JP2017221126A - 低糖質麦粉を用いた素材、並びにそれを用いた低糖質のパン類または菓子類の製造方法 - Google Patents

低糖質麦粉を用いた素材、並びにそれを用いた低糖質のパン類または菓子類の製造方法 Download PDF

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靖弘 高瀬
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Abstract

【課題】余計な添加剤、増量剤を加えることなく、しかも食感もパリッとして食べた者が十分に満足できるパン類あるいは菓子類の製造方法及び、低糖質で、かつ食感に優れたパン類あるいは菓子類を製造するための食品素材を提供する。【解決手段】次の工程により低糖質のパン類または菓子類を製造する方法であって、1)容器に、イースト、低糖質麦粉、食物繊維、塩、たんぱく質、脂質および水を入れ、混練する工程、2)混練された生地を0℃〜25℃で静置する工程、3)静置された生地に脂質を塗布する工程、4)脂質が塗布された生地を成形する工程、5)成形された生地を焼成する工程、6)焼成された材料より水分を除去する工程、を含み、前記低糖質麦粉がオーツ麦由来であり、混練工程に用いられる水を、低糖質麦粉180gに対し250g〜410g用いる方法及び食品素材を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、糖尿病等の糖代謝異常を有する人やダイエットに適した糖質摂取制限のための食品素材であって、血糖値の上昇をコントロールすることを可能とする低糖質食品素材、例えばオーツ麦由来のふすま(外皮)などの粉を用いた低糖質麦粉をベースとした生地、更には、このような低糖質食品素材を用いたパン類又はパイなどの菓子類の製造方法に関する。
糖尿病の人や糖尿病のおそれが高い人は、糖質の摂取により血糖値が異常に高くなる。そして、異常に高い血糖値が続くことにより、3大合併症(神経障害、網膜症、腎症)等の重篤な疾患を引き起こす原因にもなっている。そのため、糖尿病の人やそのおそれのある人は、食品の摂取により血糖値が異常に高くなることを抑えるため、低糖質の食品を摂取することが要求される。また糖質を必要以上に摂取することで肥満化し、いわゆる生活習慣病といわれる疾病の予備軍となりうる。別の観点からは、糖質の摂取を制限して体調管理を行ない、身体の美しさを維持したいとの要望もある。
ところで、現在市販されている食パンやロールパンなどのパン類は、糖質成分を重量換算で半分近く含有している。そのため、食事で食パンを食すと血糖値を上昇させてしまう。
そこで、糖尿病の患者の食材、あるいは糖尿病を予防するための生活習慣病対策や体型の維持管理のための食材として、糖質の摂取を低減する低糖質の食材が各種提案されている。この種の食材の一つとして、例えば特許文献1では、糖質摂取制限食用素材として、低糖質素材である小麦の穀皮を焙煎して粉状にしたふすま粉と小麦由来のグルテンを混合したものに、増粘剤であるペクチンを加えたものを開示している。このものはパン類に加工したとき、糖質成分の含有量を約5重量%以下にできるとされる。
従来、低糖質のふすま入りパンなどの食品を作る技術として、食感に影響の大きい保水性を保持するために、オオバコの種皮粉末(サイリウム)を使用することが知られている(例えば特許文献2参照)。
この特許文献2に記載された食品では、実質的に澱粉などの糖質を含有しない食品素材とするために、素材を焙煎することによって糖質を含まない焙煎されたふすまを使用し、さらに繋ぎの役目をする材料として、植物性タンパクであるグルテンを用いている。また、発酵のためイースト菌の栄養源として牛乳に含まれる乳糖を利用している。
特許文献3では、皮を剥いで超微粒粉とされた原料大豆を凍結乾燥又は噴霧乾燥して製造された豆乳粉と小麦由来の活性グルテンとを混合した低糖質食品素材について開示している。しかし低糖質であるからといって、食味やパン類等の場合における食感(噛みごたえ)は、食品をよりおいしく食べる際に重要であり、多くの人が好むような食品が望まれる。このため、食味や食感がさらに向上した食材を追及することが有益となる。
