が挙げられる。得られる前駆体ポリマー材料が少なくとも300m/gに等しいBET比表面積を有するかぎり、1つ以上のこれらの有機溶媒とともに他の有機溶媒を加えてもよい。適当なケトンとしては、これらに限定されるものではないが、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンなどのアルキルケトンが挙げられる。適当なエステルの例としては、これらに限定されるものではないが、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル及び酢酸tert−ブチルなどの酢酸エステルが挙げられる。
有機溶媒は、任意の望ましい量で使用することができる。重合性組成物は、1〜75重量%の範囲の固形分率(%)をしばしば有する。固形分率(%)が低すぎると、重合時間が不要に長くなる場合がある。固形分率(%)は、しばしば、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、又は少なくとも15重量%である。しかしながら、固形分率(%)が高すぎると、粘性が高くなりすぎて効果的な混合が行えない可能性がある。更に、固形分率(%)を増大させると、より低いBET比表面積を有するポリマー材料が形成される傾向がある。固形分率(%)は、75重量%以下、70重量%以下、60重量%以下、50重量%以下、40重量%以下、30重量%以下、又は25重量%以下であってよい。例えば、固形分率(%)は、5〜75重量パーセント、5〜50重量パーセント、5〜40重量パーセント、5〜30重量パーセント、又は5〜25重量パーセントの範囲であってよい。
モノマー混合物及び有機溶媒以外に、重合性組成物は、一般的にはフリーラジカル重合反応用の開始剤を含む。任意の適当なフリーラジカル開始剤を使用することができる。適当なフリーラジカル開始剤は、重合性組成物中に含まれるモノマーと混和性を有するように一般的に選択される。いくつかの実施形態では、フリーラジカル開始剤は、室温よりも高い温度で活性化されうる熱開始剤である。他の実施形態では、フリーラジカル開始剤はレドックス開始剤である。重合反応はフリーラジカル反応であるため、重合性組成物中の酸素の量を最小限に抑えることが望ましい。
開始剤の種類及び量のいずれもが重合速度に影響しうる。一般的に、開始剤の量を増やすとBET比表面積が低下する傾向にあるが、開始剤の量が少なすぎるとモノマーからポリマー材料への高い変換率を得ることが困難となりうる。フリーラジカル開始剤は、一般的には、0.05〜10重量%、0.05〜8重量%、0.05〜5重量%、0.1〜10重量%、0.1〜8重量%、0.1〜5重量%、0.5〜10重量%、0.5〜8重量%、0.5〜5重量%、1〜10重量%、1〜8重量%、又は1〜5重量%の範囲の量で存在する。重量%は、重合性組成物中のモノマーの総重量に対するものである。
適当な熱開始剤としては、有機過酸化物及びアゾ化合物が挙げられる。アゾ化合物の例としては、これらに限定されるものではないが、しばしばAIBNと呼ばれるVAZO 64(2,2’−アゾビス(イソブチロニトリルニトリル)、及びVAZO 52(2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル)などの、イー・アイ・デュポン・ド・ネムール社(E. I. du Pont de Nemours Co.)(デラウェア州ウィルミントン)よりVAZOの商品名で市販されるものが挙げられる。他のアゾ化合物としては、米国和光純薬株式会社(バージニア州リッチモンド)より、V−601(ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオナート))、V−65(2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル))、及びV−59(2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル))などとして市販されるものがある。有機過酸化物としては、これらに限定されるものではないが、例えばベンゾイルペルオキシド(BPO)などのビス(1−オキソアリール)ペルオキシド、例えばラウロイルペルオキシドなどのビス(1−オキソアルキル)ペルオキシド、及び例えばジクミルペルオキシド又はジ−tert−ブチルペルオキシドなどのジアルキルペルオキシド、並びにこれらの混合物が挙げられる。熱開始剤を活性化するために必要とされる温度はしばしば、25℃〜160℃の範囲、30℃〜150℃の範囲、40℃〜150℃の範囲、50℃〜150℃の範囲、50℃〜120℃の範囲、又は50℃〜110℃の範囲である。
適当なレドックス開始剤としては、アリールスルフィナート塩、トリアリールスルホニウム塩、又はN,N−ジアルキルアニリン(例えば、N,N−ジメチルアニリン)と、酸化状態の金属、過酸化物、又は過硫酸塩との組み合わせが挙げられる。具体的なアリールスルフィナート塩としては、例えば4−エトキシカルボニルベンゼンスルフィン酸テトラブチルアンモニウム、4−トリフルオロメチルベンゼンスルフィン酸テトラブチルアンモニウム、及び3−トリフルオロメチルベンゼンスルフィン酸テトラブチルアンモニウムなどのアリールスルフィン酸テトラアルキルアンモニウムが挙げられる。具体的なトリアリールスルホニウム塩としては、トリフェニルスルホニウムカチオンとの塩、並びにPF 、AsF 、及びSbF から選択されるアニオンとの塩が挙げられる。適当な金属イオンとしては、例えば、第三族金属、遷移金属、及びランタニド金属のイオンが挙げられる。具体的な金属イオンとしては、これらに限定されるものではないが、Fe(III)、Co(III)、Ag(I)、Ag(II)、Cu(II)、Ce(III)、Al(III)、Mo(VI)、及びZn(II)が挙げられる。適当な過酸化物としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイルなどが挙げられる。適当な過硫酸塩としては、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸テトラアルキルアンモニウム(例えば過硫酸テトラブチルアンモニウム)などが挙げられる。
