JP2017207210A - 軸受装置の潤滑構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 転がり軸受を良好に潤滑することができ、かつ転がり軸受の内輪、内輪間座、およびこれらの内周に嵌合する主軸を効率良く冷却できる軸受装置の潤滑構造を提供する。【解決手段】 軸受装置は、軸方向に並ぶ複数の転がり軸受の外輪間および内輪3間に外輪間座4および内輪間座をそれぞれ介在させ、外輪および外輪間座4がハウジングに設置され、内輪3および内輪間座が主軸に嵌合される。外輪間座4に、内輪3または内輪間座の外周面に対してエアと油の混合物または油のみからなる潤滑用流体を吹き付けて転がり軸受に供給するノズル12を設ける。このノズル12は、吐出口側を主軸の回転方向の前方へ傾斜させて設ける。【選択図】 図3

Description

この発明は、軸受装置の潤滑構造に関し、例えば、工作機械の主軸および主軸に組み込まれる軸受装置の潤滑構造に関する。
工作機械の主軸装置では、加工精度を確保するのと加工能率を向上させる必要性から、主軸の支持に使用される軸受には低温度上昇と高速化の相反する技術が求められている。このことから、最近では軸受の冷却方法、潤滑方法等で種々新しい技術が紹介されている。
軸受の冷却方法に関しては、例えば特許文献1に、軸受間の空隙に冷風を、軸の回転方向に対し軸側の回転面を基準として−45°〜+45°の角度範囲で噴出させて軸を冷却し、間接的に軸受内輪の温度上昇を抑制する技術が開示されている。内輪を冷却すると、冷風により発生熱を放出する作用と、内輪温度の低下により軸受予圧を低減させる作用とがあり、これら作用により相乗的な軸受温度の抑制効果が期待できる。
また、軸受の潤滑方法に関しては、例えば特許文献2に、高速運転に適したエアオイル潤滑方法の技術が開示されている。この技術は、軸受内輪の外径面に軌道面に続く斜面部を設け、この斜面部にすきまを持って沿うリング状のノズル部材を設けている。ノズル部材には内輪斜面部にエアオイルを吐出するノズルが設けられており、ノズルより吐出されたエアオイル中の油を確実に斜面部に付着させることができる。付着した油は、回転により遠心力と付着力により、付着流れとなって油を確実に軸受内に導入される。それにより、軸受の高速化と共に、従来の給油方法と比べて低騒音化が可能となっている。
上記エアオイル潤滑方法の技術を、複数の転がり軸受が軸方向に並ぶ軸受装置に適用すると、例えば図19、図20のようになる。すなわち、図19に示すように、この軸受装置は、軸方向に並ぶ2つの転がり軸受1,1を備え、各転がり軸受1,1の外輪2,2間および内輪3,3間に、外輪間座4および内輪間座5がそれぞれ介在されている。この例では、転がり軸受1はアンギュラ玉軸受である。2つの転がり軸受1,は、外輪間座4と内輪間座5の幅寸法差により初期予圧を設定して使用される。
図20に示すように、外輪間座4は、外輪間座本体10と一対のノズル部材11,11とで構成され、各ノズル部材11に、転がり軸受1にエアオイルを供給するノズル12が設けられている。ノズル12の吐出口12aは内輪3の肩面(斜面部)3bとすきまδを介して対向している。内輪3の肩面3bには、ノズル12の吐出口12aと対向する軸方向位置に円周方向に並ぶ複数の環状凹み20が形成されている。
軸受潤滑用のエアオイルは、外部のエアオイル供給装置45より、供給口40、供給孔47、外輪間座4内の導入経路13を介して、ノズル12より吐出される。吐出されたエアオイル中の油は、内輪3の環状凹み20で内輪3に吹き付けられ、内輪3に付着する。付着した油は、付着力と内輪3の回転による遠心力により、肩面3bを付着流れとなって軌道面3aの側へ導かれて、転がり軸受1の潤滑に供される。
特開2000−161375号公報 特許第4261083号
