JP2017221023A - 空調機の故障徴候検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮機の異常の検出精度を向上させることができる、空調機の故障徴候検出装置を提供する。【解決手段】本発明に係る故障徴候検出装置5は、モータ11を含む圧縮機1と、駆動装置12とを備える。駆動装置12は、モータ11に三相電流を出力する。故障徴候検出装置5は、変換部51と、異常検出部52とを備える。変換部51は、三相電流の測定値およびモータ11の回転子の回転角θからモータ11のq軸電流Iqを算出する。異常検出部52は、q軸電流Iqに対して周波数分析を行なうことによって算出される評価値と基準値とを比較することにより圧縮機1の異常を検出する。【選択図】図2

Description

本発明は、空調機の故障徴候検出装置に関する。
従来から、空調機の異常を検出する装置が知られている。たとえば、特開2007−170411号公報(特許文献1)には、空調機において使用される圧縮機において、モータコイルに加わる三相電流の高調波成分を分析することにより、圧縮機の内部状態を推定する圧縮機内部状態推定装置が開示されている。この内部状態推定装置は、軸受異常のような衝撃荷重の作用の推定を行なうことにより、圧縮機の故障の予知、あるいは診断を実時間に行なう。
特開2007−170411号公報
圧縮機のモータに出力される三相電流の各相の電流の大きさと位相を分析して、たとえばモータのトルクあるいは回転速度を推定することにより、圧縮機の内部状態をある程度推定することができる。
しかし、モータに出力される三相電流は、たとえば電源周波数に起因する電気ノイズ、あるいはインバータ駆動電圧に起因する電気ノイズの影響を受けて歪んでしまう場合があることが知られている。
したがって、特開2007−170411号公報(特許文献1)のように、三相電流の分析を用いた内部状態推定によると、圧縮機の異常を高精度に検出することが困難になる可能性がある。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、圧縮機の異常の検出精度を向上させることができる、空調機の故障徴候検出装置を提供することである。
本発明に係る故障徴候検出装置は、モータを含む圧縮機と、駆動装置とを備える空調機の故障徴候検出装置である。駆動装置は、モータに三相電流を出力するように構成される。故障徴候検出装置は、変換部と、異常検出部とを備える。変換部は、三相電流の測定値およびモータの回転子の回転角から、モータのq軸電流を算出するように構成される。異常検出部は、q軸電流に対して周波数分析を行なうことによって算出される評価値と基準値とを比較することにより、圧縮機の異常を検出するように構成される。
本発明によれば、電気ノイズの影響を受けにくいq軸電流を分析することにより、圧縮機の内部状態を正確に推定することができる。その結果、圧縮機の異常の検出精度を向上させることができる。
実施の形態に係る空調機の構成図である。 図1の駆動装置および制御装置の機能構成を示す図である。 シングルロータリー圧縮機におけるU相電流の時間変化、およびdq軸電流のq軸電流の時間変化の様子を併せて示す図である。 シングルロータリー圧縮機の正常時におけるトルク変動率を示す図である。 図2のFFT解析部によるFFT解析結果を示すスペクトル図である。 圧縮機の圧縮形式毎の正常時における1回転中のトルク変動率を示す図である。
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
図1は、実施の形態に係る空調機100の構成図である。図1に示されるように、空調機100は、圧縮機1と、凝縮器2と、膨張弁3と、蒸発器4と、制御装置5と、駆動装置12とを備える。
空調機100は、冷凍サイクル装置として動作する。空調機100においては、冷媒が圧縮機1、凝縮器2、膨張弁3、および蒸発器4の順に循環する。
