JP2017223288A - ディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体 - Google Patents

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Abstract

【課題】制動時のノイズを低減できるディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体を提供する。【解決手段】ディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体は、ガイドプレート25に支持された複数のライニング組立体27がディスクロータへ押圧される。ライニング組立体27は、摩擦材45と裏板部33とを備える。ライニング組立体27のプレート嵌合部47がガイド孔部43に挿入装着され、制動トルクがプレート嵌合部47からガイドプレート25に伝達される。ガイドプレート25に固着されたトルク受けプレート17と裏板部33との間には、ライニング組立体27をガイドプレート25側に付勢する弾性機能と、ディスクロータと摩擦材45との接触時に生じる振動を抑制する振動抑制機能と、を兼ね備えたばね部材53が設けられる。【選択図】図3

Description

本発明は、ディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体に関する。
例えば車両、特に鉄道車両のディスクブレーキに用いられるディスクブレーキ装置には、車軸に固定されるディスクロータと、このディスクロータに対峙するトルク受けプレートにライニング部材を組み付けたディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体と、トルク受けプレートをディスクロータに向かって進退駆動するアクチュエータを内蔵して車体フレームに固定されるブレーキキャリパと、を具備したものが知られる。このディスクブレーキ装置では、トルク受けプレートをディスクロータ側に進出させて、ライニング部材がディスクロータへ押圧された時の摺動摩擦によって制動力を発生する。
鉄道車両用のディスクブレーキ装置では、ディスクロータやディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体が大型であるため、ディスクロータに押圧させるライニング部材を一体部品で形成すると、摩擦熱等でディスクロータに発生するうねり等のために非接触の領域が多くなり、安定した摩擦面積を維持できず、安定した制動特性が得られない。
そこで、このような問題を解決するために、ガイドプレートに揺動自在に支持されてディスクロータへ押圧されるライニング組立体が、摩擦材の裏面に固着された裏板部に、外周面がガイドプレートのガイド孔部に旋回自在に嵌合するプレート嵌合部と、ガイド孔部よりも大きな外径の抜け止めフランジ部と、トルク受けプレート側に向って抜け止めフランジ部に隆起形成された曲面凸部とが一体形成され、ディスクロータと摩擦材との接触時に作用する制動トルクをプレート嵌合部からガイドプレートに伝達し、ガイドプレートに固着されたトルク受けプレートと裏板部の背面との間に装着されたばね部材(皿ばね)によってガイドプレート側に付勢された状態に支持された構成のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ところが、従来のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体は、ライニング組立体の拘束力が十分でなく、ライニング組立体が傾く際に振動が誘発され、スキール騒音(ノイズ;所謂ブレーキの鳴き)が発生する可能性があった。
一方、制動時にスキール騒音が生ぜしめられないようにしたブレーキライニングが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
このブレーキライニングは、複数の摩擦エレメント(ライニング組立体)がマスクプレート(ガイドプレート)によって支持プレート(トルク受けプレート)に保持されている。これらの摩擦エレメントは、ライニング支持体(裏板部)と、このライニング支持体に結合された摩擦ライニング(摩擦材)とから成り、制動操作時にブレーキディスク(ディスクロータ)の摩擦面に圧着可能となる。各摩擦エレメントは、支持プレートに接触しており、ライニング支持体と支持プレートとの間には、音響振動の伝播を減少させるために減衰層が配置されている。減衰層は、種々異なる材料の複数の個別層から形成され、金属から成る少なくとも1つの層を備えており、ライニング支持体と支持プレートとに挟持される。そこで、ブレーキライニングは、減衰層によって、1回の制動過程時に生ぜしめられる振動が少なくとも十分に減衰される。これによって、スキール騒音(ノイズ;所謂ブレーキの鳴き)が生ぜしめられないようになっている。
特開2012−141055号公報 特許第5021468号公報
しかしながら、上記した従来の減衰層は、ライニング支持体と支持プレートとに挟持されていなければならない。そこで、ガイドプレート側にライニング組立体を付勢するためにトルク受けプレートと裏板部の背面との間にばね部材が装着される上記ディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体に減衰層を用いた場合には、ブレーキ鳴き防止の効果が十分でなかった。このため、ディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体のブレーキ鳴き防止に対しては更なる改良要請がある。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、制動時のノイズを低減することができるディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体を提供することにある。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 制動トルクを受けるガイドプレートに少なくとも1つ以上のライニング組立体が揺動自在に支持されて、前記ライニング組立体がディスクロータへ押圧されるディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体であって、前記ライニング組立体は、制動時に前記ディスクロータと接触する摩擦材と、前記摩擦材の裏面に固着された裏板部とを有し、かつ前記裏板部には、前記ガイドプレートに設けられたガイド孔部に揺動自在に嵌合するプレート嵌合部を備え、前記プレート嵌合部が前記ガイド孔部に挿入装着され、前記ディスクロータと前記摩擦材との接触時に作用する制動トルクを前記プレート嵌合部から前記ガイドプレートに伝達し、前記ガイドプレートに固着されたトルク受けプレートと前記裏板部との間には、前記ライニング組立体を前記ガイドプレート側に付勢する弾性機能と、前記ディスクロータと前記摩擦材との接触時に生じる振動を抑制する振動抑制機能と、を兼ね備えたばね部材が設けられていることを特徴とするディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体。