特許第4393566号公報 特許第3687049号公報 特許第5131882号公報
ところで、上述したふすま粉と小麦由来のグルテンを主体とする食品素材を用いたパンや菓子等の食品は、柔軟性が低く粗いぱさついた食感を呈し良好な食味を得ることが困難であった。
そこで本発明者は、上記に記載した種々の課題に対しこれを解決すべく検討した結果、次の知見を得た。
低糖質のパン類あるいは菓子類の製造時に、用いる材料としてオーツ麦の特定の粉を選ぶと共に、生地を作る際に加える水の量を調節し、保水性のある食物繊維を多目に加えることで、焼きあがったパン類あるいは菓子類の食感を向上させることができる。これにより、例えば1)〜3)に記載するような利点がある。
1)パン類あるいは菓子類の製造において、用いる材料としてオーツ麦の特定の粉選ぶと共に、多目に水を加えても保水性を高められるように、シトラスファイバ等の食物繊維も多目に加え、その他の材料と混練して生地を作るが、その際に加える水の量を通常よりも多く使用し、混練、熟成、焼成、水分除去すると、焼き上がり後のパン類や菓子類は焦げ付かずにパリッとしたものとなり、食感を向上させることができる。
2)新たな添加物を加えないため、従来の製造処方の大幅な変更が不要である。
3)さらに新たな添加物を加えないため、糖質分を低く抑えられると共に、アレルギー体質の人にも有益である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、余計な添加剤、増量剤を加えることなく、しかも食感もパリッとして食べた者が十分に満足できる低糖質のパン類あるいは菓子類の製造方法を提供することにある。
また本発明の別の目的は、このような低糖質で、かつ食感に優れたパン類あるいは菓子類を製造するための食品素材を提供することにある。
本発明は、低糖質素材であるオーツ麦由来の粉、さらにはその外皮であるふすまをベースに、イースト、低糖質麦粉(オーツ麦由来)、食物繊維、塩、卵などのたんぱく質、バターなどの脂質および水、必要に応じて乳成分を加えて混練して生地を作る。この組成により、低糖質食品の条件を満足するパン類や菓子類の加工を可能とする低糖質食品素材を実現したものである。
驚くべきことに、通常用いられる低糖質のパン類あるいは菓子類製造用の食品素材に、何ら新たな材料を加えず、つまりパン類あるいは菓子類の基本組成をなんら変えることなく製造にもかかわらず、低糖質であって、かつ、食感が優れたパン類あるいは菓子類を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、糖質として低糖質であるオーツ麦由来の粉つまりその外皮であるふすま及び保水性のある食物繊維を用い、通常用いる量の水の量を超え、多目の水を加えて焼成し、その後、過剰分の水を食材から除去ことで、食感に優れた低糖質のパン類あるいは菓子類を製造できる。以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、次の工程により低糖質のパン類または菓子類を製造する方法であって、
1)容器に、イースト、低糖質麦粉、食物繊維、塩、たんぱく質、バターなどの脂質および水、必要に応じて乳成分を入れ、混練する工程、
2)混練された生地を0℃〜25℃で静置する工程、
3)静置された生地に脂質を塗布する工程、
4)脂質が塗布された生地を成形する工程、
5)成形された生地を焼成する工程、
6)焼成された材料より水分を除去する工程、を含み、
上記の低糖質麦粉がオーツ麦由来であり、
混練工程に用いられる水を、前記低糖質麦粉180gに対し250g〜410g用いる方法に係る。さらに、混練工程に用いられる水を、低糖質麦粉180gに対し300g〜360g用いることが好ましい。
