以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるフルカラーレーザビームプリンタの全体構成を示す図である。
図1に示すように、フルカラーレーザビームプリンタ(以下、プリンタという)100は、画像形成装置本体であるプリンタ本体100Aを備えている。このプリンタ本体100Aは、シートに画像を形成する画像形成部100B、シート給送装置100C等を備えると共に、上方に画像読取装置200が設けられている。そして、画像読取装置200とプリンタ本体100Aとの間に、シート排出用の排出空間Sが形成されている。また、プリンタ本体100Aの一側部には大容量のシート給送装置であるオプションデッキ180が着脱自在に取り付けられている。
画像読取装置200は、原稿載置台152に載置された原稿Dを搬送する原稿搬送ローラ112と、原稿Dの有無を検知する原稿有無センサ151を備えている。そして、原稿画像を読み取る際には、原稿搬送ローラ112を駆動して原稿Dを、原稿圧板ガラス板55上を通過させ、この際、原稿画像をイメージセンサ233で読み取る。
画像形成部100Bは、4ドラムフルカラー方式のものであり、レーザスキャナ103y,103m,103c,103k(以下、レーザスキャナ103と記す。)を備えている。また、画像形成部100Bは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー画像を形成する4個のプロセスカートリッジ120を備えている。
ここで、各プロセスカートリッジ120は、感光体ドラム101y,101m,101c,101k(感光体ドラム101と記す。)と、帯電器102y,102m,102c,102k(以下、帯電器102と記す。)を備えている。各プロセスカートリッジ120は、現像器104y,104m,104c,104k(以下、現像器104と記す。)と、クリーナ107y,107m,107c,107k(以下、クリーナ107と記す。)を備えている。
また、画像形成部100Bは、プロセスカートリッジ120の上方に配された中間転写ユニット140を備えている。中間転写ユニット140は、中間転写ベルト130を備えている。また、中間転写ユニット140は、中間転写ベルト130の内側に設けられ、感光体ドラム101に対向した位置で中間転写ベルト130に接離可能に当接する1次転写ローラ105y,105m,105c,105k(以下、1次転写ローラ105と記す。)を備えている。ここで、中間転写ベルト130は、フィルム状部材で構成されると共に各感光体ドラム101に接するように配置され、不図示の駆動部により矢印方向に回転する。
そして、この中間転写ベルト130に1次転写ローラ105によって正極性の転写バイアスを印加することにより、感光体ドラム上の負極性を持つ各色トナー像が順次中間転写ベルト130に転写される。これにより、中間転写ベルト上にはカラー画像が形成される。中間転写ベルト上に形成されたカラー画像は二次転写部118によりシートPに転写される。この二次転写部118の上部に定着部170が配置され、この定着部170の左上部には第1排出ローラ対139a、第2排出ローラ対139b及び両面反転部100Dが配置されている。
シート給送装置100Cは、カセット150と、カセット150に収納されたシートPを送り出すシート給送部153を備えている。オプションデッキ(以下、デッキという)180は、多数枚のシートPを積載収納するシート収納部181、シート収納部181に収納されたシートを給送するピックアップローラ187、搬送ローラ188等を備えている。このシート収納部181はデッキ本体(シート給送装置本体)である筐体180aに対して引き出し自在に設けられると共に、シートPを積載して昇降可能なシート積載部材である中板182を備えている。なお、中板182は、後述するようにワイヤで吊り下げられ、ワイヤの巻き取り又は巻き戻しにより昇降可能となっている。
図1に示すように、プリンタ本体100Aにはプリンタ本体100Aの画像形成動作、シート給送装置100C及びデッキ180のシート給送動作を制御する制御部(制御手段)300が設けられている。また、制御部300には、操作部であるUI330が接続されており、ユーザは、このUI330により、制御部300に対して画像形成を行うカラーモードの選択や、プリンタ100の状態表示、コピースタート等の指示を行う。
図2は、本実施の形態に係るプリンタ100の制御ブロック図である。制御部300は、CPU301、ROM302、RAM303を有している。CPU301はプリンタ100やデッキ180のシステム制御を行うものであり、ROM302には制御プログラムが書き込まれ、RAM303には制御に用いる変数や、後述するイメージリーダ制御部280によって読み取られた画像データ等が保存される。そして、ROM302及びRAM303はアドレスバスとデータバスによりCPU301に接続されている。RAM303はプリンタ100への電源供給が停止しても保存された値を保持可能な不揮発性メモリである。
