JP2017216189A - 大気圧プラズマ発生用電極、大気圧プラズマ発生装置、表面改質基材の製造方法、及び再利用電極の製造方法 - Google Patents

大気圧プラズマ発生用電極、大気圧プラズマ発生装置、表面改質基材の製造方法、及び再利用電極の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】大気圧プラズマ処理において、例えば厚みがあるような大きな材料に対して、効率的に表面処理を施すことができる大気圧プラズマ発生用電極を提供すること。【解決手段】大気圧プラズマ発生用電極1は、金属層11と、誘電体層12が積層された構造を有し、誘電体層12は、40〜400℃における熱膨張率が6.5×10−6/K以下である誘電体を含む。また、大気圧プラズマ発生用電極3aは、基材に処理を施すために用いられ、その表面に位置し、基材の少なくとも一部を収容できる断面形状の凹部32aを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、大気圧プラズマ発生用電極、大気圧プラズマ発生装置、表面改質基材の製造方法、及び再利用電極の製造方法に関する。
従来より、有機材料、無機材料等の各種基材の表面の濡れ性向上等表面性状の改質や、油分除去のための洗浄、密着性向上のための物理的処理等のために、材料の表面に大気中でプラズマを照射する大気圧プラズマ処理が用いられている。このような大気圧プラズマ処理においては、対向配置された2つのプラズマ電極間に高周波パルス電源によって高電圧を印加することで、プラズマ電極と処理対象との間に導入された反応ガスが、大気圧下でプラズマ化することでラジカルを発生し、このラジカルによって、基材表面が化学的及び物理的に改質される(誘電体バリア放電型の大気圧プラズマ処理)。
誘電体バリア放電型の大気圧プラズマ処理の利点としては、直接プラズマと接触させることにより効率的な処理が可能である点、大気圧下での処理が可能であることにより耐圧容器等の設備が不要である点、廃液等の排出が少ない点等が挙げられる。
特許文献1には、大気圧プラズマ処理を施すに際し、基板の面内に貫通孔を設け、反応ガスを基板と電極との間に導入することにより、数mm以下の狭ギャップを隔てて対向配置された2枚の電極間の反応ガス分布を均一化し、基板に大気圧プラズマ処理を施す方法が提案されている。
また、特許文献2には、広面積の基板に大気圧プラズマ処理を施すに際し、処理される基板の進行方向に垂直に配置された複数の平行四辺形電極と、複数の平行四辺形電極に平行に形成されたガス導入口と、基板進行方向の両側に設けられた鍔部とを備える電極部を用いることで、電極部に対向して移動する基板上にガスをおいて保持し、広い面積において大気圧プラズマを安定的に維持することで、大型電極による大気圧プラズマ処理を施す方法が提案されている。
このように、大気圧プラズマ処理においては、基材に処理を効率的に施すために、電極部に導入される反応ガスの濃度を高く維持することを要する。
ところで、このような誘電体バリア放電型の大気圧プラズマ処理において、2つの電極間の距離を拡げ、厚みのある基材に処理を施そうとすると、高周波パルス電源により高電圧を印加しても、大気中で効率よくプラズマを発生させることができない。したがって、大気圧プラズマ処理は、一般的に2つの電極間の距離の制約を強く受けるため、厚さ1.5mm未満の基材にしか適用できず、それ以上の厚みを有する基材に対して表面処理を施す場合には、紫外線処理や化学浸漬等、大気圧プラズマ以外の手法により表面処理を施していた。
特開2014−063874号公報 特開2015−076328号公報
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、大気圧プラズマ処理において、例えば厚みがあるような大きな材料に対して、効率的に表面処理を施すことができる大気圧プラズマ発生用電極を提供することを目的とする。
本発明者は、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、大気圧プラズマ処理において、例えば厚みがあるような大きな材料に対して、金属層と、40〜400℃における熱膨張率が6.5×10−6/K以下である誘電体層とを有する電極か、電極の表面に基材の少なくとも一部を収容できる断面形状の凹部を有する電極を用いることによって、基材に大気圧プラズマ処理を効率的に施すことができることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は、以下のものを提供する。
本願の第1の発明は、金属層と、誘電体層とが積層された構造を有し、前記誘電体層は、40〜400℃における熱膨張率が6.5×10−6/K以下である誘電体を含む、大気圧プラズマ発生用電極である。
本願の第2の発明は、第1の発明において、前記誘電体層の平均厚さが0.9mm以下である大気圧プラズマ発生用電極である。
本願の第3の発明は、第1又は2の発明において、前記誘電体層が、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、又はケイ素とアルミニウムの複合窒化物からなる群から選択される1種以上の誘電体を含む大気圧プラズマ発生用電極である。
本願の第4の発明は、第1〜3のいずれかの発明において、前記金属層が、比抵抗値が50μΩcm以下である金属を含む大気圧プラズマ発生用電極である。
本願の第5の発明は、第1誘電体層と、金属層と、第2誘電体層とが積層された構造を有し、前記金属層は、第1表面と第2表面を有し、前記第1誘電体層が、前記第1表面を全て覆い、前記第2誘電体層が、前記金属層の端部から外方へと延在する、大気圧プラズマ発生用電極である。
本願の第6の発明は、基材に処理を施すための大気圧プラズマ発生用電極であって、前記大気圧プラズマ発生用電極の表面に位置し、前記基材の少なくとも一部を収容できる断面形状の凹部を有する大気圧プラズマ発生用電極である。
本願の第7の発明は、第1〜6のいずれかの発明に係る大気圧プラズマ発生用電極を備える、大気圧プラズマ発生装置である。
