JP2017218548A - 縮合硬化型シリコーン樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬化物を機械特性、透明性、耐クラック性、耐熱性、及びガスバリアー性に優れたものとすることができる縮合硬化型シリコーン樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)シラノール基を0.01〜1.0mol/100gの範囲で含有するオルガノポリシロキサン、及び
(B)無機酸化物粒子が表面処理されたナノ粒子であって、該ナノ粒子の動的光散乱法で測定した1次粒子径が8nm以上30nm以下であり、かつ表面に炭素数1〜10のアルコキシ基を0.001〜0.5mol/100gの範囲内で有するナノ粒子、
を含有する縮合硬化型シリコーン樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、縮合硬化型シリコーン樹脂組成物、及び該組成物で半導体素子を封止した半導体装置に関する。
LED用封止材には、高透明、高屈折率で、機械特性、耐熱性、耐光性にも優れた材料が求められており、従来はエポキシ樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂が多用されてきた。しかしながら、近年のLED発光装置の高出力化に伴い、長期にわたる高温環境下では、これらの熱可塑性樹脂を使用した場合に耐熱性、耐変色性の問題が発生することが分かってきた。
また、最近では光学素子を基板に半田付けする際に、鉛フリー半田が使用されることが多くなっている。この鉛フリー半田は、従来の半田に比べ溶融温度が高く、通常260℃以上の温度をかけて半田付けを行う必要があるが、このような温度で半田付けを行った場合、上記のような従来の熱可塑性樹脂の封止材では変形が起こったり、高温によって封止材が黄変したりする等の不具合が発生することも分かってきた。
このように、LED発光装置の高出力化や鉛フリー半田の使用に伴い、封止材にはこれまで以上に優れた耐熱性が求められている。これまでに、耐熱性向上を目的として熱可塑性樹脂にナノシリカを充填した光学用樹脂組成物等が提案されてきたが(特許文献1、2)、熱可塑性樹脂では耐熱性に限界があり、十分な耐熱性が得られなかった。
熱硬化性樹脂であるシリコーン樹脂は、耐熱性、耐光性、透明性に優れることから、LED用封止材として検討されてきた(特許文献3〜5)。しかし、このシリコーン樹脂はエポキシ樹脂等と比較すると樹脂強度が弱く、またガス透過性が大きい(即ち、ガスバリアー性が低い)ため電極の硫化等により輝度が低下するという欠点があった。
また、例えばシリケート系蛍光体を含有するシリコーン樹脂をLED用封止材として使用すると、水蒸気がガスバリアー性の低いシリコーン樹脂の封止材中に侵入し、蛍光体表面で水が反応して蛍光体が分解し、蛍光特性が著しく低下してしまうという問題もある。このように、従来のシリコーン樹脂をLED用封止材に用いると、電極の硫化等による輝度低下の問題に加えて、高湿下でのLEDの長期信頼性が低下してしまうという問題もあり、シリコーン樹脂のガスバリアー性改善の要求が高まっている。
この対策として、フェニル基等の芳香族系置換基の導入による高屈折率化及びガスバリアー性の向上が検討されているが、芳香族系置換基を導入すると、加熱時における粘弾性の変化が大きくなるため、メチルシリコーン系樹脂と比較して耐クラック性が低下してしまうという問題がある。また、耐熱性の低下等の問題も発生しており、作業性が良好で、かつ硬化物の機械特性、透明性、耐クラック性、耐熱性に優れ、さらにガスバリアー性にも優れた封止材の開発が求められている。
特開2012−214554号公報 特開2013−204029号公報 特開2006−213789号公報 特開2007−131694号公報 特開2011−252175号公報
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、硬化物を機械特性、透明性、耐クラック性、耐熱性、及びガスバリアー性に優れたものとすることができる縮合硬化型シリコーン樹脂組成物、及び該組成物で半導体素子を封止した半導体装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、
(A)シラノール基を0.01〜1.0mol/100gの範囲で含有するオルガノポリシロキサン、及び
(B)無機酸化物粒子が表面処理されたナノ粒子であって、該ナノ粒子の動的光散乱法で測定した1次粒子径が8nm以上30nm以下であり、かつ表面に炭素数1〜10のアルコキシ基を0.001〜0.5mol/100gの範囲内で有するナノ粒子、
を含有する縮合硬化型シリコーン樹脂組成物を提供する。
このような縮合硬化型シリコーン樹脂組成物であれば、硬化物を機械特性、透明性、耐クラック性、耐熱性、及びガスバリアー性に優れたものとすることができる。
また、前記無機酸化物粒子が、二酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化セリウム、及び酸化亜鉛から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
このような無機酸化物粒子を表面処理したナノ粒子であれば、縮合硬化型シリコーン樹脂組成物に添加した際に、硬化物をさらに透明性に優れたものとすることができる。
また、前記ナノ粒子が、表面にケイ素原子結合の水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のフルオロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数2〜10のアルケニル基、水酸基、エポキシ基、及び(メタ)アクリル基から選択される官能基を少なくとも1つ以上有するものであることが好ましい。