CPU301は原稿給送装置制御部480を介して既述した図1に示す原稿搬送ローラ112の駆動や、原稿有無センサ151による原稿有無検知等を行う。またCPU301は、イメージリーダ制御部280を介して、原稿圧板の開閉動作を検知すると共に、原稿圧板ガラス板55上の原稿画像、原稿給送装置制御部480によって給送された原稿画像をイメージセンサ233で読み取る。そして、イメージセンサ233から出力されたアナログ画像信号を画像信号制御部281に転送する。
画像信号制御部281は、コピー動作(画像形成動作)時は、イメージセンサ233からのアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換した後に各処理を施し、このデジタル画像信号をビデオ信号に変換してプリンタ制御部285に出力する。また、画像信号制御部281は、プリント動作時は、コンピュータ283から外部IF282を介して入力されたデジタル画像信号に各種処理を施し、このデジタル画像信号をビデオ信号に変換してプリンタ制御部285に出力する。
プリンタ制御部285はCPU301からの指示に基づいて、画像形成部100Bへ画像形成を指示する。画像形成部100Bは、入力されたビデオ信号に基づき図1のレーザスキャナ103を駆動してレーザ光を発光すると共にプロセスカートリッジ120を駆動する。また、プリンタ制御部285はCPU301からの指示に基づいて、シート給送部153のシートの給送及び搬送を制御する。また、プリンタ制御部285はCPU301からの指示に基づいて、定着部170を駆動し、画像形成されたシート上のトナー像を定着する定着制御を行う。
さらに、プリンタ制御部285は、デッキ180がプリンタ100に接続されている場合、デッキ制御部278とのハンドシェイクを行い、CPU301の指示に基づいて、デッキ制御部278への動作指示を行う。この動作指示に基づきデッキ制御部278は、デッキ180内のシートの給送や搬送制御、中板182のリフトアップやリフトダウン動作、デッキ180が有するデッキ不揮発RAM279の値の読み書きを行う。
次に、図1及び図2を用いて画像形成動作の際のCPU301の制御について説明する。CPU301は、UI330等からのカラーモードや置数等のプリント設定指示に基づき、また原稿給送装置制御部480やイメージリーダ制御部280を介して原稿圧板開閉や原稿載置を検知すると、プリント準備動作を行う。プリント準備動作では、定着部170の温調制御を開始すると共に、UI330から指定されたカラーモードに合わせて、1次転写ローラ105の当接離間状態の切り替えとレーザスキャナ103内のポリゴンモータの駆動制御を開始する。
CPU301は、プリント動作開始の指示が入ると、原稿給送装置制御部480を介して原稿読取を開始する。即ち、原稿搬送ローラ112を駆動し、原稿載置台152から原稿Dを原稿圧板ガラス板55上に搬送すると共に、原稿圧板ガラス板55へ不図示のランプの光で照射を行う。原稿Dからの反射光は、ミラーを通してイメージセンサ233に導かれるように構成されており、イメージセンサ233により読み取った原稿Dの画像データは、画像信号制御部281へ出力される。原稿読取は、原稿圧板ガラス板55上の原稿読取が完了するまで、もしくは原稿有無センサ151によって検知された最終原稿の読取が完了するまで継続される。
一方で、CPU301は中間転写ユニット140の1次転写ローラ105の当接状態切り替えが完了すると、プリンタ制御部285を介してプロセスカートリッジ120を制御する。これにより、感光体ドラム101表面が帯電された後、RAM303に保存された画像データに基づいてレーザスキャナ103から照射されるレーザ光により、感光体ドラム101上に潜像が形成される。形成された潜像は、現像器内のトナーにより感光体ドラム101上に現像され、現像された感光体ドラム101上のトナー像は、一次転写ローラ105において印加される一次転写電圧により中間転写ベルト130に転写される。中間転写ベルト130に転写されたトナー像は、中間転写ベルト130の回転によって、二次転写部118に搬送される。
また、CPU301は、例えばデッキ180に収納されたシートPに画像を形成する場合は、二次転写部118にトナー像が到着するタイミングに間に合うように、デッキ制御部278を介してピックアップローラ187や搬送ローラ188を駆動させる。これにより、デッキ180からシートPが1枚ずつ給送され、この後、シートPは搬送ローラ114によりレジストレーションローラ116に搬送される。そして、シートPは、レジストレーションローラ116により斜行が補正された状態で二次転写部118に到達し、二次転写部118においてシートPとトナー像に対し、二次転写電圧を印加することにより、トナー像がシートPに転写される。
