JP2017206015A - 複合成形体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】先に成形された成形体の所望の部位をその同種の樹脂を用いて予め作製された連続強化繊維基材で反り変形等を生じさせることなく高接合強度をもって容易に効率よく補強できるようにした複合成形体の製造方法を提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂と補強材からなる熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体(A)と、該成形体(A)と同種の熱可塑性樹脂と連続強化繊維を配列させた基材からなる繊維強化樹脂成形体(B)とを超音波溶着により接合する方法であって、成形体(A)の熱可塑性樹脂組成物における補強材の含有量が30重量%以上であり、かつ、成形体(A)における補強材の体積含有率をVfa、繊維強化樹脂成形体(B)における強化繊維の体積含有率をVfbとしたとき、Vfa−Vfbの差が1〜30%の範囲にあることを特徴とする複合成形体の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、複合成形体の製造方法に関し、とくに、補強材を含む熱可塑性樹脂組成物の成形体の所望の部位を、同種の熱可塑性樹脂を用いて予め作製された連続強化繊維基材で反り変形等を生じさせることなく高接合強度をもって容易に効率よく補強できるようにした複合成形体の製造方法に関する。
熱可塑性樹脂と強化繊維を含む補強材とからなる樹脂組成物を成形してなる(例えば、射出成形してなる)成形体は、各種分野で広く用いられている。このような成形体においては、しばしば、その所望の部位を、連続強化繊維を用いてより補強することが求められることがある。
補強方法としては、例えば、成形体の成形時に、同一の金型内にて成形体本体部成形用樹脂組成物と、連続強化繊維を含む補強部分形成用樹脂または樹脂組成物とを実質的に同時に一体成形する方法と、成形体本体部を成形した後に、その補強すべき部位に連続強化繊維を含む補強部分形成用樹脂または樹脂組成物を接合する方法がある。
前者の方法では、成形体本体部と補強部分とが同時に一体成形されるため、両部分間が強固に一体化されて高い補強効果が得られるが、金型内の所定箇所に、高い精度をもって、成形体本体部形成用材料と補強部分形成用材料を配置あるいは注入しなければならないため、三次元形状等を有する複雑な形状の場合には、望ましい形態への成形が困難になることがある。
一方、後者の方法では、成形体本体部は先に成形されているので、例えば射出成形等により比較的容易に成形体本体部を高精度に所望形状に形成できるが、とくに、成形体本体部が三次元形状等を有する複雑な形状の場合、その所望部位に、補強部分を如何に高精度かつ高強度に接合できるかが重要になる。
上記のように成形体本体部に補強部分を接合するには、接着剤を介する方法と、成形体本体部と補強部分の樹脂成分を活用して両部分を溶着する方法等が考えられるが、接着剤を介する方法では、両部分の接合強度に限界がある。高い接合強度を得るためには、両部分を溶着する方法の方が望ましいと考えられ、先に成形された成形体本体部の所望部位に、部分的に効率よく高接合強度をもって補強部分を接合するためには、超音波溶着等の局所加熱を伴う溶着方法が好適であると考えられる。
互いに接合される部分が異種の樹脂からなる場合には、両樹脂層間に特別の工夫が必要とされる場合が多く、例えば、特許文献1には、熱硬化樹脂層と熱可塑性樹脂層との接合界面を凹凸形状に形成して一体的に接合し、内部全体に連続強化繊維を分布させた積層体が開示されている。
一方、互いに接合される部分が同種の樹脂からなる場合には、超音波溶着を含む各種溶着による接合方法で直接接合可能であることが知られており、接合強度を高めるために、各種の工夫が提案されている。例えば特許文献2には、二つの繊維強化熱可塑性樹脂同士を接合するに際し、一方の繊維強化熱可塑性樹脂の被接合面に熱可塑性樹脂材料を配置する接合方法が記載されている。また、特許文献3には、熱可塑性材料からなる管状体とその内部に配置されたコア構造体が、コア構造体の接合用凸部を介して一体的に接合されている繊維強化プラスチック接合体が記載されている。しかしこれらの技術は、いずれも、接合強度を高めるための特殊な接合方法に関するものであり、先に成形された成形体本体部の所望部位に、部分的に効率よく高接合強度をもって補強部分を接合することを目的とする場合には、現実的に採用できない。
