JP2006084392A - レーザ超音波を利用したオンライン結晶粒径測定装置及び測定方法 - Google Patents

レーザ超音波を利用したオンライン結晶粒径測定装置及び測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 鋼板の生産ラインにおいて、レーザ超音波法を応用して鋼板の結晶粒径をオンラインで測定することができる装置及び方法を提供する。
【解決手段】 パルス発光レーザと超音波測定用レーザと光ファイバ33と光ファイバ41;パルス発光レーザの光ビームを測定対象物の表面に照射して超音波を発生させ、該超音波の発生位置と同一位置に光ファイバ33によって伝送された超音波測定用レーザの光ビームを照射し、該超音波の反射超音波によって反射された散乱光を捕集して光ファイバ41に入射させる光学ヘッド70;光ファイバ41によって伝送された前記散乱光の強度変化を検出して反射超音波の強度を測定する、共焦点ファブリー・ペロー干渉計や高速シャッターを具備した超音波安定測定部;および超音波安定測定部の電気的出力信号から結晶粒径を算出する信号処理部で構成されるオンライン結晶粒径測定装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、製鉄所において生産する各種鋼板の生産ラインにおいて、パルス型レーザを利用して鋼板に超音波を発生させ、鋼板の内部を伝播した上記超音波をレーザ干渉計(共焦点ファブリー・ペロー干渉計)を利用して測定し超音波の減衰係数を計算し、この減衰係数を利用して鋼板の結晶粒径を測定することができる装置及び方法を提供することにより、製鉄所において生産する各種鋼板の生産ラインにおける非接触式オンライン結晶粒径測定を可能にし、熱間圧延中の鋼板の結晶粒径の制御を容易にするオンライン結晶粒径測定装置及び方法に関するものである。
金属や複合材料などの機械的な特性や微細組織には、通常、超音波検査を利用する。このような超音波検査は、測定対象内における超音波の伝播特性を利用して機械的特性や微細組織を把握するものであり、基本的に非破壊的な検査方法であることから、多様な分野において非常に広範囲に使用されている。超音波検査においては、通常、圧電探触子やEMAT(電磁超音波探触子)が利用されてきた。この中で、圧電探触子は、測定対象と変換器の間に超音波の伝達媒質が必要であり、高温下においてその機能が低下するという短所を有している。そして、EMATは、通常、数mm程度まで測定対象に近接して使用しなければならないという短所を有している。このような短所のために、上記のような装置を利用する従来の超音波検査は、生産ライン、特に熱間圧延工程のような劣悪な環境下においてオンライン適用することは不可能であった。これに反して、パルス型レーザを利用して超音波を発生させ、測定対象の内部を伝播した上記超音波をレーザ干渉計を利用して測定する方法(以下、レーザ超音波法)は、基本的に非接触式方法であることから、高温の測定対象の超音波探傷が可能であり、生産ラインにおけるオンライン適用も容易であるという長所を有している。
一般的に産業現場の生産ラインは、実験室の環境に比べて非常に劣悪である。従って、上記のようなレーザ超音波法は、原理的には生産ラインにおけるオンライン適用に適合してはいるものの、産業現場の環境的要素のために、一般的には測定装置の産業的適用は容易ではない。例えば、生産ラインの圧延工程において、鋼板は、一般的に圧延の初期においては、厚く、圧延が進行すると、その厚さが減少するため、多様な厚さの鋼板において超音波測定を容易なものにしなければならない。従って、実験室的なテストの場合に比べ、高強度の超音波を発生させなければならない。本特許の内容のように、レーザパルスビームを利用して超音波を発生させる場合には、レーザパルスビームによる測定対象表面の熱弾性効果やアブレーション(溶発)によって超音波が発生する(例えば、非特許文献1参照。)。この中で、測定対象表面のアブレーションは、レーザパルスビームの強度が大きい場合に発生する。この場合には、表面物質がイオン化及び気化して試片表面に対して垂直の方向に飛び出し、これにより、試片表面に反動力が作用して、この反動力によって超音波が発生する。このようにアブレーションによって発生した超音波は、一般的に、その強度が熱弾性効果によって発生した超音波に比べて大きく、レーザパルスが入射した測定対象表面に垂直の方向に伝播する超音波(縦波)を効率的に発生させる。
生産ラインにおいて圧延中の鋼板は、一般的に上下面が互いに平行である。従って、超音波が測定対象の内部を伝播する際に結晶粒の境界面において発生する散乱による超音波の減衰を利用して減衰係数から結晶粒径を求める方法において、超音波の発生と検出を測定対象物の同一表面において行う場合には、測定対象表面に対して垂直に伝播する超音波を発生させ、測定対象表面の反対面において反射した超音波を超音波が発生した地点と同一の地点において測定するのが最も効率的である。すなわち、測定対象表面に対して一定の角度を有して伝播する超音波を利用した場合には、測定対象表面の反対面において超音波が反射した際にモード変換による超音波強度の損失が発生し、また超音波の発生地点と測定地点が異なって、超音波減衰係数の導出に必要な超音波の伝播経路及び伝播距離の計算が非常に複雑になるためである。
上記のような技術的な理由から、生産ラインにおいてオンラインで結晶粒径を測定する場合には、アブレーション効果による超音波の発生が必要である。しかしながら、このようなアブレーション効果による超音波の発生時には、超音波の発生位置においてレーザ光の波長の光を放出するプラズマ(plasma)の発生が伴っている。そして、このようにプラズマから放出された光は、超音波測定用のレーザ干渉計に進入し、超音波測定の大きな障害要因として作用することになる。
生産ラインでのオンライン結晶粒径測定における更に別の障害要因は、リアルタイム信号処理による迅速な結晶粒径の算出である。即ち、測定対象の内部を伝播する超音波は、結晶粒による散乱、測定対象物質による吸収、および回折などによってその強度が減衰する。超音波の減衰を利用して結晶粒径を測定する場合には、測定された超音波の減衰係数から結晶粒による散乱以外の効果による影響を除去しなければならない。このように測定された超音波信号から結晶粒による散乱のみに起因した超音波減衰係数を導出するのは容易なことではなく、通常、多くの時間を消費する作業となる。従って、測定された超音波信号から測定対象の結晶粒径をリアルタイムで高速に算出可能な信号処理方法の適用が必要である。
生産ラインにおけるオンライン結晶粒径測定において発生する更に別の障害要因は、超音波測定用レーザ干渉計の安定化である。測定対象の表面に到達した超音波の非接触式測定には、主にレーザ干渉計を使用する。このような通常外部的振動に敏感な特性を有している。即ち、測定装置が設置された位置に振動が存在すると、レーザ干渉計の性能が低下するのである。このような側面から、多様なレーザ干渉計の中でも、共焦点ファブリー・ペロー干渉計は、原理的に外部的振動による影響が少ないため、外部的振動が存在する生産ラインにおけるオンライン測定に最も適合している。これは、外部的振動のように、超音波に比べて相対的に周波数が低い信号に対して、共焦点ファブリー・ペロー干渉計が鈍感であるためである。又、共焦点ファブリー・ペロー干渉計は、測定対象表面からの散乱光の捕集効率が高いため、生産ラインに位置する鋼板のように粗い表面を有する測定対象の場合にも、容易に超音波を測定できるという長所を有している。しかしながら、このような共焦点ファブリー・ペロー干渉計も、生産ラインにオンラインで適用する場合には、別途の安定化が必要となる。すなわち、共焦点ファブリー・ペロー干渉計を構成する共振器は、両端の曲面部分反射鏡(以下では曲面鏡と記す)によって構成されており、この2つの曲面鏡間の距離は、常に一定に維持しなければならない。しかし、この2つの曲面鏡間の距離は、周辺温度や2つの曲面鏡の整列状態の変化などの影響を受けることになり、このような2つの曲面鏡間の距離の変化が微細なものであった場合にも、干渉条件が変化して超音波測定の効率に大きな影響を与えることになる。従って、共焦点ファブリー・ペロー干渉計を劣悪な環境の生産ラインにおいて効率的に使用するためには適用するためには、2つの曲面鏡間の距離を一定に維持することによって常に高い超音波測定効率を維持するための安定化が必要となる。