二次転写後、シートPは定着部170に搬送され、定着部170において熱及び圧力を受けて各色のトナーが溶融混色し、シートPにカラー画像として定着される。この後、画像が定着されたシートPは、定着部170の下流に設けられた第1排出ローラ対139a及び第2排出ローラ対139bによって排出空間Sに排出され、排出空間Sの底面に突出された積載部132に積載される。なお、シートPの両面に画像を形成する際は、画像が定着された後、シートPは両面反転部100Dの反転ローラ対223により再搬送通路Rに搬送され、再度、画像形成部100Bに搬送される。
図3は、本実施の形態におけるデッキ180の模式図である。図3において、シート収納部181の背面の構成を説明するため、一部透過図としている。また、図3は、中板182上にシートPを積載するため、シート収納部181を引き出したときの状態を示しており、このように引き出された際、シート収納部181の上方が開放される。なお、本実施の形態において、矢印で示すシート収納部181の引き出し方向は、シート給送方向と直交する幅方向である。
シート収納部181には中板182の幅方向の側方に位置する側板189a,189bが設けられている。この側板189a,189bと中板182との間には、中板182に積載されたシートの幅方向の位置を規制するサイド規制板182a,182bが設けられている。また、シート収納部181には、中板182に積載されたシートのシート給送方向の位置を規制する後端規制板182cが設けられている。
引き出し方向上流側の側板189aには、シート給送方向に並んで2つの開口部190が上下方向に形成されている。中板182の引き出し方向上流側の側面には、側板189aの開口部190から外側に突出するワイヤ吊り下げ部193a,193bが形成されている。なお、図示はしないが引き出し方向下流側の側板189bにもシート給送方向に並んで2つの開口部が上下方向に形成に形成され、中板182の引き出し方向下流側の側面には、側板189bの開口部から外側に突出するワイヤ吊り下げ部が形成されている。そして、ワイヤ吊り下げ部193a,193bに、一端がワイヤ巻き取り軸171に取り付けられたワイヤ194をそれぞれ取り付け、このワイヤ194を巻き取り、あるいは繰り出すことにより、中板182は昇降する。
ここで、シート収納部181にシートを収納する際、シート収納部181を筐体180aから引き出すが、シート収納部181を引き出す際、シート収納部181の引き出しが容易となるようシート収納部181の一部を突出させるようにしている。このため、シート収納部181には、シート収納部181を、一部が引き出し方向に突出するように付勢する付勢手段であるデッキ開放バネ196が設けられている。なお、このデッキ開放バネ196は、シート収納部181を筐体180a内に収納した際、筐体180aに設けられた不図示のストッパと当接して縮むことにより、シート収納部181は引き出し方向に突出するように付勢される。
デッキ180は、シート収納部181の側板189aに設けられた係止部197と、筐体180aに設けられたデッキフック195を有し、デッキ開放バネ196により付勢されたシート収納部181をロックするロック機構195aを有している。そして、このロック手段であるロック機構195aにより、シート収納部181は筐体内に保持される。また、側板189aには、ロック機構195aによるロックを解除してシート収納部181の一部を突出するためのデッキ開スイッチ183と、シート収納部181が引き出されたことを検知するデッキ開閉検知スイッチ191が設けられている。筐体180aの上部には、中板182上のシートの有無を検出するシート有無センサ184と、中板182が上昇して中板182に積載されたシートPの最上位シートがピックアップローラ187を押し上げたことを検出する紙面センサ185が設けられている。
図4は、本実施の形態におけるデッキ180の負荷構成図である。図4に示すように、ピックアップローラ187と搬送ローラ188は、給送モータ411により駆動される。そして、CPU301が、既述した図2に示すデッキ制御部278を介して給送モータ411を駆動すると、ピックアップローラ187と搬送ローラ188によって、中板182上の最上位シートがプリンタ本体内に送り出される。
ワイヤ巻き取り軸171は正逆転可能なデッキリフタモータ412により回転する。そして、CPU301が、デッキ制御部278を介してデッキリフタモータ412を正回転させると、ワイヤ巻き取り軸171が正回転してワイヤ194が巻き取られ、中板182が上昇する。また、デッキリフタモータ412を逆回転させると、ワイヤ巻き取り軸171が逆回転してワイヤ194が繰り出され、中板182が下降する。なお、中板182が上昇して中板182上のシートがピックアップローラ187を押し上げ、これを紙面センサ185が検知すると、CPU301はデッキリフタモータ412を停止し、中板182の上昇を停止する。
