JP2017222153A - ドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

ドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルム Download PDF

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慎也 川原
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維允 鈴木
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希 横山
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Takuji Higashioji
卓司 東大路
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Abstract

【課題】逆テーパー構造を抑制しレジストの高解像度を達成できるドライフィルムレジスト支持体用ポリエステルフィルムを提供する【解決手段】2層以上の積層フィルムからなり、少なくとも1層にラジカル捕捉剤を含有するドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、ドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルムに関する。
近年、プリント配線基板、半導体パッケージ、フレキシブル基板などの製造方法として、ドライフィルムレジスト(以下、DFRと略記することがある)が多く用いられるようになっている。
従来のDFRは感光層(フォトレジスト層)が、支持体としてのポリエステルフィルムとLDPE(低密度ポリエチレン)フィルムなどからなる保護フィルム(カバーフィルム)との間に挟まれたサンドイッチ構造をしている。このDFRを用いて導体回路を作製するには、一般に次のような操作が行われる。
すなわち、DFRから保護フィルムを剥離し、露出したレジスト層の表面と、基板上の例えば銅箔などの導電性基材層の表面とが密着するように、基板・導電性基材層とラミネートする。次に焼き付けたい導体回路パターンを書き込んだレクチル(遮光材)を、ポリエステルフィルムからなる支持体上に置き、その上から感光性樹脂を主体としたレジスト層に紫外線(例えば365nmにピークを有するI線)を照射して露光させる。その後、レクチルおよびポリエステルフィルムを剥離し、溶剤によってレジスト層中の未反応分を溶解、除去する。次いで、酸などでエッチングを行い、導電性基材層中の露出した部分を溶解、除去する。この結果、レクチル(遮光材)で覆われていた部分のレジスト層は光反応が進行せずに除去され、レクチル(遮光材)で覆われていなかったレジスト層中の光反応部分とこの光反応部分に対応する導電性基材層部分がそのまま残ることになる。その後、残ったレジスト層を除去すれば基板上の導体回路が形成されることになる。
このような方法により半導体回路が形成されるので、支持体としてポリエステルフィルムには、レクチルに焼き付けられた回路パターンを正確にレジスト層に反映させることが要求される。しかしながら、ポリエステルフィルムには、通常、走行性や巻き特性を付与するために易滑材としての粒子を含有させているため、露光工程時の紫外線照射の際、粒子による光散乱が引き起こされ、レジストの解像度を低下させてしまうという問題がある。
そこで、上記の課題を解決するためフィルムのヘイズ値を低くすること(例えば、特許文献1、2)が提案されている。
特開平7−333853号公報 特開2001−264971号公報
前記した特許文献1、2の記載の方法では粒子による光散乱の抑制には一定の効果がある。しかしながら、本発明者らが鋭意検討したところ、ポリエステルフィルムのヘイズ値を低くして紫外線を透過させた場合、露光工程の際に、レジストの深さ方向に光量の差が生じるため、レジストの光源側(すなわちポリエステルフィルム側)の光硬化反応が、レジストの光源側とは反対側(すなわち基板側)の光硬化反応に比べて過度に進行すること、そして、このようなレジストをエッジングして未反応分を除去すると、残るレジストが逆テーパー構造となってしまい解像度を低下させてしまうという課題があることを見出した(図2参照)。本発明は上記事情に鑑み、逆テーパー構造を抑制し、レジストの高解像度を達成できるドライフィルムレジスト支持体用ポリエステルフィルムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を取る。すなわち、
[I]2層以上の積層フィルムからなり、少なくとも1層にラジカル捕捉剤を含有するドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルム。
[II]少なくとも一方の最表層がラジカル捕捉剤を含有する[I]に記載のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルム。
