JP2017210577A - 食器用液体洗浄剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温安定性に優れ、食器表面に付着した固体脂を含む油汚れを、スポンジ等の可撓性材料を用いて擦らずとも、すなわち機械力をかけずとも、良好に洗浄できる食器用液体洗浄剤組成物を提供する。【解決手段】分岐鎖炭化水素基を有するアニオン界面活性剤〔以下、(A)成分という〕1質量%以上20質量%以下、炭素数2以上12以下のグリコール系溶剤〔以下、(B)成分という〕、及び水を含有し、(B)成分/(A)成分の質量比が0.7以上である食器用液体洗浄剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、食器用液体洗浄剤組成物、及び食器の洗浄方法に関する。
手洗い用食器洗浄剤には、油汚れに対する洗浄力が根強く求められている。とりわけ、プラスチック製のタッパーや弁当箱などの疎水性表面を有する食器類においては、牛脂や豚脂などの固形脂を多く含む油汚れが落ちにくく、高い洗浄力が求められている。そのため、通常、約40℃〜45℃のお湯を使用する、又は、2度洗いをするなどの工夫を施した洗浄方法が用いられる。
特許文献1には、(a)ノニオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を10〜30重量%、(b)ジオール系溶剤を0.1〜10重量%、及び(c)多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物、及び無置換又は炭素数1〜5のアルキル基又はアルケニル基で置換されたベンゼンスルホン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有し、(b)成分と(c)成分との重量比(b)/(c)=1/10〜10/1である洗浄剤組成物が開示されている。
特開平11−116987号公報
本発明は、低温安定性に優れ、食器表面に付着した固体脂を含む油汚れを、スポンジ等の可撓性材料を用いて擦らずとも、すなわち機械力をかけずとも、良好に洗浄できる食器用液体洗浄剤組成物及び該組成物を用いた食器の洗浄方法を提供する。
本発明は、分岐鎖炭化水素基を有するアニオン界面活性剤〔以下、(A)成分という〕1質量%以上20質量%以下、炭素数2以上12以下のグリコール系溶剤〔以下、(B)成分という〕、及び水を含有し、(B)成分/(A)成分の質量比が0.7以上である食器用液体洗浄剤組成物に関する。
また、本発明は、上記本発明の食器用液体洗浄剤組成物を、固体脂を含む油汚れが付着した食器と接触させ、機械力をかけずに洗浄する、食器の洗浄方法に関する。
本発明によれば、低温安定性に優れ、食器表面に付着した固体脂を含む油汚れを、スポンジ等の可撓性材料を用いて擦らずとも、すなわち機械力をかけずとも、洗浄することが可能な食器用液体洗浄剤組成物及び該組成物を用いた食器の洗浄方法を提供することができる。
[食器用液体洗浄剤組成物]
本発明者は、前記(A)成分を含む界面活性剤と、特定のグリコール系溶剤を、特定量比用いた組成物が、低温安定性に優れると共に、固体脂の洗浄性に優れることを見出した。
これは、(A)成分が、分岐鎖炭化水素を有する構造であり、該構造により、固体脂への界面活性剤の親和性が高くなると共に、グリコール系溶剤を含む水溶性溶媒中では、固体脂を含む油汚れ中に界面活性剤が浸透し易くなり、その結果、食器からの固体脂の剥離が容易となり、洗浄力の向上効果が得られたものと推定される。
また、組成物の低温安定性が向上するのは、炭素数2以上12以下のグリコール系溶剤の構造と(A)成分が有する分岐鎖炭化水素基との親和性が高いためと考えられる。
低温安定性とは、例えば、実施例記載の5℃での組成物の安定性であり、外観の透明性により、判断することができる。一部の成分が析出して濁っている場合、その組成物は、本来の性能を発現しにくくなる。従って、外観が透明で均一であることは洗浄力の観点では好ましい。
本発明の洗浄方法では、前記組成物を、直接、食器と接触させる方法で用いる場合は、食器に適用される界面活性剤の濃度が、含水したスポンジを使用して食器表面に接触させる場合よりも高くなるため、その効果は、より顕著に発現する。
これらのことから、本発明の食器用液体洗浄剤組成物を用いた洗浄方法では、食器に付着した固体脂を含む油汚れを、スポンジ等の可撓性材料を用いて擦らなくても、すなわち機械力をかけなくても、良好に除去できる。
以下、本発明の食器用液体洗浄剤組成物について説明する。
〔(A)成分〕
(A)成分は、分岐鎖炭化水素基を有するアニオン界面活性剤である。
分岐鎖炭化水素基の炭素数としては、洗浄力の観点から、好ましくは炭素数5以上、より好ましくは6以上、更に好ましくは8以上であり、そして、同様の観点から、好ましくは炭素数21以下、より好ましくは18以下、更に好ましくは16以下、更に好ましくは14以下である。分岐鎖炭化水素基は、洗浄力の観点から、分岐鎖飽和炭化水素基が好ましく、分岐鎖アルキル基がより好ましい。
分岐鎖炭化水素基としては、炭化水素基の末端がイソ分岐していてもよく、第2級アルコール由来の炭化水素基(第2級アルコールから水酸基を除去した残基)であってもよい。
(A)成分のアニオン界面活性剤としては、アルキル硫酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸、アルカンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、アルキル又はジアルキルスルホコハク酸、ポリオキシアルキレンアルキル又はポリオキシアルキレンジアルキルスルホコハク酸、脂肪酸等又はこれらの塩が好ましく挙げられる。これらのアルキル基は分岐鎖アルキル基である。