デッキフック195は、デッキ開ソレノイド413により駆動され、デッキ開ソレノイド413はデッキ開スイッチ183により作動する。そして、CPU301は、デッキ開スイッチ183が押下されたことを検出すると、デッキ開ソレノイド413を駆動してデッキフック195を上方回動させ、係止部197に対する係止を解除する。これにより、シート収納部181にはデッキ開放バネ196の伸び力が作用し、シート収納部181の一部が筐体180aから引き出し方向に突出する。このように、本実施の形態においては、ロック機構195aと、デッキ開放バネ196と、ロック解除手段であるデッキ開ソレノイド413とにより、突出手段180bが構成される。
ここで、シート収納部181を引き出しても中板182がピックアップローラ187を押し上げる高さにあると、それ以上シートを積載することができない。このため、CPU301は、デッキ開閉検知スイッチ191によりシート収納部181が引き出されたことを検知すると、デッキリフタモータ412を逆回転させてワイヤ194を繰り出し、中板182を下降させる。
なお、シート収納部181の高さ方向の中央部には中板182に積載されたシートの最上位シートの高さ位置、もしくはシートPが積載されていないのであれば中板182の高さ位置を検出する中継ぎセンサ186が設けられている。CPU301は、中板182を下降させる際、中継ぎセンサ186により、中板182に積載されたシートPの最上位シートの高さ、もしくは中板182の高さが中継ぎセンサ186よりも高い位置にあるか低い位置にあるかを検出する。
そして、CPU301は、最上位のシートが中継ぎセンサ186より低い位置にあることを検出した場合には中板182の下降は行わず、最上位のシートが中継ぎセンサ186より高い位置にあることを検出した場合には中板182を下降させる。この後、中継ぎセンサ186によって、中板182もしくは中板182に積載されたシートの最上位シート位置が検出されると中板182の下降を停止する。なお、シート収納部181の下部には中板182がシート収納部181の下限に達したことを検知する下限センサ192が設けられており、下限センサ192が下降する中板182を検出した場合も、同様に中板182の下降を停止する。
シート収納部181にシートが収納され、シート収納部181が筐体内に収納されると、デッキフック195が係止部197に係止され、シート収納部181は筐体内に収納された状態でロックされる。この後、シート収納部181が収納されたことをデッキ開閉検知スイッチ191が検知すると、CPU301はデッキリフタモータ412を正回転させ、中板182を上昇させる。
この後、中板182上のシートの高さが、ピックアップローラ187を押し上げる高さ、いわゆる給送可能な高さに達し、この状態でプリンタ100より給送信号が送られてくると、CPU301は給送モータ411を駆動する。これにより、ピックアップローラ187が最上位のシートに当接しながら回転し、最上位のシートを搬送ローラ188まで給送する。
ところで、プリンタ100の輸送時、中板182が、振動や衝撃によって大きく振れると、中板182が筐体180a等にぶつかって中板182自体や、筐体180a等が傷付いたり、破損したりするおそれがある。そこで、本実施の形態において、側板189a,189bの少なくとも一方、本実施の形態においては、図5に示すように側板189aにビス穴198を設けると共に、中板182にもビス穴182dを設けている。
そして、輸送時、ビス穴182d,198に固定部材である固定ビス199を通して中板182を側板189aに固定する。これにより、中板182は、ビス穴182d,198の位置でシート収納部181に固定され、このようにシート収納部181と中板182を固定ビス199で固定自在に固定した状態でデッキ180を出荷する。固定ビス199は、デッキ180の搬送が終了し、設置されたプリンタ本体100Aに接続された後、又はプリンタ本体100Aに接続される前の、デッキ180が設置される際に取り除かれる。これにより、中板182は昇降可能となり、ワイヤ194の巻き取りや繰り出しによって昇降する。
しかし、例えばデッキ180を設置する際、設置者が、固定ビス199を取り外し忘れる場合がある。この場合、中板182は固定ビス199により固定されているので、この状態でワイヤ194の繰り出しを行うと、過剰なワイヤの繰り出しによりワイヤが弛んで外れ、ワイヤ194を巻き取ると巻き取りの荷重によりワイヤの破断や駆動部の変形等が発生する。
