支柱の長さ方向で見た所要部位に、フック部等の物品を支持する支持部を具えた囲繞固定具を固定し、該支持部に物品を吊下したり該支持部で棚板を支持する等、物品を所要に支持できるように構成された物品支持装置の一例として、特許文献1、2、3、4が開示するものが提案されている。
特許文献1が開示する装置a1は、より具体的には図34に示すように、支柱外面bに、周方向に複数本のリブcが配置され、一部のリブに図34(B)に示すように、上下方向に所要間隔で突起dが設けられてなる支柱eと、該支柱eを囲繞でき且つ内壁fに、該突起dと係合し得る溝gが設けられてなる一対の分割片h,hとを具えるエンド部材jとから構成されている。図34においては、該一対の分割片h,hが独立した場合が示されているが、該一対の分割片h,hの一端をヒンジ部により連結することにより該エンド部材jを開閉自在としてもよいことが段落0008に記載されている。そして該エンド部材jの挾持により、前記リブcの弾性的な変形に伴う摩擦作用によって保持力が生じるとされている。又、前記溝gに前記突起dを係合させる場合は、前記支柱eに対する前記エンド部材jの高さを所要に設定でき、該エンド部材jで物品を安定的に支持できるものである。
又特許文献2が開示する装置a2は、図35に示すように、外周面kにその円周方向に溝部mが形成されてなる支柱nと、該支柱nの外周を周方向に囲繞する本体pと、該本体pに連結されることにより物品を吊持する支持部qとを具えている。そして該本体pは、一端部r, r間が開閉自在となるように他端部s,s相互が連結されてなる第1の本体tと第2の本体uを有し、該第1の本体t及び該第2の本体uの少なくとも一方の内周面vに、前記支柱nの前記溝部mに嵌合状態に係合して前記本体pが該支柱nの軸線方向で移動するのを阻止する突出部wが形成されている。そして、該溝部mと該突出部wとを係合させることにより、比較的重い物品であっても、これを安定的に吊持できるものである。
又、外周面にその円周方向に溝部が設けられてなる支柱と、該支柱の所要部位を周方向に囲繞する本体と、該本体に物品を支持させるための支持部とが設けられてなる物品支持装置は、特許文献3や特許文献4にも記載されている。
しかしながら、前記特許文献1に係る装置a1は、前記エンド部材jの挾持により、弾性を有する前記支柱外面bを弾性変形させ、それに伴う摩擦作用によって所要の保持効果を得んとするものであるが、比較的重い物品を、かかる摩擦作用だけによって該エンド部材jで支持させんとする場合は、それ程大きな摩擦力が得られないために、図34(A)に矢印で示すように該エンド部材jが下方に向けて滑って移動する(ずり落ちる)恐れがあり、又、横方向の荷重が加わったときに該エンド部材jが支柱eの周方向に回転する恐れもあった。該エンド部材jがこのように滑って下方に移動したり周方向に回転すると、支持している物品の高さや向きが変わってしまい、物品を適正に支持できないこととなった。
このような問題点を解決するために引用文献1においては、図34(B)に示すように、前記溝gに前記突起dを係合させることによって、前記支柱eに対する前記エンド部材jの高さを所要に設定し、該エンド部材jで物品を安定的に支持できるようにしていた。
又、特許文献2〜4においては、支柱nの外周面に周方向に設けられている前記溝部mに、該支柱を囲繞する本体の内周面に形成された突出部wを嵌合状態に係合させることによって、重い物品であってもこれを支柱に確実に固定できるようにした装置が記載されているが、その固定位置が支柱の前記溝部mの配置状態に制約されてしまい、物品の取り付け位置を自由に設定できるものではなかった。
本発明は前記問題点に鑑みて開発されたものであり、垂直状態や水平状態等に配設された棒材に対する物品の支持部の取り付け位置や、他物に支持される被支持部の取り付け位置を自由に然も簡易に設定可能とすると共に、その位置変えも簡易とする係止装置の提供を課題とするものである。
前記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用する。
即ち本発明に係る係止装置は、棒材外面にその長さ方向に延長する如く、弾性を有するプラスチック製の線状弾性部が設けられてなる滑り止め付きの棒材と、該棒材を挿通状態にして該棒材に固定され且つ、物品を支持できる支持部を有し、或いは、他物に支持され得る被支持部を有する囲繞固定具とを具えており、該囲繞固定具は、開閉可能の囲繞部材と、該囲繞部材に着脱可能に取り付けられる連結部材とを具え、該囲繞部材は、開閉連結部を介して相互が屈曲可能に連結された複数の割片を具えると共に、両端に位置する割片の夫々の先端側に第1の係合部が設けられてなる。そして前記囲繞部材は、その閉状態で、前記割片の内面部を前記棒材外面に向けて前記棒材の長さ方向で見た所要部位を囲繞する筒状部を形成できると共に、前記囲繞部材を開状態とすることによって該囲繞部材を前記棒材と分離できるようになされている。又前記連結部材は、前記第1の係合部と着脱可能に係合し得る第2の係合部を具え、該第1の係合部と該第2の係合部とが係合することによって、該連結部材を介して前記両端の割片の先端側相互が、前記囲繞部材が開かないように連結され、且つ、前記閉状態で、前記割片の所要のものの内面部に設けられている食い込み突部が、前記線状弾性部を弾性変形させて該線状弾性部に食い込むことによって、前記囲繞部材が前記所要部位に固定されることを特徴とするものである。
本発明に係る係止装置のより好ましい態様は、棒材外面にその長さ方向に延長する如く、弾性を有するプラスチック製の線状弾性部が設けられてなる滑り止め付きの棒材と、該棒材を挿通状態にして該棒材に固定され且つ、物品を支持できる支持部を有し、或いは、他物に支持され得る被支持部を有する囲繞固定具とを具えており、該囲繞固定具は、開閉可能に連結された一対の半割りの割片を具える囲繞部材と、該囲繞部材に着脱可能に取り付けられる連結部材とを具え、該囲繞部材は、開閉連結部を介して基端側相互が屈曲可能に連結された前記半割りの割片を具えると共に、該一対の半割りの割片の夫々の先端側の外面部に第1の係合部を構成する連結突片が設けられてなる。前記囲繞部材は、前記一対の半割りの割片が閉状態で、該一対の半割りの割片の内面部を前記棒材の外面側に向けて前記棒材の長さ方向で見た所要部位を囲繞する筒状部を形成できると共に、前記連結突片が隣接されて連結係合突部を形成でき、前記の一対の半割りの割片を開状態とすることによって該囲繞部材を前記棒材と分離できる如くなされている。又、前記連結部材は、前記連結係合突部を着脱可能に挿入させ得る挿入凹部が設けられており、該連結係合突部を該挿入凹部に挿入させることにより該連結係合突部が有する前記第1の係合部と、該挿入凹部に設けられている第2の係合部とが係合することによって、該連結部材を介して前記一対の半割りの割片の前記先端側相互が、前記囲繞部材が開かないように連結され、且つ、前記閉状態で、前記一対の半割りの割片の夫々の内面部に設けられている食い込み突部が、前記線状弾性部を弾性変形させて該線状弾性部に食い込むことによって、前記囲繞部材が前記所要部位に固定されることを特徴とするものである。
一対の半割りの割片を具える前記係止装置において、該一対の半割りの割片の夫々の外面部の、基端から、前記先端側が存する側に向けて稍控えて位置させて、且つ、該一対の半割りの割片の夫々の全長に亘る如く、連結部位を設定し、該連結部位相互を連結カバー片で連結し、該連結カバー片の端部が、屈曲可能の開閉連結部を介して該連結部位に一体に連設されることによって、該一対の半割りの割片の基端側相互が屈曲可能に連結されるように構成するのがよい。
又、一対の半割りの割片を具える前記係止装置において、前記一対の半割りの割片が閉状態において、該一対の半割りの割片の何れか一方の基端縁部分に設けた嵌合凸部と他方の半割りの割片の基端縁部分に設けた嵌合凹部とが互いに噛み合うように構成するのがよい。
一対の半割りの割片を具える前記の各係止装置において、前記一対の半割りの割片が閉状態において、前記連結部位よりも先側の部分と前記連結カバー片との間に、前記筒状部が前記所要部位に固定された状態においても該先側の部分が該連結カバー片と接触するのを防止し得る接触防止間隙部を設けるのがよい。
前記の各係止装置において、前記物品を支持するための支持部を、前記囲繞部材及び/又は前記連結部材に設けるのがよい。
前記の各係止装置において、前記線状弾性部を、前記棒材外面で突出する突条として構成するのがよい。
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明に係る係止装置は、弾性を有するプラスチック製の線状弾性部が棒材外面にその長さ方向に延長する如く設けられてなる滑り止め付きの棒材と、該棒材に固定される囲繞固定具とを具え、該囲繞固定具は、開閉連結部を介して相互が屈曲可能に連結された複数の割片を具える開閉可能の囲繞部材を具えている。そして該囲繞部材が閉状態で、該囲繞部材は、前記棒材の長さ方向で見た所要部位を囲繞する筒状部を形成でき、該閉状態を、該囲繞部材に着脱可能に取り付けられる連結部材で保持できる。そして該囲繞固定具は、物品を支持できる支持部を有し、或いは、他物に支持され得る被支持部を有する。又、該閉状態で、前記割片の所要のものの内面部に設けられている食い込み突部が、前記線状弾性部を弾性変形させて該線状弾性部に食い込むことによって、該囲繞部材が前記所要部位に確実に固定されるようになされている。
従って本発明によるときは、垂直状態や水平状態等に配設された棒材に対する物品の支持部の取り付け位置や、他物に支持される被支持部の取り付け位置を自由に然も簡易に設定できると共に、その位置変えも簡易である。そして、前記囲繞固定具を前記棒材の所要部位に固定し又これを棒材から取り外す操作は、立設状態等にある前記棒材を一旦取り外す等の面倒な作業を要することなく、該棒材の側方において容易に行うことができる。加えて前記閉状態で、前記食い込み突部が前記線状弾性部を弾性変形させて該線状弾性部に食い込むことによって、該囲繞部材を前記所要部位に確実に固定できる。そして、前記食い込み状態で前記囲繞固定具が前記棒材に固定されることから該囲繞固定具の耐荷重を増大させ得る。
かかることから本発明に係る係止装置は、前記支持部や前記被支持部を種々に構成することによって、種々の用途に活用できる。