(A)成分は、下記一般式(a1)で表されるスルホコハク酸エステル又はその塩〔以下、(a1)成分という〕、及び/又は、炭素数8〜21の分岐鎖炭化水素基と、硫酸エステル基又はスルホン酸基とを有するアニオン界面活性剤〔但し、(a1)成分を除く〕〔以下、(a2)成分という〕から選ばれる一種以上が好ましい。
Figure 2017210577
〔式中、R1a、R2aは、それぞれ独立して、炭素数5以上18以下の分岐鎖炭化水素基である。A、Aはそれぞれ独立に炭素数2以上4以下のアルキレン基、x、yは平均付加モル数であり、それぞれ独立に0以上6以下である。Mは水素原子又は陽イオンである。〕
一般式(a1)中、R1a、R2aは、それぞれ独立に、炭素数5以上、好ましくは6以上、より好ましくは7以上、そして、炭素数18以下、好ましくは16以下、更に好ましくは14以下の分岐鎖炭化水素基であり、R1a、R2aは、それぞれ独立に、好ましくは分岐鎖のアルキル基である。
一般式(a1)中、A、Aは、それぞれ独立に、炭素数2以上、そして、炭素数4以下、好ましくは3以下のアルキレン基である。
一般式(a1)中、x、yは、平均付加モル数であり、洗浄力の観点から、それぞれ独立に、0以上、そして、6以下、好ましくは4以下、より好ましくは2以下であり、更に好ましくは0である。
また、x+yは、洗浄力の観点から、好ましくは0以上、そして、好ましくは12以下であり、より好ましくは6以下、更に好ましくは3以下であり、より更に好ましくは0である。
一般式(a1)中、R1a、R2aは、それぞれ、好ましくは2−エチルヘキシル基、sec−オクチル基、イソペンチル基、イソノニル基、イソデシル基から選ばれるアルキル基であり、より好ましくはsec−オクチル基、イソデシル基、及び2−エチルヘキシル基から選ばれるアルキル基であり、更に好ましくは2−エチルヘキシル基である。
一般式(a1)中、Mは、水素原子又は陽イオンである。陽イオンとしては、ナトリウムイオン、アンモニウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン等の無機陽イオン、モノエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン、モルホリニウムイオン等の有機陽イオンが挙げられる。陽イオンは、好ましくはナトリウムイオン、アンモニウムイオン、カリウムイオン及びマグネシウムイオンから選ばれる無機陽イオンである。
(a1)成分は、R1a、R2aが同一の化合物の調製方法としては、特に限定されるものではないが、例えば米国特許明細書第2,028,091号公報に記載の方法を参考して製造することができ、また、R1a、R2aが異なる非対称の化合物は、例えば特開昭58−24555号公報を参考して製造することができる。市販の化合物を用いる場合には、花王(株)製ペレックスOT−P(R1a、R2aが共に2−エチルヘキシル基である化合物)、BASF社製LuensitA−BO(R1a、R2aが共に2−エチルヘキシル基である化合物)、東邦化学工業(株)製エアロールCT−1L(R1a、R2aが共に2−エチルヘキシル基である化合物)などを用いることができる。(a1)成分の原料として、所定炭素数のアルコールにアルキレンオキシドを付加したものを用いることもできる。
(a2)成分は、炭素数8〜21の分岐鎖炭化水素基と、硫酸エステル基又はスルホン酸基とを有するアニオン界面活性剤〔但し、(a1)成分を除く〕である。
(a2)成分の分岐鎖炭化水素基としては、洗浄力の観点から、炭素数が8以上、好ましくは10以上、より好ましくは12以上、そして21以下、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは14以下の分岐鎖アルキル基が好ましい。
(a2)成分のアニオン界面活性剤としては、分岐鎖アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレン分岐鎖アルキルエーテル硫酸エステル塩及び分岐鎖アルカンスルホン酸塩から選ばれる1種以上が好ましい。
硫酸エステル基を有する前記アニオン界面活性剤として、洗浄力の観点から、炭素数が8以上、好ましくは10以上、そして、21以下、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは14以下の分岐鎖のアルキル基を有するアルキル硫酸エステル塩が好適である。
また、硫酸エステル基及びポリオキシアルキレン基を有する前記アニオン界面活性剤として、洗浄力の観点から、炭素数は、8以上、好ましくは10以上、そして、21以下、好ましくは18以下、より好ましくは14以下、更に好ましくは12以下の分岐鎖のアルキル基を有し、炭素数2以上3以下のオキシアルキレン基の平均付加モル数が好ましくは0.1以上、より好ましくは0.3以上、更に好ましくは0.4以上、そして、好ましくは6以下、より好ましくは3以下、更に好ましくは1.5以下であるポリオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が好適である。
また、スルホン酸基を有する前記アニオン界面活性剤として、洗浄力の観点から、(1)炭素数6以上15以下の分岐鎖アルキル基を有する分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩及び、(2)炭素数8以上、好ましくは10以上、そして、21以下、好ましくは18以下、より好ましくは14以下、更に好ましくは12以下の分岐鎖アルカンスルホン酸塩から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤が好適である。前記(1)の場合、ベンゼン環に結合する炭素原子が第2級炭素原子となっているアルキル基が好ましく、前記(2)の場合、スルホン酸基のSに結合する炭素原子が第2級炭素原子になっているアルカンが好ましい。
