JP2017217449A - 化粧品容器 - Google Patents

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Hiroki Hasegawa
宏紀 長谷川
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Abstract

【課題】化粧品容器を使用する各工程において、使用者が効果的かつ快適に使用できる化粧品容器の本体を提供すること。【解決手段】使用者の片手で保持できる化粧品容器1における化粧品を格納する本体50であって、本体50は、平面視で卵型形状に形成され、平面視と直交する方向から視た形状が略半楕円形状に形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は容器本体と蓋体を有する化粧品容器に関する。
化粧品容器として、使用者が効果的かつ快適に容器を操作して、ファンデーション等の化粧料を塗布できることが重要である。
例えば特許文献1において、蓋体に配置された鏡を回転可能にした化粧品容器が提案されている。
特許5090231号
ところで、使用者が化粧品容器を使用するときには、容器を把持し(ステップ1)、容器の蓋を開け(ステップ2)、塗布具に化粧料を付し(ステップ3)、鏡を見ながら顔等に化粧料を塗布する(ステップ4)という一連の動作が必要である。しかし、従来の技術においては、ステップ4についての改善は提案されているが、特にステップ1に関連する問題についての改善は不十分である。
本発明は、上記を踏まえて、化粧品容器を使用する各工程において、使用者が効果的かつ快適に使用できる化粧品容器を提供するものである。
第一の発明は、使用者の片手で保持できる化粧品容器における化粧品を格納する本体であって、前記本体は、平面視で卵型形状に形成され、平面視と直交する方向から視た形状が略半楕円形状に形成されている、化粧品容器の本体である。
従来の化粧品容器の底面は、その大部分が平坦である。この構造は、机等の平らな面に化粧品を置いて化粧をするには適当な形状である。これに対して、本発明の発明者は、使用者がコンパクトなどの化粧品容器を使用する際に、化粧品容器を片手に保持しつつ、化粧を行う場合が多いことに着眼した。そして、掌と指で自然に形成する空間の形状は、平らな面を有するものではないことを見出し、このような手の構造と化粧品容器の構造の関係を研究した。その結果、従来の化粧品容器の構造とは逆に、底面の平坦部分が少ない方が、片手で保持しつつ化粧を行うのに好適であることを見出した。そして、第一の発明の構成によれば、化粧品容器が人の手にしっかりと固定され、化粧品容器を使用する各工程において、使用者が効果的かつ快適に使用できることに想到した。しかも、第一の発明の構成によれば、本体の深さ方向に大きな容積を確保できるから、格納可能な化粧品の量も多くなる。
第二の発明は、第一の発明の構成において、前記卵型形状の短軸の長さ(D1)の長軸の長さ(L1)に対する比率α1(D1/L1)は0.75以上0.85以下であり、
前記短軸の位置は前記長軸の長さの半分(L2)に対応する位置から鈍端側に寄っており、当該寄った長さ(L3)の前記長軸の長さ(L1)に対する比率α2(L3/L1)が0.05以上0.07以下である、化粧品容器の本体である。
第三の発明は、第一の発明または第二の発明のいずれかの構成において、前記本体の外形において、前記卵型形状の長軸の長さ(L1)に対する平面部分の最大長さ(P1)の比率α3(P1/L1)は0.50以下であり、前記卵型形状の短軸の長さ(D1)に対する平面部分の最大長さ(P2)の比率α4(P2/D1)は0.50以下である、化粧品容器の本体である。
第四の発明は第三の発明の構成において、前記比率α3は0.40以下であり、前記比率α4は0.40以下である、化粧品容器の本体である。