測定対象の機械的特性や微細組織の測定にレーザ超音波法を適用した従来の技術としては、複合材料の多孔性測定(特許文献1)、超音波の拡散を利用した試片の物性測定(特許文献2)、超音波の共鳴を利用した板材の物性測定(特許文献3)などがある。
この中で、複合材料の多孔性測定(特許文献1)は、超音波の減衰を利用して試験片の多孔性を測定する方法に関するものであって、超音波の減衰係数を利用して結晶粒径を算出する本特許とは発明の目的が異なり、レーザビームによる超音波の生成と測定が測定対象の同一面(同一位置)において行われることを強調してはいるが、鋼板生産ラインにおけるオンライン測定時に発生し得る問題点及びこれに対する解決策は提示されていない。
更に別の従来技術である超音波の拡散を利用した試片の物性測定(特許文献2)においては、パルス型レーザビームによって生成された超音波パルスが試片の内部において連続的な散乱によって拡散した際に、この拡散信号の時間的な変化を測定している。このように測定された拡散信号によれば、様々な物性(超音波吸収係数、結晶粒径)をパラメータとする理論的な拡散式と比較することにより、試片の上記の様々な物性を測定する方法が提供される。この従来技術によれば、原理的には、本特許のように試片の結晶粒径の測定が可能である。しかしながら、拡散する超音波の強度が一般的に非常に小さいため、一般的に劣悪な環境(大きな鋼板の厚さ、各種雑音要素)にある生産ラインにおいては、信号対雑音比(S/N比)が非常に低く、測定された拡散信号と最も近似した拡散式を導出するには、パラメータを連続的に変更しつつ拡散式を導出し、これを測定信号と比較する作業が必要であって、測定信号と最も近似した理論的拡散式を定める評価基準を設けなければならないという短所を有している。このような短所のために、この従来技術は、実験室的な環境においては適用可能であっても、生産ラインにおけるオンライン測定には適合しない。又、生産ラインにおけるオンライン測定時に発生し得る問題点及びこれに対する解決策も提示されてはいない。
更に別の従来技術である超音波の共鳴を利用した板材の物性測定(特許文献3)によれば、縦波又は/及び横波の共鳴周波数を利用して試片の厚さや機械的な物性を測定する方法が提供されているが、本技術を適用するためには、多数の連続的な超音波反射波信号を取得しなければならないため、測定対象の厚さが薄くなければならないという短所を有している。又、測定された多数の連続的な超音波信号から共鳴周波数を分析し、これを通じて測定対象の厚さや物性を算出しなければならないが、この従来技術(特許文献3)においては、共鳴周波数分析及び物性算出を自動的に遂行する方法が提示されていないため、リアルタイム信号処理が要求される生産ラインにおけるオンライン適用は困難であるという問題点を有している。
超音波測定用レーザ干渉計に関する従来の技術が、特許文献4に開示されている。この特許においては、共焦点ファブリー・ペロー干渉計を利用して、試片表面に到達した超音波を測定する方法が提供されており、上記のような干渉計の安定化方法も提示されている。しかしながら、この特許において提示されている方法によれば、干渉計を安定化させるために、ロック・イン増幅器や電気光学セルなどの規模が大きく高価且つ複雑な回路構成を有する装置を使用しなければならない。又、この従来技術(特許文献4)においては、共焦点ファブリー・ペロー干渉計の最適条件を維持するべく超音波測定用レーザの周波数を常に調節しなければならないため、非常に複雑且つ敏感な制御回路を構成しなければならないという短所をも有している。近年、レーザを利用する測定装置を構成する際には、装置の構成を容易にするべく、商用化されたレーザを使用する趨勢にあり、このような商用化されたレーザの場合には、その内部構成の変更が容易ではない。この従来技術(特許文献4)によれば、商用化されたレーザをそのまま使用することが不可能であり、商用化されたレーザの内部構成を変更するか、或いは、測定装置の目的に合わせてレーザを自分で製作しなければならないため、特許の内容を実現することが非常に困難である。
Scruby, C.B. et al, "Laser−Ultrasonics: Techniques and Applications", Adam Hilger, Bristol, UK, 1990. 米国特許第6684701号公報 米国特許第6532821号公報 米国特許第6057927号公報 米国特許第4659224号公報
本発明は、上述の従来技術の問題点を解決し、製鉄所において生産する各種鋼板の結晶粒径をオンラインで安定的に測定するために案出されたものであって、本発明の目的は、測定対象表面の同一面において、超音波の発生及び測定を遂行し、測定装置が、生産中の鋼板の上部にのみ存在するようにすることによって生産ラインに測定装置を容易に設置することが可能であり、高強度の超音波の生成時に存在するプラズマによる影響を低減して効率的な超音波測定を可能にし、測定された超音波信号からのリアルタイムの結晶粒径の算出を可能にする信号処理アルゴリズムによってオンラインの結晶粒径測定を容易にするオンライン結晶粒径測定装置及び方法を提供することである。
本発明は、製鉄所において生産する各種鋼板の熱間(又は、冷間)圧延工程において、効率的な圧延作業に必要な結晶粒径情報をリアルタイムで提供するべく、パルス型レーザを利用して鋼板の表面に超音波を発生させ、鋼板の内部を伝播した上記超音波をレーザ干渉計を利用して測定し鋼板の結晶粒径をリアルタイムで測定するオンライン結晶粒径測定装置に関するものであって、更に詳しくは、鋼板の同一面上において超音波(縦波)の発振及び測定を遂行することにより、熱間(又は、冷間)圧延中の鋼板へのオンライン適用を容易にし、最適な超音波発振位置及び測定位置を適用して縦波の測定効率を向上させると同時にプラズマによる干渉を低減し、効率化されたレーザ干渉計の適用を通じて上記超音波測定信号を安定化させ、超音波回折、超音波発振の方向性及び温度の影響が補正された検量線を利用して、測定された超音波減衰係数からの結晶粒径の導出を可能にし、上記超音波の周波数成分の中の最適周波数を選定し、この周波数のみを減衰係数分析及び結晶粒径測定に適用することにより、迅速且つ容易な結晶粒径測定を可能にすることにより、全体的に熱間圧延工程において容易な結晶粒径測定を可能にするオンライン結晶粒径測定装置に関するものである。
本発明の要旨は以下に記載するとおりである。
(1)第1の発明は、金属板の生産ライン中において該金属板の結晶粒径をレーザ超音波法を用いてオンラインで測定するオンライン結晶粒径測定装置において、
測定対象物60の表面に超音波を発生させるためのパルス発光レーザ10;測定対象物60の反射超音波を検出するための超音波測定用レーザ30;該超音波測定用レーザで発生した光ビーム35を測定対象物近傍に導くための光ファイバ33;測定対象物60の表面で反射された光ビーム35の散乱光を超音波安定測定部20に導く光ファイバ41;パルス発光レーザ10で発生した光ビーム13を測定対象物60の表面に照射して該測定対象物内に超音波を発生させ、該超音波の発生表面と同一表面に前記光ファイバ33によって伝送された超音波測定用レーザ30の光ビーム35を照射し、さらに該超音波の前記反射超音波によって反射された前記光ビーム35の前記散乱光を捕集して前記光ファイバ41に入射させる光学ヘッド70;前記光ファイバ41によって伝送された前記散乱光の強度変化を検出することにより前記反射超音波の強度を測定する超音波安定測定部20;および該超音波安定測定部20の電気的出力信号から結晶粒径を算出する信号処理部40で構成され、