上記(1)の構成のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体によれば、トルク受けプレートからの押圧力は、弾性機能と振動抑制機能とを兼ね備えたばね部材を介してライニング組立体へ伝えられる。このため、トルク受けプレートと裏板部との間に設けた上記ばね部材は、トルク受けプレートと裏板部との接触によるノイズの低減に寄与する。即ち、ばね部材は、ライニング組立体をガイドプレート側に付勢することで、ロータ面の熱変形による差異や、摩擦材厚の差異による夫々のライニング組立体に作用する荷重差が、摩擦材の過負荷現象となることを緩和すると共に、ライニング組立体とトルク受けプレートとの間を伝搬する振動を遮断若しくは減少させることにより、ノイズの低減が可能となる。
(2) 前記裏板部の裏面には、前記ばね部材を位置決めするための座ぐり部が形成されていることを特徴とする上記(1)に記載のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体。
上記(2)の構成のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体によれば、座ぐり部によりばね部材を裏板部に対して位置決めできると共に、トルク受けプレートと裏板部との配置間隔が増大することを抑止することができる。そこで、ディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体において、ディスクロータの摺動面と直交する方向の寸法を抑えて薄型化することができる。
また、ガイドプレート、ライニング組立体、ばね部材及びトルク受けプレートが、順次積層して組み立てられる組立手順において、ばね部材が、位置決めされた状態で裏板部に仮保持されるので、組立性が向上する。
(3) 前記裏板部との間に間隙を開けて前記ガイドプレートに固着されたトルク受けプレートの内面と前記裏板部との間には、複数の前記ライニング組立体に跨って配備され、前記トルク受けプレートからの押圧力をこれらのライニング組立体に作用させる複数のリンクプレートが設けられることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体。
上記(3)の構成のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体によれば、トルク受けプレートからの押圧力は、リンクプレートを介してライニング組立体へ伝えられる。そこで、リンクプレートの表面側及び裏面側の少なくとも一方側に設けたばね部材は、リンクプレートとトルク受けプレート又は裏板部との接触によるノイズの低減に寄与する。即ち、ばね部材は、リンクプレートを介してライニング組立体とトルク受けプレートとの間を伝搬する振動を遮断若しくは減少させることにより、ノイズの低減が可能となる。
(4) 前記ばね部材が配置される前記リンクプレートの裏面には、前記ばね部材を位置決めするための座ぐり部が形成されていることを特徴とする上記(3)に記載のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体。
上記(4)の構成のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体によれば、座ぐり部によりばね部材をリンクプレートに対して位置決めできると共に、トルク受けプレートと裏板部との配置間隔が増大することを抑止することができる。そこで、ディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体において、ディスクロータの摺動面と直交する方向の寸法を抑えて薄型化することができる。
また、ガイドプレート、ライニング組立体、ばね部材、リンクプレート及びトルク受けプレートが、順次積層して組み立てられる組立手順において、ばね部材が、位置決めされた状態でリンクプレートに仮保持されるので、組立性が向上する。
(5) 前記ばね部材が配置される前記トルク受けプレートの内面には、前記ばね部材を位置決めするための座ぐり部が形成されていることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか1つに記載のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体。
上記(5)の構成のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体によれば、座ぐり部によりばね部材をトルク受けプレートに対して位置決めできるので、ばね部材が裏板部の裏面からずれてライニング組立体の動きを妨げることがない。また、トルク受けプレートと裏板部との配置間隔が増大することを抑止することができるので、ディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体において、ディスクロータの摺動面と直交する方向の寸法を抑えて薄型化することができる。
(6) 前記ばね部材が、線材をメッシュ状に編みこみ、成形加工したメッシュスプリングの成形品であることを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか1つに記載のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体。
