JP6848409B2 - 複合成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維強化樹脂成形体と、そのマトリクス樹脂とは異なる特定の樹脂、とくにポリエチレン系樹脂からなる成形体とを、特定の接合層を介して接合一体化した複合成形体と、その製造方法に関する。
繊維強化樹脂は軽量でありながら高い機械特性を有するので、各種分野において広く使用されているが、繊維強化樹脂成形体がそのマトリクス樹脂とは異なる特定の樹脂の層との積層構成を有することにより、繊維強化樹脂層や特定の樹脂層単層の場合に比べ、多様な要求性能を満足でき、かつ、所望の機械特性を確保しつつ成形性や表面特性等の向上をはかることができる場合が多い。
例えばポリエチレン系樹脂は、独特の表面特性等を発現できることが知られているが、繊維強化樹脂層とポリエチレン系樹脂層を直接的に接合することは難しく、例えば特許文献1には、繊維強化樹脂層と異種の樹脂層とを特定の接着層を介して接合一体化した成形体が開示されている。しかしこの特許文献1には、繊維強化樹脂成形体、とくにポリアミド系樹脂をマトリクス樹脂とする繊維強化樹脂成形体と、ポリエチレン系樹脂からなる成形体との接合に関しては記載、示唆はない。
また、特許文献2には、接合樹脂層としてポリエチレン系樹脂層の記載はあるが、金属とポリエチレン系樹脂層との接合について記載されており、繊維強化樹脂成形体については記載がない。
WO2014−112501号公報 特開平3−49917号公報
そこで本発明の課題は、特定の樹脂をマトリクス樹脂とする繊維強化樹脂成形体と、そのマトリクス樹脂とは異なる特定の樹脂、とくにポリエチレン系樹脂からなる成形体とを有する複合成形体を得ることを目指すに際し、繊維強化樹脂成形体とポリエチレン系樹脂成形体の両方に対して優れた接合性を発現可能な特定の接合層を介し高い接合強度をもって接合一体化した複合成形体と、その製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る複合成形体は、以下の(A)(B)(C)がこの順に積層されてなることを特徴とするものからなる。
(A)ポリアミド系樹脂をマトリクス樹脂とする繊維強化樹脂からなる繊維強化樹脂成形体
(B)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を積層してなり、ポリアミド系樹脂側を前記(A)繊維強化樹脂成形体側に配置してなる成形体
(C)ポリエチレン系樹脂からなる成形体
このような本発明に係る複合成形体においては、間に介在される(B)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を積層してなる成形体が、(A)ポリアミド系樹脂をマトリクス樹脂とする繊維強化樹脂からなる繊維強化樹脂成形体側には(B)の成形体におけるポリアミド系樹脂側が、(C)ポリエチレン系樹脂からなる成形体側には(B)の成形体におけるにおけるポリエチレン系樹脂側が、それぞれ配置されて複合成形体の積層に供されるので、この(B)成形体は、(A)ポリアミド系樹脂をマトリクス樹脂とする繊維強化樹脂成形体、(C)ポリエチレン系樹脂からなる成形体の双方に対し、高い接合適性を有することになり、(A)(B)(C)の順に積層されるこれら成形体は、全面にわたって高い接合強度をもって接合、一体化されることになり、初期特性だけでなく、長期耐久性評価後の強度、剛性に優れ、所期の目的が確実に達成される。
上記本発明に係る複合成形体においては、(A)繊維強化樹脂成形体のポリアミド系樹脂(マトリクス樹脂)がナイロン6であり、(C)ポリエチレン系樹脂からなる成形体のポリエチレン系樹脂がポリエチレンであることが好ましい。この場合、(B)の成形体との密着性が良好であり、曲げ評価での曲げ強度、曲げ弾性率の向上効果が大きく、さらに耐熱老化性、耐温水性試験後の曲げ評価においても曲げ強度、曲げ弾性率の極端な低下が見られない。
上記本発明に係る複合成形体においては、(A)繊維強化樹脂成形体が、数平均繊維長2mm以上の強化繊維を含むことが好ましい。このような強化繊維を含むことにより、(A)繊維強化樹脂成形体が高い機械強度を発現できるので、複合成形体全体としても、高い機械強度の発現が可能になる。
中でも、(A)繊維強化樹脂成形体の強化繊維が連続繊維であると、特に高い機械強度の発現が可能になる。
