JP5950194B2 - 複合成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維強化樹脂を含む複合成形体製造方法に関し、とくに、予め成形した繊維強化樹脂の予備成形体の周りに溶融樹脂を供給して成形した複合成形体製造方法に関する。
予め成形した繊維強化樹脂の予備成形体の周りに溶融樹脂を供給して複合成形体を成形する方法はよく知られている。例えば図6に示すように、繊維強化樹脂の予備成形体101、例えば、熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂とする一方向繊維強化プリプレグ101を予め所定形状に形成し、それを樹脂にて複合成形(例えば、インサート成形)する場合、予め金型内にそのプリプレグ101を設置しておき、その金型内に溶融状態の樹脂102を射出により充填して一体化された複合成形体103の成形品を得るようにしている。
しかし、上記のように予備成形体としてのプリプレグ101を金型内に設置するだけでは、通常、プリプレグ101が金型のいずれかの内面上に設置されることになるので、そのプリプレグ101を最終成形品の厚み方向中心に配置することは困難である。そのため、プリプレグ101のマトリックス樹脂と射出樹脂102との素材の違いに起因する収縮率の差に起因して、最終成形品としての複合成形体103に反りが発生したり、成形体外表面におけるマトリックス樹脂と射出樹脂102の境界等に歪による外観不良が発生するおそれがある。これらを抑制するために、熱可塑性樹脂の場合の冷却固化速度あるいは熱硬化性樹脂の場合の加熱硬化速度を遅くすることも考えられるが、そうすると、生産性が大幅に低下する。また、樹脂102の射出速度を遅くすることも考えられるが、そうすると、生産性の低下とともに、樹脂102をプリプレグ101の周囲に十分に行き渡らせることが困難になるおそれがあり、一体化のための成形性が悪化する。
また、プリプレグ101を金型内に設置するだけでは、溶融状態の樹脂102を射出により充填して一体化する場合に、用いられるマトリックス樹脂の組み合わせや、複合成形の成形条件によっては、プリプレグ101と、溶融状態の樹脂102との接着性が充分でない場合があった。
従来から、例えば特許文献1に示されるように、繊維強化樹脂の予備成形体を金型内に配置し、その周囲に溶融樹脂を供給して複合成形体をインサート成形する方法が知られているが、その大部分は上記のような問題を有している。特許文献1には、繊維強化樹脂の予備成形体を最終複合成形体の厚み方向中心に配置した形態も記載されているが、この形態を得るためには、インサート成形中に補強材としての予備成形体を金型のキャビティ内の中間部に配置する必要があるため、その補強材を位置決めして保持するための特別の工夫が必要になる。特許文献1では、補強材を位置決めして保持するための位置決め具を用いており、その位置決め具が金型内に配置されたままインサート成形が行われるので、成形後の成形品には位置決め具を除去した後の穴が残存することとなっている(特許文献1の[0011]段落および図2)。このような方法では、成形品の優れた外観を得ることが困難であるばかりか、良好な成形性、生産性を得ることは困難である。
特開2001−293746号公報
そこで本発明の課題は、繊維強化樹脂の予備成形体を用いてインサート成形する場合の上記のような従来技術における問題点に着目し、成形品に反りが発生することを抑制して容易に成形品の優れた外観を得ることができ、さらには予備成形体とインサート成形する樹脂との接着性にも優れ、しかも、成形性、生産性にも優れた複合成形体の製造方法提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る複合成形体の製造方法は、予め成形した繊維強化樹脂Aを予備成形体として型内に配置し、該型内の前記繊維強化樹脂A周りに溶融した樹脂Bを供給して前記繊維強化樹脂Aをインサート成形する複合成形体の製造方法であって、前記繊維強化樹脂Aの表面に、接着樹脂Cを配置し、前記繊維強化樹脂Aの表面の一部に、前記接着樹脂Cを介して、前記樹脂Bと同一樹脂からなる樹脂体を予め接合して樹脂体一体化予備成形体を形成し、該樹脂体一体化予備成形体を型内に配置して、前記樹脂Bによるインサート成形を行うことを特徴とする方法からなる。