[III]3層の積層フィルムからなり、前記ラジカル捕捉剤を含有する最表層の水との接触角が73〜100度である[II]に記載のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルム。
[IV]前記ラジカル捕捉剤の含有量が、ラジカル捕捉剤を含有する層に対して0.01〜2重量%である[I]〜[III]のいずれかに記載のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルム。
[V]前記ラジカル捕捉剤がフェノール系化合物である[I]〜[IV]のいずれかに記載のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルム。
[VI]フィルム両表面の平均表面粗さRaが0.1〜10nmであり、かつ、フィルム両表面の十点平均粗さRzが30〜500nmである[I]〜[V]のいずれかに記載のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルム。
[VII]一方の表面の十点平均粗さRzが30〜100nmであり、もう一方の表面の十点平均粗さRzが100〜500nmである[VI]に記載のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルム。
[VIII]ヘイズが0.1〜2%である[I]〜[VII]のいずれかに記載のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルム。
[IX]ラジカル捕捉剤を含有する層が感光性樹脂と接するように用いられる[II]〜[VIII]のいずれかに記載のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルム。
本発明によれば、逆テーパー構造を抑制し、レジストの高解像度を達成できるドライフィルムレジスト支持体用ポリエステルフィルムを提供できる。
DFRの露光工程を示す模式図である。 逆テーパー構造を示す模式図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で言うポリエステルはジカルボン酸構成成分とジオール構成成分を重縮合してなるものである。なお、本明細書内において、構成成分とはポリエステルを加水分解することで得ることが可能な最小単位のことを示す。
かかるポリエステルを構成するジカルボン酸構成成分としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、エイコサンジオン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸等の脂肪族ジカルボン酸類、アダマンタンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、イソソルビド、シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、などの脂環族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フェニルエンダンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸、9,9’−ビス(4−カルボキシフェニル)フルオレン酸等芳香族ジカルボン酸などのジカルボン酸、もしくはそのエステル誘導体が挙げられる。
また、かかるポリエステルを構成するジオール構成成分としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール等の脂肪族ジオール類、シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、イソソルビドなどの脂環式ジオール類、ビスフェノールA、1,3―ベンゼンジメタノール,1,4−ベンセンジメタノール、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、芳香族ジオール類等のジオール、上述のジオールが複数個連なったものなどが例としてあげられる。
本発明のポリエステルには、ラウリルアルコールやイソシアン酸フェニル等の単官能化合物が共重合されていてもよいし、トリメリット酸、ピロメリット酸、グリセロール、ペンタエリスリトールおよび2,4−ジオキシ安息香酸等の3官能化合物などが、過度に分枝や架橋をせずポリマーが実質的に線状である範囲内で共重合されていてもよい。さらに酸成分とジオール成分以外に、p−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸および2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸、およびp−アミノフェノールやp−アミノ安息香酸などを、本発明の効果が損なわれない程度の少量であればさらに共重合させることができる。ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートが好ましく用いられる。また、ポリエステルはこれらの共重合体、変性体でもよい。結晶性の観点からポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートが主成分であることが好ましく、特に90%以上がポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートであることが好ましい。