また、(A)繊維強化樹脂成形体の強化繊維が連続繊維であり、かつ、一方向に配向されていると、連続強化繊維が配向されている特定の方向に対して特に、複合成形体が高い機械強度を発現できる。
また、本発明に係る複合成形体においては、(A)繊維強化樹脂成形体の強化繊維としては特に限定されず、炭素繊維やガラス繊維、アラミド繊維、その他の強化繊維の使用が可能であるが、特に高い機械強度の発現を目指す場合、炭素繊維を含むことが好ましい。
また、本発明に係る複合成形体においては、(B)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を積層してなる成形体は、(A)繊維強化樹脂成形体と(C)ポリエチレン系樹脂からなる成形体との接合層として介在されるものであり、(B)成形体としては、ポリアミド系樹脂層とポリエチレン系樹脂層とが予め接合された比較的薄いシート状の層として成形されることが好ましい。この(B)成形体を予め成形しておく場合のポリアミド系樹脂層とポリエチレン系樹脂層との接合は、加熱接合や加熱プレス接合により容易に行うことが可能である。両層間のより高い接合強度を得たい場合には、例えば、(B)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を積層してなる成形体が、エポキシ系樹脂接着層を介在させ、一体化させてなるものからなることが好ましい。この(B)成形体を形成するポリアミド系樹脂としては、後述する(A)繊維強化樹脂成形体におけるマトリクス樹脂としてのポリアミド系樹脂と同様のものを使用できる。
また、本発明に係る複合成形体においては、(B)中のポリエチレン系樹脂としては、エチレンを主成分とする重合体であり、エチレンの成分量が100〜70mol%のものが挙げられる。エチレンの成分量が70mol%未満であると、機械強度の低下が大きく好ましくない。使用可能な(B)中のポリエチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状短鎖分岐ポリエチレン、エチレン共重合体等が挙げられ、(A)繊維強化樹脂成形体と(C)ポリエチレン系樹脂との接合強度に優れる点で、低密度ポリエチレン、エチレン共重合体が好ましい。
また、本発明に係る複合成形体においては、(C)ポリエチレン系樹脂としては、エチレンを主成分とする重合体であり、エチレンの成分量が100〜70mol%のものが挙げられる。エチレンの成分量が70mol%未満であると、機械強度の低下が大きく好ましくない。使用可能な(C)ポリエチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状短鎖分岐ポリエチレン、エチレン共重合体等が挙げられ、プロピレン、ブチレン、ペンテンなどが挙げられるが、これらに限定されない。ポリエチレン系樹脂との密着性が良好である点から、好ましくは、高密度ポリエチレンである。
また、本発明に係る複合成形体においては、介在される(B)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を積層してなる成形体は、複合成形体の機械特性を低下させること無く(A)繊維強化樹脂成形体と(C)ポリエチレン系樹脂とを強固に接合させる観点から、(B)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を積層してなる成形体の厚みとしては、10〜200μmの範囲にあることが好ましい。さらには20μm以上がより好ましく、150μm以下がより好ましい。
本発明に係る複合成形体の製造方法は、上記のような本発明に係る複合成形体を製造するに際し、(A)繊維強化樹脂および(B)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を積層してなる成形体を型内に配置し、該型内の前記成形体周りに液状化した(C)ポリエチレン系樹脂を供給して前記成形体をインサート成形する方法からなる。
この方法においては、(C)ポリエチレン系樹脂を供給する方法として、例えば、液状化した(C)ポリエチレン系樹脂が射出成形または射出圧縮成形により型内に供給する方法を採用できる。
また、上記方法においては、(A)繊維強化樹脂成形体が、溶融させたポリアミド系樹脂が充満した含浸ダイに連続繊維を投入し、スリットダイから引き抜くことにより成形される方法が好ましく採用できる。
