以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施形態による電子機器、及び本実施形態による端末装置の各構成例を説明する図である。
図1において、本実施形態による電子機器はMFP(Multi Function Printer)本体1である。図1に示す2台の端末装置2(2a、2b)は、共に、本実施形態による端末装置に相当する。
この2台の端末装置2は、MFP本体1を利用するうえで必要な各種データ入力が可能な情報処理装置であり、各端末装置2は、他の端末装置2、及びMFP本体1との無線通信が可能となっている。それにより、2台の端末装置2は、MFP本体1を利用するうえでのシステム(以降「MFPシステム」と表記)を構成している。
2台の端末装置2のうちの1台は、MFP本体1に自在に着脱可能な入力専用の端末装置2aである。このことから、図1では「着脱式操作部」と表記している。以降、この表記も用いる。
残りの1台は、例えば汎用的に用いることができると共に、着脱式操作部2aと同様の使い方のできるタブレット型の端末装置(情報処理装置)2bである。以降、この端末装置2bは、図1に示すように「タブレット端末」とも表記する。
MFP本体1は、図1に示すように、スキャナ部101、プリンタ部102、メイン制御部103、PSU(Power Supply Unit)104、電圧検知部105、電源スイッチ(SW)106、通信信号送受信部107、送受電部108、電圧検知信号送信部109、及び電源スイッチ110を備えている。
スキャナ部101は、原稿の画像を光学的に読み取るための構成要素であり、例えばモータ、ラインセンサ、及び制御回路、等を含む。この制御回路は、モータを駆動し、ラインセンサからA/D(Analog to Digital)変換されて出力される1ライン分の画像データを処理する。画像データは、例えば原稿単位でメイン制御部103に出力される。
プリンタ部102は、例えば電子写真方式を用いて記録媒体上に画像形成を行う構成要素であり、例えば複数のモータ、熱量を発生させるためのヒータ、レーザ光源、及び制御回路、等を含む。この制御回路は、メイン制御部103から入力する画像データを記録媒体上に出力するために、複数のモータ、ヒータ、及びレーザ光源、等を駆動する。
メイン制御部103は、1つの情報処理装置であり、MFP本体1全体を制御する。図1に示すように、メイン制御部103は、ボード120、ハードディスク装置(HD:Hard Disk Drive)121、及び電源スイッチ122を含む。ボード120上には、図1に示すように、CPU(Central Processing Unit)131、サブ(sub)CPU132、及びDRAM(Dynamic Random Access Memory)133、等が搭載されている。
ハードディスク装置121には、例えばCPU131、及びサブCPU132がそれぞれ実行するプログラムが格納されている。CPU131、及びサブCPU132は、それぞれ、ハードディスク装置121上の実行すべきプログラムをDRAM133に読み出して実行する。それにより、メイン制御部103は、MFP本体1全体を制御すると共に、2台の端末装置2との間で通信を行うことができる。
電源スイッチ122は、ボード120への電力供給を制御するためのデバイスである。電源スイッチ122は、電圧検知部105が出力する信号(電圧検知信号)に従って、ボード120への電力供給、及びその遮断を行うことができる。
PSU104は、外部電源(例えば商用電源)から供給される電力(通常、AC(Alternating Current)電力)を用いて、MFP本体1内部に供給すべきAC電力、及びDC(Direct Current)電力を生成して供給する。上記電源スイッチ122に供給される電力は、PSU104によって生成され、電源スイッチ106を介して供給される電力(DC電力)である。以降、特に断らない限り、「電力」はDC電力を指す意味で用いる。
電圧検知部105は、PSU104からの電力の供給の有無を検知するためのデバイスであり、上記電圧検知信号を出力する。例えば電圧検知部105は、その電力の電圧値が所定の閾値を超えている場合、電圧検知信号をアクティブにし、その電圧値が閾値以下の場合に、その電圧検知信号をインアクティブにする。ここでは、アクティブの電圧検知信号はH(High)、インアクティブの電圧検知信号はL(Low)と想定する。
図1では、この電圧検知信号の主な出力先は破線で示している。電力の供給経路、つまり電源スイッチ106、110、或いは122と接続させた線は太い実線で示している。通常の実線は、データの送受信用の経路を示している。
図1に示すように、この電圧検知信号は、電源スイッチ106、送受電部108、電圧検知信号送信部109、及び電源スイッチ122にそれぞれ出力される。電源スイッチ110にもこの電圧検知信号が出力される。
電源スイッチ106は、メイン制御部103、送受電部108、及び電源スイッチ110への電力供給を制御可能なスイッチである。この電源スイッチ106は、電圧検知信号がアクティブの場合、PSU104からの電力を送受電部108、メイン制御部103、及び電源スイッチ110にそれぞれ供給することができる。電圧検知信号がインアクティブの場合、送受電部108から出力される電力をメイン制御部103、及び電源スイッチ110にそれぞれ供給することができる。
通信信号送受信部107は、無線通信を可能にする通信デバイスであり、2台の端末装置2との間で行う通常のデータの送受信に用いられる。通信信号送受信部107は、メイン制御部103上のCPU131から入力したデータを送信し、何れかの端末装置2から受信したデータをそのCPU131に出力する。
