JP6848409B2 - 複合成形体 - Google Patents
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Description
(A)ポリアミド系樹脂をマトリクス樹脂とする繊維強化樹脂からなる繊維強化樹脂成形体
(B)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を積層してなり、ポリアミド系樹脂側を前記(A)繊維強化樹脂成形体側に配置してなる成形体
(C)ポリエチレン系樹脂からなる成形体
本発明に係る複合成形体においては、(A)ポリアミド系樹脂をマトリクス樹脂とする繊維強化樹脂からなる繊維強化樹脂成形体、(B)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を積層してなる成形体、(C)ポリエチレン系樹脂からなる成形体がこの順に積層されている。これら各構成成分について以下に詳細に説明する。
繊維強化樹脂成形体に用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂であり、アミノカルボン酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸(それらの一対の塩も含まれる)を主たる原料とするアミド結合を主鎖内に有する重合体である。その原料の具体例として、アミノカルボン酸としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等がある。またラクタムとしてはε−カプロラクタム、ω−ウンデカノラクタム、ω−ラウロラクタム等がある。ジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン等がある。またジカルボン酸としては、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等がある。またこれらジアミンとジカルボン酸は一対の塩として用いることもできる。
(B)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を積層してなる成形体に用いられるポリアミド系樹脂としては(A)繊維強化樹脂成形体で用いられるポリアミド系樹脂と同様である。
(イ)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を積層し、公知のドライラミネート法、押出しラミネート法などの熱溶着で一体化する手法が挙げられるが、これらの手法に限定されない。
(ロ)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を共押出し、一体化させた状態で吐出、冷却させる方法。
(C)ポリエチレン系樹脂としては、エチレンを主成分とする重合体であり、エチレンの成分量が100〜70mol%のものが挙げられる。エチレンの成分量が70mol%未満であると、機械強度の低下が大きく好ましくない。使用可能な(C)ポリエチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状短鎖分岐ポリエチレン、エチレン共重合体等が挙げられる。なかでも、機械特性等に優れ、かつ(B)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を積層してなる成形体において、ポリエチレン系樹脂との密着性が良好である点から、高密度ポリエチレン、ポリエチレン単体であることが好ましい。また、共重合成分としては、プロピレン、ブチレン、ペンテンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
(イ)(A)に対し(B)を積層し、熱プレスで溶融、一体化する。
(ロ)(A)の製造工程において表面に溶融した(B)を塗布し冷却させる。
(ハ)(A)と(B)を共押出し、一体化させた状態で吐出、冷却させる。
(イ)(C)の射出成形時に(A)+(B)一体化シートもしくは独立した(A)、(B)と熱融着する。
(ロ)(C)を先に射出成形し、(A)+(B)の一体化シートを後貼りで熱融着し一体化する。
この場合、(レーザー、熱板、赤外線、摩擦撹拌、超音波、振動、スピン、マイクロ波、電磁誘導、電磁誘電)などの各種溶着手法があるが、それらに限定されるものではない。
10mm×150mm×3.0mmの短冊状試験片に切り出し、スパン間距離80mm、曲げ速度2mm/minで短冊を押し曲げた。n=3で測定し、補強効果として曲げ強度、曲げ弾性率を測定した。
曲げ評価用の短冊試験片を80℃雰囲気下の熱風オーブン(タバイ社製)に投入し、500時間経過後に取り出し、23℃、50%RHで24時間放置し、曲げ強度、曲げ弾性率を測定した。
曲げ評価用の短冊試験片を50℃の温水に浸漬させ、500時間経過後に取り出し、水分除去した後に、23℃、50%RHで24時間放置し、曲げ強度、曲げ弾性率を測定した。
