JP2017221081A - クロージャの補修構造体、及びクロージャの補修方法 - Google Patents

クロージャの補修構造体、及びクロージャの補修方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017221081A
JP2017221081A JP2016116272A JP2016116272A JP2017221081A JP 2017221081 A JP2017221081 A JP 2017221081A JP 2016116272 A JP2016116272 A JP 2016116272A JP 2016116272 A JP2016116272 A JP 2016116272A JP 2017221081 A JP2017221081 A JP 2017221081A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
closure
cable
filling member
repair structure
cutting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016116272A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6811034B2 (ja
Inventor
吉昭 難波
Yoshiaki Nanba
吉昭 難波
矢崎 明彦
Akihiko Yazaki
明彦 矢崎
知保 大池
Tomoyasu Oike
知保 大池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
3M Innovative Properties Co
Original Assignee
3M Innovative Properties Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 3M Innovative Properties Co filed Critical 3M Innovative Properties Co
Priority to JP2016116272A priority Critical patent/JP6811034B2/ja
Publication of JP2017221081A publication Critical patent/JP2017221081A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6811034B2 publication Critical patent/JP6811034B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Processing Of Terminals (AREA)
  • Gas Or Oil Filled Cable Accessories (AREA)

Abstract

【課題】ガス漏れの補修作業を簡単且つ確実に行うことができるクロージャの補修構造体、及びクロージャの補修方法を提供する。【解決手段】一形態のクロージャの補修構造体は、少なくとも2本のケーブルCを接続させる接続部を収容する筒状のスリーブ2と、ケーブルCを通す孔部4aを有し孔部4aにケーブルCを通した状態でスリーブ2を封止する端面板4とを備えたクロージャ1の補修構造体10である。補修構造体10は、漏出部L1を有するクロージャ1端面に対向して配置された充填部材14と、充填部材14を端面板4の外側から加圧するスライダ12及びワッシャ13と、スライダ12を充填部材14に向けて押圧するバネ部材15と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、クロージャの補修構造体、及びクロージャの補修方法に関する。
従来から、通信用ケーブルの接続部を覆って保護するクロージャが知られている。クロージャの内部にはケーブルを通じて空気、窒素ガス等のガスが加圧供給されており、この加圧されたガスによってクロージャ内部への水の浸入が防止される。
特許文献1には、通信用ケーブルの接続部を収容する筒状のスリーブと、スリーブの両端に取り付けられる端面板とを備えたケーブル接続部保護ケースのガス漏れ補修方法が記載されている。このガス漏れ補修方法では、2個の半円形の型枠で端面板の外側に位置するケーブルを挟み込む。そして、2個の型枠を端面板に押し当てた後、上側の型枠に形成された注入口から型枠の内部に液状の発泡ウレタンを充填させ、この発泡ウレタンを硬化させることによってガス漏れを補修する。発泡ウレタンを硬化させた後には、型枠を取り外して補修が完了する。
特開平5−146026号公報
特許文献1に記載された補修方法では、型枠の内部に液状の発泡ウレタンを充填させ、この発泡ウレタンの発泡硬化によってガス漏れの箇所を塞いでいる。この補修方法では、ガスが漏れている状態で補修をすると、液状の発泡ウレタンを充填させているときに漏出したガスの通り道が形成されて、結局ガス漏れが解消されないといった問題が起こりうる。この場合、ガス漏れの箇所を特定して更なる補修が必要となる。このように、ガス漏れの補修作業が不十分になる可能性がある。
そのため、ガス漏れの補修作業を簡単且つ確実に行うことができることが望まれている。
本発明の一形態に係るクロージャの補修構造体は、少なくとも2本のケーブルを接続させた接続部を収容する筒状のスリーブと、ケーブルを通す孔部を有し孔部にケーブルを通した状態でスリーブを封止する端面板とを備えたクロージャの補修構造体であって、漏出部を有するクロージャ端面に対向して配置された充填部材と、充填部材を端面板の外側から加圧する加圧部材と、加圧部材を充填部材に向けて押圧するバネ部材と、を備える。
このような形態によれば、充填部材が漏出部を有するクロージャ端面に配置されると共に、この充填部材を加圧部材によって外側から加圧している。従って、漏出部に充填部材を充填させて加圧部材で充填部材を加圧することにより、漏出部からのガスの漏れを止めることができる。このように加圧部材に充填部材を加圧させることにより、漏出部から漏れるガス漏れの補修作業を簡単且つ確実に行うことができる。また、上記の充填部材は、長期間使用した場合に、温度変化又はクリープ現象等によって膨張又は収縮することがあり、これにより加圧部材で充填部材を加圧しても安定した加圧力を維持できなくなる懸念がある。しかしながら、本形態によれば、加圧部材を充填部材に向けて押圧するバネ部材を備えているので、充填部材が膨張又は収縮しても、バネ部材が伸縮して充填部材の膨張又は収縮を吸収することにより、安定した加圧力を長期間にわたって維持することができる。従って、長期間にわたって加圧力を安定させることができるので、補修構造を長寿命化させることができると共に、将来的に生じうるガス漏れを予防することもできる。
別の形態に係る補修構造体において、複数のバネ部材が、ケーブルに対して点対称又は線対称に配置されていてもよい。
別の形態に係る補修構造体において、充填部材は、シリコーンパテとシリコーンゴムとの混合材料であってもよい。
別の形態に係る補修構造体において、シリコーンゴムのゴム硬度は、シリコーンパテのゴム硬度よりも低くてもよい。
別の形態に係る補修構造体において、混合材料全体に対するシリコーンゴムの重量比は、30%以上且つ50%未満であってもよい。
別の形態に係る補修構造体において、加圧部材は、ケーブルの外周に取り付けられた状態で充填部材を押し込む押込部材と、ケーブルに沿ってスライドして押込部材を加圧するスライド部材と、を含んでおり、押込部材は、ケーブルの延在方向に伸びる複数の切断線を有してもよい。
別の形態に係る補修構造体において、押込部材は、ケーブルの径方向に互いに取り外し可能に重ねられている複数の被覆部材を含んでもよい。
別の形態に係る補修構造体において、各被覆部材は、他の被覆部材を重ねて引っ掛けるラッチ部、及びラッチ部が引っ掛けられる係合孔、の少なくともいずれかを備えてもよい。
別の形態に係る補修構造体において、各被覆部材のラッチ部は、互いにずれた位置に配置されていてもよい。
別の形態に係る補修構造体において、各ラッチ部は、径方向外側に突出していてもよい。
別の形態に係る補修構造体において、スライド部材の内周面には、押込部材に当接する突起部が形成されていてもよい。
別の形態に係る補修構造体において、突起部は、径方向に凹凸が並ぶ波形形状を有してもよい。
別の形態に係る補修構造体において、突起部は、ケーブルの延在方向に伸びる複数の切断線を有してもよい。
別の形態に係る補修構造体において、突起部における押込部材が当接する部位は、径方向外側に向かうに従って深く窪む形状とされていてもよい。
本発明の一形態に係るクロージャの補修方法は、少なくとも2本のケーブルを接続させた接続部を収容する筒状のスリーブと、ケーブルを通す孔部を有し孔部にケーブルを通した状態でスリーブを封止する端面板とを備えたクロージャの補修方法であって、孔部に充填部材を配置する工程と、加圧部材を配置する工程と、バネ部材を配置してバネ部材によって加圧部材を充填部材に向けて押圧する工程と、を備える。
このような形態によれば、端面板の孔部に充填部材を配置して、加圧部材によって充填部材を外側から加圧し、更に、バネ部材が加圧部材を充填部材に向けて押圧している。従って、前述した補修構造体と同様、長期間の使用によって充填部材が膨張又は収縮しても、バネ部材が伸縮して充填部材の膨張又は収縮を吸収するので、加圧力を長期間にわたって安定させることができると共に、ガス漏れの補修作業を簡単且つ確実に行うことができる。
別の形態に係る補修方法において、充填部材を配置する工程の前に、孔部の内側に突出した凸部を切削治具で切削する工程を更に備えてもよい。
別の形態に係る補修方法において、切削治具は、端面板及びスリーブの少なくともいずれかに固定される固定部と、固定部に取り付けられる切削部と、を含んでおり、切削する工程では、固定部に切削部を取り付けてねじ込むことにより、凸部を切削してもよい。
別の形態に係る補修方法において、切削部の内周面には、径方向外側に窪む凹部が形成されており、切削する工程では、凹部に凸部の削り屑が通されてもよい。
別の形態に係る補修方法において、充填部材を配置する工程の前に、シリコーンパテに粉末状のシリコーンゴムを混合して充填部材を生成する工程を更に備えてもよい。