圧縮機1は、ガス冷媒を圧縮して吐出する。圧縮機1は、モータ11の駆動力を用いて、吸入したガス冷媒を圧縮する。モータ11は、たとえば、直流ブラシレスモータである。モータ11は、たとえば、永久磁石型同期電動機(PMSM:Permanent Magnet Synchronous Motor)、ブラシレスDC電動機(BLDCM:Brushless Direct Current Motor)、リラクタンス電動機(RM:Reluctance Motor)、シンクロナスリラクタンス電動機(SyRM:Synchronous Reluctance Motor)、あるいはスイッチドリラクタンス電動機(SRM:Switched Reluctance Motor)であってもよい。モータ11は、冷凍サイクルにおいてガス冷媒を圧縮する不図示の圧縮機構に接続されている。
凝縮器2は、圧縮機1から吐出されたガス冷媒を凝縮して液冷媒を吐出する。膨張弁3は、制御装置5によって開度が制御され、凝縮器2からの冷媒を膨張させて減圧する。蒸発器4は、膨張弁3から吐出された液体の冷媒(液冷媒)を蒸発させて気体の冷媒(ガス冷媒)を吐出する。
制御装置5は、駆動装置12を介して圧縮機1の駆動周波数を制御する。制御装置5は、たとえば低圧側の圧力および蒸発器4の配管出口の温度に基づいて、蒸発器4の配管出口の過熱度が目標値に近づくように、膨張弁3の開度を調節する(過熱度制御)。
図2は、図1の駆動装置12および制御装置5の機能構成を示す図である。図2に示されるように、駆動装置12は、コンバータ121とインバータ122とを含む。
コンバータ121は、電源6から交流電流を受け、当該交流電流を直流電流に変換してインバータ122に出力する。電源6の周波数は、たとえば50Hzあるいは60Hzである。
インバータ122は、複数のスイッチング素子を含むインバータ主回路(いずれも不図示)を含む。インバータ122は、制御装置5からPWM(Pulse Width Modulation)信号を受けてスイッチング素子のオンオフを切り替えることにより、圧縮機1に含まれるモータ11に三相(UVW相)電流を出力する。モータ11に出力されるU相電流IおよびV相電流Iは、それぞれ電流センサ111および112によって測定されて、制御装置5へ出力される。
制御装置5は、インバータ制御部51と、異常検出部52と、メモリ53とを備える。制御装置5は、本発明における故障徴候検出装置に該当する。
インバータ制御部51は、インバータ122にPWM信号を出力してベクトル制御を行なう。インバータ制御部51は、相電流演算部511と、クラーク変換部512と、パーク変換部513と、電圧指令値演算部514と、出力電圧ベクトル演算部515と、PWM信号発生部516とを含む。相電流演算部511、クラーク変換部512、パーク変換部513、電圧指令値演算部514、出力電圧ベクトル演算部515、およびPWM信号発生部516は、CPU(Central Processing Unit)のようなコンピュータによって、メモリ53に保存されているプログラムが実行されることによって実現されてもよいし、専用のハードウェアによって実現されてもよい。
相電流演算部511は、電流センサ111および112からそれぞれU相電流IおよびV相電流Iを受け、W相電流Iを算出する。相電流演算部511は、各相電流(I,I,I)をクラーク変換部512へ出力する。各相電流(I,I,I)は、モータ11のロータの回転角θ(機械角)の変化に伴って変化する。以下の説明では、回転角θは角度センサ113によって測定された値として説明するが、角度センサ113は本発明の必須の構成ではなく、回転角θは他の方法で算出されてもよい。たとえば位置センサレス制御において行なわれているように、各相電流(I,I,I)と電圧指令値とから回転角θが算出されてもよい。
クラーク変換部512は、各相電流(I,I,I)を二相(αβ相)電流(Iα,Iβ)に変換し、パーク変換部513に出力する。