本発明に用いられる低糖質麦粉としては、オーツ麦由来のその外皮であるふすま粉など、低糖質用素材として用いられるものであればよい。例えば鳥越製粉株式会社製「オーツブランミックス」(商品名)やリボン食品株式会社製「糖質オフ 白いパンミックス粉」(商品名)を挙げることができるが、これに限られることはなく、本願発明の効果を奏する範囲内で、低糖質の原料として用いることができる。この特徴として、低温で長時間焼成しても焦げにくいという利点があり、通常用いられる小麦粉では焦げることがある。また、これら以外の麦粉を使うと焼成後のパン類、菓子類が割れてしまうことがある。これに対し、本発明で用いられる原材料ではそのような製造上の不都合はなく、両者は区別できる。この麦類の外皮粉(オート麦から得られる「ふすま、ブラン(Bran)」)には、2価の金属イオンとして、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンが豊富に含まれている。
市販されているオーツ麦のふすまを原料とした粉(鳥越製粉社製、商品名「オーツブランミックス」)は、後述する栄養成分表(表1)に示すように、100g当たり、エネルギー275Kcal、たんぱく質43.0g、脂質5.4g、糖質10.3g、食物繊維32.2g、食塩相当量として1.1g含有し、残余を水分と金属類などである。
そして、本発明に係る低糖質食品素材は、この食品素材をパン類や菓子類の最終加工食品に加工したときにこれら食品に含まれる糖質の含有量が低糖質食品の条件に合致できるように、さらに、パン類や菓子類などの加工食品を加工する際の加工性を考慮して調整するとよい。
本発明に用いられるイースト(発酵用酵母成分)としては、膨張剤として働くものであれば特に制限されることはなく、たとえばドライイーストなどを使用できる。
本発明に用いられる塩としては、通常の食塩など特に制限されることなく使用できる。
本発明に用いられるたんぱく質としては、卵など、通常、パン類、菓子類に用いられるものであれば特に制限なく使用できる。卵を使用する場合にはその大きさも生地を製造する際、生地の粘性などパン類、菓子類を製造するにあたり支障のない範囲のものを使用できる。
たんぱく質、殊に卵を加えるのは、パン類、菓子類の製造工程で用いられる生地に粘着性を持たせ、加工しやすくするためである。後述する成形工程においても、生地にバター等の脂質をおりこみ、さらに生地を数回重ねたり、棒状物に巻きつけるなど、加工の際に役立つからである。
本発明に用いられる脂質としては、通常、パン類、菓子類に用いられるものであれば特に制限なく使用でき、たとえばバター、マーガリンなどを使用できる。
本発明に用いられる水としては、通常、パン類、菓子類に用いられるものであれば特に制限なく使用でき、生地を作る際、必要に応じて、冷水(通常、2〜10℃程度)や、水道水、精製水など、パン類、菓子類の製造に支障がないものであればよい。殊に、冷水のように、脂質であるバターの流動性を少なくし、生地に折りこむように加工するには役立つ。
本発明に係る低糖質食品素材は、所定量の水分やその他の液体等の液状化成分が加えられて混練されてパン生地や菓子生地とされる。このとき、低糖質食品素材は、この素材を構成する粉が有する粘性、伸展性により一体化されることが必要である。これは、食品素材を混練して得られる生地を、一定の形に成形し、あるいは細長い紐状に加工成形するためである。
本発明においては、シトラスファイバ、小麦ファイバ、セルロースなどの不溶性の食物繊維を添加することで保水性を強化でき、この保水性を保持できる範囲で水を加えるとよい。なお、シトラスファイバはオレンジなどのかんきつ類の皮の内側の白い部分をいうのが一般的である。
上述の低糖質麦粉の材料例として挙げた鳥越製粉株式会社製「オーツブランミックス」(商品名)には食物繊維が含まれるが、本発明においては、通常の処方よりも水を多目に加えることもあり、食物繊維を多目に加えるとよい。
加える量としては、鳥越製粉株式会社製「オーツブランミックス」(商品名)などの食物繊維を含む粉であっても(同商品では100gの栄養成分あたり32.2gの食物繊維を含む)、これに、低糖質麦粉の5重量%〜30重量%、好ましくは10重量%〜20重量%、通常は10重量%程度をさらに加える。
食物繊維としては、シトラスファイバであり、これに必要に応じて、小麦ファイバ、セルロースを両方あるいはいずれか一方を加えるとよい。