本発明によれば、ガス漏れの補修作業を簡単且つ確実に行うことができる。
第1実施形態に係るクロージャの補修構造体を示す斜視図である。 図1の補修構造体を分解して示す斜視図である。 図1の補修構造体を示す断面斜視図である。 (a)は、補修構造体を取り付ける前のクロージャの初期状態を示す斜視図である。(b)は、図4(a)を端面板側から見た正面図である。 (a)は、図4(a)のクロージャに充填部材を充填させた状態を示す斜視図である。(b)は、図4(a)を端面板側から見た正面図である。 図5(a)のクロージャにリング及びフックプレートを装着させた状態を示す斜視図である。 図6のクロージャにワッシャとスライダを装着させた状態を示す斜視図である。 図7のクロージャにバネ部材を装着させた状態を示す斜視図である。 図1の補修構造体を検証する実験装置を示す斜視図である。 (a)は、図9の実験装置の押し付け部材を示す斜視図である。(b)は、図9の実験装置の収容部材を示す斜視図である。(c)は、収容部材の内部構造を示す斜視図である。 (a)は、収容部材へのセンサの配置を示す斜視図である。(b)は、収容部材に収容された充填部材に対する押し付け部材の押し付けを示す斜視図である。 (a)は、押し付け部材にネジを締め付けた状態を示す斜視図である。(b)は、押し付け部材に更にバネ部材を取り付けた状態を示す斜視図である。 第2実施形態に係る充填部材の変位と反発力との関係をシリコーンゴムの添加率ごとに示すグラフである。 シリコーンゴムの添加率と充填部材の高さ比率との関係を示すグラフである。 第3実施形態に係るワッシャとスライダを示す斜視図である。 (a)は、ワッシャとスライダを示す斜視図である。(b)は、ワッシャ及びスライダを装着した状態を示す斜視図である。 スライダを軸線方向外側から見た側面図である。 ワッシャを分解した状態を示す斜視図である。 ワッシャのラッチ部及び係合孔を示す断面図である。 スライダにワッシャが当接する部位を示すスライダ及びワッシャの縦断面図である。 (a)は、スライダ及びワッシャを示す斜視図である。(b)は、スライダ及びワッシャを端面板の外側から見た側面図である。 (a)は、径方向に切断された突起部と周方向及び径方向に切断されたワッシャを示す斜視図である。(b)は、図22(a)の突起部とワッシャを軸線方向外側から見た側面図である。 第4実施形態に係る補修構造体を取り付ける前のクロージャを示す断面斜視図である。 切削治具の切削部を示す斜視図である。 切削治具の固定部を示す斜視図である。 (a)は、図23のクロージャに固定部を固定させる状態を示す斜視図である。(b)は、図26(a)のクロージャに切削部を装着する状態を示す斜視図である。 (a)は、図26(b)の切削部を装着した状態を示す斜視図である。(b)は、切削部によって凸部を切削する前の状態を示す斜視図である。 切削部を回して凸部を切削している状態を示す斜視図である。 凸部が切削されたクロージャを示す断面斜視図である。 変形例に係るバネ部材及びスライダを示す斜視図である。 第5実施形態に係る補修構造体を示す斜視図である。 図31の補修構造体を示す断面斜視図である。 図31の補修構造体の縦断面図である。 図31の補修構造体を取り付けている状態を示す斜視図である。 (a)は、図31の補修構造体を取り付けている状態を示す斜視図である。(b)は、端面板と押し込みボルトの位置関係を示す正面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る補修構造体について説明する。本明細書における用語「補修」は、クロージャからのガス漏れを解消、使用上問題がない程度まで漏出を低減すること、及びクロージャからのガス漏れを予め防止することを含んでおり、すなわち、クロージャからのガスリーク対策を含んでいる。クロージャの種類としては種々のものが挙げられる。具体的には、図1〜図3に示されるように、通信用のケーブルCの接続部を保護するクロージャ1を挙げることができ、クロージャ1は、地下で延びるケーブルCの接続部を保護するために設けられる。
まず、クロージャ1の構造について説明する。クロージャ1は、2つの半円筒状となったスリーブ2がバンド部材5のネジ3で互いに固定されることによって構成されており、全体的に円筒形状を呈する。スリーブ2は少なくとも2本以上のケーブルCの接続部を収容する。スリーブ2の材料は、例えば、ポリプロピレンである。スリーブ2は、円筒状のクロージャ1の側面を構成している。
スリーブ2は、クロージャ1の長手方向(クロージャ1の軸線方向、ケーブルCの延在方向)に沿って並設される複数のリブ2aを備えており、各リブ2aはクロージャ1の周方向に延在している。また、バンド部材5のネジ3は、クロージャ1の長手方向に沿って並設されている。なお、以下の説明において、クロージャ1の軸線方向、クロージャ1の径方向、及びクロージャ1の周方向を、それぞれ単に軸線方向、径方向、及び周方向とすることがある。
クロージャ1の長手方向の両端には円板形の端面板4が設けられており、2個の端面板4によってスリーブ2は封止されている。端面板4は、ケーブルCを通す円形の孔部4aを備える。孔部4aの径はケーブルCの外径よりも大きい。また、端面板4は、2個の半円形状の側壁部材4bがボルト接合されることによって形成されている。
2個の側壁部材4bの間にはシーリングテープが介在しており、このシーリングテープによって2個の側壁部材4bの間における気密性が確保されている。このシーリングテープはパテ状となっており、シーリングテープの材料としては、例えばブチルゴムが挙げられる。また、ケーブルCには、端面板4の孔部4aとケーブルCとの間の隙間を塞ぐエアタイトテープT1が巻き付けられている。エアタイトテープT1は、例えばゴム製である。
図3の端面板4では1個の孔部4aのみが設けられているが、クロージャ1から延びるケーブルCの本数又はケーブルCの種類に応じて、端面板及びその孔部の形状及び個数は適宜変更可能である。端面板の種類は様々である。具体的には、例えばケーブルの接続部から二股又は三股となってケーブルが延び出している場合もあり、このような場合、端面板に設けられる孔部の数は2つまたは3つとなる。
スリーブ2の内部には加圧された窒素ガス又は空気等のガスがケーブルCを通じて供給されており、このガスでスリーブ2の内部が高い気圧とされていることによって、スリーブ2の内部への水の浸入が阻止されている。また、スリーブ2と端面板4との間には気密保持を行うガスケットが設けられている。
スリーブ2の外周にはバンド部材5が巻き付けられており、複数のバンド部材5がクロージャ1の長手方向に並設されている。これらのバンド部材5は、内部が高い気圧とされたスリーブ2を外側からネジ3で締め付けるために設けられており、例えばステンレスによって構成されている。
以上のように構成されるクロージャ1では、経年劣化等により、ケーブルCと端面板4の孔部4aとの間(エアタイトテープT1が設けられる箇所)、端面板4とスリーブ2との間、又は端面板4を構成する2個の側壁部材4bの間、に位置する漏出部からガスが漏れることがある。ここで、漏出部とは、ケーブルCと孔部4aとの間、端面板4とスリーブ2との間、又は2個の側壁部材4bの間等、スリーブ2に封入されたガスが漏れうる箇所を示している。
クロージャ1の漏出部からのガス漏れを検知した場合には、漏出部を塞いでガス漏れを解消する補修作業を行う必要がある。漏出部を特定する方法としては、例えば、クロージャ1の表面に石鹸水等の液体を付着させて発泡が生じるかどうかを確認する方法が挙げられる。
次に、前述した漏出部の補修作業で用いられる補修構造体10について説明する。なお、図1〜図3では、ケーブルCと孔部4aとの間の隙間に位置する漏出部L1を補修する補修構造体10を示している。補修構造体10は、端面板4に固定される固定部材11と、固定部材11にケーブルCの延在方向に移動可能に支持されるスライダ12(スライド部材)と、スライダ12及びケーブルCの間に介在するワッシャ13(押込部材)と、端面板4の孔部4aとケーブルCとの間の隙間を覆う充填部材14と、スライダ12をケーブルCの延在方向に沿って押圧する複数のバネ部材15とを備えている。
固定部材11は、端面板4に固定されるフックプレート11aと、フックプレート11aが固定されるリング部材11bとを含んでいる。リング部材11bは、半円環状の側壁部材11cを備えており、ケーブルCの側方から2個の側壁部材11cが接合されることによって円環状のリング部材11bが形成される。また、リング部材11bは、バネ部材15のネジ棒15aをねじ込むネジ穴11dを備えており、4個のネジ穴11dが周方向に等間隔に配置される。これらのネジ穴11dは、軸線方向外側に露出しており、軸線方向外側からネジ棒15aがねじ込まれる。
スライダ12は、半円環状の側壁部材12aを備えており、ケーブルCの側方から2個の側壁部材12aが接合されることによって円環状に形成される。各側壁部材12aはフランジ部を備えており、このフランジ部にはネジ棒15aを挿通させる孔部12cが設けられている。2個の側壁部材12aを接合させたときに、孔部12cは周方向に等間隔に4つ配置される。
ワッシャ13は、円環状に形成されている。ワッシャ13は、ケーブルCとスライダ12との間に入り込む部材であって、スライダ12による加圧力を充填部材14の露出面に全面的に伝達させるために設けられる。スライダ12の移動に伴ってスライダ12の端面がワッシャ13の表面に軸線方向に当接し、この当接によってワッシャ13が充填部材14を軸線方向外側から満遍なく押圧する。
充填部材14は、充填時に粘土状であって充填後にゴム状に硬化する材料によって構成されていてもよい。充填部材14としては、2液が反応してゴム状となる硬化型弾性樹脂を用いることができ、例えばシリコーン系の材料を用いることができる。充填部材14は、端面板4の孔部4aとケーブルCとの間の隙間に埋め込まれると共に軸線方向外側から押し付けられ、当該隙間を封止させるために設けられる。充填部材14が、充填時に粘土状であって加圧されると流動する材料である場合には、充填部材14を孔部4aとケーブルCとの間に押し込むことによって、孔部4aにおいてケーブルC及びエアタイトテープT1の表面に充填部材14を密着させて充填部材14の充填を行える。例えば、本実施形態に係る充填部材14は粘土状であり、手で容易に形状を変化させられる程度に軟らかく、漏洩しているガスが貫通できない程度の粘土であることが好ましい。
