JP2010219164A - 光学素子のダメージ検知方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 散乱光を用いて固体レーザ発振器内の光学素子の端面もしくは内部に生じたダメージを検知することが可能な光学素子のダメージ検知方法を提供する。
【解決手段】 固体レーザ発振器内の任意の光学素子端面のダメージを検知する光学素子のダメージ検知方法であって、固体レーザ発振器内のダメージ検知対象である光学素子の端面からの散乱光を検知するための散乱光検知ステップと、散乱光検知ステップで検知した散乱光を信号に変換する信号変換ステップと、散乱光から変換された信号を、予め設定した設定値と比較する比較ステップと、散乱光から変換された信号が設定値を上回っていた場合に、アラーム信号を発するアラーム信号生成ステップとを有する。
【選択図】 図5

Description

この発明は、光学素子のダメージ検知方法に係り、特に、固体レーザ発振器内の光学素子のダメージ検知に適した光学素子のダメージ検知方法に関する。
従前より様々な物品の加工に用いる固体レーザ発振器は広く普及しており、このような固体レーザ発振器で用いるレーザとしては、Nd:YAGレーザ等が知られている。この種の固体レーザ発振器には、レーザロッド、ミラー、波長変換素子、変調素子、スイッチング素子、偏光素子等の各種光学素子が使われており、固体レーザ発振器の稼働時間が長くなるにつれて各種光学素子の内部や表面のコーティング膜へのダメージは積み重なり、これらのダメージに対処せずに固体レーザ発振器を使い続けた場合には、光学素子に修復不可能な損傷が生じ、破損する場合もある。ここで、光学素子端面に設けられるコーティング膜としては、誘電体多層膜による全反射膜、部分反射膜、無反射膜などが知られており、用途に応じて様々なコーティング膜が設けられる。
ここで、固体レーザ発振器を稼働することにより光学素子にダメージが蓄積する仕組みを図12,13を参照しつつ説明する。粉塵存在下において光学素子がダメージを被ることの説明図が図12に示されている。同図において、11は光学素子の基板、12はコーティング膜、13はレーザ光、14は光学素子表面に焼き付けられた粉塵(ダスト)による粉塵層、15は粉塵(ダスト)、である。
光学素子が粉塵雰囲気中にあると、塵や埃などの粉塵15が光学素子表面に設けられたコーティング膜12に静電的に吸着されて付着し、この状態でレーザ照射が行われることによりコーティング膜12に付着した粉塵15に高強度のレーザ光13が照射されてコーティング膜12に粉塵15が焼き付けられる。この光学素子表面に焼き付けられた粉塵層14により、レーザ光の出力が妨げられ、結果としてレーザ光の出力が低下する。
粉塵15がコーティング膜12に付着してレーザ光13により焼き付けられるという流れ(過程)を繰り返すことによりコーティング膜12上の粉塵層14はどんどん分厚くなっていく。更に、この粉塵層14が照射されたレーザ光を吸収することでコーティング膜12表面の温度が上昇していき、最終的にはコーティング膜12の融解温度に達することでコーティング膜12が溶融したり、場合によっては基板11にも傷が付くなどして光学素子に深刻なダメージを与えることとなる。
次いで、有機ガス雰囲気中において光学素子がダメージを被ることの説明図が図13に示されている。同図において、16はCVD(Chemical Vapor Deposition)層、17は有機ガス分子、その他の符号は図12と同様である。
有機ガス雰囲気中やシリコンの混合した大気雰囲気中にある光学素子にレーザ光13が照射されると、コーティング膜12表面のレーザ光13が照射された箇所に炭化物やシロキ酸などが堆積し、CVD層16が形成される。CVD層16はレーザ光13の照射時間に比例してどんどん堆積し分厚くなり、このCVD層により、レーザ光の出力が妨げられ、結果としてレーザ光の出力が低下する。
このCVD層16が照射されたレーザ光を吸収することでコーティング膜12表面の温度が上昇していき、最終的にはコーティング膜12の融解温度に達することでコーティング膜12が溶融したり、場合によっては基板11にも傷が付くなどして光学素子に深刻なダメージを与えることとなる。
このように、光学素子表面の粉塵層やCVD層を放置することで堆積が進行し、光学素子の基板やコーティング膜に深刻なダメージが生じる場合がある。光学素子の基板に傷が付いたりコーティング膜が溶融したりすると、光学素子自体を交換するしかリカバリ方法がなくなり、損傷した光学素子の交換とその後の調整とでラインを停止せざるを得なくなる。
そのため、粉塵層やCVD層の堆積が進行せず、光学素子のダメージが少ないうちに対応することが望ましく、ダメージが軽微なうちであれば光学素子表面を拭うなどの簡単な対処で済む可能性もあり、結果として光学素子自体の寿命も長くなる可能性がある。各光学素子の端面の粉塵層やCVD層が分厚くなることでレーザ発振器の出力低下にも繋がり、この点からも早期の対応が望まれる。従来より知られている光学素子のダメージ検出方法としては、レーザ光の出力をパワーモニタで測定し、この実測値に基づきレーザ光の出力低下を把握して光学素子のダメージの程度を予測するという方法や、光学素子端面付近の音を測定し、ダメージの度合いを予測する方法などがある(特許文献1参照)。
特開平11−118669号公報
しかしながら、これらの従来のダメージ検知方法は、光学素子のダメージを検知するのに最適な方法とは言えなかった。本願発明者らは光学素子のダメージ検出方法を鋭意研究し、光学素子端面のダメージ増加と、光学素子端面付近で測定される散乱光の強度とに相関があることを知見した。
レーザ発振器の光学素子の端面に塵等が付着すると、付着していないときと比較してこれらの散乱が増大するので、この散乱光を適当なセンサで受光することにより、付着した塵等を検知可能であると推測される。
光学素子の劣化と散乱光の強度との相関性が、図14に示されている。同図において、11は光学素子の基板、12は光学素子端面のコーティング膜、18は堆積層(軽度)、19は堆積層(重度)、20はコーティング膜の破壊箇所、である。ここで「堆積層」とは、塵や埃等が付着した際に生じる粉塵層と、有機ガス等にレーザが照射されたことにより生じるCVD層とを総括する表現である。
図14上段の(a)〜(d)には光学素子端面の経時変化が示されている。図14(a)は光学素子の初期状態であり、基板11の端面に設けられたコーティング膜12上には塵や埃の付着、CVD層の堆積も生じておらず、ダメージが発生してない状態である。この状態ではコーティング膜表面には堆積物が存在しないため、光学素子端面の塵やCVD層などにレーザ光が当たることで発生する散乱光は少なく、レーザ光の出力低下も起きていない。
次いで、図14(b)には、コーティング膜12上に軽度の堆積層18が生じた状態が示されている。この状態では、コーティング膜12表面の軽度の堆積層18により、図14(a)の状態よりは散乱光の強度が増しているものの、レーザ光の出力はそれほど低下しておらず、堆積層18の付着・堆積度合いも比較的軽度であるため、拭き取るなどの方法で対処出来る可能性がある。
