JP5495221B2 - 天板付家具 - Google Patents

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Description

本発明は、携帯品や荷物などの物品をデスク等のまわりに無理なく適切に仮置きしておけるようにした天板付家具に関するものである。
携帯品や荷物などの物品をデスク等のまわりに仮置きする場合、折り畳み傘などの比較的小物の物品は置き場所に困るし、カバン等の荷物は床に置くことで汚れやすくなる。そこで、このような不具合を解消すべく、例えば特許文献1に示すもの等が知られている。
このものは、棚を構成する金属棒材を棚受から側方に突出させて、その突出位置に、金属棒材を折り曲げて逆U字状のフックを形成し、このフックにカバンや傘を掛けられるように構成されている。このように机の外側方にフックを設ける手法そのものは、特許文献1に始まったものではなく、従前から種々行われているところである。
特開2007−152006号公報
ところが、このような構造は、1人、2人用のデスクなら利便性はあるものの、3人以上のデスクだと中に着座する人は使えないという不都合がある。また、デスクの意匠的外観を著しく損ねるものである。すなわち、携帯品や小物などの物品がデスクの側方に露出すること自体、乱雑な印象を与えるのに加えて、このような場所に物品を掛けることで意匠的な配慮がされた家具本来の化粧機能が奪われ、意匠性を大きく犠牲にすることになる。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、携帯品や荷物などの物品をデスク等のまわりに無理なく適切に仮置きすることができ、大型デスク等にも対応できて、使い勝手も良好となるようにした、従来にはない構造及び機能からなる天板付家具を提供することを目的としている。
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち、本発明の天板付家具は、家具構造体に支持させハンガーの掛止部を、天板下面に近接する位置において下肢空間に収まる収納位置と下肢空間から外方に突出する使用位置との間で移動可能となる可動掛止部と、下肢空間の内奥に定在する固定掛止部とに役割分担させて構成したことを特徴とする。
このようなものであると、使用位置がデスク等の端部に限定されないので、大型デスク等にも有効に対応することができる。また、置き場所に困る携帯品や荷物などの物品を床に置かずに仮置きすることができ、汚損を有効に防止することができる。しかも、下肢空間のデッドスペースを利用するので別途に収納場所等を確保する必要がなく、物品も下肢空間に隠れ、家具の外観を損ねることもない。さらに、必要なときには下肢空間から引き出すことで、掛止部の位置を確認しながら物品の係脱を適切に行うことができて使い勝手も良好となる。
また、掛止部は、下肢空間から突没する可動掛止部と、下肢空間の内奥に定在する固定掛止部とに役割分担させて構成されているため、利用頻度等に応じた掛止部の適切な使い分けも可能となる。
そのような構造を簡素に実現するためには、ハンガーの基部が、天板下面に取り付けた固定レールと、この固定レールから出し入れ可能な可動レールとを具備し、前記可動レールに前記可動掛止部を設けていることが好適である。
さらには、前記固定レールに固定掛止部を設けていることが好ましい。
目的、用途に応じて掛止部の自由度をより有効に高めるためには、可動掛止部は可動レールに対して更にスライド可能に取り付けたものであり、この可動掛止部は、荷重が掛かることによって可動レールに対するスライド抵抗を増大させるように構成されていることが効果的である。
物品を引っ掛けて吊るす態様のほかに、物品を横にしても載せ置ける態様を可能とするためには、掛止部を上向きに開くフック状のものにしておくことが便利である。
特に好ましい使用状態としては、天板、側板及び背板によって三方を囲まれる下肢空間において、ハンガーを、少なくとも天板と側板の入隅部に沿って可動掛止部を移動させ得るように配置しているものが挙げられる。
3人以上が横に並ぶ態様でも問題なく使用することができ、フリーアドレスタイプのデスクなどにも有効に対応可能とするためには、ハンガーを、家具構造体である天板に幅方向位置変更可能に取り付け得るようにしていることが望ましい。
本発明は、以上説明した構成であるから、通常は天板の端部付近で使用されることが多くなることは予想されるものの、基本的には使用位置が天板の端部に限定されることがない上に、携帯品や荷物などの物品をデスク等のまわりに無理なく適切に仮置きすることができて、出し入れも簡単、的確で使い勝手に優れた従来にはない斬新な構造及び機能の天板付家具を提供することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、この実施形態の天板付家具であるデスクを示している。このデスクは、家具構造体である天板1にハンガー2を支持させて、そのハンガー2の掛止部2a、2bに着座者の携帯品や荷物などの物品Aを吊るすなどして仮置きしておけるようにしたものである。