送受電部108は、PSU104から供給される電力の送電、及び外部装置(ここでは主に想定されるのは2台の端末装置2である)からの受電が非接触で可能なデバイスである。送電は、メイン制御部103によって制御され、受電は、電圧検知信号によって制御される。具体的には、受電は、電圧検知信号がインアクティブの場合にのみ可能となる。
電圧検知信号送信部109は、電圧検知信号のレベルに応じた信号を送信する送信装置であり、PSU104から直接、或いは間接的に供給される電力によって動作する。それにより、電圧検知信号送信部109は、電圧検知信号がアクティブであった場合にのみ、アクティブの電圧検知信号に応じた信号を送信することができる。
このようなことから、その信号の受信側は、受信する信号の有無により、電圧検知信号がアクティブか否か、言い換えればPSU104が電力を供給しているか否かを判定することができる。以降、便宜的に、電圧検知信号のレベルに応じて送信される信号は、そのレベルで表現することとする。それにより、アクティブの電圧検知信号のときに送信される信号は「Hレベル」、インアクティブの電圧検知信号のときに送信される信号は「Lレベル」とそれぞれ表現する。その信号自体は、電圧検知信号と区別するために、以降「検知レベル信号」と表記する。
上記のような構成のMFP本体1は、電力消費量が大きい電子機器である。その電力消費量に応じた容量のバッテリーを搭載させた場合、少なくとも製造コストは大きく上昇する。このことから、MFP本体1は、外部電源(例えば商用電源)からの給電により動作するようになっている。
MFP本体1は、常に使用されるとは限らない。そのため、電力消費量の抑制という面から、省電力機能が搭載されている。メイン制御部103(のCPU131)は、サスペンド機能を搭載し、省電力状態に移行できる。また、メイン制御部103は、電源スイッチ110を介したスキャナ部101、及びプリンタ部102への電力供給を遮断することができる。
サスペンド機能により省電力状態に移行した場合であっても、DRAM133上に保存したデータの喪失を回避するといった理由から、メイン制御部103は電力を消費する。そのため、省電力状態からのメイン制御部103の再起動を回避するには、省電力状態となっている間、メイン制御部103に電力を供給し続けなければならない。
しかし、外部電源に発生する事象(例えば停電)、或いは外部電源からMFP本体1への給電上のトラブル等の発生により、メイン制御部103への電力供給が一時的に停止する場合がある。外部電源からMFP本体1への給電上のトラブルとしては、例えばコンセントからプラグをユーザが誤って、或いは意図的に一時的に抜くといったことを挙げることができる。
そのように、外部電源からMFP本体1への給電が一時的に停止する可能性がある。そのMFP本体1は、その利用のために2台の端末装置2を使用することを想定している。そのために、MFP本体1は、図1に示すように、ユーザに操作させる操作子、及びその操作子への操作を検知する入力部201のような構成要素を搭載していない。
その入力部201を搭載した端末装置2は、何れもバッテリー204を電源とする携帯型の装置である。本実施形態では、このことに着目し、2台の端末装置2を非常時の電源として使用することにより、外部電源からの給電の一時的な停止に対応可能にしている。それにより、外部電源からの給電が一時的に停止しても、DRAM133に保存したデータの喪失が回避可能なことから、省電力状態から通常状態への復帰はより確実に行えることとなる。従って、ユーザが使用できない時間の増大によるMFP本体1の生産性の低下は回避するか、或いはより抑制することができる。
上記送受電部108は、端末装置2から受電を可能にする。電圧検知信号送信部109が送信する検知レベル信号は、端末装置2から送電する必要性の判定を可能にする。その検知レベル信号は、外部電源からの給電の停止により、言い換えればPSU104からの給電の停止により、送信が停止する。このため、その停止により、端末装置2側は送電が必要と判定することができる。
このようなことから、MFP本体1は、外部電源からの給電が停止した場合、端末装置2に送電を依頼する形となると共に、外部装置から送電される電力を受電可能な状態となる。外部装置である端末装置2は、その依頼により、送電が可能であれば送電を行う。この結果、端末装置2は非常用電源として、つまり外部バッテリーとして機能し、MFP本体1は、端末装置2からの送電により得られた電力をメイン制御部103に供給するようになっている。
メイン制御部103への電力供給が停止しても、DRAM133上のデータは直ちに喪失しない。データが喪失するには、或る程度の時間が必要である。そのため、電力供給が停止した後、迅速に電力供給を再開させることにより、データの喪失を回避することができる。
MFP本体1に非常用電源としてバッテリーを搭載させる場合、そのバッテリー、そのバッテリーの搭載を可能にする機構、そのバッテリーの充電装置、及び電力供給を切り替える仕組み、等を用意する必要がある。そのため、少なくとも、MFP本体1の製造コストは大きく上昇する。
しかし、端末装置2を非常用電源として用いる場合、端末装置2からの受電機能(送受電部108)、端末装置2への送電を依頼する仕組み(電圧検知部105、電圧検知信号送信部109)、及び受電による電力を供給する供給経路(電源スイッチ106、電源スイッチ122)、等を用意すれば良い。端末装置2への送電を依頼する仕組みは、端末装置2側が、MFP本体1への外部電源からの給電状態を認識できるものであれば良く、本実施形態に限定されない。
