JP2015003621A - 電子制御装置 - Google Patents

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Shiro Ouchi
四郎 大内
清隆 菅野
Kiyotaka Sugano
清隆 菅野
勝 鴨志田
Masaru Kamoshita
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Abstract

【課題】筺体カバーに形成したフィルタ取付孔とフィルタ組立体の間に設けたOリングによるシール機能を長期に亘って維持することができる電子制御装置を提供することにある。
【解決手段】筺体カバーとフィルタ組立体の間に介装された少なくともOリング或いはこのOリングと当接する筺体カバーのフィルタ取付孔の表面に、水分を撥水する機能を備えた表面処理を施した。塵挨や融雪剤を含んだ水分が侵入してきても、撥水機能によって塵挨や融雪剤を含んだ水分が、Oリングとこれに当接する筺体カバーのフィルタ取付孔の表面に侵入しづらくなり、結果としてOリングとフィルタ取付孔表面の間に隙間が形成されなくなって水分の侵入を抑制できるようになるものである。
【選択図】図6

Description

本発明は自動車等に搭載される電子制御装置に係り、特にエンジン等が収納されたエンジンルーム内に配置される電子制御装置に関するものである。
自動車のエンジン、トランスミッション等を制御するために用いられる電子制御装置にはプリント配線基板に搭載された複数の電子部品を備えている。したがって、この電子制御装置を例えば自動車のエンジンルーム内に配置する場合には、エンジンルームに吹き込む雨水や塵埃等から電子部品等を保護する必要がある。
一般に、エンジンルーム内に配置される電子制御装置は、外部の制御機構と電気的に接続するためのコネクタが設けられたプリント配線基板と、プリント配線基板を収容するための筺体ベースと、その筺体ベースとコネクタおよびプリント配線基板を覆う筺体カバーを備え、筺体ベースと筺体カバーとコネクタとの間には、エンジンルームに吹き込む雨水や塵埃等からプリント配線基板上の電子部品等を保護するため接着剤を用いてシールする構造が用いられている。
筺体カバーには、エンジンルーム内の温度変化に伴う電子制御装置内部の圧力変化を緩衝、或いは防止するため、電子制御装置の内部と外部の間で通気性を確保するフィルタ組立体が設けられ、このフィルタ組立体は筺体カバーのフィルタ取付孔に取り付けられている。このようなフィルタ組立体を有した電子制御装置としては、例えば特開2007-141959号公報(特許文献1)に記載の技術が知られている。
特許文献1に示されているように、このフィルタ取付孔にはフィルタ組立体がスナップ動作で組み付けられるようにして装着され、フィルタ組立体の内部には塵挨や水分の侵入を防ぐフィルタ膜が装着されている。そして、フィルタ組立体が挿入、固定される筺体カバーに設けたフィルタ取付孔とこのフィルタ組立体の間にはOリングが組み込まれ、この間から電子制御装置の内部に水分や塵挨が侵入するのを防止する構成を採用している。
特開2007-141959号公報
ところで、自動車を走行させた際に塵挨や塩化カルシウムを含んだ融雪剤等が水分と共にエンジルーム内に侵入する現象は良く経験するところである。そして、この塵挨や融雪剤を含んだ水分によって電子制御装置が被水すると、長い時間をかけてOリングとこのOリングと接触している筺体カバーのフィルタ取付孔表面の間に隙間が生じ、この隙間から水分が電子制御装置の内部に侵入する現象が発現した。このメカニズムについては後ほど詳細に説明するが、原因としては塵挨の膨潤、或いは塩化カルシウムの結晶成長、或いは筺体カバー表面の腐食が考えられる。このように電子制御装置内部に水分が侵入すると、電子制御装置内部に設けたプリント配線基板に水分が付着することによって短絡を起こす危険性がある。
