JP2017206745A - 板ガラス保持具 - Google Patents
板ガラス保持具 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017206745A JP2017206745A JP2016100315A JP2016100315A JP2017206745A JP 2017206745 A JP2017206745 A JP 2017206745A JP 2016100315 A JP2016100315 A JP 2016100315A JP 2016100315 A JP2016100315 A JP 2016100315A JP 2017206745 A JP2017206745 A JP 2017206745A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- support plate
- plate glass
- plate
- glass
- recess
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】板ガラスの被成膜面の損傷を防止するとともに、この板ガラスを好適に保持するカルーセル型スパッタリング装置用板ガラス保持具の提供。【解決手段】板ガラス保持具1は、板ガラスGの第一の面Gaを支持する第一支持板2と、板ガラスGの第二の面Gbを支持する第二支持板3とを備え、第二支持板3は、板ガラスGの第二の面Gbを露出させる開口部8を有し、第二支持板3は、ロックウェル硬度が90〜140の材料により構成される板ガラス保持具1。更に、第1支持板2及び第2支持板3を支持する金属製の第3支持板4を備える板ガラス保持具1。【選択図】図1
Description
本発明は、例えば板ガラスに成膜を行うカルーセル型スパッタリング装置に使用される板ガラス保持具に関する。
周知のように、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ等のフラットパネルディスプレイや、太陽電池、電磁調理器等の電気・電子機器に組み込まれる板ガラスの表面には、透明導電膜、反射防止膜等の機能性膜が必要に応じて形成される。
板ガラスに成膜を行うための手法の一つとして、スパッタリング法を挙げることができる。例えば特許文献1には、スパッタリング法を利用して被成膜部材に成膜を行うカルーセル型スパッタリング装置、及び、同装置用のホルダが開示されている。
上記のカルーセル型スパッタリング装置は、チャンバ内に配置されたカルーセル(回転ドラム)に、被成膜部材を保持するホルダを装着し、カルーセルを回転させながら、カルーセルの外側に配置されたターゲットから膜材料(ターゲットを構成する原子)を飛散させ、被成膜部材の表面(被成膜面)に膜材料を堆積させて膜を形成するように構成されている。
そして、同装置用のホルダは、被成膜部材が挿入される開口部と、この開口部の内壁から内側に向かって突出し、且つ、開口部に挿入された被成膜部材に表面側から当接するフランジ部との両部を有した金属製の取付部を備える。また、ホルダは、遠心力によって旋回中の被成膜部材を裏面側から押圧し、被成膜部材を取付部のフランジ部に押し付ける押さえ部材を備えている。
上記のように、従来のカルーセル型スパッタリング装置に使用されるホルダは、金属製の取付部におけるフランジ部を被成膜部材の表面(被成膜面)に当接させることにより、この被成膜部材を支持する。しかしながら、例えば被成膜部材が板ガラスである場合、フランジ部の硬度が相対的に高いため、このフランジ部が板ガラスの表面を傷つけるおそれがあった。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、板ガラスの被成膜面の損傷を防止するとともに、この板ガラスを好適に保持することが可能な板ガラス保持具を提供することを目的とする。
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、第一の面及び第二の面を有する板ガラスを保持する板ガラス保持具であって、前記板ガラスの前記第一の面を支持する第一支持板と、前記板ガラスの前記第二の面を支持する第二支持板と、を備え、前記第二支持板は、前記第二の面を露出させる開口部を有しており、かつロックウェル硬度が90以上140以下の材料により構成されてなることを特徴とする。
上記の構成によれば、第二支持板に開口部を形成することにより、この開口部を介して板ガラスの第二の面を露出させることができる。これにより、第一支持板と第二支持板とによって板ガラスを支持しつつ、露出した板ガラスの第二の面に対してスパッタリングによる成膜を行うことができる。