製造例1:(A)繊維強化樹脂成形体(A−1)の製造
東レ(株)製炭素繊維“トレカ”(登録商標)T700S(12K)を引き揃え、ナイロン6樹脂で充満された含浸ダイに投入した後、引き抜き成形によって、幅50mm、厚み0.28mm、連続繊維含有量50重量%の表皮材A−1を得た。
東レ(株)製炭素繊維“トレカ”(登録商標)T700S(12K)の連続繊維束にナイロン6樹脂フィルムを溶融プレスするフィルム法により、同繊維含有量の繊維強化樹脂成形体(A−2)を作製した。
ポリアミド(PA)系樹脂としてのナイロンからなるフィルム(厚み:25μm)とポリエチレン(PE)系樹脂としての低密度PE(厚み:100μm)をラミネート溶着し、一体化したフィルム成形体を得た。
(C−1)HZ3000B((株)プライムポリマー製、高密度PE樹脂)
(A)繊維強化樹脂成形体(A―1)に対し、(B)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を積層してなる成形体(B―1)を重ね合わせ、プレス成形機にて240℃でプレスを実施、(A)と(B)が一体化したシート材を得た。さらに(A)と(B)が一体化したシート材を金型の可動、固定側のキャビティ内に各々(A)が金型面と接触する形でセットし、(C)ポリエチレン系樹脂(C―1:HZ3000B)をシリンダー温度220℃、金型温度80℃で射出成形し、100×150×3mmのサイズの異種材複合成形体を得た。
表1に示す通り(A)繊維強化樹脂成形体A−1に対し、(B)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を積層してなる成形体B−1を用い、各シートを重ね合わせ、プレス成形機にて240℃でプレスを実施、A−1とB−1が一体化したシート材を得た。さらにA−1とB−1が一体化したシート材を金型の可動、固定側のキャビティ内に各々A−1が金型面と接触する形でセットし、(C)ポリエチレン系樹脂C−1をシリンダー温度220℃、金型設定温度80℃で射出成形し、100×150×3mmのサイズの異種材複合成形体を得た。
実施例1に記載の異種材複合成形体において射出成形時の金型温度を80℃から100℃に変更した以外は実施例1と同様に射出成形し、異種材複合成形体を得た。
実施例2に記載の異種材複合成形体A−1とB−1が一体化していない状態で各シート材を金型の可動、固定側のキャビティ内に各々A−1が金型面と接触する形でセットし変更した以外は実施例1と同様に射出成形し、異種材複合成形体を得た。
実施例1において、繊維強化樹脂成形体A−1をA−2に変更した以外は実施例1と同様に射出成形し、複合成形体を得た。
表2に示すように繊維強化樹脂成形体(A−1)を金型のキャビティ面にセットし、(C)ポリエチレン系樹脂(C−1)をシリンダー温度220℃、金型温度80℃で射出成形し、100×150×3mmのサイズの異種材複合成形体を得た。
比較例1において、射出成形時の金型温度を80℃から100℃に変更した以外は比較例1と同様に射出成形し、複合成形体を得た。
Claims (9)
- 以下の(A)(B)(C)がこの順に積層されてなる複合成形体。
(A)ポリアミド系樹脂をマトリクス樹脂とする繊維強化樹脂からなる繊維強化樹脂成形体
(B)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を積層してなり、ポリアミド系樹脂側を前記(A)繊維強化樹脂成形体側に配置してなる成形体
(C)ポリエチレン系樹脂からなる成形体 - (A)繊維強化樹脂成形体のポリアミド系樹脂がナイロン6であり、(C)ポリエチレン系樹脂がポリエチレンである、請求項1に記載の複合成形体。
- (A)繊維強化樹脂成形体が、数平均繊維長2mm以上の強化繊維を含む、請求項1または2に記載の複合成形体。
- (A)繊維強化樹脂成形体の強化繊維が連続繊維である、請求項1〜3のいずれかに記載の複合成形体。
- (A)繊維強化樹脂成形体の強化繊維が連続繊維であり、かつ、一方向に配向されている、請求項1〜4のいずれかに記載の複合成形体。
- (A)繊維強化樹脂成形体の強化繊維が炭素繊維を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の複合成形体。
- (B)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を積層してなる成形体が、エポキシ系樹脂接着層を介在させ、一体化させてなるものからなる、請求項1〜6のいずれかに記載の複合成形体。
- (B)中のポリエチレン系樹脂が、低密度ポリエチレンまたはエチレン共重合体からなる、請求項1〜7のいずれかに記載の複合成形体。
- (B)ポリアミド系樹脂とポリエチレン系樹脂を積層してなる成形体の厚みが10〜150μmの範囲にある、請求項1〜8のいずれかに記載の複合成形体。
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