本願の第8の発明は、第1〜4のいずれかの発明に係る大気圧プラズマ発生用電極と、金属を含む対電極とを備え、前記大気圧プラズマ発生用電極の前記誘電体層と、前記対電極の面とが、対向するように配置され、前記誘電体層と、前記対電極面との最小距離が1.5mm以上である大気圧プラズマ発生装置である。
本願の第9の発明は、第5の発明に係る大気圧プラズマ発生用電極と、金属を含む対電極とを備え、前記大気圧プラズマ発生用電極の前記第1誘電体層と、前記対電極の面とが、対向するように配置され、前記第1誘電体層と、前記対電極面との最小距離が1.5mm以上である大気圧プラズマ発生装置である。
本願の第10の発明は、第6の発明に係る大気圧プラズマ発生用電極と、金属を含む対電極とを備え、前記大気圧プラズマ発生用電極の前記凹部を有する面と、前記対電極の面とが、対向するように配置され、前記凹部を有する面と、前記対電極面との最小距離が1.5mm以上である大気圧プラズマ発生装置である。
本願の第11の発明は、第1〜4いずれかの発明に係る大気圧プラズマ発生用電極の前記誘電体層と、第6の発明に係る大気圧プラズマ発生用電極の前記凹部を有する面とが、対向するように配置される大気圧プラズマ発生装置である。
本願の第12の発明は、第11の発明において、前記誘電体層と、前記凹部を有する面との最小距離が1.5mm以上である記載の大気圧プラズマ発生装置である。
本願の第13の発明は、第5の発明に係る大気圧プラズマ発生用電極の前記第1誘電体層と、第6の発明に係る大気圧プラズマ発生用電極の前記凹部を有する面とが、対向するように配置される大気圧プラズマ発生装置である。
本願の第14の発明は、第13の発明において、前記第1誘電体層と、前記凹部を有する面との最小距離が1.5mm以上である大気圧プラズマ発生装置である。
本願の第15の発明は、基材に処理を施すための大気圧プラズマ発生装置であって、第5の発明に係る大気圧プラズマ発生用電極が複数配列し、配列方向に関して、前記金属層が連続するように配置される大気圧プラズマ発生装置である。
本願の第16の発明は、第7〜15いずれかの発明に係る大気圧プラズマ発生装置を用いて基材に大気圧プラズマ処理を施す表面改質基材の製造方法である。
本願の第17の発明は、第6の発明に係る大気圧プラズマ発生用電極を備える、大気圧プラズマ発生装置を用いて、基材に大気圧プラズマ処理を施す方法であって、前記基材の少なくとも一部を前記凹部に収容する状態で、前記基材に大気圧プラズマ処理を施した後、前記基材の前記凹部に収容した部分を露出させた状態で、前記基材に大気圧プラズマ処理を施す表面改質基材の製造方法である。
本願の第18の発明は、第1〜5いずれかの発明に係る大気圧プラズマ発生用電極に、酸処理又はアルカリ処理を施す再利用電極の製造方法である。
本発明によれば、大気圧プラズマ処理において、例えば厚みがあるような大きな材料に対して、効率的に表面処理を施すことができる。
第1の態様の大気圧プラズマ発生用電極の構成を説明するための断面図である。 第1の態様の大気圧プラズマ発生用電極の構成を説明するための斜視図である。 第2の態様の大気圧プラズマ発生用電極の構成を説明するための断面図である。 第2の態様の大気圧プラズマ発生用電極の構成を説明するための斜視図である。 第2の態様の大気圧プラズマ発生用電極を、金属層が連続するように配置する構成の一例を説明するための平面図である。 第2の態様の大気圧プラズマ発生用電極を、金属層が連続するように配置する構成の一例を説明するための平面図である。 第3の態様の大気圧プラズマ発生用電極の構成を説明するための斜視図である。 第3の態様の大気圧プラズマ発生用電極の構成を説明するための斜視図である。 第3の態様の大気圧プラズマ発生用電極の構成を説明するための斜視図である。 大気圧プラズマ発生用装置の構成を説明するための模式図である。 改質基材の製造方法を説明するための模式図である。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において適宜変更を加えて実施することができる。
なお、以下、「基材」とは、本実施の形態に係る大気圧プラズマ発生装置によって、大気圧プラズマ処理を施される対象物である。基材としては、特に限定されないが、有機、無機、複合材料等の各種材料を用いることができる。具体的には、例えば、ガラス(石英等)、アルミナ、ジルコニア等の無機酸化物材料、ステンレス、鉄、チタン、アルミ等の金属材料、ポリエチレン、ポリイミド、ポリプロピレン、パーフルオロエチレン、アクリル等の高分子材料、黒鉛、炭素焼結体、炭化ケイ素等の炭素素材、紙、綿等の植物繊維等が挙げられる。
≪1.大気圧プラズマ発生用電極≫
<1−1.第1の態様の大気圧プラズマ発生用電極>
本実施の形態に係る大気圧プラズマ発生用電極は、金属層と、誘電体層が積層された構造を有し、誘電体層は、40〜400℃における熱膨張率が6.5×10−6/K以下である誘電体を含むものである。図1は、大気圧プラズマ発生用電極の構成を説明するための断面図である。また、図2は、大気圧プラズマ発生用電極の構成を説明するための斜視図である。
なお、大気圧プラズマ発生用電極1の形状としては、特に限定されず、大気圧プラズマ処理を施す基材の形状及び対となる電極の形状に合わせて適切なものを使用できる。図1及び図2は、平板状の大気圧プラズマ発生用電極1を一例として示しているが、本願発明は、この例に限定されるものではなく、曲面状等他の形状の大気圧プラズマ発生用電極装置を用いることができる。
[金属層]
大気圧プラズマ発生用電極1は、金属層11を備える。金属層11は、金属を含み、導電性を有する。
金属層11を構成する金属としては、特に限定されないが、例えば、比抵抗値が1000μΩcm以下であるものが好ましく、500μΩcm以下であるものがより好ましく、100μΩcm以下であるものがさらに好ましく、50μΩcm以下であるものが特に好ましい。比抵抗値が1000μΩcm以下の金属により金属層11を構成することで、プラズマを効率的に発生できる。
