JP2017206585A - ウレタン塗料組成物及び樹脂部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】界面活性剤のブリードアウトの抑制効果を有しながらも、防曇性及び耐擦傷性に優れた硬化塗膜を形成できるウレタン塗料組成物、その硬化塗膜、及び硬化塗膜を有する樹脂部材を提供すること。【解決手段】(a)ジイソシアネート及びそれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種であるポリイソシアネート、(b)分子量が400〜1500のポリエーテルポリオール、(c)特定のジアルキルジメチルアンモニウム塩、(d)特定のポリオキシエチレン−モノアルキルエーテルを含有し、前記(a)、(b)、及び(d)が、(a)のイソシアネート基/{(b)ポリエーテルポリオール+(d)ポリオキシエチレン−モノアルキルエーテルの合計水酸基}の当量比が0.5〜2の割合で配合される、ウレタン塗料組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ウレタン塗料組成物及びこの樹脂部材に関する。
従来から、合成樹脂成形品やガラス等の基材の表面が露点温度以下になると、大気中の水分が細かい水滴となり、基材の表面に付着することが知られている。その結果、付着した水滴による光の散乱が起き、曇りが発生してしまうため、例えば、上記の基材をメガネ等に用いた場合、視界が妨げられてしまう。
上記の曇りの発生を防止する(防曇)方法として、(1)基材の表面あるいは裏面に熱線ヒーターや面上ヒーターを施し、ヒーターを通電することで、基材を加温し露点以上にする方法(特許文献1)、(2)基材の表面に、親水性樹脂からなる塗膜を形成し、塗膜に付着する水滴を吸収させる方法(特許文献2)、(3)基材の表面に、親水性樹脂及び界面活性剤等を混合した溶液を塗装し、塗膜を形成させる方法(特許文献3)が挙げられる。
しかし、(1)の方法は、装置が高価であり、また、基材が温まるまでに時間がかかり、防曇効果の発現に時間を要してしまうといった問題がある。(2)の方法は、一定の防曇効果は得られるが、塗膜の吸水できる水分量に上限があるため、長時間曇りが発生する環境下に置かれると、曇りが生じてしまう問題がある。
一方、(3)の方法は、塗膜中に含まれる界面活性剤が、付着した水滴の接触角を下げ、光の散乱を起こさないことにより防曇効果を発現させる。そのため、(1)とは異なり、防曇効果の発現に時間がかかることがない。また、(2)とは異なり、防曇効果が塗膜の吸収できる水分量に制限されず、長時間曇りが発生する環境下に置かれても、良好な防曇効果を発現できる。
特開平8−317841号公報 特開2007−076999号公報 特表2000−515572号公報
しかし、塗膜中に界面活性剤を含ませると、界面活性剤が塗膜表面にブリードアウトし外観が悪くなる可能性がある。そこで特許文献3では、界面活性剤のブリードアウトを抑制する方法として、反応性官能基を有するイオン性界面活性剤を親水性樹脂に反応させる(固定化させる)塗膜が報告されている。しかしながら、反応性官能基を有するイオン性界面活性剤は親水性であるため、この界面活性剤が樹脂に固定化されることにより、塗膜の吸水量が増加し、吸水時に膜強度低下が発生し、塗膜の耐擦傷性が悪化してしまう問題があった。そのため、反応性官能基を有するイオン性界面活性剤を使用せず、界面活性剤のブリードアウトを抑えることが課題として挙げられる。
本発明は、界面活性剤のブリードアウトの抑制効果を有しながらも、防曇性及び耐擦傷性に優れた硬化塗膜を形成できるウレタン塗料組成物、その硬化塗膜、及び硬化塗膜を有する樹脂部材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、以下に示すウレタン塗料組成物、硬化塗膜、及び硬化塗膜を有する樹脂部材により、上記の目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(a)ジイソシアネート及びそれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種であるポリイソシアネート、(b)分子量が400〜1500のポリエーテルポリオール、(c)下記一般式(1):
