JP2017214671A - 編み製品および編み製品の製造方法 - Google Patents

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Masashi Furuyama
雅司 古山
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Abstract

【課題】パイル編のような風合い、保温性、クッション性等を有する疑似パイルを簡単な手法で編み組織に付与できる編み製品およびその製造方法を提供する。【解決手段】無縫製の編み組織からなり、部分的に厚い厚手領域7を有する編み製品であって、厚手領域7は、編地の各コースに、少なくとも1目以上の編目を飛ばして形成されたフリーループ20〜22を有し、当該フリーループ20〜22は互いにずれて重なり合うように複数形成されている、編み製品を提供する。【選択図】図3

Description

本発明は、横編機で編成される編み製品およびその製造方法に関する。
横編機で編成される編み製品として、たとえば、特許文献1および2のものが公知である。特許文献1は、指付き無縫製ループパイル靴下を開示しており、特許文献2は、部分的に厚みを持たせた補強部分を有する編み製品(たとえば靴下)を開示している。
特開平−61505号公報 特開2006−257563号公報
ところで、横編機で編成される編み製品においても、丸編機で編成される編み製品と同様に、部分的にパイル編を導入したいという要望がある。横編機によるパイル編は特許文献1によって開示されているが、シンカーループを形成可能な特殊なシンカーを備える編機を使用する方法であり、現在の普及機では対応することが困難である。
一方、特許文献2は、シンカーループを形成しないで、編針の制御によって編み製品に部分的な厚みを形成する方法を開示している。しかしながら、特許文献2の方法は、コース方向において1つ置きに編目を連結させることによって編地を収縮させ、周囲の編地よりも厚みを持たせるものである。そのため、当該厚手部分では、パイル編のような風合い、保温性、クッション性等を得ることが難しく、編地の補強部分以外の用途が少ない。
本発明の目的は、パイル編のような風合い、保温性、クッション性等を有する疑似パイルを簡単な手法で編み組織に付与できる編み製品およびその製造方法を提供することである。
上記目的を達成するための本発明の一実施形態は、無縫製の編み組織からなり、部分的に厚い厚手領域を有する編み製品であって、前記厚手領域は、編地の各コースに、少なくとも1目以上の編目を飛ばして形成されたフリーループを有し、当該フリーループは互いにずれて重なり合うように複数形成されている、編み製品を提供する。
この構成によれば、厚手領域が、複数のフリーループを疑似パイルとして有している。これにより、当該厚手領域を、編み製品の補強領域として採用できるだけでなく、パイル編のような風合い、保温性、クッション性等を有する領域として採用することもできる。しかも、複数のフリーループが互いにずれて重なり合って形成されているため、1つの編目に対して少なくとも2つの疑似パイルが割り当てられる。そのため、フリーループが1本の場合に比べて疑似パイルの風合いやクッション性をより優れたものとすることができる。たとえば、特許文献2では、ウェール方向に沿って編目をみたときに、ミスする編み針の位置が互い違いに並んでいるため、たとえミスの位置にフリーループが形成されても、当該フリーループが本発明の疑似パイルのように、1つの編目に対して重複してされることはない。さらに、本発明の編み製品は無縫製の編み製品であるため、その厚手領域を編地の任意の場所に任意の形で設けることができる。
本発明の一実施形態では、前記厚手領域は、同一コースにおいてコース方向に沿って編目列を形成するベース糸部、第1補助糸部および第2補助糸部で編成されるコース編成の複数回の繰り返し構造で構成されており、前記ベース糸部は、第1ループと、前記第1ループから少なくとも1つ以上のループを隔てた第2ループと、前記第1ループと前記第2ループとの間の第3ループと、前記第3ループから前記第2ループを跨いで少なくとも1つ以上のループを隔てた第4ループとを有し、前記第1補助糸部は、前記第1ループおよび前記第2ループのそれぞれとタック編目を形成する第1タックループおよび第2タックループを有し、前記第2補助糸部は、前記第3ループおよび前記第4ループのそれぞれとタック編目を形成する第3タックループおよび第4タックループを有し、前記フリーループは、前記第1補助糸部を用いて前記第1タックループと前記第2タックループとの間に設けられた第1フリーループと、前記第2補助糸部を用いて前記第3タックループと前記第4タックループとの間に設けられた第2フリーループと含んでいてもよい。
本発明の一実施形態では、前記フリーループは、2目〜4目の編目を飛ばして形成されていてもよい。