重合性組成物は、界面活性剤を一般的に含まないか又は実質的に含まない。本明細書で使用するところの、界面活性剤に関して「実質的に含まない」なる用語は、重合性組成物に界面活性剤が意図的に添加されておらず、存在しうる界面活性剤が、重合性組成物の成分のいずれかの不純物(例えば有機溶媒又はモノマーのうちの1つの不純物)に由来するものであることを意味する。重合性組成物は一般的に、重合性組成物の総重量に対して0.5重量パーセント未満、0.3重量パーセント未満、0.2重量パーセント未満、0.1重量パーセント未満、0.05重量パーセント未満、又は0.01重量パーセント未満の界面活性剤を含む。界面活性剤が含まれないことは、これらの物質が多孔質材料のマイクロ細孔及びメソ細孔へのアクセスを制限し、場合によってはこれらの細孔を充填する傾向があることから、有利である。界面活性剤の存在によって、加水分解ポリマー材料が低分子量の塩基性分子を吸着する能力が低下しうる。
重合性組成物がフリーラジカル開始剤の存在下で加熱されると、モノマー混合物中のモノマーの重合が起きる。モノマー混合物中の各モノマーの量のバランスを取ることにより、また、モノマーのすべて及び成長中のポリマー材料をその初期の生成段階において可溶化しうる有機溶媒の選択によって、少なくとも300m/gに等しいBET比表面積を有する未加水分解前駆体ポリマー材料を調製することができる。未加水分解前駆体ポリマー材料のBET比表面積は、少なくとも350m/g、少なくとも400m/g、少なくとも450m/g、又は少なくとも500m/gであってよい。BET比表面積は、例えば1000m/g以下又はこれよりも高い値、900m/g以下、800m/g以下、750m/g以下、又は700m/g以下であってよい。
高いBET比表面積は、未加水分解前駆体ポリマー材料中のマイクロ細孔及び/又はメソ細孔の存在に少なくとも一部起因するものである。前駆体ポリマー材料のアルゴン吸着等温線は、0.1よりも低い相対圧力において相当量の吸着があることを示しており、これはマイクロ細孔が存在することを示唆するものである。約0.95以下のより高い相対圧力では、吸着量のある程度の増大が見られる。この増大は、メソ細孔が広く分布していることを示すものである。いくつかの実施形態では、BET比表面積の少なくとも20%が、マイクロ細孔及び/又はメソ細孔の存在に起因する。マイクロ細孔及び/又はメソ細孔の存在に起因するBET比表面積の比率(%)は、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、又は少なくとも60%でありうる。いくつかの実施形態では、マイクロ細孔及び/又はメソ細孔の存在に起因するBET比表面積の比率(%)は、90%以下又はこれよりも高い値、80%以下又はこれよりも高い値、又は75%以下又はこれよりも高い値であってよい。
未加水分解前駆体ポリマーは、加水分解剤で処理することで加水分解ポリマー材料を与えることができる粒状材料である。加水分解剤は無水マレイン酸単位と反応して、2個のカルボン酸基(−COOH基)が形成される。無水マレイン酸単位の無水物基(−(CO)−O−(CO)−)と反応することができる任意の適当な加水分解剤を使用することができる。多くの実施形態において、加水分解剤は、水に溶解された塩基性物質などの塩基である。塩基性物質の1つの例として、水酸化ナトリウム(例えば水酸化ナトリウムの水溶液)などのアルカリ金属水酸化物がある。また、加水分解剤は、高温(例えば室温よりも高い温度〜沸点)の水のみ、又はわずかに高い温度(例えば室温よりも高い温度〜約80℃)の希釈酸であってもよい。多くの実施形態において、好ましい加水分解剤は、アルカリ金属水酸化物などの塩基である。未加水分解前駆体ポリマー材料は、メタノールなどのアルコールに溶解されたアルカリ金属水酸化物の溶液と混合される。混合物は、数時間(例えば4〜12時間)にわたって80℃に近い温度で加熱される。次いで加水分解ポリマー材料を塩酸で処理することで、カルボン酸塩をすべてカルボン酸基に変換することできる。
この加水分解ポリマー材料は、未加水分解前駆体ポリマー材料よりも低いBET比表面積を有する。このような無水物基の開環によって、主鎖のコンフォメーションの自由度が充分に大きくなることで多孔度が低下する。更に、加水分解材料中のカルボン酸間の水素結合は、細孔へのアクセスを制限するか又は阻害する可能性がある。加水分解ポリマー材料のBET比表面積はしばしば、未加水分解前駆体ポリマー材料のBET比表面積の約30〜80%、30〜60%、40〜80%、又は40〜60%である。このような低下のため、最も高い可能なBET比表面積を有するが、加水分解される際に充分なカルボン酸基を与えるだけの充分な無水マレイン酸単位を有する前駆体ポリマー材料を調製することが、しばしば望ましい。
加水分解ポリマー材料は、一般的に、少なくとも100m/gに等しいBET比表面積を有する。いくつかの実施形態では、BET比表面積は、少なくとも150m/g、少なくとも175m/g、少なくとも200m/g、少なくとも225m/g、少なくとも250m/g、又は少なくとも300m/gである。BET比表面積は、例えば600m/g以下又はこれよりも高い値、500m/g以下、又は400m/g以下であってよい。いくつかの実施形態では、BET比表面積は、100〜600m/gの範囲、150〜600m/gの範囲、又は200〜500m/gの範囲である。
加水分解ポリマー材料のアルゴン吸着等温線は、0.1よりも低い相対圧力において相当量の吸着があることを示しており、これはマイクロ細孔が存在することを示唆するものである。約0.95以下のより高い相対圧力では、吸着量のある程度の増大が見られる。この増大は、メソ細孔が広く分布していることを示すものである。いくつかの実施形態では、BET比表面積の少なくとも20%が、マイクロ細孔及び/又はメソ細孔の存在に起因する。マイクロ細孔及び/又はメソ細孔の存在に起因するBET比表面積の比率(%)は、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、又は少なくとも60%でありうる。いくつかの実施形態では、マイクロ細孔及び/又はメソ細孔の存在に起因するBET比表面積の比率(%)は、90%以下又はこれよりも高い値、80%以下又はこれよりも高い値、又は75%以下又はこれよりも高い値であってよい。
加水分解ポリマー材料はカルボン酸基を有する。いくつかの実施形態では、加水分解ポリマー材料は、ポリマー1g当り少なくとも2mmolのカルボン酸基を含む。例えば加水分解ポリマー材料中のカルボン酸基の数は、少なくとも3mmol/g、又は少なくとも5mmol/gである。カルボン酸基の数は、10mmol/g以下又はこれよりも高い値、8mmol/g以下、又は6mmol/g以下であってよい。
これらのカルボン酸基を利用して、加水分解ポリマー材料上の低分子量(例えば150g/mol以下)の塩基性窒素含有化合物を吸着することができる。例えば、粒状物質である加水分解ポリマー材料をカラム内に入れ、塩基性窒素含有化合物を含む試料をカラム内に導入して、加水分解ポリマー材料によって吸着することができる。「吸着する」又は「吸着」なる用語は、化学的吸着、物理的吸着、又はその両方を指す場合がある。加水分解ポリマー材料は、例えば1g当り少なくとも0.25mmolの塩基性窒素含有化合物を吸着することができる。例えば、吸着される量は、少なくとも0.30mmol/g、少なくとも0.35mmol/g、少なくとも0.40mmol/g、少なくとも0.45mmol/g、又は少なくとも0.50mmol/gでありうる。