Figure 2017206585
[前記一般式(1)中、m及びnはそれぞれ独立して9〜18であり、Xは塩素、又は臭素である。]で表されるジアルキルジメチルアンモニウム塩、及び
(d)下記一般式(2):
Figure 2017206585
[前記一般式(2)中、pは−(CO)−の平均付加モル数3〜15であり、Rは炭素数10〜18の炭化水素基である。]で表されるポリオキシエチレン−モノアルキルエーテルを含有し、
前記(a)、(b)、及び(d)が、(a)のイソシアネート基/{(b)ポリエーテルポリオール+(d)ポリオキシエチレン−モノアルキルエーテルの合計水酸基}の当量比が0.5〜2の割合で配合される、ウレタン塗料組成物、に関する。
本発明は、前記ウレタン塗料組成物から形成される硬化塗膜、に関する。
本発明は、前記硬化塗膜を有する樹脂部材、に関する。
本発明のウレタン塗料組成物によれば、曇りが発生する環境下において、防曇性に優れるため、視認性の確保が出来、また耐擦傷性にも優れるため、使用時における繰り返しの払拭にも耐えることが出来、さらに耐ブリードアウトを有しているため、界面活性剤のブリードアウトによる表面の汚染が抑えられる性能を担保することができる。
本発明の作用メカニズムは、ウレタン塗料組成物中の(a)ポリイソシアネートと(b)ポリエーテルポリオールが熱硬化により、硬化塗膜中に架橋構造を形成するため、硬化塗膜に耐擦傷性を付与することができ、また、界面活性剤である特定の(c)ジアルキルジメチルアンモニウム塩が(a)及び(b)との相溶性が良好であるため、硬化塗膜の透明性を低下させることなく、防曇性を高めることができ、さらに、特定の(d)ポリオキシエチレン−モノアルキルエーテルの水酸基が(a)と反応して、(d)が架橋構造に組み込まれることにより、(c)を硬化塗膜の樹脂中に直接固定化しなくとも、(d)の(c)に対する親和性が高い性質を利用し、(c)を硬化膜中に安定的に保持することができるため、例えば、硬化塗膜が高湿度下に置かれた場合においても(c)のブリードアウトを抑制できる、と推定される。
本発明のウレタン塗料組成物は、(a)ポリイソシアネート、(b)ポリエーテルポリオール、(c)ジアルキルジメチルアンモニウム塩、及び(d)ポリオキシエチレン−モノアルキルエーテルを含有する。
<(a)ポリイソシアネート>
本発明の(a)ポリイソシアネートは、ジイソシアネート及びそれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種である化合物である。ジイソシアネートとしては、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の、脂肪族、脂環式、及び芳香族ジイソシアネートが挙げられる。ジイソシアネートの誘導体としては、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等を出発原料として合成されたもので、ビュレット体、トリメチロールプロパンとのアダクト体、イソシアヌレート体、アロファネート体等の、脂肪族、脂環式、及び芳香族ジイソシアネートの誘導体等が挙げられる。ポリイソシアネートは、硬化塗膜の架橋密度を高める観点から、脂肪族、脂環式、及び芳香族ジイソシアネートの誘導体が好ましい。ポリイソシアネートは、硬化塗膜の耐候性を高める観点から、脂肪族又は脂環式ジイソシアネートの誘導体が好ましい。市販されているものとして、例えば旭化成ケミカルズ社製のヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット体(商品名:デュラネート24A−100)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(商品名:デュラネートTPA−100)、住化バイエルウレタン社製のヘキサメチレンジイソシアネートのアロファネート体(商品名:デスモジュールXP2679)、三井化学社製の1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンのトリメチロールプロパンアダクト体(商品名:タケネートD−120N)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンのイソシアヌレート体(商品名:タケネートD−127N)、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体(商品名:タケネートD−140N)等が挙げられる。