JP2017218830A - 雨水貯留浸透施設用組立体 - Google Patents

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【課題】簡単な構成で容易に組立可能であり、水平方向の土圧に対して充分な強度を備えた雨水貯留浸透施設用組立体を提供する。
【解決手段】2枚の矩形状の板が互いに直交するように上面視L字状に一体に形成されるL字状部材(L型板)3A、9が複数同方向に一列に整列し、複数のL字状部材全体の開放側面、開放底面及び開放上面を各々覆う複数の側板部材(I型板)13、複数の底板部材及び複数の天板部材(上下板)20を備え、L字状部材には、隣接する側板部材との当接面11aを提供する補強部11が設けられる雨水貯留浸透施設用組立体1。補強部は、上面視矩形の棒状に形成され、L字状部材の自由端面近傍に位置し、側板部材は、側板部材の一端部が隣接するL字状部材の一方の自由端面と面接触すると共に、他端部が補強部と面接触する。
【選択図】図1

Description

本発明は、地中に構築される雨水貯留浸透施設を構成する組立体に関する。
雨水貯留浸透施設は、集水した雨水の貯留空間として地中に構築される雨水貯留施設と、集水した雨水を地中で一時的に貯留した後、地中に緩やかに排出して分散浸透させる雨水浸透施設とを含む。この雨水貯留浸透施設は、雨水の有効利用を図ったり、雨水が河川や地下雨水管路網へ急激に流入することにより発生する都市型浸水災害を防止したり、地下水を涵養して地盤沈下を抑止するために地中に埋設される。
上記雨水貯留浸透施設の一例として、特許文献1には、平面視略正方形状で、底板及び天板を構成する第1及び第2の面板部材と、第1及び第2の面板部材に凹凸嵌合により連結される管支持部材と、第1及び第2の面板部材並びに管支持部材に凹凸嵌合により連結される側板部材とを備え、第1及び第2の面板部材、2枚の管支持部材並びに2枚の側板部材からなる立方体状の枡状部が水平方向に一列に複数並設された雨水貯留浸透槽が開示される。
また、特許文献2には、平面視で略正方形状の底板と、4枚の側板を凹凸嵌合により連結してなる有底四角筒状の周壁体と、平面視で略正方形状の天板とを備え、底板及び天板に形成された溝に周壁体の上部及び下部を嵌合して構成される雨水浸透枡が開示され、特許文献3及び4には、この特許文献2に記載の雨水浸透枡を水平方向に一列に複数並設した雨水貯留浸透システムが開示される。
特開2003−34971号公報 特開2014−20180号公報 特開2014−214519号公報 特開2014−234643号公報
上記特許文献1に記載の雨水貯留浸透槽は、すべて平板状の部材から構成されるため、嵩張ることのない態様で輸送することができるという利点があるものの、構成要素や連結箇所が増加するため、組立作業の工数が増加し、製造コストや水平方向の土圧に対する強度の面で改善の余地があった。
一方、上記特許文献3及び4に記載の雨水貯留浸透システムは、隣接する雨水貯留浸透枡において、2枚の側板が重なる部分が存在し、この2枚の側板が重なる部分は本来1枚の側板で構成可能であるため、構成が過剰なものとなり、組立作業性も悪化するという問題があった。
そこで、本発明は、上記従来技術における問題点に鑑みてなされたものであって、簡単な構成で容易に組立可能であり、水平方向の土圧に対して充分な強度を備えた雨水貯留浸透施設用組立体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の雨水貯留浸透施設用組立体は、2枚の矩形状の板が互いに直交するように上面視L字状に一体に形成されるL字状部材が複数同方向に一列に整列し、該複数のL字状部材全体の開放側面、開放底面及び開放上面を各々覆う複数の側板部材、複数の底板部材及び複数の天板部材を備え、前記L字状部材には、隣接する前記側板部材との当接面を提供する補強部が設けられることを特徴とする。
本発明によれば、L字状部材が複数同方向に一列に整列されると共に、複数の側板部材が複数のL字状部材全体の開放側面を各々覆うため、上記特許文献3及び4に記載のシステムのように2枚の板状部材が重なることがなく、製造コストを低減することができる。また、補強部を設けたため、側板部材の内面をL字状部材と共に支持することができ、水平方向の土圧に対する強度を高めることができる。
上記雨水貯留浸透施設用組立体において、前記補強部は、上面視矩形の棒状に形成され、前記L字状部材の自由端面近傍に位置し、前記側板部材は、該側板部材の一端部が隣接する前記L字状部材の一方の自由端面と面接触すると共に、他端部が前記補強部と面接触するように構成することができる。これにより、簡単な構成で補強部を構成することができ、製造コストの低減に繋がる。