前記超音波安定測定部20は、光ファイバ41によって伝送された前記散乱光の前記反射超音波による前記超音波測定用レーザの周波数からの周波数偏移を透過干渉光および反射干渉光の強度変化として検出する共焦点ファブリー・ペロー干渉計116で構成されるレーザ干渉部と;前記超音波測定用レーザ30の光ビームの一部を分離して光ファイバ52で該共焦点ファブリー・ペロー干渉計116に伝送して該共焦点ファブリー・ペロー干渉計116の干渉を安定化する干渉計安定部と;測定対象物の表面での超音波生成時に存在するプラズマ放射光が該共焦点ファブリー・ペロー干渉計116に入射するのを抑止する高速シャッター110とを具備するオンライン結晶粒径測定装置である。
(2)第2の発明は、前記超音波測定用レーザ30は連続発振レーザで、前記光ファイバ33は偏波面保持光ファイバで、さらに前記光ファイバ41はマルチモード光ファイバである(1)に記載のオンライン結晶粒径測定装置である。
(3)第3の発明は、測定対象物60の片面(レーザ照射面)に前記パルス発光レーザ10の光ビームを集光・照射して超音波を発生させ、該超音波が発生した位置と略同一位置に前記超音波測定用レーザ30の光ビーム35を集光・照射して、測定対象物60の前記レーザ照射面の反対表面で反射して戻ってきた反射超音波(縦波)を測定することを特徴とする(1)または(2)に記載のオンライン結晶粒径測定装置である。
(4)第4の発明は、前記超音波測定用レーザ30の光ビームを、その偏光面を回転させる半波長板53を介して前記光ファイバ33に入射させて伝送し、前記光ヘッド70は、偏光ビームスプリッタ82、4分の1波長板83、および第1の集光光学系1と第2の集光光学系を具備して、前記光ファイバ33から入射した光ビームを前記偏光ビームスプリッタ82で90度反射した後、前記4分の1波長板を通して前記第1の集光光学系で測定対象物60の表面に集光し、該表面で反射した散乱光36を前記第1の集光光学系で捕集した後、前記4分の1波長板83と前記偏光ビームスプリッタ82を透過させ、さらに前記第2の集光光学系でマルチモードファイバ41に入射させるものである(1)〜(3)の内の一つに記載のオンライン結晶粒径測定装置である。
(5)第5の発明は、前記第1の集光光学系は凹レンズ84と該凹レンズより前記測定対象物側に設置された1枚または2枚の凸レンズ(85および/または86)で構成され、測定対象物60の表面からの前記散乱光の断面積を縮小した後に前記第2の集光光学系に入射させて、前記第2の集光光学系から前記マルチモード光ファイバ41への入射角を小さくすることにより、前記散乱光の前記マルチモード光ファイバへの入射効率を大きくするようにしたことを特徴とする(4)のオンライン結晶粒径測定装置である。
(6)第6の発明は、前記レーザ干渉部は、マルチモード光ファイバ41により伝送された前記散乱光を、偏光ビームスプリッタ92および4分の1波長板93の順に透過させた後に、前記共焦点ファブリー・ペロー干渉計116に入射させて、前記共焦点ファブリー・ペロー干渉計116の反射干渉光を前記偏光ビームスプリッタ92で90度反射させることにより前記散乱光と分離して光検出器100で測定できるようにしたことを特徴とする(1)〜(5)の内の一つに記載のオンライン結晶粒径測定装置である。
(7)第7の発明は、前記レーザ干渉部は、前記共焦点ファブリー・ペロー干渉計116において、前記散乱光の入射側とは反対の後方に4分の1波長板97と偏光ビームスプリッタ98を順に設置して、前記共焦点ファブリー・ペロー干渉計116の透過干渉光が前記偏光ビームスプリッタ98を透過するようにして光検出器99で透過干渉光の強度を測定するようにしたことを特徴とする(1)〜(6)の内の一つに記載のオンライン結晶粒径測定装置である。
(8)第8の発明は、前記干渉計安定部は、前記超音波測定用レーザ30の出力ビームの一部を測定対象物へ照射する光ビームから分離し、前記共焦点ファブリー・ペロー干渉計116に入射させて干渉光(102)を形成させ、該干渉光の強度変化を利用して前記共焦点ファブリー・ペロー干渉計116の共振を安定化するものである(1)〜(7)の内の一つに記載のオンライン結晶粒径測定装置。
(9)第9の発明は、前記干渉計安定部は、前記超音波測定用レーザ30の出力ビームの一部を測定対象物へ照射する光ビームから分離しマルチモード光ファイバで伝送し、前記偏光ビームスプリッタ98で90度反射させて前記共焦点ファブリー・ペロー干渉計116に入射させた後、透過干渉光を前記偏光ビームスプリッタ92で90度反射し、さらにプリズムによって反射させて該透過干渉光の強度変化を光検出器104によって検出して前記共焦点ファブリー・ペロー干渉計116の共振を安定化するものである(7)に記載のオンライン結晶粒径測定装置である。
(10)第10の発明は、前記干渉計安定部は、前記光検出器104の出力信号を用いて前記ファブリー・ペロー干渉計の干渉条件を所定の干渉条件に保つように信号処理をする干渉安定化制御回路105、前記共焦点ファブリー・ペロー干渉計の共振器鏡95に設置した圧電アクチュエータ107、前記干渉安定化制御回路105の出力信号により該圧電アクチュエータを駆動する圧電駆動調節器106を具備することを特徴とする(9)に記載のオンライン結晶粒径測定装置である。
(11)第11の発明は、前記レーザ干渉部は、前記測定対象物60表面からの前記散乱光の前記共焦点ファブリー・ペロー干渉計116における透過干渉光と反射干渉光の強度をそれぞれ光検知器99と光検知器100で電気信号に変換した後、該2つの電気信号を差動増幅して反射超音波信号を得る超音波信号検出装置39を具備することを特徴とする(1)〜(10)の内の一つに記載のオンライン結晶粒径測定装置である。
(12)第12の発明は、前記信号処理部は、前記超音波信号検出装置39から出力される前記反射超音波信号をFFTによってフーリエ周波数成分を求めて, 周波数毎の超音波減衰係数を求め、測定対象の結晶粒径を算出するものであることを特徴とする(1)〜(11)の内のいずれか一項に記載のオンライン結晶粒径測定装置である。
(13)第13の発明は、前記信号処理部は、測定対象物の試片を用いた測定実験を通じて予め導出した測定対象の結晶粒径と超音波減衰係数間の相関式に関する情報を持ち、オンライン測定時に測定された超音波減衰係数を前記相関式に代入して迅速に結晶粒径を算出することを特徴とする(1)〜(11)の内のいずれか一項に記載のオンライン結晶粒径測定装置。
(14)第14の発明は、金属板の生産ライン中において該金属板の結晶粒径をレーザ超音波法を用いてオンラインで測定するオンライン結晶粒径測定方法において、
パルス発光レーザ10で発生した光ビーム13を測定対象物60の表面に照射して該測定対象物内に超音波を発生させ、該超音波の発生発生表面と同一表面に光ファイバ33によって伝送された超音波測定用レーザ30の光ビーム35を照射し、さらに光学ヘッド70を用いて該超音波の前記反射超音波によって反射された前記光ビーム35の散乱光を捕集して光ファイバ41に入射させ;光ファイバ41によって伝送された前記散乱光の強度変化を検出することにより前記反射超音波の強度を超音波安定測定部20で測定し;超音波安定測定部20の電気出力信号から結晶粒径を信号処理部で算出するオンライン結晶粒径測定方法であって、