本発明のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルムは、2層以上の積層フィルムからなり、少なくとも1層にラジカル捕捉剤を含有する必要がある。好ましくは3層以上の積層フィルムからなり、少なくとも一方の最表層がラジカル捕捉剤を含有する。また、ドライフィルムレジスト支持体として用いる際に、ラジカル捕捉剤を含有する層が感光性樹脂と接するように用いられることが更に好ましい。本発明のポリエステルフィルムは、例えば、各層を構成する原料をそれぞれ異なる押出機に投入し溶融してから合流させて、口金から冷却したキャストドラム上に共押出してシート状に加工する方法(共押出法)や、ポリエステルフィルムを単独で製膜した後に、溶媒中に溶解あるいは分散させた原料をロールコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、ダイコーティング法およびグラビアロールコーティング法等によって塗布した後、溶媒を乾燥させることでコート層を形成する方法(コーティング法)により得ることができる。ラジカル捕捉剤を含有する層を共押出法により作製する場合、各層を構成する原料とラジカル補足剤とベント式二軸混練押出機やタンデム型押出機を用いて溶融混練してマスターペレットを作製し、それを他の原料と混合して用いる方法が好ましく用いられる。また、ラジカル捕捉剤を含有する層をコーティング法により作製する場合、コート層を構成する原料とともにラジカル補足剤を溶解あるいは分散させた溶媒を、上記の方法で塗布した後、溶媒を乾燥させてコート層を形成させる方法が好ましく用いられる。なお、コート層を構成する樹脂としては、特に制限されないが、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、オキサゾリン樹脂などを挙げることができる。
レジストは、露光工程では、光ラジカル重合を主たる反応として光硬化反応が進行する。驚くべきことに、ドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルムにラジカル捕捉剤が含有することで、露光工程の際、レジストの光源側(すなわちポリエステルフィルム側)に発生するレジストの過度な光ラジカル重合による光硬化反応を抑制し、逆テーパー構造を抑制することができる。また、少なくともいずれかの最表層がラジカル捕捉剤を含有し、該層が感光性樹脂層と接するように用いることでより効果的にラジカル重合を抑制することができる。この効果が得られる理由はまだ完全に明らかになっていないが、レジストがもっとも多い光量を受けるのは光源側であるドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルムと接する側であり、ドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルムの表面にラジカル捕捉剤が存在あるいは留出することで、レジストの光源側(すなわちポリエステルフィルム側)に発生するレジストの過度な光ラジカル重合による光硬化反応を効果的に抑制できているものと考えている。
本発明のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルムは、前記ラジカル捕捉剤を、ラジカル捕捉剤を含有する層に対して0.01〜2重量%含有することが好ましい。より好ましくは0.1〜1重量%である。ラジカル捕捉剤の含有量が0.01重量%よりも少ないとレジストの光源側(ポリエステルフィルム側)に発生する光硬化反応の抑制が不十分となる場合があり、また、2重量%を超えるとブリードアウトが発生し成形性が低下することがある。なお、本発明においてラジカル捕捉剤の含有量は、ラジカル補足剤の添加量として求める。
本発明でいうラジカル捕捉剤は、活性ラジカルを失活させる作用をもつ化合物であり、有機リン系化合物、イオウ系化合物、フェノール系化合物等が挙げられる。
有機リン系化合物としては、ホスファイト系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合物、ホスフィン系化合物が挙げられる。
ホスファイト系化合物としては、具体的には、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(シクロヘキシルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン、4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4′−イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホスファイト)、4,4′−イソプロピリデン−ビス(ジフェニルモノアルキル(C12〜C15)ホスファイト)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−トリデシルホスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(イソデシルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(ノニルフェニルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジメチルフェニルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト)、2,2'-ビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノキシ)-5,5'-スピロビ[1,3,2-ジオキサホスホリナン]が挙げられる。
亜ホスホン酸系化合物としては、メチル亜ホスホン酸、エチル亜ホスホン酸、プロピル亜ホスホン酸、イソプロピル亜ホスホン酸、ブチル亜ホスホン酸、フェニル亜ホスホン酸等が挙げられる。
亜ホスフィン酸系化合物としては、メチル亜ホスフィン酸、エチル亜ホスフィン酸、プロピル亜ホスフィン酸、イソプロピル亜ホスフィン酸、ブチル亜ホスフィン酸、フェニル亜ホスフィン酸、ジメチル亜ホスフィン酸、ジエチル亜ホスフィン酸、ジプロピル亜ホスフィン酸、ジイソプロピル亜ホスフィン酸、ジブチル亜ホスフィン酸、ジフェニル亜ホスフィン酸等が挙げられる。
ホスフィン系化合物としては、メチルホスフィン、ジメチルホスフィン、トリメチルホスフィン、メエルホスフィン、ジエチルホスフィン、トリエチルホスフィン、フェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン等が挙げられる。
イオウ系化合物としては、具体的にはジラウリル3,3′−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3′−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3′−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロピオネート)、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンが挙げられる。
フェノール系化合物としては、具体的にはトリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート] 、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2, 2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウム、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9-ビス[2-{3-(3 -t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンが挙げられる。
本発明のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルムが含有するラジカル捕捉剤はフェノール系化合物であることが、ラジカル捕捉能と逆テーパー構造形成の抑制の観点から好ましい。
上述したラジカル捕捉剤をポリエステルフィルムに含有せしめる方法としては、ポリエステル重合時やポリエステル樹脂組成物と溶融混練する方法、ポリエステル樹脂組成物と溶媒中で混合させる方法などが挙げられる。熱劣化の観点からポリエステル重合時に添加する方法が好ましい。
また、本発明のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルムは、ラジカル捕捉剤を含有する最表層の水との接触角が73〜100度であることが好ましい。水との接触角を上記の範囲とすることでフィルムとレジストの親和性が向上し、ラジカル捕捉剤が効率的に活性ラジカルを捕捉することができる。水との接触角が73よりも小さいとレジストの光源側に発生する光硬化反応の抑制が不十分となる場合があり、また、100度を超えると光硬化自体が十分に進まず、パターンの欠けやはがれが発生する場合がある。水の接触角は80〜90度であることがより好ましい。水との接触角を上記の範囲とするためには、ポリエステル中に疎水性の高い化合物を含有させること、プラズマガスによる表面処理を行うことなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルムはフィルム両面の平均表面粗さRaが0.1〜10nmであり、かつ、十点平均粗さRzが30〜500nmであることが好ましい。Raが0.1nmよりも小さい、またはRzが30nmよりも小さいと平滑になりすぎて、ポリエステルの製膜の際、特に製膜後のスリッターによるスリット工程で、フィルムを所定の幅にスリットしロール状に巻き製品化する際にしわが入りすぎ、ロール状に巻けなくなる場合がある。また、Raが10nmよりも大きい、またはRzが500nmよりも大きいと表面が粗くなり、露光工程時の光散乱が大きくなるため紫外線の透過率を低下させる場合がある。また、一方の表面の十点平均粗さRzが30〜100nmであることがより好ましく、もう一方の表面の十点平均粗さRzが100〜500nmであると、フィルムの搬送性、およびレジストの光源側に発生する光硬化反応の抑制に優れるため好ましい。なお、Rzが30〜100nmである表面を有する層がラジカル捕捉剤を含有する層であると、レジストの光源側に発生する光硬化反応の抑制に優れるため更に好ましい。