(a)ポリイソシアネートは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記(a)ポリイソシアネートは、耐擦傷性と防曇性を両立させる観点から、脂環式ジイソシアネートのビュレット体、トリメチロールプロパンとのアダクト体、イソシアヌレート体、アロファネート体が好ましく、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンとトリメチロールプロパンとのアダクト体がより好ましい。
<(b)ポリエーテルポリオール>
本発明の(b)ポリエーテルポリオールは、1分子中に少なくとも2つ以上の水酸基を有する化合物であり、分子量が400〜1500である。(b)ポリエーテルポリオールは、多官能アルコールに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等のアルキレンオキサイド等から選ばれる少なくとも1種を付加させる事により得られるポリマーが挙げられる。(b)ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールの共重合体ポリオール、ポリオキシエチレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリメチロールプロパン、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル、ペンタエリスリトールポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンペンタエリスリトールエーテル等が挙げられる。(b)ポリエーテルポリオールの分子量は、耐擦傷性を高める観点から、500以上が好ましく、700以上がさらに好ましい。(b)ポリエーテルポリオールの分子量は、ポリイソシアネートとの相溶性の観点から、1200以下が好ましく、1000以下がさらに好ましい。(b)ポリエーテルポリオールの1分子あたりの水酸基数は、耐擦傷性を高める観点から、2以上が好ましく、3以上がさらに好ましい。(b)ポリエーテルポリオールの1分子あたりの水酸基数は、ポリイソシアネートとの相溶性の観点から、6以下が好ましく、4以下がさらに好ましい。(b)ポリエーテルポリオールは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記(b)ポリエーテルポリオールは、耐擦傷性、防曇性を高める観点から、ポリオキシエチレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリメチロールプロパン、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル、ペンタエリスリトールポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンペンタエリスリトールエーテルを用いることが好ましい。
<(c)ジアルキルジメチルアンモニウム塩>
本発明の(c)ジアルキルジメチルアンモニウム塩は、下記一般式(1)で表される化合物である。
Figure 2017206585
前記(c)ジアルキルジメチルアンモニウム塩において、nまたはmが9未満の場合は、硬化塗膜との相溶性が低下し、硬化塗膜の外観が悪化する。また、nまたはmが18を超える場合は、良好な防曇効果が発現しない。
前記(c)ジアルキルジメチルアンモニウム塩としては、例えば、前記一般式(1)におけるXが塩素であるジデシルジメチルアンモニウム塩、Xが臭素であるジドデシルジメチルアンモニウム塩、Xが臭素であるジオクタデシルジメチルアンモニウム塩、Xが塩素であるジ硬化牛脂アルキルジメチルアンモニウム塩等が挙げられる。(c)ジアルキルジメチルアンモニウム塩は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
<(d)ポリオキシエチレン−モノアルキルエーテル>
本発明の(d)ポリオキシエチレン−モノアルキルエーテルは、下記一般式(2)で表される化合物である。