ここで、予め成形した繊維強化樹脂Aの予備成形体の形態としては、そのマトリックス樹脂が熱硬化性樹脂の場合は、完全に硬化された形態のもの、インサート成形の段階で完全に硬化されるが予備成形体の段階では最終的な硬化が可能な状態に維持された、いわゆるプリプレグの形態のものの両方を含む。
ここで、繊維強化樹脂Aと前記樹脂体との接合は、例えば両者の少なくとも一部を溶融させて接合してもよいし、前記繊維強化樹脂Aの表面に接着樹脂Cを配置して前記接着樹脂Cを介して前記樹脂体を接合してもよいし、前記繊維強化樹脂Aの製造と同時、若しくは製造しながら前記樹脂体を前記繊維強化樹脂Aの表面に配置・接合してもよいが、本発明では、繊維強化樹脂Aの表面に接着樹脂Cを配置して前記接着樹脂Cを介して前記樹脂体を接合する。前記前記繊維強化樹脂Aの製造と同時、若しくは製造しながら、前記樹脂体を配置・接合できると工程を最小限にすることができるため好ましい。
前記接着樹脂Cを適用する場合、前記繊維強化樹脂Aの表面の一部または全表面に、層状に配置していてもよいし、表面に粒子状または繊維状に配置していてもよいし、表面にシート状に配置してもよい。かかる態様であると、前記繊維強化樹脂Aと前記樹脂体とを、より効率的に且つ確実に接合できる。特に繊維強化樹脂Aの両表面に接着樹脂Cを適用すると、予備成形体とインサート成形する樹脂との接着性をも向上させることができる。また、かかる態様であると、接着樹脂Cも、前記繊維強化樹脂Aの製造と同時、若しくは製造しながら、前記繊維強化樹脂Aの表面に配置・接合することができる。
ここで、本発明における接合とは、前記繊維強化樹脂Aの製造時に前記樹脂体を配置して一体化させる態様や、繊維強化樹脂Aの製造時に樹脂体も一緒に製造して繊維強化樹脂Aの表面の一部に樹脂体を形成させる態様も本発明では接合と呼称する。
この本発明に係る方法では、とくに、上記樹脂体一体化予備成形体を、上記繊維強化樹脂A部分が成形されるべき複合成形体の厚み方向中心を含む位置に配置されるように、かつ、上記樹脂体部分が成形されるべき複合成形体の外表面側の位置に配置されるように、型内に配置して、上記樹脂Bによるインサート成形を行うことが好ましい。
このような本発明に係る複合成形体の製造方法においては、予備成形体としての繊維強化樹脂Aの表面の一部に、例えば、繊維強化樹脂Aの片面に、インサート成形時に供給される溶融樹脂Bと同一樹脂からなる樹脂体が予め接合されて樹脂体一体化予備成形体(つまり、繊維強化樹脂Aと樹脂体との積層形態の予備成形体)が形成され、この樹脂体一体化予備成形体が従来の予備成形体と同様型内に配置されてインサート成形が行われる。繊維強化樹脂Aの表面の一部に樹脂Bからなる樹脂体が予め接合されているので、この樹脂体が型の内面に当接するように樹脂体一体化予備成形体を型内に配置するだけで、特別な治具等を用いることなく、極めて容易に、インサート成形時の繊維強化樹脂Aを、成形されるべき複合成形体の厚み方向中央部に位置させることが可能になる。とくに、予め接合される樹脂体の厚みを、成形されるべき複合成形体の全体厚みや繊維強化樹脂Aの厚みに対して適切な厚みに設定しておくことにより、極めて容易に、繊維強化樹脂A部分を成形されるべき複合成形体の厚み方向中心を含む位置に配置することが可能になる。このような樹脂体一体化予備成形体の配置状態で、溶融樹脂Bの供給によるインサート成形が行われるが、インサート成形中、インサート成形後において、繊維強化樹脂Aが、配置された成形されるべき複合成形体の厚み方向中央部(とくに、成形されるべき複合成形体の厚み方向中心を含む位置)に配置された状態に保たれるので、繊維強化樹脂Aのマトリックス樹脂と樹脂Bとの収縮率の差に起因する複合成形体の反りの発生は防止ないしは大きく抑制される。