軸受の高速化には、運転中の軸受温度の抑制と共に、潤滑油の確実な供給が必須条件となる。特許文献1の軸受温度抑制技術は、圧縮空気を利用した軸受の冷却であるため、比較的安価に装置の構築が可能である反面、多量の空気を消費する問題がある。また、特許文献2の潤滑方法は、潤滑に関しては良好な結果が得られるが、更なる高速化の要求に応えるために冷却効果をより一層高めることが求められる。
この発明の目的は、転がり軸受を良好に潤滑することができ、かつ転がり軸受の内輪、内輪間座、およびこれらの内周に嵌合する主軸を効率良く冷却できる軸受装置の潤滑構造を提供することである。
この発明の軸受装置の潤滑構造は、軸方向に並ぶ複数の転がり軸受の外輪間および内輪間に外輪間座および内輪間座をそれぞれ介在させ、前記外輪および外輪間座がハウジングに設置され、前記内輪および内輪間座が主軸に嵌合される軸受装置において、前記外輪間座に、前記内輪または前記内輪間座の外周面に対してエアと油の混合物または油のみからなる潤滑用流体を吹き付けて前記転がり軸受に供給するノズルを、このノズルの吐出口側を前記主軸の回転方向の前方へ傾斜させて設けたことを特徴とする。
この構成によると、外輪間座に設けられたノズルより内輪または内輪間座の外周面に潤滑用流体を吹き付けて、転がり軸受に潤滑用流体を供給する。潤滑用流体中の油が転がり軸受に安定して与えられ、転がり軸受を良好に潤滑することができる。
また、潤滑と同時に、潤滑用流体を内輪または内輪間座の外周面に吹き付けることにより、内輪または内輪間座を冷却する。ノズルは吐出口側を主軸の回転方向の前方へ傾斜させてあるため、潤滑用流体が内輪または内輪間座の外周面に沿う旋回流となって主軸の回転方向に安定して流れる。それにより、内輪または内輪間座の表面の熱を奪って、効果的に冷却することが期待できる。内輪または内輪間座が冷却されることにより、これらの内周に嵌合する主軸が冷却される。
この発明の軸受装置の潤滑構造において、前記ノズルの前記吐出口を、前記内輪の外周面における軌道面に対して前記内輪間座側に続く肩面にすきまを持って対向させると良い。また、前記肩面は、前記軌道面から離れるほど外径が大きくなる傾斜面とするのが良い。
ノズルの吐出口を内輪の肩面にすきまを持って対向させると、ノズルの吐出口から吐出された潤滑用流体が内輪の肩面に吹き付けられる。肩面に吹き付けられた潤滑用流体のうちの油が、肩面に沿って軌道面に導かれることで、内輪の軌道面を良好に潤滑することができる。肩面が傾斜面であると、肩面に付着した油に対して内輪の回転に伴う遠心力が作用し、外径側である内輪の軌道面に向けて油が円滑に導かれる。
また、潤滑用流体を内輪の肩面に直接吹き付けることにより、内輪を冷却する効果が高い。
この発明の軸受装置の潤滑構造において、前記ノズルは、前記潤滑用流体を前記内輪間座の外周面に向けて吐出するように設けられ、前記内輪間座の外周面を、前記ノズルから吐出された前記潤滑用流体を両側の前記転がり軸受へ導く形状としても良い。
この場合、ノズルの吐出口から吐出された潤滑用流体が内輪間座の外周面に吹き付けられる。内輪間座の外周面に吹き付けられた潤滑用流体は、内輪間座の外周面に沿って両側の転がり軸受に良好に導かれ、転がり軸受の潤滑に供される。また、潤滑用流体を内輪間座の外周面に直接吹き付けることにより、内輪間座を冷却する効果が高い。
前記内輪間座の外周面を、前記ノズルから吐出された前記潤滑用流体が吹き付けられる箇所の外径が最も小さく、前記箇所から前記転がり軸受に近づくほど外径が大きくなる傾斜面とし、前記内輪間座の外周面における軸方向外側端の外径を、前記転がり軸受の内輪における前記内輪間座側端の外径と比べて同じかまたは大きくすると良い。
内輪間座の外周面を上記形状の傾斜面とすると、ノズルから吐出された潤滑用流体のうちの内輪間座の外周面に付着した油を、内輪間座の回転に伴う遠心力により内輪間座の外周面に沿って転がり軸受側へ円滑に導くことができる。