次いで、図14(c)には、コーティング膜12上に重度の堆積層19が生じた状態が示されている。この状態では、コーティング膜12表面の堆積層19は厚みを増しており、散乱光の増加とレーザ光の出力低下は一層進んでおり、劣化のスピードが(加速度的に)増している。この段階まで来ると、堆積物19の付着・堆積度合いがかなり重度になっており、場合によっては部品交換等の必要性が生じる場合もある。
図14(d)には、コーティング膜12の一部が剥離した状態が示されている。図14(c)より更にダメージが進行すると、コーティング膜12上の堆積層がレーザを吸収して温度上昇し、ついにはコーティング膜12の融点乃至昇華点に達することで光学素子端面のコーティング膜12や基板11の破壊に繋がる(符号20参照)。この段階まで至ると、部品交換を行う以外での対処はほぼ不可能となる。
図14下段のグラフには、光学素子端面より生じる散乱光の経時変化が示されている。光学素子のダメージは経時的に増加するものであるが、この増加は直線的なものではなく、初めのうちは比較的ゆっくりとダメージが進行し(図14(a)〜(b))、時間が経つにつれて徐々に加速度的にダメージが進行し(図14(b)〜(c))、ある閾値を超えると一挙にコーティング膜が破壊される(図14(c)〜(d)、グラフ中点線)。同図からも明らかなように、光学素子端面のダメージ増加と比例するように、光学素子端面付近で測定される散乱光の強度も増すことがわかった。これは、レーザ光が光学素子端面の堆積層を透過・反射する際に散乱光が生じるためであると思われる。本願発明者らはこの点に着目し、散乱光の散乱強度を検知することで光学素子のダメージの度合いを把握できる可能性に思い至った。
本願はこのような点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、散乱光を用いて固体レーザ発振器内の光学素子の端面もしくは内部に生じたダメージを検知することが可能な光学素子のダメージ検知方法を提供することにある。
本願の他の目的とするところは、光学素子のダメージが軽度なうちであっても検知可能な光学素子のダメージ検知方法を提供することにある。
本願の他の目的とするところは、検出精度の高い光学素子のダメージ検知方法を提供することにある。
本願の他の目的とするところは、散乱光を用いて固体レーザ発振器内の光学素子の端面もしくは内部に生じたダメージを検知することが可能な光学素子のダメージ検知装置を提供することにある。
本願の更に他の目的とするところは、散乱光を用いて光学素子の端面もしくは内部に生じたダメージを検知することが可能な、ダメージ検知機能を有する固体レーザ発振器を提供することにある。
本発明の他の目的並びに作用効果については、明細書の以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
上記の目的を達成するために、本願に係る光学素子のダメージ検知方法は、固体レーザ発振器内の任意の光学素子端面のダメージを検知するためのものである。
本願に係る光学素子のダメージ検知方法は、固体レーザ発振器内のダメージ検知対象である光学素子の端面からの散乱光を検知するための散乱光検知ステップと、散乱光検知ステップで検知した散乱光を信号に変換する信号変換ステップと、散乱光から変換された信号を、予め設定した設定値と比較する比較ステップと、散乱光から変換された信号が設定値を上回っていた場合に、アラーム信号を発するアラーム信号生成ステップとを有する。
ここで、散乱光の検知は、検知対象となる光学素子の一方の端面についてのみ行っても良いし、両端面について行っても良い。また、一つの固体レーザ発振器内において、複数の光学素子のダメージを検知するように構成してもよい。
ここで、「光学素子」とは、レーザ発振器に用いる各種光学部品のことであり、例えば、レーザロッド、全反射ミラー、部分透過ミラー、波長選択ミラー、波長変換素子、変調素子、スイッチング素子、偏光素子、プリズム、アッテネータ素子などが含まれる。
そして、このような構成によれば、ダメージ検知対象となる光学素子から発生する散乱光をモニタリングすることで、対象となる光学素子のダメージの度合いを把握することが可能となる。なお、本願によれば、光学素子端面のコーティング膜上の堆積物に起因する散乱光のみならず、光学素子内に生じた微細な傷や泡等に起因する散乱光もモニタすることができる。
本願の好ましい実施の形態においては、前記散乱光検知ステップは、前記散乱光を集光させるための集光ステップに次いで実行されることが望ましい。
このような構成によれば、固体レーザ発振器の至近には、散乱光の集光を行うための集光手段のみ設置すればよく、散乱光の検知を行うためのセンサ等は固体レーザ発振器からある程度距離を離して設置することが可能となる。このため、小型のレーザ発振器にも適用しやすくなり、また、散乱光を集光した上で散乱光の検知が行われるため、検知できる散乱光が多くなり、散乱光の検出感度も上昇する。
本願の好ましい実施の形態においては、前記ダメージ検知対象である光学素子が含まれる固体レーザ発振器は、発振器内に波長変換素子を含む内部波長変換方式の固体レーザ発振器であり、前記散乱光検知ステップで検知した散乱光を波長毎に分光するための分光ステップを有するものであってもよい。
このような構成によれば、内部波長変換方式の固体レーザ発振器にも適用可能となり、また、散乱光を分光して波長毎に設定値との比較を行うことにより、様々な角度から検知対象となる光学素子のダメージの度合いを推し量ることが可能となる。加えて、第2高調波レーザ光、第3高調波レーザ光等の波長の短いレーザ光が固体レーザ発振器に導入されることにより、基本波レーザ光のみを用いた場合よりも、散乱光の検出精度が向上するものである。
本願の好ましい実施の形態においては、前記ダメージ検知対象である光学素子が含まれる固体レーザ発振器は、発振器内に波長変換素子を含んでおらず、且つ、外部レーザ光源で固体レーザ発振器内のレーザ光源よりも短波長のレーザ光を導入した固体レーザ発振器であり、前記散乱光検知ステップで検知した散乱光を波長毎に分光するための分光ステップを有するものであってもよい。
このような構成によれば、外部レーザ光源を用いて波長の短いレーザ光を導入することにより、高出力用レーザ発振器などの波長変換素子を含まない固体レーザ発振器であっても、波長変換素子で高調波を導入した場合と同様に散乱光の検出精度を向上させることが可能となる。
別の一面から見た本願発明は、光学素子のダメージ検知装置として捉えることもできる。本願に係る光学素子のダメージ検知装置は、固体レーザ発振器内の任意の光学素子端面のダメージを検知するものである。
ダメージ検知装置は、固体レーザ発振器内のダメージ検知対象である光学素子の端面からの散乱光を検知するための散乱光検知手段と、散乱光検知手段で検知した散乱光を信号に変換する信号変換手段と、散乱光から変換された信号を、予め設定した設定値と比較する比較手段と、散乱光から変換された信号が設定値を上回っていた場合に、アラーム信号を発するアラーム信号生成手段とを具備する。
ここで散乱光検知手段としては、一般に知られた様々なセンサを用いることが出来るが、本願のダメージ検知装置は固体レーザ発振器の近傍に設置されることが前提であるため、ファイバセンサなどの小型のセンサが望ましい。
このような構成によれば、固体レーザ発振器の近傍に設置することで、ダメージ検知対象となる光学素子から発生する散乱光をモニタリングし、対象となる光学素子のダメージの度合いを把握することが可能なダメージ検知装置が得られる。