Figure 2017206585
[前記一般式(2)中、pは−(CO)−の平均付加モル数3〜15であり、Rは炭素数10〜18の炭化水素基である。]
前記Rは、炭素数10〜18の直鎖のアルキル基、分岐鎖のアルキル基、直鎖のアルケニル基、分岐鎖のアルケニル基等が挙げられる。具体的には、前記Rとしては、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等の直鎖のアルキル基;イソデシル基、イソウンデシル基、イソドデシル基、イソトリデシル基、イソテトラデシル基、イソペンタデシル基、イソヘキサデシル基、イソヘプタデシル基、イソオクタデシル等の分岐鎖のアルキル基;デシニル基、ウンデシニル基、ドデシニル基、トリデシニル基、テトラデシニル基、ペンタデシニル基、ヘキサデシニル基、ヘプタデシニル基、オクタデシニル基等の直鎖のアルケニル基;イソデシニル基、イソウンデシニル基、イソドデシニル基、イソトリデシニル基、イソテトラデシニル基、イソペンタデシニル基、イソヘキサデシニル基、イソヘプタデシニル基、イソオクタデシニル基等の分岐鎖のアルケニル基が挙げられる。
前記(d)ポリオキシエチレン−モノアルキルエーテルに類似した化合物として、ポリオキシエチレン−モノアルキルエステル、及びポリオキシエチレン-ジアルキルエステルが挙げられる。ここで、本発明のウレタン塗料組成物の(d)をポリオキシエチレン−モノアルキルエステルに置き換えた場合は、耐ブリードアウト性、及び透明性が低下する傾向にある。また、ポリオキシエチレン−ジアルキルエステルに置き換えた場合は、耐ブリードアウト性が低下する傾向にある。
前記(d)ポリオキシエチレン−モノアルキルエーテルに類似した化合物として、直鎖アルキル基を有する第1級アルコールが挙げられる。ここで、本発明のウレタン塗料組成物の(d)を、直鎖アルキル基を有する第1級アルコールに置き換えた場合は、硬化塗膜の表面の平滑性が低下する傾向にある。
前記(a)ポリイソシアネート、(b)ポリエーテルポリオール、及び(d)ポリオキシエチレン−モノアルキルエーテルは、(a)のイソシアネート基/{(b)ポリエーテルポリオール+(d)ポリオキシエチレン−モノアルキルエーテルの合計水酸基}の当量比が0.5〜2の割合で配合される。前記当量比は、硬化塗膜表面を硬くし、耐擦傷性を高める観点から、0.6以上が好ましく、0.8以上がさらに好ましい。前記当量比は、硬化塗膜の柔軟性を高める観点から、1.5以下が好ましく、1.2以下がさらに好ましい。なお、(a)ポリイソシアネートは、イソシアネート基含有率(%)が、理論値または実測値(JISK1603−1)等で規定されるので、これらの値を用いて下記式数1で必要量を算出することができる。
Figure 2017206585
前記(a)ポリイソシアネートの含有量は、前記(a)〜(d)成分の合計重量に対し、20〜80重量%であることが好ましい。(a)ポリイソシアネートの含有量は、耐擦傷性を高める観点から、(a)〜(d)成分の合計重量に対し、30重量%以上が好ましく、40重量%以上がさらに好ましい。(a)ポリイソシアネートの含有量は、硬化塗膜の柔軟性を高める観点から、(a)〜(d)成分の合計重量に対し、70重量%以下が好ましく、60重量%以下がさらに好ましい。
前記(b)ポリエーテルポリオールの含有量は、前記(a)〜(d)成分の合計重量に対し、10〜70重量%であることが好ましい。(b)ポリエーテルポリオールの含有量は、防曇性を高める観点から、(a)〜(d)成分の合計重量に対し、20重量%以上が好ましく、30重量%以上がさらに好ましい。(b)ポリエーテルポリオールの含有量は、耐擦傷性を高める観点から、(a)〜(d)成分の合計重量に対し、60重量%以下が好ましく、50重量%以下がさらに好ましい。
前記(c)ジアルキルジメチルアンモニウム塩の含有量は、前記(a)〜(d)成分の合計重量に対し、0.1〜10重量%であることが好ましい。(c)ジアルキルジメチルアンモニウム塩の含有量は、硬化塗膜の防曇性を高める観点から、(a)〜(d)成分の合計重量に対し、0.2重量%以上が好ましい。(c)ジアルキルジメチルアンモニウム塩の含有量は、硬化塗膜との相溶性を高め、硬化塗膜の外観に透明性を付与する観点、及び耐擦傷性を高める観点から、(a)〜(d)成分の合計重量に対し、5重量%以下が好ましい。