また、例えば、特許文献4には、繊維強化樹脂の表面に、例えばその樹脂と同種の熱可塑性樹脂を射出成形して接合一体化した繊維強化複合材料成形品が記載されている。しかしこの技術は、射出成形により成形品全体を一体成形しようとするものであり、やはり、先に成形された成形体本体部の所望部位に、部分的に効率よく高接合強度をもって補強部分を接合することを目的とする場合には、現実的に採用できない。また、この特許文献4には、後述の本発明で用いる超音波溶着や、補強部分用に用いられるのが繊維強化樹脂成形体であることについては、記載がない。
このように、とくに、先に成形された成形体本体部の構成に使用される樹脂と、成形体本体部を補強するために予め作製された補強部分の構成に使用される樹脂とが同種の樹脂からなる場合、成形体本体部に補強部分を反り変形等を生じさせることなく高接合強度をもって超音波溶着により接合するための有効な方法は未だ提案されていない。超音波溶着等を用いる手法自体に関しては、支持体の支持面上で、超音波振動する押圧体により、テープ状の樹脂含浸一方向強化繊維束を製造する方法(特許文献5)や、複数の繊維部材の一部が溶着補助剤を介して超音波溶着されている超音波溶着繊維製品(特許文献6)等は知られているが、テープ状樹脂含浸一方向強化繊維束を製造するための技術にとどまるか、超音波溶着繊維製品を製造するための別の分野に属する技術であるため、いずれも、上記のような条件下で成形体本体部に補強部分を超音波溶着により接合するために適用できる方法ではない。
WO2004/060658号公報 特開2013−043321号公報 特開2012−158141号公報 特開2010−253801号公報 特許第5870392号公報 特開2006−346862号公報
そこで本発明の課題は、上記のような実情に鑑み、とくに先に成形された成形体本体部の構成に使用される樹脂と、成形体本体部を補強するための補強部分の構成に使用される樹脂とが同種の樹脂からなる場合に、成形体の所望の部位をその同種の樹脂を用いて予め作製された連続強化繊維基材で反り変形等を生じさせることなく高接合強度をもって容易に効率よく補強できるようにした複合成形体の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る複合成形体の製造方法は、熱可塑性樹脂と補強材からなる熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体(A)と、該成形体(A)と同種の熱可塑性樹脂と連続強化繊維を配列させた基材からなる繊維強化樹脂成形体(B)とを超音波溶着により接合する複合成形体の製造方法であって、前記成形体(A)の熱可塑性樹脂組成物における補強材の含有量が30重量%以上であり、かつ、前記成形体(A)における補強材の体積含有率をVfa、前記繊維強化樹脂成形体(B)における強化繊維の体積含有率をVfbとしたとき、Vfa−Vfbの差が1〜30%の範囲にあることを特徴とする方法からなる。VfaとVfbの差が、1〜25%が好ましく、1〜20%がより好ましい。
このような本発明に係る複合成形体の製造方法においては、先に成形された成形体(A)の所望部位に、成形体(A)と同種の熱可塑性樹脂と連続強化繊維を配列させた基材からなる予め作製された繊維強化樹脂成形体(B)が超音波溶着により接合されて複合成形体に形成される。成形体(A)の熱可塑性樹脂組成物における補強材の含有量が30重量%以上であるので、成形体(A)自体は元々相当高強度に形成されているが、その所望部位が、繊維強化樹脂成形体(B)の接合により、部分的にさらに補強される。成形体(A)における補強材の体積含有率Vfaと繊維強化樹脂成形体(B)における強化繊維の体積含有率Vfbの差が1〜30%の範囲内とされ(好ましくは1〜25%の範囲内、より好ましくは1〜20%の範囲内)、この体積含有率の差が大きくなりすぎないように設定されるので、超音波溶着時および超音波溶着後に、接合部分において、繊維強化樹脂成形体(B)と成形体(A)との間の熱膨張および熱収縮特性の差が小さく抑えられ、とくに成形体(A)に対する繊維強化樹脂成形体(B)の反り変形等の発生が防止される。