このように、本発明に係る複合成形体およびその製造方法によれば、(B)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を積層してなる成形体からなる層を、(A)ポリアミド系樹脂をマトリクス樹脂とする繊維強化樹脂の層と(C)ポリエチレン系樹脂からなる層との接合層として介在させることにより、これら(A)(B)(C)層が強固に接合一体化された複合成形体を得ることができ、(A)層又は(C)層の単層では実現できなかった優れた特性の複合成形体を得ることができる。とくに、(A)繊維強化樹脂の層を有することにより、複合成形体全体として他の要求特性を発揮しつつ高い機械特性の発現が可能になる。
以下に、本発明について、実施の形態とともに、さらに詳細に説明する。
本発明に係る複合成形体においては、(A)ポリアミド系樹脂をマトリクス樹脂とする繊維強化樹脂からなる繊維強化樹脂成形体、(B)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を積層してなる成形体、(C)ポリエチレン系樹脂からなる成形体がこの順に積層されている。これら各構成成分について以下に詳細に説明する。
(A)繊維強化樹脂成形体
繊維強化樹脂成形体に用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂であり、アミノカルボン酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸(それらの一対の塩も含まれる)を主たる原料とするアミド結合を主鎖内に有する重合体である。その原料の具体例として、アミノカルボン酸としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等がある。またラクタムとしてはε−カプロラクタム、ω−ウンデカノラクタム、ω−ラウロラクタム等がある。ジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン等がある。またジカルボン酸としては、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等がある。またこれらジアミンとジカルボン酸は一対の塩として用いることもできる。
ポリアミド樹脂の好ましい例としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)、ポリウンデカミド(ナイロン11)、ポリカプロアミド/ポリウンデカミドコポリマー(ナイロン6/11)、ポリドデカミド(ナイロン12)、ポリカプロアミド/ポリドデカミドコポリマー(ナイロン6/12)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)およびこれらの混合物ないし共重合体等が挙げられる。中でもナイロン6が特に好ましい。またポリアミド樹脂は単体で用いる他、もしくは2種以上を混合して用いてもよい。
次に繊維強化樹脂成形体に用いられる強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維等の無機繊維、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、アラミド繊維等の合成樹脂繊維、チタン繊維、ボロン繊維、ステンレス繊維等の金属繊維が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。強化繊維として好ましくは炭素繊維である。炭素繊維を用いることで、機械強度に優れる複合成形体を得ることができる。
特に限定されないが、本発明における一形態では、表皮材が繊維強化熱可塑性樹脂からなり、最終成形形態で構造体の表層を構成して、芯材と併せて構造体の強度を担うとともに、表層部位として構造体の剛性を支配することから、所望の方向に対して高い剛性(曲げ剛性等)を有することが好ましい。そのためには、表皮材の強化繊維が連続繊維からなることが好ましい。
また、表皮材として、強化繊維を一方向に引き揃えて熱可塑性樹脂を含浸させた表皮材を用いることができる。このような表皮材を使用すれば、比較的大型大面積の複合成形体であっても、容易に表皮材を所定の位置に配置できるようになる。またこの場合、表皮材として、強化繊維を一方向に引き揃えて熱可塑性樹脂を含浸させたテープ状基材を、積層または編み込んだ板状の表皮材からなる形態も採ることができる。このような形態を採用すれば、比較的大型大面積の構造体であっても、容易に表皮材を所定の位置に配置できるとともに、表皮材に望ましい機械特性を容易に付与できるようになる。
