JP2017210453A - 内服固形錠剤 - Google Patents
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Abstract
Description
イブプロフェンは、水に溶解しにくい水難溶性の薬物であり、これまで、胃中で素早く分散または溶解させることで即効性を高める技術が開発されてきた。
特許文献2には、アルギン酸塩等の賦形剤を含むマトリックス内に分散した活性物質(薬物)を含む製剤が開示されている。特許文献2に記載の製剤によれば、長期にわたって一定の溶出速度で薬物を溶出できる。
製剤とした後に腸溶性のコーティング剤で被覆する方法の場合も、コーティング中に摩損が生じることがある。摩損を抑制するために硬度の高い錠剤とすると、腸移行後の溶出性が低下する場合があり、溶出性を十分に制御することは困難である。
特許文献1、2に記載の製剤の場合、混合均一性については検討されていない。
[1] 下記(A)成分と、下記(B)成分と、下記(C)成分とを含有する、内服固形錠剤。
(A)成分:イブプロフェン(a1)およびイブプロフェン塩(a2)の少なくとも一方。
(B)成分:アルギン酸塩。
(C)成分:乾燥水酸化アルミニウムゲル(c1)およびメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(c2)の少なくとも一方。
[2] 前記内服固形錠剤100質量%中に前記(B)成分を3〜30質量%含有する、[1]に記載の内服固形錠剤。
[3] 前記(B)成分がアルギン酸ナトリウムである、[1]または[2]に記載の内服固形錠剤。
[4] 前記(B)成分の1質量%水溶液の20℃における粘度が500〜1500mPa・sである、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の内服固形錠剤。
[5] 下記(D)成分をさらに含有する、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の内服固形錠剤。
(D)成分:デンプン類。
[6] (B)成分/(A)成分で表される質量比が0.001〜2である、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の内服固形錠剤。
[7] 前記(A)成分の表面が被覆されていない、[1]〜[6]のいずれか1つに記載の内服固形錠剤。
本発明の内服固形錠剤(以下、単に「錠剤」という。)は、以下に示す(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを含有する。また、錠剤には以下に示す(D)成分が含まれていることが好ましい。
なお、本発明において、「溶出性を制御する」とは、胃中での(A)成分の溶出を抑制し、腸内での(A)成分の溶出性高めることでる。
(A)成分は、イブプロフェン(a1)およびイブプロフェン塩(a2)の少なくとも一方である。
(A)成分は、解熱鎮痛成分の役割を果たす。
イブプロフェン塩(a2)としては、例えばイブプロフェンナトリウム、イブプロフェンカリウム等が挙げられる。
(A)成分としては、「第十六改正 日本薬局方」適合品を用いることができる。
(A)成分は、1種単独で、または2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
本発明において、「平均粒子径」とは、体積平均粒子径を意味し、レーザー回折・散乱法により測定される値を示す。例えば、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて測定される。
腸溶性のコーティング剤としては、例えばアミノアルキルメタアクリレートコポリマー(例えば、オイドラギットE、オイドラギットRS等)、メタクリル酸コポリマー(例えば、オイドラギットL30−55等)などが挙げられる。
また、錠剤1錠中の(A)成分の含有量は、0.1〜300mgが好ましく、10〜200mgがより好ましく、50〜150mgがさらに好ましい。(A)成分の含有量が、0.1mg以上であれば解熱鎮痛効果が高まり、300mg以下であれば錠剤を小型化でき、服用性が向上する。なお、1錠あたりの錠剤質量は、100〜2000mgが好ましい。
また、(A)成分の1回あたりの服用量は、30〜400mgが好ましく、40〜350mgがより好ましく、50〜300mgがさらに好ましく、60〜250mgが特に好ましい。(A)成分の1回あたりの服用量が、30mgが以上であれば解熱鎮痛効果が高まり、400mg以下であれば錠剤を小型化でき、服用性が向上する。
(B)成分は、アルギン酸塩である。