また、前記整列したL字状部材及び側板部材を鉛直方向に複数段にわたって設け、隣接する2つの段において、上方に位置する複数のL字状部材全体の開放底面と、下方に位置する複数のL字状部材全体の開放上面を各々覆う複数の面板部材を備えるようにすることができる。これによって、雨水貯留浸透施設の設置面積を維持したまま雨水の貯留浸透容量を高めることができる。
さらに、上記雨水貯留浸透施設用組立体の隣接する2つの段において、前記整列したL字状部材及び側板部材の配列を、上面視において互いに線対称とすることができる。これにより、隣接する2つの段において、水平方向の土圧に対する強度が高められた側板部材を雨水貯留浸透施設用組立体全体に均一に配置することができ、雨水貯留浸透施設用組立体の強度の偏りを防止することができる。
以上のように、本発明によれば、簡単な構成で容易に組立可能であり、水平方向の土圧に対して充分な強度を備えた雨水貯留浸透施設用組立体を提供することができる。
本発明に係る雨水貯留浸透施設用組立体の一実施の形態を示す分解斜視図である。 図1に示す組立体のL型板のうち、通水孔が穿設されていないものを示し、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は背面図、(d)は(c)のA−A線切断部端面図、(e)は(b)のB−B線断面図である。 図1に示す組立体のL型板のうち、通水孔が穿設されているものを示し、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は背面図、(d)は(c)のC−C線切断部端面図、(e)は(b)のD−D線断面図である。 図1に示す組立体のI型板を示し、(a)は正面図、(b)は(a)のE−E線断面図、(c)は底面図、(d)は(a)のF−F線断面図。(e)は側面図、(f)は背面図である。 図1に示す組立体の上下板を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。 本発明に係る雨水貯留浸透施設用組立体を備える雨水貯留浸透施設の一例を示す概略断面図である。 図6の組立体の水平断面図であって、(a)は上方に位置する組立体を、(b)は下方に位置する組立体を各々示す。 図6に示す組立体の中間板の一つを示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。 図6に示す組立体の上下板の一つを示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。 図6に示す組立体の中間板の一つを示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。 図6に示す組立体の点検口を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のG−G線断面図である。 図6に示す組立体の蓋を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のH−H線断面図である。 図6に示す組立体の底版フィルターを示し、(a)は平面図、(b)は(a)のI−I線断面図である。 図3等に示す通水孔が穿設されているL型板の他の実施形態を示し、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は背面図、(d)は(c)のJ−J線切断部端面図、(e)は(b)のK−K線断面図である。
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係る雨水貯留浸透施設用組立体(以下「組立体」と略称する)の一実施の形態を示し、この組立体1は、複数のL型板(L字状部材)3(3A、3B)、9及び複数のI型板13(側板部材)が整列して構成される本体2と、この本体2の開放底面2a及び開放上面2bを各々覆う複数の上下板(底板部材兼天板部材)20とで構成される。ここで、本体2の開放底面2aを覆う上下板20と、本体2の開放上面2bを覆う上下板20は同一の構成を有するが、上下面の向き(表裏)が互いに異なる。これら各板3、9、13、20は、プラスチック材料によって一体成形され、再生プラスチック材料を用いることもできる。
本体2において、L型板3A、9は複数同方向に一列に整列され、I型板13は複数のL型板3A、9全体の開放側面を覆うように整列している。ここで、L型板3は本体2の両端部に位置するものであるが、図1の右下部に位置するL型板3BはL型板9と相対向する向きに配置される。
L型板3(3A、3B)は、図2に示すように、2つのフレーム状の外枠4aの各々の一辺を接合したL字状に形成された枠体4と、各外枠4a内に配設されたリブ6とを備える。
