JP2017225763A - 身体支持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】身体支持装置の小型化を図り易くする。【解決手段】身体支持装置10は、使用者の荷重を受け止める基部24と、基部24に回動軸L回りに回動可能に固定された回動部46と、基部24に固定され回動部46を回動させる駆動部47と、駆動部47から回動部46に向けて延び、回動部46に固定された線材48と、を備え、駆動部47が、線材48を牽引することで回動部46を回動させる。【選択図】図5

Description

本発明は、身体支持装置に関する。
従来から、下記特許文献1に示すような身体支持装置が知られている。この身体支持装置は、使用者の荷重を受け止める基部と、基部に第1回動軸回りに回動可能に固定された回動部と、基部に第2回動軸回りに回動可能に固定され回動部を回動させる駆動部と、を備えている。駆動部は、回動部を回動させるときに第2回動軸回りに回動する。
特開2006−340962号公報
前記従来の身体支持装置では、回動部の回動に伴って駆動部も回動するため、駆動部の周辺に大きくクリアランスを確保する必要がある。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、身体支持装置の小型化を図り易くすることを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
(1)本発明に係る身体支持装置は、使用者の荷重を受け止める基部と、前記基部に回動軸回りに回動可能に固定された回動部と、前記基部に固定され前記回動部を回動させる駆動部と、前記駆動部から前記回動部に向けて延び、前記回動部に固定された線材と、を備え、前記駆動部が、前記線材を牽引することで前記回動部を回動させることを特徴とする。
この場合、駆動部が、線材を牽引することで回動部を回動させる。したがって、回動部の回動に伴って駆動部を回動させる必要がなく、身体支持装置の小型化を図り易くすることができる。また、駆動部が回動することを起因とした、駆動部と他の部材との干渉を抑えることもできる。さらに、駆動力の損失を抑えて出力を安定させ易くすることもできる。
(2)上記(1)に係る身体支持装置では、前記回動部が、扇形状の巻回部材を備えている構成を採用してもよい。
この場合、回動部が、扇形状の巻回部材を備えている。したがって、線材を巻回部材に巻回して線材の一部を巻回部材に固定することで、駆動部が線材を牽引したときに、駆動部の駆動力を線材から巻回部材(回動部)に伝達させ、巻回部材に巻回された線材を徐々に巻き解かしてその長さを短くさせながら、回動部を回動軸回りに回動させることができる。
(3)上記(2)に係る身体支持装置では、前記回動部が、前記回動軸方向に延びる軸部材を更に備え、前記巻回部材が、前記軸部材から、前記回動軸に交差する方向に突出している構成を採用してもよい。
この場合、回動部が、軸部材および巻回部材を備えている。したがって、例えば、適用する基部の構成に応じて線材の巻回径を調整するとき等に、軸部材は共通の構成を採用しつつ、巻回部材の外径を変更することで、巻回径を調整することができる。これにより、身体支持装置の適用範囲の多様化を図ることができる。
(4)上記(2)または(3)に係る身体支持装置では、前記線材が、前記巻回部材における前記線材の巻回開始点から前記駆動部に向けて、前記巻回開始点を接点とした前記巻回部材の接線方向に延び、前記駆動部が、前記線材を前記巻回開始点から前記接線方向に牽引する構成を採用してもよい。
この場合、駆動部が回動部を回動させるときには、駆動部が線材を巻回開始点から接線方向に牽引する。すると回動部が、回動軸を支点とし、巻回開始点を力点として、定滑車のように回動する。このとき、支点(回動軸)と力点(巻回開始点)との距離が同等に保たれるので、駆動力の損失を抑えることができる。
なお、上記(4)に係る身体支持装置では、前記線材のうち、前記駆動部と前記巻回部材との間に位置する中間部分が巻回され、前記中間部分を前記駆動部から前記巻回部材に案内するプーリーを更に備え、前記プーリーは、前記基部に、前記回動軸方向および前記接線方向と直交する直交方向に延びる案内軸回りに回転可能に固定されている構成を採用してもよい。