本願の好ましい実施の形態においては、前記散乱光検知手段に散乱光を集光させるための集光手段を具備するものであってもよい。ここで、集光手段としては、集光レンズ、屈折率分布型レンズなど、この種の固体レーザ発振器によって用いられる様々な集光手段を用いることが可能である。なお、屈折率分布型レンズとしては、セルフォック・レンズ(セルフォックは登録商標である)などが知られている。
また、本願の好ましい実施の形態においては、前記ダメージ検知対象である光学素子が含まれる固体レーザ発振器は、発振器内に波長変換素子を含む内部波長変換方式の固体レーザ発振器であり、前記散乱光検知手段で検知した散乱光を波長毎に分光するための分光手段を具備するものであってもよい。
また、本願の好ましい実施の形態においては、前記ダメージ検知対象である光学素子が含まれる固体レーザ発振器は、発振器内に波長変換素子を含んでおらず、且つ、外部レーザ光源で固体レーザ発振器内のレーザ光源よりも短波長のレーザ光を導入した固体レーザ発振器であり、前記散乱光検知手段で検知した散乱光を波長毎に分光するための分光手段を具備するものであってもよい。
更に別の一面から見た本願発明は、ダメージ検知機能を有する固体レーザ発振器として捉えることもできる。本願に係るダメージ検知機能を有する固体レーザ発振器は、固体レーザ発振器内の任意の光学素子端面のダメージを検知するためのものである。
ここで、本願のダメージ検知機能を有する固体レーザ発振器は、ダメージ検知対象である光学素子の端面からの散乱光を検知するための散乱光検知手段と、散乱光検知手段で検知した散乱光を信号に変換する信号変換手段と、散乱光から変換された信号を、予め設定した設定値と比較する比較手段と、散乱光から変換された信号が設定値を上回っていた場合に、アラーム信号を発するアラーム信号生成手段とを具備する。
このような構成によれば、光学素子から発生する散乱光をモニタリングすることで、対象となる光学素子のダメージの度合いを把握することが可能なダメージ検知機能を有する固体レーザ発振器が得られる。
本願の好ましい実施の形態においては、前記散乱光検知手段に散乱光を集光させるための集光手段を具備するものであってもよい。
また、本願の好ましい実施の形態においては、前記固体レーザ発振器は、発振器内に波長変換素子を含む内部波長変換方式の固体レーザ発振器であり、更に、前記散乱光検知手段で検知した散乱光を波長毎に分光するための分光手段を具備するものであってもよい。
また、本願の好ましい実施の形態においては、前記固体レーザ発振器は、発振器内に波長変換素子を含んでおらず、且つ、外部レーザ光源で固体レーザ発振器内のレーザ光源よりも短波長のレーザ光を導入した固体レーザ発振器であり、更に、前記散乱光検知手段で検知した散乱光を波長毎に分光するための分光手段を具備するものであってもよい。
以上述べたように、本願に係る光学素子のダメージ検知方法によれば、ダメージ検知対象となる光学素子から発生する散乱光をモニタリングすることで、対象となる光学素子のダメージの度合いを把握することが可能となる。なお、本願によれば、光学素子端面のコーティング膜上の堆積物に起因する散乱光のみならず、光学素子内に生じた微細な傷や泡等に起因する散乱光もモニタすることができる。
また、集光手段を用いれば、光学素子の至近に設置するのは集光手段のみでよく、散乱光の検知を行うためのセンサ等は固体レーザ発振器からある程度距離を離して設置することが可能となる。このため、小型のレーザ発振器にも適用しやすくなり、また、散乱光を集光した上で散乱光の検知が行われるため、検知できる散乱光が多くなり、散乱光の検出感度も上昇する。
また、本願に係る光学素子のダメージ検知方法を、内部波長変換方式の固体レーザ発振器に適用すれば、散乱光を分光して波長毎に設定値との比較を行うことにより、様々な角度から検知対象となる光学素子のダメージの度合いを推し量ることが可能となる。加えて、第2高調波レーザ光、第3高調波レーザ光等の波長の短いレーザ光が固体レーザ発振器に導入されることにより、基本波レーザ光のみを用いた場合よりも、散乱光の検出精度が向上するものである。
また、本願に係る光学素子のダメージ検知方法を、外部レーザ光源を用いて波長の短いレーザ光を導入する固体レーザ発振器に適用すれば、高出力用レーザ発振器などの波長変換素子を含まない固体レーザ発振器であっても、波長変換素子で高調波を導入した場合と同様に散乱光の検出精度を向上させることが可能となる。
本願のダメージ検知方法を適用した固体レーザ発振器の第1の実施形態を示す図である。 第1の実施形態におけるダメージ検出制御回路の一例を示す図である。 本願のダメージ検知方法を適用した固体レーザ発振器の第2の実施形態を示す図である。 本願のダメージ検知方法を適用した固体レーザ発振器の第3の実施形態を示す図である。 本願のダメージ検知方法を適用した固体レーザ発振器の第4の実施形態を示す図である。 第4の実施形態におけるダメージ検出制御回路の一例を示す図である。 本願のダメージ検知方法を適用した固体レーザ発振器の第5の実施形態を示す図である。 第5の実施形態における分光手段の一例を示す図である。 レーザ光の波長と散乱光の種類による散乱光の発生比率を示す図表である。 本願のダメージ検知方法を適用した固体レーザ発振器の第6の実施形態を示す図である。 本願のダメージ検知方法を適用した固体レーザ発振器の第7の実施形態を示す図である。 粉塵存在下における光学素子のダメージの説明図である。 有機ガス雰囲気中における光学素子のダメージの説明図である。 光学素子の劣化と散乱強度との相関性を示す図である。
以下において、この発明に係るダメージ検知方法の実施の一形態を添付図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述で限定されるものではない。
本発明のダメージ検知方法を適用した固体レーザ発振器の第1の実施形態が図1に示されている。同図において、100はレーザ発振器、101はレーザロッド、1011はレーザロッド101の一方の端面、1012はレーザロッド101のもう一方の端面、102は出力鏡、103は全反射鏡、104は光軸、105はファイバセンサである。本願においては、これら光学系に用いる全ての素子を総称して光学素子と称している。
レーザロッド101は、光源(図示せず)を用いて励起させることで端面1011,1012より材質に依存した波長のレーザ光を発するレーザ媒質であり、Nd:YAG、YAG、ルビーなどが知られている。以下においては、レーザロッド101として最も一般的とされるNd:YAGロッド(波長:1064nm)を用いた場合の例を説明する。
出力鏡102は、レーザ発振器100の外にレーザ光を取り出すためのミラーであり、外に取り出すレーザ光を透過するためのコーティング膜が表面に設けられている。この例では、レーザロッド101としてNd:YAGロッドを用いているため、出力鏡102には波長1064nmのレーザ光を透過するためのコーティング膜が設けられている。
反射鏡103は、レーザ発振器100内のレーザ光を折り返すために設けられたミラーであり、レーザ発振器100内のレーザ光を反射するためのコーティング膜が表面に設けられている。この例では、レーザロッド101としてNd:YAGロッドを用いているため、反射鏡103には波長1064nmのレーザ光を反射するためのコーティング膜が設けられている。