このような加工食品の成形特性を考慮したとき、混練工程において加える水の量は、低糖質麦粉180gに対し250g〜410g、好ましくは300g〜360gとする。これは、水の量がこれよりも少ないと、生地を焼成する際に焦げるおそれがあり、また焼きあがったパン類や菓子類等も硬くなってしまうためである。水の量がこれよりも多いと、焼成後のパン類や菓子類等が柔らかくなって、本来の形状を保つことができず、たとえ所定形状を保持できたとしてもパリッとした食感を出すことができなくなるためである。
また、加える水の量はバター等の脂質の進展性を従来のパン類や菓子類に比して改善する観点で決めることができる。さらに、加える水の量が多いと材料あたりの糖質量も低下させることができ、本発明の目的にも適合できる。
なお、加える水の量は混練工程で用いられる場合を想定しており、材料として水分を含む、例えば牛乳などを用いた場合には、含まれる水の量を勘案して上記の範囲に収まるように調節するとよい。
本発明においては必要に応じて乳成分を加えることもでき、また加えなくとも本発明の目的は達せられる。乳成分を加える場合、通常、パン類、菓子類に用いられるものであれば特に制限なく使用でき、たとえば粉乳、スキムミルクなどを使用できる。また牛乳など水分を含むものを用いる場合には、加える水の全部の量を調節して使用する。
パン生地の材料とされる低糖質食品素材は、膨張剤としてのイースト、甘味料、食塩などの塩、脂質などの添加物が添加され、さらに液状化成分としての水分が加えられながら混練されることによりパン生地としてもよい。低糖質食品素材に加えられる水分は、作製されるパン生地の成形性や柔軟性、さらにパンとして焼成したときの食感を考慮して調整される。低糖質食品素材に加えられる水分は、添加物に含有される糖質を含みながらパン生地中に含まれる糖質の含有量が調整される。このパン生地は、オーブン等で焼成されてパン類に加工されると、水分の蒸発により全体重量が減少するが、このパン類や菓子類に含有される糖質の含有量を所定量例えば、5重量%程度にすることができる。ここで得られるパン類や菓子類中の糖質含有量は、市販の小麦粉を主体とする食パン等のパン類よりもかなり低い。
本発明の混練工程で用いられる容器としては、通常、パン類、菓子類に用いられるものであれば特に制限なく使用できる。大きさ、形状や、容器の材質などは、パン類、菓子類の製造に支障がないものであればよい。
本発明において、混練工程では、容器に、イースト、低糖質麦粉、食物繊維、塩、たんぱく質、脂質および水、必要に応じて乳成分を入れ、これらを手で、あるいは機械で混練する。混練の程度は、パン類、菓子類の製造に支障がないものであればよいが、本発明においては通常よりも多めの水を使うことから、水と他の原料とが均一に混じり合うように留意しながら混練するとよい。混練の時間、温度などは、パン類、菓子類の製造に支障がないものであればよい。
本発明において、静置工程では、混練された材料を0℃〜25℃で静置する。通常は冷蔵庫などを使い、混練後の生地をそのまま、あるいはカバー等で覆い、静置する。この工程により、発酵材料により生地が膨張する。静置の時間は発酵材料による膨張の程度などを把握して決めるとよく、パン類、菓子類の製造に支障がないものであればよい。ただし、本発明においては通常よりも多めの水を使うことから、発酵材料による膨張の程度は適宜確認しておくことがよい。
静置の温度は、0℃〜25℃であるが、好ましくは外気から生地材料の腐敗等の劣化を抑止したり、後の成形工程でバター等の脂質を生地におりこめるように、2℃〜10℃とするとよい。静置の時間は混練後すぐでもよいが、10〜60分、さらには10〜20分程度でもよい。
本発明において、脂質塗布工程は、静置工程で静置された材料(生地)にバター等の脂質を塗布する工程である。材料(生地)への脂質の塗布は、静置された材料に脂質を塗布した後、さらに静置された材料で覆いこれに脂質を塗布して多層の材料を形成するとよい。このような静置された材料と塗布された脂質の層からなる単位の繰り返しは、2〜10回あるとよく、経済性などを考慮すれば通常、2〜4回行なわれる。