枠体4は、2つのフレーム状の外枠4aの各々の一辺を接合したL字状に形成されるため、1つのフレーム状の外枠からなる、独立したパネル状に形成する場合よりも、強度に優れると共に、この枠体4を用いた組立体1の組立作業が容易となる。
リブ6は、L型板3の強度を向上させるため、水平方向に連続して形成されると共に、仕切り4bを挟んで鉛直方向に複数段にわたって設けられる。このリブ6には、通水性を考慮して開口部7が適宜穿設される。
一方、L型板9は、図3に示すように、L型板3の構成に加え、一方の外枠4aの中央に通水孔10aを形成する内枠10と、隣接するI型板13との当接面11aを提供する補強部11とを備える。補強部11は、横断面が矩形状の棒状に形成され、ボルト8によってリブ6に固定される。補強部11をL型板9と一体成形してもよい。リブ6の通水孔10aに面する端部は内枠10を兼ねている。尚、その他の構成はL型板3と同一であるため、L型板3の各構成要素の参照番号を付して説明を省略する。
I型板13は、図4に示すように、外枠14aからなる枠体14と、外枠14a内に配設されたリブ16と、リブ16に通水性を考慮して穿設される開口部17とを備える。リブ16は、I型板13の強度を向上させるため、水平方向に連続して形成されると共に、仕切り14bを挟んで鉛直方向に複数段にわたって設けられる。
上下板20は、図1及び図5に示すように、上記L型板3、9及びI型板13と同様に枠体20a及びリブ20b(図5(a)におけるリブ20bの詳細構成は省略)を備えると共に、平面視において各辺に複数の凹凸を備え、隣接する2枚の上下板20において凸部20cが凹部20dに係合することによっていわゆる鳩尾継が可能に構成される。さらに、この凸部20c上には、L型板3、9及びI型板13の上下端部が嵌合される凹部20eが設けられている。上下板20の強度を高めるため、上下板20の表裏には略々全面にわたって凹凸が形成される。
図1に示すように、上記構成を有するL型板3、9及びI型板13が整列した本体2において、L型板3と隣接するI型板13及びL型板9はコーナーアングル22によって各々連結され、上下板20の凹部20eにこれらL型板3、9及びI型板13の各々の端部が嵌合されることで、本体2と上下板20とが連結されて組立体1が構成される。
尚、図1の右下部に位置するL型板3Bを、I型板13と、このI型板13とL型板9によって形成される開放側面を塞ぎ、これらの板9、13の間に配置される平板状部材としてもよい。
上記構成を有する組立体1によれば、L型板9に補強部11を設け、この補強部11の当接面11aに、L型板9と面接触していないI型板13の一端部13a(図4(f)参照)を面接触させたため、隣接するL型板9の開放側面を覆うI型板13(図1において組立体1の中央部に位置する2枚)の水平方向の土圧に対する強度を高めることができる。また、各板が重なる部分が存在しないため、組立の作業性が悪化したり、製造コストが増加することもない。
次に、上記構成を有する組立体1(本体2)を備えた雨水貯留浸透施設について、図6を中心に図7〜図13を参照しながら説明する。
図6は、地面に埋設された雨水貯留浸透施設(以下「施設」と略称する)の一例を示し、この施設31は、上記本体2と、この本体2の上方に位置し、本体2と同様の構成を有する本体33と、複数の上記上下板20と、本体2、33を連結する複数の中間板34等からなる組立体32等で構成される。
図7は、本体2、33の水平断面図を示し、図7(a)に示す本体33の各部材3、9、13、22は、図1等に示したものと同一であり、上面視において、図7(b)に示す本体2の各部材3、9、13、22と線対称になるように整列する。これにより、隣接する2つの段において、水平方向の土圧に対する強度が高められたI型板13を組立体32の全体に均一に配置することができ、組立体32の強度の偏りを防止することができる。
中間板34は、図8に示すように、図5に示す上下板20の凹部20eが上下両面に形成されるように2枚の上下板20を一体に組み合わせたような構成を有する。各構成要素は、上記上下板20のものと同様であるため、同一の参照番号を付して説明を省略する。
図6へ戻り、組立体32の左端部に位置する上下板35及び中間板36には、点検作業用の孔35a、36aが穿設されている。これら上下板35及び中間板36を図9及び図10に各々示すが、孔35a、36a以外の基本構成は上記上下板20及び中間板34と同様であるため、同一の参照番号を付して説明を省略する。
また、図6に示すように、上下板35の上には点検作業用の点検口37が連結される。この点検口37は、図11に示すように、全体的に円筒状に形成され、上部開口37aと、上部開口37aの周囲に形成される環状溝37bを備える。