ファイバセンサ105は、モニタ対象となる光学素子端面の堆積層による散乱光を、後述のダメージ検出制御回路に導入するために設けられている。ファイバセンサ105は散乱光を導くことが目的であるため、mm単位の太いコア径を有するものを用いることが好ましい。散乱光自体はそれほど大きな出力ではないため、コア/クラッド構造を有する光学ガラスファイバではなく散乱光の波長を低損失で通す樹脂ファイバを用いても良い。
レーザ発振器100は、レーザロッド101、出力鏡102、反射鏡103とからなる連続共振YAGレーザであり、光軸104に沿ってレーザ光が照射される。レーザロッド101の端面1011,1012側から発生した基本波レーザ光は、反射鏡103で反射され、出力鏡102によって光学系の外に取り出される。その間、基本波レーザ光は、レーザロッド101、出力鏡102、反射鏡103で透過乃至反射され、これらの光学素子のダメージ要因となりうる。ファイバセンサ105は、レーザロッド101の両端面1011,1012に付着した堆積層からの散乱光をモニタするため、端面1011,1012の近傍に設置されている。
この例ではレーザロッド101をモニタ対象としているが、出力鏡102、超音波変調器(AOQ−SW素子)などをモニタ対象にしたり、複数の光学素子をモニタするように構成してもよい。なお、この例においては説明を簡略化するためにQスイッチは図示していないが、Nd:YAGロッドを用いた光学系においては、超音波変調器(AOQ−SW素子)を用いたQスイッチもダメージを受けやすい光学素子の一つである。
この例ではNd:YAGロッドを用いているため、レーザ光は波長1064nmの近赤外光で発振しており、モニタリングする散乱光も波長1064nmのレーザ光により発生するものとなる。付着した堆積層の物質によっては、ラマン散乱のように物質の固有の振動準位分だけシフトした波長で散乱される場合もあるので、散乱光の波長はレーザ光と完全に同一な波長に限定しているわけではない。ここでファイバセンサ105の先端部は、付着・堆積する物質の特性により、散乱光が最も強くなる角度に固定することが望ましい。また、散乱光は、通常入射された点より点光源で発散しており、極力入射される点に近づけた方が強い散乱光を受光できるため、測定対象となる端面1011,1012との距離は機構的に許せる範囲でできるだけ近づけることが好ましい。この例で散乱光検知手段としてファイバセンサ105を用いた理由もここにある。
第1の実施形態におけるダメージ検出制御回路の一例が図2に示されている。同図において、符号105は図1と同様であり、106はコリメータレンズ、107は光センサ、108はアンプ、120はダメージ検出制御回路、121は基準電圧、122は加算器、123は減算器、124は加算基準電圧、125は減算基準電圧、126はダメージ検出制御器である。光センサ107としては、フォトダイオード等を用いることができる。なお、この例ではレーザロッド101としてNd:YAGロッドを用いているため、光センサ107、アンプ108についても波長1064nmのNd:YAGレーザ光を処理するのに適した構成のものを採用している。この例では、レーザロッド101の両端面1011,1012の散乱光はファイバセンサ105a,105bで取り込まれ、それぞれ別々の検出系で検知するように構成されている。
レーザ発振器100よりファイバセンサ105aで導入された微弱な散乱光は、先ずコリメータレンズ106aで平行にされ、光センサ107aにて検知され、アンプ108aで増幅された後にダメージ検出制御回路120へと送られる。
この例では、ダメージ検出制御回路120には、
1.散乱光の強度が設定値を超えた場合にアラーム信号を出すように、コンパレータで設定値と比較する回路
2.レーザロッド101の両端面の散乱光信号を加算して、設定値より高い場合にアラーム信号を出すようにコンパレータで設定値と比較する回路
3.レーザロッド101の両端面の散乱光信号を減算して、設定値より高い場合にアラーム信号を出すようにコンパレータで設定値と比較する回路
の3つが含まれている。アラーム信号を警報機や支援装置などに送ることで、モニタ対象となっている光学素子のダメージの経時変化を適切に把握し、散乱光が所定のレベルを超えた場合には即座に警告を発することができる。
他にも、レーザロッド101の一方の端面の散乱光が他方の端面の散乱光よりも20%以上大きくなった場合にアラーム信号を出すよう制御する、などの構成も考えられる。この場合は、乗算回路の出力が>1.2、または<0.8となったときにアラーム信号が出るように回路を構成すればよい。
なお、光センサ107からの信号が非常に小さい場合には、レーザ光を適当な方法でパルス化してアンプ108の代わりにロックインアンプ(位相検波器)を用いることで、高精度の測定と制御が可能になる。ラマン散乱のように非常に小さな散乱光を捉える場合には、微弱な散乱信号を時間的に蓄積させて信号強度を上げるボックスカーインテグレータを適用することも有効な手段である。
次に、本願のダメージ検知方法を適用した固体レーザ発振器の第2の実施形態が図3に示されている。同図において、109は集光レンズであり、その他の符号は図1,2と同様である。ここで、集光レンズ109としては、ファイバセンサ105の開口数に見合った径の集光レンズの中で、できるだけ大きなFナンバ(=焦点距離/入射瞳径=1/2NA)のものを選ぶことが望ましい。
第2の実施形態は、第1の実施形態においてファイバセンサ105の入射部に集光レンズを配置したものである。図1の構成では、第1の実施例においては、微弱な散乱光を少しでも確実に受光するために、ファイバセンサ105をレーザロッド101の端面1011,1012至近に設置することが必要となるが、図3の例では集光レンズ109を用いることでファイバセンサ105自体を端面1011,1012の至近に設置した場合と同様の検出能を確保することが可能となる。これは、集光レンズ109を用いることで、レーザロッド101の端面1011,1012の光軸上から大きな立体角で発散する光を集光レンズ109の口径の大きさの分だけ取り込めるからであり、ファイバセンサ105の先端を近づけにくい小型の光学素子の場合には特に有効である。なお、第2の実施形態については、集光レンズ109を用いてファイバセンサ105に集光する点以外は第1の実施形態と同様の構成である。
次に、本願のダメージ検知方法を適用した固体レーザ発振器の第3の実施形態が図4に示されている。同図において、110は屈折率分布型レンズあり、その他の符号は図1〜3と同様である。
第3の実施形態は、第2の実施形態で使用した集光レンズ109を屈折率分布型レンズ110に置き換えたものである。屈折率分布型レンズ110を用いてファイバセンサ105に集光することにより、散乱光の入射角による伝播速度の変化が抑えられ、散乱光の経時変化がより正確に捉えられ、更に、狭いスペースでも効率よくファイバセンサ105に散乱光を集光することが可能となる。