バネ部材15は、例えば圧縮コイルバネである。バネ部材15は、ケーブルCの延在方向において、スライダ12の端面板4との反対側に設けられる。スライダ12の周方向において等間隔に並ぶように複数のバネ部材15が配置されており、本実施形態では例えば4個のバネ部材15が配置されている。各バネ部材15は、ケーブルCの延在方向に延びるネジ棒15aと、ネジ棒15aが挿通されるスプリング15bと、スプリング15bのスライダ12との反対側においてネジ棒15aに挿通されるワッシャ15cと、ワッシャ15cのスプリング15bとの反対側に設けられてネジ棒15aに螺合されるナット15dとを備えている。
ネジ棒15aは、その表面に雄ネジを備えており、スライダ12の孔部12c、及び固定部材11のネジ穴11dに挿入される。スプリング15bは、その軸線方向の一端がワッシャ15cに当接すると共に、スプリング15bの軸線方向の他端はスライダ12の円環状の外周面12dに当接している。外周面12dは、スライダ12のクロージャ1との反対側に設けられた端面である。ワッシャ15cは、ケーブルCの延在方向に押し込まれてネジ棒15aに対するナット15dの螺合位置が調整される。これにより、軸線方向に延びるスプリング15bの長さを調整することができ、スプリング15bの押圧力を調整することができる。
次に、補修構造体10を形成してクロージャ1の漏出部L1を補修する補修方法について説明する。初期状態では、図4(a)及び図4(b)に示されるように、端面板4の孔部4aとケーブルCとの間にエアタイトテープT1が介在した状態とされている。まず、図5(a)及び図5(b)に示されるように、孔部4aとケーブルCとの間の部分に形成された漏出部L1に粘土状の充填部材14を充填させる。このとき、充填部材14をエアタイトテープT1の外側に満遍なく充填して漏出部L1を軸線方向外側から塞ぎ込む(充填部材を配置する工程)。
次に、図6に示されるように、固定部材11を充填部材14の軸線方向外側に固定させる。すなわち、フックプレート11aを側壁部材11cに取り付けると共に2個の側壁部材11cを接合してリング部材11bを形成し、このリング部材11bを端面板4に固定させる。続いてケーブルCにワッシャ13を装着してワッシャ13を固定部材11の内側に入れ込むことにより、ワッシャ13を充填部材14の軸線方向外側に配置する。ワッシャ13を配置した後には、図7に示されるように、ケーブルCの側方から2個の側壁部材12aを接合させて円環状のスライダ12を形成して、更にワッシャ13と係合させた後に充填部材14に突き当てる(加圧部材を配置する工程)。
そして、図8に示されるように、スプリング15b、ワッシャ15cにネジ棒15aを挿通させ、ネジ棒15aにナット15dを螺合してワッシャ15cでスプリング15bをクロージャ1側に押し込んでいく。そして、ネジ棒15aをスライダ12の孔部12c及び固定部材11のネジ穴11dに挿入して螺合させることにより、バネ部材15をスライダ12に取り付ける。このように4個のバネ部材15をスライダ12に取り付けてバネ部材15でスライダ12を押圧することにより(加圧部材を押圧する工程)、補修構造体10が完成する。
以上、本実施形態の補修構造体10によれば、充填部材14が漏出部L1を有するクロージャ1の端面に配置されると共に、この充填部材14をスライダ12及びワッシャ13によって外側から加圧している。従って、漏出部L1に充填部材14を充填させてスライダ12及びワッシャ13によって充填部材14を加圧することにより漏出部L1からのガスの漏れを止めることができる。よって、漏出部L1から漏れるガス漏れの補修作業を簡単且つ確実に行うことができる。
また、前述の充填部材14は、長期間使用した場合に、温度変化又はクリープ現象等によって膨張又は収縮することがあり、これによりスライダ12で充填部材14を加圧しても安定した加圧力を維持できなくなる懸念がある。しかしながら、補修構造体10によれば、スライダ12を充填部材14に向かって押圧するバネ部材15を備えている。これにより、充填部材14が膨張又は収縮しても、バネ部材15が伸縮して充填部材14の膨張又は収縮を吸収することにより、安定した加圧力を長期間にわたって維持することができる。このように、長期間にわたって加圧力を安定させることができるので、補修構造体10を長寿命化させることができると共に、将来的に生じうるガス漏れを予防することもできる。
また、補修構造体10では、複数のバネ部材15が、ケーブルCに対して点対称且つ線対称となる位置に配置されている。このように複数のバネ部材15を配置することにより、複数のバネ部材15によってバランスよくスライダ12及びワッシャ13を押圧することができる。従って、充填部材14をバランスよく押圧することができるので、ガス漏れの発生をより確実に防止することができる。なお、このような作用効果を発揮するためには、複数のバネ部材15は、ケーブルCに対して点対称又は線対称に配置されていればよい。
次に、前述したバネ部材15の効果を検証した実験について説明する。この実験では、バネ部材を有する構造体とバネ部材を有しない構造体との比較検証を行っている。この実験では、図9に示される構造体20を用いている。構造体20は、充填部材14を収容する収容部材21と、収容部材21に収容された充填部材14を加圧する押し付け部材22とを含んでいる。前述した補修構造体10において、収容部材21は端面板4に相当し、押し付け部材22は充填部材14を加圧するワッシャ13及びスライダ12(加圧部材)に相当する。
図9及び図10(b)に示されるように、収容部材21は、直方体状に形成されており、正方形状の主面21aを有する。この主面21aには、円環状の溝21bが形成されており、この溝21bに充填部材14が充填される。図10(c)は、溝21bを含む収容部材21の内部空間の形状、すなわち溝21bに充填された充填部材14の形状を示しており、溝21bに充填された充填部材14は段付き円環状とされている。また、収容部材21は、その主面21aに後述するネジ棒23が螺合する4個のネジ穴21dを有しており、各ネジ穴21dは主面21aの四隅付近に配置されている。
図9及び図10(a)に示されるように、押し付け部材22は、直方体状の本体部22aと、本体部22aの正方形状の主面22bから円環状に突出する突出部22cとを備えている。突出部22cの頂部の形状は、収容部材21の溝21bの形状と相似形となっており、溝21bに充填された充填部材14を押圧可能な形状及び大きさとされている。また、押し付け部材22の主面22bには、ネジ棒23が挿通する4個の挿通孔22dが形成されており、各挿通孔22dは主面22bの四隅付近に配置されている。
図11(a)に示されるように、構造体20において、収容部材21の溝21bの底面に圧力を検出するセンサ24を配置し、溝21bに充填部材14を充填させる。このとき、充填部材14は、60秒間混合された後に溝21bに充填され、その後60分かけて充填部材14を硬化させる。そして、図11(b)に示されるように、溝21bに突出部22cを当接させて、収容部材21に押し付け部材22を押し付けた状態とする。
続いて、図12(a)に示されるように、ネジ棒23をワッシャ25に通した状態で押し付け部材22の各挿通孔22dにネジ棒23を通し、このネジ棒23を収容部材21のネジ穴21dに締め付ける。このとき、センサ24で検出した圧力が3000kPaとなるまでネジ棒23の締め付けを行って比較例の構造体20Bを完成させる。
一方、実施例の構造体20Aでは、図12(b)に示されるように、スプリング26を取り付ける。具体的には、ネジ棒23をワッシャ25、スプリング26及びワッシャ27に通した状態で各挿通孔22dにネジ棒23を通し、各ネジ棒23を収容部材21のネジ穴21dに締め付けて実施例の構造体20Aを完成させる。
以上のように実施例の構造体20Aと比較例の構造体20Bを完成させた後には、ヒートサイクル試験を行って充填部材14の内部圧力をセンサ24で検出した。具体的には、構造体20A,20Bを恒温槽に入れ、20℃(0.5時間)、20℃⇒60℃(1.0時間)、60℃(1.0時間)、60℃⇒20℃(1.0時間)、20℃(1.0時間)、20℃⇒−20℃(1.5時間)、−20℃(1.0時間)、−20℃⇒20℃(1.0時間)の8ステップを有するサイクルを複数サイクル実施した。このとき、充填部材14は、温度が高いときには膨張して内部圧力が上昇し、温度が低いときには収縮して内部圧力が低減した。充填部材14の内部圧力が低減すると、クロージャ1からのガス漏れが発生することが懸念される。
比較例の構造体20Bにおいて前述のサイクルを15サイクル実施した結果、充填部材14の内部圧力の最大値と最小値の差が平均1835kPaとなり、充填部材14の内部圧力の最小値は182kPaとなった。これに対し、実施例の構造体20Aにおいて前述のサイクルを3サイクル実施した結果、充填部材14の内部圧力の最大値と最小値の差が平均705kPaとなり、充填部材14の内部圧力の最小値は687kPaとなった。
以上のように、スプリング26を有する実施例の構造体20Aでは、前述の内部圧力の差は、705kPaとなり、比較例の構造体20Bにおける内部圧力の差に対して60%近く低減できた。また、構造体20Aでは、内部圧力の最小値を687kPaにまで高めることができた。従って、スプリング26を有する構造体20Aでは、温度変化による充填部材14の内部圧力の変動を抑えると共に、充填部材14の内部圧力の最小値を高めることができた。よって、充填部材14が収縮してもスプリング26による押圧力が働くので、温度変化が生じても加圧力を維持することができると共に、クロージャ1からのガス漏れの発生を回避することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、シリコーンゴムが添加された充填部材14を用いた点が第1実施形態と異なっている。なお、以下では、前述した内容と重複する説明を適宜省略する。充填部材14は、ガス漏れの抑制機能を高めるため、低硬度且つ高いクリープ耐性を有することが求められる。ここで高いクリープ耐性とは、塑性変形しにくい性状を示しており、すなわち、長期間圧縮変形を受けた場合であっても圧縮力が無くなれば圧縮変形前の形状に戻る性状を示している。第2実施形態において、充填部材14は、2液室温硬化のシリコーンパテであり、粉末状のシリコーンゴムがシリコーンパテに混ぜられることによって生成される。