塩基性窒素含有化合物は、ルイス塩基、ブレンステッド・ローリー塩基、又はその両方に分類することができる。適当な塩基性窒素含有化合物としては、これらに限定されるものではないが、アンモニア、ヒドラジン化合物、アミン化合物(例えばアルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン)、アルカノールアミン、アルキレンジアミン、アリールアミン)、及び窒素含有複素環式(飽和及び不飽和)化合物が挙げられる。具体的な塩基性窒素含有化合物としては、例えばアンモニア、ヒドラジン、メチルヒドラジン、メチルアミン、ジメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、エタノールアミン、シクロヘキシルアミン、モルホリン、ピリジン、ベンジルアミン、フェニルヒドラジン、エチレンジアミン、及び1,3−プロパンジアミンが挙げられる。
様々なポリマー材料、及びポリマー材料を製造する方法が提供される。
実施形態1は、a)未加水分解前駆体ポリマー材料、及びb)加水分解剤の反応生成物である加水分解ポリマー材料である。未加水分解前駆体ポリマーは、i)モノマー混合物、ii)ケトン、エステル、アセトニトリル又はこれらの混合物を含む有機溶媒、を含む重合性組成物の重合生成物である。モノマー混合物は、1)モノマー混合物中のモノマーの総重量に対して8〜40重量%の無水マレイン酸、2)モノマー混合物中のモノマーの総重量に対して48〜75重量%のジビニルベンゼン、及び3)モノマー混合物中のモノマーの総重量に対して0〜20重量%のスチレン系モノマーであって、スチレン、アルキル置換スチレン又はこれらの組み合わせであるスチレン系モノマー、を含む。重合性組成物は、重合の前には単一の相である。加水分解ポリマー材料は、複数のカルボン酸基、及び少なくとも100m/gに等しいBET比表面積を有する。
実施形態2は、BET比表面積が、少なくとも150m/g又は少なくとも200m/gに等しい、実施形態1の加水分解ポリマー材料である。
実施形態3は、モノマー混合物が、10〜40重量%の無水マレイン酸、50〜75重量%のジビニルベンゼン、及び1〜20重量%のスチレン系モノマーを含む、実施形態1又は2の加水分解ポリマー材料である。
実施形態4は、モノマー混合物が、15〜35重量%の無水マレイン酸、55〜75重量%、及び1〜20重量%のスチレン系モノマーを含む、実施形態1又は2の加水分解ポリマー材料である。
実施形態5は、モノマー混合物が、20〜30重量%の無水マレイン酸、55〜75重量%のジビニルベンゼン、及び1〜20重量%のスチレン系モノマーを含む、実施形態1又は2の加水分解ポリマー材料である。
実施形態6は、BET比表面積の少なくとも25%、少なくとも50%、又は少なくとも75%が、マイクロ細孔、メソ細孔、又はこれらの組み合わせに起因する、実施形態1〜5のいずれか1つの加水分解ポリマー材料である。
実施形態7は、有機溶媒が、ケトンを含み、このケトンが、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、又はこれらの混合物を含む、実施形態1〜6のいずれか1つの加水分解ポリマー材料である。
実施形態8は、有機溶媒が、酢酸エステルを含むエステルを含み、この酢酸エステルが、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸tert−ブチル、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態1〜6のいずれか1つの加水分解ポリマー材料である。
実施形態9は、有機溶媒がアセトニトリルを含む、実施形態1〜6のいずれか1つの加水分解ポリマー材料である。
実施形態10は、重合性組成物が、少なくとも5重量%に等しい固形分率(%)を有する、実施形態1〜9のいずれか1つの加水分解ポリマー材料である。
実施形態11は、BET比表面積が150〜600m/gの範囲であり、カルボン酸基の濃度が2〜10mmol/gの範囲である、実施形態1〜10のいずれか1つの加水分解ポリマー材料である。
実施形態12は、モノマー混合物中のモノマーの少なくとも99重量%が、ジビニルベンゼン、無水マレイン酸、又はスチレン系モノマーである、実施形態1〜11のいずれか1つの加水分解ポリマー材料である。
実施形態13は、加水分解ポリマー材料が、150g/mol以下の分子量を有する塩基性窒素含有化合物を1g当り少なくとも0.25mmol吸着する、実施形態1〜12のいずれか1つの加水分解ポリマー材料である。
実施形態14は、加水分解ポリマー材料を製造する方法である。本方法は、重合性組成物を調製する工程と、重合性組成物を重合させることによって未加水分解前駆体ポリマーを生成する工程と、未加水分解前駆体ポリマーを加水分解剤と反応させることによって加水分解ポリマー材料を生成する工程と、を含む。重合性組成物は、i)モノマー混合物、及びii)ケトン、エステル、アセトニトリル、又はこれらの混合物を含む有機溶媒、を含む。モノマー混合物は、1)モノマー混合物中のモノマーの総重量に対して8〜40重量%の無水マレイン酸、2)モノマー混合物中のモノマーの総重量に対して48〜75重量%のジビニルベンゼン、及び3)モノマー混合物中のモノマーの総重量に対して0〜20重量%のスチレン系モノマーであって、スチレン、アルキル置換スチレン、又はこれらの組み合わせである、スチレン系モノマー、を含む。重合性組成物は、重合の前には単一の相である。加水分解ポリマー材料は、複数のカルボン酸基、及び少なくとも100m/gに等しいBET比表面積を有する。
実施形態15は、BET比表面積が、少なくとも150m/g又は少なくとも200m/gに等しい、実施形態14の方法である。
実施形態16は、モノマー混合物が、10〜40重量%の無水マレイン酸、50〜75重量%のジビニルベンゼン、及び1〜20重量%のスチレン系モノマーを含む、実施形態14又は15の方法である。
実施形態17は、モノマー混合物が、15〜35重量%の無水マレイン酸、55〜75重量%、及び1〜20重量%のスチレン系モノマーを含む、実施形態14又は15の方法である。
実施形態18は、モノマー混合物が、20〜30重量%の無水マレイン酸、55〜75重量%のジビニルベンゼン、及び1〜20重量%のスチレン系モノマーを含む、実施形態14又は15の方法である。