(2) 前記囲繞固定具を、開閉可能に連結された一対の半割りの割片を具える前記囲繞部材と、該囲繞部材に着脱可能に取り付けられる前記連結部材とを具える如く構成し、該連結部材に前記支持部を設ける場合において、該一対の半割りの割片の夫々の外面部の、基端から稍控えた部位で設定した前記連結部位相互を連結カバー片で連結し、該連結カバー片の端部を、屈曲可能の開閉連結部を介して該連結部位に一体に連結する構成を採用するときは、該支持部と対向する部位には前記開閉連結部が存在しないことに加えて、該対向する部位の両側に該開閉連結部が設けられることとなる。従って、前記支持部に荷重が加わった場合、該荷重が該両開閉連結部に分散されることになるので該開閉連結部は損傷されにくく、従って、荷重に対する抵抗力の大きい囲繞固定具を構成できることとなる。
(3) 前記一対の半割りの割片が閉状態において、その何れか一方の基端縁部分に設けられた嵌合凸部とその他方の基端縁部分に設けられた嵌合凹部とが互いに噛み合うように構成する場合は、前記支持部に荷重が加わったときに、前記線状弾性部が両半割りの割片の噛み合わせ部分の内面側を押圧することになっても、荷重の分散が図られることとなる。これにより、該線状弾性部が前記連結カバー片を直接的に押圧して前記左右の開閉連結部に荷重が集中するのを防止でき、従って、該開閉連結部の損傷をより効果的に防止できることとなる。
(4) 前記一対の半割りの割片が閉状態において、前記連結部位よりも先側の部分と前記連結カバー片との間に接触防止間隙部を設ける場合は、前記支持部に荷重が加わって該先側の部分が前記線状弾性部で押圧され、該先側の部分が外向きに弾性変形したとしても、該接触防止間隙部で該変形を吸収し得ることとなる。これによって前記左右の開閉連結部に掛かる荷重をより小さく抑制でき、該開閉連結部の損傷をより効果的に防止できることとなる。もしも該接触防止間隙部が設けられていないとすれば、前記線状弾性部で押圧されて前記先側の部分が外方に向けて押圧されるに伴い、前記連結カバー片が外方に向けて押圧されることになる結果、前記開閉連結部に掛かる荷重が大きくなり易い。
図1〜9において、本発明に係る係止装置1は、物品を吊下する装置として応用されており、該係止装置1は、棒材外面2にその長さ方向に延長する如く、弾性を有するプラスチック製の線状弾性部3が設けられてなる滑り止め付きの棒材5と、該棒材5を挿通状態にして該棒材5に固定され且つ、物品を支持する支持部6を有する囲繞固定具7とを具えている。該囲繞固定具7は、図1〜2に示すように、開閉可能の囲繞部材9と、該囲繞部材9に着脱可能に取り付けられる連結部材10とを具え、該囲繞部材9は、図3〜6に示すように、開閉連結部11を介して相互が屈曲可能に連結された複数の割片12を具えると共に、両端に位置する割片12a,12aの夫々の先端側13,13に第1の係合部15,15が設けられている。
該囲繞部材9は、その閉状態で、図2に示すように、前記割片12の内面部16を前記棒材外面2に向けて前記棒材5の長さ方向で見た所要部位17を囲繞する筒状部19を形成できると共に、該囲繞部材9を図3〜4に示す開状態とすることによって該囲繞部材9を前記棒材5と分離できるようになされている。
前記連結部材10は、図2に示すように、前記第1の係合部15,15と着脱可能に係合し得る第2の係合部20を具え、該第1の係合部15と該第2の係合部20とが係合することによって、図2、図6〜8に示すように、該連結部材10を介して前記両端の割片12a,12aの前記先端側13,13相互が、該囲繞部材9が開かないように連結される。
そして前記閉状態で、図9に示すように、前記割片12の所要のものの内面部16に設けられている食い込み突部21が、前記線状弾性部3を弾性変形させて該線状弾性部3に食い込むことによって該囲繞部材9が前記所要部位17に確実に固定される。
前記棒材5は、本実施例においては図1、図9〜10に示すように、例えば垂直状態に立設される円形パイプ5aとして構成されており、例えば270cm程度の長さに設定されている。本実施例においては、該円形パイプ5aは図10に示すように、鋼製の直線状パイプ材22の外表面23に、例えばポリプロピレン製の樹脂被覆25が施されてなり、該樹脂被覆25の外面26(前記棒材外面2)には、周方向に等間隔で、例えばエラストマーとしての弾性を有するプラスチック製の前記線状弾性部3が、前記棒材外面2の長さ方向に連続して延長する如く設けられている。該線状弾性部3は、本実施例においては、前記棒材外面2で突出する連続した突条27として構成されており、該棒材外面2の周方向に等間隔で例えば9本設けられている。本実施例においては、該線状弾性部3(突条27)の表面29は円弧状面として形成されている。又、該棒材5の外径は例えば27mmに設定され、該突条27の幅寸法は例えば3.5mmに設定され、該突条27の、前記樹脂被覆25の外面26からの高さは例えば0.5mmに設定されている。
前記囲繞部材9は、本実施例においては、全体が例えばポリプロピレン樹脂を以て一体成形されている。該囲繞部材9を構成する、前記開閉連結部11を介して相互が屈曲可能に連結された複数の割片12は、本実施例においては図3〜4に示すように、該開閉連結部11を介して基端側30,30相互が連結された一対の半割りの割片31,31(前記両端の割片12a,12a)を具えて構成されている。該半割りの割片を、以下半割片という。そして、該半割片31,31の夫々の前記先端側13,13の外面部32,32には、前記第1の係合部15を構成する連結突片33,33が設けられている。
該半割片31,31は、より具体的には図3、図11に示すように、前記閉状態で、何れか一方の半割片31の基端縁部分35に設けられた嵌合凸部36と他方の半割片31の基端縁部分35に設けられた嵌合凹部37とが互いに噛み合うように構成されている。そして、前記囲繞部材9を前記閉状態とすることにより、図11に示すように該嵌合凸部36と該嵌合凹部37とが噛み合い状態となって、図2に示す前記筒状部19を形成する。該筒状部19の軸線方向の長さは例えば50mmに設定されている。
又図2、図5〜6に示すように、前記一対の半割片31,31の夫々の先端側13,13の外面部32,32は、前記半割片31,31の長さ方向に連続する平坦外面39,39として形成されている。そして、該外面部32,32の内端部分40,40(図5)において、該半割片31の半径方向に突出する突出片41が突設され、その先端で、該半割片31の周方向で見た内方(前記基端縁部分35に向かう方向)に突出する屈曲片42が設けられることによって、該内端部分40に、横断面L字状の前記連結突片33が設けられている。
そして図3、図5〜6に示すように、該連結突片33の側面43と前記半割片31の先端面45は、該半割片31の半径方向で見て面一の平坦側面46として形成されている。又図3に示すように、該屈曲片42及び該突出片41の上端部分47は、該突出片41の上端49の上方に突出し、且つ、該屈曲片42及び該突出片41の下端部分53は、前記突出片41の下端51の下方に突出している。そして、該屈曲片42及び前記突出片41の外面52の上下端部分54,54は円弧状傾斜面として形成されている。かかる構成を有する該連結突片33は、前記第1の係合部15を構成する。
そして、図3、図11に示すように、前記一対の半割片31,31の夫々の前記内面部16,16に、上下所要間隔を置いて、例えば5段に、前記食い込み突部21,21が周方向に連続して設けられている。該食い込み突部21の突出量は、例えば0.3mmに設定されている。
又図3〜4に示すように、かかる構成を有する一対の半割片31,31の夫々の外面部32,32の、基端55から、前記先端側13が存する側に向けて稍控えて位置させて(例えば4.8mm程度稍控えて位置させて)、且つ、該一対の半割片31,31の夫々の全長に亘る如く、連結部位56,56が設定され、該連結部位56,56相互が、連結カバー片57で連結されている。該連結カバー片57の端部59は、屈曲可能の前記開閉連結部(図3〜4においては薄肉に形成されている)11を介して該連結部位56に一体に連設されることによって、該一対の半割片31,31の前記基端側30,30相互が連結されている。
然して、前記一対の半割片31,31の前記内面部16,16を前記棒材外面2側に向けて該半割片31,31を閉状態とすると、図2に示すように、前記棒材5の長さ方向で見た所要部位17を囲繞する前記筒状部19を形成できると共に、図5に示すように、前記両連結突片33,33(前記第1の係合部15)が、前記平坦側面46,46相互が当接して隣接されて、横断面T字状を呈する連結係合突部60を形成できる。そして図3に示すように、該一対の半割片31,31を開状態とすることによって該囲繞部材9を前記棒材5と分離できる。
このように囲繞部材9を閉状態とすることにより、図2、図7に示すように、前記一対の半割片31,31の夫々に設けられている前記食い込み突部21が、突条27としての前記線状弾性部3に食い込むことによって、該囲繞部材9が前記所要部位17に固定されることとなる。該食い込み突部21が該線状弾性部3に食い込むことによって、比較的重量のある物品を後述のフック部76に吊下した場合においても前記囲繞固定具7が下方向に動きにくい。
そして本実施例においては、かかる一対の半割片31,31が閉状態において、図5〜7に示すように、前記連結部位56よりも先側の部分61と前記連結カバー片57との間に、該先側の部分61が該連結カバー片57と接触するのを防止し得る接触防止間隙部62が設けられる。
前記連結部材10は、本実施例においては図2(B)(C)、図6、図7、図12に示すように、その裏面63で前記平坦外面39,39と当接でき、前記連結係合突部60を着脱可能に挿入させ得る挿入凹部65が該裏面63で開口66されている。そして該挿入凹部65は、その上端部分67が該開口66の上端69の稍上方にまで延長され、該挿入凹部65の上端70は閉じている。又、該挿入凹部65の下端71は該連結部材10の下端で開口72されている。