また、前記内輪間座の外周面に、前記ノズルから吐出された前記潤滑用流体が吹き付けられる箇所に位置する円周溝と、一端が前記円周溝に繋がり前記主軸の回転方向に円周位相がずれるほど前記転がり軸受に近づく螺旋溝とを設けても良い。
この場合は、ノズルから吐出された潤滑用流体のうちの油が内輪間座の円周溝に溜まり、その油が、内輪間座の回転に伴い螺旋溝に沿って転がり軸受側へ円滑に送られる。
前記潤滑用流体は、エアにより液状の油を搬送するエアオイルであっても良く、またはエアにより霧状の油を搬送するオイルミストであっても良い。
この発明の軸受装置の潤滑構造は、工作機械の主軸の支持に好適に用いることができる。その場合、転がり軸受を良好に潤滑することができ、かつ転がり軸受の内輪、内輪間座、およびこれらの内周に嵌合する主軸を効率良く冷却できるので、高速な領域での運転が可能となる。
この発明の軸受装置の潤滑構造は、軸方向に並ぶ複数の転がり軸受の外輪間および内輪間に外輪間座および内輪間座をそれぞれ介在させ、前記外輪および外輪間座がハウジングに設置され、前記内輪および内輪間座が主軸に嵌合される軸受装置において、前記外輪間座に、前記内輪または前記内輪間座の外周面に対してエアと油の混合物または油のみからなる潤滑用流体を吹き付けて前記転がり軸受に供給するノズルを、このノズルの吐出口側を前記主軸の回転方向の前方へ傾斜させて設けたため、転がり軸受を良好に潤滑することができ、かつ転がり軸受の内輪、内輪間座、およびこれらの内周に嵌合する主軸を効率良く冷却できる。
この発明の第1の実施形態に係る潤滑構造を備えた軸受装置が組み込まれた主軸装置の断面図である。 図1の一部を抽出して拡大した図である。 図1のIII−III断面の一部を抽出して表した図である。 図3の部分拡大図である。 図2に表わされる部分の変形例を示す図である。 図2に表わされる部分の他の変形例を示す図である。 図6に示す変形例の油排出部の断面図である。 この発明の第2の実施形態に係る潤滑構造を備えた軸受装置が組み込まれた主軸装置の断面図である。 同軸受装置の断面図である。 図9のX−X断面図である。 図10の部分拡大図である。 図9に示す軸受装置の変形例の断面図である。 図12の部分拡大図である。 図9に示す軸受装置の他の変形例の断面図である。 図14の部分拡大図である。 図9に示す軸受装置のさらに他の変形例の断面図である。 図16の部分拡大図である。 参考例として軸受装置の図9におけるX−X断面に相当する断面図である。 提案例である潤滑構造を備えた軸受装置の断面図である。 図19の一部を抽出して拡大した図である。
この発明の第1の実施形態に係る軸受装置の潤滑構造を図1ないし図4と共に説明する。
図1に示すように、この軸受装置は、軸方向に並ぶ2つの転がり軸受1,1を備え、各転がり軸受1,1の外輪2,2間および内輪3,3間に、外輪間座4および内輪間座5がそれぞれ介在されている。転がり軸受1はアンギュラ玉軸受であり、内外輪3,2の軌道面3a,2a間に複数の転動体8が介在されている。各転動体8は、保持器9により円周等配に保持される。2つの転がり軸受1,1は互いに背面組合せで配置されており、外輪間座4と内輪間座5の幅寸法差により、各転がり軸受1,1の初期予圧を設定して使用される。
図1は軸受装置を工作機械の主軸の支持に用いた状態を示す。転がり軸受1,1の外輪2,2および外輪間座4がハウジング6の内周面に嵌合し、転がり軸受1,1の内輪3,3および内輪間座5が主軸7の外周面に嵌合している。外輪2,2および外輪間座4は、例えばハウジング6に対してすきま嵌めとされ、ハウジング6の段部6aと端面蓋40とにより軸方向の位置決めがされる。また、内輪3,3および内輪間座5は、例えば主軸7に対して締まり嵌めとされ、両側の位置決め間座41,42により軸方向の位置決めがされる。なお、図の左側の位置決め間座42は、主軸7に螺着させたナット43により固定されている。