この場合、プーリーが、基部に案内軸回りに回転可能に固定されている。これにより、例えば、駆動部と巻回部材とを接線方向に対向させる必要がなく、駆動部と巻回部材とを回動軸方向にずらすことができる。さらに例えば、線材を、駆動部と巻回部材との間で一直線に延ばす必要もなく、駆動部と巻回部材との間に他の部材が位置しているときに、その部材を迂回するように線材を配線することができる。これにより、設計の自由度を高めることができる。
また、上記(1)から(4)に係る身体支持装置では、使用者を支持する支持部を備え、前記回動部が、前記支持部である、または、前記支持部を移動させる構成を採用してもよい。
この場合、支持部に、使用者からの大きな荷重が作用する。したがって、回動部が、このような支持部である、または、このような支持部を移動させることで、前述のように駆動力の損失を抑えることができることによる作用効果を顕著に奏功させることができる。
本発明によれば、身体支持装置の小型化を図り易くすることができる。
本発明の第1実施形態に係る寝台装置の側面図である。 図1に示す寝台装置を構成する支持架台の側面図である。 図2に示す支持架台においてメインフレームを上昇させた状態を示す側面図である。 図1に示す寝台装置の要部を示す下面図である。 図1に示す寝台装置の要部を示す斜視図であって、標準状態を示す図である。 図1に示す寝台装置の要部を示す斜視図であって、標準状態から回動部を回動させた状態を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る寝台装置の要部を示す斜視図である。 図7に示す要部の平面図である。 本発明の第3実施形態に係る寝台装置の要部を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態の変形例に係る寝台装置の要部を示す斜視図である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る寝台装置10(身体支持装置)を、図面に基づいて以下に説明する。寝台装置10は、例えば、医療環境下(介護環境下を含む)において利用することができる。図1から図6において、矢印Hは人(使用者)が寝る際に頭側となる向きを示し、また矢印Fは人が寝る際に脚側となる向きを示している。以下の説明においては、矢印H、Fの方向である前後方向に対して直交する水平方向を左右方向と言う場合が有る。
図1から図6に示すように、寝台装置10は、寝台11(支持部)と、支持架台12と、ボード13と、駆動機構14と、を備えている。
寝台11は、使用者を支持する。寝台11は、複数のパネル部材16を備えている。各パネル部材16は、互いに同等の形状でかつ同等の大きさに形成されている。各パネル部材16は、左右方向に延びる長尺な板状に形成され、各パネル部材16の表裏面は、上下方向を向いている。パネル部材16は、前後方向に複数並設されている。各パネル部材16は、駆動機構14によって寝台11が背上げまたは膝上げ等の変形、例えば起伏を伴う回動させられる前の標準状態において、上下方向および左右方向のいずれの方向においても同等の位置に配置され、同一平面上に配置されている。
複数のパネル部材16の各上面は、寝台面15を形成している。寝台面15は、前述の標準状態において、上下方向に直交する直交面とされている。寝台面15は、その平面視において左右方向よりも前後方向に長い矩形状に形成されている。寝台面15の長手方向は前後方向とされ、寝台面15の短手方向は左右方向となっている。寝台面15上には、図示しないマットレスが配置される。
複数のパネル部材16は、前後方向に複数のグループに区画されている。複数のパネル部材16は、頭側Hから脚側Fに向けて、背ボトム18と、脚ボトム19と、の順にグループ分けされている。さらに、脚ボトム19は、頭側Hから脚側Fに向けて、膝ボトム20と、足ボトム21と、の順にグループ分けされている。背ボトム18は、寝台面15における背に対応し、脚ボトム19は、寝台面15における腰から足に対応する。膝ボトム20は、寝台面15における腰から膝に対応し、足ボトム21は、寝台面15における膝から足に対応する。