そして、該挿入凹部65の両側部分には、図2(C)、図6に示すように、逆向きに突出する前記屈曲片42,42を嵌め入れるための係合溝部73,73が設けられており、該屈曲片42,42を、該係合溝部73,73の下端の前記開口72,72を通して挿入し上方にスライドさせることにより、図6に示すように、前記第1の係合部15と前記第2の係合部20とが係合する。これによって、図7〜8に示すように、該連結部材10を介して前記一対の半割片31,31の前記先端側13,13相互が、前記囲繞部材9が開かないように連結され、且つ、前記食い込み突部21が前記線状弾性部3に食い込んだ状態(図9)が保持される。その結果、前記囲繞部材9が前記所要部位17に確実に固定されることとなる。本実施例においては図1に示すように、前記連結部材10の表面部75の下端部分にフック部76が一体に突設されており、該フック部76に各種の物品を吊下できる。
前記囲繞固定具7が前記棒材5の前記所要部位17に固定された状態は、前記食い込み突部21が、突条27としての前記線状弾性部3に食い込むことによって得られているため、吊下された物品が比較的重いものであっても該囲繞固定具7が前記棒材5の軸線方向で滑って移動する恐れがない。又、該囲繞固定具7が前記棒材5の軸線回りで回転する恐れがない。
図13は、かかる構成を有する囲繞固定具7の使用状態の一例を示すものであり、前記棒材5が支柱77として用いられ、該支柱77は、上下方向の突っ張り状態で立設されている。そのために本実施例においては、該支柱77を、床部79に設置したジャッキ部材80に支持させて該床部79と天井部81との間に垂直状態に立設させている。なお該支柱77は、ベース部等に下端部分が保持されて立設状態とされることもある。図13においては、該棒材5の所要高さにある前記所要部位17に前記囲繞固定具7を固定した状態が示されている。
該所要部位17に該囲繞固定具7を固定するに際しては、前記のように前記囲繞部材9を開状態とし(図3)、これを該所要部位17に対して横方向から当てがう。その後、前記半割片31,31の内面部16,16を該所要部位17に向けて閉状態とすることにより、図2に示すように、該所要部位17を囲繞する前記筒状部19を形成できる。この状態で、前記半割片31,31の内面部16,16に設けられている前記食い込み突部21,21が、図9に示すように、前記棒材外面2に設けられている前記線状弾性部3に食い込む。然る後、前記挿入凹部65に前記連結係合突部60を、前記のようにスライドにより挿入させると、例えば図7に示すように、前記第1の係合部15と前記第2の係合部20との係合により、前記連結部材10を介して、前記半割片31,31の前記先端側13,13相互が、該囲繞部材9が開かないように連結される。この状態で、前記食い込み突部21が前記線状弾性部3に弾性的に食い込んだ状態が保持され、図13、図1に示すように、前記囲繞固定具7が前記所要部位17に固定されることとなる。
本実施例においては、前記連結部材10と前記フック部76とを一体化しているため、前記連結係合突部60を前記挿入凹部65に挿入させて前記半割片31,31の先端側13,13相互を連結しさえすれば、同時に、物品を吊下し得るフック部76を構成できることとなる。
そして、前記食い込み状態で前記囲繞固定具7が前記棒材5に固定されることから該囲繞固定具7の耐荷重は増大されている。従って、前記フック部76に比較的重量のある物品を吊下した場合も、該囲繞固定具7が前記棒材5を下方向に滑って移動する(ずり落ちる)恐れがなく、又、前記支持部6に横方向の荷重が加わった場合も、前記囲繞固定具7が前記棒材5の軸線回りで回転する恐れもない。これらによって前記囲繞固定具7は、バッグや洋服、コート、帽子、傘等の比較的軽量の物品を支持できるばかりでなく、比較的重量のある物品であってもこれを安定的に支持できることとなる。
前記フック部76に物品が吊下されている状態においては、前記開閉連結部11に最も荷重が加わるところ、本実施例においては、前記フック部76と対向する部位には開閉連結部11が設けられておらず、しかも該開閉連結部11は、該部位の両側に位置させて2箇所に設けられている(図7)。従って、前記フック部76に吊下荷重が加わった場合、荷重が該両開閉連結部11,11に分散されることになるので、該開閉連結部11が前記のように薄肉に構成されてはいても、該開閉連結部11,11は長期間に亘って損傷されにくい。
このようにして所要部位17に固定された囲繞固定具7の固定高さを変更したい場合は、前記連結部材10を取り外すことによって前記囲繞部材9を前記棒材5と容易に分離できるので、該囲繞固定具7の固定高さを後から変更することが容易である。又、一旦固定した囲繞固定具7の高さが所望でないときや、後日高さを変更する事情が生じたときも、該囲繞固定具7を同様の要領で所望の高さに位置変更できる。
特に本実施例においては、前記線状弾性部3を前記棒材外面2の周方向に等間隔で多数本(9本)設けている。そのため、前記フック部76の向きを、該支柱77の周方向で見てどのような向きに設定しても、前記食い込み突部21を前記線状弾性部3に弾性的に食い込ませることができる。
又本実施例においては図11に示すように、前記一対の半割片31,31が閉状態において、該半割片31,31の何れか一方の基端縁部分35に設けられた前記嵌合凸部36と他方の半割片の基端縁部分35に設けられた前記嵌合凹部37とが互いに噛み合うように構成されているため、例えば図7〜8に示すように、前記線状弾性部3が、前記両半割片31,31の噛み合わせ部分82の内面側83を押圧する。従って、この状態で前記フック部76に吊下荷重が加わる場合、該フック部76と対向する側に掛かる荷重は、該嵌合凸部36と該嵌合凹部37との噛み合わせ部分82に分散して掛かることになる。これにより、前記線状弾性部3が前記連結カバー片57を直接的に押圧することによって前記左右の開閉連結部11,11に荷重が集中するのを防止できることとなる。
特に本実施例においては図5〜6に示すように、前記一対の半割片31,31が閉状態において、前記連結部位56よりも先側の部分61と前記連結カバー片57との間に、接触防止間隙部62を設けている。そのため、前記フック部76に吊下荷重が加わって該先側の部分61が前記線状弾性部3で押圧され、該先側の部分61が図7〜8に示すように外向きに弾性変形したとしても、該接触防止間隙部62で該変形を吸収し得ることとなる。これによって前記左右の開閉連結部11,11に掛かる荷重をより小さく抑制できる。もしも該接触防止間隙部62が設けられていないと、前記線状弾性部3で押圧されて前記先側の部分61が外方に向けて押圧されるに伴い、前記連結カバー片57が外方に向けて押圧されることになる結果、前記開閉連結部11,11に掛かる荷重が大きくなり易い。
図14〜27は、前記係止装置1を構成する前記囲繞固定具7が物品を支持する場合における前記支持部6の他の態様を例示するものであり、前記棒材5と前記囲繞部材9と前記連結部材10は実施例1におけると同様に構成されている。
図14〜20は、前記連結部材10に前記支持部6を一体に設けた場合を示すものであり、図14に示す支持部6は、該連結部材10の表面部75で、保持溝87を形成する保持片88が一体に突設されてなる。図14においては、かかる保持溝87を具える一対の囲繞部材9,9が、立設された支柱77としての前記棒材5の上下部位に該保持溝87,87を上向きにして固定され、該上下の保持溝87,87に、ネット状物品支持板89の上下の縁部分90,90が嵌着されることによって、該ネット状物品支持板89に物品を引っ掛けることができるようになされている。
図15は、横方向に突出するハンガー棒91としての支持部6を前記連結部材10の表
面部75で一体に突設した場合を示しており、該ハンガー棒91は、帽子やコート、鞄等を掛けるために利用できる。
図16、図17に示す支持部6は、竿等の横杆92を挿通させて該横杆92を支持し得る横挿通孔93が設けられた突出片95を以て構成され、該突出片95は前記連結部材10の表面部に一体に設けられている。図16においては1個の横挿通孔93が設けられている。図17においては3個の横挿通孔93,93,93が間隔を置いて横方向に並設されており、所要の横挿通孔93を選択可能となされている。
図18は、上下方向に貫通され或いは有底である2個の縦挿通孔96,96が隣り合わせて設けられてなる支持部6を示している。該縦挿通孔96,96は、例えば図18に示すようなリング状屈曲部97の両端で下方に向けて屈曲された挿入軸部99,99を挿入させるために利用できる。又図19は、該縦挿通孔96が1個である場合を示すものである。該縦挿通孔96は3個以上のこともある。該挿入軸部99をこのようにして縦挿通孔96に挿入させて形成されたリング状屈曲部97は、傘や杖、清掃用具の柄等を収容して該傘や杖等を立てたり、該リング状屈曲部97に傘や杖の持ち手等を掛けたりするため等に利用できる。更には、該リング状屈曲部97に容器を支持させたり、植木鉢が載置されるトレー等を支持させることもできる等、該リング状屈曲部97は各種に利用できる。
図20は、支柱77としての前記棒材5の所要高さ部位に棚板100を支持させるための支持部6を示し、該支持部6は、該棚板100のコーナ部分102を下方から受ける受部103を具える如く構成されている。
図21〜22は、前記半割片31の外面部32に支持部6を設けた場合を例示するものであり、図21は、フック部76としての支持部6を該外面部32に一体に設けた場合を示している。又図22は、図18に示すと同様に機能し得る前記縦支持孔96,96を隣り合わせて有する支持部6を該外面部32に設けた場合を示している。該縦支持孔96は1個のこともあり、又、3個以上のこともある。
図23〜24は、略水平に配設された棒材5に固定された囲繞固定具7に前記支持部6を設けた場合の一例を示すものであり、図23は、物干しスタンド105の上部を構成する水平な支持腕106としての前記棒材5の前記所要部位17に、物干し竿107の端部分を受けるU字状受部110としての支持部6が設けられ、該支持部6は前記連結部材10と一体に設けられている。
又図24に示す支持部6は、両端が支持されてなる水平な棒材5の左右側に設定された前記所要部位17,17の夫々に前記囲繞固定具7,7を固定した場合において、夫々の前記連結部材10,10に上端部が一体に設けられてなる下方突出の縦片部112,112の下端113,113相互を横片部115で連結してなるコ字状支持枠116として構成されている。そして該横片部115には、各種の取付け部を設けることができる。図24においては、上向きに円弧状を呈する受部117が長さ方向に並設されており、各受部117は、横方向に配設された竿等の横杆の端部分を支持させたり物品を引っ掛ける等、各種物品の支持に利用できる。