実施形態19は、BET比表面積の少なくとも25%、少なくとも50%、又は少なくとも75%が、マイクロ細孔、メソ細孔、又はこれらの組み合わせに起因する、実施形態14〜18のいずれか1つの方法である。
実施形態20は、有機溶媒が、ケトンを含み、このケトンが、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、又はこれらの混合物を含む、実施形態14〜19のいずれか1つの方法である。
実施形態21は、有機溶媒が、酢酸エステルを含むエステルを含み、この酢酸エステルが、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸tert−ブチル又はこれらの組み合わせを含む、実施形態14〜19のいずれか1つの方法である。
実施形態22は、有機溶媒がアセトニトリルを含む、実施形態14〜19のいずれか1つの方法である。
実施形態23は、重合性組成物が、少なくとも5重量%に等しい固形分率(%)を有する、実施形態14〜22のいずれか1つの方法である。
実施形態24は、BET比表面積が150〜600m/gの範囲であり、カルボン酸基の濃度が2〜10mmol/gの範囲である、実施形態14〜23のいずれか1つの方法である。
実施形態25は、モノマー混合物中のモノマーの少なくとも99重量%が、ジビニルベンゼン、無水マレイン酸、又はスチレン系モノマーである、実施形態14〜24のいずれか1つの方法である。
実施形態26は、加水分解ポリマー材料が、150g/mol以下の分子量を有する塩基性窒素含有化合物を1g当り少なくとも0.25mmol吸着する、実施形態14〜25のいずれか1つの方法である。
Figure 2017501279
ガス吸着分析:
マイクロメリティクス・インスツルメンツ社(ジョージア州ノークロス)の加速式表面積及び多孔度測定システム(ASAP 2020)を用い、超高純度の吸着体を使用して、多孔度及びガス吸着試験を行った。代表的な材料内の多孔度の特性評価に用いられる一般的な方法を以下に示す。マイクロメリティクス社製の直径1/2インチの試料チューブ中、ASAP 2020の分析ポート上で50〜300mgの材料を超真空下(3〜7μm Hg)、150℃で2時間、通常加熱して、残留溶媒及び他の吸着質を除去した。ASAP 2020の分析ポート上、加水分解材料の実施例1〜5及び比較例2を、超真空下(3〜7μm Hg)、80℃で2時間加熱して、残留溶媒及びその他の吸着質を除去した。0.1未満の相対圧力(p/p°)での低圧供給(5cm/g)及び0.1〜0.98の範囲の相対圧力(p/p°)から直線的に間隔を空けた圧力点の圧力テーブルを使用して、77°Kでのアルゴン吸着等温線を得た。この方法では、以下の平衡間隔を用いた。すなわち、10−5未満の相対圧力(p/p°)で90秒間、10−5〜0.1の範囲の相対圧力(p/p°)で40秒間、及び0.1よりも大きい相対圧力(p/p°)で20秒間。アルゴン吸着分析の後、周囲温度(例えば室温)及び77°Kの両方でヘリウムを使用して、自由空間を測定した。複数点のBrunauer−Emmett−Teller(BET)分析により、アルゴン吸着データからBET比表面積(SABET)を計算した。非線形密度汎関数理論(NLDFT)モデルにより、スリット型炭素細孔に77°Kでアルゴンを使用して、密度汎関数理論(DFT)分析によるアルゴン吸着データから、見かけのマイクロ細孔分布を計算した。およそ0.98に等しい相対圧力(p/p°)で吸着したアルゴンの全体量から、全細孔体積を計算した。BET、DFT及び全細孔体積の分析を、マイクロメリティクス社製MicroActive Version 1.01ソフトウェアを使用して行った。
調製実施例1:
40mLのバイアル瓶中、0.8523g(5.24mmol)のジビニルベンゼン(DVB)(純度80重量%(wt%)、研究用グレード)、94.6mg(965μmol)の無水マレイン酸(MA)、及び47.8mg(197μmol)の過酸化ベンゾイル(BPO)を、20.0mLの酢酸エチル(EtOAc)に溶解した。重合性組成物は、EtOAc中、固形分5.0重量%であり、モノマー混合物(72.0重量%のDVB、10.0重量%のMA、及び18.0重量%のスチレン系モノマー)、及び5重量%のBPO(モノマーの総重量に対し)を含んでいた。重合性組成物を、窒素で10分間バブリングした。次いで、バイアル瓶に蓋をして95℃Cのサンドバス中に入れた。この高温で重合性組成物を17時間加熱した。生成した白色の沈殿物を真空濾過によって単離した後、EtOAcで洗浄した。この固体を40mLのバイアル瓶に入れ、このバイアル瓶に30mLのEtOAcを加えた。バイアル瓶を、リストシェイカーで室温にて2時間振とうした。固体を再び真空濾過により単離し、EtOAcで洗浄した。この固体を40mLのバイアル瓶に入れ、バイアル瓶に30mLのEtOAcを加えた。固体をEtOAc中で一晩静置した。固体を再び真空濾過により単離し、EtOAcで洗浄した。次に、固体を高真空下、110℃で一晩乾燥させた。アルゴン吸着によって測定したこの材料のBET比表面積(SABET)は782.9m/gであり、全細孔体積は0.711cm/g(p/p°=0.976)であった。
調製実施例2:
40mLのバイアル瓶中、0.7567g(4.65mmol)のDVB(純度80重量%、研究用グレード)、0.1895g(1.93mmol)のMA、及び47.3mg(195μmol)のBPOを、20.0mLのEtOAcに溶解した。重合性組成物は、EtOAc中、固形分5.0重量%であり、モノマー混合物(64.0重量%のDVB、20.0重量%のMA、及び16.0重量%のスチレン系モノマー)、及び5重量%のBPO(モノマーの総重量に対し)を含んでいた。重合性組成物を、窒素で10分間バブリングした。次いで、バイアル瓶に蓋をして95℃のサンドバス中に入れた。この高温で重合性組成物を17時間加熱した。生成した白色の沈殿物を真空濾過によって単離し、EtOAcで洗浄した。この固体を40mLのバイアル瓶に入れ、バイアル瓶に30mLのEtOAcを加えた。バイアル瓶を、リストシェイカーで室温にて2時間振とうした。固体を再び真空濾過により単離し、EtOAcで洗浄した。この固体を40mLのバイアル瓶に入れ、このバイアル瓶に30mLのEtOAcを加えた。固体をEtOAc中で一晩静置した。固体を再び真空濾過により単離し、EtOAcで洗浄した。次に、固体を高真空下、110℃で一晩乾燥させた。アルゴン吸着によって測定したこの材料のSABETは695.4m/gであり、全細孔体積は0.629cm/g(p/p°=0.978)であった。
調製実施例3:
