JP2017228721A - 電子装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コストを抑制しながらも防水機能の信頼性を高めることができる電子装置を提供する。【解決手段】電子装置1の筐体2は、シール材5と接する位置に対応して、当該筐体2表面にて凹凸形状をなすように設けられた凹凸形状部20を有する。また、筐体2は、凹凸形状部20の表面に形成されて、シール材5と接する酸化皮膜20cを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、電子部品が実装された基板を収容する筐体を備えた電子装置に関する。
従来より、電子装置においては、その筐体内に電子部品が実装された基板を収容しており、例えば車両のエンジンルーム等に搭載される。この種の電子装置では、金属製の筐体における接合部分を接着剤でシールする等して、筐体内部への水分の浸入を防ぐ構造をとっている。
特開2015−3621号公報
しかしながら、上記構成の電子装置にあっては、シール材としての接着剤と筐体とが異種材料である。このため、電子装置において、シールした部分が塩分を含んだ水滴にさらされた場合、その接着界面における腐食が促進されて、接着機能ひいては防水機能を損なう虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、コストを抑制しながらも防水機能の信頼性を高めることができる電子装置を提供することにある。
請求項1記載の電子装置によれば、筐体(2)表面に凹凸形状部(20,20´,30)を設けることにより、平坦な表面に比して異種材料部(5,15,27)と接する面積を広くすることができ、水が浸入し難いものとすることができる。また、酸化皮膜(20c,30c)によって、金属製の筐体の界面つまり異種材料部と接する面の耐食性を向上させることができ、比較的簡単な構成で防水機能の信頼性を高めることができる。
第1実施形態の電子装置における全体構成を概略的に示す縦断面図 (a)は、図1のA部を示す拡大縦断面図、(b)は、凹凸形状部及び酸化皮膜の説明図としてA部の一部を、より拡大して示す模式的な断面図 (a)は、図1のB部を示す拡大縦断面図、(b)は、凹凸形状部及び酸化皮膜の説明図としてB部の一部を、より拡大して示す模式的な断面図 第2実施形態の電子装置におけるフィルタ部材近傍を示す拡大縦断面図
以下、本発明の複数の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図1〜図3を参照して説明する。図1に示す電子装置1は、車両の車室外(例えばエンジンルーム内)に搭載される電子制御装置である。電子装置1において外郭をなす筐体2は、全体として矩形箱型をなしている。
筐体2は、これを構成する第1ケース部材3と第2ケース部材4とを、シール材5を介して図示しないネジにより相互に組み合わせて一体化している。第1ケース部材3及び第2ケース部材4は、例えばアルミニウムダイキャストによって形成されている。このうち、第1ケース部材3は、下方が開放された箱状に成形された上筐体である。第2ケース部材4は、第1ケース部材3の開放面を閉塞すべく底の浅い箱状に成形された下筐体である。第1ケース部材3及び第2ケース部材4並びにシール材5により、筐体2には、防水空間6としての内部空間が形成されている。
図示は省略するが、第2ケース部材4において、側方へ張り出す部位(図1の紙面と直交する方向への張り出し部位)は後述の取付部とされている。また、第2ケース部材4において、防水空間6となる部位には回路基板7が取付けられている。回路基板7には、図示しない配線パターンが形成されており、マイコン、抵抗等の電子部品8が実装されている。回路基板7の端部には、ハーネス接続用のコネクタ9が実装されている。コネクタ9は、その端子9aが回路基板7の配線パターン等と電気的に接続された外部接続端子である。コネクタ9は、第1ケース部材3及び第2ケース部材4の側方(図1で右方)において、それらの部材3,4で挟み込まれるようにして外部に露出している。コネクタ9には、当該外部にて図示しないハーネスに接続される。コネクタ9と第1ケース部材3との間は、シール材5により防水が図られている(図1におけるCの破線部分参照)。