生地の厚さは、1〜10mm程度、さらには2〜5mm程度、通常は3mm程度とするとよい。バター等の脂質は生地の上に薄く塗布する。この際、塗布の際の温度は、バター等の脂質の流動性が高くなりすぎないように、2℃〜10℃程度の温度で行なうとよい。
本発明において、成形工程は、脂質塗布工程で得られた材料(生地)を、目的とするパン類、菓子類の形状に応じた形状に成形する工程である。
パン類、菓子類が、単に円状、円柱状、渦巻き状など、材料(生地)のみで形成できる場合には、形状を整える。その後焼成され、必要に応じて、脂質、その他クリーム他の食材を塗布することができる。
また、焼成されたパン類等に切れ目を入れ、クリーム類、各種食材、卵サラダなどの調理品などを添加、充填することで菓子パン、調理パン、パイなどのお菓子とすることができる。
また菓子パン類に多いが、孔を形成させ、焼成後にその孔へ種々の食材を充填する場合、例えば棒状物に、脂質塗布工程で脂質が塗布された材料を巻きつける態様を取ることができる。成形された場合、後述する焼成工程で材料(生地)が焼きあがって硬くなれば、棒状物を抜き去って孔が開いた状態となる。これを素材として任意で好みの食材を充填すればよい。
例えば、カスタードクリーム、チョコレートクリーム、サラダ及び調理品からなる群より選ばれる食材を充填するとよい。
本発明において、焼成工程は、成形工程で得られた材料(生地)を、焼き上げる工程である。通常はオーブンなどの加熱装置・器具などを使い、所定時間加熱して焼き上げる。加熱に際し、材料(生地)をそのまま、あるいはカバー等で覆い、加熱処理する。この工程により、材料(生地)は柔らかく粘りけのある状態から固くなり、食感が決まることになる。本発明においては、材料の混練工程において、通常よりも多めの水を使用することで、焼き上がり後の食感がパリッとしたものとなる。
本発明に係る低糖質食品素材を用いてパン類や菓子類を加工するには、低糖質食品素材に所定量の水分などの液状化成分を加え混練し、粘性を有するパン生地や菓子生地を調製する。この生地は、一定の形に成形され、オーブンなどを用いて焼くことでパン類や焼き菓子類に加工される。生地を作製するために低糖質食品素材に加えられる水分量、生地を焼成してパン類や焼き菓子類に加工するとき蒸発する水分量を考慮し、さらに糖質を含む添加物を考慮して、低糖質食品の条件を満たすため、糖質の含有量が所定重量%以下に調整するとよい。
焼成の温度、時間はパン類、菓子類の製造に支障がないものであればよく、150℃〜200℃で5分〜5時間程度、さらには170℃〜190℃で10分〜30分程度、通常、約180℃で20分程度とするとよい。すなわち、水が多めの場合には長くあるいは温度を高めとし、少なめの時や焦げ付きやすい材料を用いる場合には温度を低くあるいは短時間として調節するとよい。
本発明において、水分除去工程は、焼成工程後に、焼成された材料素材には、まだ水分が含まれていることがあり、それを除去する工程である。本発明においては、水を通常よりも多めに使用するため、焼成後に水が完全には蒸発してしまわないことがある。このため、水分を除去することで、違和感なく、パン類、菓子類として食感が良いものとなる。この点は通常のパン類、菓子類の製造方法とは大きく異なっているところである。
水分除去工程の条件としては、80℃〜120℃で30分〜10時間程度、さらには90℃〜110℃で1時間〜3時間程度、通常、約100℃で1.5時間程度とするとよい。このような処理により、焼成後に残存する水分を、比較的低温で蒸発等により水分を除去することができる。
また本発明は、次の工程により低糖質のパン類または菓子類を製造するための素材であって、
1)容器に、イースト、低糖質麦粉、食物繊維、塩、たんぱく質、バターなどの脂質および水、必要に応じて乳成分を入れ、混練する工程、
2)混練された生地を0℃〜25℃で静置する工程、
3)静置された生地に脂質を塗布する工程、
4)脂質が塗布された生地を成形する工程、
5)成形された生地を焼成する工程、
6)焼成された材料より水分を除去する工程、を含み、
