JP2017219541A - 体外診断薬 - Google Patents

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Abstract

【課題】 保存が容易であり、かつ、少量の薬剤で高いブロッキング効果が望める体外診断薬を提供する。【解決手段】 体外診断薬は、収容部、格納部、及びブロッキング剤を具備する。収容部は、被検体から採取した試料に含まれる被検物質が含まれる液体を収容する。格納部は、前記被検物質と特異的に反応する物質を格納する。ブロッキング剤は、前記収容部と前記格納部とを隔てるように配置される。【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、被検体から採取された試料中の被検物質を測定するための体外診断薬に関する。
免疫学測定法を用いて検体中のタンパク質を検出する際、このタンパク質と、抗体又は抗原との免疫反応には、抗体又は抗原の立体構造が関与していることが知られている。また、抗体又は抗原の立体構造が変化すると、タンパク質の検出精度が落ちることが知られている。そこで、この種の測定で用いられる体外診断薬は、支持体上に結合された抗原又は抗体の立体構造を安定させるため、支持体上にウシ血清アルブミン(BSA)、及びポリエチレングリコール(PEG)等のブロッキング剤を固定化するようにしている。
また、免疫学測定法を用いた測定において特定のシグナルを検出する際、検体中のタンパク質と抗体又は抗原との非特異な結合、及び、検体中のタンパク質の支持体への非特異な吸着に由来する非特異シグナルは、特定のシグナルの検出に悪影響を与えることが知られている。そこで、非特異シグナルの発生を抑えるため、検体と試薬成分とが混和された測定液にブロッキング剤等を添加するようにしている。この場合のブロッキング剤は、BSA、植物性タンパク質の加水分解質、免疫グロブリン、及びカゼイン等がある。なお、このブロッキング剤は、上記のように立体構造を安定させるためのブロッキング剤と同じものであっても、異なるものであっても構わない。
ところで、体外診断薬の支持体に抗体又は抗原の立体構造を安定させるためのブロッキング剤が固定化されていても、測定液にブロッキング剤の添加が無い場合、検体中のタンパク質と抗体又は抗原との非特異な結合、及び、検体中のタンパク質の支持体への非特異な吸着を完全には防げない。そのため、非特異シグナルの発生を抑えきることはできない。
一方、測定液にブロッキング剤を添加する場合、ブロッキング剤が測定液全体に撹拌される必要がある。そのため、反応にデッドボリュームがある場合でも、免疫反応量ではなく、使用液量に応じた多量のブロッキング剤を添加する必要がある。また、ブロッキング剤を測定液に添加する際、添加する前にブロッキング剤を緩衝液に混和させておくのが一般的である。しかしながら、ブロッキング剤の多くはタンパク質、又はその加水分解物であるため、液状での保存安定性が悪い。また、このようなブロッキング剤が添加された測定液は、室温での保存期間が短かったり、冷蔵保存を必要としたりする等、保存条件に制限がつくことが多い。さらに、このようなブロッキング剤が添加された測定液を冷蔵保存した場合、測定の前に、室温に戻す必要がある。
特許第5322242号公報 特許第4505281号公報
そこで目的は、保存が容易であり、かつ、少量の薬剤で高いブロッキング効果が望める体外診断薬を提供することにある。
実施形態によれば、体外診断薬は、収容部、格納部、及びブロッキング剤を具備する。収容部は、被検体から採取した試料に含まれる被検物質が含まれる液体を収容する。格納部は、前記被検物質と特異的に反応する物質を格納する。ブロッキング剤は、前記収容部と前記格納部とを隔てるように配置される。
図1は、第1の実施形態に係る体外診断薬が用いられる検体測定装置の構成を示す図である。 図2は、第1の実施形態に係るセンサデバイスの構成を示す図である。 図3は、図2に示される光導波路の表面構造を示す図である。 図4は、図2に示される反応室に測定液を収容した際のセンサデバイスを示す図である。 図5は、測定液が接触する際の光導波路の表面構造を示す図である。 図6は、図5に示されるコーティング層が測定液により溶解した際の光導波路の表面構造を示す図である。 図7は、第1の実施形態の変形例に係るブロッキング剤の構造を示す図である。 図8は、図7に示されるブロッキング剤及びコーティング剤を物質層の表面に被覆した光導波路の表面構造を示す図である。 図9は、図7に示されるブロッキング剤及びコーティング剤を物質層の表面に被覆した光導波路の表面構造のその他の例を示す図である。 図10は、図7に示される脂質膜が溶解した際のブロッキング剤を示す図である。 図11は、第2の実施形態に係る検査試薬の構成を示す断面図である。 図12は、図11に示される試薬保持部の構造を示す図である。 図13は、図11に示される試薬保持部の構造のその他の例を示す図である。 図14は、図11に示される検査試薬の使用手順を説明する図である。 図15は、図11に示される検査試薬の使用手順を説明する図である。 図16は、第2の実施形態の変形例に係る試薬保持部の構造を示す図である。 図17は、第2の実施形態の変形例に係る試薬保持部の構造のその他の例を示す図である。 図18は、第2の実施形態の変形例に係る試薬保持部の構造のその他の例を示す図である。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る体外診断薬が用いられる検体測定装置10の構成例を示す模式図である。図1に示される検体測定装置10は、センサデバイス20、及び検査試薬30を用い、被検体から採取した試料に含まれる被検物質を測定する装置である。第1の実施形態では、センサデバイス20が体外診断薬に相当する。