使用する糸の種類にもよるが、フリーループを2目〜4目の編目を飛ばして形成することで、当該フリーループをよりパイルループに近づけることができ、パイル編特有のふっくら感を保持することができる。
本発明の一実施形態では、前記編み製品は、着用者の爪先部または踵部をサポートする部分に前記厚手領域を有するレッグウェアを含んでいてもよい。
本発明の一実施形態では、前記編み製品は、着用者の臀部をサポートする部分に前記厚手領域を有するパンツ製品を含んでいてもよい。
本発明の一実施形態は、横編機を用いて、部分的に厚い厚手領域を有する編み製品を製造する方法であって、前記厚手領域を形成する工程は、所定のコース編成を複数回繰り返す工程を含み、各コース編成を編成する工程は、第1ループおよび前記第1ループから少なくとも1つ以上のループを隔てた第2ループを有するニット編目に対して、前記ニット編目の前記第1ループおよび前記第2ループを形成した針が第1のタック位置となるように、かつ前記第1のタック位置の間の針が第1のミス位置となるように糸を供給する第1工程と、前記ニット編目の前記第1ループと前記第2ループとの間の第3ループおよび前記第3ループから前記第2ループを跨いで少なくとも1つ以上のループを隔てた第4ループを形成した針が第2のタック位置となるように、かつ前記第2のタック位置の間の針が第2のミス位置となるように糸を供給する第2工程と、前記第1のタック位置および前記第2のタック位置によって保持された糸を、それぞれ、前記第1ループおよび前記第2ループ、ならびに前記第3ループおよび前記第4ループにタック編によって連結させる第3工程とを含む、編み製品の製造方法を提供する。
この方法によれば、シンカーループを形成しないで、横編機の編針の制御によって、パイル編のような風合い、保温性、クッション性等を有する疑似パイルを編み組織に付与することができる。具体的には、針が第1のミス位置および第2のミス位置となった編目位置に前述のフリーループが形成される。
本発明の一実施形態では、前記第1工程では第1のコース方向に沿って糸が供給され、前記第2工程では前記第1のコース方向とは反対向きの第2のコース方向に沿って糸が供給されてもよい。
図1は、本発明の一実施形態に係る靴下の概略図である。 図2は、図1の一点鎖線IIで囲まれた部分の編目列を説明するための図である。 図3は、図1の一点鎖線IIIで囲まれた部分の編目列を説明するための図である。 図4は、図3の編目列の1コース分の分解図である。 図5は、前記靴下の製造に使用される横編機の編針の動作を説明するための図である。 図6は、本発明の他の実施形態に係るスパッツの概略図である。 図7は、前記横編機の編針の動作の変形例を示す図である。 図8は、前記横編機の編針の動作の変形例を示す図である。
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る靴下1の概略図である。
本発明の編み製品の一例としての靴下1は、たとえば、前後方向に対向する少なくとも前後一対の針床を有する横編機(たとえば、株式会社島精機製作所製「SWG061N」)を用いて編成された編み組織からなる。
靴下1の編み組織は、縫製や接着剤によって別々の編み組織からなる複数のパーツが継ぎ接ぎされて編成されたものではなく、当該靴下1の各部位を編成する編み組織が互いに編みループで繋がって編成されている。
靴下1は、レッグ部2、フート部3、爪先部4および踵部5を主に含む。また、靴下1は、編地の種類によって区別される領域として、ベース領域6およびベース領域6よりも生地厚が大きい厚手領域7を含む。図1では、破線のハッチングを施した領域が厚手領域7であり、それ以外の領域がベース領域6である。つまり、靴下1において、爪先部4および踵部5の全体、ならびにフート部3の足裏側に選択的に厚手領域7が形成されている。
次に、ベース領域6および厚手領域7の編目列について、より具体的に説明する。
図2は、図1の一点鎖線IIで囲まれたベース領域6の一部の要部拡大図であり、ベース領域6の編目列を説明するための図である。
ベース領域6は、この実施形態では、平編で編成されている。平編のベース領域6は、全てのウェール(図1では、記号A〜Fで示すウェールのみを描いている。)において糸8のニードルループ9が同じ方向(表面側)に引き出され、隣り合うニードルループ9同士が連結されることによってウェール方向(縦方向)およびコース方向(横方向)に規則的な編目列が構成されている。コース方向において隣り合うニードルループ9同士を繋いでいるループは、シンカーループ10である。
なお、ベース領域6は、平編以外の編み組織で構成することもできる。たとえば、ベース領域6は、平編、メッシュ編、パール編、タック編等を適宜組み合わせて構成されていてもよい。