φ5mm程度の屈折率分布型レンズ110で、φ1mmのファイバセンサ105に集光させることにより、φ1mmのファイバセンサ105のみを用いた場合と比べて約25倍の散乱光を取りむことが可能となる。加えて、屈折率分布型レンズ110自体のサイズが小さく測定対象となる光学素子の端面に近づけることが容易であるため、小型の発振器などに適用しやすく、集光レンズ109を用いた第2の実施形態よりも更に高感度の検出が可能となる。なお、第3の実施形態についても、屈折率分布型レンズ110を用いてファイバセンサ105に集光する点以外は第1の実施形態と同様である。
次に、本願のダメージ検知方法を適用した固体レーザ発振器の第4の実施形態が図5に示されている。同図において、104aは基本波レーザ光(波長1064nm)の光路、104bは第2高調波レーザ光(波長532nm)の光路、111は第2高調波用波長変換素子であり、その他の符号は図1〜4と同様である。波長変換素子としては、KTP結晶、LBO結晶、BBO結晶などが知られている。第2高調波レーザ光は基本波レーザ光が第2高調波用波長変換素子を透過することで基本波レーザ光の一部が変調して発生する基本となるレーザ光の1/2の波長を持つレーザ光であり、Nd:YAGレーザの第2高調波レーザ光は波長532nmのレーザ光である。なお、この例では、レーザ発振器100の外に取り出すレーザ光としては波長532nmの第2高調波レーザ光を想定しているため、反射鏡102には基本波レーザ光を反射するコーティング膜と、第2高調波レーザ光を透過するコーティング膜とが設けられている。また、反射鏡103については、基本波レーザ光と第2高調波レーザ光の双方を反射するコーティング膜が設けられている。
なお、この第4の実施形態においてもこれまでの例と同様にレーザロッド101の端面1011,1012における散乱光モニタの例を挙げるが、実際にこのような構成のレーザ発振器を運用した際には、第2高調波用波長変換素子111の方がレーザロッド101よりもダメージしきい値が低く、モニタの必要性がより高い。また、内部共振器型SHG−Nd:YAGレーザ発振器においては、超音波Qスイッチ素子を用いたQスイッチ発振を行うのが一般的であるが、この例においては説明を簡略化するためQスイッチを含まない構成で説明を行う。
図5の例では、レーザロッド101から発生した基本波レーザ光は、出力鏡102と反射鏡103との間で光軸104aに沿って共振する。一方、第2高調波レーザ光は、光軸104bに沿って反射鏡103で反射され、出力鏡102によって光学系の外に取り出される。この光学系において、基本波レーザ光及び第2高調波レーザ光は、レーザロッド101、出力鏡102、反射鏡103、第2高調波用波長変換素子111で透過乃至反射され、これらの光学素子にダメージを与えることとなる。
図5の例においては、レーザ発振器100内に基本波レーザ光と第2高調波レーザ光という2つの異なる波長を有するレーザ光が存在し、この2種のレーザ光がレーザロッド101を透過することとなる。このためこの例では、Nd:YAGレーザの基本波レーザ光由来の波長1064nmの散乱光の他に、Nd:YAGレーザの第2高調波レーザ光由来の波長532nmの散乱光も発生することとなる。
次いで、第4の実施形態におけるダメージ検出制御回路の一例が図6に示されている。同図において、112はダイクロイックミラーであり、その他の符号は図1〜5と同様である。ここで、ダイクロイックミラーとは、特定の波長の光を反射し、その他の波長の光を透過することでレーザ光を分光するミラーであり、この例ではダイクロイックミラー112によって波長532nmの第2高調波レーザ光を選択的に反射し、その他の波長のレーザ光(波長1064nmの基本波レーザ光)を透過するよう構成されている。
集光レンズ109aによって集光された散乱光は、ファイバセンサ105a,コリメータレンズ106aを介してダイクロイックミラー112に導入され、波長毎に分光される。ここで、基本波レーザ光由来の波長1064nmの散乱光はダイクロイックミラー112を透過して光センサ107cに投光され、アンプ108cで増幅された後にダメージ検出制御回路120に送られる。一方、第2高調波レーザ光由来の波長532nmの散乱光は、ダイクロイックミラー112で反射されて光センサ107dに投光され、アンプ108dで増幅された後にダメージ検出制御回路120に送られる。
この例では、ダメージ検出制御回路120には、
1.基本波レーザ光(1064nm)と第2高調波レーザ光(532nm)のいずれか一方もしくは両方が設定値を超えた場合にアラーム信号を出すように、コンパレータで設定値と比較する回路
2.基本波レーザ光(1064nm)と第2高調波レーザ光(532nm)とを加算した値が設定値を超えた場合にアラーム信号を出すように、コンパレータで設定値と比較する回路
3.基本波レーザ光(1064nm)と第2高調波レーザ光(532nm)とを減算した値が設定値を超えた場合にアラーム信号を出すように、コンパレータで設定値と比較する回路
の3つが含まれている。アラーム信号を警報機や支援装置(図示せず)などに送ることで、モニタ対象となっている光学素子のダメージの経時変化を適切に把握し、散乱光が所定のレベルを超えた場合には即座に警告を発することができる。
この実施形態においても、乗算回路や各種信号の論理積、論理和などを採用してアラーム信号とすることも可能であり、受光した散乱光の特性によっては、これらの回路を採用することでより確実に光学素子のダメージを把握できる可能性もある。
この例では、散乱光を波長毎に分けて処理を行うことにより、散乱光の各波長毎の経時変化も観察することができ、より詳細なデータを蓄積することが可能となる。なお、ここでは端面1011における散乱光のモニタについて説明したが、端面1012側でのモニタリングも同様に行われる。
なお、図5ではレーザ発振器100として第2高調波用波長変換素子111を有する内部共振器型SHG−Nd:YAGレーザを採用した場合の例を説明したが、本願のダメージ検知方法は、折り返し型(Fold型)内部共振器型SHG−Nd:YAGレーザ発振器にも同様に適用可能である。
ここで、レーザ光の波長による散乱の種類の違いと、それによる検出感度の違いについて説明する。先にも述べたように光の回折・散乱は、光学素子の端面に塵やCVD層などが堆積し、それらにレーザ光が当たることで発生するものである。光の散乱は、用いる光の波長と光がぶつかる粒子の大きさの関係によって3種類の散乱に分類することができ、粒子の径が光の波長よりも遙かに小さい場合にはレイリー散乱、粒子の径が光の波長と同程度である場合にミー散乱、粒子の径が光の波長よりも大きい場合には回折散乱もしくはブルリアン散乱が発生する。
例えば、レーザロッドとしてNd:YAGロッドを用いた場合には、基本レーザ光の波長は1.064μm(1064nm)である。光の波長が1μm程度である場合には、光学素子に付着する塵は1〜100μm程度の範囲のものがほとんどであり、レーザ光の波長と塵の径との関係からミー散乱乃至ブルリアン散乱が支配的となり、全ての波長のレーザ光が反射される。とは言っても、Nd:YAGレーザは通常1.064μmの単波長で発振するものであるから、そのまま約1μm(具体的には1.064μm)の光として散乱されるのみである。
一方、ミー散乱以上の波長領域では、散乱(一次回折)光の角度は90°〜0°まで広い範囲で存在し、光学素子端面のレーザ光軸上から点光源のように発散する。このため、ミー散乱が発生する場合にはセンサの設置はモニタ対象となる光学素子端面の近辺でよく、設置場所の位置や配置に厳しい調整は不要である。
