JP2017216395A - レーザー照射設備の異常検出装置 - Google Patents
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したがって、レーザーが被加工物等に反射し、レーザー照射設備に戻ってきた光である「戻り光」が、レーザー照射設備に戻ると、たとえわずかなでレベルであってもその累積効果を無視することはできない。
また、電磁鋼板の磁区制御においては、ファイバー伝送レーザーが用いられることが多いが、ファイバー伝送レーザー照射設備の場合、光ファイバーのレーザー光の出射端面には、石英ブロックが融着され、この周囲を冷却水によって冷却する構造となっている(例えば、特許文献1参照)。
レーザー照射装置の冷却水は、循環させて使用しており、長期間の使用によって不純物を含有する場合がある。このような場合、戻り光により冷却水が局所加熱されると、石英ブロックの内側端面に不純物が析出することがある。このような不純物が冷却水の循環とともに成長すると、光ファイバーと石英ブロックの融着部が破損し、レーザー照射設備が壊れてしまう可能性があるという課題がある。
(1)レーザー発振器と、前記レーザー発振器から出力されたレーザー光を伝送する伝送ファイバーと、前記伝送ファイバーのレーザー光の出射側端面に融着される石英ブロックと、前記伝送ファイバーおよび前記石英ブロックに冷却水を供給する冷却装置とを備えたレーザー照射設備の異常を検出するレーザー照射設備の異常検出装置であって、前記石英ブロックの外周端面に設けられ、前記伝送ファイバーから出射されるレーザー光の戻り光を検出する戻り光検出センサと、前記戻り光検出センサで検出される戻り光が所定の閾値を超えたら、警報を発呼する警報器とを備えていることを特徴とするレーザー照射設備の異常検出装置。
レーザー照射設備1は、レーザー発振器2と、伝送ファイバー3と、石英ブロック4と、筐体5と、冷却装置を構成する入側流路6および出側流路7とを備える。
伝送ファイバー3は、レーザー発振器2から出力されたレーザー光を伝送する光ファイバーであり、レーザー光が伝搬するコア3Aと、コア3A内を伝搬するレーザー光を全反射させるクラッド3Bとを備え、基端がレーザー発振器2のレーザー出力口に接続される。
石英ブロック4は、内側端面4Aが伝送ファイバー3のレーザー出射側端面に融着により接合され、光学接触した構造となっている。伝送ファイバー3から出射したレーザー光は、石英ブロック4中で拡がり、拡散光となって石英ブロック4の外側端面4Bから出射する。石英ブロックの外側端面4Bには、戻り光の侵入を防止するAR(Anti Reflection)コート等が施されている。
冷却装置を構成する入側流路6および出側流路7は、筐体5の外周から内側を貫通する配管部材から構成されている。入側流路6および出側流路7は、冷却装置を構成するチラーユニットに接続されている。
冷却装置は、チラーユニットで冷却水を冷却した後、冷却水を入側流路6から筐体5内に供給し、伝送ファイバー3および石英ブロック4の融着面を冷却した後、冷却後の冷却水を出側流路7から回収し、チラーユニットで再び冷却する循環冷却構造をとっている。
戻り光検出センサ11は、筐体5の外周面から内周面に貫通し、石英ブロック4の外周端面に、光学接触される石英製のライトガイド11Aを介して、レーザー光の戻り光を検出する。戻り光検出センサ11としては、たとえばフォトディテクタを採用することができる。
パーティクルカウンタ12は、筐体5内を循環する冷却水中のパーティクルを、光の散乱の強度を測定することにより、冷却水中の微粒子、不純物などのパーティクル数を計測する。
警報器15は、戻り光検出センサ11の検出値、パーティクルカウンタ12の検出値、または、出側温度センサ13と入側温度センサ14とで検出される温度の温度差が、所定の閾値を超える値であった場合、警報を発呼する。警報は、ブザー等の音声出力でもよいし、ランプ等を点灯させてもよく、異常検出装置10に接続され、レーザー照射設備1の操作等に用いる表示装置(図視せず)に警報を表示させてもよく、レーザー光の出射を停止するものであってもよい。
なお、異常検出装置10は、前述した戻り光検出センサ11、パーティクルカウンタ12、並びに、出側温度センサ13および入側温度センサ14のいずれかを備えていればよく、また、冗長性を持たせるために、これらのうちの複数を備えるようにしてもよい。