さらに、第二支持板は、ロックウェル硬度が90以上140以下の材料により構成されることで、板ガラスの第二の面を傷つけることなく支持し、カルーセルの回転中においても変形することのない十分な剛性を備えたものとなる。以上により、板ガラスの被成膜面(第二の面)の損傷を防止するとともに、この板ガラスを好適に保持することができ、機能性膜を板ガラスの第二の面に精度良く形成できる。
本発明に係る板ガラス保持具は、前記第一支持板及び前記第二支持板を支持する金属製の第三支持板をさらに備えることが望ましい。
金属製の第三支持板は、第一支持板及び第二支持板がカルーセルの遠心力によって飛ばされないように、これらを確実に支持できる。さらに、第一支持板及び第二支持板を金属製の第三支持板により支持することで、成膜中における第一支持板、第二支持板、及び板ガラスの変形を防止できる。
本発明に係る板ガラス保持具では、前記第三支持板の表面粗さRaが、5μm以上25μm以下であることが望ましい。
第三支持板の表面粗さRaをこの数値範囲に設定することで、第三支持板にターゲットからの膜材料が付着した場合に、膜部材がこの第三支持板から剥離し難くなる。これにより、第三支持板に付着した膜材料が剥離して板ガラスに接触することによる成膜不良の発生を防止できる。
また、前記第一支持板は、前記板ガラスが嵌合する凹部を有することが望ましい。これによれば、板ガラスを凹部に嵌合させることで、第一支持板に対する板ガラスの位置決めを容易に行うことが可能になる。同様の観点から、前記第二支持板においても、前記板ガラスが嵌合する凹部を有することが望ましい。
さらに、前記第二支持板は、前記板ガラスの前記第二の面に接触する押圧部を有することが望ましい。第二支持板の押圧部が板ガラスの第二の面に接触してこれを押圧することにより、成膜中における板ガラスの位置ずれを防止できる
また、前記押圧部は、前記板ガラスの前記第二の面における周縁部の全周に亘って接触するように構成されてなることが望ましい。このように押圧部は、板ガラスの第二の面に集中荷重を付与することなく、均等な力で板ガラスを押圧する。これにより、成膜中における板ガラスの変形・破損を確実に防止できる。
なお、前記第二支持板は、PEEKにより構成されてなることが望ましい。
本発明によれば、板ガラスの被成膜面の損傷を防止するとともに、この板ガラスを好適に保持することが可能になる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。図1乃至図10は、本発明に係る板ガラス保持具の第一実施形態を示す。
図1及び図3に示すように、板ガラスGは、四角形状(長方形状)のものを例示するが、この形状に限定されない。板ガラスGの角部には面取り(R面取り)処理が施されている。この板ガラスGは、第一の面Gaと、第二の面Gbとを有する。本実施形態では、板ガラスGの第二の面Gbに対して機能性膜が形成されるものとする。
図1及び図2に示すように、板ガラス保持具1は、板ガラスGの第一の面Gaに接触する第一支持板2と、板ガラスGの第二の面Gbの一部に接触する第二支持板3と、第一支持板2及び第二支持板3を支持する第三支持板4とを備える。
図1、図2及び図4に示すように、第一支持板2は、樹脂製で四角形状(例えば長方形状)に構成されるが、これに限定されるものではない。第一支持板2は、例えばPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)により構成されるが、これに限定されるものではなく、他の樹脂又は金属により構成されてもよい。なお、第一支持板2のロックウェル硬度は、90以上140以下であることが好ましい。第一支持板2は、板ガラスGの面積よりも大きな面積を有し、板ガラスGにおける第一の面Gaの全面と接触する。
より具体的には、第一支持板2は、板ガラスGが嵌合する凹部5を有する。この凹部5は、図4に示すように、板ガラスGの形状に対応するように、平面視において四角形状に構成される。凹部5の深さ寸法は、板ガラスGの厚さ寸法よりも小さい。凹部5に板ガラスGを嵌め込むと、板ガラスGの第一の面Gaは、その全面が凹部5の底面5aに接触する。
また、第一支持板2は、この第一支持板2を第三支持板4に固定するための複数(図例では四つ)のねじ孔6を有する。
第二支持板3は、樹脂により四角形状(例えば長方形状)に構成されている。第二支持板3は、例えばPEEKにより構成されているが、他の樹脂、木材等の他の材料により構成されてもよい。第二支持板3のロックウェル硬度は、90以上140以下とされることが望ましい。この硬度が90未満であると、成膜中に第二支持板3自身が変形してしまい、板ガラスGを好適に保持することができない。一方、この硬度が140を超えると、第二支持板3が板ガラスの第二の面Gbを傷つけるおそれがあるため、好ましくない。なお、本実施形態において、ロックウェル硬度は、ASTM D−785(2015)のRスケールに基づいて測定されるものとする。