図1〜図4等に示すように、ハンガー2の基部2xは、天板1の下面に取り付けた固定レール21と、この固定レール21から出し入れ可能な可動レール22とから構成される。固定レール21は、図2及び図3に示すように、中空状のガイド枠21a及びこのガイド枠21aの中空部を側方へ連続開口させるスリット21bを有している。一方、可動レール22は、図2及び図4に示すように、スライド片22a及びこのスライド片22aから側方へ持ち出される中空状のフック部材取付枠22bを有しており、このフック部材取付枠22bの中空部を更に側方へ連続開口させるスリット22cを形成している。
そして、可動レール22のスライド片22aを固定レール21のガイド枠21aの中空部に挿入し、その前後において可動レール22のフック部材取付枠22bに可動フック部材23を嵌め込み、可動レール22の前後端を閉止する位置に把手部材24及び抜け止め部材25を嵌め合わせたものである。把手部材24及び抜け止め部材25には可動レール22の端部と嵌り合う嵌合部24a、25aが設けてあり、更に把手部材24には下方から操作可能な指掛け部24bが設けられてある。固定レール21の後端部の側面には、固定掛止部となる固定フック部材26がビス等によって取り付けられる。
そして、可動フック部材23の一部に前述した可動掛止部2aを設け、固定フック部材26に固定掛止部2bを設けている。
可動フック部材23は、図4に示すように、可動レール22のフック部材取付枠22bに基端の立壁23aを嵌め込まれ、この立壁23aの側面からスリット22cを介して側方に水平連結部23bを持ち出し、その水平連結部23bにL字形の可動掛止部2aを形成したもので、これら立壁23a、水平連結部23b及び可動掛止部2aの立片部分2a1からなるH状の部分が可動レール22のスリット22cの開口周辺部を挟むように取り付けられるようになっている。可動掛止部2aは、更に先端2a´が斜め上方に屈曲しており、全体に上向きに開く形状をなしている。この可動掛止部2aは、可動フック部材23がフック部材取付枠22bに沿ってスライドすることで可動レール22に対して移動可能とされている。さらに、物品を掛止しない状態で、可動掛止部2aはフック部材取付枠22bに沿って更に位置変更可能であるのに対して、物品を掛止することにより、可動掛止部2aの先端2a´側に偏荷重が作用すると、取付部とフック部材取付枠22bの立壁部分とのスライド摩擦抵抗が増大するようになっている。
固定フック部材26は、図3に示すように、上記可動フック部材23と一部において同一形状のもの、すなわち、立壁及び水平片が無いほかはそれ自体がL字形をなす固定掛止部2bをなすもので、先端2b´が斜め上方に屈曲しており、全体に上向きに開く形状をなしている。そして、この固定掛止部2bの立片部分2b1を固定レール21のガイド枠21aの外壁にビス等により固定している。
そして、前記固定レール21のガイド枠21aを構成する頂片21cを適宜の手段により天板1の下面に取り付け、この固定レール21に可動レール22を図5に示すようにスライド可能に係り合わせて、可動掛止部2aを天板下面1aに近接する位置において下肢空間S内に収まる格納位置(図1参照)と下肢空間から外方に突出する使用位置(図6参照)との間で移動させ得るようにしている。
なお、図1に示すように、ハンガー2は、デスクAを構成する天板1、側板3及び背板4によって三方を囲まれる下肢空間Sにおいて、少なくとも天板1と側板3の入隅部に沿って掛止部2aが移動することとなる。
一方、この実施形態では、図6に矢印で示すように、天板幅方向に沿ってハンガー2の取付位置を変更可能としている。そのために、天板1の下面に取付部として幅方向に沿って所定ピッチでスリットを設けてこのスリットに固定レール2を位置変更可能に取り付けるようにしている。勿論、天板1の下面に取付部として幅方向に延びるレールを設けてこのレールに固定レール21を位置変更可能に係り合わせるようにしても構わない。
以上のように、本実施形態のデスクDは、家具構造体である天板1に支持させてハンガー2を、天板1の下面1aに近接する位置において少なくとも一部の掛止部2aが下肢空間S内に収まる格納位置と下肢空間Sから外方に突出する使用位置との間で移動可能となるように設けたものである。
このように構成することで、常は天板1の端部付近で使用されることが多くなることは予想されるものの、基本的には使用位置が天板の端部に限定されることがない上に、置き場所に困る携帯品や荷物、例えばカバンa1などの物品Aを床に置かずに仮置きすることができ、汚損を有効に防止することができる。しかも、下肢空間Sのデッドスペースを利用するので、別途に収納場所等を確保する必要がなく、物品Aも下肢空間Sに隠れ、家具であるデスクDの外観を損ねることもない。さらに、必要なときには下肢空間Sから引き出すことで、掛止部2aの位置を確認しながら物品の係脱を行うことができ、使い勝手を有効に向上させることができる。
具体的には、ハンガー2の基部2xが、天板1の下面1aに取り付けた固定レール21と、この固定レール21から出し入れ可能な可動レール22とを具備し、可動レール22に可動掛止部2bを設けているので、可動レール22を操作するだけで複数の可動掛止部2bを同時に出し入れすることができるのは勿論のこと、レール21,22に可動掛止部2bを取り付けるだけでレール21,22の相対動作をそのまま可動掛止部2bの動作として利用できて構造も簡素となる。