検査試薬30は、センサデバイス20へ収容させる測定液を生成するための器具である。検査試薬30は、例えば、被検物質と特異的に反応する試薬成分、及び注入デバイスを有する。試薬成分は、例えば、注入デバイスで、緩衝液等の水溶液、及び被検体から採取した試料と混和される。試薬成分、水溶液、及び試料が混和された測定液は、センサデバイス20に設けられる反応室21に収容される。センサデバイス20は、反応室21の下面を担うように設けられる光導波路22を有する。
図1に示される検体測定装置10は、磁場発生器11、光照射器12、光検出器13、信号処理回路14、入力インタフェース15、表示回路16、及び記憶回路17を具備する。
磁場発生器11は、磁場を発生させる電磁石を、所定の距離だけ離して上下に有する。磁場発生器11は、電磁石の間にセンサデバイス20が載置されると、センサデバイス20に対して下方向及び上方向への磁場を印加する。
光照射器12は、センサデバイス20の下方からレーザ又はLED等の光を照射する。光検出器13は、光照射器12により照射されてセンサデバイス20に設けられる光導波路22を伝搬した光を検出する。
信号処理回路14は、検体測定装置10の中枢として機能するプロセッサである。信号処理回路14は、記憶回路17等に記憶されている処理プログラムを実行することにより、当該プログラムに対応する機能、すなわち、システム制御機能141、及び解析機能142を実現する。システム制御機能141は、入力インタフェース15から入力される入力情報に基づき、検体測定装置10における各部を統括して制御する機能である。解析機能142は、光検出器13で検出される光に基づいて、試料に含まれる被検物質の量を算出する機能である。
入力インタフェース15は、例えば、マウス、キーボード、及び、操作面へ触れることで指示が入力されるタッチパッド等により実現される。入力インタフェース15は、操作者からの各種指示を受け付ける。入力インタフェース15は、例えばバスを介して信号処理回路14に接続され、操作者から入力される操作指示を電気信号へ変換する。入力インタフェース15は、電気信号を信号処理回路14へ出力する。なお、本明細書において入力インタフェース15は、マウス、及びキーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、検体測定装置10とは別体に設けられた外部の入力機器から入力される操作指示に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を信号処理回路14へ出力する電気信号の処理回路も入力インタフェース15の例に含まれる。
表示回路16は、例えば、表示インタフェースと表示機器とを有する。表示機器としては、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、又は当技術分野で知られている他の任意のディスプレイが適宜利用可能である。表示インタフェースは、算出結果を表すデータをビデオ信号に変換する。表示機器は、算出結果を表すビデオ信号を表示する。
図2は、第1の実施形態に係るセンサデバイス20の構成例を示す模式図である。図2に示されるセンサデバイス20は、平板状の光導波路22、外筐部23、平板状の遮光膜24、及び平板状の透明基板25を備える。また、センサデバイス20は、光導波路22、外筐部23、及び遮光膜24により形成され、測定液が収容される反応室21を備えている。
光導波路22は、光が透過する素材、及び抗原抗体反応を行う基板としての素材等により形成される。光が透過する素材としては、例えば、ガラス、及び樹脂等が用いられる。抗原抗体反応を行う基板としての素材としては、例えば、ニトロセルロースメンブレン等のメンブレンが用いられる。光導波路22は、透明基板25から入射して透明基板25へと出射する光の光路となる。すなわち、光導波路22は、光ファイバーにおけるコア(心材)同様の役割を果たす。遮光膜24、及び透明基板25は、光導波路22の素材とは異なった屈折率の素材で形成される。遮光膜24、及び透明基板25は、光導波路22との境界面で光を全反射させ、光を光導波路22内に閉じ込めるクラッドとしての役割を果たす。また、遮光膜24、及び透明基板25は、光導波路22を物理的に保護する。
光導波路22は、上側表面に、被検体から採取した試料に含まれる被検物質と特異的に反応する物質を結合させる支持体の役割も担う。図3は、図2に示される光導波路22の上側表面を拡大した際の模式図である。光導波路22の表面には、物質層が形成されている。なお、本実施形態では、光導波路22の表面に形成され、被検物質と特異的に反応する物質O1と、ブロッキング剤B1とにより構成される層を物質層と称している。物質層は、被検物質と特異的に反応する物質を格納する格納部と換言することが可能である。また、本実施形態では、物質O1は、例えば、被検物質が抗体である場合には抗原を表し、被検物質が抗原である場合には抗体を表すものとする。また、物質O1は、ペプチドを表してもよい。物質O1は、光導波路22の表面に結合されている。
ブロッキング剤B1は、光導波路22の表面における、物質O1が結合されていない部分に固定化されている。ブロッキング剤B1は、例えば、BSA、PEG、及びPEG製剤等であり、単独で用いられても良いし、併用して用いられても構わない。ブロッキング剤B1は、物質O1の立体構造を安定させる作用を有する。また、ブロッキング剤B1は、物質O1を結合させた光導波路22に対し、被検物質が非特異的に吸着して被検物質の測定が正確に行えなくなることを防ぐ作用を有する。