図2に示すように、外輪間座4は、断面略T字形状の外輪間座本体10と、この外輪間座本体10におけるT字の縦部分に相当する部位の両側に配置された一対のリンク状のノズル部材11,11とで構成される。各ノズル部材11は、転がり軸受1に潤滑用流体であるエアオイルを供給するノズル12を有する。ノズル12は、ノズル部材11における軸受内に突出する突出部11aに設けられている。ノズル12の吐出口12aは前記突出部11aの内周面に開口しており、この内周面は、内輪3の軌道面3aに続く傾斜面からなる肩面3bとすきまδaを介して対向している。このすきまδaの大きさは、例えばノズル12の口径の1/2以下とされている。これは、騒音の問題を考慮した場合に、ノズル12から吐出されたエアオイルの圧力が急激に降下しないようにするためである。
内輪3の肩面3bの傾斜角度αは、肩面3bに吹き付けられたエアオイルの油が肩面3b上で付着流れとなって軌道面3aに導入できる角度とされる。具体的には、主軸7の回転速度の指標となるdmn値(dm:転動体8のピッチ円径mm、n:最高回転速度min−1)に比例し、下記の式1(「エアオイル潤滑における供給油量の微小化」NTN TECHICAL REVIEW No72(2004)15 から引用)により概略値を求めること
ができる。
α°=0.06×dmn値/10000・・・式1
図3に示すように、上記ノズル12は、円周方向に等配で複数個(この例では3個)設けられている。各ノズル12は、直線状であって、吐出口12a側を主軸7の回転方向L1の前方へ傾斜させてある。つまり、各ノズル12は、外輪間座4の軸心に垂直な断面における任意の半径方向の直線L2から、この直線L2と直交する方向にオフセットした位置にある。そのオフセット量OSは、例えばノズル12位置での内輪3の外径寸法Dに対し、0.4D〜0.5Dの範囲とする。なお、ノズル12は、円周方向に1個だけ設けてもよい。
図2において、外輪間座本体10およびノズル部材11には、ノズル12にエアオイルを導入する導入経路13が設けられている。この導入経路13は、外輪間座本体10の外周面に形成された環状溝からなる外部導入口14と、この外部導入口14から内径側へ延びる複数(ノズル12と同数)の径方向孔15と、この径方向孔15の孔底部から軸方向に延びる軸方向孔16とからなり、軸方向孔16の先端がノズル12の吐出口12aと反対側端と連通している。上記軸方向孔16は、外輪間座本体10に形成された部分16aとノズル部材11に形成された部分16bとを有し、両部分16a,16bの接続部となるノズル部材11の側面には両部分16a,16bよりも大径の座繰り孔部16cが設けられている。なお、ノズル12が円周方向に1個だけである場合、前記外部導入口14は座繰り孔であってもよい。
図1に示すように、外輪間座本体10におけるノズル部材11の外径端よりも軸方向に張り出した部分に、エアオイルの排気口となる切欠き16が設けられている。外輪間座4に隣接して転がり軸受1の外輪2が配置されることで、切欠き16が、転がり軸受1の軸受空間と軸受装置の外部とを連通する開口形状となる。
主軸装置の外部にエアオイル供給装置45が設けられており、このエアオイル供給装置45から送り出されるエアオイルが、端面蓋40の供給口46およびハウジング6内の供給孔47を通って、外輪間座4の前記外部導入口14に供給される。また、ハウジング6には排気孔48が設けられている。この排気孔48は、接続孔49を介して外輪間座本体10の前記切欠き16と連通している。
この構成の軸受装置は、エアオイル供給装置45より供給されるエアオイルが、外輪間座4の導入経路13を通ってノズル12から吐出される。前記すきまδaの大きさをノズル12の口径の1/2以下としたことにより、ノズル12から吐出されたエアオイルの圧力が急激に降下することがなく、騒音の発生を抑えることができる。吐出されたエアオイルは内輪3の肩面3bに吹き付けられ、エアオイルの油が肩面3bに付着する。この油は、内輪3の回転に伴う遠心力により、傾斜面である肩面3bに沿って大径側の軌道面3aの側へ円滑に導かれる。肩面3bの傾斜角度αを前記式1で表わされる角度としたことにより、油の良好な付着流れが得られる。このように、エアオイルの油が転がり軸受1に安定して供給されるので、転がり軸受1を常に良好に潤滑することができる。