また、本発明のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルムはヘイズが0.1〜2%であることが好ましい。より好ましくは0.1〜1.0%である。
Ra、Rz、ヘイズを上記の範囲とするためには、フィルムに含有する有機、無機の粒子の粒径や形状の制御、または、粒子の表面処理によって分散状態を制御する手段が挙げられるが、これに限定されない。
次に、本発明のポリエステルフィルムの製造方法について一例を挙げて説明するが、本発明は、かかる例によって得られる物のみに限定して解釈されるものではない。
本発明に用いられるポリエステルを得る方法としては、常法による重合方法が採用できる。例えば、テレフタル酸等のジカルボン酸成分またはそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコール等のジオール成分またはそのエステル形成性誘導体とを公知の方法でエステル交換反応あるいはエステル化反応させた後、溶融重合反応を行うことによって得ることができる。また、必要に応じ、溶融重合反応で得られたポリエステルを、ポリエステルの融点温度以下にて、固相重合反応を行っても良い。
本発明のポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂組成物に粒子を含有させる手法としては、ポリエステルフィルムを製造する任意の段階において、従来公知の方法を用いることができる。例えば、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステルの原料とを混合しエステル化反応あるいはエステル交換反応を行ってもよく、エステル化あるいはエステル交換反応終了後にエチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーを添加してもよい。また、ポリエステルフィルムを構成するポリエステル原料と粒子とを溶融混練機を用いて溶融混練せしめても良い。中でもポリエステルフィルムを構成するポリエステル原料と粒子とを溶融混練せしめる手段が好ましい。また、ポリエステルフィルムを構成するポリエステルと同一のポリエステルに、予め高濃度で粒子を溶融混練せしめたマスターバッチを作製し、必要に応じて希釈するマスターバッチ法も好ましく用いられる。
一般的に、有機粒子は、化合物同士が凝集し、フィルム中に均一に分散させることが困難となる。そのため、粒子として有機粒子を用いる場合は、予め有機粒子を溶融混練せしめたマスターバッチを作製し、さらにそのマスターバッチを用いて、フィルムを構成するポリエステルと溶融混練せしめることにより、該有機粒子をフィルム中により均一に分散させることができるため好ましい。
本発明のポリエステルフィルムは、従来公知の製造方法で得ることが出来るが、延伸、熱処理工程を以下の条件で製造することにより、RaとRzを容易に上述の範囲とできるため好ましい。
本発明のポリエステルフィルムは、必要に応じて乾燥した原料を押出機内で加熱溶融し、口金から冷却したキャストドラム上に押し出してシート状に加工する方法(溶融キャスト法)を使用することができる。その他の方法として、原料を溶媒に溶解させ、その溶液を口金からキャストドラム、エンドレスベルト等の支持体上に押し出して膜状とし、次いでかかる膜層から溶媒を乾燥除去させてシート状に加工する方法(溶液キャスト法)等も使用することができる。
2層以上の積層ポリエステルフィルムを溶融キャスト法により製造する場合、積層ポリエステルフィルムを構成する層毎に押出機を用い、各層の原料を溶融せしめ、これらを押出装置と口金の間に設けられた合流装置にて溶融状態で積層したのち口金に導き、口金からキャストドラム上に押し出してシート状に加工する方法が好適に用いられる。該積層シートは、表面温度10℃以上40℃以下に冷却されたドラム上で静電気により密着冷却固化し、未延伸シートを作製する、もしくはこの未延伸シートをさらに二軸延伸する事により本発明のポリエステルフィルムを得ることができる。
押出機での溶融押出する際は、窒素雰囲気下で溶融させ、押出機へのチップ供給から、口金で押出されるまでの時間は短い程良く、目安としては30分以下、より好ましくは15分以下、更に好ましくは5分以下とすることが、末端カルボキシル基量増加抑制の点から、また複数種のポリエステル原料を用いる場合は、押出機内でのエステル交換反応によってポリエステルが共重合化するのを抑制する観点から好ましい。本発明のポリエステルフィルムを構成する樹脂の末端カルボキシル基量は、耐湿熱性を向上させる観点から、15eq./t(当量/t)以下であることが好ましい。押出機で溶融押出する際の押出機の温度は、末端カルボキシル基量の増加を抑制の観点から、また複数種のポリエステル原料を用いる場合は、押出機内でのエステル交換反応によってポリエステルが共重合化するのを抑制する観点から、好ましくは300℃未満、より好ましくは290℃未満である。