金属層11を構成する金属としては、具体的には、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、タングステン、ステンレス等又は、真鍮等の合金を用いることができる。
金属層11の平均厚さとしては、特に限定されないが、0.05mm以上であることが好ましく、0.1mm以上であることがより好ましい。平均厚さ0.05mm以上の金属層11を用いることにより、金属層11の強度を高くすることができる。また、金属層11の平均厚さの上限値としては、0.5mm以下であることが好ましく、0.3mm以下であることがより好ましい。平均厚さ0.5mm以下の金属層11を用いることにより、電極を薄層化できる。
金属層11の面積としては、特に限定されないが、誘電体層12より小さいことが好ましい。ここで、「面積」とは、それぞれの層を平面視した場合の面積をいう。また、少なくとも金属層11の一方の表面全体が、誘電体層12により被覆されていることが好ましい。これにより、その金属層11の露出面から、大気圧プラズマ発生用電極1と対になる電極へのアーキングの発生を効率的に抑制できる。
金属層11と誘電体層12との2層の積層構造のみから大気圧プラズマ発生用電極1を構成する場合、その積層構造を平面視して、金属層11の面積は、誘電体層12の面積よりも小さく、且つ金属層11の端部と誘電体層12の端部は接触していないことが好ましい。また、金属層11の端部と誘電体層12の端部の最小距離が、0.5cm以上であることが好ましく、0.8cm以上であることがより好ましく、1.0cm以上であることがさらに好ましい。0.5cm以上であれば、金属層11から大気圧プラズマ発生用電極1と対になる電極へのアーキングの発生を効率的に抑制できる。一方で、金属層11の端部と誘電体層12の端部の最小距離の上限値としては、例えば、3.0cm以下とすることができる。なお、「金属層11の端部と誘電体層12の端部の最小距離」とは、金属層11を有する側から大気圧プラズマ発生用電極1を平面視した場合において、金属層11の端部から、誘電体層12の端部までの距離のうち最小のものをいう。なお、図1、図2等において、金属層11の面積が、誘電体層12の面積よりも小さい大気圧プラズマ発生用電極1の例を示しているが、本発明は、これに限定されるものではない。
[誘電体層]
誘電体層12を構成する誘電体は、40〜400℃における熱膨張率が6.5×10−6/K以下である。また、誘電体の40〜400℃における熱膨張率としては、例えば、6.0×10−6/K以下であることが好ましく、5.5×10−6/K以下であることがより好ましく、5.0×10−6/K以下であることがさらに好ましい。従来、誘電体層としてはアルミナが用いられている。電極間の距離が1.5mm未満の場合、電圧の印加により電極の温度が最大200℃程度まで上昇するためアルミナを用いても破損のおそれは少ない。一方で、電極間の距離が1.5mm以上の場合には、電圧の印加により電極の温度が、最大300〜400℃まで上昇することがある(特に反応ガスが乾燥空気、窒素ガス等のように多原子分子の場合)。したがって、アルミナを用いた場合には、プラズマ処理によりこのような温度まで上昇すると、膨張が大きくなる。そして、このようなプラズマ処理を繰り返すことにより、アルミナは大きな膨張と縮小を繰り返し、破損するおそれがある。誘電体層12の40〜400℃における熱膨張率が6.5×10−6/K以下であることによって、電極の温度が400℃まで上昇しても、膨張が小さく、プラズマ処理の繰り返しによる破損を抑制できる。また、誘電体層を薄くしても層の破損を抑制できる。
誘電体層12を構成する誘電体の比誘電率としては、特に限定されないが、例えば2以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましく、4以上であることがさらに好ましい。比誘電率が2以上の誘電体を用いて誘電体層12を構成することにより、電極間の絶縁性を十分に確保することができる。また、比誘電率の上限値としては、例えば、50以下、20以下、15以下であってよい。
誘電体の強度としては、特に限定されないが、3点曲試験で、200MPa以上であることが好ましく、220MPa以上であることがより好ましい。
誘電体層12を構成する誘電体としては、具体的には、例えば、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ケイ素とアルミニウムの複合窒化物が挙げられる。
誘電体層12の平均厚さとしては、特に限定されないが、0.1mm以上であることが好ましく、0.2mm以上であることがより好ましく、0.3mm以上であることがさらに好ましい。0.1mm以上であることによって、電極間の強度及び絶縁性を十分に確保することができる。一方で、誘電体層12の平均厚さの上限値としては、特に限定されないが、0.9mm以下であることが好ましく、0.8mm以下であることがより好ましく、0.75mm以下であることがさらに好ましい。誘電体層12の平均厚さが0.9mm以下であることにより、プラズマ発生の効率が高められ、基材を効率的に処理することができる。なお、誘電体層12を構成する誘電体の、40〜400℃における熱膨張率が6.5×10−6/K以下であることによって、平均厚さを薄くしても、大気圧プラズマ処理を繰り返しても破損しにくい誘電体層12を形成することができる。平均厚さとは、プラズマ電極を幅方向に4等分したときの各切断面及び端部の層の厚さの平均値をさらに相加平均した値をいう。
大気圧プラズマ発生用電極1は、本発明の目的に反しない範囲で、他の層を備えることができる。例えば、金属層11の表面のうち、誘電体層12と接しない表面に、他の誘電体層を備えることができる。
<1−2.第2の態様の大気圧プラズマ発生用電極>
本実施の形態に係る大気圧プラズマ発生用電極は、第1誘電体層と、金属層と、第2誘電体層が積層された構造を有し、金属層は、第1表面と第2表面を有し、第1誘電体層が、金属層の第1表面を全て覆い、第2誘電体層が、金属層の端部から外方へと延在するものである。図3は、大気圧プラズマ発生用電極の構成を説明するための断面図である。また、図4は、大気圧プラズマ発生用電極の構成を説明するための斜視図である。