また、繊維強化樹脂Aの周りに供給された溶融樹脂Bは、繊維強化樹脂Aを包埋する際に、樹脂体一体化予備成形体の樹脂体部(とくに、その端面部)と融合することになるが、この樹脂体は樹脂Bと同一樹脂から形成されているので、実質的に境界のない状態で接合されることになり、この接合部分が外観として現れる場合にも、一様で良好な外観が達成される。さらに、インサート成形自体としては、従来の予備成形体が本発明における樹脂体一体化予備成形体に代わるだけで、通常の成形方法が問題なく適用できるので、樹脂Bの供給速度を遅くしたりする必要はなく、また、前述の特許文献1に示されているような特別の位置決め保持具を使用したりする必要も全くないので、優れた成形性、優れた生産性が容易に確保される。
上記本発明に係る複合成形体の製造方法においては、上記繊維強化樹脂Aは、数平均の繊維長1mm以上の強化繊維を含む繊維強化樹脂からなることが好ましい。上記繊維強化樹脂Aは複合成形体における補強材として使用されることが多いので、あるレベル以上の機械特性(強度や弾性率)の発現が求められることが多いが、そのためには、強化繊維の数平均の繊維長が1mm以上であることが好ましく、1mm以上であれば連続繊維までの採用が可能である。また繊維配合量としては20体積%以上であるのが好ましく、更に好ましくは45体積%以上であるのが更に望ましい。
また、本発明に係る方法においては、上記繊維強化樹脂Aの強化繊維が一方向に配向されている形態を採ることができる。不連続繊維、連続繊維にかかわらず、強化繊維が一方向に配向されていることにより、その特定方向の機械特性を効率よく高めることができる。特に高い機械特性を得たい場合は連続繊維を用いるのがよい。一方、強化繊維が不連続繊維である場合、例えば、樹脂含浸前にカーディング処理を行うことにより、強化繊維の多くを一方向に配向させることが可能である。なお、強化繊維の形態としては、不連続繊維や連続繊維を一方向に配向させたものの他、いわゆる一方向織物の形態も可能である。
上記の通り、前記樹脂体においては、その厚みを制御することが重要となる。樹脂体の厚みを厳密に制御するためには、樹脂体は強化繊維が配合された強化繊維を含む繊維強化樹脂からなることが好ましく、特に厚み方向にも繊維が配向し易い、不連続の強化繊維を含むものがよい。
また、本発明に係る方法においては、上記溶融した樹脂Bが射出により型内に供給される形態(つまり、射出成形の形態)を採ることができる。インサート成形は、一般的に射出成形の形態を採ることが多いが、RTM等の他の成形方法においても実施は可能である。本発明に係る方法は、後述の実施例にも示すように、射出成形に対し容易に適用できるものである。
また、本発明に係る方法においては、上記樹脂Bの種類としては特に限定されず、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の両方が使用可能である。しかし、樹脂Bが熱可塑性樹脂からなる場合、容易に多様な形状への成形を行うことができ、かつ、インサート成形を伴う成形の成形性、生産性も容易に良好に維持できるので、樹脂Bが熱可塑性樹脂からなる形態がとくに好ましい。また、上記射出成形とともに実施することで、外観を含む成形品質に優れた複合成形体を短時間で効率よく製造することが可能になり、大量生産にも容易に対応できるようになる。また、上記繊維強化樹脂Aのマトリックス樹脂の種類としても特に限定されず、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の両方が使用可能である。