図6において、非点検作業時には、点検口37の上部開口37aと上下板35の孔35aを閉じる必要がある。そこで、上部開口37aを閉じるための蓋38と、上下板35の孔35aを閉じるための底版フィルター39を備える。
蓋38は、図12に示すように、全体的に円板状に形成され、点検口37の環状溝37bに係合する突条38aと、蓋38を着脱するための取っ手38bを備える。
一方、底版フィルター39は、図13に示すように、全体的に皿状に形成され、孔35aに挿入される底部39aと、上部に形成される鍔部39bと、底版フィルター39を上下板35(図6参照)に着脱するための取っ手39cを備える。
尚、上記実施の形態においては、本体2の開放上面2bが4つである場合について説明したが、これに限定されず、開放上面2bが水平方向に一列に形成され、この開放上面が少なくとも2つ以上であれば組立体1を構成することができる。
また、図3に示したL型板9に代えて、図14に示すL型板41を用いてもよい。このL型板41は、通水孔を有する内枠と補強部の構成においてL型板9と相違し、その他の構成はL型板9と同一である。そのため、これらL型板9と同一の構成要素には、L型板9と同一の参照番号を付して説明を省略する。
L型板41の通水孔42aは、外枠4aの下部中央に位置し、内枠42によって縦長の蒲鉾形に形成される。この通水孔42aは、組立体1の維持管理の目的として使用することができる。
L型板41の補強部44(44A〜44D)は、上面視三角形状で、かつ正面視コ字状に形成され、上下方向に4つに分割されてL型板41に一体に成形されている。補強部44をL型板41とは別体とし、L型板41にボルトによって固定してもよい。これにより、I型板13との当接面44aを十分に確保しながら、L型板9の補強部11よりも軽量化を図ることができる。また、補強部44の形状も上面視三角形状に限定されず、上面視矩形状であってもよい。
尚、上記L型板41の通水孔42aの形状は、維持管理の作業が行えるのであれば他の形状であってもよく、通水孔42aの位置も適宜変更可能である。また、補強部44の数も4つに限定されず、I型板13との当接面44aを十分に確保することができれば4つ未満であってもよく、5つ以上でもよい。
1 組立体
2 本体
2a 開放底面
2b 開放上面
3 L型板
4 枠体
4a 外枠
4b 仕切り
6 リブ
7 開口部
8 ボルト
9 L型板
10 内枠
10a 通水孔
11 補強部
11a 当接面
13 I型板
13a 一端部
14 枠体
14a 外枠
14b 仕切り
16 リブ
17 開口部
20 上下板
20a 枠体
20b リブ
20c 凸部
20d、20e 凹部
22 コーナーアングル
31 施設
32 組立体
33 本体
34 中間板
35 上下板
35a 孔
36 中間板
36a 孔
37 点検口
37a 上部開口
37b 環状溝
38 蓋
38a 突条
38b 取っ手
39 底版フィルター
39a 底部
39b 鍔部
39c 取っ手
41 L型板
42 内枠
42a 通水孔
44(44A〜44D) 補強部
44a 当接面

Claims (4)

  1. 2枚の矩形状の板が互いに直交するように上面視L字状に一体に形成されるL字状部材が複数同方向に一列に整列し、
    該複数のL字状部材全体の開放側面、開放底面及び開放上面を各々覆う複数の側板部材、複数の底板部材及び複数の天板部材を備え、
    前記L字状部材には、隣接する前記側板部材との当接面を提供する補強部が設けられることを特徴とする雨水貯留浸透施設用組立体。
  2. 前記補強部は、上面視矩形の棒状に形成され、前記L字状部材の自由端面近傍に位置し、
    前記側板部材は、該側板部材の一端部が隣接する前記L字状部材の一方の自由端面と面接触すると共に、他端部が前記補強部と面接触することを特徴とする請求項1に記載の雨水貯留浸透施設用組立体。
  3. 前記整列したL字状部材及び側板部材が鉛直方向に複数段にわたって設けられ、
    隣接する2つの段において、上方に位置する複数のL字状部材全体の開放底面と、下方に位置する複数のL字状部材全体の開放上面を各々覆う複数の面板部材を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の雨水貯留浸透施設用組立体。
  4. 前記隣接する2つの段において、前記整列したL字状部材及び側板部材の配列が、上面視において互いに線対称であることを特徴とする請求項3に記載の雨水貯留浸透施設用組立体。
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