第五の発明は、第一の発明乃至第四の発明のいずれかの構成において、前記卵型形状の長軸を中心として前記卵型形状を2分し、一方の外周について、卵型形状の尖端から短軸にほぼ該当する位置まで、ほぼ等分に3つに区分し、前記尖端側から順に、第一の領域、第二の領域及び第三の領域とし、ほぼ短軸に該当する位置から卵型の鈍端までの領域をほぼ等分に2つに区分し、前記短軸側から順に、第四の領域及び第五の領域とすると、前記卵型形状の外周の平均の曲率半径である平均曲率半径(Rab)に対する前記第一の領域の曲率半径R1の比率β1(R1/Rab)は0.55以上0.65以下であり、前記平均曲率半径(Rab)に対する前記第二の領域の曲率半径R2の比率β2(R2/Rab)は0.95以上1.10以下であり、前記平均曲率半径(Rab)に対する前記第三の領域の曲率半径R3の比率β3(R3/Rab)は1.20以上1.50以下であり、前記平均曲率半径(Rab)に対する前記第四の領域の曲率半径R4の比率β4(R4/Rab)は0.90以上1.20以下であり、前記平均曲率半径(Rab)に対する前記第五の領域の曲率半径R5の比率β5(R5/Rab)は0.70以上0.90以下である、化粧品容器の本体である。
第六の発明は、第一の発明乃至第五の発明のいずれかの構成において、前記化粧品容器の本体を正面から視た前記略半楕円形状の曲面状の外周について、前記本体と蓋体の接続部を含む領域を第一の領域とし、前記本体の最低部に最も近い領域を第三の領域とし、前記第一の領域と前記第三の領域の間の領域を第二の領域とすると、前記第一の領域、前記第二の領域及び前記第三の領域における外周の曲面形状の平均の曲率半径である平均曲率半径(rab)に対する前記第一の領域の曲率半径R6の比率γ1(R6/rab)は0.70以上0.85以下であり、前記平均曲率半径(rab)に対する第二の領域の曲率半径R7の比率γ2(R7/rab)は0.40以上0.55以下であり、前記平均曲率半径(rab)に対する第三の領域の曲率半径R8の比率γ3(R8/rab)は1.60以上1.80以下である、化粧品容器の本体である。
第七の発明は、前記蓋体を前記本体に対して回動可能に軸止するヒンジ部が前記卵型形状の尖端側に配置され、前記蓋体を前記本体に対して開閉可能に固定する係止部が前記卵型形状の鈍端側に配置され、前記蓋体と略相似形状の平面視卵型の鏡が前記蓋体の内側に配置されており、前記使用者が、前記蓋体と前記本体の係止を解除して、前記蓋体を前記本体に対して回動させると、前記鏡の卵型の鈍端部が前記使用者から見て上側に位置するようになっている、第六の発明の前記本体を含む化粧品容器である。
本発明の発明者は、人間の両目と鼻を結ぶ形状が略二等辺三角形であり、しかも、その領域が化粧をする際の重要領域であることに着目した。その重要領域において効率良く化粧を実施するためには、使用者から見て、鏡の上側が下側よりも幅が広いのが望ましい。この点、本発明の構成によれば、卵型の鏡の鈍端部側が上述の略二等辺三角形の底辺側を映し、尖端側が頂点側を映すようになっているから、上記の重要領域について、効率的に化粧を実施することができる。

第八の発明は、第七の発明の構成において、前記ヒンジ部の前記蓋体側または前記本体側には、板状突起が形成され、前記ヒンジ部の前記板状突起が形成されていない前記本体側または前記蓋体側には、弾性材料で形成された弾性部材が配置され、前記蓋体を前記本体に固定したときには、前記弾性部材が前記板状突起に押し込まれることによって変形状態となり、前記蓋体と前記本体の固定を解除すると、前記弾性部材の形状回復力の作用によって、前記蓋体が前記本体に対してわずかに回動する、化粧品容器である。
第八の発明の構成によれば、蓋体と本体の固定を解除すると、自動的に、蓋体が本体に対してわずかに回動し、開いた状態になるから、使用者は、蓋体と本体との隙間に指を差し入れて、容易に蓋体を所望の位置まで回動させることができる。