上記得られた未延伸シートは、(i)の条件にて2軸延伸する。
(i)下記(a)式を満たす温度T1nにて、フィルムの長手方向(MD)とフィルムの幅方向(TD)に面積倍率6倍以上に二軸延伸する。
(a)Tg≦T1n≦Tg+30℃
Tg:主たる構成成分であるポリエステル樹脂のガラス転移温度(℃)
二軸延伸する方法としては、フィルムの長手方向(MD)とフィルムの幅方向(フィルムの長手方向に垂直な方向、TD)の延伸とを分離して行う逐次二軸延伸方法の他に、長手方向と幅方向の延伸を同時に行う同時二軸延伸方法が挙げられる。
延伸温度(T1n)がTg以下である場合、延伸することができない。また、T1nが上記の範囲である場合、ポリエステルフィルムを構成する樹脂に配向を付与することが可能となる。
次に、得られた二軸延伸フィルムの結晶配向を完了させて、平面性と寸法安定性を付与するために、Tg以上、主たる構成成分であるポリエステル樹脂の融点未満の温度で1秒間以上30秒間以下の熱処理を行ない、均一に徐冷後、室温まで冷却することによって、本発明のポリエステルフィルムが得られる。
[特性の評価方法]
A.平均表面粗さ(Ra)、十点平均粗さ(Rz)
触針法の高精細微細形状測定器(3次元表面粗さ計)を用いてJIS−B0601(1994年)に準拠して、下記条件にてポリエステルフィルムの表面形態を測定した。
・測定装置 :3次元微細形状測定器(型式ET−4000A)(株)小坂研究所製
・解析機器 :3次元表面粗さ解析システム(型式TDA−31)
・触針 :先端半径0.2μmR、ダイヤモンド製
・針圧 :50μN
・測定方向 :フィルム長手方向、フィルム幅方向を各1回測定後平均
・X測定長さ:380μm
・X送り速さ:0.1mm/s(測定速度)
・Y測定長さ:280μm
・Y送りピッチ:5μm(測定間隔)
・Z倍率 :100,000(縦倍率)
・低域カットオフ:0.08mm(うねりカットオフ値)
・高域カットオフ:無し(粗さカットオフ値)
・フィルタ方式:ガウシアンライン型
・レベリング:あり(傾斜補正)。
B.ヘイズ
一辺が5cmの正方形状のフィルムサンプルを3点(3個)準備する。次にサンプルを常態(23℃、相対湿度50%)において、40時間放置する。それぞれのサンプルを日本電色工業(株)製濁度計「NDH5000」を用いて、JIS「透明材料のヘイズの求め方」(K7136 2000年版)に準ずる方式で実施する。それぞれの3点(3個)のヘイズの値を平均して、フィルムのヘイズの値とする。
C.水との接触角(度)
接触角計CA−D型(協和界面科学株式会社製)を用い、JIS R 3257(1999)に準じて測定を行った。積層フィルムを室温23℃相対湿度60%の雰囲気に24時間放置する。その後、同雰囲気下で測定面に対して純水の接触角を、5点測定し、5点の測定値の最大値と最小値を除いた3点の平均値を接触角とした。
D.レジストの解像度の目視検査、レジスト形状の評価
ドライレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルムによるレジストの解像度の目視評価方法とレジスト形状の評価方法は、以下のような手順で行った。
(a)片面鏡面研磨した6インチSiウエハー上に、東京応化(株)製のネガレジスト“PMERN−HC600”を塗布し、大型スピナーで回転させることによって厚み7μmのレジスト層を作製した。次いで、窒素循環の通風オーブンを用いて70℃の温度条件で、約20分間の前熱処理を行った。
(b)ポリエステルフィルムをレジスト層と接触するように重ね、ゴム製のローラーを用いて、レジスト層上にポリエステルフィルムをラミネートし、その上にクロム金属でパターニングされたレクチルを配置し、そのレクチル上からI線ステッパーを用いて露光を行った(図1参照)。
(c)レジスト層からポリエステルフィルムを剥離した後、現像液N−A5が入った容器にレジスト層を入れ約1分間の現像を行った。その後、現像液から取り出し、水で約1分間の洗浄を行った。
(d)レジストの解像度の評価は、現像後に作製されたレジストパターンのL/S(Line and Space)の状態を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて800〜3000倍率で観察し、以下の基準に従った。
A:L/S=10/10μmが明確に確認できる。
B:L/S=10/10μmは明確に確認できないが、L/S=15/15μmは明確に確認できる。
C:L/S=15/15μmは明確に確認できないが、L/S=20/20μmは明確に確認できる。
D:L/S=20/20μmが明確に確認できない。
(e)レジスト形状の評価は、現像後に作製されたレジストパターンのL/S=70/70μm(Line and Space)10本の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて800〜3000倍率で観察し、以下の基準に従った。
A:逆テーパー構造が0個
B:逆テーパー構造が1〜3個
C:逆テーパー構造が4〜6個
D:逆テーパー構造が7〜10個。