前記(d)ポリオキシエチレン−モノアルキルエーテルの含有量は、前記(a)〜(d)成分の合計重量に対し、0.1〜20重量%であることが好ましい。(d)ポリオキシエチレン−モノアルキルエーテルの含有量は、(c)ジアルキルジメチルアンモニウムのブリードアウトを抑制する観点から、(a)〜(d)成分の合計重量に対し、3重量%以上が好ましい。(d)ポリオキシエチレン−モノアルキルエーテルの含有量は、耐擦傷性を高める観点から、(a)〜(d)成分の合計重量に対し、15重量%以下が好ましい。
前記(d)ポリオキシエチレン−モノアルキルエーテルの含有量は、前記(c)と(d)の重量比{(c)/(d)の重量比}が、0.05〜1であることが好ましい。(d)ポリオキシエチレン−モノアルキルエーテルの含有量は、防曇性、及び耐擦傷性を高める観点から、(c)/(d)の重量比が、0.1以上であることが好ましい。(d)ポリオキシエチレン−モノアルキルエーテルの含有量は、ブリードアウトを抑制する観点から、(c)/(d)の重量比が、0.8以下であることが好ましい。
<有機溶媒>
前記(a)〜(d)を含むウレタン塗料組成物は、有機溶媒で希釈して調製することができる。
前記有機溶媒としては、アルコール系、カルボン酸エステル系、ケトン系、アミド系、エーテル系、脂肪族および芳香族炭化水素系の溶媒が挙げられる。アルコール系溶媒としては、例えばメタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、ジアセトンアルコール、2−メトキシエタノール(メチルセロソルブ)、2−エトキシエタノール(エチルセロソルブ)、2−ブトキシエタノール(ブチルセロソルブ)、ターシャリーアミルアルコール等が挙げられる。カルボン酸エステル系溶媒としては、例えば酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸ブチル、ギ酸ブチル等が挙げられる。ケトン系溶媒としては、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。アミド系溶媒としては、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が挙げられる。エーテル系溶媒としては、例えばジエチルエーテル、メトキシトルエン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、1,1−ジメトキシメタン、1,1−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。脂肪族および芳香族炭化水素系溶媒としては、例えばヘキサン、ペンタンキシレン、トルエン、ベンゼン等が挙げられる。有機溶媒は、それぞれ単独で用いてもよく、あるいは2種またはそれ以上を組み合わせて使用することもできる。これら成分のうち、ジアセトンアルコール、ターシャリーアミルアルコール等の極性溶媒と、カルボン酸エステル及び/又はケトン系溶媒を混合させた溶媒が、溶解性、揮発性および密着性の観点から好ましい。
前記(a)ポリイソシアネートのイソシアネート基は、(b)ポリエーテルポリオールの水酸基、及び(d)ポリオキシエチレン−モノアルキルエーテルの水酸基と反応し、ウレタン結合を形成する。ウレタン結合を形成する反応には、必要に応じ公知の触媒を加えることが出来る。公知の触媒としては、例えばトリエチルアミン、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、ジラウリル酸ジ−n−ブチルスズ、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。これら触媒を用いる場合の使用量は、前記(a)ポリイソシアネート100重量部に対して、通常0.001〜10重量部である。また、触媒の使用量は、前記(a)〜(d)の合計100重量部に対して、通常0.001〜10重量部である。触媒は、それぞれ単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明のウレタン塗料組成物には、必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等の安定剤、レベリング剤、着色剤、難燃剤等の添加物を慣用的な配合量で加えることができるが、(a)〜(d)成分の合計100重量部に対し、0.1〜10重量部であることが好ましい。