前記超音波安定測定部20は、光ファイバ41によって伝送された前記散乱光の前記反射超音波による前記超音波測定用レーザの周波数からの周波数偏移を透過干渉光および反射干渉光の強度変化として検出する共焦点ファブリー・ペロー干渉計116で構成されるレーザ干渉部と;超音波測定用連続発振レーザ30の光ビームの一部を分離してマルチモード光ファイバ52で該共焦点ファブリー・ペロー干渉計116に伝送して該共焦点ファブリー・ペロー干渉計116の干渉を安定化する干渉計安定部と;超音波生成時に存在するプラズマ放射光が該共焦点ファブリー・ペロー干渉計116に入射するのを抑止する高速シャッター110とを具備するものであるオンライン結晶粒径測定方法である。
結果的に、本発明によるオンライン結晶粒径測定装置によれば、パルス型レーザを利用して遠隔で超音波を発生させ、試片の内部を伝播した超音波を共焦点ファブリー・ペロー干渉計を利用した測定装置により、やはり遠隔で測定することによって、生産ラインにおいて移送中の測定対象の超音波探傷が可能になり、測定対象表面の同一面、同一位置において超音波の発生及び測定を遂行して測定装置が生産中の鋼板の片側にのみ存在するようにすることにより、生産ラインに測定装置を容易に設置することが可能であり、アブレーション効果によって高強度の超音波を発生させることにより、厚さが厚い測定対象の場合にも、結晶粒径の測定が可能になるという長所を有している。
又、超音波の生成と測定を測定対象の同一面、同一地点において遂行することにより、超音波(縦波)が測定対象の表面において反射される際に発生するモード変換による超音波エネルギーの損失を防止すると共に、超音波伝播距離の算出を容易にして結果的に超音波減衰係数の計算を容易にし、融発効果による高強度の超音波の生成時に存在するプラズマが超音波信号測定用の光検出器に及ぼす影響を低減することにより、効率的な超音波測定を通じて、より精密な減衰係数の測定が可能になるという長所を有している。
又、特定の測定対象について結晶粒径との相関性が最も優秀な1つの特定周波数(Φ)を予め選定した後に、この周波数(Φ)の減衰係数(α(Φ))のみを利用して迅速に結晶粒径を算出することにより、リアルタイムのオンライン結晶粒径測定が容易になるという長所をも有している。
本発明の更に別の長所は、レーザを利用した超音波の測定において、効率的な散乱光捕集装置により、測定地点において反射された散乱光を、損失なしに、最大の効率によって、共焦点ファブリー・ペロー干渉計を利用した測定装置に伝送することにより、超音波信号測定を容易にしていることである。
又、効率的な共焦点ファブリー・ペロー干渉計を利用した測定装置の構成により、第1に、超音波測定に使用される干渉計の出力光に損失が発生せず、第2に、干渉計に入射する散乱光の強度変化とは無関係に、常に安定的に干渉計を安定化させることが可能であり、第3に、2つの光検出器を通じて干渉計の2種類の出力光、即ち、反射干渉光と透過干渉光をすべて測定し、超音波信号の強度を増大させることができるという長所をも有している。
以下、本発明による実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。
まず、図1には、本発明によるオンライン結晶粒径測定装置の全体図面が図示されている。パルス型レーザ10から発生したパルスビームは、レンズ11によって集光された後に、全反射鏡12によって測定対象の鋼板60表面に入射し、各種超音波(縦波、横波、及び表面波)を発生させる(参考文献:非特許文献1)。このようにパルス型レーザビームの入射によって発生した各種超音波の発生効率は、前述のように、入射したパルスビームの強度密度によって決定され、パルスビームの強度密度が大きくなると(測定対象表面において、略5x108W/cm2以上になると)、主に表面物質のアブレーションによって超音波が発生する。前述のように、生産ラインにおける超音波探傷には、高強度の超音波が必要であることから、アブレーション効果による超音波の発生が要求される。このように測定対象表面の融発によって超音波を発生させるためには、数ナノ秒〜数十ナノ秒の短いパルス幅のレーザビームを発生させるQスイッチレーザが主に使用される。
又、同一のレーザパルスを使用する場合にも、測定対象表面におけるレーザパルスビームの強度密度は、集光されたパルスビームの大きさによって変化する。通常、レーザパルスビームの断面は円形であるため、測定対象表面に集光されたパルスビームも円形であり、このパルスビームの大きさ、即ち直径(S1)が小さくなるほど、強度密度が大きくなる。通常、アブレーション効果の発生条件を実現する際には、パルスビームの大きさ(S1)を調節する。このような測定対象表面に集光されたパルスビームの大きさ(S1)は、レンズ(11)の焦点距離(F1)とレンズと測定対象表面間のパルスビームの伝播距離(D1)によって決定される。即ち、D1とF1が一致した場合に、集光されたパルスビームの大きさ(S1)は最小であり、D1がF1よりも小さくなればなるほどS1は大きくなる。本発明においては、D1とF1を適切に調節し、主にアブレーション効果によって超音波が発生するようにしている。
前述したようにアブレーション効果によって各種超音波(縦波、横波、及び表面波)が発生し、このときに発生した縦波は、図2−(a)に示されているように、主に測定対象表面に垂直の方向を中心として伝播することになる。生産ラインにおいて圧延中の鋼板は、通常、上下面が互いに平行である。従って、本発明のように、オンライン測定を容易にするべく、測定対象の同一面上において超音波の発生と測定を遂行し、超音波が測定対象の内部を伝播する際に発生する結晶粒による超音波減衰係数を利用して結晶粒径を求めようとする場合には、図2−(b)のように測定対象表面に対して垂直に伝播する超音波を発生させ、測定対象表面の反対面において反射して戻ってきた超音波を超音波が発生した地点と同一の地点において測定することが最も効率的である。
これは、超音波の発生地点と測定地点が異なる場合には、図2−(c)のように測定対象表面に対して一定の角度を有して伝播する超音波を利用しなければならず、この場合には、測定対象表面の反対面において超音波が反射した際に、モード変換によって縦波エネルギーの一部が横波に変換されることから、結晶粒径の測定に使用される縦波強度の損失が発生するという短所を有している。又、図2−(c)のように超音波の発生地点と測定地点が異なる場合には、超音波減衰係数の計算に必要な超音波の伝播経路及び伝播距離の計算が非常に複雑になるという短所も存在している。上記のような技術的理由により、生産ラインにおいてオンラインで結晶粒径を測定する場合には、融発効果によって垂直に超音波(縦波)を発生させ、超音波の発生地点と同一の地点において超音波を測定することが最も効率的である。
図1に示されているように、超音波の測定は、超音波安定測定部20とレーザビーム及び散乱光伝送用のマルチモード光ファイバ(33、41)、そして、散乱光捕集部34によって実現されている。超音波安定測定部20の超音波測定用レーザ30から発生した直線偏光のレーザビームは、半波長板53と偏光ビームスプリッタ31を通過した後に、集光レンズ32によって偏波面保持光ファイバ(PMF)33に流入し、この後に、散乱光捕集部34に伝送される。そして、偏波面保持光ファイバ33によって散乱光捕集部34に伝送されたレーザビームは、散乱光捕集部34内部の光素子を経て測定対象表面に集光されることにより、反対面において反射されて測定表面に戻ってきた反射縦波の測定に使用される。