パーク変換部513は、モータ11のロータの回転角θを角度センサ113から受けて、静止座標系の座標に相当するαβ相電流(Iα,Iβ)を、回転座標系(d‐q座標系)の座標に相当するdq軸電流(I,I)に変換し、電圧指令値演算部514へ出力する。d軸電流Iは、励磁電流成分であり、モータ11に回転磁界を発生させる。q軸電流Iは、トルク電流成分であり、モータ11のトルクを生み出す。dq軸電流(I,I)には、静止座標系において回転角θで回転するαβ相電流(Iα,Iβ)を当該回転に追従する回転座標系において測定した値に相当するので、回転角θの変化が現われない。
電圧指令値演算部514は、dq軸電流(I,I)が予め設定された目標電流値(Idref,Iqref)に近づくように比例積分制御を行ない、出力電圧指令値(Vd*,Vq*)を算出する。電圧指令値演算部514は、d‐q座標系における出力電圧指令値(Vd*,Vq*)を出力電圧ベクトル演算部515へ出力する。
出力電圧ベクトル演算部515は、出力電圧指令値(Vd*,Vq*)を静止座標系における出力電圧指令値に変換した後、空間ベクトル変換を行なって出力電圧ベクトルVX*を算出し、PWM信号発生部516へ出力する。
PWM信号発生部516は、出力電圧ベクトルVX*とキャリア信号との比較に基づいて用いてPWM信号を生成し、インバータ122へ出力する。
異常検出部52は、圧縮機1に生じた異常を検出する。たとえば、圧縮機1に生じた異常を検出する方法として、圧縮機のモータ11に出力される各相電流(I,I,I)の大きさおよび位相を分析してモータ11のトルクと回転速度とを推定することにより、圧縮機1の内部状態を推定して異常を検出する方法を挙げることができる。
各相電流(I,I,I)には、静止座標系からの測定値であるため、モータ11のロータの回転角θの変化が現われる。したがって、回転角θが電気ノイズの影響を受けて変化してしまうと、各相電流(I,I,I)にも当該影響が現われてしまう場合がある。電気ノイズとしては、たとえば電源6の周波数に起因する電気ノイズ、あるいはインバータ122の駆動電圧に起因する電気ノイズを挙げることができる。
一方、先に説明したようにdq軸電流(I,I)には、回転角θが電気ノイズの影響を受けて変化しても、その変化が現われない。また、q軸電流Iは、モータ11の出力するトルクに応じて大きさが変化する。したがって、q軸電流Iを分析することにより、モータ11から出力されるトルクの変動を、電気ノイズの影響を受けずに分析することができる。
そこで、実施の形態においては、q軸電流を用いて圧縮機1におけるトルク変動を分析することにより、圧縮機1に発生する異常を検出する。その結果、電気ノイズの影響を受けずに圧縮機1におけるトルク変動を分析することが可能になり、異常検出の精度を上げることができる。
図3は、シングルロータリー圧縮機におけるU相電流の時間変化、およびq軸電流Iの時間変化の様子の例を併せて示す図である。図3において、実線C1はU相電流の変化を表し、破線C2はq軸電流Iの変化を表しており、いずれも圧縮機の駆動周波数が38Hzにおけるモータ11のロータの4回転分の電流波形が示されている。
図3に示されるように、U相電流の波形は、たとえば電源周波数に起因する電気ノイズ、あるいはインバータ駆動電圧に起因する電気ノイズの影響を受けて大きく歪んでいる。一方、q軸電流の波形には、U相電流の波形に現われているような歪みがほとんど現われていない。
図4は、シングルロータリー圧縮機の正常時におけるトルク変動率を示す図である。図4には、モータ11のロータの回転角θが0から2πまで変化した場合、すなわちロータが1回転した場合のトルクの変動が示されている。図3に示されるロータの1回転分のq軸電流Iの変動と、図4に示されるロータの1回転分のトルクの変動とは、ほぼ同様の態様である。したがって、q軸電流Iの分析により、電気ノイズの影響を受けずに圧縮機1におけるトルク変動を分析することができる。