このような官能基を有するものであれば、縮合硬化型シリコーン樹脂組成物に添加した際に、組成物の作業性や、硬化物の機械特性、透明性、耐クラック性、耐熱性、ガスバリアー性等をさらに優れたものとすることができる。
また、前記縮合硬化型シリコーン樹脂組成物が、前記(B)成分を、前記縮合硬化型シリコーン樹脂組成物の全量に対して0.1〜99質量%含有することが好ましい。
このようなものであれば、組成物の作業性や、硬化物の機械特性、透明性、耐クラック性、耐熱性、ガスバリアー性等がより一層優れたものとなる。
また、前記(A)成分の重量平均分子量(Mw)が、1,000〜100,000であることが好ましい。
(A)成分としては、このようなオルガノポリシロキサンが好適に用いられる。
また、縮合硬化型シリコーン樹脂組成物が、さらに(C)成分として、縮合触媒を含有することが好ましい。
本発明の縮合硬化型シリコーン樹脂組成物には、オルガノシロキサンのシラノール基をシロキサン結合に変換する縮合反応に作用する、任意の触媒を使用することができる。
また、前記縮合硬化型シリコーン樹脂組成物が、さらに(D)成分として、蛍光体を含有することが好ましい。
本発明の縮合硬化型シリコーン樹脂組成物は、ガスバリアー性に優れた硬化物を与えるため、蛍光体を含有する場合であっても、従来のような蛍光特性の著しい低下が起こる恐れがない。
また本発明では、上記の縮合硬化型シリコーン樹脂組成物を半導体素子の封止層としてなる半導体装置を提供する。
このような半導体装置であれば、半導体素子が、機械特性、透明性、耐クラック性、耐熱性、及びガスバリアー性に優れた硬化物で封止されることで、高湿下における長期信頼性(耐湿性)、長期演色性に優れた半導体装置となる。
以上のように、本発明の無機酸化物粒子表面に反応基を有するナノ粒子を含有する縮合硬化型シリコーン樹脂組成物であれば、硬化物を機械特性、透明性、耐クラック性、耐熱性、及びガスバリアー性に優れたものとすることができる。従って、このような本発明の縮合硬化型シリコーン樹脂組成物は、発光半導体装置のレンズ用素材、保護コート材、モールド材等に特に好適である。また、本発明の縮合硬化型シリコーン樹脂組成物はガスバリアー性に優れるため、耐水性に劣るシリケート系蛍光体や量子ドット蛍光体を添加して波長変換フィルム用素材として使用する際にも、高湿下での長期信頼性が確保でき、耐湿性、長期演色性が良好な発光半導体装置を提供することができる。
上述のように、最近の半導体装置における、超高細密、高耐熱、高耐湿、長期信頼性の要求、使用条件に対し、封止材には高透明性を保持しつつ、更なる耐湿性、ガスバリアー性の向上が求められている。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、所定の1次粒子径を有し、かつ無機酸化物粒子を所定のアルコキシ基量となるように表面処理したナノ粒子を縮合硬化型シリコーン樹脂組成物に添加することで、硬化物を機械特性、透明性、耐クラック性、耐熱性、及びガスバリアー性に優れたものとすることができ、このような縮合硬化型シリコーン樹脂組成物であればLED等の半導体素子の封止材として好適に用いることができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、(A)シラノール基を0.01〜1.0mol/100gの範囲で含有するオルガノポリシロキサン、及び(B)無機酸化物粒子が表面処理されたナノ粒子であって、該ナノ粒子の動的光散乱法で測定した1次粒子径が8nm以上30nm以下であり、かつ表面に炭素数1〜10のアルコキシ基を0.001〜0.5mol/100gの範囲内で有するナノ粒子、を含有する縮合硬化型シリコーン樹脂組成物である。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、本明細書中、Meはメチル基、Etはエチル基、Phはフェニル基を示す。
<縮合硬化型シリコーン樹脂組成物>
本発明の縮合硬化型シリコーン樹脂組成物は、
(A)シラノール基を0.01〜1.0mol/100gの範囲で含有するオルガノポリシロキサン、及び
(B)無機酸化物粒子が表面処理されたナノ粒子であって、該ナノ粒子の動的光散乱法で測定した1次粒子径が8nm以上30nm以下であり、かつ表面に炭素数1〜10のアルコキシ基を0.001〜0.5mol/100gの範囲内で有するナノ粒子、
を含有するものである。
[(A)オルガノポリシロキサン]
本発明において、(A)成分は、シラノール基を0.01〜1.0mol/100gの範囲で含有するオルガノポリシロキサンである。(A)成分であるオルガノポリシロキサン中のケイ素原子に結合したシラノール基の合計量は0.01〜1.0mol/100gであり、好ましくは0.05〜0.8mol/100g、より好ましくは0.1〜0.5mol/100gである。ケイ素原子に結合したシラノール基量が0.01mol/100g以上であれば、後述する(B)成分のナノ粒子との相溶性が低下する恐れがなく、1.0mol/100g以下であれば保存安定性が低下する恐れがない。
なお、本発明におけるシラノール量はH−NMR及び、29Si−NMRによって測定された値を指すこととする。
また、(A)成分としては、重量平均分子量(Mw)が好ましくは1,000〜100,000、より好ましくは2,000〜50,000であるオルガノポリシロキサンが好適に用いられる。
なお、本発明における重量平均分子量(Mw)とは、下記条件で測定したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレンを標準物質とした重量平均分子量を指すこととする。
[測定条件]