また、潤滑と同時に、エアオイルが内輪3に吹き付けられることにより、内輪3が冷却される。ノズル12は吐出口12a側を主軸7の回転方向の前方へ傾斜させてあるため、エアオイルが内輪3の外周面に沿う旋回流となって主軸7の回転方向に安定して流れる。それにより、内輪3の表面の熱を奪って、効果的に冷却することが期待できる。ノズル12のオフセット量OSを内輪3の外径寸法Dの0.4〜0.5倍とすることにより、冷却効果が最も良好となることが、試験により確かめられている。内輪3が冷却されることにより、内輪3の内周に嵌合する主軸7も冷却される。
図5に示すように、内輪3の肩面3bにおけるエアオイルが吹き付けられる軸方向位置に、環状凹み20を設けてもよい。環状凹み20が設けられていると、ノズル12から吐出されたエアオイルの吐出流速が増し、肩面3bに沿う油の付着流れが良好に行われる。
図6に示すように、ノズル部材11の内周面における軸方向端に、他よりも内径が小さい凸条21を設けてもよい。この凸条21と内輪3の肩面3bのすきまδbは、(すきまδbの寸法)×(すきまδbのノズル12位置での円周方向長さ)がノズル12の総孔径面積の10倍程度となるようにする。ノズル12の総孔径面積とは、1個のノズル12の孔径面積にノズル12の個数を乗じた面積のことである。このようにすきまδbを決めることにより、凸条21が、ノズル12から吐出されるエアオイルの噴射音が転がり軸受1側へ漏れ出るのを防ぐ遮音壁として機能し、低騒音化が図れる。
潤滑用流体は、エアにより霧状の油を搬送するオイルミストであってもよい。また、潤滑用流体が油のみからなる油潤滑としてもよい。油潤滑は、エアオイル潤滑およびオイルミスト潤滑よりも内輪3の冷却効果が期待できる。油潤滑の場合も、第1の実施形態またはその変形例(図5、図6)と同じ構成とすることができる。
油潤滑では、エアの噴射音が発生しないので、図6の構成における遮音壁としての凸条21は不要である。ただし、図6と同様の凸条21を設けて、この凸条21を転がり軸受1内に流入する油の量を抑制するために機能させることは有効である。すきまδbの寸法を調整することで潤滑油量の制御ができ、内輪3を冷却しながら内輪3の肩面3bでの付着流れを利用した少量油潤滑が可能となる。油潤滑での内輪3の肩面3bの角度αも、エアオイル潤滑で用いた前記式1で同様に求められる。また、ノズル12の回転方向L1に対する角度は、0°または転がり軸受1内への流入油量が過多にならないように、エアオイル潤滑の場合と逆に内輪3の軌道面3aと逆方向に僅かに傾けてもよい。
油潤滑でノズル部材11に前記凸条21を設ける場合、ノズル12から吐出される油のうち、凸条21と内輪3の肩面3bのすきまδbから排出される油の量は制限されるので、残りの油の排出について考慮する必要がある。図7は、油の排出について工夫した油排出部の一例を示す。この例では、外輪間座本体10の内周面をノズル部材11の内周面よりも外径側に後退させて、外輪間座本体10と内輪間座5との間に油溜り部22を設けると共に、外輪間座本体10と接するノズル部材11の内側面および外周面に、油溜り部22およびノズル部材11の軸方向外側と連通する排油溝23,24をそれぞれ設けてある。排油ポンプ(図示せず)等で吸引することにより、油溜り部22の油が、排油溝23,24および前記切欠き16を通って軸受装置の外部に排出される。
図8ないし図12は、この発明の第2の実施形態に係る軸受装置の潤滑構造を示す。図8に示すように、この軸受装置も、第1の実施形態と同様に、軸方向に並ぶ2つの転がり軸受1,1と、外輪間座4と、内輪間座5とでなり、工作機械の主軸7の支持に用いられている。第1の実施形態と同じ構成である箇所は同じ符号を付して示し、説明は省略する。