再び図2を参照して、異常検出部52は、FFT解析部521と、比較部522と、推定部523と、報知部524と、設定部525を含む。FFT解析部521、比較部522、推定部523、報知部524、および設定部525は、CPU(Central Processing Unit)のようなコンピュータによってメモリ53に保存されているプログラムが実行されることによって実現されてもよいし、専用のハードウェアによって実現されてもよい。
FFT解析部521は、インバータ制御部51からq軸電流を受ける。FFT解析部521は、q軸電流に対して高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)による解析を行なう。FFT解析部521は、FFT解析の結果として、たとえばスペクトル図のデータをメモリ53および比較部522へ出力する。
比較部522は、FFT解析部521からのFFT解析結果を基に、たとえばスペクトル図における圧縮機1の駆動周波数、あるいは駆動周波数のn次成分の強度を示す値(以下では単に「強度」ともいう。)と、メモリ53に保存されている基準値Lthとを比較し、比較結果を推定部523へ出力する。
推定部523は、比較部522から受けた比較結果に基づいて、圧縮機1に発生した異常を推定する。推定部523は、たとえば、基準値を超えている強度が駆動周波数成分に対応するものか、あるいは駆動周波数のn次成分に対応するものかによって圧縮機1に発生した異常を推定する。推定部523は、異常の推定結果を報知部524へ出力する。
報知部524は、推定部523から受けた推定結果に基づき、圧縮機に異常が発生した旨をユーザに報知する。報知する方法としては、たとえば不図示のモニタに警告メッセージを表示する方法、不図示のスピーカから警告音または警告メッセージを発する方法、あるいは不図示のランプを点灯する方法を挙げることができる。
設定部525は、メモリ53に記憶されているq軸電流のFFT解析の結果の履歴に基づいて基準値Lthを設定する。たとえば、設定部525は、所定の期間のFFT解析の結果の平均値、あるいは最大値を基準値Lthとして設定する。
図5は、図2のFFT解析部521によるFFT解析結果を示すスペクトル図である。図5に示されるスペクトル図は、駆動周波数が78Hzの場合のスペクトル図である。
圧縮機1の駆動周波数である78Hz、およびその2次成分である156Hzにそれぞれ対応する強度L1およびL2は、q軸電流Iの分析結果であるため、電気ノイズの影響をほとんど受けない。そのため、図5に示されるように、強度L1およびL2が基準値Lthを超えているか否かを判定することにより、圧縮機1の異常の検出精度を向上させることができる。
また、U相電流波形の形状を分析して圧縮機1の異常を検出しようとする場合、機械角の変化が電気角の変化として現われてしまうU相電流においては、電気ノイズの影響を取り除いて分析を行なうことは難しい場合が多い。しかし、電気ノイズの影響を受けにくいq軸電流IのFFT解析ならば周波数成分ごとの詳細な分析が可能となる。たとえば、図5においては、周波数が50Hz、100Hz、および200Hzにも強度の極大値が生じている。これらは、電源6の周波数、および当該周波数のn次成分に対応する極大値である。図5に示されるように、電源6の周波数、および当該周波数のn次成分は、電源6の周波数が予めわかっていれば、FFT解析の結果において圧縮機1の駆動周波数および駆動周波数のn次成分から分離して処理することができる。その結果、圧縮機1の駆動周波数および駆動周波数のn次成分に着目した分析が可能になる。
空調機100の故障としては、たとえば圧縮機1内の潤滑油が不足することによる圧縮機1の停止を挙げることができる。圧縮機1内の潤滑油の不足は、潤滑油が冷凍サイクルを構成する他の部位に移動してしまうことにより生じる場合がある。圧縮機1内の潤滑油が不足すると、圧縮機1の摺動部で金属部品同士が直接に接触することが多くなる。その結果、金属部品同士の間の摩擦抵抗が増加して摩擦熱が発生し、金属部品同士が凝着してしまうことがある。摺動部の金属部品同士が凝着してしまうと、圧縮機1が停止する原因となる。