(a2)成分のアニオン界面活性剤の塩として、ナトリウム塩、アンモニウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩等から選ばれる無機塩、モノエタノールアンモニウム塩、ジエタノールアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、モルホリニウム塩等から選ばれる有機アンモニウム塩が好適である。
(a2)成分としては、下記一般式(a2)の化合物が低温安定性と泡立ち性の観点から好適である。
11a−O−(R12aO)−SO (a2)
〔式中、R11aは、炭素数8以上21以下の分岐鎖のアルキル基であり、R12aは、エチレン基及び/又はプロピレン基であり、nは平均付加モル数であり0以上6以下の数である。Mは水素原子又は陽イオン、好ましくは無機又は有機の陽イオンである。〕
一般式(a2)中、R11aは、洗浄力の観点から、炭素数8以上、好ましくは10以上、そして、21以下、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは14以下の分岐鎖のアルキル基である。R11aは、洗浄力の観点から、第2級アルキル基が好ましい。ここで、第2級アルキル基とは、第2級アルコールから水酸基を除去した残基であり、一般式(a2)中のR11aOにおいてOと結合するR11aの炭素原子が第2級炭素原子となっている。本発明では第2級アルキル基を分岐鎖のアルキル基に含める。具体的には、R11aは、炭素数12の分岐鎖アルキル基及び炭素数13の分岐鎖アルキル基から選ばれる分岐鎖アルキル基が好ましい。
一般式(a2)中、nは、洗浄力の観点から、好ましくは0以上、そして、好ましくは6以下、より好ましくは3以下、更に好ましくは1.5以下の数である。
一般式(a2)中、R12aがエチレン基の場合には、洗浄力の観点から、nは、好ましくは0以上、そして、好ましくは6以下、より好ましくは3以下、更に好ましくは1.5以下の数である。
また、一般式(a2)中、R12aがプロピレン基の場合には、洗浄力の観点から、nは、好ましくは0以上、そして、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.0以下、更に好ましくは0.8以下の数である。
また、一般式(a2)中、R12aがエチレン基及びプロピレン基の場合には、nは、これらの範囲からそれぞれ選択できる。
一般式(a2)中、Mは、水素原子、あるいはナトリウムイオン、アンモニウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン等の無機陽イオン、モノエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン、モルホリニウムイオン等の有機陽イオンが挙げられ、好ましくはナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン、マグネシウムイオンの無機陽イオンである。
一般式(a2)の化合物の調製方法としては、特に限定されるものではないが、例えばR11a−OHで示される脂肪アルコールに目的に応じてエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを所定量付加させた後、三酸化硫黄(液体又は気体)、三酸化硫黄含有ガス、発煙硫酸、クロルスルホン酸から選ばれる硫酸化剤で硫酸エステル化し、所定のアルカリ剤で中和して製造される。エチレンオキシド(以下、EOと表記する)及び/又はプロピレンオキシド(以下、POと表記する)の付加反応は触媒が必要でありNaOH、KOHなどの水酸化アルカリを用いることができる。また、特開平8−323200号公報に記載の酸化マグネシウムを主成分とする触媒を用いることができ、前者は付加モル数分布が比較的広いポリオキシエチレンアルキルエーテルを得ることができ、後者は比較的狭い付加モル数分布を有する化合物を得ることができる。また、特開平10−158384号公報に開示されているようにアルカリ触媒と金属酸化物触媒を併用することにより付加モル数分布を制御することも可能である。
一般式(a2)においてR11aが分岐鎖のアルキル基を含む化合物を得る場合には、原料であるR11a−OHで示されるアルコールとして、炭素数8以上14以下の1−アルケンをヒドロホルミル化して得られたアルコール(OH基に対してβ位にメチル基が分岐したアルキル基が15モル%以上70モル%以下含まれる)、炭素数4以上8以下のアルデヒドを縮合させた後、還元して得られるゲルベ型アルコール(OH基に対してβ位に炭素数3以上6以下のアルキル基が分岐した構造のものが100モル%含まれる)、イソブテンの2量体をヒドロホルミル化して得られる3,5,5−トリメチルヘキサノール、イソブテンの3量体をヒドロホルミル化して得られる多分岐トリデカノール(分岐率は100モル%である)、石油、石炭を原料とした合成アルコール(分岐率が約20モル%以上100モル%以下のアルキル基である)を挙げることができる。
本発明では、(a2)成分として、一般式(a2)で表される化合物であって、R11aが好ましくは炭素数8以上、より好ましくは10以上、そして、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは14以下の分岐鎖アルキル基であり、nが0である化合物が好ましい。
〔(B)成分〕
(B)成分は、炭素数2以上12以下のグリコール系溶剤である。
(B)成分について、グリコール系とは、水酸基を2つ有する化合物及びその水酸基の一方又は両方の水素原子が他の基で置換されたエーテル化合物の何れかに属することを意味する。