第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、図9に示すように、外輪間座4が一つの部材で構成され、この外輪間座4の軸方向中央部に、転がり軸受1にエアオイルを供給するノズル12が設けられていることである。ノズル12の吐出口12aは、外輪間座4の内周面に開口している。外輪間座4の内周面は、内輪間座5の外周面にすきまδcを介して対向している。
図10およびその部分拡大図である図11に示すように、上記ノズル12は、円周方向に等配で複数個(この例では3個)設けられている。各ノズル12は、直線状であって、吐出口12a側を主軸7の回転方向L1の前方へ傾斜させてある。つまり、各ノズル12は、外輪間座4の軸心に垂直な断面における任意の半径方向の直線L2から、この直線L2と直交する方向にオフセット(オフセット量OS)した位置にある。なお、ノズル12は、円周方向に1個だけ設けてもよい。
図9において、外輪間座4には、ノズル12にエアオイルを導入する導入経路13が設けられている。この導入経路13は、外輪間座4の外周面に形成された環状溝からなる外部導入口14と、この外部導入口14と各ノズル12とを連通するノズル12と同数の連通孔30とからなる。なお、ノズル12が円周方向に1個だけである場合、前記外部導入口14は座繰り孔であってよい。
この第2の実施形態の外輪間座4には、第1の実施形態の外輪間座4に設けられているエアオイルの排気用の切欠き16(図1)が設けられていない。
この構成の軸受装置は、エアオイル供給装置45より供給されるエアオイルが、外輪間座4の導入経路13を通ってノズル12から吐出される。図9に矢印で示すように、吐出されたエアオイルは、内輪間座5の外周面に対して吹き付けられ、外輪間座4と内輪間座5の間のすきまδcを通って両側の転がり軸受1に向かって流れ、さらに転がり軸受1を通過して軸受外に排出される。エアオイルが転がり軸受1を通過する際に、エアオイル中の油が転がり軸受1の各部に付着して潤滑に供される。
また、潤滑と同時に、エアオイルが内輪間座5に吹き付けられることにより、内輪間座5が冷却される。ノズル12は吐出口12a側を主軸7の回転方向の前方へ傾斜させてあるため、エアオイルが内輪間座5の外周面に沿う旋回流となって主軸7の回転方向に安定して流れる。それにより、内輪間座5の表面の熱を奪って、効果的に冷却することが期待できる。内輪間座5が冷却されることにより、内輪間座5に接する内輪3およびの主軸7も冷却される。
図12、図13は第2の実施形態の変形例を示す。この軸受装置は、内輪間座5の外周面を、ノズル12から吐出されたエアオイルが吹き付けられる箇所Aの外径が最も小さく、前記箇所Aから転がり軸受1に近づくほど外径が大きくなる断面形状がV字形の傾斜面とし、内輪間座5の外周面における軸方向外側端B,Bの外径を、転がり軸受1の内輪3における内輪間座側端Cの外径と比べて同じか、または大きくした。これにより、図13に示すように、ノズル12から吐出されたエアオイルのうちの内輪間座5の外周面に付着した油25を、内輪間座5の回転に伴う遠心力により内輪間座5の外周面に沿って転がり軸受1側へ円滑に導くことができる。
また、図14、図15に示すように、外輪間座4の内周面を、内輪間座5の外周面と平行となる断面形状山形に形成してもよい。この場合、外輪間座4と内輪間座5のすきまが軸方向の全域にわたって狭くなる。そうすることで、エアオイルのうちのエアが、速い流速のまま転がり軸受1に向かって流れる。そのエアの流れに導かれて、内輪間座5の外周面に付着した油が転がり軸受1に向かって円滑に流れる。