このような構成上の対応は、バッテリーを搭載させる場合と比較して、MFP本体1の製造コストの上昇分は非常に小さく抑えることができる。従って、MFP本体1の製造コストを抑えつつ、外部電源からの電力供給の中断に対応することができる。
MFP本体1の非常用電源として利用可能な2台の端末装置2は、図1に示すように、入力部201、画面表示部202、メイン制御部203、バッテリー204、電源スイッチ205、通信信号送受信部206、送受電部207、及び電圧検知信号受信部208、を備えている。
図1では、説明上、便宜的に、2台の端末装置2は同じ構成としている。これは、特に重要な構成要素にのみ着目して、その構成の概略を示したためである。実際には、この2台の端末装置2の構成は異なっている。
入力部201は、ユーザのデータ入力を可能にするためのモジュールであり、例えば各種ハードキー、タッチパネル、及び制御回路、等を含む。制御回路は、例えば各種ハードキー、及びタッチパネルを含む操作子へのユーザの操作を検知し、検知した内容を表す情報(操作情報)をメイン制御部203に通知する。
画面表示部202は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)である。画面表示部202は、メイン制御部203から入力する画像データを用いて表示画面上に画像(画面)を表示させる。
メイン制御部203は、端末装置2全体の制御を行う構成要素である。入力部201からの操作情報、及び通信信号送受信部206が受信するデータを処理し、その制御を行う。それにより、画面表示部202に表示させる画面の切り替え、及び通信信号送受信部206を用いたデータ送信、等はメイン制御部203の制御によって行われる。
バッテリー204は、端末装置2の電源であり、このバッテリー204からの電力は、電源スイッチ205を介して入力部201、画面表示部202、及びメイン制御部203に供給することができる。
この電源スイッチ205は、メイン制御部203によって電力の供給経路を切り替える。具体的には、電源スイッチ205は、バッテリー204からの電力を各部201〜203、及び送受電部207に供給可能にするか、或いは送受電部207からの電力を各部201〜203、及びバッテリー204に供給可能にする。それにより、電源スイッチ205は、充電時、及び放電時によって電力の供給経路を切り替えるようになっている。
通信信号送受信部206は、無線通信を可能にする通信デバイスであり、MFP本体1、及び他の端末装置2との間で行う通常のデータの送受信に用いられる。メイン制御部203は、通信信号送受信部206を用いて、MFP本体1、及び他の端末装置2との間で通常のデータの送受信を行うことができる。
送受電部207は、バッテリー204から供給される電力の送電、及びMFP本体1からの受電が非接触で可能なモジュールである。送電、及び受電は、メイン制御部103による設定によって制御される。
電圧検知信号受信部208は、MFP本体1が送信する検知レベル信号を受信するための専用の受信デバイスである。その検知レベル信号は、上記のように、Hレベル、及びLレベルのうちの何れかである。そのため、電圧検知信号受信部208が出力する信号も検知レベル信号のレベルに応じて変化するようになっている。以降、電圧検知信号受信部208が出力する信号は、「第2の電圧検知信号」と表記する。その第2の電圧検知信号のレベルは、ここでは電圧検知信号のレベルと同じであると想定する。つまり、電圧検知信号受信部208は、アクティブ(Hレベル)の電圧検知信号のときに送信される検知レベル信号の受信時、アクティブ(Hレベル)の第2の電圧検知信号を出力すると想定する。
電圧検知信号受信部208が出力する第2の電圧検知信号は、メイン制御部203に入力される。その第2の電圧検知信号は、レベルの変化に着目すべき信号である。このことから、例えば第2の電圧検知信号のレベル変化、つまりHレベルからLレベルへの変化、及びLレベルからHレベルへの変化、をメイン制御部203に割り込みにより通知しても良い。ここでは、以降、その割り込みにより第2の電圧検知信号のレベル変化がメイン制御部203に通知されるものと想定する。
上記のような構成の端末装置2は、電圧検知信号受信部208が出力する第2の電圧検知信号がLレベルの場合、送受電部207による送電が可能となる。バッテリー204の容量は、MFP本体1の通常動作を想定した場合、非常に小さい。このことから、送電は、メイン制御部103がサスペンド機能による省電力状態に移行している状況でのみ行うようにしている。
その省電力状態時を想定した場合、各端末装置2から送電を行わせる必要はない。つまり複数台の端末装置2が送電可能であっても、そのうちの1台に送電を行わせれば良い。このようなことから、送受電部207は、メイン制御部203の設定に従って送電を行うようになっている。
このような送電機能は、電源スイッチ205、送受電部207、及び電圧検知信号受信部208を搭載し、メイン制御部203に送電用の機能(プログラム)を追加することで実現される。そのため、端末装置2の製造コストの上昇分も僅かなものに抑えられる。従って、MFP本体1に端末装置2を加えても、全体での製造コストの上昇は、バッテリーをMFP本体1に搭載させる場合と比較して、大幅に抑えることができる。