図3において、物質層の表面には、コーティング層が形成されている。なお、図3では、物質層はコーティング層よりも厚く描かれているが、実際には、コーティング層の方が物質層よりも圧倒的に厚くなる。コーティング層は、保存安定用のコーティング剤Cが乾燥されて成る乾燥膜である。コーティング剤Cは、例えば、スクロース、マルトース、トレハローズ、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、及びデキストラン等の糖類が望ましい。コーティング層には、ブロッキング剤B2が含まれる。ブロッキング剤B2は、光導波路22に結合された物質O1に対し、被検物質が非特異的に結合して被検物質の測定が正確に行えなくなることを防ぐ作用を有する。ブロッキング剤B2は、例えば、BSA、カゼイン、セリシン、ブロッキングペプチドフラグメント(BPF)、及びフィッシュコラーゲンペプチド(FCP)等であり、測定液中で検体に作用するものが望ましい。なお、ブロッキング剤B2は、測定項目に応じて適宜選択される。
外筐部23は、センサデバイス20の筐体である。外筐部23の下面には第1の凹部が形成されている。第1の凹部の上面の一部には反応室21の上面及び側面を構成する第2の凹部が形成されている。第1の凹部には上から順に遮光膜24、光導波路22、及び透明基板25が配置されている。また、第2の凹部の上面の一端部近傍に外筐部23を上方に貫通して孔23aが形成され、他端部近傍に外筐部23を上方に貫通して孔23bが形成されている。
遮光膜24は、外筐部23の第2の凹部の位置に開口を有する。そして、遮光膜24は、上面が外筐部23の第1の凹部上面に密接して配置され、下面が光導波路22の上面に密着して配置されている。
透明基板25は、光照射器12から照射された光が透過する素材により形成される。透明基板25は、上面が光導波路22の下面に密着して配置されている。
反応室21は、測定液を収容するための収容部である。反応室21は、上面が外筐部23の第2の凹部の上面により構成される。反応室21は、側面が外筐部23の第2の凹部の側面、及び遮光膜24の開口面により構成される。反応室21は、下面が光導波路22の上面により構成される。反応室21は、下面に図3に示される物質層、及びコーティング層が固定されている。
次に、光導波路22の表面に物質層及びコーティング層を形成する工程の一例を説明する。
まず、作成者は、コーティング剤Cに所定量のブロッキング剤B2を投入し、ブロッキング剤B2を含むコーティング剤Cを準備する。また、作成者は、化学修飾した支持体(光導波路22)を準備する。そして、作成者は、準備した支持体を活性化剤等で活性化させた後、活性化させた支持体に物質O1をスポットし、支持体に物質O1を結合させる。作成者は、支持体における未反応活性基にブロッキング剤B1を作用させ、支持体に結合させた物質O1の立体構造の保持安定化を行う。これにより、支持体表面に物質層が形成される。
次に、作成者は、物質層の表面に、ブロッキング剤B2を含むコーティング剤Cを所定量塗布する。ここで、ブロッキング剤B2を含むコーティング剤Cの塗布量は測定項目によって異なるが、同一項目においては一定量である。作成者は、塗布したコーティング剤Cの水分を減圧乾燥、凍結乾燥、風乾燥、窒素乾燥のいずれかの方法で蒸発させ、支持体を乾燥させる。これにより、物質層表面にブロッキング剤B2が含まれるコーティング層が形成される。なお、物質O1を支持体に結合させた後、コーティング剤Cを塗布する前に、支持体表面をPBS等の緩衝液又は精製水で洗浄する過程が入っても構わない。
上記工程により、光導波路22の表面に物質層が形成され、物質層の表面にブロッキング剤B2を含むコーティング層が形成された光導波路22を製造することができる。
次に、第1の実施形態に係るセンサデバイス20を用いる検体測定装置10の動作の一例について説明する。以下では、検査試薬30に含まれる試薬成分31は、被検物質Aを抗原として結合する第1の抗体と、第1の抗体が固定化された磁性粒子とを含むものとする。また、センサデバイス20の光導波路22の表面に結合された物質O1は、被検物質Aを抗原として結合する第2の抗体であるとする。
まず、例えば、検査試薬30が有する注入デバイスにおいて、緩衝液等の水溶液、試薬成分31、及び被検体から採取した試料が混和される。水溶液、試薬成分31、及び試料が混和された測定液が、注入デバイスからセンサデバイス20の反応室21へ、外筐部23の孔23aを介して流入する。このとき、反応室21の空気が外筐部23の孔23bから放出される。図4は、反応室21に測定液が収容される際の反応室21の様子を模式的に示す図である。なお、第1の実施形態では、反応空間の例として反応室21を説明しているが、反応空間は、デバイスを流路とした管状のようなものでもよい。ただし、反応空間内が反応中に撹拌されないものが望ましい。
測定液が、図5に示されるように、反応室21の下面に位置する光導波路22上のコーティング層に接触すると、ブロッキング剤B2を含むコーティング層が速やかに溶解する。コーティング層の溶解により、ブロッキング剤B2も溶解し、溶解したブロッキング剤B2は、光導波路22の表面に広がる。これにより、図6に示されるように、光導波路22の表面から離れる程、濃度が低くなるような濃度勾配でブロッキング剤B2が分布するようになる。このため、光導波路22の近傍に存在する被検物質Aは、高濃度に分布するブロッキング剤B2に晒されることになる。この結果、光導波路22に結合された第2の抗体と被検物質Aとの非特異的な結合、及び、光導波路22への被検物質Aの非特異的な吸着が抑制される。