本発明において使用可能な熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、ABS、ポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンエーテル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアミドイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルフォン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリスチレン、液晶ポリエステルやアクリロニトリルの共重合体を用いることができる。これらの混合物であってもよい。また、ポリアミド6とポリアミド66との共重合体のように共重合したものであってもよい。さらに得たい成形品の要求特性に応じて、難燃剤、耐候性改良材、その他酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、相溶化剤、導電性フィラー等を添加しておくことができる。
また、本発明に係る方法においては、上記接着樹脂Cの種類としては特に限定されず、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の両方が使用可能である。インサート成形する樹脂Bが熱可塑性樹脂である場合、上記接着樹脂Cが熱硬化性樹脂、特にエポキシ樹脂またはその組成物であると、その接着効果を高く発現できる。一方、接着樹脂Cが熱可塑性樹脂で、樹脂Bと分子構造以外、同種の樹脂からなる形態がとくに好ましい。
接着樹脂Cは樹脂Bよりも低い融点を有するものである場合、容易に多様な形状へ確実に接合することができ、かつ、インサート成形を伴う成形の成形性、生産性も容易に良好に維持できるので好ましい。この場合、前記繊維強化樹脂A100重量部に対して2〜20重量部の範囲内で配置されていると、上記効果を最大限に発現することができる。
別の観点からは、接着樹脂Cと樹脂Bとは、分子構造以外、同種の樹脂からなるのが好ましい。特に、接着樹脂Cが環状分子構造を有し、且つ樹脂Bが直鎖状または分岐状の高分子構造を有するのが更に好ましい。かかる態様において好ましい前記樹脂Bと、接着樹脂Cとの組み合わせとしては、
(1)前記樹脂Bが重量平均分子量10,000以上の高分子量ポリフェニレンスルフィド、前記接着樹脂Cが環状ポリフェニレンスルフィドを主成分とする樹脂組成物、
(2)前記樹脂Bが重量平均分子量10,000以上の高分子量ポリエーテルエーテルケトン、前記接着樹脂Cが環状ポリエーテルエーテルケトンを主成分とする樹脂組成物、
が挙げられる。
一方、接着樹脂Cと樹脂Bとは、異種の樹脂からなってもよい。この場合、
(3)前記樹脂Bがポリフェニレンスルフィド樹脂、前記接着樹脂Cがエポキシ樹脂を主成分とする樹脂組成物、
(4)前記樹脂Bがポリアミド樹脂、前記接着樹脂Cがエポキシ樹脂を主成分とする樹脂組成物、
(5)前記樹脂Bがポリオレフィン樹脂、前記接着樹脂Cがエポキシ樹脂を主成分とする樹脂組成物、または、酸無水物変成歩オレフィンを主成分とする樹脂塑性物、
であると本発明の効果を高く発現することができる。
また、本発明に係る方法においては、上記繊維強化樹脂Aの強化繊維の種類としては特に限定されず、炭素繊維やガラス繊維、アラミド繊維などを使用でき、さらには、これら強化繊維の混在形態も採用可能である。しかし、上記繊維強化樹脂Aは複合成形体における補強材としての役目を期待されることが多いので、高い機械特性を発現することが望ましく、高い機械特性を満足するためには、繊維強化樹脂Aの強化繊維が炭素繊維を含むことが好ましい。