そこで、本実施の形態では、プリンタ本体100Aが設置されてからデッキ180による最初のシートの給送を開始する前に、すなわち中板182の昇降動作を行う前に、UI330に固定ビス199の除去を指示する画面を表示する。また、プリンタ本体100Aが設置されてからデッキ180による最初のシートの給送を開始する前に、自動でシート収納部181を突出させる。これにより、固定ビス199の取り外し状態を確認する確認動作が必要であることを設置者に報知することができる。
このような報知動作を行うため、図6に示すように報知動作記憶手段であるRAM303にデッキ装着履歴フラグを格納するデッキ装着履歴アドレスを設けている。そして、デッキ装着履歴アドレスに、プリンタ100が出荷されるタイミングで初期値として、データ711のように0を書き込むようにしている。
そして、プリンタ100が設置されてからデッキ180がプリンタ100に接続された状態でプリンタ100の電源が投入されると、CPU301によって、デッキ装着履歴アドレスが読み込まれる。ここで、0が読み込まれた場合、CPU301は、デッキ装着履歴が無いと判断する。デッキ装着履歴が無い場合は、今回の電源投入がデッキ180が接続されてから最初の電源投入であり、この場合、固定ビス199が取り外されていない可能性がある。
このため、CPU301は、設置者に固定ビス199が取り外されているかを確認させるため、デッキ開ソレノイド413を駆動してシート収納部181を突出させると共に、UI330に固定ビス199除去の指示画面を表示する。ここで、このようなデッキ開ソレノイド413の駆動及び画面表示を行うことにより、設置者により固定ビス199が取り外されると予想できる。このため、CPU301は、デッキ開ソレノイド413の駆動等を行った後、デッキ装着履歴アドレスへ、データ712のようにデッキ装着履歴有り、すなわち報知動作が既に行われたことを意味する1を書き込む。
図7の(a)は、本実施の形態におけるUI330の正面図であり、UI330には、コピー動作を開始するためのスタートキー306、コピー動作を中断するためのストップキー307、置数設定等を行うテンキー313等が配置されている。また、上部にタッチパネルが形成された表示手段である表示部311が配置されており、画面上にソフトキーを作成可能となっている。
そして、CPU301は、デッキ装着履歴が無いと判断すると、すなわち固定ビス199の除去の確認が必要であると判断すると、設置者に確認動作を行わせるため、表示部311に図7の(b)に示す固定ビス199除去の指示画面をポップアップ表示する。なお、このポップアップ表示は、OKキー314が押下されるまで消えないので、設置者は表示を消すようOKキー314を押下するようになり、固定ビス199の除去の確認が必要であることを認識する。
次に、固定ビス199の取り外し忘れ防止制御に関して説明する。図8は、電源ON後の制御フローチャートである。なお、本取り外し忘れ防止制御は、プリンタ本体100Aが設置されてからオプションデッキ180が最初にシートの給送を開始するまでに行われるが、本実施の形態においては、プリンタ100の電源ONで本制御が開始される。
CPU301は、まず既述した図2に示すプリンタ制御部285とデッキ制御部278とのハンドシェイクが成功したかにより、デッキ180がプリンタ100に接続されているかを判断する(S2111)。ハンドシェイクが失敗していた場合は、デッキ180が装着されていないと判断する。デッキ180が装着されている場合(S2111のY)、固定ビス199の取り外し忘れが有るかを判断する固定ビス装着判断を行う(S2115)。なお、この固定ビス装着判断の詳細は後述する。
固定ビス装着判断により固定ビスが装着されている可能性があると判断された場合(S2121のY)、固定ビス199の除去を設置者に気付かせる動作を行う。まず、CPU301は、図7の(b)で説明したように、UI330に固定ビス199除去を指示するメッセージを表示する(S2125)。次に、デッキ180が開状態か、すなわちシート収納部181が引き出されているかを判断し(S2131)、デッキ180が開状態ではない場合は(S2131のN)、所定時間デッキ開ソレノイド413をONする(S2135)。これにより、シート収納部181が突出する。なお、デッキ開ソレノイド413の駆動時間は、デッキフック195の移動時間に、デッキ開ソレノイド413の反応時間を加えた200ms間としている。
そして、シート収納部181が突出することにより、また固定ビス除去指示画面が表示されることにより、設置者は確認動作を行うので、固定ビス199の取り外しを忘れた場合でも、設置者は固定ビス199の取り外し忘れに気付くことができる。なお、デッキ180の出荷時に、固定ビス199に目立つ赤色の荷札を括り付けておくことで、固定ビス199の視認性を高めることができる。この後、S2115に戻り、固定ビス装着判断を行う。この場合、固定ビス199は取り外されているので、通常のデッキ昇降制御として、中板182の昇降動作を開始する(S2138)。なお、このデッキ昇降制御の詳細は後述する。