その結果、成形体(A)に対し、繊維強化樹脂成形体(B)は、不具合を生じさせることなく高接合強度をもって超音波溶着によって接合され、成形体(A)の所望部位のみが、繊維強化樹脂成形体(B)の望ましい接合により、部分的に容易に効率よく補強される。また、この補強に用いられる繊維強化樹脂成形体(B)が連続強化繊維を配列させた基材の形態であるので、該繊維強化樹脂成形体(B)を、成形体(A)に対して、局所的に任意の形状に良好に沿わせかつその連続強化繊維の配列方向が成形体(A)の補強のための望ましい方向となるように、容易に配置、接合することが可能になり、たとえ成形体(A)が複雑な三次元形状を有する場合にあっても、繊維強化樹脂成形体(B)を容易に望ましい位置、方向に配置、接合することが可能になる。したがって、成形体(A)に対し、超音波溶着手法を採用して、繊維強化樹脂成形体(B)でもって不具合を生じさせることなく所望の部位に高精度かつ高接合強度をもって容易に効率よく接合でき、目標とする成形体(A)の補強を達成することができるようになる。
上記本発明に係る複合成形体の製造方法においては、上記成形体(A)の熱可塑性樹脂及び上記繊維強化樹脂成形体(B)の熱可塑性樹脂は同種の熱可塑性樹脂(同一の熱可塑性樹脂を含む)であればよく、同種の熱可塑性樹脂としては適宜選択できる。例えば、上記成形体(A)及び上記繊維強化樹脂成形体(B)が、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアリーレンサルファイド系樹脂、スチレン系樹脂から選ばれる少なくとも1種をマトリクス樹脂とすることができる。中でも、成形体(A)及び繊維強化樹脂成形体(B)がポリアミド系樹脂をマトリクス樹脂としていることが好ましい。成形体(A)の熱可塑性樹脂がポリアミド系樹脂からなることで、該熱可塑性樹脂と補強材からなる熱可塑性樹脂組成物を例えば射出成形により容易にかつ高精度で所望形状の成形体(A)に成形でき、繊維強化樹脂成形体(B)の熱可塑性樹脂がポリアミド系樹脂からなることで、配列された連続強化繊維に該熱可塑性樹脂を含浸させて繊維強化樹脂成形体(B)を容易に所定の基材に作製しておくことができる。
また、上記本発明に係る複合成形体の製造方法においては、繊維強化樹脂成形体(B)に優れた成形体(A)の補強機能を発揮させるためには、繊維強化樹脂成形体(B)が成形体(A)の表面に良好に密着されていることが好ましい。この面から、成形体(A)の繊維強化樹脂成形体(B)の接合面のJIS B0601に基づき測定される中心線平均表面粗さRaが1≦Ra≦10(μm)の範囲にあることが好ましい。
また、本発明に係る複合成形体の製造方法においては、繊維強化樹脂成形体(B)は、連続強化繊維と成形体(A)の熱可塑性樹脂と同種の熱可塑性樹脂からなるが、成形体(A)の所望の部位を高精度で効率よく補強するためには、該所望部位に対して容易にかつ高精度で位置合わせされ、接合されることが好ましく、そのためには、とくに繊維強化樹脂成形体(B)がテープ状基材からなることが好ましい。
また、上記本発明に係る複合成形体の製造方法においては、成形体(A)は射出成形により成形されていることが好ましい。射出成形であれば、成形体(A)を構成する熱可塑性樹脂と補強材からなる樹脂組成物を容易に型に沿わせて高精度に成形できるので、高精度に成形された成形体(A)に対し、その所望部位に対して本発明に係る方法により、目標とする補強が高精度で行われ得る。
また、上記本発明に係る複合成形体の製造方法において、上記成形体(A)の補強材としてはとくに限定されず、繊維状物、非繊維状物のいずれも使用可能である。繊維状物としては、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等やこれらの組み合わせが使用可能であり、非繊維状物としては、タルク、マイカ、カオリン、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、クレー、ワラステナイト等やこれらの組み合わせが使用可能である。成形体(A)自体を元々高強度に成形しておくためには、繊維状物としての上記のような強化繊維の使用が好ましく、中でもガラス繊維、炭素繊維の使用が好ましい。