シリコーンゴムのゴム硬度は、シリコーンパテのゴム硬度よりも低い。また、シリコーンゴムは、シリコーンパテと比較してより高い温度で硬化する。従って、シリコーンゴムがシリコーンパテに混合される場合、より低硬度で且つより高いクリープ耐性を備えた充填部材14が生成される。また、混合材料である充填部材14全体に対するシリコーンゴムの重量比は、例えば、30%以上且つ50%未満である。
次に、この充填部材14を生成する方法の具体例について説明する。まず、液状のシリコーンゴムを混合し120℃で10分間硬化させて厚さ3mmのシリコーンゴムシートを作製する。そして、このシリコーンゴムシートを150℃で3時間かけて2次架橋する。なお、例えば、上記シリコーンゴムのショアA硬度は5度である。その後、上記のシリコーンゴムシートを凍結粉砕し、粉末の凝集を回避するために、粉砕したシリコーンゴムにシリカ粉末を添加した。そして、このシリコーンゴム粉末を1mm角のメッシュで篩にかけることにより、前述した粉末状のシリコーンゴムを生成した。
粉末状のシリコーンゴムとシリコーンパテの混合については、例えば、所定量のシリコーンパテをガラス瓶に投入し、その後所定量のシリコーンゴムを当該ガラス瓶に投入した。そして、上記ガラス瓶の内部において、ミキサーによりシリコーンパテの主剤とシリコーンゴム、及びシリコーンパテの硬化剤とシリコーンゴムとを撹拌混合した後、これらを更に混合し、この混合物をステンレス製の型枠に詰め込んで型枠に蓋を乗せ、24時間かけてシリコーンパテを硬化させ、直径30mm且つ高さ13mmの円柱状の充填部材14を作製した。第2実施形態に係るクロージャ1の補修方法では、上記のように、シリコーンパテに粉末状のシリコーンゴムを混ぜ合わせて充填部材14を生成し(充填部材を生成する工程)、その後、前述と同様、漏出部L1に充填部材14を充填する(充填部材を配置する工程)。後は、第1実施形態と同様の工程を実行する。
次に、充填部材14の弾性率を測定した実験について説明する。この実験では、上記のように作製した充填部材14の反発力を測定するために、作製した充填部材14をプッシュプルゲージで圧縮した。具体的には、直径100mmの2枚の円板で充填部材14を挟み、一方の板を他方の板に向かって10mm/minの速度で移動させることにより、充填部材14を圧縮した。このプッシュプルゲージで充填部材14の反発力を計測及び記録した。その結果を図13のグラフに示している。
図13に示されるように、シリコーンゴムの添加率が高いほど板の変位に対する充填部材14全体としての反発力を低下できることが分かった。また、上記2枚の円板を10mmの間隔を空けるように配置し、この2枚の円板の間に充填部材14を挟んで圧縮し、90℃で72時間放置した後、2枚の円板を外して室温で2時間冷ますことにより、充填部材14がどのくらいの割合で元に戻らなかったかを検証した。その結果を図14のグラフで示している。
図14に示されるように、シリコーンゴムの添加率が0%の場合と比較して、シリコーンゴムの添加率が高い場合、特にシリコーンゴムの添加率が30%以上の場合に、元に戻らなかった充填部材14の高さ比率を低減させることができた。すなわち、シリコーンゴムの添加率が高いほど、充填部材14のクリープ耐性を高めることができることが分かった。
以上のように、第2実施形態に係るクロージャの補修構造体及び補修方法において、充填部材14はシリコーンパテとシリコーンゴムとの混合材料であり、シリコーンゴムのゴム硬度は、シリコーンパテのゴム硬度よりも低い。このように充填部材14として当該混合材料を用いることにより、低硬度で且つより高いクリープ耐性を備えた充填部材14を生成できるので、充填部材14によるガス漏れの抑制機能を高めることができる。また、混合だけで充填部材14を生成できるので、化学的な組成を変えることなく容易に低硬度且つ高いクリープ耐性を有する充填部材14を生成することができる。
また、上記混合材料全体に対するシリコーンゴムの重量比は、例えば、30%以上且つ50%未満である。上記の重量比を30%以上とすることにより、充填部材14の硬度を低下できると共にクリープ耐性を一層高めることができる。また、上記の重量比を50%未満とすることにより、混合時のべとつきを低減して混合を容易に行うことができ、混合の作業性を向上させることができる。
以上、第2実施形態では、シリコーンパテとシリコーンゴムとの混合材料がクロージャ1の補修用に用いられる充填部材14である例について説明したが、この混合材料は、クロージャ1の補修以外の用途で用いることも可能である。具体的には、以下の用途で使用可能である。
密閉を行うパッキンであって、前記パッキンは、シリコーンパテとシリコーンゴムの混合材料によって構成されている。前記パッキンは、容器を密閉するパッキン、又は配管用パッキンである。また、所定の箇所に充填される充填材料であって、前記充填材料は、シリコーンパテとシリコーンゴムの混合材料によって構成されている。前記充填材料は、ケーブルと前記ケーブルの挿入口との隙間、又は、小動物若しくは外気の流入を防止するために充填される。更に、部材の防振又は耐衝撃で用いられる材料であって、前記材料は、シリコーンパテとシリコーンゴムの混合材料によって構成されている。このように、当該混合材料を以上の用途で用いた場合にも前述と同様の効果が得られる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係るクロージャ1の補修構造体について説明する。第3実施形態に係る補修構造体は、スライダ12及びワッシャ13に代えて、切断可能なスライダ52及びワッシャ53を備えた点で第1実施形態と異なっている。図15、図16(a)、図16(b)及び図17に示されるように、スライダ52は、半円筒状の側壁部材52aを一対に備えており、2つの側壁部材52aが接合されることによって円筒状に形成される。一方、ワッシャ53も2つの半円筒状の側壁部材53aで構成されている。
スライダ52の円弧状とされた内周面52bには、径方向内側に突出する複数の突起部54が形成されており、各突起部54は、スライダ52の軸線方向(ケーブルCの延在方向)に直線状に延在している。複数の突起部54は、例えば、スライダ52の周方向に等間隔に配置されており、本実施形態では5つの突起部54が周方向に等間隔に配置されている。各突起部54は径方向に凹凸が並ぶ波形部を備えており、各突起部54の軸線方向の一端は径方向に高さが異なる階段状とされた段差部54cが当該波形部の位置に対応して設けられている。
このように、各突起部54では、その軸線方向の一端に波形部に対応する段差部54cが設けられており、この段差部54cから、波形部の凹の部分に沿って突起部54を軸線方向に切断可能とされている。この波形部の凹の部分は、切断するための脆弱部、すなわち、突起部54の切断部に相当し、この切断部はケーブルCの延在方向に伸びている。波形部の軸線方向への切断を行うことによって、内周面52bに対する突起部54の高さを複数段階で変更可能である。例えば、本実施形態では、各突起部54が4つの凹部を有するので、突起部54の高さを5段階で変更可能である。
また、各突起部54の段差部54cは、ワッシャ53が軸線方向に当接する当接部とされている。段差部54cは、径方向外側に向かうにつれて軸線方向に奥まった配置とされている。すなわち、突起部54におけるワッシャ53が当接する段差部54cは、径方向外側に向かうに従って深く窪む形状とされており、径方向外側に位置する段差部54cが、径方向内側に位置する段差部54cよりも軸線方向に奥まっている。
図18に示されるように、ワッシャ53は、径方向に互いに取り外し可能に重ねられている複数の被覆部材55を含んでいる。各被覆部材55は、初期状態において薄板の半円筒状に形成されている。各被覆部材55は、軸線方向に延びる複数の切断線55aを有しており、この切断線55aに沿って周方向に切断可能とされている。
また、各被覆部材55は、径方向外側に突出するラッチ部55b、及びラッチ部55bが引っ掛けられる係合孔55cの少なくともいずれかを備えている。具体的には、最も径方向内側に位置する被覆部材55はラッチ部55bのみを備え、最も径方向外側に位置する被覆部材55は係合孔55cのみを備え、それ以外の被覆部材55はラッチ部55b及び係合孔55cの両方を備える。ラッチ部55b及び係合孔55cは、各被覆部材55の周方向の中央部分に設けられている。
複数の被覆部材55において、ラッチ部55b及び係合孔55cの位置は、互いにずれた位置に配置されている。具体的には、最も径方向内側に位置する被覆部材55は、その軸線方向中央にラッチ部55bを備えており、次に径方向内側に位置する被覆部材55は、その軸線方向一方側にラッチ部55bを備えると共に、軸線方向中央に係合孔55cを備えている。また、3番目に径方向内側に位置する被覆部材55は、その軸線方向他方側にラッチ部55bを備えると共に、軸線方向一方側及び軸線方向中央に係合孔55cを備えており、4番目に径方向内側に位置する被覆部材55は、その軸線方向中央にラッチ部55bを備えると共に、軸線方向一方側及び軸線方向他方側に係合孔55cを備えている。そして、最も径方向外側に位置する被覆部材55は、その軸線方向中央及び軸線方向他方側に係合孔55cを備えている。
図19に示されるように、ラッチ部55bは、径方向外側に突出する2つの突出部55dを含んでおり、2つの突出部55dは周方向に並んで配置されている。各突出部55dの先端には周方向外側に突出する凸部55eが設けられている。一方、係合孔55cには、径方向外側に向かうに従って周方向内側に突出するテーパ面を備えたテーパ部55fが周方向に一対に形成されており、各テーパ部55fを各凸部55eが径方向外側に乗り越えて各凸部55eが各テーパ部55fの径方向外側に達することによって複数の被覆部材55が径方向に重ね合されて連結される。
図20に示されるように、ワッシャ53は、各被覆部材55がスライダ52の各突起部54の段差部54cに当接することによって、スライダ52に押し当てられる。このとき、各被覆部材55は薄板状とされているので、各被覆部材55は段差部54cにおいて径方向外側に傾くように曲げられた状態となる。これにより、各被覆部材55を一層確実に段差部54cに入り込ませることが可能となる。