反応室21が測定液で満たされると、光照射器12から光が照射される。照射された光は、センサデバイス20の透明基板25を透過し、光導波路22の一端部側から入射する。入射した光は偏向されてから、光導波路22を他端部の方向へ伝播する。光は、光導波路22における反応室21の下面の領域を伝搬し、光導波路22の他端部側で光導波路22から出射可能な角度に偏向されてから出射する。光検出器13は、光導波路22から出射して透明基板25を透過した光を検出する。
磁場発生器11は、反応室21に対して下方向への磁場を印加した後に上方向への磁場を印加する。反応室21に収容された測定液中の試薬成分31は、磁性粒子に固定化された第1の抗体との結合により被検物質Aを捕捉する。そして、下方向への磁場の印加により、試薬成分31に捕捉された被検物質Aは、反応室21下面に固定された第2の抗体と結合する。次いで、上方向への磁場の印加により、第2の抗体によって被検物質Aを捕捉していない試薬成分31のみが上方へ移動する。
試薬成分31に捕捉された被検物質Aが反応室21下面に固定された第2の抗体と結合していると、光導波路22を伝播する光の強度は、反応室21下面の領域での光の散乱、及び吸収により低下する。光導波路22から出射する光の強度は、反応室21下面に固定された第2の抗体と結合する被検物質Aの量に応じて変化する。信号処理回路14は、上方向へ磁場が印加されているとき、光導波路22から出射する光の強度に基づき、測定液中の被検物質Aの量を算出する。表示回路16は、信号処理回路14で算出された被検物質Aの量を表示する。
以上のように、第1の実施形態に係るセンサデバイス20は、支持体と、前記支持体の表面に、被検物質と特異的に反応する物質が結合されて形成される物質層と、水溶性のコーティング剤、及びブロッキング剤を含み、前記物質層の表面を被覆する乾燥膜とを具備する。すなわち、光導波路22に物質O1を結合させ、光導波路22にブロッキング剤B1を固定化させることで物質層が形成される。そして、ブロッキング剤B2を含む水溶性のコーティング剤Cを物質層の表面に被覆し、コーティング剤Cで被覆された光導波路22を乾燥させるようにしている。これにより、光導波路22は、物質層の表面にブロッキング剤B2を含む水溶性の乾燥膜が形成されることになる。
また、光導波路22に測定液が接触した際には、ブロッキング剤B2が速やかに溶解する。そして、光導波路22の近くに存在する被検物質が、高濃度のブロッキング剤B2に晒されることになる。その結果、光導波路22に結合された物質O1と被検物質との非特異的な結合、及び、光導波路22への被検物質の非特異的な吸着を効率的に抑制することが可能となる。
したがって、第1の実施形態に係る体外診断薬によれば、保存が容易であり、かつ、少量の薬剤で高いブロッキング効果を望むことができる。また、安定性の良くない液体試薬の一部が乾燥されてセンサデバイス20上で保持されるため、検査試薬30側の成分を簡素化することが可能となる。これにより、センサデバイス20、及び検査試薬30を含む検査キット全体の保存安定性を高めることができる。
(変形例)
上記第1の実施形態では、ブロッキング剤B2を含むコーティング剤Cを、光導波路22に形成される物質層の表面に被覆し、コーティング剤Cが被覆された光導波路22を乾燥させる例を説明した。しかしながら、これに限定されない。ブロッキング剤B2を脂質膜等により内包したブロッキング剤B3を生成し、このブロッキング剤B3を含むコーティング剤Cを、光導波路22に形成される物質層の表面に被覆する。そして、このコーティング剤Cが被覆された光導波路22を乾燥させるようにしてもよい。図7は、本変形例に係るブロッキング剤B3の構造の例を模式的に示す。図7に示される脂質膜は、カプセル状の構造を形成する、例えば、脂質二分子膜構造のリポソームである。皮質膜の内部には、例えば、液状のブロッキング剤B2が内包される。
図8、及び図9は、ブロッキング剤B3、及びコーティング剤Cを物質層の表面に被覆した光導波路22の上側表面を拡大した際の模式図である。図8に示されるブロッキング剤B3は、コーティング剤Cに分散された状態で光導波路22に被覆されている。図9に示されるブロッキング剤B3は、コーティング剤Cの表面に被覆されている。
次に、光導波路22の表面に物質層、及びコーティング層を形成する工程の一例を説明する。まず、図8に示される物質層、及びコーティング層を光導波路22の表面に形成する工程の一例を説明する。
まず、作成者は、液状のブロッキング剤B2に、例えば、レシチン等のリン脂質を溶かすことでブロッキング剤B3を生成する。作成者は、生成したブロッキング剤B3を、コーティング剤Cに投入し、ブロッキング剤B3を含むコーティング剤Cを準備する。また、作成者は、化学修飾した支持体(光導波路22)を準備する。
そして、作成者は、準備した支持体の表面に物質層を形成する。作成者は、形成した物質層の表面に、ブロッキング剤B3を含むコーティング剤Cを所定量塗布する。作成者は、塗布したコーティング剤Cの水分を所定の乾燥法で蒸発させ、支持体を乾燥させる。これにより、物質層表面にブロッキング剤B3が含まれるコーティング層が形成される。
続いて、図9に示される物質層、及びコーティング層を光導波路22の表面に形成する工程の一例を説明する。
まず、作成者は、液状のブロッキング剤B2に、例えば、レシチン等のリン脂質を溶かすことでブロッキング剤B3を生成する。また、作成者は、化学修飾した支持体(光導波路22)を準備する。