上記繊維強化樹脂成形体(B)における強化繊維束の形態は、連続強化繊維の織物であっても強化繊維が一方向に配置されたものであっても、強化繊維が一方向に配置された層を方向を変えて多層積層したものであってもよい。一方向に配向されていると、連続強化繊維が配向されている特定の方向に対して特に、複合成形体が高い機械強度を発現できるため好ましい。また、上記繊維強化樹脂成形体(B)の連続強化繊維の種類としても、とくに限定されず、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維のいずれか、あるいはこれらのいずれかの組み合わせ等を使用できるが、繊維強化樹脂成形体(B)における連続強化繊維が成形体(A)の所定部位の効率の良い補強を目的に使用されるものであることを考慮すると、炭素繊維の使用が好ましい。
また、上記本発明に係る複合成形体の製造方法においては、上記繊維強化樹脂成形体(B)の厚みとしては、とくに限定されないが、繊維強化樹脂成形体(B)が先に成形された成形体(A)の所望部位を部分的に効率よく補強する役目を担うことと、補強されるべき成形体(A)の全体形状を大きく変化させないことが望まれることが多いことを考慮すると、繊維強化樹脂成形体(B)の厚みが大きすぎることは望ましくない。小さな厚みでもって効率よく補強でき、かつ、連続強化繊維に樹脂を容易に含浸して所定の基材を容易に作製できることから、繊維強化樹脂成形体(B)の厚みとしては0.1〜1mm程度の範囲にあることが好ましい。
前述したように、本発明では、成形体(A)が複雑な三次元形状を有する場合にあっても、高精度かつ高接合強度をもって容易に効率よく成形体(A)を補強できるため、上記成形体(A)の繊維強化樹脂成形体(B)との接合面の少なくとも一部が曲面(三次元曲面を含む)に形成されている場合にも、本発明は問題なく適用可能である。
このように、本発明に係る複合成形体の製造方法によれば、成形体(A)の所望の部位を、超音波溶着手法を採用して、予め作製された基材からなる繊維強化樹脂成形体(B)で反り変形等の不具合を生じさせることなく高接合強度をもって容易に効率よく補強できるようになる。
実施例で作製した3次元形状の成形体の概略図である(各寸法の単位:mm)。
以下に、本発明について、実施の形態とともに、さらに詳細に説明する。
本発明に係る複合成形体の製造方法は、熱可塑性樹脂と補強材からなる熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体(A)と、該成形体(A)と同種の熱可塑性樹脂と連続強化繊維を配列させた基材からなる繊維強化樹脂成形体(B)とを超音波溶着により接合する複合成形体の製造方法であって、成形体(A)の熱可塑性樹脂組成物における補強材の含有量が30重量%以上であり、かつ、成形体(A)における補強材の体積含有率をVfa、繊維強化樹脂成形体(B)における強化繊維の体積含有率をVfbとしたとき、Vfa−Vfbの差が1〜30%の範囲にあることを特徴とする方法からなる。複合成形体の機械特性、接合強度が高く、そり変形が小さいことから、VfaとVfbの差が1〜25%であることが好ましく、1〜20%がより好ましい。
上記成形体(A)及び上記繊維強化樹脂成形体(B)における同種の熱可塑性樹脂としては、前述したように、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアリーレンサルファイド系樹脂、スチレン系樹脂から選ばれる少なくとも1種を使用でき、中でも、ポリアミド系樹脂の使用が好ましい。
上記ポリアミド系樹脂の好ましい例としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)、ポリウンデカミド(ナイロン11)、ポリカプロアミド/ポリウンデカミドコポリマー(ナイロン6/11)、ポリドデカミド(ナイロン12)、ポリカプロアミド/ポリドデカミドコポリマー(ナイロン6/12)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)およびこれらの混合物ないし共重合体等が挙げられる。中でもナイロン6が特に好ましい。また、ポリアミド系樹脂は単体で用いる他、2種以上を混合して用いてもよい。