図1、図2及び図5に示すように、第二支持板3は、板ガラスGが嵌合する凹部7と、板ガラスGの第二の面Gbを露出させる開口部8とを有する。凹部7及び開口部8は、平面視において四角形状(例えば長方形状)に構成されるが、これに限定されるものではない。凹部7の幅寸法及び長さ寸法は、開口部8の幅寸法及び長さ寸法よりも大きい。図5に示すように、凹部7と開口部8は同心状に形成されており、凹部7の底面7aが開口部8の周囲を囲むように環状に形成されている。
第二支持板3における凹部7の深さ寸法は、板ガラスGの厚さ寸法よりも小さい。より具体的には、第一支持板2における凹部5の深さ寸法と、第二支持板3における凹部7の深さ寸法との和は、板ガラスGの厚さ寸法よりも小さい。
この凹部7の底面7aは、板ガラスGが嵌め込まれたときに、この板ガラスGの第二の面Gbに接触してこれを押圧する。すなわち、凹部7の底面7aは、板ガラスGの表面に接触する押圧部7aとして機能する。この押圧部7aは、板ガラスGの第二の面Gbにおける周縁部の全周に亘って接触する。なお、図3においてクロスハッチングにて表す部分は、押圧部7aが板ガラスGの第二の面Gbに接触する範囲を示す。
第三支持板4は、金属製であり、例えばステンレス鋼(SUS)により四角形状(例えば長方形状)に構成されるが、これに限定されない。図1、図2及び図6に示すように、第三支持板4は、第一支持板2が嵌合する第一凹部9と、第二支持板3が嵌合する第二凹部10と、板ガラスGの第二の面Gbを露出させる開口部11とを有する。図6に示すように、第一凹部9、第二凹部10、及び開口部11は、同心状に形成されている。
図6に示すように、第一凹部9は、第一支持板2の形状に対応するように平面視四角形状(例えば長方形状)に構成される。第一凹部9の底面9aは、第一支持板2がこの第一凹部9に嵌合したときに、この第一支持板2における一方の面2aに接触する。第一凹部9の深さ寸法は、第一支持板2の厚さ寸法とほぼ等しいが、これより大きくてもよい。
第二凹部10は、第二支持板3の形状に対応するように、平面視四角形状(例えば長方形状)に構成される。第二凹部10の底面10aは、第二支持板3がこの第二凹部10に嵌合したときに、この第二支持板3における一方の面3aに接触する。第二凹部10の幅寸法及び長さ寸法は、第一凹部9の幅寸法及び長さ寸法よりも小さい。第二凹部10の深さ寸法は、第二支持板3の厚さ寸法とほぼ等しい。
図6に示すように、第三支持板4の開口部11は、平面視四角形状(例えば長方形)に構成される。開口部11の幅寸法及び長さ寸法は、第二支持板3の開口部8の幅寸法及び長さ寸法よりも大きく、第二凹部10の幅寸法及び長さ寸法よりも小さい。
第三支持板4は、第一支持板2をこの第三支持板4に固定するための複数(例えば四つ)の第一貫通孔12と、この第三支持板4をカルーセルの一部に固定するための複数(例えば四つ)の第二貫通孔13とを有する。
図1及び図2に示すように、第一貫通孔12は、第三支持板4における第一凹部9の底面9aに連通している。第一貫通孔12は、第一支持板2が第一凹部9に嵌合したときに、この第一支持板2におけるねじ孔6に一致する位置に形成されている。
図1及び図2に示すように、第二貫通孔13は、第三支持板4の一方の面4aから他方の面4bまで貫通している。図6に示すように、第二貫通孔13は、互いに連なるように形成される大径部13aと小径部13bとを有する。
第三支持板4は、その一方側の面4aにサンドブラスト加工(粗面加工)が施されている。この第三支持板4の一方の面4aにおける表面粗さ(算術平均粗さ)Raは、5μm以上25μm以下とされることが望ましい。第三支持板4の表面粗さRaを、この数値範囲にすることで、スパッタリング装置のターゲットTGから放出された膜材料がこの面4aに付着した場合に、この膜材料をこの面4aから剥離し難くすることができる。これにより、第三支持板4に付着した膜材料が、剥離して板ガラスGの第二の面Gbに形成される機能性膜に付着するという事態を回避できる。
以下、上記構成の板ガラス保持具1の使用方法について説明する。まず、板ガラスGを第一支持板2の凹部5に嵌め込む。このとき、凹部5が上方を向くように、第一支持板2を載置台等に載せた状態で、この凹部5に板ガラスGを嵌合させる。これにより、凹部5の底面5aが板ガラスGの第一の面Gaに接触する。