(B)成分は炭素数2以上12以下のグリコール系水溶性溶剤が好ましい。(B)成分について、水溶性とは、20℃の水100gに50g以上溶解することをいう。
(B)成分は、オクタノール/水分配係数(LogPow)が3.5以下であることが好ましい。
(B)成分の総炭素数は、洗浄力の観点から、好ましくは3以上、より好ましくは4以上、さらに好ましくは5以上、さらに好ましくは6以上であり、洗浄力の観点から、好ましくは10以下、より好ましくは8以下である。
(B)成分は、低温安定性、洗浄力の観点から、エチレングリコール(炭素数2)、プロピレングリコール(炭素数3)、ジエチレングリコール(炭素数4)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(炭素数4)、イソプレングリコール(炭素数5)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(炭素数5)、3−メチル−3−メトキシブタノール(炭素数6)、エチレングリコールモノブチルエーテル(炭素数6)、ジプロピレングリコール(炭素数6)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(炭素数8)、ジブチレンジグリコール(炭素数8)、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル(炭素数10)等が挙げられる。(B)成分は、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等の炭素数2又は3のグリコール、それらのポリエーテル又はそれらのモノアルキルエーテルが好ましい。モノアルキルエーテルのアルキル基としては、好ましくは炭素数1以上4以下であり、メチル基、エチル基、各種プロピル基、各種ブチル基である。各種とは、ノルマル、イソ、ターシャリーを含む。
(B)成分は、より好ましくは、低温安定性、洗浄力の観点から、プロピレングリコール(炭素数3)、エチレングリコールモノブチルエーテル(炭素数6)、プロピレングリコールモノブチルエーテル(炭素数7)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(炭素数8)、及びジプロピレングリコールモノブチルエーテル(炭素数10)からなる群から選ばれる1以上である。(B)成分として、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(炭素数8)を含むことが好ましい。
〔その他の成分〕
本発明の食器用液体洗浄剤組成物は、洗浄力の観点から、さらに、(C)成分として、両性界面活性剤を含有することが好ましい。
両性界面活性剤としては、アミンオキサイド、スルホベタイン及びカルボベタインから選ばれる1種以上の両性界面活性剤が挙げられる。両性界面活性剤はスルホベタインが好ましい。
アミンオキサイドとしては、下記一般式(c1)の化合物が好適である。
Figure 2017210577
〔式中、R1cは炭素数8以上22以下の炭化水素基、好ましくはアルキル基又はアルケニル基、より好ましくはアルキル基を示し、R2c及びR3cは、同一又は異なって、炭素数1以上3以下のアルキル基を示す。Dは−NHC(=O)−基又は−C(=O)NH−基を示し、Eは炭素数1以上5以下のアルキレン基を示す。m及びpは、m=0かつp=0又はm=1かつp=1を示す。〕
上記一般式(c1)において、R1cは、固体脂に対する洗浄力の観点から、好ましくは炭素数10以上18以下のアルキル基であり、より好ましくは炭素数12以上16以下のアルキル基であり、更に好ましくは炭素数12以上14以下のアルキル基であり、より更に好ましくは炭素数12のアルキル基である。R2c、R3cは、固体脂に対する洗浄力の観点から、好ましくは炭素数1のメチル基である。
スルホベタインとしては、アルキル基の炭素数が好ましくは10以上、好ましくは18以下、より好ましくは14以下のN−アルキル−N,N−ジメチル−N−スルホプロピルアンモニウムスルホベタイン、アルキル基の炭素数が好ましくは10以上、好ましくは18以下、より好ましくは14以下のN−アルキル−N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシスルホプロピル)アンモニウムスルホベタイン、アルカノイル基の炭素数が好ましくは10以上、好ましくは18以下、より好ましくは14以下のN−アルカノイルアミノプロピル−N,N−ジメチル−N−スルホプロピルアンモニウムスルホベタイン、アルカノイル基の炭素数が好ましくは10以上、好ましくは18以下、より好ましくは14以下のN−アルカノイルアミノプロピル−N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシスルホプロピル)アンモニウムスルホベタインが挙げられる。
カルボベタインとしては、アルキル基の炭素数が好ましくは10以上、好ましくは18以下、より好ましくは14以下のN−アルキル−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタインや下記一般式(c2)で表される化合物が挙げられ、洗浄力の観点から下記一般式(c2)で表される化合物が好ましい。
Figure 2017210577
〔式中、R4cは炭素数7以上21以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、R5cはプロピレン基を示し、R6c及びR7cは、それぞれ独立に、炭素数1以上3以下のアルキル基を示す。〕