支持架台12は、寝台11を支持する。本実施形態では、支持架台12が、背ボトム18および脚ボトム19(可動ボトム)それぞれを、図示しない第1軸部材および第2軸部材23を介して回動自在に支持している。寝台装置10は、いわゆるギャッチベットとなっている。支持架台12は、架台本体24(基部)と、第1回動機構25と、第2回動機構26と、を備えている。
架台本体24は、寝台11、および寝台11上の使用者それぞれの荷重を受け止める。架台本体24は、ベースフレーム27(下側フレーム)と、メインフレーム28(上側フレーム)と、昇降連結機構29と、を備えている。
ベースフレーム27は、設置床上に載置され、平面視において矩形状をなす。
メインフレーム28は、平面視において矩形の枠状をなす。メインフレーム28(架台本体24)は、左右方向に寝台11(寝台面15)よりも小さい。寝台11は、メインフレーム28から左右方向の両側に突出している。メインフレーム28は、寝台11の左右方向の両端部を下方から支持可能とされている。
図2および図3に示すように、昇降連結機構29は、ベースフレーム27とメインフレーム28とを連結しており、メインフレーム28をベースフレーム27に対して昇降自在に支持している。昇降連結機構29は、いわゆるXリンク構造を採用している。
図1に示すように、第1回動機構25は、背ボトム18を、前記第1軸部材を介して回動自在に保持する。第1回動機構25は、背ボトム18を、前記第1軸部材を中心として起伏回動させることで、背ボトム18の頭側Hを上昇させながら背ボトム18を水平面に対して傾斜させる。第1回動機構25は、公知の背上げ機構(リトラ機構)を採用することができる。
図1および図4に示すように、第2回動機構26は、脚ボトム19を、第2軸部材23を介して回動自在に保持する。第2回動機構26は、脚ボトム19を、第2軸部材23を中心として回動させることで、脚ボトム19において膝ボトム20と足ボトム21との間に位置する部分が上側に向けて突となるように、脚ボトム19を屈曲させる。このとき、膝ボトム20の頭側Hの端部が前後方向に固定された状態で、足ボトム21の脚側Fの端部が架台本体24上を頭側Hに移動する。
図4に示すように、第2回動機構26は、連結部材39と、可動部材40と、固定部材34と、取付け部材41と、を備えている。連結部材39には、脚ボトム19を形成するパネル部材16が連結される。連結部材39は、前記複数のパネル部材16を一体に連結する。連結部材39は、各パネル部材16の下面に連結されている。連結部材39は、前後方向に延びるとともに、左右方向に間隔をあけて一対配置されている。
各連結部材39は、前後方向に沿って頭側分割部42と脚側分割部43とに2分割されている。頭側分割部42には、膝ボトム20を形成するパネル部材16が連結され、脚側分割部43には、足ボトム21を形成するパネル部材16が連結される。頭側分割部42と脚側分割部43とは、左右方向に延びる屈曲軸部44を介して回動自在に連結されている。
可動部材40は、連結部材39を介して脚ボトム19に連結されている。可動部材40は、連結部材39に対して頭側Hに位置している。可動部材40には、連結部材39の頭側Hの端部が連結されている。なお、連結部材39の脚側Fの端部は、自由端とされている。
固定部材34は、架台本体24に連結されている。固定部材34は、左右方向に直線状に延び、メインフレーム28を左右方向に横断している。
取付け部材41は、架台本体24に連結されており、本実施形態では、固定部材34を介して架台本体24に連結されている。取付け部材41は、固定部材34から脚側Fに向けて突出している。取付け部材41は、左右方向に間隔をあけて一対配置されている。取付け部材41は、可動部材40に第2軸部材23を介して連結されている。第2軸部材23は、左右一対、同軸に配置されている。