このような超音波測定用レーザビーム35は、上記のように、生産ラインにおける反射縦波の測定及び減衰係数の算出を容易にするべく、図3−(a)に表示されているように、超音波発生用レーザパルスビーム13と超音波測定用レーザビーム35が測定対象表面の同一の位置に入射し、図3−(b)に表示されているように、測定対象表面に集光された超音波発生用レーザパルスビームの光スポット14の中心に直径S2の大きさで集光される。図3−(b)に示されているように、通常、超音波測定用レーザビームによる光スポット37の直径(S2)が小さいほど、散乱光捕集部34を利用して測定対象表面において散乱した光を捕集した後に、光ファイバ41を通じてレーザ干渉部38に伝送する効率が高くなる。このような超音波測定用レーザビームの光スポット37の大きさによる散乱光36の伝送効率を更に詳細に説明すれば、次のとおりである。図4に示されているように、光ファイバ33を通じて伝送された超音波測定用レーザビームは、コリメーター80によって平行光になった後に、偏光ビームスプリッタ82によって反射される。
このような偏光ビームスプリッタ82によるレーザビームの反射率は、レーザビームの偏光方向によって変化する。図1に示されている半波長板53は、直線偏光されたレーザビームの偏光方向を回転させる光素子である。従って、半波長板53の結晶軸の回転によって、偏波面保持光ファイバ33を通じて伝送されるレーザビームの偏光方向を適切に回転させることにより、偏光ビームスプリッタ82による反射率が最大になるようにする。このように効率的に偏光ビームスプリッタ82によって反射されたレーザビームは、4分の1波長板83を通過した後に、凹レンズ84と凸レンズ(85、86)を通じて測定対象物60の表面に集光される。この時点で、当初には直線偏光されていたレーザビームは、4分の1波長板83を通過した後に、円偏光となっている。測定対象物60表面において反射した散乱光36は、再び凸レンズ(85、86)と凹レンズ84を通過して平行光となった後に、4分の1波長板(83)を通過して、再び直線偏光になる。このように4分の1波長板(83)によって再び直線偏光された光の偏光方向は、当初の偏光方向に対して90度回転した状態であって、上記原理により、偏光ビームスプリッタ82による反射率は最小になる。このような原理により、測定対象物60表面において反射された散乱光36は、最も効率的に偏光ビームスプリッタ82を通過し、更に別の凸レンズ81によってマルチモード光ファイバ41のコア断面に集光される。
通常、マルチモード光ファイバのコアは、直径が数十〜数百μm程度であり、このようなコアに入射した光が伝送されることになる。従って、凸レンズ81によってマルチモード光ファイバ41のコア断面に集光された光スポットの大きさが小さいほど、光ファイバに入射する光の光量が増加することになる。このようにマルチモード光ファイバ37のコア断面に集光された光スポットの大きさは、光学原理により、測定対象物60表面に集光された光スポット(S2)の大きさに比例する。このような技術的事由から、超音波測定用レーザビームによる光スポット37の直径(S2)が小さいほど、散乱光捕集部34を利用して、測定対象表面において散乱した光を捕集した後に、光ファイバ41を通じてレーザ干渉部38に伝送する効率が高くなるのである。光ファイバ41による散乱光の伝送効率に影響を及ぼす更に別の要因は、凸レンズによって光ファイバ断面に集光される光の入射角である。
即ち、図5に示されているように、集光レンズによる光の入射角(θ)が大きい場合には、光ファイバコアに入射した光が光ファイバのクラッディングによって吸収され、伝送されないためである。本実施例において提示されている図4の散乱光捕集部34によれば、測定対象物60表面において反射された散乱光36は、凸レンズ(85、86)と凹レンズ84によって断面の大きさが縮小された平行光になった後に、更に別の凸レンズ81によって光ファイバ41断面に集光されているため、図5に表示されている入射角(θ)は小さい。従って、図4の散乱光捕集装置(34)によれば、効率的な散乱光の光ファイバ伝送が可能である。上記のように、本発明において提示されている図4の散乱光捕集部34によれば、偏波面保持光ファイバ(33)によって伝送されたレーザビームを、損失なしに、最大の効率で、測定対象物60表面に集光し、測定対象物60表面において反射した散乱光36を、やはり最大効率で、マルチモード光ファイバ41を通じてレーザ干渉部38に伝送することができる。
マルチモード光ファイバ41に伝送された散乱光36は、レーザ干渉部38によってその周波数が分析され、超音波信号に起因する光信号が出力される。図6には、本発明において提示されているレーザ干渉部38の構成が示されている。図6において、マルチモード光ファイバ41によって伝送された散乱光は、コリメーター91によって平行光になった後に、高速シャッター110と偏光ビームスプリッタ92、そして、4分の1波長板93を通過して共焦点ファブリー・ペロー干渉計(干渉計と記す)116に入射する。ここで、高速シャッター110の動作は、シャッター調節器111によって制御されている。即ち、超音波発振用パルス型レーザ10が、パルスビームを発振する瞬間に、トリガー信号をシャッター調節器(11)に印加し、このシャッター調節器111は、トリガー信号の印加から特定時間が経過した後に、その間、閉まっていた高速シャッター110を作動させて散乱光を通過させる。高速シャッター110の構成の例は図16に示しており、EOモジュレーターによって高速な光の開閉を実施する。そして、高速シャッター110のこの作動により、この高速シャッター110を通過した散乱光は、干渉計に入射して、この干渉計の共振器内部における多重反射によって干渉光96を形成する。そして、共振器内部における多重反射によって干渉する干渉光96は、干渉計の両端から反射又は透過するが、図7に示されているように、反射又は透過する光の強度は、干渉条件によって決定される。このときに、透過又は反射する光の強度を決定する干渉条件は、図7に示されているように、光の周波数(v)と2つの共振鏡間の距離(d)で表される。
即ち、測定対象表面に到達した超音波によって散乱光の周波数(v)が変化するか或いは共振器の長さ(d)が変化すると、干渉計によって反射される光の強度(A)と透過される光の強度(B)が変化するのである。従って、共振器の長さ(d)が一定の場合には、干渉計によって反射される光の強さ(A)と透過される光の強度(B)の変化を超音波の測定に利用することができる。図7に表示されている干渉計の安定化領域は、一定の散乱光の周波数(v)の変化について、反射される光の強度(A)と透過される光の強度(B)の変化が最も大きな領域を示すものであり、干渉計がこの領域に位置している場合に、超音波の測定効率が最も高い。従って、干渉計の干渉条件が、常にこの領域にあることが要求される。散乱光の中心周波数は、常に一定であるため、干渉計の干渉条件の変化は、主に共振器の長さ(d)の変化に起因しており、干渉計を安定化させる場合には、図6に表示されている圧電アクチュエータ107を利用する。即ち、圧電アクチュエータ107によって共振器の長さを調整し、干渉計が常に図7に表示されている干渉計の安定化領域に位置するようにするのである。図7における干渉計によって反射される光の強度(A)は、図6の光検出器100によって測定される。即ち、干渉計において反射された散乱光は、4分の1波長板93を再び通過するために、偏光方向が回転し、偏光ビームスプリッタ92において反射して光検出器100に入射することから、その強度が効率的に測定されるのである。
又、干渉計を透過する干渉光は、4分の1波長板97を経ることになるが、この4分の1波長板97を適切に回転させて偏光方向を調節可能であるため、偏光ビームスプリッタ98を通過させることができる。従って、透過する光の強度(B)を、更に別の光検出器99によって測定可能である。図6における2つの4分の1波長板(93、97)は、その結晶軸が適切に調節されており、4分の1波長板93のみを2回通過した光は、偏光方向が90度回転し、2つの4分の1波長板(93、97)を順番に通過した光の場合には、偏光方向の変化はない。このように、4分の1波長板(93、97)と偏光ビームスプリッタ(92、98)の適切な配列により、損失なしに、反射干渉光と透過干渉光を2つの光検出器(99、100)によって測定することができる。