第4の実施形態を例にして説明すると、波長532nmのグリーン光が含まれていることにより散乱光自体の出力が大きくなり、波長1064nmである近赤外光のみを用いた場合と比較して数十倍の高感度で散乱光の測定を行うことができ、検出感度を高くできるという利点がある。
また、光学素子の端面に付着した粒子が0.1μm(100nm)近く(波長の1/10程度)で顕著になるレイリー散乱の散乱係数Kは波長の4乗に反比例するため、青や緑などの波長の短い光を用いた場合の方が散乱光の強度が高くなる傾向にあり、赤などの波長の長い光を用いた場合よりも、青などの波長の短い光を用いた場合の方がより多く散乱される。従って、特に532nmの散乱光については、0.1μm程度の塵が付着しても、散乱光は1064nmの16倍大きくなり、しかもグリーン光の検出感度が約10倍大きくなるため、合わせると約160倍大きな信号として捉えることができ、0.1μm程度の微細な付着物でも検出感知しやすくなる。
その結果として、第4の実施形態では、第1の実施形態と同様に集光光学系(集光レンズ109、屈折率分布型レンズ110など)を用いない構成であっても、ファイバセンサ105のみで高感度に散乱光を拾うことが可能となり、ダメージ検知用のシステムの小型化が容易となるものである。
レーザ光の波長と散乱の種類とによる散乱光発生の比率が図9に示されている。ここで、A〜Fは各波長毎の散乱強度をセンサで測定した実測値であり、これらの数値を用いて以下のように計算することで各波長に対するφ100nm程度のレイリー散乱領域と、φ1μm以上の領域の割合の相対的な比率が推定できる。Kの値を実験で予め求めておけば、具体的な絶対値も推定可能である。

R1A/(1−R1)D=1/0.03K
∴R1=(33.3D/A)/K

R2B/(1−R2)E=160/0.3K
∴R2=(3.3E/B)/K

R3C/(1−R3)F=405/0.15K
∴R3=(6.7F/C)/K
次に、本願のダメージ検知方法を適用した固体レーザ発振器の第5の実施形態が図7に示されている。同図において、104cは第3高調波レーザ光(波長355nm)の光軸、113は第3高調波用波長変換素子であり、その他の符号は図1〜6と同様である。第3高調波レーザ光は、第2高調波用波長変換素子に加えて、第3高調波用波長変換素子を光学系に加えることで基本波レーザ光と第2高調波レーザ光との和周波として発生する基本波レーザ光の1/3の波長を持つレーザ光であり、Nd:YAGレーザの第3高調波レーザ光は波長355nmのレーザ光である。なお、この例では、レーザ発振器100の外に取り出すレーザ光として第3高調波レーザ光を想定しているため、反射鏡102には基本波レーザ光と第2高調波レーザ光を反射するコーティング膜と、第3高調波レーザ光を透過するコーティング膜とが設けられている。また、反射鏡103については、基本波レーザ光と第2高調波レーザ光と第3高調波レーザ光の全てを反射するコーティング膜が設けられている。
なお、第4の実施形態の場合と同様に、第5の実施形態のレーザ発振器を実際に稼働させた場合にも、第2高調波用波長変換素子111や第3高調波用波長変換素子113の方がレーザロッド101よりもダメージしきい値が低く、モニタの必要性がより高い。また、内部共振器型THG−Nd:YAGレーザ発振器においては、超音波Qスイッチ素子を用いたQスイッチ発振を行うのが一般的であるが、この例においては説明を簡略化するためQスイッチを含まない構成で説明を行う。
図7の例では、基本波レーザ光と第2高調波レーザ光は、出力鏡102と反射鏡103との間で光軸104a,104bに沿って共振する。また、第3高調波レーザ光は、光軸104cに沿って反射鏡103で反射され、出力鏡102によって光学系の外に取り出される。このレーザ発振器100において、基本波レーザ光、第2高調波レーザ光、及び第3高調波レーザ光は、レーザロッド101、出力鏡102、反射鏡103、第2高調波用波長変換素子111、第3高調波用波長変換素子113で透過乃至反射され、これらの光学素子にダメージを与えることとなる。特に、第2高調波用波長変換素子111、及び第3高調波用波長変換素子113はダメージを受けやすく、他の光学素子よりも傷みやすい。
ここで、レーザ発振器100内には基本波レーザ光と第2高調波レーザ光と第3高調波レーザ光という3つの異なる波長を有するレーザ光が存在し、この3種のレーザ光がレーザロッド101を透過することとなる。このためこの例では、Nd:YAGレーザの基本波レーザ光由来の波長1064nmの散乱光の他に、Nd:YAGレーザの第2高調波レーザ光由来の波長532nmの散乱光、Nd:YAGレーザの第3高調波レーザ光由来の波長355nmの散乱光も発生することとなる。
次いで、第5の実施形態における分光手段の一例が図8に示されている。同図において、107cは波長1064nmの光用の光センサ、107dは波長532nmの光用の光センサ、107eは波長355nmの光用の光センサ、108cは波長1064nmの光用のアンプ、108dは波長532nmの光用のアンプ、108eは波長355nmの光用のアンプ、112aは波長355nmの光のみを反射するダイクロイックミラー、112bは波長532nmの光のみを反射するダイクロイックミラーであり、その他の符号は図1〜7と同様である。ここで、ダイクロイックミラー112aは波長355nmの光を選択的に反射し、その他の波長の光(波長532nm、1064nm)は透過する。また、ダイクロイックミラー112bは波長532nmの光を選択的に反射し、その他の波長の光(波長1064nm)は透過する。
レーザロッド101の端面1011から発生した、1064nm、532nm、355nmの3波長混合の散乱光は、集光レンズ109aで集光されてファイバセンサ105a,コリメータレンズ106aを介してダイクロイックミラー112a,112bに導入され、波長毎に分光される。ここで、波長355nmである第3高調波由来の散乱光は、ダイクロイックミラー112aで反射されて光センサ107eに投光され、アンプ108eで増幅された後にダメージ検出制御回路(図示せず)に送られる。一方、ダイクロイックミラー112aを透過した散乱光はダイクロイックミラー112bで更に分光され、第2高調波レーザ光由来の波長532nmの散乱光は、ダイクロイックミラー112bで反射されて光センサ107dに投光され、アンプ108dで増幅された後にダメージ検出制御回路に送られる。また、基本波レーザ光由来の波長1064nmの散乱光は、ダイクロイックミラー112bを透過して光センサ107cに投光され、アンプ108cで増幅された後にダメージ検出制御回路に送られる。ダメージ検出制御回路では、加算回路、減算回路、乗算回路などによって設定値と比較され、設定値を超えた場合にはアラーム信号が出力され、警報機や支援装置など(図示せず)に送られ、警報処理などが行われる。また、散乱光を波長毎に分けて処理したことにより、散乱光の各波長毎の経時変化も観察することができ、より活用の幅が拡がるものと思われる。
この例では、散乱光を波長毎に分けて処理を行うことにより、散乱光の各波長毎の経時変化も観察することができ、より詳細なデータを蓄積することが可能となる。なお、ここでは端面1011における散乱光のモニタについて説明したが、端面1012側でのモニタリングも同様に行われる。