展開溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
流量:0.6mL/min
検出器:示差屈折率検出器(RI)
カラム:TSK Guardcolomn SuperH−L
TSKgel SuperH4000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH3000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH2000(6.0mmI.D.×15cm×2)
(いずれも東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:20μL(濃度0.5重量%のTHF溶液)
また、(A)成分としては、0〜40mol%のSiO4/2単位(Q単位)、0.1〜100mol%のRSiO2/2単位(D単位)、0〜80mol%のRSiO3/2単位(T単位)及び0〜60mol%のRSiO1/2単位(M単位)からなるオルガノポリシロキサンを用いることができ、ポリシロキサン構造には特に制限はなく、各シロキサン単位がランダムに重合した直鎖状又は分岐鎖状のオルガノポリシロキサンや各シロキサン単位がブロックポリマーとして組み合わされた直鎖状又は分岐鎖状のオルガノポリシロキサンでもよい。
機械特性(強度)、耐クラック性、耐硫化性が良好な硬化物を与える縮合硬化型シリコーン樹脂組成物とするためには、0.01〜1.0mol/100gの範囲内でシラノール基を含有する直鎖状オルガノポリシロキサン(Dオイル)や、分岐鎖状オルガノポリシロキサン(DTレジン、MDTQレジン、MTQレジン、MTレジン、MDTレジン、MDQレジン、MQレジン(以上、名称はレジンを構成する上記シロキサン単位を示す))等の分子量、レジン構造が異なるオルガノポリシロキサンを、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて配合することができる。中でもDオイル、MDTレジン、MTレジン、MDQレジンが好ましく、Dオイル、MDTレジンが特に好ましい。
上記のM単位、D単位、及びT単位中のRは、ケイ素原子に結合した水素原子、又は炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6の一価炭化水素基である。炭素数1〜10の一価炭化水素基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の低級アルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;ベンジル基等のアラルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基;及びこれらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子やシアノ基等で置換した基、例えばクロロメチル基、シアノエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられる。中でも、メチル基、フェニル基が好ましい。
SiO4/2単位(Q単位)を得るための材料としては、例えば、ケイ酸ソーダ、テトラアルコキシシラン、又はこれらの縮合反応物等を使用することができる。
RSiO3/2単位(T単位)を得るための材料としては、例えば、下記構造式で表されるオルガノトリクロロシラン、オルガノトリアルコキシシラン等の有機ケイ素化合物、又はこれらの縮合反応物等を例示できるが、これらに限定されない。
Figure 2017218548
SiO2/2単位(D単位)を得るための材料としては、例えば、下記構造式で表されるジオルガノジクロロシラン、ジオルガノジアルコキシシラン等の有機ケイ素化合物等を例示できるが、これらに限定されない。
Figure 2017218548
(上記式において、Rは炭素数1〜10のアルキル基である。また、qは1〜50の整数である。)
SiO1/2単位(M単位)を得るための材料としては、例えば、下記構造式で表されるトリオルガノクロロシラン、トリオルガノアルコキシシラン、ヘキサオルガノジシロキサン等の有機ケイ素化合物等を例示できるが、これらに限定されない。
Figure 2017218548
Figure 2017218548
Figure 2017218548
[(B)ナノ粒子]
本発明において、(B)成分のナノ粒子は、無機酸化物粒子が表面処理されたナノ粒子であって、該ナノ粒子の動的光散乱法で測定した1次粒子径が8nm以上30nm以下、好ましくは10nm以上20nm以下のものである。ナノ粒子の1次粒子径が8nm未満の場合、縮合硬化型シリコーン樹脂組成物に添加しても硬化物の補強効果が得られず、また硬化物の耐クラック性の向上も見込めない。一方、ナノ粒子の1次粒子径が30nmを超えると、硬化物の透明性やシリコーン樹脂との相溶性が低下し、また組成物の粘度が増加して組成物の作業性が悪化する。
また、(B)成分のナノ粒子は、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基が0.001〜0.5mol/100g、好ましくは0.01〜0.3mol/100gの範囲内となるように無機酸化物粒子が表面処理されたものである。なお、ナノ粒子のアルコキシ基量は、例えばH−NMR、29Si−NMRによって測定することができる。アルコキシ基量が0.001mol/100g未満の場合、ナノ粒子表面の反応性が低下し、縮合硬化型シリコーン樹脂組成物にナノ粒子を添加した際の硬化物の機械特性、ガスバリアー性が低下する。一方、アルコキシ基量が0.5mol/100gを超えると、ナノ粒子の反応性が高くなりすぎるため、縮合硬化型シリコーン樹脂組成物にナノ粒子を添加した際の硬化コントロールが困難となり、樹脂劣化の要因となる。