図2は、端末装置に搭載されたメイン制御部の構成例を説明する図である。そのメイン制御部203は、図2に示すように、フラッシュメモリ211、DRAM212、CPU213、I/F(InterFace)コントローラ214、バス215、及び残量計測IC(Integrated Circuit)216を備えている。
フラッシュメモリ211は、各種プログラム、及び各種データ、等を保存した不揮発性の半導体メモリであり、実際には、例えばSSD(Solid State Drive)である。このフラッシュメモリ211には、MFP本体1への送電を制御するためのプログラム(以降「送電管理プログラム」と表記)211aが保存されている。
DRAM212は、CPU213がワークに用いる揮発性の半導体メモリであり、例えばメモリモジュールの形でメモリ制御部203に搭載される。
CPU213は、端末装置2全体を制御する処理装置である。その制御は、フラッシュメモリ211から実行すべきプログラムをDRAM212上に読み出して実行することで実現される。
I/Fコントローラ214は、インターフェースを介して接続される外部装置、或いは内部のモジュールとの通信を行う構成要素である。ここでは、入力部201、画面表示部、及び送受電部207との通信が可能な構成要素として示している。
バス215は、各部211〜214と接続された伝送経路である。CPU213は、バス215を介して、各部211、212、及び214との通信を行う。
残量計測IC216は、バッテリー204の残量を計測するICチップである。この残量計測IC216は、予め定められたサンプリング周期で残量の計測を行い、その計測結果をCPU213に通知する。それにより、残量計測IC216は、バッテリー204の残量に応じたCPU213の制御を可能にする。
以降は、2台の端末装置2を非常用電源として使用するために、MFP本体1、及び各端末装置2が実行する処理について具体的に説明する。
本実施形態では、非常用電源として使用可能な端末装置2はユーザに選択させるようにしている。そのユーザは、複数台の端末装置2を非常用電源と意図している場合がある。図1では、2台の端末装置2を示しているが、非常用電源として使用可能な端末装置2は、ユーザ側の都合に合わせて用意すれば良い装置であり、その台数は特に限定されない。このことから、本実施形態では、ユーザが2台以上の端末装置2を非常用電源として使用しようとする場合を想定し、端末装置2間の非常用電源としての優先度をユーザに設定させるようにしている。
上記のように、本実施形態では、MFP本体1のメイン制御部103が省電力状態に移行している場合にのみ、端末装置2を非常用電源として使用可能にしている。そのため、端末装置2側は、メイン制御部103が省電力状態か否かを認識する必要がある。それにより、非常用電源として使用可能な端末装置2は、MFP本体1と通信が可能なものに限定される。このようなことから、本実施形態では、通信可能な端末装置2をMFP本体1が探索することで確認された端末装置2を対象に、ユーザに優先度を設定させるようにしている。
このような優先度の設定は、メイン制御部103上のCPU131が、ハードディスク装置121に格納されている、非常用電源に係わる設定のためのプログラム(以降「非常用電源設定プログラム」と表記)121aを実行することで実現される。
図3は、その非常用電源設定プログラム121aをCPU131が実行することで実現される非常用電源設定処理を示すフローチャートである。次に、図3、及び図4〜図6に示す画面例を参照して、非常用電源設定処理について詳細に説明する。
この非常用電源設定プログラム121aは、例えば何れかの端末装置2をユーザが操作して、非常用電源の設定を指示した場合に実行される。その指示に用いられた端末装置2は、他の端末装置2と区別するために、「操作端末装置2」とも表記する。
非常用電源設定プログラム121aに制御が渡った場合、CPU131は、先ず、非常用電源の候補(図3中「給電先候補」と表記)を探索する(S31)。この探索は、通信信号送受信部107から、通信が可能な外部装置を確認するためのメッセージを送信させることで行われる。そのメッセージを送信することにより、そのメッセージを受信した外部装置は応答を送信する。このことから、CPU131は、通信可能な外部装置を認識することができる。その認識が可能なように、応答には、送信元である外部装置の情報も付加される。
CPU131は、メッセージを送信させた後、所定時間の経過を待って、外部装置が検出されたか否か、つまりそのメッセージの応答を受信できたか否か判定する(S32)。そのメッセージの応答を受信できた場合、S32の判定はYESとなってS35に移行する。そのメッセージの応答を受信できなかった場合、S32の判定はNOとなってS33に移行する。
ここで外部装置として主に想定しているのは、非常用電源として使用可能な端末装置2である。このことから、混乱を避けるために、以降、外部装置として端末装置2のみを想定する。
S33では、CPU131は、通信が可能な端末装置2が存在しない旨を通知する画面の画像データを通信信号送受信部107から送信させる。その画面(以降「再検索問い合わせ画面」と表記)は、例えば図4に示すようなものであり、ユーザに対し、再検索(探索)の実行の有無を選択させるための2つのボタン(ソフトキー)が配置されている。それにより、「YES」ボタン、及び「NO」ボタンのうちの一方の操作をユーザに行わせるようになっている。