伝送ファイバー3から出射されたレーザー光は、光路L1のように、石英ブロック4中で拡散し、コリメートレンズ21によって平行化され、集光レンズ22によって集光されて、照射対象となる鋼板23の表面にレーザー光が照射される。鋼板23に照射された光の一部は、戻り光となって石英ブロック4側に戻るが、基本的には光路L1に沿って戻り、石英ブロック4の外側端面4BのARコートを介して、伝送ファイバー3のレーザー光の出射側端面に入り込む。戻り光が不自然に多い場合は、レーザー発振器2のセンサにより、レーザー光の出射を停止させる。
戻り光は、光路L2に沿って入り込み、石英ブロック4の内側端面4Aの近傍で集光する。すると、冷却水が加熱され、冷却水中の不純物Sが石英ブロック4の内側端面4Aで固化する。レーザー照射設備1が連続運転されることで、冷却水が連続して供給されてはいるが、冷却水の加熱と不純物Sの固化が繰り返されることで、不純物Sが長時間かけて徐々に成長していく。最終的には成長した不純物Sは、伝送ファイバー3と石英ブロック4の融着面に到達し、伝送ファイバー3と石英ブロック4との融着面を破壊する。
なお、析出する不純物Sは、入側流路6、出側流路7を構成する配管部材等に由来する金属成分を含んで構成されていることが多いが、これに限定されるものではない。
不純物Sが石英ブロック4の内側端面4Aに生成すると、戻り光が不純物Sで反射し、石英ブロック4内に散乱光L3が発生する。析出した不純物Sは、不透明なので、散乱光L3は極めて強いものとなる。すると、戻り光検出センサ11で検出される戻り光は、図3に示されるように、不純物Sがない場合の戻り光検出センサ11による検出値G1に比較して、極めて大きな検出値G2となる。したがって、検出値G1から検出値G2に遷移する中間部分に閾値G3を設定しておけば、閾値G3を超えれば、警報器15が発呼するので、不純物Sの成長を最低限で止めることができる。
警報器15によって不純物Sの生成が確認されたら、筐体5を回転させることにより、不純物Sの生成位置が戻り光の焦点からずらすことができるため、不純物Sの成長を抑制することができる。
さらに、警報器15を入側温度センサ14および出側温度センサ13の温度差が、所定の閾値を超えたときに、発呼するようにしておく。これにより、石英ブロック4の内側端面4Aに不透明な不純物Sが生成して、不純物Sが戻り光によって加熱され、冷却水を突沸させることを検出できるので、不純物Sの成長を抑制することができる。
Claims (3)
- レーザー発振器と、前記レーザー発振器から出力されたレーザー光を伝送する伝送ファイバーと、前記伝送ファイバーのレーザー光の出射側端面に融着される石英ブロックと、前記伝送ファイバーおよび前記石英ブロックに冷却水を供給する冷却装置とを備えたレーザー照射設備の異常を検出するレーザー照射設備の異常検出装置であって、
前記石英ブロックの外周端面に設けられ、前記伝送ファイバーから出射されるレーザー光の戻り光を検出する戻り光検出センサと、
前記戻り光検出センサで検出される戻り光が所定の閾値を超えたら、警報を発呼する警報器とを備えていることを特徴とするレーザー照射設備の異常検出装置。 - レーザー発振器と、前記レーザー発振器から出力されたレーザー光を伝送する伝送ファイバーと、前記伝送ファイバーのレーザー光の出射側端面に融着される石英ブロックと、前記伝送ファイバーおよび前記石英ブロックに冷却水を供給する冷却装置とを備えたレーザー照射設備の異常を検出するレーザー照射設備の異常検出装置であって、
前記冷却装置の冷却水中のパーティクルを計測するパーティクルカウンタと、
前記パーティクルカウンタで計測されたパーティクル数が所定の閾値を超えたら、警報を発呼する警報器とを備えていることを特徴とするレーザー照射設備の異常検出装置。 - レーザー発振器と、前記レーザー発振器から出力されたレーザー光を伝送する伝送ファイバーと、前記伝送ファイバーのレーザー光の出射側端面に融着される石英ブロックと、前記伝送ファイバーおよび前記石英ブロックに冷却水を供給する冷却装置とを備えたレーザー照射設備の異常を検出するレーザー照射設備の異常検出装置であって、
前記冷却装置は、前記伝送ファイバーおよび前記石英ブロックに冷却水を供給する入側流路と、前記伝送ファイバーおよび前記石英ブロックの冷却後の冷却水を回収する出側流路とを備え、
前記入側流路の冷却水の温度を検出する入側温度センサと、前記出側流路の冷却水の温度を検出する出側温度センサと、
前記入側温度センサおよび前記出側温度センサで検出された冷却水の温度差が所定の閾値を超えたら、警報を発呼する警報器とを備えていることを特徴とするレーザー照射設備の異常検出装置。
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