また、表皮材として、強化繊維織物を含む形態を採ることができる。このような形態を採用すれば、複合成形体の表面に望ましい意匠性を持たせることも可能になる。また、強化繊維織物を含むことにより、複合成形体の表層を構成する表皮材自体の機械特性をより向上することも可能になるので、構造体全体としての機械特性の向上が可能になる。
本発明で使用する、一方向に引き揃えた連続繊維強化熱可塑性樹脂からなる表皮材の製造方法は特に限定されるものではなく、例えば、溶融樹脂が充満した含浸ダイに連続繊維を投入し、スリットダイから引き抜くプルトルージョン法や、連続繊維束に熱可塑性樹脂粉体をまぶし溶融プレスするパウダー含浸法、連続強化繊維と熱可塑性繊維を混紡した繊維を板状に配置し熱プレスする方法、一方向に引き揃えた連続繊維の上下から樹脂フィルムを押し当て、樹脂を含浸せしめる方法などが挙げられる。これらの製造方法の中でも、溶融樹脂が充満した含浸ダイに連続繊維を投入し、スリットダイから引き抜くプルトルージョン法は、連続繊維内への溶融樹脂の含浸性が良く、複合成形体の強度、剛性、さらには耐熱老化性、耐温水試験後の特性が高くなるため好ましい。
(B)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を積層してなる成形体
(B)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を積層してなる成形体に用いられるポリアミド系樹脂としては(A)繊維強化樹脂成形体で用いられるポリアミド系樹脂と同様である。
上記(B)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を積層してなる成形体に用いられるポリエチレン系樹脂としては、エチレンを主成分とする重合体であり、エチレンの成分量が100〜70mol%のものが挙げられる。エチレンの成分量が70mol%未満であると、機械強度の低下が大きく好ましくない。使用可能な(C)ポリエチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状短鎖分岐ポリエチレン、エチレン共重合体等が挙げられる。(A)繊維強化樹脂成形体と(C)ポリエチレン系樹脂との接合強度に優れる点で、低密度ポリエチレン、エチレン共重合体が好ましい。また、共重合成分としては、プロピレン、ブチレン、ペンテンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
(B)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を積層してなる成形体の製造方法として下記の方法が例示される。
(イ)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を積層し、公知のドライラミネート法、押出しラミネート法などの熱溶着で一体化する手法が挙げられるが、これらの手法に限定されない。
(ロ)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を共押出し、一体化させた状態で吐出、冷却させる方法。
(C)ポリエチレン系樹脂
(C)ポリエチレン系樹脂としては、エチレンを主成分とする重合体であり、エチレンの成分量が100〜70mol%のものが挙げられる。エチレンの成分量が70mol%未満であると、機械強度の低下が大きく好ましくない。使用可能な(C)ポリエチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状短鎖分岐ポリエチレン、エチレン共重合体等が挙げられる。なかでも、機械特性等に優れ、かつ(B)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を積層してなる成形体において、ポリエチレン系樹脂との密着性が良好である点から、高密度ポリエチレン、ポリエチレン単体であることが好ましい。また、共重合成分としては、プロピレン、ブチレン、ペンテンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明においては、まず(A)繊維強化樹脂成形体+(B)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を積層してなる成形体の形態で製造し、それに(C)ポリエチレン系樹脂からなる成形体を積層して複合成形体を製造することができる。この場合、(A)繊維強化樹脂成形体+(B)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を積層してなる成形体の製造方法としては、下記の方法が例示され、この中でも(イ)が好ましい製造方法として挙げられるが、特に制限はない。