第1ケース部材3の上面には、防水空間6の換気を行うためフィルタ組立体10が取付けられている。具体的には、図3(a)にも示すように、第1ケース部材3の上面には、その左寄りの部位において、防水空間6と外部とを連通させる連通孔3aが設けられている。また、第1ケース部材3の上面には、連通孔3aを囲う位置に、上方へ突設された外周リブ3bが一体形成されている。
フィルタ部材としてのフィルタ組立体10は、通気経路となる筒状部11aを有する基台部11と、基台部11の載置部11bにて取付固定される通気フィルタ12と、通気フィルタ12を覆うカバー部13とを備える。基台部11は、その筒状部11aが第1ケース部材3の連通孔3aに挿通され、当該筒状部11a下端の爪部11cにより、第1ケース部材3に対してフィルタ組立体10全体を係止する。この場合、基台部11と連通孔3a周縁部との間は、Oリング15を配置して、防水を図っている。カバー部13は、第1ケース部材3の外周リブ3bの内側で、基台部11の外縁に嵌め込むようにして取着されている。なお、通気フィルタ12は、通気性を有する円形のフィルタであり、例えば両面テープで載置部11bに貼り付けてある。
さて、上記したシール材5及びOリング15は、金属製の筐体2と異なる材料からなる異種材料部である。従って、シール材5やOリング15は、防水空間6への水の浸入を防止することが可能な防水機能を有するとしても、例えば第1ケース部材3と接する部分つまり当該部材3の界面での耐食性を向上させることが望ましい。そこで、本実施形態では、第1ケース部材3において防水機能の信頼性を高める処理を施している。以下では、異種材料部と第1ケース部材3が接する部分の構成について、図1の破線A、Bで囲った部分の拡大断面図である図2、図3も参照しながら詳述する。なお、第2ケース部材4については、例えば表面に樹脂の塗装膜を形成することで、第1ケース部材3に比して腐食し難いものとなっている。
図2(a)に示すように、第1ケース部材3の外縁部には、逆「U」字状に切欠くようにして上方へ窪んだ窪み部分3cが、その部材3の全周にわたって設けられている。一方、第2ケース部材4の外縁部には、窪み部分3cに対応して逆「U」字状に上方へ隆起した隆起部分4cが、その部材4の全周にわたって設けられている。この場合、第1ケース部材3の窪み部分3cと、第2ケース部材4の隆起部分4cとは、所定の隙間17を有して対向している。この隙間17には、接着剤としてのシール材5が充填されるようにして介在される。これにより、第1ケース部材3と第2ケース部材4は、それらの外縁部においてシール材5により接着される。
なお、図1の破線Cで囲った部分において、コネクタ9の上面部にも、第2ケース部材4の隆起部分4cと同様の隆起部分9cが一体形成されている。コネクタ9の隆起部分9cと第1ケース部材3の窪み部分3cとの間には、シール材5用の隙間18が設けられている。
そして、第1ケース部材3の表面(ひょうめん)のうち、図2(a)に示す窪み部分3cとその近傍の表面には微細な凹凸形状部20が設けられている。凹凸形状部20は、シール材5と接する部分に形成されるのであるが、厳密には、窪み部分3cの幅寸法W1よりも広い範囲に形成されている。従って、図2(a)における凹凸形状部20の左右方向の範囲は、幅寸法W1よりも若干広い範囲に設定されており、窪み部分3c近傍にまで及ぶ。ここで、図2(b)は、凹凸形状部20の一部を、より拡大して模式的に示している。この凹凸形状部20は例えば、レーザ光の照射により多数の凹条溝20aを形成することで、凹条溝20aに対して凸形状となる部分20bと当該凹条溝20aとで凹凸形状をなしている。
凹条溝20aは、窪み部分3cの延設方向つまり図2の紙面と直交する方向に延びるようにして多数形成されている。この凹条溝20aは、所定の深さで所定のピッチを有して略平行に延びる多数条のものとされている。この場合、凹凸形状部20の粗さRzは例えば6.3μm(6.3μmを超えてもよい)であり、その余の第1ケース部材3の表面よりも人為的に粗く設定している。つまり、第1ケース部材3は、ダイキャスト製のアルミニウムの部材であるから、その成形に係る表面粗さが比較的小さい(例えば6.3μm未満)一方、レーザ加工により凹凸形状部20の表面粗さを6.3μm以上に設定して、他の部分に比して表面粗さを大きくしている。
また、図2(b)に太線で誇張して示す凹凸形状部20の表面は、前記レーザ加工で酸素と反応することにより形成された酸化皮膜20cとされている。これは不導体の酸化皮膜20cであり、係るアルミニウムの酸素との反応は、次の反応式(1)で表すことができる。