CPU131は、再検索問い合わせ画面の画像データを送信させた後、その画像データの送信先である操作端末装置2からユーザの選択結果を示す操作データを受信するのを待って、その選択結果の内容を判定する(S34)。受信した操作データが「YES」ボタンの操作を示していた場合、S34ではその旨が判定され、上記S31に戻り、再度、探索を実行する。一方、受信した操作データが「NO」ボタンの操作を示していた場合、S34ではその旨が判定され、ここで非常用電源設定処理が終了する。
上記操作データは、入力部201から入力する操作情報とは異なるデータである。メイン制御部203上のCPU213は、入力部201から入力する操作情報を解析して、ユーザの指示内容を認識する。ここでの操作データは、認識された指示内容を表すデータである。
本実施形態では、非常用電源の候補を管理するために、その候補を表すデータをまとめて例えばハードディスク装置121に保存している。ここでは、そのデータを「装置データ」、その装置データをまとめたものを「候補リスト」とそれぞれ表記する。
上記S32の判定がYESとなって移行するS35では、CPU131は、その候補リストをハードディスク装置121、或いはDRAM133から読み出す。次に、CPU131は、読み出した候補リストを参照し、応答を返信した端末装置2がその候補リストに登録されているか否か判定する(S36)。受信した応答の何れかに、候補リスト上に存在しない装置データを含む情報が付加されていた場合、S36の判定はNOとなってS37に移行する。一方、受信した応答が全て候補リストに装置データが登録されているものであった場合、S36の判定はYESとなってS38に移行する。
S37では、CPU131は、候補リスト上に装置データが登録されていない端末装置2の登録を問い合わせるための画面(以降「登録指定画面」と表記)の画像データを通信信号送受信部107から送信させる。その後は、上記S35に戻り、問い合わせ結果に応じた処理を実行する。
図5は、登録指定画面の例を説明する図である。この登録指定画面には、登録候補とする端末装置2毎に、その端末装置2を示す装置データ(そのうちの一部)、チェックボックス、が配置される。図5に表記の「1234−567」、「Operation Terminal Unit C」は、それぞれ、モデルの型番データ、モデルの名称データ、を表している。これらは共に装置データに含まれる一部である。
登録指定画面には、ボタンとして、操作の終了を指示するための「OK」ボタンが配置されている。それにより、ユーザは、登録を希望する端末装置2のチェックボックスを操作してチェックマークを表示させた後、「OK」ボタンを操作することにより、チェックマークを表示させた端末装置2を候補リストに登録させることができる。チェックマークを表示させた端末装置2が存在しない状態でユーザが「OK」ボタンを操作した場合、候補リストに新たに端末装置2は登録されない。S37からS35に移行した場合、S35では、ユーザの操作に応じて、登録すべき端末装置2を候補リストに登録するための処理が行われる。
S36の判定がYESとなって移行するS38では、CPU131は、候補リストに登録された端末装置2の優先度を設定させるための画面(以降「優先度設定画面」と表記)を生成して通信信号送受信部107から送信させる。それにより、優先度設定画面を操作端末装置2に表示させる。
図6は、優先度設定画面の例を説明する図である。この優先度設定画面には、登録された端末装置2毎に、その端末装置2を示す装置データ、チェックボックスが配置されている。チェックボックスにチェックマークが表示されている端末装置2が、非常用電源の候補とされた端末装置2である。データの表示順は、その候補の優先度、つまり候補間の優先関係を表している。例えば上側になるほど、その候補の優先度が高いことを示している。
チェックマークの表示/非表示は、チェックボックスへの操作によって切り替わるようになっている。優先度の変更、つまりデータの表示位置の変更は、例えばドラッグアンドドロップ操作等により行えるようになっている。それにより、ユーザは、チェックボックスへの操作により、所望の端末装置2を非常用電源の候補とすることができ、装置データの表示位置の変更により、候補とする端末装置2の優先度を操作することができる。
優先度設定画面上には、図6に示すように、ボタンとして、「OK」ボタン、「↑」ボタン、「↓」ボタン、及び「Cancel」ボタンが配置されている。「OK」ボタンは、優先度設定画面が表す設定内容の確定を指示するためのボタンである。「↑」ボタンは、リスト上の表示位置を上方に移動させるためのボタンであり、「↓」ボタンは、その逆に下方に移動させるためのボタンである。「Cancel」ボタンは、優先度設定画面を用いた設定変更のキャンセルを指示するためのボタンである。
端末装置2上のCPU213は、図6に示すような優先度設定画面を画面表示部202に表示させた後、入力部201から入力する操作情報を処理して、優先度設定画面上へのユーザの操作を認識することにより、ユーザの操作に対応する。ユーザの操作のなかで、「OK」ボタン、及び「Cancel」ボタンへの操作は、何れも優先度設定画面の消去を伴う処理をCPU213は実行しなければならない。
このことから、CPU213は、入力部201から入力する操作情報から、ユーザの「OK」ボタンへの操作を認識した場合、例えば優先度設定画面の現在の内容、及び「OK」ボタンの操作、等をユーザの指示としてMFP本体1に通知する。一方、CPU213は、入力部201から入力する操作情報から、ユーザの「Cancel」ボタンへの操作を認識した場合、例えば優先度設定画面の現在の内容、及び「Cancel」ボタンの操作、等をユーザの指示としてMFP本体1に通知する。