図3は、図1の一点鎖線IIIで囲まれた厚手領域7の一部の要部拡大図であり、厚手領域7の編目列を説明するための図である。図4は、図3に示す厚手領域7の編目列の1コース分の分解図である。
厚手領域7は、互いに異なる複数の編目列で構成されるコース編成11の複数回の繰り返し構造で構成されている。より具体的には、厚手領域7のコース編成11(1コース分)は、その表糸が複数本の糸を含んでおり、それぞれの糸が異なる編み組織を編成している。この実施形態では、複数本の糸は、図4の上から順にベース糸部12、第1補助糸部13、第2補助糸部14および第3補助糸部15を含む。これらの糸部12〜15は、図3および図4のように靴下1の編み組織の一部だけを見た場合には互いに独立した別々の糸となっているが、実際には、当該コースの両端部(ベース領域6との境界部であり、図3では描かれていない)の間を複数回往復する1本の糸によって構成されていてもよい。
ベース糸部12は、この実施形態では、全てのウェール(図3および図4では、記号A〜Iで示すウェールのみを描いている。)にニードルループ16を有している。この実施形態では、記号Aのウェール上のニードルループ16が本発明の第1ループの一例であり、記号Dのウェール上のニードルループ16が本発明の第2ループの一例であり、記号Bのウェール上のニードルループ16が本発明の第3ループの一例であり、記号Eのウェール上のニードルループ16が本発明の第4ループの一例であってもよい。
第1補助糸部13は、少なくとも1つ以上のウェール置きにニードルループ17を有している。図3および図4では、記号A,D,Gのウェールにニードルループ17を有しており、隣り合うニードルループ17の間に2ウェール分の間隔が空けられている。
第2補助糸部14は、少なくとも1つ以上のウェール置きにニードルループ18を有している。図3および図4では、記号A,D,Gに隣接する(記号A,4,7の次の)記号B,E,Hのウェールにニードルループ18を有しており、隣り合うニードルループ18の間に2ウェール分の間隔が空けられている。
第3補助糸部15は、少なくとも1つ以上のウェール置きにニードルループ19を有している。図3および図4では、記号B,E,Hに隣接する(記号B,5,8の次の)記号C,F,Iのウェールにニードルループ19を有しており、隣り合うニードルループ19の間に2ウェール分の間隔が空けられている。
すなわち、この実施形態では、第1〜第3補助糸部13〜15の各ニードルループ17〜19は、図4に示すように、互いに異なるウェール上に配置されており、同一コースを編成したときに互いに重複しないようになっている。
そして、図3に示すように、ベース糸部12、第1補助糸部13、第2補助糸部14および第3補助糸部15が同一コース上に配置されることによって、1つのコース編成11が構成されている。
各コース編成11において、第1補助糸部13のニードルループ17、第2補助糸部14のニードルループ18および第3補助糸部15のニードルループ19は、それぞれ、同一ウェール上のベース糸部12のニードルループ16とタック編目を形成している。つまり、記号A,D,Gのウェール上ではベース糸部12と第1補助糸部13とのタック編目が形成され、記号B,E,Hのウェール上ではベース糸部12と第2補助糸部14とのタック編目が形成され、記号C,F,Iのウェール上ではベース糸部12と第3補助糸部15とのタック編目が形成されている。したがって、この実施形態では、記号Aのウェール上の第1補助糸部13のニードルループ17が本発明の第1タックループの一例であり、記号Dのウェール上の第1補助糸部13のニードルループ17が本発明の第2タックループの一例であり、記号Bのウェール上の第2補助糸部14のニードルループ18が本発明の第3タックループの一例であり、記号Eのウェール上の第2補助糸部14のニードルループ18が本発明の第4タックループの一例であってもよい。
さらに、各コース編成11において、第1〜第3補助糸部13〜15の各ニードルループ17〜19の間の部分は、いずれの糸のループにもニットされていない(連結されていない)フリーループ20〜22となっている。
具体的には、第1補助糸部13のフリーループ20は、その両端部がニードルループ17に連なって固定された基端部となっており、隣り合うニードルループ17間のウェールを跨る部分が自由度の高い状態になっている。たとえば、フリーループ20は、記号B,Cのウェール、記号E,Fのウェールおよび記号H,Iのウェールに対応する合計2つの編目を飛ばして形成されており、隣り合うニードルループ17の各間に配置されている。
第2補助糸部14のフリーループ21は、その両端部がニードルループ18に連なって固定された基端部となっており、隣り合うニードルループ18間のウェールを跨る部分が自由度の高い状態になっている。たとえば、フリーループ21は、記号C,Dのウェールおよび記号F,Gのウェールに対応する合計2つの編目を飛ばして形成されており、隣り合うニードルループ18の各間に配置されている。