そして、作成者は、準備した支持体の表面に物質層を形成する。作成者は、形成した物質層の表面にコーティング剤Cを塗布する。作成者は、塗布したコーティング剤Cの水分を所定の乾燥法で蒸発させる。そして、作成者は、乾燥させたコーティング剤Cの表面に、ブロッキング剤B3を含む液体を塗布する。作成者は、塗布したブロッキング剤B3を含む液体の水分を、例えば、凍結乾燥等の乾燥法で蒸発させ、支持体を乾燥させる。これにより、物質層表面にブロッキング剤B3が含まれるコーティング層が形成される。なお、生成したブロッキング剤B3を緩衝液等に入れておき、乾燥させたコーティング剤Cの表面に、ブロッキング剤B3を含む緩衝液を塗布するようにしてもよい。
次に、変形例に係る光導波路22において、ブロッキング剤B3が溶解される手順の一例について説明する。以下では、検査試薬30の緩衝液に界面活性剤が含まれているものとする。
まず、検査試薬30を生成するための注入デバイスにおいて、緩衝液等の水溶液、試薬成分31、及び被検体から採取した試料が混和される。水溶液、試薬成分31、及び試料が混和された測定液が、注入デバイスからセンサデバイス20の反応室21へ流入する。反応室21へ流入した測定液は、図8、又は図9に示されるコーティング層と接触する。
コーティング層に測定液が接触すると、コーティング剤Cが速やかに溶解する。また、測定液に含まれる界面活性剤により、ブロッキング剤B3の脂質膜が図10に示されるように溶解する。そして、脂質膜により内包されていたブロッキング剤B2が溶解する。これにより、光導波路22の表面から離れる程、濃度が低くなるような濃度勾配で、ブロッキング剤B2が分布するようになる。このため、光導波路22の近傍に存在する被検物質は、高濃度に分布するブロッキング剤B2に晒されることになる。この結果、光導波路22に結合された物質O1と被検物質との非特異的な結合、及び、光導波路22への被検物質の非特異的な吸着が抑制されることになる。
以上のように、第1の実施形態に係る変形例では、ブロッキング剤B2を脂質膜により内包したブロッキング剤B3を生成する。そして、生成したブロッキング剤B3を光導波路22の表面に形成される物質層上に塗布して乾燥させるようにしている。これにより、光導波路22を乾燥させても、ブロッキング剤B3の脂質膜に内包されるブロッキング剤B2の乾燥を防ぐことが可能となる。
したがって、ブロッキング剤B2が液状において効果を発揮する場合であっても、保存が容易であり、かつ、少量の薬剤で高いブロッキング効果を望むことできる体外診断薬を製造することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、図1に示される、センサデバイス20へ収容させる測定液を生成するための器具である検査試薬30が体外診断薬に相当する場合を説明する。
図11は、第2の実施形態に係る検査試薬30の構成例を示す断面図である。図11に示される検査試薬30は、試薬成分31と、試薬成分31を保持する注入デバイス300とを備える。注入デバイス300は、注入具32、及び容器33を有する。
注入具32は、嵌着部321、つば322、及び吐出口324を有する。嵌着部321は、外径が容器33の内径と略同一となるように形成されている。嵌着部321は、注入具32を容器33に挿入する際に、容器33の内壁面333に嵌合する。
つば322は、外径が容器33の外径よりも大径に形成されている。注入具32を容器33に挿入する際、つば322の下面と、容器33の上面332とが当接する。注入具32は、嵌着部321とつば322とにより容器33に嵌着し、蓋として容器33を密閉する。
嵌着部321の内側には、嵌着部321の内周壁に内接されて試薬保持部323が装填されている。具体的には、試薬保持部323は、例えば、円柱状であり、その外径が、嵌着部321の内径よりも大径に形成されている。試薬保持部323は、嵌着部321に圧入され、嵌着部321の内周面と当接する。試薬保持部323は、例えば、ポリエチレン等の樹脂から成る多孔質シートである。
吐出口324は、液体を吐出させるための筒口である。吐出口324は、センサデバイス20の孔23aから、測定液を流入可能なように形成されている。なお、注入具32には、嵌着部321の内周壁に内接されるように、フィルタが装填されていてもよい。このとき、試薬保持部323は、フィルタと、吐出口324との間に設けられる。
容器33は、例えば、樹脂又は低密度ポリエチレン等からなり、可撓性及び透過性を有する。容器33は、長手方向の一端部に開口部331を有し、有底である。容器33には、緩衝液等の水溶液が所定量収容される。容器33は、水溶液が外部に漏れないように開口部331が取り外し可能な封止材334で封止されている。容器33は、測定時には、被検体から採取した試料が投入され、試料と水溶液とが混和された混和液が収容される収容部となる。
試薬保持部323は、被検物質と特異的に反応する試薬成分31、及びブロッキング剤B2を保持する。図12及び図13は、図11に示される試薬保持部323の構成例を示す模式図である。図12に示される試薬保持部323は、第1のシート3231を有する。
第1のシート3231は、孔の内部に被検物質と特異的に反応する試薬成分31を格納している。すなわち、第1のシート3231は、被検物質と特異的に反応する物質を格納する格納部である。試薬成分31は、被検物質と特異的に反応する物質及びこの物質が固定化された微粒子により構成される。本実施形態では、試薬成分31に含まれる物質は、例えば、被検物質が抗体である場合には抗原を表し、被検物質が抗原である場合には抗体を表すものとする。また、試薬成分31に含まれる物質は、ペプチドを表してもよい。