図9は、図8の固定ビス装着判断S2115のフローチャートである。まず、CPU301は、既述した図6に示すようにRAM303のデッキ装着履歴アドレス値を読み込み、RAM303にデッキ装着履歴が有るか、すなわちデッキ装着履歴アドレス値が1かを判断する(S2411)。デッキ装着履歴が有る場合(S2411のY)、既に図8のS2125、S2135で示す固定ビス199の除去を設置者に気付かせる報知動作を行っており、既に固定ビス199が除去され、装着されていないと判断し(S2415)、本フローを終了する。
デッキ装着履歴が無い場合(S2411のN)、すなわちデッキ装着履歴アドレス値が0の場合は、プリンタ100に初めてデッキ180が装着されたと判断し、固定ビスが装着されている可能性があると判断する(S2421)。なお、このように固定ビスが装着されている可能性があると判断すると、CPU301は、既述したように報知動作を行うので固定ビスが取り外される。このため、CPU301は、一回固定ビスが装着されている可能性があると判断して報知動作を行うと、RAM303のデッキ装着履歴アドレス値に装着履歴である1を書き込む(S2425)。これにより、次回以降は固定ビスが装着されていないと判断することができる。
図10は、図8のデッキ昇降制御S2138のフローチャートである。CPU301は、シート収納部181に設けられたデッキ開閉検知スイッチ191が押下状態にあるかを判断することにより、デッキが開かれている、すなわちシート収納部181が引き出されているかを判断する(S2211)。デッキが開かれていると判断した場合は(S2211のY)、デッキシート無し確定フラグをOFFする(S2215)。この後、シートを積載可能な位置まで中板182を下降させるため、後述する中板下降制御を実施する(S2221)。
CPU301は、デッキが閉じられている、すなわちシート収納部181が収納されていると判断した場合は(S2211のN)、この後、デッキ開スイッチ183が押下されるか(ON)を判断する(S2231)。そして、デッキ開スイッチ183が押下されてONとなると(S2231のY)、シート収納部181を突出させるため、CPU301はデッキ開ソレノイド413を所定時間駆動する(S2271)。これにより、既述したように200ms間デッキ開ソレノイド413が駆動され、シート収納部181が突出する。なお、本デッキ昇降制御フローは、図8のフローチャートで示したように、繰り返し実行されるため、次に本フローが実行されると、S2211でデッキが開かれていると判断され(S2211のY)、この後、中板下降制御(S2221)が行われる。
CPU301は、デッキ開スイッチ183が押下されていない場合(S2231のN)、デッキシート無し確定フラグがON状態かを確認する(S2235)。デッキシート無し確定フラグがONの場合(S2235のY)、中板下降制御を実施する(S2221)。デッキシート無し確定フラグがOFFの場合(S2235のN)、最上位シートの高さを給送可能位置に保つ通常の制御を行うため紙面センサ185がONかを確認する(S2241)。
ここで、既述したように中板182上のシートもしくは中板182自体がピックアップローラ187を押し上げると、紙面センサ185がONになる。このため、CPU301は、紙面センサ185がOFFの場合(S2241のN)、デッキリフタモータ412を正回転させ(S2251)て、中板182を上昇させる。なお、本デッキ昇降制御フローは繰り返し実行されるため、紙面センサ185がONになるまで、中板182を上昇させ続ける。
CPU301は、紙面センサ185がONの場合(S2241のY)、シート有無センサ184がONかを確認する(S2245)。中板182上にシートが積載されている場合、シート有無センサ184はONとなる。したがって、紙面センサ185がONで(S2241のY)、シート有無センサ184もONの場合(S2245のY)、中板182上のシートが給送可能な高さに至ったと判断し、デッキリフタモータ412を停止する(S2265)。
一方、シート有無センサ184がOFFの場合(S2245のN)、CPU301は、中板182上にシートが積載されていないと判断して、デッキシート無し確定フラグをONする(S2261)。これにより、この後、シート収納部181が引き出された時に、ユーザが中板182にシートを積載することができる位置まで中板182を下降させる中板下降制御(S2221)を行う。なお、本フローは繰り返し実行されるため、次回本フローが実行される際は、S2235でデッキシート無し確定フラグがONになっており、この場合、中板下降制御を継続する(S2221)。