このとき、既述のように凹部5の深さ寸法が板ガラスGの厚さ寸法よりも小さいことから、この凹部5に嵌め込まれた板ガラスGは、図7に示すように、その上側の部分が凹部5から食み出る。
次に、第二支持板3を第一支持板2に重ね合わせ、その凹部7に板ガラスGを嵌合させる。この場合、第二支持板3の凹部7が下方を向くようにし、この凹部7と第一支持板2の凹部5とを対向させる。そして、第二支持板3の凹部7を、第一支持板2の凹部5から食み出ている板ガラスGの部分に嵌め込む。
このとき、既述のように第一支持板2における凹部5の深さ寸法と第二支持板3における凹部7の深さ寸法との和が、板ガラスGの厚さ寸法よりも小さいことから、図8に示すように、第一支持板2と第二支持板3との間に隙間Cが生じる。すなわち、板ガラスGを各凹部5,7に嵌合させた状態において、第一支持板2と第二支持板3とは、この隙間Cの分だけ離間する。
また、第二支持板3の凹部7における押圧部7a(底面)が、板ガラスGの第二の面Gbの周縁部に接触する。以上により、板ガラスGは、第一支持板2と第二支持板3とに挟まれた状態となる。この状態において、板ガラスGの第二の面Gbは、押圧部7aが接触した部分を除き、第二支持板3の開口部8から露出する。
次に、第三支持板4を第一支持板2及び第二支持板3に被せる。具体的には、第三支持板4の一方の面4aが上方を向くようにし、そして第三支持板4の第一凹部9に第一支持板2を嵌合させ、第二凹部10に第二支持板3を嵌合させる。
このとき、第一支持板2のねじ孔6と、第三支持板4の第一貫通孔12とが一致した状態となる。この状態において、固定部材としてねじ部材Sを第一貫通孔12に挿入するとともに、そのねじ部をねじ孔6に螺合させる。これにより、第一支持板2、第二支持板3及び第三支持板4は一体化される。このとき、第一支持板2及び第二支持板3は、全て第三支持板4の内部(第一凹部9、第二凹部10)に収容されることになり、板ガラス保持具1の厚さは、第三支持板4の厚さと同じになる(図2参照)。
ねじ部材Sを締め付けることにより、第一支持板2の凹部5における底面5aが、板ガラスGの第一の面Gaを押圧する。また、第三支持板4の第二凹部10における底面10aが第二支持板3の一方の面3aを押圧する。これにより、第二支持板3の押圧部7aは、接触している板ガラスGの第二の面Gb部分を押圧する。このようにして、板ガラスGは、第一支持板2及び第二支持板3によって挟持されることとなる。
また、この状態では、第二支持板3の開口部8から露出する板ガラスGの第二の面Gbは、さらに第三支持板4の開口部11を通じて露出した状態となる。以上により、板ガラス保持具1による板ガラスGの保持が完了する。
次に、上記のように板ガラスGを保持した板ガラス保持具1を複数用意し、図9に示すように、カルーセルの取付治具14に、各板ガラス保持具1を固定する。この取付治具14には、ねじ孔(図示せず)が形成されており、そのねじ孔には、ねじ部材(図示せず)が嵌め込まれている。
板ガラス保持具1は、第二貫通孔13の大径部13aをこのねじ部材Sに挿通した後、ねじ部材Sの軸部が小径部13bに係合するように、板ガラス保持具1を移動させ、その後に、ねじ部材Sを締め付ける。これにより、板ガラス保持具1は、カルーセルの取付治具14に固定される。このとき、板ガラス保持具1は、第三支持板4がカルーセルにおける半径方向の外方側に配置され、第一支持板2がカルーセルにおける半径方向の内方側に配置される。
その後、スパッタリング装置により、板ガラスGに機能性膜が形成される。図10に示すように、板ガラス保持具1に保持される板ガラスGは、その第二の面Gbがカルーセルの半径方向外方側に向いている。スパッタリング装置は、板ガラス保持具1が所定の円軌道上を移動するように、カルーセルを回転軸Xまわりに回転させる。
図10に示すように、カルーセルの半径方向外方側には、ターゲットTGが配置されている。カルーセルの回転により、各板ガラス保持具1は、ターゲットTGの前方を繰返し通過する。板ガラス保持具1に保持される板ガラスGは、ターゲットTGを通過する度に、その第二の面Gbに、ターゲットTGから放出された膜材料が付着する。カルーセルを所定回数回転させることにより、所定厚さの機能性膜が板ガラスGの第二の面Gbに形成される。なお、板ガラスGにおける第二の面Gbのうち、第二支持板3の押圧部7aが接触する部分には、機能性膜は形成されない。
以上説明した本実施形態に係る板ガラス保持具1によれば、第一支持板2、第二支持板3及び第三支持板4によって板ガラスGを支持しつつ、第二支持板3の開口部8、及び第三支持板4の開口部11により、板ガラスGの第二の面Gbを露出させることができる。これにより、露出した板ガラスGの第二の面Gbに機能性膜を形成できる。