一般式(c2)中、R4cは、好ましくは9以上、より好ましくは11以上、そして、好ましくは15以下、より好ましくは13以下のアルキル基又はアルケニル基であり、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基が好ましい。
一般式(c2)中、R6c及びR7cは、それぞれ独立に、好ましくはメチル基である。
〔組成等〕
本発明の食器用液体洗浄剤組成物は、(A)成分を、洗浄力の観点から、1質量%以上、好ましくは3質量%以上、より好ましくは4質量%以上、そして、低温安定性の観点から、20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは8質量%以下、含有する。
本発明の食器用液体洗浄剤組成物は、(B)成分を、低温安定性の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは7質量%以上、そして、洗浄力の観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは12質量%以下、含有する。
本発明の食器用液体洗浄剤組成物は、(B)成分/(A)成分の質量比が、低温安定性の観点から、0.7以上、好ましくは0.8以上、さらに好ましくは1以上、さらに好ましくは1.5以上、そして、洗浄力の観点から、好ましくは5以下、より好ましくは4以下、さらに好ましくは3以下、さらに好ましくは2.5以下である。
本発明の食器用液体洗浄剤組成物が(C)成分を含有する場合、洗浄力の観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、さらに好ましくは6質量%以下、さらに好ましくは4質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下含有する。
また、(C)成分/(A)成分の質量比は、洗浄力の観点から、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.5以上であり、同様の観点から、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、さらに好ましくは3以下である。
本発明の食器用液体洗浄剤組成物は、(A)成分/[(A)成分+(C)成分]の質量比が、洗浄力の観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.3以上、同様の観点から、1以下、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.6以下である。
本発明の食器用液体洗浄剤組成物は、(B)成分/[(A)成分+(C)成分]の質量比が、低温安定性の観点から、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.8以上、さらに好ましくは1以上、さらに好ましくは1.5以上であり、洗浄力の観点から、好ましくは5以下、より好ましくは4以下、さらに好ましくは3以下、さらに好ましくは2.5以下である。
本発明の食器用液体洗浄剤組成物は、本発明を損なわない限り、直鎖炭化水素基を有するアニオン界面活性剤やノニオン界面活性剤を含有していてもよい。
本発明の食器用液体洗浄剤組成物は、全界面活性剤中、(A)分岐鎖炭化水素基を有するアニオン界面活性剤と(C)両性界面活性剤との合計含有量が、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上であり、好ましくは100質量%以下である。この合計含有量は、100質量%であってもよい。
本発明の食器用液体洗浄剤組成物は、塗布用の食器用液体洗浄剤組成物であることが好ましい。
また、本発明の食器用液体洗浄剤組成物は、噴霧用の食器用液体洗浄剤組成物であることが好ましい。
なお、本発明において、食器は、食器そのものの他に、台所周りの硬質物品を含むことができる。
台所周りの硬質物品は、台所の周辺で使用される物品であり、具体的には、
(1)冷蔵庫、食器棚などの食品、食器、調理器具の保存場所、及び
(2)排水溝、調理台、レンジフード、シンク、ガスレンジ、電子レンジなどの食品の調理場所
である。本発明では、これらを便宜上「台所周りの硬質物品」とする。
また、食器としては、具体的には、
(i)皿、椀等のいわゆる食器、
(ii)タッパー、瓶等の保存容器、
(iii)包丁やまな板、鍋、フライパン、魚焼きグリル等の調理器具、
(iv)フードプロセッサー、ミキサー等の調理家電等
の食材が接触する部材や器具が挙げられる。本発明では、これらを便宜上「食器」とする。
また、本発明の洗浄対象である食器の材質は、プラスチック(シリコーン樹脂などを含む)、金属、陶器、木、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
[食器の洗浄方法]
本発明の食器の洗浄方法は、前記本発明の食器用液体洗浄剤組成物を、固体脂を含む油汚れが付着した食器と接触させ、機械力をかけずに洗浄する、食器の洗浄方法である。この方法は、手や道具の届かない部位や届きにくい食器の細部の洗浄に好適である。
本発明の食器の洗浄方法は、本発明の食器用液体洗浄剤組成物を、希釈せずに固体脂を含む油汚れが付着した食器と接触させ、機械力をかけずに洗浄する、食器の洗浄方法が好ましい。本発明の洗浄方法は、本発明の食器用液体洗浄剤組成物を、希釈せずに固体脂を含む油汚れが付着した食器と接触させ、機械力をかけずに放置して洗浄することが好ましい。
前記食器用液体洗浄剤組成物を希釈せずに固体脂を含む油汚れが付着した食器と接触させる、とは、該洗浄剤組成物を、意図的に水などで希釈した後、固体脂含む油汚れが付着した食器と接触させないことである。例えば、水滴等が付着した食器と接触させたり、前記食器用液体洗浄剤組成物を接触させた後、食器に水滴が付着したりする場合は、前記食器用液体洗浄剤組成物を希釈せずに、固体脂を含む油汚れが付着した食器と接触させていると理解できる。