上記の低糖質麦粉がオーツ麦由来であり、
混練工程に用いられる水を、前記低糖質麦粉180gに対し250g〜410g用いる素材に係る。さらに、混練工程に用いられる水を、低糖質麦粉180gに対し300g〜360g用いることが好ましい。
この素材については、パン類または菓子類の製造に好適であり、焼き上がりの食感がパリッとしている。またオーツ麦ふすまといった低糖質原料を使っておりながらパサつき感もなく、良い食感である。
この素材をもとに、種々の食材を充填、付着、塗布することで、菓子パン、調理パン、パイなどのお菓子など種々の味を楽しむことができる。
また、本発明に係る低糖質食品素材は、菓子生地の素材として用いられる。例えば、焼き菓子は、本発明に係る低糖質食品素材に、バター、アーモンド粉、卵などを加え混練して菓子生地を作製し、この生地を適宜形状に成形し、その後焼き窯等の焼成機器を用いて焼成することにより作製される。ここで、低糖質食品素材を用いて加工される菓子としては、スポンジケーキやクッキーなどの加工の工程に焼成工程を含む焼き菓子や、蒸し菓子等の各種の加工方法により加工される菓子類が挙げられる。
この素材の物性等は、通常の処方に比べて水を多目としたうえで、焼成後に残余の水分を除去するというものである。つまり組成だけでは素材を特定することは困難であり、人の感覚によるパリッとした食感ということでの表現も難しい。このため、素材を得るための工程を列記することで、本発明に係るパン類または菓子類の製造に好適な素材を把握でき、またこのような記載によってしか現時点では把握できない。
本発明の方法により水分が通常よりも多く含むパン生地は、その後パン類や菓子類を製造するために焼成し、過剰に加えられた水分を抜く工程を経て、パン類や菓子類を得ることができる。このため、最終的なパン類や菓子類は、通常得られるパン類や菓子類とは組成は変わりがないため、両者を成分で区別することは困難であると共に実際的ではない。このため、本発明に係るパン類や菓子類やその素材である低糖質食品素材を用いた生地を特定するには、製造工程を示すことで、特定せざるを得ない。
1)パン類等の製造の際に加える水の量を通常よりも多く用い、混練、熟成、焼成すると、焼き上がり後のパン類や菓子類は焦げ付かずにパリッとしたものとなり、食感を向上させることができる。
2)新たな添加物を加えないため、従来の製造処方の大幅な変更が不要である。
3)さらに新たな添加物を加えないため、糖質分を低く抑えられると共に、アレルギー体質の人にも有益である。
実施例1の処方によるパン類の製造工程を示す概略フロー図である。
以下、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明はこの実施例により限定して解釈されるものではない。
以下の実施例では、低糖質粉として鳥越製粉社製の商品名「オーツブランミックス」を用い、栄養成分の組成(1斤あたり)は下記表1に記載の通りである。パン類の製造にはそのレシピをもとに、本願発明による効果が確認できるよう、適宜変更した。
〔実施例1〕
実施例1は、原料となる発酵材料(ドライイースト)、低糖質原料(低糖質オーツブランミックス)、食物繊維、塩(食塩)、乳成分(スキムミルク)、たんぱく質(卵(M玉))、脂質(バター)と水とを混合した本発明に係る低糖質食品素材を主素材としたパン素材を用いたパンであって、このパンに用いられるパン素材は、表1に示す組成及び重量からなる。
Figure 2017221126
これら低糖質食品素材を、パン1斤分として、
低糖質オーツブランミックス・・180g
食物繊維(追加)・・・・・・・18g
ドライイースト・・・・・・・・3.5g
食塩・・・・・・・・・・・・・2g
スキムミルク・・・・・・・・・5g
卵(M玉)・・・・・・・・・・1個
バター・・・・・・・・・・・・30g
冷水(約5℃)・・・・・・・・(量を変えた)
の重量組成にて混合後、混練した。
水の量は、通常用いられる量(通常のレシピ)として165ml(比較実験例1)、これより徐々に増やして、200ml(比較実験例2)、250ml(実験例1)、330ml(実験例2)、410ml(実験例3)、450ml(比較実験例3)、の量を用いた。但し、比較実験例では、実験例と異なり、追加の食物繊維は加えていない。