4オンスの広口瓶中、2.68g(21.4mmol)のDVB(純度80重量%、研究用グレード)、1.01g(10.3mmol)のMA、及び75.1mg(310μmol)のBPOを、71.25gのEtOAcに溶解した。重合性組成物は、EtOAc中、固形分4.9重量%であり、モノマー混合物(58.1重量%のDVB、27.4重量%のMA、及び14.5重量%のスチレン系モノマー)、及び2重量%のBPO(モノマーの総重量に対し)を含んでいた。重合性組成物を、窒素で10分間バブリングした。次いで、広口瓶に蓋をして95℃のサンドバス中に入れた。この高温で重合性組成物を17時間加熱した。生成した白色の沈殿物を真空濾過によって単離し、EtOAcで洗浄した。この固体を4オンスの広口瓶に入れ、広口瓶に100mLのEtOAcを加えた。固体をEtOAc中、室温で1時間静置した。固体を再び真空濾過により単離し、EtOAcで洗浄した。固体を4オンスの広口瓶に入れ、100mLのEtOAcを加えた。固体をEtOAc中で一晩静置した。固体を再び真空濾過により単離し、EtOAcで洗浄した。次に、固体を高真空下、110℃で一晩乾燥させた。アルゴン吸着によって測定したこの材料のSABETは696.6m/gであり、全細孔体積は0.649cm/g(p/p°=0.975)であった。
調製実施例4:
4オンスの広口瓶中、2.40g(14.7mmol)のDVB(純度80重量%、研究用グレード)、1.36g(13.9mmol)のMA、及び75.3mg(311μmol)のBPOを、71.26gのEtOAcに溶解した。重合性組成物は、EtOAc中、固形分5.0重量%であり、モノマー混合物(51.0重量%のDVB、36.2重量%のMA、及び12.8重量%のスチレン系モノマー)、及び2重量%のBPO(モノマーの総重量に対し)を含んでいた。重合性組成物を、窒素で10分間バブリングした。次いで、広口瓶に蓋をして95℃のサンドバス中に入れた。この高温で重合性組成物を17時間加熱した。生成した白色の沈殿物を真空濾過によって単離し、EtOAcで洗浄した。この固体を4オンスの広口瓶に入れ、広口瓶に100mLのEtOAcを加えた。この固体をEtOAc中、室温で1時間静置した。固体を再び真空濾過により単離し、EtOAcで洗浄した。この固体を4オンスの広口瓶に入れ、バイアル瓶に100mLのEtOAcを加えた。固体をEtOAc中で一晩静置した。固体を再び真空濾過により単離し、EtOAcで洗浄した。次に、固体を高真空下、110℃で一晩乾燥させた。アルゴン吸着によって測定したこの材料のSABETは612.9m/gであり、全細孔体積は0.581cm/g(p/p°=0.973)であった。
調製実施例5:
4オンスの広口瓶中、2.68g(16.5mmol)のDVB(80重量%、研究用グレード)、1.01g(10.3mmol)のMA、及び74.8mg(309μmol)のBPOを、71.3gのメチルエチルケトン(MEK)に溶解した。重合性組成物は、MEK中、固形分4.9重量%であり、モノマー混合物(58.1重量%のDVB、27.4重量%のMA、及び14.5重量%のスチレン系モノマー)、及び2重量%のBPO(モノマーの総重量に対し)を含んでいた。重合性組成物を、窒素で10分間バブリングした。次いで、広口瓶に蓋をして95℃のサンドバス中に入れた。この高温で重合性組成物を17時間加熱した。生成した白色の沈殿物を真空濾過によって単離し、MEKで洗浄した。この固体を4オンスの広口瓶に入れ、広口瓶に100mLのMEKを加えた。固体をMEK中、室温で1時間静置した。固体を再び真空濾過により単離し、MEKで洗浄した。この固体を4オンスの広口瓶に入れ、広口瓶に100mLのMEKを加えた。固体をMEK中で一晩静置した。固体を再び真空濾過により単離し、MEKで洗浄した。次に、この固体を高真空下、95℃で8時間乾燥させた。アルゴン吸着によって測定したこの材料のSABETは632.5m/gであり、全細孔体積は0.576cm/g(p/p°=0.977)であった。
調製実施例6:
20mLのバイアル瓶中、0.64g(3.9mmol)のDVB(80重量%、研究用グレード)、0.36g(3.7mmol)のMA、及び20.8mg(85.9μmol)のBPOを、9.00gのアセトニトリル(ACN)に溶解した。重合性組成物は、ACN中、固形分10.0重量%であり、モノマー混合物(51.2重量%のDVB、36.0重量%のMA、及び12.8重量%のスチレン系モノマー)、及び2重量%のBPO(モノマーの総重量に対し)を含んでいた。重合性組成物を、窒素で10分間バブリングした。次いで、広口瓶に蓋をして95℃のサンドバス中に入れた。この高温で重合性組成物を17時間加熱した。生成した白色の沈殿物を真空濾過によって単離し、ACNで洗浄した。この固体を20mLのバイアル瓶に入れ、バイアル瓶に15mLのACNを加えた。固体をACN中、室温で1時間静置した。固体を再び真空濾過により単離し、ACNで洗浄した。この固体を20mLのバイアル瓶に入れ、バイアル瓶に15mLのACNを加えた。固体をACN中で一晩静置した。固体を再び真空濾過により単離し、ACNで洗浄した。次に、この固体を高真空下、95℃で8時間乾燥させた。アルゴン吸着によって測定したこの材料のSABETは397.5m/gであり、全細孔体積は0.232cm/g(p/p°=0.980)であった。
調製実施例7:
4オンスの広口瓶中、4.39g(21.6mmol)のジビニルベンゼン(DVB)(80重量%、研究用グレード)、1.65g(16.8mmol)の無水マレイン酸(MA)、及び121.4mg(501μmol)の過酸化ベンゾイル(BPO)を、8.1gのMEKに溶解した。重合性組成物は、MEK中、固形分75.0重量%であり、モノマー混合物(58.1重量%のDVB、27.4重量%のMA、及び14.5重量%のスチレン系モノマー)、及び2重量%のBPO(モノマーの総重量に対し)を含んでいた。重合混合物を、窒素で10分間バブリングした。次いで、広口瓶に蓋をして95℃のサンドバス中に入れた。この高温で重合を17時間加熱した。生成した白色の沈殿物を真空濾過によって単離した後、MEKで洗浄した。この固体を4オンスの広口瓶に入れ、広口瓶に100mLのMEKを加えた。固体をMEK中、室温で1時間静置した。固体を再び真空濾過により単離し、MEKで洗浄した。この固体を4オンスの広口瓶に入れ、広口瓶に100mLのMEKを加えた。固体をMEK中で一晩静置した。固体を再び真空濾過により単離し、MEKで洗浄した。次に、この固体を高真空下、95℃で8時間乾燥させた。アルゴン吸着によって測定したこの材料のSABETは475.3m/gであり、全細孔体積は0.413cm/g(p/p°=0.976)であった。
(実施例1)