本発明の目的は、筺体カバーに形成したフィルタ取付孔とフィルタ組立体の間に設けたOリングによるシール機能を長期に亘って維持することができる電子制御装置を提供することにある。
本発明の特徴は、筺体カバーとフィルタ組立体の間に介装された少なくともOリング或いはこのOリングと当接する筺体カバーのフィルタ取付孔の表面に、水分を撥水する機能を備えた表面処理を施した、ところにある。
本発明の他の特徴は、筺体カバーとフィルタ組立体の間に介装されたOリングと当接する筺体カバーのフィルタ取付孔の表面に、腐食を抑制する機能を備えた表面処理を施した、ところにある。
本発明によれば、水分を撥水する機能を備えた表面処理、或いは、腐食を抑制する機能を備えた表面処理を施すことによって、Oリングとフィルタ取付孔表面の間に隙間が形成されなくなって水分の侵入を抑制できるようになるものである。この結果、筺体カバーに形成したフィルタ取付孔とフィルタ組立体の間に設けたOリングによるシール機能を長期に亘って維持することができる。
本発明が適用される電子制御装置の正面図である。 図1のA−A断面を示す断面図である。 フィルタ組立体を筺体カバーに組み付けた状態を示す部分拡大断面図である。 Oリングとフィルタ取付孔表面に隙間が生じる第1の原因を説明する図であり、まだ隙間が生じていない状態を示す説明図である。 図4Aに示す状態からOリングとフィルタ取付孔表面に隙間が生じた状態を示す説明図である。 Oリングとフィルタ取付孔表面に隙間が生じる第2の原因を説明する図であり、腐食が進んだ状態を示す説明図である。 図5AのB部の拡大断面図である。 本発明の第1の実施形態になる電子制御装置のフィルタ組立体を筺体カバーに組み付けた状態を示す部分拡大断面図である。 本発明の第2の実施形態になるOリングの外観を示す外観図である。 本発明の第3の実施形態になる電子制御装置のフィルタ組立体を筺体カバーに組み付けた状態を示す部分拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
本発明の実施形態を説明する前に本発明が対象とする電子制御装置の構成を図1乃至図3に基づき説明する。図1は電子制御装置を上側から見た正面図であり、図2はその断面を示した断面図であり、図3はフィルタ組立体を筺体カバーに取り付けた状態の断面図である。
図1乃至図3において、本実施形態の電子制御装置10は、電子部品(図示省略)やコネクタ12等を実装されたプリント配線基板14と、内部にプリント配線基板14を収容する防水ケース16とにより構成されている。防水ケース16は、ダイキャスト製の筺体ベース18と、筺体ベース18の開口部を封止するダイキャスト製あるいはプレス成形品による筺体カバー20とを有している。筺体カバー20には、プリント配線基板14の前端部に実装されているコネクタ12を受け入れるコネクタ設置用開口部が形成されている。
筺体ベース18と筺体カバー20とは、内部にプリント配線基板14を収容し、コネクタ設置用開口部にコネクタ12を受け入れ、筺体ベース18の開口縁部と筺体カバー20の外周縁部及びコネクタ12の下底面部との間に枠状の防水シール材(図示せず)を挟んでいる。また、筺体カバー20のコネクタ設置用開口部とコネクタ12の上面部及び側面部との間に防水シール材(図示せず)を挟んでいる。筺体ベース18と筺体カバー20は複数個の締結ネジ22によって互いに締結されている。
プリント配線基板14に対する通電や、プリント配線基板14の外部との信号の入出力は、コネクタ設置用開口部に配置されて防水ケース16の外部に露出しているコネクタ12により行われる。
そして、筺体カバー20の上面には防水ケース16の内部空間24と連通するフィルタ取付孔26が形成されており、このフィルタ取付孔26にはフィルタ組立体28がスナップ動作で組み付けられるようにして装着されている。このフィルタ組立体28の詳細な構成と、フィルタ取付孔26との取り付け態様は図3に示されている通りである。