アルギン酸塩は、マンヌロン酸とグルロン酸が1,4−グルコシド結合された構造を有するアルギン酸の塩である。なお、マンヌロン酸とグルロン酸の比率は任意に設定できる。
(B)成分としては、例えばアルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウムなどが挙げられる。これらの中でも、錠剤の保存安定性や臭気の観点からアルギン酸ナトリウムが好ましい。
(B)成分は、1種単独で、または2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
なお、粘度が1,000mPa・s未満の場合は、ローターNo.11を用い、粘度が1,000mPa・s以上の場合は、ローターNo.12を用いる。
また、錠剤1錠中の(B)成分の含有量は、2〜100mgが好ましく、4〜60mgがより好ましい。(B)成分の含有量が、2mg以上であれば胃中での(A)成分の溶出抑制効果がより高まり、100mg以下であれば腸内での(A)成分の溶出性がより向上する。
(C)成分は、乾燥水酸化アルミニウムゲル(c1)およびメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(c2)の少なくとも一方である。
(C)成分は、制酸剤、胃障害抑制剤の役割を果たす。また、(A)成分および(B)成分の組み合わせにおいて(C)成分を併用することで、混合均一性が向上する。
(C)成分としては、混合均一性、胃障害抑制効果、錠剤の保存安定性の観点から乾燥水酸化アルミニウムゲルが好ましい。
(C)成分は、1種単独で、または2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
なお、乾燥水酸化アルミニウムゲルには、結合水等の水が保持されていてもよい。
また、錠剤1錠中の乾燥水酸化アルミニウムゲルの含有量は、5〜500mgが好ましく、15〜200mgがより好ましく、20〜75mgがさらに好ましい。乾燥水酸化アルミニウムゲルの含有量が、5mg以上であれば混合均一性や胃障害抑制効果がより向上し、500mg以下であれば(A)成分の配合変化が起こりにくくなり、錠剤を小型化でき、服用性が向上する。特に、乾燥水酸化アルミニウムゲルの含有量が20〜75mgであれば、混合均一性や胃障害抑制効果がより高まる。
また、錠剤1錠中のメタケイ酸アルミン酸マグネシウムの含有量は、10〜1500mgが好ましく、45〜1000mg/錠がより好ましく、45〜120mg/錠がさらに好ましい。メタケイ酸アルミン酸マグネシウムの含有量が、10mg以上であれば混合均一性や胃障害抑制効果がより向上し、1500mg以下であれば(A)成分の配合変化が起こりにくくなり、錠剤を小型化でき、服用性が向上する。特に、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムの含有量が45〜120mgであれば、混合均一性や胃障害抑制効果がより高まる。
(D)成分は、デンプン類である。
錠剤が(D)成分をさらに含有すれば、(A)成分の腸内での溶出性や混合均一性がより向上する。
(D)成分としては、例えばトウモロコシデンプン、α化デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、バレイショデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、タピオカデンプン、カンショデンプンなどが挙げられる。これらの中でも、腸内での(A)成分の溶出性向上、混合均一性、錠剤の保存安定性の観点から、トウモロコシデンプン、α化デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウムがより好ましく、トウモロコシデンプン、α化デンプンが特に好ましい。
(D)成分は、1種単独で、または2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
また、錠剤1錠中の(D)成分の含有量は、5〜50mgが好ましく、15〜40mgがより好ましい。(D)成分の含有量が、5mg以上であれば腸内での(A)成分の溶出性がより向上し、50mg以下であれば錠剤の成形性が向上する。
錠剤には、(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分以外に、本発明の効果や錠剤の物性、保存安全性等を損なわない範囲内であれば、任意成分が含まれていてもよい。
任意成分としては、(A)成分以外の生理活性剤(他の生理活性剤)、添加剤などが挙げられる。