調製実施例3のポリマー材料を加水分解剤(NaOH)で処理した。より詳細には、3.5g(87.5mmol)の水酸化ナトリウム(NaOH)を、4オンスの広口瓶中、60mLのメタノール(MeOH)に溶解した。この溶液に、58.1重量%のDVB、27.4重量%のMA、及び14.5重量%のスチレン系モノマーを含んだモノマー混合物から調製した、調製実施例3の前駆体ポリマー材料0.50gを加えた。次いで、広口瓶に蓋をして80℃のサンドバス中に入れた。この高温でこの懸濁液を18時間加熱した。固体を真空濾過により単離し、脱イオン水で洗浄した。この固体を20mLのバイアル瓶に入れ、0.1M塩酸(HCl)をバイアル瓶の半分にまで満たした。固体を塩酸中で30分間静置した。固体を再び真空濾過により単離し、脱イオン水で洗浄した。次に、この固体を高真空下、80℃で一晩乾燥させた。アルゴン吸着によって測定したこの材料のSABETは359.6m/gであり、全細孔体積は0.359cm/g(p/p°=0.978)であった。
図1は、調製実施例3及び実施例1のアルゴン吸着等温線を示している。両者の等温線の形状は似ており、いずれも0.1未満の相対圧力で顕著な吸着を示している。この挙動は、相当のマイクロ細孔の集団を有する材料であることを示唆するものである。約0.2〜約0.8の相対圧力範囲において両者の材料と吸着したガスの量が連続的に漸増していることは、メソ細孔の集団を示唆している。
図2は、細孔の孔径分布のこのような解釈を更に支持している。この図は、調製実施例3及び実施例1について、細孔の幅(Å)に対する累積表面積をプロットしたものである。このデータは、直径6nm(ナノメートル)以下の細孔で最も信頼性が高くなる傾向がある非線形密度汎関数理論(NLDFT)モデルによりスリット型炭素細孔に77°K(−196℃)のアルゴンを用いた密度汎関数理論(DFT)分析による、吸着等温線の分析に基づいたものである。DFTモデルについては次の書籍に述べられている:P.A.Webb and C.Orr,Surface Area and Pore Structure by Gas Adsorption:Analytical Methods in Fine Particle Technology,Micromeritics Instrument Corporation,Norcross,GA,p.53〜153(1997)。この分析からは、相当量のBET比表面積がマイクロ細孔に起因している。更に、これら2つの材料のBET比表面積のほぼ50%は、6nmよりも小さい直径を有する細孔に起因している。
実施例1のアンモニア性能試験:
簡単なフロースルー式の特注供給システムを使用して既知の濃度のアンモニウムを試料に供給して、測定を行った。供給システムの全体でステンレス鋼管を使用した。アンモニア(乾燥した、窒素中10,000ppmの品質保証付きアンモニア)を、加圧されたガスシリンダー(オキシジェン・サービス社(Oxygen Service Company)(ミネソタ州セントポール))からシステムに供給した。このアンモニア/窒素流を、一連のデジタルマスフローコントローラ(ニューヨーク州オレンジバーグ所在のアールボーグ社(Aalborg)よりDFC26の商品名で販売されるもの)の使用により追加の窒素で更に希釈することによって、1000ppmのアンモニアの流れを試験管に50mL/分の流速で供給した。デジタルマスフローコントローラは、各コントローラの出口にGilibrator−2 Primary Airflow Calibrator(センシダイン社(Sensidyne)、フロリダ州セントピータースバーグ)を置くことによって較正した。このGilibrator流量計を使用して各フローコントローラーからの流量の範囲を測定し、これを用いて較正曲線を生成した。これらの較正曲線を使用して、マスフローコントローラを、所望のアンモニア濃度を所望のガス流速で供給するように設定した。
試験管内の床深さが、突き固めた後で0.5cmとなるまで、風袋を有する試験管に実施例1の材料を加えることによって実施例1のアンモニア除去性能を測定した。次いで、試料の質量を、試験管内の試料を秤量することにより測定したところ、38.3mgであった。次いで、試験管をシステムと直列に連結して、1000ppmのアンモニアガス流が試料を通じて流れるようにした。試験管の下流側に、ガスクロマトグラフ装置(エスアールアイ・インスツルメンツ社(SRI Instruments)製SRI 8610C、カリフォルニア州トランス)につながる管を接続した。アンモニアガス流が試験試料を通過しはじめた時点で試験が開始されたものとみなし、タイマーをスタートさせた。次いで、SRIガスクロマトグラフによりガス流から周期的にサンプリングし、試料を2m×0.318cm(6インチ×1/8インチ)のATスチール製Alltech Chromosorb 103 80/100カラム(オールテック・アソシエイツ、グレース・デビッドソン・ディスカバリー・サイエンシーズ社(Alltech Associates, Grace Davidson Discovery Sciences)、イリノイ州バノックバーン)に通した。ガスクロマトグラフ装置は、流出液中のアンモニアを検出するための10.6eVの光イオン化検出器を備えていた。ガスクロマトグラフによってガス流を20秒間サンプリングし、試料をカラムに280秒間流してから、分析される次の試料をガスクロマトグラフが引き込む前に60秒間試料を流し出した場合に、アンモニア蒸気の良好な検出が見られることが観察された。
試験に先立って、品質保証付きの窒素中57ppmのアンモニアの加圧されたガスシリンダー(オキシジェン・サービス社(Oxygen Service Company)(ミネソタ州セントポール))を使用して、ガスクロマトグラフ用ソフトウェアを較正した。この流出液によって生成された信号によってソフトウェアを50ppmのアンモニアに設定した。アンモニア蒸気試験のエンドポイントは、実施例1の材料を通過するアンモニア流出液が、50ppmとして較正された信号を上回る信号をPID検出器で生じた時点として定義した。これらの基準によれば、実施例1の材料のアンモニア蒸気試験は、エンドポイントに達するまでに26分間を要した。使用した実施例1の材料の質量、及び試験の終了を示す所望の信号を生成するのに要した26分間で材料に供給されたアンモニアの量に基づくと、この材料はアンモニアに対して1.36mmol/gの性能を示した。
(実施例2)