図1に示すように、前記支持架台12では、第1回動機構25を介して背ボトム18が架台本体24に連結され、第2回動機構26を介して脚ボトム19が架台本体24に連結されている。第1回動機構25および第2回動機構26が、前述の標準状態から背ボトム18および脚ボトム19を回動させることで、寝台11は、図1に2点鎖線で示すような、背上げおよび脚上げ(膝上げ)がされた典型的な使用状態となる。寝台11を標準状態から使用状態にするときには、脚上げを背上げに先行して実施することで、使用者の寝台装置10に対するずれを効果的に防止することができる。
ボード13は、支持架台12に固定され、寝台面15よりも上方に立ち上がっている。ボード13は、前後一対、備えられていて、架台本体24の前後方向の両側の端部から立ち上がっている。
駆動機構14は、背ボトム18および脚ボトム19(可動ボトム)それぞれを回動させる。図4および図5に示すように、駆動機構14は、背ボトム18を回動させる図示しない第1駆動機構と、脚ボトム19を回動させる第2駆動機構45と、を備えている。前記第1駆動機構は、背ボトム18の下方に配置され、第2駆動機構45は、脚ボトム19の下方に配置されている。なお、前記第1駆動機構としては、公知の背上げ用の駆動機構を採用することが可能である。
第2駆動機構45は、回動部46と、駆動部47と、線材48と、を備えている。
回動部46は、脚ボトム19を移動させる。回動部46は、脚ボトム19を、第2軸部材23を中心として回動させる。回動部46は、架台本体24に回動軸L回りに回動可能に固定されている。回動軸Lは、左右方向に延びる仮想軸であり、回動軸L方向は、左右方向と平行である。回動部46は、軸部材51と、巻回部材52と、押上部材53と、を備えている。軸部材51は、左右方向(回動軸L方向)に延びている。軸部材51は、メインフレーム28に、回動軸L回りに回動自在に連結されている。
巻回部材52および押上部材53は、軸部材51から、回動軸Lに交差する方向に突出している。巻回部材52および押上部材53は、軸部材51を挟んで前後方向の反対側に向けて突出している。巻回部材52は、軸部材51から頭側Hに突出し、押上部材53は、軸部材51から脚側Fに突出している。巻回部材52は、表裏面が左右方向を向く板状に形成されている。巻回部材52は、軸部材51における左右方向の中央部に連結されている。
回動部46を左右方向から側面視した場合に、巻回部材52は扇形状を呈する。前記側面視において、巻回部材52は中心角が90度の扇形状を呈している。巻回部材52は、第1直線部54と、第2直線部55と、円弧部56と、を備えている。これらの第1直線部54、第2直線部55および円弧部56は、前記側面視における巻回部材52の周縁部を形成する。
第1直線部54および第2直線部55は、前記扇形の半径に対応し、円弧部56は、前記扇形の円弧に対応する。第1直線部54および第2直線部55は、互いに交差している。第1直線部54および第2直線部55の交点は、前記扇形の中心部に対応し、軸部材51に回動不能に固定されている。第1直線部54は、軸部材51から前後方向に沿って頭側Hに延びている。第2直線部55は、軸部材51から上下方向に沿って下方に延びている。第2直線部55は、上下方向に平行に延びている。第2直線部55の下端縁(半径方向の外側の端縁)は、軸部材51の真下に位置している。円弧部56には、その全長にわたって延びる周溝57が形成されている。なお前記扇形の半径は、例えば50mmから100mmであってもよく、より具体的には、80mm程度であってもよい。
押上部材53は、連結部材39を介して脚ボトム19を押し上げる。押上部材53は、脚ボトム19の下面に沿って前後方向に延びている。押上部材53は、軸部材51から脚側Fに向けて延びている。押上部材53は、左右一対設けられている。押上部材53は、軸部材51の左右方向の両端部に設けられている。押上部材53の脚側Fの端部は、頭側分割部42の下面に摺動自在に当接する。
駆動部47は、架台本体24に固定され回動部46を回動させる。駆動部47は、メインフレーム28の脚側Fの端部に移動不能に固定されている。駆動部47は、外部から供給される動力、図示の例では電力に基づいて直線運動する。駆動部47には、例えばいわゆるリニアアクチュエータ等を採用することができる。駆動部47は、前記動力に基づいて前後方向に直線的に伸縮する。駆動部47は、巻回部材52と前後方向に対向している。駆動部47は、巻回部材52と左右方向に同等の位置に配置されている。