次に、第3実施形態に係るクロージャの補修方法について説明する。例えば、図21(a)及び図21(b)に示されるように、断面が略円形のケーブルCにワッシャ53及びスライダ52を用いる場合には、第1実施形態と同様に、ワッシャ53をケーブルCの周囲に配置してケーブルCを囲み、2個の側壁部材52aをケーブルCの側方から接合させ円環状のスライダ52を形成する。このとき、スライダ52をワッシャ53の軸線方向の隣接位置に配置して、前述したように、ワッシャ53の各被覆部材55をスライダ52の各段差部54cに軸線方向に当接させる。
一方、例えば楕円形状のケーブルCにワッシャ53及びスライダ52を用いる場合には、図22(a)及び図22(b)に示されるように、スライダ52及びワッシャ53の配置を行う前に、被覆部材55の枚数調整と、ワッシャ53及びスライダ52の切断とを行う。ワッシャ53及びスライダ52の切断では、スライダ52の突起部54(波形部)の切断、及びワッシャ53の被覆部材55の切断線55aに沿った切断を行う。これらの切断は、必要に応じてニッパー等の工具を用いて行う。
具体的には、例えばケーブルCの楕円の長軸に相当する部位のように、ケーブルCの径方向の長さが長い部位に対しては、被覆部材55の枚数を少な目にすると共に、突起部54を多めに切断する。一方、ケーブルCの楕円の短軸に相当する部位のように、ケーブルCの径方向の長さが短い部位に対しては、被覆部材55の枚数を多めにすると共に、突起部54を少な目に切断する(又は切断しない)。このように、ワッシャ53の被覆部材55の枚数調整と、ワッシャ53及びスライダ52の切断とを行った後には、前述と同様、ワッシャ53及びスライダ52の配置を行う。
以上、第3実施形態に係る補修構造体は、ケーブルCの外周に取り付けられた状態で充填部材14を押し込むワッシャ53と、ケーブルCに沿ってスライドしてワッシャ53を加圧するスライダ52と、を加圧部材として備えている。そして、ワッシャ53は、ケーブルCの延在方向に伸びる複数の切断線55aを有する。このように、ワッシャ53は、複数の切断線55aを有するので、適宜切断して使用することができる。従って、ワッシャ53の内側に通すケーブルCの種類に応じてワッシャ53の形状及び大きさを変更することができるので、種々のケーブルCに対して確実な補修を行うことができる。
また、ワッシャ53は、ケーブルCの径方向に互いに取り外し可能に重ねられる複数の被覆部材55を含んでいる。従って、ケーブルCの径の大きさ、形状及び偏心度合に応じて径方向に重ねる被覆部材55の枚数を変えてワッシャ53の径方向の厚みを変更することができるので、種々のケーブルCに対して一層確実な補修を行うことができる。
また、各被覆部材55は、他の被覆部材55を重ねて引っ掛けるラッチ部55b、及びラッチ部55bが引っ掛けられる係合孔55c、の少なくともいずれかを備えており、各被覆部材55のラッチ部55bは、互いにずれた位置に配置されている。従って、複数枚の被覆部材55を重ねても各ラッチ部55bは干渉しないので、被覆部材55の重ね合わせをスムーズに行うことができる。
また、各ラッチ部55bは、径方向外側に突出している。従って、被覆部材55の径方向内側に位置するケーブルCにラッチ部55bが干渉しないので、ケーブルCへのワッシャ53の装着をスムーズ且つ確実に行うことができる。
また、スライダ52において、突起部54は、径方向に凹凸が並ぶ波形形状を有しており、突起部54は、ケーブルCの延在方向に伸びる複数の切断線(波形形状の凹の部分)を有する。従って、この波形形状の凹の部分で突起部54の切断を容易に行うことができる。すなわち、ケーブルCの種類(ケーブルCの形状、大きさ及び偏心度合)に合わせて確実に突起部54の突出度合を変更することができるので、種々のケーブルCに対する一層確実な補修が可能となる。
また、突起部54におけるワッシャ53が当接する当接部である段差部54cは、径方向外側に向かうに従って深く窪む形状とされている。従って、ワッシャ53の各被覆部材55を径方向外側に向かって深く差し込むことができるので、スライダ52にワッシャ53を一層確実に係合させることができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係るクロージャ1の補修方法について説明する。本実施形態では、図23に示されるように、端面板4の孔部4aにおいて、孔部4aの内側に突出した凸部4cを切削してクロージャ1の補修を行う。凸部4cは、端面板4の軸線方向一端において径方向内側に突出している部位であり、この凸部4cを切削することによって漏出部L1への充填部材14の充填を一層スムーズ且つ確実に行うことが可能となる。
まず、図24及び図25を参照して凸部4cの切削で用いる切削治具60について説明する。切削治具60は、端面板4に固定される固定部61と、固定部61に取り付けられる切削部62とを備えている。切削部62は、一対の半円環状の半割部材62aがボルトB1及びナットで接合されることによって環状に形成される。各半割部材62aは、その軸線方向に突出する雄ネジ部62bと、雄ネジ部62bの内周面に着脱自在に配置される切削刃62cと、雄ネジ部62bの内周面において径方向外側に窪む凹部62dと、切削部62の外周面に設けられた穴部62eとを備えている。
雄ネジ部62bは、固定部61に切削部62をねじ込むための部位であり、切削部62の周方向に螺旋状に延びている。切削刃62cは、凸部4cを切削する部位であり、各半割部材62aに2つずつ設けられている。切削刃62cは、雄ネジ部62bの内周面に形成された凹部62gに入り込むと共に、切削刃62cの挿通孔62h及び凹部62gに形成されたネジ穴にネジが挿入されてこのネジが螺合されることにより、雄ネジ部62bの内周面に取り付けられる。凹部62dは、切削刃62cによる凸部4cの切削によって生じた削り屑を通すために設けられており、切削部62の軸線方向の一端から他端にまで全体にわたって延びている。
固定部61は、一対の半円環状の半割部材61aがボルトB2及びナットで接合されることによって環状に形成される。各半割部材61aは、その内周面に形成された雌ネジ部61bと、軸線方向に突出する一対の突出片61cと、周方向の両端から径方向外側に突出する突出部61fを備えている。雌ネジ部61bは、切削部62の雄ネジ部62bをねじ込ませるために設けられている。また、半割部材61aの外周部には略矩形の切欠き61gが設けられており、この切欠き61gには、切削部62をねじ込むときに使用するハンドルH(図28参照)を引っ掛けることができる。ハンドルHは、例えばフックスパナである。
突出片61cは、各半割部材61aにおいて2つずつ設けられており、2つの突出片61cは、固定部61の周方向に並んで配置されている。各突出片61cは、径方向内側に突出する複数の凸部61dを有する。この凸部61dは、端面板4の孔部4aを形成する円柱状部の外周面4eに複数形成された穴部4fのそれぞれに挿入される。このように複数の凸部61dが各穴部4fに挿入されることによって、固定部61は端面板4に固定される。
次に、第4実施形態に係るクロージャ1の補修方法について説明する。まず、端面板4に切削治具60を設置する。具体的には、図26(a)に示されるように、固定部61の各半割部材61aの凸部61dを穴部4fに挿入して2つの半割部材61aを接合することによって、端面板4に固定部61を固定する。そして、図26(b)及び図27(a)に示されるように、切削部62の切削刃62cを固定部61側に向けた状態として2つの半割部材62aを接合することによって、ケーブルCに切削部62を固定する。
図27(b)及び図28に示されるように、ケーブルCに切削部62を固定させた後には、切削部62の雄ネジ部62bを固定部61の雌ネジ部61bにねじ込む。具体的には、固定部61の突出部61f又は切欠き61gにハンドルHの突出部H1を引っ掛けてハンドルHの把持部H2を一方の手で押さえ、切削部62の穴部62eに棒状部材Xを挿入して棒状部材Xを他方の手で回転させることにより、固定部61に対して切削部62をねじ込む。
このように切削部62をねじ込むと、切削部62の各切削刃62cが端面板4の凸部4cに軸線方向外側から刺し込まれ、この状態で端面板4に対して切削刃62cが螺旋状に回転することにより、図29に示されるように、凸部4cが切削された状態とする(凸部を切削する工程)。その後は、前述の各実施形態と同様、漏出部L1への充填部材14の充填、ワッシャ及びスライダ(加圧部材)の設置による充填部材14への加圧、及びバネ部材による加圧部材への押圧、を経て一連の工程が完了する。
以上、第4実施形態に係るクロージャ1の補修方法では、孔部4aの内側に突出した凸部4cを切削治具60で切削してから孔部4aに充填部材14を配置している。このように凸部4cを切削治具60で切削してから充填部材14の配置を行うことによって、充填部材14の配置の妨げとなり得る凸部4cを除去できるので充填部材14の配置を容易に行うことができる。また、元々凸部4cが設けられていた部分にも確実に充填部材14の配置を行うことができるので、ガス漏れの補修を一層確実に行うことができる。
また、凸部4cを切削する工程では、固定部61に切削部62を取り付けて切削部62を固定部61にねじ込むことによって凸部4cを切削する。このように切削部62のねじ込みによって凸部4cを切削するため、切削部62を回転させることによって凸部4cをスムーズに切削することができる。
また、切削部62の内周面には、径方向外側に窪む凹部62dが形成されており、凸部4cの切削時には、この凹部62dに凸部4cの削り屑が通される。従って、孔部4aの内部等で削り屑が溜まる事態を回避することができ、削り屑をスムーズに排出させることができるので、より効率よく凸部4cの切削を行うことができる。
更に、本実施形態では、固定部61にハンドルHが取り付けられると共に切削部62に棒状部材Xが取り付けられ、ハンドルHに対する棒状部材Xの回転によって凸部4cを切削する。従って、手で簡単に切削部62をねじ込むことができるので、凸部4cの切削を一層効率よく行うことができる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態に係るクロージャの補修構造体について説明する。図31、図32及び図33に示されるように、第5実施形態に係る補修構造体80は、端面板4に固定される固定部材81と、固定部材81の軸線方向外側に取り付けられる位置決めアーム82と、位置決めアーム82に軸線方向に挿通される押し込みボルト83と、充填部材84と、充填部材84を保持する保持部材85と、保持部材85を充填部材84に向けて押圧するバネ部材86とを備えている。