両端が支持されてなる水平な前記棒材5は、本実施例においては図24に示すように伸縮式に構成されており、前記と同様に構成された棒材5からなる外管119の両端側部分120,120に内管121を出し入れ可能に挿入し、該内管121の出し入れ量を調整し且つその状態をロック可能となされている。該内管121は、該出し入れに支障のないように、前記線状弾性部3が前記棒材外面2に若干突出するように設けられるか、或いは突出しないように設けられる。該線状弾性部3が該棒材外面2から突出しない場合、該線状弾性部3は、該棒材外面2に設けられた凹部に埋入状態に設けられる。後述するように、かかる、若干突出し或いは突出しないように設けられた該線状弾性部3に対しても、前記食い込み突部21を食い込ませることができる。
ところで、前記棒材5を例えば図23や図24に示すように横方向に配置し該棒材5に前記囲繞固定具7を固定する場合、前記連結部材10が不用意にスライドして前記連結係合突部60から外れてしまう恐れがある場合は、前記囲繞部材9に取り付けられた連結部材10を、スライドしないようにロックするのがよい。
図25は、そのロック手段122の一例を示す。該ロック手段122は、前記連結部材10の長さ方向の中間部位の、前記挿入凹部65の前記開口66側において、該挿入凹部65を横切るように、該挿入凹部65の両側壁部123,123に対向状態に欠切凹部125,125が設けられている。又前記突出片41,41に、前記連結係合突部60が前記挿入凹部65に挿入された状態において前記欠切凹部125,125と連通し得る挿通孔126,126が設けられている。然して図25(B)に示すように、前記連結係合突部60を前記連結部材10の前記挿入凹部65に挿入して囲繞固定具7を構成した後、図25(C)に示すように、前記両欠切凹部125,125と前記挿通孔126,126とが連通し構成された連通孔127に、ロック部材129の係合軸部130を稍窮屈に挿通させると、前記連結部材10が不用意に脱落するのを防止できることとなる。かかるロック手段122を採用する場合は、前記囲繞固定具7を前記棒材5の所要部位に、より安定状態に固定できる。
図26〜27は、前記囲繞固定具7が、他物に支持され得る被支持部131を有する場合を例示するものである。図26は、例えば高枝切り鋏やハンドワイパー等の長尺の柄部132としての前記棒材5に、該囲繞固定具7を固定した場合を示すものである。該囲繞固定具7は、必要に応じて前記ロック手段122を用いて構成されており、該柄部132のグリップ部133寄りの所望の前記所要部位17に固定され、前記連結部材10に、手で握持される補助グリップ部135としての被支持部131が設けられている。作業者は、一方の手で前記グリップ部133を把持すると共に他方の手で該補助グリップ部135を把持することによって、長尺の器具を楽に操作できることとなる。
図27は、前記棒材5を用いて杖や清掃用具等の柄部136を構成した場合、かかる杖や清掃用具等を、例えば机等の天板の縁部分137等に掛ける際において、前記囲繞固定具7に、引っ掛け部138としての前記被支持部131を設けた場合を示している。この場合、前記連結部材10を前記ロック手段122によってロックするのがよい。
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
(1) 前記棒材5の横断面形状は、前記した円形状の他、角形状、楕円形状等であってもよい。又該棒材5は、前記した鋼製等の金属製のパイプ材を用いて構成できる他、プラスチック製や木製等であってもよい。
(2) 前記線状弾性部3は、前記棒材外面2に、その周方向に1本乃至複数本設けられるものである。複数本設けられるときは、該線状弾性部3が該棒材外面2に、その周方向に等間隔で配置されることの他、異なる間隔で配置されることもある。又該線状弾性部3は、直線状とは限らず、前記棒材5の長さ方向に延長する螺旋状を呈するものであってもよい。
該線状弾性部3を1本とする場合は、これを、比較的幅広に構成するのがよい。例えば図28に示すように、前記棒材5の横断面形態を正方形状や長方形状に構成する場合、(図28においては、該横断面形態が正方形状に構成されている)、その一面としての棒材外面2に、例えばその幅方向の中央部位に、該棒材外面2の長さ方向に延長する如く設けることができる。
(3) 前記線状弾性部3は、前記弾性を有するプラスチックに蓄光剤や抗菌剤、防虫剤等を混入させることにより、該線状弾性部3が滑り止め効果を有することに加えて、該線状弾性部3を、蓄光性、抗菌性、防虫性等を有するものとして構成できる。
(4) 前記線状弾性部3は、前記囲繞固定具7を前記所要部位17に固定するのに支障がない限り、必要であれば、部分的に途切れ部が設けられることもある。なお、かかる途切れ部が設けられる場合、前記棒材5を例えば物干し竿として用いる場合は、該途切れ部分が形成する窪み部にハンガーを掛けることにより、該ハンガーが風に吹かれて横移動するのを抑制できることともなる。
(5) 前記線状弾性部3の横断面形状やその幅寸法、前記棒材外面2からの突出量は、該線状弾性部3に前記食い込み突部21を所要に食い込ませることができ、これによって前記囲繞固定具7を前記所要部位17に固定できるものであれば特定されない。例えば、前記線状弾性部3の横断面形状は、前記した円弧状に構成されることの他、三角形状や四角形状等に構成することもできる。
(6) 前記囲繞固定具7を構成する前記囲繞部材9は、開閉連結部11を介して相互が屈曲可能に連結された複数の割片12を以て構成されるものであるが、該割片12の個数は2個とは限らず、3個や4個等であってもよい。要は、該囲繞部材9が、前記内面部16を前記棒材5の外面部32に向けて該棒材5を囲繞できるものであれば、該割片12の個数は問わないということである。又、該割片12の個数が2個である場合、該両割片12,12は、そのサイズが等しい半割片とは限らない。
図29は、前記囲繞部材9が円筒状の筒状部19を構成する場合において、3個の割片12,12,12の3分割の角度を120度に設定した場合を示すものであり、前記開閉連結部11を介して割片12,12相互が屈曲可能に連結されている。かかる構成において、前記連結部材10に、例えば実施例1で示したようなフック部76としての支持部6を設ける場合、該フック部76と対向する部位139には前記開閉連結部11が存在せず、該対向する部位139の両側に該開閉連結部11,11が設けられている。従って、該フック部76に比較的重い物品を吊下した場合においても、該開閉連結部11には、それ程大きな荷重が加わらない。これによって、該開閉連結部11,11の損傷をより効果的に防止できることとなる。
(7) 前記食い込み突部21は、前記囲繞部材9が閉状態において、該食い込み突部21が前記線状弾性部3を弾性変形させて該線状弾性部3に食い込み、これによって、該囲繞固定具7を前記所要部位17に確実に固定できるのであれば、該食い込み突部21は、全ての割片12の内面部16に設ける必要はなく、所要の割片の内面部16に所要形態で設ければよい。
(8) 例えば図24に示すような伸縮式の棒材5における、前記内管121における場合のように、前記線状弾性部3が前記棒材外面2から若干突出する状態に或いは該棒材外面2から突出しないように設けられる場合においても、かかる線状弾性部3に食い込み可能な形状や大きさの食い込み突部21を所要の割片12に設けることもできる。
(9) 前記囲繞固定具7は、前記棒材5の長さ方向で見た所要部位17を囲繞する筒状部19を形成できるのであるが、該筒状部19の形態は円筒状とは限らず、該棒材5の横断面形態に合わせて所要形態の筒状部19として構成されるものである。
(10)前記囲繞部材9を構成する、両端に位置する割片12a,12aの夫々の先端側に設けられる前記第1の係合部15は、該第1の係合部15が前記連結部材10に設けられている前記第2の係合部20と着脱可能に係合して前記囲繞部材9が開かないように連結できるものであれば、図6に示した構成のものには特定されない。
図30はその一例を示すものであり、両端に位置する割片12,12の夫々の先端側に設けられている第1の係合部15を、前記したL字状に構成することに代えて、該割片12,12の先端の外面部で突出する係合突部140,140の夫々に、上下方向に貫通する連結孔部141,141を設けたものとする一方、前記連結部材10には、該連結孔部141,141の夫々に挿入される連結軸部142,142を突設して構成されている。然して、図30(B)に示すように、該両端に位置する割片12a,12aの夫々に設けられている連結孔部141としての第1の係合部15と、前記連結部材10に設けられている前記連結軸部142としての前記第2の係合部20とを係合させることによって、該連結部材10を介して、前記両端の割片12a,12aの先端側13,13相互が、前記囲繞部材9が開かないように連結される。図30においては前記割片が半割片である場合が示されているが、該構成は、前記割片12の個数が3個以上である場合も同様に採用できる。
(11)図31においては、前記一対の半割片31,31の基端55,55が、該半割片31の軸線方向に延長する直線状の縁143として構成されており、前記囲繞部材9が閉状態において該直線状の縁143,143相互が当接する場合が示されている。前記支持部6で支持する荷重が比較的小さい場合は、かかる構成も採用できる。
(12)図32、図33は、前記開閉連結部11の他の態様を示すものであり、前記半割片31,31の基端55,55相互が開閉連結部11によって屈曲可能に連結されている。図32においては、該開閉連結部11が樹脂の一体成形によって薄肉に形成されており、図33においては、夫々の基端に設けた軸受部145,145に枢軸146を挿通することによって開閉連結部11が構成されている。
(13)前記連結部材10を、前記囲繞部材9に着脱可能に取り付ける際、該連結部材10の外れを防止するために、前記第1の係合部15と前記第2の係合部20とを稍圧接された状態で係合させることもある。
(14)前記支持部は、前記囲繞部材と前記連結部材の双方に設けることもある。この場合、該支持部の構成を、支持部毎に変えることもある。