図6の干渉計の自動的な安定化手順は、次のとおりである。即ち、図1に示されているように、超音波測定用レーザ30の出力ビームの一部を偏光ビームスプリッタ31によって反射させた後に、集光レンズ51を利用してマルチモード光ファイバ52に伝送する。このマルチモード光ファイバ52によって伝送されたレーザビームは、図6に示されているように、偏光ビームスプリッタ98において反射し、4分の1波長板97を通過した後に干渉計に入射して多重反射による干渉光102を形成し、この干渉計を通過した透過干渉光は、更に別の4分の1波長板93を通過し偏光ビームスプリッタ92とプリズム103によって反射され、光検出器104によってその強度が測定される。このときに、光検出器104の出力信号は、図7の下段の図表のとおりであり、干渉計安定化制御回路105と圧電アクチュエータ106によって、この光検出器104の出力が常に図6(7?)に示されている干渉計安定化領域に位置するように調節される。このように超音波測定用の干渉光96以外に別途の干渉光102を発生させて、これを干渉計の安定化に使用する方法は、次のような長所を有している。第1に、超音波測定に使用する干渉光96に損失が発生せず、第2に、干渉計に入射する散乱光の強度変化とは無関係に、常に安定的に干渉計を安定化させることが可能であり、第3に、2つの光検出器(99、100)により、干渉計の反射干渉光と透過干渉光をすべて測定することができる。
上記のように干渉計の反射干渉光と透過干渉光の強度の変化は、測定対象物60表面に到達した超音波の信号を示している。このときに、2つの光検出器(99、100)を通じて測定された超音波信号は、その位相が互いに反対である。従って、図8のように、差動増幅器108を利用すれば、超音波信号を2倍に増大させることができる。このような差動増幅は、2つの光検出器(99、100)に印加された同一位相の電気的雑音を除去する効果をも有している。図9には、2つの光検出器信号を差動増幅した実施例が示されている。図8において、差動増幅器(108)の信号は、周波数フィルタ(バンドパス・フィルタ)109を経て、図1に表示されている信号処理部40に印加され、測定対象の結晶粒径()が算出されることになる。
上記のように、図6の高速シャッター110は、マルチモード光ファイバ41に伝送された散乱光を通過或いは遮断する。このような高速シャッター110は、超音波の発生時に発生するプラズマ放射光(prasma radiation)による影響を低減する目的で使用されている。即ち、上記のように、生産ラインにおいてオンラインで結晶粒径を測定する場合には、アブレーション効果による高強度の超音波の発生が必要であり、容易な超音波減衰係数の算出のために、超音波発生面の反対側の面において反射されて戻ってきた超音波を超音波が発生した地点と同一の地点において測定することが最も効率的である。
しかしながら、このようなアブレーション効果による超音波の発生時には、超音波の発生位置において連続的な波長の光を放出するプラズマの発生が伴っており、超音波の発生と測定を同一の地点(又は、近接した地点)において遂行する場合に、プラズマから放出された光が超音波測定用レーザ干渉計に入射し、超音波測定の障害要因として作用することになる。そして、このように超音波の発生時に随伴するプラズマ放射光は、図10に示されているように、超音波発生用レーザパルスビームが測定対象表面に入射した時刻から初期の段階(数μ秒以内)において非常に強い。これに比べて、結晶粒径測定に使用される超音波の最小伝播距離(L)は、測定対象鋼板の厚さの2倍に該当するため、例えば、厚さが10mmの測定対象の場合には、超音波(縦波)の到達時刻は、略3.3μs以上であって、図10に示されているように、プラズマ放射光の強度が低下した時点である。融発効果による高強度超音波の発生は、主に厚さが厚い測定対象の結晶粒径を測定する際に必要とされるものであって、この結果、超音波の到達時刻は、3〜4μs以上である場合が大部分である。従って、プラズマ放射光の強度は、通常、超音波が到達する前に最高点に到達することになる。
しかしながら、超音波の測定には、APD(アバランシェ・フォト・ダイオード)などのように、非常に感度の高い光検出器が使用されるため、プラズマ放射光によってAPDが飽和状態になる。そして、このように一旦飽和した光検出器は、それ以降、プラズマ放射光の強度が低下したとしても、正常な作動状態への復元に一定の時間を所要することになる。従って、プラズマ放射光の強度が低下した時点で、超音波が到達したとしても、光検出器が飽和状態から完全には復元していないため、正常な超音波の測定が困難なのである。通常、測定用レーザビーム以外の光が入射して発生する光雑音は、一般に、特定波長の光のみを通過させる光学フィルタを光検出器の入力部に設置することによって解決される。しかしながら、プラズマ放射光の場合には、連続的な波長スペクトラムを有しているため、測定用レーザビームの波長と同一の波長成分を有している。従って、通常の光フィルタによっては、プラズマ放射光による影響を解決することはできない。図6に表示されている高速シャッター110は、このような既存の問題点を解決するためのものであって、パルス型レーザビームによる超音波発生の初期に、非常に強いプラズマ発生光が超音波測定用光検出器に入射することを防止することにより、効率的な超音波測定を可能にしている。
即ち、超音波測定用パルス型レーザ10がパルスビームを発振しつつ、トリガー信号をシャッター調節器111に印加する。この結果、シャッター調節器(111)が、トリガー信号を受信した瞬間から一定の時間(ΔT)が経過した後に、高速シャッター110を開いて散乱光を通過させることにより、散乱光が干渉計に入射し、超音波測定が始まることになる。即ち、高速シャッター110は、図10に表示されているように、シャッター調節器111によって最初の反射超音波(縦波)が側定位置に到達する直前に作動して散乱光を通過させるのであり、高速シャッター110の作動時刻(ΔT)は、測定対象の厚さと超音波(縦波)の伝播速度を利用して算出される。このような作用により、プラズマ放射光の強度が低下した時点で超音波測定用散乱光の干渉計への流入が始まり、超音波を測定すれば、多少のプラズマ放射光が散乱光と共に光検出器に流入したとしても、プラズマ放射光による光検出器の飽和が発生しないため、正常な超音波測定が可能となるのである。
以下、上記のような本発明の作用によって効率的に測定された超音波信号を利用して自動的に結晶粒径を算出する方法について詳細に説明すれば次のとおりである。
物質内部を伝播する超音波の減衰係数)は、物質の結晶粒径によって変化する。又、このような超音波の減衰係数と結晶粒径の相関関係は、超音波の周波数によって異なる。従って、通常、測定対象の結晶粒径(D)は、次のような手順によって測定する。第1段階として、図11に図示されているように、連続的な反射超音波信号を測定する。図11に図示されている超音波信号波形において、Ri(i=1,2,3,…)として表示されている連続的な一連の超音波信号は、図12に示されているように、測定対象物60の表面において反射されて測定地点に連続的に到達した信号である。第2段階として、図11に図示されているようなそれぞれの連続的な反射超音波信号に対してFFT(高速フーリエ変換)を遂行し、図13に図示されているような連続的な反射超音波信号の周波数スペクトラムを取得する。第3段階として、図13の連続的な反射超音波信号の周波数スペクトラムと次の式1を利用し、周波数別の超音波減衰係数(α(φ))を求める。
α(φ)=(l/2l)ln(IRi(φ)/IRi+1(φ)) (式1)