本発明にかかる化粧品容器の本体によれば、化粧品容器を使用する各工程において、使用者が効果的かつ快適に使用できる。
本発明の一実施形態にかかる化粧品容器の概略斜視図である。 蓋体の概略平面図である。 蓋体の概略平面図である。 化粧品容器の概略側面図である。 化粧品容器の概略正面図である。 レフィルを示す概略斜視図である。 パフを示す概略斜視図である。 スポンジを示す概略斜視図である。 蓋体の裏面を示す概略図である。 蓋体の概略端面図である。 蓋体のヒンジ部の概略端面図である。 蓋体のヒンジ部の一部を示す概略拡大図である。 本体の底面を示す概略図である。 本体のヒンジ部の概略図である。 本体のヒンジ部の一部材を示す概略図である。 本体のヒンジ部の一部材を示す概略図である。 化粧品容器の内部構造を示す概略端面図である。 化粧品容器の内部構造を示す概略端面図である。 ヒンジ部の弾性部材の変形の様子を示す概略図である。 人間の手の自然な形状を示す概略図である。 人間の手に化粧品容器が把持される状態を示す概略図である。 本体と蓋体の固定が解除される状態を示す概略図である。 本体に対して蓋体が回動し、卵型の鏡の鈍端部側が上側になった状態を示す概略図である。 中蓋が開けられて、化粧が可能になった状態を示す概略図である。
以下、図面に基づき本発明の好適な実施形態を説明する。なお、当業者が適宜実施できる構成については説明を省略し、本発明の基本的な構成についてのみ説明する。
図1に示すように、化粧品容器1は、蓋体10と本体50を有する。本体50は、筐体51とレフィル100(図6参照)で構成される。化粧品容器1は、図2及び図3に示すように、平面視で卵型形状である。また、図4及び図5に示すように、化粧品容器1を平面視と直交する方向から視た形状は略楕円形状である。この構造によって、化粧品容器1は、使用者の片手にしっかりと固定される。また、本体50の壁面の曲面は、最低面のわずかな平坦面まで連続しているから、深さ方向に大きな容積を確保でき、格納可能な化粧品の量も多くなる。本実施形態のレフィル100には、20g(グラム)のファンデーションが格納可能である。これは、平面視で同一面積の従来の化粧品容器よりも、約25重量%(パーセント)多い。
化粧品容器1は、使用者の片手で保持できる程度の大きさである。図4及び図5に示すように、蓋体10と本体50の高さの比は、ほぼ1対1であり、本実施形態において、化粧品容器1の全体の高さH1は30.5mm(ミリメートル)であり、蓋体10の高さH2は15.5mm、本体50の高さH3は15.0mmである。
化粧品容器1を平面視したときの形状を規定する要素として、図3に示す卵型形状の長軸の長さL1及び短軸の長さD1、及び短軸の位置がある。
卵型形状の短軸の長さD1の長軸の長さL1に対する比率α1(D1/L1)は0.75以上0.85以下である。そして、図3に示すように、化粧品容器1の卵型形状の長軸の長さをL1とすると、長さL1の半分の長さL2に対応する部分(補助線X1で示す部分)が短軸(最大の幅を有する位置)に対応しているのではなく、わずかに(長さL3で示す分だけ)鈍端側寄りの部分が短軸(補助線X2で示す部分)である。そして、鈍端側に寄った長さL3の長軸の長さL1に対する比率α2(L3/L1)が0.05以上0.07以下である。本実施形態において、卵型形状の長軸の長さL1は85.6mm、短軸の長さD1は70mm、L3は5mmである。比率α1は0.81、比率α2は0.06である。
図4に示すように、本体50の卵型形状の長軸の長さL1に対する平面部分の長さP1の比率α3(P1/L1)は0.50以下であり、望ましくは0.40以下である。また、図5に示すように、短軸の長さD1に対する平面部分の長さP2の比率α4(P2/D1)は0.50以下であり、望ましくは0.40以下である。比率α3及びα4は、0.00であってもよい。本実実施形態において、P1は35mmであり、L1は85.6mmであるから、比率α3は0.40である。P2は、27mmであり、D1は70mmであるから、比率α4は0.38である。