支柱の長さ方向で見た所要部位に、フック部等の物品を支持する支持部を具えた囲繞固定具を固定し、該支持部に物品を吊下したり該支持部で棚板を支持する等、物品を所要に支持できるように構成された物品支持装置の一例として、特許文献1、2、3、4が開示するものが提案されている。
特許文献1が開示する装置a1は、より具体的には図34に示すように、支柱外面bに、周方向に複数本のリブcが配置され、一部のリブに図34(B)に示すように、上下方向に所要間隔で突起dが設けられてなる支柱eと、該支柱eを囲繞でき且つ内壁fに、該突起dと係合し得る溝gが設けられてなる一対の分割片h,hとを具えるエンド部材jとから構成されている。図34においては、該一対の分割片h,hが独立した場合が示されているが、該一対の分割片h,hの一端をヒンジ部により連結することにより該エンド部材jを開閉自在としてもよいことが段落0008に記載されている。そして該エンド部材jの挾持により、前記リブcの弾性的な変形に伴う摩擦作用によって保持力が生じるとされている。又、前記溝gに前記突起dを係合させる場合は、前記支柱eに対する前記エンド部材jの高さを所要に設定でき、該エンド部材jで物品を安定的に支持できるものである。
又特許文献2が開示する装置a2は、図35に示すように、外周面kにその円周方向に溝部mが形成されてなる支柱nと、該支柱nの外周を周方向に囲繞する本体pと、該本体pに連結されることにより物品を吊持する支持部qとを具えている。そして該本体pは、一端部r, r間が開閉自在となるように他端部s,s相互が連結されてなる第1の本体tと第2の本体uを有し、該第1の本体t及び該第2の本体uの少なくとも一方の内周面vに、前記支柱nの前記溝部mに嵌合状態に係合して前記本体pが該支柱nの軸線方向で移動するのを阻止する突出部wが形成されている。そして、該溝部mと該突出部wとを係合させることにより、比較的重い物品であっても、これを安定的に吊持できるものである。
又、外周面にその円周方向に溝部が設けられてなる支柱と、該支柱の所要部位を周方向に囲繞する本体と、該本体に物品を支持させるための支持部とが設けられてなる物品支持装置は、特許文献3や特許文献4にも記載されている。
しかしながら、前記特許文献1に係る装置a1は、前記エンド部材jの挾持により、弾性を有する前記支柱外面bを弾性変形させ、それに伴う摩擦作用によって所要の保持効果を得んとするものであるが、比較的重い物品を、かかる摩擦作用だけによって該エンド部材jで支持させんとする場合は、それ程大きな摩擦力が得られないために、図34(A)に矢印で示すように該エンド部材jが下方に向けて滑って移動する(ずり落ちる)恐れがあり、又、横方向の荷重が加わったときに該エンド部材jが支柱eの周方向に回転する恐れもあった。該エンド部材jがこのように滑って下方に移動したり周方向に回転すると、支持している物品の高さや向きが変わってしまい、物品を適正に支持できないこととなった。
このような問題点を解決するために引用文献1においては、図34(B)に示すように、前記溝gに前記突起dを係合させることによって、前記支柱eに対する前記エンド部材jの高さを所要に設定し、該エンド部材jで物品を安定的に支持できるようにしていた。
又、特許文献2〜4においては、支柱nの外周面に周方向に設けられている前記溝部mに、該支柱を囲繞する本体の内周面に形成された突出部wを嵌合状態に係合させることによって、重い物品であってもこれを支柱に確実に固定できるようにした装置が記載されているが、その固定位置が支柱の前記溝部mの配置状態に制約されてしまい、物品の取り付け位置を自由に設定できるものではなかった。
本発明は前記問題点に鑑みて開発されたものであり、垂直状態や水平状態等に配設された棒材に対する物品の支持部の取り付け位置や、他物に支持される被支持部の取り付け位置を自由に然も簡易に設定可能とすると共に、その位置変えも簡易とする係止装置の提供を課題とするものである。
前記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用する。
即ち本発明に係る係止装置は、棒材外面にその長さ方向に延長する如く、弾性を有するプラスチック製の線状弾性部が設けられてなる滑り止め付きの棒材と、該棒材を挿通状態にして該棒材に固定され且つ、物品を支持できる支持部を有し、或いは、他物に支持され得る被支持部を有する囲繞固定具とを具えており、該囲繞固定具は、開閉可能の囲繞部材と、該囲繞部材に着脱可能に取り付けられる連結部材とを具え、該囲繞部材は、開閉連結部を介して相互が屈曲可能に連結された複数の割片を具えると共に、両端に位置する割片の夫々の先端側に第1の係合部が設けられてなる。そして前記囲繞部材は、その閉状態で、前記割片の内面部を前記棒材外面に向けて前記棒材の長さ方向で見た所要部位を囲繞する筒状部を形成できると共に、前記囲繞部材を開状態とすることによって該囲繞部材を前記棒材と分離できるようになされている。又前記連結部材は、前記第1の係合部と着脱可能に係合し得る第2の係合部を具え、該第1の係合部と該第2の係合部とが係合することによって、該連結部材を介して前記両端の割片の先端側相互が、前記囲繞部材が開かないように連結され、且つ、前記閉状態で、前記割片の所要のものの内面部に設けられている食い込み突部が、前記線状弾性部を弾性変形させて該線状弾性部に食い込むことによって、前記囲繞部材が前記所要部位に固定されることを特徴とするものである。
本発明に係る係止装置のより好ましい態様は、棒材外面にその長さ方向に延長する如く、弾性を有するプラスチック製の線状弾性部が設けられてなる滑り止め付きの棒材と、該棒材を挿通状態にして該棒材に固定され且つ、物品を支持できる支持部を有し、或いは、他物に支持され得る被支持部を有する囲繞固定具とを具えており、該囲繞固定具は、開閉可能に連結された一対の半割りの割片を具える囲繞部材と、該囲繞部材に着脱可能に取り付けられる連結部材とを具え、該囲繞部材は、開閉連結部を介して基端側相互が屈曲可能に連結された前記半割りの割片を具えると共に、該一対の半割りの割片の夫々の先端側の外面部に第1の係合部を構成する連結突片が設けられてなる。前記囲繞部材は、前記一対の半割りの割片が閉状態で、該一対の半割りの割片の内面部を前記棒材の外面側に向けて前記棒材の長さ方向で見た所要部位を囲繞する筒状部を形成できると共に、前記連結突片が隣接されて連結係合突部を形成でき、前記の一対の半割りの割片を開状態とすることによって該囲繞部材を前記棒材と分離できる如くなされている。又、前記連結部材は、前記連結係合突部を着脱可能に挿入させ得る挿入凹部が設けられており、該連結係合突部を該挿入凹部に挿入させることにより該連結係合突部が有する前記第1の係合部と、該挿入凹部に設けられている第2の係合部とが係合することによって、該連結部材を介して前記一対の半割りの割片の前記先端側相互が、前記囲繞部材が開かないように連結され、且つ、前記閉状態で、前記一対の半割りの割片の夫々の内面部に設けられている食い込み突部が、前記線状弾性部を弾性変形させて該線状弾性部に食い込むことによって、前記囲繞部材が前記所要部位に固定されることを特徴とするものである。
一対の半割りの割片を具える前記係止装置において、該一対の半割りの割片の夫々の外面部の、基端から、前記先端側が存する側に向けて稍控えて位置させて、且つ、該一対の半割りの割片の夫々の全長に亘る如く、連結部位を設定し、該連結部位相互を連結カバー片で連結し、該連結カバー片の端部が、屈曲可能の開閉連結部を介して該連結部位に一体に連設されることによって、該一対の半割りの割片の基端側相互が屈曲可能に連結されるように構成するのがよい。
又、一対の半割りの割片を具える前記係止装置において、前記一対の半割りの割片が閉状態において、該一対の半割りの割片の何れか一方の基端縁部分に設けた嵌合凸部と他方の半割りの割片の基端縁部分に設けた嵌合凹部とが互いに噛み合うように構成するのがよい。
一対の半割りの割片を具える前記の各係止装置において、前記一対の半割りの割片が閉状態において、前記連結部位よりも先側の部分と前記連結カバー片との間に、前記筒状部が前記所要部位に固定された状態においても該先側の部分が該連結カバー片と接触するのを防止し得る接触防止間隙部を設けるのがよい。
前記の各係止装置において、前記物品を支持するための支持部を、前記囲繞部材及び/又は前記連結部材に設けるのがよい。
前記の各係止装置において、前記線状弾性部を、前記棒材外面で突出する突条として構成するのがよい。
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明に係る係止装置は、弾性を有するプラスチック製の線状弾性部が棒材外面にその長さ方向に延長する如く設けられてなる滑り止め付きの棒材と、該棒材に固定される囲繞固定具とを具え、該囲繞固定具は、開閉連結部を介して相互が屈曲可能に連結された複数の割片を具える開閉可能の囲繞部材を具えている。そして該囲繞部材が閉状態で、該囲繞部材は、前記棒材の長さ方向で見た所要部位を囲繞する筒状部を形成でき、該閉状態を、該囲繞部材に着脱可能に取り付けられる連結部材で保持できる。そして該囲繞固定具は、物品を支持できる支持部を有し、或いは、他物に支持され得る被支持部を有する。又、該閉状態で、前記割片の所要のものの内面部に設けられている食い込み突部が、前記線状弾性部を弾性変形させて該線状弾性部に食い込むことによって、該囲繞部材が前記所要部位に確実に固定されるようになされている。
従って本発明によるときは、垂直状態や水平状態等に配設された棒材に対する物品の支持部の取り付け位置や、他物に支持される被支持部の取り付け位置を自由に然も簡易に設定できると共に、その位置変えも簡易である。そして、前記囲繞固定具を前記棒材の所要部位に固定し又これを棒材から取り外す操作は、立設状態等にある前記棒材を一旦取り外す等の面倒な作業を要することなく、該棒材の側方において容易に行うことができる。加えて前記閉状態で、前記食い込み突部が前記線状弾性部を弾性変形させて該線状弾性部に食い込むことによって、該囲繞部材を前記所要部位に確実に固定できる。そして、前記食い込み状態で前記囲繞固定具が前記棒材に固定されることから該囲繞固定具の耐荷重を増大させ得る。
かかることから本発明に係る係止装置は、前記支持部や前記被支持部を種々に構成することによって、種々の用途に活用できる。