機械力をかけずに食器を洗浄することは、例えば、組成物の接触以外に、洗浄のための意図的な操作を行わないことである。例えば、接触させた組成物が食器の表面を自然に流下することや、洗浄を意図しない振動が食器に伝わることなどは、機械力をかけずに食器を洗浄すると理解できる。
固体脂を含む油汚れは、油脂を含んだ汚れであって、この油脂が常温(例えば20℃)で固体を呈するものである。固体脂を含む油汚れは、典型的には固体脂を含む油汚れ、更に固体脂と液体油とを含む油汚れである。本発明の食器用液体洗浄剤組成物を接触させるときの固体脂を含む油汚れの形態は、固体脂と液体油とが混在した状態であってもよい。
本発明では、前記食器用液体洗浄剤組成物の原液をそのまま、つまり組成を変動させることなく、固体脂を含む油汚れが付着した食器に付着させることが好ましい。例えば、前記食器用液体洗浄剤組成物を、含水したスポンジ等に付着させることなく、固体脂を含む油汚れが付着した食器に接触させることが好ましい。食器に接触した後は、前記食器用液体洗浄剤組成物の組成が変動してもよい。すなわち、食器に接触した後は、前記食器用液体洗浄剤組成物の組成が希釈又は濃縮されてもよい。
尚、本発明の(A)成分及び(B)成分を含む濃厚組成物を調製しておき、該濃厚組成物を水で希釈して本発明に用いる食器用液体洗浄剤組成物を調製し、食器に接触させてもよい。すなわち、本発明の(A)成分及び(B)成分を含有する濃厚組成物を水で希釈して本発明に用いる食器用液体洗浄剤組成物を調製し、該食器用液体洗浄剤組成物を、希釈せずに固体脂を含む油汚れが付着した食器と接触させ、機械力をかけずに洗浄する、食器の洗浄方法であってもよい。
本発明の食器の洗浄方法は、前記食器用液体洗浄剤組成物を、食器に接触させた後、機械力をかけず(付与せず)に放置する。つまり、スポンジ等の可撓性材料や手指等を用いることなく接触させ、機械力をかけずにそのまま放置する洗浄方法が挙げられる。放置した後は、通常、水ですすぐ。すすぐ際は、手などで機械力(物理的力)をかけてもよく、単に水流ですすいでもよい。
本発明の食器の洗浄方法では、前記食器用液体洗浄剤組成物を、対象物である食器の面積100cmに対して、好ましくは0.1g以上、より好ましくは0.3g以上、更に好ましくは0.4g以上、そして、好ましくは5g以下、より好ましくは3g以下、更に好ましくは2g以下の割合で接触させる、更に、塗布又は噴霧することが好ましい。
本発明の食器の洗浄方法では、洗浄力を高める観点から、食器用液体洗浄剤組成物を食器に接触後、好ましくは10秒以上、より好ましくは20秒以上、更に好ましくは30秒以上、より更に好ましくは40秒以上、そして、同様の観点から、好ましくは60分以下、より好ましくは30分以下、更に好ましくは20分以下、より更に好ましくは10分以下、放置する。この場合、最初に前記組成物が食器に接触した時点を放置の開始としてよい。
なお、放置する際の温度は、室温でよく、例えば、10℃以上30℃以下が挙げられる。
また、本発明の食器の洗浄方法では、洗浄力を高める観点から、好ましくは10秒以上、より好ましくは20秒以上、更に好ましくは30秒以上、より更に好ましくは40秒以上、そして、同様の観点から、好ましくは60分以下、より好ましくは30分以下、更に好ましくは20分以下、より更に好ましくは10分以下、前記食器用液体洗浄剤組成物と洗浄対象である食器とを接触させる。
本発明の食器の洗浄方法では、固体脂を含む油汚れが付着した食器を、前記食器用液体洗浄剤組成物中に浸漬させて接触させてもよいが、効率的に洗浄力を高める観点から、前記食器用液体洗浄剤組成物を噴霧又は塗布して、固体脂を含む油汚れが付着した食器に接触させる方法が好ましい。
本発明の食器用液体洗浄剤組成物を、固体脂を含む油汚れが付着した食器に接触させる方法は、噴霧又は塗布が好ましく、液滴状にして噴霧する又は泡状にして塗布する方法がより好ましい。具体的には、スプレー手段を用いる、すなわち本発明に用いる食器用液体洗浄剤組成物を、スプレイヤーを具備する容器に充填してなる食器用洗浄剤物品を用いるのが好ましい。本発明は、本発明の食器用液体洗浄剤組成物を、スプレイヤーを具備する容器に充填してなる、スプレー容器入り食器洗浄剤物品を提供する。
前記スプレイヤーを具備する容器は、トリガー式スプレー容器、ポンプ式スプレー容器等の噴射剤を使用しない手動式スプレー装置、噴射剤を用いるエアゾール等が挙げられる。前記スプレイヤーを具備する容器は、内容物を液滴状又は泡状にして噴霧又は塗布することができるトリガー式スプレーが好ましく、内容物を液滴状に噴霧する機構を備えたトリガー式スプレー又は泡を形成する機構(泡形成機構)を備えたトリガー式スプレーがより好ましい。
前記スプレー容器入り食器用洗浄剤物品において、前記食器用液体洗浄剤組成物を液滴状に噴霧する機構を備えたトリガー式スプレーを用いる場合、前記組成物を入れるスプレー容器の噴射ノズルの噴口径は、スプレーのし易さや、噴射された液滴が荒くなく、直線状にスプレーされず、スプレーできる面積が極端に狭くならないために、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.3mm以上、そして、好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下の範囲である。
液滴状に噴霧する機構を備えたトリガー式スプレーを用いる場合、前記スプレー容器入り食器用洗浄剤物品は、1回の操作で、好ましくは0.1mL以上、より好ましくは0.3mL以上、そして、好ましくは5mL以下、より好ましくは2mL以下の組成物を噴霧する。