詳細は後述するが、大気圧プラズマ発生装置において、大気圧プラズマ発生用電極2は、例えば、第1誘電体層22と、その大気圧プラズマ発生用電極2と対になる電極の表面とを対向させて、一組の大気圧プラズマ発生用電極として使用することができる。大気圧プラズマ発生用電極2の第2誘電体層23を、金属層21の端部から外方へと延在させることにより、この電極を用いて大気圧プラズマを発生させる場合に、大気圧プラズマ発生用電極2の金属層21の第1誘電体層22と接していない表面(第2表面)から対になる電極への、高電圧による異常放電(アーキング)を抑制し、第1誘電体層22からの放電効率を高めることができる。
金属層21としては、第1の態様の大気圧プラズマ発生用電極1における金属層11と同様のものを用いることができる。金属層21を構成する金属の比抵抗値は、電気的な効率の観点から小さい程好ましい一方で、大気圧プラズマ発生用電極2と、対になる電極との間で、上述したアーキングが発生しやすくなる。アーキングは、例えば、金属層21を構成する金属の比抵抗値が50μΩcm以下である場合に発生しやすく、30μΩcm以下である場合により発生しやすく、20μΩcm以下である場合にさらに発生しやすくなる。しかしながら、このような比抵抗値を有する金属を用いたとしても、第2誘電体層23を設けることにより、アーキングの発生を抑制でき、その結果として低い比抵抗値の金属層21を安定的に使用することができる。
また、アーキングは、大気圧プラズマ発生用電極2を大面積化することにより、発生しやすくなる。電極を大面積すると、高周波パルス電源に供給する電力量を上げる必要がある。これに伴い、大気圧プラズマ電極へ供給される電力量が増えると同時に、電極自身の発熱量も増加する。この電力量の増加と発熱が原因で、電極間にアーキングが生じる。しかしながら、第2誘電体層23を設けることにより、大面積化した場合にもアーキングの発生を効率的に抑制することができる。なお、かかる場合に、第2誘電体層23に含まれる誘電体の比誘電率は、第1誘電体層22に含まれる誘電体の比誘電率よりも小さいことが好ましい。第2誘電体層23に含まれる誘電体の比誘電率が、第1誘電体層22に含まれる誘電体の比誘電率に比べて小さいと、第2誘電体層23からよりも優先的に、第1誘電体層22から、プラズマを発生させることができ、加えた電気量分のプラズマが発生することになり、アーキングによる電気エネルギーの損失を抑制することができる。アーキングは、特に、電極を平面視したときの面積が300cm以上であるときに発生しやすく、350cm以上であるときにより発生しやすく、400cm以上であるときにさらに発生しやすくなる。第2誘電体層23に含まれる誘電体の比誘電率が第1誘電体層22に含まれる誘電体の比誘電率よりも小さい第2誘電体層23を用いることによって、大面積でありながらも、アーキングの発生を抑制できる大気圧プラズマ発生用電極2を製造することができる。
第2誘電体層23の最小幅としては、特に限定されないが、0.5cm以上であることが好ましく、0.8cm以上であることがより好ましく、1.0cm以上であることがさらに好ましい。0.5cm以上であれば、上述したアーキングの発生を効率的に抑制できる。一方で、第2誘電体層23の最小幅の上限値としては、例えば、3.0cm以下とすることができる。なお、「最小幅」とは、第2誘電体層23を有する側から大気圧プラズマ発生用電極2を平面視した場合において、金属層21の露出面の端部から、大気圧プラズマ発生用電極2の端部までの距離のうち最小のものをいう。
第1誘電体層22及び第2誘電体層23としては、それぞれ第1の態様の大気圧プラズマ発生用電極1における誘電体層と同様の材料を用いることができる。なお、第1誘電体層22と第2誘電体層23は、必ずしも同一の材料により構成されることを要しない。
なお、大気圧プラズマ発生用電極2は、本発明の目的に反しない範囲で、他の層を備えることができる。
ところで、大面積の基材の処理においては、大面積化した電極の他に、電極の幅方向に連続するように配列された電極が用いられる。大気圧プラズマ発生用電極2を複数配列して、大気圧プラズマ発生装置へ組み込む場合、例えば、図5、6に示すように、配列方向(基材の搬送方向Xに対して、垂直方向)に関して、金属層が連続するように配置させることが好ましい。金属層の直下にのみプラズマが発生するため、例えば、横一列に大気圧プラズマ発生用電極2を配列すると、幅方向に、金属層21が存在せず、第1誘電体層22及び第2誘電体層23のみが存在する部分が生じ、この第2誘電体層23のみが存在する部分による、大気圧プラズマ処理の漏れを防止することができる。
<1−3.第3の態様の大気圧プラズマ発生用電極>
本実施の形態に係る大気圧プラズマ発生用電極は、基材に処理を施すための大気圧プラズマ発生用電極であって、その表面に位置し、基材の少なくとも一部を収容できる断面形状の凹部を有する。このように、大気圧プラズマ発生用電極に凹部を設け、その凹部に厚みのある基材の一部又は全部を収容させることにより、この電極と対になる電極との間の最小距離(電極間距離)を小さく保ちながらも、実質的に厚みのある基材の表面に大気圧プラズマ処理を施すことができる。
図7〜図9は、大気圧プラズマ発生用電極の構成を説明するための斜視図である。図7において、大気圧プラズマ発生用電極3aの一方の表面の中央部には、頂部31aに囲まれた溝状の半円柱状の凹部32aが設けられている。この凹部32aには、例えば、円柱状又は半円柱状の基材を設置することができる。また、図8において、大気圧プラズマ発生用電極3bの一方の表面の中央部には、頂部31bに囲まれた直方体状の溝状の凹部32bが設けられている。さらに、図9において、大気圧プラズマ発生用電極3cの一方の表面の中央部には、頂部31cに囲まれた直方体状の凹部32cが設けられている。凹部32b、32cには、例えば、直方体状の基材を設置することができる。なお、凹部と基材の形状は必ずしも同一又は近似である必要はなく、基材の少なくとも一部が凹部に収容され、それにより、電極間距離を小さく維持できるものであれば限定されない。例えば、直方体状の凹部32bに、円柱状の基材を収容することができる。なお、凹部は、一つの大気圧プラズマ発生用電極に対して複数個設けることもできる。