これらの他の生理活性剤は、1種単独で、または2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
結合剤としては、例えばショ糖、ゼラチン、アラビアゴム末、ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストリンなどが挙げられる。
賦形剤としては、例えば結晶セルロース、乳糖(水和物)、コーンスターチ、粉糖、マンニトール、L−システインなどが挙げられる。
崩壊剤としては、例えば低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウムなどが挙げられる。
滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、軽質無水ケイ酸などが挙げられる。
香料としては、例えばメントール、リモネン、植物精油(ハッカ油、ミント油、ライチ油、オレンジ油、レモン油等)などが挙げられる。
甘味剤としては、例えばサッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビア、グリチルリチン酸二カリウム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、スクラロースなどが挙げられる。
酸味剤としては、例えばクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、乳酸またはそれらの塩などが挙げられる。
色素としては、例えば三二酸化鉄などが挙げられる。
これらの添加剤は、1種単独で、または2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
錠剤の大きさは特に限定されないが、錠剤の取り扱いやすさと嚥下性の観点から、錠剤の直径は6〜13mmφが好ましい。
錠剤の形状は丸みを帯びたR錠もしくは2段R錠が好ましく、上下膨出部(球欠部)の高さは錠剤強度の観点から1.0〜2.0mmが好ましい。上下膨出部の高さを上記範囲内とすることで、溶出劣化が生じにくくなる。膨出部は上下非対称であってもよいが、上下対称であることが好ましい。また服用性の観点からも以下の範囲に含まれることが好ましい。以下に、錠剤の形状の具体例を示す。
・標準R錠:R=4.0〜24.0mm、ランド部=0.05〜0.1mm
・2段R錠:R1=1.2〜8.0mm、R2=4.5〜21.5mm、ランド部=0.05〜0.1mm
・糖衣R錠:R=2.0〜18.5mm、ランド部=0.01〜0.1mm
・円形スミ丸平錠:R=0.7〜5.0mm、ランド部=0.05〜0.1mm
・円形スミ角平錠:立上り角度=25〜35°、ランド部=0.05〜0.1mm
ここで「R1」は、球欠部の周縁部の曲線についての曲率半径のことである。「R2」は、球欠部の天頂部の曲線についての曲率半径のことである。「ランド部」は、球欠部の周縁(または面取り部の周縁)から端面周縁までの距離のことである。「R」は、球欠部の曲率半径のことである。「立上り角度」とは、面取り部の垂直方向に対する角度のことである。
錠剤の刻印は錠剤の天面にあってもよいし、なくてもよい。
錠剤が積層錠の場合、(A)成分、(B)成分および(C)成分は同一層に併有されることが好ましい。以下、(A)成分、(B)成分および(C)成分を併有する層を「第1の層」といい、第1の層以外の層を「他の層」ともいう。
錠剤が(D)成分を含む場合、(D)成分は第1の層に含まれることが好ましい。上述した任意成分は、第1の層に含まれていてもよし、他の層に含まれていてもよいし、第1の層と他の層の両方に含まれていてもよい。
以下、錠剤の製造方法の一例について説明する。
本発明の錠剤は、(A)成分と(B)成分と(C)成分と含む混合粉体を打錠することで得られる。
混合粉体は、(A)成分と(B)成分と(C)成分と、必要に応じて(D)成分および任意成分とを混合することで得られる。これらの成分を混合する方法としては特に制限されず、従来公知の混合方法が挙げられる。
また、混合粉体を打錠する方法としては、例えば臼と杵とを有する打錠機を用いて打錠する方法が挙げられる。
また、混合粉体を調製する際には、B/A比が0.001〜2となるように、(A)成分と(B)成分とを混合することが好ましい。
また、(B)成分として、1質量%水溶液の20℃における粘度が500〜1500mPa・sのものを用いることが好ましい。
また、錠剤が積層錠である場合、例えば(A)成分、(B)成分、(C)成分および必要に応じて(D)成分を含む混合粉体(1)と、他の層を構成する成分を含む混合粉体(2)とをそれぞれ調製しておき、これら混合粉体のうち一方の混合粉体を臼に充填し、次いで、他方の混合粉体を前記臼に充填し打錠することで得られる。混合粉体(1)は臼に最初に充填されてもよく、混合粉体(2)よりも後に充填されてもよい。