上記(6)の構成のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体によれば、ばね部材が、ステンレス鋼線や樹脂繊維等の線材を例えばメリヤス編みしてメッシュ状に編み込み、所定の形状に成形加工したメッシュスプリングにより構成される。メッシュスプリングは、線材が細部で無数に絡んだ状態であり、面内および面直方向に適切な弾性率を持つと共に、摩擦効果が大きく優れた振動減衰性能を有する。そこで、メッシュスプリングの成形品からなるばね部材は、面直および面内方向の変位(ばね定数)を適切に制御できると共に面直および面内方向の振動を適切に減衰することができ、面内鳴きに対して大きな効果が発揮可能となる。
本発明に係るディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体によれば、制動時のノイズを低減できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
本発明の第1実施形態に係るディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体の正面図である。 図1に示したディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体の背面図である。 図1のIII−III断面図である。 図1に示したディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体の分解斜視図である。 図4に示したトルク受けプレートの内面を表す斜視図である。 図4に示したガイドプレートにライニング組立体とリンクプレートが取り付けられた状態を示す分解斜視図である。 図6に示したリンクプレートにばね部材が載置された状態を示す平面図である。 本発明の第2実施形態に係るディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体の分解斜視図である。 図8に示したディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体の断面図及び要部拡大図である。 本発明の第3実施形態に係るディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体の分解斜視図である。 図10に示したディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体の断面図である。 本発明の第4実施形態に係るディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体の分解斜視図である。 図12に示したばね部材を説明する説明図であり、(a)は部分破断斜視図、(b)は縦断面図、(c)は取付状態の縦断面図である。 図12に示したディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体の断面図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、本発明の第1実施形態に係るディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体11は、鉄道車両用ディスクブレーキ装置に使用されるもので、車軸上の不図示のディスクロータの周方向に、隣接配置される2つの第1摩擦パッド組立て体13と第2摩擦パッド組立て体15とから構成されている。
第1摩擦パッド組立て体13及び第2摩擦パッド組立て体15は、同様の構成を有しており、車軸上のディスクロータに対峙して配置されて車体フレームに固定されたブレーキキャリパに内蔵のアクチュエータによってディスクロータのディスクロータ表面に向かって進退駆動される。
第1摩擦パッド組立て体13及び第2摩擦パッド組立て体15は、図2〜図7に示すように、不図示のブレーキキャリパに内蔵されたアクチュエータによってディスクロータに向かって進退駆動されるトルク受けプレート17と、このトルク受けプレート17のディスクロータ側の内面の上に略平面上に敷設される2種のリンクプレートである第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23と、トルク受けプレート17のディスクロータ側で、トルク受けプレート17に連結固定されるガイドプレート25と、ガイドプレート25に揺動可能に嵌合支持された5個のライニング組立体27と、第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23とトルク受けプレート17との間に設けられたばね部材53とから構成されている。
トルク受けプレート17の外面には、図2に示すように、アンカープレート29がリベット32により固定装備されている。このアンカープレート29が、ブレーキキャリパに内蔵されたアクチュエータに連結されて、第1摩擦パッド組立て体13及び第2摩擦パッド組立て体15のディスクロータへの進退駆動が可能になる。
トルク受けプレート17は、図3に示すライニング組立体27の裏板部33との間に間隙35を開けるため、平板材の周縁部に周壁37を突出形成して裏板部33の背面側を密封する薄皿状に成形されている。そして、トルク受けプレート17は、ライニング組立体27の裏板部33との間に間隙35を開けて、締結部材であるリベット31によりガイドプレート25の外周部に固着される。
第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23は、図6,7に示すように、複数のライニング組立体27に跨って配備されて、トルク受けプレート17からの押圧力をこれらのライニング組立体27に作用させる。第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23の裏面21a,23aには、ばね部材53を位置決めするための座ぐり部24と、トルク受けプレート17の内面17aに向けて第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23の略重心位置に突設された凸部であるプレート当接曲面部41とが形成されている。各座ぐり部24は、周縁に当接してばね部材53をライニング組立体27の裏板部33の中心位置に対応させる円弧状段部24aを有している。各プレート当接曲面部41は、トルク受けプレート17の内面17aに当接して第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23の揺動を許容する。