MFP本体1上のCPU131は、優先度設定画面の送信後、端末装置2からユーザの指示が通知されるのを待って、その指示内容を判定する(S38)。その指示内容が「OK」ボタンの操作を表していた場合、S38ではその旨が判定され、S39に移行する。その指示内容が「Cancel」ボタンの操作を表していた場合、S38ではその旨が判定され、上記S31に戻る。
優先度設定画面の内容は、候補リストの内容である。S39では、CPU131は、端末装置2からユーザの指示内容として受信した候補リストを保存すると共に、その候補リストを、各端末装置2宛てにブロードキャストする。その後、非常用電源設定処理が終了する。
各端末装置2宛てに候補リストをブロードキャストすることにより、MFP本体1と通信可能な各端末装置2は候補リストを受信することになる。この候補リストは、上記のように、非常用電源の候補となる端末装置2、及びその端末装置2間の優先関係を表すファイルである。そのファイルには、基本的に、装置データ、及び非常用電源としての使用の有無を示すデータの組(例えばレコード)が優先度の降順に格納されている。この候補リストを設定情報として各端末装置2に参照させることにより、各端末装置2に自律的に非常用電源として動作させるようにしている。図2に示す211bは、MFP本体1から受信して保存された候補リストである。
CPU131は、ユーザの指示に従って省電力状態に移行させる他、ユーザのMFP本体1の利用状況、等に応じて、省電力状態に自律的に移行させる。自律的に省電力状態にCPU131が移行させる場合、その移行時に、ユーザに非常用電源の候補を設定させることは負担が大きい。このことから、本実施形態では、端末装置2に自律的に動作させ、非常用電源として動作させることにより、ユーザの負担をより軽減させている。
図7は、省電力状態に移行している場合に、電圧検知部によって実現されるMFP本体の動作を説明するフローチャートである。次に図7を参照して、電圧検知部105が出力する電圧検知信号によって実現されるMFP本体1の動作について詳細に説明する。
電圧検知部105は、PSU104が生成する電力の電圧が閾値以下か否かを監視するハードウェアである。しかし、ここでは、理解を容易とするために、電圧検知部105はソフトウェアにより制御されるものと想定し、その動作を示している。
省電力状態への移行は、外部電源からの電力供給が存在する場合に行われる。このことから、動作開始時、つまり省電力状態への移行時は、電圧検知信号はアクティブである。また、送受電部108は、メイン制御部103の設定により、電圧検知信号に応じて受電が可能な状態になっている。
先ず、電圧検知部105は、PSU104が生成する電力の電圧が閾値以下か否か判定する(S71)。その電力の電圧が閾値以下となった場合、S71の判定はYESとなってS72に移行する。その電力の電圧が閾値より大きい場合、S71の判定はNOとなり、再度、このS71の判定処理を実行する。それにより、電圧検知部105は、動作中、所定のサンプリング間隔で電圧を監視する。
S72では、電圧検知部105は、電圧検知信号をアクティブからインアクティブに変化させる。その変化に伴い、送受電部108は受電可能となり、電源スイッチ106は、送受電部108からの電力をメイン制御部103に供給可能にし、電圧検知信号送信部109は、検知レベル信号をHレベルからLレベルに変化させる(S73)。
このようにして、外部電源からの電力供給が中断した場合、その旨が検知レベル信号の変化によって各端末装置2に通知され、MFP本体1は、端末装置2からの電力を受電できる状態に移行する。
そのように電圧検知信号をインアクティブに変化させた後も、電圧検知部105は、PSU104が生成する電力の電圧が閾値以下か否か判定できる状態を維持する(S74)。その状態は、S74の判定がNOとなるまで、つまり外部電源からの電力供給が再開して、PSU104が電力の生成を開始するまで継続する。その電力の生成が開始され、S74の判定がNOとなった場合、S75に移行して、電圧検知部105は、電圧検知信号をインアクティブからアクティブに変化させる。
その変化に伴い、送受電部108は受電可能から送電可能に変化し、電源スイッチ106は、PSU104からの電力をメイン制御部103に供給可能にし、電圧検知信号送信部109は、検知レベル信号をLレベルからHレベルに変化させる(S76)。この結果、各端末装置2は、外部電源からの電力供給が再開した旨を認識することができ、送電を行っていた端末装置2はその送電を終了させる。
端末装置2が非常用電源として使用可能なのは、MFP本体1が省電力状態に移行している場合である。つまり、メイン制御部103は省電力状態、スキャナ部101、及びプリンタ部102への電力供給は遮断されている状態である。これは、通常動作時には、端末装置2に搭載されたバッテリー204の容量は小さすぎるからである。
外部電源からの電力供給の中断時は、電源の切断時と基本的に同じ状態である。このことから、本実施形態では、電源の切断時、端末装置2からの送電が行われないように、省電力状態への移行、及び省電力状態から通常状態への復帰をMFP本体1から各端末装置2に通知させるようにしている。送受電部108は、メイン制御部103上のCPU131によって、省電力状態への移行時、受電可能に設定され、省電力状態から通常状態への復帰時、送電可能に設定される。
一方、非常用電源として使用可能な端末装置2は、上記送電管理プログラム211aの実行により、MFP本体1への送電を管理する。次に、その送電管理プログラム211aをCPU213が実行することにより実現される送電管理処理について、図8に示すそのフローチャートを参照して詳細に説明する。