図3において、筺体カバー20の上面には、プリント配線基板14を収容している防水ケース16の内部空間24に連通するフィルタ取付孔26が貫通形成されている。フィルタ取付孔26にはキャップ型のフィルタ組立体28がスナップ動作によって固定されている。フィルタ組立体28は防水ケース16の内外の空気を流通させるためのものであり、防水ケース16の内部空間24の内圧調整を行うものである。
フィルタ組立体28は図3に示されているように、プラスチック製のフィルタ本体30と、このフィルタ本体30の上側に形成されたフィルタ膜収容部32の底部に設けられたフィルタ膜34と、フィルタ膜収容部32と協働してフィルタ膜34の収納空間を形成するキャップ36より構成されている。フィルタ膜収容部32とキャップ36より構成されている空間はキャップ36、或いはフィルタ膜収容部32、或いはこれらの接合部に形成した外部連通路(図示せず)によって外気と繋がれている。
更に、フィルタ膜34の収納空間はフィルタ本体30の脚部30Aの内部に形成された通気通路38によって筺体カバー20の内部空間と連通されている。脚部30Aの先端には逆止爪40が形成されており、筺体カバー20に形成されたフィルタ取付孔24を挿通してスナップ動作で、筺体カバー20に装着されている。
フィルタ膜34は水等の液体の通過を阻止し、気体のみの通過を許す撥水性の機能性繊維材により構成されている。したがって、キャップ36或いはフィルタ膜収容部32、或いはこれらの接合部に形成した外部連通路から水等が侵入しても、フィルタ膜34の機能によって水分は筺体カバー20の内部空間24には侵入しないものである。逆に空気は出入りが可能であるため、筺体カバー20の内部空間24は内圧調整が可能となるものである。
筺体カバー20のフィルタ取付孔26の傾斜面26AにはOリング42が配置されており、このOリング42は、フィルタ組立体28のフィルタ膜収容部32の外側底面と脚部30Aの外周面によって強くフィルタ取付孔26の傾斜面26Aに押し付けられている。Oリング42は、ゴム状の弾性体製のものであり、上述したように脚部30Aの外周面とフィルタ膜収容部32の外側底面によってフィルタ取付孔26の傾斜面26Aとの間に所要の弾性変形状態で挟まれ、この部分の気密シールを行っている。この構造により、フィルタ組立体28による筺体カバー20の内部空間24の内圧調整のための通気は、脚部30Aの通気通路38、フィルタ膜34、フィルタ膜収容部32、及び外部連通路よりなる通気通路のみによって行われる。
このような構成は良く知られたものであり、これ以上の詳細な説明は省略する。さて、このような電子制御装置において、Oリング42とこのOリング42と接触しているフィルタ取付孔26の傾斜面26Aの表面の間に隙間が生じ、この隙間から水分が電子制御装置の内部に侵入する現象について説明する。
この隙間が形成される理由として少なくとも2つが判明しており、先ず第1の理由を図4A、図4Bに基づいて説明する。
図4A、図4Bにおいては、塵挨の膨潤、或いは塩化カルシウムの結晶成長によって筺体カバー20に設けたフィルタ取付孔26の傾斜面26Aの表面とOリング42の間に隙間が形成される状況を示している。そして、電子制御装置10が自動車のエンジンルーム内に配置された場合には、自動車が濡れた道路や水溜り等を走行した際、並びに積雪が多い地域において道路に塩化カルシウム等の融雪剤が散布された道路を走行した際に、エンジンルーム内へ水、塵挨、融雪剤等が侵入することが多々ある。そして、これらは混合された状態で電子制御装置10の防水ケース16に作用(所謂、被水)するようになる。
このように防水ケース16が被水することにより、フィルタ取付孔26の傾斜面26Aの表面とOリング42の間に塵挨、或いは融雪剤を含んだ水が侵入してくる。初期の間であればOリング42とフィルタ取付孔26の傾斜面26Aの表面の密着性が良好であるので、筺体カバー20の内部空間24に水が浸入することはないものである。