第1のシート3231の開口方向の表面には、コーティング層が形成されている。コーティング層は、保存安定用のコーティング剤Cが乾燥されて成る乾燥膜である。コーティング剤Cは、例えば、スクロース、マルトース、トレハローズ、プルラン、HPC、及びデキストラン等の糖類が望ましい。
コーティング層には、ブロッキング剤B2が含まれる。ブロッキング剤B2は、被検物質と特異的に反応する物質を固定化させた微粒子に対し、被検物質が非特異的に結合して被検物質の測定が正確に行えなくなることを防ぐ作用を有する。ブロッキング剤B2は、例えば、BSA、カゼイン、セリシン、BPF、及びFCP等であり、測定液中で検体に作用するものが望ましい。なお、ブロッキング剤B2は、測定項目に応じて適宜選択される。また、第2の実施形態においてコーティング層に含まれるブロッキング剤B2は、第1の実施形態においてコーティング層に含まれるブロッキング剤B2と同一の成分を有していても構わないし、異なる成分を有していても構わない。
図13に示される試薬保持部323は、第2のシート3232、及び第3のシート3233を有する。
第2のシート3232は、孔の内部に被検物質と特異的に反応する試薬成分31を格納している。すなわち、第2のシート3232は、被検物質と特異的に反応する物質を格納する格納部である。第2のシート3232の開口方向の表面には、第3のシート3233が積層さていれる。第3のシート3233は、孔の内部にブロッキング剤B2を格納している。なお、第2及び第3のシート3232,3233は上下の順序が逆であっても構わない。
次に、注入具32に装填される試薬保持部323の製造工程の一例を説明する。まず、図12に示される試薬保持部323の製造工程の一例を説明する。
まず、作成者は、乾燥重量が所定の重量のn倍(nは1よりも大きい正の数)の重量となる試薬成分31を溶解した液状の試薬を準備する。また、作成者は、コーティング剤Cに所定量のブロッキング剤B2を投入し、ブロッキング剤B2を含むコーティング剤Cを準備する。また、作成者は、例えば、ポリエチレンにより構成され、面積が注入具32の嵌着部321の内側断面積のn倍となるシート状の部材を準備する。なお、試薬保持部323を嵌着部321に圧入する場合には、シート状の部材の面積は、嵌着部321の内側断面積のn倍以上となる。また、作成者は、底面が平らな容器を準備する。
そして、作成者は、準備した部材の表面が水平になるように容器を配置した後、部材表面上で均一な層になるように液状の試薬を塗布する又は散布する。作成者は、塗布又は散布した液状の試薬の水分を蒸発させて乾燥させた後、シート部材を裏返し、部材表面に、ブロッキング剤B2を含むコーティング剤Cを所定量塗布する。作成者は、塗布したコーティング剤Cの水分を減圧乾燥、凍結乾燥、風乾燥、窒素乾燥のいずれかの方法で蒸発させて乾燥させた後、部材を所定の面積となるサイズにカットして第1のシート3231を作成する。これにより、試薬保持部323が製造される。
続いて、図13に示される試薬保持部323の製造工程の一例を説明する。
まず、作成者は、乾燥重量が所定の重量のn倍の重量となる試薬成分31を溶解した液状の試薬を準備する。また、作成者は、所定量の液状のブロッキング剤B2を準備する。また、作成者は、例えば、ポリエチレンにより構成され、面積が注入具32の嵌着部321の内側断面積のn倍となるシート状の第1及び第2の部材を準備する。なお、試薬保持部323を嵌着部321に圧入する場合には、第1及び第2の部材の面積は、嵌着部321の内側断面積のn倍以上となる。また、作成者は、底面が平らな容器を準備する。
そして、作成者は、準備した第1の部材の表面が水平になるように容器を配置した後、第1の部材表面上で均一な層になるように液状の試薬を塗布する又は散布する。作成者は、塗布又は散布した液状の試薬の水分を蒸発させて乾燥させた後、第1の部材を所定の面積となるサイズにカットして第2のシート3232を作成する。
次に、作成者は、準備した第2の部材の表面が水平になるように容器を配置した後、第2の部材表面上で均一な層になるように液状のブロッキング剤B2を塗布する又は散布する。作成者は、塗布又は散布した液状のブロッキング剤B2の水分を蒸発させて乾燥させた後、第2の部材を所定の面積となるサイズにカットして第3のシート3233を作成する。作成者は、作成した第2のシート3232に、作成した第3のシート3233を積層する。これにより、試薬保持部323が製造される。
次に、測定液を注入デバイス300からセンサデバイス20の反応室21へ収容させる手順の一例について説明する。以下では、検査試薬30が備える試薬成分31は、被検物質Aを抗原として結合する第1の抗体と、第1の抗体が固定化された磁性粒子とを含むものとする。
まず、医師等の使用者は、注入デバイス300の容器33から封止材334を剥がす。次いで、図14に示されるように、使用者は、容器33内の水溶液に、被検体から採取した試料を投入する。試料を投入した後、使用者は、容器33の開口部331に注入具32を挿入する。これにより、容器33が密閉される。
次いで、使用者は、図15に示されるように、注入具32が下を向くように、注入デバイス300を逆さにする。すると、水溶液と試料とが混和された混和液が、試薬保持部323に接触する。試薬保持部323では、まず、混和液がブロッキング剤B2に接触し、混和液にブロッキング剤B2が混和液に溶解する。次いで、ブロッキング剤B2が溶解した混和液が試薬成分31に接触し、この混和液に試薬成分31が溶解する。これにより、ブロッキング剤B2を高濃度で含む混和液が試薬成分31に接触することになる。このため、試薬成分31は、高濃度に分布するブロッキング剤B2に晒されることになる。この結果、第1の抗体が固定化された磁性粒子への被検物質Aの非特異的な結合が抑制されることになる。