この送電管理プログラム211aは、例えばMFP本体1から省電力状態への移行の通知を契機に起動されるアプリケーション・プログラムである。起動された送電管理プログラム211aは、例えばMFP本体1から通常状態への復帰、或いは電源の切断の通知により、終了される。それにより、この送電管理プログラム211aは、MFP本体1が省電力状態となっている間、非常用電源として端末装置2を動作させることを可能にする。
端末装置2が送電を継続できる時間は制限される。このことから、本実施形態では、バッテリー204の残量が所定の閾値以下となった端末装置2には送電を終了させ、その次に優先度の高い端末装置2に送電を行わせるようにしている。それにより、外部電源からの電力供給の中断が或る程度、長くなってもより高い確率で対応できるようにしている。別の端末装置2に送電を依頼するメッセージは図8中「給電変更依頼」と表記している。
この給電変更依頼は、例えば候補リスト211bを参照して生成される。それにより、給電変更依頼は、自身の端末装置(以降「自端末装置」と表記)2の次に優先度の高い端末装置2宛てに送信される。これは、次に優先度の高い端末装置2が動作中(送電可能)であるとは限らず、また、その端末装置2と必ず通信できるとも限らないからである。給電変更依頼への応答のない端末装置2は、動作中でない、或いは通信可能な状態ではない可能性が高いことから、送電を行うことは期待できない。
このことから、本実施形態では、給電変更依頼に応答する端末装置2を確認するか、或いは候補リスト211b上に給電変更依頼の送信対象となる端末装置2が無くなるまで、送信先を変えて給電変更依頼を送信させるようにしている。そのようにして、より確実に、MFP本体1への送電を継続して行うようにしている。
MFP本体1は省電力状態であることから、送電管理プログラム211aの実行時、端末装置2はMFP本体1から上記検知レベル信号のみを受信する。他の端末装置2からは、メッセージとして、上記給電変更依頼を受信する可能性がある。図8では、便宜的に、その2つの信号のみを想定している。
この送電管理プログラム211aに制御が渡った場合、CPU213は、先ず、何らかの信号を受信したか否か判定する(S81)。何らかの信号を受信した場合、S81の判定はYESとなってS82に移行する。何れの信号も受信できなかった場合、S81の判定はNOとなり、再度、S81の受信判定処理を実行する。それにより、CPU213は、所定の時間間隔で受信信号を監視する。なお、上記のように、第2の電圧検知信号(検知レベル信号)は、HレベルからLレベルへの変化、及びLレベルからHレベルへの変化のうちの何れかが発生した場合に、割り込みによってその変化が電圧検知信号受信部208からCPU213に通知される。
S82では、CPU213は、電圧検知信号受信部208からの割り込み(図8中「電力状態通知」と表記)が発生したか否か判定する。電圧検知信号受信部208からの割り込みが発生した場合、S82の判定はYESとなってS83に移行する。他の端末装置2からの信号を受信した場合、S82の判定はNOとなってS84に移行する。ここでは、その信号として、給電変更依頼のみを想定している。
S83では、CPU213は、発生した割り込みがMFP本体1での電力供給の中断(図8中「電力断」と表記)を示しているか否か判定する。その割り込みが、検知レベル信号のHレベルからLレベルへの変化によるものであった場合、つまりLレベルの検知レベル信号を受信し、その直前に受信した検知レベルがHレベルであった場合、S83の判定はYESとなってS84に移行する。反対に、その割り込みが、検知レベル信号のLレベルからHレベルへの変化によるものであった場合、つまりHレベルの検知レベル信号を受信し、その直前に受信した検知レベルがLレベルであった場合、S83の判定はNOとなってS90に移行する。
S84では、CPU213は、自端末装置2が送電を行うべき送電先(図8中「給電先」と表記)か否か判定する。自端末装置2が送電先であった場合、S84の判定はYESとなってS85に移行する。自端末装置2が送電先でない場合、S84の判定はNOとなり、上記S81に戻る。それにより、次の信号の受信に備える。
このS84への移行は、MFP本体1の外部電源からの電力供給の中断時、或いは給電変更依頼の受信時である。CPU213は、電力供給の中断時は、候補リスト211bを参照し、自端末装置2が候補リスト211bのなかで最上位の優先度であった場合、送電先と判定する。給電変更依頼は、送信先を指定して送信されるメッセージである。そのため、CPU213は、給電変更依頼の受信により、自端末装置2を送信先と判定する。
S85では、CPU213は、電源スイッチ205を、バッテリー204からの電力を送受電部207に供給可能にする切り替えを行う。次に、CPU213は、送受電部207を送電可能な状態に設定し、送電を開始させる(S86)。
送電を開始させた後、CPU213は、残量計測IC216が検知したバッテリー204の残量が閾値以下か否か判定する(S87)。その残量が閾値以下であった場合、S87の判定はYESとなってS89に移行する。その残量が閾値より大きい場合、S87の判定はNOとなってS88に移行する。
S88では、CPU213は、送電する状況が変化したか否か判定する。ここで想定する変化とは、送電が不要になる変化であり、その変化は、上記のように、検知レベル信号のLレベルからHレベルへの変化により確認することができる。それにより、検知レベル信号のLレベルからHレベルへの変化による割り込みが発生した場合、S88の判定はYESとなってS91に移行する。その割り込みが発生していない場合、S88の判定はNOとなってS86に戻り、送電を継続させる。