調製実施例4のポリマー材料を加水分解剤(NaOH)で処理した。より詳細には、3.5g(87.5mmol)のNaOHを、4オンスの広口瓶中、60mLのMeOHに溶解した。この溶液に、51.0重量%のDVB、36.2重量%のMA、及び12.8重量%のスチレン系モノマーを含んだモノマー混合物から調製した、調製実施例4の前駆体ポリマー0.50gを加えた。次いで、広口瓶に蓋をして80℃のサンドバス中に入れた。この高温でこの懸濁液を18時間加熱した。固体を真空濾過により単離し、脱イオン水で洗浄した。この固体を20mLのバイアル瓶に入れ、0.1M塩酸(HCl)をバイアル瓶の半分にまで満たした。固体を塩酸中で30分間静置した。固体を再び真空濾過により単離し、脱イオン水で洗浄した。次に、この固体を高真空下、80℃で一晩乾燥させた。アルゴン吸着によって測定したこの材料のSABETは216.7m/gであり、全細孔体積は0.239cm/g(p/p°=0.977)であった。
(実施例3)
調製実施例5のポリマー材料を加水分解剤(NaOH)で処理した。より詳細には、3.5g(87.5mmol)のNaOHを60mLのMeOHに溶解した。この溶液に、58.1重量%のDVB、27.4重量%のMA、及び14.5重量%のスチレン系モノマーを含んだモノマー混合物から調製した、調製実施例5の前駆体ポリマー材料0.50gを加えた。次いで、広口瓶に蓋をして80℃のサンドバス中に入れた。この高温でこの懸濁液を18時間加熱した。固体を真空濾過により単離し、脱イオン水で洗浄した。この固体を20mLのバイアル瓶に入れ、0.1M塩酸(HCl)をバイアル瓶の半分にまで満たした。固体を塩酸中で30分間静置した。固体を再び真空濾過により単離し、脱イオン水で洗浄した。次に、この固体を高真空下、80℃で一晩乾燥させた。アルゴン吸着によって測定したこの材料のSABETは476.1m/gであり、全細孔体積は0.437cm/g(p/p°=0.976)であった。
(実施例4)
調製実施例6のポリマー材料を加水分解剤(NaOH)で処理した。より詳細には、2.1g(52.5mmol)のNaOHを36mLのMeOHに溶解した。この溶液に、51.2重量%のDVB、36.0重量%のMA、及び12.8重量%のスチレン系モノマーを含んだモノマー混合物から調製した、調製実施例6の前駆体ポリマー0.30gを加えた。次いで、広口瓶に蓋をして80℃のサンドバス中に入れた。この高温でこの懸濁液を18時間加熱した。固体を真空濾過により単離し、MeOHで洗浄した。この固体を40mLのバイアル瓶に入れ、1M塩酸(HCl)をバイアル瓶の半分にまで満たした。固体を塩酸中で一晩静置した。固体を再び真空濾過により単離し、脱イオン水で洗浄した。次に、この固体を高真空下、80℃で一晩乾燥させた。アルゴン吸着によって測定したこの材料のSABETは117.1m/gであり、全細孔体積は0.096cm/g(p/p°=0.976)であった。
(実施例5)
調製実施例7のポリマー材料を加水分解剤(NaOH)で処理した。40mLのバイアル瓶中、2.1g(52.5mmol)のNaOHを36mLのMeOHに溶解した。この溶液に、58.1重量%のDVB、27.4重量%のMA、及び14.5重量%のスチレン系モノマーを含んだモノマー混合物から調製した調製実施例7の前駆体ポリマー0.30gを加えた。次いで、広口瓶に蓋をして80℃のサンドバス中に入れた。この高温でこの懸濁液を18時間加熱した。固体を真空濾過により単離し、脱イオン水で洗浄した。この固体を20mLのバイアル瓶に入れ、0.1M塩酸(HCl)をバイアル瓶の半分にまで満たした。固体を塩酸中で30分間静置した。固体を再び真空濾過により単離し、脱イオン水で洗浄した。次に、この固体を高真空下、80℃で一晩乾燥させた。アルゴン吸着によって測定したこの材料のSABETは346.1m/gであり、全細孔体積は0.348cm/g(p/p°=0.975)であった。
比較調製実施例1:
4オンスの広口瓶中、2.14g(13.1mmol)のDVB(80重量%、研究用グレード)、1.61g(16.4mmol)のMA、及び75.3mg(311μmol)のBPOを、71.25gのEtOAcに溶解した。重合性組成物は、EtOAc中、固形分5.0重量%であり、モノマー混合物(45.7重量%のDVB、42.9重量%のMA、及び11.4重量%のスチレン系モノマー)、及び2重量%のBPO(モノマーの総重量に対し)を含んでいた。重合性組成物を窒素で10分間バブリングした。次いで、広口瓶に蓋をして95℃のサンドバス中に入れた。この高温で重合性組成物を17時間加熱した。生成した白色の沈殿物を真空濾過によって単離し、EtOAcで洗浄した。この固体を4オンスの広口瓶に入れ、広口瓶に100mLのEtOAcを加えた。固体をEtOAc中、室温で1時間静置した。固体を再び真空濾過により単離し、EtOAcで洗浄した。この固体を4オンスの広口瓶に入れ、100mLのEtOAcを加えた。固体をEtOAc中で一晩静置した。固体を再び真空濾過により単離し、EtOAcで洗浄した。次に、固体を高真空下、110℃で一晩乾燥させた。アルゴン吸着によって測定したこの材料のSABETは518.6m/gであり、全細孔体積は0.495cm/g(p/p°=0.977)であった。
比較例1:
4オンスの広口瓶中、3.5g(87.5mmol)のNaOHを60mLのMeOHに溶解した。この溶液に、比較調製実施例1のポリマー材料0.50gを加えた。次いで、広口瓶に蓋をして80℃のサンドバス中に入れた。この高温でこの懸濁液を18時間加熱した。固体を真空濾過により単離し、脱イオン水で洗浄した。この固体を20mLのバイアル瓶に入れ、0.1M塩酸(HCl)をバイアル瓶の半分にまで満たした。固体を塩酸中で30分間静置した。固体を再び真空濾過により単離し、脱イオン水で洗浄した。次に、この固体を高真空下、80℃で一晩乾燥させた。この材料は、アルゴン吸着によって測定される測定可能なBET比表面積も多孔度も有さなかった。
比較調製実施例2:
4オンスの広口瓶中、2.03g(15.6mmol)のDVB(55重量%、研究用グレード)、1.15g(11.7mmol)のMA、及び63.2mg(261μmol)のBPOを、63.7gのEtOAcに溶解した。したがって、重合組成物は、固形分4.8重量%で、それぞれ34.9、36.0、及び29.1重量%で存在するDVB/MA/スチレン系モノマーのEtOAc溶液、及び2重量%のBPO(モノマーの総重量に対して)で構成されていた。この重合性組成物を窒素で10分間バブリングした。次いで、広口瓶に蓋をして95℃のサンドバス中に入れた。この高温で重合性組成物を17時間加熱した。形成された白色沈殿物を真空濾過により単離し、EtOAcで洗浄した。この固体を4オンスの広口瓶に入れ、広口瓶に100mLのEtOAcを加えた。固体をEtOAc中、室温で1時間静置した。固体を再び真空濾過により単離し、EtOAcで洗浄した。この固体を4オンスの広口瓶に入れ、バイアル瓶に100mLのEtOAcを加えた。固体をEtOAc中で一晩静置した。固体を再び真空濾過により単離し、EtOAcで洗浄した。次に、この固体を高真空下、95℃で8時間乾燥させた。アルゴン吸着によって測定したこの材料のSABETは231.2m/gであり、全細孔体積は0.216cm/g(p/p°=0.978)であった。