第3補助糸部15のフリーループ22は、その両端部がニードルループ19に連なって固定された基端部となっており、隣り合うニードルループ19間のウェールを跨る部分が自由度の高い状態になっている。たとえば、フリーループ22は、記号A,Bのウェール、記号D,Eのウェールおよび記号G,Hのウェールに対応する合計2つの編目を飛ばして形成されており、隣り合うニードルループ19の各間に配置されている。
このように、各補助糸部13〜15にフリーループ20〜22が形成されることで、フリーループ20〜22が靴下1の編地面に対して浮いたパイルループ状になるので、厚手領域7における見掛け上の厚みがベース領域6よりも増すこととなる。
また、フリーループ20〜22の各基端部となるウェールが異なる一方、フリーの部分が共通のウェールを跨ぐことによって、各コース編成11において、互いに異なる糸部のフリーループ同士を部分的にずらして重なり合わせることができる。この実施形態では、たとえば、第1補助糸部13と第2補助糸部14は、第1補助糸部13のフリーループ20の基端部が記号A,D,Gのウェール(ニードルループ17のウェール)にある一方、第2補助糸部14のフリーループ21の基端部は記号B,E,Hのウェール(ニードルループ18のウェール)にある。このように基端部のウェール記号は異なるが、共通のウェールである記号C,F,Iのウェールを跨ぐことによって、フリーループ20とフリーループ21は、当該記号C,F,Iのウェール上で重なり合っている。第1補助糸部13と第3補助糸部15との関係、および第2補助糸部14と第3補助糸部15との関係についても同様である。
以上、この靴下1によれば、爪先部4および踵部5の全体、ならびにフート部3の足裏側に選択的に形成された厚手領域7が、複数のフリーループ20〜22を疑似パイルとして有している。これにより、当該厚手領域7を、靴下1において摩擦による破れが生じ易い部分の補強領域として採用できるだけでなく、パイル編のような風合い、保温性、クッション性等を有する領域として採用することもできる。その結果、靴下1の着用者の足を保護するサポート性を得ることができる。また、厚手領域7に使用する糸の種類によっては、着用者の足を温かく包み込み、保温性を高めることもできる。
しかも、複数のフリーループ20〜22がコース方向に互いにずれて重なり合って形成されているため、1つの編目に対して少なくとも2つの疑似パイルが割り当てられる。たとえば、記号Cのウェールには第1補助糸部13のフリーループ20および第2補助糸部14のフリーループ21が割り当てられる。そのため、フリーループが1本の場合に比べて疑似パイルの風合いやクッション性をより優れたものとすることができる。
また、厚手領域7に使用する糸の種類にもよるが、フリーループ20〜22を2つの編目を飛ばして形成することで、当該フリーループ20〜22をよりパイルループに近づけることができ、パイル編特有のふっくら感を保持することができる。
さらに、靴下1が横編機で製造される無縫製の編み製品であるため、その厚手領域7を編地の任意の場所に任意の形で設けることができる。
次に、図5を参照して、靴下1の製造工程について説明する。
図5は、靴下1の製造に使用される横編機の編針の動作を説明するための図である。図5において、「○」は編針がニットポジションまで移動する動作を示し、「V」は編針がタックポジションまで移動する動作を示し、「−」は編針がミス(編目を作らない)する動作を示している。
前述の靴下1を製造するには、たとえば、図5に示すような編針制御によって原料糸をニッティングして編み組織を編成していけばよい。具体的には、ベース領域6は平編であることから、全ての編針を全ての編成コースにおいてニットポジションまで移動させることによって編成される。ベース領域6のうち、図5にCで示した区間は、厚手領域7との境界部となる最終コースCである。
一方、厚手領域7は、ベース領域6の1コース分に対応する(連なる)コース編成11が複数本の糸によって構成されることから、厚手領域7を形成すべき区間を符号26で示した矢印のように複数回往復してニッティングすることによってベース糸部12、第1補助糸部13、第2補助糸部14および第3補助糸部15が形成される。
具体的には、コース方向においてベース領域6との一方の境界となる記号Aのウェールから他方の境界となる記号Iのウェールまで、紙面右側へ向かう第1のコース方向23に沿って、図5の編成コースCに従って編針が動作するように糸が供給される。これにより、記号A,D,Gのウェールを形成する編針がタックポジションとなってフックに糸が保持される一方、記号B,C,E,F,H,Iのウェールを形成する編針のフックには糸が供給されずにミスされる。