また、本発明に係る方法においては、上記樹脂Bは、樹脂のみとすることは勿論のこと、強化繊維を含む形態とすることも可能である。樹脂Bが強化繊維を含む場合には、樹脂Bを供給して繊維強化樹脂Aをインサート成形することから、樹脂Bに含まれる強化繊維は樹脂Bとともに型内で良好に流動できることが望まれ、そのためには、樹脂Bに含まれる強化繊維は不連続繊維、なかでも良好に流動可能な比較的短い繊維であることが好ましい。特に好ましくは、強化繊維の繊維長が1mm未満である。この樹脂Bに含まれる強化繊維の種類としても特に限定されず、炭素繊維やガラス繊維、アラミド繊維などを使用でき、さらには、これら強化繊維の混在形態も採用可能である。しかし、最終的に成形される複合成形体全体の機械特性の向上をはかるためには、樹脂Bに含まれる強化繊維も炭素繊維を含むことが好ましい。
本発明により製造される複合成形体は、予め成形した繊維強化樹脂Aと、該繊維強化樹脂Aの表面の一部に接着樹脂Cを介して予め接合された樹脂Bからなる樹脂体とからなる樹脂体一体化予備成形体が、溶融した樹脂Bの供給によりインサート成形されている。
この本発明による複合成形体では、とくに、上記樹脂体一体化予備成形体の上記繊維強化樹脂A部分が複合成形体の厚み方向中心を含む位置に、かつ、上記樹脂体部分が複合成形体の外表面側の位置に配置されていることが好ましい。
このような本発明による複合成形体は、繊維強化樹脂Aと樹脂Bからなる樹脂体との樹脂体一体化予備成形体の周囲に、この樹脂体と同一の樹脂Bが供給されて成形された、繊維強化樹脂Aが樹脂Bで囲まれた構造となるので、内包された繊維強化樹脂Aが、複合成形体の厚み方向中央部に、とくに、複合成形体の厚み方向中心を含む位置に、配置されることが可能になる。このような配置状態では、前述したように、インサート成形においても複合成形体の反りの発生が防止ないしは大きく抑制されるので、反りが抑制された良好な寸法精度の複合成形体が得られる。また、繊維強化樹脂Aは樹脂体一体化予備成形体の樹脂体部とインサート成形により供給された樹脂Bによって囲まれるが、両樹脂は同一の樹脂Bからなるので、これら樹脂部間は実質的に境界のない状態になり、一様で良好な外観が達成される。さらに、インサート成形により製造されているので、前述したように、優れた成形性、優れた生産性が容易に確保される。
また、本発明による複合成形体においては、上記繊維強化樹脂Aが、繊維長1mm以上の強化繊維を含む繊維強化樹脂からなることも好ましい形態の一つである。
また、本発明による複合成形体においては、上記繊維強化樹脂Aの強化繊維が一方向に配向されていることも好ましい形態の一つである。
また、本発明による複合成形体においては、上記溶融した樹脂Bが射出により供給されることも好ましい形態の一つである。
また、本発明による複合成形体においては、上記樹脂Bが熱可塑性樹脂からなることも好ましい形態の一つである。
また、本発明による複合成形体においては、上記繊維強化樹脂Aの強化繊維が炭素繊維を含むことも好ましい形態の一つである。
また、本発明による複合成形体においては、上記樹脂Bが強化繊維を含むことも好ましい形態の一つである。この場合、樹脂Bの強化繊維が炭素繊維を含むことが好ましい。
このように、本発明によれば、反りが抑制され良好な寸法精度を有し、良好な外観を有する複合成形体を、優れた成形性、生産性をもって効率よく製造することができる。さらには予備成形体とインサート成形する樹脂との接着性をも高めることができる。
本発明の一実施態様に係る複合成形体の製造方法を示す成形装置の概略構成図である。 図1の方法に用いた樹脂体一体化予備成形体およびそれを用いてインサート成形した複合成形体の概略断面図である。 図2とは別の例に係る樹脂体一体化予備成形体およびそれを用いてインサート成形した複合成形体の概略断面図である。 図2とはさらに別の例に係る樹脂体一体化予備成形体およびそれを用いてインサート成形した複合成形体の概略断面図である。 図2とはさらに別の例に係る樹脂体一体化予備成形体およびそれを用いてインサート成形した複合成形体の概略断面図である。 従来の予備成形体およびそれを用いてインサート成形した複合成形体の概略断面図である。