上記ポリエステル系樹脂の好ましい例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリプロピレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリプロピレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート/ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート/ナフタレート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、およびこれらの混合物ないし共重合体等が挙げられる。中でも成形性、機械特性等に優れる点で、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。また、ポリエステル系樹脂は単体で用いる他、2種以上を混合して用いてもよい。
上記ポリオレフィン系樹脂の好ましい例としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン、およびこれらの混合物ないし共重合体等が挙げられる。中でもポリプロピレン、ポリエチレンが好ましい。また、ポリオレフィン系樹脂は単体で用いる他、2種以上を混合して用いてもよい。
上記ポリアリーレンサルファイド系樹脂の好ましい例としては、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンサルファイドスルホン、ポリフェニレンサルファイドケトン、およびこれらの混合物ないし共重合体等が挙げられる。中でもポリフェニレンサルファイドが特に好ましい。また、ポリアリーレンサルファイド系樹脂は単体で用いる他、2種以上を混合して用いてもよい。
上記スチレン系樹脂の好ましい例としては、ポリスチレン、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SBS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体(MBS樹脂)、メチルメタクリレート・アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(MABS樹脂)、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合体(AAS樹脂)、アクリロニトリル・エチレンプロピレン系ゴム・スチレン共重合体(AES樹脂)、およびこれらの混合物ないし共重合体等が挙げられる。中でもアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)が好ましい。また、スチレン系樹脂は単体で用いる他、2種以上を混合して用いてもよい。
上記成形体(A)の補強材として強化繊維が用いられる場合の該強化繊維と、上記繊維強化樹脂成形体(B)における連続強化繊維とは、同種であってもよく、異種であってもよい。強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維等の無機繊維、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、アラミド繊維等の合成樹脂繊維、チタン繊維、ボロン繊維、ステンレス繊維等の金属繊維が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。強化繊維として好ましくは炭素繊維である。炭素繊維を用いることで、機械強度に優れる複合成形体を得ることができる。
成形体(A)の補強材として強化繊維が用いられる場合、その強化繊維の形態は、不連続繊維であることが好ましい。不連続強化繊維含有材料であれば、とくに射出成形が可能になり、容易に成形体(A)が複雑な形状に形成されるので、本発明に係る方法の適用が好適な成形体(A)の形態となる。但し、補強材が強化繊維以外の成形体(A)や、補強材として連続強化繊維が用いられた成形体(A)に対しても、本発明に係る方法は適用で
きる。
成形体(A)が射出成形されている場合、成形体(A)自体が通常の成形法にて容易に高精度で良好な生産性をもって、所望の形状に形成され得、先に成形された成形体(A)に対し、本発明に係る方法を適用して、所望の部位に対してのみ、繊維強化樹脂成形体(B)でもって不具合を生じることなく高精度かつ高接合強度をもって容易に効率よく成形体(A)を補強できる。