線材48は、駆動部47から回動部46に向けて延び、回動部46に固定されている。線材48は、回動部46に回動軸L回りに巻回されている。線材48には、回動部46に巻回可能な程度、変形が容易な部材を採用することができる。線材48としては、例えばワイヤやチェーン等を採用することができる。線材48は、巻回部材52に巻回されている。巻回された線材48は、後述する被固定部48aで巻回部材52に固定されている。
線材48は、駆動部47から頭側Hに向けて前後方向に平行に延びた後、第2直線部55の下端縁から円弧部56に沿って上側に向けて巻回部材52に巻回されている。線材48の左右方向の位置は、線材48の全長にわたって同等である。線材48の頭側Hの端部は、第1直線部54の頭側Hの端部に離脱不能に固定されている。この端部は、巻回部材52に固定された被固定部48aである。線材48のうち円弧部56に沿う部分は、周溝57に離脱自在に嵌合されている。
巻回部材52における線材48の巻回開始点Pは、第2直線部55の下端縁に位置している。線材48のうち駆動部47と巻回部材52との間に位置する中間部分48bは、巻回開始点Pから駆動部47に向けて、巻回開始点Pを接点とした巻回部材52(回動部46)の接線方向に延びている。図示の例では、中間部分48bは、全長にわたって接線方向に沿って延びている。なお接線方向は、前後方向に平行である。
そして駆動部47が、線材48を牽引することで回動部46を回動させる。駆動部47は、線材48を巻回開始点P(回動部46)から接線方向に牽引する。駆動部47が線材48を回動部46から接線方向に牽引すると、駆動部47の駆動力が線材48の被固定部48aから回動部46に伝達される。すると図6に示すように、巻回部材52に巻回された線材48が徐々に巻き解かされてその長さが短くなりながら、回動部46が回動軸L回りに回動する。そして回動部46が、回動軸Lを支点とし、回動部46に対する線材48の巻回開始点Pを力点として、定滑車のように回動する。このとき、支点(回動軸L)と力点(巻回開始点P)との距離が同等に保たれ、駆動力の損失が抑えられる。
なお本実施形態では、回動部46が回動軸L回りに回動すると、押上部材53の脚側Fの端部が連結部材39の下面上を摺動して膝ボトム20を押し上げる。すると図1に2点鎖線で示すように、膝ボトム20が第2軸部材23を中心として回動し、膝ボトム20における脚側Fの端部が上昇する。このとき、足ボトム21が相対的に屈曲軸部44を中心として回動し、寝台面15において膝に対応する部分が上方に向けて突となるように屈曲するいわゆる脚上げ状態となる。
以上説明したように、本実施形態に係る寝台装置10によれば、駆動部47が、線材48を牽引することで回動部46を回動させる。したがって、回動部46の回動に伴って駆動部47を回動させる必要がなく、寝台装置10の小型化(例えば低床化)を図り易くすることができる。また、駆動部47が回動することを起因とした、駆動部47と他の部材との干渉を抑えることもできる。さらに、駆動力の損失を抑えて出力を安定させ易くすることもできる。
また寝台11に、使用者からの大きな荷重が作用する。したがって、回動部46が、このような寝台11を移動させることで、前述のように駆動力の損失を抑えることができることによる作用効果を顕著に奏功させることができる。
回動部46が、軸部材51および巻回部材52を備えている。したがって、例えば、適用する架台本体24の構成に応じて線材48の巻回径を調整するとき等に、軸部材51は共通の構成を採用しつつ、巻回部材52の外径を変更することで、巻回径を調整することができる。これにより、寝台装置10の適用範囲の多様化を図ることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態の寝台装置60を、図7および図8を参照して説明する。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態の寝台装置60では、まず駆動部47が、巻回部材52に対して左右方向にずらされて配置されている。以下では、駆動部47が巻回部材52に対して左右方向に沿って位置する方向を左右方向の一方側という。巻回部材52が駆動部47に対して左右方向に沿って位置する方向を左右方向の他方側という。