固定部材81は、端面板4に固定されるフックプレート81aと、フックプレート81aが固定されるリング部材81bとを含んでいる。フックプレート81aは、端面板4の穴部4f(図23参照)に挿入される凸部を有し、この凸部が穴部4fに挿入されることによってフックプレート81aは端面板4に固定される。
リング部材81bは、半円環状の半割部材81cを備えており、ケーブルCの側方から2個の半割部材81cが接合されることによって円環状のリング部材81bが形成される。リング部材81bは、位置決めアーム82の固定用のネジ87をねじ込むネジ穴81dを備えており、複数のネジ穴81dがリング部材81bの周方向に並んで配置されている。これらのネジ穴81dは軸線方向外側に露出しており、各ネジ穴81dには軸線方向外側からネジ87がねじ込まれる。
位置決めアーム82は、直線状に延びる形状とされている。位置決めアーム82は、その長手方向の一端部と他端部とがリング部材81bに固定され、円環状とされたリング部材81bを跨いだ状態でリング部材81bの軸線方向外側に固定される。位置決めアーム82は、その長手方向の中央に設けられた第1挿通孔82aと、当該長手方向の両端部に設けられた一対の第2挿通孔82bとを有する。
第1挿通孔82aは、押し込みボルト83の位置決めのために設けられており、押し込みボルト83は第1挿通孔82aに軸線方向に挿通する。第1挿通孔82aは、位置決めアーム82の幅方向(図31の上下方向)に延びる長穴状とされている。このように第1挿通孔82aが長穴状であることにより、位置決めアーム82の幅方向の位置を調整しつつ押し込みボルト83を挿通させることが可能となっている。
第2挿通孔82bは、位置決めアーム82を固定部材81に固定させるネジ87を挿通させる。第2挿通孔82bは、軸線方向に貫通すると共に、位置決めアーム82の長手方向に延びる長穴状とされている。このように第2挿通孔82bが位置決めアーム82の長手方向に延びる長穴状であることにより、径方向の大きさが異なるリング部材81bに対しても位置決めアーム82の固定を柔軟に行うことが可能となっている。
押し込みボルト83は、バネ部材86を軸線方向外側から押し込むために設けられる。押し込みボルト83は、バネ部材86と位置決めアーム82との間に配置されたナット88にねじ込まれる。そして、ナット88からバネ部材86側に突出する押し込みボルト83の端部83aをバネ部材86に押し込むことにより、押し込みボルト83がバネ部材86を加圧する。
充填部材84は、例えば、第1実施形態の充填部材14と同一のものを用いることができるが、充填部材14と異なるものであってもよい。保持部材85は、充填部材84をバネ部材86の反対側で保持する。保持部材85は充填部材84を加圧する加圧部材としても機能する。保持部材85は湾曲して窪む凹部85aを有する。この凹部85aで充填部材84を保持することにより、保持部材85が充填部材84を安定して保持することが可能となる。
バネ部材86は、保持部材85と押し込みボルト83との間において軸線方向に延在している。バネ部材86は、例えばコイルバネである。バネ部材86は、その軸線方向の一端に設けられた第1台座86aと、当該軸線方向の他端に設けられた第2台座86bと、第1台座86a及び第2台座86bの間で螺旋状とされたスプリング部86cとを含んでいる。第1台座86aは保持部材85を押圧する部位であり、第2台座86bは押し込みボルト83に押し込まれる部位である。バネ部材86は、その第1台座86aが保持部材85を充填部材84に向けて押圧している。
次に、補修構造体80を形成してクロージャの漏出部を補修する補修方法について説明する。初期状態では、図34に示されるように、端面板4の孔部4aとケーブルCとの間において、エアタイトテープT1が巻き付けられており、この巻き付けられたエアタイトテープT1の間に漏出部L1があるものとする。
まず、固定部材81を端面板4の軸線方向外側に固定する。具体的には、フックプレート81aを半割部材81cに取り付けると共に2個の半割部材81cを接合してリング部材81bを形成し、このリング部材81bを端面板4に固定する。また、図35(a)に示されるように、バネ部材86に保持部材85を取り付けて保持部材85で充填部材84を保持すると共に、位置決めアーム82の第1挿通孔82a及びナット88に押し込みボルト83を挿入する。なお、保持部材85への充填部材84の取り付け(保持)は、補修現場での組み立て時に行ってもよいし、または、工場等において予め行っておいてもよい。
図35(a)及び図35(b)に示されるように、充填部材84を漏出部L1に軸線方向に対向させて、漏出部L1に充填部材84を押し当てる。そして、位置決めアーム82の第2挿通孔82bのそれぞれにネジ87を挿通し、各ネジ87をネジ穴81dにねじ込むことによって位置決めアーム82を固定部材81に固定させる。このとき、複数のネジ穴81dが周方向に並設されており、また、位置決めアーム82の第2挿通孔82bが長穴状となっているので、漏出部L1の場所に応じて任意のネジ穴81dを選択し、固定部材81に対する位置決めアーム82の配置を自在に行うことが可能である。
また、第1挿通孔82aに通された押し込みボルト83の位置を調整して、漏出部L1と押し込みボルト83とが軸線方向に沿って並ぶように押し込みボルト83の位置合わせを行う。そして、押し込みボルト83を回転させてナット88に締め付けて、押し込みボルト83の端部83aをバネ部材86に押し込む。これにより、押し込み力がバネ部材86及び保持部材85を介して充填部材84に伝達し、充填部材84が漏出部L1に押し付けられる。上記の押し付け力の調整を行った後に、漏出部L1の補修が完了する。
以上、第5実施形態の補修構造体80によれば、第1実施形態と同様の効果が得られると共に、漏出部L1に対する局所的(部分的)な補修を行うことができる。よって、漏出部L1からのガス漏れの補修作業を簡単且つ確実に行うことができる。また、補修構造体80は、保持部材85を充填部材84に向かって押圧するバネ部材86を備えている。従って、充填部材84が膨張又は収縮しても、バネ部材86が伸縮して充填部材84の膨張又は収縮を吸収することにより、安定した加圧力を長期間にわたって維持することができる。よって、長期間にわたって加圧力を安定させることができるので、補修構造体80を長寿命化させることができると共に、将来的に生じうるガス漏れを予防することもできる。
なお、第5実施形態では、位置決めアーム82の長手方向の一端部と他端部とがリング部材81bに固定される例について説明した。しかしながら、この例に限られず、位置決めアーム82の一端部(片側)のみがリング部材81bに固定されてもよい。このように、リング部材81bに対する位置決めアーム82の固定部位の数及び配置態様は適宜変更可能である。
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形が可能である。例えば、前述の実施形態では、切削治具60が端面板4に固定される固定部61を備える例について説明したが、この固定部61に代えて、スリーブ2に固定される固定部を備えていてもよい。
また、前述の第3実施形態では、スライダ52の突起部54における波形部の凹の部分が突起部54の切断部に相当する例について説明したが、当該切断部の形状は上記の例に限定されない。更に、突起部54の形状についても前述の実施形態に限られず適宜変更可能であり、波形部を有しない突起部であってもよい。また、ワッシャ53についても、上記の被覆部材55を備えた態様に限られず適宜変更可能である。
また、前述の実施形態では、補修構造体10が圧縮コイルバネであるバネ部材15を備える例について説明したが、バネ部材の種類は圧縮コイルバネに限定されない。例えば、図30に示されるように、引張コイルバネであるバネ部材75を備えた補修構造体70であってもよい。補修構造体70は、リング部材71bの外周面71cに設けられた凸部71dと、スライダ72の外周面72aに設けられた凸部72bとの間に、バネ部材75がケーブルCの延在方向に伸びており、このバネ部材75がスライダ72をクロージャ1に向かって付勢して、スライダ72がワッシャを介して充填部材14を加圧することにより、補修構造体10と同様の効果を発揮する。
また、前述の実施形態では、漏出部L1がケーブルCと端面板4の孔部4aとの間に位置する例について説明したが、漏出部の位置はこの例に限定されない。前述したように、漏出部は、端面板とスリーブとの間、又は端面板を構成する各部品の間にあってもよい。すなわち、例えば、前述の実施形態では、補修構造体10は、端面板4の孔部4aのみを覆う構成となっていたが、スリーブ2に固定部材を取り付けることにより端面板4の全体を覆う構成であってもよい。
1…クロージャ、2…スリーブ、2a…リブ、3…ネジ、4…端面板、4a…孔部、4b…側壁部材、4c…凸部、4e…外周面、4f…穴部、5…バンド部材、10,80…補修構造体、11,81…固定部材、11a,81a…フックプレート、11b,81b…リング部材、11c…側壁部材、11d,81d…ネジ穴、12,52…スライダ(加圧部材、スライド部材)、12a…側壁部材、12c…孔部、12d…外周面、13,53…ワッシャ(加圧部材、押込部材)、14,84…充填部材、15,86…バネ部材、15a…ネジ棒、15b…スプリング、15c…ワッシャ、15d…ナット、20,20A,20B…構造体、21…収容部材、21a…主面、21b…溝、21d…ネジ穴、22…押し付け部材、22a…本体部、22b…主面、22c…突出部、22d…挿通孔、23…ネジ棒、24…センサ、25…ワッシャ(押込部材)、26…スプリング、27…ワッシャ、52a…側壁部材、52b…内周面、53a…側壁部材、54…突起部、54c…段差部、55…被覆部材、55a…切断線、55b…ラッチ部、55c…係合孔、55d…突出部、55e…凸部、55f…テーパ部、60…切削治具、61…固定部、61a…半割部材、61b…雌ネジ部、61c…突出片、61d…凸部、61f…突出部、62…切削部、62a…半割部材、62b…雄ネジ部、62c…切削刃、62d…凹部、62e…穴部、62g…凹部、62h…挿通孔、81c…半割部材、82…位置決めアーム、82a…第1挿通孔、82b…第2挿通孔、83…押し込みボルト、83a…端部、85…保持部材、86a…第1台座、86b…第2台座、87…ネジ、88…ナット、B1,B2…ボルト、C…ケーブル、H…ハンドル、H1…突出部、H2…把持部、L1…漏出部、T1…エアタイトテープ、X…棒状部材。