化粧品容器1の卵型形状の説明の便宜のため、卵型形状の外周をいくつかの領域に分けて説明する。図3に示すように、卵型形状の長軸を中心に外周を2分し、卵型形状の尖端からほぼ短軸に該当する位置まで、ほぼ等分に3つに区分し、第一の領域A1、第二の領域A2及び第三の領域A3とし、ほぼ短軸に該当する位置から卵型形状の鈍端までの領域をほぼ等分に2つに区分し、第四の領域A4及び第五の領域A5とする。そして、卵型形状の外周の平均の曲率半径を平均曲率半径(Rab)とする。平均曲率半径の値は、領域A1,A2,A3,A4及びA5における曲率半径の平均値である。
平均曲率半径(Rab)に対する領域A1の曲率半径R1の比率β1(R1/Rab)は0.55以上0.65以下であり、平均曲率半径(Rab)に対する領域A2の曲率半径R2の比率β2(R2/Rab)は0.95以上1.10以下であり、平均曲率半径(Rab)に対する領域A3の曲率半径R3の比率β3(R3/Rab)は1.20以上1.50以下であり、平均曲率半径(Rab)に対する領域A4の曲率半径R4の比率β4(R4/Rab)は0.90以上1.20以下であり、平均曲率半径(Rab)に対する領域A5の曲率半径R3の比率β5(R5/Rab)は0.70以上0.90以下である。本実施形態において、R1は24.5mm、R2は42.5mm、R3は59.5mm、R4は45.5mm、R5は34.5mmであり、Rabは41.3mmである。そして、比率β1は0.59、比率β2は0.97、比率β3は1.44、比率β4は1.10、比率β5は0.84である。
次に、化粧品容器1の楕円形状の説明の便宜のため、楕円形状の外周をいくつかの領域に分けて説明する。図5に示すように、本体50の係止部54を含む正面から視た略楕円形状の曲面状の外周について、蓋体10と本体50の接続部を含む領域を第一の領域B1、最も本体50の底面に近い領域を第三の領域B3、領域B1と領域B3の間の領域を第二の領域B2とする。領域B1、B2及びB3は、ほぼ同じ外周長さを有する領域であり、領域B1、B2及びB3の長さの合計は、楕円形状の外周の約20〜25%を占める。
そして、領域B1、B2及びB3における外周の曲面状の部分の平均の曲率半径を平均曲率半径(rab)とする。平均曲率半径(rab)に対する領域B1の曲率半径R6の比率γ1(R6/rab)は0.70以上0.85以下であり、平均曲率半径(rab)に対する領域B2の曲率半径R7の比率γ2(R7/rab)は0.40以上0.55以下であり、平均曲率半径(rab)に対する領域B3の曲率半径R8の比率γ3(R8/rab)は1.60以上1.80以下である。本実施形態において、R6は18.50mmであり、R7は11.50mmであり、R8は41.00mmである。そして、rabは、23.60mmである。γ1は0.78、γ2は0.48、γ3は1.73である。
続いて、化粧品容器1の各部について説明する。図6に示すように、レフィル100は、レフィル蓋部110とレフィル容器部150を有する。レフィル100は筐体51と係合して、本体50の一部分となる。レフィル蓋部110の上面は、底部110aと周壁部110bからなる凹溝が形成されており、パフ200(図7参照)を格納できるようになっている。パフ200は、パフ本体202と保持帯204から構成される。レフィル容器150には、例えば、液体ファンデーションのような化粧品とスポンジ250(図8参照)が格納される。レフィル容器部150には、環状凸部150aが形成されており(図6参照)、本体50の筐体部51の内側に形成された環状凹部と係合し、取り外し自在な状態で、固定されるようになっている。レフィル容器部150に格納された化粧品が消費尽くされた後は、レフィル100のみを交換できるようになっている。レフィル100を筐体部51に固定したときに、レフィル容器部150の底部150bは外部に露出する(図4等参照)。上述の比率α3及びα4が、0.5以下、望ましくは0.4以下であるため、底部150bは、全面が平坦になっているのではない。