さらに第二支持板3のロックウェル硬度を90以上140以下に設定することにより、この第二支持板3は、板ガラスGの第二の面Gbの接触部分を損傷させることなく、また、カルーセルの遠心力によって自身が変形することもない。これにより、板ガラス保持具1は、板ガラスGを好適に保持した状態で、板ガラスGの第二の面Gbに機能性膜を精度良く形成できる。
また、金属製の第三支持板4は、第一支持板2及び第二支持板3の外側(カルーセルの半径方向外方側)に配置されることにより、第一支持板2、第二支持板3及び板ガラスGが変形しないようにこれらを支持する。したがって、板ガラス保持具1は、板ガラスGがカルーセルの遠心力によって放出されないように、これを確実に保持できる。
図11乃至図14は、板ガラス保持具の第二実施形態を示す。本実施形態では、板ガラスGの形状が第一実施形態とは異なっており、板ガラス保持具1は、この板ガラスGを好適に保持できる。図11乃至図13に示すように、板ガラスGは、第一実施形態と同様に四角形状に構成されるが、その中央部に貫通孔Gcを有する。この貫通孔Gcは、例えば円形に構成される。貫通孔Gcの数、位置及び形状は本実施形態に限定されない。
板ガラス保持具1の第一支持板2は、その中央部に、板ガラスGの貫通孔Gcに嵌合する突起部15を有する。図14に示すように、突起部15は、平面視において円形に構成されている。この突起部15の中心部には、ねじ孔16が貫通形成されている。突起部15の数、位置及び形状は、板ガラスGの数、位置及び形状に対応して適宜設定され得る。
また、板ガラス保持具1は、板ガラスGの第二の面Gbにおける貫通孔Gcの周縁部(図13においてクロスハッチングで示す部分)を押圧する押圧部材17を備える。押圧部材17は、樹脂製(例えばPEEK製)であり、例えば円板状に構成されるが、これに限定されるものではない。押圧部材17の直径は、板ガラスGの貫通孔Gcの直径よりも大きい。図11及び図12に示すように、押圧部材17の中心部には貫通孔17aが形成されている。押圧部材17は、ねじ部材Sを介して第一支持板2の突起部15に固定され得る。
板ガラス保持具1のその他の構成は、第一実施形態と同じであり、第一実施形態と共通する構成要素には、共通の符号を付している。
以下、本実施形態に係る板ガラス保持具1の使用方法について説明する。
まず、第一実施形態と同様に、第一支持板2の凹部5に板ガラスGを嵌合させる。このとき、第一支持板2の突起部15を板ガラスGの貫通孔Gcに挿入する。その後、第二支持板3を第一支持板2に重ね合わせるとともに、その凹部7に板ガラスGの上側部分を嵌合させる。
次に、押圧部材17を第一支持板2の突起部15に固定する。具体的には、押圧部材17を突起部15に対して同心状に重ね合わせ、その貫通孔17aを突起部15のねじ孔16に一致させる。その後、ねじ部材Sを、貫通孔17aを通じてねじ孔16に螺合させる。
ねじ部材Sを締め付けることで、押圧部材17は突起部15に固定される。押圧部材17の直径が、板ガラスGの貫通孔Gcよりも大きいことから、押圧部材17は、貫通孔Gcの周縁部を覆うように、板ガラスGの第二の面Gbに接触する(図13参照)。
その後、第三支持板4を第一支持板2及び第二支持板3に被せ、第一実施形態と同様に、ねじ部材Sによって、第三支持板4に第一支持板2を固定する。以上により、各支持板2〜4、及び押圧部材17が一体化され、カルーセルに取り付けることが可能な状態となる(図12参照)。
以上説明した本実施形態に係る板ガラス保持具1によれば、板ガラスGに貫通孔Gcが形成された場合であっても、この貫通孔Gcの周辺部分における板ガラスGの第二の面Gbを押圧部材17によって押圧することにより、成膜中に貫通孔Gcの周辺部分の変形、損傷を防止できる。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記の実施形態では、板ガラス保持具1を、カルーセル型のスパッタリング装置に装着して板ガラスGに成膜を行う例を示したが、これに限定されない。板ガラス保持具1は、スピンコートにも使用され得る。
上記の実施形態では、第二支持板3の押圧部7aが、板ガラスGの第二の面Gbにおける周縁部の全周に亘って押圧する例を示したが、これに限定されない。例えば、押圧部7aは、板ガラスGの第二の面Gbの周縁部における複数箇所を押圧するように構成され得る。
上記の実施形態では、カルーセルの外方側にターゲットTGが配置される例を示したが、これに限定されない。カルーセルの内部側にターゲットTGが配置された場合においても、本発明の板ガラス保持具1を使用できる。