大気圧プラズマ発生用電極3a、3bは、電極表面の2箇所の端部間において凹部(32a、32b)が連続する溝構造を有する。このような構造を有することにより、凹部よりも大きい基材であっても、溝方向に基材を搬送しながら、連続的に大気圧プラズマ処理を施すことができる。
凹部の位置としては、特に限定されないが、例えば、反応ガスの導入口付近や中央部等、反応ガスの濃度が相対的に高くなり得る位置に設けることで、ラジカルを効率的に発生させ、大気圧プラズマ処理を施すことができる。
凹部の形状としては、基材を収容できる形状であれば、特に限定されない。なお、基材又はその一部の形状と略同一であることを要しない。
凹部の深さとしては、基材を収容できる深さであれば、特に限定されない。例えば、1mm以上の深さの凹部を設けることができ、また、2mm以上の深さの凹部を設けることもできる。なお、「深さ」とは、凹部の最も深い部分から、頂部の高さまでの距離をいう。このように、大気圧プラズマ発生用電極の凹部の深さを基材の厚さに合わせて深くすることにより、厚みの厚い基材を処理することができる。
電極表面に占める凹部の割合としては特に限定されないが、凹部を有する表面を平面視した場合に、電極表面の全面積に対する凹部の面積の割合が、1%以上であることが好ましく、2%以上であることがより好ましく、5%以上であることがさらに好ましい。電極表面の全面積に対する凹部の面積の割合が1%以上であることにより、電極の面積が過剰に大きくなることを抑制できる。また、電極表面の全面積に対する凹部の面積の割合の上限値としては、80%以下であることが好ましく、70%以下であることがより好ましく、60%であることがさらに好ましい。電極表面の全面積に対する凹部の面積の割合が80%以下であることにより、頂部の面積を維持することで、大気圧プラズマを効率的に発生させることができる。
電極の材料としては、特に限定されず、各種金属、合金等を用いることができる。具体的には、例えば、金属アルミやステンレス鋼(SUS)を用いることができる。また、頂部を誘電体で被覆することもできる。誘電体としては、特に限定されず、例えば、アルミナ等のセラミックス材料、ムライト、雲母等の鉱物、第1の態様の大気圧プラズマ発生用電極1の誘電体層12に用いられる誘電体等が挙げられる。大気圧プラズマ発生装置においては、例えば2つの電極を対向配置するが、この2つの電極のいずれかに誘電体を設け、アーキングを抑制することができる。
なお、大気圧プラズマ発生用電極3は、本発明の目的に反しない範囲で、他の層を備えることができる。
≪2.大気圧プラズマ発生装置≫
本実施の形態に係る大気圧プラズマ発生用電極は、上述した第1の態様の大気圧プラズマ発生用電極1、第2の態様の大気圧プラズマ発生用電極2及び第3の態様の大気圧プラズマ発生用電極3のいずれかを少なくとも一方の電極として備える。これらのうち、2種の大気圧プラズマ発生用電極を用いることもでき、同種の大気圧プラズマ発生用電極を2つ用いることもできる。
また、上述したいずれかの大気圧プラズマを一方の大気圧プラズマ発生用電極を用いる場合、対電極を用いる。対電極としては、金属を含み、導電性を有するものであれば、特に限定されず、各種金属、合金等を用いることができる。具体的には、例えば、金属アルミやステンレス鋼(SUS)を用いることができる。また、これと対になる電極と対向する面側(以下、「対向面」と呼ぶ)に、誘電体を設けることもできる。誘電体としては、特に限定されず、例えば、アルミナ等のセラミックス材料、ムライト、雲母等の鉱物、第1の態様の大気圧プラズマ発生用電極1の誘電体層12に用いられる誘電体等が挙げられる。
対向面は、第1の態様の大気圧プラズマ発生用電極1において誘電体層12、第2の態様の大気圧プラズマ発生用電極2において第1誘電体層22、第3の態様の大気圧プラズマ発生用電極3a〜3cにおいて凹部を有する面である。大気圧プラズマ発生装置において、2つの電極がそれぞれの対向面を向け、対向配置されている。
2つの電極の対向面の最小距離(電極間距離)としては、特に限定されないが、例えば、2つの電極の対向面の最小距離が1.5mm以上であることが好ましく、2.5mm以上であることがより好ましく、3.5mm以上であることがさらに好ましい。2つの電極の対向面の最小距離が1.5mm以上であることにより、厚みのある基材に大気圧プラズマ処理を施すことができる。なお、例えば、2枚のSUS平板を電極として対向配置させ、少なくとも一方のSUS平板をアルミナや雲母等の誘電体で覆う従来の一組の電極を用いた場合、2つの電極の対向面の最小距離が1.5mm以上であると、基材に大気圧プラズマ処理を効率的に施すことができない。
図10は、大気圧プラズマ発生装置の一例の模式図である。図10において、大気圧プラズマ発生装置100は、大気圧プラズマ発生用電極1と、大気圧プラズマ発生用電極3aとを備えるものである。大気圧プラズマ発生装置100において、大気圧プラズマ発生用電極1の誘電体層12と、大気圧プラズマ発生用電極3aの凹部32aを有する面が対向配置されている。大気圧プラズマ発生用電極1の金属層11と、大気圧プラズマ発生用電極3aが、高周波パルス電源装置4に接続されている。
≪3.改質基材の製造方法≫
本実施の形態に係る改質基材の製造方法は、上述したいずれかの大気圧プラズマ発生装置を用いて、基材に大気圧プラズマ処理を施すものである。得られる改質基材は、大気圧プラズマ処理を施す前の基材と比較して、表面特性が異なっており、例えば、水との濡れ性が高い。
反応ガスとしては、乾燥空気、窒素、アルゴン、ヘリウム等が挙げられる。コスト等の観点から、乾燥空気を用いることが好ましい。