(B)成分のナノ粒子は、無機酸化物粒子が表面処理されたものであり、この無機酸化物粒子としては、例えば二酸化ケイ素(シリカ:SiO)、酸化ジルコニウム(ジルコニア:ZrO)、酸化チタン(TiO)、酸化アルミニウム(アルミナ:Al)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化鉄(FeO)、四酸化三鉄(Fe)、酸化鉛(PbO)、酸化錫(SnO)、酸化セリウム(Ce、CeO)、酸化カルシウム(CaO)、四酸化三マンガン(Mn)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化バリウム(BaO)等が挙げられる。これらの無機酸化物粒子は単独、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、二酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、及び酸化亜鉛が好ましく、二酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化バリウムが特に好ましい。これらの無機酸化物粒子を用いることで、縮合硬化型シリコーン樹脂組成物に添加した際の硬化物の透明性をさらに優れたものとすることができる。
また、(B)成分のナノ粒子は、前記炭素数1〜10のアルコキシ基に加えて、表面にケイ素原子結合の水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のフルオロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数2〜10のアルケニル基、水酸基、エポキシ基、及び(メタ)アクリル基から選択される官能基を1つ以上有するものであることが好ましい。このような官能基を有するものであれば、縮合硬化型シリコーン樹脂組成物に添加した際に、組成物の作業性や、硬化物の機械特性、透明性、耐クラック性、耐熱性、ガスバリアー性等をさらに優れたものとすることができる。
無機酸化物粒子の表面処理方法としては、公知の方法が適用できる。無機酸化物粒子の表面処理方法としては、乾式法と湿式法があるが、ナノサイズの無機酸化物粒子は一般に溶液系で提供されており、また、無機酸化物粒子への均一処理、ゲル防止の観点から溶液系での湿式法が好ましい。
無機酸化物粒子を表面処理してナノ粒子を製造する方法としては、例えば、動的光散乱法で測定した1次粒子径が8nm以上30nm以下の無機酸化物粒子と炭素数1〜10のアルコキシ基を有する表面処理剤を、20〜150℃で1〜72時間反応させることで、炭素数1〜10のアルコキシ基が0.001〜0.5mol/100gの範囲内となるように前記無機酸化物粒子を表面処理するナノ粒子の製造方法が挙げられる。
20℃以上の温度で反応させれば表面処理の速度が速くなり、150℃以下の温度で反応させれば反応のコントロールが容易となり、着色の原因にもならない。また、反応時間が1時間以上であれば処理が十分となり、72時間以下であれば生産効率が悪化しない。
表面処理剤としては、以下に示す化合物や、これらの重合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2017218548
(式中、Xは独立に炭素数1〜10のアルコキシ基、ハロゲン原子、アセテート基、ヒドロキシ基、−CR’−CO−CR’基(R’は水素原子、又は互いに同一もしくは異種の炭素数1〜10の一価炭化水素基)、−CR’−CO−OR’基(R’は上記と同様)である。)
このような(B)成分のナノ粒子を縮合硬化型シリコーン樹脂組成物に添加することで、硬化物を機械特性、透明性、耐クラック性、耐熱性、及びガスバリアー性に優れたものとすることができる。また、上述のナノ粒子の製造方法であれば、このような(B)成分のナノ粒子を、効率的かつ容易に製造することができる。
なお、(B)成分の配合量は、縮合硬化型シリコーン樹脂組成物の全量に対して0.1〜99質量%とすることが好ましく、0.1〜90質量%とすることがより好ましく、0.2〜80質量%とすることがさらに好ましい。また、(B)成分は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて配合することができる。
[(C)縮合触媒]
本発明の縮合硬化型シリコーン樹脂組成物は、さらに(C)成分として、縮合触媒を含有してもよい。この縮合触媒としては、オルガノシロキサンのシラノール基をシロキサン結合に変換する縮合反応に作用する、任意の触媒を使用することができる。
縮合触媒の例としては、特に限定されるものではないが、アミン化合物やジルコニウム、チタン、錫、亜鉛、及び鉄等の金属化合物、及びアルカリ金属のケイ酸塩等が挙げられる。アミン化合物の例としては、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、シクロプロピルアミン、n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、イソブチルアミン、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、エチルプロピルアミン、メチルイソブチルアミン、ジイソブチルアミン、t−ブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、ネオペンチルアミン、メチルペンチルアミン、n−ヘキシルアミン及びシクロヘキシルアミン、N−エチルジプロピルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、シラザン、ポリシラザン等が挙げられ、金属化合物の例としては、鉛、錫、亜鉛、鉄、ジルコニウム、チタン、カルシウム、及びバリウムのアルコキシド又はカルボン酸錯体等が挙げられ、アルカリ金属のケイ酸塩の例としては、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等が挙げられる。中でも、ジ−n−ブチルアミン、N−エチルジプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、シラザン、ポリシラザン等のアミン化合物や、錫、亜鉛、ジルコニウム、カルシウムのアルコキシド又はカルボン酸錯体等の金属化合物、ケイ酸リチウムが好ましい。縮合触媒の添加量としては、上記の(A)、(B)成分の合計質量に対し、0.1〜5質量%であることが好ましく、0.5〜3質量%であることがより好ましい。