上記繊維強化樹脂成形体(B)の厚みとしては、成形体(A)の形状に沿わせて良好に配置できることから、比較的薄い方が好ましく、好ましい繊維強化樹脂成形体(B)の厚みとしては、前述の如く、0.1〜1mm程度の範囲である。
上記のような範囲の繊維強化樹脂成形体(B)の厚みと、本発明で規定したVfa−Vfbの差の範囲を満たすことにより、複雑な三次元曲面を有する成形体(A)にあっても、比較的薄層の繊維強化樹脂成形体(B)の接合により反り変形等の不具合を生じることなく成形体(A)の所定部位を部分的に容易に効率よく補強することができるようになる。
以下に、実施例、比較例について説明する。
(1)評価方法
まず、実施例、比較例で用いた物性の測定方法について説明する。
(1−1)曲げ評価
作製した複合成形体を切り出して、10mm×150mm×3.3mmt(t:厚さ)の短冊状試験片を作製した。短冊状試験片を繊維強化樹脂成形体(B−1)が下側になるよう配置し、スパン間距離64mm、曲げ速度2mm/minの試験条件で曲げ試験を行った。試験はn=3で行い、曲げ強度、曲げ弾性率の測定を行った。
(1−2)そり評価
作製した複合成形体を平坦な台の上に置き、基準点に対する最大高さをノギスを用いて測定し、そり量とした。
(1−3)密着性評価
3次元曲面を有する成形体(A´)に繊維強化樹脂成形体(B)を接合した複合成形体を作製し、密着性を目視で評価した。接合面が接合したものを○、接合面が剥離したものを×と判定した。
(2)成形体
次に、評価に用いる成形体について説明する。
(2−1)成形体(A)、(A´)
・熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体(A−1)、(A´−1)の製造:
表1に示す熱可塑性樹脂組成物(a−1)を用いて射出成形し、100mm×150mm×3mmtの角板形状の成形体(A−1)を得た。
一方、密着性評価に用いる、熱可塑性樹脂組成物を成形してなり3次元形状を有する成形体として、3次元形状の金型を用い、同様の方法で図1に示す3次元形状を有する成形体(A´−1)を作製した(図1の成形体1)。
・成形体(A−2)〜(A−4)、(A´−2)〜(A´−4)の製造:
表1に示す熱可塑性樹脂組成物(a−2)〜(a−4)を用いた以外は上記と同様の方法により、熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体(A−2)〜(A−4)を作製した。また、同様に、密着性評価に用いる3次元形状を有する成形体(A´−2)〜(A´−4)作製した。
(2−2)繊維強化樹脂成形体(B)
・繊維強化樹脂成形体(B−1)の製造:
東レ(株)製炭素繊維“トレカ”(登録商標)T700S(12K(K:1,000本))を引き揃え、ナイロン6樹脂で充満された含浸ダイに投入した後、引き抜き成形によって、幅50mm、厚み0.30mm、炭素繊維含有量60重量%の繊維強化樹脂成形体(B−1)を得た。
・繊維強化樹脂成形体(B−2)の製造:
炭素繊維含有量を50重量%に変更した以外は、繊維強化樹脂成形体(B−1)と同様の方法により、繊維強化樹脂成形体(B−2)を作製した。
<実施例1>
超音波溶着装置(アドウェルズ社製、SW1000LS)を使用し、ステージ上に、上記で作製した、繊維強化樹脂成形体(B−1)、熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体(A−1)を積層した。超音波ホーンの位置調整を行った後、溶着装置を稼働させ複合成形体を作製した。また、密着性評価に用いる複合成形体として、繊維強化樹脂成形体(B−1)、3次元形状を有する成形体(A´−1)を積層し、上記の超音波溶着装置を稼働させ複合成形体を作製した。
これらを用いて各種評価を行った結果を表1に示す。
<実施例2〜5>
表1に示す通り材料を変更した以外は、実施例1と同様の方法で複合成形体を作製し、特性評価を行った。評価結果を表1に示す。
<比較例1〜3>
表1に示す通り材料を変更した以外は、実施例1と同様の方法で複合成形体を作製し、特性評価を行った。評価結果を表1に示す。
<比較例4>
金型内に(B−1)の繊維強化樹脂成形体をインサートした後、表1に示す熱可塑性樹脂組成物(a−1)を用いて射出成形し、100mm×150mm×3mmtの角板形状の複合成形体を得た。これを用いて、曲げ評価およびそり評価を行った結果を表1に示す。