トルク受けプレート17の第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23の側の面(内面17a)には、図5に示すように、ばね部材53をそれぞれ位置決めするための座ぐり部18が形成されている。座ぐり部18は、ばね部材53の外径よりも若干大きな内径を有する円形凹部である。
ガイドプレート25は、ガイド孔部43が所定の離間間隔で5つ形成されており、それぞれのガイド孔部43には、ライニング組立体27が装着される。
ライニング組立体27は、略円板状に成型された摩擦材45と、この摩擦材45の裏面に固着された裏板部33とから構成されている。裏板部33には、図3に示すように、外周面がガイドプレート25に貫通形成された円形のガイド孔部43に揺動自在に嵌合するプレート嵌合部47と、ガイド孔部43よりも大きな外径の抜け止めフランジ部49とが設けられている。ライニング組立体27は、ディスクロータと摩擦材45との接触時に作用する制動トルクをプレート嵌合部47からガイドプレート25に伝達する。
プレート嵌合部47には、環状の板ばね51が嵌着される。板ばね51の外径は、ガイド孔部43よりも大きく設定されている。プレート嵌合部47に嵌着された板ばね51がガイドプレート25と抜け止めフランジ部49との間に挟まれ、各ライニング組立体27は、ガイドプレート25の裏面側からガイド孔部43に挿入装着されて、ディスクロータと摩擦材45との接触時に作用する制動トルクをプレート嵌合部47からガイドプレート25に伝達する。
ディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体11では、複数個(本実施形態では10個)のライニング組立体27を平面状に敷き並べた形態であるが、ライニング組立体27の抜け止めフランジ部49とガイドプレート25との間に挟まれるように配置された板ばね51が、ライニング組立体27の厚さ方向の寸法公差を吸収するため、ディスクロータに対する各ライニング組立体27の接触性にばらつきが生じることを防止できる。
従って、ライニング組立体27の厚さ方向の寸法公差の影響を受けずに、安定した制動特性を維持することができる。
それぞれのライニング組立体27の裏板部33は、中心に凹曲面形状のリンク当接部59が形成されると共に、中心から離れた位置に図5に示す回り止め用の係合孔61が形成されている。
これに対応して、第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23には、係合孔61に遊嵌してそれぞれのライニング組立体27の回転挙動を規制する回転規制部63が設けられている。回転規制部63は、第1リンクプレート21と第2リンクプレート23の端部に延出した突片が、係合孔側に折り曲げられたものである。
また、第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23には、裏板部33のリンク当接部59に対応して、裏板当接曲面部57が形成される。裏板当接曲面部57は、リンク当接部59が揺動自在に当接する凸湾曲面に形成されている。
図3に示すように、第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23の裏面21a,23a側には、トルク受けプレート17の内面17aとの間に挟持されるばね部材53が設けられている。ばね部材53は、均一な厚みで円形に形成されている。ばね部材53は、トルク受けプレート17の内面17aに形成された座ぐり部18と、第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23の裏面21a,23aに形成された座ぐり部24との間で、圧縮状態にされる。なお、ばね部材53は、例えば接着層(図示略)によってトルク受けプレート17の座ぐり部18に貼着されてもよい。
本第1実施形態において、ばね部材53は、ステンレス鋼線の線材をメリヤス編みしてメッシュ状に編み込み、均一な厚みで円板形状に成形加工したメッシュスプリングの成形品である。メッシュスプリングは、線材が内部で無数に絡んだ状態であり、面内および面直方向に適切な弾性率を持つと共に、摩擦効果が大きく優れた振動減衰性能を有する。勿論、本発明のばね部材は本実施形態のステンレス鋼線をメッシュ状に編み込んで成形したメッシュスプリングの成形品に限定されるものではなく、ブレーキ鳴きを防止できるものであれば亜鉛メッキ鉄線や耐熱性を有する樹脂繊維等の種々の線材をメッシュ状に編み込んで成形したメッシュスプリングの成形品を用いることができる。
次に、第1摩擦パッド組立て体13及び第2摩擦パッド組立て体15の組立手順を第1摩擦パッド組立て体13を例に説明する。
第1摩擦パッド組立て体13を組み立てるには、先ず、図4に示すように、背面を上方に向けてセットされたガイドプレート25のガイド孔部43に、摩擦材45がガイドプレート25の正面側(図4の下側)に突出するようにライニング組立体27が挿入装着される。この際、それぞれのライニング組立体27のプレート嵌合部47には、板ばね51を嵌着しておく。ガイド孔部43にライニング組立体27が挿入されることで、板ばね51は、ガイドプレート25と抜け止めフランジ部49との間に挟まれるようになる。ガイド孔部43に挿入装着されたライニング組立体27は、抜け止めフランジ部49が、板ばね51を介してガイド孔部43の周縁部に当接した状態とされる(図3、参照)。
次に、図6に示すように、裏板当接曲面部57が裏板部33の背面中心のリンク当接部59に対面するようにして、第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23がライニング組立体27の上に載置される。同時に、第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23の回転規制部63が回り止め用の係合孔61に係合される。
これら第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23がライニング組立体27の背面側に装着された状態で、図7に示すように、第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23の座ぐり部24の所定位置には、ばね部材53が載置される。そして、これらばね部材53が第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23に載置された状態で、トルク受けプレート17がガイドプレート25に被せられる。この際、トルク受けプレート17には、アンカープレート29をリベット32によって固定しておく。最後に、ガイドプレート25とトルク受けプレート17の外周部が、相互を貫通するリベット31によって、挟持固定され、ディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体11の組み立てが完了する。