次いで、使用者は、注入具32の吐出口324をセンサデバイス20の外筐部23の孔23aへ挿入する。使用者は、図15に示されるように、容器33を挟持して矢印方向に圧迫する。この圧迫により、吐出口324から、混和液にブロッキング剤B2、及び試薬成分31が溶解した測定液が、滴下する。吐出口324から滴下した測定液は、センサデバイス20の反応室21へ流入する。
以上のように、第2の実施形態に係る検査試薬30は、所定の水溶液を収容する容器と、被検物質と特異的に反応する物質、及びブロッキング剤を保持する保持部と、前記保持部が装填され、前記保持部に接触した液体を吐出させるための吐出口を有する注入具とを具備する。すなわち、検査試薬30の注入具32に、ブロッキング剤B2及び試薬成分31を乾燥して保持する試薬保持部323を装填するようにしている。これにより、試薬成分31の近傍に乾燥されたブロッキング剤B2が配置されることになる。
また、試薬保持部323に液体が接触した際には、ブロッキング剤B2が速やかに溶解し、ブロッキング剤B2を高濃度に含む液体が試薬成分31に接触することになる。その結果、被検物質に特異的に反応する物質が固定化された微粒子への被検物質の非特異的な結合を効率的に抑制することが可能となる。
したがって、第2の実施形態に係る体外診断薬によれば、保存が容易であり、かつ、少量の薬剤で高いブロッキング効果を望むことができる。また、安定性の良くない液体試薬の一部が乾燥されて検査試薬30の注入具32で保持されるため、センサデバイス20、及び注入デバイスを含む検査キット全体の保存安定性を高めることができる。
(変形例)
上記第2の実施形態では、試薬保持部323が、乾燥させたブロッキング剤B2を保持する例を説明した。しかしながら、これに限定されない。ブロッキング剤B2を脂質膜等により内包したブロッキング剤B3を生成し、試薬保持部323がこのブロッキング剤B3を保持させるようにしてもよい。ブロッキング剤B3の構造は、図7に示されるものと同様である。
図16乃至図18は、図11に示される試薬保持部323の構成例を示す模式図である。
図16に示される試薬保持部323は、第4のシート3234を有する。第4のシート3234は、孔の内部に被検物質と特異的に反応する試薬成分31を格納している。すなわち、第4のシート3234は、被検物質と特異的に反応する物質を格納する格納部である。第4のシート3234の開口方向の表面には、ブロッキング剤B3が被覆されている。
図17に示される試薬保持部323は、第5のシート3235を有する。第5のシート3235は、孔の内部に試薬成分31と、ブロッキング剤B3とを格納している。すなわち、第5のシート3235は、被検物質と特異的に反応する物質を格納する格納部である。
図18に示される試薬保持部323は、第6及び第7のシート3236,3237を有する。第6のシート3236は、孔の内部に試薬成分31を格納している。すなわち、第6のシート3236は、被検物質と特異的に反応する物質を格納する格納部である。第7のシート3237は、孔の内部にブロッキング剤B3を格納している。なお、第6及び第7のシート3236,3237は上下の順序が逆であっても構わない。
次に、注入具32に装填される試薬保持部323の製造工程の一例を説明する。まず、図16に示される試薬保持部323の製造工程の一例を説明する。
まず、作成者は、試薬成分31を溶解した液状の試薬を準備する。また、作成者は、液状のブロッキング剤B2に、例えば、レシチン等のリン脂質を溶かすことでブロッキング剤B3を生成する。また、シート状の部材を準備する。
そして、作成者は、準備した部材表面上で均一な層になるように液状の試薬を塗布する又は散布する。作成者は、塗布又は散布した液状の試薬の水分を蒸発させて乾燥させた後、シート部材を裏返し、部材表面に、ブロッキング剤B3を含む液体を塗布する。作成者は、塗布したブロッキング剤B3を含む液体の水分を、例えば、凍結乾燥等の乾燥法で蒸発させて乾燥させる。その後、作成者は、部材を所定の表面積となるサイズにカットして第4のシート3234を作成する。これにより、試薬保持部323が製造される。
続いて、図17に示される試薬保持部323の製造工程の一例を説明する。
まず、作成者は、試薬成分31を溶解した液状の試薬を準備する。また、作成者は、液状のブロッキング剤B2に、リン脂質を溶かすことでブロッキング剤B3を生成する。また、作成者は、液状の試薬と、ブロッキング剤B3とを混和させた混和液を準備する。また、作成者は、シート状の部材を準備する。
そして、作成者は、準備した部材の表面上で均一な層になるように、試薬とブロッキング剤B3とが混和された混和液を塗布する又は散布する。作成者は、塗布又は散布した混和液の水分を蒸発させて乾燥させた後、部材を所定の表面積となるサイズにカットして第5のシート3235を作成する。これにより、試薬保持部323が製造される。
続いて、図18に示される試薬保持部323の製造工程の一例を説明する。
まず、作成者は、試薬成分31を溶解した液状の試薬を準備する。また、作成者は、液状のブロッキング剤B2に、リン脂質を溶かすことでブロッキング剤B3を生成する。また、作成者は、シート状の第1及び第2の部材を準備する。