記号Iのウェールまで編成コースCに従って動作した後、次は、記号Iのウェールから記号Aのウェールまで、紙面左側へ向かう第2のコース方向24(第1のコース方向23とは反対向き)に沿って、図5の編成コースCに従って編針が動作するように糸が供給される。これにより、記号B,E,Hのウェールを形成する編針がタックポジションとなってフックに糸が保持される一方、記号A,C,D,F,G,Iのウェールを形成する編針のフックには糸が供給されずにミスされる。編成コースCの動作の際に記号A,D,Gのウェールの編針のフックに保持された糸は、当該編針がニットポジションまで移動しないことからそのまま保持される。
次は、再度、記号Aのウェールから記号Iのウェールまで、第1のコース方向23に沿って、図5の編成コースCに従って編針が動作するように糸が供給される。これにより、記号C,F,Iのウェールを形成する編針がタックポジションとなってフックに糸が保持される一方、記号A,B,D,E,G,Hのウェールを形成する編針のフックには糸が供給されずにミスされる。編成コースCおよびCの動作の際に記号A、B,D,E,G,Hのウェールの編針のフックに保持された糸は、当該編針がニットポジションまで移動しないことからそのまま保持される。
そして、最後に、記号Iのウェールから記号Aのウェールまで、第2のコース方向24に沿って、図5の編成コースCに従って編針が動作するように糸が供給される。つまり、編成コースCでは、記号A〜Iのウェールを形成する全ての編針がニットポジションまで移動し、当該編針のフックに保持された糸がベース領域6の最終コースCのループに連結(ニッティング)される。この際、編成コースC〜Cで保持された糸も一緒に連結される。
これにより、厚手領域7においてベース領域6の最終コースCの各ループには、編成コースCで形成されるベース糸部12と、編成コースCの第1補助糸部13、編成コースCの第2補助糸部14および編成コースCの第3補助糸部15のいずれかとが連結され、図3に示したコース編成11(1コース分)が形成される。つまり、厚手領域7は、周囲のベース領域6の1コースに対して4倍の編成コースC,C,C,Cを行うが、最終的な編目列としては、編成コースC,C,Cで保持された糸部13〜15がベース糸部12と共にタック編されるので、1コース分となる。また、編成コースC,C,Cにおいてミスされて編針のフックに保持されなかった編目位置には、フリーループ20〜22が形成される。
この後は、編成コースC,C,C,Cが複数周期繰り返されることによって、最終形状の厚手領域7が得られる。
上記の方法によれば、シンカーループを形成しないで、図5に示したような横編機の編針の制御によって、パイル編のような風合い、保温性、クッション性等を有する疑似パイル(フリーループ20〜22)を編み組織に付与することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の実施形態では、本発明の編み製品の一例として靴下1を取り上げたが、本発明は、ストッキング、タイツ、フットカバー(爪先カバー、踵カバー等)等の他のレッグウェア用途に適用することもできる。また、たとえば、図6に示すスパッツ25等のパンツ製品に適用してもよい。この場合、厚手領域7は、着用者の臀部をサポートする部分に形成してもよい。臀部サポート部は、通常の織物製品では縫製が施される部分であるためパイルの導入が難しいが、本発明のように無縫製で作製される編み製品であれば、そのような部分にも好み通りの形状で厚手領域7を設けることができる。これにより、着用者が座った時のクッション性等を高めることができる。その他、手袋やサポータ(たとえば、膝サポータ、肘サポータ、手首サポータ)等の各種編み製品に適用することもできる。
また、前述の実施形態では、厚手領域7における全てのウェール(記号A〜I)にタック編が施されていたが、たとえば図7に示すように、記号B,E,Hのウェールについては編針をタックポジションにせず、ベース領域6の最終コースCのループに対してベース糸部13のみを連結させてもよい。
また、前述の実施形態では、1コースを編成するコースとして3つの編成コースC〜Cを例示したが、たとえば図8に示すように、編成コースC〜Cであってもよく、それ以上であってもよい。
また、前述の実施形態では糸の種類を特に例示しなかったが、糸の種類は、ベース領域6および厚手領域7の目的に応じて選択すればよい。たとえば、ベース領域6が着用者の肌に広い面積で直接触れるのであれば、ベース領域6には履き心地を考慮して糸を選択すればよい。一方、厚手領域7に履き心地よりも保温性を求めるのであれば、厚手領域7の糸として、保温性の高い糸を選択すればよい。つまり、前述の実施形態では、ベース領域6と厚手領域7との間で互いに異なる糸を使用することができる。