<硬化塗膜>
本発明のウレタン塗料組成物は、通常の塗料において行われる塗装方法により基材に塗装し、加熱硬化することによって、基材の表面に硬化塗膜を形成することができる。
前記基材としては、その種類は問わず、公知の樹脂基材(部材)が使用可能である。例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を問わず種々の樹脂基材(部材)が使用可能である。具体的にはポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アセテート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
本発明のウレタン塗料組成物を、樹脂基材(部材)に塗装する方法としては、特に限定がなく、バーコーター塗装、はけ塗り、流し塗り、浸漬塗り、スプレー塗り、スピンコート等、公知の方法が採用できる。
本発明のウレタン塗料組成物を加熱硬化する温度は、20℃以上150℃以下が好ましく、80℃以上130℃以下がさらに好ましいが、使用する基材樹脂の耐熱性や熱変形性等に応じて適宜調整すればよい。加熱時間は、加熱温度により異なるが、数分から数時間程度である。
前記硬化塗膜の膜厚は、防曇性を高める観点から、0.5μm以上が好ましく、1.0μm以上がより好ましい。前記硬化塗膜の膜厚は、硬化塗膜の平滑性を高める観点から、30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。
以下に本発明を実施例等によって説明するが、本発明はこれらのみに限定されない。
各実施例及び比較例で使用した原料は次の通りである。
<原料>
<(a)ポリイソシアネート>
a−1:1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンとトリメチロールプロパンとのアダクト体(固形分75重量%、酢酸ブチル25重量%、対溶液イソシアネート基含有率11.0%、三井化学株式会社製タケネートD120N)
<(b)ポリエーテルポリオール>
b−1:ポリオキシエチレングリセリルエーテル(固形分100%、1分子あたりの水酸基数3、分子量750、水酸基価224mg・KOH/g、日油株式会社製ユニオックスG−750)
<(c)ジアルキルジメチルアンモニウム塩>
c−1:ジ硬化牛脂アルキルジメチルアンモニウムクロライド(固形分75%、前記一般式(1)のm=16〜18、n=16〜18、X=Cl、日油株式会社製ニッサンカチオン2ABT)
c−2:ジデシルジメチルアンモニウムクロライド(固形分80%、前記一般式(1)のm=9、n=9、X=Cl、日油株式会社製ニッサンカチオン2DB−800E)
<(d)ポリオキシエチレン-モノアルキルエーテル>
d−1:ポリオキシエチレン−モノオレイルエーテル(前記一般式(2)のp=4)、水酸基価126mg・KOH/g
d−2:ポリオキシエチレン−モノオレイルエーテル(前記一般式(2)のp=14)、水酸基価63mg・KOH/g
d−3:ポリオキシエチレン−ステアリルエーテル(前記一般式(2)のp=15)、水酸基価60mg・KOH/g
d−4:ポリオキシエチレン−イソデシルエーテル(前記一般式(2)のp=4)、水酸基価168mg・KOH/g
<その他成分>
d’−1:ポリオキシエチレン−モノラウレート(n=5)、水酸基価134mg・KOH/g
Figure 2017206585

d’−2:1−ペンタデカノール、水酸基価246mg・KOH/g
<ウレタン塗料組成物の調製>
<実施例1〜5、比較例1〜6>
上記成分(a)〜(d)、その他成分、及び溶媒(ダイアセトンアルコール(DAA)あるいはターシャリーアミルアルコール(TAA))を表1及び表2に示す割合で配合し、さらにそれぞれ添加剤として、固形分100gに対して0.5gのジラウリル酸ジ−n−ブチルスズ、及び0.5重量%のアクリル系レベリング剤(ビックケミー社製BYK380N)を加えて、実施例1〜5及び比較例1〜6のウレタン塗料組成物を得た。