2Al+3O→2Al(酸化アルミニウム) …(1)
酸化皮膜20cの厚さは、例えば1nm程度のものである。即ち、レーザ光は、第1ケース部材3の表面に対して上記の粗さ乃至深さの加工を行うためのエネルギー密度(或いは波長)に設定されることで、そのエネルギー密度のレーザ光の照射に伴い、所定の厚みの酸化皮膜20cが形成される。従って、レーザ光のエネルギー密度等を増減させる等して、酸化皮膜20cの厚みを、例えば1nm〜数十nm(つまり1nm以上100nm未満)の範囲で適宜設定することができる。これにより、凹条溝20aを所定ピッチで形成することで、各凹条溝20a及びその周囲表面、ひいては凹凸形状部20全領域の表面にわたって所定の厚みの酸化皮膜20cを形成することができる。レーザ加工においては、酸素や不活性ガスを供給しつつレーザ光の照射を行うようにしてもよい。前述した隙間17に充填されるシール材5は、両ケース部材3,4を接着するとともに、凹凸形状部20に合わせて表面の酸化皮膜20cに密接する。
詳細な図示は省略するが、図1の破線部分Cにおいて、コネクタ9の隆起部分9cとシール材5を介して対向する第1ケース部材3の窪み部分3cにも、凹凸形状部20とその表面の酸化皮膜20cが設けられている。凹凸形状部20及び酸化皮膜20cは、破線部分Aと破線部分Cとで同じ構成をとっているため、破線部分Cについての詳細な説明を省略する。
図3(a)の断面図で示すように、第1ケース部材3上面における連通孔3a周縁部にも、凹凸形状部20´及び酸化皮膜20cが設けられている。具体的には、第1ケース部材3の連通孔3aは、上側が拡開したテーパ状をなしており、その上端側の角(かど)を、なだらかにした曲面部23(図3(b)参照)が形成されている。フィルタ組立体10の筒状部11aに通されたOリング15は、第1ケース部材3の曲面部23に接している。
ここで、図3(b)は、曲面部23における凹凸形状部20´及び酸化皮膜20cを、Oリング15とともに拡大して模式的に示している。同図に示す凹条溝20a´は、曲面部23において連通孔3aと同心状をなすように多数形成されることで、凸形状となる部分20b´とともに凹凸形状部20´を構成している。凹条溝20a´は、上記窪み部分3cにおける凹条溝20aと同じ深さ及びピッチに設定されることで、凹凸形状部20´と凹凸形状部20とで粗さ乃至凹凸の断面形状が略同じ様子を呈している。この凹凸形状部20´の表面にも、例えば1nmの厚さの酸化皮膜20cが、上記レーザ加工により形成されている。
凹凸形状部20´は、フィルタ組立体10の連通孔3aへの装着に伴い弾性変形したOリング15との接触範囲よりも広い範囲にわたって形成されている。こうして、Oリング15はシール材として、凹凸形状部20´に食い込むようにして、表面の酸化皮膜20cに密接する。
続いて、電子装置1の製造方法について簡単に説明する。
先ず、予め筐体2を構成するケース部材3,4の成形工程、及びコネクタ9の成形工程で、各部材3,4,9を形成しておく。即ち、例えばアルミニウムを用いて、アルミダイキャスト成形により、第1ケース部材3と第2ケース部材4とを夫々形成する。また、絶縁材料を用いて、インサート成形により端子9aを一体化したコネクタ9を形成する。
この時点において、第1ケース部材3は、更に樹脂塗装工程を経る第2ケース部材4に比して、耐食性に劣ることから、レーザ加工工程を実行する。レーザ加工工程では、第1ケース部材3の窪み部分3cに沿う多数の凹条溝20aを、レーザ光の照射により形成する。また、第1ケース部材3の連通孔3aの周りの曲面部23に、同心状をなす多数の凹条溝20a´を、レーザ光の照射により形成する。これにより、窪み部分3cの凹凸形状部20と連通孔3aの周りの凹凸形状部20´とを夫々形成するとともに、レーザ光の照射に伴い各凹凸形状部20,20´の表面に酸化皮膜20cを夫々形成することから(図2(b)、図3(b)参照)、レーザ加工工程は表面処理工程を兼ねている。