以下に、本発明の望ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る複合成形体の製造方法を示す成形装置の概略構成を示している。図1において、1は、インサート成形が可能な射出成形装置を示しており、成形装置1の先端部には、開閉可能な金型2a、2bが設けられている。金型2aには、溶融樹脂(例えば、溶融熱可塑性樹脂)を供給可能な射出装置3(押出機)が連結されている。図1(A)に示すように、金型2a、2bを開いた状態で、型内に本発明における樹脂体一体化予備成形体4が配置される。
この樹脂体一体化予備成形体4は、例えば図2に示すように、予め所定形状に成形した繊維強化樹脂A(4a)(例えば、一方向繊維強化プリプレグ)の表面の一部に(図示例では、片面に)、上記射出装置3により供給される溶融樹脂と同一の樹脂Bからなる樹脂体4bを予め接合することにより形成されている。図2に示す例では、樹脂体4bは繊維強化樹脂A(4a)の片面と同じ平面サイズを有しているが、例えば図3に示すように、繊維強化樹脂A(4a)の片面よりも大きな平面サイズ(または小さな平面サイズ)を有する樹脂体4cを接合することもできる。例えば、インサートされる樹脂体一体化予備成形体(4、5)の側面が凸型で、金型との間に閉空間を形成する場合、後から供給される溶融した樹脂B(7)が、樹脂体一体化予備成形体(4、5)の形態に沿って閉空間に流れ込めず、複合成形体の表面に溝を形成し、複合成形体の耐久性や外観上の問題をも発生させる場合がある。そのため、前述の通り、樹脂体一体化予備成形体(4、5)の側面に凸型を形成させないように、図3の態様は、本発明において好ましい態様といえる。
また、例えば図5に示すように、繊維強化樹脂A(4a)の片面よりも大きな平面サイズを有する樹脂体4gを片面に、小さな平面サイズ(または同じ平面サイズ)を有する樹脂体4hを他面に接合することもできる。かかる態様であると、樹脂体4hは、繊維強化樹脂A(4a)と供給される溶融した樹脂B(7)との接着性を高める役割をも果たし、本発明においてより好ましい態様といえる。さらに、例えば図4に示すように、繊維強化樹脂A(4a)と樹脂体4eとを、接着樹脂C(4d)を介して接合することもできる。ここで接着樹脂C(4f)は、繊維強化樹脂A(4a)と供給される溶融した樹脂B(7)との接着性をより高め、強固にする役割を果たし、本発明において更に好ましい態様といえる。
そして、図1(A)に示すように、上記のように予め形成された樹脂体一体化予備成形体4が、金型2a、2bを開いた状態で型内に配置され、図1(B)に示すように、型が閉じられて金型2a、2bによって形成されるキャビティ6内に、射出装置3により溶融樹脂B(7)が供給される。すなわち、樹脂体一体化予備成形体4が、その周りに溶融樹脂B(7)が供給されることにより、インサート成形される。供給された溶融樹脂B(7)が例えば冷却により硬化された後、図1(C)に示すように、金型2a、2bが開かれ、上記樹脂体一体化予備成形体4の周りに樹脂B(7)がインサート成形により接合一体化された複合成形体8が取り出される。この複合成形体8は、図2に示すような断面構造を有する。また、図3に示した樹脂体4cを用いた場合には、図3に示すような断面構造を有する複合成形体9となる。さらに、図4に示した樹脂体4eを用いた場合には、図4に示すような断面構造を有する複合成形体10となる。図5に示した樹脂体4g、4hを用いた場合には、図5に示すような断面構造を有する複合成形体11となる。