(2) 前記囲繞固定具を、開閉可能に連結された一対の半割りの割片を具える前記囲繞部材と、該囲繞部材に着脱可能に取り付けられる前記連結部材とを具える如く構成し、該連結部材に前記支持部を設ける場合において、該一対の半割りの割片の夫々の外面部の、基端から稍控えた部位で設定した前記連結部位相互を連結カバー片で連結し、該連結カバー片の端部を、屈曲可能の開閉連結部を介して該連結部位に一体に連結する構成を採用するときは、該支持部と対向する部位には前記開閉連結部が存在しないことに加えて、該対向する部位の両側に該開閉連結部が設けられることとなる。従って、前記支持部に荷重が加わった場合、該荷重が該両開閉連結部に分散されることになるので該開閉連結部は損傷されにくく、従って、荷重に対する抵抗力の大きい囲繞固定具を構成できることとなる。
(3) 前記一対の半割りの割片が閉状態において、その何れか一方の基端縁部分に設けられた嵌合凸部とその他方の基端縁部分に設けられた嵌合凹部とが互いに噛み合うように構成する場合は、前記支持部に荷重が加わったときに、前記線状弾性部が両半割りの割片の噛み合わせ部分の内面側を押圧することになっても、荷重の分散が図られることとなる。これにより、該線状弾性部が前記連結カバー片を直接的に押圧して前記左右の開閉連結部に荷重が集中するのを防止でき、従って、該開閉連結部の損傷をより効果的に防止できることとなる。
(4) 前記一対の半割りの割片が閉状態において、前記連結部位よりも先側の部分と前記連結カバー片との間に接触防止間隙部を設ける場合は、前記支持部に荷重が加わって該先側の部分が前記線状弾性部で押圧され、該先側の部分が外向きに弾性変形したとしても、該接触防止間隙部で該変形を吸収し得ることとなる。これによって前記左右の開閉連結部に掛かる荷重をより小さく抑制でき、該開閉連結部の損傷をより効果的に防止できることとなる。もしも該接触防止間隙部が設けられていないとすれば、前記線状弾性部で押圧されて前記先側の部分が外方に向けて押圧されるに伴い、前記連結カバー片が外方に向けて押圧されることになる結果、前記開閉連結部に掛かる荷重が大きくなり易い。
図1〜9において、本発明に係る係止装置1は、物品を吊下する装置として応用されており、該係止装置1は、棒材外面2にその長さ方向に延長する如く、弾性を有するプラスチック製の線状弾性部3が設けられてなる滑り止め付きの棒材5と、該棒材5を挿通状態にして該棒材5に固定され且つ、物品を支持する支持部6を有する囲繞固定具7とを具えている。該囲繞固定具7は、図1〜2に示すように、開閉可能の囲繞部材9と、該囲繞部材9に着脱可能に取り付けられる連結部材10とを具え、該囲繞部材9は、図3〜6に示すように、開閉連結部11を介して相互が屈曲可能に連結された複数の割片12を具えると共に、両端に位置する割片12a,12aの夫々の先端側13,13に第1の係合部15,15が設けられている。
該囲繞部材9は、その閉状態で、図2に示すように、前記割片12の内面部16を前記棒材外面2に向けて前記棒材5の長さ方向で見た所要部位17を囲繞する筒状部19を形成できると共に、該囲繞部材9を図3〜4に示す開状態とすることによって該囲繞部材9を前記棒材5と分離できるようになされている。
前記連結部材10は、図2に示すように、前記第1の係合部15,15と着脱可能に係合し得る第2の係合部20を具え、該第1の係合部15と該第2の係合部20とが係合することによって、図2、図6〜8に示すように、該連結部材10を介して前記両端の割片12a,12aの前記先端側13,13相互が、該囲繞部材9が開かないように連結される。
そして前記閉状態で、図9に示すように、前記割片12の所要のものの内面部16に設けられている食い込み突部21が、前記線状弾性部3を弾性変形させて該線状弾性部3に食い込むことによって該囲繞部材9が前記所要部位17に確実に固定される。
前記棒材5は、本実施例においては図1、図9〜10に示すように、例えば垂直状態に立設される円形パイプ5aとして構成されており、例えば270cm程度の長さに設定されている。本実施例においては、該円形パイプ5aは図10に示すように、鋼製の直線状パイプ材22の外表面23に、例えばポリプロピレン製の樹脂被覆25が施されてなり、該樹脂被覆25の外面26(前記棒材外面2)には、周方向に等間隔で、例えばエラストマーとしての弾性を有するプラスチック製の前記線状弾性部3が、前記棒材外面2の長さ方向に連続して延長する如く設けられている。該線状弾性部3は、本実施例においては、前記棒材外面2で突出する連続した突条27として構成されており、該棒材外面2の周方向に等間隔で例えば9本設けられている。本実施例においては、該線状弾性部3(突条27)の表面29は円弧状面として形成されている。又、該棒材5の外径は例えば27mmに設定され、該突条27の幅寸法は例えば3.5mmに設定され、該突条27の、前記樹脂被覆25の外面26からの高さは例えば0.5mmに設定されている。
前記囲繞部材9は、本実施例においては、全体が例えばポリプロピレン樹脂を以て一体成形されている。該囲繞部材9を構成する、前記開閉連結部11を介して相互が屈曲可能に連結された複数の割片12は、本実施例においては図3〜4に示すように、該開閉連結部11を介して基端側30,30相互が連結された一対の半割りの割片31,31(前記両端の割片12a,12a)を具えて構成されている。該半割りの割片を、以下半割片という。そして、該半割片31,31の夫々の前記先端側13,13の外面部32,32には、前記第1の係合部15を構成する連結突片33,33が設けられている。
該半割片31,31は、より具体的には図3、図11に示すように、前記閉状態で、何れか一方の半割片31の基端縁部分35に設けられた嵌合凸部36と他方の半割片31の基端縁部分35に設けられた嵌合凹部37とが互いに噛み合うように構成されている。そして、前記囲繞部材9を前記閉状態とすることにより、図11に示すように該嵌合凸部36と該嵌合凹部37とが噛み合い状態となって、図2に示す前記筒状部19を形成する。該筒状部19の軸線方向の長さは例えば50mmに設定されている。
又図2、図5〜6に示すように、前記一対の半割片31,31の夫々の先端側13,13の外面部32,32は、前記半割片31,31の長さ方向に連続する平坦外面39,39として形成されている。そして、該外面部32,32の内端部分40,40(図5)において、該半割片31の半径方向に突出する突出片41が突設され、その先端で、該半割片31の周方向で見た内方(前記基端縁部分35に向かう方向)に突出する屈曲片42が設けられることによって、該内端部分40に、横断面L字状の前記連結突片33が設けられている。
そして図3、図5〜6に示すように、該連結突片33の側面43と前記半割片31の先端面45は、該半割片31の半径方向で見て面一の平坦側面46として形成されている。又図3に示すように、該屈曲片42及び該突出片41の上端部分47は、該突出片41の上端49の上方に突出し、且つ、該屈曲片42及び該突出片41の下端部分53は、前記突出片41の下端51の下方に突出している。そして、該屈曲片42及び前記突出片41の外面52の上下端部分54,54は円弧状傾斜面として形成されている。かかる構成を有する該連結突片33は、前記第1の係合部15を構成する。
そして、図3、図11に示すように、前記一対の半割片31,31の夫々の前記内面部16,16に、上下所要間隔を置いて、例えば5段に、前記食い込み突部21,21が周方向に連続して設けられている。該食い込み突部21の突出量は、例えば0.3mmに設定されている。
又図3〜4に示すように、かかる構成を有する一対の半割片31,31の夫々の外面部32,32の、基端55から、前記先端側13が存する側に向けて稍控えて位置させて(例えば4.8mm程度稍控えて位置させて)、且つ、該一対の半割片31,31の夫々の全長に亘る如く、連結部位56,56が設定され、該連結部位56,56相互が、連結カバー片57で連結されている。該連結カバー片57の端部59は、屈曲可能の前記開閉連結部(図3〜4においては薄肉に形成されている)11を介して該連結部位56に一体に連設されることによって、該一対の半割片31,31の前記基端側30,30相互が連結されている。
然して、前記一対の半割片31,31の前記内面部16,16を前記棒材外面2側に向けて該半割片31,31を閉状態とすると、図2に示すように、前記棒材5の長さ方向で見た所要部位17を囲繞する前記筒状部19を形成できると共に、図5に示すように、前記両連結突片33,33(前記第1の係合部15)が、前記平坦側面46,46相互が当接して隣接されて、横断面T字状を呈する連結係合突部60を形成できる。そして図3に示すように、該一対の半割片31,31を開状態とすることによって該囲繞部材9を前記棒材5と分離できる。
このように囲繞部材9を閉状態とすることにより、図2、図7に示すように、前記一対の半割片31,31の夫々に設けられている前記食い込み突部21が、突条27としての前記線状弾性部3に食い込むことによって、該囲繞部材9が前記所要部位17に固定されることとなる。該食い込み突部21が該線状弾性部3に食い込むことによって、比較的重量のある物品を後述のフック部76に吊下した場合においても前記囲繞固定具7が下方向に動きにくい。
そして本実施例においては、かかる一対の半割片31,31が閉状態において、図5〜7に示すように、前記連結部位56よりも先側の部分61と前記連結カバー片57との間に、該先側の部分61が該連結カバー片57と接触するのを防止し得る接触防止間隙部62が設けられる。
前記連結部材10は、本実施例においては図2(B)(C)、図6、図7、図12に示すように、その裏面63で前記平坦外面39,39と当接でき、前記連結係合突部60を着脱可能に挿入させ得る挿入凹部65が該裏面63で開口66されている。そして該挿入凹部65は、その上端部分67が該開口66の上端69の稍上方にまで延長され、該挿入凹部65の上端70は閉じている。又、該挿入凹部65の下端71は該連結部材10の下端で開口72されている。