図16、図17は異なる変形例を示す。この軸受装置は、内輪間座5の外周面に、ノズル12から吐出されたエアオイルが吹き付けられる箇所に位置する円周溝26と、一端が円周溝26に繋がり主軸7の回転方向L1に円周位相がずれるほど転がり軸受1に近づく螺旋溝27,27とを設けた。この場合は、ノズル12から吐出されたエアオイルのうちの油25が内輪間座5の円周溝26に溜まり、その油25が、内輪間座26の回転に伴い螺旋溝27に沿って転がり軸受1側へ円滑に送られる。つまり、ねじポンプの効果を利用して油25を送る。
この発明の範囲からは外れるが、エアオイル等の潤滑用流体を外輪間座4に設けたノズル12から内輪間座5の外周面に吹き付けて、転がり軸受1の潤滑と軸受装置と主軸7の冷却を行う場合、図18のように、ノズル12の吐出口12aが主軸7の回転方向L1の前方へ傾斜されていなくても、傾斜させたものと比べて冷却効果が劣るものの、それなりの冷却効果は得ることができる。
この発明の軸受装置の冷却構造は、各実施形態で説明したように軸受装置および主軸7の冷却効果が高いので、主軸装置を高速な領域で運転させることが可能となる。このため、この軸受装置を、工作機械の主軸の支持に好適に用いることができる。
1…転がり軸受
2…外輪
2a…軌道面
3…内輪
3a…軌道面
3b…肩面
4…外輪間座
5…内輪間座
6…ハウジング
7…主軸
12…ノズル
12a…吐出口
25…油
26…円周溝
27…螺旋溝
L1…回転方向
δa…すきま

Claims (8)

  1. 軸方向に並ぶ複数の転がり軸受の外輪間および内輪間に外輪間座および内輪間座をそれぞれ介在させ、前記外輪および外輪間座がハウジングに設置され、前記内輪および内輪間座が主軸に嵌合される軸受装置において、
    前記外輪間座に、前記内輪または前記内輪間座の外周面に対してエアと油の混合物または油のみからなる潤滑用流体を吹き付けて前記転がり軸受に供給するノズルを、このノズルの吐出口側を前記主軸の回転方向の前方へ傾斜させて設けたことを特徴とする軸受装置の潤滑構造。
  2. 請求項1に記載の軸受装置の潤滑構造において、前記ノズルの前記吐出口を、前記内輪の外周面における軌道面に対して前記内輪間座側に続く肩面にすきまを持って対向させた軸受装置の潤滑構造。
  3. 請求項2に記載の軸受装置の潤滑構造において、前記肩面は、前記軌道面から離れるほど外径が大きくなる傾斜面である軸受装置の潤滑構造。
  4. 請求項1に記載の軸受装置の潤滑構造において、前記ノズルは、前記潤滑用流体を前記内輪間座の外周面に向けて吐出するように設けられ、前記内輪間座の外周面を、前記ノズルから吐出された前記潤滑用流体を両側の前記転がり軸受へ導く形状とした軸受装置の潤滑構造。
  5. 請求項4に記載の軸受装置の潤滑構造において、前記内輪間座の外周面は、前記ノズルから吐出された前記潤滑用流体が吹き付けられる箇所の外径が最も小さく、前記箇所から前記転がり軸受に近づくほど外径が大きくなる傾斜面であり、前記内輪間座の外周面における軸方向外側端の外径は、前記転がり軸受の内輪における前記内輪間座側端の外径と比べて同じかまたは大きい軸受装置の潤滑構造。
  6. 請求項4に記載の軸受装置の潤滑構造において、前記内輪間座の外周面に、前記ノズルから吐出された前記潤滑用流体が吹き付けられる箇所に位置する円周溝と、一端が前記円周溝に繋がり前記主軸の回転方向に円周位相がずれるほど前記転がり軸受に近づく螺旋溝とを設けた軸受装置の冷却構造。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の軸受装置の潤滑構造において、前記潤滑用流体は、エアにより液状の油を搬送するエアオイル、またはエアにより霧状の油を搬送するオイルミストである軸受装置の潤滑構造。
  8. 工作機械の主軸の支持に用いられる請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の軸受装置の潤滑構造。
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