図11は、図10の中板下降制御S2221のフローチャートである。まず、CPU301は、中継ぎセンサ186がONかを判断する(S2311)。中継ぎセンサ186がONであれば(S2311のY)、中板182もしくは中板182上の最上位シートが中継ぎセンサ186位置より高い位置にあると判断する。この場合、既述したようにユーザが中板182上にシートを積載しやすくするため、最上位のシートが中継ぎセンサ186より低い位置になるようにデッキリフタモータ412を逆回転させ(S2312)、中板182を下降させる。
この後、CPU301は、下限センサ192がONかを判断する(S2315)。そして、下限センサ192がONでない場合には(S2315のN)、中継ぎセンサ186がOFF状態になるまで(S2311のN)、もしくは下限センサ192がONになるまで(S2315のY)、デッキリフタモータ412を逆回転させる。中継ぎセンサ186がOFF状態になると(S2311のN)、もしくは下限センサ192がONになると(S2315のY)、デッキリフタモータ412を停止させる(S2325)。これにより、シート収納部181が引き出された時、中板182はユーザが中板182にシートを積載可能な位置まで下降して停止する。
以上説明したように、本実施の形態においては、RAM303に書き込まれたデッキ装着履歴を用いて、デッキ180が初期設置状態であるか、すなわち最初にシートを給送する前であり、固定ビス199の取り外しを確認する確認動作が必要かを判断する。そして、確認動作が必要であると判断した場合には、シート収納部181を突出させると共に、表示部311により取り外し指示画面を表示する報知動作を行う。
これにより、設置者に確認動作を行わせることができるので、固定ビス199の取り外し忘れを防ぐことができ、固定ビス199の取り外し忘れによりデッキ180が破損してしまうことを防止することができる。なお、本実施の形態においては、報知動作としてシート収納部181の突出動作及び取り外し指示画面表示動作を行う場合について説明したが、シート収納部181の突出動作及び取り外し指示画面表示動作の一方を行うようにしても良い。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態において、デッキは交換可能となっており、またデッキには識別手段である装着デッキシリアルIDが付与されている。そして、CPUはデッキが交換されると、RAM303に、デッキに付与された装着デッキシリアルIDを書き込むと共に、既述した図2に示すようにデッキ180に設けられたデッキ不揮発RAM279にデッキシリアルIDを保持させる。
そして、次回起動時に再度デッキ不揮発RAM279から読み出した装着デッキシリアルIDと、RAM303に保持されている装着デッキシリアルIDとを比較する。そして、読み出した装着デッキシリアルIDと、RAM303に保持されている装着デッキシリアルIDとが一致しない場合には、デッキが交換されており、交換後のデッキは、固定ビスが装着されている可能性があると判断する。
図12は、本実施の形態における装着デッキシリアルIDを用いたデッキの交換の判断を説明する模式図である。RAM303の、装着デッキシリアルIDが格納される装着デッキシリアルIDアドレスには、プリンタ100が出荷されるタイミングで、データ732のように0が書き込まれている。そして、デッキがプリンタに接続された状態で、プリンタの電源が投入されると、CPU301によって、デッキ不揮発RAM279に保持されている装着デッキシリアルIDが読み込まれる。
そして、例えば装着デッキシリアルIDとして「0011A52」が読み込まれた場合は、データ742のように、装着デッキシリアルIDアドレスへ、読み込まれた「0011A52」が書き込まれる。また、別なデッキが接続されて電源が投入された時に、例えば装着デッキシリアルIDとして「0061A30」が読み込まれた場合は、データ743のように、装着デッキシリアルIDアドレスへ、読み込まれた「0061A30」が書き込まれる。
CPU301は、デッキ不揮発RAM279に保持されている装着デッキシリアルIDが読み込まれた時に、読み込まれた装着デッキシリアルIDとRAM303に書き込まれている装着デッキシリアルIDとを比較する。ここで、読み込まれた装着デッキシリアルIDが異なる場合には、デッキ180が交換されており、固定ビス199が除去されたことを確認する確認動作が必要であると判断する。そして、このように判断した場合には、既述した第1の実施の形態と同様に固定ビス199の除去を設置者に気付かせる報知動作を行う。なお、本実施の形態では、デッキ不揮発RAM279の保持されている装着デッキシリアルIDは0以外の値をとる。このため、プリンタ100に初めてデッキ180が接続された時には、必ず固定ビス199が除去されたことを確認する必要があると判断し、報知動作を行う。