次に、上記した構成の作用を説明する。
本第1実施形態に係るディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体11の第1摩擦パッド組立て体13では、第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23が、トルク受けプレート17からの押圧力を、ライニング組立体27に作用させる。また、第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23の座ぐり部24とトルク受けプレート17の座ぐり部18との間には、ばね部材53が設けられている。即ち、トルク受けプレート17からの押圧力は、プレート当接曲面部41から第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23へ直接伝えられると共に、ばね部材53を介しても第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23へ伝えられる。
このため、第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23は、僅かな揺動が、ばね部材53の厚み方向の変位によって許容される。ディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体11では、小さく分割された各ライニング組立体27が第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23により揺動自在に支持されている。そこで、ライニング組立体27は、それぞれ個別の揺動でディスクロータ表面のうねりに追従して、ディスクロータ表面に接触する。このため、ディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体11は、安定した摩擦面積を維持して、安定した制動特性を維持できる。
また、ディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体11では、ガイドプレート25とトルク受けプレート17とがリベット31による締結によって、一体の筐体構造となる。ライニング組立体27の裏板部33に形成した抜け止めフランジ部49の外径がガイドプレート25のガイド孔部43よりも大きく設定されていて、抜け止めフランジ部49の引っかかりにより、ライニング組立体27はガイドプレート25から脱落しない。このため、振動等で緩みが生じることのない堅牢な筐体構造が得られるとともに、ライニング組立体27がガイドプレート25から脱落することのない高い安全性を安価な構造で得ることができる。
更に、トルク受けプレート17の内面17aと第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23の裏面21a,23aとの間に設けたばね部材53は、第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23とトルク受けプレート17の接触によるノイズの低減に寄与する。即ち、トルク受けプレート17からの押圧力は、弾性機能と振動抑制機能とを兼ね備えたばね部材53を介してライニング組立体27へ伝えられる。このため、トルク受けプレート17と第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23との間に設けた上記ばね部材53は、第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23を介してライニング組立体27とトルク受けプレート17との間を伝搬する振動を遮断若しくは減少させることにより、ノイズの低減が可能となる。更に、ばね部材53は、ライニング組立体27をガイドプレート25側に付勢することで、ロータ面の熱変形による差異や、摩擦材厚の差異による夫々のライニング組立体27に作用する荷重差が、摩擦材45の過負荷現象となることを緩和する。
また、本第1実施形態のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体11では、ばね部材53が、ステンレス鋼線をメリヤス編みしてメッシュ状に編み込み、円形形状に成形加工したメッシュスプリングの成形品である。メッシュスプリングは、線材が細部で無数に絡んだ状態であり、面内および面直方向に適切な弾性率を持つと共に、摩擦効果が大きく優れた振動減衰性能を有する。そこで、メッシュスプリングの成形品からなるばね部材53は、面直および面内方向の変位(ばね定数)を適切に制御できると共に面直および面内方向の振動を適切に減衰することができ、面内鳴きに対して大きな効果が発揮可能となる。
更に、本第1実施形態のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体11では、座ぐり部24によりばね部材53を第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23に対して位置決めできると共に、座ぐり部18によりばね部材53をトルク受けプレート17に対して位置決めできる。
そこで、ばね部材53が裏板部33の裏面からずれてライニング組立体27の動きを妨げることがない。また、トルク受けプレート17と裏板部33との配置間隔が増大することを抑止することができる。従って、ディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体11において、ディスクロータの摺動面と直交する方向の寸法を抑えて薄型化することができる。
また、ガイドプレート25と、ライニング組立体27と、ばね部材53と、第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23と、トルク受けプレート17とが、順次積層して組み立てられる組立手順においては、ばね部材53が、位置決めされた状態で第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23に仮保持されるので、ディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体11の組立性が向上する。