そして、第2駆動機構45(寝台装置60)が、プーリー61を更に備えている。プーリー61は、線材48の中間部分48bが巻回され、中間部分48bを駆動部47から巻回部材52に案内する。
プーリー61は、架台本体24に、上下方向(回動軸方向および接線方向と直交する直交方向)に延びる案内軸O回りに回転可能に固定されている。架台本体24は、メインフレーム28に固定された支持プレート62を備えている。支持プレート62は、メインフレーム28の内側に配置されている。支持プレート62の表裏面は、上下方向を向いている。プーリー61は、支持プレート62の上面に固定されている。
プーリー61は、2つ設けられている。プーリー61は、前後方向および左右方向にずらされて配置されている。プーリー61は、駆動部47側の第1プーリー61aと、巻回部材52側の第2プーリー61bと、を備えている。第1プーリー61aは、第2プーリー61bに対して左右方向の一方側に、かつ、前後方向の脚側Fに位置している。第1プーリー61aは、駆動部47に対して左右方向の他方側に、かつ、前後方向の頭側Hに位置している。第2プーリー61bは、巻回部材52に対して左右方向の一方側に、かつ、前後方向の脚側Fに位置している。
線材48の中間部分48bは、駆動部47から前後方向に延び、まず、第1プーリー61aの外周面に巻回される。このとき、中間部分48bの延在方向が、前後方向から左右方向に変化する。その後、中間部分48bは、第2プーリー61bの外周面に巻回される。このとき、中間部分48bの延在方向が、左右方向から前後方向に変化する。そして、中間部分48bは、巻回部材52に到達する。中間部分48bは、巻回開始点Pからは前述の接線方向に延びている。
前記寝台装置60では、駆動部47が、線材48における駆動部47側の端部を前後方向に牽引する。すると、線材48の中間部分48bが各プーリー61を回転させながら、中間部分48bの全体が駆動部47側に牽引される。その結果、駆動部47が、線材48を巻回開始点Pから接線方向に牽引する。
以上説明したように、本実施形態に係る寝台装置60によれば、プーリー61が、架台本体24に案内軸O回りに回転可能に固定されている。これにより、例えば、駆動部47と巻回部材52とを接線方向に対向させる必要がなく、駆動部47と巻回部材52とを左右方向にずらすことができる。さらに例えば、線材48を、駆動部47と巻回部材52との間で一直線に延ばす必要もなく、駆動部47と巻回部材52との間に他の部材が位置しているときに、その部材を迂回するように線材48を配線することができる。これにより、設計の自由度を高めることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態の寝台装置を、図9を参照して説明する。
なお、この第3実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態の寝台装置70では、回動部46を左右方向から側面視した場合に、巻回部材52が扇形状を呈するのに代えて、角形状(図示の例では三角形状)を呈している。前記側面視において、巻回部材52は直角二等辺三角形状を呈している。巻回部材52は、前述した第1直線部54および第2直線部55と、斜辺部71と、を備えている。これらの第1直線部54、第2直線部55および斜辺部71は、前記側面視における巻回部材52の周縁部を形成する。斜辺部71は、前記直角二等辺三角形の斜辺に対応する。
なお図10に示す変形例に係る寝台装置80のように、巻回部材52に、切り欠き部81が形成されていてもよい。切り欠き部81は、前記斜辺部71の中央部を切り欠いている。切り欠き部81は、巻回部材52を第1棒状部82と、第2棒状部83と、に区画する。第1棒状部82は、第1直線部54に沿って延びる。第2棒状部83は、第2直線部55に沿って延びる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