ところが、図4Aに示すようにフィルタ取付孔26の傾斜面26Aの表面とOリング42の間に侵入した水はエンジンルー内の熱によって早期に乾燥するが、この時に融雪剤の塩化カルシウムの結晶が成長したり、塵挨が膨潤して乾燥したりすることで異物Dが生成されるようになる。この異物DはOリング42の接触面をフィルタ取付孔26の傾斜面26Aから引き離すような作用を生じ、この結果、Oリング42は変形を生じるようになる。引き続き、この状態で塵挨や融雪剤を含んだ水が侵入してくると、異物Dは更に成長を繰り返して図4Bに示すように、Oリング42の接触面をフィルタ取付孔26の傾斜面26Aから引き離すようにOリング42を変形させて隙間Gを生じるようになる。この隙間Gが形成されると、水分が容易に筺体カバー20の内部空間に侵入することができるので、プリント配線基板14が短絡を生じるという恐れがでてくるものである。
また、これとは異なる理由で隙間が形成されることも判明しており、第2の理由を図5A、図5Bに基づいて説明する。
筺体カバー20は上述したようにアルミ合金等を使用した金属で製作されている場合が多い。そして、この筺体カバー20が上述したように融雪剤等を含んだ水によって被水すると、融雪剤の塩化カルシウム等の塩分によって筺体カバー20の表面に腐食が発生する。そして、図5A、図5Bに示すようにフィルタ取付孔26の傾斜面26Aにもこの腐食は発生し、腐食が進行するとフィルタ取付孔26の傾斜面26Aの表面が粗くなってOリング42と間に隙間Gを生じるようになる。この隙間Gが形成されると、水分が矢印で示すように容易に筺体カバー20の内部空間に侵入することができるので、プリント配線基板14が短絡を生じるという恐れがでてくるものである。
更に、筺体カバー20のフィルタ取付孔26の傾斜面26Aの腐食は外面から内面側にむかって成長するため、内面側にも腐食が生じることも十分考えられる。この場合、隙間Gからの水の侵入による短絡の発生とは別に、腐食により発生した金属酸化物が走行時の振動により脱落する可能性があり、この脱落した金属酸化物がプリント配線基板14の配線上に落下し短絡を起こす恐れもでてくる。
以上のような理由によって、筺体カバー20のフィルタ取付孔26の傾斜面26Aの表面の間に隙間Gが生じ、この隙間Gから水分が電子制御装置10の内部に侵入するものである。次に、このような隙間Gの発生を抑制して、水分が電子制御装置10の内部に侵入しないようした実施例を説明する。
まず、最初に第1の理由によって隙間Gが発生する場合の対策方法を説明すると、図6に示しているように、筺体カバー20の少なくともフィルタ取付孔26が形成された領域の表面とOリング42の間にはシリコーンオイル等を使用した撥水性を備えた材料からなる表面処理層44が形成されている。この表面処理層44は図6にあるように、少なくともOリング42とフィルタ取付孔26の傾斜面26Aの接触している当接部より外側に施されている。
この理由としては、水分は筺体カバー20の外周面を通ってフィルタ取付孔26に流れてくるため、フィルタ取付孔26に至る前に水分の侵入を阻止するためである。つまり、撥水性の表面処理層44を形成すると、塵挨や融雪剤等を含んだ水分が侵入してきても、この撥水性の表面処理層44によって水分がはじかれるようになるのでOリング42とフィルタ取付孔26の傾斜面26Aの当接部まで侵入することができなくなる。したがって、Oリング42とフィルタ取付孔26の傾斜面26Aの間に塵挨や融雪剤等が侵入しないことから、融雪剤の塩化カルシウムの結晶成長や、塵挨の膨潤による隙間Gの発生を抑制することが可能となる。