(イ)(A)に対し(B)を積層し、熱プレスで溶融、一体化する。
(ロ)(A)の製造工程において表面に溶融した(B)を塗布し冷却させる。
(ハ)(A)と(B)を共押出し、一体化させた状態で吐出、冷却させる。
また、{(A)+(B)}+(C)ポリエチレン系樹脂の製造方法としては、下記の方法が例示される。
(イ)(C)の射出成形時に(A)+(B)一体化シートもしくは独立した(A)、(B)と熱融着する。
(ロ)(C)を先に射出成形し、(A)+(B)の一体化シートを後貼りで熱融着し一体化する。
この場合、(レーザー、熱板、赤外線、摩擦撹拌、超音波、振動、スピン、マイクロ波、電磁誘導、電磁誘電)などの各種溶着手法があるが、それらに限定されるものではない。
本発明の複合成形体は、接合強度に優れているため、自動車、航空機、鉄道車両、船舶、自転車等の移動体を構成する部品類、電気、電子機器や建築材料、スポーツ用品などの構造部材等の用途において有用である。例えば、自動車部品のフード、ドアパネル、ルーフ、シート、バックドア、ドアインナー、ラジエータコアサポート、電気、電子機器のハウジングやシャーシ、ギアなどにおいて好適に使用できる。
以下に、実施例、比較例について説明する。まず、実施例、比較例で用いた物性の測定方法について説明する。
(1)曲げ評価
10mm×150mm×3.0mmの短冊状試験片に切り出し、スパン間距離80mm、曲げ速度2mm/minで短冊を押し曲げた。n=3で測定し、補強効果として曲げ強度、曲げ弾性率を測定した。
(2)耐熱老化性試験
曲げ評価用の短冊試験片を80℃雰囲気下の熱風オーブン(タバイ社製)に投入し、500時間経過後に取り出し、23℃、50%RHで24時間放置し、曲げ強度、曲げ弾性率を測定した。
(3)耐温水性評価
曲げ評価用の短冊試験片を50℃の温水に浸漬させ、500時間経過後に取り出し、水分除去した後に、23℃、50%RHで24時間放置し、曲げ強度、曲げ弾性率を測定した。
<各組成物の製造方法>
製造例1:(A)繊維強化樹脂成形体(A−1)の製造
東レ(株)製炭素繊維“トレカ”(登録商標)T700S(12K)を引き揃え、ナイロン6樹脂で充満された含浸ダイに投入した後、引き抜き成形によって、幅50mm、厚み0.28mm、連続繊維含有量50重量%の表皮材A−1を得た。
製造例2:(A)繊維強化樹脂成形体(A−2)の製造
東レ(株)製炭素繊維“トレカ”(登録商標)T700S(12K)の連続繊維束にナイロン6樹脂フィルムを溶融プレスするフィルム法により、同繊維含有量の繊維強化樹脂成形体(A−2)を作製した。
製造例3:(B) ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂とからなる成形品(B−1)の製造
ポリアミド(PA)系樹脂としてのナイロンからなるフィルム(厚み:25μm)とポリエチレン(PE)系樹脂としての低密度PE(厚み:100μm)をラミネート溶着し、一体化したフィルム成形体を得た。
(C)ポリエチレン系樹脂としては以下の樹脂を使用した。
(C−1)HZ3000B((株)プライムポリマー製、高密度PE樹脂)
<複合成形体の製造方法>
(A)繊維強化樹脂成形体(A―1)に対し、(B)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を積層してなる成形体(B―1)を重ね合わせ、プレス成形機にて240℃でプレスを実施、(A)と(B)が一体化したシート材を得た。さらに(A)と(B)が一体化したシート材を金型の可動、固定側のキャビティ内に各々(A)が金型面と接触する形でセットし、(C)ポリエチレン系樹脂(C―1:HZ3000B)をシリンダー温度220℃、金型温度80℃で射出成形し、100×150×3mmのサイズの異種材複合成形体を得た。
<実施例1>
表1に示す通り(A)繊維強化樹脂成形体A−1に対し、(B)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を積層してなる成形体B−1を用い、各シートを重ね合わせ、プレス成形機にて240℃でプレスを実施、A−1とB−1が一体化したシート材を得た。さらにA−1とB−1が一体化したシート材を金型の可動、固定側のキャビティ内に各々A−1が金型面と接触する形でセットし、(C)ポリエチレン系樹脂C−1をシリンダー温度220℃、金型設定温度80℃で射出成形し、100×150×3mmのサイズの異種材複合成形体を得た。