図9に示すように、蓋体10の裏側には、蓋体10と略相似形状の平面視卵型の鏡12が配置されている。蓋体10の裏側には、また、突起14a,14b,14cが形成されている。突起14a等は、レフィル100が固定された状態で筐体部51と蓋体10とが係合するときに、レフィル蓋部110の周壁部110bに接して、レフィル100の固定を補助するようになっている。蓋体10の尖端側には、ヒンジ部16が配置されている。ヒンジ部16は、基部16aと金属製の軸16bを有し、軸16bが筐体51側のヒンジ部の軸受け穴部(図示せず)と係合し、蓋体10を筐体51に対して回動可能に軸止するようになっている。
図10(図10では、鏡12を省略している。)に示すように、蓋体10において、一方の端部には、ヒンジ部16の近傍に、板状突起16cが形成されている。また、他方の端部には溝10aが形成されており、筐体51の固定用爪部(図示せず)と係合して、蓋体10を筐体51に開閉可能に固定するようになっている。
図11に示すように、蓋体10のヒンジ部16の突起部16cの高さは、基部16aの高さh1よりも、高さh2だけ低くなっている。また、軸16bの中心から板状突起部16cの上面までの距離T1、板状突起部16cの幅T2は、蓋体10を回動させて本体50に固定したときに、本体50側の弾性部材58(図14等参照)と面接触し、かつ、弾性部材58を本体50側に押し込むことができるように規定されている。本実施形態において、h2は0.3mmである。T1は5.2mm、T2は1.8mmである。
図13に示すように、本体50の卵型形状の鈍端側には、筐体51に係止部54が配置されている。係止部54には、蓋体10の溝部10aと係合する爪部(図示せず)が形成されている。また、本体50の卵型形状の尖端側には、筐体51にヒンジ部52が形成されている。ヒンジ部52には、軸受穴部(図示せず)が形成されており、蓋体10側のヒンジ部16の軸16bと係合するようになっている。
図14は、本体50の卵型形状の尖端側のヒンジ部52を示す。弾性部材58(図15及び図16参照)が、中間固定部材56とヒンジ部52の舌状部52aによって、固定されている。
図15及び図16に示すように、弾性部材58は、基部58aと凸部58bを有する。凸部58bは、幅W1、長さL10、高さh1を有する。弾性部材58全体の高さはh2である。本実施形態において、W1は6mm、L10は2.2mm、h1は1.8mm、h2は3.2mmである。
図17は、図3の補助線Y1における化粧品容器1の概略端面図である。図18は、図3の補助線X2における化粧品容器1の概略端面図である。図17及び図18に示すように、化粧品容器1は、空間S1及びS2を有する。空間S1には、パフ200(図7参照)が格納される。空間S2には、化粧料とスポンジ250(図8参照)が格納される。環状リング150cによって、スポンジ250を空間S2に固定するようになっている。図18の、レフィル蓋部110のヒンジ部110cに形成された軸受穴と、レフィル容器部150側の軸150dによって、レフィル蓋部110とレフィル容器部150が回動可能に固定されるようになっている。図17及び図18に示すように、蓋体10が筐体51に対して回動する方向と、レフィル蓋部110がレフィル容器部150に対して回動する方向とは、略90度の角度をなしている。蓋体10及びレフィル蓋部110がともに開いた状態は、図24に示されている。