シリコーンオイルはフィルタ組立体28の組み付けの観点から、予め筺体カバー20のフィルタ取付孔26が形成されている領域に塗布されており、この状態でOリング42を脚部30Aに取り付けた状態のフィルタ組立体28をフィルタ取付孔26に挿通することで、容易に表面処理層44を形成し、かつフィルタ組立体28を筺体カバー20に組み付けることができる。ここで、シリコーンオイルを塗布する領域はOリング42と当接するフィルタ取付孔26の傾斜面26Aの表面付近の領域であることが望ましい。また、撥水性を備えた表面処理層44の例として、本実施例はシリコーンオイルを使用したが、この他にフッ素系材料を用いたコーティングを施しても良いものである。
以上に説明した実施例は筺体カバー20のフィルタ取付孔26の周囲に表面処理層44を形成したが、図7に示すようにOリング42の外周面にシリコーンオイルを塗布するようにしても良いものである。この場合、予めOリング42にシリコーンオイルを塗布した後にOリング42を脚部30Aに取り付け、この状態のフィルタ組立体28をフィルタ取付孔26に挿通することで、容易に表面処理層44を形成し、かつフィルタ組立体28を筺体カバー20に組み付けることができる。もちろん、Oリング42の外周面にフッ素系材料を用いたコーティングを施しても良いものである。尚、撥水性を備えた表面処理層44の材料はOリング42を劣化させない材料が選ばれることが重要である。
このように、図6、図7に示す実施例によれば、撥水性の表面処理層44を形成することによって、塵挨や融雪剤等を含んだ水分が侵入してきても、この撥水性の表面処理層44によって水分がはじかれるようになるので、水分はOリング42とフィルタ取付孔26の傾斜面26Aまで侵入することができなくなる。したがって、融雪剤の塩化カルシウムの結晶成長や、塵挨の膨潤による隙間Gの発生を抑制することが可能となる。
次に、第2の理由によって隙間Gが発生する場合の対策方法を説明すると、図8に示しているように、少なくともフィルタ取付孔26の傾斜面26Aには化学的な腐食を抑制する耐蝕性を備えた表面処理層48が形成されている。例えば、筺体カバー20がアルミニウム等で形成されている場合は、少なくともフィルタ取付孔20の傾斜面26Aに陽極酸化処理を行って傾斜面26Aの表面に陽極酸化被膜を形成するようにしている。尚、本実施例では陽極酸化被膜をOリング42と当接するフィルタ取付孔26の傾斜面26Aの表面付近の領域に形成しているが、設計上から許されれば全体に亘って陽極酸化被膜を形成するようにしても良いものである。
このように、化学的な腐食を抑制する表面処理層48を形成すると、塵挨や融雪剤等を含んだ水分が侵入してきても、この化学的な腐食を抑制する表面処理層48によってフィルタ取付孔26の傾斜面26Aの腐食が抑制されるので、傾斜面26Aは粗くならず平坦な形状を維持できる。したがって、Oリング42とフィルタ取付孔26の傾斜面26Aの間に隙間Gが形成されなくなるので、水分が筺体カバー20の内部に侵入することができなくなるものである。
この実施例においては筺体カバー20をアルミニウムで形成しているので、陽極酸化処理で母材そのものを表面処理層48の材料とすることができるが、鋼板等を用いる場合はニッケルメッキ等を用いて表面処理層48としても良いものである。
化学的な腐食を抑制する表面処理層48は筺体カバー20が金属製の場合に効果的に適用できるものである。一方、撥水性の表面処理層44は筺体カバー20が金属製に限らず、合成樹脂製の筺体カバー20にも適用できるものである。したがって、筺体カバー20の材料に応じてこれらの実施例を適切に利用したり、相互に利用することも可能である。例えば、筺体カバー20が金属であった場合、化学的な腐食を抑制する表面処理層48の上面側に撥水性の表面処理層44を形成することも可能である。
本発明を総括すると、特徴な構成として、第1に筺体カバーとフィルタ組立体の間に介装された少なくともOリング或いはこのOリングと当接する筺体カバーのフィルタ取付孔の表面に、水分を撥水する機能を備えた表面処理を施したところにある。この構成によって、塵挨や融雪剤を含んだ水分が侵入してきても、撥水機能によって塵挨や融雪剤を含んだ水分が、Oリングとこれに当接する筺体カバーのフィルタ取付孔の表面に侵入しづらくなり、結果としてOリングとフィルタ取付孔表面の間に隙間が形成されなくなって水分の侵入を抑制できるようになるものである。