式1において、lは、試片の厚さであり、IRi(φ)は、超音波周波数φについてのi番目の反射波(Ri)の超音波強度を示している。そして、最後の段階として、上記手順によって求めた周波数別の超音波減衰係数(α(φ))を分析し、測定対象の結晶粒径を算出する。
しかしながら、このように連続的な反射超音波信号のFFTの遂行とFFT遂行を通じて取得した周波数別超音波スペクトラムを分析し結晶粒径に関する情報を算出するには、多くの時間を所要すると共に、通常、複雑な比較分析アルゴリズムが必要であるため、リアルタイムの結晶粒径導出が要求される生産ラインにおけるオンライン測定には適合していない。このような問題点を解決するために、本発明においては、特定の測定対象について結晶粒径との相関性が最も優秀な1つの特定周波数(Φ)を予め選定した後に、この周波数(Φ)の減衰係数(α(Φ))のみを利用して迅速に結晶粒径を算出する方法を提示している。即ち、図14に示したように、生産ラインにおいて生産中の鋼板又は鋼材の中から、結晶粒径が品質にとって重要であって結晶粒径の制御を必要としている1つ又は多数の測定対象を選定し、測定実験を通じて、これらの測定対象のそれぞれについて、結晶粒径と特定周波数(Φ)の超音波減衰係数(α)間の相関式を予め導出した後に、これをオンライン測定時に結晶粒径の算出に利用する方法を提示しているのである。
このようにオンライン測定の遂行前に実験的に予め結晶粒径と特定周波数(Φ)の超音波減衰係数(α)間の相関式を導出する際に使用される測定装置の構成は、図1に示されているような測定装置と同一のものとする。これは、レーザパルスビームによって発生する超音波は、回折の程度がパルスビームの光スポットの大きさ(S1)に応じて変化し異なるためである。図15には、図14に提示されている方法によって選定された最適周波数(Φ=8.8MHz)と結晶粒径間の相関性を実験的に取得した実施例が図示されている。図14に提示されている手順の中の最後の段階においては、図15に示されているようなデータの相関性分析を通じて、次のような相関式を算出する。
Mi=f(α(Φ)) (式2)
式2において、DMiは測定対象Miの結晶粒径である。特定の測定対象についてこのように取得した相関式を利用すれば、オンライン上において、特定の測定対象について特定の超音波周波数の減衰係数を測定することにより、この測定対象の結晶粒径を自動的に算出することができる。
以下、図14に提示されている方法によって算出された結晶粒径と特定(最適)周波数の超音波減衰係数間の相関式を利用してオンライン測定時にリアルタイムで測定対象の結晶粒径を算出する方法について説明する。
生産ラインにおいて生産中の測定対象物60について上記の技術的手順によって測定された連続的な反射超音波信号(図11のR1、R2、R2など)が、図8に表示されているように、周波数フィルタ(バンドパス・フィルタ)109を経ることにより、特定周波数の信号が信号処理部40に入力されることになる。このときに、周波数フィルタ109は、図14に提示されている方法によって算出された特定(最適)周波数(Φ)を通過させるように調節されている。そして、信号処理部40が、入力された特定(最適)周波数(Φ)の超音波信号の強度を求め、式1を利用して減衰係数を算出する。続いて、信号処理部40の演算用プロセッサに予め入力されている式2のような相関式に減衰係数を代入し、結晶粒径を算出する。このように、本発明によって考案された結晶粒径算出方法を適用すれば、生産ラインにおいて測定対象の結晶粒径を非常に簡単な信号処理手順により、迅速に測定することが可能である。
本発明によるオンライン結晶粒径測定装置の概略図である。 レーザパルスによって生成された縦波の反射時に発生するモード変換を示す図面である。 超音波発生用の斑点と超音波測定用の斑点を示す図面である。 本発明による散乱光捕集部を示す概略図である。 集光レンズによる散乱光の入射角と光ファイバの断面を示す図面である。 本発明による超音波測定用レーザ干渉計を図示した概略図である。 共焦点ファブリー・ペロー干渉計の反射干渉光と透過干渉光間の関係を示す図面である。 本発明による超音波信号検出装置を図示した概略図である。 差動増幅による超音波信号の増大を説明した図面である。 超音波の生成時に随伴するプラズマ放射光の時間軸における強度変化を示す図面である。 測定対象物の上下面において連続的に反射されて測定される反射超音波信号を測定した実施例である。 測定対象物の内部において多重反射によって伝播する縦波を図示した図面である。 連続的に測定された反射超音波信号の周波数スペクトラムを示す図面である。 本発明によって提示された測定対象物の結晶粒径と超音波減衰係数間の相関式を導出するアルゴリズムである。 本発明によって結晶粒径と超音波減衰係数間の相関性を導出した実施例である。 高速シャッターの実施例である。
符号の説明
10 パルス型レーザ
11 集光レンズ
12 全反射鏡
13 超音波発生用レーザパルスビーム
14 超音波発生用レーザパルスビームの光スポット
20 超音波安定測定部
30 超音波測定用レーザ
31 偏光ビームスプリッタ
32 集光レンズ
33 偏波面保持光ファイバ
34 散乱光捕集部
35 超音波測定用レーザビーム
36 散乱光
37 超音波測定用レーザパルスビームの光スポット
38 レーザ干渉部
39 超音波信号検出部
40 信号処理部
41 マルチモード光ファイバ
51 集光レンズ
52 マルチモード光ファイバ
53 半波長板
60 測定対象物
70 光学ヘッド
80 コリメーター
81 集光レンズ
82 偏光ビームスプリッタ
83 4分の1波長板
84 凹レンズ
85 集光レンズ
86 集光レンズ
91 コリメーター
92 偏光ビームスプリッタ
93 4分の1波長板
94 共焦点ファブリー・ペロー干渉計の共振器鏡
95 共焦点ファブリー・ペロー干渉計の共振器鏡
96 干渉光
97 4分の1波長板
98 偏光ビームスプリッタ
99 光検出器
100 光検出器
101 コリメーター
102 干渉光
103 プリズム
104 光検出器
105 干渉計安定化制御回路
106 圧電駆動器調節器
107 圧電アクチェエータ
108 差動増幅器
109 周波数フィルタ
110 高速シャッター
111 シャッター調節器
112 バンドパス・フィルタ
113 偏光子
114 KDP, ADP などのEOモジュレーターの結晶
115 偏光子
116 共焦点ファブリー・ペロー干渉計

Claims (14)

  1. 金属板の生産ライン中において該金属板の結晶粒径をレーザ超音波法を用いてオンラインで測定するオンライン結晶粒径測定装置において、
    測定対象物60の表面に超音波を発生させるためのパルス発光レーザ10;測定対象物60の反射超音波を検出するための超音波測定用レーザ30;該超音波測定用レーザで発生した光ビーム35を測定対象物近傍に導くための光ファイバ33;測定対象物60の表面で反射された光ビーム35の散乱光を超音波安定測定部20に導く光ファイバ41;パルス発光レーザ10で発生した光ビーム13を測定対象物60の表面に照射して該測定対象物内に超音波を発生させ、該超音波の発生表面と同一表面に前記光ファイバ33によって伝送された超音波測定用レーザ30の光ビーム35を照射し、さらに該超音波の前記反射超音波によって反射された前記光ビーム35の前記散乱光を捕集して前記光ファイバ41に入射させる光学ヘッド70;前記光ファイバ41によって伝送された前記散乱光の強度変化を検出することにより前記反射超音波の強度を測定する超音波安定測定部20;および該超音波安定測定部20の電気的出力信号から結晶粒径を算出する信号処理部40で構成され、