[(D)蛍光体]
また、本発明の縮合硬化型シリコーン樹脂組成物は、さらに(D)成分として、蛍光体を含有してもよい。本発明の縮合硬化型シリコーン樹脂組成物は、ガスバリアー性に優れた硬化物を与えるため、蛍光体を含有する場合であっても、従来のような蛍光特性の著しい低下が起こる恐れがない。
本発明の縮合硬化型シリコーン樹脂組成物には、上記の(A)〜(D)成分以外に、必要に応じて、公知の接着付与剤や添加剤を配合することができる。接着付与剤としては、例えば、フェニルトリメトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等や、及びそれらのオリゴマー等が挙げられる。なお、これらの接着付与剤は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて配合することができる。また、接着付与剤は、上記の(A)、(B)成分の合計質量に対し、0〜10質量%、特に0〜5質量%となる量で配合するのが好ましい。
添加剤としては、例えば、シリカ、グラスファイバー、ヒュームドシリカ、ヒュームド二酸化チタン等の補強性無機充填材、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、酸化第二鉄、カーボンブラック、酸化亜鉛等の非補強性無機充填材が挙げられ、これらを、上記の(A)〜(D)成分の合計100質量部当たり600質量部以下(例えば0〜600質量部、通常、1〜600質量部、好ましくは10〜400質量部)の量で適宜配合することができる。
本発明の縮合硬化型シリコーン樹脂組成物は、用途に応じて所定の基材に塗布した後、硬化させることができる。硬化条件としては、常温(25℃)でも十分に硬化するが、必要に応じて加熱して硬化してもよい。加熱する場合の温度は、例えば、60〜200℃とすることができる。
また、本発明の縮合硬化型シリコーン樹脂組成物は、厚さ1mmで加熱硬化して、波長400〜800nm、特には波長450nmにおける直達光透過率が70%以上、好ましくは80%以上の硬化物を与えるものであることが好ましい。なお、直達光透過率の測定には、例えば日立製分光光度計U−4100を用いることができる。
また、本発明の縮合硬化型シリコーン樹脂組成物は、加熱硬化して、屈折率1.4〜1.7の硬化物を与えるものであることが好ましい。
このような直達光透過率や屈折率を有する硬化物を与えるものであれば、透明性に優れるため、LEDの封止材等の光学用途に特に好適に用いることができる。
このような本発明の縮合硬化型シリコーン樹脂組成物であれば、機械特性、透明性、耐クラック性、耐熱性、及びガスバリアー性に優れた硬化物を与えるものとなる。
<半導体装置>
また、本発明では、上述の本発明の縮合硬化型シリコーン樹脂組成物の硬化物で半導体素子が封止された半導体装置、即ち、上述の本発明の縮合硬化型シリコーン樹脂組成物を半導体素子の封止層としてなる半導体装置を提供する。
上述のように、本発明の縮合硬化型シリコーン樹脂組成物は、透明性やガスバリアー性(耐湿性)に優れた硬化物を与えるため、発光半導体装置のレンズ用素材、保護コート材、モールド材等に好適であり、特に青色LEDや白色LED、紫外LED等のLED素子封止用として有用なものである。また、本発明の縮合硬化型シリコーン樹脂組成物はガスバリアー性に優れるため、耐水性に劣るシリケート系蛍光体や量子ドット蛍光体を添加して波長変換フィルム用素材として使用する際にも、高湿下での長期信頼性が確保でき、耐湿性、長期演色性が良好な発光半導体装置を提供することができる。
本発明の縮合硬化型シリコーン樹脂組成物でLED等の発光半導体素子を封止する場合は、例えば熱可塑性樹脂からなるプレモールドパッケージに搭載されたLED素子上に本発明の縮合硬化型シリコーン樹脂組成物を塗布し、LED素子上で組成物を硬化させることにより、LED素子を縮合硬化型シリコーン樹脂組成物の硬化物で封止することができる。また、組成物をトルエンやキシレン等の有機溶媒に溶解させて調製したワニスの状態で、LED素子上に塗布することができる。
本発明の縮合硬化型シリコーン樹脂組成物は、その優れた耐熱性、耐紫外線性、透明性、耐クラック性、長期信頼性等の特性から、ディスプレイ材料、光記録媒体材料、光学機器材料、光部品材料、光ファイバー材料、光・電子機能有機材料、半導体集積回路周辺材料等の光学用途に最適な素材である。
以下、合成例、比較合成例、実施例、及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。なお、部は質量部を示す。
[合成例1]
メタノール分散シリカゾル(SiO濃度30質量%、商品名:メタノールシリカゾル、日産化学工業(株)製)を300g計量し、1Lガラス製フラスコに仕込み、フェニルトリメトキシシランを6g添加し、60℃で6時間加熱、撹拌した。その後、n−ブタノール500gを添加し、常圧でメタノールを除去しながら、100℃になるまで加熱、撹拌を行った。得られたブタノール分散シリカゾルをトルエンで溶媒置換することによって、トルエン分散フェニルシラン修飾シリカゾル(SiO濃度30質量%、1次粒子径10nm、n−ブトキシ基量0.20mol/100g、メトキシ基量0.08mol/100g)を得た。