また前記スプレー容器入り食器用洗浄剤物品において、泡形成機構を備えたトリガー式スプレーを用いる場合、好ましくはスピンエレメント及び直径4〜8mmの円形状の空間部分に棒状の突起を数個設置された液体通過板を有するものが好適である。ここでスピンエレメントとは、スピンエレメントを通じて液状物の流れにスピンを与え、最後にノズルから噴出する機構であり、その詳細な構造としては特開平8−332422号公報や特開平8−108102号公報の図4(b)、特開2002−68265号公報の図1などを参考にすることができる。
泡形成機構を備えたトリガー式スプレーを用いる場合、前記スプレー容器入り食器用洗浄剤物品は、1回の操作で、好ましくは0.5mL以上、より好ましくは1mL以上、そして、好ましくは30mL以下、より好ましくは15mL以下、更に好ましくは5mL以下の組成物を噴霧する。
泡形成機構のもう一つの部材である液体通過板は、直径5〜7mmの円形状の空間部分に棒状の突起を好ましくは3〜8個設置されたものであり、通過する板を平面で見た場合に、好ましくは幅0.8〜1.2mm、長さ2〜4mmの長方形状の棒状の突起が好適である。また、棒状の突起を除いた空間部分に対する棒状の突起の占める面積は、好ましくは30面積%以上、より好ましくは40面積%以上、そして、好ましくは90面積%以下、より好ましくは80面積%以下、更に好ましくは70面積%以下であり、このような液体通過板を設置することで、垂直表面への泡の付着滞留性が良好になる。
前記スプレー容器入り食器用洗浄剤物品の容器は、一般に使用されている容器を用いることができる。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートを原料として得られるものであり、ブロー成形などによって製造することができる。容器の肉厚は底面と側面と異なってもよく、0.01〜2mmが好ましく、容器の容量は100〜1000mLが好ましい。容器に充填される食器用液体洗浄剤組成物の量は、取り扱い上、200〜500mLが望ましい。また液の充填は、常識的な空隙を残して行われる。
本発明の食器の洗浄方法の洗浄対象とする食器は、前記と同じである。
本発明の食器の洗浄方法は、食器に付着した固体脂を含む油汚れを効果的に洗浄することができる。
本発明の食器の洗浄方法では、本発明の食器用液体洗浄剤組成物を直接食器に接触させる。そして、前記組成物が接触した状態で放置すればよいため、洗浄時において、スポンジ等の可撓性材料による擦り洗いのような機械力をかける作業を必要としない。
そのため、本発明の食器の洗浄方法は、
(1)水筒、タンブラー、やかん、ポット等の手洗い洗浄が不便な物品、
(2)食品、食器、調理器具の保存場所や、調理台、レンジフード、シンク、ガスレンジ、電子レンジなどの食品の調理場所等の、固体脂を含む油汚れが広範に及ぶ物品、
(3)包丁、ピーラー、おろし金、スライサー、ジューサーの羽根、フードプロセッサーの羽根等の手洗い洗浄に危険が伴う物品、
(4)形状が複雑な部分を具備する物品
といった、スポンジ等の可撓性材料を用いた洗浄が困難な物品等にも適用することができる。
尚、本発明では、機械力をかけずに食器を洗浄した後、必要により、擦り洗いを行ってもよい。
更に、本発明の食器の洗浄方法は、前記食器用液体洗浄剤組成物を、好ましくは泡状の前記組成物を、食器に塗布してそのまま放置するため、食器に前記組成物を長く留めることができる。
本発明の食器の洗浄方法は、前記食器用液体洗浄剤組成物を接触させた食器を、水で濯ぐ工程、好ましくは前記食器用液体洗浄剤組成物を接触させた食器を、放置後、水で濯ぐ工程を含むことができる。
下記配合成分を用いて、表1に示す食器用液体洗浄剤組成物を調製し、以下の項目について評価を行った。結果を表1に示す。表1の食器用液体洗浄剤組成物は、常法により調製した。即ち、適量のイオン交換水(60℃)に(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を添加し、60℃で溶解した後、水酸化ナトリウム又は/及び塩酸を添加してpH(25℃)を表1に示す値に調整した後、室温(25℃)に冷却した。なお、表1中の配合成分の質量%は、全て有効分に基づく数値である。(A)成分はナトリウム塩に基づく質量%を示している。
<配合成分>
(A)成分
(a1)成分
・スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム(製品名「エアロールCT−1L」、東邦化学工業(株)製)一般式(a1)において、R1a、R2a:共に2−エチルヘキシル基、x、y:共に0、M:ナトリウムの化合物
(a2)成分
・分岐鎖AS:直鎖/分岐鎖混合アルコール〔サソール社製Isalchem123(炭素数12/炭素数13=42/58)、分岐率は94モル%〕を3酸化イオウで硫酸化し水酸化ナトリウムで中和したもの。
その他の(A)成分
・直鎖AS:ラウリル硫酸ナトリウム(製品名「エマール0」、花王(株)製)
(B)成分
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル(製品名「BDG」、日本乳化剤(株)製)
・プロピレングリコール(製品名「プロピレングリコール」、旭硝子(株)製)
・ジプロピレングリコールモノブチルエーテル(製品名「BFDG」、日本乳化剤(株)製)
(C)成分
・スルホベタイン:ラウリルヒドロキシスルホベタイン(製品名「アンヒトール20HD」、花王(株)製)
(1)洗浄力(溶液浸漬評価)
牛脂と菜種油を9:1の質量比で混合したものを作製し、モデル汚れ(固体脂を含む油汚れのモデル汚れ、以下同様)とした。30mm(横)×80mm(縦)×1mm(厚み)のポリプロピレン試験片の質量を4桁天秤で測定した(x)。前記ポリプロピレン試験片の両面に、下端から50mmの高さまでモデル汚れを、両面合わせて0.02〜0.03gとなるように均一に塗布したものを作成し、汚れピースとした。同汚れピースの質量を4桁天秤で測定した(y)。