特に、可動掛止部2bは可動レール22に対して更にスライド可能に取り付けたものであり、この可動掛止部2bは、荷重が掛かることによって可動レール22に対するスライド抵抗を増大させるように構成されているので、可動掛止部2bを目的・用途に応じた自由なピッチで配置することができ、一旦物品Aを掛止し荷重が掛かれば摩擦抵抗の増大により不用意にスライドさせることなく当初の間隔を維持して可動レール22を適切に出し入れすることができる。
また、天板1の高さが限られている状況下において、図7に示すように2つ以上の可動掛止部2b、2b…にまたがって例えばカバンa1のベルトa1´等を架け渡したような場合に、カバンa1が垂れ下がって底が床に着くこと等を上記の摩擦抵抗によって適切に防止することができる。勿論、固定掛止部2aを併用してベルトa1´等を掛け渡す利用の態様も可能であることは言うまでも無い。
より具体的には、掛止部を、下肢空間Sから突没する可動掛止部2aと、下肢空間の内奥に定在する固定掛止部2bとに役割分担させているので、出し入れ頻度の高いカバンa1等の物品Aのために可動掛止部2aを、使用頻度の低い折り畳み傘2bやヘルメット等の物品Aのために固定掛止部2bを、それぞれ有効に使い分けることができる。
そして、ハンガー2の基部2xが、天板1の下面1aに取り付けた固定レール21と、この固定レール21から出し入れ可能な可動レール22とを具備し、可動レール22に可動掛止部2bを設けるのみならず、固定レール21に固定掛止部2aを設けているので、可動レール22を操作するだけで複数の可動掛止部2bを同時に出し入れすることができるのは勿論のこと、レール21,22に掛止部2a、2bを取り付けるだけでレール21,22の相対動作をそのまま掛止部2a、2bの相対動作として利用できて構造も簡素となる。
また、フックは吊り下げて使用するというのが専らの既成概念であるが、天板下の低位置にフックを設ける関係上、掛止部2a、2bを上向きに開くフック状にしておくことで、物品Aを引っ掛けて吊るすといった通常の利用の態様のほかに、図8に示すように複数の掛止部2a、2a、…に亘って図面や証書の収納筒などを始めとする各種長尺物a3などの物品Aを横に架け渡して載せ置くといった全く新たな利用の態様も可能になる。
そして、この実施形態では、天板1、側板3及び背板4によって三方を囲まれる下肢空間Sにおいて、ハンガー2を、少なくとも天板1と側板3の入隅部に沿って掛止部2aを移動させ得るようにしているので、着座者の下肢と極力干渉せず、外観も毀損せず、ハンガー2の取付先も確保し易く、使い勝手も良好なハンガー付デスクとしての利用が可能となる。
さらにハンガー2を、家具構造体である天板1に幅方向位置変更可能に取り付け得るようにしているので、3人以上が横に並ぶ態様でも問題なく使用することができ、フリーアドレス用のテーブルやデスク等にも有効に対応することが可能となる。
なお、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
例えば、上記実施形態のデスクは脚が側板タイプのものであるが、L字脚を用いたデスク等においても上記に準じた作用効果が奏される。
また、可動掛止部を構成するフック部材は、可動レールに適度の間隔で固定されていてもよい。
さらに、上記実施形態では家具構造体である天板にハンガーの基部を取り付けたが、家具構造体である側板などにハンガーの基部を取り付けるようにしても構わない。
本発明の一実施形態に係るハンガーを取り付けたデスクの斜視図。 同ハンガーの分解斜視図。 同ハンガーを構成する固定レールの構成を示す図。 同ハンガーを構成する可動レールの構成を示す図。 同ハンガーの組立斜視図。 同ハンガーの使用状態を示す図1に対応した斜視図。 同ハンガーの使用状態説明図。 同ハンガーの他の使用状態説明図。
符号の説明
1…家具構造体(天板)
2…ハンガー
2a…可動掛止部
2b…固定掛止部
2x…基部
3…側板
4…背板
21…固定レール
22…可動レール
S…下肢空間

Claims (7)

  1. 家具構造体に支持させハンガーの掛止部を、天板下面に近接する位置において下肢空間に収まる収納位置と下肢空間から外方に突出する使用位置との間で移動可能となる可動掛止部と、下肢空間の内奥に定在する固定掛止部とに役割分担させて構成したことを特徴とする天板付家具。
  2. ハンガーの基部が、天板下面に取り付けた固定レールと、この固定レールから出し入れ可能な可動レールとを具備し、前記可動レールに前記可動掛止部を設けている請求項1記載の天板付家具。
  3. 記固定レールに前記固定掛止部を設けている請求項2記載の天板付家具。
  4. 可動掛止部は可動レールに対して更にスライド可能に取り付けたものであり、この可動掛止部は、荷重が掛かることによって可動レールに対するスライド抵抗を増大させるように構成されている請求項1〜3のいずれかに記載の天板付家具。
  5. 掛止部が上向きに開くフック状をなしている請求項1〜4のいずれかに記載の天板付家具。
  6. 天板、側板及び背板によって三方を囲まれる下肢空間において、ハンガーを、少なくとも天板と側板の入隅部に沿って可動掛止部を移動させ得るように配置していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の天板付家具。
  7. ハンガーを、家具構造体である天板に幅方向位置変更可能に取り付け得るようにしている請求項1〜5のいずれかに記載の天板付家具。
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