上記の実施形態では、板ガラス保持具1を第一支持板2、第二支持板3、及び第三支持板4により構成したが、これに限定されない。例えば、板ガラス保持具1は、第一支持板2と第二支持板3とにより構成されてもよい。すなわち、第一支持板2と第二支持板3とによって、板ガラスGを挟持させるとともに、第一支持板2及び第二支持板3を連結し、これらをカルーセルの取付治具14に固定して使用してもよい。
1 板ガラス保持具
2 第一支持板
3 第二支持板
4 第三支持板
5 第一支持板の凹部
7 第二支持板の凹部
7a 押圧部
8 第二支持板の開口部
G 板ガラス
Ga 板ガラスの第一の面
Gb 板ガラスの第二の面
2 第一支持板
3 第二支持板
4 第三支持板
5 第一支持板の凹部
7 第二支持板の凹部
7a 押圧部
8 第二支持板の開口部
G 板ガラス
Ga 板ガラスの第一の面
Gb 板ガラスの第二の面
Claims (8)
- 第一の面及び第二の面を有する板ガラスを保持する板ガラス保持具であって、
前記板ガラスの前記第一の面を支持する第一支持板と、
前記板ガラスの前記第二の面を支持する第二支持板と、を備え、
前記第二支持板は、前記第二の面を露出させる開口部を有しており、かつロックウェル硬度が90以上140以下の材料により構成されてなることを特徴とする板ガラス保持具。 - 前記第一支持板及び前記第二支持板を支持する金属製の第三支持板をさらに備える請求項1に記載の板ガラス保持具。
- 前記第三支持板の表面粗さRaが、5μm以上25μm以下である請求項2に記載の板ガラス保持具。
- 前記第一支持板は、前記板ガラスが嵌合する凹部を有する請求項1から3のいずれか1項に記載の板ガラス保持具。
- 前記第二支持板は、前記板ガラスが嵌合する凹部を有する請求項1から4のいずれか1項に記載の板ガラス保持具。
- 前記第二支持板は、前記板ガラスの前記第二の面に接触する押圧部を有する請求項1から5のいずれか1項に記載の板ガラス保持具。
- 前記押圧部は、前記板ガラスの前記第二の面における周縁部の全周に亘って接触するように構成されてなる請求項6に記載の板ガラス保持具。
- 前記第二支持板は、PEEKにより構成されてなる請求項1から7に記載の板ガラス保持具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016100315A JP2017206745A (ja) | 2016-05-19 | 2016-05-19 | 板ガラス保持具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016100315A JP2017206745A (ja) | 2016-05-19 | 2016-05-19 | 板ガラス保持具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017206745A true JP2017206745A (ja) | 2017-11-24 |
Family
ID=60414906
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016100315A Pending JP2017206745A (ja) | 2016-05-19 | 2016-05-19 | 板ガラス保持具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017206745A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020084320A (ja) * | 2018-11-15 | 2020-06-04 | 日本電気硝子株式会社 | 成膜治具及び成膜方法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0688206A (ja) * | 1992-09-08 | 1994-03-29 | Dainippon Printing Co Ltd | スパッタ用治具 |
JPH10331856A (ja) * | 1997-05-29 | 1998-12-15 | Kyocera Corp | 摺動装置 |
JP2011061023A (ja) * | 2009-09-10 | 2011-03-24 | Kaneka Corp | 基板保持部材及び薄膜の製造方法 |
JP2014173166A (ja) * | 2013-03-12 | 2014-09-22 | Panasonic Corp | スパッタ装置および太陽電池の製造方法 |
-
2016