得られた錠剤は、必要に応じてコーティング剤によりコーティング処理(コーティング工程)を施してもよい。
コーティング剤としては、錠剤の崩壊性を損なわないものを選択して用いることが好ましく、水溶性高分子化合物、可塑剤が適している。
水溶性高分子化合物としては、例えば、カルメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース類;アラビアゴム、カルボキシビニルポリマー、ポビドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、単糖類、二糖類以上の多糖類(砂糖(グラニュー糖など)、乳糖水和物、麦芽糖、キシロース、異性化乳糖等)、糖アルコール(パラチニット、ソルビトール、ラクチトール、エリスリトール、キシリトール、還元澱粉糖化物、マルチトール、マンニトール等)、水飴、異性化糖類、オリゴ糖、スクロース、トレハロース、還元澱粉糖化物(還元澱粉分解物)などが挙げられる。
可塑剤としては、例えば、クエン酸トリエチル、トリアセチン等の日本薬局方(広川書店)および医薬品添加物規格(株式会社薬事日報社)等の公定書に記載されているものが挙げられる。
これら水溶性高分子化合物や可塑剤は、1種単独で、または2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
コーティング剤の被覆量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜設定される。
本発明の錠剤は、上述した(A)成分および(B)成分を含有するので、胃中では(A)成分の溶出が抑制され、腸内では(A)成分が溶出しやすい。係る理由は以下のように考えられる。
(B)成分であるアルギン酸塩は、酸性の水溶液中ではカルボキシ基が概ね非解離の状態(−COOH)となり、水に不溶で強固な膜を形成する。pHが高くなるとカルボキシ基は解離した状態(−COO−)となり、溶解性が高まる。胃中は酸性であることから、胃中で(B)成分は水に不溶で強固な膜を形成しやすく、(A)成分の溶出を抑制できると考えられる。一方、腸内は胃中に比べてpHが高く、中性に近い。そのため、腸内での(B)成分の溶解性が高まり、その結果、腸内での(A)成分の溶出性も高まると考えられる。
しかし、本発明の錠剤であれば、上述した(B)成分のpHによる状態変化を利用して(A)成分の溶出性を制御できるので、(A)成分や(B)成分の含有量を増やす必要がなく、少量の制酸剤((C)成分)でも十分な効果が得られ、かつ、混合均一性も良好なものになる。
使用原料として、表1に示す化合物を用いた。
なお、イブプロフェンの平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社製、製品名「LS−230」)を用い、マニュアルフローセル測定法により測定した。
また、アルギン酸ナトリウム1〜3の粘度は、濃度が1質量%となるように水に溶解した水溶液の状態で、BL型粘度計(東機産業株式会社製)を用い、液温20℃、ローター回転数30rpmの条件で測定し、ローター回転開始60秒後の値を読み取った。
また、ヒドロキシプロピルメチルセルロース1〜3の粘度は、濃度が2質量%となるように水に溶解した水溶液の状態で、BL型粘度計(東機産業株式会社製)を用い、液温20℃、ローター回転数30rpmの条件で測定し、ローター回転開始60秒後の値を読み取った。
ヒドロキシプロピルメチルセルロース4は、1質量%水溶液の20℃における粘度が1370mPa・sとなるように、ヒドロキシプロピルメチルセルロース1〜3を混合して調製した。
なお、粘度が1,000mPa・s未満の場合は、ローターNo.11を用い、粘度が1,000mPa・s以上の場合は、ローターNo.12を用いた。
<溶出性の評価>
イブプロフェンを600gと、アルギン酸ナトリウム3を50gと、乾燥水酸化アルミニウムゲルを350gと、乳糖水和物を700gとを混合し、ロータリー式打錠機(株式会社菊水製作所製、製品名「リブラ3L」)で170mg/錠となるよう打錠し、錠剤を製造した。錠剤硬度は、49.0〜68.6Nとなるよう打錠圧を調整した。臼杵は、直径8.5mmφの2段R錠(R1=3.4mm、R2=10mm、ランド=0.1mm)を用いた。表2に1錠あたりの各成分の配合量を示す。
・錠剤数:1錠
・試験液I:ナカライテスク株式会社製、pH1.2(日局崩壊試験1液)、50mL
・試験液II:ナカライテスク株式会社製、pH6.8(薄めたMacIlvaine試験液)、50mL