図11(a)〜(d)は、改質基材の製造方法を説明するための模式図である。改質基材の製造方法には、例えば、大気圧プラズマ発生装置100を用いる。図11においては、便宜上、大気圧プラズマ発生装置100の構成のうち、大気圧プラズマ発生用電極1と大気圧プラズマ発生用電極3aのみを表示している。以下、改質基材の製造方法について、順を追って説明する。
処理対象である基材5の一例として円柱状のものであり、大気圧プラズマ発生用電極3aの半円柱状の凹部32aに、基材5の略半分が収容される(図11(a))。まず、基材5に大気圧プラズマ処理を施すと、基材5の略半分の表面が改質される(図11(b))。なお、図11(a)〜(d)において、基材5のうち網掛けで表示した部分を、改質された部分とする。
基材5が、例えば、円柱の高さ方向に長い形状のものである場合、搬送方向Yに沿って基材を搬送し、続けて未処理の部分に、同様にして大気圧プラズマ処理を施すこともできる(図11(c))。このような手法により、搬送方向Yと同方向に長さを有するような基材に対して連続して大気圧プラズマ処理を施すことができる。
また、基材5の両面(円周方向全体)に大気圧プラズマ処理を施す場合、基材5の片面(露出面)を搬送方向(基材の長さ方向)全体に渡って処理後、基材5の搬送方向と平行な軸を回転軸として基材5を回転させ、未処理の部分を露出させ、その部分に大気圧プラズマ処理を施す。さらに、搬送方向Zに沿って、大気圧プラズマ処理を施しながら基材を搬送することもできる。このようにして大気圧プラズマ処理を施すことにより、基材5の円周方向及び長さ方向全体に渡って表面処理された改質基材を得ることができる。
なお、例えば、基材が平板状の場合には、基材に大気圧プラズマ処理を施した後、基材を裏返しにし、再度大気圧プラズマ処理を施すことができる。このように、基材の少なくとも一部を凹部に収容する状態で、一旦、基材に大気圧プラズマ処理を施した後、基材の凹部に収容した部分を露出させた状態で、基材に大気圧プラズマ処理を施すことにより、基材全体が改質された基材を得ることができる。
≪4.再利用電極の製造方法≫
本実施の形態の再利用電極の製造方法は、大気圧プラズマ発生用電極が備える、40〜400℃における熱膨張率が6.5×10−6/K以下である誘電体の表面に、酸処理又はアルカリ処理を施すことによって、再利用電極を製造する方法である。基材に大気圧プラズマ処理を施すことにより、基材に付着した有機物等に由来して、大気圧プラズマ発生用電極の誘電体の表面に汚れが付着し、長期間の使用により蓄積する。このように、大気圧プラズマ発生用電極表面に汚れが蓄積すると、プラズマの発生効率を低下させる原因となり得る。特に、大気圧プラズマ発生用電極の誘電体層に、40〜400℃における熱膨張率が6.5×10−6/K以下である誘電体を用いることにより、繰り返し使用による破損を大幅に減らすことができ、より長期間の使用が可能となるが、一方で、長期間の使用により汚れが蓄積する。
処理の手法としては、特に限定されないが、具体的には、電極を溶液に浸す方法や、電極を蒸気に曝露する方法が挙げられる。
酸としては、特に限定されないが、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸等を用いることができる。また、酸溶液を使用する場合、その溶液のpHとしては、1以上4以下であるものを用いることができる。
アルカリとしては、特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア水等を用いることができる。また、アルカリ溶液を使用する場合、その溶液のpHとしては、特に限定されないが、9以上14以下であるものを用いることができる。
〔実施例1〕
(電極Aの作製)
厚さ0.64mmの窒化アルミニウムの板(MARUWA製)を45mm×120mmに切り出し、その片面に銀ペースト(大研化学製)を25mm×100mmの大きさで窒化アルミニウム板表面の中心部分に位置するように塗工した後、その上から厚さ1mmのアルミナ板を銀被膜の保護を目的としてのせて、大気雰囲気中10℃/minの昇温速度で850℃まで昇温し、850℃で10分間焼成した後、自然放冷により室温まで冷却して、窒化アルミニウム板とアルミナ板の間に銀被膜を有する部材を得た。銀被膜保護用に用いたアルミナ板には、予め銀被膜に電気を供給するための電極を取り付けるための穴が設けてあり、この穴に通電用の真鍮棒を通して銀被膜と接着することで、電極Aを作製した。
(電極Bの作製)
厚さ0.64mmの窒化アルミニウムの板の代わりに、厚さ0.3mmの窒化ケイ素の板(MARUWA製)を用いた以外、電極Aと同様にして電極Bを作製した。
(電極Cの作製)
銀ペーストの代わりに、銅ペースト(大研化学製)を用いた以外、電極Aと同様にして電極Cを得た。
(電極Dの作製)
銀ペーストの代わりに、銅ペースト(大研化学製)を用いた以外、電極Bと同様にして電極Dを得た。
(電極Eの作製)
厚さ0.64mmの窒化アルミニウムの板の代わりに、厚さ1.0mmのアルミナの板(ニッカトー製)を用いた以外、電極Aと同様にして電極Eを得た。
(電極Fの作製)
厚さ0.64mmの窒化アルミニウムの板の代わりに、厚さ1.0mmのアルミナの板(ニッカトー製)を用いた以外、電極Cと同様にして電極Fを得た。
(電極Gの作製)
厚さ3.0mmのSUSの板(日進機械製)を45mm×120mmに切り出し、このSUS板に電気を供給するための通電用の真鍮棒を接着することで、電極Gを得た。
[実施例1−1]
電極Aの窒化アルミニウムを有する面と、SUS板の一方の面とを対向配置し、電極AとSUS板の間を、高周波パルス電源(日進機械製、出力電流120mA、出力電圧10kV)に接続した。電極A〜Fはそれぞれ、絶縁体で囲われた筐体内部に固定した。その筐体近傍から乾燥空気を吹き出すノズルを設置し、基材に大気圧プラズマ処理を施す間、電極AとSUS板の間に一定流量の乾燥空気を一定方向に供給した。また、電極AとSUS板の間に、家庭用100V電源を接続し、スライダックにより入力電圧100Vを供給することにより大気圧プラズマを発生させた。