このように成形された複合成形体8(9、10、11)においては、図6に示した従来の複合成形体103との比較から明らかなように、繊維強化樹脂A(4a)が、容易に、複合成形体8(9、10、11)の厚み方向中央部に(とくに、厚み方向の中心を含む位置に)配置される。したがって、前述したように、インサート成形においても複合成形体8(9、10、11)に反りが発生することが防止ないしは大きく抑制され、反りが抑制された良好な寸法精度の複合成形体が得られる。また、繊維強化樹脂A(4a)は樹脂体一体化予備成形体4(5、12、13)の樹脂体部とインサート成形により供給された樹脂Bによって囲まれることになり、両樹脂部の境界は外部に現れる部位となるが、両樹脂は同一の樹脂Bからなるので、これら樹脂部間は実質的に境界のない状態になり、一様で良好な外観が達成される。さらに、インサート成形により製造されているので、前述したように、優れた成形性、優れた生産性が容易に確保され、大量生産にも容易に対応可能である。さらには予備成形体10(11)とインサート成形する樹脂B(7)との接着性をより高め、強固にする役割を果たす。
本発明は、インサート成形を行うあらゆる複合成形体およびその製造に適用可能である。なかでも、輸送機器用の構造部材、準構造部材や、情報機器用のハウジング等に適用するのが好ましい。
1 射出成形装置
2a、2b 金型
3 射出装置
4、5、12、13 樹脂体一体化予備成形体
4a 繊維強化樹脂A
4b、4c、4e、4g、4h 樹脂Bからなる樹脂体
4d、4f 接着樹脂C
6 キャビティ
7 樹脂B
8、9、10、11 複合成形体

Claims (14)

  1. 予め成形した繊維強化樹脂Aを予備成形体として型内に配置し、該型内の前記繊維強化樹脂A周りに溶融した樹脂Bを供給して前記繊維強化樹脂Aをインサート成形する複合成形体の製造方法であって、前記繊維強化樹脂Aの表面に、接着樹脂Cを配置し、前記繊維強化樹脂Aの表面の一部に、前記接着樹脂Cを介して、前記樹脂Bと同一樹脂からなる樹脂体を予め接合して樹脂体一体化予備成形体を形成し、該樹脂体一体化予備成形体を型内に配置して、前記樹脂Bによるインサート成形を行うことを特徴とする、複合成形体の製造方法。
  2. 前記樹脂体一体化予備成形体を、前記繊維強化樹脂A部分が成形されるべき複合成形体の厚み方向中心を含む位置に配置されるように、かつ、前記樹脂体部分が成形されるべき複合成形体の外表面側の位置に配置されるように、型内に配置して、前記樹脂Bによるインサート成形を行う、請求項1に記載の複合成形体の製造方法。
  3. 前記繊維強化樹脂Aの製造と同時、若しくは製造しながら、前記樹脂体を前記繊維強化樹脂Aの表面に配置・接合して樹脂体一体化予備成形体を形成する、請求項1または2に記載の複合成形体の製造方法。
  4. 前記繊維強化樹脂Aの製造と同時、若しくは製造しながら、前記接着樹脂Cを前記繊維強化樹脂Aの表面に配置する、請求項1〜3のいずれかに記載の複合成形体の製造方法。
  5. 前記繊維強化樹脂Aの両表面の一部に、前記樹脂体を予め接合して樹脂体一体化予備成形体を形成する、請求項1〜のいずれかに記載の複合成形体の製造方法。
  6. 前記繊維強化樹脂Aの表面に、前記繊維強化樹脂Aの片面よりも大きな平面サイズを有する樹脂体を接合する、請求項1〜のいずれかに記載の複合成形体の製造方法。
  7. 前記繊維強化樹脂Aが、繊維長1mm以上の強化繊維を含む繊維強化樹脂からなる、請求項1〜のいずれかに記載の複合成形体の製造方法。
  8. 前記繊維強化樹脂Aの強化繊維が一方向に配向されている、請求項1〜のいずれかに記載の複合成形体の製造方法。
  9. 前記樹脂体が、不連続の強化繊維を含む繊維強化樹脂からなる、請求項1〜のいずれかに記載の複合成形体の製造方法。
  10. 前記溶融した樹脂Bが射出により型内に供給される、請求項1〜のいずれかに記載の複合成形体の製造方法。
  11. 前記樹脂Bが熱可塑性樹脂からなる、請求項1〜10のいずれかに記載の複合成形体の製造方法。
  12. 前記繊維強化樹脂Aの強化繊維が炭素繊維を含む、請求項1〜11のいずれかに記載の複合成形体の製造方法。
  13. 前記樹脂Bが強化繊維を含む、請求項1〜12のいずれかに記載の複合成形体の製造方法。
  14. 前記樹脂Bの強化繊維が炭素繊維を含む、請求項13に記載の複合成形体の製造方法。
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