・試験液温度:37℃
・ストローク条件:ストローク長2cm
・回数:5回/分
試験開始から1、3、7時間後にそれぞれ試験液を採取し、試験液に溶出したイブプロフェンの濃度を定量し、以下のようにして溶出率を求め、以下の評価基準にてイブプロフェンの溶出性を評価した。結果を表2に示す。
なお、試験液Iに錠剤を浸漬させた状態は、錠剤が胃中に留まっている状態を再現したものであり、試験液Iから試験液IIに錠剤を移して浸漬させた状態は、錠剤が胃から腸へ移行し、腸内に留まっている状態を再現したものである。
1時間後の溶出率(E1)=M1/M×100
3時間後の溶出率(E3)=E1+M3/M×100
7時間後の溶出率(E7)=E3+M7/M×100
なお、「M」は、1錠中のイブプロフェンの量(mg)である。「M1」は、試験開始から1時間後に採取した試験液中に溶出したイブプロフェンの量(mg)である。「M3」は、試験開始から3時間後に採取した試験液中に溶出したイブプロフェンの量(mg)である。「M7」は、試験開始から7時間後に採取した試験液中に溶出したイブプロフェンの量(mg)である。
○:E1が30%未満。
×:E1が30%以上。
(評価基準:3時間後)
◎:E3が75%以上。
○:E3が60%以上、75%未満。
△:E3が50%以上、60%未満。
×:E3が50%未満。
(評価基準:7時間後)
○:E7が80%以上。
×:E7が80%未満。
ボーレコンテナミキサー(寿工業株式会社製、製品名「LM−20」)にイブプロフェンを900gと、アルギン酸ナトリウム3を75gと、乾燥水酸化アルミニウムゲルを525gと、乳糖水和物を1050gとを入れ、10rpmで10分間混合した後、槍型の専用治具を用い、ボーレコンテナミキサー中の上部3箇所と下部3箇所、合計6箇所から混合粉体約13gをサンプリングし、混合粉体中のイブプロフェン含量を測定した。別途、仕込み値よりイブプロフェン含量を算出し、仕込み量からの計算値を100%としたときの、混合粉体中のイブプロフェン含量の割合を求め、その割合が95〜105%の範囲内にあるサンプル数に基づき、以下の評価基準にて混合均一性を評価した。結果を表2に示す。
◎:サンプル数が6個。
○:サンプル数が5個。
×:サンプル数が4個以下。
1錠あたりの配合組成が表2〜5に示す値となるように各成分の配合量を変更した以外は、実施例1と同様にして錠剤を製造して溶出性を評価し、混合粉体を調製して混合均一性を評価した。これらの結果を表2〜5に示す。
また、各実施例の場合、混合均一性にも優れていた。
(B)成分の代わりにアルギン酸を用いた比較例2の錠剤は、1時間後の溶出率(E1)が72%であり、イブプロフェンが胃中で溶出しやすかった。
(B)成分の代わりにヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いた比較例3の錠剤は、1時間後の溶出率(E1)は0%であったものの、3時間後の溶出率(E3)が38%であり、イブプロフェンが腸内で溶出しにくかった。また、7時間後の溶出率(E7)が70%であり、長時間経過してもイブプロフェンは十分に溶出しなかった。
(C)成分を含まない比較4の錠剤は、各実施例と同程度の溶出性を有していたが、混合均一性に劣っていた。
(C)成分の代わりにグリシンを用いた比較例5の錠剤は、各実施例と同程度の溶出性を有していたが、混合均一性に劣っていた。
Claims (5)
- 下記(A)成分と、下記(B)成分と、下記(C)成分とを含有する、内服固形錠剤。
(A)成分:イブプロフェン(a1)およびイブプロフェン塩(a2)の少なくとも一方。
(B)成分:アルギン酸塩。
(C)成分:乾燥水酸化アルミニウムゲル(c1)およびメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(c2)の少なくとも一方。 - 前記内服固形錠剤100質量%中に前記(B)成分を3〜30質量%含有する、請求項1に記載の内服固形錠剤。
- 前記(B)成分がアルギン酸ナトリウムである、請求項1または2に記載の内服固形錠剤。
- 前記(B)成分の1質量%水溶液の20℃における粘度が500〜1500mPa・sである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内服固形錠剤。
- 下記(D)成分をさらに含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の内服固形錠剤。
(D)成分:デンプン類。
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