そして、組立工程では例えば、コネクタ9を回路基板7に接続して一体化した状態で、そのコネクタ9の窪み部分9d(図1参照)や、第1ケース部材3の窪み部分3cに、ディスペンサ(図示略)等を用いて接着剤としてのシール材5を塗布する。即ち、コネクタ9、第1ケース部材3、及び第2ケース部材4は、それらを相互に接合するために各部材3,4,9間の隙間(図1の符号17,18,19参照)を充填する量の接着剤を窪み部分3c,9d等に施して、相互に組付ける。この場合、図示は省略するが、両ケース部材3,4の接合部分において前述したネジにより相互に固定され、以ってコネクタ9を含む各部材3,4,9が相互に固定される。
他方、予め組立てられたフィルタ組立体10は、その下端の爪部11cが、Oリング15を通した状態で、第1ケース部材3の連通孔3aに挿通されることで全体10を係止する。これにより、組立てられた電子装置1は、筐体2において硬化した接着剤(つまりシール材5)或いはOリング15が防水機能を有する。この場合、シール材5は凹凸形状部20表面の酸化皮膜20cと接触し、Oリング15は凹凸形状部20´表面の酸化皮膜20cと接触する。
なお、図示は省略するが、組立てられた電子装置1は、エンジンルームにおける被取付体に対し、第2ケース部材4の取付部(例えば取付孔を有するフランジ部)に挿通されるネジで固定されることとなる。電子装置1を取付る向きは、図1に矢印で記載した「上方」と「右方」に合わせた向きに限らず、電子装置1は、被取付体の向きに合わせた向きで取付けが可能なことは勿論である。
本実施形態の表面処理工程と異なり、周知のアルマイト処理によってアルミニウムの表面に陽極酸化皮膜を形成した場合、例えば数十μmを超える陽極酸化皮膜の厚みが得られる。このように、比較的厚みのある陽極酸化皮膜であれば、他の部材との摩擦等による機械的損傷から保護することができる。しかしながら、アルマイト処理は、アルミニウムの部材の表面全部について、所謂ウエット処理を行うためコストが高くなり、硫酸を用いる処理設備が必要となる等、環境上の制約もある。
これに対し、本実施形態の表面処理はレーザ加工工程で行われるため、表面処理に係るコストを省くことができる。また、シール材5と接触する酸化皮膜20cは、機械的負荷を殆ど受けないため、酸化皮膜20cの厚みを、前記陽極酸化皮膜に比して小さく設定しても、耐食性を保持することができる。換言すれば、両ケース部材3,4が固定部材たるネジ等で固定され、且つシール材5がそれら部材3,4間の接合面に形成された隙間17を充填するものであるから、当該シール材5と接触する酸化皮膜20cの部分は、機械的損傷を受けない部分であるということができる。また、フィルタ組立体10が外周リブ3bで囲われ、Oリング15も可動部分に用いられるものではないため、これに接触する酸化皮膜20cの部分も機械的損傷を受けない。
以上説明したように、電子装置1の筐体2は、異種材料部たるシール材5やOリング15と接する位置に対応して設けられた凹凸形状部20,20´と、凹凸形状部20,20´の表面に形成されて、異種材料部と接する酸化皮膜20cとを備える。これによれば、筐体2表面の凹凸形状部20,20´により、平坦な表面に比して異種材料部と接する面積を広くすることができ、水が浸入し難いものとすることができる。また、酸化皮膜20cによって、金属製の筐体2の界面つまり異種材料部と接する面の耐食性を向上させることができ、比較的簡単且つ安価な構成で防水機能の信頼性を高めることができる。
凹凸形状部20,20´は、筐体2表面において異種材料部と接する範囲よりも広い範囲に形成されている。これによれば、筐体2表面の凹凸形状部20,20´により、異種材料部と接する面積を極力広くすることができる。
具体的には、図2(a)の凹凸形状部20では、シール材5に接着される範囲を全て凹凸形状とすることで、接着性と防水性を高めうる。特に、凹凸形状部20は、筐体2外部から防水空間6に至る途中部で、微細な凹凸形状が連続的に連なり且つ逆「U」字をなす窪み部分3c全体にわたるようにして形成されるため、防水性が一層高められる。図3(a)の凹凸形状部20´は、弾性変形したOリング15が食い込むようにして接触し、且つ当該接触する範囲よりも広い範囲にわたって形成されているため、防水性が一層高められる。
凹凸形状部20,20´は、筐体2表面に複数の凹条溝20a,20a´を形成することにより、凹凸形状をなすため、レーザ加工等により簡単に成形することができ、係るコストを抑制することができる。
酸化皮膜20cの厚さは1nmから数十nmであり、本実施形態では1nm程度に設定した。これによれば、本実施形態のように機械的負荷を殆ど受けない部位にシール材5やOリング15を設けることで、対応する酸化皮膜20cの厚みを1nmから数十nmに設定しても、耐食性を維持する上で十分な保護層とすることができる。