図19は、蓋体10が回動して本体50に固定されるときにおける、板状突起16cと弾性部材58の相対的な動きを示す。蓋体10が本体50に対して十分に開いているとき(図19(a)参照)には、板状突起16cと弾性部材58は乖離しているが、蓋体10が回動すると、板状突起16cは弾性部材58次第に近づき(図19(b)参照)、接する(図19(c)参照)。板状突起16cが弾性部材58と接した時点では、弾性部材58は本来の高さh1を維持している。そして、蓋体10がさらに回動して、本体50と固定されるまでに、弾性部材58は変形し、高さh1は次第に低くなり、固定時には高さh3となる。弾性部材58が高さh3のときには、矢印X1方向の反発力(形状回復力)が働いている。このため、蓋体10と本体50の固定が解除されると、この反発力によって、自動的に、蓋体10がわずかに回動し、本体50との間に隙間を形成するようになっている。
図20に示すように、人間の手において、掌と指で自然に形成する空間は、略卵型をしている。図20では、左手300において、掌300a及び5本の指300b,300c,300d,300e,300fによって、卵型の空間を形成している。この卵型の空間は、平面視で卵型であり、それと直交する方向は、略楕円形である。すなわち、掌と指で形成する空間は、平坦な底面を有する空間ではなく、底面は曲面である。本発明の発明者は、手の構造についてのこの知見に基づいて、上記に詳述した構造の化粧品容器1が、使用者の手にしっかりと固定されることを見出した。
図21に示すように、平面視で卵型形状の化粧品容器1は、掌300a及び5本の指300b,300c,300d,300e,300fによって形成される空間にしっかりと固定される。すなわち、化粧品容器1の卵型形状が、親指300bの腹の部分と、人差指300c、中指300d、薬指300e及び小指300fで形成される空間の形状と相似形であるから、掌及び5本の指で形成される空間に自然に嵌る。また、化粧品容器1を平面視と直交する方向から視た形状が楕円形状であるから、掌及び5本の指で形成される空間の深さ方向においても、化粧品容器1は掌及び5本の指で形成される空間に自然に嵌る。そして、化粧品容器1に矢印Z1方向への力が加えられても、親指300bの腹の部分及び人差指300c、中指300dに遮られて、化粧品容器1が左手300から抜けることはない。
図22に示すように、蓋部10と本体50の固定を解除するために、右手400の親指400aで、化粧品容器1の卵型形状の鈍端側に形成された係止部54を押圧すると、化粧品容器1に矢印Z1方向の力が加わるのであるが、左手300から抜けることはない。
図23に示すように、蓋部10と本体50の固定を解除して、蓋部10を回動させて、十分に広げると、パフ200が取り出し可能になる。そして、図24に示すように、パフ200を取り出して、レフィル蓋部110を開けると、スポンジ250が現れ、化粧可能な状態になる。このとき、使用者から見て、鏡12の鈍端側(幅の広い側)が上部になるから、使用者の両目と鼻で形成される略三角形の領域を効率的に化粧することができる。
なお、本発明の化粧品容器は、上記実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。
1 化粧品容器
10 蓋体
50 本体
51 筐体
100 レフィル
110 レフィル蓋部
150 レフィル容器部

Claims (8)

  1. 使用者の片手で保持できる化粧品容器における化粧品を格納する本体であって、
    前記本体は、平面視で卵型形状に形成され、
    平面視と直交する方向から視た形状が略半楕円形状に形成されている、
    化粧品容器の本体。
  2. 前記卵型形状の短軸の長さ(D1)の長軸の長さ(L1)に対する比率α1(D1/L1)は0.75以上0.85以下であり、
    前記短軸の位置は前記長軸の長さの半分(L2)に対応する位置から鈍端側に寄っており、当該寄った長さ(L3)の前記長軸の長さ(L1)に対する比率α2(L3/L1)が0.05以上0.07以下である、
    請求項1に記載の化粧品容器の本体。
  3. 前記本体の外形において、