[合成例2]
合成例1におけるフェニルトリメトキシシランをフェニルメチルジメトキシシランに代える以外は、合成例1と同様の操作を行い、トルエン分散メチルフェニルシラン修飾シリカゾル(SiO濃度30質量%、1次粒子径15nm、n−ブトキシ基量0.4mol/100g、メトキシ基量0.1mol/100g)を得た。
[合成例3]
合成例1におけるフェニルトリメトキシシランをメチルトリメトキシシランに代える以外は、合成例1と同様の操作を行い、トルエン分散メチルシラン修飾シリカゾル(SiO濃度30質量%、1次粒子径8nm、n−ブトキシ基量0.21mol/100g、メトキシ基量0.09mol/100g)を得た。
[合成例4]
合成例1におけるフェニルトリメトキシシランをメチルトリメトキシシランとオクタメチルシクロテトラシロキサンの重合反応物に代える以外は、合成例1と同様の操作を行い、トルエン分散メチルシラン修飾シリカゾル(SiO濃度30質量%、1次粒子径8nm、n−ブトキシ基量0.21mol/100g、メトキシ基量0.09mol/100g)を得た。
[合成例5]
トルエン分散n−ブトキシ基含有シリカゾル(SiO濃度40質量%、商品名:TOL−ST、日産化学工業(株)製)を300g計量し、1Lガラス製フラスコに仕込み、トリメトキシシランを6g添加し、80℃で6時間加熱、撹拌した。以上の操作によって、トルエン分散ハイドロシラン修飾シリカゾル(SiO濃度30質量%、1次粒子径30nm、n−ブトキシ基量0.22mol/100g、メトキシ基量0.02mol/100g)を得た。
[合成例6]
合成例5におけるトルエン分散n−ブトキシ基含有シリカゾルをナノジルコニア粒子(ZrO濃度30質量%、商品名:ナノユース OZ−S30M、日産化学工業(株)製)に代える以外は、合成例5と同様の操作を行い、トルエン分散ハイドロシラン修飾ナノジルコニアゾル(ZrO濃度30質量%、1次粒子径10nm、メトキシ基量0.1mol/100g)を得た。
[合成例7]
メタノール分散シリカゾル(SiO濃度30質量%、商品名:メタノールシリカゾル、日産化学工業(株)製)を300g計量し、1Lガラス製フラスコに仕込み、フェニルトリクロロシランを30g添加し、水を30g添加した後、80℃で6時間加熱、撹拌した。反応後、トルエンで溶剤置換し、水洗、共沸脱水処理により、トルエン分散フェニルシラン修飾シリカゾル(SiO濃度30質量%、1次粒子径25nm、メトキシ基量0.001mol/100g)を得た。
[比較合成例1]
メタノール分散シリカゾル(SiO濃度30質量%、商品名:メタノールシリカゾル、日産化学工業(株)製)を300g計量し、1Lガラス製フラスコに仕込み、フェニルトリメトキシシランを0.6g添加し、60℃で6時間加熱、撹拌した。その後、n−ブタノール500gを添加し、常圧でメタノールを除去しながら、100℃になるまで加熱、撹拌を行った。得られたブタノール分散シリカゾルをトルエンで溶媒置換することによって、トルエン分散フェニルシラン修飾シリカゾル(SiO濃度30質量%、1次粒子径10nm、n−ブトキシ基量0.5mol/100g、メトキシ基量0.1mol/100g)を得た。
[比較合成例2]
合成例2におけるメタノール分散シリカゾルを大粒径シリカ(SiO濃度40質量%、商品名:MA−ST−L、日産化学工業(株)製)に代える以外は、合成例2と同様の操作を行い、トルエン分散メチルフェニルシラン修飾シリカゾル(SiO濃度30質量%、1次粒子径40nm、n−ブトキシ基量0.1mol/100g、メトキシ基量0.01mol/100g)を得た。
[比較合成例3]
メタノール分散シリカゾル(SiO濃度30質量%、商品名:メタノールシリカゾル、日産化学工業(株)製)を300g計量し、1Lガラス製フラスコに仕込み、トリメチルクロロシランを30g添加し、水を30g添加した後、80℃で6時間加熱、撹拌した。反応後、水洗、共沸脱水処理により、メタノール分散トリメチルシラン修飾シリカゾル(SiO濃度30質量%、1次粒子径25nm、メトキシ基量0.0006mol/100g)を得た。
[実施例1]
(A)成分として、SiO4/2単位40mol%、PhSiO2/2単位40mol%、MeSiO1/2単位20mol%からなる分岐鎖状のフェニルメチルポリシロキサン(MDQ1;Mw=4,000;シラノール量が1.0mol/100g)を100部、(B)成分として、合成例1で合成したトルエン分散フェニルシラン修飾シリカゾルを組成物全体の50質量%となる量加え、溶剤を留去し、縮合触媒としてジブチルアミンを全体の0.5質量%になる量添加することによって、縮合硬化型シリコーン樹脂組成物を調製した。下記の方法で、この組成物、及びこの組成物から得られる硬化物の物性の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1で用いた(A)成分を、PhSiO3/2単位45mol%、MeSiO2/2単位45mol%、MeSiO1/2単位10mol%からなる分岐鎖状のメチルフェニルポリシロキサン(MT;Mw=5,600;シラノール量が0.3mol/100g)に変更し、実施例1で用いた(B)成分を、合成例2で合成したトルエン分散メチルフェニルシラン修飾シリカゾルに変更する以外は、実施例1と同様にして縮合硬化型シリコーン樹脂組成物を調製し、この組成物、及びこの組成物から得られる硬化物の物性の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1で用いた(B)成分を、合成例3で合成したトルエン分散メチルシラン修飾シリカゾルに変更する以外は、実施例1と同様にして縮合硬化型シリコーン樹脂組成物を調製し、この組成物、及びこの組成物から得られる硬化物の物性の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1で用いた(B)成分を、合成例7で合成したトルエン分散フェニルシラン修飾シリカゾルに変更する以外は、実施例1と同様にして縮合硬化型シリコーン樹脂組成物を調製し、この組成物、及びこの組成物から得られる硬化物の物性の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例5]