食器用液体洗浄剤組成物50gを50mL容器(内径35mm×高さ68mmの円柱状)に入れ、次いで汚れピース1枚を同容器内に立てかけて前記組成物に接触させた。この時、汚れピースの汚れを付着させた部分は、容器内の前記組成物中に全て浸漬した。尚、浸漬させる組成物は、透明な状態のものを用いた。
汚れピースを前記容器内の食器用液体洗浄剤組成物に表1に示す時間浸漬後、前記汚れピースを取り出し、1分間水道水で流水すすぎをした。この時、流水すすぎの条件は、水道水の温度は25℃、流速は約4L/min、蛇口の開口部の直径は約15mmであった。開口部から5cm垂直下に位置する汚れピースに落下してくる水道水に対して汚れピースを45°になるように持ち、その角度を固定したまま汚れピースの汚れを付着させていない上端部分で流水を受け、汚れピース上を流れる水道水で洗浄部分片面全体をすすいだ。このとき、10秒毎に表裏を変えて交互にすすいだ。すすぎ終了後、汚れピースを乾燥させた後、4桁天秤で質量を測定した(z)。以下の式で洗浄率を求めた。
洗浄率(%)={(y)−(z)}/{(y)−(x)}×100
(2)洗浄力(泡浸漬評価)
牛脂と菜種油を9:1の質量比で混合したものを作製し、モデル汚れとした。30mm(横)×80mm(縦)×1mm(厚み)のポリプロピレン試験片の質量を4桁天秤で測定した(x)。前記ポリプロピレン試験片の両面に、下端から5cmの高さまでモデル汚れを、両面合わせて0.02〜0.03gとなるように均一に塗布したものを作成し、汚れピースとした。同汚れピースの質量を4桁天秤で測定した(y)。
食器用液体洗浄剤組成物をトリガー式スプレー容器(マジックリンハンディスプレー、花王(株)製)に充填し、50mL容器(内径35mm×高さ68mmの円柱状)内に、前記組成物を泡状に5回スプレーした。組成物の吐出量は合計で約5gであった。尚、充填する組成物は、透明な状態のものを用いた。
次いで汚れピース1枚を同容器内に立てかけ、前記容器内の泡状の食器用液体洗浄剤組成物に、前記汚れピースを接触させた。この時、汚れピースの汚れを付着させた部分は、容器内の泡状の前記組成物中に全て浸漬した。泡中に汚れピースを浸漬後、表1に示す時間放置してから汚れピースを取り出し、1分間水道水で流水すすぎを行った。この時、流水すすぎの条件は、水道水の温度は25℃、流速は約4L/min、蛇口の開口部の直径は約15mmであった。開口部から5cm垂直下に位置する汚れピースに落下してくる水道水に対して汚れピースを45°になるように持ち、その角度を固定したまま汚れピースの汚れを付着させていない上端部分で流水を受け、汚れピース上を流れる水道水で洗浄部分片面全体をすすいだ。このとき、10秒毎に表裏を変えて交互にすすいだ。すすぎ終了後、汚れピースを乾燥させた後、4桁天秤で質量を測定した(z)。以下の式で洗浄率を求めた。
洗浄率(%)={(y)−(z)}/{(y)−(x)}×100
(3)低温安定性
4:25℃で混合した際に組成物に濁りが見られ、5℃でも濁っていた。
3:25℃で混合した際には透明であり、5℃に冷却すると半日未満で濁りが見られた。
2:25℃で混合した際には透明であり、5℃に冷却すると半日後から1日未満で濁りが見られた。
1:25℃で混合した際には透明であり、5℃に冷却しても1日以上透明であった。
Figure 2017210577

Claims (9)

  1. 分岐鎖炭化水素基を有するアニオン界面活性剤〔以下、(A)成分という〕1質量%以上20質量%以下、炭素数2以上12以下のグリコール系溶剤〔以下、(B)成分という〕、及び水を含有し、(B)成分/(A)成分の質量比が0.7以上である食器用液体洗浄剤組成物。
  2. (A)成分が、下記一般式(a1)で表されるスルホコハク酸エステル又はその塩〔以下、(a1)成分という〕、及び/又は、炭素数8以上21以下の分岐鎖炭化水素基と、硫酸エステル基又はスルホン酸基とを有するアニオン界面活性剤〔但し、(a1)成分を除く〕〔以下、(a2)成分という〕から選ばれる一種以上である、請求項1記載の食器用液体洗浄剤組成物。
    Figure 2017210577

    〔式中、R1a、R2aは、それぞれ独立して、炭素数5以上18以下の分岐鎖炭化水素基である。A、Aはそれぞれ独立に炭素数2以上4以下のアルキレン基、x、yは平均付加モル数であり、それぞれ独立に0以上6以下である。Mは水素原子又は陽イオンである。〕
  3. (B)成分が、プロピレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノブチルエーテルから選ばれる1以上である、請求項1又は2記載の食器用液体洗浄剤組成物。
  4. さらに、(C)成分として両性界面活性剤を含有する、請求項1〜3の何れか1項記載の食器用液体洗浄剤組成物。
  5. (C)成分/(A)成分の質量比が0.2以上である、請求項4記載の食器用液体洗浄剤組成物。
  6. 請求項1〜5の何れか1項記載の食器用液体洗浄剤組成物を、固体脂を含む油汚れが付着した食器と接触させ、機械力をかけずに洗浄する、食器の洗浄方法。
  7. 該組成物を、希釈せずに、固体脂汚れが付着した食器と接触させる、請求項6記載の洗浄方法。
  8. 前記食器用液体洗浄剤組成物を、噴霧又は塗布して食器に接触させる、請求項6又は7記載の洗浄方法。
  9. 前記食器用液体洗浄剤組成物を、液滴状にして食器に噴霧する又は泡状にして食器に塗布する、請求項6〜8いずれか記載の洗浄方法。
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