また、前述の実施形態では、図5に示すように、厚手領域7を形成すべき区間を符号26で示した矢印のように第1のコース方向23および第2導電型のコース方向24に沿って複数回往復してニッティングしたが、たとえば、第1のコース方向23または第2のコース方向24の一方向のみに沿ってニッティングして厚手領域7を形成してもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1…靴下、2…レッグ部、3…フート部、4…爪先部、5…踵部、6…ベース領域、7…厚手領域、8…糸、9…ニードルループ、10…シンカーループ、11…コース編成、12…ベース糸部、13…第1補助糸部、14…第2補助糸部、15…第3補助糸部、16…ニードルループ、17…ニードルループ、18…ニードルループ、19…ニードルループ、20…フリーループ、21…フリーループ、22…フリーループ、23…第1のコース方向、24…第2のコース方向、25…スパッツ、C…編成コース、C…編成コース、C…編成コース、C…編成コース、C…編成コース、C…編成コース

Claims (7)

  1. 無縫製の編み組織からなり、部分的に厚い厚手領域を有する編み製品であって、
    前記厚手領域は、編地の各コースに、少なくとも1目以上の編目を飛ばして形成されたフリーループを有し、当該フリーループは互いにずれて重なり合うように複数形成されている、編み製品。
  2. 前記厚手領域は、同一コースにおいてコース方向に沿って編目列を形成するベース糸部、第1補助糸部および第2補助糸部で編成されるコース編成の複数回の繰り返し構造で構成されており、
    前記ベース糸部は、第1ループと、前記第1ループから少なくとも1つ以上のループを隔てた第2ループと、前記第1ループと前記第2ループとの間の第3ループと、前記第3ループから前記第2ループを跨いで少なくとも1つ以上のループを隔てた第4ループとを有し、
    前記第1補助糸部は、前記第1ループおよび前記第2ループのそれぞれとタック編目を形成する第1タックループおよび第2タックループを有し、
    前記第2補助糸部は、前記第3ループおよび前記第4ループのそれぞれとタック編目を形成する第3タックループおよび第4タックループを有し、
    前記フリーループは、前記第1補助糸部を用いて前記第1タックループと前記第2タックループとの間に設けられた第1フリーループと、前記第2補助糸部を用いて前記第3タックループと前記第4タックループとの間に設けられた第2フリーループと含む、請求項1に記載の編み製品。
  3. 前記フリーループは、2目〜4目の編目を飛ばして形成されている、請求項1または2に記載の編み製品。
  4. 着用者の爪先部または踵部をサポートする部分に前記厚手領域を有するレッグウェアを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の編み製品。
  5. 着用者の臀部をサポートする部分に前記厚手領域を有するパンツ製品を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の編み製品。
  6. 横編機を用いて、部分的に厚い厚手領域を有する編み製品を製造する方法であって、
    前記厚手領域を形成する工程は、所定のコース編成を複数回繰り返す工程を含み、
    各コース編成を編成する工程は、
    第1ループおよび前記第1ループから少なくとも1つ以上のループを隔てた第2ループを有するニット編目に対して、前記ニット編目の前記第1ループおよび前記第2ループを形成した針が第1のタック位置となるように、かつ前記第1のタック位置の間の針が第1のミス位置となるように糸を供給する第1工程と、
    前記ニット編目の前記第1ループと前記第2ループとの間の第3ループおよび前記第3ループから前記第2ループを跨いで少なくとも1つ以上のループを隔てた第4ループを形成した針が第2のタック位置となるように、かつ前記第2のタック位置の間の針が第2のミス位置となるように糸を供給する第2工程と、
    前記第1のタック位置および前記第2のタック位置によって保持された糸を、それぞれ、前記第1ループおよび前記第2ループ、ならびに前記第3ループおよび前記第4ループにタック編によって連結させる第3工程とを含む、編み製品の製造方法。
  7. 前記第1工程では第1のコース方向に沿って糸が供給され、前記第2工程では前記第1のコース方向とは反対向きの第2のコース方向に沿って糸が供給される、請求項6に記載の編み製品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112553774A (zh) * 2020-11-26 2021-03-26 浙江睿丰智能科技有限公司 一种基于手套机的自动锁边工艺

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