比較例2:
4オンスの広口瓶中、2.09g(52.3mmol)のNaOHを36mLのMeOHに溶解した。この溶液に、0.30gのDVB/MA/スチレン系モノマーからなるポリマー材料(それぞれ34.9、36.0、及び29.1重量%、比較例2)を加えた。次いで、広口瓶に蓋をして80℃のサンドバス中に入れた。この高温でこの懸濁液を18時間加熱した。固体を真空濾過により単離し、脱イオン水で洗浄した。この固体を20mLのバイアル瓶に入れ、0.1M塩酸(HCl)をバイアル瓶の半分にまで満たした。固体を塩酸中で30分間静置した。固体を再び真空濾過により単離し、脱イオン水で洗浄した。次に、この固体を高真空下、80℃で一晩乾燥させた。アルゴン吸着によって測定したこの材料のSABETは50.6m/gであり、全細孔体積は0.054cm/g(p/p°=0.981)であった。

Claims (14)

  1. a)未加水分解前駆体ポリマー及びb)加水分解剤の反応生成物を含む、加水分解ポリマー材料であって、
    前記a)未加水分解前駆体ポリマーが、
    i)モノマー混合物、及び
    ii)ケトン、エステル、アセトニトリル、又はこれらの混合物を含む有機溶媒、を含む重合性組成物の重合生成物を含み、
    前記i)モノマー混合物が、
    1)前記モノマー混合物中のモノマーの総重量に対して8〜40重量%の無水マレイン酸、
    2)前記モノマー混合物中のモノマーの総重量に対して48〜75重量%のジビニルベンゼン、及び
    3)前記モノマー混合物中のモノマーの総重量に対して0〜20重量%のスチレン系モノマーであって、スチレン、アルキル置換スチレン、又はこれらの組み合わせである、前記スチレン系モノマー、を含み、
    前記重合性組成物が、重合の前には単一の相であり、
    前記加水分解ポリマー材料が、複数のカルボン酸基、及び少なくとも100m/gに等しいBET比表面積を有する、加水分解ポリマー材料。
  2. 前記BET比表面積が、少なくとも150m/gに等しい、請求項1に記載の加水分解ポリマー材料。
  3. 前記モノマー混合物が、10〜40重量%の無水マレイン酸、50〜75重量%のジビニルベンゼン、及び1〜20重量%の前記スチレン系モノマーを含む、請求項1又は2に記載の加水分解ポリマー材料。
  4. 前記モノマー混合物が、15〜35重量%の無水マレイン酸、55〜75重量%、及び1〜20重量%のスチレン系モノマーを含む、請求項1又は2に記載の加水分解ポリマー材料。
  5. 前記モノマー混合物が、20〜30重量%の無水マレイン酸、55〜75重量%のジビニルベンゼン、及び1〜20重量%のスチレン系モノマーを含む、請求項1又は2に記載の加水分解ポリマー材料。
  6. 前記BET比表面積の少なくとも50%が、マイクロ細孔、メソ細孔、又はこれらの組み合わせに起因する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の加水分解ポリマー材料。
  7. 前記有機溶媒が、ケトンを含み、
    前記ケトンが、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、又はこれらの混合物を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の加水分解ポリマー材料。
  8. 前記有機溶媒が、酢酸エステルを含むエステルを含み、
    前記酢酸エステルが、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸tert−ブチル、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の加水分解ポリマー材料。
  9. 前記有機溶媒がアセトニトリルを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の加水分解ポリマー材料。
  10. 前記重合性組成物が、少なくとも5重量%に等しい固形分率(%)を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の加水分解ポリマー材料。
  11. 前記BET比表面積が150〜600m/gの範囲であり、前記カルボン酸基の濃度が2〜10mmol/gの範囲である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の加水分解ポリマー材料。
  12. 前記モノマー混合物中のモノマーの少なくとも99重量%が、ジビニルベンゼン、無水マレイン酸、又は前記スチレン系モノマーである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の加水分解ポリマー材料。
  13. 前記加水分解ポリマー材料が、150g/mol以下の分子量を有する塩基性窒素含有化合物を1g当り少なくとも0.25mmol吸着する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の加水分解ポリマー材料。
  14. 加水分解ポリマー材料を製造する方法であって、
    重合性組成物を調製する工程であって、前記重合性組成物が、
    i)モノマー混合物、及び
    ii)ケトン、エステル、アセトニトリル、又はこれらの混合物を含む有機溶媒、を含み、
    前記i)モノマー混合物が、
    1)前記モノマー混合物中のモノマーの総重量に対して8〜40重量%の無水マレイン酸、
    2)前記モノマー混合物中のモノマーの総重量に対して48〜75重量%のジビニルベンゼン、及び
    3)前記モノマー混合物中のモノマーの総重量に対して0〜20重量%のスチレン系モノマーであって、スチレン、アルキル置換スチレン、又はこれらの組み合わせである、前記スチレン系モノマー、を含み、
    前記重合性組成物が、重合の前には単一の相である、工程と、
    前記重合性組成物を重合させることによって未加水分解前駆体ポリマーを生成する工程と、
    前記未加水分解前駆体ポリマーを加水分解剤と反応させることによって前記加水分解ポリマー材料を生成する工程であって、前記加水分解ポリマー材料が、複数のカルボン酸基、及び少なくとも100m/gに等しいBET比表面積を有する工程と、
    を含む、方法。
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