そして、該挿入凹部65の両側部分には、図2(C)、図6に示すように、逆向きに突出する前記屈曲片42,42を嵌め入れるための係合溝部73,73が設けられており、該屈曲片42,42を、該係合溝部73,73の下端の前記開口72,72を通して挿入し上方にスライドさせることにより、図6に示すように、前記第1の係合部15と前記第2の係合部20とが係合する。これによって、図7〜8に示すように、該連結部材10を介して前記一対の半割片31,31の前記先端側13,13相互が、前記囲繞部材9が開かないように連結され、且つ、前記食い込み突部21が前記線状弾性部3に食い込んだ状態(図9)が保持される。その結果、前記囲繞部材9が前記所要部位17に確実に固定されることとなる。本実施例においては図1に示すように、前記連結部材10の表面部75の下端部分にフック部76が一体に突設されており、該フック部76に各種の物品を吊下できる。
前記囲繞固定具7が前記棒材5の前記所要部位17に固定された状態は、前記食い込み突部21が、突条27としての前記線状弾性部3に食い込むことによって得られているため、吊下された物品が比較的重いものであっても該囲繞固定具7が前記棒材5の軸線方向で滑って移動する恐れがない。又、該囲繞固定具7が前記棒材5の軸線回りで回転する恐れがない。
図13は、かかる構成を有する囲繞固定具7の使用状態の一例を示すものであり、前記棒材5が支柱77として用いられ、該支柱77は、上下方向の突っ張り状態で立設されている。そのために本実施例においては、該支柱77を、床部79に設置したジャッキ部材80に支持させて該床部79と天井部81との間に垂直状態に立設させている。なお該支柱77は、ベース部等に下端部分が保持されて立設状態とされることもある。図13においては、該棒材5の所要高さにある前記所要部位17に前記囲繞固定具7を固定した状態が示されている。
該所要部位17に該囲繞固定具7を固定するに際しては、前記のように前記囲繞部材9を開状態とし(図3)、これを該所要部位17に対して横方向から当てがう。その後、前記半割片31,31の内面部16,16を該所要部位17に向けて閉状態とすることにより、図2に示すように、該所要部位17を囲繞する前記筒状部19を形成できる。この状態で、前記半割片31,31の内面部16,16に設けられている前記食い込み突部21,21が、図9に示すように、前記棒材外面2に設けられている前記線状弾性部3に食い込む。然る後、前記挿入凹部65に前記連結係合突部60を、前記のようにスライドにより挿入させると、例えば図7に示すように、前記第1の係合部15と前記第2の係合部20との係合により、前記連結部材10を介して、前記半割片31,31の前記先端側13,13相互が、該囲繞部材9が開かないように連結される。この状態で、前記食い込み突部21が前記線状弾性部3に弾性的に食い込んだ状態が保持され、図13、図1に示すように、前記囲繞固定具7が前記所要部位17に固定されることとなる。
本実施例においては、前記連結部材10と前記フック部76とを一体化しているため、前記連結係合突部60を前記挿入凹部65に挿入させて前記半割片31,31の先端側13,13相互を連結しさえすれば、同時に、物品を吊下し得るフック部76を構成できることとなる。
そして、前記食い込み状態で前記囲繞固定具7が前記棒材5に固定されることから該囲繞固定具7の耐荷重は増大されている。従って、前記フック部76に比較的重量のある物品を吊下した場合も、該囲繞固定具7が前記棒材5を下方向に滑って移動する(ずり落ちる)恐れがなく、又、前記支持部6に横方向の荷重が加わった場合も、前記囲繞固定具7が前記棒材5の軸線回りで回転する恐れもない。これらによって前記囲繞固定具7は、バッグや洋服、コート、帽子、傘等の比較的軽量の物品を支持できるばかりでなく、比較的重量のある物品であってもこれを安定的に支持できることとなる。
前記フック部76に物品が吊下されている状態においては、前記開閉連結部11に最も荷重が加わるところ、本実施例においては、前記フック部76と対向する部位には開閉連結部11が設けられておらず、しかも該開閉連結部11は、該部位の両側に位置させて2箇所に設けられている(図7)。従って、前記フック部76に吊下荷重が加わった場合、荷重が該両開閉連結部11,11に分散されることになるので、該開閉連結部11が前記のように薄肉に構成されてはいても、該開閉連結部11,11は長期間に亘って損傷されにくい。
このようにして所要部位17に固定された囲繞固定具7の固定高さを変更したい場合は、前記連結部材10を取り外すことによって前記囲繞部材9を前記棒材5と容易に分離できるので、該囲繞固定具7の固定高さを後から変更することが容易である。又、一旦固定した囲繞固定具7の高さが所望でないときや、後日高さを変更する事情が生じたときも、該囲繞固定具7を同様の要領で所望の高さに位置変更できる。
特に本実施例においては、前記線状弾性部3を前記棒材外面2の周方向に等間隔で多数本(9本)設けている。そのため、前記フック部76の向きを、該支柱77の周方向で見てどのような向きに設定しても、前記食い込み突部21を前記線状弾性部3に弾性的に食い込ませることができる。
又本実施例においては図11に示すように、前記一対の半割片31,31が閉状態において、該半割片31,31の何れか一方の基端縁部分35に設けられた前記嵌合凸部36と他方の半割片の基端縁部分35に設けられた前記嵌合凹部37とが互いに噛み合うように構成されているため、例えば図7〜8に示すように、前記線状弾性部3が、前記両半割片31,31の噛み合わせ部分82の内面側83を押圧する。従って、この状態で前記フック部76に吊下荷重が加わる場合、該フック部76と対向する側に掛かる荷重は、該嵌合凸部36と該嵌合凹部37との噛み合わせ部分82に分散して掛かることになる。これにより、前記線状弾性部3が前記連結カバー片57を直接的に押圧することによって前記左右の開閉連結部11,11に荷重が集中するのを防止できることとなる。
特に本実施例においては図5〜6に示すように、前記一対の半割片31,31が閉状態において、前記連結部位56よりも先側の部分61と前記連結カバー片57との間に、接触防止間隙部62を設けている。そのため、前記フック部76に吊下荷重が加わって該先側の部分61が前記線状弾性部3で押圧され、該先側の部分61が図7〜8に示すように外向きに弾性変形したとしても、該接触防止間隙部62で該変形を吸収し得ることとなる。これによって前記左右の開閉連結部11,11に掛かる荷重をより小さく抑制できる。もしも該接触防止間隙部62が設けられていないと、前記線状弾性部3で押圧されて前記先側の部分61が外方に向けて押圧されるに伴い、前記連結カバー片57が外方に向けて押圧されることになる結果、前記開閉連結部11,11に掛かる荷重が大きくなり易い。
図14〜27は、前記係止装置1を構成する前記囲繞固定具7が物品を支持する場合における前記支持部6の他の態様を例示するものであり、前記棒材5と前記囲繞部材9と前記連結部材10は実施例1におけると同様に構成されている。
図14〜20は、前記連結部材10に前記支持部6を一体に設けた場合を示すものであり、図14に示す支持部6は、該連結部材10の表面部75で、保持溝87を形成する保持片88が一体に突設されてなる。図14においては、かかる保持溝87を具える一対の囲繞部材9,9が、立設された支柱77としての前記棒材5の上下部位に該保持溝87,87を上向きにして固定され、該上下の保持溝87,87に、ネット状物品支持板89の上下の縁部分90,90が嵌着されることによって、該ネット状物品支持板89に物品を引っ掛けることができるようになされている。
図15は、横方向に突出するハンガー棒91としての支持部6を前記連結部材10の表面部75で一体に突設した場合を示しており、該ハンガー棒91は、帽子やコート、鞄等を掛けるために利用できる。
図16、図17に示す支持部6は、竿等の横杆92を挿通させて該横杆92を支持し得る横挿通孔93が設けられた突出片95を以て構成され、該突出片95は前記連結部材10の表面部に一体に設けられている。図16においては1個の横挿通孔93が設けられている。図17においては3個の横挿通孔93,93,93が間隔を置いて横方向に並設されており、所要の横挿通孔93を選択可能となされている。
図18は、上下方向に貫通され或いは有底である2個の縦挿通孔96,96が隣り合わせて設けられてなる支持部6を示している。該縦挿通孔96,96は、例えば図18に示すようなリング状屈曲部97の両端で下方に向けて屈曲された挿入軸部99,99を挿入させるために利用できる。又図19は、該縦挿通孔96が1個である場合を示すものである。該縦挿通孔96は3個以上のこともある。該挿入軸部99をこのようにして縦挿通孔96に挿入させて形成されたリング状屈曲部97は、傘や杖、清掃用具の柄等を収容して該傘や杖等を立てたり、該リング状屈曲部97に傘や杖の持ち手等を掛けたりするため等に利用できる。更には、該リング状屈曲部97に容器を支持させたり、植木鉢が載置されるトレー等を支持させることもできる等、該リング状屈曲部97は各種に利用できる。
図20は、支柱77としての前記棒材5の所要高さ部位に棚板100を支持させるための支持部6を示し、該支持部6は、該棚板100のコーナ部分102を下方から受ける受部103を具える如く構成されている。
図21〜22は、前記半割片31の外面部32に支持部6を設けた場合を例示するものであり、図21は、フック部76としての支持部6を該外面部32に一体に設けた場合を示している。又図22は、図18に示すと同様に機能し得る前記縦支持孔96,96を隣り合わせて有する支持部6を該外面部32に設けた場合を示している。該縦支持孔96は1個のこともあり、又、3個以上のこともある。
図23〜24は、略水平に配設された棒材5に固定された囲繞固定具7に前記支持部6を設けた場合の一例を示すものであり、図23は、物干しスタンド105の上部を構成する水平な支持腕106としての前記棒材5の前記所要部位17に、物干し竿107の端部分を受けるU字状受部110としての支持部6が設けられ、該支持部6は前記連結部材10と一体に設けられている。
又図24に示す支持部6は、両端が支持されてなる水平な棒材5の左右側に設定された前記所要部位17,17の夫々に前記囲繞固定具7,7を固定した場合において、夫々の前記連結部材10,10に上端部が一体に設けられてなる下方突出の縦片部112,112の下端113,113相互を横片部115で連結してなるコ字状支持枠116として構成されている。そして該横片部115には、各種の取付け部を設けることができる。図24においては、上向きに円弧状を呈する受部117が長さ方向に並設されており、各受部117は、横方向に配設された竿等の横杆の端部分を支持させたり物品を引っ掛ける等、各種物品の支持に利用できる。