電極AとSUS板の対向する面の間隔(以下、「電極間距離」ともいう)を、1mm、2mm、3mm、4mmに設定して、目視で、大気圧プラズマの発生状態の評価を行った。併せて、電極AとSUS板の間に、5m/minの送りスピードで、厚さ0.1mmのガラス基板を通過させ、大気圧プラズマ処理を施した。その後、大気圧プラズマ処理後のガラス基板の表面の接触角を、協和界面科学社製DM−500(θ/2法、水滴1.5μLで評価)を用いて測定することで、大気圧プラズマ処理後のガラス基板の濡れ性評価を行った。
[実施例1−2]
電極Aの代わりに電極Bを用いた以外、実施例1−1と同様にして評価を行った。
[実施例1−3]
電極Aの代わりに電極Cを用いた以外、実施例1−1と同様にして評価を行った。
[実施例1−4]
電極Aの代わりに電極Dを用いた以外、実施例1−1と同様にして評価を行った。
[比較例1−1]
電極Aの代わりに電極Eを用いた以外、実施例1−1と同様にして評価を行った。
[比較例1−2]
電極Aの代わりに電極Fを用いた以外、実施例1−1と同様にして評価を行った。
[比較例1−3]
電極Gの一方の表面と、厚さ3.0mmのSUSの板(日進機械製)を200mm×200mmに切り出し、その一方の面上に厚さ0.5mmの雲母板を絶縁体としてのせた対電極の雲母板の面とを対向配置し、一対の電極として用いた以外、実施例1−1と同様にして評価を行った。なお、雲母板を乗せた電極が有する面の面積を、電極Gが有する面の面積よりも大きいものとしたのは、電極間でのアーキングの発生を抑制するためである。
表1は、実施例1−1〜1−4及び比較例1−1〜1−3、それぞれにおける大気圧プラズマの発光状態の評価の結果である。表1において、以下の基準に基づき大気圧プラズマの発光状態の評価を行った。
◎:大気圧プラズマ発光が、均一でかつ、電極全面で発光していた。
○:大気圧プラズマ発光は均一であり、ほぼ電極全面で発光していた。
△:大気圧プラズマ発光は不均一で、電極全面では発光していない。
×:大気圧プラズマ発光が疎らで、ほとんど発光していない。
−:大気圧プラズマ発光は起こらない。
Figure 2017216189
表2は、実施例1−1〜1−4及び比較例1−1〜1−3、それぞれにおける濡れ性の評価の結果である。表1において、以下の基準に基づき濡れ性の評価を行った。
◎:大気圧プラズマ処理後の接触角が、15°以下
○:大気圧プラズマ処理後の接触角が、30°以下
△:大気圧プラズマ処理後の接触角が、40°以下
×:大気圧プラズマ処理後の接触角が、60°以下
−:大気圧プラズマ処理後の接触角は、未処理のガラス基板(75.3°)と変わらない。
Figure 2017216189
以上の結果より、金属層と、40〜400℃における熱膨張率が6.5×10−6/K以下である誘電体層とを有する大気圧プラズマ電極を用いることにより、電極間の距離を1mm超としても、大気圧プラズマ処理を効率的に施すことができることがわかった。
〔実施例2〕
(電極Hの作製)
厚さ10.5mmのSUS板の一方の表面に大気圧プラズマ処理の対象としてのガラス基板を収容し得る溝状の凹部を設け(図8参照)、その凹部を有する側の表面の頂部のみに厚さ0.5mmの雲母板をのせて(すなわち、凹部には雲母板をのせていない)、総厚さが11mmの電極Hを作製した。なお、詳細は後述するが、実施例2においては、ガラス基板の厚さを変化させることによる大気圧プラズマ処理への影響を確認するため、処理対象のガラス基板の厚さに合わせて、凹部の深さ(溝の高さ)を調整した。
[実施例2−1]
電極Aの窒化アルミニウムを有する面と、電極Hの凹部を有する側の面とを対向配置し一対の電極とした。凹部に、厚さがそれぞれ1mm、3mm、6mm、10mmであるガラス板をそれぞれ収容し、電極Hの頂部の雲母板の高さと、ガラス基板の高さが同一(面一)になるように配置した。そして、電極Aの窒化アルミニウムの表面と、電極Hの凹部に収容されたガラス基板の表面(及びそれと面一となるように頂部に配置された雲母板表面)と間の距離を1mmに設定した。その後、実施例1−1と同様にして、大気圧プラズマ処理後のガラス基板の濡れ性評価を行った。
[実施例2−2]
電極Aの代わりに電極Bを用いた以外、実施例2−1と同様にして、大気圧プラズマ処理後のガラス基板の濡れ性評価を行った。
[実施例2−3]
電極Aの代わりに電極Eを用いた以外、実施例2−1と同様にして、大気圧プラズマ処理後のガラス基板の濡れ性評価を行った。
[実施例2−4]
電極Aの代わりに電極Gを用いた以外、実施例2−1と同様にして、大気圧プラズマ処理後のガラス基板の濡れ性評価を行った。
[実施例2−5]
電極Aの窒化アルミニウムを有する面と、電極Hの凹部を有する側の面とを対向配置し一対の電極とした。凹部に、厚さがそれぞれ1mm、3mm、6mm、10mmであるガラス板をそれぞれ収容し、電極Hの頂部の雲母板の高さに対し、ガラス基板の高さが1mm高くなるように配置したそして、電極Aの窒化アルミニウムの表面と、電極Hの凹部に収容されたガラス基板の表面との間の距離を1mmに設定した。その後、実施例1−1と同様にして、大気圧プラズマ処理後のガラス基板の濡れ性評価を行った。なお、ガラス基板の厚さが1mmの場合、電極Hの頂部の雲母板の高さに対し、ガラス基板の高さが1mm高くなるように配置するためには、雲母板上にガラス基板を置けばよい。したがって、電極Hに凹部を設けていないため、ガラス基板の厚さが1mmの場合は、本願の参考例とする。
[実施例2−6]
電極Aの代わりに電極Bを用いた以外、実施例2−5と同様にして、大気圧プラズマ処理後のガラス基板の濡れ性評価を行った。
[実施例2−7]
電極Aの代わりに電極Eを用いた以外、実施例2−5と同様にして、大気圧プラズマ処理後のガラス基板の濡れ性評価を行った。
[実施例2−8]
電極Aの代わりに電極Gを用いた以外、実施例2−5と同様にして、大気圧プラズマ処理後のガラス基板の濡れ性評価を行った。
[比較例2−1]