- 2016-05-19 JP JP2016100315A patent/JP2017206745A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0688206A (ja) * | 1992-09-08 | 1994-03-29 | Dainippon Printing Co Ltd | スパッタ用治具 |
JPH10331856A (ja) * | 1997-05-29 | 1998-12-15 | Kyocera Corp | 摺動装置 |
JP2011061023A (ja) * | 2009-09-10 | 2011-03-24 | Kaneka Corp | 基板保持部材及び薄膜の製造方法 |
JP2014173166A (ja) * | 2013-03-12 | 2014-09-22 | Panasonic Corp | スパッタ装置および太陽電池の製造方法 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020084320A (ja) * | 2018-11-15 | 2020-06-04 | 日本電気硝子株式会社 | 成膜治具及び成膜方法 |
JP7363373B2 (ja) | 2018-11-15 | 2023-10-18 | 日本電気硝子株式会社 | 成膜治具及び成膜方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI520198B (zh) | 將一產品基板自一載體基板拆卸之裝置及方法 | |
TWI740578B (zh) | 蒸鍍遮罩之製造方法、蒸鍍遮罩準備體、有機半導體元件之製造方法、有機電致發光顯示器之製造方法及蒸鍍遮罩 | |
JP5051840B2 (ja) | ペリクル収納容器内にペリクルを保管する方法 | |
US9022392B2 (en) | Chuck and semiconductor process using the same | |
JP2010202970A (ja) | 蒸着用マスク | |
US9760023B2 (en) | Substrate carrying device | |
JP2006199998A (ja) | 成膜装置、成膜方法 | |
JP6439054B2 (ja) | ワーク保持体および成膜装置 | |
JP2022116127A (ja) | フレーム一体型の蒸着マスク、蒸着パターン形成方法、有機半導体素子の製造方法、有機elディスプレイの製造方法 | |
JP2017206745A (ja) | 板ガラス保持具 | |
JP6658790B2 (ja) | 蒸着マスク、フレーム付き蒸着マスク、蒸着マスク準備体、蒸着マスクの製造方法、有機半導体素子の製造方法、有機elディスプレイの製造方法、及びパターンの形成方法 | |
US20170036230A1 (en) | Deposition mask, method for producing deposition mask and touch panel | |
JP6054622B2 (ja) | 半導体ウェーハ用保護テープ及びその貼り付け方法 | |
CN108866478B (zh) | 掩膜版制作方法以及掩膜版 | |
JP2006324369A (ja) | ワーク、フォトマスク及び露光方法 | |
CN109837518B (zh) | 沉积环固定组件、承载装置及反应腔室 | |
JP5818711B2 (ja) | ウェハ保持構造およびそれを備えた蒸着装置 | |
JP6422026B2 (ja) | 板ガラス保持具及び板ガラスの製造方法 | |
KR20080008076A (ko) | 기판 고정장치 | |
TWI240010B (en) | Sputtering apparatus and carrier thereof | |
CN217405371U (zh) | 一种晶圆分离装置 | |
JPH0343233Y2 (ja) | ||
JPH04183889A (ja) | スタンパ製造用治具 | |
TW201716528A (zh) | 附有黏著劑零件的製造方法及附有黏著劑零件 | |
KR101481097B1 (ko) | 증착 테스트 마스크 및 증착 테스트 모듈 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20181016 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190627 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190710 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20200123 |