更に、ばね部材53は、トルク受けプレート17の座ぐり部18と、第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23の座ぐり部24との間で圧縮状態にされている。そこで、キャリパに内蔵のアクチュエータによってアンカープレート29がディスクロータ側に移動して摩擦材45がディスクロータに押圧された際、摩擦材45に作用する押圧荷重が設定荷重を超えると、ばね部材53が圧縮されてトルク受けプレート17の内面17aが第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23の裏面に当接する。従って、ばね部材53は、制動時に所定以上の押圧力が作用して永久変形(へたり)を生じることがない。
従って、本第1実施形態に係るディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体11によれば、第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23とトルク受けプレート17の接触に起因する制動時のノイズを低減できる。
次に、本発明に係るディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体の第2実施形態について説明する。
図8は本発明の第2実施形態に係るディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体の分解斜視図、図9は図8に示したディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体の断面図及び要部拡大図である。なお、以下の各実施形態において、図1〜図7に示したディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体11の部材・部位と同一の部材・部位には同一の符号を付し重複する説明は省略する。
図8に示すように、本第2実施形態に係るディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体の第1摩擦パッド組立て体13Aは、上記第1実施形態に係る第1摩擦パッド組立て体13におけるライニング組立体27に代えてライニング組立体27Aが用いられると共に、裏板部33Aとトルク受けプレート17の内面17aとの間にばね部材53が直接挟持されている。
それぞれのライニング組立体27Aの裏板部33Aの裏面には、ばね部材53を位置決めするための座ぐり部34が形成されている。座ぐり部34は、ばね部材53の外径よりも若干大きな内径を有する円形凹部である。
図9に示すように、ばね部材53は、トルク受けプレート17の内面17aに形成された座ぐり部18と、裏板部33Aの裏面に形成された座ぐり部34との間で、圧縮状態にされる。即ち、トルク受けプレート17とライニング組立体27Aとの間に直接挟持されたばね部材53は、厚さtに弾性圧縮されており、トルク受けプレート17の内面17aと裏板部33Aの裏面との間には間隙sが形成されている。
この第1摩擦パッド組立て体13Aによれば、トルク受けプレート17からの押圧力は、弾性機能と振動抑制機能とを兼ね備えたばね部材53を介してライニング組立体27Aへ伝えられる。このため、トルク受けプレート17と裏板部33Aとの間に設けた上記ばね部材53は、トルク受けプレート17と裏板部33Aとの接触によるノイズの低減に寄与する。即ち、ばね部材53は、ライニング組立体27Aをガイドプレート25側に付勢することで、ロータ面の熱変形による差異や、摩擦材厚の差異による夫々のライニング組立体27Aに作用する荷重差が、摩擦材45の過負荷現象となることを緩和すると共に、ライニング組立体27Aとトルク受けプレート17との間を伝搬する振動を遮断若しくは減少させることにより、ノイズの低減が可能となる。
更に、第1摩擦パッド組立て体13Aでは、座ぐり部34によりばね部材53を裏板部33Aに対して位置決めできると共に、座ぐり部18によりばね部材53をトルク受けプレート17に対して位置決めできる。
そこで、ばね部材53が裏板部33Aの裏面からずれてライニング組立体27Aの動きを妨げることがない。また、トルク受けプレート17と裏板部33Aとの配置間隔が増大することを抑止することができる。従って、第1摩擦パッド組立て体13Aにおいて、ディスクロータの摺動面と直交する方向の寸法を抑えて薄型化することができる。
また、ガイドプレート25と、ライニング組立体27Aと、ばね部材53と、トルク受けプレート17とが、順次積層して組み立てられる組立手順においては、ばね部材53が、位置決めされた状態でライニング組立体27Aの裏板部33Aに仮保持されるので、第1摩擦パッド組立て体13Aの組立性が向上する。
更に、ばね部材53は、トルク受けプレート17の座ぐり部18と、裏板部33Aの座ぐり部34との間で圧縮状態にされている。そこで、キャリパに内蔵のアクチュエータによってアンカープレート29がディスクロータ側に移動して摩擦材45がディスクロータに押圧された際、摩擦材45に作用する押圧荷重が設定荷重を超えると、ばね部材53が圧縮されて間隙sがなくなり、トルク受けプレート17の内面17aが裏板部33Aの裏面に当接する。従って、ばね部材53は、制動時に所定以上の押圧力が作用して永久変形(へたり)を生じることがない。
従って、本第2実施形態に係る第1摩擦パッド組立て体13Aは、上記第1実施形態に係るディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体11における第1摩擦パッド組立て体13と同様に、裏板部33Aとトルク受けプレート17の接触に起因する制動時のノイズを低減できる。
次に、本発明に係るディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体の第3実施形態について説明する。
図10は本発明の第3実施形態に係るディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体の分解斜視図、図11は図10に示したディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体の断面図である。