<実施例2>
実施例1に記載の異種材複合成形体において射出成形時の金型温度を80℃から100℃に変更した以外は実施例1と同様に射出成形し、異種材複合成形体を得た。
<実施例3>
実施例2に記載の異種材複合成形体A−1とB−1が一体化していない状態で各シート材を金型の可動、固定側のキャビティ内に各々A−1が金型面と接触する形でセットし変更した以外は実施例1と同様に射出成形し、異種材複合成形体を得た。
<実施例4>
実施例1において、繊維強化樹脂成形体A−1をA−2に変更した以外は実施例1と同様に射出成形し、複合成形体を得た。
<比較例1>
表2に示すように繊維強化樹脂成形体(A−1)を金型のキャビティ面にセットし、(C)ポリエチレン系樹脂(C−1)をシリンダー温度220℃、金型温度80℃で射出成形し、100×150×3mmのサイズの異種材複合成形体を得た。
<比較例2>
比較例1において、射出成形時の金型温度を80℃から100℃に変更した以外は比較例1と同様に射出成形し、複合成形体を得た。
表1、2に示した組成で得られた各複合成形体の物性評価結果を表3、4に示す。実施例1〜4の全てにおいて、接着層としてB−1を介在させた場合は、いずれも密着性が良好であり、曲げ評価での曲げ強度、曲げ弾性率の向上効果が大きく、さらに耐熱老化性、耐温水性試験後の曲げ評価においても曲げ強度、曲げ弾性率の極端な低下が見られず問題ないことがわかった。
一方、比較例1においては、密着性が非常に悪く、成形直後に剥離が発生しており、曲げ評価での曲げ強度、曲げ弾性率の評価が不可能となった。比較例2で金型温度を上げたが、格段効果が見られず、密着性が十分に改善されておらず、初期の曲げ評価で曲げ強度、曲げ弾性率が低く、耐熱老化性、耐温水性試験後の曲げ評価の曲げ強度、曲げ弾性率も低くなることがわかった。
Figure 0006848409
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本発明は、繊維強化樹脂成形体とポリエチレン系樹脂からなる成形体とを接合層を介して接合一体化するあらゆる複合成形体に適用可能である。

Claims (9)

  1. 以下の(A)(B)(C)がこの順に積層されてなる複合成形体。
    (A)ポリアミド系樹脂をマトリクス樹脂とする繊維強化樹脂からなる繊維強化樹脂成形体
    (B)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を積層してなり、ポリアミド系樹脂側を前記(A)繊維強化樹脂成形体側に配置してなる成形体
    (C)ポリエチレン系樹脂からなる成形体
  2. (A)繊維強化樹脂成形体のポリアミド系樹脂がナイロン6であり、(C)ポリエチレン系樹脂がポリエチレンである、請求項1に記載の複合成形体。
  3. (A)繊維強化樹脂成形体が、数平均繊維長2mm以上の強化繊維を含む、請求項1または2に記載の複合成形体。
  4. (A)繊維強化樹脂成形体の強化繊維が連続繊維である、請求項1〜3のいずれかに記載の複合成形体。
  5. (A)繊維強化樹脂成形体の強化繊維が連続繊維であり、かつ、一方向に配向されている、請求項1〜4のいずれかに記載の複合成形体。
  6. (A)繊維強化樹脂成形体の強化繊維が炭素繊維を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の複合成形体。
  7. (B)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を積層してなる成形体が、エポキシ系樹脂接着層を介在させ、一体化させてなるものからなる、請求項1〜6のいずれかに記載の複合成形体。
  8. (B)中のポリエチレン系樹脂が、低密度ポリエチレンまたはエチレン共重合体からなる、請求項1〜7のいずれかに記載の複合成形体。
  9. (B)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を積層してなる成形体の厚みが10〜150μmの範囲にある、請求項1〜8のいずれかに記載の複合成形体。
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