凹凸形状部20,20´における粗さRzを6.3μm以上とした。このように、筐体2において凹凸形状部20,20´のない平坦部に比して粗い粗面を設けることで、異種材料部に対する接触面積を広くとることができ、防水性を一層良好なものとすることができる。
異種材料部を、第1ケース部材3と第2ケース部材4との間の接着剤とした。これによれば、凹凸形状部20の形状と相俟って、上記したように接着性と防水性を向上させることができる。
異種材料部は、筐体2における複数の部材3,4,9,10間に配設されたシール材(例えばシール材5やOリング15)である。これによれば、例えば電子装置1がエンジンルームに搭載され、塩分を含んだ水滴にさらされても、上記した凹凸形状部20,20´や酸化皮膜20cの作用によりシール材のシール機能を保持することができる。
異種材料部は、フィルタ部材としてのフィルタ組立体10の部材と連通孔3a周縁部との間に設けたOリング15とした。これによっても、凹凸形状部20,20´や酸化皮膜20cの作用によりOリング15の密封機能を保持することができる。
(その他の実施形態)
図4は、第2実施形態を示すものであり、フィルタ部材や異種材料部の構成が上記第1実施形態と異なっている。以下では、既述した第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を省略し、実質的に異なるところを説明する。
図4に示す第2実施形態のフィルタ部材は通気フィルタ25であり、第1ケース部材3の連通孔26を下側から覆うように配置されている。詳細には、本第2実施形態において、外周リブ3bが省略された第1ケース部材3の上面には、連通孔3aに代えて図4の連通孔26が板厚方向に貫通するようにして形成されている。
通気フィルタ25は例えば、空気を通過させる一方、塵埃や水を通過させない合成樹脂製の薄膜で構成された呼吸膜である。通気フィルタ25は例えば、連通孔26よりも大きい円形に形成されていて、連通孔26を内部側から覆うように下側から取付固定されている。この場合、通気フィルタ25は、異種材料部としての両面粘着テープ27により、自身25の外周部にて連通孔26周縁部に対し貼付けてある。
そして、第1ケース部材3の内壁面には、両面粘着テープ27の貼り付け位置に対応して、凹凸形状部30が設けてある。この場合、図4に示すように、凹凸形状部30は、連通孔26の周りで同心状をなす多数の凹条溝30aを形成することで、凸形状となる部分30bと当該凹条溝30aとで凹凸形状をなしている。また、凹凸形状部30は、両面粘着テープ27が貼り付けられる範囲W2よりも広い範囲にわたって、凹凸形状をなしている。凹条溝30aは、第1実施形態の凹条溝20a´と同じ深さ及びピッチに設定されることで、凹凸形状部30と凹凸形状部20´とで粗さ乃至凹凸の断面形状が同じ様子を呈している。この凹凸形状部30の表面にも、酸化皮膜20cと同様の酸化皮膜30cが、上記レーザ加工により形成されている。
なお、通気フィルタ25は、両面粘着テープ27を用いて貼り付けるのに併せて、例えば同図4に二点鎖線示す支持部材31で、当該フィルタ25の外周部を支持するようにしてもよい。また、上記構成に代えて、通気フィルタ25は、連通孔26を外側たる上側から覆うように配置してもよいが、この場合の凹凸形状部30及び酸化皮膜30cは、第1ケース部材3の外壁面つまり外側の面に形成されることになる。
以上のように、第2実施形態の異種材料部は、通気フィルタ25と連通孔26周縁部との間に設けられた両面粘着テープ27の粘着剤である。これによれば、凹凸形状部30や酸化皮膜30cの作用により、両面粘着テープ27の粘着剤によるシール機能を保持し、防水性を高めることができる等、第1実施形態と同様の効果を奏する。
なお、通気フィルタ25は、両面粘着テープ27を省いて支持部材31のみで支持するようにしてもよい。この場合、通気フィルタ25は異種材料部として、連通孔26周縁部に接触して防水機能を果たす。
なお、本発明は上記し且つ図面に示した各実施形態に限定されるものではなく、上記した各実施形態或いは変形例を組み合わせる等、適宜変更して実施し得るものである。