圧縮機1の摺動部の異常は、圧縮機1のトルク変動に比較的大きな影響を与える。実施の形態においては、電気ノイズの影響をほとんど受けず、圧縮機におけるトルク変動に応じて変化をするq軸電流を分析するため、圧縮機1の摺動部に生じた異常の検出精度を向上させることができる。
たとえば、FFT解析の結果、圧縮機1の駆動周波数成分の強度が増加している場合、圧縮機1内部の摺動部に損傷が生じて摩擦抵抗が増加していると推定することができる。具体的には、圧縮機1の駆動周波数成分の強度を継続的に記録しておき、圧縮機1の駆動周波数成分の強度が閾値を超えた場合、あるいは所定時間あたりの上昇率が閾値を超えた場合に圧縮機1の異常を検出することができる。
また、FFT解析の結果、圧縮機1の駆動周波数、あるいは駆動周波数のn次成分の強度が基準値を超えている場合、圧縮機1のトルク変動に影響を及ぼす程度の異常が圧縮機の摺動部に生じたと推定することができる。たとえば、圧縮機1の摺動部に複数の微小な傷が生じた場合、微小な傷による摩擦抵抗は1回転中に複数回生じる。したがって、スペクトル図において圧縮機1の駆動周波数のn次数成分の強度が基準値を超えている場合には、圧縮機1の摺動部に微小傷が生じていると推定することができる。
実施の形態によれば、圧縮機1の摺動部に関する異常以外の異常も検出することができる場合がある。たとえば、空調機100内においては冷媒がほぼ一定速度で循環しているため、圧縮機1が吸入する冷媒に液冷媒が混じるという現象が周期的に生じる場合がある。このような場合、スペクトル図において圧縮機1の駆動周波数成分の強度が数回転毎に変動することが多い。そのため、スペクトル図において圧縮機1の駆動周波数成分の強度が数回転毎に変動している場合は、圧縮機1が吸入する冷媒に液冷媒が混じっていると推定することができる。具体的には、たとえば圧縮機1が10回転する間に生じた駆動周波数成分における強度の平均と、10回転する間の駆動周波数成分の強度の最大値との比を記録しておく。この比が基準値を超えた場合に、圧縮機1が吸入する冷媒に液冷媒が混じっているという異常を検出することができる。
圧縮機1の異常の検出に用いられる基準値は、空調機100に冷凍サイクルに関する様々なパラメータ設定の下でq軸電流を測定することを目的とした擬似的な運転(学習運転)を行なわせて、学習運転中に測定されたq軸電流に基づいて設定されてもよい。この場合、空調機100は、通常の空調を行なう通常運転モードと、学習運転を行なう学習運転モードとを切り替えることが可能である。学習運転における冷凍サイクルに関するパラメータ設定に含まれるパラメータとしては、たとえば圧縮機1の駆動数周波数、凝縮器2の凝縮温度、蒸発器4の蒸発温度、あるいは圧縮機1に吸入されるガス冷媒の過熱度を挙げることができる。
また、圧縮機1を空調機100に設置されていない状態で試験運転させて、試験運転中に測定されたq軸電流に基づいて基準値が予め設定されていてもよい。あるいは、基準値は、圧縮機1の性能に関する情報から算出された値に予め設定されていてもよい。このように圧縮機1の特性に対応するように基準値を設定することにより、より精度よく圧縮機1の異常を検出することが可能になる。
なお、圧縮機1の駆動周波数が一定の場合、q軸電流Iの周波数は、U相電流の周波数よりも小さくなる。たとえば、モータ11が3相6極モータである場合、q軸電流の周波数は、U相電流Iの周波数の3分の1程度である。FFT解析部521によって分析可能な周波数帯が限定されている場合、U相電流を分析する場合よりも、q軸電流を分析する場合のほうが高次の周波数成分まで分析を行なうことができる。その結果、圧縮機の異常を高精度に検出することができる。
以上、実施の形態によれば、電気ノイズの影響をほとんど受けないq軸電流を分析することにより、圧縮機1の異常の検出精度を向上させることができる。
実施の形態は、圧縮機1の圧縮形式によらず適用可能である。実施の形態は、たとえば、レシプロ圧縮機、シングルロータリー圧縮機、ツインロータリー圧縮機、スクロール圧縮機、およびヘリカル圧縮機に適用可能である。