前記実施形態では、回動部46が脚ボトム19を回動させるが、本発明はこれに限られない。例えば、第2軸部材23に巻回部材52を設け、駆動部47が脚ボトム19そのものを直接、回動させてもよい。つまり、本発明における回動部46が脚ボトム19そのものであってもよい。また、回動部46が背ボトム18を回動させてもよく、回動部46が背ボトム18であってもよい。さらに、昇降連結機構29に、回動部46、駆動部47および線材48を適用した構成を採用し、昇降連結機構29が有する回動部46によって、寝台11(支持部)を昇降(移動)させることができる。
前記実施形態では、回動部46が巻回部材52を備えているが、本発明はこれに限られない。例えば、回動部46が巻回部材52を備えておらず、線材48が軸部材51に巻回されていてもよい。
前記実施形態では、背ボトム18および脚ボトム19の両方が回動する可動ボトムとされ、かつ、寝台11を昇降させる昇降連結機構29を有する3ACT(3モーター)のギャッチベッドを採用したが、本発明はこれに限られない。例えば、昇降機構を有さない2ACT(2モーター)や、背ボトム18または脚ボトム19が回動する1ACT(1モータ)のギャッチベッドを採用することも可能である。1ACT(1モータ)のギャッチベッドの場合、寝台装置10に、背ボトム18を可動ボトムした背上げ機能を優先して搭載することができる。つまり、本発明は、背ボトム18および脚ボトム19のうちの少なくとも一方を可動ボトムとした構成を採用することが可能であり、背ボトム18および脚ボトム19のうちの少なくとも背ボトム18を可動ボトムとした構成を採用することができる。
さらに本発明は、いわゆる1ACTや2ACT、3ACT等の電動式のギャッチベッドへの適用に限られない。本発明は、駆動部47の動力が人力である手動式のギャッチベッドにも適用することが可能である。本発明は、例えば、いわゆる1クランクや2クランク、3クランク等の手動式のギャッチベッドに適用することもできる。
前記実施形態では、寝台装置10としてギャッチベッドを採用しているが、本発明はこれに限られない。例えば、寝台装置10としてのストレッチャーにも本発明は適用可能である。さらに例えば、椅子などの寝台装置10とは異なる身体支持装置にも本発明は適用可能である。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
10、60、70、80 寝台装置(身体支持装置)
11 寝台(支持部)
24 架台本体(基部)
46 回動部
47 駆動部
48 線材
48a 被固定部
48b 中間部分
51 軸部材
52 巻回部材
61 プーリー
L 回動軸
O 案内軸

Claims (4)

  1. 使用者の荷重を受け止める基部と、
    前記基部に回動軸回りに回動可能に固定された回動部と、
    前記基部に固定され前記回動部を回動させる駆動部と、
    前記駆動部から前記回動部に向けて延び、前記回動部に固定された線材と、を備え、
    前記駆動部が、前記線材を牽引することで前記回動部を回動させることを特徴とする身体支持装置。
  2. 前記回動部が、扇形状の巻回部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載の身体支持装置。
  3. 前記回動部が、前記回動軸方向に延びる軸部材を更に備え、
    前記巻回部材が、前記軸部材から、前記回動軸に交差する方向に突出していることを特徴とする請求項2に記載の身体支持装置。
  4. 前記線材が、前記巻回部材における前記線材の巻回開始点から前記駆動部に向けて、前記巻回開始点を接点とした前記巻回部材の接線方向に延び、
    前記駆動部が、前記線材を前記巻回開始点から前記接線方向に牽引することを特徴とする請求項2または3に記載の身体支持装置。
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