また、密着性評価に用いる複合成形体として、3次元形状の金型(図1の成形体の成形に用いた金型)に(B−1)の繊維強化樹脂成形体をインサートした後、(a−1)の熱可塑性樹脂組成物を射出成形し、複合成形体を作製した。金型から取り出した直後は溶着していたが、冷却されると共に形状が変化し、(A´−1)の熱可塑性樹脂組成物と(B−1)の繊維強化樹脂成形体とが剥離した。
<参考例1〜4>
表1に示す通り、成形体(A)、(A´)のみを用い、繊維強化樹脂成形体(B)を用いなかった場合の特性評価結果を、表1に示す。
実施例1〜5に示す複合成形体は、機械特性が高く、そり変形が小さく、さらに3次元曲面を有する成形体への接合強度に優れていた。一方、比較例1〜4に示す複合成形体は、上記特性のいずれか、特に3次元曲面を有する成形体への接合強度が劣ることが分かった。また参考例1〜4の成形体は、繊維強化樹脂成形体を接合していないため、そり変形は小さいものの、機械特性が不十分であった。
Figure 2017206015
本発明に係る方法は、先に成形された、とくに射出成形された成形体の所望の部位を不具合を生じることなく容易に効果的に補強することが望まれる場合に好適なものであり、あらゆる分野の成形体の補強に適用できる。
1 実施例で作製した3次元形状の成形体

Claims (12)

  1. 熱可塑性樹脂と補強材からなる熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体(A)と、該成形体(A)と同種の熱可塑性樹脂と連続強化繊維を配列させた基材からなる繊維強化樹脂成形体(B)とを超音波溶着により接合する複合成形体の製造方法であって、前記成形体(A)の熱可塑性樹脂組成物における補強材の含有量が30重量%以上であり、かつ、前記成形体(A)における補強材の体積含有率をVfa、前記繊維強化樹脂成形体(B)における強化繊維の体積含有率をVfbとしたとき、Vfa−Vfbの差が1〜30%の範囲にあることを特徴とする、複合成形体の製造方法。
  2. 前記成形体(A)及び前記繊維強化樹脂成形体(B)が、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアリーレンサルファイド系樹脂、スチレン系樹脂から選ばれる少なくとも1種をマトリクス樹脂としている、請求項1に記載の複合成形体の製造方法。
  3. 前記成形体(A)及び前記繊維強化樹脂成形体(B)がポリアミド系樹脂をマトリクス樹脂としている、請求項2に記載の複合成形体の製造方法。
  4. 前記成形体(A)の前記繊維強化樹脂成形体(B)の接合面の中心線平均表面粗さRaが1≦Ra≦10(μm)の範囲にある、請求項1〜3のいずれかに記載の複合成形体の製造方法。
  5. 前記繊維強化樹脂成形体(B)が一方向に連続強化繊維を配列させた基材からなる、請求項1〜4のいずれかに記載の複合成形体の製造方法。
  6. 前記繊維強化樹脂成形体(B)がテープ状基材からなる、請求項1〜5のいずれかに記載の複合成形体の製造方法。
  7. 前記成形体(A)が射出成形により成形されている、請求項1〜6のいずれかに記載の複合成形体の製造方法。
  8. 前記成形体(A)に含有される補強材が、繊維状物として炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、または非繊維状物としてタルク、マイカ、カオリン、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、クレー、ワラステナイトのいずれか少なくとも一つを含む、請求項1〜7のいずれかに記載の複合成形体の製造方法。
  9. 前記繊維状物が不連続繊維であることを特徴とする、請求項8に記載の複合成形体の製造方法。
  10. 前記繊維強化樹脂成形体(B)における強化繊維が炭素繊維である、請求項1〜9のいずれかに記載の複合成形体の製造方法。
  11. 前記繊維強化樹脂成形体(B)の厚みが0.1〜1mmの範囲にある、請求項1〜10のいずれかに記載の複合成形体の製造方法。
  12. 前記成形体(A)の前記繊維強化樹脂成形体(B)との接合面の少なくとも一部が曲面に形成されている、請求項1〜11のいずれかに記載の複合成形体の製造方法。
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