図6は、圧縮機形式毎の正常時における1回転中のトルク変動率を併せて示す図である。図6において、曲線R,Sy,T,Sc,Hは、それぞれレシプロ圧縮機,シングルロータリー圧縮機,ツインロータリー圧縮機,スクロール圧縮機,ヘリカル圧縮機のトルク変動率を示す。図6に示されるように、ツインロータリー圧縮機(曲線T)、スクロール圧縮機(曲線Sc)、およびヘリカル圧縮機(曲線H)のトルク変動率の振幅は、レシプロ圧縮機(曲線R)およびシングルロータリー圧縮機(曲線Sy)のトルク変動率の振幅よりも小さい。そのため、ツインロータリー圧縮機、スクロール圧縮機、およびヘリカル圧縮機においては、トルク変動に異常が生じて圧縮機のトルクが大きく変化した場合、トルク変動が正常時よりも顕著に波形に現われる。そのため、たとえば波形の形状を目視することにより、異常を容易に検出し得る。実施の形態によれば、ツインロータリー圧縮機、スクロール圧縮機、およびヘリカル圧縮機の圧縮形式において、他の圧縮形式よりも圧縮機1に生じる異常を容易に検出し得る。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 圧縮機、2 凝縮器、3 膨張弁、4 蒸発器、5 制御装置、6 電源、11 モータ、12 駆動装置、51 インバータ制御部、52 異常検出部、53 メモリ、100 空調機、111,112 電流センサ、113 角度センサ、121 コンバータ、122 インバータ、511 相電流演算部、512 クラーク変換部、513 パーク変換部、514 電圧指令値演算部、515 出力電圧ベクトル演算部、516 信号発生部、521 解析部、522 比較部、523 推定部、524 報知部、525 設定部、I,I,I 相電流、Id d軸電流、Iq q軸電流。

Claims (7)

  1. モータを含む圧縮機と、前記モータに三相電流を出力するように構成される駆動装置とを備える空調機の故障徴候検出装置であって、
    前記故障徴候検出装置は、
    前記三相電流の測定値および前記モータの回転子の回転角から、前記モータのq軸電流を算出するように構成される変換部と、
    前記q軸電流に対して周波数分析を行なうことによって算出される評価値と基準値とを比較することにより、前記圧縮機の異常を検出するように構成される異常検出部とを備える、故障徴候検出装置。
  2. 前記異常検出部は、前記周波数分析として高速フーリエ変換を行なうように構成され、
    前記評価値は、前記高速フーリエ変換を行なって得られるスペクトルにおける、所定の周波数成分の強度を示す値である、請求項1に記載の故障徴候検出装置。
  3. 前記異常検出部は、前記圧縮機の異常を検出した場合にユーザに報知するように構成される、請求項1に記載の故障徴候検出装置。
  4. 前記異常検出部は、前記圧縮機の摺動部に異常が発生したことを報知するように構成される、請求項3に記載の故障徴候検出装置。
  5. 記憶部をさらに備え、
    前記異常検出部は、前記評価値の履歴を前記記憶部に記憶し、前記履歴に記憶されている前記評価値から算出した値を前記基準値として用いるように構成される、請求項1に記載の故障徴候検出装置。
  6. 前記空調機は、通常運転モードと学習運転モードとを切り替えて運転するように構成され、
    前記学習運転モードにおいては、前記圧縮機は、前記記憶部に予め記憶されている複数の駆動周波数の各々で駆動され、
    前記異常検出部は、前記学習運転モードにおいては、前記複数の駆動周波数の各々と当該駆動周波数で前記圧縮機が駆動している場合に算出された前記評価値とを関連付けて前記履歴に記録するように構成される、請求項5に記載の故障徴候検出装置。
  7. 前記基準値は、前記圧縮機の特性に対応する値として予め前記記憶部に記憶されている、請求項5に記載の故障徴候検出装置。
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