E.搬送性
東洋精機(株)製スリップテスターを用いて、JIS K 7125(1999年)に準じて、2枚のフィルムの上下面を重ねて摩擦させた時の値を3回測定し、その平均値から長手方向の摩擦係数μdを求めた。摩擦係数μdを搬送性の指標として下記基準に従い評価した。
○:0.25以下
×:0.25よりも大きい。
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
[ポリエステルA]
ジメチルテレフタレート(DMT)に、DMT・1モルに対し1.9モルのエチレングリコールおよび酢酸マグネシウム・4水和物をDMT100重量部に対し0.05重量部、リン酸を0.015重量部加え加熱エステル交換を行った。引き続き三酸化アンチモンを0.025重量部加え、加熱昇温し真空下で重縮合を行い、実質的に粒子を含有しないポリエステルペレットAを得た。
[ポリエステルB]
フェノール系のラジカル捕捉剤である1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(ADEKA社製、AO−330)を、上記の実質的に粒子を含有しないポリエステルAにベント式二軸混練機を用いて含有させ、ラジカル捕捉剤である1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンをポリエステルに対し10重量%含有するマスターペレットを得た
[マスターペレットC]
凝集アルミナとしてδ型―アルミナを10重量部含むエチレングリコールスラリーとし、サンドグラインダーを用い、粉砕、分散処理を行い、さらに捕集効率95%の3μmフィルターを用いて濾過し、これをポリエステルAと同様に調整したエステル交換反応物に添加し、引き続き三酸化アンチモンを加え、重縮合反応を行い、凝集アルミナを1.5重量%含有するマスターペレットを得た。
[マスターペレットD]
平均粒径0.80μmのジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子の水スラリーを、上記の実質的に粒子を含有しないポリエステルAにベント式二軸混練機を用いて含有させ、0.80μmのジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子をポリエステルに対し1重量%含有するマスターペレットを得た。
[マスターペレットE]
平均粒径0.30μmのジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子の水スラリーを、上記の実質的に粒子を含有しないポリエステルAにベント式二軸混練機を用いて含有させ、0.30μmのジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子をポリエステルに対し2重量%含有するマスターペレットを得た。
[マスターペレットF]
平均粒径0.06μmのシリカ粒子の水スラリーを、上記の実質的に粒子を含有しないポリエステルAにベント式二軸混練機を用いて含有させ、0.06μmのシリカ粒子をポリエステルに対し1重量%含有するマスターペレットを得た。
[ポリエステルG]
フェノール系のラジカル捕捉剤であるClariant社製:HostanoxO310を、上記の実質的に粒子を含有しないポリエステルAにベント式二軸混練機を用いて含有させ、ラジカル捕捉剤である1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンをポリエステルに対し10重量%含有するマスターペレットを得た。
[ポリエステルH]
リン系のラジカル捕捉剤であるClariant社製:Hostanox P−EPQを、上記の実質的に粒子を含有しないポリエステルAにベント式二軸混練機を用いて含有させ、ラジカル捕捉剤であるテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスファイトをポリエステルに対し10重量%含有するマスターペレットを得た。
[ポリエステルI]
イオウ系のラジカル捕捉剤であるADEKA社製:AO−412Sを、上記の実質的に粒子を含有しないポリエステルAにベント式二軸混練機を用いて含有させ、ラジカル捕捉剤であるペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロピオネート)をポリエステルに対し10重量%含有するマスターペレットを得た。
(実施例1〜8)
これらのポリエステルをそれぞれ160℃で8時間減圧乾燥した後、ポリエステル、ラジカル捕捉剤、粒子がそれぞれ表1に記載の添加量となるように別々の押出機に供給し、275℃で溶融押出して5μmのフィルターで高精度濾過した後、3層用合流ブロックで合流積層し、A層/B層/C層からなる3層積層とした。その後、285度に保ったスリットダイを介し冷却ロール上に静電印可キャスト法を用いて表面温度25℃のキャスティングドラムに巻き付け冷却固化して未延伸積層フィルムを得た。この未延伸積層フィルムを逐次二軸延伸機により、110℃で長手方向に3.7倍、および幅方向にそれぞれ4.1倍、トータルで15.2倍延伸しその後、再度180℃で1.05倍幅方向に延伸し、定長下220℃で3秒間熱処理した。その後、長手方向に1%、幅方向に2%の弛緩処理を施し、総厚み16μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性等を表2に示す。レジストの解像度とフィルムの搬送性に優れたフィルムであることがわかった。