実施例1で用いた(B)成分を、合成例6で合成したトルエン分散ハイドロシラン修飾ナノジルコニアゾルに変更する以外は、実施例2と同様にして縮合硬化型シリコーン樹脂組成物を調製し、この組成物、及びこの組成物から得られる硬化物の物性の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例6]
(A)成分として、SiO4/2単位40mol%、MeSiO2/2単位55mol%、MeSiO1/2単位5mol%からなる分岐鎖状のメチルポリシロキサン(MDQ2;Mw=4,400;シラノール量が0.01mol/100g)を100部、(B)成分として、合成例6で合成したトルエン分散ハイドロシラン修飾ナノジルコニアゾルを全体の60質量%となる量加え、溶剤を留去することによって縮合硬化型シリコーン樹脂組成物を調製した。下記の方法で、この組成物、及びこの組成物から得られる硬化物の物性の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例7]
実施例1で用いた(B)成分を、合成例4で合成したトルエン分散メチルシラン修飾シリカゾルに変更する以外は、実施例1と同様にして縮合硬化型シリコーン樹脂組成物を調製し、この組成物、及びこの組成物から得られる硬化物の物性の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例8]
実施例1で用いた(B)成分を、合成例5で合成したトルエン分散ハイドロシラン修飾シリカゾルに変更する以外は、実施例1と同様にして縮合硬化型シリコーン樹脂組成物を調製し、この組成物、及びこの組成物から得られる硬化物の物性の測定を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1で用いた(B)成分を、比較合成例1で合成したトルエン分散フェニルシラン修飾シリカゾルに変更する以外は、実施例1と同様にして縮合硬化型シリコーン樹脂組成物を調製し、この組成物、及びこの組成物から得られる硬化物の物性の測定を行った。結果を表2に示す。
[比較例2]
実施例1で用いた(B)成分を、比較合成例2で合成したトルエン分散メチルフェニルシラン修飾シリカゾルに変更する以外は、実施例1と同様にして縮合硬化型シリコーン樹脂組成物を調製し、この組成物、及びこの組成物から得られる硬化物の物性の測定を行った。結果を表2に示す。
[比較例3]
実施例1で用いた(A)成分を、SiO4/2単位40mol%、PhSiO2/2単位40mol%、MeSiO1/2単位20mol%からなる分岐鎖状のフェニルメチルポリシロキサン(MDQ3;Mw=3,000;シラノール量が1.2mol/100g)に変更する以外は、実施例1と同様にして縮合硬化型シリコーン樹脂組成物を調製し、この組成物、及びこの組成物から得られる硬化物の物性の測定を行った。結果を表2に示す。
[比較例4]
実施例1で用いた(A)成分を、SiO4/2単位40mol%、PhSiO2/2単位40mol%、MeSiO1/2単位20mol%からなる分岐鎖状のフェニルメチルポリシロキサン(MDQ4;Mw=6,000;シラノール量が0.007mol/100g)に変更する以外は、実施例1と同様にして縮合硬化型シリコーン樹脂組成物を調製し、この組成物、及びこの組成物から得られる硬化物の物性の測定を行った。結果を表2に示す。
[比較例5]
実施例1で用いた(B)成分を、比較合成例3で合成したメタノール分散トリメチルシラン修飾シリカゾルに変更する以外は、実施例1と同様にして縮合硬化型シリコーン樹脂組成物を調製し、この組成物、及びこの組成物から得られる硬化物の物性の測定を行った。結果を表2に示す。
実施例及び比較例で調製した組成物、及びその硬化物の物性は下記の方法で測定した。
(1)外観
各組成物を150℃で4時間硬化して得られた硬化物(120mm×110mm×1mm)の色と透明度を目視にて確認した。
(2)屈折率
各組成物を150℃で4時間硬化して得られた硬化物(120mm×110mm×1mm)の589nm、25℃における屈折率を、JIS K 7142:2008に準拠して、アッベ型屈折率計により測定した。
(3)硬さ(タイプD)
各組成物を150℃で4時間硬化して得られる硬化物(120mm×110mm×1mm)の硬さを、JIS K 6249:2003に準拠して、デュロメータD硬度計を用いて測定した。
(4)切断時伸び及び引張強さ
各組成物を150℃で4時間硬化して得られた硬化物(120mm×110mm×1mm)の切断時伸び及び引張強さを、JIS K 6249:2003に準拠して測定した。
(5)水蒸気透過率
各組成物を150℃で4時間硬化して得られた硬化物(厚さ1mm)の水蒸気透過率を、JIS K 7129:2008に準拠して、水蒸気透過度計(Lyssy、L80−5000)を用いて測定した。
(6)耐熱性(光透過率保持率)及び耐クラック性