例えばレーザ加工は、レーザ光の照射部位における物質の気化等により、第1ケース部材3の表面の如き加工面を部分的に除去する等して、高精度で微細な加工を施すことが可能である。従って、レーザ加工装置を用いて凹条溝以外の各種の凹部を形成し、或いはレーザ加工装置以外の装置を用いて各種の凹部若しくは凸部を形成して、筐体2表面に、凹凸形状部20,20´,30以外の凹凸形状を形成してもよい。
上記した各数値は例示であり、上記したレーザ光のエネルギー密度を増減させる等して、上記した表面粗さや酸化皮膜の厚み等の値を、所期の値に設定することができる。この場合、酸化皮膜の厚さを1nmから数十nmにする設定と、凹凸形状部における粗さRzを6.3μm以上にする設定とのうち、何れか一方が設定値の範囲内になくても、他方の設定値の範囲内にあれば、当該他方の設定による上記効果を奏することはいうまでもない。例えば第1ケース部材3の表面において、凹凸形状部は、その余の平坦部の粗さに比して大きな値の粗さを示す人為的な粗面であればよい。また、係る粗面は、日本工業規格に準拠した「Rz」以外の表記、つまり十点平均表面粗さ以外の表記で表すことができるのは勿論である。
筐体2は金属製のものであれば、前記アルミニウムに代えてアルミニウム合金を材料として用いてもよい。また、筐体2の材料は、ダイキャストによる加工に限らず、アルミ材等のプレス加工で成形しもよい。
電子装置1の筐体は、これを構成するものとして組み合わされる複数のケース部材であればよく、一対のケース部材3,4に限定するものではない。異種材料部は、電子装置1の筐体に接して内部空間への水の浸入を防止することが可能な防水機能を有するものであればよい。例えば、両面粘着テープ27に代えて接着剤を用いてもよいし、シール材5やOリング15に代わる、他のシール材等を用いてもよい。
図面中、1…電子装置、2…筐体、3…第1ケース部材、3a,26…連通孔、4…第2ケース部材、5,15,27…異種材料部(シール材、Oリング、粘着剤)、6…内部空間、7…基板、8…電子部品、10,25…フィルタ部材、20,20´,30…凹凸形状部、20a,20a´,30a…凹条溝、20c,30c…酸化皮膜。

Claims (8)

  1. 電子部品(8)が実装された基板(7)と、
    前記基板を収容する内部空間(6)を有する金属製の筐体(2)と、
    前記筐体を構成する部材と異なる材料からなり、当該筐体に接して前記内部空間への水の浸入を防止することが可能な防水機能を有する異種材料部(5,15,27)と、を備え、
    前記筐体は、
    前記異種材料部と接する位置に対応して、当該筐体表面にて凹凸形状をなすように設けられた凹凸形状部(20,20´,30)と、
    前記凹凸形状部の表面に形成されて、前記異種材料部と接する酸化皮膜(20c,30c)と、
    を有する電子装置。
  2. 前記凹凸形状部は、前記筐体表面において前記異種材料部と接する範囲よりも広い範囲に形成されている請求項1記載の電子装置。
  3. 前記凹凸形状部は、前記筐体表面に複数の凹条溝(20a,20a´,30a)を形成することにより、前記凹凸形状をなす請求項1または2記載の電子装置。
  4. 前記酸化皮膜の厚さは、1nmから数十nmである請求項1から3のいずれか一項に記載の電子装置。
  5. 前記凹凸形状部における粗さRzを6.3μm以上とした請求項1から4のいずれか一項に記載の電子装置。
  6. 前記筐体を構成するものとして組み合わされる第1ケース部材(3)と第2ケース部材(4)とを含み、
    前記異種材料部は、前記第1ケース部材と前記第2ケース部材との間の接着剤である請求項1から5のいずれか一項に記載の電子装置。
  7. 前記筐体には、当該筐体を構成する部材(3,4)を含む、複数の部材(3,4,9,10,25)が用いられ、
    前記異種材料部は、前記筐体における複数の部材間に配設されたシール材である請求項1から5のいずれか一項に記載の電子装置。
  8. 前記筐体には、前記内部空間と外部とをフィルタ部材(10,25)を介して連通させる連通孔(3a,26)が設けられ、
    前記異種材料部は、前記フィルタ部材と前記連通孔周縁部との間に設けられたOリング、接着剤、粘着剤、又は、前記連通孔周縁部に接する前記フィルタ部材、の何れかである請求項1から5のいずれか一項に記載の電子装置。
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