    前記超音波安定測定部20は、光ファイバ41によって伝送された前記散乱光の前記反射超音波による前記超音波測定用レーザの周波数からの周波数偏移を透過干渉光および反射干渉光の強度変化として検出する共焦点ファブリー・ペロー干渉計116で構成されるレーザ干渉部と;前記超音波測定用レーザ30の光ビームの一部を分離して光ファイバ52で該共焦点ファブリー・ペロー干渉計116に伝送して該共焦点ファブリー・ペロー干渉計116の干渉を安定化する干渉計安定部と;測定対象物の表面での超音波生成時に存在するプラズマ放射光が該共焦点ファブリー・ペロー干渉計116に入射するのを抑止する高速シャッター110とを具備するオンライン結晶粒径測定装置。
  2. 前記超音波測定用レーザ30は連続発振レーザで、前記光ファイバ33は偏波面保持光ファイバで、さらに前記光ファイバ41はマルチモード光ファイバである請求項1記載のオンライン結晶粒径測定装置。
  3. 測定対象物60の片面(レーザ照射面)に前記パルス発光レーザ10の光ビームを集光・照射して超音波を発生させ、該超音波が発生した位置と略同一位置に前記超音波測定用レーザ30の光ビーム35を集光・照射して、測定対象物60の前記レーザ照射面の反対表面で反射して戻ってきた反射超音波(縦波)を測定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のオンライン結晶粒径測定装置。
  4. 前記超音波測定用レーザ30の光ビームを、その偏光面を回転させる半波長板53を介して前記光ファイバ33に入射させて伝送し、前記光ヘッド70は、偏光ビームスプリッタ82、4分の1波長板83、および第1の集光光学系1と第2の集光光学系を具備して、前記光ファイバ33から入射した光ビームを前記偏光ビームスプリッタ82で90度反射した後、前記4分の1波長板を通して前記第1の集光光学系で測定対象物60の表面に集光し、該表面で反射した散乱光36を前記第1の集光光学系で捕集した後、前記4分の1波長板83と前記偏光ビームスプリッタ82を透過させ、さらに前記第2の集光光学系でマルチモードファイバ41に入射させるものである請求項1〜請求項3の内のいずれか一項に記載のオンライン結晶粒径測定装置。
  5. 前記第1の集光光学系は凹レンズ84と該凹レンズより前記測定対象物側に設置された1枚または2枚の凸レンズ(85および/または86)で構成され、測定対象物60の表面からの前記散乱光の断面積を縮小した後に前記第2の集光光学系に入射させて、前記第2の集光光学系から前記マルチモード光ファイバ41への入射角を小さくすることにより、前記散乱光の前記マルチモード光ファイバへの入射効率を大きくするようにしたことを特徴とする請求項4記載のオンライン結晶粒径測定装置。
  6. 前記レーザ干渉部は、マルチモード光ファイバ41により伝送された前記散乱光を、偏光ビームスプリッタ92および4分の1波長板93の順に透過させた後に、前記共焦点ファブリー・ペロー干渉計116に入射させて、前記共焦点ファブリー・ペロー干渉計116の反射干渉光を前記偏光ビームスプリッタ92で90度反射させることにより前記散乱光と分離して光検出器100で測定できるようにしたことを特徴とする請求項1〜5の内の一項に記載のオンライン結晶粒径測定装置。
  7. 前記レーザ干渉部は、前記共焦点ファブリー・ペロー干渉計116において、前記散乱光の入射側とは反対の後方に4分の1波長板97と偏光ビームスプリッタ98を順に設置して、前記共焦点ファブリー・ペロー干渉計116の透過干渉光が前記偏光ビームスプリッタ98を透過するようにして光検出器99で透過干渉光の強度を測定するようにしたことを特徴とする請求項1〜6の内の一項に記載のオンライン結晶粒径測定装置。
  8. 前記干渉計安定部は、前記超音波測定用レーザ30の出力ビームの一部を測定対象物へ照射する光ビームから分離し、前記共焦点ファブリー・ペロー干渉計116に入射させて干渉光(102)を形成させ、該干渉光の強度変化を利用して前記共焦点ファブリー・ペロー干渉計116の共振を安定化するものである請求項1〜7の内の一項に記載のオンライン結晶粒径測定装置。
  9. 前記干渉計安定部は、前記超音波測定用レーザ30の出力ビームの一部を測定対象物へ照射する光ビームから分離しマルチモード光ファイバで伝送し、前記偏光ビームスプリッタ98で90度反射させて前記共焦点ファブリー・ペロー干渉計116に入射させた後、透過干渉光を前記偏光ビームスプリッタ92で90度反射し、さらにプリズムによって反射させて該透過干渉光の強度変化を光検出器104によって検出して前記共焦点ファブリー・ペロー干渉計116の共振を安定化するものである請求項7記載のオンライン結晶粒径測定装置。
  10. 前記干渉計安定部は、前記光検出器104の出力信号を用いて前記ファブリー・ペロー干渉計の干渉条件を所定の干渉条件に保つように信号処理をする干渉安定化制御回路105、前記共焦点ファブリー・ペロー干渉計の共振器鏡95に設置した圧電アクチュエータ107、前記干渉安定化制御回路105の出力信号により該圧電アクチュエータを駆動する圧電駆動調節器106を具備することを特徴とする請求項9に記載のオンライン結晶粒径測定装置。
  11. 前記レーザ干渉部は、前記測定対象物60表面からの前記散乱光の前記共焦点ファブリー・ペロー干渉計116における透過干渉光と反射干渉光の強度をそれぞれ光検知器99と光検知器100で電気信号に変換した後、該2つの電気信号を差動増幅して反射超音波信号を得る超音波信号検出装置39を具備することを特徴とする請求項1〜請求項10の内の一項に記載のオンライン結晶粒径測定装置。
  12. 前記信号処理部は、前記超音波信号検出装置39から出力される前記反射超音波信号をFFTによってフーリエ周波数成分を求めて, 周波数毎の超音波減衰係数を求め、測定対象の結晶粒径を算出するものであることを特徴とする請求項1〜請求項11の内のいずれか一項に記載のオンライン結晶粒径測定装置。
  13. 前記信号処理部は、測定対象物の試片を用いた測定実験を通じて予め導出した測定対象の結晶粒径と超音波減衰係数間の相関式に関する情報を持ち、オンライン測定時に測定された超音波減衰係数を前記相関式に代入して迅速に結晶粒径を算出することを特徴とする請求項1〜請求項11の内のいずれか一項に記載のオンライン結晶粒径測定装置。
  14. 金属板の生産ライン中において該金属板の結晶粒径をレーザ超音波法を用いてオンラインで測定するオンライン結晶粒径測定方法において、
    パルス発光レーザ10で発生した光ビーム13を測定対象物60の表面に照射して該測定対象物内に超音波を発生させ、該超音波の発生発生表面と同一表面に光ファイバ33によって伝送された超音波測定用レーザ30の光ビーム35を照射し、さらに光学ヘッド70を用いて該超音波の前記反射超音波によって反射された前記光ビーム35の散乱光を捕集して光ファイバ41に入射させ;光ファイバ41によって伝送された前記散乱光の強度変化を検出することにより前記反射超音波の強度を超音波安定測定部20で測定し;超音波安定測定部20の電気出力信号から結晶粒径を信号処理部で算出するオンライン結晶粒径測定方法であって、
    前記超音波安定測定部20は、光ファイバ41によって伝送された前記散乱光の前記反射超音波による前記超音波測定用レーザの周波数からの周波数偏移を透過干渉光および反射干渉光の強度変化として検出する共焦点ファブリー・ペロー干渉計116で構成されるレーザ干渉部と;超音波測定用連続発振レーザ30の光ビームの一部を分離してマルチモード光ファイバ52で該共焦点ファブリー・ペロー干渉計116に伝送して該共焦点ファブリー・ペロー干渉計116の干渉を安定化する干渉計安定部と;超音波生成時に存在するプラズマ放射光が該共焦点ファブリー・ペロー干渉計116に入射するのを抑止する高速シャッター110とを具備するものであるオンライン結晶粒径測定方法。
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