また、第2に筺体カバーとフィルタ組立体の間に介装された少なくともOリングと当接する筺体カバーのフィルタ取付孔の表面に腐食を抑制する機能を備えた表面処理を施したところにある。この構成によって、筺体カバーのフィルタ取付孔の表面が腐食によって粗くなることで隙間が形成されることを抑制でき、結果としてOリングとフィルタ取付孔表面の間に隙間が形成されなくなって水分の侵入を抑制できるようになるものである。
10…電子制御装置、12…コネクタ、14…プリント配線基板、16…防水ケース、18…筺体ベース、20…筐体カバー、22…ネジ、24…内部空間、26…フィルタ取付孔、28…フィルタ組立体、30…フィルタ本体、32…フィルタ収容部、34…フィルタ膜、36…キャップ、38…通気通路、40…逆止爪、42…Oリング、44…撥水性の表面処理層、46…撥水性の表面処理層、48…耐蝕性の表面処理層。

Claims (8)

  1. 筺体ベースと筺体カバーを組み合わせた防水ケースと、前記防水ケースに収納された電子部品を実装したプリント配線基板と、前記筺体カバーに設けられたフィルタ取付孔に装着され、前記防水ケースの内部空間と外部を連通するフィルタ膜を備えたフィルタ組立体と、前記フィルタ取付孔と前記フィルタ組立体との間に配置され、前記フィルタ取付孔から水分が前記防水ケースの内部空間に侵入するのを防止するOリングを備えた電子制御装置であって、
    少なくとも前記Oリング、或いは前記Oリングと当接する前記フィルタ取付孔の表面に水分を撥水する機能を備えた表面処理を施したことを特徴とする電子制御装置。
  2. 請求項1に記載の電子制御装置において、
    前記表面処理が前記Oリングと当接する前記フィルタ取付孔の表面付近の領域に施されていることを特徴とする電子制御装置。
  3. 請求項2に記載の電子制御装置において、
    前記撥水する機能を備えた表面処理はシリコーンオイルによって形成された表面処理層であることを特徴とする電子制御装置。
  4. 請求項3に記載の電子制御装置において、
    前記シリコーンオイルによって形成された表面処理層は、前記Oリングと前記フィルタ取付孔の表面の当接部より外側に施されていることを特徴とする電子制御装置。
  5. 請求項3に記載の電子制御装置において、
    前記シリコーンオイルによって形成された表面処理層は前記フィルタ組立体が前記筺体カバーに装着される前に前記フィルタ取付孔付近に形成されていることを特徴とする電子制御装置。
  6. 請求項1に記載の電子制御装置において、
    前記Oリングの表面に、シリコーンオイルによって形成された表面処理層を形成したことを特徴とする電子制御装置。
  7. 筺体ベースと筺体カバーを組み合わせた防水ケースと、前記防水ケースに収納された電子部品を実装したプリント配線基板と、前記筺体カバーに設けられたフィルタ取付孔に装着され、前記防水ケースの内部空間と外部を連通するフィルタ膜を備えたフィルタ組立体と、前記フィルタ取付孔と前記フィルタ組立体との間に配置され、前記フィルタ取付孔から水分が前記防水ケースの内部空間に侵入するのを防止するOリングを備えた電子制御装置であって、
    前記Oリングと当接する前記フィルタ取付孔の表面に腐食を抑制する機能を備えた表面処理を施したことを特徴とする電子制御装置。
  8. 請求項7に記載の電子制御装置において、
    前記筺体カバーはアルミニウムより形成されており、少なくとも前記Oリングと当接する前記フィルタ取付孔の表面に前記腐食を抑制する機能を備えた表面処理として陽極酸化被膜を形成したことを特徴とする電子制御装置
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