両端が支持されてなる水平な前記棒材5は、本実施例においては図24に示すように伸縮式に構成されており、前記と同様に構成された棒材5からなる外管119の両端側部分120,120に内管121を出し入れ可能に挿入し、該内管121の出し入れ量を調整し且つその状態をロック可能となされている。該内管121は、該出し入れに支障のないように、前記線状弾性部3が前記棒材外面2に若干突出するように設けられるか、或いは突出しないように設けられる。該線状弾性部3が該棒材外面2から突出しない場合、該線状弾性部3は、該棒材外面2に設けられた凹部に埋入状態に設けられる。後述するように、かかる、若干突出し或いは突出しないように設けられた該線状弾性部3に対しても、前記食い込み突部21を食い込ませることができる。
ところで、前記棒材5を例えば図23や図24に示すように横方向に配置し該棒材5に前記囲繞固定具7を固定する場合、前記連結部材10が不用意にスライドして前記連結係合突部60から外れてしまう恐れがある場合は、前記囲繞部材9に取り付けられた連結部材10を、スライドしないようにロックするのがよい。
図25は、そのロック手段122の一例を示す。該ロック手段122は、前記連結部材10の長さ方向の中間部位の、前記挿入凹部65の前記開口66側において、該挿入凹部65を横切るように、該挿入凹部65の両側壁部123,123に対向状態に欠切凹部125,125が設けられている。又前記突出片41,41に、前記連結係合突部60が前記挿入凹部65に挿入された状態において前記欠切凹部125,125と連通し得る挿通孔126,126が設けられている。然して図25(B)に示すように、前記連結係合突部60を前記連結部材10の前記挿入凹部65に挿入して囲繞固定具7を構成した後、図25(C)に示すように、前記両欠切凹部125,125と前記挿通孔126,126とが連通し構成された連通孔127に、ロック部材129の係合軸部130を稍窮屈に挿通させると、前記連結部材10が不用意に脱落するのを防止できることとなる。かかるロック手段122を採用する場合は、前記囲繞固定具7を前記棒材5の所要部位に、より安定状態に固定できる。
図26〜27は、前記囲繞固定具7が、他物に支持され得る被支持部131を有する場合を例示するものである。図26は、例えば高枝切り鋏やハンドワイパー等の長尺の柄部132としての前記棒材5に、該囲繞固定具7を固定した場合を示すものである。該囲繞固定具7は、必要に応じて前記ロック手段122を用いて構成されており、該柄部132のグリップ部133寄りの所望の前記所要部位17に固定され、前記連結部材10に、手で握持される補助グリップ部135としての被支持部131が設けられている。作業者は、一方の手で前記グリップ部133を把持すると共に他方の手で該補助グリップ部135を把持することによって、長尺の器具を楽に操作できることとなる。
図27は、前記棒材5を用いて杖や清掃用具等の柄部136を構成した場合、かかる杖や清掃用具等を、例えば机等の天板の縁部分137等に掛ける際において、前記囲繞固定具7に、引っ掛け部138としての前記被支持部131を設けた場合を示している。この場合、前記連結部材10を前記ロック手段122によってロックするのがよい。
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
(1) 前記棒材5の横断面形状は、前記した円形状の他、角形状、楕円形状等であってもよい。又該棒材5は、前記した鋼製等の金属製のパイプ材を用いて構成できる他、プラスチック製や木製等であってもよい。
(2) 前記線状弾性部3は、前記棒材外面2に、その周方向に1本乃至複数本設けられるものである。複数本設けられるときは、該線状弾性部3が該棒材外面2に、その周方向に等間隔で配置されることの他、異なる間隔で配置されることもある。又該線状弾性部3は、直線状とは限らず、前記棒材5の長さ方向に延長する螺旋状を呈するものであってもよい。
該線状弾性部3を1本とする場合は、これを、比較的幅広に構成するのがよい。例えば図28に示すように、前記棒材5の横断面形態を正方形状や長方形状に構成する場合、(図28においては、該横断面形態が正方形状に構成されている)、その一面としての棒材外面2に、例えばその幅方向の中央部位に、該棒材外面2の長さ方向に延長する如く設けることができる。
(3) 前記線状弾性部3は、前記弾性を有するプラスチックに蓄光剤や抗菌剤、防虫剤等を混入させることにより、該線状弾性部3が滑り止め効果を有することに加えて、該線状弾性部3を、蓄光性、抗菌性、防虫性等を有するものとして構成できる。
(4) 前記線状弾性部3は、前記囲繞固定具7を前記所要部位17に固定するのに支障がない限り、必要であれば、部分的に途切れ部が設けられることもある。なお、かかる途切れ部が設けられる場合、前記棒材5を例えば物干し竿として用いる場合は、該途切れ部分が形成する窪み部にハンガーを掛けることにより、該ハンガーが風に吹かれて横移動するのを抑制できることともなる。
(5) 前記線状弾性部3の横断面形状やその幅寸法、前記棒材外面2からの突出量は、該線状弾性部3に前記食い込み突部21を所要に食い込ませることができ、これによって前記囲繞固定具7を前記所要部位17に固定できるものであれば特定されない。例えば、前記線状弾性部3の横断面形状は、前記した円弧状に構成されることの他、三角形状や四角形状等に構成することもできる。
(6) 前記囲繞固定具7を構成する前記囲繞部材9は、開閉連結部11を介して相互が屈曲可能に連結された複数の割片12を以て構成されるものであるが、該割片12の個数は2個とは限らず、3個や4個等であってもよい。要は、該囲繞部材9が、前記内面部16を前記棒材5の外面部32に向けて該棒材5を囲繞できるものであれば、該割片12の個数は問わないということである。又、該割片12の個数が2個である場合、該両割片12,12は、そのサイズが等しい半割片とは限らない。
図29は、前記囲繞部材9が円筒状の筒状部19を構成する場合において、3個の割片12,12,12の3分割の角度を120度に設定した場合を示すものであり、前記開閉連結部11を介して割片12,12相互が屈曲可能に連結されている。かかる構成において、前記連結部材10に、例えば実施例1で示したようなフック部76としての支持部6を設ける場合、該フック部76と対向する部位139には前記開閉連結部11が存在せず、該対向する部位139の両側に該開閉連結部11,11が設けられている。従って、該フック部76に比較的重い物品を吊下した場合においても、該開閉連結部11には、それ程大きな荷重が加わらない。これによって、該開閉連結部11,11の損傷をより効果的に防止できることとなる。
(7) 前記食い込み突部21は、前記囲繞部材9が閉状態において、該食い込み突部21が前記線状弾性部3を弾性変形させて該線状弾性部3に食い込み、これによって、該囲繞固定具7を前記所要部位17に確実に固定できるのであれば、該食い込み突部21は、全ての割片12の内面部16に設ける必要はなく、所要の割片の内面部16に所要形態で設ければよい。
(8) 例えば図24に示すような伸縮式の棒材5における、前記内管121における場合のように、前記線状弾性部3が前記棒材外面2から若干突出する状態に或いは該棒材外面2から突出しないように設けられる場合においても、かかる線状弾性部3に食い込み可能な形状や大きさの食い込み突部21を所要の割片12に設けることもできる。
(9) 前記囲繞固定具7は、前記棒材5の長さ方向で見た所要部位17を囲繞する筒状部19を形成できるのであるが、該筒状部19の形態は円筒状とは限らず、該棒材5の横断面形態に合わせて所要形態の筒状部19として構成されるものである。
(10)前記囲繞部材9を構成する、両端に位置する割片12a,12aの夫々の先端側に設けられる前記第1の係合部15は、該第1の係合部15が前記連結部材10に設けられている前記第2の係合部20と着脱可能に係合して前記囲繞部材9が開かないように連結できるものであれば、図6に示した構成のものには特定されない。
図30はその一例を示すものであり、両端に位置する割片12,12の夫々の先端側に設けられている第1の係合部15を、前記したL字状に構成することに代えて、該割片12,12の先端の外面部で突出する係合突部140,140の夫々に、上下方向に貫通する連結孔部141,141を設けたものとする一方、前記連結部材10には、該連結孔部141,141の夫々に挿入される連結軸部142,142を突設して構成されている。然して、図30(B)に示すように、該両端に位置する割片12a,12aの夫々に設けられている連結孔部141としての第1の係合部15と、前記連結部材10に設けられている前記連結軸部142としての前記第2の係合部20とを係合させることによって、該連結部材10を介して、前記両端の割片12a,12aの先端側13,13相互が、前記囲繞部材9が開かないように連結される。図30においては前記割片が半割片である場合が示されているが、該構成は、前記割片12の個数が3個以上である場合も同様に採用できる。
(11)図31においては、前記一対の半割片31,31の基端55,55が、該半割片31の軸線方向に延長する直線状の縁143として構成されており、前記囲繞部材9が閉状態において該直線状の縁143,143相互が当接する場合が示されている。前記支持部6で支持する荷重が比較的小さい場合は、かかる構成も採用できる。
(12)図32、図33は、前記開閉連結部11の他の態様を示すものであり、前記半割片31,31の基端55,55相互が開閉連結部11によって屈曲可能に連結されている。図32においては、該開閉連結部11が樹脂の一体成形によって薄肉に形成されており、図33においては、夫々の基端に設けた軸受部145,145に枢軸146を挿通することによって開閉連結部11が構成されている。
(13)前記連結部材10を、前記囲繞部材9に着脱可能に取り付ける際、該連結部材10の外れを防止するために、前記第1の係合部15と前記第2の係合部20とを稍圧接された状態で係合させることもある。
(14)前記支持部は、前記囲繞部材と前記連結部材の双方に設けることもある。この場合、該支持部の構成を、支持部毎に変えることもある。