この例においては、第4の実施形態で用いた第2高調波レーザ光よりも更に波長の短い第3高調波レーザ光が含まれているため、小さい粒子に対する検出感度が第4の実施形態よりも更に向上する。具体的には、波長355nmである第3高調波レーザ光を用いた場合には、レイリー散乱による散乱光は基本波レーザ光のみを用いた場合の約81倍の散乱強度となり、また、波長1064nmの基本波レーザ光に対する検出感度も5倍程度大きくなるため、第1の実施形態と比べると約400倍の検出感度となる。このため、第2高調波レーザ光を用いたときよりも、更に高い感度で100nmクラスの微細な塵を検知することができ、塵等の焼き付きが光学素子にとって大きなダメージとなる前に光学素子の清掃を行うなどして原因を除去できる可能性も高くなり、メンテナンス上非常に有用である。
また、高精度なセンサ検出感度のデータを得ることができれば、各波長の散乱信号の比を用いて光学素子表面に付着している粒子の径の比率などのデータも得ることができるため、より詳細なダメージ発生要因データとして利用できる可能性がある。これにより、単なるダメージ予防の為の警告のみではなく、付着する有機膜或いは塵、傷等の特性に応じた複数の波長の散乱光データを用いた詳細分析が可能となるものと思われる。
次に、本願のダメージ検知方法を適用した固体レーザ発振器の第6の実施形態が図10に示されている。同図において、114は反射ミラー、115は反射ミラー、116は外部レーザ光源であり、その他の符号は図1〜9と同様である。外部レーザ光源116としては、例えばHe−Neレーザ(波長632.8nm)などを用いることができるがこれに限定するものではなく、その他使用に適した様々なレーザ光源を使用可能である。例えば、He−Neレーザ(波長632.8nm)と同様に赤色レーザ光を発する赤色レーザダイオード(650nm前後)等を用いてもよい。赤色レーザダイオード光は小型で安価であるという利点を有するのみならず、パルス化が電気的にできるため使いやすいという利点もある。
図10の例では、レーザロッド101から発生した基本波レーザ光は、光軸104aに沿って、反射鏡103で反射され、出力鏡102によってレーザ発振器100の外に取り出される。また、レーザロッド101の端面1011,1012の散乱光を走査するための外部レーザ光源116のレーザ光は光軸104dに沿って照射され、レーザ発振器100の外部より反射鏡103を透過させることでレーザ発振器100に導入されている。
ここで、検出感度を上げるための手段として、外部レーザ光源116からのレーザ光をチョッパなどの適当な手段を用いてパルス化して位相検波するといったことも考えられる。また、外部レーザ光源116からのレーザ光のビームだけを散乱光のモニタリング光として使用しても良いし、他の実施形態と同様にNd:YAGレーザの基本波レーザ光(1064nm)を用いた2波長での検知を行ってもよい。He−Neレーザ光は、Nd:YAG基本波レーザ光よりも波長の短い可視光レーザ光であるため、Nd:YAG基本波レーザ光のみを用いた場合と比較して散乱強度が上昇し、その結果として光センサの検出感度も高くなる。また、100nm(0.1μm)程度の微小粒子の検知を行う場合のレイリー散乱も大きくできるという利点もある。
第6実施形態の例は、溶接などに用いる大出力レーザにおいて散乱光の検出感度を上げることを目的とした提案である。大出力レーザの場合は波長変換素子などで波長変換を行ったりしないため、レーザ発振器100で発振される第2高調波レーザ光や第3高調波レーザ光を用いて検出感度を上げるということはできない。そこで、外部レーザ光源116を用いて外部より波長の短いレーザ光を導入することにより、第2高調波レーザ光や第3高調波レーザ光を用いた場合と同様に、波長の短いレーザ光の使用による検出感度を常勝させることが可能となる。
次に、本願のダメージ検知方法を適用した固体レーザ発振器の第7の実施形態が図11に示されている。同図において、117は反射ミラー、118は外部レーザ光源であり、その他の符号は図1〜10と同様である。この例では、外部レーザ光源118としてHe−Neレーザ(波長543.5nm)などを用いた場合の例を説明するが、黄色のHe−Neレーザ光(波長594.1nm)、橙色のHe−Neレーザ光(波長611.9nm)などを用いても良い。
この例では、レーザロッド101から発生した基本波レーザ光は、光軸104aに沿って、反射鏡103で反射され、出力鏡102によってレーザ発振器100の外に取り出される。また、レーザロッド101の端面1011,1012の散乱光を走査するための外部レーザ光源116,118のレーザ光は、それぞれ光軸104d,104eに沿って照射され、レーザ発振器100の外部より反射鏡103を透過させることでレーザ発振器100に導入されている。
第7の実施形態では、赤色He−Neレーザ光(632.8nm)を発生させる外部レーザ光源116に加えて、緑色He−Neレーザ光(543.5nm)を発生させる外部レーザ光源118を追加し、外部から2波長の走査光を導入する構成となっている。第4の実施形態において波長532nmのNd:YAGレーザ第2高調波レーザ光を用いた場合の例を挙げ、グリーン光を使用することの利点についても述べたが、波長変換素子により短波長のレーザ光を得る以外に、この例のように外部からグリーン光を導入してグリーン光由来の散乱光による検出を行うように構成してもよい。
このように、異なる波長を有する走査レーザ光を共振器外部から導入することにより、内部共振型の波長変換レーザでない場合でも、可視光、紫外光領域のレーザ光を用いた検出感度の高いモニタリングが容易に行える。
以上述べたように、本願発明によれば、ダメージ検知対象となる光学素子から発生する散乱光をモニタリングすることで、対象となる光学素子のダメージの度合いを把握することが可能となる。なお、本願によれば、光学素子端面のコーティング膜上の堆積物に起因する散乱光のみならず、光学素子内に生じた微細な傷や泡等に起因する散乱光もモニタすることができる。
加えて、散乱光を集光するための集光手段を用いれば、光学素子の至近に設置するのは集光手段のみでよく、散乱光の検知を行うためのセンサ等は固体レーザ発振器からある程度距離を離して設置することが可能となる。このため、小型のレーザ発振器にも適用しやすくなり、また、散乱光を集光した上で散乱光の検知が行われるため、検知できる散乱光が多くなり、散乱光の検出感度も上昇する。
また、本願発明を内部波長変換方式の固体レーザ発振器に適用すれば、散乱光を分光して波長毎に設定値との比較を行うことにより、様々な角度から検知対象となる光学素子のダメージの度合いを推し量ることが可能となる。加えて、第2高調波レーザ光、第3高調波レーザ光等の波長の短いレーザ光が固体レーザ発振器に導入されることにより、基本波レーザ光のみを用いた場合よりも、散乱光の検出精度が向上するものである。
また、本願発明を外部レーザ光源を用いて波長の短いレーザ光を導入する固体レーザ発振器に適用すれば、高出力用レーザ発振器などの波長変換素子を含まない固体レーザ発振器であっても、波長変換素子で高調波を導入した場合と同様に散乱光の検出精度を向上させることが可能となる。