そして、作成者は、準備した第1の部材の表面上で均一な層になるように液状の試薬を塗布する又は散布する。作成者は、塗布又は散布した液状の試薬の水分を蒸発させて乾燥させた後、第1の部材を所定の表面積となるサイズにカットして第6のシート3236を作成する。
次に、作成者は、準備した第2の部材の表面上で均一な層になるように、ブロッキング剤B3を含む液体を塗布する又は散布する。作成者は、塗布又は散布した液体の水分を蒸発させて乾燥させた後、第2の部材を所定の表面積となるサイズにカットして第7のシート3237を作成する。作成者は、作成した第6のシート3236に、作成した第7のシート3237を積層する。これにより、試薬保持部323が製造される。
次に、変形例に係る検査試薬30において、ブロッキング剤B3が溶解される手順の一例について説明する。以下では、検査試薬30の水溶液に界面活性剤が含まれているものとする。
図15に示されるように、使用者が注入具32が下を向くように注入デバイス300を逆さにすると、水溶液と試料とが混和された混和液が、試薬保持部323に接触する。試薬保持部323では、まず、混和液がブロッキング剤B3に接触し、混和液に含まれる界面活性剤により、ブロッキング剤B3の脂質膜が溶解する。脂質膜が溶解すると、脂質膜により内包されていたブロッキング剤B2が混和液に溶解する。次いで、ブロッキング剤B2が溶解された混和液が試薬成分31に接触し、この混和液に試薬成分31が溶解する。これにより、ブロッキング剤B2を高濃度で含む混和液が試薬成分31に接触することになる。このため、試薬成分31は、高濃度に分布するブロッキング剤B2に晒されることになる。この結果、第1の抗体が固定化された磁性粒子への被検物質Aの非特異的な結合が抑制されることになる。
以上のように、第2の実施形態に係る変形例では、ブロッキング剤B2を脂質膜により内包したブロッキング剤B3を生成する。そして、生成したブロッキング剤B3を乾燥させて試薬保持部323に保持させるようにしている。これにより、ブロッキング剤B3の脂質膜に内包されるブロッキング剤B2の乾燥を防ぐことが可能となる。
したがって、ブロッキング剤B2が液状において効果を発揮する場合であっても、保存が容易であり、かつ、少量の薬剤で高いブロッキング効果を望むことできる体外診断薬を製造することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…検体測定装置、11…磁場発生器、12…光照射器、13…光検出器、14…信号処理回路、141…システム制御機能、142…解析機能、15…入力インタフェース、16…表示回路、17…記憶回路、20…センサデバイス、21…反応室、22…光導波路、23…外筐部、23a,23b…孔、24…遮光膜、25…透明基板、30…検査試薬、300…注入デバイス、31…試薬成分、32…注入具、321…嵌着部、323…試薬保持部、3231…第1のシート、3232…第2のシート、3233…第3のシート、3234…第4のシート、3235…第5のシート、3236…第6のシート、3237…第7のシート、324…吐出口、33…容器、331…開口部、332…上面、333…内壁面、334…封止材

Claims (14)

  1. 被検体から採取した試料に含まれる被検物質が含まれる液体が収容される収容部と、
    前記被検物質と特異的に反応する物質を格納する格納部と、
    前記収容部と前記格納部とを隔てるように配置されるブロッキング剤と
    を具備する体外診断薬。
  2. 支持体と、
    水溶性のコーティング剤、及び前記ブロッキング剤を含む乾燥膜と
    をさらに具備し、
    前記格納部は、前記支持体の表面に結合される前記物質により形成される物質層であり、
    前記乾燥膜は、前記物質層の表面を被覆する請求項1記載の体外診断薬。
  3. 前記ブロッキング剤は、前記乾燥膜に含まれる水溶性のコーティング剤中に分散されている請求項2記載の体外診断薬。
  4. 前記ブロッキング剤は、脂質膜により内包され、前記乾燥膜に含まれる水溶性のコーティング剤中に分散されている請求項2記載の体外診断薬。
  5. 前記ブロッキング剤は、脂質膜により内包され、前記乾燥膜本体の表面に付着されている請求項2記載の体外診断薬。
  6. 前記支持体は、光導波路である請求項2乃至5のいずれかに記載の体外診断薬。
  7. 前記ブロッキング剤は、測定項目に応じて選択される請求項2乃至6のいずれかに記載の体外診断薬。
  8. 前記収容部は、前記試料と所定の水溶液が混和された混和液を収容するための容器であり、
    前記格納部は、前記物質を格納する第1のシートであり、
    前記第1のシートが装填され、前記第1のシートに接触した前記混和液を吐出させるための吐出口を有する注入具をさらに具備する請求項1記載の体外診断薬。
  9. 前記ブロッキング剤は、前記第1のシートの表面を被覆する請求項8記載の体外診断薬。
  10. 前記ブロッキング剤は、脂質膜により内包される請求項9記載の体外診断薬。
  11. 前記ブロッキング剤を格納し、前記第1のシートが前記吐出口との間に配置されるように前記注入具に装填される第2のシートをさらに具備する請求項8記載の体外診断薬。
  12. 前記ブロッキング剤は、脂質膜により内包される請求項11記載の体外診断薬。
  13. 前記ブロッキング剤は、脂質膜により内包され、前記第1のシートに格納される請求項8記載の体外診断薬。
  14. 前記ブロッキング剤は、測定項目に応じて選択される請求項8乃至13のいずれかに記載の体外診断薬。
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