Claims (19)

  1. 少なくとも2本のケーブルを接続させた接続部を収容する筒状のスリーブと、前記ケーブルを通す孔部を有し前記孔部に前記ケーブルを通した状態で前記スリーブを封止する端面板とを備えたクロージャの補修構造体であって、
    漏出部を有するクロージャ端面に対向して配置された充填部材と、
    前記充填部材を前記端面板の外側から加圧する加圧部材と、
    前記加圧部材を前記充填部材に向けて押圧するバネ部材と、
    を備えるクロージャの補修構造体。
  2. 複数の前記バネ部材が、前記ケーブルに対して点対称又は線対称に配置されている、
    請求項1に記載のクロージャの補修構造体。
  3. 前記充填部材は、シリコーンパテとシリコーンゴムとの混合材料である、
    請求項1又は2に記載のクロージャの補修構造体。
  4. 前記シリコーンゴムのゴム硬度は、前記シリコーンパテのゴム硬度よりも低い、
    請求項3に記載のクロージャの補修構造体。
  5. 前記混合材料全体に対する前記シリコーンゴムの重量比は、30%以上且つ50%未満である、
    請求項3又は4に記載のクロージャの補修構造体。
  6. 前記加圧部材は、前記ケーブルの外周に取り付けられた状態で前記充填部材を押し込む押込部材と、前記ケーブルに沿ってスライドして前記押込部材を加圧するスライド部材と、を含んでおり、
    前記押込部材は、前記ケーブルの延在方向に伸びる複数の切断線を有する、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のクロージャの補修構造体。
  7. 前記押込部材は、前記ケーブルの径方向に互いに取り外し可能に重ねられている複数の被覆部材を含む、
    請求項6に記載のクロージャの補修構造体。
  8. 各前記被覆部材は、他の前記被覆部材を重ねて引っ掛けるラッチ部、及び前記ラッチ部が引っ掛けられる係合孔、の少なくともいずれかを備える、
    請求項7に記載のクロージャの補修構造体。
  9. 各前記被覆部材の前記ラッチ部は、互いにずれた位置に配置されている、
    請求項8に記載のクロージャの補修構造体。
  10. 各前記ラッチ部は、径方向外側に突出している、
    請求項8又は9に記載のクロージャの補修構造体。
  11. 前記スライド部材の内周面には、前記押込部材に当接する突起部が形成されている、
    請求項7〜10のいずれか一項に記載のクロージャの補修構造体。
  12. 前記突起部は、径方向に凹凸が並ぶ波形形状を有する、
    請求項11に記載のクロージャの補修構造体。
  13. 前記突起部は、前記ケーブルの延在方向に伸びる複数の切断線を有する、
    請求項11又は12に記載のクロージャの補修構造体。
  14. 前記突起部における前記押込部材が当接する部位は、径方向外側に向かうに従って深く窪む形状とされている、
    請求項11〜13のいずれか一項に記載のクロージャの補修構造体。
  15. 少なくとも2本のケーブルを接続させた接続部を収容する筒状のスリーブと、前記ケーブルを通す孔部を有し前記孔部に前記ケーブルを通した状態で前記スリーブを封止する端面板とを備えたクロージャの補修方法であって、
    前記孔部に充填部材を配置する工程と、
    加圧部材を配置する工程と、
    バネ部材を配置して前記バネ部材によって前記加圧部材を前記充填部材に向けて押圧する工程と、
    を備えるクロージャの補修方法。
  16. 前記充填部材を配置する工程の前に、前記孔部の内側に突出した凸部を切削治具で切削する工程を更に備える、
    請求項15に記載のクロージャの補修方法。
  17. 前記切削治具は、前記端面板及び前記スリーブの少なくともいずれかに固定される固定部と、前記固定部に取り付けられる切削部と、を含んでおり、
    前記切削する工程では、前記固定部に前記切削部を取り付けてねじ込むことにより、前記凸部を切削する、
    請求項16に記載のクロージャの補修方法。
  18. 前記切削部の内周面には、径方向外側に窪む凹部が形成されており、
    前記切削する工程では、前記凹部に前記凸部の削り屑が通される、
    請求項17に記載のクロージャの補修方法。
  19. 前記充填部材を配置する工程の前に、シリコーンパテに粉末状のシリコーンゴムを混合して前記充填部材を生成する工程を更に備える、
    請求項15〜18のいずれか一項に記載のクロージャの補修方法。
JP2016116272A 2016-06-10 2016-06-10 クロージャの補修構造体、及びクロージャの補修方法 Active JP6811034B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016116272A JP6811034B2 (ja) 2016-06-10 2016-06-10 クロージャの補修構造体、及びクロージャの補修方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016116272A JP6811034B2 (ja) 2016-06-10 2016-06-10 クロージャの補修構造体、及びクロージャの補修方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017221081A true JP2017221081A (ja) 2017-12-14
JP6811034B2 JP6811034B2 (ja) 2021-01-13