上記S86〜S88で形成される処理ループは、S87、或いはS88の判定がYESとなるまで繰り返し実行される。その結果、送電中の端末装置2は、バッテリー204の残量が閾値以下に低下するか、或いはMFP本体1に外部電源による電力供給が再開するまで送電を継続して行うこととなる。
CPU213は、S86では、MFP本体1への送電を行っている旨をユーザに通知するために、図9に示すような画面(以降「送電通知画面」と表記)を画面表示部202上に表示させる。本実施形態では、「MFP本体へ給電中」というメッセージと共に、バッテリー204の残量の認識がより容易なようにユーザに示すようにしている。それにより、送電をより長く継続できる対応をユーザに求めるようにしている。
S89では、CPU213は、候補リスト211bを参照して、自端末装置2の次に優先度の高い端末装置2を特定し、特定した端末装置2宛てに給電変更依頼を通信信号送受信部206に送信させる。その後はS91に移行する。
上記S83の判定がNOとなって移行するS90では、CPU213は、現在、送電中(給電中)か否か判定する。現在、MFP本体1への送電を行っている場合、S90の判定はYESとなってS91に移行する。その送電を行っていない場合、S90の判定はNOとなって上記S81に戻る。
S91では、CPU213は、送受電部207を受信可能に設定して、送受電部207による送電を停止させる。次に、CPU213は、電源スイッチ205に、バッテリー204から送受電部207への電力供給を遮断させる。その後、上記S81に戻る。
このようにして、CPU213は、MFP本体1への外部電源からの給電状態を認識すると共に、その認識結果に応じた対応を行う。それにより、外部電源からの電力供給が中断した場合、候補リスト211bを参照して、送電先(給電先)か否かの確認を行い、送電先であれば送電を行わせる。バッテリー204の残量が送電を行うべきレベル以下となった場合には、送電を停止させ、他の端末装置2に給電依頼変更を送信する。給電変更依頼の受信時には、送電を開始させる。このような対応をCPU213が行うことにより、送電が可能な端末装置2が存在する間、MFP本体1への送電を継続させることができる。
MFP本体1の動作状態、つまりMFP本体1が省電力状態か否かの認識は、上記のように、通信信号送受信部206を介して受信するMFP本体1からの通知をCPU213が処理することで実現される。MFP本体1の給電状態は、電圧検知信号受信部208が発生させる割り込みによってCPU213は認識する。このことから、本実施形態における認識部は、例えば通信信号送受信部206、電圧検知信号受信部208、フラッシュメモリ211、DRAM212、CPU213、及びバス215によって実現される。
送受電部207は、MFP本体1に送電する送電部として機能し、その送受電部207による送電は、上記送電管理プログラム211aをCPU213が実行することで実現される。その送電のためのバッテリー204から送受電部207への電力供給には電源スイッチ205が用いられる。このことから、本実施形態における送電制御部は、例えば電源スイッチ205、フラッシュメモリ211、DRAM212、CPU213、及びバス215によって実現される。
一方、MFP本体1では、送受電部108は本実施形態における受電部に相当し、電圧検知部105は本実施形態における給電検知部に相当する。MFP本体1の給電状態が認識可能な検知レベル信号は、電圧検知部105が出力する電圧検知信号によって電圧検知信号送信部109から送信される。このことから、本実施形態による通信部は、例えば電圧検知部105、及び電圧検知信号送信部109によって実現される。
MFP本体1の動作状態の端末装置2への通知は、CPU131が通信信号送受信部107を用いて行われる。そのCPU131は、ハードディスク装置121に格納されているプログラムをDRAM133に読み出して実行することにより制御を行う。このことから、上記通信部は、広義には、他に、ハードディスク装置121、CPU131、及びDRAM133を加えることができる。
なお、本実施形態では、MFP本体1は各端末装置2の充電を行えるようになっているが、その充電機能はMFP本体1に必ず搭載しなければならないものではない。或いは充電機能を搭載させるとしても、搭載させる充電機能は、全ての端末装置2への充電を行えないものでも良い。
また、本実施形態では、予めユーザに設定させた優先関係に従って、各端末装置2を非常用電源として使用するようにしているが、予め定めた規則に従って、各端末装置2を非常用電源として使用するようにしても良い。より具体的には、例えばバッテリー204の残量、或いは/及び、送電効率、等に着目し、MFP本体1が必要とする電力供給をより確実に行える端末装置2を端末装置2間の通信により特定し、特定した端末装置2に送電を行わせるようにしても良い。その規則を優先関係と組み合わせて、送電させる端末装置2を特定させるようにしても良い。
本実施形態では、MFP本体1を電子機器としているが、電子機器はMFP本体1に限定されない。本実施形態は、電力の供給を必要とする省電力状態に移行可能な電子機器に幅広く適用することができる。同様に、端末装置2は、バッテリー204を搭載した情報処理装置であれば良い。この端末装置2は、非常時の外部バッテリーとして用いることを前提として製品化しても良い。