各組成物を150℃で4時間硬化して得られた硬化物(厚さ1mm)の波長450nmにおける光透過率を、日立製分光光度計U−4100を用いて23℃で測定した(初期透過率)。次いで、この硬化物を150℃で1,000時間熱処理した後、同様に光透過率を測定して、初期透過率(100%)に対する熱処理後の光透過率を求めた。また熱処理後の硬化物におけるクラックの有無を目視で確認した。
(7)耐硫化性(輝度保持率)
各組成物で、銀基板を有する3528PPAパッケージを封止し、150℃で4時間硬化させた後、初期輝度を測定した。その後、封止した3528PPAパッケージと硫化ナトリウム3gを容量700cmの金属容器に密封し、100℃で50時間加熱した。その後、上記金属容器を25℃まで冷却したのち、封止した3528PPAパッケージを取り出して再度輝度を測定し、初期輝度を100%として輝度保持率を求めた。
(8)接着性
各組成物0.25gを、面積180mmの銀板に底面積が45mmとなるように成形し、150℃で4時間硬化させた後、ミクロスパチュラを用いて硬化物を破壊し、銀板から剥ぎ取る際に、凝集破壊の部分と剥離部分との割合を求めて、その接着性を判定した。
(判定基準)
○:接着性が良好である(凝集破壊の割合60%以上)
×:接着性が不良である(凝集破壊の部分60%未満)
(9)表面タック性による埃の付着
各組成物を150℃で4時間硬化して得られた硬化物の表面における埃の付着の有無を目視にて確認した。
Figure 2017218548
Figure 2017218548
表1に示されるように、本発明の縮合硬化型シリコーン樹脂組成物である実施例1〜8では、透明で、十分な硬さ、切断時伸び、及び引張強さと、良好な屈折率、ガスバリアー性(水蒸気透過率・耐硫化性)、耐熱性、耐クラック性、及び接着性を有し、表面タック性による埃の付着のない硬化物が得られた。
これに対し、表2に示されるように、(B)成分としてアルコキシ基量が0.5mol/100gを超えるナノ粒子を使用した比較例1では、ナノ粒子表面の活性が高く、熱処理後にクラックが生じた。
また、(B)成分として1次粒子径が30nmを超えるナノ粒子を使用した比較例2では、得られた硬化物が白濁していた。
一方、(A)成分としてシラノール基量が1.0mol/100gを超えるオルガノポリシロキサンを使用した比較例3では、表面タック性があった。
また、(A)成分としてシラノール基量が0.01mol/100gを下回るオルガノポリシロキサンを使用した比較例4では、ナノ粒子との馴染みが悪く、硬化物が白濁し、接着性も不十分であった。
さらに、(B)成分としてアルコキシ基量が0.001mol/100g未満のナノ粒子を使用した比較例5では、硬化物において十分な硬さが得られず、また、耐硫化性に劣っていた。
以上のように、本発明の縮合硬化型シリコーン樹脂組成物であれば、機械特性、透明性、耐クラック性、耐熱性、及びガスバリアー性に優れた硬化物を得ることができることが明らかとなった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (8)

  1. (A)シラノール基を0.01〜1.0mol/100gの範囲で含有するオルガノポリシロキサン、及び
    (B)無機酸化物粒子が表面処理されたナノ粒子であって、該ナノ粒子の動的光散乱法で測定した1次粒子径が8nm以上30nm以下であり、かつ表面に炭素数1〜10のアルコキシ基を0.001〜0.5mol/100gの範囲内で有するナノ粒子、
    を含有するものであることを特徴とする縮合硬化型シリコーン樹脂組成物。
  2. 前記無機酸化物粒子が、二酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化セリウム、及び酸化亜鉛から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の縮合硬化型シリコーン樹脂組成物。
  3. 前記ナノ粒子が、表面にケイ素原子結合の水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のフルオロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数2〜10のアルケニル基、水酸基、エポキシ基、及び(メタ)アクリル基から選択される官能基を少なくとも1つ以上有するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の縮合硬化型シリコーン樹脂組成物。
  4. 前記縮合硬化型シリコーン樹脂組成物が、前記(B)成分を、前記縮合硬化型シリコーン樹脂組成物の全量に対して0.1〜99質量%含有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の縮合硬化型シリコーン樹脂組成物。
  5. 前記(A)成分の重量平均分子量(Mw)が、1,000〜100,000であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の縮合硬化型シリコーン樹脂組成物。
  6. 前記縮合硬化型シリコーン樹脂組成物が、さらに(C)成分として、縮合触媒を含有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の縮合硬化型シリコーン樹脂組成物。
  7. 前記縮合硬化型シリコーン樹脂組成物が、さらに(D)成分として、蛍光体を含有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の縮合硬化型シリコーン樹脂組成物。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の縮合硬化型シリコーン樹脂組成物を半導体素子の封止層としてなるものであることを特徴とする半導体装置。
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