Family

ID=60656529

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016116272A Active JP6811034B2 (ja) 2016-06-10 2016-06-10 クロージャの補修構造体、及びクロージャの補修方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6811034B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110994484A (zh) * 2020-01-04 2020-04-10 嵊州润雅电子科技有限公司 一种电线电缆绝缘层的修补装置
CN111755996A (zh) * 2020-08-12 2020-10-09 池国富 一种用于电缆表皮维护设备
CN111786313A (zh) * 2020-07-17 2020-10-16 重庆东电通信技术有限公司 输配电装备智能化远程运维系统
CN112234534A (zh) * 2020-11-13 2021-01-15 杭州志凯数码科技有限公司 一种缠绕型电缆护套修补装置及其使用方法
CN113629600A (zh) * 2021-08-04 2021-11-09 中广核研究院有限公司 电缆修复适配器及电缆修复方法
CN115609224A (zh) * 2022-12-20 2023-01-17 万达集团股份有限公司 一种海缆修复装置及其修复方法
CN117117724A (zh) * 2023-10-23 2023-11-24 国网河南省电力公司新乡县供电公司 一种供电系统的架空线缆表面检测修复设备
CN117638748A (zh) * 2023-11-24 2024-03-01 国网安徽省电力有限公司枞阳县供电公司 一种电缆修复装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61162244U (ja) * 1985-03-27 1986-10-07
JPH06507778A (ja) * 1991-06-06 1994-09-01 エヌ・ヴェ・レイケム・ソシエテ・アノニム ケーブル封止
JP2010136518A (ja) * 2008-12-04 2010-06-17 Tokyo Electric Power Co Inc:The 電気設備の補修方法
JP2016063656A (ja) * 2014-09-18 2016-04-25 株式会社カンドー 通信ケーブル用クロージャのガス漏洩補修具及びガス漏洩補修工法
JP2016063654A (ja) * 2014-09-18 2016-04-25 株式会社カンドー 通信ケーブル用クロージャのガス漏洩補修具及びガス漏洩補修工法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61162244U (ja) * 1985-03-27 1986-10-07
JPH06507778A (ja) * 1991-06-06 1994-09-01 エヌ・ヴェ・レイケム・ソシエテ・アノニム ケーブル封止
JP2010136518A (ja) * 2008-12-04 2010-06-17 Tokyo Electric Power Co Inc:The 電気設備の補修方法
JP2016063656A (ja) * 2014-09-18 2016-04-25 株式会社カンドー 通信ケーブル用クロージャのガス漏洩補修具及びガス漏洩補修工法
JP2016063654A (ja) * 2014-09-18 2016-04-25 株式会社カンドー 通信ケーブル用クロージャのガス漏洩補修具及びガス漏洩補修工法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110994484B (zh) * 2020-01-04 2021-01-22 圣达电气有限公司 一种电线电缆绝缘层的修补装置
CN110994484A (zh) * 2020-01-04 2020-04-10 嵊州润雅电子科技有限公司 一种电线电缆绝缘层的修补装置
CN111786313A (zh) * 2020-07-17 2020-10-16 重庆东电通信技术有限公司 输配电装备智能化远程运维系统
CN111755996A (zh) * 2020-08-12 2020-10-09 池国富 一种用于电缆表皮维护设备
CN111755996B (zh) * 2020-08-12 2021-08-27 国网河南省电力公司柘城县供电公司 一种用于电缆表皮维护设备
CN112234534B (zh) * 2020-11-13 2022-06-24 华力通线缆股份有限公司 一种缠绕型电缆护套修补装置及其使用方法
CN112234534A (zh) * 2020-11-13 2021-01-15 杭州志凯数码科技有限公司 一种缠绕型电缆护套修补装置及其使用方法
CN113629600A (zh) * 2021-08-04 2021-11-09 中广核研究院有限公司 电缆修复适配器及电缆修复方法
CN115609224A (zh) * 2022-12-20 2023-01-17 万达集团股份有限公司 一种海缆修复装置及其修复方法
CN115609224B (zh) * 2022-12-20 2023-03-10 万达集团股份有限公司 一种海缆修复装置及其修复方法
CN117117724A (zh) * 2023-10-23 2023-11-24 国网河南省电力公司新乡县供电公司 一种供电系统的架空线缆表面检测修复设备
CN117117724B (zh) * 2023-10-23 2024-01-09 国网河南省电力公司新乡县供电公司 一种供电系统的架空线缆表面检测修复设备
CN117638748A (zh) * 2023-11-24 2024-03-01 国网安徽省电力有限公司枞阳县供电公司 一种电缆修复装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6811034B2 (ja) 2021-01-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2017221081A (ja) クロージャの補修構造体、及びクロージャの補修方法
US3007600A (en) Seal
JP2007155116A (ja) タンク
US9944459B2 (en) Manway lid gasket
JP2008045943A (ja) 水圧試験装置
JP2017500523A (ja) シール構造体及びシール方法
JP2011099515A (ja) 弁と管との継手構造および弁
KR101506467B1 (ko) 파이프 연결구
KR101697208B1 (ko) 케이블 그랜드 내장형 정션박스 및 이를 갖는 방폭등
KR20120038745A (ko) 합성수지관 연결 장치
KR100574745B1 (ko) 플랜지를 이용한 관 이음장치
JP2007127153A (ja) 極低温用フランジ継手の漏洩防止装置
JP2013506772A (ja) ライナ及びその使用
KR102297906B1 (ko) 퀵 커넥팅 타입의 파이프 조인트용 튜브 어셈블리
RU2330207C1 (ru) Трубная муфта
KR101458394B1 (ko) 나선관용 연결장치
KR100989739B1 (ko) 방폭 실링 핏팅
JP2018011486A (ja) クロージャの補修用部材、加熱部材、封止部材、及び、クロージャの補修方法。
US5251472A (en) High pressure pipe sleeve for pressure testing of joint seals
US20170113426A1 (en) System and method for repairing leaks in in-service utility pipelines
JP4736536B2 (ja) 配管補修構造体および補修方法
CN202561305U (zh) 压盖式接头
JP7327994B2 (ja) 伸縮可撓継手構造と耐震補修弁
JP2016116268A (ja) クロージャの補修用部材、クロージャの補修構造体、及びクロージャの補修方法
KR102102078B1 (ko) 플러그를 구비하는 부단수 차단 공법용 활정자관

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20180802

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190607

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200529

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200629

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200928

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201112

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6811034

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250