図10に示すように、本第3実施形態に係るディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体の第1摩擦パッド組立て体13Bは、上記第2実施形態に係る第1摩擦パッド組立て体13Aにおけるライニング組立体27Aに代えてライニング組立体27Bが用いられると共に、トルク受けプレート17に代えてトルク受けプレート17Bが用いられており、ライニング組立体27Bとトルク受けプレート17Bの内面17aとの間にばね部材62が直接挟持されている。
ライニング組立体27Bは、略円板状に成型された摩擦材45と、この摩擦材45の裏面に固着された裏板部33Bと、裏板部裏面(摩擦材45と反対側の面)に配置される嵌着板(ジョイント)82と、から構成されている。
裏板部33Bの背面には、円形凹状の収容凹部36が形成される。収容凹部36には、嵌着板82と、ばね部材62とが収容される。嵌着板82は、金属からなり、円形板状に形成される。嵌着板82には、裏板部33Bに比べ、熱伝導率の小さい金属が使用される。嵌着板82の中心には、トルク受けプレート17Bに当接する当接曲面部84が円形凸曲面となって突出して形成され、当接曲面部84の周囲にはばね部材62が当接する円環状のバネ座面が形成される。
そこで、収容凹部36に収容された嵌着板82のバネ座面にはばね部材62がセットされる。本実施形態のばね部材62は、外径が嵌着板82のバネ座面の外径よりも小さく、内孔62aの内径が当接曲面部84の外径よりも大きく設定されている円環状に形成されたメッシュスプリングの成形品である。そこで、ばね部材62は、嵌着板82のバネ座面とトルク受けプレート17Bの内面17aとの間に圧縮状態にされる。当接曲面部84は、制動時、ばね部材62が圧縮されることでトルク受けプレート17Bに当接する。
この第1摩擦パッド組立て体13Bによれば、トルク受けプレート17Bからの押圧力は、弾性機能と振動抑制機能とを兼ね備えたばね部材62を介してライニング組立体27Bへ伝えられる。このため、トルク受けプレート17Bと裏板部33Bとの間に嵌着板82を介して設けた上記ばね部材62は、トルク受けプレート17Bと裏板部33Bとの接触によるノイズの低減に寄与する。即ち、ばね部材62は、ライニング組立体27Bをガイドプレート25側に付勢することで、ロータ面の熱変形による差異や、摩擦材厚の差異による夫々のライニング組立体27Bに作用する荷重差が、摩擦材45の過負荷現象となることを緩和すると共に、ライニング組立体27Bとトルク受けプレート17Bとの間を伝搬する振動を遮断若しくは減少させることにより、ノイズの低減が可能となる。
また、ガイドプレート25と、ライニング組立体27Bと、嵌着板82と、ばね部材62と、トルク受けプレート17Bとが、順次積層して組み立てられる組立手順においては、ばね部材62が、位置決めされた状態で嵌着板82に仮保持されるので、第1摩擦パッド組立て体13Bの組立性が向上する。
更に、ばね部材62は、トルク受けプレート17の内面17aと、裏板部33Bの収容凹部36に収容された嵌着板82との間で圧縮状態にされている。そこで、キャリパに内蔵のアクチュエータによってアンカープレート29がディスクロータ側に移動して摩擦材45がディスクロータに押圧された際、摩擦材45に作用する押圧荷重が設定荷重を超えると、ばね部材62が圧縮されて裏板部33Bに固定された嵌着板82の当接曲面部84がばね部材62の内孔62aから突出してトルク受けプレート17に当接するとともに、当接曲面部84によってライニング組立体27Bの傾きが許容される。
当接曲面部84が当接するトルク受けプレート17の内面17aは、ライニング組立体27Bの揺動動作時に、揺動動作に伴って接点が自由に移動できるように、平滑面に仕上げられている。
従って、本第3実施形態に係る第1摩擦パッド組立て体13Bは、上記第1実施形態に係るディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体11における第1摩擦パッド組立て体13と同様に、裏板部33Bとトルク受けプレート17の接触に起因する制動時のノイズを低減できる。
次に、本発明に係るディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体の第4実施形態について説明する。
図12は本発明の第4実施形態に係るディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体の分解斜視図である。図13は図12に示したばね部材を説明する説明図であり、(a)は部分破断斜視図、(b)は縦断面図、(c)は取付状態の縦断面図である。図14は図12に示したディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体の断面図である。
図12に示すように、本第4実施形態に係るディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体の第1摩擦パッド組立て体13Cは、上記第2実施形態に係る第1摩擦パッド組立て体13Aにおけるトルク受けプレート17に代えてトルク受けプレート17Bが用いられると共に、ばね部材53に代えてばね部材91が用いられている。
それぞれのライニング組立体27Aの裏板部33Aの裏面には、ばね部材91を位置決めするための座ぐり部34が形成されている。座ぐり部34は、ばね部材91の外径よりも若干大きな内径を有する円形凹部である。
図13の(a),(b)に示すように、本第4実施形態に係るばね部材91は、偏平な円錐面状の皿ばね部97と、皿ばね部97の上下端部に設けられた小径円筒部93及び大径円筒部95とを備えた金属製のとつばねである。
とつばねは、図13の(c)に示すように、皿ばね部97の上下端部に設けた小径円筒部93及び大径円筒部95が、皿ばね部97の変形を吸収する。そこで、とつばねは、皿ばね特有の非線形の荷重・たわみ特性を確保しながら、上端部94及び下端部96が取付面に対して動かないので、摩擦の影響を受けない。その結果、とつばねは、動ばね定数を小さく設定でき、面内および面直方向に適切な弾性率を持つと共に、高周波帯域の振動伝達を小さくできる優れた振動減衰性能を有する。
図14に示すように、ばね部材91は、トルク受けプレート17Bの内面17aと、裏板部33Aの裏面に形成された座ぐり部34との間で、圧縮状態にされる。