従って、本願発明に係る光学素子のダメージ検知方法、もしくは光学素子のダメージ検知装置、もしくは光学素子のダメージ検知機能を有する固体レーザ発振器を採用することで、光学素子のダメージが軽微なうちでも検知することが可能となり、光学素子に重度のダメージが生じる前に付着物の拭き取りなどの処置を行うことができ、光学素子の破損による予定外のライン停止などが起こりにくくなる。
加えて、光学素子に生じたダメージの度合いを高精度に把握できるため、そのダメージが現時点では特に対処する必要がなく、次の定期点検まで対処せずとも特に問題のない程度の軽微なものであるか、すぐに対処する必要がある重度のダメージであるかということも把握することが可能となる。
また、光学素子に生じるダメージを常に把握できるため、場合によっては定期点検等を廃止して、散乱光の値が所定の設定値を超えた場合のみにメンテナンスを行う、というような適用も考えられる。
11 (光学素子の)基板
12 コーティング膜
13 レーザ光
14 粉塵層
15 粉塵(ダスト)
16 CVD層
17 有機ガス分子
18 堆積層(軽度)
19 堆積層(重度)
20 (コーティング膜の)破壊箇所
100 レーザ発振器
101 レーザロッド
1011 レーザロッド101の端面
1012 レーザロッド101の端面
102 出力鏡
103 全反射鏡
104 光軸
104a 基本波レーザ光(波長1064nm)の光軸
104b 第2高調波レーザ光(波長532nm)の光軸
104c 第3高調波レーザ光(波長355nm)の光軸
104d 赤色He−Neレーザ光(波長632.8nm)の光軸
104e 緑色He−Neレーザ光(波長543.5nm)の光軸
105 ファイバセンサ
106 コリメータレンズ
107 光センサ
108 アンプ
109 集光レンズ
110 屈折率分布型レンズ
111 第2高調波用波長変換素子
112 ダイクロイックミラー
113 第3高調波用波長変換素子
114 反射ミラー
115 反射ミラー
116 外部レーザ光源
117 反射ミラー
118 外部レーザ光源
120 ダメージ検出制御回路
121 基準電圧
122 加算器
123 減算器
124 加算基準電圧
125 減算基準電圧
126 ダメージ検出制御器

Claims (12)

  1. 固体レーザ発振器内の任意の光学素子端面のダメージを検知する光学素子のダメージ検知方法であって、
    前記固体レーザ発振器内のダメージ検知対象である光学素子の端面からの散乱光を検知するための散乱光検知ステップと、
    前記散乱光検知ステップで検知した散乱光を信号に変換する信号変換ステップと、
    前記散乱光から変換された信号を、予め設定した設定値と比較する比較ステップと、
    前記散乱光から変換された信号が設定値を上回っていた場合に、アラーム信号を発するアラーム信号生成ステップと、
    を有することを特徴とする、光学素子のダメージ検知方法。
  2. 前記散乱光検知ステップは、前記散乱光を集光させるための集光ステップに次いで実行される、ことを特徴とする請求項1に記載の光学素子のダメージ検知方法。
  3. 前記ダメージ検知対象である光学素子が含まれる固体レーザ発振器は、発振器内に波長変換素子を含む内部波長変換方式の固体レーザ発振器であり、
    前記散乱光検知ステップで検知した散乱光を波長毎に分光するための分光ステップを有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光学素子のダメージ検知方法。
  4. 前記ダメージ検知対象である光学素子が含まれる固体レーザ発振器は、発振器内に波長変換素子を含んでおらず、且つ、外部レーザ光源で固体レーザ発振器内のレーザ光源よりも短波長のレーザ光を導入した固体レーザ発振器であり、
    前記散乱光検知ステップで検知した散乱光を波長毎に分光するための分光ステップを有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光学素子のダメージ検知方法。
  5. 固体レーザ発振器内の任意の光学素子端面のダメージを検知する光学素子のダメージ検知装置であって、
    前記ダメージ検知装置は、
    前記固体レーザ発振器内のダメージ検知対象である光学素子の端面からの散乱光を検知するための散乱光検知手段と、
    前記散乱光検知手段で検知した散乱光を信号に変換する信号変換手段と、
    前記散乱光から変換された信号を、予め設定した設定値と比較する比較手段と、
    前記散乱光から変換された信号が設定値を上回っていた場合に、アラーム信号を発するアラーム信号生成手段と、
    を具備することを特徴とする、光学素子のダメージ検知装置。
  6. 前記散乱光検知手段に散乱光を集光させるための集光手段を具備する、ことを特徴とする請求項5に記載の光学素子のダメージ検知装置。
  7. 前記ダメージ検知対象である光学素子が含まれる固体レーザ発振器は、発振器内に波長変換素子を含む内部波長変換方式の固体レーザ発振器であり、
    前記散乱光検知手段で検知した散乱光を波長毎に分光するための分光手段を具備する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の光学素子のダメージ検知装置。
  8. 前記ダメージ検知対象である光学素子が含まれる固体レーザ発振器は、発振器内に波長変換素子を含んでおらず、且つ、外部レーザ光源で固体レーザ発振器内のレーザ光源よりも短波長のレーザ光を導入した固体レーザ発振器であり、
    前記散乱光検知手段で検知した散乱光を波長毎に分光するための分光手段を具備する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の光学素子のダメージ検知装置。
  9. 固体レーザ発振器内の任意の光学素子端面のダメージを検知するダメージ検知機能を有する固体レーザ発振器であって、
    前記ダメージ検知対象である光学素子の端面からの散乱光を検知するための散乱光検知手段と、
    前記散乱光検知手段で検知した散乱光を信号に変換する信号変換手段と、
    前記散乱光から変換された信号を、予め設定した設定値と比較する比較手段と、
    前記散乱光から変換された信号が設定値を上回っていた場合に、アラーム信号を発するアラーム信号生成手段と、
    を具備することを特徴とする、ダメージ検知機能を有する固体レーザ発振器。
  10. 前記散乱光検知手段に散乱光を集光させるための集光手段を具備する、ことを特徴とする請求項9に記載のダメージ検知機能を有する固体レーザ発振器。
  11. 前記固体レーザ発振器は、発振器内に波長変換素子を含む内部波長変換方式の固体レーザ発振器であり、更に、
    前記散乱光検知手段で検知した散乱光を波長毎に分光するための分光手段を具備する、
    ことを特徴とする請求項9に記載のダメージ検知機能を有する固体レーザ発振器。
  12. 前記固体レーザ発振器は、発振器内に波長変換素子を含んでおらず、且つ、外部レーザ光源で固体レーザ発振器内のレーザ光源よりも短波長のレーザ光を導入した固体レーザ発振器であり、更に、
    前記散乱光検知手段で検知した散乱光を波長毎に分光するための分光手段を具備する、
    ことを特徴とする請求項9に記載のダメージ検知機能を有する固体レーザ発振器。
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