電極Eのアルミナを有する面と、平板状のSUS板の一方の面とを対向配置し一対の電極とした。SUS板の表面に、厚さがそれぞれ1mm、3mm、6mm、10mmであるガラス板をそれぞれ設置した。そして、電極Eのアルミナの表面と、電極Hの表面に設置されたガラス基板の表面との間の距離を1mmに設定した。その後、実施例1−1と同様にして、大気圧プラズマ処理後のガラス基板の濡れ性評価を行った。
[比較例2−2]
電極Gの一方の表面と、平板状のSUS板の上に厚さ0.5mmの雲母板を絶縁体として載せたものの雲母板側の面とを対向配置し、一対の電極とした。雲母板の表面に、厚さがそれぞれ1mm、3mm、6mm、10mmであるガラス板をそれぞれ設置した。そして、電極Gの表面と電極Hの表面に設置されたガラス基板の表面との間の距離を1mmに設定した。その後、実施例1−1と同様にして、大気圧プラズマ処理後のガラス基板の濡れ性評価を行った。
Figure 2017216189
以上の結果より、電極に凹部を設け、そこに基材の一部を収容することにより、実質的に、電極間距離のよりも大きな厚さを有する基材の表面に、大気圧プラズマ処理を施すことができることがわかった。
1,2,3a,3b,3c 大気圧プラズマ発生用電極
11,21 金属層
12 誘電体層
100 大気圧プラズマ発生装置
22 第1誘電体層
23 第2誘電体層
31a,31b,31c 頂部
32a,32b,32c 凹部
4 高電圧パルス電源装置
5 基材

Claims (18)

  1. 金属層と、誘電体層とが積層された構造を有し、
    前記誘電体層は、40〜400℃における熱膨張率が6.5×10−6/K以下である誘電体を含む、
    大気圧プラズマ発生用電極。
  2. 前記誘電体層の平均厚さが0.9mm以下である
    請求項1に記載の大気圧プラズマ発生用電極。
  3. 前記誘電体層が、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、又はケイ素とアルミニウムの複合窒化物からなる群から選択される1種以上の誘電体を含む
    請求項1又は2に記載の大気圧プラズマ発生用電極。
  4. 前記金属層が、比抵抗値が50μΩcm以下である金属を含む
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の大気圧プラズマ発生用電極。
  5. 第1誘電体層と、金属層と、第2誘電体層とが積層された構造を有し、
    前記金属層は、第1表面と第2表面を有し、
    前記第1誘電体層が、前記第1表面を全て覆い、
    前記第2誘電体層が、前記金属層の端部から外方へと延在する、
    大気圧プラズマ発生用電極。
  6. 基材に処理を施すための大気圧プラズマ発生用電極であって、
    前記大気圧プラズマ発生用電極の表面に位置し、前記基材の少なくとも一部を収容できる断面形状の凹部を有する
    大気圧プラズマ発生用電極。
  7. 請求項1〜6いずれか1項に記載の大気圧プラズマ発生用電極を備える、大気圧プラズマ発生装置。
  8. 請求項1〜4いずれか1項に記載の大気圧プラズマ発生用電極と、金属を含む対電極とを備え、
    前記大気圧プラズマ発生用電極の前記誘電体層と、
    前記対電極の面とが、
    対向するように配置され、
    前記誘電体層と、前記対電極面との最小距離が1.5mm以上である
    大気圧プラズマ発生装置。
  9. 請求項5に記載の大気圧プラズマ発生用電極と、金属を含む対電極とを備え、
    前記大気圧プラズマ発生用電極の前記第1誘電体層と、
    前記対電極の面とが、
    対向するように配置され、
    前記第1誘電体層と、前記対電極面との最小距離が1.5mm以上である
    大気圧プラズマ発生装置。
  10. 請求項6に記載の大気圧プラズマ発生用電極と、金属を含む対電極とを備え、
    前記大気圧プラズマ発生用電極の前記凹部を有する面と、
    前記対電極の面とが、
    対向するように配置され、
    前記凹部を有する面と、前記対電極面との最小距離が1.5mm以上である
    大気圧プラズマ発生装置。
  11. 請求項1〜4いずれか1項に記載の大気圧プラズマ発生用電極の前記誘電体層と、
    請求項6に記載の大気圧プラズマ発生用電極の前記凹部を有する面とが、
    対向するように配置される
    大気圧プラズマ発生装置。
  12. 前記誘電体層と、前記凹部を有する面との最小距離が1.5mm以上である
    請求項11に記載の大気圧プラズマ発生装置。
  13. 請求項5に記載の大気圧プラズマ発生用電極の前記第1誘電体層と、
    請求項6に記載の大気圧プラズマ発生用電極の前記凹部を有する面とが、
    対向するように配置される
    大気圧プラズマ発生装置。
  14. 前記第1誘電体層と、前記凹部を有する面との最小距離が1.5mm以上である
    請求項13に記載の大気圧プラズマ発生装置。
  15. 基材に処理を施すための大気圧プラズマ発生装置であって、
    請求項5に記載の大気圧プラズマ発生用電極が複数配列し、配列方向に関して、前記金属層が連続するように配置される
    大気圧プラズマ発生装置。
  16. 請求項7〜15いずれか1項に記載の大気圧プラズマ発生装置を用いて基材に大気圧プラズマ処理を施す
    表面改質基材の製造方法。
  17. 請求項6に記載の大気圧プラズマ発生用電極を備える、大気圧プラズマ発生装置を用いて、基材に大気圧プラズマ処理を施す方法であって、
    前記基材の少なくとも一部を前記凹部に収容する状態で、前記基材に大気圧プラズマ処理を施した後、
    前記基材の前記凹部に収容した部分を露出させた状態で、前記基材に大気圧プラズマ処理を施す
    表面改質基材の製造方法。
  18. 請求項1〜5いずれか1項に記載の大気圧プラズマ発生用電極に、酸処理又はアルカリ処理を施す
    再利用電極の製造方法。
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