この第4摩擦パッド組立て体13Cによれば、トルク受けプレート17からの押圧力は、弾性機能と振動抑制機能とを兼ね備えたばね部材91を介してライニング組立体27Aへ伝えられる。このため、トルク受けプレート17Bと裏板部33Aとの間に設けた上記ばね部材91は、トルク受けプレート17Bと裏板部33Aとの接触によるノイズの低減に寄与する。即ち、ばね部材91は、ライニング組立体27Aをガイドプレート25側に付勢することで、ロータ面の熱変形による差異や、摩擦材厚の差異による夫々のライニング組立体27Aに作用する荷重差が、摩擦材45の過負荷現象となることを緩和すると共に、ライニング組立体27Aとトルク受けプレート17Bとの間を伝搬する振動を遮断若しくは減少させることにより、ノイズの低減が可能となる。
更に、第1摩擦パッド組立て体13Cでは、座ぐり部34によりばね部材91を裏板部33Aに対して位置決めできる。
そこで、ばね部材91が裏板部33Aの裏面からずれてライニング組立体27Aの動きを妨げることがない。また、ガイドプレート25と、ライニング組立体27Aと、ばね部材91と、トルク受けプレート17Bとが、順次積層して組み立てられる組立手順においては、ばね部材91が、位置決めされた状態でライニング組立体27Aの裏板部33Aに仮保持されるので、第1摩擦パッド組立て体13Cの組立性が向上する。
更に、ばね部材91は、トルク受けプレート17の内面17aと、裏板部33Aの座ぐり部34との間で圧縮状態にされている。そこで、キャリパに内蔵のアクチュエータによってアンカープレート29がディスクロータ側に移動して摩擦材45がディスクロータに押圧された際、摩擦材45に作用する押圧荷重が設定荷重を超えると、ばね部材91が圧縮されて、トルク受けプレート17Bの内面17aが裏板部33Aの裏面に当接する。従って、ばね部材91は、制動時に所定以上の押圧力が作用して永久変形(へたり)を生じることがない。
従って、本第4実施形態に係る第1摩擦パッド組立て体13Cは、上記第1実施形態に係るディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体11における第1摩擦パッド組立て体13と同様に、裏板部33Aとトルク受けプレート17Bの接触に起因する制動時のノイズを低減できる。
なお、本発明のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体は、前述した実施形態に限定されるものでなく、本発明の趣旨に基いて適宜な変形、改良等が可能である。
例えば、1つのディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体を複数の単位摩擦パッド組立て体から構成する場合に、構成する単位摩擦パッド組立て体の数量は、1つ又は3つ以上としても良い。
また、ばね部材も上記実施形態のメッシュスプリングやとつばねに限定されるものではなく、ライニング組立体をガイドプレート側に付勢する弾性機能と、ディスクロータと摩擦材との接触時に生じる振動を抑制する振動抑制機能と、を兼ね備えたものであれば種々の形態を採りうることは云うまでもない。
11…ディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体
17…トルク受けプレート
17a…内面
21…第1リンクプレート(リンクプレート)
21a…裏面
23…第2リンクプレート(リンクプレート)
23a…裏面
25…ガイドプレート
27…ライニング組立体
33…裏板部
43…ガイド孔部
45…摩擦材
47…プレート嵌合部
53…ばね部材

Claims (6)

  1. 制動トルクを受けるガイドプレートに少なくとも1つ以上のライニング組立体が揺動自在に支持されて、前記ライニング組立体がディスクロータへ押圧されるディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体であって、
    前記ライニング組立体は、
    制動時に前記ディスクロータと接触する摩擦材と、前記摩擦材の裏面に固着された裏板部とを有し、かつ前記裏板部には、前記ガイドプレートに設けられたガイド孔部に揺動自在に嵌合されるプレート嵌合部を備え、
    前記プレート嵌合部が前記ガイド孔部に挿入装着され、前記ディスクロータと前記摩擦材との接触時に作用する制動トルクを前記プレート嵌合部から前記ガイドプレートに伝達し、
    前記ガイドプレートに固着されたトルク受けプレートと前記裏板部との間には、前記ライニング組立体を前記ガイドプレート側に付勢する弾性機能と、前記ディスクロータと前記摩擦材との接触時に生じる振動を抑制する振動抑制機能と、を兼ね備えたばね部材が設けられていることを特徴とするディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体。
  2. 前記裏板部の裏面には、前記ばね部材を位置決めするための座ぐり部が形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体。
  3. 前記裏板部との間に間隙を開けて前記ガイドプレートに固着されたトルク受けプレートの内面と前記裏板部との間には、複数の前記ライニング組立体に跨って配備され、前記トルク受けプレートからの押圧力をこれらのライニング組立体に作用させる複数のリンクプレートが設けられる
    ことを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体。
  4. 前記ばね部材が配置される前記リンクプレートの裏面には、前記ばね部材を位置決めするための座ぐり部が形成されている
    ことを特徴とする請求項3に記載のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体。
  5. 前記ばね部材が配置される前記トルク受けプレートの内面には、前記ばね部材を位置決めするための座ぐり部が形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体。
  6. 前記ばね部材が、線材をメッシュ状に編みこみ、成形加工したメッシュスプリングの成形品である
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体。
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