図13は、本実施の形態における、既述した図8に示す固定ビス装着判断S1205のフローチャートである。まず、CPU301は、図12を使って説明したように、デッキ不揮発RAM279に保持されている装着デッキシリアルIDを読み込む。そして、RAM303に保持されている、接続したデッキの装着デッキシリアルIDと比較し、シリアルIDに変化が有るかを判断する(S2451)。
ここで、シリアルIDに変化がなければ(S2451のN)、既に図8のS2125、S2135において報知動作を行っており、既に固定ビス199が除去されていると判断し(S2455)、本フローを終了する。シリアルIDに変化が有れば(S2451のY)、プリンタ100に接続されたデッキ180が交換されたもしくは、初めてデッキ180が装着されたため、固定ビスが装着されている可能性があると判断する(S2461)。この場合は、図8のS2125、S2135の報知動作を行う。さらに、このような報知動作を行った後、次回以降は固定ビスが装着されていないと判断するため、RAM303の装着デッキシリアルIDアドレスに、読み込んだデッキシリアルIDを書き込んで(S2465)、本フローを終了する。
このように本実施の形態では、デッキ不揮発RAM279に書き込まれた装着デッキシリアルIDを用いて、デッキ180が初期設置状態であるか、すなわち最初にシートを給送する前であり、固定ビス199の取り外しを確認する確認動作が必要かを判断する。そして、確認動作が必要であると判断した場合には、報知動作を行うことにより、固定ビス199の取り外し忘れによりデッキ180が破損してしまうことを防止することができる。
なお、既述した第1の実施の形態ではRAM303のデッキ装着履歴フラグを、本実施の形態では、RAM303の装着デッキシリアルIDを使って、一度だけ固定ビス199の除去を設置者に気付かせる報知動作を行うようにしている。しかし、本発明は、これに限らず、最初にシートを給送する前かを確認するため、デッキ180がプリンタ100に接続されてから最初に電源がONされたことを検出するようにしても良い。言い換えれば、デッキ180の使用の有無を検知し、デッキ180が未使用であることを検知することにより、最初にシートを給送する前かを確認するようにしても良い。
デッキが未使用であることを検知するための検知手段として、例えば既述した図4に示すように、デッキリフタモータ412と電源500の間に不可逆的な手段であるヒューズFを有し、初回電源ONでヒューズFが切れるようにする。この場合、新品であれば、プリンタ本体の設置後、初回電源ONのとき、接続されたデッキに確認用の電流が流れ、このように確認用の電流が流れることにより、デッキが新品であると判断できる。この場合、初回電源ONであることをRAM303に記憶することにより、以後、固定ビス199の取り外し忘れ防止制御は不要となる。また、新品でなければ確認用の電流によりヒューズが切れており、この場合、確認用の電流が流れないことからデッキ180が新品でないと判断できる。
なお、初回電源ONであることをRAM303ではなく、デッキ180のデッキ不揮発RAM279に記憶するようにしても良い。この場合、デッキ不揮発RAM279に、プリンタ100に接続されてからの初回電源ONであることを保持するフラグ等を設け、CPU301は、フラグがOFF状態であることにより初回電源ONで有ることを判断する。その後にフラグをONすることで、上記制御を一度だけ実行するようにしても良い。
また、これまでは、固定ビスの装着判断を実施すると、RAM303に履歴を書き込むようにした場合について説明したが、設置者による固定ビス199除去の応答を受けたと判断してから履歴を書き込んでも構わない。例えば、既述した図7に示す固定ビス199除去の指示画面で、設置者によりOKキー314が押下されると、固定ビス199の除去が行われたと判断してRAM303に履歴を書き込んでも良い。また、固定ビス199除去の指示画面におけるメッセージ内容も、シート収納部181の確認に関連するものであれば良く、例えば「固定ビスを除去しましたか?」のような、直接応答を求める内容でも良い。
なお、これまでは中板182を固定ビス199により固定する場合について説明したが、画像形成装置には、中板182以外にも複数の移動部材が移動可能に設けられている。そして、画像形成装置を輸送するときには、移動部材を固定部材により筐体に対して固定自在に固定する必要がある。このような場合でも、移動部材の取り外し忘れを防止するため、確認動作が必要と判断した場合には表示手段により確認動作を促す画面を表示させる報知動作を行うようにしても良い。
なお、図8、図9、図10及び図13に係る制御フローを、プリンタ本体100Aに設けられた制御部300のCPU301によって実施する例を示したがこれに限られるものではない。制御フローを実施するCPUをオプションデッキ180に設け制御を実行させるようにしてもよい。