(実施例9)
ポリエステル、ラジカル捕捉剤、粒子がそれぞれ表1に記載の添加量とし、A層/B層からなる2層積層フィルムとした以外は実施例1〜6と同様の方法で二軸配向フィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性等を表2に示す。レジストの解像度とフィルムの搬送性に優れたフィルムであることがわかった。
(実施例10)
ポリエステル、ラジカル捕捉剤、粒子がそれぞれ表1に記載の添加量となるように変更した以外は、上記実施例1〜6と同様の方法で二軸配向ポリエステルフィルムを得た。その後、ラジカル捕捉剤が表1に記載の含有量となるようにフィルム表面にポリエステル樹脂のコーティングを行い、コート層にラジカル捕捉剤を含有するフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性等を表2に示す。レジストの解像度とフィルムの搬送性に優れたフィルムであることがわかった。
(比較例1)
A層のみの単層フィルムとした以外は実施例1〜3と同様の方法で二軸配向フィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性等を表2に示す。単層のため粒子の含有量が多くなり、現像後のレジストラインの欠けやはがれが生じやすく、解像度に劣るフィルムであった。また、両表層が平坦なため、搬送性に劣るフィルムであった。
(比較例2)
ラジカル捕捉剤を含まないこと以外は実施例1〜3と同様の方法で二軸配向フィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムの特性等を表2に示す。現像後のレジストが逆テーパー構造を形成しやすく、解像度に劣るフィルムであった。
Figure 2017222153
Figure 2017222153
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、感光性樹脂組成物の過度な光硬化反応を抑制できるため、片面に感光樹脂組成物を体積して使用されるドライフィルムレジスト支持体用ポリエステルフィルムとして好適に用いることができる。
a:光照射方向
b:レクチル
c:支持体用フィルム
d:レジスト
e:基板

Claims (9)

  1. 2層以上の積層フィルムからなり、少なくとも1層にラジカル捕捉剤を含有するドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. 少なくとも一方の最表層がラジカル捕捉剤を含有する請求項1に記載のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. 3層の積層フィルムからなり、前記ラジカル捕捉剤を含有する最表層の水との接触角が73〜100度である請求項2に記載のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルム。
  4. 前記ラジカル捕捉剤の含有量が、ラジカル捕捉剤を含有する層に対して0.01〜2重量%である請求項1〜3のいずれかに記載のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルム。
  5. 前記ラジカル捕捉剤がフェノール系化合物である請求項1〜4のいずれかに記載のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルム。
  6. フィルム両表面の平均表面粗さRaが0.1〜10nmであり、かつ、フィルム両表面の十点平均粗さRzが30〜500nmである請求項1〜5のいずれかに記載のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルム。
  7. 一方の表面の十点平均粗さRzが30〜100nmであり、もう一方の表面の十点平均粗さRzが100〜500nmである請求項6に記載のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルム。
  8. ヘイズが0.1〜2%である請求項1〜7のいずれかに記載のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルム。
  9. ラジカル捕捉剤を含有する層が感光性樹脂と接するように用いられる請求項2〜8のいずれかに記載のドライフィルムレジスト支持体用二軸配向ポリエステルフィルム。
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JP7463905B2 (ja) 2019-09-27 2024-04-09 東レ株式会社 ドライフィルムレジスト用二軸配向ポリエステルフィルム

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