    前記卵型形状の長軸の長さ(L1)に対する平面部分の最大長さ(P1)の比率α3(P1/L1)は0.50以下であり、前記卵型形状の短軸の長さ(D1)に対する平面部分の最大長さ(P2)の比率α4(P2/D1)は0.50以下である、
    請求項1または請求項2のいずれかに記載の化粧品容器の本体。
  4. 前記比率α3は0.40以下であり、
    前記比率α4は0.40以下である、
    請求項3に記載の化粧品容器の本体。
  5. 前記卵型形状の長軸を中心として前記卵型形状を2分し、一方の外周について、卵型形状の尖端から短軸にほぼ該当する位置まで、ほぼ等分に3つに区分し、前記尖端側から順に、第一の領域、第二の領域及び第三の領域とし、ほぼ短軸に該当する位置から卵型の鈍端までの領域をほぼ等分に2つに区分し、前記短軸側から順に、第四の領域及び第五の領域とすると、前記卵型形状の外周の平均の曲率半径である平均曲率半径(Rab)に対する前記第一の領域の曲率半径R1の比率β1(R1/Rab)は0.55以上0.65以下であり、前記平均曲率半径(Rab)に対する前記第二の領域の曲率半径R2の比率β2(R2/Rab)は0.95以上1.10以下であり、前記平均曲率半径(Rab)に対する前記第三の領域の曲率半径R3の比率β3(R3/Rab)は1.20以上1.50以下であり、前記平均曲率半径(Rab)に対する前記第四の領域の曲率半径R4の比率β4(R4/Rab)は0.90以上1.20以下であり、前記平均曲率半径(Rab)に対する前記第五の領域の曲率半径R5の比率β5(R5/Rab)は0.70以上0.90以下である、
    請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の化粧品容器の本体。
  6. 前記化粧品容器の本体を正面から視た前記略半楕円形状の曲面状の外周について、前記本体と蓋体の接続部を含む領域を第一の領域とし、前記本体の最低部に最も近い領域を第三の領域とし、前記第一の領域と前記第三の領域の間の領域を第二の領域とすると、前記第一の領域、前記第二の領域及び前記第三の領域における外周の曲面形状の平均の曲率半径である平均曲率半径(rab)に対する前記第一の領域の曲率半径R6の比率γ1(R6/rab)は0.70以上0.85以下であり、前記平均曲率半径(rab)に対する第二の領域の曲率半径R7の比率γ2(R7/rab)は0.40以上0.55以下であり、前記平均曲率半径(rab)に対する第三の領域の曲率半径R8の比率γ3(R8/rab)は1.60以上1.80以下である、
    請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の化粧品容器の本体。
  7. 前記蓋体を前記本体に対して回動可能に軸止するヒンジ部が前記卵型形状の尖端側に配置され、前記蓋体を前記本体に対して開閉可能に固定する係止部が前記卵型形状の鈍端側に配置され、
    前記蓋体と略相似形状の平面視卵型の鏡が前記蓋体の内側に配置されており、
    前記使用者が、前記蓋体と前記本体の係止を解除して、前記蓋体を前記本体に対して回動させると、前記鏡の卵型の鈍端部が前記使用者から見て上側に位置するようになっている、
    請求項6に記載の前記本体を含む化粧品容器。
  8. 前記ヒンジ部の前記蓋体側または前記本体側には、板状突起が形成され、
    前記ヒンジ部の前記板状突起が形成されていない前記本体側または前記蓋体側には、弾性材料で形成された弾性部材が配置され、
    前記蓋体を前記本体に固定したときには、前記弾性部材が前記板状突起に押し込まれることによって変形状態となり、
    前記蓋体と前記本体の固定を解除すると、前記弾性部材の形状回復力の作用によって、前記蓋体が前記本体に対してわずかに回動する、
    請求項7に記載の化粧品容器。

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