上記得られた各ウレタン塗料組成物を、ポリカーボネート樹脂板(7.5cm×10cm×2mm、三菱ガス化学社製ユーピロン)上に、硬化後の膜厚が10μmになるようにバーコーターを用いて塗装を行い、125℃に設定したオーブンにて30分間熱硬化し、硬化塗膜を有する樹脂基材(部材)を得た。下記試験方法にて評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
<外観>
硬化塗膜の表面を目視によって判断し、下記の評価基準で評価した。
○:正常
×(1):ブリードアウトによる異常がある
×(2):平滑でない
<透明性>
ヘイズメーター(日本電色工業株式会社製NDH5000)により硬化塗膜を有する樹脂基材(部材)のヘイズ(%)を測定し、下記の評価基準で評価した。
○:試験後のヘイズの値が2未満
×:試験後のヘイズの値が2以上
<防曇性>
25℃の恒温室内で、硬化塗膜の表面を50℃温水蒸気に1分間さらし、目視にて曇りの有無を下記の評価基準で評価した。
○:全く曇らない
×:曇りが発生する
<防曇持続性>
蒸留水を染み込ませたウェスを硬化塗膜の表面に置き、1往復させる。さらに、この硬化塗膜を有する樹脂基材(部材)を25℃50%RHの室内で1時間静置した後、25℃の恒温室内で、硬化塗膜の表面を50℃温水蒸気に5分間さらし、目視にて曇りの有無を下記の評価基準で評価した。硬化塗膜の表面にのみ界面活性剤が存在する場合、界面活性剤がウェスに拭き取られ、曇りが発生しやすい傾向にある。
○:全く曇らない
×:曇りが発生する
<耐擦傷性>
荷重500gを載せたスチールウール(#0000)を硬化塗膜の表面上に置き、ラビングテスターで11往復させる試験条件で試験した後、上記の透明性試験と同様にヘイズ(%)を測定し、下記の評価基準で評価した。
○:試験後のヘイズの値が10未満
×:試験後のヘイズの値が10以上
<耐ブリードアウト性>
30℃・95%RHの恒温恒湿オーブンに硬化塗膜を有する樹脂基材(部材)を3時間入れ、その後、上記の透明性試験と同様にヘイズ(%)を測定し、ブリードアウトの程度を評価した。
○:試験後のヘイズの値が2未満
×:試験後のヘイズの値が2以上
Figure 2017206585
Figure 2017206585
実施例1〜5では、硬化塗膜が良好な防曇性、耐擦傷性を発現しつつ、かつ、耐ブリードアウト性も発現することが確認された。
一方、比較例1〜4では、(c)ジアルキルジメチルアンモニウム塩及び/または(d)ポリオキシエチレン−モノアルキルエーテルを用いていないため、少なくとも、防曇性、防曇持続性、耐ブリードアウト性の評価基準を満たすことができないことが確認された。また、比較例5では、(a)のイソシアネート基/{(b)ポリエーテルポリオール+(d)ポリオキシエチレン−モノアルキルエーテルの合計水酸基}の当量比が0.4なので、耐擦傷性、及び耐ブリードアウト性の評価基準を満たすことができないことが確認された。比較例6では、塗膜の一部分の平滑性が低く、外観が悪くなることが確認された。

Claims (4)

  1. (a)ジイソシアネート及びそれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種であるポリイソシアネート、
    (b)分子量が400〜1500のポリエーテルポリオール、
    (c)下記一般式(1):
    Figure 2017206585
    (d)下記一般式(2):
    Figure 2017206585
    前記(a)、(b)、及び(d)が、(a)のイソシアネート基/{(b)ポリエーテルポリオール+(d)ポリオキシエチレン−モノアルキルエーテルの合計水酸基}の当量比が0.5〜2の割合で配合される、ウレタン塗料組成物。
  2. 前記(a)〜(d)成分の合計重量に対し、(a)ポリイソシアネートを20〜80重量%、(b)ポリエーテルポリオールを10〜70重量%、(c)ジアルキルジメチルアンモニウム塩を0.1〜10重量%、及び(d)ポリオキシエチレン−モノアルキルエーテルを0.1〜20重量%を含有する、請求項1に記載のウレタン塗料組成物。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のウレタン塗料組成物から形成される硬化塗膜。
  4. 請求項3に記載の硬化塗膜を有する樹脂部材。
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