混練されたパン素材は、10〜20分混練してパン生地とした。
このパン生地を2〜8℃に調整されている冷蔵庫に約20分間静置した。静置後、生地にバターを塗布し、また生地を重ねた後にバターを塗布する工程を3回繰り返して焼成用生地を作った。得られた焼成用生地に直径2cm長さ15cmの円柱状の棒の周りに巻きつけた。巻きつけられた焼成用生地をオーブンへ入れ、約180℃に予備加熱したオーブンで約20分焼成した。焼成された(焼きあがった)パン素材から円柱状の棒を取り去り、その後、約100℃に予備加熱したオーブンで約1時間30分焼成し、水分を除去した。
表2には、上記の工程により得られたパン素材の製造の状況を示した。
Figure 2017221126
表2から分かるように、比較実験例2では加えた水の量が少なかったために焼きあがったパン素材には割れている部分があり、焦げもあった。比較実験例3では加えた水の量が多すぎたために生地の段階では成形できなかった。
その後、パンの孔が開いた部分にカスタードクリームを充填して、菓子パンとした。また別のパンには調理品を充填して調理パンとした。
〔実施例2〕効果の検証
実施例1で製造されたパン類について、訓練されたパネル10名により、比較実験例と比べた際の全体的な食感および味について官能評価を行ない、その結果を表3に示す。表3において、パネルの平均的な食感、味評価については次の通り、◎、○、△、×の4段階で表記した。
◎は、食感及び味の両方に優れていたことを示す。
○は、食感又は味のいずれかは優れていたがもう一方は比較実験例と変わりがないことを示す。
△は、比較実験例による品と比べ変わりがなかったことを示す。
×は、比較実験例による品より劣っていたことを示す。
−は、比較実験例として実験例の対照品としたことを示す。
NDは、評価しなかったことを示す。
Figure 2017221126
以上の結果より、実験例1〜3に示すように、本発明によるパンは触感、味もよく良好な結果であった。これに対し、比較実験例2では、試した焼成温度、時間の条件では加えた水の量が少なく焦げが認められ、食感も硬めだった。また水の量が多すぎた比較実験例3は成形できず評価しなかった。

Claims (3)

  1. 次の工程により低糖質のパン類または菓子類を製造する方法であって、
    1)容器に、イースト、低糖質麦粉、食物繊維、塩、たんぱく質、脂質および水を入れ、混練する工程、
    2)混練された生地を0℃〜25℃で静置する工程、
    3)静置された生地に脂質を塗布する工程、
    4)脂質が塗布された生地を成形する工程、
    5)成形された生地を焼成する工程、
    6)焼成された材料より水分を除去する工程、を含み、
    前記低糖質麦粉がオーツ麦由来であり、
    混練工程に用いられる水を、前記低糖質麦粉180gに対し250g〜410g用いることを特徴とする、方法。
  2. 請求項1に記載の工程の内、工程4)の成形工程が、棒状物に、工程3)の脂質が塗布された生地を巻きつける工程であり、工程5)の焼成工程を経て前記棒状物を除去して孔とし、続いて、7)前記孔に食材を充填する工程を含む、方法。
  3. 次の工程により低糖質のパン類または菓子類を製造するための素材であって、
    1)容器に、イースト、低糖質麦粉、食物繊維、塩、たんぱく質、脂質および水を入れ、混練する工程、
    2)混練された生地を0℃〜25℃で静置する工程、
    3)静置された生地に脂質を塗布する工程、
    4)脂質が塗布された生地を成形する工程、
    5)成形された生地を焼成する工程、
    6)焼成された材料より水分を除去する工程からなり、
    前記低糖質麦粉がオーツ麦由来であり、
    混練工程に用いられる水を、前記低糖質麦粉180gに対し250g〜410g用いることを特徴とする、素材。
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